腸脛靭帯炎(ランナー膝)とは?どんな病気?完治する?
腸脛靭帯炎とはなかなか聞きなれない病名ですが、別名「ランナー膝」とも呼ばれています。ランナー膝と聞くと、聞いたことがあるという方も多いかもしれませんね。
今回は、この腸脛靭帯炎とは(ランナー膝)とは一体どんな疾患なのか、詳しくご紹介します。
腸脛靭帯炎とは?発症のメカニズム
腸脛靭帯炎とは、ランニングによる膝障害のことです。
膝の屈伸運動を繰り返し行うことで腸脛靭帯が大腿骨外顆(がいか)と擦れ、炎症が起こって痛みが発生します。
マラソンなどの長距離ランナーをはじめ、バスケットボール、水泳、自転車、エアロビクス、バレエなど多岐に渡るスポーツで発症します。
過剰なランニング時間やウォームアップ不足、休養不足、硬い路面や下り坂による負担など、さまざまな要因が発症に結びついています。
どんな症状がでるの?
腸脛靭帯炎とは、膝が痛むというのが基本的な症状です。
痛む箇所は大腿骨外顆周辺、膝の外側で、腸脛靭帯の走行に沿って痛みが出るケースもあります。
初期はランニング後に痛みが発生するのですが、休むと痛みが消失します。
しかし、ランニングを続けていると次第に痛みは増してきて、休んでも簡単に痛みが消失しなくなります。
治る?治療方法はあるの?
膝の屈伸運動を繰り返し行うことで発症する腸脛靭帯炎なので、最大の治療方法はランニングや膝に負担が掛かる練習を休止、或いは練習を減らすことが症状緩和につながります。
そして、アイシングや湿布の使用、ストレッチを強化します。
また、スポーツ整形外科を受診し、消炎鎮痛剤の内服や局所注射などの治療を行います。
腸脛靭帯炎ではない場合もある!
腸脛靭帯炎の症状は膝の外側の痛みですが、膝の外側の痛みは腸脛靭帯炎ではありません。
中学生や高校生の場合、疲労骨折が考えられるケースもありますし、中高年なら外側半月板損傷が疑われるケースもあります。
膝の外側の痛みが改善しないようであれば、スポーツを専門とする病院を受診するようにしましょう。
まとめ
腸脛靭帯炎とは、ランニングなどで膝屈伸を繰り返すことにより、腸脛靭帯が大腿骨外顆と擦れ、膝外側に痛みが生じる疾患です。
初期は休むことで痛みが取れますが、ランニングを続けていると次第に痛みが増し、休んでも痛みが取れなくなります。
ランニングを休止したり、練習量を軽減したりすることが最大の治療ですが、痛みが治まらない場合はスポーツ整形外科を受診し、痛み止めの服用や注射が必要になる場合もあります。
年齢によっては他の疾患の可能性もあるので、膝の外側の痛みが治まらない場合は、早めに受診して診断してもらうようにしてください。