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脳出血を発症した場合、その後の再発防止にも努めなければいけません。再発すると重い後遺症を残す可能性が高まるため、適切な再発予防策を講じる必要があります。 本記事では、脳出血の再発防止で重要な取り組みや生活習慣の改善方法について解説します。 この記事を読むとわかること 脳出血を予防するために重要なこと 脳出血を予防する生活習慣 血圧の正しい測り方 普段の生活を見直すだけでも、再発の可能性は格段に下がります。ぜひご自身の生活を振り返りながらご覧ください。 脳出血の再発を予防する!そのために欠かせない2つのこと 脳出血を予防するためには、日常生活で2つのことに気を付けなければいけません。 血圧管理 定期検査での早期発見 以上の2つのポイントについて詳しく解説します。 脳出血になった経験がある方は、ぜひこれからの生活で取り組んでみてください。 脳出血の再発を予防するには血圧管理が重要 高血圧が原因で引きおこる脳出血は患者全体の約9割を占めます。 脳出血は脳内の血管に負担がかかって引きおこるため、再発を防止するには血圧の管理が重要です。 脳出血を起こしたことがある方は家庭血圧で115/75mmHg未満※が推奨されています。 ※出典:厚生労働省「生活習慣病」 生活習慣だけで高血圧を改善できない場合、薬を飲んで血圧を下げるケースもあります。 定期検査で早期発見に取り組む 脳出血の再発を防止するには、定期的に検査を受け、医師の診断を受けることが大切です。 CTやMRIを受けることで、脳の血管や組織の異常を詳しく確認することができます。異常が早期に発見できれば、再発を未然に防ぐことが期待できます。 CT、MRIのほかに頸動脈エコーも脳出血予防に効果的な検査です。 血圧を下げる生活習慣の改善方法 脳出血を予防するには、血圧が高くならないように生活習慣を改善するのが効果的です。 血圧を下げる生活習慣の改善法 食生活を改善する 運動を習慣化する 禁煙する アルコール摂取量を減らす 脳出血を発症したことがある方は生活を見直し、再発予防に努めましょう。 食生活を改善する 塩分・脂質の摂りすぎは、血圧上昇につながります。普段の食事では、減塩に取り組みましょう。 一般的には目標摂取量は成人男性1日あたり7.5g未満、成人女性1日あたり6.5g未満ですが、高血圧予防の観点からは男女ともに1日6.0g未満が推奨されています。 また、果物や緑黄色野菜を積極的に摂り、カリウムの摂取を心掛けてください。カリウムは塩分の排出を助け、高血圧や動脈硬化の予防に役立ちます。 また、魚介・ナッツ類、アマニ油や大豆油は体内の脂質のバランスを整える働きがあります。これらの食品を日々の食事に取り入ることで、血圧管理に役立つだけでなく、全身の健康維持にもつながります。 運動を習慣化する 定期的に運動を行うことで、血圧を下げる効果が期待できます。 筋トレよりも有酸素運動が好ましく、週に2~3回、1日30分程度のウォーキングで脳出血予防に効果があります。 ただし、運動のやりすぎは体に負担をかけてしまいます。運動の頻度は医師と相談し、無理のない範囲で行いましょう。 禁煙する タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、血圧を上昇させる恐れがあります。 禁煙すると脳の収縮が抑えられるため、脳出血のリスクが減少します。脳出血を発症したことがある喫煙者は、まず禁煙しましょう。 禁煙が難しい方は依存症の可能性があるので、禁煙外来などで医師の指導を受けてください。 アルコール摂取量を減らす アルコールは血圧を上昇させる作用があるので、血圧をコントロールするためにもアルコール摂取量を減らしましょう。 また、アルコールは利尿作用があります。水分が足りなくなると脳の血流が悪くなり、血栓ができやすくなる点にも注意が必要です。 1日のアルコール摂取量は20g※までに控えましょう。 ※出典:厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」 アルコール20gをビールや日本酒などに換算すると以下の量になります。 ビール 500ml 日本酒 180ml チューハイ 350ml ワイン 200ml 焼酎 100ml ウイスキー 60ml 女性は上記の半分が適量です。 血圧の正常値と正しい測り方 脳出血の再発予防のためには、家庭血圧で115/75mmHg未満※にコントロールする必要があります。 ※出典:厚生労働省「生活習慣病」 正しい血圧の測り方 毎日朝と夜2回、できるだけ同じ時間に測る リラックスして椅子に座り、背筋を伸ばした状態で測る 寝ている場合は仰向けになって腕を伸ばし、手のひらを上に向けて測る 毎回同じ腕で測る。原則、利き腕とは反対側 カフ(腕帯)は肘から1~2cm上、腕帯のチューブが手のひら側になるよう巻き付ける 血圧を測るのに適した時間帯は以下の通りです。 朝 起床後1時間以内、排尿後、朝食・服薬の前 夜 就寝前 以上のように、血圧を測る場合は細かく姿勢や時間帯が決まっています。 毎日測定し、正常値の血圧を維持できるようにしましょう。 脳出血の再発を予防しなければならない理由 脳出血の再発は、命の危険性だけでなく、その後の生活の質にも大きな影響を与えます。 以下の2つの理由で、脳出血は再発防止が重要です。 脳出血の再発を予防しなければならない理由 以前よりも後遺症が重くなる 新たな後遺症を発症する可能性がある また、同じ場所で再出血した場合多くの部位が損傷し、神経症状が出現するケースもあります。 脳出血の再発により高次機能障害を発症するおそれもありますので、再発防止に尽力しなければいけません。 脳出血の再発に関してよくある質問 脳出血の再発防止に取り組む方からのよくある質問を紹介します。 脳出血を再発するときの前兆やリスクが高い方の特徴について解説します。 脳出血の再発の前兆は? 脳出血発生時の前兆としては、頭痛やめまい、視覚障害などの症状が起こります。 頭痛は片頭痛などとは違い、突然強い痛みが発生します。また、普段と違う激しいめまいがあった場合は、脳出血の前兆である可能性が高いです。 視覚障害は、一部が欠けて見える、視界がぼやけるなどの特徴があります。 以上の症状が起こった場合は、すぐに病院を受診してください。 脳出血の再発率は? 脳出血は再発率が高く、初回発症後1年以内で約10%、初回発症後10年間の累積で約55%※ほどが発症すると言われています。 ※出典:PubMed「Ten year recurrence after first ever stroke in a Japanese community: the Hisayama study」 つまり、約半分の方が10年以内に再発していることになります。 再発防止のために、自身の生活を見直しましょう。 脳出血の再発リスクが高い人の特徴は? 脳出血の再発リスクが高い方には以下の特徴があります。 高血圧・糖尿病の人 飲酒・喫煙の習慣がある人 運動の習慣がない人 食生活が乱れている人 食生活の改善はすぐにできます。野菜や果物・魚中心の食事に切り替え、健康的な生活を送りましょう。 また、運動はウォーキングを30分、週2回ほどで効果が期待できます。自身の体力や体調を考えながら無理のない範囲で運動の習慣を作りましょう。 脳出血を再発しないためにも最適な治療法を選択しよう 脳出血の再発を予防するには、生活習慣の改善や血圧の管理が大切ですが、治療としては再生医療が注目されています。 再生医療では幹細胞を用いた治療を行います。幹細胞治療には、傷跡がほぼ残らない、拒絶反応のリスクが低いなどの利点があります。従来の手術より患者の身体への負担が少ない方法として期待されています。 再生医療を希望する場合には、当院へお気軽にご相談ください。
2021.08.06 -
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体には運動神経という神経があり、この運動神経が正しく働いていると手足を思うように動かすことができます。 しかし、脳出血によって運動神経に障害が起きると体に麻痺が生じます。 脳出血が頭の左側で起きると右半身麻痺の症状が生じ、右側で起きると左半身麻痺が生じます。この麻痺を改善していくためにはリハビリが重要です。 本記事では「脳出血後の右半身麻痺を回復させるためのリハビリの重要性」について詳しく解説していきます。 脳出血による右半身麻痺の早期回復を目指すための「再生医療」についても解説しています。 リハビリの重要性と治療方法を理解して、脳出血の後遺症を回復させるための参考にしてください。 脳出血による右半身麻痺は「運動障害」の一つ 脳出血後、脳の細胞がダメージを受けたことで後遺症が残ることもあり、右半身麻痺の症状は「運動障害」の一つです。 運動障害の症状の重さは、脳出血が生じた部位によって異なります。 名称 主な症状 完全麻痺 損傷した部位の運動機能が完全に失われて、感覚がなくなっている状態 不全麻痺 手足などの一部または全身が自分の意のままに動かせなくなっているが、手足の動きや感覚がわずかに残っている状態 痙縮(けいしゅく) 筋肉が過剰に緊張した状態になり、手足が動かしにくかったり、勝手に動いてしまったりする 不随意運動 手足などの一部または全身が自分の意思とは関係なく勝手に動いてしまう 運動失調 麻痺はないが、手や足などの複数の部位を強調して動かせない状態 また、脳出血後の後遺症は「運動障害」以外に触覚や痛覚が鈍くなってしまう「感覚障害」などさまざまな症状があります。 後遺症によって日常生活に影響が出ることも多いため、脳出血後の症状や適切な治療方法を知っておくことが重要です。 脳出血で半身麻痺・片麻痺が起きる原因は? 脳出血で半身麻痺・片麻痺は右脳と左脳のどちらかが障害を受けた場合に発症します。 右脳は左半身の運動機能につながっており、左脳は右半身の運動機能につながっています。 右脳に障害が起きた場合左半身に、左脳に障害が起きた場合、右半身に麻痺症状がみられますが、これは脳から身体につながる神経が延髄で反対側に交差しているためです。 脳出血による右半身麻痺の回復にはリハビリが重要 脳出血によって半身麻痺の後遺症が残ってしまった場合、早期のリハビリがとても重要です。 一般的に脳出血の発症から6ヶ月後までは、ダメージを受けた脳の神経ネットワークが再構築すると考えられており、特に最初の3ヶ月間が最も回復が著しいとされています。 6ヶ月以降もリハビリテーションによって改善が見られることはありますが、時間が経過すると回復の速度は緩やかになる傾向があります。 「回復期」と呼ばれる半身麻痺発症3~6ヶ月までの期間で、脳の機能回復をできる限り引き出すためにリハビリを積極的に行うことが重要です。 リハビリは患者本人だけでなく、家族の理解やサポートも大切なポイントです。 理学療法 脳出血のリハビリにおいて、理学療法の役割は主に、身体の基本的な動作能力を回復と維持です。さらに障害の悪化を防ぐために運動療法や、物理療法を行います。 身体の基本動作のリハビリでは、立つ、座る、歩く、寝るといった動作能力を行いますが、これらの基本動作を行う前に電気や温熱などの物理的手段を用いて、筋肉や関節のマッサージを行います。 特に急性期のリハビリテーションにおいて、重要な役割を果たすのが理学療法です。 作業療法 作業療法は日常生活において必要となる食事や洗顔・入浴などの応用的動作から、社会活動への参加、就学・就労支援による社会的適応能力の改善・維持を目的としています。 具体的には箸を持つ動作や手洗い、服を着るといった動作のリハビリテーションにより、元の日常生活に戻れる支援を行います。 特に回復期のリハビリテーションにおいて、作業療法は重要です。 言語療法 言語療法の主な目的は、話す、聴く、書く、読むといった言語力を向上させることや、安全に食事ができるような姿勢を取り戻すことです。 また、聞き取りやすい発話を行えるようにジェスチャーなどを用いて口や舌を動かすコミュニケーションや、集中力、記憶力、思考力の練習も行います。 【時期別】右半身麻痺の回復に必要なリハビリテーション内容 脳出血による右半身麻痺の回復に必要なリハビリ内容を「急性期」「回復期」「維持期」の3つの時期別に解説します。 急性期に行うリハビリ 回復期に行うリハビリ 維持期に行うリハビリ 早期に回復するためにも、それぞれの時期別に適したリハビリを行いましょう。 急性期に行うリハビリ 脳出血の発症から2〜3週間の「急性期」に行う主なリハビリは、以下の通りです。 麻痺した手足の関節をストレッチする ベッドから起き上がる 寝返りを打つ 急性期は特に危険な状態になりやすいので、安静にしている治療期間の体力低下を抑えることをリハビリの目的としています。 主に関節が硬くならないようにストレッチやベッド周辺でできるリハビリを中心に行います。 回復期に行うリハビリ 急性期から発症後6ヶ月までの「回復期」に行う主なリハビリは、以下の通りです。 自力で立つ、座るなどの「基本動作訓練」 杖や歩行器を用いた「歩行訓練」 食事やトイレなどの「日常動作訓練」 回復期のリハビリは、在宅復帰や社会復帰を目指して、さまざまな機能回復を目的としています。 主に自力で立つ、座るなどの基本的な動作や食事やトイレなどの日常生活に欠かせない動作を中心に行います。 維持期に行うリハビリ 一度症状が回復し、退院後の「維持期」に行う主なリハビリは、以下の通りです。 麻痺した側の手足を動かす、ストレッチする 散歩などの軽い運動 症状が回復した機能も何もしないでいると機能低下が進むため、機能維持のためにリハビリをする必要があります。 麻痺した側を積極的に動かすことも重要ですが、麻痺していない側も注意が必要です。 右脳と左脳でバランスを保っているため、意識せずとも麻痺してできないことを麻痺していない側の身体が補おうとして大きな負荷がかかります。 維持期のリハビリは、全身の機能維持を意識することが重要です。 脳出血による右半身麻痺には「再生医療」という選択肢もある 脳出血による右半身麻痺の後遺症には、再生医療という選択肢があります。 再生医療は、患者さま自身の幹細胞を利用する治療法の一つです。幹細胞を採取・培養したうえで体内に戻すことで、特定の疾患や症状に対するアプローチを行います。 再生医療を受けるかどうかは、治療の内容や手続きについて十分に理解したうえで判断することが大切です。 当院「リペアセルクリニック」では、脳出血の後遺症に対する治療として再生医療を提供しています。 詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。 【まとめ】脳出血による右半身麻痺の早期回復を目指すかたは再生医療をご検討ください 脳出血による右半身麻痺を回復させる方法について解説しました。 一般的に脳出血の発症から6ヶ月後までは、ダメージを受けた脳の神経ネットワークが再構築すると考えられており、症状が回復する見込みがあります。 そのため「回復期」と呼ばれる発症から6ヶ月の時期に機能回復のためのリハビリが重要です。 また、脳出血による後遺症の早期回復を目指すなら「再生医療」による脳の再生治療を検討しましょう。 脳出血による半身麻痺や後遺症は、早い段階で再生医療を行うことにより改善が期待できるため、気になる方は当院(リペアセルクリニック)へご相談ください。
2021.08.06 -
- 脳梗塞
- 脳卒中
脳梗塞の後遺症・しびれに悩まされている方も多いのではないでしょうか。しびれは生活への影響が大きい後遺症のひとつです。 本記事では、脳梗塞の症状であるしびれを発症するメカニズムや治療方法を解説しています。 この記事を読むとわかること 脳梗塞によってしびれを発症するメカニズム 脳梗塞によるしびれと他の原因によるしびれの見分け方 脳梗塞の後遺症によるしびれの治療法 現在、しびれにお悩みの方はぜひご一読ください。 脳梗塞の症状はリハビリによって改善が見込めます。治療方法についても紹介するので日常生活が不自由なく送れるようになることを目指しましょう。 脳梗塞によってしびれを発症するメカニズムとは 脳梗塞によるしびれは、脳内の感覚を司る領域、特に視床や体性感覚野が損傷を受けることで発生します。 これらの部位が障害されると、感覚情報の伝達や処理が正常に行われなくなり、実際には刺激がないにもかかわらず、ビリビリとしたしびれや異常な感覚が生じます。 一方、しびれがない脳梗塞の場合、損傷が運動機能や他の認知機能を司る領域に限定され、感覚を担当する領域が影響を受けていない可能性があります。 その結果、しびれの症状は現れず、代わりに運動麻痺や言語障害など、他の症状が主に現れることがあります。 つまり、脳梗塞によるしびれの有無は、損傷部位の違いによって決まります。 感覚を司る領域が損傷されるとしびれが生じ、これらの領域が無事であれば、しびれは発生しないと考えられます。 脳梗塞”しびれ”の原因 人が感覚を感じる仕組み 皮膚のセンサー「触覚受容器」を通して感覚を感じ取る 感覚神経を通して脊髄を通り、脳の視床を通過 体性感覚野に到達 情報を受け取り感触を認識 皮膚や感覚神経が正しく働いていても、脳梗塞によって視床や感覚神経、体性感覚野に障害があると情報を正しく伝達できなくなります※。 ※参考:脳梗塞の後遺症“しびれ”の原因とは?生活への影響とその治療方法について医師が解説します。 神経や感覚野に異常があると、何も触っていなくてもしびれの症状が出るのです。 脳梗塞の際に視床・感覚神経・体性感覚野が損傷していなければ、しびれは発症しません。 運動障害 脳梗塞による麻痺で身体を動かさなくなると、動かさなくなった部分の筋肉が硬くなり血管も収縮してしまいます。 血管が収縮すると血液の流れが悪くなり、その状態が続くとしびれが生じるようになります。 感覚障害 脳梗塞によって感覚を司る脳神経が損傷すると、体の感覚に対する情報がうまく処理できなくなります。 それにより、触っている感覚がよくわからない、手足のしびれ、不快な刺激を感じるなどの症状が出るのです。 脳梗塞によるしびれと他の原因によるしびれの見分け方 下記の症状に当てはまる場合は、脳梗塞によるしびれの可能性があります。 片方だけ手足がしびれる 手に力が入らない ろれつが回らない 反応が遅くなる 視野が半分欠けている 脳梗塞によるしびれは、通常、体の片側(顔・腕・足)が同時にしびれることが特徴です。また、言語障害や片側の筋力低下、視野欠損などの症状を伴うことが多く、突然発症します。 一方、他の原因によるしびれは、特定の部位に限られることが多く、徐々に進行する場合や、一定の動作や姿勢で悪化する場合があります。 脳梗塞の後遺症「しびれ」による生活への影響とは 脳梗塞の後遺症でしびれを発症すると、以下のような生活への影響があります。 外出がおっくうになる 人とのコミュニケーションをしなくなる 介助のときに触られるとしびれる 細かい作業ができなくなる 活動量が低下すると気分もふさぎ込みがちになり、鬱にもなりやすくなってしまいます。 また、しびれによる不快感によって慢性的な睡眠不足になってしまうほか、顔面のしびれによる食欲不振、場合によってはリハビリに影響を及ぼすこともあります。 脳梗塞の後遺症によるしびれの治療法 脳梗塞の後遺症によるしびれの治療法は主に以下の5つです。 薬物療法 リハビリテーション 電気刺激による脳外科的療法 温熱療法 再生医療 5つの治療法について詳しく解説します。 薬物療法 薬物療法では以下の薬を処方されます。 鎮痛剤 抗うつ剤 漢方薬 薬物療法は、症状そのものを抑えることを目的としており、しびれの原因そのものを治す治療法ではありません。薬の効果で一時的に症状が和らぐ場合でも、根本的な改善にはつながらない点に注意が必要です。 リハビリテーション リハビリテーションではマッサージや関節可動域を広げる訓練を行います。 マッサージは筋肉をほぐし、血流を改善して痛みを軽減するのが目的です。また、関節の可動域を広げると、日常生活が楽になります。 電気刺激による脳外科的療法 電気刺激(しびれ同調TEN)は実際に起きているしびれと同じ強さ・周波数の電気刺激を流す治療方法です。 電気刺激を行った後も治療効果が続き、しびれ以外の感覚障害も治療できる特徴があります。後遺症によるしびれに対して効果が期待される新たな期待されています。 温熱療法 手足が冷たくなり血行が悪くなるとしびれが強くなるケースが多いため、ホットパックや温浴を用いた治療法があります。 しびれそのものに対する効果は人によって差があり、温熱療法の効果は一時的です。持続的な改善には他の治療法を併用する必要があります。 再生医療 再生医療は脳梗塞による後遺症の回復や再発予防に大きな可能性を持つ治療法です。 患者自身の細胞や組織を利用した治療法のため、拒否反応が起こる可能性が低く身体への負担が少ないのが利点です。 また、しびれ以外の後遺症の改善も期待できます。 まとめ・脳梗塞の後遺症”しびれ”の原因は?生活への影響とその治療法 しびれを発症すると食事や歩行などの日常生活にも影響を与えます。発症以前のような生活を送ることが困難になり、気分が落ち込むケースも見られます。 電気刺激と再生医療は効果が長く続くため、しびれを治療したい方はどちらを受けるか検討してください。再生医療によってしびれや麻痺による痛みの軽減が期待できます。 再生医療を検討している方は、当院にお問い合わせください。
2021.08.06 -
- 脳卒中
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脳出血後には、後遺症によって全身や手足のしびれに悩まされるケースがあります。 身体のしびれは日常生活にも大きな影響を及ぼすため、どの程度回復するのか気になるのではないでしょうか。 本記事では、しびれの回復期間や原因、治療法についてご紹介します。 ぜひ、最後までご覧いただき、どの治療を受けるのか検討してください。 脳出血後のしびれ(麻痺)の回復期間には個人差がある 脳出血のしびれ(麻痺)の回復期間は、後遺症の種類や重症度、リハビリの量や質、全身の状態によって個人差があります。 発症後は早期にリハビリを開始することが大切です。 しびれの回復には脳の可塑性(かそせい)が関係している 脳出血後の「しびれ」の回復に大きく関わるのが脳の可塑性です。 脳の可塑性とは、脳の損傷した細胞の代わりを正常な脳細胞が代替し、失った神経の経路に代わる新たな経路を形成したりする性質のことです。 脳の可塑性を利用して神経細胞を適切に刺激すると、脳出血の後遺症からの回復が見込まれます。 回復の効果を促進するためにも、脳出血治療後からリハビリを行うことが重要です。 脳出血後の「しびれ」について 脳出血後のしびれは日常生活にも影響を及ぼします。 適切なリハビリによってしびれや麻痺の回復が期待できる場合もあります。 しびれ(麻痺)の原因 脳出血によって、感覚を司る「視床」や思考や記憶を司る「大脳皮質」が損傷すると、感覚の伝達に障害が発生してしびれや麻痺を発症します。 体のしびれや麻痺の症状が重い場合、日常生活がままならなくなり、鬱状態を引き起こすケースもある後遺症です。 適切な治療とリハビリを行うことで改善が期待できますが、回復までに時間を要する場合があります。 しびれの種類 脳出血後の「しびれ」には、損傷した箇所によって2つの種類にわけられます。 中枢系 脳や脊髄の損傷によって生じる 感覚の鈍さや持続的な痛み 末梢系 手足の末梢神経 ピリピリ、ビリビリした感覚 それぞれのしびれには、症状に応じた治療やリハビリが必要です。 脳出血後のしびれ(麻痺)に対する治療方法 リハビリ以外にも脳出血後のしびれを緩和する方法があります。 薬物療法 薬物療法で処方される薬は主に3つあります。 鎮痛剤 しびれだけでなく痛みもある時に使用 抗うつ剤 しびれにより落ち込みが大きく生活に支障がある場合に使用 漢方薬 しびれの部位に合わせて処方される場合あり 薬物療法は痛みなどを抑えることが目的で、しびれそのものを根本的に治療することはできません。 電気神経刺激 電気神経刺激(しびれ同調TENS)は、しびれと同じ周波数・強さの電気刺激を流してしびれや感覚障害を改善させる治療法です。 効果が持続し、ほかの感覚障害の改善も見られるため、新たな治療法として期待されています。 再生医療 再生医療は、患者さま自身の細胞や組織を利用して損傷した部位を治療します。 自身の組織を用いるため、拒絶反応や副作用のリスクが少なく安全性が高いと注目されている治療方法です。 今まで死んでしまった脳細胞は戻らないとされていました。 しかし、再生医療では体の細胞が持つ再生力を利用することで、脳細胞の再生が期待できます。 効果に個人差はありますが、しびれ(後遺症)の回復やリハビリ効果を高められます。 再生医療による脳出血後の後遺症治療は、ぜひ当院へご相談ください。 脳出血後のしびれ(麻痺)に対するリハビリテーション 脳出血後の生活期のしびれに対するリハビリでは、日常動作を支援します。 脳出血後のしびれに対するリハビリは早期に始めることが重要です。リハビリが遅れると回復までに時間がかかる可能性があります。 脳出血後のリハビリの目的はADLの向上 脳出血後のリハビリの目的は機能回復だけでなく、残された能力を最大限に活用し、生活の質を向上させる目的もあります。 ADL(日常生活動作)の改善により、回復するまでの生活の負担を軽減し、長期的な後遺症にも備えます。 脳出血のしびれ(麻痺)と回復に関するQ&A 脳出血の後遺症”しびれ”に関するよくある質問を紹介します。 しびれからの回復期間や、しびれを発症した方の回復率について回答しています。 脳出血によるしびれ(麻痺)からはいつまでに回復するの? 最も機能が回復しやすい時期は発症してから3~6カ月の回復期です。 脳の可塑性を活かしたリハビリを継続するとより良い回復が期待できます。ただし、個人の症状やリハビリの内容によって回復の程度や期間が異なります。 脳出血後によるしびれ(麻痺)からの回復率は? 2022年のデータによると、自宅に戻れた人は約26%、リハビリ目的の施設へ移行した人は約68%です。 脳出血後の回復率は、症状の重さやリハビリの開始時期によって異なります。 重度のしびれは長期的なケアが必要なケースもありますが、リハビリの開始が早いほど回復率が上がります。 脳出血後のしびれ(麻痺)や言語障害の緩和には早期のリハビリが鍵 脳出血後のしびれの回復期間や治療法について紹介しました。 しびれ(麻痺)の回復期間には個人差はありますが、発症後早期のリハビリが重要です。体調や症状を鑑みながら、無理のない範囲でリハビリを行いましょう。 脳出血後のしびれ(麻痺)を緩和させたい場合、リハビリと併用して再生医療を受けるのがおすすめです。 当院(リペアセルクリニック)で提供している再生医療は厚生労働省に受理された治療方法で、しびれを含む脳卒中の後遺症の改善や再発予防にも役立ちます。 再生医療を検討している方は、当院へお問い合わせください。
2021.08.06 -
- 脳卒中
くも膜下出血は後遺症が出ることが多く、本人はもとより、家族もつらい思いをすることが少なくありません。 家族(患者)の幸せを願い懸命に看病することはとても素晴らしいことです。そのため、「家族である自分たちができることは何か」と考えをめぐらせる方もいらっしゃるでしょう。 そこで本記事では、くも膜下出血になってしまった家族に対して、残された家族ができることについて紹介します。 お悩みの方はぜひ最後までご覧ください。 くも膜下出血になった家族に対してできること くも膜下出血を発症した家族のためにできることはいくつかあります。 家族にできることまとめ 再発した場合の早期発見 介護保険など支援サービスの申請 転倒防止のための工夫 食事や喫煙・飲酒などの管理 定期的な会話 再発防止や日常生活のサポートなど、具体的な行動について紹介していきます。 再発した場合の早期発見 くも膜下出血は、治療後も再発する可能性がある病です。そのため家族だからできる重要なことは、再発した場合の早期発見です。 くも膜下出血は早期発見が非常に大切です。そのためには本人だけでなく、周りの家族も変調にいち早く気づけるかがその後のカギを握ります。 早急に医療機関を受診すべきケース 顔や手足に麻痺がみられる 呂律が回っていない こちらが言っていることを理解できていない 日頃から再発を意識して、注意深く観察する習慣を身につけましょう。また、医療機関を受診した際に、調子の良し悪しを詳細に医師へ伝えることでその後の治療に役立ちます。 顔や手足に麻痺がみられる・呂律が回っていない・こちらが言っていることを理解できていないなどの症状が見られた場合は、早急に医療機関を受診しましょう。 介護保険など支援サービスの申請 くも膜下出血を発症した場合、働けない分の給料を保証してくれたり保険範囲内の医療費が一部払い戻されたりする制度などが使用できる場合があります。また、介護保険制度を活用すれば、必要な介護サービスを受けられます。 くも膜下出血を発症した方が利用できるサービスを下記にまとめました。 くも膜下出血を発症した方が利用できるサービス 高額療養費制度※ ※参照:全国健康保険協会「高額な医療費を支払ったとき(高額療養費)」 介護保険※ ※参照:厚生労働省「介護保険制度の概要」 傷病手当金※ ※参照:全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」 障害年金※ ※参照:日本年金機構「障害年金」 自立支援医療制度※ ※参照:厚生労働省「自立支援医療制度の概要」 くも膜下出血を発症した本人がひとりで申請するのは難しい場合は、家族が申請をサポートしましょう。 高額療養費制度 高額療養費制度とは、1日から月末までに支払った医療費が自己負担額を超えた場合、払い戻される制度です。 医療費は保険診療の範囲内なので、くも膜下出血による診療代や検査料が対象です。一方で、差額のベッド代や先進医療の費用、食事代は対象ではありません。 自動で払い戻しはされないので、申請が必要です。国民健康保険の場合は各市区町村の窓口に問い合わせてみてください。 介護保険 介護保険とは、介護が必要な方にサービスを提供する制度で、訪問介護や福祉用具の貸与、施設の入所などさまざまです。 くも膜下出血による後遺症で介護が必要な場合は40歳から利用できます。しかし、利用には介護保険の申請や介護度の認定が必要で、認定のないまま介護サービスを利用すると全額が自己負担となります。 介護保険の申請からサービスの開始まで時間がかかる場合があるため、早めの申請がおすすめです。 傷病手当金 病床手当金とは、くも膜下出血による入院や治療で働けない場合、月給のおよそ2/3程度の金額を保証してくれる制度です。支給には4つの条件がありすべてに当てはまっている方が対象です。 傷病手当を受けられる条件を下記にまとめました。 傷病手当を受けられる条件 業務外の病気やケガで治療を受けている 病気やケガが原因で働けない 4日以上仕事を休んでいる 休んでいる期間、給与の支払いがない 該当している方は、加入している保険組合や協会けんぽから申請書を取り寄せておきましょう。 障害年金 障害年金は、くも膜下出血による後遺症によって労働や日常の生活が制限される場合に国から支給されます。受給に障碍者手帳の有無は問いませんが、書類による審査が必要です。 障害年金は2種類あり、くも膜下出血の発症で初めて診療を受けたときに加入していた年金によって請求できる障害年金が異なります。 障害年金の種類 障害基礎年金・・・国民年金に加入していた場合 障害厚生年金・・・厚生年金に加入していた場合 申請の際は、近くの年金事務所に問い合わせてみましょう。 自立支援医療制度 くも膜下出血による後遺症で怒りっぽくなったり、ぼんやりしてしまったりする高次脳機能障害にお悩みの方は自立支援医療制度を活用してみましょう。 自立支援医療制度とは、高次機能障害を治療するための医療費が1割の負担まで軽減される制度です。通院の際の診療や薬代、往診、訪問看護などが対象です。 申請の際は、市区町村の障害福祉課に問い合わせてみましょう。 転倒防止のための工夫 くも膜下出血に関して家族ができることに転倒防止の工夫が挙げられます。くも膜下出血は麻痺などの後遺症が残り、転びやすくなるケースが多いため、なんらかの工夫を講じる必要があります。 主な転倒防止策 小さな段差をなくす 転倒しそうな場所に手すりを設置する マットを敷かない 明るさを保つ 玄関や部屋、廊下の境目に段差がある場合は、段差をなくす・手すりを設置するなど、歩くための障害を極力なくしましょう。 また、床や浴槽、マットが置いてある場所など、滑りやすくなっていないか確認することも大切です。また、床や廊下での物の置きっぱなしに気をつけましょう。 くわえて、足元が見にくい場所にライトを設置する工夫も有効です。 食事や喫煙・飲酒などの管理 くも膜下出血の危険因子(原因)を取り除くことも家族にできることのひとつです。くも膜下出血は脳動脈瘤の破裂が主な原因ですが、その危険因子となるのが高血圧や喫煙、飲酒などです。 喫煙や飲酒は自制するのが難しいため、家族のサポートを必要とします。また、高血圧の対策として脂肪や塩分を控えた食事の提供も大切です。 定期的な会話 くも膜下出血後の家族間の定期的な会話は身体的な回復だけでなく、精神的な健康を維持する上で重要です。 患者は不安や孤独感を抱きやすい状態にあるため、家族との対話が心の支えになります。日々の出来事や患者の気持ちについて、ゆっくりと話し合う時間を設けましょう。 認知機能の維持や改善にも会話は効果的です。また、会話を通じて患者の状態の変化にいち早く気づくことができます。 【ご家族向け】寝たきりのくも膜下出血患者に関する知識 寝たきりになったくも膜下出血患者の家族として、適切なケアを提供するためには、病状や回復過程に関する正しい知識が不可欠です。 寝たきりのくも膜下出血患者に関する知識 くも膜下出血の回復過程 くも膜下出血の平均入院期間 くも膜下出血になった方の平均余命 ここではくも膜下出血の回復過程や入院期間、予後について解説します。 くも膜下出血の回復過程 くも膜下出血からの回復期間は個人差が大きく、一様ではありませんが全治までに6カ月以上かかるとされています。 一般的には、急性期・回復期・生活期と3つの段階を経ていきます。 段階 発症からの期間 過程 急性期 発症後約2週間 生命の危機管理が最優先され集中的に治療 回復期 2週間〜3カ月 集中的なリハビリテーション 生活期 3カ月以降 定期的な通院によるリハビリテーション 上記の過程で、患者はさまざまな症状(頭痛・めまい・認知機能の低下など)を経験する可能性があります。家族は、医療チームと密に連携し、患者の状態に応じたケアの提供が重要です。 くも膜下出血の平均入院期間 くも膜下出血の平均入院期間は、患者の状態や治療方法によって大きく異なります。 一般的には、軽症例で1〜2カ月、中等症から重症例では3〜6カ月程度の入院が必要となることが多いです。 症状レベル 入院期間(目安) 軽症 1〜2カ月 中等症〜重症 3〜6カ月 ただし、これはあくまで平均的な目安であり、個々の患者の回復状況によって大きく変動します。 また、入院中は定期的な面会や病室の環境整備(写真や好みの物の配置など)を通じた家族間の寄り添いが大切です。患者の回復意欲を高めることにもつながります。 くも膜下出血になった方の平均余命 くも膜下出血になった方の平均余命は、年齢・合併症・治療内容などにより個人差が大きいため確実なことは一概に言えないものの、生存率に関しては以下のようになります。 くも膜下出血は特徴として発症直後は死亡のリスクが非常に高い傾向にあるだけでなく、再出血や血管攣縮といった合併症のリスクが伴うため、5年後の生存率は約55%となっています。 しかし、適切な治療と発症後のケアによって予後を改善できる可能性もあります。 とくに急性期治療はもちろんのこと、その後のリハビリテーションや生活習慣の改善は、再発予防や後遺症の軽減につながるでしょう。 くも膜下出血後の余命や生存率について不安を感じる方は多いと思いますが、医師としっかりと相談したうえで、状況に合った治療計画やケアプランを立てることが大切です。 くも膜下出血の後遺症を改善するためにできる再生医療 くも膜下出血の発症後、後遺症なく元通りの生活ができる人は約33.5%※(内訳 全く症候がない:19.8% / 症候あるが明らかな障害はない:13.7%)です。 ※出典:日本脳卒中データバンク報告書2023 後遺症を少しでも改善したいとお考えの方は、再生医療を検討してみましょう。 当院では再生医療を取り扱っていて、後遺症が改善する効果が期待できます。神経や血管などに変化できる性質のある幹細胞を自身の体から採取し、点滴にて体に送り込む治療方法です。 くも膜下出血の治療は早ければ早いほど良い結果が出る傾向にありますが、時間が経っている方についても効果が期待できますので、興味のある方はお気軽にお問い合わせください。 くも膜下出血患者に対して大切なのは家族の思いやり くも膜下出血になってしまった患者に対して家族にできることは、まずは思いやり、そして行動観察・生活環境の改善・飲食の管理などたくさんあります。 思いやり 行動観察 生活環境の改善 飲食の管理 精神面での支えになる 大切な家族をしっかりとサポートし、精神面でも支えになれるようにしましょう。 また、脳をはじめとするさまざまな治療で注目を集めている再生医療は、くも膜下出血の再発予防に効果的です。 家族の後遺症に悩んでいたり、再発を恐れている場合は、再生医療による治療も検討してみましょう。
2021.08.06 -
- 再生治療
「人工股関節置換術の手術後、介護の仕事を続けていきたいけど不安」 「人工関節を入れた後、仕事復帰までにどのくらいかかるの?」 介護の仕事は移動の介助といった肉体労働が多いため、人工股関節の手術後も仕事を続けられるのか心配に思う方も多いでしょう。 そこで本記事では、人工股関節の手術や術後の介護職への復帰、注意点について解説します。最後までご覧いただき、無理のない職場復帰を目指しましょう。 人工股関節でも介護の仕事はできる!【注意点あり】 人工股関節の手術をした後でも、介護の仕事は可能です。 しかし、股関節に負担がかかる動作には注意が必要で、可能な仕事とやってはいけない仕事が存在します。 また、日常生活と介護の仕事で注意点が異なるため、それぞれポイントに分けて紹介します。 日常生活における注意点 人工関節における日常生活の注意点は以下の通りです。 重労働と激しい運動は避けましょう。 座るときは椅子を使用し、臥床寝るときはベッドの利用がおすすめです。 正座は可能です。ただし女性座り・とんび座り等は脱臼の原因になるので避けましょう。 歯科治療の際は、医師に人工関節であることを伝えておきましょう。(感染予防のために抗生物質の投与をおこなう場合があります) 定期的な通院をおこない、レントゲン検査で人工股関節の状態を確認しましょう。 介護の仕事における注意点 人工関節における介護(仕事)の注意点は以下の通りです。 立ち仕事は、とくに制限はありません。 しゃがみ・かがみ動作に気をつけましょう。 重度の介助者の入浴介助は一人で行わないよう注意しましょう。 重いものを持つ動作は避けましょう。 全介助を必要とする方のトイレ介助や移動介助なども、股関節に負担がかかるため要注意です。 人工関節の耐用年数は約20年と考えられていますが、体重の増加や肉体労働によって耐用年数が短くなる場合があります。 人工股関節の手術について 「足の付け根が痛い」「靴下がはきづらい」「足の長さが左右で違う」などの症状が現れた方は股関節の疾患を疑いましょう。 股関節疾患は「変形性股関節症」「大腿骨頭壊死症」「関節リウマチ」などが挙げられ、症状によっては人工股関節置換術による手術が検討されます。 人工股関節置換術には、ある程度のをリスク伴いますが、介護を含む職場復帰を可能にする有効な治療法です。 手術後の仕事復帰までの期間 人工股関節手術後の職場復帰までの期間は、職種によって異なります。 職種 手術後の職場復帰までの期間(目安) 事務職 2~4週 立ち仕事(半日) 4~6週 立ち仕事(1日) 6~8週 ドライバー 2~3カ月 激しい肉体労働 3カ月~半年 上記の通り、しゃがむ・かがむ動作を伴う職種では、復帰までに期間を要します。人工関節のゆるみや摩擦を防ぐ観点から、体に馴染ませる必要があるためです。 また、回復状態には個人差があるので、必ず主治医に相談してから仕事に復帰しましょう。 早期復帰を目指すなら再生医療がおすすめ 人工股関節の手術は、入院・リハビリが必要になるため、長期間の休みを取らなければなりません。介護を含む仕事への早期復帰を目指す方にとっては大きなリスクと言えます。> そこで、おすすめしたいのが再生医療による治療です。 再生医療は、患者さんの脂肪から採取した幹細胞を股関節に注入し、傷ついた軟骨を修復する方法です。手術や入院を伴わず治療が完結するため、早期の仕事復帰が可能となります。また、自身の細胞を使用するため、人工関節手術に比べて体への負担が大幅に軽減できる点がメリットです。 人工股関節でも介護の仕事を続けたい方へ 人工股関節における介護の仕事の注意点を紹介しました。 人工股関節でも一部の介護業務は行えますが、かなりの行動に制限が生じます。まだ人工関節手術を実施していない方は制限をふまえた上で、自分に合った治療法を選択しましょう。 再生医療による治療の選択も可能です。患者さんの負担を抑えられるだけでなく、副作用も少なく済む治療法として注目を集めています。興味のある方は当院へお気軽にご相談ください。
2021.01.15 -
- 肩
- 腱板損傷
肩腱板損傷で腕が上がらない!どうして?その原因とは 肩腱板損傷になると、腕が上がらなくなって悩まされるようになります。思うように腕が上がらないと洗濯物を干す、高いところのものを取るといったことが困難になるなど日常生活でもいろいろと支障が出てきます。また、ずっとこのような状態が続くのだろうかと不安になる人もいると思います。 そこで、今回は肩腱板損傷で腕が上がらないというのはなぜなのか?ということについて紹介します。 肩腱板損傷で腕が上がらないのはなぜ? 肩腱板は肩関節を覆う筋肉です。肩関節は複数の関節がありますが、それらの関節だけでは非常に不安定でスムーズに動かすことができません。その関節を安定させてスムーズに腕をあげたり、捻ったりすることをできるようにしているのが肩腱板です。 肩腱板が損傷してしまうと、肩関節を安定させる役割を十分に果たせなくなり、肩関節が不安定になるため腕が上がらないという症状が出ることがあります。 五十肩の腕が上がらない症状と、肩腱板損傷で腕が上がらない症状の違い 腕が上がらないというのは肩腱板損傷でよくある症状の1つですが、腕が上がらないと言えば五十肩をイメージする人もたくさんいると思います。 たしかに、五十肩でも腕が上がらなくなることはありますが、五十肩の場合は肩関節が不安定になるのが理由ではありません。 五十肩の場合は、本来柔らかくて伸びがある関節がかたくなってしまうのが主な理由になります。また、痛みが強すぎて動かすことができないというケースもあります。 このように、腕が上がらない理由は異なりますが、それが肩腱板損傷か五十肩かを自分で判断するのは難しいのです。 肩腱板損傷で腕が上がらないときの対策 肩腱板損傷はそのままにしておいても、損傷した部分が自然に修復し治るということはありません。悪化して損傷した部分が拡大したり断裂してしまうことがあります。 しかし、肩甲骨や脊柱など肩関節周辺の筋肉や関節を柔らかくすることで、腕を上がりやすくすることは可能です。ただし、状態の程度によっては手術をしないと腕を上がるようになるのは難しいケースもありますから、まずは専門医に相談をしてみましょう。 まとめ・肩腱板損傷で腕が上がらない!どうして?その原因とは 肩腱板損傷で腕が上がらないという症状について紹介しました。 無理やり腕をあげようとしたり、何とかしようと自己流で対策をすると悪化してしまう可能性があります。肩腱板損傷で腕が上がらないのを何とかしたいという人は、まずは医療機関で診てもらうことをおすすめします。 https://youtu.be/bKupVfsXpHM?si=AuS-8sLS0tUiHFfL ▶治療方法の選択肢のひとつとして、こちらの動画も是非ご覧ください。 監修:リペアセルクリニック大阪院 こちらも併せてご参照ください
2021.01.12 -
- 糖尿病
- 変形性膝関節症
- 変形性股関節症
- ひざ関節
- 股関節
- 幹細胞治療
あきらめていた病気に対処できる幹細胞治療!その内容や治療方法とは? 幹細胞治療という言葉を聞いたことがあるでしょうか。実は現代の医療で最先端の、副作用などがほとんどなくそれでいて大きな効果が期待できる治療方法なのです。この幹細胞治療はあらゆる分野で活用され始めていますが、美容の世界などでも積極的に取り入れられています。 そこで今回は、幹細胞治療とはいったいどういうものなのか、そしてどのような効果が期待できるのかという点について解説していきます。 幹細胞治療とは何か? そもそも幹細胞治療とはどのようなものなのでしょうか。 幹細胞治療とは再生医療の一種 再生医療という言葉は聞いたことがあるでしょうか。幹細胞治療とは再生医療の1つの方法です。 人間は約60兆個の細胞で構成されていますが、その細胞の中に幹細胞というものがあります。幹細胞とは、細胞分裂の元になるもので、いわば細胞の母体です。再生医療とはこの幹細胞を身体に注入することで、身体の欠落している部分を再生させたり、減少して来ている部分を補ったりする、最先端の治療法です。既存の医薬品では治療が困難な病気やケガ、あるいは治療法が確立されていない病気に対して、効果をもたらすものとして注目されています。 近年、日本人を始め人間の平均寿命は大きく伸長しましたが、同時に細胞の老化が元となっている慢性的な病気も増えており、このような病気を完全に治す治療法はまだ見つかっていません。しかし再生医療であれば、そのような今まで医師が治療をあきらめていた病気の場合でも、治療を施すことができるのです。 ただし再生医療や幹細胞治療はどのような病院、どのような医師でも行うことができるものではありません。再生医療は使い方を間違えるととんでもない悲劇を巻き起こす可能性があります。したがって、再生医療や幹細胞治療を行う場合には、その実施機関や実施方法について、法律に基づく厳しいチェックがなされます。ですから再生医療や幹細胞治療を受ける場合には、治療のための治療計画を厚生労働省に提出し、認可されている医療機関を選ぶことが非常に重要です。また再生医療や幹細胞治療を行う医師にも高い専門知識と十分な経験が必要です。この点においても、治療を受ける場合には事前の確認が必要でしょう。 幹細胞治療とは注射で幹細胞を注入する方法 約60兆個の細胞からできあがっている人間の身体ですが、しかしその最初はたった1個の受精卵です。この受精卵が細胞分裂を繰り返し、身体のあらゆる部分の形も機能も異なった多様な細胞に成長します。皮膚、脳、心臓、手足は全く違う臓器であり身体の一部ですが、元は1個の受精卵だと思うと非常に不思議でしょう。このような細胞が多様な組織や臓器に変わっていくことを「分化」と言います。 しかし細胞には寿命があります。細胞の寿命が来ると、その細胞は分化することも、増殖することもできなくなり、やがて死んでしまいます。たとえば、皮膚から垢が出ますが、これは皮膚の細胞が死んで、身体からはがれ落ちていくことです。しかしそれでも皮膚が一定の状態を保てているのは、古い皮膚が死んでも、また新しい皮膚の細胞が補充できているからです。このような分化して完全に身体の臓器や、皮膚、や血液などに分化し終わった細胞を「体細胞」、これから多様な分化を行う細胞を「幹細胞」と言います。 幹細胞には「体性幹細胞」と、受精卵から培養して作られる「ES細胞」、人工的に作成「iPS細胞」があります。 この3つの中で現在最も再生医療に使われているものが「体性幹細胞」です。体性幹細胞は人間の身体の中にある細胞が元になっているので、使用しても身体に副作用を起こりにくく、最も治療に応用しやすいものです。さらに体性幹細胞にもいくつか種類があります。その代表的なものは「間葉系幹細胞」です。そして間葉系幹細胞の中でも、最も治療に多く用いられているのものが脂肪から抽出されたものです。これを脂肪性幹細胞とも言います。 脂肪性幹細胞は、ES細胞やiPS細胞などの幹細胞に比べ発がんのリスクが非常に低く、また身体の中から取り出すことも簡単で、患者に負担をかけないため、現在どんどん医療の最前線で使われています。 具体的に脂肪幹細胞を使った幹細胞治療はどのようなものかと言うと、聞いてしまえば意外に簡単です。それは身体の脂肪を採取し、その中の幹細胞を増やして、また身体の中に戻してやり、欠落した組織や減ってしまった細胞をそこから増やして、再生させる方法です。 このように治療行為としては非常にシンプルなので、幹細胞治療は入院の必要さえありません。基本的には日帰り治療で可能な方法です。 幹細胞治療の効果は?どのような種類がある? では幹細胞治療はどのような悩みに効果があるのでしょうか。 美容治療として 1つは美容のための治療に活用されているということです。たとえば顔のシワは顔の皮膚の奥深くにある真皮層が加齢などのために減少し、その減ってしまった真皮層の部分が、皮膚表面で凹んでしまうことによって発生します。しかし幹細胞治療は、その真皮層になるべき幹細胞を注入するので、真皮細胞が再生し、その結果シワが消えてしまうというものです。 シワを改善させる美容医療には、ボトックスやヒアルロン酸などと言った、薬剤や身体の成分そのものを皮膚に注入して行う方法が今までは一般的でしたが、しかしそれらは薬剤が代謝されてしまうことで、効果が生まれている期間に上限がありました。しかし幹細胞治療であれば、そもそもの細胞の増える母体を注入してあげることなので、期間的な上限はありません。原則として、幹細胞治療を行えば、不足している、あるいは欠落している細胞が増殖していきますから、いつまで若々しい肌でいられるのです。 このように幹細胞治療は美容の世界において画期的なシワ、たるみなどの防止、改善効果をもたらすものなのです。 またボトックスにしてもコラーゲン注入にしても、何度も繰り返さなければならないため、トータルとして治療費は非常に高くなってしまいます。しかし幹細胞治療は原則として1回で済むので、トータルでの治療費も非常に安く済むのです。その意味で幹細胞治療による細胞治療による美容医療は極めてコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。 関節炎などの改善 主に加齢によって生じる膝などの関節炎は非常につらいものですが、これらの関節炎は関節の軟骨がすり減ったり、関節の接続をスムーズにするコラーゲンなどの成分が減少することによって起こるものなので、抜本的な治療法がない悩みでした。 しかし幹細胞治療によって、軟骨やコラーゲンの元となる幹細胞を注入できるので、関節は若いころのように再生し、嘘のようにその悩みを解消してくれるのです。 関節炎の幹細胞治療には2つの方法があります。1つは関節鏡を用いる方法で、これは関節にカメラを差し込み、患部を見ながら幹細胞を注入するものです。もう1つは注射を用いる方法で、患部に幹細胞の含まれる薬剤を注入するものです。関節鏡を用いる方法は患部に確実に幹細胞を送り届けられるので確実ですが、身体に小さな穴を開けるので、患者には多少の負担がかかり、場合によっては数日の入院が必要になります。しかし注射であれば、治療後、患者はすぐに身体を動かすことができるので、日帰りで治療を受けることが可能です。 肝炎の治療 肝炎は肝臓の一部の細胞が壊死、あるいは機能不全になっている状態です。この肝炎にも幹細胞治療を行うと、壊死している肝臓に代替する肝臓を再生させることができるので、飛躍的な改善が期待できます。ただし、肝臓の場合はカメラを挿入することも、注射で幹細胞を注入することも難しいため、方法としては点滴で幹細胞を送り込む方法になります。点滴で輸入された幹細胞は血液に乗って肝臓に到達し、壊死した肝臓や機能していない肝臓の細胞を修復し再生させます。 糖尿病の治療 糖尿病は、血液中の血糖(ブドウ糖)が多くなる病気です。これは、すい臓が何かしらの原因で本来持っている血糖値を一定範囲におさめる働きができなくなる病気です。また、糖尿病は一度発症したら完治しない病気と言われています。しかし、幹細胞治療をすることにより、すい臓が本来持つ機能を取り戻すように幹細胞が働きかけ、正常に血糖値をコントロールするようになる可能性があります。 脳の疾患の治療 今まで脳梗塞などによって機能不全になってしまった脳には効果的な治療の方法がありませんでした。しかし幹細胞治療によって、幹細胞を脳に送り込んでやれば、機能不全になっている脳細胞を再生させることができるため、脳の損傷によって起こっていたさまざまな障害を改善させることができるようになってきました。 自己免疫疾患の治療 自己免疫疾患とは、自分の細胞が暴走し身体に害を働くようになった病気で、これもまた抜本的な治療法がないものでした。たとえば膠原病や、慢性関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、アトピー性皮膚炎、慢性甲状腺炎などがそれに当たります。できることはせいぜいステロイドなど身体に大きな副作用のある薬剤を注入して、病気の発症を抑えたり、症状を緩和させることでした。 しかし幹細胞治療によって注入される幹細胞には、身体の免疫を調節したり、過度な反応を抑制する作用があるので、このような治療方法が見つからない自己免疫疾患に対しても極めて高い治療効果が得られるようになりました。 幹細胞治療の流れは 幹細胞治療の流れは以下のようなものです。 最初に専用の器具によって、腹部など脂肪が豊富にある部位から脂肪を少量、具体的には1/1000g(米粒2つから3つ分程)という単位で採取します。採取時間は数分で、局所麻酔を使うため、痛みはほぼありません。 そして採取した脂肪から幹細胞を分離させ、培養します。 その培養した幹細胞を患部に注入します。また培養した幹細胞は冷凍保存できるので、治療を再度行いたい場合でも、その凍結している幹細胞を利用することができます。 幹細胞治療にはリスクはあるのか? このように画期的で、今まで治療が難しいと思われていた病気に大きな効果をもたらす幹細胞治療ですが、リスクはあるのでしょうか。 幹細胞治療は、自分自身の幹細胞を使用して損傷または弱ってきた組織を修復することで、痛みを無くしたり、失われた人体機能を回復させる治療です。 そのため、拒絶反応が起こりにくくリスクはほとんどありません。 まとめ いかがですか。 幹細胞治療は今まで治療が不可能だと思われていたさまざまな病気を治してくれる画期的な治療方法です。もしも上で挙げたような悩みを持っているようであれば、幹細胞治療を検討してはいかがでしょうか。 当院の紹介はこちら
2021.01.06 -
- 脳梗塞
「ラクナ梗塞にはどのような後遺症がある?」 「ラクナ梗塞の後遺症は治る?」 ラクナ梗塞を発症してしまった方や後遺症にお悩みの方の中には、上記のような疑問やお悩みがある方もいるでしょう。 本記事では、ラクナ梗塞の後遺症やリハビリについて詳しく解説します。 ラクナ梗塞の後遺症を根本的に治療するための「再生医療」についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。 ラクナ梗塞とは? 「ラクナ梗塞」とは、脳の血管が詰まる脳梗塞の病型の一つで脳の深部を流れている細い血管が詰まってしまう病気です。 脳は太い血管から細い血管へと枝分かれしており、深部を流れている穿通枝(せんつうし)と呼ばれる細い血管があります。 穿通枝が詰まると脳の深部に血液が流れなくなり、脳細胞が壊死して「ラクナ梗塞」を発症します。 細い血管が詰まるため、脳細胞が壊死する範囲も15mm以内と小さいことが特徴です。 しかし、脳細胞が壊死する範囲が小さいことで症状が出ない「無症候性脳梗塞」となっている可能性があります。 症状が進行、放置してしまうと他の場所に脳梗塞を発症したり脳出血につながるリスクが高くなるため、定期的に検査を受けることが重要です。 ラクナ梗塞の主な後遺症 ラクナ梗塞を含む脳梗塞は、脳細胞がダメージを負うことで以下のような後遺症が残ることがあります。 それぞれの後遺症について、詳しく解説していきます。 運動麻痺 ラクナ梗塞の代表的な後遺症として、全身または手足が思い通りに動かせなくなる「運動麻痺」があります。 脳の血管が詰まることで神経細胞に血液が行き渡らなくなり、以下の症状がみられます。 ラクナ梗塞発症から14日程度までの急性期では、脱力したような状態になる「弛緩性麻痺(しかんせいまひ)」の症状がみられます。 急性期を過ぎて6ヶ月目までの期間を指す回復期には、徐々に手足が動かせるようになりますが「指の細かい動きができない」など思い通り動かせないことが多いです。 また、体を動かそうとすると手足がこわばって硬くなってしまう「痙性麻痺(けいせいまひ)」の症状もみられます。 体を自由に動かせるようにするには、最も機能回復が見込まれる回復期でのリハビリが重要です。 感覚障害 ラクナ梗塞によって、しびれや感覚異常が生じる「感覚障害」の後遺症が残る場合があります。 手足の感覚を脳に伝える感覚神経の経路にダメージを負うことで、以下のような症状がみられます。 感覚障害の後遺症が残ってしまった場合、全身または身体の一部分に「しびれ」を感じることが多いです。 また、触れたり動かしている感覚が薄くなることや、逆に感覚が過敏になることもあります。 感覚の低下や感覚過敏によって運動が阻害されるため、日常生活に影響が出てしまう後遺症です。 構音障害 ラクナ梗塞の後遺症には、言葉をはっきり発音する能力が失われる「構音障害」があります。 構音障害では、以下のような症状がみられます。 構音障害では、言葉の内容や意味が理解できても「呂律が回らない」など、言葉をはっきり発音するのが困難になります。 「唇」「舌「喉」周辺の麻痺や協調運動ができないことで、言葉を発音できなくなることが多いです。 構音障害と似ている後遺症として「失語症」があります。 失語症は「言葉を理解できない」「頭の中で単語や文章を組み立てられない」などの言葉を理解する能力が失われる高次脳機能障害の一つです。 高次脳機能障害 ラクナ梗塞によって、脳細胞がダメージを負うと「高次脳機能障害」の後遺症が残る場合があります。 高次脳機能障害とは認知障害全般のことを指し、以下のような症状がみられます。 高次脳機能障害には、新しい出来事を覚えられない「記憶障害」や言葉を理解できない「失語症」など、さまざまな認知機能の低下がみられます。 また、集中力の低下や感情のコントロールやできなくなるなど、日常生活に影響を及ぼす障害が多いです。 嚥下障害 ラクナ梗塞の後遺症には、飲み込みに関する機能が低下してしまう「嚥下(えんげ)障害」があります。 嚥下障害の後遺症が残ると、以下のようなリスクが考えられます。 嚥下障害によって、誤嚥性(ごえんせい)肺炎につながるリスクがあります。 誤嚥性肺炎とは、誤嚥によって食べ物や唾液が気道に入り、口の中の細菌が肺に侵入して発症する肺炎のことです。 また、食事や水分が上手く取れずに栄養状態の低下や脱水症状になることで、リハビリの阻害にもつながってしまいます。 ラクナ梗塞の原因 ラクナ梗塞の主な原因は、動脈の壁が厚くなったり硬くなったりすることで血流が悪くなる「動脈硬化」です。 動脈硬化によって、血流スペースが少なくなることで血液が途絶えてしまいます。 また、以下のような疾患は動脈硬化の危険因子となるため、間接的にラクナ梗塞の原因となります。 上記のような生活習慣病がラクナ梗塞につながることもあるため、生活習慣の改善が重要です。 ラクナ梗塞の後遺症を改善するリハビリ方法 ラクナ梗塞の後遺症を改善するために行うリハビリを紹介します。 それぞれ後遺症の症状に合わせたリハビリ方法について、詳しく解説していきます。 運動機能に関するリハビリ 運動機能に関するリハビリでは「機能障害の程度」「筋力・関節の動かせる範囲」に応じて、以下のリハビリを行います。 主に日常生活に戻るための「自立・歩行訓練」「日常動作訓練」のリハビリを重点的に行います。 言語機能に関するリハビリ 言語機能に関するリハビリでは、言語聴覚士による機能の評価を元に以下のリハビリを行います。 構音障害により正しい発音ができない場合、上記のリハビリを重点的に行いコミュニケーションを取る練習をします。 高次脳機能障害に関するリハビリ 高次脳機能障害に関するリハビリでは、患者さまの障害や程度に応じて以下のリハビリを行います。 「記憶障害」や「遂行機能障害」などのさまざまな認知障害に対して、危険なく日常生活動作を行えるように訓練します。 ラクナ梗塞の再発を防ぐためのポイント ラクナ梗塞の再発を予防するためのポイントを3つ紹介します。 それぞれのポイントについて、詳しく解説していきます。 三大危険因子を予防する ラクナ梗塞の再発を予ぐためにも、以下の三大危険因子を予防しましょう。 いずれも聞いたことがある生活習慣病ですが、ラクナ梗塞の再発を防ぐために治療すべき病気といえます。 ラクナ梗塞の発症・再発原因となる「動脈硬化」につながる可能性があるためです。 細い血管が詰まることで起こるラクナ梗塞は、動脈硬化によって血流が途絶えやすくなる影響を受けやすいです。 動脈硬化の原因となる生活習慣病を予防することで、間接的にラクナ梗塞の再発予防につながります。 生活習慣を改善する 生活習慣の改善もラクナ梗塞の再発を防ぐために重要なポイントです。 以下の要点を押さえて、生活習慣を改善しましょう。 生活習慣病は、さまざまな病気の原因となることが多いです。 身体を守るためにも健康的な生活を目指して生活習慣を改善しましょう。 再生医療による治療 ラクナ梗塞の後遺症や再発を防ぐために、再生医療による幹細胞治療を検討しましょう。 再生医療では、幹細胞のさまざまな細胞へ変化する性質を利用し、損傷した機能を再生することを目的とした治療を行います。 患者さまの細胞を用いるため、アレルギーや拒絶反応などの副作用の心配が少ないのが特徴です。 また、手術や入院が不要な治療方法なので日常生活へ復帰しやすい点も再生医療の強みといえます。 「ラクナ梗塞の後遺症にお悩みの方」「ラクナ梗塞の再発を防ぎたい方」は、ぜひ当院へご相談ください。 【まとめ】ラクナ梗塞の後遺症はさまざま|再生医療による治療を検討しよう 本記事では、ラクナ梗塞の後遺症について解説しました。 ラクナ梗塞の発症後は、以下のようにさまざまな後遺症が残る可能性があります。 症状や程度は個人差がありますが、日常生活に影響する後遺症がほとんどです。 ラクナ梗塞の再発を予防するためにはリハビリだけでなく、生活習慣の改善も意識して行う必要があります。 「後遺症によってリハビリが上手くいかない」「後遺症を治したい」という方は、再生医療による治療を検討してください。 再生医療は、幹細胞のさまざまな細胞へ変化する性質を利用し、損傷した機能を再生することを目的としています。 損傷した脳細胞を再生することで「リハビリの効果を促進」や「後遺症の改善」が期待できます。 再生医療による治療を検討する方は、ぜひ当院へご相談ください。
2020.07.29 -
- 免疫細胞療法
免疫力を高めるサプリが知りたい!どんな栄養素をとればいい? 健康をサポートするアイテムとして「サプリメント」が人気を集めています。もし、飲むだけで免疫力を高められるサプリがあれば、手軽に利用できるので積極的に導入したいと思いませんか? そこで今回は、免疫力を高めるサプリについて解説します。 免疫力を高める栄養素がとれるサプリとは? サプリにもさまざまな種類がありますが、結局のところサプリとは「何らかの栄養に特化した錠剤類」のことです。つまり、免疫力を高めるサプリを探したいのであれば、「免疫力を高める栄養素に特化したサプリ」を見つけることが必要です。 では、どのような栄養素を含むサプリが免疫力を高めるのでしょうか? 免疫力を高目る栄養素 タンパク質 食物繊維 乳酸菌 ビタミンA、βカロテン ビタミンC ビタミンE 上記の栄養素は、免疫細胞や腸内環境に強く影響する栄養素であり、不足すると免疫力を低下させる原因になる可能性があります。 自身の食生活を見直し、日ごろの食生活ではどうしても不足しがちになってしまう栄養素があれば、免疫力を高めるためにも、その栄養素をサプリで補うことをおすすめします。 サプリ:何らかの栄養に特化した錠剤類 免疫力を高めるサプリ:免疫力を高める栄養素に特化したサプリ 免疫を高めるサプリを利用するときの注意点 免疫力に関係することに限らず、生活にサプリを導入する際に注意するべきなのは「欠乏症」と「過剰症」です。欠乏症は栄養不足による症状で、過剰症はその栄養を過剰摂取した際に起こる症状であり、特にサプリの過剰摂取による過剰症には注意が必要となります。 例えば「亜鉛」が不足すると味覚障害が起きますが、亜鉛を過剰摂取すると「銅」の吸収を阻害する過剰症が発生します。銅の吸収が阻害されて銅の欠乏症を起こしてしまうと、免疫力に関わる「白血球」の数が減少するという状態に陥るのです。 亜鉛が不足して味覚障害になると食事の満足度を下げてしまい、食事の偏りを招く可能性がありますが、サプリ等で過剰摂取すると過剰症で銅の吸収阻害を起こして白血球が不足するというジレンマがあります。 何らかのサプリで特定の栄養を多く摂取する場合には、過剰症となる摂取量を越えないように利用するのが一番です。 安全に免疫力を高めるサプリ以外の方法 サプリには過剰症のリスクがあり、場合によっては免疫力に関わる症状に悩まされる可能性があります。安全に免疫力を高めたいと考えるのであれば「免疫細胞療法」をおすすめします。 免疫細胞療法は副作用の少ない治療法として有名で、自身の血液から採取した免疫細胞を培養して増やしてから体内に戻すので、拒否反応などのリスクが少なく、安全に免疫力を高めることができる方法として注目を集めています。 まとめ・免疫力を高めるサプリが知りたい!どんな栄養素をとればいい 免疫を高めるためにサプリで不足しがちな栄養素を補うことは決して悪くないのですが、可能であれば普通の食事からバランスよく栄養を摂取することをおすすめします。 免疫力を高める方法としては、過剰症などの健康上のリスクが少ない免疫細胞療法もおすすめです。興味がある人は、免疫細胞療法を取り扱う医療機関に問い合わせてみてください。 免疫細胞療法については当院にお問い合わせください。 監修:リペアセルクリニック大阪院 ▼こちらもご参照ください
2020.07.23 -
- 変形性膝関節症
- ひざ関節
変形性膝関節症|膝OA(Osteoarthritis) その原因 変形性膝関節症は症状の改善や悪化を繰り返して、進行していきます。初期の段階では、痛みを取ることが期待できますが、進行すると治療効果を感じなくなるパターンが多いといえます。 変形性膝関節症の原因は1つではなく、原因には様々な理由があります。年齢を重ねることによって、関節の軟骨がすり減ることで起こる「一次性」と靭帯や骨の損傷、半月板損傷などの外傷によって起こる「二次性」があります。膝周囲の筋力低下や、膝にかかる大きな負荷も因子の一つであり、原因の多くは「一次性」の変形性膝関節症です。 その症状 変形性膝関節症の代表的な症状は、膝の痛みです。痛みには個人差がありますが、徐々に時間をかけて症状が進行していきます。 まず初期の症状では、動き始めたとき感じる膝のこわばりや、関節の曲げづらさ、伸ばしづらさなどの自覚症状が現れます。 中期では、しゃがみこむ動作や階段などが痛みで困難になります。関節の内側に炎症が起きると、膝の腫脹、熱感を感じることや、炎症が起きることによって膝に水がたまる(関節水腫)場合もあります。 末期になると、関節軟骨がすり減りほとんどなくなった状態になります。関節の隙間が狭くなり骨と骨が直接ぶつかるようになり、痛みが悪化し日常生活(ADL)にも支障が出てきます。 診断について 膝の痛みの原因を診断するために行う検査は、問診、視診、触診、徒手検査に続き、レントゲン検査があります。必要であれば、MRIや血液検査、関節液の検査なども行います。 変形性膝関節症は、レントゲンの画像から膝の進行程度も診断ができます。一般的に骨の変形や骨棘、関節の隙間の残存などから進行の程度を診断します。レントゲンの撮影は立った状態もしくは寝た状態で行います。 寝た状態で撮影すると関節の隙間が保たれているように見える場合がありますが、立ち上がって膝に体重をかけると関節の隙間が狭くなり、変形性膝関節症の進行の程度が分かりやすくなります。 症状の進行を表す指標 変形性膝関節症の治療を選択するうえで重要になるのが、進行の程度を示唆するgrade(グレード)という指標です。grade1が予備軍、grade2が初期、grade3が進行期、grade4が末期と評価されます。患者さんの膝状態、症状よって異なりますが、一般的にgrade3以上が手術適応の目安です。 変形性膝関節症の重症度を評価するための基準に、いくつか種類がありますが、いずれもレントゲン撮影を用いて評価します。その中で最も一般的な分類はKellgren-Laurence分類というものがあります。Kellgren-Laurence分類は主に関節軟骨の減少度合いと骨棘の程度で重症度を4段階に分類したものです。 grade1 予備軍 grade2 初期 grade3 進行期 手術適応 grade4 末期 分かりやすく解説すると、レントゲン写真から膝関節の状態を把握するとともに、膝関節の裂隙の狭小化の程度を判定し、それを元に重症度合いを分類するものです。関節には関節軟骨があり、関節軟骨のすり減りは症状の悪化を意味します。 変形性膝関節症は軟骨がすり減って起こる疾患ですが半月板や靭帯に異常があるかどうかも調べる必要があります。他にも膝に水がたまる関節水腫の有無は、膝の状態を判断するために必要な情報です。 またレントゲン検査の結果、関節の変形がみられなかったとしても、患者さんの症状が強い場合は、変形性膝関節症とは別の疾患の可能性を考慮し、磁気を用いたMRI検査をします。MRI検査では、レントゲンには写らない情報を得ることができます。 変形性膝関節症との鑑別に必要な疾患は、腫瘍、感染症、関節リウマチ、特発性膝関節骨壊死症などがあります。いずれも、膝に痛み、腫れなどの症状が現れることがある疾患です。 血液検査では必要に応じて注射器を使い、血液を採取して検査を行います。変形性膝関節症との別の疾患が疑われる場合に有用です。 また、JKOMやVASスケールといった評価を行って検査をすることもあります。これは、膝の痛みをかかえている患者さんが、日常のなかでどんな時に症状に困っているかを数値化し評価する方法です。膝の進行程度を把握するために役立ちます。 触診では、患部に直接触れて、痛みを感じるかの有無、膝に水がたまっているか、膝の曲げ伸ばしに制限はないかなどの確認を行います。 変形性膝関節症の治療法 変形性膝関節症の治療は、手術をしない保存療法と手術療法に分けられます。 保存療法 保存療法として、炎症や痛みを抑えるための運動療法、装具療法、薬物療法などがあります。擦り減った関節軟骨、関節裂隙の狭小化や骨棘形成は元に戻らないため、いかに痛みや進行を抑えるかが大切です。 運動療法 運動療法では、太ももの筋肉である大腿四頭筋の強化訓練と、膝関節ROM訓練を行うことも大切です。筋力強化は予防にも適しています。関節に痛みがあると活動に制限がかかり、その結果筋力低下や関節可動域に影響します。そして膝は不安定となり、軟骨の摩耗が進行し、さらに痛みが増強するといった症状が現れます。 装具療法 装具療法では、杖、サポーター、ニーブレース、足底板があります。O脚の患者さんには足の外側を高くする足底板を装着する方法があります。装具療法は補助的な治療法で下肢の変形が強い患者さんには、変形した下肢の状態に応じて装具を使ってアライメントの調整を行います。 薬物療法 薬物療法では、消炎鎮痛剤(内服薬や貼布剤)とヒアルロン酸注射が、最も多く用いられています。しかし、患者さん全員の痛みや症状が必ず改善するわけではありません。炎症や痛みに関して、消炎鎮痛剤では改善できない症状も存在することが明らかになっています。 痛みの多くの原因は、すり減った関節軟骨が刺激を受けて起きた炎症なので、まず消炎鎮痛薬の処方や注射などを行って、炎症に直接アプローチしていきます。NSAIDs(非ステロイド系抗炎症薬)などが最も一般的に使用されます。代表的なものとしてはロキソニン、ボルタレンなどがあります。 効果の目的としては、原因となる炎症を抑制することです。NSAIDsは抗炎症に優れ、効果に期待できますが、長期の服用は副作用の可能性も否定できません。一定の期間服用を続けても効果が期待できない場合、トラムセットなど、やや強めの鎮痛薬を処方することもあります。 ヒアルロン酸注射の治療の目的としては、膝関節の潤滑があります。ヒアルロン酸はもともと、膝関節にある滑膜から分泌される関節内を満たす関節液に含まれている成分で、膝の滑らかな活動を助ける役割をしています。 変形性膝関節症になるとヒアルロン酸は減少し、次第に膝の活動を悪くさせ動かしにくくなります。膝関節を構成する大腿骨、脛骨、膝蓋骨といった骨同士がぶつかることで痛みが現れたり、関節内で音が鳴ることがあります。これを改善する目的としては、膝関節内にヒアルロン酸を直接注入することが一般的です。 膝関節の痛みが強かったり、関節に水が溜まる関節水腫がみられる場合、ヒアルロン酸では効果が得られないこともあります。このような症状では、強い抗炎や鎮痛作用があるステロイド注射を施すことがあります。 ステロイドは、副腎から生成された副腎皮質ホルモンという物質で、この成分と似た薬剤が、注射に使用されるのです。ステロイドは適切な管理のもとで施されているので、過度な心配は必要ありません。ですが、ヒアルロン酸より強い効果の薬剤ではあるので、医師の指示のもと適切な説明と使用量が必要です。 手術療法 手術療法では、適応となる手術に、関節鏡視下手術、骨切り術、人工膝関節置換術の3種類があります。 変形性膝関節症手術の種類 関節鏡視下手術 骨切り術 人工膝関節置換術 変形性膝関節症になると、関節軟骨の損傷やすり減りによって生じた欠片により、関節内の状態が悪化していきます。関節内を整えるために関節鏡視下手術が行われることがあります。 この術式は、膝に小さな穴を開け内視鏡という器具を挿入し、損傷した関節軟骨片を取り除く手術方法です。膝の状態が早期であれば効果が見込めますが、膝の進行度合いに伴って、効果に期待ができない場合があります。 O脚、X脚が進行した状態に適応となる骨切り術では、高位脛骨骨切り術や大腿骨遠位骨切り術があります。脛骨の上部、大腿骨の低い位置を切って膝関節で骨と骨が合わさる角度に調節を施し、アライメントを整える手術方法です。 自分自身の関節を残存させることができるため、スポーツや重労働などを希望される患者さんにはよく施行されます。術後にリハビリが必要となりますが、固定に使った金属を除去してしまえば活動に制限はありません。そのため、年齢の若い方、積極的に膝を使う活動性の高い方に特に勧められる手術方法です。 末期の状態であれば上記の手術は適応できず、一般的には膝関節を人工物に取り換える人工膝関節置換術が選択されます。人工膝関節置換術を受けた件数は年間約11万件以上、その中で80%以上が変形性膝関節症の治療として行われています。 単顆置換術(Unicompartmental Knee Arthroplasty:UKA)と全置換術 (Total Knee Arthroplasty:TKA)の2種類があります。それぞれ損傷した骨の範囲によって選択が変わります。損傷部位が片側の場合、かつ靭帯損傷がない場合は単顆置換術(UKA)が、全体の損傷と靭帯損傷もしている場合は全置換術(TKA)が適応です。痛みが改善した状態で日常生活を行えるようになることから満足度の高い手術です。 手術方法として、単顆置換術(UKA)で約10cm、全置換術(TKA)であれば15〜20cmほど膝を切開して行います。いずれの術式も、切開後の流れとしてはほぼ同じであり、損傷した骨を削って形を整えながら、インプラント(人工器具)の関節を設置します。 セメント固定する方法とセメントを使わない方法があります。人工関節は人工物であるため、耐用年数があり、再置換(再手術)が必要になる場合もあります。また、感染症も再置換となる原因の一つです。 監修:リペアセルクリニック大阪院 こちらも併せてご参照ください
2020.07.22 -
- ひざ関節
- 再生治療
長時間の運転やペダル操作を行う際、膝に痛みを感じる方は少なくありません。 運転後に膝が痛くなると、日常生活や仕事にも影響が出るため、不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。 本記事では運転した後に膝の痛みが生じる原因や対処法について解説します。 治療についても紹介しているので、運転後の膝の痛みに悩んでいる方は、ぜひご覧ください。 この記事を読むとわかること 運転すると膝が痛い理由 運転すると膝が痛い場合の対処法 膝の痛みの治療について 運転すると膝が痛い理由 運転で生じる膝の痛みには大きく分けて2つの原因があります。 運転中のペダル操作による膝の痛み 運転中の姿勢による膝の痛み 運転中の姿勢や足の使い方はその後の膝の痛みに密接につながっていますが、運転中に膝に負担をかけないペダル操作や姿勢もあります。 以下では、それぞれについて詳しく解説します。 運転中のペダル操作による膝の痛み 運転中、ペダルを操作するときの不自然な足の使い方が膝の痛みの原因になる場合があります。 ブレーキペダルとアクセルペダルの間にかかとを置き、つま先だけでペダルを踏む、かかとから下だけを動かすなどの動作で膝の痛みが生じます。 ペダルを踏むときは膝から下だけでなく、脚全体を動かしましょう。 運転中の姿勢による膝の痛み 運転中に膝よりもつま先が外側を向いている姿勢は、膝の痛みの原因になります。運転で癖がつくと日常生活にも影響を及ぼす恐れがあるので要注意です。 膝よりもつま先が外側を向く姿勢により、関節の中にある組織にかかるストレスが均等ではなくなり、膝の痛みを引き起こします。 ペダルを踏む際は、足をお腹のほうに引きつけて持ち上げてから踏むよう意識しましょう。これは大腰筋のトレーニングにもなります。 運転で膝に痛みが生じた際の対処法 運転で膝に痛みが生じた場合、以下2点の対処法が効果的です。 運転前後にストレッチをする サポーターやテーピングを装着する 運転前後にストレッチやマッサージが膝の痛みの改善に有効です。 長時間運転する場合は、こまめに休憩をとれるようにあらかじめ計画して、体を動かしましょう。 もし車から降りられない場合は、座ったまま足を曲げ伸ばしてストレッチするだけでも痛みが緩和されます。 また、サポーターやテーピングを用いて膝関節を補強、固定するのも効果的です。 車を運転する際に着けるサポーターは伸縮性に優れたものがおすすめです。 圧迫が強すぎると足を動かしにくくなってしまう可能性がありますので、あまり強くないものを選んでください。 運転後に膝が痛む場合は? 運転後に膝が痛む場合に簡単にできるストレッチを紹介します。短い時間で道具がなくても手軽にできます。 膝の痛みを軽減するストレッチ 1.壁に手をついて立つ 2.片足の膝を曲げ、つま先を掴む 3.掴んだつま先をお尻の方へ引き寄せ、前太ももを伸ばす 4.息を吐きながら30秒キープ 左右2~3セット繰り返す 膝周りの筋肉をほぐして痛みを軽減するストレッチです。このストレッチをする際には、無理のない範囲で前ももを伸ばしましょう。 膝の痛みが緩和されない場合は医療機関を受診しよう 運転後の膝の痛みが、ストレッチやサポーターなどのセルフケアで収まらないときは、早めに医療機関を受診しましょう。 痛みを放置して悪化すると、関節の変形や軟骨のすり減りが進んでしまいます。症状の程度によっては、骨切り術や人工関節置換術のような外科的手段が必要です。 手術を避けて治療を行いたい場合は、再生医療という選択肢もあります。 再生医療は、自身の細胞や組織を用いて損傷を修復し、症状の進行を抑える新しい治療法です。自身の細胞を使用するため、拒絶反応などのリスクも少なく、従来の手術よりも体への負担が軽い特徴があります。 運転で膝に痛みを感じる原因と対処法についてのまとめ 運転中の膝の痛みは、ペダルを踏む際の足の使い方や運転中の姿勢などが原因です。 ペダルを踏む際の足の使い方が癖になると、膝の痛みの原因となり、日常生活にも影響を与えるリスクがあります。 マッサージやストレッチ、サポーターやテーピングでの補強が有効な場合もありますが、症状を悪化させないためにも早めの受診をおすすめします。 膝の痛みの治療として再生医療をご検討の場合は、ぜひお気軽に当院へご相談ください。
2020.07.22 -
- 免疫細胞療法
「免疫細胞療法」で簡単に免疫力を上げる方法の魅力を徹底解説 簡単に免疫力を上げる方法があれば、誰もが利用してみたいと思うのではないでしょうか? 今回は、簡単に免疫力を上げる方法の1つとして注目されている「免疫細胞療法」の魅力について解説します。 こちらもご参照ください 簡単に免疫力を上げるとは? 免疫力低下の原因を取り除くことには限界があります。 そして、免疫力を低下させる要因は、生活の中のさまざまな所に隠れています。 ストレスを溜めこんでいる 睡眠不足 運動不足 過度な運動 喫煙や飲酒 栄養不足や偏った食生活 これらの原因を特定し、改善することで免疫力の向上(低下の改善)を見込めますが、これにはどうしても限界があると思う人も多いのではないでしょうか。 また、病気や治療薬の影響で免疫力が低下している場合、原因を取り除くことが困難なケースも珍しくありません。 免疫細胞療法で免疫を上げる 積極的に免疫力を高める方法としておすすめしたいのが「免疫細胞療法」です。 免疫細胞療法は「NK細胞(自然免疫に関わる免疫細胞)」などを本人の血液から取り出し、培養して数を増やす+活性化させてから点滴で本人の体内に戻す治療法です。免疫細胞を短期間で大幅に増やすことができる治療法であり、数が増えて活性化した免疫細胞はそれまで以上に病原体などの異物への攻撃力を高めることができます。 そして、この免疫細胞療法は、簡単に免疫力を上げる方法であるということができます。 免疫細胞療法は「がん」に対する効果も期待できる! 免疫細胞療法は「がん」に対しても効果が期待できると注目されています。 免疫細胞は、日常的に発生し増殖しようとする「がん細胞」を攻撃し、その増殖によるがんの発症を抑えているという側面もあります。簡単に免疫力を上げる方法である免疫細胞療法により免疫機能を強化することで、がん細胞の増殖を抑える機能を強化できるのです。 今まで、がん治療は「手術」「放射線」「抗がん剤」といった治療法がありましたが、副作用や体への負担が大きいことがどうしてもネックでした。免疫細胞療法は副作用や体への負担が少ない治療方法となっており、低負担の「新しいがん治療」としても注目されているのです。 まとめ 免疫細胞療法は血液から免疫細胞を取り出して数を増やし、体内に戻すことで簡単に免疫力を上げる方法であると言えます。 その特性上、副作用のリスクが少なく、手術のような体への負担が大きくかかることもない、利用のハードルが低い治療法として注目されています。免疫力を高めることは風邪などの病気のリスクを抑えるだけでなく、がんの予防や再発予防にも関わることが知られており、免疫細胞療法はがん治療の新しい選択肢としても注目されています。 免疫力の低下が気になっているという人は、生活習慣を見直すだけでなく、免疫細胞療法による積極的な免疫力向上を図るという選択肢も考慮してみてはいかがでしょうか。
2020.07.21 -
- 免疫細胞療法
膀胱炎は再発する!20代の若さで繰り返すのは免疫が低下している可能性が高い 「膀胱炎」という病気は、再発を繰り返す可能性がある病気です。20代という若さで膀胱炎の再発を繰り返す場合には、免疫が低下していることを疑うべきかもしれません。 今回は、20代で膀胱炎を繰り返す場合に免疫力低下を疑う理由について解説します。 20代で膀胱炎を繰り返すのは免疫が低下していることが原因? 「膀胱炎」とは、膀胱に細菌が感染し、炎症を起こす病気です。女性は、尿道が比較的短いことから女性に多く見られ、20~30歳代の若い女性に最も多く、膀胱炎を繰り返す人も少なくありません。 膀胱炎はなぜ繰り返す人が多いのか? 膀胱炎の治療は原因菌を駆除するための抗生物質を用います。ただ、人によっては症状が改善した時点で完治したと勘違いし、医師の処方した薬をその時点で服用中止してしまうケースがあるのです。これが問題で、実は症状が治まって完治したと思っていても、膀胱内には原因菌が残っている場合があるのです。 数が減ったことで症状が治まる可能性がありますが、免疫が低下すると原因菌が一気に増殖し、膀胱炎を再発してしまう可能性が高まります。このように、最初に発症したときにきちんと治療しきれなかった(膀胱に原因菌が残っている)場合に免疫力が低下することで再発しやすいのが、膀胱炎の特徴の1つなのです。 20代となると社会人になっている人が多く、仕事でストレスを溜め、疲労回復が追い付かないことで免疫が低下していることもあります。そのため、膀胱炎を繰り返す人が多いのでしょう。 免疫を高めることで繰り返す膀胱炎を予防できる? 膀胱炎のように細菌などの感染を原因とする病気の中には、体内に潜伏することで免疫力が低下したときに再発する病気も少なくありません。根本的な治療が難しいケースも多く、免疫力を高い状態で維持することが再発防止に役立つ場合もあります。 もし、免疫を医学的な手法で向上させ、繰り返す膀胱炎などを予防したいと考えているのであれば「免疫細胞療法」を検討してみることをおススメします。免疫細胞療法は本人の血液から採取した免疫細胞を培養し、増殖・活性化させてから点滴で体内に戻すという治療法です。 自家細胞を利用するため副作用のリスクが少なく、体への負担が少ない治療内容となっています。 この治療法は「がん」の予防および治療後の再発予防に効果が期待されているという点でも注目されており、新しい治療法としてさまざまな可能性を秘めているのです。20代で膀胱炎を繰り返すという悩みの改善にも役立ち、免疫を上げることでさまざまな病気のリスクを減らすこともできます。 まとめ・膀胱炎は再発する!20代の若さで繰り返すのは免疫が低下している証拠です 膀胱炎の症状は不快なものであり、20代など若い年齢であっても繰り返すことが多いです。しっかりと治療して、免疫力を高めることで再発予防に努めましょう。 免疫力を高める方法としては免疫細胞療法という選択肢もおすすめです。 繰り返す膀胱炎などで悩んでいる、免疫を高めたいという人は、免疫細胞療法による治療を検討してみてはいかがでしょうか。尚、免疫細胞療法に関する詳しい内容などお知りになりたい方は当院までお気軽にお問い合わせ下さい。 監修:リペアセルクリニック大阪院
2020.07.20 -
- ひざ関節
- 再生治療
畑仕事で膝が痛くなる!放置すると更に悪くなる!?その原因と対策、治療法 畑仕事をしていると膝が痛い、立ち上がりやしゃがむときにつらい…というようなことはありませんか? 「年のせいかな?」「年も年だから仕方がない!」などと、膝が痛いのに畑仕事を頑張り、病院に行かないままでいると、どんどん症状が悪化してしまうかもしれません。今回は、「畑仕事をしていると膝が痛い」という症状が出る場合、その原因や対処法について紹介します。 畑仕事をしていると膝が痛いのはなぜ? 畑仕事をしているとき膝が痛い場合、「畑仕事そのものが膝の痛みの原因なのかな?」と思う人もいるかもしれません。しかし、「膝が痛い」という症状が出る原因は、畑仕事に限ったことではなく、いろいろあります。 膝が痛い症状の原因とは? 膝に限らず、関節は加齢によって痛みが出やすくなります。特に膝の関節は、日常生活の中で歩くだけでも負担がかかっていますから、年齢を重ねると「膝が痛い」という症状を訴える人もたくさんいます。 畑仕事を長年続けてきたという人の場合、さらに膝には大きな負担がかかっています。畑仕事では重いものを持ったり、腰をかがめて中腰になったり、同じ姿勢のままでいることも多い仕事です。また、頻繁な屈伸運動が膝に負担をかけるので、膝が痛みやすくなるのです。 膝の痛みの原因は医療機関で診断してもらいましょう! 痛みがあるのに我慢をしていてはいけません。畑仕事をしていて膝が痛いのであれば、医療機関を受診し、診察を受けてください。そうすることで、痛みの原因が分かります。 痛みの原因が分かれば、治療法も見つかりますから、つらい痛みを改善できるでしょう。 畑仕事で膝が痛い…畑仕事のやり方を見直そう! 畑仕事をすると膝が痛いという場合は、畑仕事のやり方を見直すことで、症状が緩和できることもあります。例えば、畑仕事をおこなう姿勢や履いている靴を見直し、物を持ち上げるときに立ったまま持ち上げようとせずゆっくりとしゃがんで持ち上げるようにするなどです。 あなたに合ったサイズの靴を履き、足全体をサポートする靴にすることで膝や股関節への負担が軽くなります。クッション性の高い中敷きも敷くようにすると、さらに足にかかる負担が軽くなるでしょう。 畑仕事をすると膝が痛い!治療法は? 膝の痛みの原因はさまざまですが、軽度であれば安静にする、運動療法をするなどによって痛みの緩和ができることもあります。病院を受診し、膝の痛みの原因が関節周辺の筋力不足のせいだと言われたら、筋力トレーニングやマッサージ、ストレッチをおこないましょう。 筋肉をつけることによって、筋肉が関節をサポートするので痛みが軽減します。ただし、急に過度の筋力トレーニングを行うと逆効果になってしまうため、少しつらいかな、という程度の筋力トレーニングを毎日継続して行うようにしてください。 トレーニング方法についても、医療機関の医師などに指導を受けると良いでしょう。 手術を検討しなければならないことも… 「畑仕事をすると膝が痛いのは、きっと年のせい…」などと思って頑張りすぎてしまうと、関節に変形や軟骨のすり減りが起きてしまうことがあります。一度生じた損傷は自然治癒することはほぼないので、医師の指導の下、運動療法や薬物療法をおこなうだけでなく、外科的手術を検討しなければならなくなることもあります。 膝が痛いとき…再生医療という選択肢もある! 近年、注目を集めている再生医療によって、関節の痛みを軽減する効果が期待できます。 再生医療では、自身の細胞を用いて関節の修復を図るため、副作用のリスクも少なく、身体にも大きな負担がかかりません。また、手術に比べると治療期間も短期間で済むというメリットもあります。 再生医療に興味のある人は、専門のクリニックでご相談ください。 まとめ・畑仕事で膝が痛くなる!放置すると更に悪くなる!?その原因と対策、治療法 畑仕事をすると膝が痛い…というのは、単に年のせいではない可能性があります。ですから、痛みは我慢せず、早めに医療機関を受診し、痛みの原因を診断してもらいましょう。そうすることで、痛みを緩和できる可能性が高くなります。 また、膝の痛みを改善するための方法として、再生医療という治療法も選択できます。再生医療については、どこの医療機関でも受けられるというものではないので、専門のクリニックでご相談くださいね。 監修:リペアセルクリニック大阪院 ▼こちらもご参照ください
2020.07.20 -
- 再生治療
立ち仕事をしていると、股関節に痛みを感じる人もいるでしょう。 しかし股関節の痛みは軽視してはいけません。放置すると、進行性の疾患や慢性的な痛みにつながる可能性があるため、注意が必要です。 この記事では、立ち仕事が股関節に与える影響や、関連する疾患について詳しく解説します。痛みを予防・緩和する方法や治療法についても、医療的な視点からお伝えします。どうぞ最後までご覧ください。 立ち仕事が原因で股関節が痛いのはどんな病気? 股関節は、体重を支えるだけでなく、「立つ」「歩く」「座る」など日常生活の基本動作を司る要となっている関節です。 立ち仕事は股関節に過度な負担がかかるので「変形性股関節症」になりやすいと考えられています。 股関節には軟骨があり、この病気になると軟骨が少しずつすり減ってしまいます。そのため、股関節に痛みが生じたり、歩行障害が現れることもあるので注意が必要です。 立ち仕事だけでなく、肥満や股関節に負担のかかるスポーツも、この病気になりやすいです。 変形性股関節症の症状 変形性股関節症は、初めは軽い痛みや違和感が現れますが、進行するにつれて日常生活に大きな支障が出てきます。代表的な症状は、以下の通りです。 立ち上がったり、歩き始めた時に足の付け根が痛む 爪を切ろうと前屈みになると股関節に痛みを感じる 和式トイレから立ち上がれない 長時間正座ができなくなる 長時間歩くのが辛くなる 車やバスに乗り降りする際に杖や手すりが必要になる お尻や太ももに痛みが出る 足の長さに左右差が出てくる 症状がある場合は早めに専門医を受診し、適切な治療を受けましょう。早めの対応が症状の進行を防ぎます。 股関節の痛みを防止するために心掛けること4選 関節の痛みを防止するには、以下の4項目を意識しましょう。 1.体重管理 体重の増加は、股関節への負担をさらに大きくします。自分の適正体重を保つようにしましょう。 2.適度な運動 股関節の可動域を広げる運動は、血流を良くします。無理のない程度に行うのがポイントです。痛みが強いときは、運動を控えましょう。 3.冷えに注意 腰回りが冷えると、股関節の痛みも増強します。暖かい服装で過ごし、入浴はシャワーだけで終わらせず、湯船につかる習慣をつけましょう。 4.生活スタイルの改善 股関節への負担が少ない、ベッドや椅子での生活がおすすめです。 股関節の痛みを緩和する治療法 股関節の痛みを緩和する治療法には、主に3つあります。ここからは、それぞれの治療法について説明します。 1.薬物療法 痛み止めの薬を服用します。股関節の痛みを緩和する治療で、根本的な治療ではありません。 2.運動療法 適度な運動により股関節のまわりの筋肉を強化し、股関節の変形の進行を抑える療法です。 適切ではない運動は痛みを増強させるので、医師や理学療法士の指導のもとにストレッチなどを行います。 3.手術療法 症状の改善がみられない場合は手術を検討する場合もあります。手術は2種類あり、症状が比較的軽度、かつ若年層には自分の骨を活用する骨切り術が検討されます。関節の変形が進んでいる段階であれば人工股関節手術を選択します。 立ち仕事による股関節の痛みでお悩みの方からよくある質問 立ち仕事における股関節の痛みに悩む方へ、股関節に効くストレッチや、変形性股関節症で歩くべきかどうか、股関節に負担をかけない立ち方について解説します。 立ち仕事向けの股関節に効くストレッチは? 立ち仕事向けの股関節に効く簡単にできるストレッチは、股関節周りの筋肉をほぐす「股関節回し」や、太もも前面を伸ばす「大腿四頭筋ストレッチ」がおすすめです。 立った状態でできる「股関節回し」のストレッチ方法をご紹介します。 背筋を真っ直ぐにして、片足立ちになります 股関節を軸に、上げた脚の膝で円を描くように10回ほどゆっくり回します 10回終了したら、逆の脚も同じようにおこないます 「股関節回し」は立った状態でも行えるため、仕事の合間に無理なく取り入れられます。日常的にストレッチを続けると、股関節の柔軟性が高まり、痛みの軽減や予防に効果的です。習慣化して、股関節の健康を保ちましょう。 変形性股関節症は歩いた方が良いですか? 変形性股関節症のリハビリは、股関節に負担をかけない範囲でのゆっくりとした歩行が効果的です。無理のない速度で歩くと筋力を維持し、関節の柔軟性を保てます。 ただし、速く歩くと股関節に負担がかかりやすいため、自分のペースを守るのが大切です。最初は短い距離から始め、慣れてきたら少しずつ時間や距離を延ばすようにしましょう。 また、必要に応じてサポーターや杖を使用するのも有効です。 股関節に負担をかけない立ち方は? 股関節に優しい立ち方は、足で踏ん張るのではなく、頭からまっすぐに伸びるように立つことです。股関節の痛みを抱えると、立ち上がるときに体を前に倒してしまいますが、余計な負担をかけてしまいます。 背筋を伸ばし、頭が真上に引っ張られるイメージで立つと、股関節にかかる負担が軽減され、立ち上がる動作が楽になります。 また、立つときは足を肩幅に開き、重心を均等に保つのもポイントです。 変形性股関節症で立ち仕事がつらい場合は再生医療を検討ください 立ち仕事により股関節に痛みが生じる方は、変形性股関節症が考えられます。症状が悪化する前に、予防や自分に合った治療法を選ぶのが大切です。 また、近年は再生医療による治療も選択できます。再生医療はスポーツ医療でも多く用いられており、負担や、副作用が少ないため、注目を集めています。 変形性股関節症の治療のひとつとして、再生医療を検討してみてください。
2020.07.19 -
- 再生治療
- 肝疾患
- 幹細胞治療
健康診断で脂肪肝の心配が!その数値についてと症状について解説します! 健康診断などで「脂肪肝」という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。しかし、何となく不健康なイメージがあると思いますが、具体的に何がどうなっているのか知っているという人は少ないのではないでしょうか。 そこで今回は、脂肪肝の数値や症状などについて解説します。 脂肪肝について詳しく知ることで、病気の発生や悪化のリスクを減らしていきましょう。 脂肪肝の数値 過去に受けたことのある健康診断(血液検査)の結果が手元にある場合は、リストに掲載されている項目の中から「AST」「ALT」という項目を探してください。 AST(GOT):基準値7~38IU/L ALT(GPT):基準値4~44IU/L 上記の数値を越えている場合、疑われる病気の1つとして「脂肪肝」が挙げられます(その他にも肝炎や肝硬変なども含まれる)。 また、脂肪肝とは直接関係しない数値ですが「BMI」という数値があり、これは肥満指数を表していてBMI≧25だと肥満であると診断されるのです。 肥満と診断された人の2~3割ほどに、脂肪肝の疑いがあるとされています。 脂肪肝の症状とは? 病気の初期症状を見極めることで予防や症状の進行を抑えるといったアクションを起こせるものですが、厄介なことに脂肪肝は初期の段階では目立った症状がないのです。 ある程度、症状が進行すると「疲れやすくなる」「ボーっとする」「腹部に違和感を覚える」などの症状を自覚することがありますが、前述の通りこれはあくまでも「症状が進行している状態」であるため、原因となっている生活習慣などの改善が難しいという側面があります。 そのため、定期的な健康診断を受けて、肝臓の数値をチェックすることが大切です。 脂肪肝の治療法と再生医療 脂肪肝の治療法としては、原因となっている生活習慣を改善することで症状の進行を抑えることができますが、現状の肝臓の状態を治療するための治療にはなりません。 肝臓の状態をそのままにすると、次第に「肝硬変」や「肝臓がん」といった状態に進行する可能性があり、場合によっては命に関わることもあります。 そこで注目されているのが「再生医療」という治療法です。 再生医療は「幹細胞」を利用することで脂肪により弱っている肝機能を改善できる可能性があります。 患者さんによって治療効果には個人差が見られますが、従来の治療法では見出すことのできなかった「弱った肝臓の再生」という可能性を見出せる再生医療は、一考の価値があると言えます。 まとめ・健康診断で脂肪肝の心配が!その数値についてと症状について解説します! いかがでしたでしょうか。 脂肪肝は数値から見ることができる可能性はあるものの、自覚症状は目立つものではなく、気づかないうちに症状が大きく進行している可能性があります。 健康診断をきちんと受けて、肝臓の数値をチェックし、脂肪肝になっていないか診断してもらうようにしましょう。 近年は、従来の治療法では改善することの難しかった脂肪肝の症状を改善する再生医療という治療法があります。個人差はありますが、肝機能の回復を図りたいのであれば、この再生医療を検討してみる価値は大いにあると言えます。 この記事がご参考になれば幸いです。 監修:リペアセルクリニック大阪 こちらもご参照ください
2020.07.18 -
- 免疫細胞療法
免疫力が関わる疾患、厄介な特性を持つ病気「帯状疱疹」の治療方法 「帯状疱疹」は、免疫力が関わる病気の一種です。そして、治療法はありますが、帯状疱疹は厄介な特性を持つ病気でもあります。 今回は、帯状疱疹の治療法と免疫力との関係について解説します。 帯状疱疹は免疫力と関係があるの?治療法は? 「帯状疱疹」とは、水痘帯状疱疹ウイルスに感染して症状が落ち着いたのちに再発する病気のことです。 このウイルスに感染してはじめて症状が出る場合には「水痘」いわゆる「水ぼうそう」と診断されます。 水痘が落ち着いたのち、ある理由で再発した場合に帯状疱疹と診断されるのです。 その「ある理由」というのが少し厄介であり、実は水痘および帯状疱疹の再発理由には「免疫力」が深く関係しています。 水痘帯状疱疹ウイルスに感染して症状が出た後、このウイルスは神経節に潜伏します。 治療により症状は落ち着きますが、神経節に潜伏しているウイルスは駆除することができません。 ただし、潜伏しているウイルスは不活性状態、要するに悪さをしない状態で潜伏しています。 しかし、本人の免疫力が低下すると再活性化し、帯状疱疹の症状をもたらすのです。 帯状疱疹の治療法と再発を防ぐ方法 帯状疱疹の治療には「抗ウイルス薬」や「鎮痛薬」が使用されることが多いです。 これらの症状は帯状疱疹の症状を抑え、症状が出る期間を短くするために使用されますが、病気を根本的に治療できる方法、つまり神経節に潜伏しているウイルスを駆除する方法ではありません。 帯状疱疹を予防するためには、再活性化の原因となる免疫力低下を回避し、免疫力を高い状態で維持することでウイルスの不活性状態を継続させることが重要なのです。 免疫力を高める免疫細胞療法で帯状疱疹の予防をしよう 免疫力を高く維持することで帯状疱疹の予防に役立ちますが、免疫力の低下原因を回避するだけでは十分に免疫力を確保できない可能性もあります。 より積極的に免疫力を向上させたいと思うのであれば「免疫細胞療法」という治療法があります。 免疫細胞療法とは、本人の血液から取り出して培養した免疫細胞を点滴で戻すことで体内の免疫細胞の数を増やして免疫力を高める治療法であり、がんの予防・再発予防にも役立つことが注目されています。 まとめ・免疫力が関わる疾患、厄介な特性を持つ病気「帯状疱疹」の治療方法 帯状疱疹は一度感染すると再発リスクを抱え続けることになりますが、免疫力を高めることで治療が必要な症状の発症を回避できる可能性が高まります。 免疫力を医学的な手法で積極的に向上させたいと考えているのであれば、免疫細胞療法を取り扱っている医療機関に問い合わせてみてください。当院は、厚生労働省に認可を受けた再生医療専門院で免疫細胞療法にも通じています。 この治療方法についてのご質問などございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。 監修:リペアセルクリニック大阪院 こちらもご参照ください
2020.07.17 -
- 再生治療
股関節の痛みは日常生活に支障をきたします。とくに足をあげる際に痛みを伴う場合は立ち上がる、歩く、階段を上るなどの日常的な動作がつらくなるでしょう。 足を上げると股関節が痛い場合は、変形性股関節症や大腿骨近位部の骨折、股関節の使いすぎなどが考えられます。 この記事では、股関節の痛みが起こるメカニズムや具体的な対処法について、わかりやすく解説します。 自分の痛みがどのような原因によるものかを一緒に確認してみましょう。 この記事を読むとわかること 股関節痛の症状 股関節の痛みが強い場合の対処方法 足を上げると股関節が痛いときの自分でできる対処法 股関節痛の症状 股関節は足の付け根を曲げたり、長い時間体重がかかると負担が大きくなります。 股関節痛の主な症状は下記の通りです。 股関節痛の主な症状 長時間立ったり歩いたりすると股関節に痛みを感じる 足の爪が切りにくい 靴下が履きにくくなる 足を上げると股関節が痛い原因 股関節が痛む原因を下記の表にまとめました。 病名など 原因 症状 特徴 変形性股関節症 股関節の軟骨部分のすり減り 長時間の歩行や立ち仕事の後に痛みを感じやすい 中高年の女性に多い 大腿骨近位部骨折 脚の付け根の部分が骨折 痛みのある方の足に体重をかけられないほどの痛み 高齢者は軽い転倒でも骨折する場合がある 股関節唇損傷 骨盤に大腿骨がはまっている部分の軟骨に傷ができる 股関節の痛み 変形性股関節症の前段階ともいわれる 股関節の使いすぎ 股関節に疲労がたまり炎症が起こる 股関節の違和感や痛み 股関節を酷使するスポーツをする方や姿勢が悪い方に多い 靭帯や筋肉の損傷 無理な体勢や事故によるストレス 股関節の違和感や痛み 事故にあった方やスポーツをする方は注意 それぞれ詳しくみていきましょう。 変形性股関節症 変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減り関節が変形する病気です。股関節の痛みや動かしづらさが主な症状で、とくに中高年の女性に多くみられます。原因は加齢による関節軟骨のすりへり、肥満による関節への負担、うまれつきや事故などの外傷です。 初期には長時間の歩行や立ち仕事の後に痛みを感じやすくなり、進行すると安静時や就寝時にも痛みが現れます。もっとひどくなると、しゃがんだり、足を大きく開いたりなどの動作ができません。 症状が軽い場合は運動療法や生活習慣の改善、痛み止めの内服など保存療法が中心ですが、重度の場合は人工関節を入れる手術をおこないます。 予防には適度な運動が効果的ですが、股関節に大きな負担をかけないように心がけてください。 大腿骨近位部骨折 大腿骨近位部骨折は、脚の付け根の部分に発生する骨折です。 骨粗しょう症が原因で骨が弱くなっている高齢者に多く、転倒や軽い衝撃でも簡単に骨折しかねません。若い人はスポーツや事故などで骨折するケースもあります。股関節を構成している大腿骨は、身体のバランスや歩行にとって重要な役割を担っているだけに生活に大きく影響しかねません。 症状は、股関節周辺の強い痛みです。痛みのある方の足に体重をかけられず歩行困難になります。基本的には手術が必要なため、歩くのも困難な場合は早急に医療機関を受診しましょう。 股関節唇損傷 股関節唇(こかんせつしん)損傷は、骨盤に大腿骨がはまっている部分の軟骨に傷ができる状態をいいます。大腿骨の上の方は丸い頭のような形で、股関節唇(軟骨)が覆っています。 股関節唇は関節のクッションの役割をしていて、大腿骨と骨盤を衝撃から守っています。そのため、股関節唇に損傷ができると痛みが出たり、股関節が安定しません。 変形性股関節症の前段階ともいわれています。 股関節の使いすぎ スポーツなどで股関節にストレスがかかる状態が続くと、股関節に疲労がたまり炎症を起こします。股関節はすべてのスポーツでよく使用する関節であり、継続的に負担のかかりやすい場所です。股関節に違和感をおぼえたら休息をとりましょう。 正しい姿勢でない場合にも股関節に余分な負荷がかかるため、痛みが生じます。正しい姿勢を意識して過ごしましょう。 靭帯や筋肉の損傷 股関節の周りには大きな靭帯や筋肉があります。無理な体勢で負荷がかかったり、事故などで強い力が加わると靭帯や筋肉の損傷につながります。 運動の前はかならずストレッチしましょう。ストレッチを行わずに運動してしまうと、靭帯や筋肉の損傷を起こし、痛みにつながってしまいます。 股関節の痛みが強い場合は早急に医療機関へ 地面に足がつけられないほどの強い痛みや、熱をもっていたり腫れていたりする場合は早めに医療機関を受診しましょう。 手術など医療的なケアが必要な可能性があります。 医療機関で行う検査 足を上げると股関節が痛む場合は整形外科の受診がおすすめです。 整形外科で行う検査 レントゲン 超音波 MRI 股関節は筋肉に囲まれた深い場所に位置しているため、水のたまり具合や腫れを触って確認できません。レントゲンで判断できない場合は超音波やMRIで詳しく検査します。 医療機関の治療 足を上げると股関節が痛む場合の治療法は症状によって異なります。 主な治療方法を下記の表にまとめました。 症状 治療法 変形性股関節症 水泳などの運動 装具の使用 患部を温める 湿布や軟膏で炎症を抑える 手術 大腿骨近位部骨折 人工関節や自分の骨を接合する手術 股関節唇損傷 安静 ステロイド注射 手術で損傷した部位を修復 また、上記以外の治療法として再生医療があります。再生医療は、幹細胞を活用して損傷した軟骨や組織を修復・再生し、痛みや機能障害を改善する治療法です。手術を回避できる可能性が高く、体へ大きな負担をかけずに治療ができます。 足を上げると股関節が痛いときの対処法 股関節が痛いと日常生活に大きく影響します。 痛みが強いときは受診するのが一番ですが、自分でできる対処法について解説します。 自分でできる対処法.1 股関節周囲の筋肉を強化する 股関節周囲の筋肉を鍛えると支える力が大きくなるため関節の負担も減り、痛みの緩和が期待できます。 おすすめのトレーニングを紹介しますので、無理のない範囲で試してみてください。 外旋筋群のトレーニング ※画像あります 外旋筋群のトレーニング手順 1.横を向いて寝転ぶ 2.両膝を90度に曲げ体を安定させ、かかとを付ける 3.股関節を45度開く 4.股関節を閉じる ※3と4を繰り返す おしりの深い部分にある筋肉を鍛えるトレーニングです。骨盤の下方と股関節をつなぐ役割をしています。 膝の力で行うと太もものトレーニングになるので、脚の付け根から動かすイメージで行いましょう。 また、骨盤が後ろに倒れないようにすると効果的です。 中殿筋と小殿筋のトレーニング 中殿筋と小殿筋のトレーニング手順 1.横になる 2.下の脚を少し曲げる 3.上の足は後ろ側へ上げる 中殿筋と小殿筋も骨盤と股関節をつなぐ役割を果たしています。 膝を伸ばすと、さらに効率よくトレーニングできます。 自分でできる対処法.2 トイレは洋式、正座ではなく椅子に座る 股関節を大きく屈曲する必要のある和式トイレや正座などの行動は、股関節への負担が増します。 負担軽減のために、洋式トイレや椅子を使用するようにしましょう。 自分でできる対処法.3 水中で運動する 水中は浮力が生じるため関節の負担も少なくなります。股関節周囲の筋肉強化のためにプール内での歩行なども効果的です。 自分でできる対処法.4 体を冷やさない 体が冷えると血流が悪くなり筋肉がかたくなります。股関節の可動域が狭くなったり痛みがでたりなど、ケガをしやすい状態になりかねません。具体的な温め方は下記の通りです。 股関節の温め方 ホットパックで15~20分温める カイロを股関節の前後に貼る 40度前後のお湯に15分程度浸かる 軽いストレッチを行う とくに、入浴は全身の筋肉が温まり血行が促進されるのでおすすめです。 まとめ 股関節の痛みは、放置していると日常生活に影響を及ぼす可能性があります。 痛みの原因を理解し適切な対処をすれば、症状の改善や予防が可能です。すでに痛みが強い場合は、早急に専門医の診察を受けましょう。 当院では、再生医療を取り扱っています。再生医療は幹細胞を用いて損傷した軟骨や組織を修復・再生し、痛みや機能の改善を目指す先進的な治療法です。興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
2020.07.16 -
- 免疫細胞療法
過度な飲酒は、免疫力の低下を招くといわれています。お酒により免疫力が低下すると、病気の発症リスクが高まるため注意が必要です。 そこで本記事では、アルコール(お酒)が免疫力低下の原因になる理由・メカニズムについて解説します。 最後までご覧いただき、お酒で免疫力低下を起こさないように生活習慣を見直しましょう。 この記事を読むとわかること お酒が免疫力低下を招くメカニズム 過度な飲酒が招く疾患 1日の飲酒量の目安 アルコールで免疫力低下を招かないためにできること お酒が免疫力低下を招くのはなぜ? お酒が免疫力低下を招く理由は、以下の3つです。 血中アルコール濃度が高まるとNK細胞の働きが弱まる マクロファージの機能が低下する アセトアルデヒドが増加する 過度な飲酒が健康上に与える悪影響は多いため、飲みすぎには注意が必要です。 血中アルコール濃度が高まるとNK細胞の働きが弱まる お酒を飲んで血中アルコール濃度が高まると、NK細胞の働きが弱まります。NK(ナチュラルキラー)細胞は、生まれつき備わっている自然免疫の重要な役割を担うリンパ球の一種で、異常細胞を攻撃する免疫細胞です。 過度な飲酒により血中アルコール濃度が一定値以上に達すると、NK細胞の活性度合いが低くなると考えられています。 マクロファージの機能が低下する 過度にお酒を飲むと免疫力が低下する理由は、マクロファージの機能が低下するためです。マクロファージは白血球の1種で、細菌やウイルスなどの異物を分解する貪食作用を持ちます。 マクロファージが正常に機能しなければ、体内に入ってしまった異物を排除できなくなります。お酒に含まれるアルコールは、免疫細胞の働きを阻害するため、過度な飲酒は控えましょう。 アセトアルデヒドが増加する お酒が免疫力低下を招く理由の1つに、アセトアルデヒドの増加があります。お酒を飲むと、体内でアルコールが分解されて有害な物質のアセトアルデヒドが作られます。アセトアルデヒドは体にとって毒性があり、細胞にダメージを与えます。 免疫システムはアセトアルデヒドを排除しようと働きますが、量が多すぎると免疫細胞に負担がかかり、結果的に免疫力が下がってしまいます。また、アセトアルデヒドが増えると活性酸素も増加するため、細胞がさらに傷つき免疫力の低下に拍車をかけてしまいます。 過度な飲酒が招く疾患とは? 過度な飲酒を続けると、下記の疾患を招きます。 急性アルコール中毒 肝炎や肝硬変など肝臓の疾患 アルコール依存症 認知症 がん 痛風 糖尿病 アルコールの過剰摂取は直接的に病気の発症リスクを高めたり、間接的に関与したりする場合があるため注意が必要です。 1日の飲酒量の目安は? 厚生労働省によると、1日の飲酒量の目安は純アルコールで約20g程度※とされています。 ※出典:厚生労働省「アルコール」 以下は1日のアルコール摂取量の目安を示した表です。 お酒の種類 純アルコール量 ビール中瓶1本(500ml) 20g 清酒1合(180ml) 22g ウイスキー(60ml) 20g 焼酎35度1/2合(90ml) 25g ワイン2杯(240ml) 24g 1日当たりのアルコール摂取量が増加するにつれ、死亡率も上昇するという研究結果があります。過度な飲酒を長期間にわたって続けていると、アルコール依存症を発症するリスクもあるため、適度な飲酒量を心がけましょう。 アルコールで免疫力低下を招かないためにできることはある? アルコールで免疫力低下を招かないためには、過度な飲酒を控えるほか、生活習慣の見直しも重要です。 飲酒量を抑える ストレスを溜めない 十分な睡眠をとる ほどよく運動をする 上記を意識して過ごせば、免疫力の低下を抑えられます。 免疫力が低下すると病気の発症リスクが高まるため、生活習慣を見直し免疫力をつけましょう。 免疫低下を改善するなら免疫細胞療法を受けることを検討しよう お酒を飲み過ぎると、血中のアルコール濃度が高まり、NK細胞やマクロファージといった免疫細胞の働きが低下します。また、体内で発生するアセトアルデヒドが免疫細胞に負担をかけ、体全体の免疫力を弱める原因となります。 これにより、風邪やインフルエンザなどの感染症リスクの上昇や、慢性疾患の発症リスクも高まるため注意が必要です。 免疫力低下を改善するためには、適量の飲酒を心がけるほかに、免疫細胞療法を検討するのも一つの手段です。 免疫細胞療法は、免疫細胞を活性化させる治療で、感染症予防や免疫力の回復をサポートします。 免疫細胞療法について興味をお持ちの方は、ぜひお気軽に当院へご相談ください。
2020.07.16 -
- 免疫細胞療法
ヘルペスが頻繁に発症するのは免疫力の低下が原因か 「ヘルペス」という症状は違和感や痛みを伴いますし、見た目の悪さもあって決して快いものとはいえません。 そんなヘルペスを頻繁に発症していることに悩んでいる人もいると思いますが、その原因は、もしかすると「免疫力低下」かもしれません。今回は、ヘルペスと免疫力低下の関係について解説します。 ヘルペスウイルスの潜伏感染と免疫力低下の関係 まず、そもそもヘルペスとはどのような症状なのかについて解説しておきます。「口唇ヘルペス」などで有名はヘルペスとは、ヘルペスウイルスに感染することで炎症を起こしている状態のことです。 ウイルスが付着した手指や器具などからによる接触感染や、感染者のくしゃみなどからによる飛沫感染によりヘルペスウイルスに感染することが発症原因となります。 例えば口唇ヘルペスの場合、唇の回りが赤く腫れてヒリヒリとした違和感や痛みを伴い、水膨れやただれなどを引き起こす場合もあります。 免疫力低下の状態だとヘルペスウイルスに感染しやすい? ヘルペスウイルスの厄介なところは「潜伏感染」という特性です。 感染したヘルペスウイルスは神経節に潜伏し、何らかの理由で免疫力が低下した際に活性化して病気を再発させるという特徴があります。神経節に潜伏するウイルスを取り除くことはできず、再発防止のためには免疫力を維持することが重要なのです。 ここで話を戻しますが、「ヘルペスが頻発(頻繁に再発)する」ということは「日常的に再発の原因=免疫力低下を引き起こしている」という可能性が高いと考えられます。 何が原因で免疫力が低下しているかは人によって異なりますが、別の病気を原因としているのでなければ、生活習慣を見直すことで免疫力を改善し、ヘルペスの頻繁な再発を防げるようになるかもしれません。 免疫細胞療法で免疫力低下を防ぐ! 医学的な方法で積極的に免疫力を向上させたいと考えるのであれば「免疫細胞療法」という治療法があります。免疫細胞療法は本人の血液から免疫機能に関係する細胞を取り出し、培養して活性化・数を増やしてから体内に戻すという治療法です。 幹細胞を利用する「再生医療」と同じく昨今注目されている治療法であり、免疫力を高めることで感染症のリスクを抑えられるだけでなく、「がん」の予防・再発防止に役立つことも注目されています。 まとめ・ヘルペスが頻繁に発症するのは免疫力の低下が原因か ヘルペスの頻繁な再発は、免疫力低下によるものであると考えられます。免疫細胞療法はヘルペス再発の原因となる免疫力低下を改善し、病気に負けない体作りをサポートしてくれるでしょう。 こちらもご参照ください 監修:リペアセルクリニック大阪院
2020.07.14