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脳卒中とはどんな病気ですか

脳卒中は、どんな病気かを分かりやすく

脳卒中とは、脳の血管が急に破れたり詰まったりして脳の血液の循環に障害をきたし、様々な症状を起こす病気です。
脳卒中は、血管が破れる脳出血と血管が詰まる脳梗塞とに大別されます。

脳出血

・実質内出血(脳の組織自体に出血が起こる)

・くも膜下出血(脳動脈瘤が破裂することが原因となって、脳の表面である”くも膜下腔”に出血が起こる)

脳梗塞 心原性脳塞栓症
・アテローム血栓性脳梗塞
・ラクナ梗塞
・その他

【脳卒中患者数】

日本では脳卒中の患者のうち4分の3を“脳梗塞”が占めています。

脳卒中の患者数
脳卒中の患者数

・脳梗塞・・・112.9万人

・脳内出血・・・17万人

・くも膜下出血・・・5.1万人

・その他・・・13万人

【その他の疾患】

■一過性脳虚血発作
一時的に血栓が血管をふさぐもの。(すぐ開通する)

■脳腫瘍
脳の中にできた腫瘍が圧迫して、鋭い頭痛や吐き気などが起こる。

■脳動脈瘤
脳の動脈の一部が膨らんで弱くなる。くも膜下出血につながることもある。

■脳動静脈奇形
脳の一部において異常な血管を介し、動脈と静脈がつながっている状態で、けいれんを起こしたりする。

■もやもや病
脳の太い動脈がつまり補うため周りから細い血管が発達して、鋭い頭痛などを起こす。

【危険因子】

■高血圧
脳の血管の大きな負担となり動脈がもろくなります。その結果、血管が詰まったり、破裂することがあります。血圧は塩分の摂取によっても高くなるので、食事の時はなるべく塩分の摂取を控えましょう。

■糖尿病
近年の食生活の欧米化により罹患数が増えていますので、糖尿病患者は摂取カロリーを低く抑える必要があります。バランスの良い食事をし、間食や油料理を減らし、体重のコントロールを行いましょう。

■脂質異常症
特に悪玉のLDLコレステロールが高い人は、脂肪の摂取量を抑えることが大事です。油分の多い料理を避け、芋類、豆類、根菜類、海草、キノコなどコレステロール低下に作用する食べ物を選びましょう。

■不整脈(心房細動)
心臓の中にできた血栓が脳まで移動して、脳の動脈を詰まらせます。ワルファリンなどの抗凝固薬を使い、血栓が作られにくくすることで、脳梗塞の予防が可能となります。

■喫煙
ニコチンは血圧を上昇させたり、動脈硬化を促進する原因となります。百害あって一利なしです。そのほか、肥満、高齢者、男性、運動不足、過度の飲酒などが脳卒中の危険因子となります。
 

【日本における脳卒中の現状と患者動向】

・現在、脳卒中の患者数は約150万人いるといわれ、毎年約25万人以上が新たに発症しているとされています。
・脳卒中はがん、心臓病に次いで日本における死因の第3位となっています。
・「寝たきりになる原因」の約3割近くが、脳卒中などの脳血管疾患です。
・全医療費の1割近くが脳卒中の治療に費やされています。
・高齢者の激増や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病の増加により、脳卒中の患者は今後も増加していくと予想されています。

寝たきりになる原因

脳卒中で寝たきりになる原因

・脳血管疾患(脳卒中など):27.7%

・高齢による衰弱・・・16.1%

・骨折・転倒・・・11.8%

・認知症・・・10.7%

・関節疾患(リウマチなど)・・・10.4%

・パーキンソン病・・・6.6%

・心臓病・・・3.1%

・その他・・・13.6%

【脳卒中の前兆】

・ろれつがまわらない、言葉が出てこない
・相手が話していることを理解できない
・片半身がしびれる、感覚が鈍くなる
・顔半分がしびれる、引きつる
・めまいがする
・体が動きにくい、力が入らない
・片目が見えにくい
・両目で見たときに物が二重に見える
・激しい肩こりが起こる
・激しい頭痛が起こる
(普段から片頭痛などがある方は、いつもとは違うような頭痛)

これらの症状に加えて、意識状態が悪化することもあります。軽い場合は、なんとなくぼんやりしているという印象ですが、重症の場合は強い呼びかけやつねったりしても目を閉じたままで反応がありません。

次に、くも膜下出血では頭痛の強さは発症時にピークに達し、その後も痛みは持続します。同時に、嘔吐することもあります。「最近なんとなく頭が痛い」といったように開始時刻を特定できない場合は、くも膜下出血ではないでしょう。

【FASTテスト】

気になる症状がある場合に簡単にできるチェック方法に、“FASTテスト”というものがあります。

脳卒中のFASTテスト

・Face(顔)=顔の麻痺のチェック
鏡に向かって微笑んだときの、口角の左右のバランスをチェックします。
片側が引きつって歪んだように見えたら黄信号です。

・Arm(腕)=腕の麻痺やしびれのチェック
真っ直ぐ立って手のひらを上に、両腕を肩の高さまで突き出します。
高さを維持できずに片腕が下がってきたら、片麻痺の疑いがあります。

・Speech(言葉)=言葉の異常をチェック
「花子が太郎にリンゴをあげた」これを声に出して言ってみてください。
顔や口元に麻痺があると滑舌が悪くなり、特に「ラ行」が発声しづらくなります。

・Time(時間)=症状に気付いた時刻
 これらの症状に気付いたら、発症時刻を確認してすぐに119番通報をしましょう。
とにかく早期発見、早期治療が重要です。

【脳卒中の画像診断】

脳卒中が疑われたらまず出血の有無を確認し、脳梗塞の起こっている部位を特定するため、画像診断を行います。脳卒中は場合によっては生死にかかわるため、早急に検査が必要です。

脳卒中の診断には以下のような検査が行われます。これらの検査で脳卒中の種類を診断します。

・コンピュータ断層撮影(CT)
・核磁気共鳴画像(MRI)
・核磁気共鳴血管撮影(MRA)

■CT検査
X線撮影をコンピュータで解析して脳の輪切りを映し出し、脳卒中の有無や種類を判定します。脳梗塞の場合は発症から24時間以上経たないとはっきり描画できませんが、脳出血は発症後すぐに描画されます。

■MRI検査
磁力を使って脳の断層像を映し出します。CTと比較して鮮明な画像が得られ、出血部分や
梗塞部分が発症後すぐに描画されます。

■MRA検査
造影剤は使用せず、磁力を使って脳の血管を映し出します。詰まっている血管を見つけだ
すことができます。

■超音波検査
超音波の発信受信装置を首にあてて、動脈硬化の有無や程度を調べる検査です。また心エコーといわれる心臓の超音波検査も行われます。

■血管造影検査
カテーテルという細い管を通して造影剤を入れ、X線撮影をすることで血管の状態が詳細に
わかります。

【脳卒中のリハビリテーション】

■急性期
・時期:発症から1~3週間
・治療施設:急性期病院
・リハビリテーションのポイント:廃用症候群の予防
                リスク管理(座位、運動負荷)
                合併症管理

■回復期
・時期:1~3週間から3~6週間
・治療施設:リハビリテーション専門病院
・リハビリテーションのポイント:機能回復訓練
                心理的支持
                維持期への橋渡し

■維持期
・時期:3~6ヵ月以降
・治療施設:リハビリテーション専門病院
      介護保険対応の病院、施設
      在宅
・リハビリテーションのポイント:機能維持
                介護負担の軽減
                環境調整
                社会資源の活用

これらのリハビリテーションは理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といった専門のスタッフによって行われます。リハビリテーションの効果は個人差がありますが、劇的な効果がみられなくても、諦めることなく根気よく続けることが大切です。

【早期発見と予防対策】

■脳卒中予防の4大ポイント

・30代から自分の血圧を知り、コントロールする心がけを。
・塩分控えめの食生活と、コレステロールを減らす。
・仕事を離れてリラックスできる趣味を持つ。適度な運動も。
・40歳になったら脳ドックを受診し、脳の健康状態を把握する。

脳卒中は三大生活習慣病の一つで、発病すると生死にかかわり、麻痺や言語障害、意識障害などの後遺症を残すことが多い病気です。
現在、日本における死亡原因のトップ3はがん、心臓病そして脳卒中となりますが、数十年前までは脳卒中がトップでした。

これは脳卒中が減少したわけではなく、医療の進歩により死亡する人数が減少したに過ぎません。死亡率の高い脳出血は減少傾向にありますが、高齢化に伴い脳卒中の約6割を占める脳梗塞の患者数は増加傾向にあります。

また脳卒中は発病する前に予測し、予防するができる病気です。脳卒中を引き起こす主な原因には動脈硬化があげられます。その動脈硬化を招く要因としては、高血圧、高脂血症、糖尿病、喫煙などがあります。

つまり、脳卒中は生活習慣病が要因となっているのです。脳ドックで早期発見し、なおかつ普段の生活を見直せば脳卒中は予防することができるでしょう。

監修:院長 坂本貞範

 

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