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肩の痛み、我慢していませんか? 朝、髪を梳かす、洋服を着替えるといった何気ない動作でさえ、激痛が走る。夜も痛みのあまり眠れない…。 日本では、四十肩・五十肩を含む肩関節周囲炎だけで推定700万人が悩まされているというデータも。 さらに、腱板損傷や神経の圧迫など、肩の痛みの原因は多岐に渡ります。 この記事では、肩の痛みの代表的な4つの原因と、それぞれの症状、さらに保存療法・手術療法・在宅ケアといった様々な治療法のメリット・デメリットを詳しく解説します。 肩の痛みを根本から理解し、適切な対処法を見つけるための、決定版と言えるでしょう。 肩の痛みの原因4選とそれぞれの症状 肩の痛み。それは、日常生活の些細な動作さえも困難にする、悩ましい症状です。 朝、髪を梳かす時、洋服を着替える時、高い所の物を取ろうとする時など、痛みが走るたびに憂鬱な気分になりますよね。 肩の痛みは、その原因によって症状や痛みの種類も様々です。 今回は、肩の痛みの代表的な原因を4つご紹介し、それぞれの症状について、より詳しく、そして具体的に解説していきます。 五十肩/四十肩(肩関節周囲炎) 五十肩/四十肩は、正式には「肩関節周囲炎」と呼ばれ、肩関節を包む組織に炎症が起こることで、痛みや動かしにくさが現れる病気です。 40~60歳代に多く発症し、特に女性に多い傾向があります。 まるで肩関節が錆びついたように、スムーズに動かなくなるのが特徴です。 原因ははっきりとは解明されていませんが、加齢による肩関節の老化現象や、糖尿病などの基礎疾患が影響していると考えられています。 五十肩/四十肩は、炎症期、拘縮期、回復期の3つの時期に分けられます。 最初の炎症期には、肩に鋭い痛みが走り、夜も眠れないほどの激痛に襲われることがあります。 まるで肩の中に棘が刺さっているような感覚で、少し動かしただけでもズキズキと痛みます。安静時にも痛みがあり、特に夜間は痛みが強くなる傾向があります。 次の拘縮期には、痛みはやや落ち着いてきますが、肩関節が硬くなり、腕を上げにくくなります。 例えば、洗濯物を干す、背中に手を回すといった動作が困難になります。 最後の回復期には、徐々に痛みと動かしにくさが改善していきます。日 常生活動作も少しずつ楽になり、再び活動的に過ごせるようになります。 多くの場合、1年から4年程度で自然に治癒していきますが、中には回復に時間がかかるケースもあります。 再生医療の無料相談受付中! リペアセルクリニックは「肩の痛み」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 腱板損傷 腱板とは、肩甲骨と上腕骨をつなぐ、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋という4つの筋肉の腱の集合体です。 この腱板が切れたり、傷ついたりした状態が腱板損傷です。スポーツや転倒など、急激な外力で起こります。 加齢変化の場合は、日常生活動作で徐々に損傷が進行していくこともあります。 腱板損傷の症状は、肩の痛み、腕を上げにくい、力が入らないなど、五十肩/四十肩と似ています。 そのため、鑑別が難しいケースもあります。大きな違いは、腱板が損傷しているため、損傷した腱に対応する筋肉の筋力低下が起こることです。 例えば棘上筋が損傷すると、腕を外側に持ち上げる力が弱くなります。 また、寝ていて痛みが出ることもあります。痛みは、断裂した腱の種類や損傷の程度によって異なり、全く症状がない場合もあります。 頸椎椎間板ヘルニア 頸椎椎間板ヘルニアは、首の骨と骨の間にあるクッションの役割をする椎間板が飛び出し、神経を圧迫することで、肩や腕に痛みやしびれが生じる病気です。 単に肩の痛みだけでなく、首の痛み、腕のしびれ、手の動かしにくさなど、様々な症状が現れることがあります。 首の神経は、肩や腕、手につながっているため、神経が圧迫されると、その支配領域に沿って症状が現れます。 これは、まるで電気が流れるように、首から肩、腕、手へと痛みが広がっていくような感覚です。 加齢や姿勢の悪さ、外傷などが原因で発症し、肩の痛みのみを訴える場合もあり、見過ごされることもあります。他の肩関節疾患との鑑別が重要となります。 医学論文においても、頚椎根症は頸椎から出ている神経根の炎症や圧迫によって引き起こされ、患部の神経根が支配する領域に運動障害や感覚障害を伴う痛みを生じることが報告されています(Corey DL and Comeau D. Cervical radiculopathy. 2014)。 胸郭出口症候群 胸郭出口症候群は、首から腕、手へと伸びる神経や血管が、胸郭出口と呼ばれる狭い部分で圧迫されることで、肩や腕、手に痛みやしびれ、冷感などが現れる病気です。 なで肩の女性に多くみられます。 鎖骨や肋骨の異常、筋肉の緊張、姿勢の悪さなど、様々な原因が考えられます。 症状は多様で、他の病気と間違えやすいのが特徴です。 肩や腕の痛み、しびれ、だるさ、冷感など、様々な症状が現れ、重症になると手の握力が弱まったり、細かい作業がしにくくなったりすることもあります。 神経や血管の圧迫される部位や程度によって症状が変化するため、診断が難しい場合もあります。 肩の痛みの治療法3選とそれぞれのメリット・デメリット 肩の痛み。それは、日常生活の些細な動作さえも困難にする、悩ましい症状です。 朝、髪を梳かす時、洋服を着替える時、高い所の物を取ろうとする時など、痛みが走るたびに憂鬱な気分になりますよね。 痛みの原因、症状の重さ、そして患者さん自身のライフスタイルや価値観に合わせた最適な治療法を選択することが重要です。 ここでは、肩の痛みに対す る主な治療法を3つご紹介します。これらの情報を参考に、ご自身の状況に合った治療法を見つけるための一助としてください。 保存療法(薬物療法、リハビリテーションなど) 身体への負担が少ないため、多くの場合、最初の治療として選択されます。 保存療法には、薬物療法とリハビリテーションがあります。 薬物療法 例えば、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、炎症や痛みを引き起こす物質の生成を抑えることで効果を発揮します。 SAIDsは、内服薬だけでなく、湿布薬や塗り薬などの外用薬もあります。 痛みが強い場合には、ステロイド注射を行うこともあります。 ステロイドは強力な抗炎症作用を持つ薬であり、炎症を起こしている関節に直接注射することで、速やかに痛みを軽減できます。 リハビリテーション 具体的には、ストレッチ、筋力トレーニング、温熱療法などがあります。 保存療法のメリットは、侵襲的な治療ではないため、日常生活への影響も最小限に抑えられます。 しかし、効果が現れるまでに時間がかかる場合や、重度の症状に対しては効果が不十分な場合もあります。 特に、腱板断裂などの構造的な異常がある場合には、保存療法だけでは十分な効果が得られない可能性があります。 ただ、経験上、肩腱板損傷の手術の成績はあまりよくありません。 日常生活ができるなら、整形外科医として、手術はあまりお勧めしていません、 しかし、昨今、再生医療という新しい治療法が出てきました。幹細胞による肩腱板損傷の再生です。 ただ注意点として、元気な幹細胞でないと、うまく治療はできません。医療機関によって幹細胞の培養方法は全く違うのです。 リペアセルクリニックに幹細胞は、国内唯一の分化誘導と、冷凍しないで培養する方法で多くの患者様を元気にしてきました。詳しくはこちらへ 手術療法(関節鏡手術など) 近年では、関節鏡手術という低侵襲な手術が広く行われています。 関節鏡手術は、小さな切開部からカメラと特殊な器具を挿入し、関節内部の状態を直接確認しながら行う手術です。 従来の手術に比べて傷口が小さくても可能です。 手術療法のメリットは、保存療法では改善が見られない症状に対しても効果が期待できることです。 特に、腱板断裂のように構造的な異常が原因となっている場合には、手術によって根本的な原因を取り除くことができます。 しかし、手術にはどうしても身体への負担や費用、感染症などの合併症のリスクが伴います。 よく見られる合併症は、拘縮です。あとは痛みが改善しないこともあります。 手術療法を選択する際には、医師とよく相談し、メリットとデメリットを十分に理解した上で判断することが重要です。 文献においても、肩の痛みの治療は多くの場合、疼痛コントロールと運動療法に基づいており、手術は限定的に行われるとされています。 在宅ケア(ストレッチ、温罨法など) 在宅ケアとは、痛みが軽度の場合や、手術後のリハビリテーションとして行われます。 代表的な方法として、ストレッチや温罨法などがあります。 ストレッチは、肩関節の柔軟性を高め、筋肉の緊張を和らげる効果があります。 温罨法は、患部を温めることで血行を促進し、痛みを和らげる効果があります 。温罨法には、蒸しタオルや温湿布、入浴などが有効です。 在宅ケアのメリットは、手軽に行えることと、費用がかからないことです。 自宅でできるため、通院の負担もありません。しかし、効果は限定的であり、症状によっては悪化させる可能性もあります。 肩の痛みを予防するための生活習慣改善3選 適度な運動 運動不足は、肩周りの筋肉を弱らせ、関節の柔軟性を低下させ、症状を強くします。 例えば、デスクワーク中心の生活を送っていると、肩甲骨周囲の筋肉が硬くなり、血行不良に陥りやすくなります。 このような状態が続くと、肩関節の動きが悪くなり、痛みが発生しやすくなるのです。 適度な運動は、肩周りの筋肉を強化し、柔軟性を高めることで、肩への負担を軽減し、痛みを予防する効果が期待できます。 具体的には、ウォーキングやジョギング、水泳、ヨガ、ピラティスなどの運動が効果的です。 正しい姿勢 猫背や前かがみの姿勢は、肩甲骨の位置を変化させ、肩関節への負担を増大させます。 長時間のデスクワークやスマートフォンの使用は、無意識のうちに猫背になりやすく負担がかかります。 正しい姿勢を保つことは、肩への負担を軽減し、痛みを予防する上で非常に重要です。 具体的には、立っているときは背筋を伸ばし、あごを引いて、お腹に力を入れるように意識しましょう。 座っているときは、深く椅子に座り、背もたれに寄りかかるようにしましょう。 また、パソコン作業時には、画面を目の高さに合わせ、キーボードとマウスは体に近い位置に置くように心がけてください。 バランスの取れた食事 栄養バランスの取れた食事は、健康な体を維持するために不可欠です。 肩の痛みにおいても、栄養状態は重要な役割を果たします。 例えば、タンパク質は筋肉の構成成分であり、肩周りの筋肉を強化するために必要不可欠な栄養素です。 カルシウムは骨を強くし、ビタミンDはカルシウムの吸収を促進する働きがあります。 これらの栄養素が不足すると、骨や筋肉が弱くなり、肩の痛みを引き起こしやすくなります。 再生医療の無料相談受付中! リペアセルクリニックは「肩の痛み」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 参考文献 Corey DL, Comeau D. "Cervical radiculopathy." The Medical clinics of North America 98, no. 4 (2014): 791-9, xii. Greenberg DL. "Evaluation and treatment of shoulder pain." The Medical clinics of North America 98, no. 3 (2014): 487-504. Crookes T, Wall C, Byrnes J, Johnson T, Gill D. "Chronic shoulder pain." Australian journal of general practice 52, no. 11 (2023): 753-758.
2025.02.11 -
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- 肩
肩関節唇損傷は、肩関節が脱臼しないように安定させる役割を持つ関節唇が損傷する疾患です。 損傷した関節唇が自然治癒することはなく、適切な治療を受けなければいけません。 肩の過剰使用や脱臼が原因となることが多く、野球やテニスなどのスポーツ選手が発症しやすい疾患としても知られています。 本記事では、肩関節唇損傷の治療方法について解説します。 肩関節唇を損傷してしまった場合は、適切な治療を受けましょう。 肩関節唇損傷とは 肩関節唇損傷とは、肩の安定に不可欠である関節唇が剥がれてしまう疾患です。 関節唇は、関節のくぼみである関節窩の周りに付いている軟骨で、関節を安定させる重要な役割を果たしています。 特に肩関節の関節唇の上部は、デリケートで損傷しやすい部位です。 以下では、肩関節唇損傷の主な症状や原因について解説します。 肩関節唇損傷の主な症状 肩関節唇損傷の主な原因 損傷した関節唇は、自然治癒することがないため、医師の治療・リハビリの指示を受けましょう。 主な症状 肩関節唇損傷の主な症状は、以下の通りです。 肩の痛み 肩が抜けるような不安定感 可動域の制限 コリッと音(クリック音)がする 上記以外にも、関節の安定感が低下している状態ですので、脱臼を繰り返す「反復性肩関節脱臼」と呼ばれる状態に陥ってしまう可能性があります。 主な原因 肩関節唇損傷の主な原因として、以下の3つが挙げられます。 肩関節の脱臼 肩の使いすぎ 転倒や事故による外的要因 肩関節唇損傷は野球やテニスなど、肩を酷使するスポーツ選手や、肩に大きな負荷がかかる仕事をしている人によく見られる疾患です。 また、肩を強く打つなどの強い衝撃によっても関節唇が損傷するケースがあります。 特に、肩の脱臼が原因で肩関節唇を損傷した場合は、周囲の骨組織も傷つけてしまう場合があるため、反復性肩関節脱臼になりやすくなります。 肩関節唇損傷の治し方は?主な治療法 肩関節唇損傷の主な治療法をご紹介します。 保存療法 手術療法 再生医療 3つの治療法について、詳しく解説します。 保存療法 軽度の肩関節唇損傷の場合、保存療法によって症状や痛みの緩和を図ることが多いです。 保存療法は、細かく分けると以下のような方法があります。 薬物療法 リハビリ それぞれの治療法について詳しく解説します。 薬物療法 薬物療法は、消炎鎮痛剤の内服やヒアルロン酸の関節内注射が基本です。痛みが治まらない場合、ステロイド注射で痛みの緩和を図ります。 基本的には薬物療法によって痛みや炎症が落ち着いてから徐々にリハビリでの治療が行われます。 リハビリ 肩関節唇を損傷した場合、以下のようなリハビリが行われます。 肩関節のストレッチ 肩の可動域を改善する運動 肩の筋力強化 肩関節唇損傷は、肩後面の組織が硬いケースがあるため、柔軟性を上げるためにストレッチを行います。 また、肩関節唇を損傷すると痛みによって筋肉が緊張していて可動域が狭くなりやすいので改善する運動が重要です。 手術療法 保存療法で痛みが緩和されなかった場合、手術療法を検討するケースがあります。 肩関節唇損傷の症状に応じて「損傷した関節唇を物理的に除去」と「剥離した関節唇を縫合」などの処置を行います。 関節鏡を用いた手術が主流で、従来の切開手術より体への負担が少なく術後の回復が早い特徴があります。 個人差はありますが、約1ヶ月後には日常生活に戻れる程度には回復することが多いです。 スポーツの復帰には、術後3ヶ月から6ヶ月程度のリハビリが必要になります 。 再生医療 再生医療は、幹細胞のさまざまな組織に変化する能力を利用して損傷した箇所を修復・再生させる治療法です。 当院(リペアセルクリニック)では、患者さま自身の細胞を用いるため、アレルギーや拒否反応のリスクが小さい点が特徴です。 また、手術不要で長期間の入院の必要がないので日常生活へ早く復帰できるメリットがあります。 保存療法で肩関節唇損傷が治らない方や手術を避けたい方は、再生医療による治療をご検討ください。 治療後のリハビリテーションの流れ 肩関節唇損傷は、治療後のリハビリが大切です。主なリハビリの方法を1ヶ月目から順番に解説します。 治療後1ヶ月目のリハビリ 治療後2ヶ月目のリハビリ 治療後3ヶ月目以降のリハビリ 治療が終わった後のリハビリがその後の生活にも大きく影響します。怪我の状態や時間経過に合わせて無理なくリハビリをしましょう。 治療後1ヶ月目のリハビリ 治療後初期は痛みがあるため、安静にし、鎮痛剤などで改善を図ります。また、夜間に肩を動かさないように装具を着用します。 しかし、肩背面の組織が硬くなりやすいため、リハビリは手術翌日から無理のない範囲で開始することが一般的です。 重い負荷をかけてトレーニングをしてしまうと悪化する可能性があるので、運動量や負荷には注意しなければなりません。 治療後2ヶ月目のリハビリ この時期は、肩関節の可動域向上、筋力強化のためのリハビリを行います。可動域を広げて肩関節の負担を軽減する狙いがあります。 肩の筋力を上げるトレーニングでは、軽い負荷から徐々に難易度を上げていくことが大切です。 スポーツ復帰を目指す場合は、全身の心肺機能を戻すために有酸素運動も行います。 治療後3ヶ月目以降のリハビリ 3ヶ月目以降は、トレーニングの負荷を上げながらスポーツに特化したリハビリが行われます。 スポーツの中では瞬発的な動作が多いため、素早い動作に対応できるようトレーニングします。 受傷のきっかけとなった動作をチェックし、再発を防止することが重要です。 肩関節唇損傷を放置するリスク 肩関節唇損傷を放置すると、「肩腱板断裂」を合併する可能性があります。 肩腱板断裂とは、腱板と呼ばれる肩の関節を安定させる働きがある筋肉が断裂してしまう疾患です。 肩の可動域や筋力の低下、肩を動かしたときや、夜間の肩の痛みなどの症状があります。 加齢によって発症することもありますが、肩の酷使や外傷によって断裂してしまうケースもあります。 肩関節唇損傷の治療・再発予防に再生医療という選択肢 肩関節唇損傷の治療・再発予防には、再生医療をご検討ください。 当院(リペアセルクリニック)では、患者さまの幹細胞を利用した再生医療を行っています。 患者さま自身の細胞を用いた治療でアレルギーや拒絶反応などのリスクが少ない治療法です。 また、手術や入院が不要で日帰りで済ませることができます。 再生医療を検討している方は、ぜひ当院(リペセルクリニック)にご相談ください。 【まとめ】肩関節唇損傷を治すなら再生医療による治療を検討しよう 肩関節唇損傷は、自然治癒することはないため、病院で適切な治療を受ける必要があります。 損傷の状態に応じて、保存療法や手術などの治療法があります。 肩関節唇損傷の症状でお悩みの方は、手術や入院が不要な治療法として注目されている再生医療での治療をご検討ください 当院(リペアセルクリニック)の再生医療は、患者さま自身の細胞を用いて治療を行うため、アレルギーや拒絶反応のリスクが少ない点が特徴です。 身体への負担も少なく済むため、肩関節唇損傷の根本的な治療には再生医療による治療を推奨しています。 手術を避けたい、保存療法で改善があまり見られなかった方は、当院(リペアセルクリニック)へご相談ください。
2025.02.07 -
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肩腱板損傷で腕が上がらない!どうして?その原因とは 肩腱板損傷になると、腕が上がらなくなって悩まされるようになります。思うように腕が上がらないと洗濯物を干す、高いところのものを取るといったことが困難になるなど日常生活でもいろいろと支障が出てきます。また、ずっとこのような状態が続くのだろうかと不安になる人もいると思います。 そこで、今回は肩腱板損傷で腕が上がらないというのはなぜなのか?ということについて紹介します。 肩腱板損傷で腕が上がらないのはなぜ? 肩腱板は肩関節を覆う筋肉です。肩関節は複数の関節がありますが、それらの関節だけでは非常に不安定でスムーズに動かすことができません。その関節を安定させてスムーズに腕をあげたり、捻ったりすることをできるようにしているのが肩腱板です。 肩腱板が損傷してしまうと、肩関節を安定させる役割を十分に果たせなくなり、肩関節が不安定になるため腕が上がらないという症状が出ることがあります。 五十肩の腕が上がらない症状と、肩腱板損傷で腕が上がらない症状の違い 腕が上がらないというのは肩腱板損傷でよくある症状の1つですが、腕が上がらないと言えば五十肩をイメージする人もたくさんいると思います。 たしかに、五十肩でも腕が上がらなくなることはありますが、五十肩の場合は肩関節が不安定になるのが理由ではありません。 五十肩の場合は、本来柔らかくて伸びがある関節がかたくなってしまうのが主な理由になります。また、痛みが強すぎて動かすことができないというケースもあります。 このように、腕が上がらない理由は異なりますが、それが肩腱板損傷か五十肩かを自分で判断するのは難しいのです。 肩腱板損傷で腕が上がらないときの対策 肩腱板損傷はそのままにしておいても、損傷した部分が自然に修復し治るということはありません。悪化して損傷した部分が拡大したり断裂してしまうことがあります。 しかし、肩甲骨や脊柱など肩関節周辺の筋肉や関節を柔らかくすることで、腕を上がりやすくすることは可能です。ただし、状態の程度によっては手術をしないと腕を上がるようになるのは難しいケースもありますから、まずは専門医に相談をしてみましょう。 まとめ・肩腱板損傷で腕が上がらない!どうして?その原因とは 肩腱板損傷で腕が上がらないという症状について紹介しました。 無理やり腕をあげようとしたり、何とかしようと自己流で対策をすると悪化してしまう可能性があります。肩腱板損傷で腕が上がらないのを何とかしたいという人は、まずは医療機関で診てもらうことをおすすめします。 https://youtu.be/bKupVfsXpHM?si=AuS-8sLS0tUiHFfL ▶治療方法の選択肢のひとつとして、こちらの動画も是非ご覧ください。 監修:リペアセルクリニック大阪院 こちらも併せてご参照ください
2021.01.12 -
- 肩
肩の石灰化は腱板と呼ばれる腱の中にカルシウムが蓄積して痛みを伴う疾患です。急激に強い痛みが伴うことから多くの方が悩まされています。 そんな肩の石灰化の痛みを改善するには、ストレッチによる運動治療が有効です。 本記事では、効果的なストレッチ方法を3選紹介します。症状改善と日常生活の質向上を目指すためにもぜひ最後までご覧ください。 肩の石灰化に運動治療(ストレッチ)が有効な理由 肩が石灰化している場合、夜中に肩の痛みで目が覚める・腕を動かすと痛みがある・腕を動かせないといった症状があります。 肩の石灰化に有効な治療法は多数存在しますが、そのなかの ひとつに運動療法によるストレッチが挙げられます。 ストレッチは石灰化を起こしている肩周辺の筋肉をほぐし、可動域を広げる効果があります。 この項目では、そもそも肩の石灰化とはどういった疾患なのかを具体的に解説した上で、運動治療の目的を紹介します。 肩の石灰化(肩石灰沈着性腱板炎)とは 肩の石灰化とは、体内の余分なリン酸カルシウムが肩関節の動きを安定させる役割のある腱板の周囲に沈着して硬くなってしまうことです。 沈着する初期のリン酸カルシウムはミルク状ですが、徐々に練り歯磨き状・石膏状へと硬くなっていきます。 この石灰化したものを身体が異物と認識し、攻撃することで腱板が炎症を起こします。また、硬くなり膨れ上がった石灰が腱板を突き破ることで、激しい痛みが生じます。そうした症状を、石灰沈着性腱板炎と言います。 運動療法の目的 石灰沈着性腱板炎は、発症してから1週間から4週間の急性期に強い痛みが生じます。よって急性期は保存療法で安静を保ち、強い痛みが落ち着いてから運動療法を開始します。 運動療法は、ダメージや運動不足によって硬くなった筋肉や関節をほぐすことを目的とし、痛みの緩和や関節の可動域を広げる効果があります。 また、肩の石灰化に対して運動療法を行う場合は、痛みが強くならないよう注意しなければなりません。無理して運動してしまうと症状が悪化してしまいます。 肩の石灰化に有効なストレッチ3選 肩の石灰化に運動治療が有効な理由を確認いただいたところで、さっそく有効なストレッチ3選を紹介します。 ストレッチは、空き時間を利用しながら手軽にできる運動療法です。確認し次第実践してみましょう。 タオルを使ったストレッチ タオルの両端を両手で持って、上下に動かす タオルの両端を両手で持って、腕を真上に挙げた状態でゆっくり左右に動かす 両腕を下げて体の後ろでタオルの両端を持ち、その状態で左右に動かす ※いずれも繰り返し行います 硬くなってしまった筋肉や関節をほぐすイメージで行います。強い痛みが出る場合は、無理をせず中止してください。 肩の後ろを伸ばすストレッチ 横向きで寝る(ストレッチを実施する肩が下になるよう) 下側の腕を肘から直角に曲げる(腕は肩と並行になるよう真横に向ける) 曲げている肘の手首を上側の手でつかむ 手首を腹部側に徐々に倒す(床につけるように) 上記は、肩の後ろを伸ばすのに効果的なストレッチです。就寝前など、寝転んだついでに実践できるお手軽なストレッチとなっています。 インナーマッスルストレッチ 床や背もたれのない椅子に座る 伸ばす方の腕を下から背中に回す 棒やタオルを持ったもう一方の腕を上から背中に回す 棒やタオルを両手で持ち、上に回した腕で伸ばす腕を引き上げる 上記ストレッチは、棒やタオルといった引っ張れるものを使用します。 お互いの腕を上下に分けて背中に回し、伸ばす側の腕を引っ張るイメージです。 適切なストレッチで肩の石灰化を緩和しよう 肩の石灰化に対して運動療法は有効ですが、間違ったタイミングや方法でおこなうとかえって悪化を招いてしまいます。自己判断で運動したり自己流の運動をしたりせずに、医師や専門家のアドバイスをきちんと受けた上で正しく行いましょう。 また、手術を伴わない療法として再生医療が近年注目を集めています。肩の痛みにお悩みの方は再生医療による治療も検討してみてはいかがでしょうか。
2020.05.24 -
- 肩
石灰沈着性腱板炎の辛い痛みは放置しない!悪化するとどうなる?その治療法とは 石灰沈着性腱板炎は、前触れもなく関節に突然強い痛みが発生するので、初めて発症した人は痛みが辛いのはもちろんのこと「放っておくと悪化するの?」「悪化したらどうなるのだろう」と不安になる人も多いでしょう。 ここでは、石灰沈着性腱板炎が悪化するとどういった症状が出るのかについて、また、悪化した時の治療方法についても紹介します。 石灰沈着性腱板炎が悪化する流れ 石灰沈着性腱板炎は腱板にリン酸カルシウムの石灰が沈着し、その石灰を何らかの原因で身体が異物だと判断して攻撃することで腱板が炎症を起こすものです。 沈着する石灰は最初ミルク状ですが、悪化すると練り歯磨き状になり、さらに悪化すると石膏状になるというようにどんどん硬くなっていき、石灰が溜まって膨れ上がっていきます。 そうなると痛みがどんどん増してしまいます。 さらに、石膏状になって膨らんだ石灰が腱板を破って関節の周囲にあって関節の動きを滑らかにする働きのある滑液包へと移動すると強烈な痛みが生じます。 石灰沈着性腱板炎を悪化させないための保存療法について 石灰沈着性腱板炎が発症してから1週間から4週間くらいの急性の時期は保存療法による治療がおこなわれます。 アームスリングや三角巾などの固定器具を使って患部を動かさないようにして負荷を軽減した状態で安静したり、炎症鎮痛剤を内服するによって炎症や痛みを抑えたりします。 このような保存療法をおこなうことで石灰が体内に吸収されて消失して、悪化せずに軽快するケースが多いです。 また、この時期は石灰がまだミルク状なので、痛みが強い時は注射針を挿入して吸引して取り除く治療をおこなうこともできます。 石灰沈着性腱板炎の悪化した際の治療法 石灰沈着性腱板炎が悪化すると、慢性的に痛みが強くなり関節を思うように動かせなくなってしまいますが、石膏状になった石灰は注射針を挿入しても吸引して取り除くことはできませんし、放置しておいて自然に軽快することも期待できません。 そういう場合は、内視鏡による手術が検討されるのが一般的ですが、近年では衝撃波によって石膏状の石灰を取り除く体外衝撃波療法のように皮膚を切開する必要のない治療法もおこなわれるようになってきています。 まとめ・石灰沈着性腱板炎の辛い痛みは放置しない!悪化するとどうなる?その治療法とは 石灰沈着性腱板炎が悪化した時の症状や治療方法について紹介しました。 石灰沈着性腱板炎は悪化せずに自然に治まっていくこともありますが、悪化すると痛みや関節の可動域制限などでつらい日々を過ごすことになってしまうこともあります。 悪化させないためにも早めに医療機関を受診して正しい治療を受けることをおすすめします。 こちらも併せてご参照ください 監修;リペアセルクリニック大阪院
2020.05.17 -
- 肩
夜間、眠っているときに生じる肩の強い痛みに悩んでいる方は、石灰沈着性腱板炎を発症しているかもしれません。 石灰沈着性腱板炎とは、肩の筋肉である腱板に石灰が蓄積され、炎症を引き起こし痛みが生じる疾患です。 この記事では、石灰沈着性腱板炎の概要や原因、症状などについて解説します。 石灰沈着性腱板炎の新たな治療法として注目されている再生医療の紹介もしているので、参考にしてください。 また、当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、再生医療の治療法や症例に関する情報を公開しているので、合わせてご覧ください。 石灰沈着性腱板炎(石灰性腱炎)とは 石灰沈着性腱板炎とは、肩の腱板に石灰(カルシウム)が蓄積し、炎症を引き起こすことで強い痛みや肩の可動域制限が起こる疾患です。 腱板は、肩甲骨と上腕骨をつなぐ(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)と呼ばれる4つの筋肉で、肩の動きをサポートし安定させるのが主な役割です。 石灰沈着性腱板炎は突然強い痛みが現れ、夜間に痛みが強くなって睡眠が妨げられることがあります。 また、痛みがあることで肩を動かすことが難しくなり、腕を上げたり物を持つといった日常の動作にも支障をきたします。 放置すると症状が慢性化して長引くこともあるため、早めに整形外科を受診しましょう。 石灰沈着性腱板炎の原因 石灰沈着性腱板炎は、以下の4つが主な原因と考えられています。 肩の継続的な負担 加齢による修復機能の低下 女性ホルモンの低下 カルシウムを中心とした栄養素の不足 石灰沈着性腱板炎による痛みは、腱板に沈着したリン酸カルシウム結晶が炎症を引き起こすことによって生じます。 リン酸カルシウムが腱板に沈着する理由や詳しいメカニズムは、完全に解明されていません。 肩の継続的な負担 石灰沈着性腱板炎の原因の一つに、肩の継続的な負担が挙げられます。 肩に負担がかかる動作は、以下の通りです。 猫背や前傾姿勢などの不良姿勢 建設現場や引越し業者など重量物を持つ 野球やテニスなどの肩を酷使するスポーツ 上記のような肩を酷使する環境が続くと、肩の腱板に微細な損傷が起こりやすくなります。 損傷を修復する際に石灰が沈着して炎症を引き起こすことが石灰沈着性腱板炎の発症につながると考えられています。 加齢による修復機能の低下 石灰沈着性腱板炎の原因の一つとして、加齢による修復機能の低下が考えられます。 特に40~50代の方に多くみられます。 加齢とともに、肩まわりの血流が悪くなったり、組織を修復する機能が低下したりすると、腱板に石灰が沈着しやすくなると考えられています。 石灰沈着性腱板炎は、年齢とともに誰でも発症する可能性があるので、肩に痛みや違和感を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。 女性ホルモンの低下 石灰沈着性腱板炎の原因に、女性ホルモンの一つであるエストロゲンの分泌低下があります。 エストロゲンの主な働きは、以下の通りです。 女性らしい体型をつくる 損傷した筋肉や腱を修復する 腱の柔軟性を保つ 血中のカルシウム濃度を一定に保つ 更年期や閉経によってエストロゲンの分泌量が減少すると、肩の修復機能が低下し、石灰沈着が起こりやすくなると考えられています。 また、エストロゲンとカルシウムの関係も重要です。 骨は古い骨を壊して新しい骨を作る働きがあり、エストロゲンは古い骨を壊す働きを抑え、骨からカルシウムが溶け出すのを防ぎます。 そのため、エストロゲンの分泌が減少すると、体内のカルシウムバランスが崩れ、石灰沈着性腱板炎を発症しやすくなる可能性があります。 日本人女性が閉経する平均年齢は、50.5歳※です。 ※出典:厚生労働省働く女性の心とからだの応援サイト「更年期」 50代以降の女性は、肩の痛みや違和感を感じたら、年齢やホルモンの影響も視野に入れて、早めの対応を心がけましょう。 カルシウムを中心とした栄養素の不足 カルシウムなどの栄養素が不足すると、石灰沈着性腱板炎の発症リスクが高まる可能性があります。 血液中のカルシウムが不足すると、体は骨からカルシウムを溶かして補おうとしますが、何らかのきっかけにより腱板にカルシウムが沈着する場合があると考えられています。 コンビニ食やファーストフード中心の食生活が続いている方は、栄養バランスを意識し、カルシウムを積極的に摂取するのが大切です。 カルシウムを多く含む食品は、以下の通りです。 食品 主な例 乳製品 牛乳、チーズ、ヨーグルトなど 大豆製品 豆腐、納豆など 小魚 ししゃも、さくらえびなど 野菜 小松菜、切り干し大根など ※出典:農林水産省「大切な栄養素カルシウム」 とくに牛乳は、他の食品に比べてカルシウムの吸収率が高く、効率よく摂取できる乳製品です。 また、カルシウムの吸収を助ける働きを持つビタミンDが豊富なイワシやサンマ、しいたけなどの食品も一緒に食べると効果的です。 石灰沈着性腱板炎を予防するにも、カルシウムやビタミンDなどの栄養素を積極的に摂りましょう。 石灰沈着性腱板炎の症状 石灰沈着性腱板炎の症状は、以下の3つのタイプに分けられます。 タイプ 痛みが続く期間 主な症状 急性型 1週間から4週間程度 急に激しく痛む 夜間に痛みが強くなる 関節を動かせない 亜急性型 1カ月から半年程度 急性型のような症状が出たり、症状が治まったりするのを繰り返す 慢性型 6カ月以上 肩を動かすと引っかかるような感じがする 腕を挙げると痛む 後ろに手を回せない 石灰沈着性腱板炎は、急性型・慢性型問わず、日常生活に支障をきたす場合があります。 急性型は、突然強い痛みが生じることが多く、睡眠や仕事、家事がままならないケースも少なくありません。 一方、慢性型では、腕を上げたときの痛みや引っかかるような違和感により、洗髪・衣服の着脱・洗濯など、日常の動作が困難になることもあります。 石灰沈着性腱板炎はどうやって治す?主な治療法 石灰沈着性腱板炎には、以下の3つの治療法があります。 保存療法 手術療法 再生医療 一般的に保存療法が用いられますが、沈着した石灰が時間の経過に伴い、硬く石膏状になった際は手術が検討されます。 また、修復することがほとんどないとされている腱板の回復を促す再生医療についても紹介するので、参考にしてください。 保存療法 石灰沈着性腱板炎の治療法に、保存療法が挙げられます。 保存療法の主な内容は、以下の通りです。 治療方法 内容 安静 アームスリングや三角巾などの固定器具を使って肩を固定する 薬物療法 炎症や痛みを緩和するために、鎮痛剤やステロイド薬などを使用する リハビリ 肩関節の動きを回復させるため、ストレッチや筋肉トレーニングなどを行う 注射療法 痛みの緩和や可動域を改善するために、ステロイドやヒアルロン酸を注射する 吸引療法 石灰がミルク状で強い痛みがある場合、注射針を用いて石灰を吸引する とくに、石灰沈着性腱板炎を発症して1~4週間程度の急性期は、固定器具で肩を安静にして、炎症や痛みを抑えるための薬を服用するのが一般的です。 また、蓄積した石灰がミルク状かつ強い痛みを伴う場合は、吸引療法により注射針で石灰を取り除いて症状の緩和を図ります。 保存療法によって、蓄積した石灰が自然に吸収され、軽快するケースもあります。 手術療法 石灰沈着性腱板炎の石灰を直接取り除く治療法として、手術療法があります。 手術療法は、保存療法による改善がみられない場合や、日常生活に大きな支障をきたしているときに選択される治療法です。 主に用いられるのは関節鏡手術で、肩に小さな傷を作って小さなカメラや専用の手術器具を挿入し、腱板に沈着した石灰を取り除きます。 石灰が除去できた場合、術後1週間ほどで日常生活に復帰可能なケースが多いです。 しかし、石灰沈着性腱板炎は再発する可能性もあるため、手術後も適切なリハビリを行い、肩の状態を継続的にケアしましょう。 石灰沈着性腱板炎の手術については、以下の記事で詳しくまとめていますので、参考にしてください。 再生医療 石灰沈着性腱板炎の新たな治療法として、再生医療が挙げられます。 再生医療とは、患者さま自身の細胞を活用して、損傷した組織の修復を促す治療法です。 治療には点滴や注射などを使用するので入院や手術を必要とせず、身体への負担が少ないことが大きな特徴です。 再生医療について興味がある方は、当院「リペアセルクリニック」へお気軽にご相談ください。 石灰沈着性腱板炎についてよくある質問 石灰沈着性腱板炎についてよくある質問は、以下の2つです。 石灰沈着性腱板炎の激痛はいつまで続く? 石灰沈着性腱板炎の予防法は? 石灰沈着性腱板炎に関する疑問をまとめたので、参考にしてください。 石灰沈着性腱板炎の激痛はいつまで続く? 石灰沈着性腱板炎の激痛は、急性型であれば発症後1~4週間続くのが一般的です。 しかし、症状のタイプによっては1年以上かかる場合があります。 石灰沈着性腱板炎の症状は、次の3タイプに分類されます。 タイプ 症状が続く期間 急性型 突然の強い痛みが1~4週間続く 亜急性型 中等度の症状が1~6カ月続く 慢性型 運動時の痛みや引っかかるような違和感などが6カ月以上続く 石灰沈着性腱板炎は、自然に回復する場合もありますが、放置すると痛みが慢性的になったり、石灰が大きくなり症状が悪化したりする恐れがあります。 肩の激痛が続く場合は、レントゲン検査やCT検査で石灰沈着性腱板炎の診断ができる整形外科を受診しましょう。 石灰沈着性腱板炎の予防法は? 石灰沈着性腱板炎の予防法を、以下にまとめました。 肩の使いすぎを避ける 肩まわりの筋力トレーニングやストレッチをする 栄養バランスの取れた食事を心がける 石灰沈着性腱板炎の予防には、肩まわりの筋力トレーニングやストレッチなどが有効です。 また、バランスの良い食事も石灰沈着性腱板炎の予防に役立ちます。 カルシウム不足は石灰沈着の原因となる可能性があるので、以下の栄養素を積極的に摂取しましょう。 栄養素 主な働き 食品 カルシウム 石灰の沈着を防ぐ チーズ 牛乳 豆腐 ししゃも 切り干し大根 ビタミンD クエン酸 カルシウムの吸収を助ける イワシ サンマ しいたけ きくらげ オメガ3脂肪酸 ビタミンC ビタミンE 炎症を抑える効果が期待できる えごま油 くるみ サバ イワシ 外食やコンビニ食が多い方は、食事内容を見直してみましょう。 石灰沈着性腱板炎が疑われる場合は早期に医療機関を受診しよう 石灰沈着性腱板炎とは、肩の腱板に石灰がたまって炎症を起こし、強い痛みを引き起こす疾患です。 症状はタイプによって異なりますが、突然の激しい痛みや夜間の痛みがある場合は、石灰沈着性腱板炎の可能性があります。 自然に治ることもありますが、放置すると症状が悪化したり、慢性化したりする恐れがあるため、早めに整形外科を受診しましょう。 治療法には、保存療法や手術療法のほか、近年では再生医療も選択肢の一つとして注目されています。 再生医療に関心のある方は、お気軽に当院までご相談ください。
2020.05.15 -
- 肩
石灰沈着性腱板炎は肩に突然強い痛みが現れ、腕を動かすのもままならなくなることがある疾患で、特に夜間に痛みが強くなり、眠れないほどの激痛に悩まされる方も少なくありません。 こうしたつらい症状に対して、「結局、手術しかないのでは?」「入院となったらどのくらいの期間がかかるの?」といった、不安や疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか? 本記事では、石灰沈着性腱板炎の手術を行った場合の入院期間や術後の生活への影響について解説しています。 このまま薬やリハビリを続けて改善するのだろうか・この辛い痛みから解放されたいという方は、ぜひ参考にして手術も検討してみましょう。 また再生医療のように手術を避けながら改善を目指す治療法も注目を集めています。 手術を避けたい方に向けた治療法である再生医療については、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEからも無料で確認できますので、ぜひご利用ください。 石灰沈着性腱板炎の手術後の入院期間は数日で済むケースが多い 石灰沈着性腱板炎の手術を行った場合の入院期間は、通常、数日程度で済むケースが多いです。 また、手術が成功し石灰がしっかりと除去できた場合では、術後1〜2週間ほどで腕を上げられるようになり、日常動作の回復もスムーズに進む傾向にあります。 その後は、医師の指導を受けながら、ストレッチや可動域を広げるリハビリを自宅で継続的に行っていくのが、術後の一般的な流れとなります。 石灰沈着性腱板炎の特徴については、以下の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。 仕事復帰・日常生活に戻れるまでの期間 仕事復帰・日常生活に戻れるまでの期間の目安としては、以下の治療法によって異なります。 治療法 仕事復帰の目安 薬物療法 数日〜1週間以内 注射療法 数日〜1週間程度 保存療法+リハビリ 2〜4週間程度 関節鏡手術 ・軽作業:術後1〜2週間 ・重作業:1~3ヶ月以上 たとえ痛みが軽減していても、肩の可動域が不十分なまま復帰してしまうと再発や炎症悪化の原因になります。 復帰のタイミングは、自己判断せず、担当医やリハビリの進行状況をもとに判断しましょう。 石灰沈着性腱板炎の治療法 石灰沈着性腱板炎の治療法としては、以下の方法があります。 保存療法 手術療法 再生医療 自身のライフスタイルや症状に合う治療法を把握するためにも、ぜひ参考にしてください。 保存療法 石灰沈着性腱板炎では、多くの場合、まず以下の保存療法(手術を伴わない治療)から開始されます。 方法 内容と目的 安静・患部の固定 アームスリングや三角巾で肩を固定し、炎症部位の負担を軽減 薬物療法 痛みや炎症を抑えるためにNSAIDs(ロキソニン・ボルタレンなど)や湿布などを使用 注射療法 強い痛みに対して、局所麻酔薬やステロイド注射で即効性のある緩和を図る 理学療法(リハビリ) 可動域を維持・改善するためのストレッチや軽い運動療法。痛みが軽減してから段階的に実施 吸引療法 石灰がミルク状の段階で強い痛みを伴う場合、注射器で石灰を吸引し除去 改善までの期間は個人差がありますが、数週間〜数カ月をかけて徐々に痛みや動作制限が改善されることが多く、特にミルク状の石灰が自然吸収されることで症状が緩和することもあります。 多くの患者さんでは、保存療法だけで症状が軽快し、手術を回避できるケースが一般的です。 ストレッチを取り入れた運動療法による症状の改善方法については、以下の記事で詳しくご紹介していますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。 手術療法 石灰沈着性腱板炎では、保存療法で改善が見られない場合や、石灰が大きく硬化している場合に手術療法が検討されます。 また、日常生活に支障をきたす強い痛みが長期間続いている場合や夜間の睡眠がとれないほどのケースでは、早期に手術を選択することが勧められることもあります。 石灰沈着性腱板炎の手術では、関節鏡(内視鏡)を使用した低侵襲な手術方法が一般的です。 関節鏡とは、直径5ミリ程度の細い棒状のCCDカメラで、皮膚にごく小さな切開を入れるだけで肩関節の中に挿入でき、関節内の状態を高精度でモニタリングすることができます。 関節鏡で石灰の位置と周囲の組織の状態を確認したうえで、専用の器具を用いて腱板に沈着した石灰を丁寧に除去します。 石灰を取り除いた部位には一時的な小さな空洞(穴)が残りますが、ほとんどの場合は自然に修復されるため、縫合などの追加処置を必要としません。 このように、関節鏡手術は傷口が小さく体への負担も少ないため、術後の回復も比較的早く、早期の社会復帰が期待できます。 再生医療 石灰沈着性腱板炎の治療法として、近年注目されているのが「再生医療」です。 患者さまご自身の細胞(主に幹細胞など)を活用して、損傷した腱や組織の自然な修復を促進する治療法であり、手術のような切開をせずに治療を行えます。 手術不要・入院不要:点滴や注射による治療が主で、日常生活への支障が少ない 身体への負担が少ない:高齢の方や既往歴のある方でも適応しやすい 手術には抵抗がある方・忙しくて入院や手術が難しい方・保存療法で改善がみられない方という方は、ご検討ください。 治療内容や症例に関しては、当院(リペアセルクリニック)の、公式LINEでもご確認できますので、興味のある方はぜひご覧ください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ 石灰沈着性腱板炎の手術で入院する期間がない方は再生医療も一つの選択肢に 石灰沈着性腱板炎の治療では、症状や経過によって手術が検討されるケースもあり、手術というと肉体的にも精神的にも大きな負担がかかるイメージを持つ人も多いと思います。 しかし、実際には関節鏡を用いた手術が主流であり、入院期間も数日程度と短く、身体的・精神的な負担も比較的少ないとされています。 また、早期治療をおこなえば手術を受けずに軽快することも可能なので、我慢せずに早めに医療機関を受診することをおすすめします。 ただ、仕事や家庭の事情でどうしても入院が難しい方や、できる限り手術を避けたい方には、再生医療という選択肢もあります。 手術に不安がある方や、再生医療について詳しく知りたい方は、以下から当院(リペアセルクリニック)へお気軽にご相談ください。
2020.05.11 -
- 肩
肩の石灰化(石灰沈着性腱板炎)は日常生活に大きな支障をきたすことがありますが、適切な対処を行えば多くの場合、改善が期待できるようになりました。 しかし、治療期間や正しい対処法について不安をお持ちの方も少なくないでしょう。 本記事では、肩が石灰化したらどれくらいで治るのか、早く治すためにやってはいけないことを解説します。 肩の石灰化による痛みでお悩みの方は、ぜひこの記事を参考にしてください。 また、当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、肩の石灰化に対する治療の選択肢として注目されている再生医療に関する情報を公開しています。 「肩の石灰化を早く治したい」「手術は避けたい」という方は、ぜひご参考ください。 肩が石灰化したらどのくらいで治る? 石灰沈着性腱板炎(肩の石灰化)は、多くの場合、保存療法で数週間〜数ヶ月ほどで痛みが改善します。 治療期間の目安とそれぞれの期間の状況は、以下の通りです。 期間の目安 状況・割合など 数週間~数ヶ月 適切な保存療法(安静、薬物療法など)で痛みが和らぐことが多い 3ヶ月以内 約半数の患者さまで症状が軽快すると報告されている 1年以上痛みが残る 約3割の患者さまで見られることがある また、一度痛みが治まっても肩の腱板に残った石灰が原因で、再び強い痛みが起こることもあります。 時間の経過とともに少しずつ症状は軽快していく傾向にありますが、痛みがなかなか改善しないときは医療機関を受診しましょう。 日常生活に大きな支障が出ているときは、自己判断せずに医師とよく相談し、根気強く適切な治療を続けていくことが大切です。 肩の石灰化を早く治すためにやってはいけないこと 肩の石灰化による痛みを早く和らげ、症状を悪化させないためには、炎症を助長したり肩関節に余計な負担をかけたりする行動を避けることが重要です。 早く治すためにやってはいけないこと 痛みを我慢して無理に肩を動かすこと 痛む部分への自己流の強いマッサージや鍼(はり)刺激 痛い方の肩で重い物を持つ 痛みがある肩側を下にして寝るなどの動作 適切な治療を受けずに放置すること 肩に強い痛みや違和感が続く場合は、できるだけ早く整形外科を受診しましょう。 痛みを和らげるために自己流のマッサージや、痛み止めや湿布の自己判断による使用も避けた方が良いです。 市販のお薬にも副作用のリスクはあり、根本的な解決にはなりません。 肩の石灰化を早く治すためにも、医師や薬剤師に相談しながら、適切な治療を受けることが重要です。 肩の石灰化はストレッチやマッサージで治せる? ストレッチやマッサージで肩の腱板に沈着した石灰そのものを取り除いたり、溶かしたりすることはできません。 しかし、肩関節の柔軟性を保ち、痛みを和らげるためにはストレッチが有効な場合があります。 自宅でもできる肩の石灰化による痛みに効果的なストレッチは、以下の通りです。 ①前かがみになる ②痛い方の腕を真下にリラックスして垂らす ③腕の重みを利用し、ゆっくりと前後・左右・小さな円を描くように揺らす 大切なのは決して無理をせず、痛みを感じたらすぐに中止することです。 マッサージについても同様で、石灰そのものを消す効果はありませんが、肩周りの筋肉の緊張を優しくほぐし、血行を促進することで痛みを和らげる効果が期待できます。 ただし、急性期の痛みが強いときに無理にストレッチやマッサージを行うと逆効果になることがあるため注意が必要です。 以下の記事では、肩の石灰化に有効なストレッチを詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。 肩の石灰化に対する治療法 肩の石灰化の治療では、まず手術をしない「保存療法」から始めるのが一般的です。 多くの場合、保存療法で症状は改善に向かいますが、それでも痛みが取れない場合には「手術療法」が検討されることもあります。 保存療法 手術療法 それぞれの治療法について、詳しく見ていきましょう。 保存療法 肩の石灰化の治療では、まず手術以外の方法で症状を和らげる「保存療法」が選択されます。 60~80%の患者さまは保存療法だけで症状が改善するといわれています。 保存療法の種類 主な内容・目的 薬物療法 痛み止め(NSAIDs等)内服で炎症と痛みを抑える 理学療法 ・急性期:安静・固定・冷却 ・亜急性期以降:温熱療法、運動療法(ストレッチ等)で拘縮予防、機能改善 ステロイド局所注射 患部に直接注射することで炎症を抑え、激痛を速やかに和らげるのに有効 ほとんどの場合、このような保存療法の組み合わせで症状は軽快し、日常生活に支障がない程度まで回復するケースが多いです。 手術療法 保存療法を行っても肩の石灰化による痛みが改善しない場合や、石灰の沈着が大きく日常生活への支障が著しい場合には、「手術療法」が検討されます。 関節鏡と細い手術器具を挿入し、モニターで内部の様子を確認しながら、腱板に沈着した石灰を丁寧に取り除いていきます。 この方法のメリットは、筋肉など周囲の組織へのダメージが少なく、術後の痛みが比較的軽く、回復も早い点です。 もちろん、手術には全身麻酔に伴うリスクや、感染症の可能性もゼロではありません。 そのため、手術を行うかどうかは、患者さまの症状の程度や生活への影響などを総合的に考慮し、医師と患者さまが十分に話し合って慎重に決定されます。 肩が石灰化したら予防策と生活習慣を見直すことが重要 肩の石灰化は一度症状が良くなっても、再発することがあります。 そのため、治療を受けて痛みが和らいだ後も、肩に余計な負担をかけないような予防策を講じたり、生活習慣を見直したりすることが大切です。 ここでは、肩の健康を保ち、石灰化の再発リスクを減らすために、日常生活で意識したいポイントをご紹介します。 見直すポイント 内容 肩への負担軽減 ・長時間重い物を持たない ・無理な姿勢での作業を避ける ・スポーツや作業時は適度な休息を挟む ・痛みを感じる動作は控える 姿勢の改善 ・猫背や巻き肩を避け、背筋を伸ばした良い姿勢を意識する ・デスクワーク中はこまめに体を動かし、同じ姿勢を続けない 適度な運動・ストレッチ ・肩周りの柔軟性や筋力を保つ ・ラジオ体操、軽いストレッチ、ヨガなどで肩甲骨や肩関節を動かす 栄養バランスの改善 バランスの良い食事を基本とし、抗炎症作用のある栄養素(オメガ3脂肪酸、ビタミンC・Eなど)も意識して摂取する。 肩周りを温める習慣 ・肩を冷やさないように注意し、血行を促進する ・入浴で肩まで温まる、蒸しタオルなどで筋肉の緊張をほぐす。 上記のポイントを参考に、ご自身の生活習慣を見直し、肩を大切にいたわってあげることが、石灰化の予防と健やかな肩を保つためのポイントとなります。 肩が石灰化したときの治療期間に関するよくある質問 ここでは、肩が石灰化したときの治療期間についての質問に回答していきます。 肩の石灰化を早く治す方法はある? 肩の石灰化を放置するとどうなる? 肩の石灰化になりやすい人は? 肩の石灰化になりやすい食べ物は? 日常生活で気を付けるべきポイントなどをみていきましょう。 肩の石灰化を早く治す方法はある? 肩の石灰化を早く治すには、痛みを我慢せずにできるだけ早く整形外科を受診し、ご自身の状態に合った適切な治療を早期に開始することが重要です。 一般的な治療としては、まず炎症を抑える飲み薬などで様子を見ることが多く、順調にいけば1〜2週間程度で痛みが和らいでくることもあります。 もし痛みが非常に強く、日常生活にも支障が出ているような場合には、ステロイド注射を行うことで痛みを緩和させることも可能です。 肩の石灰化を放置するとどうなる? 肩の石灰化は、自然に痛みが和らいでいくことも多いため、放置したからといって必ずしも深刻な事態に発展するわけではありません。 しかし、自己判断で放置してしまうといくつかのリスクもあるため、注意が必要です。 硬く大きくなった石灰は、肩を動かすたびに周囲の組織とぶつかり、繰り返し炎症を起こして、痛みが長引く原因となることがあります。 また、痛みのために肩を動かさない期間が長引くと関節が固まってしまい、動きの範囲が狭くなる「拘縮(こうしゅく)」という後遺症が出てしまうこともあります。 肩の石灰化になりやすい人は? 肩の石灰化になりやすい人の特徴は、以下の通りです。 年齢:40〜60歳代 性別: 女性に多い 基礎疾患: 1型糖尿病・甲状腺機能の異常・腎結石症など 一方で、肩をたくさん使う仕事やスポーツをしているからといって、必ずしも石灰化しやすくなるわけではないと考えられています。 肩の酷使が直接的な原因となるというよりは、加齢に伴う腱の変性などが背景にあると推測されています。 肩の石灰化になりやすい食べ物は? 特定の食べ物を摂取することが肩の石灰化の直接的な原因になるという明確な医学的根拠はありません。 肩の石灰化は、原因自体がまだ完全には解明されていないため「これを食べると石灰化する」といったものもなければ、「これを食べれば予防できる」という確実な食事法もわかっていないのが現状です。 そのため、肩の石灰化を心配して特定の食品を極端に避けたり、特別な食事制限を行ったりする必要はないといえるでしょう。 肩が石灰化したら早期治療と予防策を実践しよう 肩の石灰化によるつらい痛みは、適切な知識を持ち、早期に対処することで改善が期待できます。 痛みを我慢したり自己判断で放置したりすることは、症状を長引かせたり、悪化させたりする可能性があります。 この記事を参考に、専門医による正確な診断とご自身の状態に合った適切な治療を受けることが重要です。 そして、治療と並行してご紹介した予防策や生活習慣の見直しを根気強く実践することで、より早い回復と再発防止につながるでしょう。
2020.05.08 -
- 腱板損傷
肩のインナーマッスルを構成する「腱板(けんばん)」が部分的、あるいは完全に断裂することで起こる腱板損傷。 特に40代以降に多く見られ、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。 そんな腱板損傷に対して「これって本当に治るの?」「手術しないとダメ?」と、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。 本記事では、腱板損傷が治る可能性や具体的な症状・原因について詳しく解説します。 「放っておいても大丈夫?」と迷っている方も、正しい知識を持つことで、より良い治療選択につながります。 まずはご自身の状態を知るヒントとして、ぜひ参考にしてください。 【結論】腱板損傷が治るかは損傷の程度次第!完全・広範囲の断裂は自然治癒が難しい 腱板損傷が治るかは、以下の損傷の程度によって異なります。 自然治癒が期待できるケース(軽度な損傷) ・部分断裂や炎症のみの場合 ・早期に発見され、保存療法を開始した場合 ・リハビリや鎮痛薬で肩の動きを維持しながら回復が見込める 自然治癒が難しいケース(重度な損傷) ・完全断裂や広範囲の断裂がある ・損傷を長期間放置してしまった ・筋肉が萎縮・脂肪化してしまっている ・肩を動かすと常に激しい痛みがある 腱板損傷は、肩の運動に重要な役割を果たす腱板(けんばん)が、部分的または完全に切れてしまう状態です。 軽度の部分断裂であれば、保存療法(リハビリ・薬物療法)により改善が期待できるケースもあります。 しかし完全断裂や広範囲の損傷となると、腱の自然な再生が難しくなるため、手術が必要になるケースが多いです。 腱板損傷は放置せず、肩の痛みや可動域の制限が続く場合は、早期に専門医の診察を受けることが重要です。 腱板損傷の症状と原因 腱板損傷でよく見られる代表的な症状と、その主な原因について以下で詳しく解説していきます。 症状 原因 腱板損傷は、肩の運動に深く関わる重要な筋肉と腱が傷つくことで、痛みや可動域の制限など、さまざまな不調を引き起こします。 放置すると日常動作にも支障が出るため、早期発見・対応が重要になりますので、ぜひ参考にしてください。 症状 「肩の痛み」や「肩の動かしにくさ」が腱板損傷の主な症状です。 特に以下のような動作の際に痛みが生じるのが特徴です。 腕を上げる 下ろす ひねる 初期には夜間痛(夜寝ているときの痛み)から始まり、やがて日中の動作にも影響が出るようになります。 主に動作で痛みや制限を感じることが多いのは、以下のような場合です。 洋服を着る・脱ぐとき 入浴時に頭を洗うなどの頭より上の動作が困難になる 肩を動かすときに「引っかかる」感覚がある 力が入らず物を持ち上げられない 横向きに寝ると痛い 痛みが慢性化してくると、筋力低下や肩の可動域制限が進み、四十肩・五十肩と診断されることがあります。 特に高齢者では自覚症状が軽くても損傷が進んでいるケースがあるため、軽い痛みでも医師の診察を受けることが重要です。 原因 腱板損傷の原因は大きく分けて、以下の2つに分類されます。 加齢による変性 外傷(ケガ) 腱や筋肉が年齢とともに弱くなっていく自然な過程で起こります。 40代以降では腱板に小さな亀裂が入りやすくなり、繰り返しの使用によって徐々に損傷が広がることがあるためです。 たとえば、重いものを持ち上げる作業を繰り返したり、ゴルフ・テニスや水泳など肩を酷使するスポーツを続けている人に多く見られます。 また転倒して手や肩を強く打ったり、無理な力が肩に加わった場合などに起こります。 とくに高所からの落下や交通事故などの衝撃で、腱が急激に断裂する「完全断裂」も少なくありません。 また、肩の構造的な異常(肩峰の形状や狭小な肩関節空間)により、腱板が骨が擦れやすくなる「インピンジメント症候群」も損傷の要因となる可能性があります。 いずれにしても、原因を正確に突き止めることが適切な治療の第一歩です。 腱板損傷の予後と回復までにかかる期間 腱板損傷はその程度や治療方法によって、予後や回復までにかかる期間が異なります。 軽度の損傷の場合 数週間〜数ヶ月 完全断裂や広範囲の損傷の場合 数ヶ月~1年 軽度の損傷の場合は、保存療法を中心としたリハビリテーションで数週間〜数ヶ月のうちに痛みが和らぎ、肩の動きも徐々に改善することが多いです。 しかし完全断裂や広範囲の損傷の場合は自然治癒が見込めず、手術を要するケースもあるため、ある程度の時間が必要です。 通常、術後は数週間の固定期間を経てリハビリが始まり、日常生活に支障がないレベルまで回復するには数ヶ月から半年程度、スポーツや重労働への復帰には半年から1年程度を要する場合もあります。 このリハビリ期間中に焦って無理な動作を行うと、再断裂のリスクが高まるため、医師や理学療法士の指導を守ることが非常に重要です。 また、高齢者や基礎疾患がある人、筋力の低下が著しい人では回復が遅れる傾向にあります。 一方で、早期に診断され、適切な治療を受けた場合には、比較的良好な予後が得られることも多いです。 腱板損傷の予後は以下の3要素に大きく左右されます。 損傷の程度 治療の選択 リハビリの継続 自己判断で放置せず、早期に専門医の診断を受けることで、長期的な痛みや機能障害を防ぐことができます。 腱板損傷を治すための治療法 腱板損傷の治療法には、主に以下3つがあります。 保存療法 手術療法 再生医療 軽度の場合は、保存療法による自然回復が期待できる一方、完全断裂や広範囲にわたる損傷では手術が検討されるケースもあります。 ここでは、それぞれの治療法の特徴と流れについて詳しく紹介します。 保存療法 保存療法は、手術を行わずに腱板損傷の症状を緩和・改善する治療法です。 主に軽度〜中等度の部分断裂や、手術が難しい高齢者などに対して用いられます。 保存療法には、以下のような手段が含まれます。 消炎鎮痛薬の投与(内服・外用) ステロイド注射(関節内の炎症を抑える) 物理療法(電気治療や温熱療法など) 運動療法(リハビリ)(可動域と筋力の回復を目的) リハビリは非常に重要で、専門の理学療法士の指導のもと、痛みを抑えながら徐々に肩関節の可動域を広げていきます。 肩周囲の筋肉(特に三角筋や肩甲骨周囲筋)を鍛えることで、腱板の機能を補うようにするのが基本的な考え方です。 保存療法のメリットは、手術による身体的負担を避けられることですが、一方で損傷が進行するリスクや、完全には治らないまま機能障害が残る可能性もあります。 そのため、一定期間(おおむね3~6ヶ月)で改善が見られない場合や、日常生活に支障が続く場合は手術への切り替えが検討されます。 手術 腱板損傷が完全断裂している場合や保存療法で改善が見られないケースでは、手術による修復が必要となります。 手術は主に「関節鏡視下手術」で行われることが多く、身体への負担を最小限に抑えながら損傷部位を修復することが可能です。 術式には以下のようなものがあります。 腱板縫合術:断裂した腱を縫い合わせて骨に固定する 肩峰形成術:骨と腱が擦れ合わないよう骨を削る 部分置換術や腱移植:重度の場合、補強する人工物や他の腱を利用 術後は、肩の固定を数週間行ったのち、段階的にリハビリを開始します。 肩の可動域を回復し、再断裂を防ぐためには、術後のリハビリが非常に重要です。 医師と相談し、最も適した方法を選択することが大切です。 再生医療 腱板損傷に対しては、以下の治療法が検討されます。 PRP療法 自身の血液から抽出した血小板を濃縮し、損傷部位に注射する治療法 幹細胞治療 脂肪組織などから採取した幹細胞を用いて、より積極的に損傷した腱や筋肉の再生を促し炎症の抑制や組織の修復を促進 PRP療法は血小板には「成長因子」と呼ばれる組織の修復を促進する物質が含まれているため、損傷した腱の再生を助ける効果が期待されています。 外来での処置が可能で、入院も必要ありません。 ただし、再生医療は保険適用外の治療が多く、自費診療となる点には注意が必要です。 再生医療の詳細については、以下でも紹介していますので、興味のある方はぜひ参考にしてください。 【まとめ】腱板損傷が治るかは損傷の程度による!適切な治療を受けよう 腱板損傷は、損傷の程度・発見時期・治療内容によって回復の可能性が大きく変わります。 軽度な部分断裂:保存療法やリハビリによる自然回復が期待できる 完全断裂や広範囲の損傷:手術を含む積極的な治療が必要になることも 「自然に治るだろう」と自己判断せず、早期に医療機関を受診することが重要です。 医師による正確な診断を受け、自身の状態に最適な治療法を選ぶことが、回復への近道です。 医師や理学療法士の指導のもと、無理のないペースで回復を目指すことをおすすめします。 さらに近年では、再生医療(PRPや幹細胞治療)といった新たな選択肢も注目されています。 肩の痛みや動かしづらさを感じたら放置せず、ご相談ください。
2020.05.02 -
- 肩
「肩が痛くて腕が上がらない」「夜もズキズキして眠れない」 そんなつらい四十肩・五十肩の症状が長引き、日常生活にも支障が出てお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。 さまざまな治療を試してもなかなか改善が見られない場合、「サイレントマニピュレーション」という治療法が、固まった肩の動きを短期間で取り戻す新たな選択肢として注目されています。 本記事では、「サイレントマニピュレーション」が具体的にどのような治療法なのか、治療かかる費用について解説します。 長引く肩の痛みや動きの制限でお悩みの方、サイレントマニピュレーションについて詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。 当院リペアセルクリニックでは、四十肩や五十肩に対する再生医療に関する情報を公式LINEで公開中です。 「四十肩や五十肩の痛みに困っている」「肩の痛みが長いている」という方は、先端医療である再生医療がどのような治療を行うか確認しておきましょう。 サイレントマニピュレーションとは? サイレントマニピュレーションは、四十肩・五十肩とも呼ばれる肩関節周囲炎(凍結肩)に対する治療法の一つです。 ここでは、以下のポイントに沿って、サイレントマニピュレーションについて詳しく解説していきます。 凍結肩の治療法の一つ 治療の特徴 「サイレントマニピュレーション」がどのような治療なのか知りたい方は、ぜひこの先を読み進めてみてください。 凍結肩の治療法の一つ サイレントマニピュレーションとは、保存療法を長期間続けても肩の痛みや動きが改善しない凍結肩患者さまに対して行われる治療法です。 四十肩や五十肩と呼んでいる症状の多くは、医学的には「肩関節周囲炎」と診断され、その中でも特に肩の動きが悪くなり、まるで凍ったように固まってしまう状態を「凍結肩」と呼びます。 凍結肩は、肩関節を包んでいる「関節包」という袋状の組織が炎症を起こし、厚く硬くなったり、周囲とくっついてしまうことで、肩を上げたり回したりする動きが制限されてしまうのです。 以下の記事では、五十肩から凍結肩に進行した場合について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。 治療の特徴 サイレントマニピュレーションには、つらい肩の症状に悩む方にとって、以下のような特徴・メリットがあります。 サイレントマニピュレーションによる治療の特徴・メリット 痛みが少なく、効果が速やかに現れやすい 日帰りで治療を受けられ、身体的・経済的負担が少ない 手術を回避できる可能性がある 施術後のリハビリ効果を高めることに期待できる 局所麻酔下で行うため施術中の痛みはほとんどなく、治療直後から肩の可動域が改善するケースが多いのが特徴です。 従来の保存療法のみの場合と比べて、可動域改善までの期間を短縮できる特徴があります。 サイレントマニピュレーションの費用 サイレントマニピュレーションは健康保険が適用される治療法で、自己負担額が3割負担の場合、一般的に約5,000円から8,000円程度が目安となります。 施術前の診察にかかる初診料や再診料、お薬が処方された場合の処方箋料、そして施術後に行われるリハビリテーションの費用などが別途必要になる場合もあります。 医療機関の設備や、同時に行う検査・処置の内容によって、費用は多少前後することがありますので、正確な金額については治療を受けようと考えているクリニックや病院で事前に確認しましょう。 サイレントマニピュレーションの治療の流れ ここでは、一般的なサイレントマニピュレーションの治療の流れを紹介します。 ステップ 主な内容 1. 問診・診察 医師が症状やこれまでの経緯を詳しく聞き取り、肩の動きや痛みの状態を丁寧に評価し、治療方針を決定 2. 画像検査 レントゲンやMRIといった画像検査で、肩関節の骨や周りの組織の状態を調べ、癒着の程度などを評価 3. 麻酔(神経ブロック) 超音波エコーで神経の位置を確認しながら、首の付け根あたりから麻酔薬を注射し、肩や腕の痛みを感じる神経を一時的に麻痺させる 4. 関節可動域操作(マニピュレーション) 麻酔が効いて痛みがないことを確認した後、肩関節をさまざまな方向にゆっくりと動かす 5. 経過観察・リハビリ開始 施術後は、腕を三角巾で吊って肩を安静に保つ。麻酔の効果が切れるまでは腕に力が入らないため、当日はそのままの状態で帰宅 リハビリでは獲得できた可動域を維持し、さらに肩周りの筋力を強化するための運動療法を行い、元のスムーズな日常生活に戻れるようサポートしていきます。 サイレントマニピュレーションの術後の注意点 サイレントマニピュレーションは、つらい五十肩の症状改善に効果が期待できる治療法ですが、施術を受けた後にはいくつか注意すべき点があります。 治療で得られた肩の動きをできるだけ長持ちさせるためには、以下の注意点を理解しておくことが大切です。 合併症のリスク 継続的なリハビリが必要 ここでは、術後に起こりうる可能性のある合併症リスクと治療効果を引き出すために必要なことについてご説明します。 合併症のリスク サイレントマニピュレーションによる治療後は、以下のような合併症リスクが考えられます。 合併症 どのような時に起こりうるか 脱臼や骨折 肩関節を動かす際にごく稀に発生する 持続するしびれ 神経ブロックの麻酔時、針先が神経の線維に触れた場合に稀に起こる 出血や内出血 首の神経ブロック注射で長めの針を使うため起こる 感染 注射針を刺すことからごく稀に起こる可能性がある その他の体調変化 気分が悪くなったり、血圧が一時的に下がったりすることがある 合併症の発生頻度は低いものですが、ゼロではないことを理解しておく必要があります。 施術前には医師からリスクについて十分な説明を受け、万が一術後に何か異常を感じた際には、速やかに医療機関に連絡し指示を仰ぐことが大切です。 継続的なリハビリが必要 サイレントマニピュレーションによる治療後は、再び肩が固まってしまう「再癒着」や「拘縮の再発」を防ぐために継続的なリハビリが必要です。 多くの医療機関では、術後数ヶ月にわたり、週に数回程度の通院による専門的なリハビリを継続するよう指導しています。 もしリハビリを途中でやめてしまったり、指示通りに行わなかったりすると、関節は再び固まりやすくなり元のつらい痛みや可動域の制限がぶり返してしまう恐れがあります。 サイレントマニピュレーションに関するよくある質問 サイレントマニピュレーションという治療法について、よくある質問に回答します。 術後に痛みはある? 2回目の手術は必要? 治療の対象になる人は? 治療を検討するうえでの不安解消のため、ぜひ参考にしてください。 術後に痛みはある? サイレントマニピュレーションの施術直後は、麻酔が効いているため痛みを感じることはほとんどありません。 しかし、麻酔が切れた後には一時的に痛みや炎症が起こることがあります。 多くの場合、術後の痛みに対しては、医師から痛み止めの飲み薬が処方されたり、患部を冷やしたりするよう指示されます。 2回目の手術は必要? サイレントマニピュレーションは、基本的に1回の施術で可動域の改善効果が期待できるため、2回目の手術は不要なことが多いです。 まれに効果が十分でなかったり、再癒着が起きたりした場合は、2回目の手術が検討されることもあります。 そのため、サイレントマニピュレーションによる治療後は、継続的なリハビリによって再癒着を防ぐことが重要です。 治療の対象になる人は? サイレントマニピュレーションは、長期間の保存療法を試みても肩の痛みが十分に改善していない方が対象になります。 サイレントマニピュレーションの対象になる人の特徴 四十肩・五十肩で肩の動きがひどく悪い方 3ヶ月以上リハビリ等でも効果が乏しい状態 夜も痛くて眠れないなど生活に大きな支障がある 手術後や骨折後の肩の固まりが強い場合 保存療法による効果が見られない方以外に、日常生活に不便を感じるほど肩の動きが著しく制限されてしまった方も主な対象となります。 一方で、サイレントマニピュレーションが適さない方の特徴もあります。 例えば、重度の骨粗しょう症の方は、施術による骨折や脱臼のリスクが高まるため治療が行えない、あるいは慎重な判断を要するケースがあります。 また、肩関節に感染や炎症がある場合も、症状を悪化させる恐れがあるため通常は治療を行いません。 最終的な治療の可否は、医師が診察や画像検査の結果を踏まえ総合的に判断します。 サイレントマニピュレーションは凍結肩の改善に有効な治療法 サイレントマニピュレーションは、従来の保存療法ではなかなか改善が見られなかった凍結肩に対して、短期間で日常生活の質の向上を目指せる治療法です。 何をしても良くならない肩の痛みや動きの悪さでお困りの場合、一度サイレントマニピュレーションに詳しい整形外科の専門医にご相談してみましょう。 ご自身の状態を正確に診断してもらい、適切な治療を受けることがつらい症状から解放され、快適な毎日を取り戻すための第一歩となるでしょう。 長引く肩の痛みや動きの制限でお悩みの方は、先端医療によって肩の痛みの緩和が期待できる再生医療による治療も検討してみましょう。 当院リペアセルクリニックでは、四十肩や五十肩に対する再生医療に関する情報を公式LINEで公開中です。 「四十肩や五十肩の痛みに困っている」「肩の痛みが長いている」という方は、先端医療である再生医療がどのような治療を行うか確認しておきましょう。
2020.04.30 -
- 肩
日常生活において肩を動かすたびに鋭い痛みが走り、動作がつらく感じる瞬間はありませんか。 それは、40〜60代を中心に多くの方が経験する凍結肩(五十肩)の可能性があります。 凍結肩は肩関節周囲の組織に炎症が起き、関節の動きが制限される状態で放置すると関節が固まり、腕がほとんど上がらなくなるリスクも。 一方で、適切なストレッチを習慣づけることで、痛みの緩和や可動域の回復が期待できます。 本記事では、自宅で無理なく実践できる凍結肩の改善ストレッチを詳しく解説します。 凍結肩の不安を解消し、元気な毎日を取り戻したい方は、ぜひ最後までお読みください。 凍結肩(五十肩)を改善するストレッチ6選 凍結肩(五十肩)の痛みの軽減や可動域の改善が期待できて、自宅でも簡単にできるストレッチを6つ紹介します。 これらを継続すれば、肩の痛みが軽減され、可動域を広げられる可能性があります。 ただし、無理をすると症状が悪化する恐れがあるため、適度に行うよう注意してください。 壁を使うストレッチ 壁を使うストレッチは肩関節の可動域を広げるのに適しており、方法は以下のとおりです。 ①:壁の前に立ち、痛む方の腕を肩の高さまで上げる ②:指先を壁につけ、人差し指と中指で壁を歩かせるようにゆっくりと腕を上げていく ③:腕を上げきったら、ゆっくりと元の位置に戻す ④:①~③を10回繰り返す 肩甲骨の動きを意識すると、肩関節だけでなく肩甲骨周辺の筋肉もストレッチできます。 また、息を吸いながら腕を上げ、息を吐きながら腕を下ろすとリラックスして行えます。 ストレッチをする際は無理に高く上げようとせず、痛みを感じない範囲で少しずつ上げていきましょう。 テーブルストレッチ テーブルストレッチは肩関節の可動域を広げるとともに、肩甲骨周囲の筋肉をほぐす方法でやり方は、以下のとおりです。 ①:テーブルの前に立ち、両手を肩幅に開いてテーブルにつく ②:膝を軽く曲げ、前傾姿勢になる ③:ゆっくりと息を吐きながら、体を前に倒す ④:体を倒しきったら10秒間キープ ⑤:①~④を10回繰り返す ストレッチを行う際はテーブルの高さと肩の高さを合わせ、背中が丸まらないよう注意しましょう。 肩の力を抜き、リラックスした状態で実践するのが望ましいです。 振り子ストレッチ 振り子ストレッチは肩関節周囲の筋肉をリラックスさせ、痛みを和らげる方法でやり方は以下のとおりです。 ①:足を肩幅に開いて立ち、痛む方の腕を体の横にだらんと下げる ②:上半身を軽く前に倒し、痛くない方の手をテーブルなどにつく ③:腕を振り子のように前後に揺らす ④:腕を左右に揺らす ⑤:腕を円を描くように回し、時計回りと反時計回りをそれぞれ10回ずつ行う これらはコッドマン体操とも呼ばれ、重力と慣性を利用して、肩関節に負担をかけずに可動域を広げられます。 ストレッチ中は無理に大きく揺らす必要はなく、肩の力を抜き、腕の重みで自然に揺れるよう意識しましょう。 小さな振り幅から始め、徐々に大きくしていってください。 肩甲骨はがしストレッチ 肩甲骨はがしストレッチのやり方は以下の通りで、肩甲骨周囲の筋肉をほぐし、肩関節の可動域を広げる方法です。 ①:椅子に座り、両手を肩に置く ②:肘を大きく回すように、肩甲骨を意識して腕を回す ③:前方向と後ろ方向をそれぞれ10回ずつ行う 肩甲骨が背骨から離れるように、大きく回すのがポイントです。 肘を前に出すときは肩甲骨を外側に開き、肘を後ろに引くときは肩甲骨を内側に寄せるよう意識しましょう。 挙上ストレッチ 挙上ストレッチは肩関節の可動域を広げ、腕を上げる動作(挙上)の改善に適しており、やり方は以下のとおりです。 ①:仰向けに寝て、両手を天井に向かって伸ばす ②:両手を組んで、ゆっくりと頭の上に上げていく ③:両手を頭の上に上げきったら、ゆっくりと元の位置に戻す ④:①~③を10回繰り返す このストレッチは肩関節周囲の筋肉や靭帯を優しく伸ばし、柔軟性を高められます。 息を吐きながら手を上げ、息を吸いながら手を下ろすことで、呼吸が深まり、よりリラックスした状態で実践することができます。 凍結肩(五十肩)になる原因 凍結肩(五十肩)の原因は、はっきりと解明されていませんが、以下のような要因が複合的に関与していると考えられています。 原因 説明 加齢に伴う組織の変化 ・ 加齢とともに、肩関節を構成する腱板、関節包、滑液包などの組織が変性し、柔軟性を失う。 ・肩関節の可動域が制限され、わずかな外力や負荷でも炎症が起こりやすくなる。 運動不足 ・運動不足は肩関節周囲の血行を悪化させるため、筋肉や靭帯の柔軟性が低下しやすい。 ・長時間のデスクワークなど、同じ姿勢を続けると肩甲骨の動きが制限され、肩関節周囲の血行が悪化しやすくなる。 ・血行不良は、筋肉や靭帯の柔軟性を低下させ、炎症を引き起こしやすい。 生活習慣病(糖尿病、脂質異常症) ・糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病は、凍結肩の発症リスクを高めることが指摘されている。 ・これらの疾患は肩関節周囲の組織の代謝を妨げ、炎症を慢性化させる可能性がある。 また肩関節を構成する骨や軟骨、靱帯、腱といった組織が加齢とともに変化し、周囲に炎症が生じることも原因とされています。 ※出典:日本整形外科学会「五十肩(肩関節周囲炎)」 主な症状は、肩の痛みと運動制限です。 症状 説明 肩の痛み 初期には肩を動かすと鋭い痛みを感じ、中期以降は肩関節が硬くなって肩を動かす際に痛みを感じやすくなる。 運動制限 ・肩関節が徐々に硬くなって可動域が狭まるほか、腕を上げたり後ろに回したりすることが困難になる。 ・日常生活においては、髪を整えたり服を着替えたりする動作が難しくなりやすい。 症状は、初期(炎症期)、中期(拘縮期)、後期(回復期)の3つの段階を経て進行します。 凍結肩(五十肩)の予防と治療法 凍結肩(五十肩)の予防には、日頃から肩関節を動かす習慣をつけましょう。 主な予防策は、以下のとおりです。 ラジオ体操 ストレッチ 軽めの筋力トレーニング これらの運動は肩関節周囲の筋肉や靭帯の柔軟性を高め、血行を促進する効果を期待できます。 また、正しい姿勢を保つことも、予防には欠かせません。 長時間のデスクワークやスマートフォンの使用など、同じ姿勢が取り続ける場合は、定期的に休憩を取り、肩関節を動かすストレッチを心がけましょう。 治療法に関しては、症状の程度や進行度合いによって異なります。 初期の痛みや炎症が強い時期には安静にし、湿布や痛み止めなどの薬物療法を行うのが一般的です。 痛みが落ち着いてきたら、肩関節の可動域を徐々に広げるためのリハビリテーションを開始します。 リハビリテーションは、専門家の指導のもとで行うのが望ましいです。 その凍結肩(五十肩)は腱板断裂かも? https://youtu.be/TaYHPluB3Wc?si=caE1yNvtLEZ9HGed 肩の痛みと可動域制限を伴う症状では、凍結肩(五十肩)と腱板断裂が混同されやすいです。 症状 原因 凍結肩(五十肩) 肩関節周囲の組織の炎症や癒着が原因で起こり、症状が徐々に現れる場合が多い 腱板断裂 外傷や加齢による変性、肩の腱板と呼ばれる筋肉を覆う腱が断裂することで起こる どちらも中年以降に多く見られる疾患ですが、原因や治療法が異なるため、正確な診断をしなければいけません。 それぞれの特徴は、以下のとおりです。 凍結肩(五十肩) 腱板断裂 発症 徐々に痛みが増し、可動域が制限される 外傷や急な動作をきっかけに、急激な痛みが生じることが多い 痛み 肩全体に広がるような鈍痛。夜間痛が強い 特定の方向への運動で痛みが生じやすい。力を入れると痛みが増す 可動域制限 全方向への可動域制限 特定の方向への可動域制限 治療法 保存療法(リハビリ、薬物療法、注射など)が中心 断裂の程度や活動レベルに応じて、保存療法または手術療法 その他 自然治癒する場合もある 放置すると症状が悪化する場合がある 腱板断裂の疑いがある場合は、再生医療を検討しましょう。 PRP(多血小板血漿)療法や幹細胞療法などの再生医療は、自己の血液や細胞を利用して、腱の修復を促進する治療法です。 痛くてストレッチができない方、ストレッチの効果が得られない方からすると、適切な治療になる可能性があります。 肩の痛みと可動域制限を伴う症状でお悩みの方は、ぜひ一度以下の記事もご参考ください。 ※内部リンク:ショートコード【肩】 【まとめ】凍結肩(五十肩)はストレッチで改善を目指そう 凍結肩(五十肩)にお悩みの方は、以下のような自宅でできるストレッチを継続することで、肩の可動域改善や痛みの緩和が期待できます。 壁を使うストレッチ テーブルストレッチ 振り子ストレッチ タオルストレッチ 肩甲骨はがしストレッチ 挙上ストレッチ これらのストレッチは、肩関節周囲の筋肉や靱帯の柔軟性を高め、血行促進にもつながる可能性もあります。 ただし、痛みを我慢して無理に動かすことは、炎症を悪化させる原因にもなりかねません。 痛みを感じたら無理をせずに中止し、医師に相談することをおすすめします。 また、ストレッチを続けても症状が改善しない場合は、腱板断裂の可能性も考慮し、速やかに診断を受けましょう。 自分が凍結肩なのかお悩みの方は、ぜひ当院「リペアセルクリニック」までお気軽にご相談ください。
2020.04.23 -
- 肩
日常生活の中で、肩の痛みや動きの制限でつらさを感じている方は多いのではないでしょうか。 50代以降になると、凍結肩(いわゆる五十肩)と肩関節の動きが著しく制限された状態に進行するケースもあり、改善が長引くことがあります。 しかし「凍結肩の症状はどのようなものなの?」「治療法はあるの?」と疑問を抱えている方も多いでしょう。 この記事では、凍結肩の症状や原因、五十肩との違い、治療法を詳しく解説します。 まずは凍結肩がどのような状態なのかを詳しく見ていきましょう。 つらい肩の痛みや動きの制限に対しては、再生医療も一つの選択肢となります。 当院(リペアセルクリニック)の公式LINEで、症状・治療法について紹介していますので、本記事と併せてご参考にしてください。 凍結肩とは 凍結肩とは肩関節の動きが著しく制限された状態のことです。 肩関節周囲炎(五十肩)の症状が進行すると肩の関節が固まってしまうことから「凍結肩」と呼ばれています。 ここからは以下について詳しく解説します。 凍結肩の症状 凍結肩の原因 症状や原因を理解して、ご自身の症状が当てはまるのか確認してみましょう。 また凍結肩に進行する前の五十肩については、以下の動画でも解説していますので、ぜひご覧ください。 凍結肩の症状 凍結肩の主な特徴は、強い痛みと肩の動きが極端に制限されることです。 主に以下のような症状が現れます。 肩を上げることができない(90度以下の制限) 肩を後ろに回すことができない 夜間痛により睡眠が妨げられる 着替えや洗髪が困難になる 背中に手を回せない 肩全体の強い圧痛 これらの症状により、日常生活に大きな支障をきたします。 とくに夜間の痛みは強く、横になったときに痛みが増すことが多いです。 凍結肩の原因 凍結肩は、肩関節を包む関節包という袋状の組織が炎症を起こし、厚くなったり癒着したりすることで発症します。 主な原因として以下が挙げられます。 原因 詳細 加齢による変化 関節包や周囲組織の老化により柔軟性が失われる 外傷 肩の打撲や転倒による関節包の損傷 長期間の固定 手術後や骨折による長期間の肩の安静 糖尿病 血糖値の異常により組織の修復機能が低下 これらの要因が重なることで、関節包が癒着し、肩の動きが著しく制限されるようになります。 五十肩と凍結肩の違い 五十肩と凍結肩は実質的に同じ疾患を指していますが、五十肩が進行して動きがより制限された状態を凍結肩と呼ぶこともあります。 厳密な意味での違いはなく、症状や治療法も同じです。 項目 五十肩 凍結肩 正式名称 肩関節周囲炎 凍結肩(frozen shoulder) 呼称の由来 50代頃に多く発症することから命名 肩が凍ったように動かなくなることから命名 使用される場面 一般的な会話や患者説明 医学論文や専門的な診断名 症状 痛みと可動域制限 痛みと可動域制限 治療法 保存療法から手術まで 保存療法から手術まで 医療現場では「凍結肩」や「肩関節周囲炎」という正式名称が使われることが多く、患者さまには馴染みのある「五十肩」という説明がされることが一般的です。 どちらの呼び方を使っても同じ疾患を指しています。 五十肩から凍結肩に進行した場合の治療方法 凍結肩の治療は段階的に行われ、症状の程度に応じて、保存療法から手術療法まで複数の治療選択肢があります。 治療法 内容 適応・特徴 薬物療法 痛み止め、筋弛緩剤、湿布薬 痛みと炎症を抑制、初期治療として使用 理学療法(リハビリ) 関節可動域訓練、ストレッチ、筋力強化 肩の動きを段階的に改善、継続的な実施が重要 注射療法 ステロイド注射、ヒアルロン酸注射 保存療法で効果不十分な場合、即効性あり 手術療法 関節鏡視下関節包切離術 重症例や保存療法で改善しない場合 治療は軽度な方法から段階的に進められ、患者さまの症状に応じて調整されるのが一般的です。 多くの場合、薬物療法と理学療法の組み合わせで改善が期待できます。 症状が重い場合や保存療法で十分な効果が得られない場合は、注射療法や手術療法も検討されます。 凍結肩(五十肩)に関するよくある質問 凍結肩や五十肩について、患者さまからよく寄せられる質問にお答えします。 凍結肩(五十肩)に対するストレッチ方法はある? 五十肩・凍結肩になる人の特徴は? ご自身の症状や状況と照らし合わせながら、参考にしてください。 凍結肩(五十肩)に対するストレッチ方法はある? 適切なストレッチは凍結肩(五十肩)の症状改善に効果的です。 ストレッチ方法 実施方法 挙上ストレッチ 壁に手をついて、徐々に肩を上げていく 外旋・内旋ストレッチ 肘を90度に曲げ、肩を外側・内側に回す タオルストレッチ タオルを背中で持ち、上下に動かす 振り子体操 前かがみになり、腕を前後左右に振る 円運動 腕を小さな円を描くように動かす 痛みを我慢して無理に動かすと、かえって症状が悪化することがあります。 「気持ちよく伸びる」程度の強さで、1日3回、各動作10回程度から始めましょう。 五十肩・凍結肩になる人の特徴は? 五十肩・凍結肩になる人には、以下の特徴があります。 肩の痛みが1週間以上続く 夜間痛で眠れない 肩を90度以上上げられない 着替えや洗髪が困難 これらの五十肩・凍結肩の症状が出ても、早期に適切な治療を受けることで、症状の進行を防ぐことができます。 症状を我慢せず、早期に専門医の診断を受けることが重要です。 肩の痛みや動きの制限でお困りの際は、早めに医療機関を受診してください。 五十肩から凍結肩に進行する前に早期治療が大切 五十肩と凍結肩は実質的に同じ疾患です。 一般的には五十肩、医学論文や専門的な診断名としては凍結肩や肩関節周囲炎と呼ばれます。 また、五十肩が進行して動きがより制限された状態を凍結肩と呼ぶこともあります。 以下の症状が起きた場合、凍結肩に進行している可能性があります。 肩を上げることができない(90度以下の制限) 肩を後ろに回すことができない 夜間痛により睡眠が妨げられる 着替えや洗髪が困難になる 背中に手を回せない 肩全体の強い圧痛 中年以降、とくに50歳代に多く発症し、肩関節を構成する組織の老化により炎症が起こることが主な原因です。 症状が軽いうちに適切な治療を受けることで、重症化を防ぎ、治療期間の短縮や日常生活への影響を最小限に抑えることができます。 治療法は薬物療法、理学療法、注射療法、手術療法まで段階的に選択肢があり、患者さまの症状に応じて選択されます。 肩の痛みが1週間以上続く場合や、肩を90度以上上げられない場合は、早めに医療機関を受診しましょう。 自分の症状が凍結肩かな?と不安な方は、当院(リペアセルクリニック)でも無料相談を行っておりますので、ぜひ一度お試しください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/
2020.04.20