脳出血後の右半身麻痺を回復させるには?リハビリの重要性と再生医療による治療について
公開日: 2021.08.06更新日: 2024.12.04
体には運動神経という神経があり、この運動神経が正しく働いていると手足を思うように動かすことができます。
しかし、脳出血によって運動神経に障害が起きると体に麻痺が生じます。
脳出血が頭の左側で起きると右半身麻痺の症状が生じ、右側で起きると左半身麻痺が生じます。この麻痺を改善していくためにはリハビリが重要です。
本記事では「脳出血後の右半身麻痺を回復させるためのリハビリの重要性」について詳しく解説していきます。
脳出血による右半身麻痺の早期回復を目指すための「再生医療」についても解説しています。
リハビリの重要性と治療方法を理解して、脳出血の後遺症を回復させるための参考にしてください。
目次
脳出血による右半身麻痺は「運動障害」の一つ
脳出血後、脳の細胞がダメージを受けたことで後遺症が残ることもあり、右半身麻痺の症状は「運動障害」の一つです。
運動障害の症状の重さは、脳出血が生じた部位によって異なります。
名称 |
主な症状 |
完全麻痺 |
損傷した部位の運動機能が完全に失われて、感覚がなくなっている状態 |
不全麻痺 |
手足などの一部または全身が自分の意のままに動かせなくなっているが、手足の動きや感覚がわずかに残っている状態 |
痙縮(けいしゅく) |
筋肉が過剰に緊張した状態になり、手足が動かしにくかったり、勝手に動いてしまったりする |
不随意運動 |
手足などの一部または全身が自分の意思とは関係なく勝手に動いてしまう |
運動失調 |
麻痺はないが、手や足などの複数の部位を協調して動かせない状態 |
また、脳出血後の後遺症は「運動障害」以外に触覚や痛覚が鈍くなってしまう「感覚障害」などさまざまな症状があります。
後遺症によって日常生活に影響が出ることも多いため、脳出血後の症状や適切な治療方法を知っておくことが重要です。
脳出血による右半身麻痺の回復にはリハビリが重要
脳出血によって半身麻痺の後遺症が残ってしまった場合、早期のリハビリがとても重要です。
一般的に脳出血の発症から6ヶ月後までは、ダメージを受けた脳の神経ネットワークが再構築すると考えられており、症状が回復する見込みがあります。
しかし、時間が経過してしまった半身麻痺の症状は、回復の見込みが著しく低下してしまいます。
「回復期」と呼ばれる半身麻痺発症6ヶ月後までの期間で、脳の機能回復をできる限り引き出すためにリハビリを積極的に行うことが重要です。
リハビリは患者本人だけでなく、家族の理解やサポートも大切なポイントです。
【時期別】右半身麻痺の回復に必要なリハビリテーション内容
脳出血による右半身麻痺の回復に必要なリハビリ内容を「急性期」「回復期」「維持期」の3つの時期別に解説します。
早期に回復するためにも、それぞれの時期別に適したリハビリを行いましょう。
急性期に行うリハビリ
脳出血の発症から2〜3週間の「急性期」に行う主なリハビリは、以下の通りです。
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急性期は特に危険な状態になりやすいので、安静にしている治療期間の体力低下を抑えることをリハビリの目的としています。
主に関節が硬くならないようにストレッチやベッド周辺でできるリハビリを中心に行います。
回復期に行うリハビリ
急性期から発症後6ヶ月までの「回復期」に行う主なリハビリは、以下の通りです。
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回復期のリハビリは、在宅復帰や社会復帰を目指して、さまざまな機能回復を目的としています。
主に自力で立つ、座るなどの基本的な動作や食事やトイレなどの日常生活に欠かせない動作を中心に行います。
維持期に行うリハビリ
一度症状が回復し、退院後の「維持期」に行う主なリハビリは、以下の通りです。
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症状が回復した機能も何もしないでいると機能低下が進むため、機能維持のためにリハビリをする必要があります。
麻痺した側を積極的に動かすことも重要ですが、麻痺していない側も注意が必要です。
右脳と左脳でバランスを保っているため、意識せずとも麻痺してできないことを麻痺していない側の身体が補おうとして大きな負荷がかかります。
維持期のリハビリは、全身の機能維持を意識することが重要です。
脳出血による右半身麻痺は「再生医療」による治療がおすすめ
脳出血による右半身麻痺の後遺症には、再生医療による治療がおすすめです。
今まで一度死んだ脳細胞は元に戻らないといわれていました。
しかし、再生医療による治療で機能しなくなった脳細胞が復活し、後遺症を改善できることがわかってきました。
脳出血に対する再生医療の治療は、患者さんの幹細胞を培養して数を増やし、幹細胞がいろいろな組織に変化する性質を利用して脳細胞を再生させるという方法です。
治療結果は、患者さんの病状や身体の具合で個人差がありますが、治療を始めるのが早いほど良い結果が出ています。
再生医療による治療を受けるか迷われている方は、早めにご相談いただくことをおすすめします。
以下のページでは脳出血の再生医療について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
【まとめ】脳出血による右半身麻痺の早期回復を目指すなら再生医療で治療しよう
脳出血による右半身麻痺を回復させる方法について解説しました。
一般的に脳出血の発症から6ヶ月後までは、ダメージを受けた脳の神経ネットワークが再構築すると考えられており、症状が回復する見込みがあります。
そのため「回復期」と呼ばれる発症から6ヶ月の時期に機能回復のためのリハビリが重要です。
また、脳出血による後遺症の早期回復を目指すなら「再生医療」による脳の再生治療を検討しましょう。
いろいろな組織に変化する幹細胞の性質を利用して損なわれた脳細胞を再生させる研究が進み、安全性が高く効果があると世界でも注目されています。
再生医療による治療は早ければ早いほど良い治療結果が出ているため、まずはご相談ください。
監修:リペアセルクリニック大阪院