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- 脳卒中
- 再生治療
- 幹細胞治療
脳出血は、突然の発症だけでなく、後遺症として麻痺や言語障害が残ることが多いため患者や家族にとって大きな悩みとなります。 治療後の回復に不安を感じる方や、「最新の治療方法で改善できるのか」「費用や期間はどれくらいかかるのか」といった疑問を抱える方も多いでしょう。 本記事では、脳出血後の後遺症改善に向けた最新治療や、それぞれの治療法の特徴や効果、費用面についても解説します。 脳出血の後遺症に対する最新治療 脳出血は後遺症として麻痺や言語障害などが残ることが多く、治療後の生活の質を大きく左右します。 近年、医療技術の進歩により、従来の治療法に加え、新たなリハビリテーションや治療法が注目されています。 たとえば、IVES療法やHANDS療法といった電気刺激を用いる治療法や、ロボット技術を活用したリハビリ、さらにはボツリヌス療法や再生医療などがあります。 これらの治療法は、それぞれ異なるアプローチで後遺症の改善を目指しており、患者の状態や目標に合わせた治療法の選択が重要です。 以下では、これら最新の治療法について詳しく解説します。 IVES療法・HANDS療法 脳出血の後遺症に対する最新治療として、IVES療法やHANDS療法があります。 この治療では、後遺症によって思うようにできない動きを補助し、その動きを自力でできるようにするものです。 IVES療法 特殊な低周波の電気刺激装置による治療で、麻痺した場所を動かそうとしたとき、活動しようとしている筋肉に電気刺激を与えることで、筋肉の動きを補助し動かしやすくします。 HANDS療法 IVES療法をする際に、手関節装具を併用しておこなう治療方法です。 手関節装具を装着すると、物をつまんだり離したりする動作がしやすくなります。 ロボットによるリハビリ 脳出血の後遺症の最新治療として、ロボットを活用したリハビリがあります。 たとえば、人が体を動かそうとするときに、その意思が脳から筋肉へと伝達されます。そのときに生じる生体電気信号を検知して動作支援をする歩行支援ロボットなどです。 ロボットによるリハビリは、高いリハビリ効果を期待できるだけでなく、リハビリをする患者と療法士の負担を軽減できるというメリットもあります。 ボツリヌス療法 脳出血の後遺症のひとつに、手足がつっぱって動かしにくい、勝手に動いてしまう痙縮(けいしゅく)という症状があります。 この痙縮の最新治療として、ボツリヌス療法があります。 ボツリヌス療法とは、筋肉の緊張を緩める作用があるボツリヌストキシンという成分を筋肉に注射する治療方法です。 ボツリヌストキシンはボツリヌス菌からつくり出されるたんぱく質ですが、ボツリヌス菌自体を注射するわけではないので菌に感染する心配はありません。 ボツリヌス療法は2~3日くらいで効果が現れてきて、その効果は4カ月くらい持続します。 その間にリハビリをおこなうことで、リハビリによる改善効果を高めることもできます。 再生医療 再生医療は、体内に存在する幹細胞の能力を活用し、損傷を受けた組織や臓器を修復する治療法です。 幹細胞には、自己複製能力とさまざまな細胞に分化する能力があります。幹細胞の利用により、従来の治療では難しかった機能の回復が期待できます。 脳出血の場合、幹細胞を用いた治療が損傷した神経組織の再生を促進し、後遺症の軽減や再発予防効果が見込めます。 再生医療(幹細胞治療)で期待できる治療効果 再生医療は、幹細胞を活用して損傷した組織や神経を修復する先進的な治療法です。 脳出血の治療では、幹細胞を利用して後遺症の軽減や再発防止を目指します。 ここでは厚生労働省届出済医療機関である当院(リペアセルクリニック)が提供している、再生医療(幹細胞治療)を基に具体的な治療効果について詳しく説明します。 最先端の医療技術に興味がある方はぜひ参考にしてください。 身体機能(後遺症)の回復 幹細胞治療は、脳出血後に起こる麻痺や言語障害などの後遺症の改善効果が期待できます。 幹細胞が損傷した神経を修復し、新しい神経のつながりを作ることで、体の機能を回復させます。 また、幹細胞が脳の炎症を抑え、回復しやすい状態にします。 効果には個人差があるものの、呂律困難や痺れの軽減が期待される治療法です。 リハビリテーションの効果を増幅 幹細胞治療をリハビリテーションと組み合わせることで、後遺症からの回復がさらに高まります。 発症直後の方だけでなく、発症から数年が経過している方も再生医療の対象です。 幹細胞治療により神経の修復が進むことで、リハビリ中のトレーニングに対する体の反応が良くなります。 その結果、運動能力や感覚の早い改善が期待されます。 リハビリテーションの成果を高めたい方は、再生医療の利用をご検討ください。 脳卒中の再発予防 幹細胞治療には、脳卒中の再発を防ぐ効果も期待されています。 脳卒中は1年以内の再発が12.8%、10年以内の再発は51.3%※と、再発する可能性が高い疾患です。 ※出典:PubMed「Ten year recurrence after first ever stroke in a Japanese community: the Hisayama study」 幹細胞治療を利用すると、損傷した血管が修復されて血流が安定します。 また、幹細胞が血管を健康に保つ働きをするため、再発のリスクを下げられます。 脳出血の最新治療に関してよくある質問Q&A 再生医療は、脳出血後の新しい治療方法として注目されていますが、治療を受けるにあたって、効果が出るまでの期間や費用についてあまり知られていません。 ここでは、脳出血の最新治療に関してよくある質問として、下記の2つの疑問にお答えします。 再生医療に興味がある方はぜひ参考にしてください。 脳出血の後遺症に再生医療の治療効果が現れるまでどのくらい? 再生医療による治療効果が現れるまでの期間は、患者さまの状態や体質により個人差があります。 幹細胞を投与した後、神経細胞の修復や再生には時間がかかるため、数週間から数カ月間、あるいは1年以上は経過を観察する必要があります。 また、治療後のリハビリテーションも重要です。リハビリと再生医療の併用により、回復が促進される効果が期待できます。 再生医療にかかる費用はなぜ高額? 再生医療が高額である理由は、主に3つ挙げられます。 まず、幹細胞を治療に使用する際には、特別な環境下で細胞を培養・増殖する必要があります。 このプロセスには高度な技術や専門的な設備が必要となるため、非常に高いコストがかかります。 また、再生医療の効果を最大限に引き出すためには治療後のリハビリテーションが重要であり、その費用も治療プランに含まれることが一般的です。 さらに、最新の治療法である再生医療は多くの場合、健康保険が適用されない自由診療に分類されているため、治療費を全額自己負担しなければなりません。 これらの治療は保険適応外であることが多いため、費用は基本的に全額自己負担となります。 ただし、医療費控除が適用される場合があり、これにより税負担を軽減できる可能性があります。 【まとめ】脳出血による後遺症は再生医療で回復が期待できる 脳出血後の後遺症に対する治療は、従来のリハビリテーションだけでなく、さまざまな最新技術を取り入れることで改善の可能性が広がります。 IVES療法やHANDS療法、ロボットによるリハビリ、ボツリヌス療法など、それぞれが異なるアプローチで機能回復をサポートします。 患者さまの状態や目標に応じて最適な治療法を選択すると、より良い結果につながるでしょう。 中でも、再生医療は幹細胞を用いて損傷した神経や組織を修復し、後遺症の軽減や回復を目指す新しい治療法として注目されています。 再生医療による治療をご検討の際は、ぜひ当院へご相談ください。
2025.01.08 -
- 脳梗塞
- 脳卒中
- 再生治療
脳卒中は脳血管の破裂や閉塞により、脳の神経細胞が栄養不足になり死んでしまう病気です。その結果、後遺症が残ることも少なくありません。 しかし、脳卒中の前兆や初期症状を知る方法に「ACT FAST」と呼ばれるセルフチェックがあります。 後遺症を軽減するためには、脳卒中の前兆を把握し、早期発見・早期治療に努めることが重要です。 本記事では、脳卒中の前兆やセルフチェック方法を解説します。 この記事を読むとわかること ・脳卒中の前兆・初期症状 ・脳卒中のセルフチェック方法 ・脳卒中を予防するためのポイント 脳卒中の初期症状が出現していないかセルフチェックを行い、早期発見を目指しましょう。 脳卒中とは 脳卒中とは、脳の血管が急に破れたり詰まったりして、脳の血液循環に障害をきたす病気です。脳の血管が破れる「脳出血」と、脳の血管が詰まる「脳梗塞」とに大別されます。 脳梗塞や脳内出血を含む脳血管疾患は、日本人の死因の第4位※です。 ※出典:令和5年(2023)人口動態統計月報年計(概数)の概況|厚生労働省 脳卒中の発見が遅れると、重い後遺症が出る可能性が高まるため注意が必要です。早期治療ができるように、脳卒中の前兆や初期症状を確認しましょう。 脳卒中の前兆・初期症状 脳卒中の前兆は疾患ごとに異なる場合があります。以下の3つの脳血管疾患の初期症状を確認しましょう。 脳血管疾患の前兆・初期症状 ・脳梗塞の前兆|一過性脳虚血性発作 ・脳内出血の前兆 ・くも膜下出血の前兆 脳卒中の初期症状に気づいて早期に治療を始めると、症状や後遺症の重症化を防げます。 脳梗塞の前兆|一過性脳虚血発作 脳梗塞の前兆に、一過性脳虚血性発作(TIA)があります。一過性脳虚血性発作(TIA)とは、脳の血流が一時的に遮断され、脳梗塞様の症状が出現する発作です。 症状は1時間以内に収まることが多く、長くとも24時間以内で消失するといわれています。一過性脳虚血性発作(TIA)の発症後は48時間以内に脳梗塞を発症する可能性が高いため、早期治療が重要です。一過性脳虚血性発作(TIA)の主な症状は、以下のとおりです。 一過性脳虚血発作(TIA)の主な症状 ・片半身がしびれる、感覚が鈍くなる ・体が動きにくい、力が入らない ・顔半分がしびれる、ひきつる ・片目が見えにくい ・めまいがする ・ろれつがまわらない、言葉が出てこない 上記の症状が短時間出現し、状態が元に戻った場合は一過性脳虚血性発作(TIA)を疑い、すぐに病院を受診しましょう。 脳内出血の前兆 脳内出血は突然発症する病気で、前兆に気づくのが難しいのが特徴です。重い後遺症が出るのを防ぐために、以下の症状がある場合はすぐに病院を受診してください。 脳内出血の前兆 ・片目が見えにくい ・両目で見たときに物が二重に見える ・目が充血する ・目が前に突出してくる ・片半身がしびれる ・言葉が出てこない 脳内出血の前兆に気づき早期治療ができれば、症状の悪化を防げます。目や身体の違和感は、脳卒中の症状の可能性があることを覚えておきましょう。 くも膜下出血の前兆 くも膜下出血の前兆に、突然の激しい頭痛や嘔吐があります。くも膜下出血の頭痛は、「突然バットで殴られたような強さ」が特徴です。 激しい頭痛の前に、警告頭痛がある場合もあります。警告頭痛は片頭痛に似た症状で強さに個人差があり、頭痛を放置してしまう人もいるため注意が必要です。 くも膜下出血は、激しい頭痛がなく嘔吐や意識障害などを突然発症する例もあります。脳血管が破裂し出血すると、脳を覆う髄膜が刺激され嘔気・嘔吐を引き起こします。 脳卒中の前兆が見られたらセルフチェック【ACT FAST】 脳卒中の疑いをテストする方法に、“ACT FAST”と呼ばれるセルフチェックがあります。 以下を参考に、脳卒中の初期症状が出現していないかをチェックしましょう。 ACT FAST Face(顔)=顔の麻痺のチェック 鏡に向かって微笑んだときの、口角の左右のバランスをチェックします。片側が引きつって歪んだように見えたら黄信号です。 Arm(腕)=腕の麻痺やしびれのチェック 真っ直ぐ立って手のひらを上に、両腕を肩の高さまで突き出します。高さを維持できずに片腕が下がってきたら、片麻痺の疑いがあります。 Speech(言葉)=言葉の異常をチェック 「花子が太郎にリンゴをあげた」これを声に出して言ってみてください。顔や口元に麻痺があると滑舌が悪くなり、とくに「ラ行」が発声しづらくなります。 Time(時間)=症状に気付いた時刻 セルフチェックを行い、該当する症状がみられる場合は、119番ヘ連絡して救急車を呼びましょう。 脳卒中の前兆に対する検査とリハビリ 脳卒中の検査とリハビリは、初期症状や前兆がある場合に実施されます。脳卒中は生死にかかわるため、検査により発症部位を特定できたら、早急な治療が必要です。 脳卒中の症状が出現していたり、後遺症が残っていたりした場合は、リハビリで症状を緩和します。 ・脳卒中の前兆に対する検査方法 ・脳卒中の前兆に対するリハビリ 早期発見や早期治療ができるように、脳卒中の検査やリハビリの方法を確認しましょう。 脳卒中の検査 脳卒中の診断には、以下の検査が行われます。 脳卒中の検査 ・コンピュータ断層撮影(CT) ・核磁気共鳴画像(MRI) ・核磁気共鳴血管撮影(MRA) ・超音波検査・心エコー ・X線撮影(血管造影検査) 脳卒中の前兆や初期症状がみられる場合は、上記の検査で発症部位を特定します。病院を受診した際に検査内容がわかるよう、各検査の特徴を詳しく解説します。 ■CT検査 脳卒中の検査に、CT検査があります。CT検査とは、X線撮影をコンピュータで解析して脳の輪切りを映し出し、脳卒中の有無や種類を判定する検査です。 脳梗塞の場合は発症から24時間以上経たないとはっきり描画できませんが、脳出血は発症後すぐに描画されます。 ■MRI検査 脳卒中の疑いがある場合は、MRI検査を行います。MRI検査とは、磁力を使って脳の断層像を映し出す検査です。 CTと比較して鮮明な画像が得られ、出血部分や梗塞部分が発症後すぐに描画されます。 ■MRA検査 脳卒中の検査の1つに、MRA検査があります。MRA検査では、造影剤を使用せずに、磁力を使って脳の血管を映し出します。 詰まっている脳血管を見つけ出し、脳卒中の発症場所の特定が可能です。 ■超音波検査 脳卒中の検査に、超音波検査があります。超音波検査とは、超音波の発信受信装置を首にあてて、動脈硬化の有無や程度を調べる検査です。 脳血管疾患は心疾患とも関連している場合があるため、心エコーと呼ばれる心臓の検査でも超音波を用います。 ■血管造影検査 脳卒中の検査では、血管造影検査が行われます。血管造影検査とは、カテーテルという細い管を通して造影剤を入れ、X線撮影をする検査です。 血管造影検査を行うと、血管の状態や脳卒中の発症部位がわかります。 脳卒中のリハビリテーション 脳卒中のリハビリテーションは、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などの専門スタッフによって行われます。脳卒中を発症してからの経過時間に応じて、実施するリハビリテーションが異なるため、以下のポイントを確認しましょう。 急性期(発症から1~3週間) ・治療施設:急性期病院 ・リハビリテーションのポイント ⇨廃用症候群の予防、リスク管理(座位、運動負荷)、合併症管理 回復期(1~3週間から3~6週間) ・治療施設:リハビリテーション専門病院 ・リハビリテーションのポイント ⇨機能回復訓練、心理的支持、維持期への橋渡し 維持期(3~6カ月以降) ・治療施設:リハビリテーション専門病院、介護保険対応の病院、施設、在宅 ・リハビリテーションのポイント ⇨機能維持、介護負担の軽減、環境調整、社会資源の活用 リハビリテーションの効果は個人差がありますが、劇的な効果がみられなくても、諦めることなく根気よく続けることが大切です。 脳卒中の後遺症を、新しい先端医療「再生医療」で治療した例 再生医療は、脳卒中の後遺症に対する新たな治療法として注目を集めています。 以下の動画は、脳卒中の後遺症を再生医療で治療した人のインタビューですので、ぜひ参考にしてください。 再生医療は、厚生労働省の認可を受けた再生医療専門クリニックでしか実施できません。脳卒中の再生医療が気になる方は、当院へお気軽にお問い合わせください。 脳卒中を予防するためのポイント 脳卒中予防のために、以下の4つのポイントを意識することが大切です。 脳卒中を予防するためのポイント ・血圧管理を行う ・塩分控えめの食生活とコレステロールを減らす食品を心がける ・適度に運動する ・健康診断や脳ドックを受診し、脳の健康状態を把握する 脳卒中は生活習慣を改善すると、予防できる可能性が高まります。食生活や運動習慣などを見直し、脳卒中の発症リスクを低減しましょう。 【まとめ】脳卒中の前兆が見られたら早期発見・早期治療が大切 脳卒中は早期発見・早期治療が大切です。 ACT FASTでセルフチェックを行い、脳卒中の前兆や初期症状に気づければ、早期治療ができ症状の進行を抑えられます。脳卒中を早期発見できるように、定期的に健康診断や脳ドックを受けて脳の健康状態を把握しましょう。 脳卒中になってしまった場合は、後遺症からの回復やリハビリ効果を高める方法として、再生医療が注目されています。再発を抑える効果にも期待できるので、脳卒中を発症した際は、ぜひ再生医療をご検討ください。その際は、ぜひお気軽に当院へご相談ください。
2022.01.22 -
- 脳卒中
- 再生治療
脳出血を発症した場合、その後の再発防止にも努めなければいけません。再発すると重い後遺症を残す可能性が高まるため、適切な再発予防策を講じる必要があります。 本記事では、脳出血の再発防止で重要な取り組みや生活習慣の改善方法について解説します。 この記事を読むとわかること ・脳出血を予防するために重要なこと ・脳出血を予防する生活習慣 ・血圧の正しい測り方 普段の生活を見直すだけでも、再発の可能性は格段に下がります。ぜひご自身の生活を振り返りながらご覧ください。 脳出血の再発を予防する!そのために欠かせない2つのこと 脳出血を予防するためには、日常生活で2つのことに気を付けなければいけません。 ・血圧管理 ・定期検査での早期発見 以上の2つのポイントについて詳しく解説します。 脳出血になった経験がある方は、ぜひこれからの生活で取り組んでみてください。 脳出血の再発を予防するには血圧管理が重要 高血圧が原因で引きおこる脳出血は患者全体の約9割を占めます。 脳出血は脳内の血管に負担がかかって引きおこるため、再発を防止するには血圧の管理が重要です。 脳出血を起こしたことがある方は家庭血圧で115/75mmHg未満※が推奨されています。 ※出典:厚生労働省「生活習慣病」 生活習慣だけで高血圧を改善できない場合、薬を飲んで血圧を下げるケースもあります。 定期検査で早期発見に取り組む 脳出血の再発を防止するには、定期的に検査を受け、医師の診断を受けることが大切です。 CTやMRIを受けることで、脳の血管や組織の異常を詳しく確認することができます。異常が早期に発見できれば、再発を未然に防ぐことが期待できます。 CT、MRIのほかに頸動脈エコーも脳出血予防に効果的な検査です。 血圧を下げる生活習慣の改善方法 脳出血を予防するには、血圧が高くならないように生活習慣を改善するのが効果的です。 血圧を下げる生活習慣の改善法 ・食生活を改善する ・運動を習慣化する ・禁煙する ・アルコール摂取量を減らす 脳出血を発症したことがある方は生活を見直し、再発予防に努めましょう。 食生活を改善する 塩分・脂質の摂りすぎは、血圧上昇につながります。普段の食事では、減塩に取り組みましょう。 一般的には目標摂取量は成人男性1日あたり7.5g未満、成人女性1日あたり6.5g未満ですが、高血圧予防の観点からは男女ともに1日6.0g未満が推奨されています。 また、果物や緑黄色野菜を積極的に摂り、カリウムの摂取を心掛けてください。カリウムは塩分の排出を助け、高血圧や動脈硬化の予防に役立ちます。 また、魚介・ナッツ類、アマニ油や大豆油は体内の脂質のバランスを整える働きがあります。これらの食品を日々の食事に取り入ることで、血圧管理に役立つだけでなく、全身の健康維持にもつながります。 運動を習慣化する 定期的に運動を行うことで、血圧を下げる効果が期待できます。 筋トレよりも有酸素運動が好ましく、週に2~3回、1日30分程度のウォーキングで脳出血予防に効果があります。 ただし、運動のやりすぎは体に負担をかけてしまいます。運動の頻度は医師と相談し、無理のない範囲で行いましょう。 禁煙する タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、血圧を上昇させる恐れがあります。 禁煙すると脳の収縮が抑えられるため、脳出血のリスクが減少します。脳出血を発症したことがある喫煙者は、まず禁煙しましょう。 禁煙が難しい方は依存症の可能性があるので、禁煙外来などで医師の指導を受けてください。 アルコール摂取量を減らす アルコールは血圧を上昇させる作用があるので、血圧をコントロールするためにもアルコール摂取量を減らしましょう。 また、アルコールは利尿作用があります。水分が足りなくなると脳の血流が悪くなり、血栓ができやすくなる点にも注意が必要です。 1日のアルコール摂取量は20g※までに控えましょう。 ※出典:厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」 アルコール20gをビールや日本酒などに換算すると以下の量になります。 ビール 500ml 日本酒 180ml チューハイ 350ml ワイン 200ml 焼酎 100ml ウイスキー 60ml 女性は上記の半分が適量です。 血圧の正常値と正しい測り方 脳出血の再発予防のためには、家庭血圧で115/75mmHg未満※にコントロールする必要があります。 ※出典:厚生労働省「生活習慣病」 正しい血圧の測り方 ・毎日朝と夜2回、できるだけ同じ時間に測る ・リラックスして椅子に座り、背筋を伸ばした状態で測る 寝ている場合は仰向けになって腕を伸ばし、手のひらを上に向けて測る ・毎回同じ腕で測る。原則、利き腕とは反対側 ・カフ(腕帯)は肘から1~2cm上、腕帯のチューブが手のひら側になるよう巻き付ける 血圧を測るのに適した時間帯は以下の通りです。 朝 起床後1時間以内、排尿後、朝食・服薬の前 夜 就寝前 以上のように、血圧を測る場合は細かく姿勢や時間帯が決まっています。 毎日測定し、正常値の血圧を維持できるようにしましょう。 脳出血の再発を予防しなければならない理由 脳出血の再発は、命の危険性だけでなく、その後の生活の質にも大きな影響を与えます。 以下の2つの理由で、脳出血は再発防止が重要です。 脳出血の再発を予防しなければならない理由 ・以前よりも後遺症が重くなる ・新たな後遺症を発症する可能性がある また、同じ場所で再出血した場合多くの部位が損傷し、神経症状が出現するケースもあります。 脳出血の再発により高次機能障害を発症するおそれもありますので、再発防止に尽力しなければいけません。 脳出血の再発に関してよくある質問 脳出血の再発防止に取り組む方からのよくある質問を紹介します。 脳出血を再発するときの前兆やリスクが高い方の特徴について解説します。 脳出血の再発の前兆は? 脳出血発生時の前兆としては、頭痛やめまい、視覚障害などの症状が起こります。 頭痛は片頭痛などとは違い、突然強い痛みが発生します。また、普段と違う激しいめまいがあった場合は、脳出血の前兆である可能性が高いです。 視覚障害は、一部が欠けて見える、視界がぼやけるなどの特徴があります。 以上の症状が起こった場合は、すぐに病院を受診してください。 脳出血の再発率は? 脳出血は再発率が高く、初回発症後1年以内で約10%、初回発症後10年間の累積で約55%※ほどが発症すると言われています。 ※出典:PubMed「Ten year recurrence after first ever stroke in a Japanese community: the Hisayama study」 つまり、約半分の方が10年以内に再発していることになります。 再発防止のために、自身の生活を見直しましょう。 脳出血の再発リスクが高い人の特徴は? 脳出血の再発リスクが高い方には以下の特徴があります。 ・高血圧・糖尿病の人 ・飲酒・喫煙の習慣がある人 ・運動の習慣がない人 ・食生活が乱れている人 食生活の改善はすぐにできます。野菜や果物・魚中心の食事に切り替え、健康的な生活を送りましょう。 また、運動はウォーキングを30分、週2回ほどで効果が期待できます。自身の体力や体調を考えながら無理のない範囲で運動の習慣を作りましょう。 脳出血を再発しないためにも最適な治療法を選択しよう 脳出血の再発を予防するには、生活習慣の改善や血圧の管理が大切ですが、治療としては再生医療が注目されています。 再生医療では幹細胞を用いた治療を行います。幹細胞治療には、傷跡がほぼ残らない、拒絶反応のリスクが低いなどの利点があります。従来の手術より患者の身体への負担が少ない方法として期待されています。 再生医療を希望する場合には、当院へお気軽にご相談ください。
2021.08.06 -
- 脳卒中
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体には運動神経という神経があり、この運動神経が正しく働いていると手足を思うように動かすことができます。 しかし、脳出血によって運動神経に障害が起きると体に麻痺が生じます。 脳出血が頭の左側で起きると右半身麻痺の症状が生じ、右側で起きると左半身麻痺が生じます。この麻痺を改善していくためにはリハビリが重要です。 本記事では「脳出血後の右半身麻痺を回復させるためのリハビリの重要性」について詳しく解説していきます。 脳出血による右半身麻痺の早期回復を目指すための「再生医療」についても解説しています。 リハビリの重要性と治療方法を理解して、脳出血の後遺症を回復させるための参考にしてください。 脳出血による右半身麻痺は「運動障害」の一つ 脳出血後、脳の細胞がダメージを受けたことで後遺症が残ることもあり、右半身麻痺の症状は「運動障害」の一つです。 運動障害の症状の重さは、脳出血が生じた部位によって異なります。 名称 主な症状 完全麻痺 損傷した部位の運動機能が完全に失われて、感覚がなくなっている状態 不全麻痺 手足などの一部または全身が自分の意のままに動かせなくなっているが、手足の動きや感覚がわずかに残っている状態 痙縮(けいしゅく) 筋肉が過剰に緊張した状態になり、手足が動かしにくかったり、勝手に動いてしまったりする 不随意運動 手足などの一部または全身が自分の意思とは関係なく勝手に動いてしまう 運動失調 麻痺はないが、手や足などの複数の部位を協調して動かせない状態 また、脳出血後の後遺症は「運動障害」以外に触覚や痛覚が鈍くなってしまう「感覚障害」などさまざまな症状があります。 後遺症によって日常生活に影響が出ることも多いため、脳出血後の症状や適切な治療方法を知っておくことが重要です。 脳出血による右半身麻痺の回復にはリハビリが重要 脳出血によって半身麻痺の後遺症が残ってしまった場合、早期のリハビリがとても重要です。 一般的に脳出血の発症から6ヶ月後までは、ダメージを受けた脳の神経ネットワークが再構築すると考えられており、症状が回復する見込みがあります。 しかし、時間が経過してしまった半身麻痺の症状は、回復の見込みが著しく低下してしまいます。 「回復期」と呼ばれる半身麻痺発症6ヶ月後までの期間で、脳の機能回復をできる限り引き出すためにリハビリを積極的に行うことが重要です。 リハビリは患者本人だけでなく、家族の理解やサポートも大切なポイントです。 【時期別】右半身麻痺の回復に必要なリハビリテーション内容 脳出血による右半身麻痺の回復に必要なリハビリ内容を「急性期」「回復期」「維持期」の3つの時期別に解説します。 ・急性期に行うリハビリ ・回復期に行うリハビリ ・維持期に行うリハビリ 早期に回復するためにも、それぞれの時期別に適したリハビリを行いましょう。 急性期に行うリハビリ 脳出血の発症から2〜3週間の「急性期」に行う主なリハビリは、以下の通りです。 ・麻痺した手足の関節をストレッチする ・ベッドから起き上がる ・寝返りを打つ 急性期は特に危険な状態になりやすいので、安静にしている治療期間の体力低下を抑えることをリハビリの目的としています。 主に関節が硬くならないようにストレッチやベッド周辺でできるリハビリを中心に行います。 回復期に行うリハビリ 急性期から発症後6ヶ月までの「回復期」に行う主なリハビリは、以下の通りです。 ・自力で立つ、座るなどの「基本動作訓練」 ・杖や歩行器を用いた「歩行訓練」 ・食事やトイレなどの「日常動作訓練」 回復期のリハビリは、在宅復帰や社会復帰を目指して、さまざまな機能回復を目的としています。 主に自力で立つ、座るなどの基本的な動作や食事やトイレなどの日常生活に欠かせない動作を中心に行います。 維持期に行うリハビリ 一度症状が回復し、退院後の「維持期」に行う主なリハビリは、以下の通りです。 ・麻痺した側の手足を動かす、ストレッチする ・散歩などの軽い運動 症状が回復した機能も何もしないでいると機能低下が進むため、機能維持のためにリハビリをする必要があります。 麻痺した側を積極的に動かすことも重要ですが、麻痺していない側も注意が必要です。 右脳と左脳でバランスを保っているため、意識せずとも麻痺してできないことを麻痺していない側の身体が補おうとして大きな負荷がかかります。 維持期のリハビリは、全身の機能維持を意識することが重要です。 脳出血による右半身麻痺は「再生医療」による治療がおすすめ 脳出血による右半身麻痺の後遺症には、再生医療による治療がおすすめです。 今まで一度死んだ脳細胞は元に戻らないといわれていました。 しかし、再生医療による治療で機能しなくなった脳細胞が復活し、後遺症を改善できることがわかってきました。 脳出血に対する再生医療の治療は、患者さんの幹細胞を培養して数を増やし、幹細胞がいろいろな組織に変化する性質を利用して脳細胞を再生させるという方法です。 https://youtu.be/pSaJBptY3Bc?si=ukDFOEQTShggOpeI 治療結果は、患者さんの病状や身体の具合で個人差がありますが、治療を始めるのが早いほど良い結果が出ています。 再生医療による治療を受けるか迷われている方は、早めにご相談いただくことをおすすめします。 以下のページでは脳出血の再生医療について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。 【まとめ】脳出血による右半身麻痺の早期回復を目指すなら再生医療で治療しよう 脳出血による右半身麻痺を回復させる方法について解説しました。 一般的に脳出血の発症から6ヶ月後までは、ダメージを受けた脳の神経ネットワークが再構築すると考えられており、症状が回復する見込みがあります。 そのため「回復期」と呼ばれる発症から6ヶ月の時期に機能回復のためのリハビリが重要です。 また、脳出血による後遺症の早期回復を目指すなら「再生医療」による脳の再生治療を検討しましょう。 いろいろな組織に変化する幹細胞の性質を利用して損なわれた脳細胞を再生させる研究が進み、安全性が高く効果があると世界でも注目されています。 再生医療による治療は早ければ早いほど良い治療結果が出ているため、まずはご相談ください。 監修:リペアセルクリニック大阪院
2021.08.06 -
- 脳卒中
- 再生治療
脳出血後には、後遺症によって全身や手足のしびれに悩まされるケースがあります。 身体のしびれは日常生活にも大きな影響を及ぼすため、どの程度回復するのか気になるのではないでしょうか。 本記事では、しびれの回復期間や原因、治療法についてご紹介します。 ぜひ、最後までご覧いただき、どの治療を受けるのか検討してください。 脳出血後のしびれ(麻痺)の回復期間には個人差がある 脳出血のしびれ(麻痺)の回復期間は、後遺症の種類や重症度、リハビリの量や質、全身の状態によって個人差があります。 発症後は早期にリハビリを開始することが大切です。 しびれの回復には脳の可塑性(かそせい)が関係している 脳出血後の「しびれ」の回復に大きく関わるのが脳の可塑性です。 脳の可塑性とは、脳の損傷した細胞の代わりを正常な脳細胞が代替し、失った神経の経路に代わる新たな経路を形成したりする性質のことです。 脳の可塑性を利用して神経細胞を適切に刺激すると、脳出血の後遺症からの回復が見込まれます。 回復の効果を促進するためにも、脳出血治療後からリハビリを行うことが重要です。 脳出血後の「しびれ」について 脳出血後のしびれは日常生活にも影響を及ぼします。 適切なリハビリによってしびれや麻痺の回復が期待できる場合もあります。 しびれ(麻痺)の原因 脳出血によって、感覚を司る「視床」や思考や記憶を司る「大脳皮質」が損傷すると、感覚の伝達に障害が発生してしびれや麻痺を発症します。 体のしびれや麻痺の症状が重い場合、日常生活がままならなくなり、鬱状態を引き起こすケースもある後遺症です。 適切な治療とリハビリを行うことで改善が期待できますが、回復までに時間を要する場合があります。 しびれの種類 脳出血後の「しびれ」には、損傷した箇所によって2つの種類にわけられます。 中枢系 ・脳や脊髄の損傷によって生じる ・感覚の鈍さや持続的な痛み 末梢系 ・手足の末梢神経 ・ピリピリ、ビリビリした感覚 それぞれのしびれには、症状に応じた治療やリハビリが必要です。 脳出血後のしびれ(麻痺)に対する治療方法 リハビリ以外にも脳出血後のしびれを緩和する方法があります。 薬物療法 薬物療法で処方される薬は主に3つあります。 鎮痛剤 しびれだけでなく痛みもある時に使用 抗うつ剤 しびれにより落ち込みが大きく生活に支障がある場合に使用 漢方薬 しびれの部位に合わせて処方される場合あり 薬物療法は痛みなどを抑えることが目的で、しびれそのものを根本的に治療することはできません。 電気神経刺激 電気神経刺激(しびれ同調TENS)は、しびれと同じ周波数・強さの電気刺激を流してしびれや感覚障害を改善させる治療法です。 効果が持続し、ほかの感覚障害の改善も見られるため、新たな治療法として期待されています。 再生医療 再生医療は、患者さま自身の細胞や組織を利用して損傷した部位を治療します。 自身の組織を用いるため、拒絶反応や副作用のリスクが少なく安全性が高いと注目されている治療方法です。 今まで死んでしまった脳細胞は戻らないとされていました。 しかし、再生医療では体の細胞が持つ再生力を利用することで、脳細胞の再生が期待できます。 効果に個人差はありますが、しびれ(後遺症)の回復やリハビリ効果を高められます。 再生医療による脳出血後の後遺症治療は、ぜひ当院へご相談ください。 脳出血後のしびれ(麻痺)に対するリハビリテーション 脳出血後の生活期のしびれに対するリハビリでは、日常動作を支援します。 脳出血後のしびれに対するリハビリは早期に始めることが重要です。リハビリが遅れると回復までに時間がかかる可能性があります。 脳出血後のリハビリの目的はADLの向上 脳出血後のリハビリの目的は機能回復だけでなく、残された能力を最大限に活用し、生活の質を向上させる目的もあります。 ADL(日常生活動作)の改善により、回復するまでの生活の負担を軽減し、長期的な後遺症にも備えます。 脳出血のしびれ(麻痺)と回復に関するQ&A 脳出血の後遺症”しびれ”に関するよくある質問を紹介します。 しびれからの回復期間や、しびれを発症した方の回復率について回答しています。 脳出血によるしびれ(麻痺)からはいつまでに回復するの? 最も機能が回復しやすい時期は発症してから3~6カ月の回復期です。 脳の可塑性を活かしたリハビリを継続するとより良い回復が期待できます。ただし、個人の症状やリハビリの内容によって回復の程度や期間が異なります。 脳出血後によるしびれ(麻痺)からの回復率は? 2022年のデータによると、自宅に戻れた人は約26%、リハビリ目的の施設へ移行した人は約68%です。 脳出血後の回復率は、症状の重さやリハビリの開始時期によって異なります。 重度のしびれは長期的なケアが必要なケースもありますが、リハビリの開始が早いほど回復率が上がります。 脳出血後のしびれ(麻痺)や言語障害の緩和には早期のリハビリが鍵 脳出血後のしびれの回復期間や治療法について紹介しました。 しびれ(麻痺)の回復期間には個人差はありますが、発症後早期のリハビリが重要です。体調や症状を鑑みながら、無理のない範囲でリハビリを行いましょう。 脳出血後のしびれ(麻痺)を緩和させたい場合、リハビリと併用して再生医療を受けるのがおすすめです。 当院(リペアセルクリニック)で提供している再生医療は厚生労働省に受理された治療方法で、しびれを含む脳卒中の後遺症の改善や再発予防にも役立ちます。 再生医療を検討している方は、当院へお問い合わせください。
2021.08.06 -
- 再生治療
「人工股関節置換術の手術後、介護の仕事を続けていきたいけど不安」 「人工関節を入れた後、仕事復帰までにどのくらいかかるの?」 介護の仕事は移動の介助といった肉体労働が多いため、人工股関節の手術後も仕事を続けられるのか心配に思う方も多いでしょう。 そこで本記事では、人工股関節の手術や術後の介護職への復帰、注意点について解説します。最後までご覧いただき、無理のない職場復帰を目指しましょう。 人工股関節でも介護の仕事はできる!【注意点あり】 人工股関節の手術をした後でも、介護の仕事は可能です。 しかし、股関節に負担がかかる動作には注意が必要で、可能な仕事とやってはいけない仕事が存在します。 また、日常生活と介護の仕事で注意点が異なるため、それぞれポイントに分けて紹介します。 日常生活における注意点 人工関節における日常生活の注意点は以下の通りです。 1.重労働と激しい運動は避けましょう。 2.座るときは椅子を使用し、臥床寝るときはベッドの利用がおすすめです。 3.正座は可能です。ただし女性座り・とんび座り等は脱臼の原因になるので避けましょう。 4.歯科治療の際は、医師に人工関節であることを伝えておきましょう。(感染予防のために抗生物質の投与をおこなう場合があります) 5.定期的な通院をおこない、レントゲン検査で人工股関節の状態を確認しましょう。 介護の仕事における注意点 人工関節における介護(仕事)の注意点は以下の通りです。 1.立ち仕事は、とくに制限はありません。 2.しゃがみ・かがみ動作に気をつけましょう。 3.重度の介助者の入浴介助は一人で行わないよう注意しましょう。 4.重いものを持つ動作は避けましょう。 5.全介助を必要とする方のトイレ介助や移動介助なども、股関節に負担がかかるため要注意です。 6.人工関節の耐用年数は約20年と考えられていますが、体重の増加や肉体労働によって耐用年数が短くなる場合があります。 人工股関節の手術について 「足の付け根が痛い」「靴下がはきづらい」「足の長さが左右で違う」などの症状が現れた方は股関節の疾患を疑いましょう。 股関節疾患は「変形性股関節症」「大腿骨頭壊死症」「関節リウマチ」などが挙げられ、症状によっては人工股関節置換術による手術が検討されます。 人工股関節置換術には、ある程度のをリスク伴いますが、介護を含む職場復帰を可能にする有効な治療法です。 手術後の仕事復帰までの期間 人工股関節手術後の職場復帰までの期間は、職種によって異なります。 職種 手術後の職場復帰までの期間(目安) 事務職 2~4週 立ち仕事(半日) 4~6週 立ち仕事(1日) 6~8週 ドライバー 2~3カ月 激しい肉体労働 3カ月~半年 上記の通り、しゃがむ・かがむ動作を伴う職種では、復帰までに期間を要します。人工関節のゆるみや摩擦を防ぐ観点から、体に馴染ませる必要があるためです。 また、回復状態には個人差があるので、必ず主治医に相談してから仕事に復帰しましょう。 早期復帰を目指すなら再生医療がおすすめ 人工股関節の手術は、入院・リハビリが必要になるため、長期間の休みを取らなければなりません。介護を含む仕事への早期復帰を目指す方にとっては大きなリスクと言えます。> そこで、おすすめしたいのが再生医療による治療です。 再生医療は、患者さんの脂肪から採取した幹細胞を股関節に注入し、傷ついた軟骨を修復する方法です。手術や入院を伴わず治療が完結するため、早期の仕事復帰が可能となります。また、自身の細胞を使用するため、人工関節手術に比べて体への負担が大幅に軽減できる点がメリットです。 人工股関節でも介護の仕事を続けたい方へ 人工股関節における介護の仕事の注意点を紹介しました。 人工股関節でも一部の介護業務は行えますが、かなりの行動に制限が生じます。まだ人工関節手術を実施していない方は制限をふまえた上で、自分に合った治療法を選択しましょう。 再生医療による治療の選択も可能です。患者さんの負担を抑えられるだけでなく、副作用も少なく済む治療法として注目を集めています。興味のある方は当院へお気軽にご相談ください。
2021.01.15 -
- ひざ関節
- 再生治療
長時間の運転やペダル操作を行う際、膝に痛みを感じる方は少なくありません。 運転後に膝が痛くなると、日常生活や仕事にも影響が出るため、不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。 本記事では運転した後に膝の痛みが生じる原因や対処法について解説します。 治療についても紹介しているので、運転後の膝の痛みに悩んでいる方は、ぜひご覧ください。 この記事を読むとわかること ・運転すると膝が痛い理由 ・運転すると膝が痛い場合の対処法 ・膝の痛みの治療について 運転すると膝が痛い理由 運転で生じる膝の痛みには大きく分けて2つの原因があります。 ・運転中のペダル操作による膝の痛み ・運転中の姿勢による膝の痛み 運転中の姿勢や足の使い方はその後の膝の痛みに密接につながっていますが、運転中に膝に負担をかけないペダル操作や姿勢もあります。 以下では、それぞれについて詳しく解説します。 運転中のペダル操作による膝の痛み 運転中、ペダルを操作するときの不自然な足の使い方が膝の痛みの原因になる場合があります。 ブレーキペダルとアクセルペダルの間にかかとを置き、つま先だけでペダルを踏む、かかとから下だけを動かすなどの動作で膝の痛みが生じます。 ペダルを踏むときは膝から下だけでなく、脚全体を動かしましょう。 運転中の姿勢による膝の痛み 運転中に膝よりもつま先が外側を向いている姿勢は、膝の痛みの原因になります。運転で癖がつくと日常生活にも影響を及ぼす恐れがあるので要注意です。 膝よりもつま先が外側を向く姿勢により、関節の中にある組織にかかるストレスが均等ではなくなり、膝の痛みを引き起こします。 ペダルを踏む際は、足をお腹のほうに引きつけて持ち上げてから踏むよう意識しましょう。これは大腰筋のトレーニングにもなります。 運転で膝に痛みが生じた際の対処法 運転で膝に痛みが生じた場合、以下2点の対処法が効果的です。 ・運転前後にストレッチをする ・サポーターやテーピングを装着する 運転前後にストレッチやマッサージが膝の痛みの改善に有効です。 長時間運転する場合は、こまめに休憩をとれるようにあらかじめ計画して、体を動かしましょう。 もし車から降りられない場合は、座ったまま足を曲げ伸ばしてストレッチするだけでも痛みが緩和されます。 また、サポーターやテーピングを用いて膝関節を補強、固定するのも効果的です。 車を運転する際に着けるサポーターは伸縮性に優れたものがおすすめです。 圧迫が強すぎると足を動かしにくくなってしまう可能性がありますので、あまり強くないものを選んでください。 運転後に膝が痛む場合は? 運転後に膝が痛む場合に簡単にできるストレッチを紹介します。短い時間で道具がなくても手軽にできます。 膝の痛みを軽減するストレッチ 1.壁に手をついて立つ 2.片足の膝を曲げ、つま先を掴む 3.掴んだつま先をお尻の方へ引き寄せ、前太ももを伸ばす 4.息を吐きながら30秒キープ 左右2~3セット繰り返す 膝周りの筋肉をほぐして痛みを軽減するストレッチです。このストレッチをする際には、無理のない範囲で前ももを伸ばしましょう。 膝の痛みが緩和されない場合は医療機関を受診しよう 運転後の膝の痛みが、ストレッチやサポーターなどのセルフケアで収まらないときは、早めに医療機関を受診しましょう。 痛みを放置して悪化すると、関節の変形や軟骨のすり減りが進んでしまいます。症状の程度によっては、骨切り術や人工関節置換術のような外科的手段が必要です。 手術を避けて治療を行いたい場合は、再生医療という選択肢もあります。 再生医療は、自身の細胞や組織を用いて損傷を修復し、症状の進行を抑える新しい治療法です。自身の細胞を使用するため、拒絶反応などのリスクも少なく、従来の手術よりも体への負担が軽い特徴があります。 運転で膝に痛みを感じる原因と対処法についてのまとめ 運転中の膝の痛みは、ペダルを踏む際の足の使い方や運転中の姿勢などが原因です。 ペダルを踏む際の足の使い方が癖になると、膝の痛みの原因となり、日常生活にも影響を与えるリスクがあります。 マッサージやストレッチ、サポーターやテーピングでの補強が有効な場合もありますが、症状を悪化させないためにも早めの受診をおすすめします。 膝の痛みの治療として再生医療をご検討の場合は、ぜひお気軽に当院へご相談ください。
2020.07.22 -
- ひざ関節
- 再生治療
畑仕事で膝が痛くなる!放置すると更に悪くなる!?その原因と対策、治療法 畑仕事をしていると膝が痛い、立ち上がりやしゃがむときにつらい…というようなことはありませんか? 「年のせいかな?」「年も年だから仕方がない!」などと、膝が痛いのに畑仕事を頑張り、病院に行かないままでいると、どんどん症状が悪化してしまうかもしれません。今回は、「畑仕事をしていると膝が痛い」という症状が出る場合、その原因や対処法について紹介します。 畑仕事をしていると膝が痛いのはなぜ? 畑仕事をしているとき膝が痛い場合、「畑仕事そのものが膝の痛みの原因なのかな?」と思う人もいるかもしれません。しかし、「膝が痛い」という症状が出る原因は、畑仕事に限ったことではなく、いろいろあります。 膝が痛い症状の原因とは? 膝に限らず、関節は加齢によって痛みが出やすくなります。特に膝の関節は、日常生活の中で歩くだけでも負担がかかっていますから、年齢を重ねると「膝が痛い」という症状を訴える人もたくさんいます。 畑仕事を長年続けてきたという人の場合、さらに膝には大きな負担がかかっています。畑仕事では重いものを持ったり、腰をかがめて中腰になったり、同じ姿勢のままでいることも多い仕事です。また、頻繁な屈伸運動が膝に負担をかけるので、膝が痛みやすくなるのです。 膝の痛みの原因は医療機関で診断してもらいましょう! 痛みがあるのに我慢をしていてはいけません。畑仕事をしていて膝が痛いのであれば、医療機関を受診し、診察を受けてください。そうすることで、痛みの原因が分かります。 痛みの原因が分かれば、治療法も見つかりますから、つらい痛みを改善できるでしょう。 畑仕事で膝が痛い…畑仕事のやり方を見直そう! 畑仕事をすると膝が痛いという場合は、畑仕事のやり方を見直すことで、症状が緩和できることもあります。例えば、畑仕事をおこなう姿勢や履いている靴を見直し、物を持ち上げるときに立ったまま持ち上げようとせずゆっくりとしゃがんで持ち上げるようにするなどです。 あなたに合ったサイズの靴を履き、足全体をサポートする靴にすることで膝や股関節への負担が軽くなります。クッション性の高い中敷きも敷くようにすると、さらに足にかかる負担が軽くなるでしょう。 畑仕事をすると膝が痛い!治療法は? 膝の痛みの原因はさまざまですが、軽度であれば安静にする、運動療法をするなどによって痛みの緩和ができることもあります。病院を受診し、膝の痛みの原因が関節周辺の筋力不足のせいだと言われたら、筋力トレーニングやマッサージ、ストレッチをおこないましょう。 筋肉をつけることによって、筋肉が関節をサポートするので痛みが軽減します。ただし、急に過度の筋力トレーニングを行うと逆効果になってしまうため、少しつらいかな、という程度の筋力トレーニングを毎日継続して行うようにしてください。 トレーニング方法についても、医療機関の医師などに指導を受けると良いでしょう。 手術を検討しなければならないことも… 「畑仕事をすると膝が痛いのは、きっと年のせい…」などと思って頑張りすぎてしまうと、関節に変形や軟骨のすり減りが起きてしまうことがあります。一度生じた損傷は自然治癒することはほぼないので、医師の指導の下、運動療法や薬物療法をおこなうだけでなく、外科的手術を検討しなければならなくなることもあります。 膝が痛いとき…再生医療という選択肢もある! 近年、注目を集めている再生医療によって、関節の痛みを軽減する効果が期待できます。 再生医療では、自身の細胞を用いて関節の修復を図るため、副作用のリスクも少なく、身体にも大きな負担がかかりません。また、手術に比べると治療期間も短期間で済むというメリットもあります。 再生医療に興味のある人は、専門のクリニックでご相談ください。 まとめ・畑仕事で膝が痛くなる!放置すると更に悪くなる!?その原因と対策、治療法 畑仕事をすると膝が痛い…というのは、単に年のせいではない可能性があります。ですから、痛みは我慢せず、早めに医療機関を受診し、痛みの原因を診断してもらいましょう。そうすることで、痛みを緩和できる可能性が高くなります。 また、膝の痛みを改善するための方法として、再生医療という治療法も選択できます。再生医療については、どこの医療機関でも受けられるというものではないので、専門のクリニックでご相談くださいね。 監修:リペアセルクリニック大阪院 ▼こちらもご参照ください
2020.07.20 -
- 再生治療
立ち仕事をしていると、股関節に痛みを感じる人もいるでしょう。 しかし股関節の痛みは軽視してはいけません。放置すると、進行性の疾患や慢性的な痛みにつながる可能性があるため、注意が必要です。 この記事では、立ち仕事が股関節に与える影響や、関連する疾患について詳しく解説します。痛みを予防・緩和する方法や治療法についても、医療的な視点からお伝えします。どうぞ最後までご覧ください。 立ち仕事が原因で股関節が痛いのはどんな病気? 股関節は、体重を支えるだけでなく、「立つ」「歩く」「座る」など日常生活の基本動作を司る要となっている関節です。 立ち仕事は股関節に過度な負担がかかるので「変形性股関節症」になりやすいと考えられています。 股関節には軟骨があり、この病気になると軟骨が少しずつすり減ってしまいます。そのため、股関節に痛みが生じたり、歩行障害が現れることもあるので注意が必要です。 立ち仕事だけでなく、肥満や股関節に負担のかかるスポーツも、この病気になりやすいです。 変形性股関節症の症状 変形性股関節症は、初めは軽い痛みや違和感が現れますが、進行するにつれて日常生活に大きな支障が出てきます。代表的な症状は、以下の通りです。 ・立ち上がったり、歩き始めた時に足の付け根が痛む ・爪を切ろうと前屈みになると股関節に痛みを感じる ・和式トイレから立ち上がれない ・長時間正座ができなくなる ・長時間歩くのが辛くなる ・車やバスに乗り降りする際に杖や手すりが必要になる ・お尻や太ももに痛みが出る ・足の長さに左右差が出てくる 症状がある場合は早めに専門医を受診し、適切な治療を受けましょう。早めの対応が症状の進行を防ぎます。 股関節の痛みを防止するために心掛けること4選 関節の痛みを防止するには、以下の4項目を意識しましょう。 1.体重管理 体重の増加は、股関節への負担をさらに大きくします。自分の適正体重を保つようにしましょう。 2.適度な運動 股関節の可動域を広げる運動は、血流を良くします。無理のない程度に行うのがポイントです。痛みが強いときは、運動を控えましょう。 3.冷えに注意 腰回りが冷えると、股関節の痛みも増強します。暖かい服装で過ごし、入浴はシャワーだけで終わらせず、湯船につかる習慣をつけましょう。 4.生活スタイルの改善 股関節への負担が少ない、ベッドや椅子での生活がおすすめです。 股関節の痛みを緩和する治療法 股関節の痛みを緩和する治療法には、主に3つあります。ここからは、それぞれの治療法について説明します。 1.薬物療法 痛み止めの薬を服用します。股関節の痛みを緩和する治療で、根本的な治療ではありません。 2.運動療法 適度な運動により股関節のまわりの筋肉を強化し、股関節の変形の進行を抑える療法です。 適切ではない運動は痛みを増強させるので、医師や理学療法士の指導のもとにストレッチなどを行います。 3.手術療法 症状の改善がみられない場合は手術を検討する場合もあります。手術は2種類あり、症状が比較的軽度、かつ若年層には自分の骨を活用する骨切り術が検討されます。関節の変形が進んでいる段階であれば人工股関節手術を選択します。 立ち仕事による股関節の痛みでお悩みの方からよくある質問 立ち仕事における股関節の痛みに悩む方へ、股関節に効くストレッチや、変形性股関節症で歩くべきかどうか、股関節に負担をかけない立ち方について解説します。 立ち仕事向けの股関節に効くストレッチは? 立ち仕事向けの股関節に効く簡単にできるストレッチは、股関節周りの筋肉をほぐす「股関節回し」や、太もも前面を伸ばす「大腿四頭筋ストレッチ」がおすすめです。 立った状態でできる「股関節回し」のストレッチ方法をご紹介します。 1.背筋を真っ直ぐにして、片足立ちになります 2.股関節を軸に、上げた脚の膝で円を描くように10回ほどゆっくり回します 3.10回終了したら、逆の脚も同じようにおこないます 「股関節回し」は立った状態でも行えるため、仕事の合間に無理なく取り入れられます。日常的にストレッチを続けると、股関節の柔軟性が高まり、痛みの軽減や予防に効果的です。習慣化して、股関節の健康を保ちましょう。 変形性股関節症は歩いた方が良いですか? 変形性股関節症のリハビリは、股関節に負担をかけない範囲でのゆっくりとした歩行が効果的です。無理のない速度で歩くと筋力を維持し、関節の柔軟性を保てます。 ただし、速く歩くと股関節に負担がかかりやすいため、自分のペースを守るのが大切です。最初は短い距離から始め、慣れてきたら少しずつ時間や距離を延ばすようにしましょう。 また、必要に応じてサポーターや杖を使用するのも有効です。 股関節に負担をかけない立ち方は? 股関節に優しい立ち方は、足で踏ん張るのではなく、頭からまっすぐに伸びるように立つことです。股関節の痛みを抱えると、立ち上がるときに体を前に倒してしまいますが、余計な負担をかけてしまいます。 背筋を伸ばし、頭が真上に引っ張られるイメージで立つと、股関節にかかる負担が軽減され、立ち上がる動作が楽になります。 また、立つときは足を肩幅に開き、重心を均等に保つのもポイントです。 変形性股関節症で立ち仕事がつらい場合は再生医療を検討ください 立ち仕事により股関節に痛みが生じる方は、変形性股関節症が考えられます。症状が悪化する前に、予防や自分に合った治療法を選ぶのが大切です。 また、近年は再生医療による治療も選択できます。再生医療はスポーツ医療でも多く用いられており、負担や、副作用が少ないため、注目を集めています。 変形性股関節症の治療のひとつとして、再生医療を検討してみてください。
2020.07.19 -
- 再生治療
- 肝疾患
- 幹細胞治療
健康診断で脂肪肝の心配が!その数値についてと症状について解説します! 健康診断などで「脂肪肝」という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。しかし、何となく不健康なイメージがあると思いますが、具体的に何がどうなっているのか知っているという人は少ないのではないでしょうか。 そこで今回は、脂肪肝の数値や症状などについて解説します。 脂肪肝について詳しく知ることで、病気の発生や悪化のリスクを減らしていきましょう。 脂肪肝の数値 過去に受けたことのある健康診断(血液検査)の結果が手元にある場合は、リストに掲載されている項目の中から「AST」「ALT」という項目を探してください。 ・AST(GOT):基準値7~38IU/L ・ALT(GPT):基準値4~44IU/L 上記の数値を越えている場合、疑われる病気の1つとして「脂肪肝」が挙げられます(その他にも肝炎や肝硬変なども含まれる)。 また、脂肪肝とは直接関係しない数値ですが「BMI」という数値があり、これは肥満指数を表していてBMI≧25だと肥満であると診断されるのです。 肥満と診断された人の2~3割ほどに、脂肪肝の疑いがあるとされています。 脂肪肝の症状とは? 病気の初期症状を見極めることで予防や症状の進行を抑えるといったアクションを起こせるものですが、厄介なことに脂肪肝は初期の段階では目立った症状がないのです。 ある程度、症状が進行すると「疲れやすくなる」「ボーっとする」「腹部に違和感を覚える」などの症状を自覚することがありますが、前述の通りこれはあくまでも「症状が進行している状態」であるため、原因となっている生活習慣などの改善が難しいという側面があります。 そのため、定期的な健康診断を受けて、肝臓の数値をチェックすることが大切です。 脂肪肝の治療法と再生医療 脂肪肝の治療法としては、原因となっている生活習慣を改善することで症状の進行を抑えることができますが、現状の肝臓の状態を治療するための治療にはなりません。 肝臓の状態をそのままにすると、次第に「肝硬変」や「肝臓がん」といった状態に進行する可能性があり、場合によっては命に関わることもあります。 そこで注目されているのが「再生医療」という治療法です。 再生医療は「幹細胞」を利用することで脂肪により弱っている肝機能を改善できる可能性があります。 患者さんによって治療効果には個人差が見られますが、従来の治療法では見出すことのできなかった「弱った肝臓の再生」という可能性を見出せる再生医療は、一考の価値があると言えます。 まとめ・健康診断で脂肪肝の心配が!その数値についてと症状について解説します! いかがでしたでしょうか。 脂肪肝は数値から見ることができる可能性はあるものの、自覚症状は目立つものではなく、気づかないうちに症状が大きく進行している可能性があります。 健康診断をきちんと受けて、肝臓の数値をチェックし、脂肪肝になっていないか診断してもらうようにしましょう。 近年は、従来の治療法では改善することの難しかった脂肪肝の症状を改善する再生医療という治療法があります。個人差はありますが、肝機能の回復を図りたいのであれば、この再生医療を検討してみる価値は大いにあると言えます。 この記事がご参考になれば幸いです。 監修:リペアセルクリニック大阪 こちらもご参照ください
2020.07.18 -
- 再生治療
股関節の痛みは日常生活に支障をきたします。とくに足をあげる際に痛みを伴う場合は立ち上がる、歩く、階段を上るなどの日常的な動作がつらくなるでしょう。 足を上げると股関節が痛い場合は、変形性股関節症や大腿骨近位部の骨折、股関節の使いすぎなどが考えられます。 この記事では、股関節の痛みが起こるメカニズムや具体的な対処法について、わかりやすく解説します。 自分の痛みがどのような原因によるものかを一緒に確認してみましょう。 この記事を読むとわかること ・股関節痛の症状 ・股関節の痛みが強い場合の対処方法 ・足を上げると股関節が痛いときの自分でできる対処法 股関節痛の症状 股関節は足の付け根を曲げたり、長い時間体重がかかると負担が大きくなります。 股関節痛の主な症状は下記の通りです。 股関節痛の主な症状 ・長時間立ったり歩いたりすると股関節に痛みを感じる ・足の爪が切りにくい ・靴下が履きにくくなる 足を上げると股関節が痛い原因 股関節が痛む原因を下記の表にまとめました。 病名など 原因 症状 特徴 変形性股関節症 股関節の軟骨部分のすり減り 長時間の歩行や立ち仕事の後に痛みを感じやすい 中高年の女性に多い 大腿骨近位部骨折 脚の付け根の部分が骨折 痛みのある方の足に体重をかけられないほどの痛み 高齢者は軽い転倒でも骨折する場合がある 股関節唇損傷 骨盤に大腿骨がはまっている部分の軟骨に傷ができる 股関節の痛み 変形性股関節症の前段階ともいわれる 股関節の使いすぎ 股関節に疲労がたまり炎症が起こる 股関節の違和感や痛み 股関節を酷使するスポーツをする方や姿勢が悪い方に多い 靭帯や筋肉の損傷 無理な体勢や事故によるストレス 股関節の違和感や痛み 事故にあった方やスポーツをする方は注意 それぞれ詳しくみていきましょう。 変形性股関節症 変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減り関節が変形する病気です。股関節の痛みや動かしづらさが主な症状で、とくに中高年の女性に多くみられます。原因は加齢による関節軟骨のすりへり、肥満による関節への負担、うまれつきや事故などの外傷です。 初期には長時間の歩行や立ち仕事の後に痛みを感じやすくなり、進行すると安静時や就寝時にも痛みが現れます。もっとひどくなると、しゃがんだり、足を大きく開いたりなどの動作ができません。 症状が軽い場合は運動療法や生活習慣の改善、痛み止めの内服など保存療法が中心ですが、重度の場合は人工関節を入れる手術をおこないます。 予防には適度な運動が効果的ですが、股関節に大きな負担をかけないように心がけてください。 大腿骨近位部骨折 大腿骨近位部骨折は、脚の付け根の部分に発生する骨折です。 骨粗しょう症が原因で骨が弱くなっている高齢者に多く、転倒や軽い衝撃でも簡単に骨折しかねません。若い人はスポーツや事故などで骨折するケースもあります。股関節を構成している大腿骨は、身体のバランスや歩行にとって重要な役割を担っているだけに生活に大きく影響しかねません。 症状は、股関節周辺の強い痛みです。痛みのある方の足に体重をかけられず歩行困難になります。基本的には手術が必要なため、歩くのも困難な場合は早急に医療機関を受診しましょう。 股関節唇損傷 股関節唇(こかんせつしん)損傷は、骨盤に大腿骨がはまっている部分の軟骨に傷ができる状態をいいます。大腿骨の上の方は丸い頭のような形で、股関節唇(軟骨)が覆っています。 股関節唇は関節のクッションの役割をしていて、大腿骨と骨盤を衝撃から守っています。そのため、股関節唇に損傷ができると痛みが出たり、股関節が安定しません。 変形性股関節症の前段階ともいわれています。 股関節の使いすぎ スポーツなどで股関節にストレスがかかる状態が続くと、股関節に疲労がたまり炎症を起こします。股関節はすべてのスポーツでよく使用する関節であり、継続的に負担のかかりやすい場所です。股関節に違和感をおぼえたら休息をとりましょう。 正しい姿勢でない場合にも股関節に余分な負荷がかかるため、痛みが生じます。正しい姿勢を意識して過ごしましょう。 靭帯や筋肉の損傷 股関節の周りには大きな靭帯や筋肉があります。無理な体勢で負荷がかかったり、事故などで強い力が加わると靭帯や筋肉の損傷につながります。 運動の前はかならずストレッチしましょう。ストレッチを行わずに運動してしまうと、靭帯や筋肉の損傷を起こし、痛みにつながってしまいます。 股関節の痛みが強い場合は早急に医療機関へ 地面に足がつけられないほどの強い痛みや、熱をもっていたり腫れていたりする場合は早めに医療機関を受診しましょう。 手術など医療的なケアが必要な可能性があります。 医療機関で行う検査 足を上げると股関節が痛む場合は整形外科の受診がおすすめです。 整形外科で行う検査 ・レントゲン ・超音波 ・MRI 股関節は筋肉に囲まれた深い場所に位置しているため、水のたまり具合や腫れを触って確認できません。レントゲンで判断できない場合は超音波やMRIで詳しく検査します。 医療機関の治療 足を上げると股関節が痛む場合の治療法は症状によって異なります。 主な治療方法を下記の表にまとめました。 症状 治療法 変形性股関節症 ・水泳などの運動 ・装具の使用 ・患部を温める ・湿布や軟膏で炎症を抑える ・手術 大腿骨近位部骨折 人工関節や自分の骨を接合する手術 股関節唇損傷 ・安静 ・ステロイド注射 ・手術で損傷した部位を修復 また、上記以外の治療法として再生医療があります。再生医療は、幹細胞を活用して損傷した軟骨や組織を修復・再生し、痛みや機能障害を改善する治療法です。手術を回避できる可能性が高く、体へ大きな負担をかけずに治療ができます。 足を上げると股関節が痛いときの対処法 股関節が痛いと日常生活に大きく影響します。 痛みが強いときは受診するのが一番ですが、自分でできる対処法について解説します。 自分でできる対処法.1 股関節周囲の筋肉を強化する 股関節周囲の筋肉を鍛えると支える力が大きくなるため関節の負担も減り、痛みの緩和が期待できます。 おすすめのトレーニングを紹介しますので、無理のない範囲で試してみてください。 外旋筋群のトレーニング ※画像あります 外旋筋群のトレーニング手順 1.横を向いて寝転ぶ 2.両膝を90度に曲げ体を安定させ、かかとを付ける 3.股関節を45度開く 4.股関節を閉じる ※3と4を繰り返す おしりの深い部分にある筋肉を鍛えるトレーニングです。骨盤の下方と股関節をつなぐ役割をしています。 膝の力で行うと太もものトレーニングになるので、脚の付け根から動かすイメージで行いましょう。 また、骨盤が後ろに倒れないようにすると効果的です。 中殿筋と小殿筋のトレーニング 中殿筋と小殿筋のトレーニング手順 1.横になる 2.下の脚を少し曲げる 3.上の足は後ろ側へ上げる 中殿筋と小殿筋も骨盤と股関節をつなぐ役割を果たしています。 膝を伸ばすと、さらに効率よくトレーニングできます。 自分でできる対処法.2 トイレは洋式、正座ではなく椅子に座る 股関節を大きく屈曲する必要のある和式トイレや正座などの行動は、股関節への負担が増します。 負担軽減のために、洋式トイレや椅子を使用するようにしましょう。 自分でできる対処法.3 水中で運動する 水中は浮力が生じるため関節の負担も少なくなります。股関節周囲の筋肉強化のためにプール内での歩行なども効果的です。 自分でできる対処法.4 体を冷やさない 体が冷えると血流が悪くなり筋肉がかたくなります。股関節の可動域が狭くなったり痛みがでたりなど、ケガをしやすい状態になりかねません。具体的な温め方は下記の通りです。 股関節の温め方 ・ホットパックで15~20分温める ・カイロを股関節の前後に貼る ・40度前後のお湯に15分程度浸かる ・軽いストレッチを行う とくに、入浴は全身の筋肉が温まり血行が促進されるのでおすすめです。 まとめ 股関節の痛みは、放置していると日常生活に影響を及ぼす可能性があります。 痛みの原因を理解し適切な対処をすれば、症状の改善や予防が可能です。すでに痛みが強い場合は、早急に専門医の診察を受けましょう。 当院では、再生医療を取り扱っています。再生医療は幹細胞を用いて損傷した軟骨や組織を修復・再生し、痛みや機能の改善を目指す先進的な治療法です。興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
2020.07.16 -
- 再生治療
腱鞘炎を中華料理の料理人が職業病として悩むのはなぜ 4000年以上の歴史がある中国料理を調理する人の仕事は、一日中立ちっぱなしで大きな重い鍋を持ち上げたり、ゆすったりする動作を長時間行います。そのため丈夫な身体と体力が必要です。そんな中国料理の料理人のなかで多くの人が悩まされているのが腱鞘炎なのです。 今回は、腱鞘炎のばね指とドケルバン腱鞘炎の症状や原因、治療方法などについて紹介します。 腱鞘炎で悩む中華料理の料理人が多い? 腱鞘炎は親指や手首を動かした時に指の付け根や手首に痛みや腫れが出る疾患です。腱鞘とは、筋肉と骨をつなぐ役割を果たしている腱をトンネルのように包んでいるもので、腱鞘によって腱を滑らかに動かしています。 しかし、腕を酷使していると腱鞘と腱がこすれ合って炎症を起こしてしまい痛みや腫れが生じます。よって、仕事で大きな鍋を扱ったりして腕を酷使することが多い中華料理の料理人は腱鞘炎を起こしやすいのです。 中華料理の料理人に多い「ばね指」と「ドケルバン腱鞘炎」について 中華料理の料理人が発症する腱鞘炎で多いのが「ばね指」と「ドケルバン腱鞘炎」です。 ばね指とは 指の酷使などで腱鞘に炎症が起きて、腱鞘が厚くなることで指の曲げ伸ばしの際に痛みが生じたり、引っ掛かったりするタイプの腱鞘炎です。症状が悪化すると関節が硬くなって(拘縮)指が動かしにくくなってしまいます。 ドケルバン腱鞘炎とは 親指の伸ばす働きがある腱が炎症を起こし、痛みが生じるタイプの腱鞘炎で、親指を動かす際に手関節の親指の付け根付近に痛みが生じます。 中華料理の料理人が悩む腱鞘炎の治療方法 腱鞘炎の治療方法は、症状の度合いによって異なります。症状が軽度の場合は炎症を抑える塗り薬や、湿布などによる薬物療法や、超音波治療による温熱療法、ストレッチなどの運動療法などで治療をします。 症状が中度の場合は、ステロイド注射を腱鞘内にすることもあります。ただし、ステロイド注射は大きな効果が期待できるものの、腱を弱くしてしまうという副作用があるため頻繁におこなうことはできません。 ステロイド注射をおこなっても症状が繰り返されるという場合は、腱鞘を切開する手術が検討されます。手術自体は複雑ではなく日帰りで済ませることができますが、術後は関節の痛みや指の伸びにくさなどがあり、リハビリが必要です。 まとめ・腱鞘炎を中華料理の料理人が職業病として悩まされているのはなぜ 中国料理の料理人多くが悩まされている腱鞘炎のばね指とドケルバン腱鞘炎の症状や原因、治療方法などについて紹介しました。 腱鞘炎を始め、関節のトラブルで一般的な治療を受けても改善できない場合、再生医療による治療という選択肢もあります。手術を回避する選択肢を探している人は再生医療による治療を検討してみるのも良いでしょう。 監修:リペアセルクリニック大阪院 ▼こちらもご参照ください
2020.07.13