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膝蓋軟骨軟化症とは、主に膝の酷使が原因で発症する膝の疾患です。 本記事では、膝蓋軟骨軟化症の治療法について詳しく解説します。 主な原因や症状についても解説しているので、膝蓋軟骨軟化症についての知識を深め、自分に合う治療を受けてください。 また、悪化を防ぎ、日常生活への影響を最小限に抑えましょう。 膝蓋軟骨軟化症とは 膝蓋軟骨軟化症とは、膝のお皿(膝蓋骨)の内側にある軟骨が柔らかくなったり、変形したりする疾患です。 膝蓋骨は、膝の前面を保護する重要な役割を担っています。 通常、関節は軟骨や関節液がクッションになり、骨同士の摩擦や衝突を防いでいます。しかし、膝蓋軟骨に異常があると、そのクッション機能が損なわれ、痛みが発生します。 膝蓋軟骨軟化症は、ランニングやジョギングなど膝を酷使するスポーツをしている方に多いことから、別名「ランナー膝」とも呼ばれています。 膝蓋軟骨軟化症の原因 膝蓋軟骨軟化症の主な原因は、以下の通りです。 身体構造に問題がある ランニングやジャンプなど、膝への負担が大きいスポーツをする 階段の上り下りや屈伸運動など日常生活の中で膝に負担がかかっている 膝蓋骨のズレや偏平足で膝に負担がかかりやすいなど構造的な問題が原因になることもあります。 しかし、膝への負担が大きいランニングなどの動作を日常的に行うことで、膝蓋軟骨軟化症に繋がることが多いです。 スポーツ以外にも日常生活の中で膝に大きな負担がかかることもあるため、注意しましょう。 膝蓋軟骨軟化症の症状 膝蓋軟骨軟化症に見られる主な症状は、以下の通りです。 膝周りのうずくような痛み 特定の動作をすると膝の裏が痛む 膝を曲げ伸ばしした際に引っ掛かる感じがある 膝蓋軟骨軟化症は、膝周辺にうずくような鈍い痛みを感じることが多いでしょう。 階段を上る、スポーツをする、長時間座っている、走るなどの動作で痛みが生じます。 膝蓋軟骨軟化症の治療法 膝蓋軟骨軟化症の治療法は、主に5つあります。 膝蓋軟骨軟化症の治療法について、詳しく解説します。 保存療法 サポーターやテーピングなど、ご自身でできる治療法もあります。 サポーターは、自分の足に合ったものを選びましょう。 種類はたくさんありますが、膝を保護する、安定性のあるサポーターがおすすめです。 薬物療法 膝の痛みを緩和するため、痛み止めを服用し安静にすることが重要です。 膝蓋軟骨軟化症には、痛みや腫れを軽減するのに役立つ非ステロイド性抗炎症薬が用いられることが多いです。 副作用を引き起こす恐れがあるので、長期間の服用には注意が必要です。 理学療法 理学療法では、筋力トレーニングやストレッチを行って痛みを緩和させることが期待できます。 膝蓋骨(膝のお皿)は、太ももの前側に位置する大腿四頭筋に繋がっています。トレーニングで太ももの筋肉を強化することで膝関節が安定し、痛みを予防することができます。 また、膝蓋骨は関節の動きに伴い上下に動くため、ストレッチをして膝の柔軟性を高めることで、痛みの予防にもつながります。 ただし、無理なストレッチは逆効果です。膝の状態を考慮しながら運動しましょう。 手術療法 保存療法や薬物療法で症状が改善されない場合は、手術療法が検討されるケースがあります。 膝蓋軟骨軟化症では関節鏡視下手術が行われます。関節鏡視下手術とは、一般的なメスを使ったものではなく、関節に数か所の小さい穴を空け、内視鏡を挿入して行う手術です。 身体への負担が比較的少なく、傷も小さく済むため回復が早い利点があります。 再生医療 膝蓋軟骨軟化症の治療には、手術しない治療法として再生医療という選択肢もあります。 再生医療とは、機能障害や機能不全になった組織に対して、体が持つ再生能力を利用して損なわれた機能を再生させる医療技術のことです。 当院(リペアセルクリニック)では、患者さま自身の細胞を採取・培養して治療を行うため、拒絶反応やアレルギーのリスクが少ない幹細胞治療をご提案しています。 手術や入院も必要ないため、日常生活へ戻るのも早いので注目されている治療方法です。 膝蓋軟骨軟化症の治療期間は?治らない方は再生医療を検討 膝蓋軟骨軟化症の治療期間は、個人差がありますが数週間〜数ヶ月程度かかるのが一般的です。 初期の段階であれば、数週間程度の保存療法で症状の改善が見られることもあります。 重症化して保存療法や薬物療法でも改善が見られない場合、最終的に手術を受けなければならないケースもあるでしょう。 しかし、現在では手術をしない治療法として再生医療が注目されています。 再生医療は患者さま自身の細胞や組織を利用するため、アレルギーや拒否反応のリスクが少ない治療法です。 膝蓋軟骨軟化症を手術せずに治したい方は、当院の再生医療による治療をご検討ください。 膝蓋軟骨軟化症の重症度と日常生活への影響 膝蓋軟骨軟化症の程度と日常生活への影響を解説します。ご自身の生活を振り返り、どの程度進行しているのか考えてみてください。 膝蓋軟骨軟化症の重症度 膝蓋軟骨軟化症の程度は以下の3段階に分けられます。 軽度 運動時・歩行時にときどき膝の痛みがある 中度 運動時や歩行時に頻繁に膝の痛みがある 重度 安静時にも痛みがある 重度になると、安静にしていても痛みがあります。重度になる前に治療を受けるようにしましょう。 日常生活の影響 軽度であっても歩く際に痛みを感じ、日常生活に悪影響を及ぼす可能性があります。その結果、生活の質が低下する恐れがあります。 例えば、「階段を上る」や「椅子から立ち上がる」といった膝を曲げ伸ばしする動作は、日常生活で頻繁に行われるものです。 「病院にいくほどのものではない」と放置していると、症状が悪化し日常生活に支障をきたすほどの重症になるケースがあります。 早めに医師の診察を受け、治療を開始することが重要です。 【まとめ】ランナー膝と呼ばれる膝蓋軟骨軟化症の治し方 膝蓋軟骨軟化症の症状や治し方、治療期間について解説しました。 運動を行っている方に多い膝蓋軟骨軟化症ですが、膝蓋骨のズレや扁平足で膝に負担がかかりやすいなど身体的構造によって発症するケースもあります。 軽症の場合はときどき膝に違和感がある程度の症状ですが、放置すると日常生活に影響を及ぼすほど悪化するケースもあるため、早めに医師の診断を受けましょう。 なかなか治らないとお悩みの方は、再生医療の選択肢もあります。痛みや症状を鑑みて、最適な治療法を検討してください。
2019.09.04 -
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前十字靭帯を断裂した場合、基本的に手術が推奨されます。 しかし、経済的、時間的な問題から手術に対して不安やためらいがある方もいるのではないでしょうか。 本記事では、前十字靭帯断裂と診断されて手術をしなかった場合のリスクについて解説します。 前十字靭帯断裂を根本的に治療できる可能性のある再生医療についても解説しています。 前十字靭帯断裂で「手術しない」場合に考えられること 前十字靭帯断裂で手術をしなかった場合、二次的なリスクや生活で支障が生じるケースがあります。 膝の不安感が残りやすい(膝崩れ) 半月板や軟骨の二次的な損傷リスクがある 将来的に変形性膝関節症へ進行してしまう可能性がある スポーツ活動や日常生活で支障が出る 4つの影響について、詳しくお伝えします。 膝の不安感が残りやすい(膝崩れ) 損傷が小さい場合は装具を使って治療をしますが、靭帯の機能は手術をしなければ再生しません。 前十字靭帯が断裂すると、膝が外れるような不安感が残ります。 損傷の程度が軽度で不安定さがほとんどない場合には、サポーターなどを用いた装具療法によって対処することもありますが、不安定さが生じる場合には手術以外の方法で回復は見込めません。 とくに運動をするときに膝崩れを起こす原因となり、さらなる怪我につながる可能性があります。靭帯断裂は自然治癒する可能性がきわめて低いため、運動を続ける場合は手術を検討しましょう。 半月板や軟骨の二次的な損傷リスクがある 前十字靭帯が断裂すると、半月板や膝関節面の軟骨に負担がかかって損傷のリスクが高まります。スポーツをするとさらに半月板・軟骨の損傷リスクが上がります。 関節がずれる動きが繰り返されることによって、軟骨や半月板が二次的に損傷する危険性が高くなってしまうのです。 踏み込んだり、ジャンプの着地などでとくに二次損傷の確率が高まるため、適切な治療と手術は必要です。 将来的に変形性膝関節症へ進行してしまう可能性がある 前十字靭帯を断裂すると、膝への負担が増加して、膝が異常な動きをしてしまいます。 膝関節への負担が大きくなると関節軟骨が摩耗して、将来的に変形性膝関節症を発症する可能性があります。 前十字靭帯の手術をせずに放置しておくと変形性膝関節症のリスクが高まるため、手術が推奨されています。 スポーツ活動や日常生活で支障が出る 前十字靭帯断裂の手術をしないと、スポーツ活動に支障がでるだけでなく日常生活にも影響を与えます。 不安定感が残るため、膝に負担がかかる動きが困難になるほか、痛みで走ることもままならなくなるケースがあります。 また、放置するとスポーツ活動に伴って膝くずれを繰り返し、スポーツ活動の継続が困難になるばかりでなく、膝関節機能が低下を招くことも。 日常生活でも痛みによって立ち上がる、階段の上り下りなどが難しくなる可能性があるのです。 前十字靭帯断裂の治療法 前十字靭帯断裂の治療法は、主に3つあります。 保存療法 手術療法 再生医療 3つの治療方法について、詳しく解説します。 保存療法 保存療法では、主に以下の方法で回復を狙います。 患部の安静・冷却 運動制限 減量 サポーターなどの装具で固定 保存療法では、運動や仕事の制限を行い治療をします。 また、体重が重い場合は食事制限などで膝への負担を軽減します。 保存療法は痛みや腫れの軽減が目的で、根本的な治療は難しいです。 手術療法 前十字靭帯断裂の手術は靭帯再建術と呼ばれていて、断裂した靭帯をほかの腱で置き換える手術が行われます。 太ももにある腱・ハムストリングスと、膝蓋骨の下にある腱・膝蓋腱を取るケースがあります。それぞれの腱で特徴が違うため、取る腱は医師と相談して決定されます。 関節鏡を用いて手術するため、傷口が小さく済むのがメリットです。 個人差はありますが、スポーツに復帰できるまで平均で7~8ヶ月※ほどかかります。 参考:日本鋼管病院・こうかんクリニック「十字靭帯(ACL)再建手術について」 再生医療 前十字靭帯断裂の手術法として、再生医療の選択肢もあります。 再生医療は患者さまの細胞や組織を利用して患部を治療するため、拒否反応のリスクが低い安全な手術法として注目されています。 また、再生医療は注射をするだけなので、手術や入院の必要がありません。 とくに関節鏡の手術だと、新たな膝の痛みが出てしまう可能性がありますが、再生医療であればそのようなリスクも少ないのが特徴です。 前十字靭帯は自然治癒しない 前十字靭帯を断裂してしまった場合、自然治癒する確率はきわめて低いと言えます。 自然治癒を期待して安静にしていても、膝の不安定感や二次的な損傷のリスクが上がります。放置して生活していると、日常生活にも影響を与える可能性があります。 根本的な治療のためには、手術か再生医療を受ける選択肢しかありません。 靭帯断裂で負担の少ない・根本的な治療として再生医療をご検討ください 靭帯断裂の手術は小規模でも、皮膚を切開する必要があります。 その点、再生医療は皮膚を切開する必要もなく、注射だけで治療ができるので、身体への負担が最低限で済みます。 また、保存療法では難しい根本的な治療が可能です。 さらに、再生医療は外科的な手術と比較してリハビリ期間が短くなりますので、早期のスポーツ復帰が期待できます。 保存療法で効果が見られなかった方、靭帯再建術に不安がある方は、再生医療をご検討ください。 前十字靭帯断裂を手術せず放置するのはリスクがある 前十字靭帯断裂は自然治癒しません。手術を受けないと、再受傷や将来の変形性膝関節症発症リスクがあります。 前十字靭帯断裂の手術は、靭帯再建術と再生医療の選択肢があります。 靭帯再建術は皮膚を切開して別の腱を利用するのに対し、再生医療は患者さま自身の細胞を利用した治療法です。 負担が少なく、根本的な治療が期待できるため、前十字靭帯断裂の治療法でお悩みの方は当院「リペアセルクリニック」にご相談ください。
2019.09.04 -
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スポーツで発症しやすいアキレス腱炎に対して、テーピングは痛みの軽減に有効な応急処置です。 しかし、テーピングだけに頼り続けると症状の慢性化や悪化のリスクがあるのも事実です。 本記事では、症状に応じた正しいテーピング方法から根本的な治療法まで総合的に解説します。 アキレス腱炎に悩む方が適切な判断と行動を取れるように、テーピングだけに頼ることのリスクや、必要に応じて医療機関を受診することの重要性もお伝えします。 アキレス腱炎に効果的なテーピング方法とテーピングの選び方 正しいテーピングを行うことで、アキレス腱にかかる負担を軽減し、炎症の悪化を防ぐ効果が期待できます。 ここでは、テーピングに関して以下の基本的な知識について解説します。 基本的なテーピング方法 テーピングに必要な準備と選ぶべきテープ ただし、テーピングはあくまで一時的な対処法です。 治療には、医療機関での適切な診断と治療が必要であることを理解した上でテーピングをしましょう。 基本的なテーピング方法 アキレス腱炎に対する基本的なテーピングは、アキレス腱と周囲組織を保護し、炎症による痛みを軽減することを目的としています。 基本的なテーピング手順は以下の通りです。4種類のテーピングを重ねて行います。 アンカー:内くるぶしより握りこぶし1つ分上に、体のカーブに沿って強く巻く アンカー2:1周を超えて1/3ほど重ねて巻く スターアップ:アンカー内側からかかと下を通って反対側まで巻く スターアップ2:2本目・3本目はかかと下で1本目とクロスし、扇形に配置 ホースシュー:かかとを中心に左右へテープを貼る(スターアップより2-3cm出る位置まで巻く) サーキュラー:足首を1周し、スターアップを固定しながらアンカー位置まで巻く この方法により、アキレス腱全体を包み込むようにサポートし、炎症部位の保護と痛みの軽減効果が期待できます。 テーピングに必要な準備と選ぶべきテープ 効果的なテーピングを行うためには、適切な道具の準備と正しいテープ選びが大切です。 まずは以下の道具を用意しましょう。 キネシオロジーテープ(50mm幅):筋肉の動きをサポート キネシオロジーシザース:テープを綺麗にカットする専用はさみ アンダーラップ:肌を保護するテープ 粘着スプレー:アンダーラップのズレを防止するスプレー また、スポーツ時や入浴時もテーピングを使用したい場合は、撥水タイプのテープを選びましょう。 アキレス腱炎の症状別・目的別テーピング方法 アキレス腱炎の症状は人によって異なります。 痛みの程度や部位に応じて適切なテーピング方法を選択することが重要です。 次の3つの症状別にテーピング方法を解説します。 アキレス腱を触ると少し痛い場合 アキレス腱を伸ばすと痛みを感じる場合 アキレス腱を伸ばすと明確に痛い場合 ご自身が該当する症状を確認して、テーピングを行ってください。 アキレス腱を触ると少し痛い場合 アキレス腱を指で軽く触れた際に痛みを感じる場合は、炎症の初期段階である可能性があります。 この段階では、アキレス腱の負担を軽減し炎症の悪化を防ぐことが、テーピングの主な目的です。 1本目:テープ両端に1cm切れ目を入れ、かかとのアキレス腱付着部から縦に貼る ふくらはぎ下まで貼ったら、残りの部分を切れ目から裂くように切る 2つに分かれたテープをふくらはぎを内側・外側から挟むように膝方向に向けて貼る 2本目:かかと外側からアキレス腱上を通って斜め上にすね側へ貼る 3本目:かかと内側から2本目とクロスするように斜め上にすね側へ貼る 各テープがアキレス腱部分に密着するよう押さえて完成 この方法により、アキレス腱全体をサポートし、炎症部位への負担を分散させることができます。 アキレス腱を伸ばすと痛みを感じる場合 アキレス腱を伸ばした際に痛みが生じる場合は、腱の伸縮による負担を軽減するテーピングが効果的です。 歩行時や運動時の痛みを和らげることを目的として、以下の手順でテーピングを行います。 うつぶせになり、アキレス腱を縮めた状態で実施する 1本目:かかとの裏からふくらはぎの下まで、軽く引っ張って貼る 両端を裂いてひざの外側・内側に分けて固定 2本目:足裏外側からかかと内側に斜めに、軽く引っ張って貼る そのままアキレス腱を通してすね側まで延長 3本目:足裏内側から2本目とクロスするように斜め上に貼る アキレス腱を縮めた状態でテーピングすることで、伸ばした際の負担を軽減する効果が期待できます。 アキレス腱を伸ばすと明確に痛い場合 アキレス腱を伸ばすと明確な痛みが生じる場合は、より強力なサポートと保護が必要です。 この段階では医療機関の受診も検討すべきですが、応急処置として以下のテーピングが有効です。 アンダーラップ:粘着スプレーをかけてから、足の甲から土踏まず〜ふくらはぎ中心部まで隙間なく巻く アンカー:アンダーラップからテープ幅の1/2ほどはみ出してふくらはぎに1周貼る アンカー2:1つ目のアンカーと1/3ほど重なるように下に1周貼る アンカー3:土踏まずのあたりに1周貼る サポート:足首をアキレス腱が伸びない角度に調整する サポート2:かかとを通って3本目のアンカーから、1本目アンカーまで真っすぐ貼る Xサポート1本目:3本目のアンカーからアキレス腱で交差するように1本目のアンカーに向けて貼る Xサポート2本目:Xサポート1本目と反対からアキレス腱で交差するように1本目のアンカーに向けて貼る サーキュラー:全てのテープを固定するため、アンカー1本目〜3本目位置にそれぞれ1周巻く この段階の痛みは炎症が進行している可能性があるため、早めの医療機関受診を推奨します。 テーピングと併用すべきアキレス腱炎の再発予防・セルフケア方法 テーピングによる応急処置だけでなく、日常的なセルフケアを並行して行うことで、アキレス腱炎の再発予防が期待できます。 日常的な注意点とセルフケア方法は、以下のとおりです。 運動量を段階的に調整し、急激な負荷増加を避ける クッション性のある靴やインソールを使用する ウォーミングアップとクールダウンを徹底する 痛みや腫れがある際はアイシングと湿布を併用する ストレッチ・マッサージなどのセルフケアを行う際は、以下を参考にしてください。 腓腹筋ストレッチ:壁に手をつき、足を前後に開いて後ろ足のふくらはぎを伸ばす ヒラメ筋ストレッチ:片足を台に乗せて膝を曲げ、体重をかけてふくらはぎを伸ばす アキレス腱周囲マッサージ:アキレス腱部分を手でつまみ、上下に動かすのと足首を上下に動かすのを繰り返す これらのセルフケアはテーピングと組み合わせることで相乗効果が期待できます。 ぜひお試しください。 アキレス腱炎の根本的な治療法 テーピングやセルフケアで症状が改善しない場合は、医療機関での根本的な治療が必要です。 アキレス腱炎の治療には、主に以下の3つがあります。 従来の保存療法 外科的治療 再生医療 早期の適切な治療により症状の慢性化を防ぎ、回復が期待できます。 従来の保存療法 アキレス腱炎の治療では、まず保存療法が第一選択となります。 手術を行わない治療法で、多くの患者さまで症状の改善が期待できる安全性の高い治療です。 保存療法では、以下の治療を行います。 安静・運動療法:活動量の調整と段階的な運動負荷の増加 物理療法:超音波治療、電気刺激療法、温熱療法 薬物療法:消炎鎮痛剤の内服、湿布、ステロイド注射 装具療法:足底板、ヒールパッドによる足部アライメント調整 リハビリテーション:理学療法士による専門的な運動指導 これらの保存療法で十分な改善が得られない場合は、次の外科的治療を検討します。 外科的治療 保存療法で症状が改善しない場合や、腱の変性が著しい場合に外科的治療(手術)が検討されます。 アキレス腱の手術には、主に以下のような方法があります。 腱周囲剥離術:癒着した周囲組織を剥離し、腱の滑走性を改善 変性組織切除術:変性した腱組織を切除し、健康な組織の再生を促進 腱縫合術:部分断裂がある場合の腱組織の修復 腱移植術:重度の変性に対する健康な腱組織による置換 手術後はリハビリテーション期間が必要ですが、根本的な症状改善が期待できます。 再生医療 アキレス腱炎などのスポーツ外傷に対しては、患者さま自身の幹細胞や血液を利用する再生医療という治療法もあります。 幹細胞治療:脂肪や骨髄から採取した幹細胞による治療 PRP療法:患者さまの血液から抽出した血小板を患部に投与 当院「リペアセルクリニック」では、脂肪由来の幹細胞治療とPRP療法を提供しております。 スポーツ外傷に対する再生医療についての詳細は、以下をご覧ください。 アキレス腱炎が慢性化する前に医療機関を受診しよう アキレス腱炎による痛みに対して、テーピングは有効な応急処置方法ですが、あくまで一時的な対処法に過ぎません。 症状別のテーピング方法やセルフケアを適切に行うことで痛みの軽減は期待できますが、根本的な治療には限界があります。 また、テーピングだけに頼り続けると、症状の慢性化や断裂リスクの増大など深刻な問題を引き起こす可能性があります。 アキレス腱炎が慢性化する前に治療を受けるためにも、早期の医療機関の受診がおすすめです。 他にも患者さま自身の細胞を活用した再生医療という治療方法もあります。 再生医療についてご検討の際は、当院「リペアセルクリニック」へお気軽にお問い合わせください。
2019.09.04 -
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ランニングやジャンプを頻繁に行うスポーツで起こりやすい「シンスプリント」は、すねの内側にズキズキとした痛みが走り、練習や試合に影響が出てしまうことも少なくありません。 上記のようなつらい症状に対しては、テーピングが痛みの軽減や再発予防に有効です。 本記事では、シンスプリントに悩む方のために、テーピングの正しい巻き方を解説します。 シンスプリントの痛みでお困りの方や効果的なテーピング方法を知りたい方は、ぜひこの記事を参考にしてください。 しかし、テーピングは適切な治療を受けるまでの対処法であり、完治するわけではありません。 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、シンスプリントの症状改善が期待できる再生医療に関する情報を公開中です。 「シンスプリントの痛みを早く治したい」という方は、ぜひ再生医療でどのような治療を行うかご確認ください。 シンスプリントに効果的なテーピングの巻き方 シンスプリントによるすねの痛みを和らげ、患部への負担を軽くするためには、キネシオロジーテープ(伸縮性のあるテープ)を使った正しいテーピングの巻き方を覚えることが効果的です。 手順 詳細 1. テープの準備 1本目:膝下のすねから足の中央(足の甲の少し先)まで届く長さにカット。 2本目:ふくらはぎを軽く一周できる長さにカット。 2. 足首の角度 椅子に座るなどして膝を軽く曲げ、足首の角度が90度(直角)になるように保つ 3. 1本目のテープ:足の甲から 1本目のテープの端(約5cm)の剥離紙を剥がし、足の甲の中央、やや親指寄りの部分にしっかりと貼り付ける。 4. 1本目のテープ:すねに沿って 残りの剥離紙をゆっくりと剥がしながら、テープを引っ張らずに自然な張力で、すねの内側に沿って、痛みを感じる部分を通過するように膝下までまっすぐに貼る。 5. 2本目のテープ:中央部分の準備 2本目のテープを取り、テープの真ん中で軽く折り目をつける。折り目に沿って、テープ裏の剥離紙を中央部分で破り、左右それぞれ約5cmずつ剥離紙を剥がして、テープの中央部分を露出させる。 6. 2本目のテープ:痛む部分へ 露出させた2本目のテープの中央部分を、すねの一番痛みを感じる箇所に当てる。テープを少しだけ引っ張りながら、痛い部分を覆いかぶせるように貼り付ける。 テーピングを行う前には必ず皮膚を清潔にし、乾燥させておくのがポイントです。 また、テープを貼った後にかゆみや発疹、過度な圧迫感がある場合はすぐに使用を中止し、医療機関に相談しましょう。 シンスプリントでテーピングを巻く目的 シンスプリントでテーピングを巻くことには、痛みを和らげるだけでなく、以下のような目的があります。 痛み症状の軽減 怪我の予防・再発防止 怪我の応急処置 目的を理解することで、テーピングをより効果的に活用し、早期の競技復帰や再発防止につなげることができるでしょう。 痛み症状の軽減 テーピングを痛む部位と周辺に正しく貼り、炎症を起こしている部分を物理的に圧迫することで痛み症状の軽減効果が期待できます。 シンスプリントによるすねの内側にズキズキとした鋭い痛みは、すねの骨を覆っている骨膜や周囲の筋肉が炎症を起こすことで生じています。 テーピングを正しく貼ることで、運動中に骨膜が過度に引っ張られたり、筋肉が不必要に振動したりするのを抑制し、患部にかかるストレスを軽減することができるのです。 その結果、炎症のさらなる悪化を防ぎ、痛みの軽減につながります。 怪我の予防・再発防止 テーピングによって筋肉の不必要な動きや関節の可動域を適度に制限し、関節の安定性を高めることで怪我の予防・再発防止の効果が期待できます。 ランニングやジャンプ、ダッシュといった動作を繰り返すスポーツを行っている方は、常にシンスプリントを発症するリスクと隣り合わせといえます。 適切なテーピングによって、着地時などの衝撃や運動中に繰り返し筋肉にかかる負荷を分散させることができるのです。 怪我の応急処置 テーピングは医療機関を受診するまでの間、患部の腫れや内出血を抑え、痛みを和らげるための応急処置の基本である「RICE処置」の中の「圧迫(Compression)」として活用できます。 応急処置の原則「RICE」 詳細 R (Rest:安静) 患部を動かさないようにする I (Ice:冷却) 氷のうなどで患部を冷やし、炎症や腫れ、痛みを抑える C (Compression:圧迫) テーピングや弾性包帯などで患部を適度に圧迫し、内出血や腫れが広がるのを抑える E (Elevation:挙上) 患部を心臓より高い位置に保ち、腫れを軽減する テーピングによる圧迫固定は、あくまで医療機関を受診するまでの「応急処置」であり、一時的に痛みや腫れを和らげるための手段です。 応急処置を行った後は、できるだけ早く整形外科などの専門医の診断を受け、適切な治療を行いましょう。 以下の記事では、RICE処置について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。 シンスプリントでテーピングを巻くときの注意点 テーピングは使い方を間違えると、シンスプリントの症状を悪化させる可能性もゼロではありません。 ここでは、シンスプリントでテーピングを巻く際に、特に気をつけていただきたいポイントを解説します。 長時間テーピングを貼りっぱなしにする 強く巻きすぎる 伸縮テープを伸ばしすぎる 注意点をしっかり理解して、正しい方法でテーピングを行いましょう。 長時間テーピングを貼りっぱなしにする テーピングを長時間貼りっぱなしにすると、汗による蒸れやかぶれといった皮膚トラブルを引き起こす可能性があります。 また、テープ本来のサポート効果が薄れたりすることも考えられます。 そのため、運動が終わった後など、その日のうちには剥がすようにし、もし翌日も必要であれば新しいテープに貼り替えるのが理想的です。 強く巻きすぎる シンスプリントの痛みを抑えたい一心でテーピングをきつく巻きすぎると血行が悪くなり、痛みが強くなったりする恐れがあります。 テーピングを巻いた後に、足の指先がジンジンとしびれたり、皮膚の色が普段より赤紫色っぽく変色したりしている場合は、強く巻きすぎているサインです。 強く巻きすぎてしまった場合は、一度剥がして適切な強さで巻き直しましょう。 伸縮テープを伸ばしすぎる 伸縮性のあるキネシオロジーテープなどを使用する際に、テープを引っ張りすぎた状態で貼ってしまうと、テープが持つ本来のサポート効果が十分に発揮されません。 さらに、筋肉の負担を増やしたり、皮膚のかぶれを引き起こしたりする可能性があるため、適切な張力で貼ることが大切です。 基本的にはテープを引っ張らずに、皮膚にそっと置くようにして押さえる程度で貼るのがポイントです。 シンスプリントにおすすめのテーピングは? テーピングにはいくつかの種類があり、特徴や適した使用シーンが異なります。 ここでは、シンスプリントのケアや予防によく使われる代表的なテーピングテープの種類を解説していきます。 キネシオロジーテープ パワーテープ 目的や使用する場面に合わせて、テーピングを選ぶための参考にしてください。 キネシオロジーテープ キネシオロジーテープ(キネシオテープ)は、人間の筋肉に近い伸縮性を持つように作られたテーピングテープで、関節の動きを過度に制限することなく筋肉の働きを自然にサポートしてくれます。 キネシオロジーテープの特徴 筋肉に近い伸縮性で動きを妨げずフィット 痛み・疲労軽減や血行促進など筋肉をサポート 貼りやすく肌に優しい、初心者やセルフケアにおすすめ キネシオロジーテープは、あくまで筋肉の動きを「サポート」したり、軽い「補助」をしたりするのが主な役割です。 関節をガッチリと強力に固定するほどの固定力はないため、痛みの軽減や予防には有効ですが、関節をしっかりと固定する必要がある場合には向いていません。 パワーテープ パワーテープは頑丈な素材で作られ、強力な粘着力と固定力を持つテーピングです。 パワーテープの特徴 伸縮しない素材で関節を強力に固定、動きを制限 汗や水に強く、激しい運動でもズレにくい アスリートや強い固定が必要な時に最適 一度貼ると貼り直しが難しいため、貼る際には慎重さが求められます。 また、剥がすときに皮膚に痛みを感じたり、肌が弱い方はテープの刺激でかぶれてしまったりする可能性もあります。 そのため、あらかじめテープを貼る部分にアンダーラップという薄い保護用のテープを巻くと、肌への負担を軽減できます。 シンスプリントを早く治すためには再生医療を検討しよう シンスプリントのケアにおいて、正しい知識に基づいたテーピングは有効な手段の一つです。 しかし、テーピングはあくまで症状を緩和したり、患部をサポートしたりするための補助的な役割が中心です。 テーピングやセルフケアを続けても痛みが改善しない、症状が長引いている場合は、自己判断で無理をせず、専門の医療機関にご相談ください。 近年では、損傷した組織の修復を促し、治癒力を高める「再生医療」といった新しい治療の選択肢もあります。 つらいシンスプリントの悩みから解放され、再び全力でスポーツを楽しむために、再生医療も視野に入れ、一度専門医に相談してみることをおすすめします。 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、シンスプリントの症状改善が期待できる再生医療に関する情報を公開中です。 「シンスプリントの痛みを早く治したい」という方は、ぜひ再生医療について知っておきましょう。
2019.09.04