脳梗塞による言語障害は治る?回復率を高める方法を解説
公開日: 2021.08.06更新日: 2024.11.19
脳梗塞は脳への血流が妨げられることで発生し、結果として言語障害という後遺症が多く見られます。この障害は、コミュニケーション能力に影響を及ぼし、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。
言語障害には主に失語症や構音障害があり、それぞれに対して専門的な支援が必要です。
本記事では、脳梗塞後に起こる言語障害の種類や、言語聴覚士の重要な役割について詳しく説明します。
-
- ・脳梗塞による言語障害の治りについて
- ・脳梗塞の後遺症による言語障害の種類について
- ・脳梗塞による言語障害の回復率を高める方法
目次
脳梗塞による言語障害の治りには個人差がある
現在、脳血管疾患の通院患者は約118万人で、14%が働き盛りの世代です。医療技術の進歩により死亡率は減少しており、若い患者の約70%が発症直後からリハビリを受けることで回復し職場復帰が可能です。(文献1)
復職率は発症から3〜6か月後、または1年〜1年半後に上昇し、最終的には50〜60%に達します。
経過は急性期、回復期、生活期に分かれ、患者は治療状況や職場への配慮を医療機関と相談する必要があります。
脳梗塞の後遺症による言語障害の種類
脳梗塞後の言語障害の回復見込みは、障害の種類によって異なります。
脳梗塞による言語障害の種類は「失語症」と「構音障害」です。
失語症
失語症は、脳梗塞などにより脳の言語機能が損なわれ、読む・書く・話す・聞く能力に影響を及ぼす症状です。回復には年齢や損傷部位、健康状態などが関わりますが、40歳代までに発症した場合、言語訓練を3年以上続けることで大幅な改善が期待できます。
リハビリの内容としては、口や舌の運動、ジェスチャーを交えた会話、書字の訓練などがあります。リハビリ内容は症状や進行具合に応じて調整され、患者にあったプランを作成します。
構音障害
構音障害は、口腔や舌、声帯の運動機能が低下し、発音が困難となる状態です。治療法としては、外科的介入・発音補助装置の利用・構音訓練の3つがあり、患者の症状に応じて選択されます。
構音障害は回復の可能性があり、決して治らない障害ではありません。
外科手術では発音機能を改善し、補助装置を使用して発声を補助します。また、言語聴覚士がリハビリテーションを通じて舌や口の運動機能を高め、呼吸・発声・音読の向上を図ります。早期のリハビリテーションが回復において重要な役割を果たすため、少しでも違和感を感じたら速やかに医療機関を受診しましょう。
脳梗塞による言語障害の回復率を高める方法
脳梗塞によって生じる言語障害の回復には、適切な治療とリハビリテーションが必要不可欠です。回復率を高めるためにもは、早期にリハビリを開始し、専門的なサポートを受けましょう。
言語機能に影響する脳の部位や損傷の程度によって、回復にかかる時間や結果は異なりますが、効果的なリハビリ方法や先進的な治療法を組み合わせることで、言語障害の改善が期待できます。
ここからは、脳梗塞による言語障害の回復率を高める方法について紹介します。
言語聴覚士のリハビリサポートを受ける
言語聴覚士は、リハビリを通じて言語機能の改善を目指す言語障害に特化した専門家です。障害の程度を診断し、患者一人ひとりに合わせたリハビリ計画を作成します。
リハビリでは言葉だけでなく、ジェスチャーや絵といった手段を活用しコミュニケーションを計ります。
言語聴覚士のサポートを受けることで、言語面の改善はもちろん、心理面にもポジティブな変化をもたらします。
言語回復に大きな効果をもたらすため、積極的に受けておきたいサポートです。
再生医療で治療する
脳梗塞による言語障害(失語症)の再生医療は、骨髄由来の間葉系幹細胞を脳に移植し、損傷した神経細胞の再生を促す治療法です。
この幹細胞治療により、麻痺や言語機能の回復・痛みの軽減・リハビリ効果の向上・さらには脳卒中(脳梗塞)の再発予防が期待されています。
再生医療による幹細胞治療は開始時期が早いほど良い結果をもたらします。本治療に興味のある方は当院へお気軽にご相談ください。
脳梗塞による言語障害を治すなら再生医療も選択肢の1つ
脳梗塞の後遺症による言語障害は治るのかについて紹介しました。
リハビリによって言語障害が改善する人もいれば、長いリハビリに励んでも思うように改善されないなど、個人差があります。
現在では、再生医療によってリハビリの効果を高める手段もあります。リハビリの効果を高めたい・うまく話せるようになりたい方は、再生医療も検討してみてはいかがでしょうか。
本記事が言語障害に悩む方々の一助となれば幸いです。
参考文献 文献1^ |