TFCC損傷における湿布の貼り方を解説!その他セルフケアについても紹介
公開日: 2019.11.24更新日: 2025.01.09
TFCC損傷は、ドアノブを回すときや手首を振る動作などで痛みを伴う病気です。
痛みに悩み、湿布で対応している方も多いのではないでしょうか。
本記事では、TFCC損傷に効果的な湿布の貼り方やセルフケアを紹介します。
TFCC損傷の治療ができる再生医療も紹介しているので、参考にしてみてください。
目次
TFCC損傷における湿布の貼り方
TFCC損傷における湿布の貼り方は湿布をX字型に切り、交差する中央部分が痛む部分にあたるように貼ります。
さらに、包帯やテーピングで湿布を覆うように固定しましょう。
TFCC損傷は手首の小指側に炎症を起こしています。
手首は普段からよく動かす部位であることから、上手に湿布を貼らないとすぐに剥がれてしまいます。そのため湿布の切り方を工夫した上で、包帯やテーピングで湿布を覆うように固定するのがコツです。
【注意】湿布は治療期間を長引かせることもある
湿布はTFCC損傷の急場の対応として有効ですが、治療を長引かせる場合があります。
治療が長引く理由を以下にまとめました。
・痛みの緩和を完治と勘違いしてしまう
・変色や変形の発見が遅れる
湿布は痛みに対して補助的に利用されるため、根本的な解決にはつながりません。
痛みが和らぐことで安心し、完治しないまま放置してしまう可能性があるため、治療期間が長引く危険性があります。
TFCC損傷は外傷がないので油断は禁物です。日常生活やスポーツなどが原因で手首の痛みや違和感が生じた場合は、整形外科をはじめとする専門医の診断を受けましょう。
当院のコラムではTFCC損傷が悪化した場合についてまとめています。詳しく知りたい方はご覧ください。
TFCC損傷とは
TFCC損傷とは、手首の小指側にある関節の疾患です。手首の三角線維軟骨複合体と呼ばれる軟部組織が損傷し発症します。
TFCC(三角繊維軟骨複合体)は、橈骨と尺骨の間を結ぶ靭帯や腱、軟骨などの組織からなります。
手首の関節を安定させ、手首の衝撃を和らげるクッションの役割を果たす組織です。
TFCC損傷の原因や症状をまとめたので、順番にみていきましょう。
TFCC損傷の原因
TFCC損傷の原因は、急性外傷と慢性的負担によって引き起こされます。
主な原因 | |
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急性外傷 |
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慢性的負担 |
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また、以下の行為を日常的におこなっている方はTCFF損傷の発症リスクが高いです。手首に違和感を感じたら早期に医療機関を受診しましょう。
TCFF損傷が起こりやすい場面 | |
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日常生活 |
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スポーツ |
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TFCC損傷の症状
TFCC損傷の主な症状は以下の通りです。
・手首の痛み
・手首の腫れ
・手首の運動制限
・手首がカクカクするような感じ
・手首を曲げたり、ねじったりした際に痛む
たとえば、日常生活でドアノブを捻る・料理で鍋を持ち上げる・包丁を使うなどの日常的な行為で症状が出たり、ラケットやバットを使ったスイングなどのスポーツによる損傷は鋭い痛みが発生したりします。
TFCC損傷のセルフケア
TFCC損傷における湿布以外のセルフケア方法を紹介します。
・サポーターやテーピングによる固定
・肘や肩のマッサージ、ストレッチ
まずは、損傷した部分を安静にするのが大切です。
サポーターやテーピングで手首の固定からはじめてみましょう。サポーターやテーピングは、ドラッグストアやインターネット通販などで購入できます。
また、肘や肩を酷使して筋肉が硬くなってしまうと、手首に負担がかかりやすくなります。そこでおすすめしたいのが、肘や肩のマッサージ・ストレッチです。
肘や肩付近の皮膚を軽くつまんで皮膚が硬くなっている部分があったら、そのあたりの筋肉をほぐしていきましょう。
TFCC損傷の予防にはテーピングが効果的
テーピングで手首を固定し負担を減らすと、TFCC損傷の予防効果が期待できます。
テーピングは、TFCC損傷が発症した直後の炎症期や、症状が安定に向かう回復期に使用されます。
しかし、テーピングの予防効果については限定的であり、完全に損傷を防ぐことは難しい点にはご留意ください。
実際にテーピングを使用する際は、使用が可能かどうかや巻き方について医師に相談しましょう。
以下の記事では、TFCC損傷のテーピングについて解説しているので、参考にしてください。
TFCC損傷は再生医療で治療できる
予防が難しいとされるTFCC損傷は再生医療で治療が可能です。
当院では、再生医療によるTFCC損傷の治療を行っています。
再生医療とは、幹細胞と呼ばれる骨や筋肉などに再生する性質がある細胞を使った治療です。
TFCC損傷の根本的な治療や再発を予防する効果が期待できます。
慢性化したTFCC損傷の痛みにお悩みの方やスポーツに早く復帰したいとお考えの方におすすめです。
TFCC損傷の痛みに悩む方からよくある質問
TFCC損傷で悩む方々からはさまざまな質問がよせられます。
この項目では、とくに多い4つの質問に対して回答していきます。
TFCC損傷の改善に役立ててみてください。
TFCC損傷に効果的な湿布薬は?
TFCC損傷に効果的な湿布薬は、痛みを緩和する成分が含まれているタイプです。
痛みや炎症が起きているときは、プロスタグランジンが分泌されています。このプロスタグランジンの生成を抑える機能をもつ成分が含まれているとTFCC損傷の痛みに有効です。
下記の成分が含まれている湿布薬を選びましょう。
・ロキソプロフェンナトリウム水和物
・インドメタシン ・フェルビナク
・ジクロフェナクナトリウム
ドラッグストアやインターネット通販でも手に入るので探してみてください。
TFCC損傷に効果的なサポーターは?
手首のサポーターは、ハードタイプとソフトタイプにわかれています。
症状や使用する場面に合わせて選んでみましょう。
・ハードタイプ:症状が重い、スポーツで手首を酷使する、重いものを持つ場面が多い
・ソフトタイプ:症状が軽度、日常生活の動作で手首に不安がある、症状が落ち着いてきた
サポーターは締め付けすぎず、緩すぎない装着感ものを選びましょう。
サイズが合っていないサポーターだと、血行が悪くなったり充分な固定力を得られない可能性があります。
TFCC損傷の湿布は冷やす?温める?
一般的に、TFCC損傷の湿布は急性期に冷却、慢性期は温熱の使用が推奨されます。
発症した直後である急性期は、炎症を抑えるために冷却湿布を使用し、腫れや痛みを軽減します。
慢性期では、血行を促進し組織の修復を助けるために温熱湿布が効果的です。
ただし、個人の症状や回復段階によって対応方法が異なるため、医師のアドバイスを受けて使い分けるようにしましょう。
TFCC損傷の重症度チェック方法は?
TFCC損傷の重症度を自己チェックする方法として、以下の4つのポイントがあります。
痛みの強さと持続時間 | 軽度の場合は活動時のみ痛みを感じますが、重度になると安静時にも持続的な痛みがあります。 |
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手首の可動域 | 軽度では若干の制限がある程度ですが、重度になると著しく制限されます。 |
握力の低下 | 軽度では握力にあまり影響がありませんが、重度になると握力が大幅に低下します。 |
日常生活への影響 | 軽度では日常生活にほとんど支障がありませんが、重度になると日常動作に大きな支障をきたします。 |
これらの症状が強く、長期間続く場合は重症の可能性が高いため、速やかに医療機関を受診しましょう。
湿布で改善しないTFCC損傷は再生医療が効果的!
TFCC損傷における湿布の貼り方やセルフケア方法について紹介しました。
痛みがひどい場合やセルフケアで改善しない場合は、悪化する前に医療機関の受診をおすすめします。
湿布は患部の炎症を抑える効果はあるものの、痛んだ患部を根本的に治すことはできません。あくまでも補助的な役割として活用しましょう。
また、TFCC損傷の治療として再生医療が注目されています。手術や入院をせずに痛みの本質的な治療が可能です。
興味のある方は、お気軽に当院までご相談ください。