石炭沈着性腱板炎の急性、亜急性、慢性それぞれの治療法について
公開日: 2020.05.08更新日: 2024.11.19
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石炭沈着性腱板炎の急性、亜急性、慢性それぞれの治療法について
肩関節に突然強い痛みが出て関節を動かすこともできなくなってしまう石炭沈着性腱板炎は、夜中寝ている時に突然強い痛みが出ることがあります。そのため、痛みだけでなく、寝不足にも悩まされている人も少なくないでしょう。
そんな石炭沈着性腱板炎を治すために医療機関の受診を検討している人もいると思いますが、ここでは、石炭沈着性腱板炎の治療法について紹介します。
急性の石炭沈着性腱板炎の治療法
石炭沈着性腱板炎は発症時期によって急性型、亜急性型、慢性型に分けられますが、発症してから4週間までに強い痛みが生じる急性期には、保存療法がおこなわれるのが一般的です。
固定器具(アームスリング、三角巾など)を使って患部を固定して安静にしたり、湿布で患部を冷やす、消炎鎮痛剤を投与するなどで炎症を抑えたりすることで、軽快するケースが多いです。
痛みがかなり強い場合は、腱板に沈着した石炭に注射針を刺してミルク状になっている石炭を吸引して痛みをとる治療がおこなわれることもあります。
亜急性・慢性の石炭沈着性腱板炎の治療法
石炭沈着性腱板炎は多くの場合、急性に保存療法で安静にしておくことで軽快していきます。
しかし急性の時はミルク状だった石炭沈着が硬くなって石膏状になってくる亜急性型(発症から1ヶ月から6カ月)や慢性型(6カ月以上)では、関節を動かした時に石炭が周りの組織に当たるようになり、炎症や痛みが引かなくなることもあります。
こうした場合は手術で沈着した石炭を取り除くことが検討されます。石炭沈着性腱板炎の手術は内視鏡で患部を確認して器機で石灰を切除するのが一般的です。
体外衝撃波療法とは
石炭沈着性腱板炎の治療方法として、近年では手術の他に体外衝撃波療法もおこなわれるようになっています。
体外衝撃波療法とは、専用の機器によって衝撃波を体外から患部に照射する治療法です。ヨーロッパで普及した治療法で、日本では主に尿路結石の治療に普及しています。
石炭沈着性腱板炎の場合は、沈着している石炭の部分に体外から衝撃波を照射します。
痛みを発している神経の一部は衝撃波で破壊されるので痛みは取れていきます。(破壊された部分の組織は再生されます)また、石炭も衝撃波で破壊され、破壊された石炭は体内に吸収されて少しずつ消えていきます。
まとめ・石炭沈着性腱板炎の急性、亜急性、慢性それぞれの治療法について
石炭沈着性腱板炎の治療法について紹介しました。医療機関では発生時期や症状に応じた治療がおこなわれます。
石炭沈着性腱板炎によって痛みが生じたり、関節が動かせなかったりして悩んでいるけど我慢している人もいるかもしれません。
しかし、症状が長引いたり悪化したりしないためにも医療機関を受診して正しい治療を受けることをおすすめします。
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監修:リペアセルクリニック大阪院
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監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設