膝の内側が痛いときのツボ6選!血流改善によって痛み症状が改善する可能性について解説
公開日: 2020.06.05更新日: 2025.06.02
日常生活で多くの方が経験する膝の痛み、特に内側の痛みは歩行や動作に影響を与え、つらいものです。
薬や湿布に頼るだけでなく、何か自分でできるケアはないかとお探しの方もいらっしゃるでしょう。
東洋医学に基づく「ツボ押し」は血行を促進し、筋肉の緊張を和らげることで、膝の痛みを緩和する手軽なセルフケアとして古くから活用されてきました。
本記事では、膝の内側の痛みに効果が期待できる代表的なツボを6つ厳選し、それぞれの正確な位置と期待できる効果を解説します。
- 膝の内側の痛みに効く具体的なツボ6選
- ツボ刺激による血流改善と痛み緩和の仕組み
- 効果的なツボの押し方と注意点
- ツボ以外の膝痛セルフケアと医療機関受診の目安
膝の内側の痛みでお悩みの方はぜひこの記事を参考にして、つらい症状の改善にお役立てください。
目次
膝の内側が痛いときのツボ6選
膝の内側に痛みを感じる場合、特定のツボを刺激することで、血行が促進され症状の緩和が期待できる代表的なツボを6つご紹介します。
それぞれのツボの正確な位置と、期待できる効果について詳しく見ていきましょう。
内膝眼(ないしつがん)
内膝眼は、膝のお皿(膝蓋骨)の真下にあり、お皿を支える靭帯(膝蓋腱)の内側に位置するくぼみにあります。
膝を軽く曲げたときに、お皿のすぐ下にできる内側のへこみを探すと見つけやすいでしょう。
このツボは、膝の内側に特化した痛みに対して有効とされており、押すことで膝関節周辺の血の巡りを良くし、炎症や腫れを抑える効果が期待できます。
膝の内側がズキズキと痛む、腫れぼったいといった症状でお困りの際に試してみてください。
委中(いちゅう)
委中は、膝を曲げたときにできる膝裏のくぼみの、ちょうど真ん中にあります。
膝裏にある太い腱と腱の間に位置し、指で押すと少し痛みを感じるものの、気持ちの良い刺激があるポイントです。
このツボは膝の痛み全般を和らげる効果が期待できます。
足全体の血行を促進する作用があるため、長時間の立ち仕事やたくさん歩いた後の足のだるさ、むくみ、そして膝裏の張りのような不快な症状の解消にも有効とされています。
梁丘(りょうきゅう)
梁丘は、膝のお皿(膝蓋骨)の外側のラインに人差し指を当て、そこから指2~3本分、太ももの方へ上がったところの少しへこんだ部分にあります。
太ももの外側を膝から上に向かってさすっていくと、骨の出っ張りの少し手前に見つかるくぼみが目安です。
このツボは、スポーツなどで急に膝を痛めてしまった際の鋭い痛みや、炎症による腫れ、関節がスムーズに動かせないといった症状に対して、痛みを鎮め、炎症を抑える効果が期待されています。
また、膝関節の動きを滑らかにする働きもあると言われています。
足三里(あしさんり)
足三里は、まず膝のお皿のすぐ下、外側にあるくぼみに人差し指を当てます。
そこから指4本分(人差し指から小指までの幅)下がったところで、すねの骨の少し外側に位置します。
押すと軽くへこみを感じ、少し響くような感覚があるのが特徴です。
このツボは、膝の痛みや歩き疲れによる足の重だるさを和らげる効果に加え、胃腸の調子を整える作用が高いとされています。
陰陵泉(いんりょうせん)
陰陵泉は、まず膝を軽く曲げ、すねの内側を足首の方から膝に向かってゆっくりと指でなぞり上げていきます。
すると、膝のすぐ下あたりで太い骨の出っ張り(脛骨内側顆)に触れます。
その出っ張りのすぐ下、骨の際に指がすっと入るようなくぼみが陰陵泉です。
このツボは、膝の内側に起こりやすい鵞足炎(がそくえん)などによる痛みや炎症に対して有効とされています。
血海(けっかい)
血海は、膝のお皿の内側上端から、指2~3本分(人差し指・中指・薬指の幅)まっすぐ上に上がったところにあります。
このツボは血液循環と深く関わっており、押すことで膝周りをはじめとする下半身の血行を促進し、痛みや冷え、関節のこわばり、しびれなどの症状を和らげる効果が期待できます。
血行不良に起因する婦人科系の不調の改善にも用いられることがあります。
膝の内側のツボを利用した血流改善が痛みに効果的な理由
膝のツボを刺激して血行を改善することは、痛みの原因となる物質(発痛物質)の排出を促し、硬くなった筋肉の緊張を和らげるため、膝の痛みの緩和に効果的と考えられています。
血流改善が痛みに効くメカニズム
- ツボ刺激により局所の血流が促進され、発痛物質が洗い流される
- 筋肉の緊張が緩和し、炎症が鎮まることで痛みが和らぐ
東洋医学でいう「ツボ(経穴)」は、体のエネルギーラインである経絡(けいらく)上の重要なポイントとされ、ここを適切に刺激することで特定の部位の血流を促す効果が期待できます。
膝の内側のツボを押すときのポイントと注意すべきこと
膝の内側のツボ押しは、正しい方法で行うことでその効果をより高め、安全にセルフケアを実践できますが、いくつかのポイントと注意点を守ることが大切です。
以下を参考に、様子を見ながら丁寧に行いましょう。
ツボを押す時のポイント
ツボを押す基本的な強さは、「痛いけど気持ちいい」と感じる程度がおすすめです。
効果的なツボの押し方
- 息を吐きながら3〜5秒かけて押し、2〜5秒ほど保持する
- 次に息を吸いながら、3〜5秒かけてゆっくりと力を抜く
- 親指の腹を使い、1箇所につき3~5回程度、1日2〜3回まで
心地よいリズムと強さで行うことが、リラックス効果も高め、ツボ押しの効果を引き出すコツです。
ツボを押す時の注意点
ツボ押しは手軽なセルフケアですが、行うべきでない体の状態や、注意すべき点があります。
ツボ押しを避けるべきケースと注意点
- 発熱時や膝に強い炎症・腫れがある時は避ける
- 妊娠中、特に妊娠初期は自己判断せず慎重に。専門家へ相談。
- 出血しやすい体質の方(薬服用中など)は強く押さない
ツボを押してみて逆に痛みが強くなったり、不快な症状が出たりした場合はすぐに中止しましょう。
症状が改善しない場合や悪化する場合は早めに医師や理学療法士などの専門家に相談することが重要です。
膝の内側のツボ以外に痛みを解消する方法
膝の内側の痛みを改善するためには、ツボ押し以外にもいくつかの方法があります。
ツボ以外のセルフケア
- 温熱療法(カイロ、入浴等)で血行促進、筋肉をほぐす
- 痛くない範囲でストレッチや軽い運動を行い柔軟性を維持
- 靴や歩き方、姿勢を見直し膝への負担を軽減する
上記のセルフケアを試しても痛みが数日以上続く場合や、痛みが強い、膝に腫れや熱感があるといった場合は、変形性膝関節症など他の病気が隠れている可能性も考えられます。
自己判断せずに早めに整形外科を受診し、適切な診断と治療を受けましょう。
早期の対応が症状の悪化を防ぎ、回復を早めることにつながります。
また、急に膝の内側が痛くなった場合は、以下の記事で原因や対処法を紹介しているので、参考にしてください。
膝の内側のツボを押しても痛みが続くときは医療機関を受診しよう
ツボを刺激することで血行が改善され、痛みの原因となる物質の排出が促されたり、筋肉の緊張が和らいだりすることで、症状の緩和が期待できます。
ツボ押し以外のセルフケアとして、温熱療法による血行促進、無理のない範囲でのストレッチや軽い運動、そして日常生活での靴選びや姿勢の見直しといった、膝への負担を軽減するための方法もあります。
また、膝の内側の痛みは、我慢せずに適切なケアを行うことが大切です。
この記事で紹介したツボ押しやセルフケアは、あくまで症状緩和の一助としてご活用ください。
ツボ押しを試しても痛みが改善しない、痛みが強い、腫れや熱感を伴うといった場合は、自己判断せずに必ず整形外科などの医療機関を受診しましょう。

監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設