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脳梗塞は一度発症すると再発の可能性も高い危険な病気です。 どのような原因で発症してしまうのか、予防する方法があるのか不安な方も多いのではないでしょうか。 本記事では、脳梗塞の原因や予防方法について紹介します。 この記事を読むとわかること 脳梗塞とはどのような病気? 脳梗塞を予防するためのポイント 脳梗塞の治療法 脳梗塞の初期症状や治療法についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。 脳梗塞とはどのような病気? 脳梗塞とは、脳の血管が詰まって血流が途絶え、脳の神経細胞が損傷してしまう病気です。 脳の細胞は血流が途絶えると数時間で死んでしまうため、治療が遅れると重篤な後遺症や命を落としてしまうケースもあります。 重症化する前に発見されることが多いため、死亡率は10%と低めですが脳梗塞は死につながることも。 また、脳梗塞が原因で心臓や肺に負担がかかることで「心不全」や「肺炎」など、二次的な合併症リスクもあるため注意が必要です。 脳梗塞の主な原因 脳梗塞の主な原因は、以下の3つです。 高血圧 動脈硬化 心房細動 高血圧が続くと動脈が硬くもろくなり、動脈硬化が進行します。動脈硬化の進行によって血管内に血栓ができ、血管の中が狭くなって脳梗塞を引き起こす可能性があります。 また、不整脈の一種である心房細動によって、血流の動きが妨げられ血栓ができやすくなります。その血栓が脳に運ばれてしまうと脳梗塞を発症します。 心房細動による脳梗塞は脳の広い範囲に影響が出やすく、半身麻痺や寝たきり状態になる可能性が高いです。 脳梗塞の前兆・初期症状について https://youtu.be/uYzcc3F8SjY?si=HmT_3yoHakLNyC6v 脳梗塞は、主に以下のような前兆や初期症状がみられます。 脳梗塞の初期症状 顔面の麻痺 右半身/左半身の麻痺 ろれつが回らない めまい・吐き気 視野の欠損 上記のような症状が出た場合、必ず病院を受診して治療を受けてください。 脳梗塞の初期症状は突然現れることが多いため、小さな違和感を見逃さないように普段から体調を気遣いましょう。 脳梗塞を予防するためのポイント 脳梗塞を予防するためのポイントを5つ紹介します。 適度な運動の習慣をつける 食生活を改善する 水分をこまめに摂る ストレスを溜めないようにする 脳梗塞につながる病気の早期発見・治療 脳梗塞の原因を作らないためにも、それぞれの予防ポイントを把握して実践してみましょう。 適度な運動の習慣をつける 運動をすると血管機能が上昇し、高血圧や脂質異常の改善が期待できます。 脳梗塞の予防には、筋トレやウォーキングなどの有酸素運動が有効です。 1日5,000歩の歩行かつ、ジョギングや自転車に乗るなどの中強度身体活動を7.5分行うことが推奨されています。 ※出典:脳卒中患者における身体活動研究の動向 運動をする時間や頻度は、自分の体調や運動能力に合わせて無理のない範囲で行いましょう。 食生活を改善する 脳梗塞を予防するために、以下のポイントを意識して食生活を改善しましょう。 減塩する 高血圧や動脈硬化のリスクを抑える タンパク質を摂る 血圧を下げる、血行促進、血管を柔らかくする働きがある 抗酸化作用のある食材を摂取する 血管細胞の機能を維持、動脈硬化を抑制する 食塩の1日の適正摂取量は男性:7.5g未満、女性:6.5g未満です。高血圧を予防・治療する場合の摂取量は1日6.0g※未満となっています。 ※出典:厚生労働省「日本における食塩摂取量の現状と減塩推進への課題」 他にも、タンパク質や抗酸化作用のある緑黄色野菜などの摂取が脳梗塞予防に効果的です。 水分をこまめに摂る 脳梗塞を予防するために、こまめに水分を摂りましょう。 体内の水分が少なくなると、血液がドロドロになって血栓ができやすくなります。 喉が渇いたとき、食事中、入浴後などに水分を摂取しましょう。空気が乾燥する秋・冬もこまめな水分補給を意識しましょう。 ただし、水の飲みすぎには注意が必要です。水を飲み過ぎると腎臓に負担をかけてしまうため、適度な水分補給を心がけてください。 ストレスを溜めないようにする 脳梗塞を予防するために、ストレスを溜めないようにすることも重要です。 ストレスが脳梗塞を引き起こす理由 血圧や血糖値が上昇し、動脈硬化や糖尿病の原因になる 血管が収縮して血栓ができやすくなる 前頭前野の働きが弱まり、暴飲暴食や過度の飲酒などの不摂生な生活につながる ストレスを溜めないように生活リズムを整えましょう。睡眠や適度な運動はストレス発散に有効です。 また、日光を浴びることもストレス発散につながるので、屋外での有酸素運動をしてみましょう。 脳梗塞につながる病気の早期発見・治療 脳梗塞を予防するために、脳梗塞につながる病気の早期発見・治療を意識しましょう。 脳梗塞につながる病気 高血圧 動脈硬化 心房細動 上記のような脳梗塞を引き起こす可能性がある症状を早期に見つけ、治療を開始することが重要です。 脳梗塞の症状が出ない場合もあるため、予防のためにも定期的に検査を受けましょう。 また、生活習慣病や心疾患のリスクが高い方は早期改善、治療を意識してください。 脳梗塞の予防検査では、頭部MRIや頸動脈エコー検査が行われます。 脳梗塞の治療方法は? 脳梗塞の治療方法は主に以下の4つがあります。 t-PA(血栓溶解療法) 血管内治療 内服療法 外科手術 詳しい治療内容について解説します。 t-PA(血栓溶解療法) t-PA(血栓溶解療法)は、発症から4~5時間以内の急性期に用いられる治療法で、脳に詰まった血栓を溶かす働きがあります。 t-PA(血栓溶解療法)は内服薬ではなく静脈注射ですので、家での治療はできません。 また、t-PAの効果が期待できるのは3割ほどといわれています。 さらに、t-PA(決戦溶解療法)は、血栓を溶かす作用が協力なため、脳内出血が生じる可能性もあり、医師との相談が必須です。 血管内治療 血管内治療は、カテーテルを血管に挿入し血栓を除去・吸引する治療方法です。 足や手の血管を通じてカテーテルを挿入するため、頭を切開する必要がなく傷が目立たないことが利点です。 身体への負担も少ないため、早期の社会復帰も期待できます。 しかし、時間的な制限があり、一般的に脳梗塞を発症してから8時間以内に治療をする必要があります。 内服療法 内服療法では、以下のような薬を内服して治療・再発防止を行います。 抗血小板薬 血小板が血管の壁に付着し狭くなる/壁に付着した血小板がはがれて血管を詰めることを防ぐ 抗凝固薬 血液が固まらないようにする どちらも注射・経口薬があります。 抗凝固剤は量が多すぎると出血しやすくなる危険があるため、適正量を厳しくチェックする必要があります。 医師と相談し、服薬量などを守ることが重要です。 外科手術 外科手術では、以下のような治療を行います。 再開通療法(カテーテル治療) 脳梗塞発症から8時間以内 血栓を回収する機材を血管に入れて血栓を除去 血管吻合術(バイパス術) 頭皮をは知る血管をはがし、詰まった血管の先につなぐ 血流が新に確保できるため、再発予防につながる 頸部内頸動脈内膜剥離術 頸部に狭窄がある場合に行う手術 動脈硬化で厚くなった壁をくりぬく 外科手術は、t-PA(血栓溶解療法)ができない、内服療法では再発予防が難しい患者さんに対して行われます。 脳梗塞の治療に「再生医療」という新たな選択肢 脳梗塞の治療方法として、再生医療による幹細胞治療が注目されています。 再生医療とは、患者さん自身の細胞を利用して損傷した部位を保護・修復することが期待できます。 自身の細胞を利用するため拒否反応が起こる確率が低く、従来の手術よりも身体への負担が少ない治療法です。 破れたり詰まりやすくなっている血管も修復する働きがあるため、再発予防としても効果的です。 再生医療による脳梗塞の後遺症治療の実例を紹介 https://youtu.be/VoFvJa_yBGI 当院で幹細胞治療を受けた患者さんには、以下のような効果が見られました。 筋肉の緊張がほぐれた 筋肉がついてきた 滑舌がよくなった 腕の痛みが緩和された 幹細胞治療は回数を重ねるごとに脳梗塞の症状が緩和されていきます。 【まとめ】脳梗塞の原因について|予防のためにやるべきこと 脳梗塞の原因や予防するために注意することを紹介しました。 さまざまな原因が脳梗塞を引き起こす可能性があるので、規則正しい生活と適度な運動を心掛けましょう。 また、脳梗塞を予防するために食生活を見直すこともおすすめします。 再生医療は脳梗塞の根本的な改善につながる新たな治療法として期待されています。 脳梗塞の治療で再生医療を検討している方は、当院にご相談ください。
2025.01.09 -
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「ストレスから脳梗塞になる?」 上記のように「日頃のストレスが大きな病気につながらないか」不安な方も多いのではないでしょうか。脳梗塞の主な原因は、高血圧などの生活習慣病ですが、ストレスを溜めると間接的に脳梗塞のリスクを高める可能性があります。 本記事では、脳梗塞の原因となり得るストレスが体に与える悪影響について、詳しく解説します。 この記事を読むとわかること 脳梗塞とストレスの関係性 ストレスが体に与える影響 脳梗塞の発症リスクを低減するために、脳梗塞になりやすい人の特徴や、ストレスの解消方法を確認しましょう。 ストレスは脳梗塞の原因となる可能性がある ストレスは、脳梗塞の原因となる可能性があります。脳梗塞を予防するために、以下2つのポイントを知ることが大切です。 脳梗塞を予防するためのポイント 脳梗塞とストレスの関係性 脳梗塞になりやすい人の特徴 日常的に強いストレスを感じている人は、脳梗塞をはじめとした脳卒中になりやすいため注意が必要です。 脳梗塞になりやすい人には特徴があるため、当てはまっていないか確認しましょう。 脳梗塞とストレスの関係性 脳梗塞とストレスには、大きな関係があります。ストレスは脳梗塞の直接的な原因ではありませんが、脳梗塞のリスクを高める高血圧や動脈硬化の原因となる可能性があるためです。 強いストレスを感じているときは、交感神経が優位になります。交感神経は、体内で生成・分泌されるホルモンを調節する自律神経の1種です。 交感神経が優位になると、脈拍数の増加や血圧の上昇が起きて高血圧につながり、血管に大きな負担がかかります。高血圧によって血管がダメージを受けると、動脈硬化のリスクが高まり、脳梗塞を発症しやすくなります。 脳梗塞になりやすい人の特徴は? 脳梗塞になりやすい人の特徴は、以下のとおりです。 脳梗塞になりやすい人の特徴 高血圧 糖尿病 脂質異常症 心房細動 動脈硬化 運動不足 ストレスを溜めやすい 遺伝 脳梗塞は、生活習慣病やストレスなどが関係する環境因子と、遺伝的因子が合わさって発症リスクが高まります。 家族に高血圧や脳卒中の人がいる場合は、遺伝的に脳梗塞になりやすいため注意が必要です。 環境因子は、生活習慣の改善で排除できる場合もあるため、日常生活を見直しましょう。 以下の記事では、脳梗塞になりやすい人の特徴について詳しくご紹介していますので、合わせてご覧ください。 ストレスが体に与える悪影響とは? ストレスが体に与える悪影響は、以下のとおりです。 ストレスが体に与える悪影響 高血圧 睡眠障害 喫煙 ストレスが体に与える悪影響は多いため、自分に合ったストレス発散法を見つけ、早急に対処しましょう。 高血圧 ストレスが体に与える悪影響の1つに、高血圧があります。高血圧とは、一般的に最高血圧が140mmHg以上、あるいは最低血圧が90mmHg以上の状態が慢性的に続くことをいいます。 強いストレスを感じると、自律神経の1つである交感神経が優位になり、血圧が上がります。高血圧の状態が続くと血管に大きな負担がかかり、動脈硬化になりやすいため注意が必要です。 高血圧を原因とした動脈硬化は、脳梗塞の主なリスク因子です。脳梗塞をはじめとした脳卒中は、高血圧と深く関係します。 家族に高血圧の人がいたり、普段から血圧が高かったりする人は、病院を受診し早期から血圧管理を行うことが重要です。 以下の動画では、高血圧と血糖値について、詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。 高血圧を予防するために、塩分を控えた食事を心がけたり、運動を習慣化したりしましょう。 睡眠障害 ストレスが体に与える悪影響には、以下の睡眠障害があります。 不眠症 眠りにつくまでに時間がかかること(入眠困難) 眠りについても途中で起きてしまう状態(中途覚醒) 早朝に起きてしまい、もう一度眠れない状態(早朝覚醒) 熟睡できず疲労感が残っている状態(熟眠障害) 過眠症 夜間に睡眠がとれているにもかかわらず、日中起きていられないこと 睡眠時無呼吸症候群 睡眠中にひどいいびきや無呼吸が生じる疾患 概日リズム睡眠・覚醒障害群 体内時計にずれが生じ、起床時間や就寝時間が不規則になる状態 睡眠障害が起こると、日中の活動力低下や集中力低下、倦怠感などが生じやすいため注意が必要です。 睡眠障害が原因で生活習慣が乱れると、生活習慣病になる可能性が高まり、脳梗塞を発症する恐れがあります。 喫煙 ストレスが体に与える悪影響に、喫煙があります。ストレスを感じ喫煙する人がいますが、イライラをたばこで一時的に緩和しているだけなので注意が必要です。 喫煙習慣はたばこに含まれるニコチンの依存度へ強い影響を与え、喫煙者はストレス解消方法として喫煙行動をとっている可能性が高いことが示唆されています。 出典:喫煙の習慣がストレス状況下での喫煙欲求におよぼす影響|Journal of Health Psychology Research 2017, Vol. 30, No. 1, 9–17 喫煙は動脈硬化や高血圧などを発症するリスク因子であり、脳梗塞の危険性が高まるため、禁煙が大切です。 ストレスを感じる原因や解消方法 ストレスを感じる原因や解消方法は、人によって異なるため以下の項目を確認し、ストレス発散法を知ることが重要です。 ストレスの原因と解消方法 ストレスの原因 おすすめのストレス解消方法 同じ状況下でも人によってストレスを感じる程度が異なる場合があります。 ストレスを感じやすい原因を知り、自身で対処できるようにストレス解消方法も合わせて確認しましょう。 ストレスの原因 ストレスを感じる原因は、主に以下の4つがあります。 ストレスを感じる原因 仕事(人間関係・収入など) 住環境の変化 親の介護問題 自身の健康問題 厚生労働省の調査※によると、仕事や職業生活でストレスを感じている労働者の割合は82.7%です。 ※出典:令和5年労働安全衛生調査(実態調査)|厚生労働省 予想していなかった出来事が急に起こったり、外部から強い刺激を受けたりすると、強いストレスを感じやすいため注意が必要です。 とくに真面目な性格の人や自己肯定感の低い人はストレスを感じやすく、身体の不調も出やすい特徴があります。 おすすめのストレス解消方法 おすすめのストレス解消方法は、以下のとおりです。 おすすめのストレス解消方法 運動する 自分の気持ちを書き出す 家族や友人に相談する 趣味を楽しむ(読書や映画鑑賞など) ゆっくり入浴する 部屋の模様替えをする 運動や部屋の模様替えなどは、リフレッシュできストレス発散につながります。ゆっくり入浴することで、ストレスで活性化した交感神経の働きを抑えられる効果が期待できます。 ストレスと上手に付き合えるように、自身に合った方法でリフレッシュをし、脳梗塞のリスクを低減しましょう。 脳梗塞の初期症状が出たら早期受診・治療を受けることが重要 脳梗塞の初期症状が出たら、早期受診し、治療を受けることが重要です。脳梗塞の主な初期症状は、以下のとおりです。 脳梗塞の初期症状 顔のしびれやゆがみ 呂律が回らない 感覚が鈍くなる 手足の力が入りにくくなる めまいや吐き気 目のかすみやぼやけ 脳梗塞の前兆や初期症状かもしれないと感じたら、すぐに病院を受診しましょう。 以下の動画では、脳梗塞の前兆について詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。 脳梗塞を早期から治療できれば、症状の悪化を防げる可能性があります。 脳梗塞を放置すると重い後遺症が出る場合もあるため、早急な対処が重要です。 脳梗塞とストレスの関係についてよくある質問 脳梗塞とストレスの関係についてよくある質問を紹介します。 脳梗塞とストレスの関係についてよくある質問 ストレスで脳梗塞になりますか? 脳梗塞の1番の原因は何ですか? ストレスは脳梗塞の原因になる可能性があるため、ストレスを溜めないように過ごすことが大切です。 各質問の回答を参考にし、脳梗塞を予防しましょう。 ストレスで脳梗塞になりますか? ストレスによって、脳梗塞になる可能性はあります。 ストレスが脳梗塞の原因とされる理由は、脳梗塞につながる「高血圧」や「動脈硬化」の原因になるためです。 ストレスを感じると自律神経の1種である交感神経が優位になり、体が興奮状態になります。 交感神経が優位になると、血圧の上昇や脈拍数の増加などが起こり、血管の負担が大きくなります。 もろくなった血管を修復するために作られた血栓が脳内へ移動したり、脳血管内で血栓ができたりすると、脳梗塞のリスクが高まるため注意が必要です。 脳梗塞の1番の原因は何ですか? 脳梗塞の1番の原因は、高血圧です。高血圧の状態が長く続くと、脳梗塞のリスク因子である動脈硬化のリスクが上がります。 高血圧や動脈硬化により、血管壁がもろくなったり、厚くなったりすると血栓ができやすくなるため注意が必要です。 脳梗塞を予防するためには、自身の血圧変動を知り、日頃から血圧管理を十分に行うことが重要です。 ストレスも高血圧の原因になるため、運動や趣味などでストレスを解消するよう心がけましょう。 【まとめ】ストレスは脳梗塞の原因になる!初期症状を見逃さないことが重要 ストレスは脳梗塞の原因になるため、日頃からストレスを溜めないように注意しましょう。 脳梗塞になってしまった場合は、初期症状を見逃さないことが重要です。 初期症状を見逃してしまうと、脳梗塞の症状が悪化し、重い後遺症が出る可能性があります。脳梗塞の初期症状には、顔のゆがみやめまい、吐き気などがあります。 症状が一時的に出現する場合は、脳卒中の前兆の可能性もあるため、症状を放置せずにすぐに病院を受診するのが大切です。 脳梗塞の治療には、再生医療の検討もおすすめです。再生医療を検討する際は、ぜひ当院へご相談ください。
2025.01.09 -
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脳梗塞は、脳血管に血栓が詰まり血流が途絶えることで、脳の神経細胞が死んでしまう病気です。生活習慣病を持つ人やストレスを溜めてしまう性格の人は、脳梗塞になりやすい傾向があります。 本記事では、脳梗塞になりやすい人の特徴や予防方法について解説します。発症リスクを確認し、脳梗塞を予防しましょう。 この記事を読むとわかること 脳梗塞になりやすい人の特徴 脳梗塞の予防方法 脳梗塞になりやすい人の特徴に当てはまる場合でも、生活習慣を改善すると発症リスクを低減できる可能性があります。 発症リスクを理解して脳梗塞を予防するためにも、ぜひ最後までご覧ください。 脳梗塞とは 脳梗塞は、脳血管に血栓が詰まり血流が途絶えることで、脳の神経細胞が死んでしまう病気です。脳血管が詰まると、全身に指令を送る神経細胞まで十分な血液が供給されないため、さまざまな症状が現れます。 脳梗塞の主な症状は、以下のとおりです。 麻痺 言語障害 感覚障害 歩行障害 排尿・排便障害 脳梗塞を発症しないよう、脳梗塞になりやすい人の特徴を確認しましょう。 脳梗塞になりやすい人の特徴 脳梗塞になりやすい人には、以下の8つの特徴があります。 高血圧 脂質異常症 心房細動 糖尿病 動脈硬化 運動不足 ストレスを溜めやすい 遺伝 乱れた食生活や運動不足によって発症した生活習慣病は、脳梗塞の原因にもなりうるため注意が必要です。以下の動画では脳梗塞の初期症状についてわかりやすく解説しているので、ぜひ参考にしてください。 脳梗塞になりやすい人の特徴について、それぞれ詳しく解説します。 高血圧 脳梗塞になりやすい人の特徴の1つに、高血圧があります。一般的に最高血圧が140mmHg以上、あるいは最低血圧が90mmHg以上の状態が慢性的に続くと高血圧と診断されます。 高血圧にならないために、以下の特徴を持つ人は注意しましょう。 肥満である 過剰にアルコールを摂取している 喫煙している ストレスを溜めやすい 親族に高血圧の人がいる 高血圧の状態が続くと、血管壁がもろくなり血栓ができやすいため、日常的な血圧管理が大切です。 脂質異常症 脂質異常症の人は、脳梗塞になりやすい傾向があります。脂質異常症とは、血液中の脂質の量が過剰になる疾患で、診断基準※は以下のとおりです。 疾患名 診断基準 高LDLコレステロール血症 LDLコレステロール140mg/dl以上 境界域高LDLコレステロール血症 LDLコレステロール120~139mg/dl 低HDLコレステロール血症 HDLコレステロール 40mg/dL未満 高トリグリセライド血症 中性脂肪(トリグリセライド:TG) 150mg/dL以上(空腹時採血) 中性脂肪(トリグリセライド:TG) 175mg/dL以上(随時採血) ※参照:脂質異常症|eヘルスネット(厚生労働省) 過食・肥満傾向があったり、運動習慣がなかったりする人は、脂質異常症になりやすいため注意が必要です。 血液中に過剰に存在するコレステロールや中性脂肪は、プラーク(粥種)となり血管壁に沈着します。プラークが血管壁に沈着すると、血管壁が肥厚して固くなり、動脈硬化のリスクが高まります。 心房細動 脳梗塞になりやすい人に、心房細動の方が挙げられます。心房細動は、加齢や高血圧などが原因で起こる不整脈です。 心房細動になると血液循環機能が上手に働かず、心房内に古い血液が溜まります。古い血液は新しい血液より粘度があるため、血栓ができやすくなります。 糖尿病 糖尿病の人は、脳梗塞になりやすい傾向があります。糖尿病は、血糖値を下げるホルモンのインスリンが上手に機能しない病気で、診断基準※は以下のとおりです。 血糖値 空腹時血糖≧126mg/dl 75g経口ブドウ糖負荷試験2時間後の血糖値≧200mg/dl 任意の時間の血糖値≧200mg/dl HbA1c HbA1c(JDS値)≧6.1% HbA1c(NGSP)≧6.5% ※参照:糖尿病の新しい診断基準|国立国際医療研究センター糖尿病情報センター インスリンの機能低下により高血糖状態になった場合は、動脈硬化が進行します。血管の状態が悪化し血液循環が滞ると血栓が作られ、脳梗塞になるリスクが高まります。 動脈硬化 動脈硬化がある人は、脳梗塞の発症リスクがあるため注意が必要です。動脈硬化は加齢や高血圧、糖尿病などが要因となり、血管壁がもろくなる疾患です。 もろくなった血管壁を修復するために、血小板が凝集し、血栓ができやすくなります。動脈硬化が進行し身体のどこかで作られた血栓が脳血管まで到達したり、脳内で血栓ができた場合は、脳梗塞を発症する可能性があります。 運動不足 脳梗塞になりやすい人の特徴に、運動不足があります。運動不足の人が脳梗塞になりやすい理由は、生活習慣病の発症リスクが高いためです。 脳梗塞は血管障害で、生活習慣病と密接にかかわっています。血液循環が正しく行われるよう、運動を習慣化し血液を綺麗な状態に保つことが大切です。 ストレスを溜めやすい ストレスを溜めやすい性格の人は、脳梗塞になりやすいため注意が必要です。ストレスを溜めてしまうと血圧が上がり、脳梗塞の発症リスクを高めます。 高血圧や脂質異常症などの生活習慣病は、動脈硬化のリスクも高めるため、脳梗塞になりやすくなります。生活習慣病にならないよう、自身に合った方法でストレスを発散しましょう。 遺伝 脳梗塞の発症リスクは、遺伝が関係している場合があります。脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患は、ストレスや飲酒などの環境的素因と遺伝的素因が組み合わさって、発症リスクが高まるといわれています。 家族に脳梗塞の人がいる場合や、もともと血圧が高い人は、脳梗塞の発症リスクが高いため注意しましょう。 脳梗塞になりやすい食べ物はある? 脳梗塞になりやすい食べ物の例は、以下のとおりです。 理由 食品例 乳製品 飽和脂肪酸が多く、LDLコレステロール値が上がりやすい バター、マーガリン、チーズ 加工肉 飽和脂肪酸が多く、LDLコレステロール値が上がりやすい ハム、ベーコン、ソーセージ お菓子・スイーツ トランス脂肪酸が多く含まれるため スナック菓子、ケーキ、クッキー 漬物・干物 塩分が多く含まれており、生活習慣病のリスクが高まるため 梅干し、漬物、干物 アルコール類 過剰なアルコール摂取は、生活習慣病のリスクを高めるため ビール、ワイン、日本酒 動物性脂肪やトランス脂肪酸を含む食品や、加工食品の多量摂取は、動脈硬化のリスクを高めます。アルコールの過剰摂取も脳梗塞の発症リスクを高めるため、お酒の飲みすぎに注意しましょう。 脳梗塞を予防する食べ物を日常の食事に取り入れ、健康的な食事習慣をつくりましょう。 脳梗塞にならないためにすべきこと 脳梗塞にならないためには、以下の3つの行動を心がけることが大切です。 生活習慣の改善 食生活の改善 運動不足の解消 乱れた食生活や運動不足が続くと、生活習慣病の発症リスクが高まり脳梗塞になりやすくなります。生活習慣を見直し、脳梗塞のリスク因子を減らしましょう。 生活習慣の改善 脳梗塞にならないために、生活習慣の改善が大切です。生活習慣を改善すると、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の発症リスクを低減できます。 生活習慣を見直す際は、以下のポイントを確認しましょう。 栄養バランスが良い食事にする 過剰なアルコール摂取を控える 禁煙する・喫煙本数を減らす 適度に運動する ストレスを溜めない ストレスや疲労を溜めずに、規則正しい生活を送れば、脳梗塞のリスク因子の生活習慣病を防げます。改善できる生活習慣から見直していくことが大切です。 食生活の改善 脳梗塞を予防するために、食生活を改善しましょう。食生活を改善すると、高血圧や動脈硬化の予防に繋がり、脳梗塞になりにくくなります。 脳梗塞の予防に効果的な食品は、以下のとおりです。 脳梗塞の予防に効果的な食品 理由 トマト・トマトジュース トマトに含まれるリコピンは、悪玉コレステロールの値を下げる働きがある 魚類 魚類に含まれるEPAは、コレステロールや中性脂肪を減らす働きがある オリーブオイル オリーブオイルに含まれる一価不飽和脂肪酸は、コレステロールや中性脂肪を下げる働きがある 緑黄色野菜・果物類 ミネラルやビタミンは、体の酸化を予防できる 食物繊維はコレステロールの排出を促す働きを持つ ナッツ類 ナッツに豊富に含まれるビタミンEは、抗酸化作用があり、悪玉コレステロールを減らす働きを持つ 悪玉コレステロールや中性脂肪の値が下がると血圧も下がるため、脳梗塞の予防に効果的です。以下の動画では、脳梗塞の予防に効果的な食品について詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。 過剰摂取を避け、栄養バランスを考えて日々の食事に上記の食品を取り入れましょう。 運動不足の解消 脳梗塞を発症しないためには、運動不足を解消することが重要です。運動不足を解消すると血行が促進され、生活習慣病のリスクを低減できたり、ストレスを発散できたりします。 脳梗塞の予防には、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせて行うのが効果的です。以下の具体例を参考に、日々の生活に運動を取り入れましょう。 有酸素運動 ウォーキング ランニング サイクリング 水中運動 筋力トレーニング スクワット 腹筋・腕立て伏せ プランク 厚生労働省は「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」※で、息が弾み汗をかく程度以上の運動を週60分以上、筋力トレーニングは週2~3日行うことを推奨しています。 参照:健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023|厚生労働省 運動する時間がない人は、家事や仕事などで積極的に身体を動かしましょう。 脳梗塞の再発リスクと予防方法について 脳梗塞の再発を予防するために、以下の2つのポイントを確認しましょう。 脳梗塞は10年以内に約50%が再発している 再発予防のためにすべきこと 脳梗塞は再発率が高い疾患ですが、日常生活の改善や適切な治療を行うと、再発リスクを下げられます。脳梗塞が再発しやすい理由を確認し、予防策を実践しましょう。 脳梗塞は10年以内に約50%が再発している 脳梗塞を発症した人は、10年以内に約50%が再発している現状※があります。 参照:日本人コミュニティにおける初めての脳卒中から10年間の再発|久山研究 脳梗塞の再発率が高い理由は、症状が出現していない場合でも以下の危険因子が潜んでいるためです。 生活習慣病(高血圧・脂質異常症・糖尿病など) 遺伝 脳梗塞の症状が落ち着くと、今まで気をつけていた生活習慣やリハビリなどへの意識が低くなり、再発リスクが上がるため注意しましょう。 再発予防のためにすべきこと 脳梗塞の再発予防のために、以下3つの方法を実施することが大切です。 生活習慣の改善 薬物療法 リハビリ 退院後は自分で生活環境を整え、食事管理や運動などを行う必要があるため、入院中できていたことができなくなってしまう場合があります。入院中から退院を見据え、生活習慣を改善していきましょう。 脳梗塞の再発を抑えるために「再生医療」が注目されている 脳梗塞の再発を抑えるために、再生医療が注目されています。再生医療とは、損傷した部位を修復するために、肝細胞の点滴を投与する治療法です。 脳梗塞の再生医療で期待できる効果は、以下の3つです。 後遺症の緩和 リハビリ効果の増大 脳梗塞の再発予防 リハビリと合わせて再生医療を行うと、脳梗塞の後遺症である麻痺や言語障害などの症状を緩和できる可能性があります。専門家の意見を聞き、再生医療の実施を検討するのがおすすめです。 再生医療は原因となった部位だけでなく、脳梗塞になりそうな血管の修復も可能です。脳梗塞になりやすい特徴を持つ人は、再発を防ぐために再生医療も検討しましょう。 脳梗塞になりやすい人の特徴まとめ|予防のためにすべきこと 脳梗塞になりやすい人は、生活習慣病の人やストレスを溜めやすい性格の人です。脳血管疾患の発症リスクには、遺伝的素因も関係するため、家族に脳梗塞や脳出血などの人がいる場合は注意が必要です。 脳梗塞の再発予防のためにできることに、生活習慣の改善や薬物治療、再生医療があります。自身に合った方法で脳梗塞になるリスクを下げ、再発を防ぎましょう。
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「脳梗塞を発症後、寝てばかりになってしまった」 「脳梗塞の後遺症で眠くなる原因は?」 「脳梗塞後に寝てばかりになる症状は改善できる?」 上記のように脳梗塞の後遺症でお悩みの方もいるでしょう。 本記事では、脳梗塞の後遺症で眠くなる理由や睡眠の重要性について解説します。 【この記事を読むとわかること】 脳梗塞の後遺症で眠くなる理由 脳梗塞と睡眠の関係性 脳梗塞の後遺症回復におすすめな治療法 脳梗塞の後遺症の治療として注目されている再生医療についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。 脳梗塞の後遺症で眠くなるのはなぜ? 脳梗塞の後遺症で眠くなる理由を下記にまとめました。 【脳梗塞の後遺症で眠くなる原因】 脳内の酸素が不足している 夜間の睡眠が不十分 脳梗塞の治療に使用される薬の副作用 脳梗塞は脳の血管が詰まったり細くなったりして血流が途絶えた結果、酸素やエネルギーの不足した細胞が壊死する病気です。 脳梗塞を発症した脳は酸欠状態に陥りがちです。脳の酸素量と眠気は密接な関係があり、酸素が不足すると眠気を感じる場合があります。 また、処方されている薬が原因で眠気を感じている可能性があります。副作用に眠気がある薬を服用している場合は医師に相談してみましょう。 脳梗塞と睡眠の関係性 脳梗塞と睡眠の関係は、主に以下の2つが挙げられます。 【脳梗塞と睡眠の関係】 睡眠障害・不眠症が脳梗塞の発症リスクになる 脳梗塞の回復には睡眠が重要 一つずつみていきましょう。 睡眠障害・不眠症が脳梗塞の発症リスクになる 睡眠障害や不眠症は、脳梗塞を発症する原因の一つです。 充分に睡眠がとれていないと、体の中の炎症反応が起きやすくなったり、自律神経のバランスが乱れたりすると考えられているためです。 たとえば、睡眠時無呼吸症候群の方は健康な方に比べて脳梗塞になる確率が4倍です。 ※引用:循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン また、夜間の睡眠が5時間以下の方は7~8時間睡眠の方よりも脳梗塞のリスクが上昇します。 脳梗塞になりやすい睡眠障害を下記にまとめました。 【脳梗塞になりやすい睡眠障害】 5時間以下の睡眠 9時間以上の睡眠 睡眠時無呼吸症候群 入眠困難 いびき 睡眠の質の改善は、脳梗塞の予防につながります。 脳梗塞の回復には睡眠が重要 脳梗塞の回復には、良質な睡眠が不可欠です。 脳梗塞後の機能回復が見込める回復期に「良質な睡眠」をとることで神経の可塑性(新しい神経回路が作られる)に良い影響を与える可能性があるためです。 回復期とは、脳梗塞発症後の3カ月~6カ月ごろを指し、リハビリでは主に食事や車いすへの移動などの日常生活の動作を練習します。 睡眠時は浅い眠りであるレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠を繰り返していています。睡眠不足や途中で目が覚めてしまったりすると新たな神経回路をつくる妨げとなる場合があります。 睡眠に不安を抱えている方は医師に相談してみましょう。 不眠・睡眠不足が脳に与える影響とは 不眠や睡眠不足は脳にダメージを与え、以下のような影響を及ぼす可能性があります。 【不眠・睡眠不足が脳に与える影響】 前頭葉の活動が低下する 脳の修復・再生機能が低下する 一つずつ紹介します。 前頭葉の活動が低下する 不眠や睡眠不足は「思考力」「判断力」「集中力」を司る前頭葉の活動の低下を引き起こす場合があります。 前頭葉の活動が低下した場合に考えられることを下記にまとめました。 【前頭葉の活動が低下した場合に考えられること】 頭がぼんやりして考えられない 集中力が持続しない 新しいことを覚えられない 同じ事ばかり話す 抑うつやイライラ 不眠や睡眠不足は、人格や社会性に深く影響します。 脳の修復・再生機能が低下する 不眠や睡眠不足が脳の修復・再生機能を妨げる点も注目したいポイントです。 脳の修復・再生機能が低下することで、脳の重要な部位である前頭葉や海馬などが委縮する可能性があります。 起きているときの脳はエネルギーを消費する一方で、神経細胞から老廃物が排出されます。睡眠中の脳は浅い眠りの間に老廃物を取り除き、深い眠りの際に大脳を休めています。 ※引用:レム睡眠中におこる大脳毛細血管の血流の上昇と、A2a受容体の関与 脳の機能が低下すると集中力や免疫力が低下したり、アルツハイマー病などの認知症のリスクを高めたりします。 睡眠の質を向上させる方法 脳梗塞後の眠気の解消や効率よくリハビリを受けるためには、良質な睡眠が重要です。睡眠の質を向上する方法を3つご紹介します。 【睡眠の質を向上する方法】 生活サイクルを整える 就寝3時間前までに夕食をとる 自分に合った寝具を選ぶ 順番にみていきましょう。 生活サイクルを整える 良質な睡眠のために、生活サイクルを整えましょう。生活サイクルを整えるには運動や入浴などの習慣や、体内時計の調節が有効です。 具体的な生活サイクルの整え方を以下にまとめました。 【生活サイクルの整え方】 朝に太陽の光を浴びる 寝る前にパソコンやスマートフォンを長時間見ない ウォーキングやジョギングなどの適度な運動を行う 寝る2~3時間前に入浴する 人間の体内時計は24時間よりも長いので、調節しないと睡眠のタイミングがずれ込んでしまいます。光は体内時計を整える効果があるので朝は太陽の光を浴び、夜間は照明やスマートフォンの使用を控えるのがおすすめです。 就寝3時間前までに夕食をとる 睡眠の質を向上するには、就寝3時間前までに夕食をとりましょう。食事から就寝までの時間が短いと胃が消化活動のため働き続け、脳が興奮してしまいます。 そのため、就寝の際に以下のような影響を及ぼします。 【食事から就寝までの時間が短い場合に起こりうること】 寝つきが悪くなる 睡眠が浅くなる 食べたものが消化しきれず胃もたれをおこす 良い睡眠のためには、寝る2~3時間前に済ませましょう。また、ラーメンや揚げ物などの消化に時間がかかる脂っこい食事は避け、魚や豆腐、たまごなどの良質なたんぱく質を選ぶのもおすすめです。 自分に合った寝具を選ぶ 睡眠の質を向上するには、寝具を見直すのも一つの手です。 起床時に枕から落ちていたり、肩や首がこってたりする方は、枕が合っていない可能性があります。自分の肩幅ほどの幅で、適切な高さの枕を探してみましょう。横向きに寝る方は、高めの枕を選ぶと良いでしょう。 また、マットレスを選ぶ際は実際に横になって力を入れずに寝返りができるか、仰向けで呼吸がしやすいかチェックしてみましょう。 好みの寝具が自分に合っていると限らない点は注意が必要です。体格やマヒの具合にもよるので医師やリハビリ担当スタッフに相談してみましょう。 脳梗塞の後遺症の回復には再生医療による治療がおすすめ 脳梗塞後の後遺症による眠気にお悩みの方は、再生医療による治療も視野に入れてみましょう。 再生医療の治療では一例として、自身の下腹部から採取した細胞から幹細胞を培養して数を増やしてから患部へ点滴を行います。幹細胞は、血管や脳の神経細胞を再生させる効果が期待できます。 当院では再生医療を取り扱っていて脳梗塞の後遺症を改善、予防する治療が可能です。 効果には個人差がありますが脳梗塞の後遺症を根本的に治療したい方は、ぜひ当院にご相談ください。 脳梗塞の後遺症に関するよくある質問 脳梗塞の後遺症にお悩みの方へ、眠気やあくびの原因や疲れやすさについて解説します。 【脳梗塞の後遺症に関するよくある質問】 脳梗塞後の眠気やあくびの原因は? 脳梗塞後に疲れやすいのはなぜ? 脳梗塞後の眠気やあくびの原因は? 脳梗塞後の眠気やあくびの原因として、脳内の酸素不足や血流の低下が考えられます。 脳梗塞後は、健康時よりも脳内の血流が少なくなり脳に届く酸素が不足しやすくなるので、酸素を多く取り込もうとあくびが増えることがあります。 また、脳梗塞の後遺症として、夜間に眠れなくなってしまう「不眠症」や睡眠のリズムが乱れて眠りが浅くなる「覚醒障害」の可能性も。 脳梗塞後の眠気やあくびに悩んでいる方は、医療機関に相談しましょう。 脳梗塞後に疲れやすいのはなぜ? 脳梗塞後に疲れやすい原因は、以下の通りです。 【脳梗塞後に疲れやすい原因】 入院生活による体力低下 眠りが浅い 脳梗塞によって損傷した部位から発せられる炎症ホルモン 後遺症による不安やストレス 疲れやすさを改善するには睡眠や生活習慣を整え、リハビリを受けるのが有効です。 【まとめ】脳梗塞の後遺症を回復するために睡眠の質が重要 脳梗塞の後遺症と睡眠は密接な関係にあり、回復には睡眠の質の向上が重要です。 不眠や睡眠不足だと脳の機能が低下し、修復や再生が難しくなってしまいます。生活サイクルや食事、寝具を見直し睡眠の質を高めましょう。 また、脳梗塞後の後遺症にお悩みの方は、再生医療による治療も有効です。後遺症の治療や予防をしたい方はお気軽にご相談ください。
2025.01.09 -
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「脳梗塞退院後の生活が不安」 「退院後に注意すべきことは?」 「退院後の支援制度やお金のことを知りたい」 脳梗塞を発症するとさまざまな後遺症がみられる場合があるので、退院後の生活について上記のような不安を抱えている患者さまやご家族は多いのではないでしょうか。 この記事では、脳梗塞退院後の注意点やリハビリの内容、支援制度について解説します。 注意すべきことや必要な手続きを把握して、安心して退院後の生活をはじめられるようにしましょう。 脳梗塞退院後の生活で注意すべきこと 脳梗塞退院後の生活で注意すべきことを、以下4つで解説します。 脳梗塞は再発しやすい病気で、発症10年後の再発率は49.7%※とされており、つまり脳梗塞発症後10年の間に半数の方が脳梗塞を再発しています。 ※引用:日本人における脳卒中の10年間の累積再発率 特に食事やお酒・たばこについて心当たりがある方は、生活習慣の見直しが重要です。 一つずつみていきましょう。 食事内容の見直し 脳梗塞退院後の生活では、食事内容の見直しが重要です。 脳梗塞の主な原因は動脈硬化です。動脈硬化は血管の内部にコレステロールなどがたまって血流が悪くなる症状を指し、高血圧や糖尿病などにより引き起こされます。 そのため、高血圧や糖尿病を避ける食事を摂ることは、脳梗塞の再発リスクの低減と同様の効果があります。 脳梗塞の再発を防ぐ具体的な食事内容の例を下記にまとめました。 基礎疾患や症状によって異なるので、適切な摂取量は医師に相談してみましょう。 お酒とたばこは控える 脳梗塞退院後は、お酒とたばこを控えましょう。 お酒とたばこによる脳梗塞のリスクを下記にまとめました。 お酒は利尿作用があり、脱水状態を引き起こすと血液も濃縮されるので、脳梗塞再発のリスクが高まります。 しかし、脳の血液が安定する2~3カ月以降は少量なら可能と考えられている※ため、お酒を飲みたいと思う方は、適切な飲酒量を医師に相談してみてください。 ※出典:シミズ病院・大宮KENKOU情報局「脳梗塞後のお酒の飲み方は」 たばこに含まれるニコチンは血圧を上げたり血液を収縮させたりする働きがあるため、血栓ができやすくなります。 血栓が脳の血管で詰まってしまうと、脳梗塞が再発する可能性が高まるのでたばこを吸うのは避けましょう。 適度な運動を取り入れる 脳梗塞後の生活では、適度な運動を取り入れてみましょう。 運動は、血管を健康な状態にしたり、筋力を維持したりする効果が期待できます。 適度な運動は脳梗塞の発症予防や再発防止にも効果的で、例えば毎日30分以上の有酸素運動※は動脈硬化の予防に有用です。 ※引用:日本動脈硬化学会 過度な運動は心肺機能に負担をかけるため、軽めのウォーキングや水泳などを1日30分程度、できる範囲から始めてみましょう。 定期検診の重要性 脳梗塞の退院後は定期健診に通い、数値の悪化や再発の早期発見がないかチェックしましょう。 定期健診の主な内容を下記にまとめました。 血圧計を使用して自宅で血圧をチェックするのも健康を意識できるきっかけになるので、試してみてください。 脳梗塞退院後で後遺症がある場合におけるリハビリテーション 脳梗塞の退院後、後遺症がみられる場合は自宅や施設でリハビリを受ける必要があります。 リハビリの種類や目的を紹介します。 順番にみていきましょう。 リハビリの種類と目的 脳梗塞退院後のリハビリは、主に理学療法、作業療法、言語聴覚療法に分けられています。 主なリハビリの種類と内容を下記にまとめました。 リハビリの種類 内容 目的 理学療法 杖や歩行器を使用して歩く 起き上がる、立つ、座るなどの日常動作 運動機能の維持や改善 日常生活の自立や社会復帰を目指す 作業療法 ブロックの移動、ペグさし 応用として手芸やちぎり絵、木工細工など トイレや入浴の動作 食事や更衣の動作 麻痺した手を使う練習 関節の可動域を改善 日常生活動作の改善 高次脳機能の改善 言語聴覚療法 舌や唇の筋力強化 発語器官や呼吸筋の訓練 ことばを思い出す訓練 食べ物や飲み物の飲み込み改善 コミュニケーション障害の改善 その他に、脳の働きを活性化させる目的で、微弱な電流や電磁石を使用して脳を刺激するリハビリもあります。 自宅でできるリハビリ 病院や施設での専門スタッフとのリハビリ時間が限られているため、自宅や日常生活の中で自主的にリハビリに取り組むことが重要です。 自宅でできるリハビリを下記にまとめましたので、参考にしてみてください。 脳梗塞後は疲れやすかったり集中力が切れやすかったりするので、無理のない範囲で行いましょう。 ただし自己流のリハビリは、場合によっては症状を悪化させることもあるため、言語聴覚士・理学療法士・作業療法士などの専門家に相談しつつトレーニングメニューを決めてください。 専門施設でのリハビリ 脳梗塞後の退院後は、施設に入所したり外来を利用してリハビリを継続しましょう。 退院後に何もしないでいると、入院中のリハビリで回復した機能が低下してしまう可能性があります。 主な施設を下記にまとめました。 一般的な病院や介護施設は現状を維持するリハビリが目的になりがちですが、リハビリ専門の施設だと機能の改善に積極的なプランを作成してくれます。 個々の能力に寄り添ったリハビリを受けたいとお考えの方は検討してみてください。 脳梗塞患者の家族や介護者ができるサポート 脳梗塞の退院後の生活でご家族や介護者ができるサポートを紹介します。 詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてください。 日常生活のサポート 脳梗塞の退院後の生活では、家族や介護者による日常生活のサポートが重要です。 患者の機能状態によりますが、自宅の環境の整備や食事の補助、介護保険の申請が必要な場合があるためです。 具体的には手すりやスロープの改修をしたり、握りやすいスプーンを用意したりして患者本人ができるかぎり自分の力で日常生活が送れるようにしましょう。 精神的サポートも大切 多くの脳梗塞の患者は、機能の回復具合や脳梗塞の再発について悩みや不安を抱えているため、精神的なサポートも大切になります。 また、退院してしまうと周りに相談できる相手や一緒にリハビリに励む仲間がいなくなるので、リハビリに対する意欲を維持し続けるのが難しくなりがちです。 患者の家族や介護者は、リハビリを継続するためにも声かけや傾聴による精神的なサポートが求められます。 介護者の負担を軽減する方法も重要 患者の家族や介護者も患者の回復の状態を心配したり、動作が心許ないために目を離せなかったりとさまざまな不安をお持ちでしょう。 患者の家族や介護者の不安を解決する方法の一例をご紹介します。 当院でも扱っている再生医療とは、わかりやすく言うと自然治癒能力(再生する力)を活かした最先端の医療です。 当院では脳梗塞を含む脳卒中の患者さまに対しては、自己脂肪由来の幹細胞治療を提供しており、脳梗塞による後遺症の根本的な治療や再発の予防が期待できます。 再生医療(幹細胞)治療については早ければ早いだけ良い結果が出る傾向にあるため、脳梗塞後の早期回復に興味がある方は、ぜひ当院へご相談ください。 脳梗塞患者が退院後に利用できる支援制度やサービス 脳梗塞患者が退院後に利用できる支援制度やサービスを紹介します。 実際の症状や支援制度・サービスの条件を照らしあわせて、利用できるかどうかをチェックしてみましょう。 高額療養費制度 高額療養費制度とは、月の初めから終わりまでの間に自己限度額を超えて保険適用の治療を受けた際、超過した金額が払い戻される制度です。 脳梗塞による保険適用の範囲は診察料、検査料、投薬料、入院料などです。先進医療費や差額のベッド代、食事代は対象外なので注意しましょう。 自己限度額は年齢や所得によって異なり、70歳以上で住民税非課税世帯の方が入院や外来を利用した際は1カ月あたり15,000円~24,600円です。 申請書の提出先は加入している医療保険によって異なりますが、国民健康保険の場合は各市町村の窓口です。 介護保険 食事や排せつ、入浴に介護が必要な場合は介護保険制度を利用しましょう。 介護保険制度とは介護が必要な度合いに応じて介護サービスを受けられる仕組み※を指し、利用には介護度の認定を受ける必要があります。 ※引用:厚生労働省老健局「介護保険制度の概要」 介護サービスは施設に入所する居住系サービスと自宅にいながら支援を受ける在宅系サービスに分けられます。 主なサービスを下記にまとめました。 施設への入所から在宅での家事のサポートや福祉用具の貸与まで、幅広いサービスがあります。 介護保険の対象者 介護保険制度を利用できる対象者をみていきましょう。 結論から述べると、脳梗塞によって介護や支援が必要な方は40歳以上から介護保険制度を受けられます。 介護保険の被保険者は2種類あり、第1号被保険者と第2号被保険者に分けられます。 具体的な内容を下記にまとめました。 脳梗塞は特定疾病に含まれるので、40歳以上の方であれば介護保険制度を利用できると言えます。 要介護・要支援認定の申請 要介護、要支援認定の申請方法を紹介します。 介護保険制度の対象者であっても申請して介護認定を受けないと、全額が自費負担となってしまいます。 申請方法を下記にまとめました。 認定には時間がかかる場合があるので、退院後の生活をスムーズにするためにも早めの申請を心がけましょう。 傷病手当金 傷病手当金は、病気やケガで会社を休んだときに受けられる制度で、月給の2/3程度の金額が支給されます。 支給には条件が4つあり、すべて満たしている必要があります。 具体的な内容を下記にまとめました。 ※引用:全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」 入院が必要なほどの脳梗塞がおこると、長期の治療やリハビリが必要です。給料の全額支給は難しいですが、利用できる制度は活用しましょう。 障害年金 障害年金とは脳梗塞を含む病気やケガなどで障害の状態になった際に生活を支える目的で支払われます。 公的年金に加入し保険料を支払っていて、障害の状態が一定の状態にある方が対象です。 支給の申請をする際は、年金事務所や年金相談センターに問い合わせてみましょう。 脳梗塞の後遺症でお困りの方は再生医療の選択肢もあります 28 ALL Youtube TrueviewSkippable Instream 15s BaseCreative 脳梗塞の後遺症でお困りの方や、早期回復を目指す方には再生医療も一つの手です。 再生医療とは、脳卒中(脳梗塞・脳出血)後に失われた脳の神経細胞を修復したり、血管を再生させる効果が期待できる治療法です。 当院では、患者さま自身の細胞から幹細胞を採取し、培養させたうえで体内に投与します。 幹細胞とは、神経や血管などに変化する能力があり、損傷箇所に到達して修復を促進します。 脳梗塞の再生医療による治療は結果に個人差がありますが、早ければ早いほど良い結果が出ているので、治療を迷われている方はお気軽にご相談ください。 脳梗塞退院後の生活でよくある質問 脳梗塞退院後の生活でよくある質問をまとめました。 不明な点を少しでも解消して退院後の生活をイメージしてみましょう。 脳梗塞で後遺症が無い確率は? 厚生労働省※1の調査によると、18-65歳の脳梗塞患者の約21.7%※2が、発症から3ヶ月後に完全回復することが調査で判明しています。 ※1出典:厚生労働省「脳卒中患者(18-65歳)の予後」 ※2計算式:スコア0(まったく症状がない)患者数344人÷総患者数1,584人 厚生労働省の調査に基づく、18-65歳の脳梗塞患者の発症3ヶ月後の状態と割合については以下の通りです。 症状の程度(mRSスコア) 割合 まったく症状がない(mRS 0) 21.7% 症状はあるが日常生活に支障なし(mRS 1) 29.7% 軽度の障害があるが自立(mRS 2) 17.8% 中等度の障害、歩行に介助必要(mRS 3) 6.2% 日常生活に介助が必要(mRS 4) 11.5% 重度の障害、常時介護が必要(mRS 5) 5.7% 死亡(mRS 6) 7.4% 後遺症の程度は早期の治療開始とリハビリテーションの取り組みによって大きく変わるため、発症後の迅速な対応が極めて重要と言えます。 また、退院時には大きな後遺症がなくとも、身体に違和感を感じたらすぐに医療機関を受診しましょう。 左右どちらかのしびれや脱力感などがみられたら、軽度の脳梗塞を起こしている可能性があります。 脳梗塞が再発しやすいのはどんな人? 脳梗塞が再発しやすい方を下記にまとめました。 生活習慣を見直し、定期的に検査を受けて再発を防ぎましょう。 脳梗塞の再発防止のために避けるべき食品は? 脳梗塞の再発リスクが高まる食品は以下の通りです。 食物繊維や不飽和脂肪酸が摂れる野菜、魚類、海藻を積極的に食事に摂り入れてみましょう。 脳梗塞退院後の生活についてのまとめ 脳梗塞の退院後の生活では、生活習慣を見直したり定期的な検査を受けることで再発を防止しましょう。 また、後遺症によってはリハビリを継続し、必要なサービスを活用して機能が低下しないようにするのも重要です。 脳梗塞の後遺症にお悩みの方は、再生医療による治療もおすすめです。 当院では、再生医療による脳梗塞の治療も取り扱っているので、後遺症についてご不安やお悩みがある場合はお気軽にお問い合わせください。
2025.01.08 -
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脳梗塞を経験した方やそのご家族にとって、記憶障害は日常生活に大きな影響を及ぼす深刻な問題です。 突然、大切な過去を思い出せなくなったり、日々の出来事を忘れてしまったりする状況に直面すると、困惑や不安を抱える方が多いでしょう。 「記憶障害はどうして起こるのか」「改善する方法はあるのか」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。 この記事では、脳梗塞により引き起こされる記憶障害の種類や症状、原因について詳しく解説します。 また、効果的なリハビリテーションの方法や社会的支援の活用方法についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 脳梗塞による記憶障害の種類と症状 脳梗塞によって脳への血流が遮断されると、記憶障害を引き起こします。その症状は、影響を受けた脳の部位や損傷の程度によってさまざまです。 ここでは5種類の記憶障害と症状について紹介します。 記憶障害の症状は、患者の日常生活や対人関係に影響を及ぼすため、それぞれの特徴を理解しておくのが大切です。 短期記憶障害 短期記憶障害とは、新しい情報を短期間だけ保持する能力が低下して、数秒から数分間の記憶を保持するのが難しい状態です。 短期記憶障害は、日常生活で必要な動作や作業に大きな影響を及ぼし、さまざまな支障を引き起こす原因となります。 長期記憶障害 長期記憶障害は、数日~数週間、数十年で覚えた情報や出来事を思い出すことが難しくなる状態です。 長期記憶障害は、過去の経験や知識を思い出すことが難しくなるため、日常生活や人間関係に影響を及ぼすことがあります。 エピソード記憶障害 エピソード記憶障害は、過去に体験したエピソードを思い出すのが難しくなる状態です。 自身が体験した内容に関しての記憶が一部、あるいはエピソードが全体的に思い出せなくなってしまいます。出来事がいつ、どこで、何が起こったのか、文脈的な情報を含む記憶が失われるのが特徴です。 手続き記憶障害 手続き記憶障害は、体で覚えた動作や技能を忘れてしまう状態です。 主に頭でハッキリ考えずともできていた、習慣的な行動に支障をきたします。今まで意識せずに行っていた動作ができなくなり、日常生活で大きなストレスや不便さを感じる原因になります。 見当識障害 見当識障害は、時間や場所、自分自身に関する基本的な認識が混乱する状態です。 見当識障害は、記憶だけでなく、日常生活全般に深刻な影響を及ぼします。 とくに、自分がどこにいるかを認識できないため、道に迷ったり、家に帰れなくなるといった危険な状況が生じることもあります。 見当識障害は脳梗塞だけでなく、認知症の初期症状としても見られる症状です。 脳梗塞により記憶障害になる原因 脳梗塞は、脳への血流がなんらかの理由で遮断されることによって発生し、脳細胞が酸素や栄養を十分に受け取れなくなることでダメージを受けます。 記憶に関連する脳の部位にダメージが及ぶと引き起こされるのが記憶障害です。 とくに、重要な影響を受ける脳の部位と、それによって生じる記憶障害については以下の表にまとめました。 影響を受ける部位 主な機能 障害が起きた際の症状 海馬 短期記憶から長期記憶への変換、空間記憶の形成 新しい記憶の形成が困難、最近の出来事を覚えられない 側頭葉 長期記憶の保存、視覚や聴覚の記憶処理 過去の記憶の想起が困難、物や人の認識に支障 前頭葉 作業記憶、記憶の整理と実行機能 複数の作業の同時進行が困難、計画立案の障害 とくに、海馬や側頭葉、前頭葉といった記憶の形成や保持に深く関わる領域が影響を受けると、短期記憶や長期記憶、さらにはエピソード記憶といった多様な記憶機能に障害が現れることがあります。 また、脳梗塞の影響で脳のネットワークが遮断されると、情報を効率的に処理したり記憶を引き出したりする能力も低下します。 これにより、日常生活における出来事や新しく学んだ知識を覚えることが難しくなるのです。さ らに、記憶だけでなく、認識力や判断力などの認知機能全般に影響を及ぼす場合もあります。 脳梗塞による記憶障害は、発生した部位や範囲、血流が遮断されていた時間の長さによって症状の程度が異なるため、早期の診断と治療が不可欠です。 また、リハビリテーションによって残存する脳の機能を活用し、記憶障害の改善を目指すことができます。 他にも、もともと我々の身体にある幹細胞を活用した再生医療による治療という選択肢もあります。 脳卒中(脳梗塞、脳出血)再生医療の治療結果は、病状や体の具合によって個人差はあるものの、一度機能しなくなった脳細胞が復活し、脳卒中の後遺症を改善させる効果が期待できます。 再生医療による脳の再生を目指したい方やご興味がある方は、ぜひ当院へご相談ください。 脳梗塞による記憶障害のリハビリテーションの種類 リハビリテーションでは、患者の記憶機能を補助したり代替したりするさまざまな方法が用いられます。 ここでは、脳梗塞による記憶障害に対して行われるリハビリテーションの種類を紹介します。 また、ご家族のサポートとリハビリ効果を高める再生医療についても解説しているので、ぜひご覧ください。 内的記憶戦略法 内的記憶戦略法※は、脳梗塞による記憶障害のリハビリにおいて、患者自身が意識的に記憶力を高めるための方法です。 ※参照: 国立障害者リハビリテーションセンター「医学的リハビリテーションプログラム」 この方法では、記憶を活性化し情報を効果的に覚えるための具体的な工夫を取り入れます。 代表的な方法として、語呂合わせや情報をカテゴリーごとに整理する手法、視覚イメージ法などがあります。 内的記憶戦略法の主な手法とその実践例を以下の表にまとめました。 手法 概要 具体的な実践例 特徴・効果 カテゴリー分類法 情報を共通の特徴で分類して記憶する 野菜(にんじん、キャベツ)、果物(りんご、みかん)のように分類 情報の整理が容易 関連性のある情報をまとめて記憶しやすい 視覚イメージ法 記憶したい情報を具体的な映像として思い描く 買い物リストに「牛乳とパン」がある場合、「巨大なパンで牛乳パックをサンドイッチ」とイメージ 印象的な記憶として定着しやすい 視覚的記憶の活用 これらの内的記憶戦略法の利点は、患者自身が能動的に取り組むことで、記憶の回復を目指せる点です。 この方法は、日常生活に取り入れやすく、繰り返しの練習により効果が高まるとされています。 外的補助手段 外的補助手段※は、外部ツールを利用して記憶力の低下を補助する方法です。 ※参照: 国立障害者リハビリテーションセンター「医学的リハビリテーションプログラム」 患者が記憶を頼りにせずとも日常生活を円滑に送るための方法で、実用性が高いのが特徴です。 外的補助手段の具体的な方法と実践のポイントを以下の表にまとめました。 記憶障害があるとスマートフォンなど外部ツールの使用を忘れてしまいますが、繰り返しにより習慣になる場合もあります。 外的戦略は習慣化するまでは患者本人だけで継続するのは難しく、ご家族や支援者が協力して環境を整えることで、より効果を発揮します。 課題指向型アプローチ 課題指向型アプローチは、患者が日常の生活で直面する具体的な問題に焦点を当て、その解決を目指す実践的なリハビリテーション方法です。 たとえば、以下のような具体的な課題設定と実践方法が挙げられます。 生活場面 具体的な課題例 実践方法 期待される効果 買い物 商品リストの記憶と購入 リストの作成と確認 必要に応じてメモの活用 購入手順の計画 記憶力の向上 買い物の自立性確保 家事 段取りを考えた家事の実行 作業手順の確認 チェックリストの活用 時間配分の管理 実行機能の改善 家事の効率化 これらのリハビリにより、実際の生活で記憶を活用する能力を高められますが、課題の設定は患者ごとに異なり、その人の能力や生活環境に合わせて設定する必要があります。 必要に応じて外的補助手段も活用し、記憶力の向上を図りながらも、実際の生活場面での失敗を最小限に抑えるアプローチも可能です。 また、成功体験を重ねることで自信を回復させる効果も期待できます。 家族による環境のサポートも重要 脳梗塞による記憶障害に対しては、家族のサポートが患者の回復を支える重要な要素です。 家族は患者の生活環境を整えるだけでなく、心理的な支えにも大きな役割を果たします。 効果的な家族サポートの具体例として、以下のような環境づくりが挙げられます。 サポートの種類 具体的な方法 期待される効果 実践する上での注意点 物理的環境整備 必要なものを見える位置に配置 日常生活の自立支援 配置場所の一貫性を保つ 習慣形成支援 スマートフォンのアラーム設定を一緒に練習 自己管理能力の向上 段階的に習慣づける 心理的サポート 適切な距離感を保ちながらの見守り 自尊心の維持 過度な干渉を避ける しかし、リハビリテーションによる回復には個人差があり、時には望むような改善が見られないこともあります。 家族とはいえ、すべてのサポートをするのは容易ではなく、負担が大きくなることで、ご家族の方が心身に疲れを感じることもあるでしょう。 また、記憶障害のある患者本人にとっても家族への依存を余儀なくされる状況は大きな精神的負担となるため、早期の機能回復により患者と家族双方の負担軽減が望まれます。 そこで、患者さまの回復をより早めつつご家族の負担を軽減する手段として、ぜひ再生医療もご検討ください。 脳梗塞による記憶障害でお困りの方、あるいは家族のサポートに課題を感じている方は、ぜひ当院へご相談ください。 脳梗塞による記憶障害への社会的支援 脳梗塞による記憶障害を抱える方が利用できる社会的支援について紹介します。 障害者手帳や各種支援制度、家族の相談窓口など、さまざまなサポートを受けることで、患者本人だけでなくご家族の負担も軽減できます。 障害者手帳 障害者手帳は、身体や精神に障害がある方が受けられる社会的支援の基盤となる制度です。 要件を満たせば手帳の交付を受けられる可能性があり、障害者手帳を取得すると、以下のような支援を受けられます。 障害者手帳には、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳の3つの種類があります。 記憶障害を含む高次脳機能障害が原因で日常生活や社会活動に支障が生じている場合、器質性精神障害として精神障害者保健福祉手帳の申請対象※となる可能性があります。 ※参照:国立障害者リハビリテーションセンター「高次脳機能障害支援に関する制度」 自立支援給付や地域生活支援事業 自立支援給付や地域生活支援事業は、障害を抱える方が地域社会で自立して生活するための支援を提供する制度です。 これらの支援は、記憶障害による日常生活の困難を補うために利用できます。 お住まいの市町村の福祉担当窓口で詳細の確認および申請が可能です。 ご家族が相談できるサービス 窓口 脳梗塞による記憶障害は、患者だけでなくそのご家族にも大きな負担がかかります。こうした状況に対応するため、各自治体では以下のような支援が受けられます。 窓口 受けられるサービス 地域包括支援センター 必要な制度やサービスの紹介 後見人制度活用のサポート など 居宅介護支援事業所 介護保険サービスの利用計画(ケアプラン)の作成 必要な訪問介護やデイサービスなどの調整 記憶障害を含む患者の状況に応じた適切な介護サービスの提案 市区町村の福祉課や障害者支援担当窓口 障害者手帳の申請手続き 自立支援給付や地域生活支援事業の利用方法の案内 公的な支援に関する相談対応 相談窓口は無料で利用できる場合が多く、まずは最寄りの自治体の福祉課や障害者支援担当窓口に問い合わせてみることをおすすめします。 脳梗塞による記憶障害についてのまとめ 脳梗塞による記憶障害は、短期記憶や長期記憶、エピソード記憶などさまざまな記憶機能に影響を及ぼします。 記憶障害への対応には、原因を理解し、適切なリハビリテーションを行うことが重要です。 記憶障害について正しく理解し、適切な対策を講じることで、患者とご家族が安心して生活を送る環境を整えられます。 金銭的な負担やご家族の負担を軽減できる社会支援サービスもありますので、これらを活用しながら、無理のない形で後遺症と向き合っていくことが大切です。 脳梗塞による後遺症のリハビリ効果を高める、あるいはご家族の負担を減らすための選択肢の1つとして、ぜひ再生医療もご検討ください。 当院(リペアセルクリニック)で提供している再生医療は厚生労働省に受理された治療方法で、脳梗塞においては再生医療で脳卒中の再発予防にも役立ちます。 再生医療について気になる点は、お気軽に当院へお問い合わせください。
2025.01.08 -
- 脳梗塞
- 脳卒中
- 頭部
高齢者が脳梗塞を発症した場合、回復見込みはあるのか不安を抱える方も多いでしょう。 また、家族としてどのように支えれば良いかわからず、戸惑うこともあるかもしれません。 脳梗塞は発症後の対応が重要であり、適切な治療やリハビリ次第で生活の質を大きく改善できる可能性があります。 この記事では、高齢者が脳梗塞を発症した際の回復の見込みや後遺症への対応方法について詳しく解説します。 リハビリや再生医療といった治療法、さらに家族ができる具体的なサポート方法も紹介します。 脳梗塞についての疑問や悩みを解消し、回復への道を支えるための情報をお届けしますので、ぜひ参考にしてください。 高齢者に多い脳梗塞とは?基礎知識と回復の可能性 高齢者に多く見られる脳梗塞は、脳への血流が途絶えることで発症する疾患です。 主な原因として動脈硬化や高血圧、糖尿病などの生活習慣病が挙げられ、加齢によってそのリスクはさらに高まります。 脳梗塞にはいくつかの種類があり、発症した際の症状や回復の見込みはケースによって異なります。 とくに高齢者の場合、発症後の回復には年齢やリハビリの質が大きく影響し、後遺症が出ることも少なくありません。 ここからは、脳梗塞の種類や症状、回復の見込みについてさらに詳しく解説していきます。 気になることについては、ここで確認してください。 脳梗塞の種類と症状 脳梗塞は主に以下の3種類に分類されます。 高齢者が脳梗塞を発症しやすい理由は、加齢による動脈硬化の進行や、高血圧、糖尿病などの生活習慣病の影響が大きい点です。 詳細について知りたい方は、以下の記事で詳しく紹介していますのでご参照ください。 高齢者が脳梗塞になった場合の回復見込み 一般的に年齢が高くなるほど、若年層と比較して高齢者の脳梗塞の回復には時間がかかる傾向があります。 しかし、高齢者であっても適切な治療を受け、計画的にリハビリを進めることで、日常生活動作(ADL)の向上が十分に期待できます。 高齢者が脳梗塞を発症した場合の回復の見込みはさまざまな要因に左右されますが、回復見込みに影響を与える主な要因には以下があります。 とくに重要なのが「発症から治療までの時間」で、発症後4.5時間以内は「ゴールデンタイム」と呼ばれ、迅速な対応が回復に影響します。 この早期治療とリハビリテーションの組み合わせにより、機能改善が期待できます。 脳には「神経可塑性」という特性があり、適切なリハビリを継続することで、損傷した機能の一部を他の部位が補うことが可能です。 ただし、回復の程度や速度には個人差が大きく、同じような症状であっても、改善の度合いは患者によって異なることに留意が必要です。 回復のステージと必要な対応について、以下の表にまとめました。 回復段階 重要なポイント 期待される効果 具体的なリハビリ例 発症直後 t-PA治療の実施(4.5時間以内) 脳細胞の損傷を最小限に抑制 早期離床訓練 急性期 早期リハビリの開始 二次障害の予防、基本機能の維持 関節可動域訓練、嚥下訓練 回復期 計画的なリハビリの継続 日常生活動作(ADL)の改善 麻痺した手足の運動訓練、言語訓練、生活動作訓練 維持期 生活習慣の改善と基礎疾患の管理 機能維持と再発予防 自主トレーニング リハビリの成果は継続性や頻度に依存するため、専門家の指導のもとで計画的かつ段階的なアプローチを行うことが重要です。 たとえば、麻痺が残った手足の運動訓練では関節の動きを維持することから始めたり、失語症に対する言語訓練などによってコミュニケーション能力の回復を目指します。 日常生活動作(ADL)の改善については個人差があるものの、高齢者の場合でも比較的軽い脳梗塞であれば、早期治療とリハビリの組み合わせにより機能改善が期待できます。 ただし重度の場合は介助を必要とする場面が残る可能性もあり、さらに脳梗塞は再発リスクが高い疾患であり、とくに高齢者ではその傾向が顕著です。 そのため回復期以降も、以下の点で注意が必要となります。 早期かつ適切な治療とリハビリを行うことで、高齢者であっても脳梗塞後の生活の質を向上させることが可能です。 焦らず、専門家のサポートを受けながら、段階的に回復を目指すことが大切と言えるでしょう。 高齢者で脳梗塞の後遺症が残った場合の回復見込み 高齢者が脳梗塞を発症した後、後遺症が出る可能性は若年層より高く、回復にも時間がかかる傾向があります。 とくに80歳以上や90歳以上では、その傾向が顕著です。高齢者が脳梗塞を発症した際に現れやすい後遺症は、以下の通りです。 運動麻痺:手足が動きにくくなる、片側が麻痺する 言語障害:言葉が出にくい、会話が難しくなる(失語症) 嚥下障害:食べ物や飲み物が飲み込みにくくなり、誤嚥性肺炎のリスクが高まる 認知機能の低下:記憶力や判断力が低下し、日常生活に支障をきたす 後遺症が残った場合でも、回復見込みはありますので、以下のポイントを意識して症状の緩和や生活の質の向上を目指しましょう。 身体機能や言語機能の回復には、毎日の継続が大切です。理学療法や作業療法を通じて、日常生活動作をサポートします。 また、脳梗塞後の高齢者が後遺症と向き合うためには、家族や介護者のサポートが欠かせません。 自宅に手すりの設置などの環境整備、食事のサポートなどの助けがあると、身体的・精神的な負担が軽減されます。 脳梗塞は一度発症すると再発しやすい病気であり、とくに高齢者の場合は再発による後遺症の悪化リスクが高まります。 生活習慣の改善を図ることで、脳梗塞の再発リスクを抑えることが重要です。 脳梗塞の後の高齢者の回復を助けるリハビリについて 脳梗塞後の後遺症からの回復を助けるリハビリとして、段階に応じたリハビリテーションを行います。 リハビリは大きく急性期、回復期、維持期の3つの期間に分けられ、それぞれ異なる目的とリハビリ内容を設定します。 リハビリの期間 発症からの期間 目的 主なリハビリ内容 急性期 発症から1~2カ月以内 合併症の予防と身体機能の維持 関節が固まるのを防ぐ関節可動域訓練 座る、立ち上がるなどの離床訓練 回復期 発症から6カ月以内 身体機能・日常生活動作(ADL)の回復 歩行や体幹の筋力強化 食事や着替えなど生活動作の練習 言語訓練 維持期(生活期) 発症から6カ月以降 機能の維持と生活の質向上 ストレッチやウォーキング 日常の動作や趣味 急性期には合併症の予防、回復期には機能の回復、維持期にはその維持と生活の質の向上を目指します。 脳梗塞後の高齢者の回復には、継続的なリハビリが欠かせません。医療スタッフや家族と協力しながら、その人の状態に合ったリハビリを進めていきましょう。 再生医療で実際に高齢者が苦しむ脳梗塞の後遺症が改善した事例 再生医療の一環として行われる幹細胞治療は、脳梗塞後の高齢者の後遺症改善に効果が期待できます。 今回は当院(リペアセルクリニック)における実際の症例と治療後の経過について簡単に紹介します。 年齢 症例 治療方法 治療後の経過 60代男性 急性期脳梗塞の後遺症 自己脂肪由来幹細胞を用いた 点滴治療を1回実施(3回予定) 左手のしびれが完全に消失し、不整脈も改善。呂律も回復してスムーズに発語できるようになった。 60代男性 脳梗塞後の右上肢の機能低下 自己脂肪由来幹細胞を用いた 点滴治療を3回実施 右肩の可動域と筋力が改善し、ボールを投げる動作が可能になった。脳の血管造影検査で再生した血管の確認も得られる。 70代男性 急性期脳梗塞の後遺症 自己脂肪由来幹細胞を用いた 点滴治療を3回実施 初回投与後1週間で左口周りと左手のしびれが軽減し、夜間頻尿が消失。4か月後にはふらつき、めまいがなくなり、小走りも可能になった。 それぞれの詳しい紹介は以下にて紹介していますので、詳細が気になる方はぜひご確認ください。 ・急性期脳梗塞 幹細胞治療 70代男性 ・急性期脳梗塞の後遺症がほぼ改善! 60代男性 ・脳梗塞後の造影検査で血管が再生されたのを確認!60代男性 ご家族ができるサポート 脳梗塞後の高齢者を支えるには、家族の協力が欠かせません。心理的な支援や日常生活のサポートによって、本人の回復を助けられます。 以下でポイントをまとめました。 心理的サポート ・不安を軽減するために、本人の気持ちに寄り添った声かけを行う ・小さな進歩を褒めるなど、意欲を高める環境を作る 日常生活の支援 ・安全な住環境の整備:手すりの設置や段差の解消、滑りにくい床材の導入を行い、転倒リスクを軽減する ・食事の工夫:栄養バランスを意識しつつ、飲み込みやすい形態(刻み食やゼリー状の食品)の食事を取り入れる ・外部サービスの活用:訪問リハビリやデイサービスの利用を検討し、必要に応じて保険外サービスも活用する サポートは重要ですが、家族だけですべてを抱え込むのは困難な場合も多いため、外部の介護サービスなどの活用も検討しましょう。 また、幹細胞治療のような再生医療であれば、本人の回復を促し、家族の負担を軽減できる可能性もあります。 再生医療についてご興味がある方やご検討している際は、お気軽に当院へご相談ください。 高齢者の脳梗塞と回復についてよくある質問 高齢者の脳梗塞と回復についてよくある質問は以下の通りです。 脳梗塞になると長生きできない? 高齢者で脳梗塞になる・繰り返すと治療できない場合もある? 以下では上記の質問に回答しながら、高齢者でも可能な回復の道筋や治療の選択肢について解説します。 脳梗塞になると長生きできない? 脳梗塞を発症すると命に関わる場合があるのは事実ですが、それが必ずしも長寿を妨げる要因ではありません。 適切な治療やリハビリ、再発予防の取り組みによって、発症後も生活の質を維持しながら長生きできる可能性があります。 まずは高血圧や糖尿病などの基礎疾患の管理が重要です。塩分を控えた食事や適度な運動を日常生活に取り入れることで、再発リスクを低減できます。 定期的な健康診断を受け、高血圧などの脳梗塞の要因を早期に発見することも大切です。 また、リハビリを通じて身体機能や日常生活動作の改善が可能です。歩行訓練や失語症の改善に向けた言語訓練などが効果を発揮します。 家族や介護者による心理的な支えが本人の意欲を高める鍵となるので、長い目で見ると結果的に負担が軽くなることも期待できるでしょう。 リハビリには家族のサポートは大切ですが、負担が大きくならないように支援サービスの活用も検討してみてください。 訪問リハビリやデイサービスといった外部の支援を取り入れることで、家庭での介護負担を軽減しながら、適切なケアを継続できます。 高齢者で脳梗塞になる・繰り返すと治療できない場合もある? 高齢者が脳梗塞を発症した場合、治療が難しいケースは確かに存在します。これにはいくつかの要因が関係しています。 高齢になるほど身体の回復力が低下し、外科的処置や薬物治療が適さない場合があります。 また、発症からの時間が遅れたためにt-PA治療(血栓を溶かす治療)などの早期治療が適用できないケースも少なくありません。 さらに、麻痺や言語障害が深刻でリハビリを行うことが難しい状況や、基礎疾患(心臓病や糖尿病など)が治療の妨げとなることもあります。 このような場合、従来の治療法が行えないため、代替策として以下の対応が考えられます。 治療が行えない場合でも、症状の進行を防いで生活の質を保つための工夫や支援を行うことが重要です。 家族や介護者が連携し、患者ができる限り快適な生活を送るためのサポートが大切です。 まとめ:脳梗塞後の高齢者でも回復見込みはある 脳梗塞は高齢者にとって深刻な疾患ですが、適切な治療とリハビリを行うことで、回復への道が開ける場合があります。 ただし、若い世代と比較すると、加齢による回復力の低下や後遺症が出る可能性が高く、完全な回復は難しいケースもあります。 これらの要因を踏まえつつ、再発を防ぎながら生活の質を向上させることが重要です。 近年、幹細胞治療をはじめとする再生医療は、高齢者の脳梗塞後の後遺症改善において注目されています。 再生医療は、損傷した脳細胞を再生させ、従来の治療で難しかった回復を目指せる方法です。 もし、脳梗塞後の後遺症や回復についてお悩みの場合は、ぜひ当院へお問い合わせください。
2025.01.08 -
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脳梗塞は、突然の発症だけでなく再発するリスクが高い病気です。 一度発症すると、「また起こったらどうしよう」「再発を防ぐには何をすればいいのか」といった不安や疑問を抱える方も多いでしょう。 再発すると後遺症が悪化し、生活の質に大きな影響を及ぼすことが懸念されます。 本記事では、脳梗塞の再発リスクや具体的な予防策について詳しく解説します。 危険因子の管理や生活習慣の改善、再発を早期に察知する方法から、注目されている再生医療の可能性まで幅広く取り上げています。 再発を防ぎ、安心して生活を送るための知識をぜひお役立てください。 脳梗塞は再発しやすい|再発率とリスクについて 脳梗塞は、一度発症すると再発しやすい病気であり、予防に十分な注意が必要です。 再発すると後遺症が悪化したり、生活の質が大きく低下する可能性があります。 ここからは、脳梗塞の再発率や再発を引き起こす要因、さらに再発による影響について詳しく解説します。 脳梗塞の再発率と再発を高める要因 脳梗塞は初回発症後に再発する確率が高く、発症から1年以内の再発率は12.8%、10年以内の再発率は51.3%とのデータ※があります。 ※出典:PubMed「Ten year recurrence after first ever stroke in a Japanese community: the Hisayama study」 再発率の数字からも分かるように、脳梗塞は長期的に再発リスクが続く病気です。とくに以下のような項目は危険因子と呼ばれ、再発を高める要因とされています。 これらの危険因子に注意して生活を送ることが、再発予防の鍵となります 脳梗塞を再発・2回以上繰り返した場合の影響とリスク 脳梗塞を再発、あるいは2回以上繰り返すと、後遺症がさらに重くなるリスクがあります。 このように、脳梗塞の再発は患者の生活の質を大きく損ない、治療やリハビリの負担も増加させます。 後遺症を悪化させないためには、再発の予防と早期対応が何より重要です。 脳梗塞を予防する具体的な方法 脳梗塞は、生活習慣や健康状態の見直しといった適切な予防策を講じることで、リスクを大幅に低下させることができます。 とくに生活習慣や健康状態の見直しが予防の鍵です。 以下では、脳梗塞予防のための具体的な方法を詳しく解説します。 脳梗塞を引き起こす危険因子を管理する 脳梗塞の予防においては、危険因子の管理と生活習慣の見直しが重要です。 危険因子としては主に以下が挙げられます。 とくに高血圧は最大のリスク要因とされており、脳梗塞の予防のためには血圧を正常範囲に保つ必要があります。 高血圧を防ぐために、食事の塩分を控えめにするほか、アルコール摂取を控える、適度な運動をして体重が増えないようにしましょう。 血栓を予防する 脳梗塞を予防するためには、血栓の形成を防ぐ抗血栓療法が有効です。 抗血栓療法は脳梗塞に効果的な方法の一つとして広く用いられています。 血液をサラサラにする抗血栓薬の服用により、血液中の血小板の働きを抑えて血管内で血栓ができにくい状態を維持します。 さらに、血栓がすでに形成されている場合や高度な動脈硬化がある場合には、外科的治療も選択肢の一つです。 例えば、動脈の詰まりを取り除く手術や、血流を確保する治療などがあります。 生活習慣を見直す 食生活や喫煙、飲酒の習慣を見直すことで、脳梗塞のリスクを減らせます。 食生活では塩分を摂りすぎると高血圧の要因になります。そして喫煙は血管を傷つけて動脈硬化を進行させる要因に、飲酒は高血圧や心房細動(不整脈)を招く要因となります。 また、水分補給も重要です。脱水によって体内の水分量が減少すると、血液量が減少し血液濃度が高くなります。 適度に水分を摂取して、血液がドロドロにならないようにしましょう。 適度に運動をする 有酸素運動や軽いリハビリを日常生活に取り入れることで、血流の改善や心肺機能の向上が期待されます。 筋トレよりは有酸素運動が好ましく、ウォーキングなどの軽い運動の習慣化が大切です。 運動の種類 具体例 健康への効果 実践のポイント 有酸素運動 ウォーキング 軽いジョギング 水中歩行 血流改善 心肺機能向上 血圧の安定化 無理のない速度で継続的に行う 日常活動 階段の使用 徒歩での移動 家事 ガーデニング 自然な形での運動量確保 生活習慣の改善 意識的に体を動かす機会を増やす 日常的に体を動かして、血流を促進するのが大切です。適度な運動により血管や心臓の健康を保ち、脳梗塞や高血圧のリスクを減らしましょう。 脳梗塞再発のサインを見逃さない 脳梗塞再発の早期発見には、FAST(Face, Arm, Speech, Time)というサインを覚えておくと役立ちます。 上記の症状がみられた際には、迅速に医療機関にかかりましょう。脳梗塞の発症後4.5時間以内は血栓を溶かす「血栓溶解療法(t-PA静脈注射)」※の対象です。 ※参照:国立循環器病研究センター「4.5時間を過ぎても、専門的な脳梗塞救急治療が重要です」 少しでも早く治療を受けることで、後遺症を最小限に抑えられる可能性が高まります。 定期健診を受ける 定期健診は脳梗塞の危険因子を早期に発見し、適切な対応を取るために欠かせない予防策です。 とくに、脳梗塞の主なリスクである高血圧・糖尿病・脂質異常症は、自覚症状がないまま進行することが多いため、定期的な検査によるチェックが必要です。 健診では、血圧や血糖値、コレステロール値の測定に加えて、心電図や頸動脈エコー検査などにより隠れたリスクを見つけられます。 定期健診を通じて危険因子を早期に発見し、脳梗塞の発症や再発を未然に防ぎましょう。 脳梗塞の再発予防にはぜひ再生医療もご検討ください 再生医療、とくに幹細胞治療は、脳梗塞の再発予防と後遺症の改善に期待ができる治療法です。 幹細胞治療では、患者自身の脂肪組織から採取した幹細胞を培養し、点滴で体内に戻します。 幹細胞は損傷した神経組織の修復や再生を促進するのが特徴です。 さらに幹細胞には抗炎症作用があり、脳内の炎症を抑制して再発リスクの低減ができます。 当院の再生医療による脳卒中への治療効果についても、多くの症例がございます。 50代の女性が脳梗塞と脳出血を経験し、右半身麻痺や言語障害などの後遺症に悩まされていましたが、幹細胞治療を3回受けた結果、以下のような改善が見られました。 ※症例紹介の記事:https://fuelcells.org/case/19528/ 再生医療は脳梗塞の再発予防だけでなく、既存の後遺症の改善にも効果が期待できます。 再生医療による治療をご検討の際は、ぜひ当院へご相談ください。 脳梗塞の再発を予防についてよくある質問 脳梗塞の再発を予防するには、リスクを理解し適切な対策を講じることが重要です。 最後に疑問がある方はここで解消していきましょう。 脳梗塞の再発しやすい時期は? 脳梗塞は、発症後1カ月以内に再発するリスクが最も高いとされています 発症から早期の時期に血圧や血糖値の管理が不十分だと、再発リスクはさらに高まります。 そのため、退院後も医師の指導をしっかりと守り、定期的な検査や服薬を続けることが大切です。 また、生活習慣の改善やリハビリテーションを積極的に行うことで、血管の回復が進み、再発リスクを低下させる効果が期待されます。 脳梗塞の再発しやすい人に特徴はある? 脳梗塞の再発しやすい人の特徴は、以下の通りです。 これらの危険因子と呼ばれる項目に当てはまる方は、脳梗塞の再発リスクが高まるため、生活習慣の見直しや医師による適切な治療が必要です。 脳梗塞の再発予防方法まとめ 脳梗塞の再発予防には、危険因子を管理して生活習慣を見直すことが重要です。 高血圧や糖尿病、脂質異常症といった危険因子をコントロールし、適度な運動や減塩を意識した食生活を取り入れて再発リスクを減らしましょう。また、喫煙や多量飲酒を控えるのも効果的です。 さらに、再発のサインであるFAST(顔のゆがみ、腕の麻痺、言葉の不明瞭さ、時間の重要性)を理解し、早期に対応するのが後遺症を最小限に抑える鍵となります。 定期健診を受け、自分の健康状態を常に把握しておくことも忘れてはなりません。 これらの取り組みに加え、再生医療は脳梗塞の再発予防や後遺症の改善に新たな選択肢を提供します。 幹細胞治療は、損傷した神経の修復や再生を促し、脳内環境を整えることで再発リスクを軽減する効果が期待されています。 予防と治療の両面で効果を得られる当院の再生医療をぜひご検討ください。
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脳梗塞を経験された方やそのご家族にとって、言葉がうまく話せない、思ったことを伝えられないといった言語障害は大きな悩みの一つです。 失語症や構音障害など、脳梗塞による言語障害にはさまざまな種類があり、症状や回復のスピードは人それぞれ異なります。 本記事では、脳梗塞後に起こる言語障害から回復する割合や期間、回復率を高める方法について詳しく説明します。 脳梗塞後の言語障害に悩む方は、ぜひ参考にしてください。 脳梗塞による言語障害の治りには個人差がある 現在、脳血管疾患の通院患者は約118万人で、14%が働き盛りの世代です。医療技術の進歩により死亡率は減少しており、若い患者の約7割※が発症直後からリハビリを受けることで回復し職場復帰が可能です。 ※出典:厚生労働省「脳卒中に関する留意事項」 復職率は発症から3〜6か月後、または1年〜1年半後に上昇し、最終的には50〜60%に達します。 経過は急性期、回復期、生活期に分かれ、患者は治療状況や職場への配慮を医療機関と相談する必要があります。 脳梗塞の後遺症による言語障害の種類 脳梗塞後の言語障害の回復見込みは、障害の種類によって異なります。 脳梗塞による言語障害の種類は「失語症」と「構音障害」です。 失語症 失語症は、脳梗塞などにより脳の言語機能が損なわれ、読む・書く・話す・聞く能力に影響を及ぼす症状です。回復には年齢や損傷部位、健康状態などが関わりますが、40歳代までに発症した場合、言語訓練を3年以上続けることで大幅な改善が期待できます。 リハビリの内容としては、口や舌の運動、ジェスチャーを交えた会話、書字の訓練などがあります。リハビリ内容は症状や進行具合に応じて調整され、患者にあったプランを作成します。 構音障害 構音障害は、口腔や舌、声帯の運動機能が低下し、発音が困難となる状態です。治療法としては、外科的介入・発音補助装置の利用・構音訓練の3つがあり、患者の症状に応じて選択されます。 構音障害は回復の可能性があり、決して治らない障害ではありません。 外科手術では発音機能を改善し、補助装置を使用して発声を補助します。また、言語聴覚士がリハビリテーションを通じて舌や口の運動機能を高め、呼吸・発声・音読の向上を目指します。 早期のリハビリテーションが回復において重要な役割を果たすため、少しでも違和感を感じたら速やかに医療機関を受診しましょう。 脳梗塞による言語障害の回復率を高める方法 脳梗塞によって生じる言語障害の回復には、適切な治療とリハビリテーションが必要不可欠です。回復率を高めるためにも、早期にリハビリを開始し、専門的なサポートを受けましょう。 言語機能に影響する脳の部位や損傷の程度によって、回復にかかる時間や結果は異なりますが、効果的なリハビリ方法や先進的な治療法を組み合わせることで、言語障害の改善が期待できます。 ここからは、脳梗塞による言語障害の回復率を高める方法について紹介します。 再生医療で治療する 脳梗塞による言語障害(失語症)の再生医療は、骨髄由来の間葉系幹細胞を脳に移植し、損傷した神経細胞の再生を促す治療法です。 この幹細胞治療により、期待できる効果がいくつかあります。 また、幹細胞点滴による再生医療は、脳梗塞の再発予防にも効果が期待されています。損傷を受けた脳の血管を修復・保護することで、再発リスクを抑えるとともに、新たな血管網が構築され血流が改善されることで、後遺症の緩和にもつながります。 実際、脳卒中(脳梗塞)は再発率が高く、初回発症後1年以内で約10%、10年間の累積で約55%が再発※するというデータがあります。 ※出典:National Library of Medicine「日本のコミュニティで初めての脳卒中から10年後の再発:久山町の研究」 再発による後遺症の悪化リスクも含めて、再生医療はその抑制に有効な治療法です。 再生医療による幹細胞治療は開始時期が早いほど良い結果をもたらします。本治療に興味のある方は当院へお気軽にご相談ください。 言語聴覚士のリハビリサポートを受ける 言語聴覚士は、リハビリを通じて言語機能の改善を目指す言語障害に特化した専門家です。障害の程度を診断し、患者一人ひとりに合わせたリハビリ計画を作成します。 リハビリでは言葉だけでなく、ジェスチャーや絵といった手段を活用しコミュニケーションを図ります。 言語聴覚士のサポートを受けることで、言語面の改善はもちろん、心理面にもポジティブな変化をもたらします。 言語回復に大きな効果をもたらすため、積極的に受けておきたいサポートです。 脳梗塞発症後の言語障害に対するリハビリの流れ 脳梗塞発症後の言語障害のリハビリについては、意識状態など症状が安定し始めた頃から適切な対処が必要となります。言語能力が維持・向上し続けるためには、主に発症からおよそ1~2カ月以内の急性期、約3〜6ヶ月の回復期、自宅へ戻ってからの生活期と、それぞれのリハビリを行うことが重要です。 また、急性期・回復期においては、医療保険が適用される病院でのリハビリが行われますが、適用期間については基本的に脳梗塞は150日、高次機能障害を伴う重篤の場合は180日と定められていて、その後介護保険が適用される生活期へと移行していきます。この3段階のリハビリをどのように行っていくのかをそれぞれ詳しく紹介していきます。 急性期のリハビリ 急性期のリハビリでは、言語聴覚士が中心となり、口の動きの練習など患者の発話に合わせた言語機能回復訓練を行うことにより、発話意欲を高めていくことが重要となります。 また、挨拶など実用的なコミュニケーションが最も重要で、毎回顔を合わせるたびに挨拶を行い、時間帯で違う挨拶が返ってきても決して否定しないことが大切です。 患者だけでなく、ご家族の方もコミュニケーション方法をしっかり習得して、患者の言語機能の変化を追跡していくと同時に、患者が安心してリハビリに取り組んでいける環境づくりも、急性期では重要となります。 回復期から生活期のリハビリ 回復期のリハビリは失語症と構音障害により違いがありますが、基本的にはどちらも発話や読み書き、言葉の理解などを中心とした訓練を行うことが重要です。 リハビリでは、言語聴覚士が回復に向けたプランを作成しますが、患者本人の意欲を高めるためには、家族のサポートが何より重要です。そのサポートがリハビリの効果をさらに向上させます。 脳梗塞のリハビリ期間は病院などにより違いはありますが、原則発症から6ヵ月が経過した段階で生活期へと移行します。基本的には回復期で行ってきたリハビリは継続しながら、社会活動への参加なども行います。 脳梗塞後の言語障害リハビリ|家族ができるサポート 脳梗塞を発症してから、急性期や回復期では言語聴覚士がサポートしていきますが、特に生活期に入ってからは家族ができるサポートが重要となります。たとえば、「おはよう」や「いただきます」といったあいさつを積極的に行い、日常的に会話の機会を増やしていくことが大切です。 難しい質問などは控えて、患者が「はい」「いいえ」で答えられる質問も良いとされています。また、名前や生年月日の文字をなぞることや、音読すること、一日を振り返って日記をつけることなども効果的です。 言語障害においては読み書きや、理解しているかどうかなど、家族には気がかりなことも多くあります。しかし、無理に発話を促すのではなく、近くの公園や買い物など、外出をすることも家族ができるサポートです。 【まとめ】脳梗塞後の言語障害はリハビリで回復を目指せる 脳梗塞による言語障害は、症状や程度に個人差があり、完全な回復が難しい場合もあります。しかし、失語症や構音障害などの後遺症に対して適切なリハビリを行うことで、日常生活への影響を軽減し、言語機能を改善させる可能性があります。 リハビリに加えて、さらなる回復を目指す方法として注目されているのが再生医療です。再生医療では、幹細胞を用いた治療が進んでおり、損傷した脳組織の修復や神経細胞の再生を促します。再生医療は言語障害の改善だけでなく、脳梗塞の再発予防や後遺症の軽減にも役立つとされています。 脳梗塞による言語障害は、リハビリや再生医療を組み合わせることで回復を目指すことが可能です。再生医療をご検討の際は、ぜひ当院へご相談ください。
2025.01.08 -
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脳梗塞を発症してから後遺症に悩まされ、なかなか回復の見通しが立たず困っている方は多いです。 運動麻痺を含む後遺症は早期の社会復帰が難しく、回復の可能性に疑問を持たれる方もいるのではないでしょうか。 脳梗塞の後遺症は発症後のリハビリ次第で、徐々に回復する可能性があることが判明しています。 個人差はありますが適切な方法を意識してリハビリを行えば、慢性期でも改善する可能性はあるでしょう。 本記事では具体的な回復のメカニズムからリハビリ方法について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。 脳梗塞とは? 脳梗塞とは脳卒中の一種で、脳の血管が詰まることで発症します。主な種類と原因は以下の通りです。 脳梗塞の種類・原因によって症状や進行する度合いは異なります。 ラクナ梗塞 ラクナ梗塞は、脳の深部にある微細な血管が詰まることや血管に強い圧力がかかることで発症する脳梗塞の1種です。 日本人が発症する脳梗塞としては1番多く、脳梗塞の中で全体の25~40%の割合※を占めています。 ※出典:日立造船健康保険組合 因島総合病院「疾病案内 Vol. 07 脳梗塞について」 ラクナ梗塞を発症する主な原因は高血圧のほか、糖尿病や高脂質症、喫煙も危険因子の1つ。 症状としては運動麻痺や感覚障害、呂律が周らないなどが挙げられますが、意識障害を起こす人は少ないです。 そのため他の脳梗塞と比較すると、個人差はありますが早期からリハビリに取り組める傾向にあります。 治療は発症後4~5時間以内の場合はt-PAという血栓を溶かす薬を投与しますが、既定の時間を過ぎた・効果が無い場合は外科的治療を行います。 アテローム血栓性脳梗塞 アテローム血栓性脳梗塞は、脳や首太い血管が動脈硬化によって詰まる・狭くなることで発症する病です。 脳梗塞の前触れとして一過性脳虚血発作(TIA)を起こす人が多く、全体の20~30%が発症しています。 一過性脳虚血発作とは一時的に脳の血管が詰まり、めまいやふらつきなどの症状が起こる発作です。 アテローム血栓性脳梗塞を発症する原因は、主に以下が挙げられます。 特に加齢が進むと動脈硬化が起こりやすくなり、上記の原因と併せて発症する可能性が高くなるので注意してください。 ラクナ梗塞と比較すると症状が重いことが多く、半身麻痺・意識障害・視力低下を引き起こす可能性が高いです。 治療には血栓を溶かす薬の投与、血栓を外科的手術で取り除く方法があり、発症後4.5時間以内を目安に早期に血栓を溶かす薬を投与できれば、予後の回復が期待できます。 心原性脳梗塞 心原性脳梗塞は、心臓内の血栓が血流に乗って脳の血管を詰まらせることで発症します。 心臓で発生した血栓のサイズは大きい傾向にあり、脳の血管に詰まると重篤な症状を引き起こしやすいです。 心原性脳塞の原因は不整脈によるもので、ラクナ梗塞やアテローム血栓性脳梗塞と異なり、予防が難しい病気と言われています。 症状としては半身麻痺や意識障害、言語障害や感覚障害が挙げられ、他の脳梗塞より症状が重いです。 上記の症状により生活に大きな支障をきたすことから、「ノックアウト型脳梗塞」という別名もあります。 治療には血栓を溶かす薬が使用(t-PA療法)されますが、血栓が溶けきらない場合は太ももからカテーテルを挿入し脳の血栓を回収する手術が行われます。 脳梗塞の後遺症は本当に治る?回復のメカニズムについて 脳梗塞による後遺症の回復は、適切なリハビリや治療を受ければ改善する見込みがあります。 脳梗塞の後遺症に悩んでいる方やご家族の後遺症が回復する可能性が知りたい方は、ぜひ参考にしてください。 回復過程と時期ごとの特徴 脳梗塞の回復過程と時期ごとの特徴は、以下の通りです。 時期 期間 特徴 急性期 発症直後〜数週間 ・早期離床と関節可動域を増やすためのリハビリを行う ・少しずつ手足を動かしたり、ベッドの上でできるリハビリから始めることが多い 回復期 3〜6か月 ・神経可塑性を最大限活かした集中的なリハビリを行う ・身体を動かすリハビリ、集中力や思考力に関するリハビリを主に行う ・自宅での生活を想定し、日常生活に必要な作業に関するリハビリを行う 生活期(慢性期) 6か月以降 機能維持と再発予防に向けた取り組みを行う 急性期は発症してからそこまで時間が経っていないため、この時期のリハビリが早期の回復に繋がります。 急性期から回復期に入ると症状が落ち着き、歩行訓練や食事や着替えなどの日常動作に関するリハビリを行います。 生活期(慢性期)になると退院しているケースが多いので、自宅やリハビリテーションでの訓練になります。 ウォーキングなどの軽い運動や生活習慣・生活リズムを整え、再発予防をしながら社会復帰を目指します。 脳梗塞後の神経可塑性による回復の見込みについて 人間の脳は、生き残った神経細胞が機能を補う「神経可塑性(しんけいかそせい)」により回復の可能性があります。 神経可塑性とは、外部からの刺激によって、失われた機能を他の機能が代替えする現象です。 脳梗塞によって失われた脳細胞もリハビリによって脳が刺激され、他の細胞が失われた脳細胞を支える役割を果たします。 脳の神経可塑性を促進するためには、早期から適切なリハビリを反復して行うことが大切です。 同じリハビリを反復して行うことで脳細胞の刺激や繋がりが強化され、回復に1歩近付くことができるでしょう。 回復に個人差が生じる要因 回復に個人差が生じる要因として、主に年齢・発症部位・リハビリ開始時期が挙げられます。 若者の場合は高齢者と比較して基礎体力があり、リハビリに取り組みやすいことから回復が早いです。 また脳の発症部位によって症状の重さが変化する点も、回復に個人差のある理由の1つです。 さらにリハビリの開始時期によっても回復の度合いは左右され、基本的に適切なリハビリや治療を行う時期が早いほど効果が期待できます。 複数の要因が回復状況を左右するため、リハビリや治療は個人に合わせたアプローチが必要です。 脳梗塞の後遺症の種類と各症状について 脳梗塞の後遺症は、発症した部位によって症状が異なります。 症状によってリハビリ方法も異なるので、最適なリハビリ方法も含めてぜひ参考にしてください。 運動麻痺(片麻痺) 運動麻痺(片麻痺)は脳の運動機能に関わる領域※の損傷によって引き起こされ、多くの場合は損傷した部位の反対側に麻痺が現れます。 ※脳皮質運動野・大脳基底核・小脳・脳幹など リハビリは筋出力トレーニングやバランス訓練、歩行訓練といった、歩くことに特化した内容が多いです。 いずれもバランスを改善するエクササイズや、麻痺している側の筋力を強化する方法になります。 その他にも神経筋電気刺激(NMES)といった、筋肉を電気刺激することで回復を図る方法も。 これらのリハビリを適切な頻度で繰り返し行い、少しでも歩ける状態を目指していきます。 感覚障害やしびれ 感覚障害やしびれは頭頂葉の損傷によって発症し、触覚や温度感覚が鈍くなる症状を引き起こします。 加えて「じんじん」「ぴりぴり」とした体のしびれが起こり、日々の生活に支障をきたす場合も多いです。 また、頭頂葉は身体の様々な感覚情報を処理する「体性感覚野」と呼ばれる領域があり、この部位が損傷されると、感覚の鈍麻以外にも、手足の使いづらさや異常感覚が生じることもあります。 さらに、頭頂葉の特定の部位が損傷されると、ゲルストマン症候群(失算、失書、手指失認、左右失認)などの症状が現れることがあります。 感覚障害に対しては、理学療法士によるマッサージなどしびれを和らげるリハビリが行われます。 他にも重さや硬さ・材質が異なる物を手に取って、物を掴む力・物を手にした時の感覚を取り戻していくリハビリも。 またTMSという機械で脳に直接磁気刺激を与え、感覚障害やしびれの改善を目指す方法もあります。 視野障害と失語症 視覚中枢と言語中枢の損傷により、片目の視力が失われたり、言葉が出にくくなる失語症や感覚性失語症を発症します。 また両目は見えていても視野が狭くなったり、一部分だけが見えないケースも。 視野障害のリハビリは、視力の残っている方の視野に見たい対象を写す、眼球運動で改善を目指します。 一方で失語症には、言語聴覚士による絵が描かれたカードの名前を読み上げる訓練などが行われます。 加えて周りとのコミュニケーションで徐々に失語症が回復していくこともあるので、意識的にコミュニケーションを図ると良いでしょう。 高次脳機能障害 高次脳機能障害は記憶障害・注意力低下など、日常生活に大きな影響を与える症状を引き起こします。 記憶障害の場合、日付を忘れたり新しい情報が覚えられなくなったりと社会生活に支障が出てしまうケースも。 また注意力低下によりミスが増えたり、作業を長く続けられないなどの症状も現れます。 記憶障害のリハビリには記憶したことを復習する反復訓練や、物や人を見た目のイメージに基づいて記憶する視覚イメージ方があります。 一方注意力低下に対してのリハビリには、パズルや間違い探し、電卓計算やデータ入力作業が効果的です。 上記のリハビリを反復して行い、日々の生活でもメモを取る・集中できる環境を整えるなどのアプローチを行いましょう。 精神的後遺症 脳梗塞によってうつ症状や感情コントロール障害といった精神的後遺症が起こるケースも、少なくありません。 脳の感情を司る部位に損傷が起こることで不安感や意欲の低下起き、うつの症状が起こります。 また日々の生活で必要な動作(歩行や食事など)ができなくなることも、活力の低下の原因に。 そして感情コントロール障害により、急に怒り出す・泣き出すといった感情失禁を引き起こすこともあります。 上記の症状に対しては、精神科の医師や心理士によるカウンセリングが必要です。 カウンセリングと併せて、自分の行動を見直し認知の歪みを治す認知療法も行うと改善が期待できます。 後遺症改善に向けたリハビリ方法 脳梗塞の後遺症のリハビリは、時期に応じて適切に行うことが大切です。 急性期・回復期・生活期に分けて紹介するので、後遺症改善の参考にしてください。 急性期のリハビリ 急性期のリハビリは、主に離床と関節可動域を維持する内容になります。 リハビリ 内容 早期離床 ・車いすに移る ・ベッドから起き上がる 関節可動域訓練や廃用症候群の予防 ・手足を動かすストレッチ ・関節を動かすストレッチ ・食事や入浴などの日常の動作を行う 急性期は身体の機能が低下しないよう、日常での動作や廃用症候群を予防するリハビリが中心です。 廃用症候群とは長期間寝たきりになることで関節が固まってしまい、身体機能に不調をきたしている状態のこと。 そのため関節が固まらないように手足・関節のストレッチ、日常動作の動きから始めていきます。 回復期のリハビリ 回復期のリハビリは、運動療法と言語訓練・嚥下訓練を主として行います。 また、これらの基本的な機能回復に加えて、作業療法による、より実生活に即した訓練も取り入れられます。 リハビリ 内容 運動療法 ・歩行訓練を行う ・自重を使った筋力トレーニングを行う 言語訓練・嚥下訓練 ・物やカードを使って名前を言う ・PCでデータ入力を行う ・舌や頬の筋力を取り戻す訓練を行う 作業療法 ・調理、掃除、洗濯などの家事動作を含む、応用的な日常生活動作の練習 ・手指の巧緻性訓練や高次脳機能訓練などを行う 回復期は急性期と比較して容体が安定しているため、日常生活への復帰を目指すリハビリが中心です。 運動療法では歩行訓練のほか、スクワットなど自重を活かしたトレーニングを行い、身体機能の回復を図ります。 また喋る・飲み込むことに支障がある場合は、言語聴覚士による舌や頬の筋力を鍛える訓練も合わせて実施します。 生活期のリハビリ 生活期のリハビリは自主的なリハビリ、訪問・通所リハビリによって社会復帰を目指します。 リハビリ 内容 自主的なリハビリ ・バランス訓練を行う ・手足を中心としたストレッチを行う 訪問・通所リハビリ ・理学療法士や言語聴覚士による機能訓練を行う 生活期に入ると退院しているケースがほとんどなので、自宅できるリハビリや訪問・通所でリハビリを行います。 自主リハビリは手足を動かすストレッチ、歩行の際に転倒しないようバランス訓練が中心です。 訪問・通所リハビリでは歩行や寝返りなどの機能訓練のほか、福祉用具の取り扱いについてもアドバイスが貰えます。 脳梗塞の後遺症の回復なら再生医療もご検討ください これまでのリハビリに限界を感じている方は、当院(リペアセルクリニック)で提供している再生医療も選択肢の1つです。 当院では「脳細胞は再生しない」という常識を覆し、再生医療での新たな治療方法を確立しました。 新たな治療方法では、幹細胞の投与によって脳細胞の修復・血管の再生を目指し、一般的な治療と比較して効果が高い2億個の幹細胞を投与する治療を行っています。 脳梗塞でよくある以下のような症状についても、回復を見込めるのも特徴です。 再生医療の効果については個人差があるものの、実際に当院で治療を受けた人からも、後遺症が改善されたとの事例が多くあります。 脳出血後の後遺症として左半身麻痺を認め、車椅子の移乗にも3人の介助が必要となりましたが、幹細胞治療後には、車椅子への移乗が独りでできるようになりました。歩行においても左下肢と体幹の力がつくことで、安定して歩けるようになりました。もう一つ安定した歩行で大事なことは足の指の力であり、この力がつくことにより足の踏ん張りがつきます。 引用:リペアセルクリニック「脳出血後の後遺症で左半身麻痺 50代男性」 「今のリハビリに限界を感じている」「再発を予防したい」方や、リハビリで進捗を実感できない方・ご家族の回復を願う方にとって、回復・再発予防の期待できる治療法と言えるでしょう。 再生医療については早期に始めるほど良い効果が期待できます。 再生医療の内容や費用について知りたい、どの程度の回復見込みがあるかについて気になる方はお早めにご相談ください。 来院やメールによる相談のほか、オンラインカウンセリングも受け付けています。 脳梗塞の後遺症と回復に関するよくある質問 脳梗塞の後遺症と回復に関するよくある質問は、以下の通りです。 脳出血や脳梗塞の違い、脳梗塞の再発予防について回答しているのでぜひ参考にしてください。 脳出血・脳梗塞・くも膜下出血は何が違う? いずれも脳卒中の中に包括され、具体的には以下のように分類されます。 脳出血の種類 症状 分類 脳出血 脳の細い血管が破裂し出血した血液が神経を圧迫する ₋ くも膜下出血 脳動脈瘤が破裂し硬膜やくも膜下腔に血液が溜まる ₋ 脳梗塞 脳の細い血管もしくは太い血管に血栓が詰まり脳細胞に損傷が起こる ・ラクナ梗塞 ・アテローム血栓性脳梗塞 ・心原性脳塞 脳出血は脳の微細な血管が破裂・出血することで、神経を圧迫して運動麻痺や感覚障害などの症状を引き起こします。 一方脳梗塞は血管が詰まることで血流が途絶え、脳細胞に損傷をきたす症状で脳出血とは要因が異なります。 くも膜下出血は脳動脈瘤の破裂で硬膜に血液が溜まり、激しい頭痛や意識障害、嘔吐やけいれんを伴う症状です。 いずれも早期発見・治療が回復の鍵になる症状なので、脳に違和感を覚えたらすぐにかかりつけ医に相談しましょう。 脳梗塞の再発を防ぐ方法は? 脳梗塞の再発を防ぐ方法としては、生活習慣の改善や血圧・糖尿病管理、適度な運動が挙げられます。 予防法 具体的な対策 生活習慣の改善 ・野菜や魚を取り入れたバランスの良い食事を意識する ・禁酒・禁煙する ・6~8時間の睡眠をとる ・ストレス解消方法を見つける 血圧管理 ・塩分の多い食事を控える ・毎日血圧を測る 糖尿病管理 ・血糖値、血圧を測る ・薬を忘れずに飲む ・食事計画に従う 適度な運動 ・20分~30分程度の運動を週3回程度行う ・ウォーキングやストレッチなどの軽い運動から始める 脳梗塞は高血圧や糖尿病、喫煙による動脈硬化によって引き起こされるため、これらの症状を予防する必要があります。 特に高血圧は脳梗塞の1番の要因となっているので、塩分の多い食事が多い日本人には血圧管理や糖尿病管理が必須です。 まずは無理なく日常的に取り入れられる対策から始め、習慣化していきましょう。 まとめ:脳梗塞の後遺症も回復見込みはある 脳梗塞の後遺症は適切なリハビリと治療を継続していくことで、改善や回復が期待できます。 後遺症の内容に応じて、自宅での自主リハビリやリハビリテーション施設の通所を継続していきましょう。 時には理学療法士・言語聴覚士・作業療法士によるフィードバックを受け、回復に向けた取り組みを見直すことも大事です。 また脳梗塞の後遺症の改善方法として、リハビリのほかに再生医療という選択肢もあります。 当院では幹細胞を活用した治療で、損傷した脳細胞や血管の回復・再生を目指しています。 幹細胞治療は後遺症の改善のほかに、再発予防にも繋がるため、再発予防に取り組みたい方にも最適です。 早期の治療が回復の鍵になるので、気になる方はお早めにご相談ください。
2025.01.08 -
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脳梗塞は年齢が上がるほど発症リスクが高いとイメージする方もいるのではないでしょうか。 若くても脳梗塞にならないか不安な方もいるでしょう。 本記事では、年齢別の発症率や若年性脳梗塞について解説します。 この記事を読むとわかること 脳梗塞の年代別発症率 脳梗塞は女性に多い理由 脳梗塞を予防する方法 脳梗塞の予防法も併せて紹介しますので、方法を実践して健康な生活を送りましょう。 脳梗塞は何歳から発症しやすくなる? 脳梗塞は一般的に65歳以上の発症リスクが高いとされていますが、年齢別で見たときにリスクが上がるのは何歳からなのでしょうか。 脳梗塞患者15万人あたりの年齢別の内訳は以下の通りです。 15~34歳 約0.02% 35~64歳 約9% 65歳以上 約90% うち75歳以上 約70% 65歳以上が全体の9割を占めています。つまり、65歳を過ぎると脳梗塞を発症するリスクが10倍に上がってしまうのです。 上の表を参考にすると、脳梗塞はとくに75歳以上の年齢の発症リスクが高いことがわかります。 脳梗塞は再発しやすい疾患です。初発の年齢が高いと再発リスクが高まります。 年齢によって異なる脳梗塞の発症リスク 年齢によって、脳梗塞の発症の原因が異なります。 若年者の発症リスク 中年者の発症リスク 高齢者の発症リスク 以下では、年代ごとの脳梗塞の原因を解説します。 年代ごとの発症リスクを理解し、脳梗塞を予防できるようにしましょう。 若年者の発症リスク 45歳以下の若年層の方が脳梗塞を発症する原因は主に3つあります。 生活習慣の変化 ストレス 運動不足など 慢性的なストレスによって脳梗塞につながりやすい高血圧や糖尿病などを引き起こす可能性があります。高血圧などの生活習慣病によって動脈が狭く・硬くなり、脳梗塞のリスクが高まるのです。 また、運動不足による脂質異常症も脳梗塞になる危険性があります。 若年者だからといって脳梗塞に絶対にならないと油断せず、運動を欠かさないようにしましょう。 中年者の発症リスク 40代後半~50代の中年者が脳梗塞を発症する原因は主に以下の3つです。 生活習慣病 ストレス 運動不足など 中年者になると、不摂生などによる生活習慣病になる可能性が高くなります。生活習慣病が慢性化すると、脳梗塞につながるリスクがあるのです。 運動不足解消や生活習慣病改善のためには運動を行い、血圧を下げ血流を改善する必要があります。また、お酒を飲んでいる方は頻度や一度に飲む量の見直しをしてください。 運動の習慣がなかった方は、軽いラジオ体操やウォーキングなど無理のない範囲で始めてみましょう。 高齢者の発症リスク 60代以降の高齢者の方が脳梗塞を発症する原因は以下の2つが考えられます。 高血圧 動脈硬化など 60歳以降は高血圧のリスクがより高くなります。高血圧が常態化すると脳梗塞を発症する可能性があるのです。 また、血液がドロドロになることで血管が詰まりやすくなるので糖尿病の方も注意が必要です。 動脈硬化が進行すると、脳の血管が詰まる・狭くなり、脳梗塞を引き起こします。動脈硬化は他にも心筋梗塞などの病気を引き起こす可能性も高まり危険です。 若い世代でも発症する「若年性脳梗塞」とは 主に50歳以下で発症する脳梗塞のことを「若年性脳梗塞」と言います。 若年性脳梗塞とは? 若年性脳梗塞の主な原因 一過性脳虚血発作の症状が出たら早期受診が重要 「若年性脳梗塞」になる原因や、受診の重要性について解説します。 若年性脳梗塞とは? 国際的な定義はありませんが、日本循環病センターは50歳以下で発症する脳梗塞を指して「若年性脳梗塞」と呼んでいます。 若年性脳梗塞は遺伝的要因や先天異常など、高齢者が発症する脳梗塞とは異なる原因で引きおこる特徴があります。 危険因子がある場合、年齢に関係なく誰でも脳梗塞になる可能性があるのです。 若年性脳梗塞の主な原因 若年性脳梗塞の原因は、以下の通りです。 病名 症状 抗リン脂質抗体症候群 抗リン脂質抗体ができることで血液が固まりやすくなる 動脈や静脈血栓を繰り返す 膠原病と合併して発症することもある 奇異性脳塞栓症 先天的に心臓の動脈奇形・心臓に穴が開いている人に見られる 静脈でできた血栓が動脈系に流れ込み脳血管に詰まる病気 もやもや病(ウイリス動脈輪閉塞症) 脳の太い血管が細くなり脳の血液が不足する病気 手足の脱力・言葉がわからないなどの症状 若年性脳梗塞の原因は高齢者の脳梗塞の原因とは異なるケースが多いです。 抗リン脂質抗体症候群とは、全身のどこにでも症状が出ますが、とくに若年層は脳梗塞につながる症例が多く見られます。 奇異性脳塞栓症は若年性脳梗塞を引き起こす原因として知られており、現在ではカテーテル治療や心臓手術などの治療法があります。 もやもや病は細い血管が太い血管の血液不足を補うために太くなることがありますが、本来の太さ以上に拡張しすぎて脳出血を引き起こすケースもあります。 一過性脳虚血発作の症状が出たら早期受診が重要 脳梗塞の前触れである一過性脳虚血発作の症状が出たら、すぐに病院を受診しましょう。 一過性脳虚血発作は(TIA)は、手足または顔面の運動障害・感覚障害や、言葉がしゃべりにくくなるなどの症状があります。 とくに知られている症状が黒内障です。片目の視界が白っぽく見えたり、まったく見えなくなったりする特徴があります。 この症状が出た患者の10~15%が3ヶ月以内に脳梗塞を発症したことが明らかになっています。 もし一過性脳虚血発作の症状が出た場合、すぐに病院を受診しましょう。適切な治療を受ければ脳梗塞を予防できる可能性が高いです。 脳梗塞は女性に多い?性別との関係性 脳梗塞は高齢者の発症リスクが高いですが、その中でもとくに女性に多いのです。 なぜ女性は脳梗塞を発症する可能性が高いのか、いくつか理由を調査しました。 ホルモンバランスの変化 不整脈を発症しやすい 妊娠高血圧症候群 女性ホルモン補充療法によるリスク 女性特有の閉経などが原因であることが分かっています。以下で詳しく解説しますのでご覧ください。 ホルモンバランスの変化 女性ホルモン「エストロゲン」は血管を保護する働きがあります。閉経後は女性ホルモンが減少するため、脳梗塞のリスクが高まるのです。 男性は女性に比べてホルモンバランスの変化が緩やかなため、急激にバランスが変化する女性の方が脳梗塞を発症する可能性が高くなります。 大豆イソフラボンにはエストロゲンと似た作用があるので、積極的に大豆製品を取り入れましょう。 不整脈を発症しやすい 中年期から高齢の方は、男性と比較して不整脈を発症しやすい傾向にあります。 不整脈は心臓に入る血液の動きを妨げるため、脳梗塞になるリスクも高まるのです。 とくに心房細動は脳梗塞が起こる確率が高くなります。規則正しい心臓の動きを乱してしまうので、辛抱内の血液がよどんで血栓ができやすくなるのです。 その血栓が脳に運ばれると、脳梗塞を引き起こす可能性があります。 妊娠高血圧症候群 妊娠中に血圧が高くなる疾患を妊娠高血圧症候群と言います。 軽傷の場合は脳梗塞につながることはありませんが、重症化すると合併症で脳梗塞を発症するケースがあります。 妊娠高血圧症候群になった場合、脳卒中や脳梗塞を発症するリスクが約3倍に上がるので注意が必要です。 全身の臓器の不全につながり、胎児の発育不全や肺水腫などの合併症になる可能性も高くなります。 一般的には妊娠高血圧症候群は分娩後に少しずつ改善されていきます。 女性ホルモン補充療法によるリスク ホルモン補充療法の副作用で動脈硬化が進行する可能性があるため、注意が必要です。 本来動脈硬化を改善する役割があるエストロゲンですが、閉経して動脈硬化が進んだ状態で女性ホルモンを投与すると、逆に硬化を進行させる恐れがあります。 実際に、2007年10月から2012年3月までに3例の脳梗塞発症事例があります。 2例には以下の危険因子がありました。 高血圧 脂質異常症 3例とも脳梗塞は軽症でした。 出典:女性ホルモン補充療法中に脳梗塞を発症した3症例 女性ホルモン補充治療は閉経前または閉経後早期に始めることが大切です。閉経後10年または60歳以降の場合、女性ホルモン補充治療は慎重に行われます。 【年代別】脳梗塞を予防するためにやるべきこと 脳梗塞を予防するためにやるべきことを年代別でお伝えします。 若年者 中年者 高齢者 すぐに生活に取り入れられる簡単な方法ですので、脳梗塞が心配な方、健康に気を遣いたい方はぜひ実践してください。 若年者 45歳以下の方は以下の方法を実践しましょう。 適度な運動 規則的な生活 若年者が脳梗塞になる原因の多くは運動不足です。運動不足解消のために、軽いウォーキングや散歩を取り入れることがおすすめです。 また、散歩は運動不足解消だけでなくストレス発散もできます。運動の時間が取れない場合は、一駅早く降りて歩いて帰宅するなど工夫しましょう。 高血圧や脂質異常症などの生活習慣病は不規則な食生活や睡眠不足が原因で発症し、脳梗塞につながります。これまでの生活を見直し、生活習慣病や脳梗塞を予防しましょう。 中年者 40代後半~50代の方は以下のことに気を付けましょう。 禁煙・節酒 適度な運動 規則的な生活 お酒好きの方は節酒をしましょう。 アルコールは血を固まりにくくする効果があるため、血栓症のリスクを下げる効果がありますので、少量であれば節酒に問題ありません。 しかし、適量を超えるとアルコールは悪影響を及ぼします。利尿作用があるため水分不足になり血栓ができやすくなるほか、血糖値が急激に上昇します。 1日のアルコール摂取量は20g以内に抑えましょう。 出典:厚生労働省 また、タバコには以下のデメリットがあります。 血圧の上昇 動脈硬化の進行 血栓ができやすくなる 以上の3つの症状が脳梗塞を引き起こす原因になりますので、禁煙に努めましょう。 高齢者 60代以上の方は以下の方法を実践して脳梗塞を予防しましょう。 適度な運動 食習慣の見直し 水をこまめに飲む 家・部屋を暖かくする 高齢になると身体を動かすのが困難になり、運動をする習慣がなくなってしまうかもしれません。しかし、ラジオ体操などをするだけで高血圧の改善が見込めます。 年を重ねると食が細くなる傾向にあります。そんなときこそ食事を見直し、栄養価の高い食材を取り入れるようにしましょう。 水分が不足すると血液の循環が滞って血栓ができやすくなり、脳梗塞に繋がります。高齢になると喉の渇きを感じにくくなるため、時間を決めて水分補給をしてください。 寒いと血管が収縮したり、体温を上げようと血圧が上がったりします。それが脳梗塞を発症させる原因になりますので、家や部屋の温度は暖かく保ちましょう。 脳梗塞が疑われる場合は早期受診・治療が重要 脳梗塞の症状が出た場合、すぐに病院を受診しましょう。 脳梗塞の前触れである一過性脳虚血発作は放置しておくと脳梗塞を発症する可能性があります。以下の症状が出たらすぐに受診・治療を開始することが大切です。 代表的な脳梗塞の初期症状は3つあります。 ろれつが回らない 力が入らずバランスが取れない めまい・痙攣などの発作 上記のような症状は急に出てやがて消えていくこともありますが、初期症状が出たら必ず病院を受診し、治療を受けてください。 【まとめ】脳梗塞は若くても発症するリスク有り!早期受診の重要性 今回は、脳梗塞の発症年齢や予防法について解説しました。 年齢を重ねると発症リスクが上がりますが、若年層に発症リスクがまったくないわけではありません。 運動不足やストレスなど、誰にでもあることが発症の原因になり得ます。運動でストレスも発散できますので、軽い運動を毎日しましょう。 脳梗塞は軽傷だと気にしない・放置してしまう方もいますが、重症化してからの治療は困難です。 初期症状が出た場合は早めに病院を受診し、重症化するまえに治療を開始しましょう。
2024.12.17 -
- 脳卒中
- 脳梗塞
脳卒中とは、脳の血管障害が原因で発症する疾患群の総称で、脳の血管が破れたり、詰まったりして起こる病気です。 脳卒中は急性発症が多く、「ついさっきまで元気だったのに、突然手足が動かなくなった」といった内容を訴え、具体的な時間も言える場合が大半です。 本記事では、脳卒中の種類や予防法について解説します。脳卒中の主な症状や予防策を確認し、脳卒中の発症や再発を防ぎましょう。 この記事を読むとわかること 脳卒中の種類 脳卒中の主な症状 一次予防と二次予防 脳卒中の種類は脳梗塞・脳内出血・くも膜下出血に分類される 脳卒中には、主に脳梗塞・脳内出血・くも膜下出血の3種類があります。 脳梗塞 脳内出血 くも膜下出血 脳梗塞は血管が詰まり発症する「虚血性脳卒中」、脳内出血・くも膜下出血は血管が破れて発症する「出血性脳卒中」に分類されます。 脳血管疾患は、わが国の死因の第4位(第1位:がん、第2位:心疾患、第3位:老衰)※です。 ※出典:令和5年(2023)人口動態統計月報年計(概数)の概況|厚生労働省 脳梗塞や脳内出血、くも膜下出血は、まとめて脳卒中といわれる場合が多くありますが、症状や発症理由が異なります。 脳梗塞 脳梗塞とは、脳血管の閉塞・重度の狭窄により、血液の供給量が不十分になることで、脳の神経細胞が壊死する疾患です。脳細胞は再生能力がないため、一度死滅した細胞は元には戻りません。 脳梗塞は、主に以下の3つの病型に分類されます。 脳梗塞3つの病型 ラクナ梗塞 アテローム血栓性脳梗塞 心原性脳塞栓症 脳梗塞は、病型によって発症する原因や症状の出方が異なるため注意が必要です。 ラクナ梗塞 脳梗塞の病型の1つに、ラクナ梗塞があります。ラクナ梗塞とは、脳の深部にある穿通動脈と呼ばれる細い血管が詰まり発症する脳梗塞です。 ラクナ梗塞は、脳梗塞の範囲が直径15㎜以下と小さく、症状に気づきにくいのが特徴です。脳梗塞の症状が出現しない場合は、「無症候性脳梗塞」といい、検査で偶然発見されることもあります。 アテローム血栓性脳梗塞 脳梗塞の病型に、アテローム血栓性脳梗塞があります。アテローム血栓性脳梗塞とは、アテローム硬化を発症原因とする脳梗塞です。 アテローム硬化とは、動脈壁に悪玉コレステロール(LDL)や脂質などで作られたプラーク(粥種)を原因とした動脈硬化です。アテローム硬化によりもろくなった血管は、血栓(血液の塊)ができやすいため、脳梗塞になりやすくなります。 心原性脳塞栓症 心原性脳塞栓症は、脳梗塞の病型の1つです。心原性脳塞栓症とは、心臓にできた大きな血栓が、脳血管を詰まらせて発症する脳梗塞です。 心臓の機能が低下すると、血流が滞り血栓ができやすくなります。心原性脳塞栓症は太い脳血管に血栓が詰まるため、症状が重く、後遺症も出やすいのが特徴です。 脳内出血 脳卒中の種類の1つに、脳内出血があります。脳内出血とは、脳の血管が破れて脳内で出血した状態です。 脳内出血の約60%は、高血圧症が発症原因です。 高血圧と動脈硬化によって脳の細い動脈が壊死を起こし、小さな血管のこぶ(微小動脈瘤)ができます。微小動脈瘤に強い力がかかる(高血圧)ことにより、動脈瘤が破れて脳内出血を引き起こします。 アルコール常飲者や肝機能障害者、血小板減少症の患者さんは止血機構の作用が悪いため、脳内出血を起こすと大量出血が起こりやすく注意が必要です。 脳内出血は、脆弱な血管ができる疾患(脳動静脈奇形・もやもや病・血管腫・脳腫瘍など)に合併して発症する可能性もあります。 くも膜下出血 脳卒中の種類の1つに、くも膜下出血があります。くも膜下出血とは、くも膜下腔(脳の表面とくも膜の間のスペース)に出血が起きた状態です。 くも膜下出血の70~80%が、脳動脈瘤の破裂を原因として発症します。脳動脈瘤が破裂した場合は、急激な頭蓋内圧の上昇により激しい頭痛や悪心・嘔吐などの症状が出現します。 頭蓋内圧がさらに上昇すると、周囲の脳組織を圧迫して死に至る場合もあるため注意が必要です。くも膜下出血発症後は、再出血(最も多いのは最初の出血後24時間以内)や水頭症、脳血管攣縮(くも膜下出血後4~14日頃に発生)などが起こる可能性があり、時期に応じたケアが必要になります。 脳卒中の前触れである一過性脳虚血発作について 脳梗塞が起こる前触れを、一過性脳虚血発作(transient ischemic attack:TIA)といいます。一過性脳虚血発作(TIA)は、脳梗塞と同様に突然症状がみられますが、多くは24時間以内に消失し、画像検査でも脳梗塞の所見を認めません。 一過性脳虚血発作(TIA)が起こった場合は脳梗塞に進展する危険性が高いといわれており、早急な原因究明や脳梗塞に準じた治療を行う必要があります。 一過性脳虚血発作(TIA)の症状 半身の脱力 言語障害(呂律がまわらない・言葉が出ない) 半身のしびれ 片側顔面麻痺 視野が狭くなる 一過性脳虚血発作(TIA)の出現から48時間以内に脳梗塞を発症しやすいため、いつもと違うと感じたらすぐに病院へ行くことが重要です。 脳卒中(脳梗塞)の主な症状は? 脳卒中(脳梗塞)の症状は、発症する部位や血管の詰まり方によって異なりますが、主に以下の症状が見られます。 脳卒中(脳梗塞)の主な症状 半身の脱力・麻痺 半身のしびれ 呂律が回らない 言葉が出ない 人のいうことを理解できない めまい・ふらつき 片側顔面麻痺 視野が狭くなる・物が二重に見える 一過性脳虚血発作(TIA)と同じ症状が出現する場合もありますが、時間が経つにつれて症状が重くなりやすいため注意しましょう。 脳卒中の予防と再発を防ぐ方法 脳卒中の予防は、まだ脳卒中を起こしていない方の予防(一次予防)と、一度でも脳卒中を起こしたことのある人の予防(二次予防)に分けられます。 脳卒中を一度起こした人は、原因となる生活習慣や基礎疾患をもっていることが多く、脳卒中の再発リスクが高いといわれています。脳卒中が再発すると、初発のときよりも重症であったり、重度の後遺症が出たりする場合もあるため、再発予防に取り組みましょう。 脳卒中の予防には、下記の危険因子の早期発見や対策が重要です。 脳卒中の主な危険因子 高血圧症 糖尿病 脂質異常症 心房細動 喫煙 飲酒 睡眠時無呼吸症候群(SAS) メタボリックシンドローム 慢性腎臓病(CKD) 日本脳卒中協会は、脳卒中の予防啓発のために「脳卒中予防十か条」と「脳卒中克服十か条」を掲げ、注意を促しています。 脳卒中の一次予防 脳卒中を起こしたことのない人の発症予防を、一次予防といいます。一次予防では、生活習慣の見直しや環境の改善などにより脳卒中を予防します。 健診や脳ドックなどを定期的に受けると、危険因子を早く発見でき、早期からの治療が見込めます。脳卒中を予防するために、喫煙やアルコールを控え、バランスの良い食事と運動を心がけましょう。 脳卒中の二次予防(再発予防) 一度でも脳卒中を起こしたことのある人の再発予防を、二次予防といいます。二次予防では、生活環境の改善や危険因子の管理、服薬の継続が重要となります。 退院後の健康の維持・回復のためには、行動変容が重要で、問題のある保健行動を改善していくことが必要です。入院中から退院を見据え、自分に合った内服管理やリハビリの進め方などを検討しましょう。 脳卒中予防のために改善するべき生活習慣 脳卒中予防のために改善するべき生活習慣は、以下の6つです。 脳卒中予防のために改善するべき生活習慣 血圧 食事 運動 喫煙 飲酒 服薬 脳卒中のリスク因子に生活習慣病があるため、食事や運動などの生活行動を見直し、改善していくことが大切です。改善できる生活習慣から行動変容を起こし、脳卒中のリスクを低減しましょう。 血圧 脳卒中最大の危険因子に、血圧があります。血圧値と脳梗塞の発症率との関係をみると、血圧値が高くなるほど、発症率が急激に高まります。 「健康日本21※」では、国民の平均血圧が2 mmHg低下すると、脳卒中死亡患者は1万人減少し、ADL(日常生活動作)が新たに低下する患者の発生も3,500人減少するといわれています。 ※出典:健康日本21(第三次)|厚生労働省 同じ時間、同じ条件で血圧を測定し記録することを習慣化し、自身の血圧変動を知ることが大切です。 食事 脳卒中予防のために改善すべき生活習慣に、食事があります。偏った食事は高血圧や脂質異常症、糖尿病などを促進してしまうため、栄養バランスの良い食事を摂ることが重要です。 塩分を控えめ(1日10g未満)にし、高脂肪の乳製品は控え、魚や植物性の油を積極的に摂るように心がけましょう。食物繊維やビタミンなどを豊富に含む野菜も摂取するのがおすすめです。 運動 脳卒中予防のために、適度な運動を行うことが大切です。厚生労働省は「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 ※」で、ウォーキングやランニングなどの有酸素運動を、週60分以上行うのが望ましいとしています。 ※出典:健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 |厚生労働省 運動不足の人は、生活習慣病になるリスクが上がり、脳卒中を発症する可能性が高まります。運動する時間がなく有酸素運動の継続が困難な場合は、家事や仕事などで身体を動かすことを意識しましょう。 喫煙 脳卒中予防のために、喫煙習慣がある人は改善することが必要です。喫煙は、脳卒中のリスク因子である動脈硬化の発症率を高めます。 完全にたばこをやめるのが難しい人は、喫煙本数を減らすことから始めましょう。なかなか禁煙できなかったり、喫煙本数が減らなかったりする場合は、禁煙外来の受診を検討するのも1つの手段です。 飲酒 脳卒中予防のために改善するべき生活習慣に、飲酒があります。過剰にアルコールを摂取すると、生活習慣病や動脈硬化などのリスクが高まります。 飲酒は適正量を守ることや週1日程度の休肝日をつくることが重要です。ビールなら 1 日あたり中瓶 1 本(500mL)、日本酒なら 1合(180 mL)くらいまでが、適正量といわれています。 服薬 脳卒中の再発予防のために、服薬管理を徹底しましょう。内服薬を勝手に中断すると、症状が悪化したり、脳卒中が再発したりする恐れがあります。 脳卒中の治療に用いられる薬は、効果が目に見えるものではありません。薬の効能がわからなかったり、副作用が出ていたりする場合は、医師へ相談しましょう。 【まとめ】脳卒中の予防と再生医療について 脳卒中の予防には、脳卒中を起こしていない方の予防(一次予防)と、一度でも脳卒中を起こしたことのある人の予防(二次予防)があります。以下の「3つのR」をポイントに、生活習慣や環境を整えると、脳卒中の発症リスクを低減できます。 脳卒中を予防する3つのR Recognize(危険因子を発見する) Reduce(危険因子を減らす、治療する) Respond(発作に反応する、早期に受診する) 脳卒中を予防するために高血圧や糖尿病にならないように、生活習慣を見直しましょう。 また、脳卒中の再発を防ぐ方法の1つに、再生医療があります。脳卒中の再生医療を受けると、麻痺や言語障害などの症状の緩和が期待できます。 再生医療をご検討の際は、当院へお気軽にご相談ください。
2022.01.26