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脳梗塞によるしびれの原因は?生活で感じる不便さや治療法について解説

公開日: 2021.08.06
更新日: 2025.04.28

脳梗塞の後遺症・しびれに悩まされている方も多いのではないでしょうか。しびれは生活への影響が大きい後遺症のひとつです。

本記事では、脳梗塞の症状であるしびれを発症するメカニズムや治療方法を解説しています。

この記事を読むとわかること

現在、しびれにお悩みの方はぜひご一読ください。

脳梗塞の症状はリハビリによって改善が見込めます。治療方法についても紹介するので日常生活が不自由なく送れるようになることを目指しましょう。

脳梗塞によってしびれを発症するメカニズムとは

脳梗塞によるしびれは、脳内の感覚を司る領域、特に視床や体性感覚野が損傷を受けることで発生します。

これらの部位が障害されると、感覚情報の伝達や処理が正常に行われなくなり、実際には刺激がないにもかかわらず、ビリビリとしたしびれや異常な感覚が生じます。

一方、しびれがない脳梗塞の場合、損傷が運動機能や他の認知機能を司る領域に限定され、感覚を担当する領域が影響を受けていない可能性があります。

その結果、しびれの症状は現れず、代わりに運動麻痺や言語障害など、他の症状が主に現れることがあります。

つまり、脳梗塞によるしびれの有無は、損傷部位の違いによって決まります。

感覚を司る領域が損傷されるとしびれが生じ、これらの領域が無事であれば、しびれは発生しないと考えられます。

脳梗塞”しびれ”の原因

人が感覚を感じる仕組み

  • 皮膚のセンサー「触覚受容器」を通して感覚を感じ取る
  • 感覚神経を通して脊髄を通り、脳の視床を通過
  • 体性感覚野に到達
  • 情報を受け取り感触を認識

皮膚や感覚神経が正しく働いていても、脳梗塞によって視床や感覚神経、体性感覚野に障害があると情報を正しく伝達できなくなります
※参考:脳梗塞の後遺症“しびれ”の原因とは?生活への影響とその治療方法について医師が解説します。

神経や感覚野に異常があると、何も触っていなくてもしびれの症状が出るのです。

脳梗塞の際に視床・感覚神経・体性感覚野が損傷していなければ、しびれは発症しません。

運動障害

脳梗塞による麻痺で身体を動かさなくなると、動かさなくなった部分の筋肉が硬くなり血管も収縮してしまいます。

血管が収縮すると血液の流れが悪くなり、その状態が続くとしびれが生じるようになります。

感覚障害

脳梗塞によって感覚を司る脳神経が損傷すると、体の感覚に対する情報がうまく処理できなくなります。

それにより、触っている感覚がよくわからない、手足のしびれ、不快な刺激を感じるなどの症状が出るのです。

脳梗塞によるしびれと他の原因によるしびれの見分け方

下記の症状に当てはまる場合は、脳梗塞によるしびれの可能性があります。

  • 片方だけ手足がしびれる
  • 手に力が入らない
  • ろれつが回らない
  • 反応が遅くなる
  • 視野が半分欠けている

脳梗塞によるしびれは、通常、体の片側(顔・腕・足)が同時にしびれることが特徴です。また、言語障害や片側の筋力低下、視野欠損などの症状を伴うことが多く、突然発症します。

一方、他の原因によるしびれは、特定の部位に限られることが多く、徐々に進行する場合や、一定の動作や姿勢で悪化する場合があります。

脳梗塞の後遺症「しびれ」による生活への影響とは

脳梗塞の後遺症でしびれを発症すると、以下のような生活への影響があります。

  • 外出がおっくうになる
  • 人とのコミュニケーションをしなくなる
  • 介助のときに触られるとしびれる
  • 細かい作業ができなくなる

活動量が低下すると気分もふさぎ込みがちになり、鬱にもなりやすくなってしまいます。

また、しびれによる不快感によって慢性的な睡眠不足になってしまうほか、顔面のしびれによる食欲不振、場合によってはリハビリに影響を及ぼすこともあります。

脳梗塞の後遺症によるしびれの治療法

脳梗塞の後遺症によるしびれの治療法は主に以下の5つです。

5つの治療法について詳しく解説します。

薬物療法

薬物療法では以下の薬を処方されます。

  • 鎮痛剤
  • 抗うつ剤
  • 漢方薬

薬物療法は、症状そのものを抑えることを目的としており、しびれの原因そのものを治す治療法ではありません。薬の効果で一時的に症状が和らぐ場合でも、根本的な改善にはつながらない点に注意が必要です。

リハビリテーション

リハビリテーションではマッサージや関節可動域を広げる訓練を行います。

マッサージは筋肉をほぐし、血流を改善して痛みを軽減するのが目的です。また、関節の可動域を広げると、日常生活が楽になります。

電気刺激による脳外科的療法

電気刺激(しびれ同調TEN)は実際に起きているしびれと同じ強さ・周波数の電気刺激を流す治療方法です。

電気刺激を行った後も治療効果が続き、しびれ以外の感覚障害も治療できる特徴があります。後遺症によるしびれに対して効果が期待される新たな期待されています。

温熱療法

手足が冷たくなり血行が悪くなるとしびれが強くなるケースが多いため、ホットパックや温浴を用いた治療法があります。

しびれそのものに対する効果は人によって差があり、温熱療法の効果は一時的です。持続的な改善には他の治療法を併用する必要があります。

再生医療

再生医療は脳梗塞による後遺症の回復や再発予防に大きな可能性を持つ治療法です。

患者自身の細胞や組織を利用した治療法のため、拒否反応が起こる可能性が低く身体への負担が少ないのが利点です。

また、しびれ以外の後遺症の改善も期待できます。

脳卒中のお悩みに対する新しい治療法があります。

まとめ・脳梗塞の後遺症”しびれ”の原因は?生活への影響とその治療法

しびれを発症すると食事や歩行などの日常生活にも影響を与えます。発症以前のような生活を送ることが困難になり、気分が落ち込むケースも見られます。

電気刺激と再生医療は効果が長く続くため、しびれを治療したい方はどちらを受けるか検討してください。再生医療によってしびれや麻痺による痛みの軽減が期待できます。

再生医療を検討している方は、当院にお問い合わせください。

 

監修者

圓尾 知之

Tomoyuki Maruo

医師

略歴

2002年3月京都府立医科大学 医学部 医学科 卒業

2002年4月医師免許取得

2002年4月大阪大学医学部附属病院 脳神経外科 勤務

2002年6月関西労災病院 脳神経外科 勤務

2003年6月大阪大学医学部附属病院 脳神経外科 勤務

2003年12月大阪母子医療センター 脳神経外科 勤務

2004年6月大阪労災病院 脳神経外科 勤務

2005年11月大手前病院 脳神経外科 勤務

2007年12月大阪大学医学部附属病院 脳神経外科 勤務

2012年3月大阪大学大学院 医学系研究科 修了(医学博士)

2012年4月大阪大学医学部 脳神経外科 特任助教

2014年4月大手前病院 脳神経外科 部長

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