LICENSE厚生労働省届出済医療機関
第二種・第三種再生医療等提供計画 届出済
リペアセルクリニックは、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に提出し受理されました。
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自己脂肪由来幹細胞を用いた脳血管障害の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた糖尿病の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた肝障害の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた関節症治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた顔面萎縮症、皮膚再生治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた脊髄損傷の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた慢性疼痛の治療
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多血小板血漿(PRP)を用いた変形性関節症の治療
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多血小板血漿(PRP)を用いた筋腱炎、靭帯炎の治療
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多血小板血漿(PRP)を用いた皮膚再生療法
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悪性腫瘍の予防に対する活性化NK細胞を用いた細胞治療
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自己脂肪由来幹細胞と自己前骨芽細胞分化誘導上清液を用いた変形性関節症の治療
これによりまだ国内では認可の少ない、自己の幹細胞を点滴で体内に巡らせ内臓などを再生させる治療、「変形性関節症」などの再生医療および、PRP(多血小板血漿)の関節内投与、さらにPRPや幹細胞を用いた肌の再生を、再生医療等安全確保法のもと、自由診療にて提供できるようになりました。自己の幹細胞を用いる再生医療は、厚生労働省が認めた特定認定再生医療等委員会において、治療の妥当性・安全性・医師体制・細胞加工管理体制など厳しく審査を行い、適切と認められる事ではじめて厚生労働省に治療計画を提出することができ、そこで受理され番号を付与されて、ようやく治療を行うことが可能となります。
自分の細胞を活用し、
蘇らせる「再生医療」とは?
ケガをして傷がふさがる、傷跡が少しづつ薄くなる・・
当たり前のようですが、実はそこには細胞のチカラが働いています。
それはあなたの身体の細胞が、
弱ったところを修復するために皮膚になろう骨になろうとしているのです。
その細胞のチカラを最大限に引き出して治療を行うことを
「再生医療」と呼びます。
リペアセルクリニックの特長
当クリニックは、疾患・免疫・美容という分野すべてで自己細胞を用いた最先端の医療を行うことができる国内でも珍しい部類の厚生労働省への届出が受理された医療機関です。
CPC(細胞加工施設)の高い技術により、冷凍しない方法で幹細胞を投与できるので高い生存率を実現。
ご自身の細胞や血液を利用するため、アレルギーや拒絶反応といった副作用の心配が少ないです。
- 2億個の細胞を
投与可能※但し適応による - 高い
安全性 - 入院不要
日帰り - 身体への
負担が少ない - 高い技術力を
もったCPC
症例紹介
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- コロナ後遺症の症例
- 幹細胞治療の症例
コロナ後遺症のクラッシュ症状(倦怠感)に、幹細胞治療で劇的な改善! こちらの患者様は、2年前からの疲れやすさ、気分の落ち込みを主訴に受診されました。 症状が出現したきっかけは2年前のコロナウイルスの感染です。それまでは映画、音楽や友人とのカフェ巡りなど楽しみが沢山あったそうですが、感染を契機に疲労感が出現し、意欲が低下、何に対しても興味が湧かなくなり、対人関係も避けるようになったそうです。 病院で更年期障害を疑われ、様々なホルモン検査をしましたが異常は見つからず、鬱病と診断され抗不安薬や向精神薬の処方が始まりました。内服薬を開始しても気分の落ち込みは改善せず、根本的な治療を希望され幹細胞治療を頼り受診されました。 新型コロナウイルス感染後に後遺症として精神症状が出現することは広く知られています。一般的な医学用語ではありませんが、コロナの後遺症の患者様がストレスを抱えたときに、急激に症状が悪化し、倦怠感や疲労感が出てしまうこのような症状を“クラッシュ(crash)”と表現するそうです。 原因は免疫調整系への負担、心理的負担、脳神経の損傷などの仮説が挙げられてはいますが、真の原因ははっきりとしていません。治療は不眠症なら睡眠薬、不安症なら抗不安薬、鬱症状には抗うつ薬と症状に応じた投薬での対処療法しかありません。 こちらの患者様には、幹細胞の点滴で脳神経細胞に良い影響をもたらし、精神症状が少しでもよくなることを期待して治療を行いました。 具体的には下腹部から採取した脂肪細胞から幹細胞を分離・培養し、幹細胞のホーミング効果を期待して静脈から点滴します。ホーミング効果とは、体内に入った幹細胞が再生を必要としている部位・組織から放出されるシグナルを見つけ出し、その部位・組織に集まり、目的の細胞に分化したり傷んだ部位・組織を修復することです。 今回は幹細胞が、脳神経細胞を修復してくれることを期待して投与します。当然ながら点滴する幹細胞は生きていないと思うようなホーミング効果は期待できません。当院で使用する細胞は冷凍保存せず投与するたびに培養しているため2回目、3回目に投与する細胞も生存率95%の生き生きとした強い細胞です。さらに当院独自技術の培養シートによる培養を行うため、化学薬品もしておりません。 一般的には、化学薬品によって脂肪から幹細胞を分離しますので、細胞に傷がつき生存率は低下してしまいます。幹細胞に十分なホーミング効果を発揮してもらうには、点滴する幹細胞の数も重要と考えています。当院の細胞培養は、米粒2~3 粒程度の脂肪細胞を採取するだけで2億個以上の数まで細胞培養が可能です。一般的な医療機関では、1度の点滴で1億個の幹細胞投与が限度となります。やはり1度の点滴で2億個投与できる方が高い効果が期待できます。 投与後の変化 幹細胞を3回点滴投与しました。 投与終了後から、頭痛が消えた、肌つやがよくなって若返った、旦那さんに表情が明るくなったと言われた、買い物などの外出が負担でなくなった、よく眠れるようになったなど劇的な効果があらわれました。 幹細胞がどのように作用してこの効果をもたらしたのかは明確ではありませんが、2年間も苦しまれてきた患者様の精神状態がいい方向に向かったのは事実です。 幹細胞治療がコロナウイルス感染後の精神症状で苦しまれている患者様の光となれば嬉しいです。 <治療費> 幹細胞点滴 投与回数(1回) 242万円(税込) <起こりうる副作用> ・脂肪採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 再生医療医師監修:坂本貞範
2024.12.10 -
- 糖尿病の症例
- コロナ後遺症の症例
- 幹細胞治療の症例
コロナ後遺症の吐き気とHbA1Cの数値が、幹細胞治療により減少! こちらの患者様は、2年前から嘔気や高血糖に悩まれており、再生医療を頼って当院を受診していただきました。 症状が出現したきっかけは、2年前のコロナウイルスへの感染です。感染当初は重症化してしまい、3日間ICUに入院、その後は吐き気と嘔吐のため半年もの間入退院を繰り返しました。感染して2年が経ち、やっと少し食事が摂れるようになったそうです。コロナウイルス感染と同時に膵炎にも罹患し、糖尿病も発症してしまいました。 こちらの患者様には、傷んだ胃腸や膵臓の細胞の修復を期待して、幹細胞の点滴を行うこととしました。 具体的には、下腹部から採取した脂肪細胞から幹細胞を分離・培養し、幹細胞のホーミング効果を期待して静脈から点滴します。ホーミング効果とは、体内に入った幹細胞が再生を必要としている部位・組織から放出されるシグナルを見つけ出し、その部位・組織に集まり目的の細胞に分化したり傷んだ部位・組織を修復することです。 今回は幹細胞が、胃腸や膵臓の細胞を修復してくれることを期待して投与します。当然ながら点滴する幹細胞は生きていないとホーミング効果は期待できません。当院で使用する細胞は、冷凍保存せず投与するたびに培養しているため、2回目、3回目に投与する細胞も生存率95%の生き生きとした強い細胞です。 さらに幹細胞に十分なホーミング効果を発揮してもらうには、点滴する幹細胞の数も重要と考えています。米粒2~3粒程度の脂肪細胞を採取するだけで、2億個以上の数まで細胞培養が可能です。一般的な医療機関では1億個投与となりますが、当院では一回の点滴で2億個まで投与できるので、より高い効果が期待できます。 投与後の変化 この方は、2億個の幹細胞を3回点滴投与しました。 幹細胞2回目投与後からは週1回は嘔吐がなくなり、食事も3食しっかりと摂れるようになりました。 糖尿病の数値のHbA1Cも7.7 から6.3に低下しました。 2年間も苦しみ続けてきた吐き気から解放され、患者様には大変喜んでいただけました。私達の提供する幹細胞治療が、コロナウイルス感染の後遺症で苦しまれている患者様の手助けになれば大変うれしく思います。 <治療費> 幹細胞点滴 投与回数(1回) 242万円(税込) <起こりうる副作用> ・脂肪採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 再生医療医師監修:坂本貞範
2024.12.10 -
- 脊髄損傷の症例
- 幹細胞治療の症例
たった1回の幹細胞治療での劇的な改善に驚き! こちらの患者様は両手足のしびれ、両下肢の筋力低下のため受診されました。 症状の出現は3年前からで、複数の病院の神経内科を受診するも診断ははっきりせず、症状の改善もなく不安な日々を過ごしていたそうです。 1年前に整形外科を受診したところ、症状の原因は『頸椎の後縦靭帯の骨化による脊柱管の狭窄(後縦靭帯骨化症)』であると原因がやっと判明しました。すぐに頸椎の手術を受け、狭くなった脊柱管を広げましたが、残念ながら症状の改善はほとんどありませんでした。不運なことに手術後は創部感染を併発してしまい、大変な思いをしたそうです。 当院初診時には、歩行は下肢の筋力低下のため不安定であり、両手の使いにくさ(巧緻運動障害)も認めました。現在の保険診療内では神経の物理的な圧迫を取り除く手術を行っても神経機能の回復がみられなかった方への根本的な治療法は残念ながらありません。手術がもっとも侵襲的であり治療効果が見込める最終手段となっているのです。 しかし近年、幹細胞治療によりそういった状況に陥った方でも神経機能の回復が見られる症例が多数報告されるようになりました。当院では神経損傷の幹細胞治療の黎明期から苦しんでいる患者様の手助けをしたいとの思いで積極的に取り組んできました。 当院では幹細胞の投与方法にこだわりをもっています。通常は脊髄損傷の幹細胞治療は点滴による静脈注射です。しかし血管に入った幹細胞は全身に駆け巡るので、損傷した脊髄に届く幹細胞の数は少なくなってしまいます。損傷した神経細胞へより多くの幹細胞を届け修復を促したいとの思いから当院では脊髄内への直接投与(脊髄腔内ダイレクト注射)を行っております。 MRI初見 受診時のMRIでは第4頸椎から第1胸椎までの椎体の後ろ側の靭帯(後縦靭帯)が骨化し肥厚していましたが、手術により脊柱管の狭窄は軽度になっていました。 脊髄腔内に直接幹細胞を3回投与 脊髄腔内に3回にわけて2500万個細胞ずつ、合計7500万個細胞、点滴で1回一億個細胞を投与する治療計画を立てました。 まだ治療途中でありますが、1回目の脊髄腔内投与後直後から、左足の筋力がMMT5(強い抵抗に打ち勝って動かせる:正常の力)まで明らかな改善を認めました。 その後、2回目、3回目と幹細胞を投与することで、四肢のしびれは半分になりました。立位から下まで蹲踞(そんきょ)、つまりしゃがみ込むことができませんでしたが、投与後はしっかりとしゃがみ込み、さらにそこから立ち上がることもできるようになりました。 そして、左足での片足立ちまでできるようになりました。 そのあまりの効果に「大変な思いをして手術を受けたにも関わらず症状の改善がなかったのに、たった1回の注射でこんなに劇的な改善がみられるなんて信じられない。」と喜びながら話していただけました。私達も幹細胞治療の効果にあらためて驚かされました。このように患者様に喜んでいただけると、私達にとってもすごく励みになリました。 https://www.youtube.com/watch?v=zRaQYBJNrS8 https://www.youtube.com/watch?v=Al-Le33z04w&t=57s https://www.youtube.com/watch?v=g2C435Z2YhQ <治療費> 198万円(税込) <起こりうる副作用> ・脂肪採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 再生医療医師監修:坂本貞範
2024.11.20 -
- 糖尿病の症例
- 肝臓疾患の症例
- 幹細胞治療の症例
幹細胞治療後6か月で数値が正常値に! こちらの患者様は2年前からの糖尿病と肝機能上昇で受診されました。 2年前に暴飲暴食がたたり、近医でHbA1c13との結果が出て『糖尿病』と診断されました。HbA1cとは過去数か月の血糖値の平均を示す指標で、正常値は6%台以下です。食事療法と内服でHbA1cは8%台まで下がったそうですが、内服薬が手放せないそうです。 糖尿病とは、血液中の糖が増えて血糖値が高い状態です。予備軍も含めた糖尿病の日本人は2016年の時点で2000万人にものぼると言われてます。血糖値が高いままだと閉塞性動脈硬化、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症などの各種臓器障害が引き起こされてしまうため、血糖値をコントロールしないといけません。 糖尿病の原因は、負担がかかって傷んでしまった膵臓が血糖値を下げるインスリンを分泌できなくなることや、身体がインスリンに抵抗してしまい血糖値が下がらなくなること(インスリン抵抗性)です。こちらの患者様の場合は、血液検査でインスリンが過剰分泌されていたのでインスリン抵抗性に問題があると判断しました。 一度糖尿病になってしまうと、保険診療の範囲内では血糖降下薬やインスリン注射を行う対処療法しか、傷んだ膵臓を回復させたりインスリン抵抗性を改善させる根本的治療はありません。私達は傷んだ膵臓やインスリン抵抗性を根本的に治すことが大事であると考え、糖尿病の幹細胞治療にも力を注いできました。 具体的には下腹部から採取した脂肪細胞から幹細胞を分離・培養し、幹細胞のホーミング効果を期待して静脈から点滴します。ホーミング効果とは、体内に入った幹細胞が再生を必要としている部位・組織から放出されるシグナルを見つけ出し、その部位・組織に集まり目的の細胞に分化したり、傷んだ部位・組織を修復することです。 糖尿病の場合には、幹細胞が傷んだ膵臓を修復してくれたり、インスリン抵抗性を改善してくれることを期待して投与します。もちろん点滴する幹細胞は生きていないと思うようなホーミング効果は期待できません。当院で使用する細胞は冷凍保存せず投与するたびに培養しているため、2回目、3回目に投与する細胞も生存率95%の生き生きとした強い細胞です。 さらに幹細胞に十分なホーミング効果を発揮してもらうには点滴する幹細胞の数も重要と考えています。当院の細胞培養は細胞培養技術がトップクラスの施設と提携して行うため米粒2~3粒程度の脂肪採取を採取するだけで2億個以上の数まで細胞培養が可能です。幹細胞投与の治療効果は細胞数が多ければ多いほど効果が高いことがわかっており、2024年からは厚生労働省へ届出が受理されたことにより2億個の幹細胞を投与できようになりました。これにより今後は従来のMAXで1億個の幹細胞より高い治療効果が期待できます。 投与後の変化 1億個細胞を計5回点滴投与しました。患者様の実際のデータがこちらです。 投与前 6か月後 HbA1c 9.1 6.3 AST 88 36 ALT 113 43 中性脂肪 400 112 投与終了後6か月でHbA1cは9.1→6.3まで下がり、過剰分泌されていたインスリンも正常値に戻りました。 また、ASTが 36 →88 、ALTが 113 → 43まで下がり、さらに中性脂肪の値が400であったのが正常値の112まで下がりました。 患者様からは「この状態を維持できるように食事療法にも力を入れていきたいです。」と話していただけました。 厚生労働省届出済【2億個の幹細胞】投与を実現 2024年1月より、当院では厚生労働省への届出が受理されたことにより、点滴において、一度に2憶個の幹細胞投与が可能となりました。これにより、従来の幹細胞1億個の投与よりも高い治療効果が期待できるようになりました。 <治療費> 幹細胞点滴 投与回数(1回) 242万円(税込) <起こりうる副作用> ・脂肪採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 再生医療医師監修:坂本貞範
2024.11.09
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藤間医師のブログ
スタッフブログ
トピックス
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- 脳卒中
- 脳梗塞
脳卒中の種類と予防!再発を防ぐために? 脳卒中とは、脳の血管障害が原因で発症する疾患群の総称で、脳の血管が破れたり、詰まったりして起こる病気です。 脳卒中の症状は突然起こることが多く、「ついさっきまで元気だったのに、突然手足が動かなくなった」というような急性発症のエピソードを訴え、具体的な時間も言える場合が多くあります。 今回は、脳卒中の種類について、さらに「一次予防」と「二次予防」と呼ばれる予防法についても解説していきます。 脳卒中の種類 脳卒中は、大きく、血管が詰まることで発症する「虚血性脳卒中」と、血管が破れて発症する「出血性脳卒中」に分けられます。 虚血性脳卒中の代表疾患としては脳梗塞が、出血性脳卒中の代表疾患としては、脳出血やくも膜下出血があります。 脳卒中は、2019年2月現在、わが国の死因の第3位を占めます(第1位:がん、第2位:虚血性心疾患)。寝たきりの原因としては第1位であり、寝たきりとなった患者さんの約40%は脳卒中が原因です。 脳卒中には高血圧、脂質異常症、糖尿病、喫煙など、いわゆる生活習慣病が大きく関与しています。また、食生活の欧米化などにより、日本人の脳卒中(特に脳梗塞)の割合が増加しています。 ■脳出血 脳出血とは、脳の血管が破れて脳内で出血した状態をいいます。脳出血の多く(約60%)は、高血圧症を基盤とします。高血圧と動脈硬化により脳の細い動脈が壊死を起こし、小さな血管のこぶ(微小動脈瘤)ができます。 強い力(高血圧)がかかることにより、その微小動脈瘤が破れて脳出血を引き起こします。アルコール常飲者、肝機能障害者、血小板減少症の患者さんでは止血機構の作用が悪く、大量出血になる傾向があります。 高血圧のほかには脆弱な血管ができる疾患(脳動静脈奇形、もやもや病、血管腫、脳腫瘍など)の合併症として脳出血が起こることもあります。 ■くも膜下出血 くも膜下出血とは「くも膜下腔(脳の表面とくも膜の間のスペース)」に出血が起きた状態です。原因の多くは脳動脈瘤の破裂で、くも膜下出血の70~80%にあたります。 脳動脈瘤が破裂した場合、急激な頭蓋内圧の上昇により激しい頭痛や悪心・嘔吐、項部硬直などが、さらに脳灌流の低下により意識障害が出現します。 また、頭蓋内圧がさらに上昇すると、周囲の脳組織を圧迫して死に至ることもあります。くも膜下出血発症後の病態としては、再出血(最も多いのは最初の出血後24時間以内)や水頭症、脳血管攣縮(くも膜下出血後4~14日頃に発生)などがあり、時期に応じたケアが必要になります。 ■脳梗塞 脳梗塞とは脳へと伸びる血管が閉塞したり、重度の狭窄を起こしたりして血液の供給が十分でなくなった場合、血管の支配領域の細胞が栄養不足から死に至ります。 まれに、脳の静脈が詰まることで血液の流れが悪くなり、脳梗塞が起こることもあります。脳細胞は、皮膚などとは違って再生能力がないため、一度死滅した細胞はもとには戻りません。 このように、脳細胞が不可逆的に障害された状態を「脳梗塞」といいます。脳梗塞は、主に3つの病型(ラクナ梗塞、アテローム血栓性梗塞、心原性脳塞栓症)に分類されます。 また、脳梗塞が起こる前触れの状態を「一過性脳虚血発作(transient ischemic attack:TIA)」といいます。脳梗塞と同様に突然症状がみられますが、多くは24時間以内に消失し、画像検査でも脳梗塞の所見を認めない場合を指します。 TIAはその後、脳梗塞に進展する危険性が高いといわれており、早急な原因検索や脳梗塞に準じた治療を行う必要があります。 脳卒中の予防と再発予防 脳卒中を一度起こした人は、原因となる生活習慣や基礎疾患をもっていることが多く、脳卒中を再発するリスクが高いといわれています。脳卒中が再発すると、初発のときよりも重症であったり、重度の後遺症が残ることもあるため、再発予防が重要となります。 再発予防には、生活習慣の改善が必要となり、看護師は患者の生活背景を把握し、それぞれの患者にあった生活指導をしていくことが重要です。 脳卒中の予防 脳卒中の予防には「一次予防」と「二次予防」があります。 脳卒中を起こしたことのない人の発症予防を「一次予防」といい、生活習慣の見直しや環境の改善などにより脳卒中を予防します。また、健診などを受けることで危険因子を早く発見し、治療することが重要となります。 対して、一度でも脳卒中を起こしたことのある患者の再発予防を「二次予防」といい、こちらも生活環境を改善し危険因子を管理すること、また服薬を継続することが重要となります。 脳卒中の危険因子には主に、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、心房細動、喫煙、飲酒、睡眠時症候群(SAS)、メタボリックシンドローム、慢性腎臓病(CKD)があげられ、日本脳卒中協会は、脳卒中の予防啓発のための「脳卒中予防十か条」、脳卒中の再発予防のための以下のような「脳卒中克服十か条」を掲げて注意を促しています。 脳卒中の一次予防 脳卒中の2次予防(再発予防) 退院後の健康の維持・回復のためには、問題のある保健行動を改善していく必要があり、これを「行動変容」といいます。この行動変容が患者教育・退院指導の主な目的となり、行動変容のためには3つの条件があります。 行動変容のための3つの条件 ■知識 患者さんが何を行うべきか、その理由は何かを知る必要があり、看護師は脳卒中という疾患について、生活環境の改善方法、内服薬継続の必要性を説明し、指導する必要があります。 この際、上記にあげた「脳卒中予防十か条」に沿って説明していくと、患者さんにもわかりやすく説明ができます。コメディカルと連携し、例えば食生活については管理栄養士による栄養指導、運動についてはセラピスト(PT、OT、ST)による自宅で続けられる運動の指導、服薬管理については薬剤師による服薬指導を実施することも効果的な方法です。 ■意欲 患者さんに知識を共有しても、指導内容を継続できなければ意味がありません。指導後、患者さんが実際に行動を導入したり、行動継続の過程において重要となるのが「自己効力感」です。 自己効力感とは「目的とする結果を得るために必要な行動をうまく実行できる確信」と定義されており、この“できるかもしれない”という確信が、行動に移す意欲を促すとされています。 ■技術 技術には無理なく行動を変えるための技、知恵、コツなどが含まれます。そのなかの1つが「小さな目標設定」です。 例えば、生活習慣の改善として適度な運動が挙げられますが、健康増進のためには有酸素運動(30分のウォーキングを週3回行うなど)がよいとされています。 しかし運動習慣のない人にとっては、実現できるのだろうかと不安に思い、行動に移せないことも考えられます。そのような患者さんに対する退院指導では、「バス停1つ分を歩く」「3階までなら階段を使う」など実現できそうな目標を設定し、達成できれば少しずつ目標を上げていくといった提案をしていくことも重要です。 この“小さな目標を達成できた”という気持ちが、自己効力感を高めることにもつながります。 次に、再発予防指導の内容を具体的に紹介していきます。 再発予防指導による生活習慣の改善 ■血圧 脳卒中最大の危険因子といわれており、血圧値と脳梗塞の発症率との関係をみると、血圧値が高くなるほど、発症率が急激に高くなっていきます。 「健康日本21」では、国民の平均血圧が2 mmHg低下すると、脳卒中死亡患者は1万人減少し、ADL(日常生活動作)が新たに低下する患者の発生も3,500人減少するといわれています。 その為には普段から栄養バランスのよい食事を摂るように意識し、塩分の摂りすぎに注意したり、適度な運動をすることが大切です。 また血圧を測る習慣をつけ、血圧を管理することも必要です。 同じ時間、同じ条件で測定し記録するように指導しましょう。高血圧と診断された患者さんは、薬物療法で血圧を正常に保っておくことも重要です。 ■食事 偏った食事は高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満、動脈硬化を促進してしまうため、標準体重に対する適切な1日の摂取エネルギー量を目安にした、バランスのよい食事を摂ることが必要です。 塩分控えめ(1日10g未満)、高脂肪の乳製品は控え、魚や植物性(オリーブ油など)の油を積極的に摂るように心がけます。また、食物繊維の多い食事もよいでしょう。 ■運動 ウォーキングなどの有酸素運動を30分以上、週 3 回程度行うのが望ましいといわれています。運動を習慣化するためには、毎日10分程度のストレッチ体操を取り入れるのも効果的です。 ■喫煙 喫煙は百害あって一利なしであり、患者には禁煙を指導する必要があります。禁煙に自信がない患者さんには、「禁煙外来」の受診を勧めるのも 1 つの方法です。 ■飲酒 飲酒は適正量を守ることが重要です。ビールなら 1 日あたり中瓶 1 本(500mL)、日本酒なら 1 合(180 mL)くらいまでといわれています。週1日程度の休肝日をつくることも大切です。 ■服薬 脳卒中の中でも、脳梗塞の再発予防のための抗血栓薬は、効果がみえるものではありません。そのため、勝手に中断したり、手術や検査のために中止になり、そのまま再開されずに未内服となったりすることがあります。 抗血栓薬が何のための薬剤かを説明し、継続の必要性を伝えることが重要です。 まとめ・脳卒中の種類と予防!再発を防ぐために?! 脳卒中を起こすと失語などの高次脳機能障害が残ります。理解力が十分でない患者に対しては、家族も一緒に指導するなどの工夫が必要です。 食事は配偶者など同居している家族が作ることも多く、特に栄養指導は家族も一緒に行うことが重要です。患者の症状、生活歴をふまえ、指導の対象を考えることが必要となります。 また、脳卒中早期発見の啓発も行っていかなければなりません。血栓溶解療法は、脳梗塞発症後4.5時間までしか使用できません。 「顔・腕の麻痺」「言葉の障害」など、脳卒中の疑いがあれば 1 秒でも早く救急要請し、治療を開始しなければならないことを、家族をふくめて説明する必要があります。 最後に、脳卒中予防の秘訣に「3つの“R”」がありますのでそちらを紹介します。 1.Recognize(危険因子を発見する) 2.Reduce(危険因子を減らす、治療する) 3.Respond(発作に反応する、早期に受診する) 以上のことを実行すれば、脳卒中の危険性はかなり下がり、発症後の後遺症も比較的軽く抑えることができるでしょう。 この記事がご参考になれば幸いです。
投稿日:2024.11.19 -
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- 脳梗塞
脳卒中は発症後どれだけ早く初期治療を受けられるかで、その後の回復に大きな影響を与えます。 本記事では「脳卒中発症後の初期治療の重要性」について詳しく解説します。 脳卒中の発症後はできるだけ早い対応が求められるため、自分や家族が倒れた時にすぐ対応できるようにしましょう。 機能回復に重要なリハビリや再生医療による治療方法についても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。 脳卒中(脳梗塞)は3時間以内の初期治療が重要 脳卒中には「脳梗塞」「脳出血」「くも膜下出血」の3種類があり、発症してしまうと時間との戦いです。 特に「脳梗塞」は、初期治療を受ける時間がその後の回復に大きな影響を与えます。 【初期治療を受けるまでに好ましい時間】 ・脳梗塞は発症から3時以内の初期治療が鍵となる ・脳出血は発症後1~6時間で出血が止まるが早期受診が必要 ・くも膜下出血は早急に救急車を呼ぶ 脳卒中を疑ったら可能な限り早く専門医を受診しましょう。 脳の障害は発症後、時間が経つほど症状が大きくなり後遺症も重度になる可能性が高いです。 それとは逆に、早期診断や早期治療開始を行うことで、後遺症が軽くなることがあります。また脳梗塞では、発症してから4.5時間以内、8時間以内の患者さんのみに行える特殊な治療があります(t-PA点滴治療、血管内治療)。 脳梗塞は発症から3時以内の初期治療が鍵となる 脳梗塞を発症後、3時間以内に初期治療を受けることが重要です。 【脳梗塞とは】 脳に血液を送る血管が詰まり、脳に血液が流れなくなることで脳の神経細胞が死んでしまう病気のこと 脳に血液が流れなくなってから3時間以上経ってしまうと、脳細胞が死んでしまいます。 後遺症につながるため、脳細胞が死んでしまう3時間以内に脳の血管の詰まりを改善させることが、その後の回復に大きな影響を与えます。 気を失って倒れるなどの重度な症状でなくても脳梗塞の疑いを持った場合は、早めに医療機関に相談しましょう。 https://youtu.be/nImMy68lviU?si=xR2kFfwaLrw6Cxz9 脳出血は発症後1~6時間で出血が止まるが早期受診が必要 脳出血(脳内出血)は発症から1〜6時間程度で出血が止まりますが、意識障害など重症になる可能性があるため、早期受診しましょう。 【脳出血(脳内出血)とは】 脳内の血管が破れて脳内に出血する病気のこと 出血した血液が固まって血腫となり脳を圧迫することで吐き気や意識障害などを引き起こす 脳出血を発症してから6時間以上経過しても、意識障害などの重度な症状が出ない場合は手術せずに様子をみることが多いです。 しかし、発症後に意識障害まで悪化してしまうと命に関わる可能性があります。 早期受診することで症状が悪化した時に病院ですぐ対応できるようにすることが重要です。 くも膜下出血を発症した場合は早急に救急車を呼ぶ くも膜下出血を発症した場合は、できる限り早く医療機関へ搬送できるよう救急車を呼びましょう。 【くも膜下出血とは】 脳の血管が破裂したことで、脳の表面を覆っているくも膜と軟膜の間にある「くも膜下腔」に出血が起こる病気のこと くも膜下出血の原因でもっとも多い脳動脈瘤が破裂してしまうと、24時間以内に再破裂する可能性が高いです。 再破裂して出血すると死亡率は約50%といわれており、初期治療では再出血の予防が重要になります。 主な初期症状は「突然の激しい頭痛」「嘔吐」「意識障害」などがあり、一時的に症状が治ることもあるため、異変を感じたらすぐに医療機関へ相談しましょう。 https://youtu.be/Aid9jdQOKmk?si=TOn793Tu3e7pGWs2 脳卒中の初期症状に当てはまる場合は一刻も早く病院へ 脳卒中や脳梗塞というと「突然、意識を失い倒れる病気」とイメージする方も多くいると思いますが、このようにひどい症状で発症するのはほんの一部に過ぎません。 以下のような初期症状が突然起こった場合、早めに医療機関へ相談しましょう。 ・ろれつが回らない・食事中にはしを落とす・片目が見えない ・視野が半分になる・顔の半分と片方の手足の感覚がおかしい・言葉が理解できない ・言いたいことが言えない・半身に力が入らず歩きにくい・バランスがとれない ・突然の強い頭痛や吐き気・意識がもうろうとする・急に興奮して暴れ出す ・ひどいめまい・けいれん発作 など 脳は障害を受けた場所により症状が異なります。脳は大脳・中脳・小脳・間脳・橋・延髄などに分けることができ、その部位ごとに役割が違います。 また大脳は前頭葉・側頭葉・頭頂葉・後頭葉に区分けでき、それぞれで司る機能が違うため、脳卒中により障害を受けると、その部位により様々な症状が現れます。 症状は急に現れることが多く、だいたいの場合、発症時刻がはっきりしています。例えば夜中にトイレで起きた際や、朝起きた際、あるいは日中に急に発症するというパターンがほとんどです。 最初にみられた症状が徐々に軽くなり、そのまま消えることもあり、これを「一過性脳虚血発作※」といいます。 ※一過性脳虚血発作(Transient Ischemic Attack:TIA) 脳梗塞の前触れとして、脳梗塞と同じ症状が短時間(数分~数十分、長くても24時間以内)だけ出現するものを、「一過性脳虚血発作」といいます。 症状が一時的で比較的軽いため、たいしたことはないと安易に考えがちですが、本質は重症の脳卒中発作と同じメカニズムで起きているので、そのうち再起不能の発作に襲われる危険性が高いとみるべきです。前触れをそのまま放置するか、すぐに病院を受診して適切な治療を受けるかによって、予後が大きく変わるのはいうまでもありません。 脳卒中で自分や家族が倒れた時にやるべきこと 脳卒中で自分や家族が倒れた時にやるべきことや、対応のポイントを解説します。 ・まずやるべきこと ・意識がない時の対応ポイント ・急性脳卒中のガイドライン/FAST 脳卒中で倒れるほどの症状が出ている場合は、時間との戦いです。 後遺症のリスクを抑え、回復する確率を少しでも上げるために、できるだけ早く医療機関を受診して初期治療を受けましょう。 まずやるべきこと 自分や周りの人で脳の異常が疑われる症状がみられた場合は、速やかに適切な対応を取りましょう。 意識がある時 とにかく周囲に助けを求め、できるだけ動かずその場で横になることが原則です。周囲の人は、マットや毛布の上に患者さんを乗せて、広いところに移動して寝かせましょう。 これは脳への血流を保つこと、血圧上昇による出血の悪化や、再出血を予防するためです。横になれる場所が近くになくても、自分で立って歩くべきではありません。 なぜなら脳の血管が詰まって症状が出ている時には、歩くことで脳への血流が悪くなり、脳の障害がひどくなる恐れがあるからです。 意識がない時 こちらからの呼びかけや、体をゆすっても反応がまったくない、一時的に目を開けてもまたすぐに閉じて眠り込んでしまう、さらに目は開いていても応答が曖昧な場合は、周囲の人が慎重に機敏に対応しなくてはなりません。 救急車を呼ぶ 脳卒中が疑われる時は、一刻も早く専門医の受診が必要になります。通院治療中のかかりつけ医がいる場合は、専門の医療機関を紹介してもらうのが良いでしょう。 すぐに連絡がつかない場合は、直ちに119番に電話し、救急車を呼びましょう。受診予定の病院には、あらかじめかかりつけ医や救急隊から連絡し、搬送予定の患者の病状を説明した上で受け入れ可能か確かめておけば無駄な時間を省いて搬送できます。 重症の場合ではもちろんですが、軽症と思われる時も救急車を利用しましょう。これは一刻も早く救急搬送するためであり、また搬送の途中で急に容体が悪化することも十分あり得るからです。 もしも救急車が他の現場へ出動中などで到着に時間がかかる時は、患者さんに横向きに寝てもらって、家族や周囲の人が車を運転し、病院へ運んでください。 ただし、患者さん本人が運転したために大事故を起こした例や、手遅れになるほど病状が悪化した例もあるため、患者さんが自分で運転して病院へ向かうのは絶対にやめましょう。 意識がない時の対応ポイント 倒れたまま意識がない時は救急車が到着するまで、以下のポイントを意識して対処しましょう。 1.適切な場所への移動 ・敷物などに寝かせ、処置や運び出しがしやすい場所に移動 ・戸外であれば、風通しのよい日陰に移動させる ・頭をできるだけ動かさない(特に前に曲げない) 2.気道の確保と誤飲の防止 ・頭を前屈させない(=枕をしない) ・いびきや呼吸が苦しそうな時は、バスタオルや座布団などを巻いて肩の下に敷く(首を反らせ気味にすると、呼吸が楽になることが多い) ・嘔吐しそうな時は、誤飲や窒息を防ぐため体ごと横向きに寝かせる(麻痺がある時は、麻痺側を上に向ける) 3.環境調節 ・上着のボタンを外し、ズボンのベルトを緩める ・眼鏡、腕時計などのアクセサリー、入れ歯を外す ・照明をやや暗く、室温を20℃程度にして換気をする 脳卒中発症後すぐに生命の危険があるのは、重症のくも膜下出血を除けばほとんどありません。 落ち着いて上記の3点をすぐに実行してください。 急性脳卒中のガイドライン/FAST 急性脳卒中を診断する際には、「FAST」と呼ばれるガイドラインが使用されます。FASTは、脳梗塞を早期発見するためにチェックするポイントの頭文字を合わせたものです。 ■FACE:顔 うまく笑顔が作れますか? 片側の顔だけが歪んでいたり、ひきつっていないか、顔の麻痺状態をチェックしましょう。 ■ARMS:腕 腕を上げたままキープできますか? 両腕をゆっくりと上げ下ろししてみて、腕の麻痺が起きていないかどうかをチェックします。もしも両腕を前に上げた際に、片腕だけが脱力して腕が上げられなければ要注意です。 ■SPEECH:話 短い文がいつも通り話せますか? 簡単な問いかけ(例えば本人の名前や今日の日付など)をしてみて、正しい返答があるかどうかをチェックしましょう。 ■TIME:時間 発症時刻を確認。 脳梗塞の場合、発症してからの時間によって治療内容が変わります。発症後2〜3時間以内であれば、薬物により血栓を溶かす治療が可能となることがあります。 ▲ 周りにいる人が突然倒れたり、自分でおかしいなと思ったら、上記の4点を確認して、速やかに救急車を呼びましょう「F・A・S」のチェックのうち、ひとつでも項目が確認できたら、発症した時刻を確認して、速やかに救急車を呼びましょう。 脳卒中へと繋がる生活習慣病 脳卒中は、高血圧や糖尿病、高脂血症など「生活習慣病」を持っている人に起こりやすいとされています。 これらの病気は、動脈硬化の原因となったり、心臓に血液のかたまりをつくり、それが血管にのって飛んでいき、脳の血管をふさいだりします。 また、こうした病気においては、 ・脂質、塩分、糖分の摂り過ぎ ・喫煙や酒の飲み過ぎ ・運動不足 ・過剰なストレス といった生活環境が深く関係しているため「生活習慣病」と名付けられています。 さらに、性別や遺伝的素因、年齢なども脳卒中発症に深くからんでおり、これらをまとめて 「危険因子」と呼びます。危険因子をもつ人は、予備軍であると心得て、生活環境を見直して危険因子を減らし、生活習慣を改善すべきです。 脳ドックについて また脳卒中の危険因子が多い人は、日頃から脳ドックを受けるなどで脳卒中発症前の予防に努めるのも良いでしょう。以下に当てはまる方は一度「脳ドック」を受けてみるべきといえます。 ■40歳以上でまだ一度も脳ドックを受診したことがない ■高血圧、脂質異常(高脂血症)、動脈硬化などの診断を受けている ■家族や血縁者に脳卒中になった人がいる。もしくは糖尿病、高血圧の傾向がある ■飲酒、喫煙の習慣がある 脳ドックの検査項目には以下のようなものがあります。 ・MRI(磁気共鳴断層撮影) ・MRA(脳血管撮影) ・マルチスライスCT ・超音波検査 ・脳波測定 ・血圧測定 ・血液検査 ・尿検査 ・心電図 ・眼底検査 脳卒中後の回復には早期のリハビリが重要 脳卒中の治療後、さまざまな後遺症が残ってしまう可能性があり、機能回復のために早期のリハビリが重要です。 一般的に脳卒中の発症から6ヶ月後までは、ダメージを受けた脳の神経ネットワークが再構築すると考えられているため、後遺症が回復する見込みがあります。 そのため、発症から6ヶ月後までの「回復期」と呼ばれる期間にリハビリを積極的に行いましょう。 また、脳卒中の後遺症には先端医療である「再生医療」による幹細胞治療が注目されています。 【脳卒中に対する再生医療とは】 患者さんの幹細胞を培養して数を増やし、幹細胞がいろいろな組織に変化する性質を利用して死んでしまった脳細胞を再生させる治療方法 一度死んでしまった脳細胞は戻らないといわれています。 しかし、近年では再生医療による治療で機能しなくなった脳細胞が復活し、脳卒中の後遺症が改善できることがわかってきました。 脳血管障害に関する再生医療の研究が進んだことで安全性や効果が認められ、世界でも注目される治療法です。 https://youtu.be/pSaJBptY3Bc?si=FFRJNuKB_b0s4jk3 以下のページでは脳卒中の再生医療について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。 【まとめ】脳卒中の発症後は時間との戦い!その時に取るべき行動や知っておきたいこと 脳の障害では、早期発見や早期治療がその後の予後に大きく関わります。 何か異常がみられた際は様子を見るのではなく、少しでも早い対応をとりましょう。 また自分が脳卒中の危険因子に当てはまる場合は、生活習慣を見直し、検診を受けるように心がけましょう。 この記事がご参考になれば幸いです。 監修:リペアセルクリニック大阪院
投稿日:2024.12.04 -
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脳卒中(脳出血)発症後は、さまざまな後遺症や神経症状が現れる場合があります。 脳出血を起こし日中寝てばかりいると、活動性が低下したり、精神的な症状も出現したりする可能性があります。 脳卒中の後遺症と上手に付き合っていけるように、自分自身に合った対策をとりましょう。 この記事を読むと分かること ・脳卒中(脳出血)の後遺症による神経症状の種類・障害 ・脳卒中(脳出血)の後遺症による精神的症状・心理的変化 ・脳卒中の後遺症による精神的症状を緩和するためには? 脳卒中(脳出血)になってから寝てばかりなのは後遺症? 脳卒中はなんらかの理由で脳血管が障害される病気の総称で、以下の3つが含まれます。 ・脳梗塞 ・脳出血 ・くも膜下出血 いずれかの症状が出てから寝てばかりいる場合は、後遺症の可能性があります。日中寝てばかりになってしまう理由は、主に障害部位による運動機能の低下や心理的要因です。 後遺症が日常生活に影響を及ぼすとストレスを感じやすく、活動性の低下にもつながります。 脳卒中(脳出血)の後遺症による神経症状の種類・障害 脳卒中の後遺症として現れる神経症状は多岐にわたり、日常生活に支障をきたします。 1.運動障害 2.言語障害 3.感覚障害 4.嚥下障害 5.排尿障害 6.感情障害 脳卒中が起こる部位によって、出現する神経症状の種類や障害の程度は異なります。 1.運動障害 脳卒中の後遺症による神経症状の1つは、運動障害です。脳の運動に関わる部位がダメージを受けると、身体を思い通りに動かせなくなります。 運動障害の1つである麻痺は、症状の程度や出現する部位によって名称が決まっています。 麻痺や運動障害の重さ 痙縮 ・筋肉が重く、突っ張った感じがする程度 不全麻痺 ・部分的な麻痺、わずかな麻痺 完全麻痺 ・まったく動かない麻痺 不随意運動 ・無意識に手足が動いてしまう異常運動 例)健側に力を入れると麻痺側の手足が勝手に動く 運動失調 ・筋力低下や麻痺がないにも関わらず、協調運動ができない状態 例)小脳の障害により、歩行バランスが悪くなり上手に歩けなくなる 麻痺の現れる部位別の名称 単麻痺 ・片半身の上肢あるいは下肢だけの麻痺 片麻痺 ・右半身あるいは左半身の上下肢の麻痺 脳梗塞、脳出血、脳腫瘍、脳の外傷などで起こる 対麻痺 ・両下肢の麻痺 スポーツや交通事故、転落・落下による脊髄損傷で起こる場合が多い 四肢麻痺 ・両側の上肢と下肢の両方が麻痺した状態 脊髄損傷や脳性麻痺などによって起こる 脳卒中の発症部位の反対側に運動障害が現れることを「半身麻痺」といいます。障害部位と反対側に麻痺が起こる理由は、脳からの指令を全身に伝達する神経が首のあたりで交差しているためです。 ・右脳に障害がある場合は、左半身の運動機能が障害されて左半身麻痺になる ・左脳に障害がある場合は、右半身の運動機能が障害されて右半身麻痺になる 2.言語障害 脳卒中の後遺症による神経症状に、言語障害があります。言語障害は、構音障害(運動障害性構音障害)と失語症に分けられます。 脳の障害部位により、うまく話せない理由が異なるため注意が必要です。 構音障害(運動障害性構音障害) 脳卒中の後遺症による言語障害に、構音障害(こうおんしょうがい)があります。構音障害は声が出にくかったり、呂律が回らなかったりする言語障害です。構音障害が起こると、口や舌などの発声・発語器官がうまく機能しなくなってしまいます。 失語症 脳卒中の後遺症の1つに、失語症があります。失語症とは、脳の言語中枢が障害されて考えている言葉とは異なる言葉が出たり、聞いた単語を理解できなくなったりする症状です。 失語症の患者さんは、”言葉がわからない国に、突然放り出されたような状態”です。相手の言葉を理解できず、自分の思いも上手に伝えられないためコミュニケーションにストレスを感じやすいのが特徴です。 3.感覚障害 脳卒中の後遺症に感覚障害があります。感覚神経の異常反応によって視覚・聴覚などの知覚に異常が生じたり、鈍くなったりする障害です。 半身の感覚が麻痺したり手足がしびれたりすると、痛覚や温度感覚などが鈍くなる感覚障害が現れる場合があります。 4.嚥下障害 脳卒中を発症すると、嚥下障害(えんげしょうがい)が起こる可能性があります。嚥下障害は、食べ物の飲み込みが上手にできなくなる症状です。 嚥下(飲み込み)障害には、窒息や誤嚥性肺炎のリスクもあるため注意が必要です。 5.排尿障害 脳卒中により排尿に関わる神経が障害されると、排尿をコントロールできなくなる症状が現れます。 排尿障害の症状例は、以下のとおりです。 ・失禁 ・頻尿 ・尿が出ない ・尿意を感じない 排泄に関する症状はデリケートな内容であるため、周囲の人に伝えられずにストレスを感じる場合もあります。 6.感情障害 脳卒中(脳出血)の後遺症に、感情障害があります。感情障害で出現する症状は、以下のとおりです。 ・意欲の低下 ・感情失禁(少しのことで、喜怒哀楽が激しく現れる) ・幻覚や妄想 また、気分障害の一種である「うつ病」になる場合もあります。うつ病は気持ちの落ち込みが長く続き、心の持ちようや精神力をコントロールできなくなる病気です。 うつ病の主な症状は、抑うつ気分や不安感、焦燥感(しょうそうかん:焦りやイライラ感)、不眠、食欲低下などです。 脳卒中の後遺症により、日常生活に支障をきたすショックがうつ病の原因になります。 脳卒中(脳出血)の後遺症による精神的症状・心理的変化 脳卒中で後遺症が残ると、精神的症状が出現する場合があります。 脳卒中(脳出血)の後遺症による精神的症状 ・手足の自由がきかない ・仕事をやめざるを得なくなった ・介護を必要とする身体になってしまった 入院中は障害を受け入れられても、退院後は健常者に囲まれるため心理的変化が出現しやすくなります。 ご家族や周囲の方は、本人の心理的変化に注意し見守ることが大切です。精神的症状が強くみられる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。 脳卒中の後遺症による精神的症状を緩和するためには? 脳卒中の後遺症による精神的症状を緩和するためには、以下の4つの方法があります。 ・社会参加を積極的にする ・ボランティアやレクリエーションなどの社会活動 ・デイサービスやデイケアで他人との交流 ・再生医療や保険適用外のリハビリも検討する 脳卒中の後遺症により活動性が低下すると、うつ傾向になりやすくなります。うつ傾向があると日中も寝てばかりになってしまうため、活動量を増やし対策するのが大切です。 社会参加を積極的にする 脳卒中の後遺症による精神的症状が現れると、外出するのが億劫になります。精神症状を緩和するためには、社会参加を積極的にするのが良いでしょう。 社会参加の例としては下記のようなものが挙げられます。 社会参加の例 ・脳卒中仲間と会う ・地域のイベントや交流会への参加 ・散歩 ・リハビリテーションを兼ねた軽作業ボランティア ・趣味のサークル活動やワークショップ ・軽スポーツ(グラウンドゴルフやゲートボール) ・デイサービスのプログラム参加 など 家に引きこもるようになると、ますます精神的につらくなり、うつ状態になってしまいます。家族だけでなく、さまざまな人と接し精神を安定させることが必要です。 ボランティアやレクリエーションなどの社会活動 脳卒中の後遺症による精神的症状を緩和する方法に、ボランティアやレクリエーションなどの社会活動への参加があります。社会の一員として活動し、自身の存在価値を認識するとが生きる意欲の向上につながります。 デイサービスやデイケアで他人との交流 脳卒中の後遺症による精神的症状を緩和するために、デイサービスやデイケアで他人と交流することも効果的です。同じ境遇の人たちと交流を持つことで、今の自分を見つめ直し、病状を受け入れる良い機会になります。 再生医療や保険適用外のリハビリも検討する 脳卒中の後遺症による精神的症状を緩和するには、再生医療や保険適用外のリハビリも検討するのがおすすめです。再生医療とは、自身の細胞を移植し後遺症で低下した身体機能を高める技術です。 再生医療やリハビリでは、専門職が患者さんに合った緩和方法を提案してくれます。自身に合った緩和方法を見つけ、後遺症と上手に付き合っていくことが大切です。 脳卒中による後遺症とその具体的な症状 脳卒中による後遺症とその具体的な症状は、以下の5つです。 ・骨折・打撲 ・疼痛 ・失禁・便秘 ・異所性骨化 ・廃用症候群 脳卒中発症後は、日常生活に影響を及ぼす後遺症が現れます。後遺症と上手に付き合っていくには、ご家族や周囲の人のサポートが必要です。 骨折・打撲 脳卒中による後遺症の症状に、骨折・打撲があります。 リハビリや日常生活動作(ADL)の中で、後遺症の麻痺により思い通りに身体が動かない場合があります。思い通りに身体が動かせないと、転倒のリスクがあるため注意が必要です。 安全に過ごせるように、バリアフリーにするなど室内環境を整備しましょう。 疼痛 脳卒中を発症すると、後遺症に疼痛が現れる場合があります。疼痛の原因はさまざまで、麻痺の部位を無理に動かしたり、リハビリで過度な運動を行ったりすると起こります。 疼痛の緩和方法は、物理療法や薬物療法などです。疼痛の症状がある場合は、我慢せずに近くの人に相談しましょう。 失禁・便秘 脳卒中の後遺症には、排便に関する症状の失禁や便秘があります。脳卒中で排便をコントロールする神経が障害されると、排泄が上手にできなくなります。 失禁が酷い場合の対策方法は、薬物療法やトレーニング、介護用おむつの使用などです。トレーニングは、骨盤の底にある骨盤底筋を鍛えて、排尿時の尿道や肛門を閉める動作を改善します。 便秘の症状には、緩下剤や浣腸が使用される場合もあります。 異所性骨化 脳卒中の後遺症に異所性骨化があります。異所性骨化とは、関節周囲の軟部組織の中に骨ができる病気で、麻痺の患者さんや関節の手術後によく見られます。 過度のリハビリで関節が硬くなった状態でさらに運動を続けると、周囲の組織が傷つき骨化が進行する可能性があります。 症状が治まるまでは患部に過度の刺激を与えないように注意し、腫れや疼痛がある場合はすぐに医師の診察を受けましょう。 廃用症候群 脳卒中の発症後は、廃用症候群の症状が出現する場合があります。廃用症候群とは、筋肉や骨が衰えたり関節が固まって動かしにくくなったりする後遺症です。 急性期のリハビリをできるだけ早く始める理由のひとつは、廃用症候群を予防し、機能の損失を最小限にとどめるためです。脳卒中で壊死した脳細胞の周囲には、死んではいないが機能が停止している“仮死状態”の脳細胞があります。 急性期のリハビリは脳細胞に刺激を与えると、機能を回復させる効果があると考えられています。急性期リハビリテーションは、しばらくしてからリハビリテーションを始めた場合よりも早く退院でき、死亡率も減ることがわかっています。 【上図】発症後まもなくリハビリを開始した群と、しばらくしてから開始した群の6週間後の状態を比較しました。すぐに開始した群では、自宅に戻れる割合が 50%を超えているだけでなく、死亡率も半減していることがわかります。 脳卒中(脳出血)の後遺症は再生医療で改善が期待できる 一般的に、脳卒中で脳が受けたダメージが重ければ重いほど、後遺症の種類も増え症状も重くなる傾向があります。 後遺症を受け入れ早期からリハビリを開始するには、本人だけでなく周囲の理解やサポートが大切です。 また、脳卒中の後遺症は、再生医療で改善が期待できます。 再生医療による脳卒中の治療結果は身体の具合によって個人差がありますが、再生医療治療を始めるのは早いほど、良い結果に期待できます。再生医療による脳卒中の治療を検討している方は、早めにご相談ください。 ▼脳卒中の後遺症|脳卒中の最新、幹細胞治療は、以下をご覧下さい 再生医療は、脳卒中の後遺症に対する新たな治療法として注目が必要です
投稿日:2024.12.05 -
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脳卒中の前兆はこんな症状!検査で早期発見と早期治療が必須 脳卒中とは、脳の血管が急に破れたり詰まったりして脳の血液の循環に障害をきたし、様々な症状を起こす病気です。 重い後遺症を残さないためにも、早期発見、早期治療をすることが必須です。 今回は、脳卒中の前兆で現れる症状や、脳卒中のセルフチェック方法、検査についてご紹介します。 脳卒中とは 以下のように脳卒中は、脳の血管が破れる「脳出血」と、脳の血管が詰まる「脳梗塞」とに大別されます。 脳卒中 脳出血 ・実質内出血(脳の組織自体に出血が起こる) ・くも膜下出血(脳動脈瘤が破裂することが原因となって、脳の表面である"くも膜下腔"に出血が起こる) 脳梗塞 心原性脳塞栓症 ・アテローム血栓性脳梗塞 ・ラクナ梗塞 ・その他 脳卒中患者数 日本では脳卒中の患者のうち4分の3を“脳梗塞”が占めています。 ・脳梗塞・・・112.9万人 ・脳内出血・・・17万人 ・くも膜下出血・・・5.1万人 ・【その他】・・・13万人 脳に関する【その他】の疾患 脳卒中の原因となる、脳に関する【その他】の疾患は以下です。 ■一過性脳虚血発作 一時的に血栓が血管をふさぐもの。(すぐ開通する) ■脳腫瘍 脳の中にできた腫瘍が圧迫して、鋭い頭痛や吐き気などが起こる。 ■脳動脈瘤 脳の動脈の一部が膨らんで弱くなる。くも膜下出血につながることもある。 ■脳動静脈奇形 脳の一部において異常な血管を介し、動脈と静脈がつながっている状態で、けいれんを起こしたりする。 ■もやもや病 脳の太い動脈がつまり補うため周りから細い血管が発達して、鋭い頭痛などを起こす。 脳の病気に対する危険因子 脳卒中を引き起こす危険リスクとして、生活習慣病が関係しています。以下に当てはまる要素が多い人は脳卒中にかかるリスクが高く、注意が必要です。 ■高血圧 脳の血管の大きな負担となり動脈がもろくなります。その結果、血管が詰まったり、破裂することがあります。血圧は塩分の摂取によっても高くなるので、食事の時はなるべく塩分の摂取を控えましょう。 ■糖尿病 近年の食生活の欧米化により罹患数が増えていますので、糖尿病患者は摂取カロリーを低く抑える必要があります。バランスの良い食事をし、間食や油料理を減らし、体重のコントロールを行いましょう。 ■脂質異常症 特に悪玉のLDLコレステロールが高い人は、脂肪の摂取量を抑えることが大事です。油分の多い料理を避け、芋類、豆類、根菜類、海草、キノコなどコレステロール低下に作用する食べ物を選びましょう。 ■不整脈(心房細動) 心臓の中にできた血栓が脳まで移動して、脳の動脈を詰まらせます。ワルファリンなどの抗凝固薬を使い、血栓が作られにくくすることで、脳梗塞の予防が可能となります。 ■喫煙 ニコチンは血圧を上昇させたり、動脈硬化を促進する原因となります。百害あって一利なしです。そのほか、肥満、高齢者、男性、運動不足、過度の飲酒などが脳卒中の危険因子となります。 日本における脳卒中の現状と患者動向 現在、脳卒中の患者数は約150万人いるといわれ、毎年約25万人以上が新たに発症しているとされています。脳卒中はがん、心臓病に次いで日本における死因の第3位となっており、「寝たきりになる原因」の約3割近くが、脳卒中などの脳血管疾患です。 寝たきりになる原因 ・脳血管疾患(脳卒中など):27.7% ・高齢による衰弱・・・16.1% ・骨折・転倒・・・11.8% ・認知症・・・10.7% ・関節疾患(リウマチなど)・・・10.4% ・パーキンソン病・・・6.6% ・心臓病・・・3.1% ・その他・・・13.6% 全医療費の1割近くが脳卒中の治療に費やされ、高齢者の激増や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病の増加により、脳卒中の患者は今後も増加していくと予想されています。 脳卒中の前兆とセルフチェック 以下に示した症状に加えて、意識状態が悪化することもあります。軽い場合は、なんとなくぼんやりしているという印象ですが、重症の場合は強い呼びかけや、つねったりしても目を閉じたままで反応がありません。 脳卒中の前兆 ・ろれつがまわらない、言葉が出てこない ・相手が話していることを理解できない ・片半身がしびれる、感覚が鈍くなる ・顔半分がしびれる、引きつる ・めまいがする ・体が動きにくい、力が入らない ・片目が見えにくい ・両目で見たときに物が二重に見える ・激しい肩こりが起こる ・激しい頭痛が起こる (普段から片頭痛などがある方は、いつもとは違うような頭痛) 尚、くも膜下出血では頭痛の強さは発症時にピークに達し、その後も痛みは持続します。同時に、嘔吐することもあります。「最近なんとなく頭が痛い」といったように開始時刻を特定できない場合は、くも膜下出血ではないでしょう。 FASTテスト 気になる症状がある場合に簡単にできるチェック方法に、“FASTテスト”というものがあります。 これらの症状に気付いたら、発症時刻を確認してすぐに119番通報をしましょう!とにかく早期発見、早期治療が重要です。 ・Face(顔)=顔の麻痺のチェック 鏡に向かって微笑んだときの、口角の左右のバランスをチェックします 片側が引きつって歪んだように見えたら黄信号です ・Arm(腕)=腕の麻痺やしびれのチェック 真っ直ぐ立って手のひらを上に、両腕を肩の高さまで突き出します 高さを維持できずに片腕が下がってきたら、片麻痺の疑いがあります ・Speech(言葉)=言葉の異常をチェック 「花子が太郎にリンゴをあげた」これを声に出して言ってみてください 顔や口元に麻痺があると滑舌が悪くなり、特に「ラ行」が発声しづらくなります ・Time(時間)=症状に気付いた時刻 脳卒中の検査とリハビリ 脳卒中が疑われたらまず出血の有無を確認し、脳梗塞の起こっている部位を特定するため、画像診断を行います。脳卒中は場合によっては生死にかかわるため、早急に検査が必要です。 脳卒中の検査 脳卒中の診断には以下のような検査が行われます。これらの検査で脳卒中の種類を診断します。 ・コンピュータ断層撮影(CT) ・核磁気共鳴画像(MRI) ・核磁気共鳴血管撮影(MRA) ・超音波検査・心エコー ・X線撮影(血管造影検査) 以下でそれぞれ詳しく説明していきます。 ■CT検査 X線撮影をコンピュータで解析して脳の輪切りを映し出し、脳卒中の有無や種類を判定します。脳梗塞の場合は発症から24時間以上経たないとはっきり描画できませんが、脳出血は発症後すぐに描画されます。 ■MRI検査 磁力を使って脳の断層像を映し出します。CTと比較して鮮明な画像が得られ、出血部分や 梗塞部分が発症後すぐに描画されます。 ■MRA検査 造影剤は使用せず、磁力を使って脳の血管を映し出します。詰まっている血管を見つけだ すことができます。 ■超音波検査 超音波の発信受信装置を首にあてて、動脈硬化の有無や程度を調べる検査です。また心エコーといわれる心臓の超音波検査も行われます。 ■血管造影検査 カテーテルという細い管を通して造影剤を入れ、X線撮影をすることで血管の状態が詳細にわかります。 脳卒中のリハビリテーション 以下のリハビリテーションは理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といった専門のスタッフによって行われます。リハビリテーションの効果は個人差がありますが、劇的な効果がみられなくても、諦めることなく根気よく続けることが大切です。 ■急性期 ・時期:発症から1~3週間 ・治療施設:急性期病院 ・リハビリテーションのポイント ⇨廃用症候群の予防、リスク管理(座位、運動負荷)、合併症管理 ■回復期 ・時期:1~3週間から3~6週間 ・治療施設:リハビリテーション専門病院 ・リハビリテーションのポイント ⇨機能回復訓練、心理的支持、維持期への橋渡し ■維持期 ・時期:3~6ヵ月以降 ・治療施設:リハビリテーション専門病院、介護保険対応の病院、施設、在宅 ・リハビリテーションのポイント ⇨機能維持、介護負担の軽減、環境調整、社会資源の活用 脳卒中の後遺症を、新しい先端医療「再生医療」で治療した例 再生医療は、脳卒中の後遺症に対する新たな治療法として注目を集めている治療法です。 治療例はこちらをご覧ください。 再生医療は、通常の病院やクリニックでは受けることができません。当院は厚生労働省の認可を受けた再生医療専門クリニックです。後遺症の治療など再生医療に関してはお気軽にお問い合わせください。 まとめ・脳卒中はセルフチェック、検査で早期発見と早期治療が必須! ■脳卒中予防の4大ポイント ・30代から自分の血圧を知り、コントロールする心がけを ・塩分控えめの食生活と、コレステロールを減らす ・仕事を離れてリラックスできる趣味を持ち、適度な運動も心がける ・40歳になったら脳ドックを受診し、脳の健康状態を把握する 脳卒中は三大生活習慣病の一つで、発病すると生死にかかわり、麻痺や言語障害、意識障害などの後遺症を残すことが多い病気です。 現在、日本における死亡原因のトップ3はがん、心臓病そして脳卒中となりますが、数十年前までは脳卒中がトップでした。 これは脳卒中が減少したわけではなく、医療の進歩により死亡する人数が減少したに過ぎません。死亡率の高い脳出血は減少傾向にありますが、高齢化に伴い脳卒中の約6割を占める脳梗塞の患者数は増加傾向にあります。 また脳卒中は発病する前に予測し、予防するができる病気です。脳卒中を引き起こす主な原因には動脈硬化があげられます。その動脈硬化を招く要因としては、高血圧、高脂血症、糖尿病、喫煙などがあります。 つまり、脳卒中は生活習慣病が要因となっているのです。脳ドックで早期発見し、なおかつ普段の生活を見直せば脳卒中は予防することができるでしょう。 監修:リペアセルクリニック大阪院 ▼脳卒中の後遺症|脳卒中の再生医療/幹細胞治療は以下をご覧下さい 再生医療は、脳卒中の新たな治療法として注目を浴びています
投稿日:2024.11.19