膝のキャッチングとは?半月板損傷の症状や痛みに対する治療法について解説
公開日: 2020.06.13更新日: 2025.04.30
膝を曲げ伸ばした際に、引っかかる感じや痛みを感じることはありませんか。
膝のキャッチングとは、膝を曲げ伸ばしする際に膝関節に引っかかり感を感じる「半月板損傷」の症状の1つです。
本記事では、膝のキャッチングや、半月板損傷になる原因について詳しく解説します。
膝のキャッチング症状がみられる場合は、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けましょう。
目次
膝のキャッチングとは「半月板損傷」の症状の一つ
キャッチングとは、膝を曲げ伸ばしする際に膝関節に引っかかり感を感じる「半月板損傷」の症状の1つです。
膝関節にある半月板と呼ばれる板状の組織を損傷すると、膝のキャッチング症状がみられたり、曲げ伸ばしが困難になったりします。
キャッチングとはどのような症状のこと?
キャッチングとは、膝の曲げ伸ばしの際に引っかかり感がみられる症状です。
膝のキャッチングが起こる原因の1つに、半月板損傷があります。
膝関節を安定させる役割を担う半月板を損傷すると、膝の動きが不安定になり、曲げ伸ばしの際に引っかかる感じがします。
膝の曲げ伸ばしをして「コキッ」と音がしたり、歩行時に「カクン」と膝が折れる感じがしたりする場合は、半月板損傷の可能性があるため注意が必要です。
半月板損傷のその他の症状
半月板損傷では、膝のキャッチング以外にも以下のような症状がみられます。
- 膝の痛み
- 膝の腫れ
- 膝の曲げ伸ばしができない
- 膝に水や血が溜まる
半月板損傷がひどくなると、膝の曲げ伸ばしができない「ロッキング」という状態になる場合もあります。
軽度のキャッチング症状から、突然ロッキングの状態になることもあるため、膝に違和感があるときは注意が必要です。
半月板損傷の主な原因は?
半月板損傷の主な原因は、以下のとおりです。
- 体重がかかった状態で膝をひねる
- 膝に強い衝撃が加わる
- 加齢による半月板の機能低下
半月板損傷はスポーツ外傷で多くみられますが、加齢や日常生活動作によっても起こり得る可能性があります。
膝のクッション性や膝関節の動きに関係する半月板は、加齢で水分量が減少するため、損傷しやすくなります。
ジャンプ動作や急な切り返し動作は、膝への負担が大きいため注意しましょう。
膝のキャッチングを放置するリスク
半月板損傷を原因とする膝のキャッチングを放置すると、変形性膝関節症になるリスクがあります。
変形性膝関節症になると、膝の関節軟骨がすり減ってしまうことで、眠れないほどの痛みや歩行困難などの症状まで悪化する恐れがあります。
膝のキャッチング症状が悪化する前に、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けましょう。
変形性膝関節症については、以下の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
半月板損傷かどうか診断する方法
半月板はレントゲンに映らないため、半月板損傷が疑われる場合はMRIでの精密検査を受ける必要があります。
主に以下のような症状がある方は、MRI検査を検討しましょう。
- 膝の引っかかり感があるか
- 膝に水が溜まっていないか
- 動かしたときに「コキッ」」と音がしないか
MRIで検査した場合の半月板損傷の診断率は、80~90%程度といわれていますが、靭帯損傷を合併しているかどうかも診断できます。
膝に違和感やキャッチング症状が出ている場合は、早期に医療機関を受診しましょう。
半月板損傷による膝のキャッチングを治療するには?
半月板損傷による膝のキャッチングを治療するには、以下の方法があります。
半月板損傷を治療する際は、症状や回復期間を検討し、自身に合った治療法を選択することが大切です。
保存療法
半月板損傷による膝のキャッチングを治療する方法の1つに、保存療法があります。
保存療法とは、ストレッチなどの運動や痛みや炎症を抑える薬で症状をコントロールする手術しない治療法のことです。
しかし、保存療法はあくまで症状緩和や悪化を防ぐための対症療法のため、根本的な改善にはなりません。
安静に過ごしていても痛みを感じるなど、症状が悪化している場合は、手術療法や再生医療を検討する必要があるため、早めに専門家へ相談しましょう。
手術療法
半月板損傷が重症化した場合は、関節鏡と呼ばれる内視鏡を用いて半月板を切除・縫合する手術療法が検討される場合があります。
保存療法で症状の改善がみられない場合や、膝が動かなくなるロッキング症状がみられる場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。
手術療法による治療は、入院期間やリハビリ期間が必要となり、回復までに時間を要するため注意が必要です。
膝のキャッチング症状には再生医療による治療も選択肢の一つ
半月板損傷による膝のキャッチング症状にお困りの方は、再生医療による治療も選択肢の一つとして検討しましょう。
再生医療は患者様自身から採取・抽出した幹細胞を直接膝に注射し、損傷した組織の修復を促す治療法です。
主に以下の特徴があります。
- 入院や手術なしで治療が可能
- 患者様自身の幹細胞を使用するため拒絶反応やアレルギーなどの副作用のリスクが低い
- 膝の慢性的な痛み症状などの改善も期待できる
膝の曲げ伸ばしの際に痛みや違和感がある方は、ぜひ一度当院(リペアセルクリニック)へご相談ください。
膝の痛みは⼿術しなくても治療できる時代です。
【まとめ】膝のキャッチングは半月板損傷の可能性が高い!早期に医療機関に相談しよう
膝のキャッチングがみられる場合は、半月板損傷の可能性が高いため、早めに医療機関を受診しましょう。
半月板には膝の安定性を守る重要な役割があり、損傷すると痛みや引っかかり感などの症状がみられます。
半月板損傷による膝のキャッチング症状を放置していると、膝の関節軟骨がすり減って変形してしまう変形性膝関節症を発症する恐れがあります。
症状が悪化する前に医療機関を受診し、自身に合った治療法を検討しましょう。

監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設