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疲労骨折は自然治癒する?早く治す方法や治癒するまでの期間を解説【医師監修】

疲労骨折と診断された、または疲労骨折が疑われる痛みがあり、「病院に行かなくても自然治癒するのか」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、疲労骨折は骨折部位に負担をかけず安静にすることで、多くの場合は自然治癒が期待できるケガです。
ただし、部位によっては治りにくく、手術が必要になる場合もあるため、自己判断で様子を見るのはおすすめできません。
※参照:日本スポーツ整形外科学会「スポーツ損傷シリーズ 8.疲労骨折」
本記事では、疲労骨折が自然治癒するまでの期間や早く治す方法、再発を防ぐ予防法について解説します。
目次
疲労骨折は自然治癒が期待できる
疲労骨折は、骨折部位に負担をかけないように安静にすれば、基本的に自然治癒が期待できます。
疲労骨折とは、1回の大きな力で起こる通常の骨折とは異なり、骨の同じ部位に小さな力がくり返し加わることで、骨にひびが入ったり、完全な骨折に至ったりした状態です。
※参照:日本スポーツ整形外科学会「スポーツ損傷シリーズ 8.疲労骨折」
ただし、痛みを我慢して運動を続けると治りが遅くなるため、疲労骨折の特徴を理解して早めに対処しましょう。
ここでは、疲労骨折の痛みの特徴や起こりやすい部位、自然治癒しにくいケースを解説します。
疲労骨折はどんな痛み?
疲労骨折の痛みは、運動時や特定の動作をしたときに、骨の一部にズキズキとした痛みを感じるのが特徴です。
明らかな怪我がないのに、骨の真上に限られた痛みが続く場合は、疲労骨折が疑われます。
※参照:日本スポーツ整形外科学会「スポーツ損傷シリーズ 8.疲労骨折」
通常の骨折と異なり、大きな腫れや強い痛みを伴わないことが多いため、痛みを我慢しながら日常生活や運動を続けられてしまう場合があります。
しかし、痛みを我慢して運動を続けると、完全な骨折に至る可能性があるため注意しましょう。
疲労骨折が起こりやすい部位
疲労骨折は、体を支える際に負荷がかかりやすい足の骨に多く見られます。
一般的に疲労骨折が起こりやすい部位は、以下のとおりです。
※参照:日本スポーツ整形外科学会「スポーツ損傷シリーズ 8.疲労骨折」
疲労骨折が起こりやすい部位
- 足の甲(中足骨)
- すねの内側(脛骨)
- すねの外側(腓骨)
- かかと(踵骨)
- 肋骨
- 太ももの骨(大腿骨)
- 前腕(尺骨)
特に、足の甲の骨(中足骨)やすねの骨(脛骨)は、ランニングやジャンプなどで負担がかかりやすい部位です。
疲労骨折が起こりやすい部位を把握し、痛みを感じたら負担をかけすぎないように心がけましょう。
足の甲の疲労骨折については、以下の記事で詳しく解説しています。
腰の疲労骨折(腰椎分離症)については、以下の記事で解説しています。
自然治癒しにくい疲労骨折もある
疲労骨折の多くは安静にすることで治りますが、部位によっては治りにくく、手術が必要になる場合があります。
※参照:日本スポーツ整形外科学会「スポーツ損傷シリーズ 8.疲労骨折」
代表的なのが、足の小指側の骨(第5中足骨)の根元近くに起こる「ジョーンズ骨折」です。
ジョーンズ骨折は再発しやすいため、スポーツ選手では再発予防のために手術が行われることもあります。
※参照:順天堂大学医学部附属順天堂医院「Jones骨折・第5中足骨疲労骨折」
痛みが長引く場合や、同じ部位の痛みをくり返す場合は、自己判断で様子を見ずに整形外科を受診しましょう。
ジョーンズ骨折の症状や治療法は、以下の記事で解説しています。
疲労骨折が自然治癒するまでの期間
疲労骨折が自然治癒するまでの期間は、骨折した部位や重症度によって異なり、数週間から数か月が目安です。
たとえば、足の甲の骨(中足骨)の疲労骨折は、約6週間安静にすると骨がつくとされています。
※参照:日本臨床整形外科学会「中足骨の疲労骨折」
一方、以下のようなケースでは、治るまでにさらに長い期間がかかることがあります。
治るまでの期間が長くなりやすいケース
- 痛みを我慢して運動を続け、悪化させた
- ひびが進み、完全な骨折に至った
- ジョーンズ骨折など、治りにくい部位の疲労骨折である
- 十分な安静期間をとらずに復帰し、再発した
十分な安静期間をとらずに練習へ復帰すると、再発をくり返す場合もあるため、焦らず治療を続けることをおすすめします。
※参照:日本臨床整形外科学会「中足骨の疲労骨折」
安静期間中は疲労骨折の原因となった運動を中止し、医師の許可が出てから段階的に再開しましょう。
疲労骨折を自然治癒で早く治す方法
疲労骨折を自然治癒で早く治すには、安静を基本に、栄養とリハビリで骨の回復を支えることを意識しましょう。
ここでは、疲労骨折を早く治すための4つの方法を解説します。
骨折部位に負担をかけず安静にする
疲労骨折を早く治すには、骨折部位に負担をかけないように安静にすることが基本です。
疲労骨折の原因となった運動は中止し、痛みが強い場合は松葉杖やサポーターなどを使って、骨折部位への負担を減らします。
安静にする期間は骨折部位や症状によって異なるため、自己判断で運動を再開せず、医師の指示に従いましょう。
安静期間中も、医師の許可があれば、骨折部位に負担のかからない上半身のトレーニングや水泳などで体力を維持できる場合があります。
安静にするだけでなく、以下で解説する方法もあわせて実践しましょう。
カルシウムやたんぱく質を摂取する
疲労骨折を早く治すには、骨の材料となるカルシウムやたんぱく質などの栄養素を意識してとりましょう。
| 栄養素 | 主な食品 |
|---|---|
| カルシウム | ・乳製品 ・大豆製品 ・緑黄色野菜 |
| たんぱく質 | ・肉類 ・魚介類 ・大豆製品 ・卵 |
| ビタミンD | ・魚類 ・きのこ類 ・卵黄 |
ビタミンDには、腸でカルシウムが吸収されるのを助ける働きがあります。
特定の栄養素だけに偏らず、さまざまな食品をバランスよく取り入れて、骨の回復を支えましょう。
骨を強くする食べ物については、以下の記事で詳しく紹介しています。
適切なリハビリを行う
疲労骨折を早く治すためには、骨の回復に合わせて適切なリハビリを行うこともおすすめです。
骨折部位に負担をかけないことが最優先ですが、運動不足で筋力や柔軟性が低下すると、治った後に再びケガをするリスクが高まる可能性があります。
骨折部位に注意しながら、以下のような運動を取り入れましょう。
- 骨折部位周辺の筋力トレーニング
- 骨折部位周辺のストレッチ
- 片足立ちなどのバランス感覚の訓練
ただし、自己判断で行うと症状の悪化につながる可能性があるため、理学療法士の指導を受けるなど、専門家と相談しながら進めましょう。
自然治癒を補助する治療を検討する
疲労骨折を早く治すには、医師や理学療法士と相談して、自然治癒を補助する治療を検討してみましょう。
自然治癒を補助する主な治療と、期待できる効果は以下のとおりです。
| 治療方法 | 期待できる効果 |
|---|---|
| アイシング | 痛みや腫れの緩和 |
| 電気刺激療法 | 痛みの軽減、筋肉の緊張の緩和 |
| 超音波骨折治療(低出力超音波パルス治療) | 骨の形成を促す |
| ストレッチ | 関節の動く範囲の維持、筋力低下の予防 |
| 運動療法 | 筋力の強化、関節の機能回復 |
超音波骨折治療は、骨折部に弱い超音波を当てて骨の形成を促す治療で、骨がつきにくい骨折などに用いられています。
※参照:明石医療センター「超音波骨折治療(LIPUS)の保険適用が拡大されました。」
効果には個人差があるため、早期回復を目指す場合は、医師と相談したうえで取り入れましょう。
自然治癒後に疲労骨折を再発させない予防法
疲労骨折は自然治癒した後も、同じ部位に負担をかけ続けると再発する可能性があるため、予防に取り組みましょう。
疲労骨折を防ぐには、過度なトレーニングや単調なトレーニングを避け、コンディションを整えておくことが勧められています。
※参照:日本スポーツ整形外科学会「スポーツ損傷シリーズ 8.疲労骨折」
ここでは、疲労骨折を再発させないための3つの予防法を解説します。
運動前のウォーミングアップ
疲労骨折の再発を防ぐために、運動前のウォーミングアップを習慣にしましょう。
ウォーミングアップには、体温を上げて筋肉への血流を増やし、筋肉を柔らかくする目的があります。
また、関節の動く範囲を広げて柔軟性を高めることで、ケガの予防にもつながります。
運動後もクールダウンを行い、筋肉の疲労をためないようにしましょう。
自分に合った負荷のトレーニング
疲労骨折を再発させないためには、自分の体力や技術に合った負荷でトレーニングを行いましょう。
練習量を急に増やしたり、練習の質を急に変えたりすると、骨に負担がかかりやすくなります。
※参照:日本スポーツ整形外科学会「スポーツ損傷シリーズ 8.疲労骨折」
トレーニングの負荷は段階的に上げ、定期的に休息日を設けることをおすすめします。
また、足のサイズに合った靴やクッション性のある靴を選び、硬すぎる・柔らかすぎる練習場所を避けるなど、練習環境も見直しましょう。
規則正しい生活習慣
疲労骨折を予防するためには、規則正しい生活習慣を身につけることも意識しましょう。
- バランスの取れた食生活を意識する
- 適度な運動習慣を身につける
- 睡眠時間を確保する
- 禁煙・節酒をする
生活習慣を整えることで、骨の健康を保ちやすくなります。
また、定期的に骨密度の検査を受け、骨の状態を確認しておくこともおすすめです。
疲労骨折が自然治癒しにくい場合の選択肢「再生医療」
安静にしても疲労骨折の痛みが長引く場合や、同じ部位の疲労骨折をくり返している場合は、再生医療も選択肢の一つです。
再生医療は、患者様ご自身の細胞や血液を用いて、傷ついた組織の修復を目指す治療法です。
保存療法を続けても改善しない方や、手術は避けたいと考えている方にとって、保存療法と手術の間を埋める選択肢となります。
当院では、以下の2種類の再生医療を提供しています。
| 治療法 | 内容 |
|---|---|
| PRP療法 | ・患者様ご自身の血液から、血小板を多く含む成分(多血小板血漿)を取り出して患部に注射する ・血小板に含まれる成長因子(組織の修復を促す物質)の働きで、炎症や痛みの軽減を目指す |
| 幹細胞治療 | ・患者様ご自身の脂肪から採取した幹細胞を培養し、患部に投与する ・傷ついた組織の修復を目指す ・入院や手術を必要としない |
当院リペアセルクリニックの再生医療には、以下の特徴があります。
リペアセルクリニックの再生医療の特徴
- 冷凍しない「フレッシュな細胞」を投与し、細胞の生存率にこだわった治療を実施
- 独自の培養技術により、1回あたり最大2億個の幹細胞投与が可能
- 分化誘導によって、目的の組織へ働きかけることを目指した治療設計
- 入院・手術を必要とせず、日常生活への影響を抑えられる
当院ではお電話での無料相談も承っているため、ぜひお気軽にご相談ください。
疲労骨折の自然治癒についてよくある質問
疲労骨折の自然治癒について、よくある質問と回答は以下のとおりです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
疲労骨折になりかけの前兆は?
結論から言うと、疲労骨折になりかけている場合は、特定の動作をしたときの痛みや、明らかな怪我がないのに続く痛みが前兆として現れることがあります。
疲労骨折の主な前兆
- 特定の動作をすると痛い
- 安静にすると痛みが和らぐ
- 明らかな怪我をしていないのに痛む
通常の骨折は、明らかに強い衝撃が加わった後に、患部の腫れや安静時の痛みなどが現れる点で異なります。
初期の疲労骨折はレントゲンではわからないことも多いため、痛みが続く場合はMRI検査などを受けられる医療機関を受診しましょう。
※参照:日本スポーツ整形外科学会「スポーツ損傷シリーズ 8.疲労骨折」
シンスプリントと疲労骨折の見分け方は、以下の記事で解説しています。
疲労骨折になりやすい人の特徴は?
結論から言うと、練習量を急に増やした人や、筋力・柔軟性が不足している人は疲労骨折になりやすい傾向があります。
疲労骨折の原因には、体力や技術など本人の問題と、練習内容や環境の問題があるとされています。
※参照:日本スポーツ整形外科学会「スポーツ損傷シリーズ 8.疲労骨折」
| 分類 | 主な特徴 |
|---|---|
| 練習・環境の問題 | ・急にトレーニング量を増やした ・体力や技術に合わない練習をしている ・地面が硬すぎる、または柔らかすぎる場所で練習している ・靴が足に合っていない |
| 体の状態・技術の問題 | ・筋力や柔軟性が不足している ・ランニングのフォームが崩れている ・技術が未熟 ・扁平足、O脚、X脚 |
| 生活習慣など | ・栄養不足 ・骨密度の低下 ・体重の増加 ・加齢 |
骨に過度な負荷をかけ続けることが疲労骨折につながるため、無理のない運動量に収めましょう。
疲労骨折しても歩ける?
結論から言うと、疲労骨折は骨のずれが起こりにくいため、骨折部位によっては歩けることもあります。
しかし、歩けるからといって無理に歩くと状態が悪化するおそれがあるため、できる限り安静に過ごしましょう。
痛みや違和感があり、疲労骨折が疑われる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
足首の疲労骨折で歩けるかどうかについては、以下の記事で解説しています。
疲労骨折は自然治癒を待つだけでなく早めの受診を
疲労骨折は、骨折部位に負担をかけず安静にすることで、多くの場合は自然治癒が期待できます。
ただし、初期はレントゲンでわからないことも多く、部位によっては治りにくいケースもあるため、自己判断で様子を見るのは避けましょう。
骨の真上の痛みが続く場合は整形外科を受診し、医師の指示に従って安静・栄養・リハビリに取り組むことをおすすめします。
安静にしても痛みが長引く場合や再発をくり返す場合は、再生医療も含めて治療法を検討してみてください。
監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設




























