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足をあげると股関節が痛い!その原因と対処法について

公開日: 2020.07.16
更新日: 2024.12.05

股関節の痛みは日常生活に支障をきたします。とくに足をあげる際に痛みを伴う場合は立ち上がる、歩く、階段を上るなどの日常的な動作がつらくなるでしょう。

足を上げると股関節が痛い場合は、変形性股関節症や大腿骨近位部の骨折、股関節の使いすぎなどが考えられます。

この記事では、股関節の痛みが起こるメカニズムや具体的な対処法について、わかりやすく解説します。

自分の痛みがどのような原因によるものかを一緒に確認してみましょう。

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股関節痛の症状

股関節は足の付け根を曲げたり、長い時間体重がかかると負担が大きくなります。

股関節痛の主な症状は下記の通りです。

股関節痛の主な症状

  • ・長時間立ったり歩いたりすると股関節に痛みを感じる
  • ・足の爪が切りにくい
  • ・靴下が履きにくくなる

足を上げると股関節が痛い原因

股関節が痛む原因を下記の表にまとめました。

病名など 原因 症状 特徴
変形性股関節症 股関節の軟骨部分のすり減り 長時間の歩行や立ち仕事の後に痛みを感じやすい 中高年の女性に多い
大腿骨近位部骨折 脚の付け根の部分が骨折 痛みのある方の足に体重をかけられないほどの痛み 高齢者は軽い転倒でも骨折する場合がある
股関節唇損傷 骨盤に大腿骨がはまっている部分の軟骨に傷ができる 股関節の痛み 変形性股関節症の前段階ともいわれる
股関節の使いすぎ 股関節に疲労がたまり炎症が起こる 股関節の違和感や痛み 股関節を酷使するスポーツをする方や姿勢が悪い方に多い
靭帯や筋肉の損傷 無理な体勢や事故によるストレス 股関節の違和感や痛み 事故にあった方やスポーツをする方は注意

それぞれ詳しくみていきましょう。

変形性股関節症

変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減り関節が変形する病気です。股関節の痛みや動かしづらさが主な症状で、とくに中高年の女性に多くみられます。原因は加齢による関節軟骨のすりへり、肥満による関節への負担、うまれつきや事故などの外傷です。

初期には長時間の歩行や立ち仕事の後に痛みを感じやすくなり、進行すると安静時や就寝時にも痛みが現れます。もっとひどくなると、しゃがんだり、足を大きく開いたりなどの動作ができません。

症状が軽い場合は運動療法や生活習慣の改善、痛み止めの内服など保存療法が中心ですが、重度の場合は人工関節を入れる手術をおこないます。

予防には適度な運動が効果的ですが、股関節に大きな負担をかけないように心がけてください。

大腿骨近位部骨折

大腿骨近位部骨折は、脚の付け根の部分に発生する骨折です。

骨粗しょう症が原因で骨が弱くなっている高齢者に多く、転倒や軽い衝撃でも簡単に骨折しかねません。若い人はスポーツや事故などで骨折するケースもあります。股関節を構成している大腿骨は、身体のバランスや歩行にとって重要な役割を担っているだけに生活に大きく影響しかねません。

症状は、股関節周辺の強い痛みです。痛みのある方の足に体重をかけられず歩行困難になります。基本的には手術が必要なため、歩くのも困難な場合は早急に医療機関を受診しましょう。

股関節唇損傷

股関節唇(こかんせつしん)損傷は、骨盤に大腿骨がはまっている部分の軟骨に傷ができる状態をいいます。大腿骨の上の方は丸い頭のような形で、股関節唇(軟骨)が覆っています。

股関節唇は関節のクッションの役割をしていて、大腿骨と骨盤を衝撃から守っています。そのため、股関節唇に損傷ができると痛みが出たり、股関節が安定しません。

変形性股関節症の前段階ともいわれています。

股関節の使いすぎ

スポーツなどで股関節にストレスがかかる状態が続くと、股関節に疲労がたまり炎症を起こします。股関節はすべてのスポーツでよく使用する関節であり、継続的に負担のかかりやすい場所です。股関節に違和感をおぼえたら休息をとりましょう。

正しい姿勢でない場合にも股関節に余分な負荷がかかるため、痛みが生じます。正しい姿勢を意識して過ごしましょう。

靭帯や筋肉の損傷

股関節の周りには大きな靭帯や筋肉があります。無理な体勢で負荷がかかったり、事故などで強い力が加わると靭帯や筋肉の損傷につながります。

運動の前はかならずストレッチしましょう。ストレッチを行わずに運動してしまうと、靭帯や筋肉の損傷を起こし、痛みにつながってしまいます。

股関節の痛みが強い場合は早急に医療機関へ

地面に足がつけられないほどの強い痛みや、熱をもっていたり腫れていたりする場合は早めに医療機関を受診しましょう。

手術など医療的なケアが必要な可能性があります。

医療機関で行う検査

足を上げると股関節が痛む場合は整形外科の受診がおすすめです。

整形外科で行う検査

  • ・レントゲン
  • ・超音波
  • ・MRI

股関節は筋肉に囲まれた深い場所に位置しているため、水のたまり具合や腫れを触って確認できません。レントゲンで判断できない場合は超音波やMRIで詳しく検査します。

医療機関の治療

足を上げると股関節が痛む場合の治療法は症状によって異なります。

主な治療方法を下記の表にまとめました。

症状 治療法
変形性股関節症
  • ・水泳などの運動
  • ・装具の使用
  • ・患部を温める
  • ・湿布や軟膏で炎症を抑える
  • ・手術
大腿骨近位部骨折 人工関節や自分の骨を接合する手術
股関節唇損傷
  • ・安静
  • ・ステロイド注射
  • ・手術で損傷した部位を修復

また、上記以外の治療法として再生医療があります。再生医療は、幹細胞を活用して損傷した軟骨や組織を修復・再生し、痛みや機能障害を改善する治療法です。手術を回避できる可能性が高く、体へ大きな負担をかけずに治療ができます。

股関節の痛みは⼿術しなくても治療できる時代です。

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足を上げると股関節が痛いときの対処法

股関節が痛いと日常生活に大きく影響します。

痛みが強いときは受診するのが一番ですが、自分でできる対処法について解説します。

自分でできる対処法.1 股関節周囲の筋肉を強化する

股関節周囲の筋肉を鍛えると支える力が大きくなるため関節の負担も減り、痛みの緩和が期待できます。

おすすめのトレーニングを紹介しますので、無理のない範囲で試してみてください。

外旋筋群のトレーニング

※画像あります

外旋筋群のトレーニング手順

  • 1.横を向いて寝転ぶ
  • 2.両膝を90度に曲げ体を安定させ、かかとを付ける
  • 3.股関節を45度開く
  • 4.股関節を閉じる

※3と4を繰り返す

おしりの深い部分にある筋肉を鍛えるトレーニングです。骨盤の下方と股関節をつなぐ役割をしています。

膝の力で行うと太もものトレーニングになるので、脚の付け根から動かすイメージで行いましょう。

また、骨盤が後ろに倒れないようにすると効果的です。

中殿筋と小殿筋のトレーニング

中殿筋と小殿筋のトレーニング手順

  • 1.横になる
  • 2.下の脚を少し曲げる
  • 3.上の足は後ろ側へ上げる

中殿筋と小殿筋も骨盤と股関節をつなぐ役割を果たしています。

膝を伸ばすと、さらに効率よくトレーニングできます。

自分でできる対処法.2 トイレは洋式、正座ではなく椅子に座る

股関節を大きく屈曲する必要のある和式トイレや正座などの行動は、股関節への負担が増します。

負担軽減のために、洋式トイレや椅子を使用するようにしましょう。

自分でできる対処法.3 水中で運動する

水中は浮力が生じるため関節の負担も少なくなります。股関節周囲の筋肉強化のためにプール内での歩行なども効果的です。

自分でできる対処法.4 体を冷やさない

体が冷えると血流が悪くなり筋肉がかたくなります。股関節の可動域が狭くなったり痛みがでたりなど、ケガをしやすい状態になりかねません。具体的な温め方は下記の通りです。

股関節の温め方

  • ・ホットパックで15~20分温める
  • ・カイロを股関節の前後に貼る
  • ・40度前後のお湯に15分程度浸かる
  • ・軽いストレッチを行う

とくに、入浴は全身の筋肉が温まり血行が促進されるのでおすすめです。

まとめ

股関節の痛みは、放置していると日常生活に影響を及ぼす可能性があります。

痛みの原因を理解し適切な対処をすれば、症状の改善や予防が可能です。すでに痛みが強い場合は、早急に専門医の診察を受けましょう。

当院では、再生医療を取り扱っています。再生医療は幹細胞を用いて損傷した軟骨や組織を修復・再生し、痛みや機能の改善を目指す先進的な治療法です。興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

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