TFCC損傷の治し方!原因と症状、湿布や治療法について
目次
TFCC損傷の治し方!原因と症状、湿布や治療法について
TFCC損傷とは、手首の小指側にある関節の疾患です。TFCC(三角繊維軟骨複合体)は、橈骨と尺骨といった2つの骨の間を結ぶ靭帯や腱、軟骨などの組織からなり、手首の関節を安定性させるための組織です。
TFCC損傷とは、手首の「三角線維軟骨複合体」という軟部組織が損傷することです。症状としては小指側の手首を曲げたり、抑えると痛みが発症します。
原因の多くは、手首を酷使し続けたり、大きな衝撃を受けた場合に起こりますが、加齢により損傷することもあります。この場合は無症状ということもあります。
このTFCC(三角線維軟骨複合体)といわれる部位は、手首を動かす際に衝撃を和らげるクッションのような役割を果たしています。
この部位が損傷するとクッションとしての役割を果たすことができなくなり、手関節を動かすたびに痛みが生じるようになります。
TFCC損傷の原因大きく二つ、組織に損傷が生じたことで発症することがあります。
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TFCC損傷の症状症状としては普段、安静時に痛みは無いものですが腕を捻ったり、手首の関節を小指側に曲げた場合に、手の小指側の関節に痛みが出ます。
例えば、日常生活でドアノブを捻ったり、料理で鍋を持ち上げたり、包丁を使うなど、手首を使うような場合に傷んだり、またラケットやバットなどを使うスポーツなどの競技では鋭い痛みが出がちとなります。 |
TCFF損傷が起こりやすい場面 | |
・スポーツ等 |
野球のバッティング、ゴルフのスイング、テニスやバトミントンといったラケット競技、スキー、スノーボードなどでの転倒時、その他スポーツ競技全般 |
・日常生活での転倒 | 転倒その他、勢いよく手を着くと、起こりがち |
このように日常生活や、スポーツなどの運動を通して手首を酷使したり、転倒したときに勢いよく手をついた結果、その手首に痛みが生じることがあります。
このような場面で痛みが走ったとき、あなたならどうしますか?
大きな痛みがでるような重症でない場合、多くの方は対処法として「この程度・・・」とか、「湿布を貼って様子を見よう」と思われがちではないでしょうか。しかし、その手首の痛み、「TFCC損傷」かもしれません。
では、もし仮にTFCC損傷を発症していた場合、湿布さえ貼っておけば大丈夫、自然に治ると思いますか?
今回は、そのTFCC損傷について、治療は「湿布だけでも有効なのか、有効ではないのか」「自然に治るものなのか」ということについて解説し、併せて湿布以外の対処方法についてご紹介させていただきましょう。
TFCC損傷の治療!痛みに効果的な湿布は、治療期間を長引かせることもある
TFCC損傷の治療について、患部が炎症を起こしている場合、特に発症した初期の段階などは、湿布を貼ることでその炎症を抑えることができ、痛みといった症状を緩和させる効果は期待することができます。
ただし、湿布を貼るのは、急場の対応としては有効ですが根本的な解決にはなりません。
逆に考えると、湿布を貼ることによって「症状が緩和する」ために、「治療期間を長引かせる危険性」があります。なぜなら湿布で痛みが和らぐことで安心し、完治しないまま放置することになるからです。
湿布で痛みを和らげることはできても、それで損傷した部分が治るわけではなく、湿布ではTFCC損傷の根本的な解決にはなりません。
外傷が無いため、つい自己判断で「この程度なら・・・」「たいしたことはない・・・」と自己判断しがちになります。
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TFCC損傷による痛みは、原因がある程度わかるはずです。日常生活やスポーツなど原因となるものの結果として手首の痛みや違和感などの症状が起こった場合は、整形外科など専門医による診断をお受けになられることをお薦めします。
診断にはレントゲンを用いる場合が多いのですがMRIを用いる方法が一番精度が高いと思われます。
TFCC損傷の治療方法
TFCC損傷になってしまった場合の対処法として、痛みを和らげるには湿布ですが、それ以外でおすすめしたいのは、「手首を固定する」ことです。手首を固定し、関節の動きを制限することで、TFCCの安静となり、負担を軽減することが可能になるからです。
損傷した部分を安静に保つことが非常に大切です。実際、整形外科など診察を受け、TFCC損傷とされた場合、保存療法としてサポーターや、ギプス、テーピングなどの装具を用いて手首を固定し、安静を指導されるケースが多々あります。
中でもサポーターや、テーピングは、ドラッグストアや薬局で簡単に購入することが可能なため、整形外科で治療を受けることなく、自ら購入して使用する方もおられるかもしれません。
ただし、間違った方法で使用すると、うまく固定ができず、逆に悪化させる可能性があるので注が必要です。何度も申しますが、まずは医療機関にて検査をお受けになって医師などの専門家にアドバイスを受けた上で使用されることをおすすめします。
TFCC損傷は、手首へのレントゲン、MRIなどの画像診断を通じて診断され、治療は損傷の程度により異なりますが、以下のような方法が一般的に使用されます
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TFCC損傷のセルフケア
湿布やサポーター、テーピングなど以外にできるセルフケアもご紹介します。
TFCC損傷は、スポーツや仕事、家事などで手首を酷使していることが主な原因となるので、TFCC損傷になった場合は手首の関節だけではなく、肘や肩周辺も酷使しているケースが多く見られます。
肘や肩を酷使して筋肉が硬くなってしまうと、腕を動かしたときに手首の関節に負担がかかりやすくなります。そこで、TFCC損傷のセルフケアとしてお勧めしたいのが、肘や肩の筋肉をほぐすことです。
肘や肩付近の皮膚を軽くつまんでみて皮膚が硬くなっている部分があったら、そのあたりの筋肉をマッサージやストレッチなどでほぐしていきましょう。
ついつい、痛みがあったり、損傷した患部に意識が行きがちですが、その周りの筋肉のケアなども行いましょう。
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まとめ・TFCC損傷の治し方!原因と症状、湿布や治療法について
今回は、TFCC損傷の治し方!手首への湿布の有効性についてと治療法について紹介しました。
大切なことは、自分でもできる対処法もありますが、痛みがひどい場合や、セルフケアで改善しない場合は、そのままにしておかずに医療機関で診てもらうことをおすすめします。
湿布は患部の炎症を抑える効果はあるものの、痛んだ患部を根本的に治すことはできません。そればかりか症状が重い場合は、手術という選択を迫られることもあります。
TFCC損傷に対する手術は多くの場合、関節鏡を使った方法で行います。術後、約4週間程ギブスで患部を固定し、その後も3-4か月は手首に強い負担をかけることのないよう指導されます。
ただ、このように手術をしたとしても1度で改善しないことがあります。ひどい場合は2度、あるいは3度と手術を重ねなければならない可能性もあります。軽く見ていると治療が長期にわたる可能性もあり、くれぐれも自己判断で無理をされないよう注意ください。
最近は、TFCC損傷の治療として再生医療も話題になっています。特にスポーツ選手など、選手生命にかかわる場合で手術以外の選択肢として有効です。
再生医療は、手術を避け、入院もせずに治療が可能です。再生医療は、最新医療なので通常の整形外科などで治療を受けることができません。詳しくは当院のような専門医のいるクリニックにご相談ください。
監修:リペアセルクリニック大阪院
再生医療は、スポーツ選手のパフォーマンス、選手生命を維持する治療を推進できます