腰の疲労骨折でやってはいけないことを解説!悪化を防ぐために避けたい行動も紹介
公開日: 2019.09.11更新日: 2025.06.02
腰の疲労骨折は放置や誤った対処をすると症状が悪化し、長期の痛みや慢性化につながるリスクがある疾患です。
また「腰の違和感が取れない」「スポーツや仕事で無理をしすぎたかも」と、不調を感じながら動けるから大丈夫と我慢していませんか?
腰の疲労骨折は初期段階では自覚症状が少なく、単なる疲れと見過ごされやすいため、やってはいけない行動を取ってしまう人も少なくありません。
本記事では、腰の疲労骨折を悪化させないために注意すべき行動や、正しい対処法について解説します。
日常生活やスポーツへの早期復帰を目指すためにも、ぜひ参考にしてください。
目次
腰の疲労骨折(腰椎分離症)でやってはいけないこと
腰の疲労骨折(腰椎分離症)でやってはいけない・避けたい行動は、以下の通りです。
無理な動きは悪化させる原因となりますので、ぜひ参考にして行動を避けましょう。
無理な運動やスポーツを続ける
腰椎分離症はジャンプや腰を反らしたり、ひねったりする動作を繰り返すことで、腰椎の一部に過度なストレスがかかり、骨にヒビが入ってしまう状態です。
以下のような運動・スポーツは負担が大きいため基本的には避けましょう。
- サッカーやバレーボールなどのジャンプ・着地を繰り返す競技
- 野球やテニスなどの腰をひねる動作が多いスポーツ
- 長時間体幹を酷使するトレーニング
発症後も運動を継続すると骨の亀裂が進行し、自然治癒が困難になる可能性が高まります。
医師から運動再開の許可が出るまでは、安静期間をしっかりと守り、治療に専念しましょう。
痛い部分にマッサージやストレッチを行う
腰椎分離症が疑われる時は、以下のようなマッサージやストレッチは避けましょう。
- 腰の痛む箇所を強くもみほぐす
- 体を反らす・ひねるなどストレッチをする
疲労骨折部は炎症を起こしているため、外部からの刺激で炎症が悪化し、痛みが強まる可能性があります。
痛いからといって自己流で対処せず、必ず専門医の診断と指示に従い、適切な治療とリハビリを進めていきましょう。
重いものを持ち上げる
以下のような、重いものを持ち上げる動作も避けましょう。
- 重たい荷物や家具の持ち上げ・運搬
- 買い物袋やバッグなどの左右どちらかに偏った荷重
- 中腰や前かがみ姿勢での長時間作業や掃除
物を持ち上げる際には、体幹に大きな負荷がかかり、腰椎(腰の骨)の後方部分に強いストレスがかかります。
疲労骨折を起こしている状態でこのような動作を行うと、骨のひび割れが進行したり、骨癒合(骨がくっつくこと)が妨げられて慢性化する恐れがあります。
症状が落ち着くまでは、荷物の持ち運びは他の人にお願いする・カートなどの道具を活用することが重要です。
長時間同じ姿勢を続ける
腰椎分離症の回復期に、一定の姿勢を続けることで特定の筋肉や関節、椎間関節に偏った負担がかかり、痛みの悪化や血流不良を引き起こす可能性があります。
以下のような姿勢には注意しましょう。
- 座りっぱなしのデスクワークや長時間の勉強
- 長時間の前かがみ姿勢
- 寝たきりで体位変換をほとんど行わない状態
腰部周囲の筋肉が緊張してしまうため、30〜60分おきに軽く体を動かす・座る際は骨盤を立て、背筋を伸ばす正しい姿勢など、一定の姿勢を避ける意識をしましょう。
腰の疲労骨折(腰椎分離症)の治療法
腰の疲労骨折(腰椎分離症)の治療法は、以下のように進行度によって異なります。
初期から進行期(急性期)
腰椎分離症の発症初期から数週間〜数カ月の間は、「急性期」と呼ばれ、骨がまだ癒合する可能性がある重要な時期です。
治療は以下の通りで、基本は安静にしていくことが大切です。
- 腰への負荷を徹底的に避ける
- 必要に応じてコルセットで腰部を固定
- 2〜3カ月間の保存療法で、自然治癒を目指す
この時期に痛みを我慢して運動を続けてしまうと、骨が癒合しないまま慢性化し、将来的に手術のリスクが高まります。
また指導のもと、体幹トレーニングやストレッチを段階的に導入し、無理のない範囲で運動を行います。
終末期(慢性期)
腰椎分離症が発症から数カ月以上経過し、骨が癒合しないまま慢性化した状態は「終末期(慢性期)」と呼ばれます。
この段階では、骨癒合による完治が難しいため、痛みのコントロールや再発予防を目的とした治療が中心になります。
- 投薬療法
- 神経ブロック注射
また保存療法を6カ月以上行っても痛みが改善しない・すべり症(腰椎のズレ)を伴っている場合は、手術も検討されます。
【まとめ】腰の疲労骨折(腰椎分離症)でやってはいけないことに注意しよう!治療についてはご相談を
腰の疲労骨折(腰椎分離症)が疑われる時は、以下のような行動は避けましょう。
- 無理な運動やスポーツを続ける
- 痛い部分にマッサージやストレッチを行う
- 重いものを持ち上げる
- 長時間同じ姿勢を続ける
痛みを感じながらも無理をしてしまうことで悪化し、骨が癒合せず慢性腰痛へ移行してしまうリスクもあります。
また、治療法は急性期と慢性期で異なり、初期の段階であれば骨癒合の可能性も十分あります。
慢性的な腰痛に悩まされているけど、手術は避けたい方は再生医療も選択肢の一つです。
当院(リペアセルクリニック)では、症例や再生医療について、紹介していますので、腰の痛みでお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
腰の痛みは手術しなくても治療できる時代です。

監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設