厚生労働省届出済医療機関
第二種・第三種再生医療等提供計画 届出済
リペアセルクリニックは、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に提出し受理されました。
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自己脂肪由来幹細胞を用いた脳血管障害の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた糖尿病の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた肝障害の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた関節症治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた顔面萎縮症、皮膚再生治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた脊髄損傷の治療
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自己脂肪由来幹細胞を用いた慢性疼痛の治療
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多血小板血漿(PRP)を用いた変形性関節症の治療
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多血小板血漿(PRP)を用いた筋腱炎、靭帯炎の治療
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多血小板血漿(PRP)を用いた皮膚再生療法
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悪性腫瘍の予防に対する活性化NK細胞を用いた細胞治療
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自己脂肪由来幹細胞と自己前骨芽細胞分化誘導上清液を用いた変形性関節症の治療
























これによりまだ国内では認可の少ない、自己の幹細胞を点滴で体内に巡らせ内臓などを再生させる治療、「変形性関節症」などの再生医療および、PRP(多血小板血漿)の関節内投与、さらにPRPや幹細胞を用いた肌の再生を、再生医療等安全確保法のもと、自由診療にて提供できるようになりました。自己の幹細胞を用いる再生医療は、厚生労働省が認めた特定認定再生医療等委員会において、治療の妥当性・安全性・医師体制・細胞加工管理体制など厳しく審査を行い、適切と認められる事ではじめて厚生労働省に治療計画を提出することができ、そこで受理され番号を付与されて、ようやく治療を行うことが可能となります。
蘇らせる
「再生医療」とは?
ケガをして傷がふさがる、傷跡が少しづつ薄くなる・・
当たり前のようですが、実はそこには細胞のチカラが働いています。
それはあなたの身体の細胞が、
弱ったところを修復するために皮膚になろう骨になろうとしているのです。
その細胞のチカラを最大限に引き出して治療を行うことを
「再生医療」と呼びます。
リペアセルクリニック大阪院の特長
当クリニックは、 疾患・ 免疫・美容という分野すべてで自己細胞を用いた 最先端の医療を行うことができる国内でも珍しい部類の厚生労働省への届 出が受理された医療機関です。
CPC (細胞加工施設) の高い技術により、 冷凍しない方法で幹細胞を投与できるので高い生存率を実現。ご自身の細胞や血液を利用するため、アレルギーや拒絶反応といった副作用の心配が少ないです。
大阪院はカフェのような落ち着いた雰囲気で治療を受けていただける
くつろぎの空間をご用意しております。
- 2億個の細胞を
投与可能※但し適応による - 高い安全性(化学薬品不使用)
- 入院不要
日帰り - 身体への
負担が少ない - 高い技術力を
もったCPC - くつろぎの
空間

症例紹介
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- ひざ関節の症例
- 幹細胞治療の症例
- PRP治療の症例
幹細胞の治療効果に大変満足! こちらの患者様は1年前から両膝の関節の痛みに悩まれており、症状を改善したいとの思いで当院へ受診していただきました。 近くの整形外科では初期の変形性ひざ関節症と診断されました。特によく歩いた後などに膝に水が溜まってしまうことがあり、1か月おきに水を抜いてヒアルロン酸注射を打ってもらっていました。最近ではすぐに膝に水が溜まってしまい、ヒアルロン酸注射や内服薬の効果も薄れてきたそうです。主治医からは軟骨はまだ残っているので人工関節をするのはもったいないと言われたそうです。最近では痛みがさらに酷くなったため、(注射や内服よりも効果のある)より良い治療法を求めて当院を受診されました。 末期の変形性膝関節症で人工関節を勧められて人工関節を回避したいと当院を受診していただく患者様はもちろんのこと、初期・中期の変形性関節症で効果的な治療を求めて当院へ受診される患者様もたくさんおられます。 幹細胞治療の効果は重症度に関わらず治療効果実感されていますが、特に初期や中期は治療成績が良好で、注射、内服、リハビリなどの保険診療の範囲での治療に満足いただけず、効果的な治療を求めている患者様に大変お勧めの治療法です。その良好な治療効果は当院の細胞の質と量へのこだわりによるものと考えています。 当院での細胞培養技術は投与する細胞の生存率はなんと90%以上を誇っています。これは一般的な再生医療のクリニックで使用する細胞の生存率が60%ほどであることを比べると群を抜いた数字です。当院では、冷凍せず培養された幹細胞を、投与のたびに、その都度ていねいに初めから培養を行います。しかし、国内のほとんどの施設では複数回投与する場合でも、一度にまとめて培養して冷凍保存します。そして投与するときは、それらを解凍してそのまま投与します。幹細胞は解凍する際に大きなダメージを受け生存率が大幅に低下し、さらに生きている細胞も弱々しいものとなります。弱々しい幹細胞を関節に投与しても、期待したほどの軟骨の再生・修復が果たせなくなってしまいます。 さらに、当院では米粒2~3粒程度の脂肪を採取するだけで、1億個以上の生き生きとした強い幹細胞の培養が可能です。一般的なクリニックでは1千万個ほどの幹細胞を投与していることと比べると細胞数も群を抜いています。投与する幹細胞の生存率が高ければ高いほど、数が多ければ多いほど再生される軟骨が多いことは海外の文献で明らかなになっています。さらに数多くの生き生きした強い幹細胞を重ねて投与することもおすすめで、投与するたびに軟骨欠損部に1層また1層と軟骨が再生を促進し、幹細胞治療後の何年もの間にわたって、痛みのない関節を獲得することが期待できます。 レントゲン所見 レントゲンは両膝とも関節の隙間が狭くなっています。 <治療効果>両膝に5000万個の幹細胞を3回投与+PRP この患者様は両膝に5000万細胞ずつ計3回投与しました。 その結果、初回投与半年後には両膝の痛みは投与前10段階中で6あった痛みが0になりました。 3年ぶりに当院を受診していただいた際にお話しを聞くと、現在も両膝の痛みは出ていないとのことでした。その治療効果に患者様は大変満足された様子でした。 <治療費> ・関節1部位 幹細胞数 ( 2500万個~1億個 ) 投与回数( 1回 )132万円( 税込 )/2500万個 ・PRP治療 16.5万円( 税込 ) <起こりうる副作用> ・脂肪採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 監修:坂本貞範
2025.02.12 -
- ひざ関節の症例
- 股関節の症例
- 幹細胞治療の症例
- PRP治療の症例
関節症の痛みが激減!国内で唯一の次世代の幹細胞治療 当院は、「次世代の再生医療」とも言われる、【分化誘導】を用いた治療を厚生労働省に届出し受理された、唯一の医療機関です。 分化誘導とは、独自の培養技術を活用し、傷ついた関節軟骨の土台を整え必要な箇所に必要なものを、効率的に修復します。従来の幹細胞治療とは一線を画し、幹細胞治療の効果を最大限に引き出すことで、関節軟骨の大きな修復と改善を実現します。 今後の医療の主流となるこの画期的な治療法で、さらに多くの可能性を切り開きます。 この患者様は、両変形性股関節症と両変形性膝関節症の診断を受けていました。日常生活は自立しているものの、歩行時には跛行が見られていました。左鼠径部から膝下にかけて痛みを感じており、階段の上り下りに膝の痛みが増して大変お困りのご様子でした。 患者様のご都合もあり、整形外科になかなか通院できておらずリハビリも行えていませんでした。「手術は避けたい」というご希望から、当院の【次世代の幹細胞治療】を選択されました。 次世代の幹細胞治療とは まず、関節の痛みは、軟骨がすり減りその下にある軟骨下骨が損傷することで生じます。関節軟骨の修復には、この軟骨下骨(土台)を修復させることが重要で、軟骨下骨が多く生成されるほど軟骨の生成も増加します。 【次世代の再生医療】では、幹細胞を分化誘導することで軟骨下骨を効率的に修復を促し、従来よりも多くの軟骨を修復することが可能となりました。この独自の培養技術により、痛みの大幅な軽減や関節機能の改善に最大限の効果を発揮できるように導きます。 国内ではほとんどが培養した幹細胞を一度冷凍し、投与する際に解凍する方法をとります。解凍する際には幹細胞は大きなダメージを受け、生存率がかなり低下し、さらに、生きている細胞も弱々しいものとなります。これでは関節にせっかく投与しても十分な軟骨の 修復が果たせなくなってしまいます。 当院では、米粒2~3粒程度の脂肪細胞を採取するだけで、1億個以上の数まで生き生きとした細胞の培養が可能です。一般的なクリニックで1千万個ほどの幹細胞を投与していることと比べると、細胞数も群を抜いています。当院では生きたまま冷凍せず培養し、さらに化学薬品を使わず無添加で培養します。さまざまな工夫をし、強い細胞を作ることにこだわっています。 <治療効果>股関節と膝関節に幹細胞を投与+PRP 幹細胞投与を行いました。 治療後、患者様の関節の疼痛は10段階中「8」から「4」へと半減。疼痛が軽減したことで、歩行時の負担が軽くなり、階段昇降時の痛みも大きく緩和されました。 患者様は、治療後も日常生活の中で運動機会を意識的に増やし、さらに疼痛軽減を図っています。痛みが軽くなったことで動きやすさが向上し、より活動的な生活を送ることが可能となっていきます。 <治療費> ・関節1部位 幹細胞数 ( 2500万個~1億個 ) 投与回数( 1回 )132万円( 税込 )/2500万個 ・PRP治療 16.5万円( 税込 ) <起こりうる副作用> ・脂肪採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 監修:坂本貞範
2025.01.24 -
- 股関節の症例
- 幹細胞治療の症例
- PRP治療の症例
国内で唯一「次世代の幹細胞治療」で、両変形性股関節症に大幅な改善がみられました! 当院は、「次世代の再生医療」とも言われる、【分化誘導】を用いた治療を厚生労働省に届出し受理された、唯一の医療機関です。 文化誘導とは、独自の培養技術を活用し、傷ついた関節軟骨の土台を整え必要な箇所に必要なものを、効率的に修復します。従来の幹細胞治療とは一線を画し、幹細胞治療の効果を最大限に引き出すことで、関節軟骨の大きな修復と改善を実現します。 今後の医療の主流となるこの画期的な治療法で、さらに多くの可能性を切り開きます。 こちらの患者様は、以前から両変形性股関節症の診断を受けており、その症状に悩まされてきました。特に右股関節の状態は悪く、日常生活は何とかこなしていたものの、靴下を履いたり爪を切ったりといった動作に支障をきたし不便さを強く感じておられました。 これまで、整形外科の外来に通院などでリハビリを続けてきましたが、痛みは年々悪化していました。人工関節の手術も検討されましたが、「手術はどうしても避けたい」とのご希望から、幹細胞治療を選択されました。 この方の治療には、国内唯一リペアセルクリニックが提供している治療法である、次世代の再生幹細胞治療を行いました。 次世代の幹細胞治療とは まず、関節の痛みは、軟骨がすり減りその下にある軟骨下骨が損傷することで生じます。関節軟骨の修復には、この軟骨下骨(土台)を修復させることが重要で、軟骨下骨が多く生成されるほど軟骨の生成も増加します。 【次世代の再生医療】では、幹細胞を分化誘導することで軟骨下骨を効率的に修復を促し、従来よりも多くの軟骨を修復することが可能となりました。この独自の培養技術により、痛みの大幅な軽減や関節機能の改善に最大限の効果を発揮できるように導きます。 国内ではほとんどが培養した幹細胞を一度冷凍し、投与する際に解凍する方法をとります。解凍する際には幹細胞は大きなダメージを受け、生存率がかなり低下し、さらに、生きている細胞も弱々しいものとなります。これでは関節にせっかく投与しても十分な軟骨の 修復が果たせなくなってしまいます。 当院では、米粒2~3粒程度の脂肪細胞を採取するだけで、1億個以上の数まで生き生きとした細胞の培養が可能です。一般的なクリニックで1千万個ほどの幹細胞を投与していることと比べると、細胞数も群を抜いています。当院では生きたまま冷凍せず培養し、さらに化学薬品を使わず無添加で培養します。さまざまな工夫をし、強い細胞を作ることにこだわっています。 レントゲンとMRI所見 <治療効果>両股関節に1億個の幹細胞を3回投与+PRP 治療には、1億個の幹細胞投与を3回行いました。 治療後、患者様の症状には大きな改善が見られました。 股関節の疼痛は、10段階評価で「10」だったものが「4」まで軽減しました。痛みの軽減に伴い動作もしやすくなり、靴下を履いたり、爪を切るといった動作もスムーズになってきています。また、体を動かす際の負担感が軽くなり、さらに動きの改善が実感できるようになったとのことです。 幹細胞治療では、痛みを軽減し関節の修復を促すことで、患者様の日常生活をより豊かにする治療を目指しています。まだ完全な治癒や正常な関節への回復とまでは難しいですが、今回のケースのように、患者様の「日常生活の質を上げる」大きな助けとなることを実感しております。 もし手術を避けたい、あるいはそれ以外の治療法を検討されている方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度カウンセリングにお越しください。患者様の現在の状況を丁寧にお伺いし、治療法について詳しくご説明させていただきます。 <治療費> ・関節1部位 幹細胞数 ( 2500万個~1億個 ) 投与回数( 1回 )132万円( 税込 )/2500万個 ・PRP治療 16.5万円( 税込 ) <起こりうる副作用> ・脂肪採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 監修:坂本貞範
2025.01.24 -
- 肝臓疾患の症例
- 幹細胞治療の症例
幹細胞治療後、肝硬変の腹水が収まる! こちらの患者様は2か月前に尿が出にくくなったため、病院を受診したところ『肝硬変』と診断され、再生医療の可能性に頼って当院を受診していただきました。 肝臓は文字通り、内臓の中で一番大きく肝になる臓器です。その働きはたんぱく質、脂質、糖などの栄養素の貯蓄、アルコールや有害物質の解毒・分解、消化酵素である胆汁の生成です。その肝臓が硬くなり、正常に機能せず肝硬変になると、黄疸、肝性脳症、腹水・浮腫、食道静脈瘤などが引き起こされます。患者様は足のむくみ、腹水、足のこむら返りなどを訴えておられました。 肝硬変の原因には、肝炎ウイルスへの感染、脂肪の摂りすぎによる脂肪肝、お酒の飲みすぎ、自己免疫などがあります。また肝臓は沈黙の臓器とも言われ、肝硬変になって初めて症状が出始めます。そして症状が出た時には肝臓は線維化し硬くなっており、どんな治療をしても元には戻らないと言われています。よって現在の保険診療の治療では、肝硬変に対しての根本的な治療はありません。当院ではそういった肝障害の患者様に対して再生医療を提供してきました。 具体的には、下腹部から採取した脂肪細胞から幹細胞を分離・培養し、幹細胞のホーミング効果を期待して静脈から点滴します。ホーミング効果とは、体内に入った幹細胞が再生を必要としている部位・組織から放出されるシグナルを見つけ出し、その部位・組織に自動的に集まり、目的の細胞に分化したり傷んだ部位・組織を修復することです。肝臓の再生医療において投与された幹細胞は、肝臓の炎症や、硬くなっている細胞を発見し修復させます。そのためには点滴する幹細胞は生きていないとホーミング効果が期待できません。 当院で使用する細胞は当院独自の培養技術によっり、冷凍保存せず投与するたびに培養しているため2回目、3回目に投与する細胞も生存率90%以上の生き生きとしたフレッシュな細胞です。さらに幹細胞に十分なホーミング効果を発揮してもらうには、点滴する幹細胞の数も重要です。 CT所見 投与後の変化 患者様には2億細胞を、計6 回点滴投与しました。一般的な医療機関では1億個の点滴投与となります。 6回目の投与後のエコー検査では、腹水が消失しており、さらに足のむくみも改善しました。血液検査では、肝臓が悪いと少なくなってしまう血小板の値などが改善しました。 患者様には「腹水がなくなってお腹のハリが楽になった」と喜んでいただけました。 肝臓の障害においては保険診療の範囲内で根本的な治療がありません。幹細胞投与であれば根本的治療になりうる可能性があります。肝臓の障害でお困りの方はぜひ当院へご相談ください。 厚生労働省届出済【2億個の幹細胞】投与を実現 2024年1月より、当院では厚生労働省への届出が受理されたことにより、点滴において、一度に2憶個の幹細胞投与が可能となりました。これにより、従来の幹細胞1億個の投与よりも高い治療効果が期待できるようになりました。 <治療費> 幹細胞点滴 投与回数(1回) 242万円(税込) <起こりうる副作用> ・脂肪採取部の内出血や創部感染、傷跡などが起こることがあります。 ・症状によりMRIやCTなどの検査を受けて頂く事があります。 ※こちらでご紹介している症例は一部の患者様です。掲載以外の症例も多数ございます。ご自身の症状については、お気軽にご相談ください。 再生医療医師監修:坂本貞範
2024.12.13
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トピックス
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- 内科
ズキズキと刺すような痛みと、透明な液体が詰まった赤い発疹を伴う症状が出る。実はこれ、誰でも発症する可能性のある帯状疱疹かもしれません。本稿では、帯状疱疹がなぜ起こり、どんな症状が出るのか、治療法、そして予防に有効なワクチン情報まで、詳しく解説します。もしかして、今の体の不調は帯状疱疹の初期症状かも? 少しでも気になる方は、ぜひ読み進めてみてください。 帯状疱疹の症状と原因を詳しく解説 帯状疱疹は、ズキズキと刺すような痛みと、透明な液体が詰まった赤い発疹を伴う症状が現れる病気です。特徴的なのは、体の左右どちらか一方にのみ現れる発疹です。実は、幼少期に感染した水ぼうそうの原因ウイルスは体内に残り、誰にでも起こりうる身近な病気とも言えます。今回は、帯状疱疹の症状や原因、そして病気の経過について、わかりやすく解説していきます。 帯状疱疹とは? 帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)によって引き起こされます。このウイルスは、実は小児期の水疱瘡の原因となるウイルスと同じものなのです。初感染時には水ぼうそうとして発症しますが、治癒した後もウイルスは神経節と呼ばれる神経細胞の集まりに潜伏し続けます。このウイルスは通常、人体の免疫システムによって抑制された状態で体内に留まっていますが、加齢や過労、ストレスなどによって免疫力が低下すると、休眠状態だったウイルスが再び活動を始め、帯状疱疹の症状として現れてきます。VZVはアルファヘルペスウイルスというグループに属し、単純ヘルペスウイルスと同様に、一度感染すると体内に潜伏し続けるという特徴を持っています。 帯状疱疹の初期症状 帯状疱疹の初期症状は、実にさまざまです。そのため、他の病気と見分けにくく、診断が遅れてしまうケースも少なくありません。初期には、風邪に似ただるさや頭痛、微熱といった全身症状が現れることがあります。また、皮膚症状が現れる数日前から、ピリピリとした痛みやしびれ、かゆみといった皮膚の違和感を感じることもあります。こうした症状は、ウイルスによって神経に炎症が生じることで起こります。しかし、これらの初期症状は個人差が大きく、必ずしも全員が同じような症状が出るわけではありません。 例えば、皮膚症状が出る前に強い痛みを感じる人もいれば、全く痛みを感じない人もいます。重要なのは、これらの初期症状に注意を払い、少しでも異変を感じたら早めに医療機関を受診することです。 帯状疱疹の特徴的な症状:ピリピリとした痛みと赤い発疹 帯状疱疹の最も特徴的な症状は、なんといってもピリピリとした痛みと赤い発疹です。痛みは、発疹が現れる数日前から始まることもあり、ヒリヒリ、シクシクなど、痛みの感じ方は人それぞれです。痛みの程度も個人差が大きく、軽い痛みで済む人もいれば、激痛に苦しむ人もいます。赤い発疹は、小さな水ぶくれが集まったもので、神経に沿うような帯のような形で出現してきます。この水ぶくれは、次第にかさぶたになり、おおよそ2~3週間程度で完治に向かいます。しかし、皮膚の症状が治まった後も、痛みが続く場合があります。これは「帯状疱疹後神経痛」と呼ばれる合併症で、この症状は、とりわけお年を召した方に発生する傾向が確認されています。 帯状疱疹の症状の経過と回復までの期間 帯状疱疹の症状は、一般的に2~4週間で治まります。最初は赤い水疱が現れ始め、かさぶたになって治っていきます。しかし、前述のように、痛みは発疹が治った後も残ることがあります。この帯状疱疹後神経痛は、数か月、数年と長引くことも報告されており、生活の質を著しく低下させる可能性があります。 年齢が高い方や免疫が弱っている方については、この病気にかかりやすいだけではなく、その後の神経痛に悩まされる可能性も増加します。できるだけ早い段階で治療を始めることによって、そのような症状が残るリスクを抑制できることもあり、早期発見・早期治療が重要です。 帯状疱疹の原因:水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化 帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化が原因で起こります。幼少期に水疱瘡を経験したことのある方は、このVZVが体内の神経節に潜伏しています。加齢、疲労、ストレス、病気などによって免疫力が低下すると、VZVが再び活性化し、帯状疱疹を発症します。免疫力の低下は、VZVの再活性化の主要な引き金となります。高齢者や免疫抑制剤を使用している人、あるいは持病がある人は、特に注意が必要です。VZVの再活性化は、神経に沿って炎症を引き起こし、独特の痛みと共に、皮膚に吹き出物が現れるのが特徴です。帯状疱疹の発生率は、年齢とともに増加することが知られており、特に50歳以上で急増します。 帯状疱疹の治療法と後遺症 帯状疱疹は、体の片側にピリピリとした痛みと赤い発疹が現れる病気です。早期に適切な治療を行うことで、症状を迅速に和らげ、合併症の危険性も軽減できます。少しでも気になる症状があれば、ためらわずに医療機関を受診しましょう。 帯状疱疹の治療薬:抗ウイルス薬 帯状疱疹の治療の要となるのは、抗ウイルス薬です。この薬は、帯状疱疹の原因である水痘・帯状疱疹ウイルスの増殖を抑えることで、皮膚の症状を早く治し、神経の痛みなどの合併症を防ぐ働きがあります。抗ウイルス薬には、アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビルなどがあり、一般的には内服薬として処方されます。 それぞれのお薬の働きをシンプルにご説明いたします。アシクロビルは帯状疱疹治療の基本となる薬ですが、1日5回服用する必要があります。バラシクロビルはアシクロビルに比べて1日の服用回数が少なく、飲み忘れを防ぎやすいという利点があります。ファムシクロビルは1日2~3回服用し、食事の影響を受けにくいという特徴があります。 どの薬が患者さんに最適かは、現在の状態や他の疾患の有無、年齢などを考慮して医師が判断します。自己判断で薬の服用を中止したり、服用量を変えたりすることは大変危険ですので、絶対にしないでください。医師の指示に従って正しく服用することが重要です。発疹出現後72時間以内に抗ウイルス療法を開始することで、症状の悪化や併発症の危険性を抑えられることが示されています。 帯状疱疹の痛みを抑える薬 帯状疱疹では、発疹に伴い、強い痛みを感じる方が多くいらっしゃいます。このような痛みは、ウイルスが神経を刺激して炎症が発生することにより生じます。痛みを和らげるために、鎮痛薬が使用されます。 鎮痛薬には、アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などがあります。これらの薬は、痛みや炎症を抑える効果があります。痛みが強い場合には、神経障害性疼痛治療薬と呼ばれる種類の薬が処方されることもあります。神経障害性疼痛治療薬は、神経の損傷によって生じる痛みを特異的に抑える薬です。 適切な鎮痛薬を選ぶことで、日常生活における痛みを軽減し、より快適に過ごせるようになります。痛みの強さと性質を考慮して、医師が適切な薬剤を選択し、処方しますので、ご安心ください。 帯状疱疹の治療期間 帯状疱疹の治療期間は、症状の重さや個人差によって異なりますが、通常は2~4週間程度です。抗ウイルス薬は、発疹が出てから72時間以内に服用を開始すると最も効果的です。できるだけ早い段階で治療を始めることにより、症状の悪化や後遺症のリスクを減らすことができます。 治療期間中は、医師の指示に従って薬をきちんと服用し、患部を清潔に保つことが大切です。また、十分な休息と栄養を摂ることも、早期回復に繋がります。 帯状疱疹の合併症:帯状疱疹後神経痛 帯状疱疹の合併症として最も注意すべきなのは、帯状疱疹後神経痛(PHN)です。この症状は、帯状疱疹そのものが完治した後でも痛みが残る症状のことで、お年寄りや抵抗力が弱っている患者さんに発症することが多いとされています。 帯状疱疹後神経痛は、日常生活の質が大きく損なわれる可能性があり、適切な治療と管理が必要です。 帯状疱疹後神経痛の症状と治療法 帯状疱疹後神経痛の症状は、ピリピリ、シクシクする痛み、焼けつくような痛みなど、人によって様々です。服が軽く当たっただけでも痛みが生じたり、夜も眠れないほどの強い痛みが出ることもあります。 治療には、鎮痛薬、神経障害性疼痛治療薬、抗うつ薬、抗けいれん薬などが用いられます。また、塗り薬や神経ブロック注射、リハビリテーションなども有効な場合があります。痛みが長引く場合は、ペインクリニックなどの専門医療機関への受診も検討しましょう。 帯状疱疹後神経痛は、QOL(生活の質)に大きな影響を与える可能性があります。日常生活に支障が出るほどの痛みがある場合は、我慢せずに医師に相談し、適切な治療を受けることが重要です。 帯状疱疹ワクチンの種類と効果 帯状疱疹は、ビリビリ、シクシクする痛みと赤みを帯びた発疹が主な特徴となる病気です。50歳を過ぎると発症リスクが急激に上がり、80歳までに約3人に1人が発症すると言われています。帯状疱疹後神経痛といった後遺症に悩まされる方も少なくありません。帯状疱疹はワクチンで予防できることをご存知ですか?ワクチン接種によって発症リスクや重症化リスクを大幅に下げることができますので、ぜひワクチンについて知っていただきたいと思います。 帯状疱疹ワクチンの種類:生ワクチンと不活化ワクチン 帯状疱疹ワクチンには、大きく分けて「生ワクチン」と「不活化ワクチン」の2種類があります。それぞれの特徴を理解し、あなたの状態に適したワクチンを選ぶことが大切です。 ワクチン種類 特徴 効果 副反応 対象年齢 生ワクチン 毒性を弱めた生きたウイルスを使用 帯状疱疹の発症予防効果は約50% 注射部位の痛み、発赤、腫れ 50歳以上 不活化ワクチン ウイルスの一部または不活化したウイルスを使用 帯状疱疹の発症予防効果は約90%、帯状疱疹後神経痛の発症予防効果も高い 注射部位の痛み、発赤、腫れ、頭痛、疲労 50歳以上 生ワクチンは、毒性を弱めた水痘・帯状疱疹ウイルスを接種することで、体内に免疫を作り出す仕組みです。水疱瘡の感染予防としても活用されています。不活化ワクチンは、ウイルスの抗原となる一部を接種することで免疫を獲得させます。ウイルスは不活化されているため、生ワクチンに比べて安全性が高い一方、免疫反応を高めるために、複数回の接種が必要となる場合があります。 帯状疱疹ワクチンの効果と持続期間 帯状疱疹ワクチンは、帯状疱疹を発症する確率を下げることができます。生ワクチンの場合、その効果は約50%で、効果の持続期間は5年程度です。つまり、接種後5年経過すると、この病気を防ぐ効果が次第に低下し、再び発症リスクが高まる可能性があります。一方、不活化ワクチンの場合、90歳以上の方でも約90%の高い発症予防効果があり、後遺症として生じる神経痛の危険性も軽減できます。その効果は少なくとも10年間持続すると考えられており、より長期的な予防効果が期待できます。2018年から利用可能な不活化サブユニットワクチンは、有効性が高く、比較的忍容性も良好です。 帯状疱疹ワクチンの副反応 帯状疱疹ワクチン接種後に起こりうる副反応として、注射部位の痛み、発赤、腫れなどの局所反応が挙げられます。これらの症状は、ワクチン接種による免疫反応の一環として現れるものであり、通常は数日以内に軽快します。その他、頭痛や疲労感、発熱などの全身症状が現れる場合もありますが、多くは一時的なものです。重篤な副反応はまれですが、アナフィラキシーショックなどのアレルギー反応が起こる可能性もゼロではありません。気になる症状が出た場合は、速やかに医師に相談しましょう。 帯状疱疹ワクチンの接種費用と接種場所 帯状疱疹ワクチンの接種費用は、医療機関によって異なりますが、おおよそ1回あたり20,000円程度です(不活化ワクチン2回接種の場合の合計は40,000円程度)。多くの自治体で助成制度が設けられており、自己負担額が軽減される場合がありますので、お住まいの自治体にお問い合わせください。接種は、医療機関やワクチン接種会場で受けられます。かかりつけ医に相談するか、自治体のホームページなどで接種可能な医療機関を検索できます。 帯状疱疹ワクチンの接種対象者 帯状疱疹ワクチンは、50歳以上の方を対象に接種が推奨されています。とりわけ、お年を召した方や抵抗力が弱っている人は、帯状疱疹を発症すると重症化しやすい傾向があるため、ワクチン接種が重要です。ただし、妊娠中の方、免疫不全の方、水痘ワクチン接種後8週間以内の方などは接種できない場合があります。特定の疾患をお持ちの方は、接種前に医師に相談する必要があります。 参考文献 Ehrenstein B. "[Diagnosis, treatment and prophylaxis of herpes zoster]." Zeitschrift fur Rheumatologie 79, no. 10 (2020): 1009-1017. Arvin AM. "Varicella-zoster virus." Clinical microbiology reviews 9, no. 3 (1996): 361-81. 監修医師 リペアセルクリニック 内科専門医 渡久地 政尚
2025.02.12 -
- 内科
つらい痛み、我慢していませんか? 日常生活を脅かす頭痛、生理痛、神経痛など、痛みは種類も程度も人それぞれ。市販の痛み止めを飲んでみたけれど効かない、そんな経験はありませんか? 実は痛み止めには様々な種類があり、その効果や副作用、適切な使い分けを知ることが、痛みを効果的に管理する鍵となります。この記事では、NSAIDsなどの代表的な痛み止めの種類や効果から、副作用、多剤併用鎮痛法といった一歩進んだ知識まで、医師がわかりやすく解説します。自分にぴったりの痛み止め選び、そして痛みと賢く付き合う方法を、一緒に探ってみましょう。 痛み止めの種類と効果を知る5つのポイント 痛みは、私たちにとって非常に不快な感覚であり、日常生活に大きな影響を与えます。痛みを我慢することは、身体的にも精神的にも負担が大きく、生活の質を低下させる可能性があります。 そこで今回は、様々な痛みを和らげる「痛み止め」の種類と効果について、内科専門医がわかりやすく解説します。年齢や痛みの種類によって適切な薬は異なりますので、この情報を参考に、ご自身に合った痛み止め選びのヒントとして役立ててください。 NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の特徴と効果 NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)は、炎症を抑え、痛みや熱を和らげる効果があります。「非ステロイド性」とは、ステロイド系の薬ではないことを意味しています。ステロイド系の薬は強力な抗炎症作用がありますが、副作用も多いため、NSAIDsは比較的安全に使用できる痛み止めとして広く使われています。 よく耳にする「ロキソニン」や「ボルタレン」も、このNSAIDsの一種です。これらの薬は、炎症を起こしている部分に直接作用することで、痛みや腫れ、熱といった症状を改善します。例えば、ねんざをして足首が腫れて熱を持っている時、NSAIDsを服用すると、炎症が抑えられ、痛みや腫れ、熱が引いていくのです。 薬の名前 効果 注意点 ロキソニン 筋肉痛、関節痛などに効果を発揮します。 腎障害や脳浮腫のリスクがあります。特に、若年者で運動前に服用すると、これらのリスクが高まる可能性があるので注意が必要です。 ボルタレン 激しい痛みや怪我、捻挫、骨折など急性期の痛みに効果を発揮します。 長期間の使用は胃腸への負担となることがあります。 セレコックス 胃腸への負担が少ない 他のNSAIDsと比べて高価な場合があります。 アセトアミノフェンの特徴と効果 アセトアミノフェンは、比較的副作用が少なく、安全性が高い痛み止めとして知られています。解熱効果もあるので、風邪などで熱がある時にもよく使われます。「カロナール」という名前で市販されている薬が代表的です。アセトアミノフェンは、NSAIDsのように炎症を抑える効果は弱いため、強い炎症を伴う痛みにはあまり効果がありません。しかし、安全性が高いため、子供や高齢者、妊娠中・授乳中の方にも使用できる場合があります。 オピオイド鎮痛薬の特徴と効果 オピオイド鎮痛薬は、他の痛み止めでは効かないような強い痛みに対して使われる、非常に強力な鎮痛薬です。手術後の痛みや、がんによる痛みなど、激しい痛みに対して効果を発揮します。しかし、依存性や副作用のリスクがあるため、医師の指示に従って慎重に使用する必要があります。「トラムセット」のように、アセトアミノフェンとオピオイドを組み合わせた薬もあります。オピオイド鎮痛薬は、多剤併用鎮痛法の一環として使用されることもあり、パラセタモール(アセトアミノフェンの別名)との併用で相加的または相乗的な効果を発揮し、鎮痛効果を高め、副作用を軽減する可能性が示唆されています。 その他の鎮痛薬(抗うつ薬、抗てんかん薬など) 実は、抗うつ薬や抗てんかん薬といった薬も、特定の痛みに効果を発揮することがあります。神経痛など、他の痛み止めでは効果が得られないような慢性的な痛みを抱えている方は、医師に相談してみましょう。これらの薬は、本来の目的とは異なる用途で使用されるため、「適応外使用」と呼ばれます。 痛み止めが効かない時:多剤併用鎮痛法とは 痛みがなかなか取れない、そんな時もあるかもしれません。痛みの種類や程度、原因は人それぞれ異なるため、一つの痛み止めだけでは効果が不十分な場合があります。そこで、複数の種類の薬を組み合わせて使う「多剤併用鎮痛法」という方法があります。それぞれの薬が異なるメカニズムで痛みを抑えるため、単剤よりも高い鎮痛効果が期待できる一方で、薬物相互作用や副作用のリスクも考慮する必要があります。例えば、NSAIDsとアセトアミノフェンを併用することで、より強い鎮痛効果が得られる場合があります。また、オピオイド鎮痛薬を使用する場合、パラセタモールとの併用は、オピオイド鎮痛薬の量を減らすことができ、副作用軽減につながる可能性があります。多剤併用鎮痛法は、特に高齢者で合併症や併用薬が多い場合に、そのメリットが大きくなります。 痛み止めの副作用と注意点6選 痛み止めは、つらい痛みを和らげてくれる頼もしい存在ですが、一方で副作用も存在します。安全に服用するためには、どのような副作用が起こりうるのか、どのような点に注意すべきなのかを事前に理解しておくことが重要です。この章では、痛み止めの副作用や注意点、そして副作用が出たときの対処法について、より詳しく解説します。自分に合った痛み止めを選び、正しく服用することで、痛みを効果的にコントロールし、快適な生活を送れるようにしましょう。 鎮痛薬の種類別の副作用 痛み止めには様々な種類があり、それぞれに特徴的な副作用があります。それぞれの副作用と、その副作用がなぜ起こるのかを理解しておくことが大切です。 アセトアミノフェン: 比較的安全性が高い薬として知られていますが、過剰に摂取すると肝臓に負担がかかり、肝機能障害を引き起こす可能性があります。肝臓は、体内の有害物質を解毒する重要な臓器です。アセトアミノフェンも肝臓で代謝されますが、過剰に摂取すると肝臓の処理能力を超えてしまい、肝細胞がダメージを受けてしまうのです。決められた服用量を厳守し、用法用量を守ることが非常に大切です。 NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬): 胃腸障害(吐き気、下痢、胃痛、胃潰瘍、十二指腸潰瘍など)や腎臓への影響(腎機能障害)、まれにですが心血管系への影響(心筋梗塞、脳卒中)などが起こる可能性があります。NSAIDsは炎症を引き起こす物質の生成を抑えることで効果を発揮しますが、同時に胃腸を守る働きを持つ物質の生成も抑制してしまうため、胃腸障害が起こりやすくなります。特に、高齢の方や持病のある方は注意が必要です。空腹時の服用を避け、胃腸薬と併用する、あるいはセレコックスのような胃腸への負担が少ないNSAIDsを選択するなどの対策が有効です。また、腎機能が低下している方は、NSAIDsの服用によって腎機能がさらに悪化する可能性があるため、医師への相談が必要です。さらに、ロキソニンを運動前に服用すると、腎障害や脳浮腫のリスクを高める可能性があるという報告もあります。これは、運動によって腎血流量が低下している状態でロキソニンを服用すると、腎臓への負担がさらに増大してしまうためと考えられています。 オピオイド鎮痛薬: 便秘、眠気、吐き気などが起こりやすいです。また、長期間使用すると依存性が生じる可能性があり、さらに、呼吸抑制といった重篤な副作用も起こりえます。医師の指示に従って服用することが非常に重要です。分娩時の疼痛緩和にもオピオイド鎮痛薬が用いられることがありますが、母体と胎児への影響を考慮して慎重に使用する必要があります。 併用禁忌の薬とその理由 一部の痛み止めは、特定の薬と一緒に服用すると、効果が弱まったり、副作用が強まったり、あるいは予期せぬ重篤な副作用が生じる可能性があります。例えば、ワーファリンなどの抗凝固薬とNSAIDsを併用すると、出血しやすくなる作用が重なってしまい、出血のリスクが高まる可能性があります。また、一部の抗うつ薬と特定の痛み止めを併用すると、セロトニン症候群という、精神状態の変化、自律神経系の異常、神経筋の異常を特徴とする重篤な副作用が起こる可能性があります。服用中の薬がある場合は、必ず医師や薬剤師に相談しましょう。 妊娠中・授乳中の服用について 妊娠中や授乳中は、服用できる薬が限られます。胎盤や母乳を通じて薬の成分が胎児や乳児に移行し、影響を与える可能性があるためです。アセトアミノフェンは、他の鎮痛薬と比較して比較的安全とされていますが、それでも医師や薬剤師に相談してから服用することが推奨されます。NSAIDsは、妊娠後期に服用すると、胎児の動脈管収縮などを引き起こし、胎児に悪影響を与える可能性があるため、一般的には避けられます。オピオイド鎮痛薬も、胎児や新生児に影響を与える可能性があります。自己判断で服用せず、必ず医師の指示に従ってください。分娩時の疼痛緩和には、硬膜外鎮痛法が最も効果的ですが、患者さんの希望や状況によっては、笑気やオピオイド、非オピオイドなどの全身薬物療法が用いられます。薬剤によって母体や胎児への副作用が異なるため、医師と相談して適切な方法を選択することが重要です。 子供・高齢者の服用時の注意点 子供や高齢者の方は、薬の代謝能力が低下している場合があり、副作用が出やすい傾向があります。子供には、年齢や体重に合わせた適切な用量を服用させることが重要です。高齢者も、少量から開始し、様子を見ながら徐々に増量していくなどの配慮が必要です。また、高齢者は複数の薬を併用している場合が多いため、飲み合わせにも注意が必要です。アセトアミノフェンは、小児や高齢者にも比較的安全に使用できることが多いですが、それでも用量には注意が必要です。 痛み止めの依存性と対策 オピオイド鎮痛薬は、長期間使用すると依存性が生じる可能性があります。身体的依存と精神的依存があり、身体的依存は、薬を急にやめると離脱症状(吐き気、嘔吐、下痢、発汗、震えなど)が現れる状態です。精神的依存は、薬がないと不安になったり、薬を求める気持ちが強くなったりする状態です。依存性を防ぐためには、医師の指示に従って服用し、自己判断で増量したり、長期間服用したりしないことが重要です。また、痛みが治まったら、医師の指導の下、徐々に減量していくことが必要です。 副作用が出た場合の対処法 痛み止めを服用して、何か異変を感じたら、すぐに服用を中止し、医師や薬剤師に相談しましょう。自己判断で他の薬を服用したり、症状を我慢したりすることは危険です。適切な対処を受けることで、重篤な事態を防ぐことができます。 自分に合った痛み止めの選び方4つのステップ 痛みは、日常生活を送る上で大きな妨げとなります。痛みを我慢せず、適切な痛み止めを使用して痛みをコントロールすることは、生活の質を向上させる上で非常に重要です。しかし、痛み止めにも様々な種類があり、どれを選べばいいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、自分に合った痛み止めを選ぶための4つのステップをご紹介いたします。 痛みの種類(頭痛、生理痛、神経痛など)に合った薬 痛みには、ズキズキとした頭痛、鈍い生理痛、ピリピリとした神経痛など、様々な種類があります。痛みの種類によって、効果的な痛み止めも異なります。例えば、頭痛にはアセトアミノフェンやイブプロフェンなどの市販薬が有効ですが、神経痛にはこれらの薬はあまり効かず、プレガバリンやデュロキセチンといった処方薬が必要となることがあります。医師は、痛みの種類を正確に診断し、最適な薬剤を選択するお手伝いをいたしますので、自己判断で薬を選ぶのではなく、医療機関を受診して適切なアドバイスを受けるようにしてください。 痛みの程度(軽い、中程度、激しい)に合った薬 痛みの程度も、痛み止めの選択において重要な要素です。軽い痛みであれば、アセトアミノフェンなどの市販薬で十分な場合もありますが、中程度以上の痛みには、より強力な鎮痛効果を持つNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)が必要となることもあります。激しい痛みには、オピオイド系鎮痛薬が用いられることもありますが、これらは依存性や副作用のリスクがあるため、医師の指示に従って慎重に使用する必要があります。痛みの程度を正確に伝えることは、適切な薬剤を選択する上で非常に重要です。例えば、「我慢できる程度の痛み」や「耐えられないほどの痛み」といった表現ではなく、「10段階でいうとどの程度の痛みか」といった具体的な表現で医師に伝えることで、より的確な診断と治療を受けることができます。 持病や体質に合った薬 持病がある場合や特定の薬にアレルギーがある場合は、痛み止めの選択にさらに注意が必要です。例えば、胃腸が弱い方は、NSAIDsによって胃腸障害を起こしやすいため、アセトアミノフェンやセレコキシブなど、胃腸への負担が少ない痛み止めを選択する必要があります。高齢者や腎機能が低下している方は、薬の代謝が遅くなるため、薬の量を調整する必要があります。また、妊娠中や授乳中の場合は、胎児や乳児への影響を考慮して、医師に相談しながら服用する薬を決めることが重要です。特に、妊娠後期にNSAIDsを服用すると、胎児の動脈管収縮などを引き起こす可能性があるため、注意が必要です。分娩時の疼痛緩和には硬膜外鎮痛法が最も効果的ですが、患者さんの希望や状況によっては笑気やオピオイド、非オピオイドなどの全身薬物療法が用いられます。薬剤によって母体や胎児への副作用が異なるため、医師と相談して適切な方法を選択することが重要です。 市販薬と病院で処方される薬の違い 市販薬と病院で処方される薬は、主成分が同じでも、用量や剤形が異なる場合があります。市販薬は比較的軽い痛みに対して使用されることが多い一方、病院で処方される薬は、より強い痛みや慢性的な痛みに対して使用されます。市販薬は手軽に入手できるというメリットがありますが、持病がある場合や複数の薬を服用している場合は、医師の診察を受けて自分に合った薬を処方してもらう方が安全です。パラセタモールは、単独で使用されることもありますが、他の鎮痛薬、例えばオピオイドと組み合わせて使用されることもあり、その相乗効果で鎮痛効果を高め、副作用を軽減する可能性が示唆されています。 参考文献 Freo U. "Paracetamol for multimodal analgesia." Pain management 12, no. 6 (2022): 737-750. Zuarez-Easton S, Erez O, Zafran N, Carmeli J, Garmi G, Salim R. "Pharmacologic and nonpharmacologic options for pain relief during labor: an expert review." American journal of obstetrics and gynecology 228, no. 5S (2023): S1246-S1259. 監修医師 リペアセルクリニック 内科専門医 渡久地 政尚
2025.02.11 -
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あなたは、気づかないうちに忍び寄る"サイレントキラー"の存在を知っていますか? 実は、日本人の約4人に1人がかかっているにもかかわらず、自覚症状がほとんどないため、放置されがちな高血圧。2017年のアメリカのガイドライン改訂で、基準値が厳しくなった今、あなたも高血圧予備軍かもしれません。 高血圧は、脳卒中や心筋梗塞といった命に関わる病気を引き起こす危険因子。この記事では、高血圧の定義から合併症、最新の治療法まで、内科専門医がわかりやすく解説します。ご自身の健康状態を正しく理解し、健康寿命を延ばすための第一歩を踏み出しましょう。 高血圧を理解する:定義と分類、合併症のリスク 高血圧は、知らず知らずのうちに進行し、ある日突然、重大な病気を引き起こす可能性があるため、「サイレントキラー」と呼ばれています。ご自身の健康状態を理解し、健康管理に役立てていただくために、高血圧の定義や分類、合併症、初期症状、家庭血圧測定の重要性について、内科専門医の立場からわかりやすく解説します。 高血圧とは?基準値と高血圧の分類 高血圧とは、心臓が血液を送り出す圧力(血圧)が高い状態が続いていることを指します。血圧は2つの数値で表されます。心臓がギュッと収縮して全身に血液を送り出す時の圧力が収縮期血圧、心臓が休息して血液を再び心臓に取り込む時の圧力が拡張期血圧です。 高血圧の基準値は、収縮期血圧が130mmHg以上、または拡張期血圧が80mmHg以上です。以前は140/90mmHg以上を高血圧と定義していましたが、2017年にアメリカのガイドラインが改訂され、基準値が厳しくなりました。これは、血圧が120/80mmHgを超えるほど、脳卒中や心臓病などのリスクが高まることが明らかになったためです。高血圧の診断には、診察室での血圧測定だけでなく、家庭血圧測定も重要です。家庭血圧は診察室血圧よりも心血管イベントのリスクをより正確に反映すると報告されています(2017 ACC/AHAガイドライン)。 高血圧は、大きく分けて本態性高血圧と二次性高血圧の2種類に分類されます。90%以上の方は原因が特定できない本態性高血圧で、遺伝的要因と環境要因(食塩の過剰摂取、肥満、運動不足、過度の飲酒など)の相互作用が関係していると考えられています。一方、二次性高血圧は、腎臓病、ホルモン異常、睡眠時無呼吸症候群などの病気が原因で起こる高血圧で、全体の10%程度です。若年者で高血圧が見つかった場合には、二次性高血圧の可能性が高いため、原因となる疾患の精査が必要です。 再生医療の無料相談受付中! リペアセルクリニックは「再生医療」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 高血圧が引き起こす合併症:脳卒中、心筋梗塞、腎臓病など 高血圧は自覚症状が少ないため、放置すると血管に負担がかかり続け、動脈硬化が進行します。動脈硬化は血管の壁が厚く硬くなり、血管が狭くなる状態です。高血圧は動脈硬化を進行させ、血管が詰まったり、破れたりするリスクを高めます。 高血圧が原因となる主な合併症には、脳卒中、心筋梗塞、腎臓病、心不全などがあります。 脳卒中は、脳の血管が詰まったり破れたりする病気です。麻痺やしびれ、言語障害などの後遺症が残ることもあり、要介護状態となるリスクも高い病気です。心筋梗塞は、心臓の血管が詰まって、心臓の筋肉が壊死する病気で、強い胸痛や呼吸困難などの症状が現れ、突然死のリスクも高い病気です。腎臓病は、腎臓の血管が傷つき、腎臓の機能が低下する病気です。むくみやだるさなどの症状が現れ、最終的には人工透析が必要になることもあります。心不全は、心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送り出せなくなる病気です。息切れや動悸、むくみなどの症状が現れます。 高血圧は、血管に常に高い圧力をかけることで血管を傷つけ、動脈硬化を促進し、これらの合併症のリスクを大きく高めます。 高血圧の初期症状:自覚症状が少ないため注意が必要 高血圧は初期にはほとんど自覚症状がありません。そのため、健康診断などで指摘されるまで、高血圧に気づかない人が非常に多いです。「サイレントキラー」と呼ばれる所以です。 高血圧の症状として、頭痛、めまい、肩こり、動悸、耳鳴りなどが挙げられることがありますが、これらの症状は高血圧以外でも起こるため、高血圧特有の症状とは言えません。また、これらの症状が現れる頃には、すでに高血圧がかなり進行している可能性もあります。高血圧は自覚症状が乏しいため、定期的な血圧測定を行うことが重要です。 高血圧のサインを見つける: 家庭血圧測定の重要性 家庭血圧測定は高血圧の早期発見・早期治療のために非常に有効です。家庭血圧測定は、リラックスした状態で血圧を測ることができるため、病院で測定する白衣高血圧による影響を受けず、より正確な値が得られる場合もあります。また、毎日血圧を測ることで、血圧の変化を早期に把握しやすくなります。 家庭血圧計は、薬局や家電量販店などで手軽に購入できます。家庭血圧測定を行う際には、朝、排尿後、朝食前に測定し、安静にしてから正しい姿勢で測定する、毎日同じ時間に測定する、などの点に注意しましょう。 家庭で血圧を測ることで、高血圧の早期発見・早期治療につながり、治療中の場合は、血圧コントロールの状態を把握するのにも役立ちます。 高血圧の原因と危険因子を知る 高血圧の危険因子は多岐に渡り、大きく分けて「加齢」「遺伝」「生活習慣」の3つに分類できます。高血圧はこれらの因子が複雑に絡み合い発症すると考えられており、ご自身の危険因子を知ることで、予防や治療への意識を高め、健康管理に繋げることが重要です。 加齢、遺伝、生活習慣…高血圧の危険因子 まず、「加齢」による影響について考えてみましょう。生まれたばかりの赤ちゃんの血管は柔らかく、しなやかで、風船のように柔軟です。しかし、年齢を重ねるにつれて、血管も徐々に老化し、弾力性を失い硬くなっていきます。 これは、血管の壁が厚く硬くなる動脈硬化の進行によるもので、加齢とともに血管が硬くなるのは自然な老化現象の一つと言えます。血管が硬くなると、血液がスムーズに流れにくくなり、心臓はより強い力で血液を送り出さなければならなくなり、その結果、血圧が上昇しやすくなります。 次に、「遺伝」についてです。高血圧は、親から子へと遺伝する可能性のある疾患です。両親が高血圧の場合、子供も高血圧になりやすい傾向があり、これは体質や遺伝子などが影響していると考えられています。遺伝的要因は私たち自身でコントロールすることはできません。しかし、遺伝だけで高血圧のすべてが決まるわけではなく、後述する生活習慣の改善によって予防できる可能性も十分に秘めているのです。 最後に、「生活習慣」について解説します。これは、私たちが毎日の生活の中で意識的に変えられる部分であり、高血圧の予防と治療において非常に重要な要素です。食生活の乱れや運動不足、喫煙、過度の飲酒、ストレスなどは、高血圧のリスクを大きく高める要因となります。 塩分過多、肥満、運動不足…生活習慣と高血圧の関係 高血圧と密接に関係する生活習慣の中でも、特に注意が必要なのは、「塩分の摂りすぎ」「肥満」「運動不足」の3点です。 塩分の過剰摂取は、体内の水分量を増加させ、血液量を増加させることで、心臓がより多くの血液を送り出す必要が生じ、血圧の上昇に繋がります。現代の食生活では、加工食品や外食などで、知らず知らずのうちに過剰な塩分を摂取していることが多いです。厚生労働省が推奨する1日の塩分摂取量は男性7.5g未満、女性6.5g未満ですが、現状では平均で男性10.9g、女性9.3gと、大幅に超過しているのが現状です。高血圧を予防するためには、毎日の食事で減塩を意識することが重要です。 肥満、特に内臓脂肪の蓄積は、血圧を上げる物質の分泌を促進し、高血圧のリスクを高めます。内臓脂肪は、皮下脂肪とは異なり、臓器の周囲に蓄積される脂肪で、様々な生理活性物質を分泌し、血圧や血糖値、コレステロール値などに悪影響を及ぼすことが知られています。適正な体重を維持することは、高血圧だけでなく、様々な病気の予防にも繋がります。 運動不足は、高血圧だけでなく、様々な生活習慣病のリスクを高めます。体を動かす習慣がないと、血液の循環が悪くなり、心臓はより多くの血液を送るために、強い力で拍動しなければならなくなります。結果として、血圧が上昇しやすくなります。適度な運動は、血圧を下げるだけでなく、ストレス解消や精神的な健康維持にも効果的です。 喫煙、過度の飲酒…高血圧のリスクを高める要因 喫煙は、ニコチンが血管を収縮させ、血圧を上昇させる原因となります。血管が収縮すると、血液が流れにくくなり、心臓はより強い圧力で血液を送り出さなければならず、血圧が上昇します。さらに、喫煙は血管を傷つけ、動脈硬化を促進する作用もあるため、高血圧のリスクをさらに高めます。禁煙は、高血圧だけでなく、様々な病気のリスクを軽減し、健康寿命を延ばすために非常に有効です。 過度の飲酒も、血圧を上昇させる要因の一つです。アルコールは、血管を拡張させる作用と収縮させる作用の両方がありますが、過剰に摂取すると血管が収縮し、血圧が上昇します。アルコールの摂取量が多いほど、高血圧のリスクは高くなるため、節度ある飲酒を心がけましょう。 基礎疾患や薬の影響で高血圧になることも 高血圧は、加齢や生活習慣だけでなく、他の病気や薬の影響で引き起こされることもあります。これを二次性高血圧と言い、腎臓病、副腎疾患、甲状腺疾患などが原因となることがあります。例えば、腎臓は体内の水分や塩分のバランスを調整する役割を担っていますが、腎臓病になるとこの機能が低下し、体内に水分や塩分が過剰に蓄積され、高血圧を引き起こす可能性があります。 また、一部の薬も高血圧の副作用を引き起こす可能性があります。例えば、ステロイド剤や一部の鎮痛剤、風邪薬などに含まれる成分が、血圧を上昇させることがあります。服用している薬がある場合は、医師や薬剤師に相談することが大切です。特に、高齢者の高血圧患者は約6人に1人が、3種類以上の降圧薬を最大量使用しても血圧が下がらない難治性高血圧に該当する可能性があり、早期の診断と適切な治療が重要です。 高血圧の治療と予防:生活習慣の改善と薬物療法 高血圧の治療は、大きく「生活習慣の改善」と「薬物療法」の2つの柱から成り立っています。まるで、建物を支える二本の頑丈な柱のようなものです。どちらか一方だけでは、真に健康な状態を維持することは難しく、両方をバランスよく行うことが重要です。 まず、生活習慣の改善について考えてみましょう。高血圧の危険因子には、塩分の摂りすぎや肥満、運動不足、喫煙、過度の飲酒など、様々なものがあります。まるで、私たちの体に少しずつ負荷をかけていく重りのようなものです。これらの重りを一つずつ取り除く、あるいは軽くしていくことで、高血圧を予防し、治療していくことができるのです。 2017年のアメリカ心臓病学会(ACC)とアメリカ心臓協会(AHA)のガイドラインでも、高血圧管理には包括的な戦略が必要であると強調されています。 薬物療法だけでなく、食事療法や運動療法といった生活習慣改善も重要視されているのです。 具体的には、1日に6g未満の塩分摂取を目標に減塩を心がけましょう。外食や加工食品には、想像以上に多くの塩分が含まれていることが多いです。例えば、カップラーメン1杯には約5g、スナック菓子1袋には約1gの塩分が含まれています。普段何気なく口にしているものが、実は高血圧の大きな原因となっている可能性もあるのです。カリウムを多く含む野菜や果物を積極的に摂ることも、血圧を下げる効果が期待できます。 次に、適度な運動についてです。ウォーキングやジョギング、水泳など、無理なく続けられる運動を見つけ、1日30分以上を目標に取り組んでみましょう。体を動かす習慣がないと、血管の柔軟性が失われ、血液循環が悪化し、心臓に負担がかかります。その結果、血圧が上昇しやすくなるのです。運動は、血圧を下げるだけでなく、ストレス軽減や精神的な健康維持にも効果的です。心身ともに健康な状態を保つために、日常生活に運動を取り入れてみましょう。 さらに、禁煙も高血圧の予防と治療に大きく貢献します。喫煙は血管を収縮させ、血圧を上昇させるだけでなく、動脈硬化も促進します。動脈硬化は、血管の壁が厚く硬くなり、血管が狭くなる状態です。まるで、水道管に徐々に錆が溜まっていくようなものです。錆が溜まると、水の流れが悪くなるのと同様に、動脈硬化が進むと、血液の流れが悪くなり、様々な合併症を引き起こすリスクが高まります。そして、過度の飲酒も控えましょう。アルコールは、少量であれば血管を拡張させる作用がありますが、過剰に摂取すると血管が収縮し、血圧が上昇します。 次に、薬物療法についてです。生活習慣の改善だけでは血圧が十分に下がらない場合や、すでに合併症の危険性が高い場合には、薬物療法が必要になります。降圧薬には、利尿薬やACE阻害薬、ARB、カルシウム拮抗薬など、様々な種類があり、2023年のコクラン共同計画のシステマティックレビューでは、一次治療薬としてチアジド系利尿薬が他の降圧薬と比較され、総死亡率や心血管イベント発生率に大きな差がないことが示唆されています。さらに、有害事象による治療中止は利尿薬の方が少ない傾向があることも示されています。薬の種類や服用量は、患者さんの状態や他の病気の有無などを考慮して、医師が決定します。薬を飲み始めたら、必ず医師の指示に従って服用し、自己判断で中断したり、量を変えたりしないようにしましょう. 高血圧の治療は、長期にわたる場合がほとんどです。生活習慣の改善や薬物療法を継続していくためには、医師との信頼関係が不可欠です。疑問や不安があれば、遠慮なく医師に相談し、一緒に治療を進めていきましょう。 再生医療の無料相談受付中! リペアセルクリニックは「再生医療」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 まとめ 高血圧は自覚症状がないまま進行し、脳卒中や心筋梗塞などの深刻な合併症を引き起こす可能性があるため、早期発見と適切な管理が重要です。高血圧の基準値は収縮期血圧130mmHg以上、または拡張期血圧80mmHg以上で、家庭血圧測定による日常的な血圧管理が推奨されています。 高血圧の大部分は原因不明の本態性高血圧で、加齢や遺伝、生活習慣の積み重ねが影響しています。特に、塩分の過剰摂取、肥満、運動不足、喫煙、過度の飲酒は高血圧のリスクを高めるため、生活習慣の改善が重要です。 生活習慣の改善に加えて、必要に応じて薬物療法も併用されます。自分に合った治療法を見つけるためには、医師と相談し、信頼関係を築きながら治療を進めていくことが大切です。高血圧は早期発見・早期治療で合併症のリスクを減らすことができるので、少しでも不安を感じたら、まずは医療機関に相談してみましょう。 参考文献 2017年版 成人高血圧の予防、検出、評価、管理に関するACC/AHA/AAPA/ABC/ACPM/AGS/APhA/ASH/ASPC/NMA/PCNAガイドライン(要約) Li EC, Heran BS, Wright JM. "Angiotensin converting enzyme (ACE) inhibitors versus angiotensin receptor blockers for primary hypertension." The Cochrane database of systematic reviews 2014, no. 8 (2014): CD009096. 高血圧と血管疾患 Reinhart M, Puil L, Salzwedel DM, Wright JM. "First-line diuretics versus other classes of antihypertensive drugs for hypertension." The Cochrane database of systematic reviews 7, no. 7 (2023): CD008161. Shalaeva EV, Messerli FH. "What is resistant arterial hypertension?" Blood pressure 32, no. 1 (2023): 2185457. Messerli FH, Bangalore S, Mandrola JM. "β blockers switched to first-line therapy in hypertension." Lancet (London, England) 402, no. 10414 (2023): 1802-1804. Carey RM, Moran AE, Whelton PK. "Treatment of Hypertension: A Review." JAMA 328, no. 18 (2022): 1849-1861. 医師監修 リペアセルクリニック 内科専門医 渡久地 政尚
2025.02.11 -
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肩の痛み、もう我慢していませんか? 朝、髪を梳かす、服を着替えるといった何気ない動作でさえ、激痛が走る。夜も痛みのあまり眠れない…。 日本では、四十肩・五十肩を含む肩関節周囲炎だけで推定700万人が悩まされているというデータも。さらに、腱板損傷や神経の圧迫など、肩の痛みの原因は多岐に渡ります。 この記事では、肩の痛みの代表的な4つの原因と、それぞれの症状、さらに保存療法・手術療法・在宅ケアといった様々な治療法のメリット・デメリットを詳しく解説します。肩の痛みを根本から理解し、適切な対処法を見つけるための、決定版と言えるでしょう。 肩の痛みの原因4選とそれぞれの症状 肩の痛み。それは、日常生活の些細な動作さえも困難にする、悩ましい症状です。朝、髪を梳かす時、洋服を着替える時、高い所の物を取ろうとする時など、痛みが走るたびに憂鬱な気分になりますよね。 肩の痛みは、その原因によって症状や痛みの種類も様々です。今回は、肩の痛みの代表的な原因を4つご紹介し、それぞれの症状について、より詳しく、そして具体的に解説していきます。 五十肩/四十肩(肩関節周囲炎) 五十肩/四十肩は、正式には「肩関節周囲炎」と呼ばれ、肩関節を包む組織に炎症が起こることで、痛みや動かしにくさが現れる病気です。40~60歳代に多く発症し、特に女性に多い傾向があります。 まるで肩関節が錆びついたように、スムーズに動かなくなるのが特徴です。 原因ははっきりとは解明されていませんが、加齢による肩関節の老化現象や、糖尿病などの基礎疾患が影響していると考えられています。 五十肩/四十肩は、炎症期、拘縮期、回復期の3つの時期に分けられます。 最初の炎症期には、肩に鋭い痛みが走り、夜も眠れないほどの激痛に襲われることがあります。まるで肩の中に棘が刺さっているような感覚で、少し動かしただけでもズキズキと痛みます。安静時にも痛みがあり、特に夜間は痛みが強くなる傾向があります。 次の拘縮期には、痛みはやや落ち着いてきますが、肩関節が硬くなり、腕を上げにくくなります。例えば、洗濯物を干す、背中に手を回すといった動作が困難になります。 最後の回復期には、徐々に痛みと動かしにくさが改善していきます。日常生活動作も少しずつ楽になり、再び活動的に過ごせるようになります。 多くの場合、1年から4年程度で自然に治癒していきますが、中には回復に時間がかかるケースもあります。 腱板損傷 腱板とは、肩甲骨と上腕骨をつなぐ、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋という4つの筋肉の腱の集合体です。この腱板が切れたり、傷ついたりした状態が腱板損傷です。スポーツや転倒など、急激な外力で起こります。加齢変化の場合は、日常生活動作で徐々に損傷が進行していくこともあります。 腱板損傷の症状は、肩の痛み、腕を上げにくい、力が入らないなど、五十肩/四十肩と似ています。そのため、鑑別が難しいケースもあります。大きな違いは、腱板が損傷しているため、損傷した腱に対応する筋肉の筋力低下が起こることです。 例えば棘上筋が損傷すると、腕を外側に持ち上げる力が弱くなります。また、寝ていて痛みが出ることもあります。痛みは、断裂した腱の種類や損傷の程度によって異なり、全く症状がない場合もあります。 頸椎椎間板ヘルニア 頸椎椎間板ヘルニアは、首の骨と骨の間にあるクッションの役割をする椎間板が飛び出し、神経を圧迫することで、肩や腕に痛みやしびれが生じる病気です。単に肩の痛みだけでなく、首の痛み、腕のしびれ、手の動かしにくさなど、様々な症状が現れることがあります。 首の神経は、肩や腕、手につながっているため、神経が圧迫されると、その支配領域に沿って症状が現れます。これは、まるで電気が流れるように、首から肩、腕、手へと痛みが広がっていくような感覚です。 加齢や姿勢の悪さ、外傷などが原因で発症し、肩の痛みのみを訴える場合もあり、見過ごされることもあります。他の肩関節疾患との鑑別が重要となります。 医学論文においても、頚椎根症は頸椎から出ている神経根の炎症や圧迫によって引き起こされ、患部の神経根が支配する領域に運動障害や感覚障害を伴う痛みを生じることが報告されています(Corey DL and Comeau D. Cervical radiculopathy. 2014)。 胸郭出口症候群 胸郭出口症候群は、首から腕、手へと伸びる神経や血管が、胸郭出口と呼ばれる狭い部分で圧迫されることで、肩や腕、手に痛みやしびれ、冷感などが現れる病気です。なで肩の女性に多くみられます。鎖骨や肋骨の異常、筋肉の緊張、姿勢の悪さなど、様々な原因が考えられます。 症状は多様で、他の病気と間違えやすいのが特徴です。肩や腕の痛み、しびれ、だるさ、冷感など、様々な症状が現れ、重症になると手の握力が弱まったり、細かい作業がしにくくなったりすることもあります。 神経や血管の圧迫される部位や程度によって症状が変化するため、診断が難しい場合もあります。 肩の痛みの治療法3選とそれぞれのメリット・デメリット 肩の痛み。それは、日常生活の些細な動作さえも困難にする、悩ましい症状です。朝、髪を梳かす時、洋服を着替える時、高い所の物を取ろうとする時など、痛みが走るたびに憂鬱な気分になりますよね。痛みの原因、症状の重さ、そして患者さん自身のライフスタイルや価値観に合わせた最適な治療法を選択することが重要です。 ここでは、肩の痛みに対する主な治療法を3つご紹介します。これらの情報を参考に、ご自身の状況に合った治療法を見つけるための一助としてください。 保存療法(薬物療法、リハビリテーションなど) 身体への負担が少ないため、多くの場合、最初の治療として選択されます。保存療法には、薬物療法とリハビリテーションがあります。 薬物療法 例えば、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、炎症や痛みを引き起こす物質の生成を抑えることで効果を発揮します。NSAIDsは、内服薬だけでなく、湿布薬や塗り薬などの外用薬もあります。痛みが強い場合には、ステロイド注射を行うこともあります。ステロイドは強力な抗炎症作用を持つ薬であり、炎症を起こしている関節に直接注射することで、速やかに痛みを軽減できます。 リハビリテーション 具体的には、ストレッチ、筋力トレーニング、温熱療法などがあります。 保存療法のメリットは、侵襲的な治療ではないため、日常生活への影響も最小限に抑えられます。しかし、効果が現れるまでに時間がかかる場合や、重度の症状に対しては効果が不十分な場合もあります。特に、腱板断裂などの構造的な異常がある場合には、保存療法だけでは十分な効果が得られない可能性があります。 ただ、経験上、肩腱板損傷の手術の成績はあまりよくありません。日常生活ができるなら、整形外科医として、手術はあまりお勧めしていません、 しかし、昨今、再生医療という新しい治療法が出てきました。幹細胞による肩腱板損傷の再生です。ただ注意点として、元気な幹細胞でないと、うまく治療はできません。医療機関によって幹細胞の培養方法は全く違うのです。 リペアセルクリニックに幹細胞は、国内唯一の分化誘導と、冷凍しないで培養する方法で多くの患者様を元気にしてきました。詳しくはこちらへ 手術療法(関節鏡手術など) 近年では、関節鏡手術という低侵襲な手術が広く行われています。関節鏡手術は、小さな切開部からカメラと特殊な器具を挿入し、関節内部の状態を直接確認しながら行う手術です。従来の手術に比べて傷口が小さくても可能です。 手術療法のメリットは、保存療法では改善が見られない症状に対しても効果が期待できることです。特に、腱板断裂のように構造的な異常が原因となっている場合には、手術によって根本的な原因を取り除くことができます。しかし、手術にはどうしても身体への負担や費用、感染症などの合併症のリスクが伴います。 よく見られる合併症は、拘縮です。あとは痛みが改善しないこともあります。手術療法を選択する際には、医師とよく相談し、メリットとデメリットを十分に理解した上で判断することが重要です。文献においても、肩の痛みの治療は多くの場合、疼痛コントロールと運動療法に基づいており、手術は限定的に行われるとされています。 在宅ケア(ストレッチ、温罨法など) 在宅ケアとは、痛みが軽度の場合や、手術後のリハビリテーションとして行われます。代表的な方法として、ストレッチや温罨法などがあります。 ストレッチは、肩関節の柔軟性を高め、筋肉の緊張を和らげる効果があります。温罨法は、患部を温めることで血行を促進し、痛みを和らげる効果があります。温罨法には、蒸しタオルや温湿布、入浴などが有効です。 在宅ケアのメリットは、手軽に行えることと、費用がかからないことです。自宅でできるため、通院の負担もありません。しかし、効果は限定的であり、症状によっては悪化させる可能性もあります。 肩の痛みを予防するための生活習慣改善3選 適度な運動 運動不足は、肩周りの筋肉を弱らせ、関節の柔軟性を低下させ、症状を強くします。 例えば、デスクワーク中心の生活を送っていると、肩甲骨周囲の筋肉が硬くなり、血行不良に陥りやすくなります。このような状態が続くと、肩関節の動きが悪くなり、痛みが発生しやすくなるのです。 適度な運動は、肩周りの筋肉を強化し、柔軟性を高めることで、肩への負担を軽減し、痛みを予防する効果が期待できます。具体的には、ウォーキングやジョギング、水泳、ヨガ、ピラティスなどの運動が効果的です。 正しい姿勢 猫背や前かがみの姿勢は、肩甲骨の位置を変化させ、肩関節への負担を増大させます。長時間のデスクワークやスマートフォンの使用は、無意識のうちに猫背になりやすく負担がかかります。 正しい姿勢を保つことは、肩への負担を軽減し、痛みを予防する上で非常に重要です。具体的には、立っているときは背筋を伸ばし、あごを引いて、お腹に力を入れるように意識しましょう。 座っているときは、深く椅子に座り、背もたれに寄りかかるようにしましょう。また、パソコン作業時には、画面を目の高さに合わせ、キーボードとマウスは体に近い位置に置くように心がけてください。 バランスの取れた食事 栄養バランスの取れた食事は、健康な体を維持するために不可欠です。肩の痛みにおいても、栄養状態は重要な役割を果たします。 例えば、タンパク質は筋肉の構成成分であり、肩周りの筋肉を強化するために必要不可欠な栄養素です。カルシウムは骨を強くし、ビタミンDはカルシウムの吸収を促進する働きがあります。これらの栄養素が不足すると、骨や筋肉が弱くなり、肩の痛みを引き起こしやすくなります。 参考文献 Corey DL, Comeau D. "Cervical radiculopathy." The Medical clinics of North America 98, no. 4 (2014): 791-9, xii. Greenberg DL. "Evaluation and treatment of shoulder pain." The Medical clinics of North America 98, no. 3 (2014): 487-504. Crookes T, Wall C, Byrnes J, Johnson T, Gill D. "Chronic shoulder pain." Australian journal of general practice 52, no. 11 (2023): 753-758. 監修医師 リペアセルクリニック 理事長 医師 坂本貞範
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