膝の内側が急に痛いのは何が原因?考えられる病気と治し方について解説【医師監修】

公開日: 2019.10.23
更新日: 2025.08.30

「急に膝の内側が痛くなった」「歩くと膝に違和感がある」と感じる場合、膝の関節やその周りの組織が傷ついている可能性があります。

原因として考えられる疾患は、以下の通りです。

  • 鵞足炎(がそくえん)
  • 変形性膝関節症
  • 内側側副靭帯損傷
  • 半月板損傷
  • タナ障害

急な膝の痛みで不安な方は、痛みの原因や対処法を正しく理解し、適切な処置や治療につなげましょう。

また、上記のような原因疾患を根本的に治療するために、先端医療である再生医療をご検討ください。

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再生医療は、従来の治療では難しかった損傷した組織にもアプローチできるため、痛みの原因となっている疾患を根本的に改善できる可能性があります。

以下の動画では、実際に当院リペアセルクリニックで再生医療を受け、膝の痛みに悩まされていた患者様の症例を紹介しています。

【こんな方は再生医療をご検討ください】

  • 膝関節の痛みを手術せずに治したい
  • 急に膝が痛くなり生活に支障が出ている
  • 現在の治療では目立った効果が出ていない

「膝関節の痛みに悩まされている」「手術するしかないと言われた」という方の新たな選択肢として、ぜひ検討してみてください。

症例や治療法については、当院(リペアセルクリニック)で無料カウンセリングを行っておりますので、ぜひご相談ください。

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膝を曲げると内側が痛い|鵞足炎(がそくえん)

膝を曲げたときに内側が痛む場合、スポーツや日常生活での膝の使いすぎによる鵞足炎(がそくえん)の可能性があります。

ここでは、鵞足炎の症状と原因について詳しく解説します。

ご自身の症状と照らし合わせながら、原因を探っていきましょう。

鵞足炎の症状

鵞足炎の主な症状は、膝の内側、お皿から5cmほど下あたりの痛みです。

膝関節の曲げ伸ばしによって腱の付着部に炎症が起きるため、特定の動作で痛みを感じやすくなります。

具体的には、階段の上り下りや椅子から立ち上がる際に痛んだり、患部を指で押すと鋭い痛み(圧痛)を感じたりします。

症状が進行すると、運動していない安静時にも痛むほか、患部が腫れて熱を持つケースも見られます。

以下の症状に当てはまる場合は注意が必要です。

注意すべき症状 具体的な状態
動作時の痛み 歩行時や特に階段を下りる際に痛みが走る
違和感・引っかかり感 膝を曲げ伸ばしすると内側に違和感がある
圧痛や腫れ 痛む箇所を指で押すと明らかな痛みを感じる
可動域の制限 痛みで正座や膝立ちが難しくなる

上記のサインを見逃すと痛みが慢性化する恐れもあるため、症状に気づいた段階で早めに対応を検討しましょう。

鵞足炎の原因

鵞足炎の主な原因は、ランニングなど膝の曲げ伸ばしを繰り返すことによる「使いすぎ(オーバーユース)」です。

継続的に摩擦やストレスがかかることで、炎症を引き起こします。

しかし、運動量が多いだけでなく、以下のような複数の要因が複合的に関わって発症しているケースが多いです。

鵞足炎の原因

  • 急な運動強度の増加
  • 準備運動の不足
  • 肥満や急激な体重増加
  • O脚やX脚、扁平足といった骨格の特徴
  • 太ももの筋肉の柔軟性低下
  • クッション性の低い靴の使用

上記の要因は、膝の内側へかかる負担が大きく、鵞足炎の原因となるため注意しましょう。

50代以上で膝の内側が急に痛い|変形性膝関節症

50代以上で膝の内側に痛みを感じる場合、加齢などにより膝の軟骨がすり減ることで炎症や痛みが起きる変形性膝関節症の可能性があります。

ここでは、変形性膝関節症の症状と原因について詳しく解説します。

症状の進行段階と、考えられる原因についてそれぞれ確認していきましょう。

変形性膝関節症の症状

変形性膝関節症の症状は、病気の進行度に応じて段階的に変化します。

主な症状の進行は、以下の通りです。

進行度 主な症状
初期 立ち上がりや歩き始めに膝がこわばる、鈍い痛みがある
中期 正座や階段の上り下りが難しくなり、膝に水がたまる
末期 安静時も激しく痛み、膝が変形して歩行が困難になる

初期は軽い違和感程度でも、放置すると徐々に悪化し、日常生活に影響が及ぶ可能性があります。

しかし、初期症状を「年のせい」と考えてしまう方は少なくありません。

進行を遅らせるためにも、早い段階で膝の違和感に気づき、適切な対策を始めることが重要です。

変形性膝関節症の原因

変形性膝関節症は単一の原因からではなく、複数の要因が関与して発症します。

以下のような膝の軟骨がすり減りやすくなる要因や、膝関節への継続的な負担で発症リスクが高まります。

変形性膝関節症の主な原因

  • 加齢による軟骨の質の変化
  • 体重増加による膝への負担
  • 閉経後の女性ホルモンの減少
  • 膝を支える筋力の低下
  • O脚やX脚による体重の偏り
  • 過去の骨折や靭帯損傷などの怪我

上記の要因が複数当てはまる場合は、注意が必要です。

変形性膝関節症の予防や進行を抑制するためには、体重管理や筋力の維持を目的とした運動を行いましょう。

膝の内側を押すと痛い|内側側副靭帯損傷

膝の内側を押したときに鋭い痛みを感じる場合、内側側副靭帯損傷の可能性があります。

内側側副靭帯損傷とは、スポーツ中の接触や転倒などで膝に強い衝撃が加わり、靭帯が傷ついた状態です。

ここでは、内側側副靭帯損傷の症状と原因について解説します。

損傷の程度による症状の違いと、どのような状況で起こりやすいのかを確認していきましょう。

内側側副靭帯損傷の症状

内側側副靭帯損傷の主な症状は、膝の内側の痛みや圧痛・腫れです。

受傷した際に「ブチッ」という断裂音が聞こえるケースや、膝がぐらつくような不安定感がある場合もあります。

損傷の重症度は、以下の3段階に分類されます。

損傷の程度 主な症状
I度(軽度) 痛みや圧痛はあるが、腫れは軽度で不安定感はない
II度(中度) 明らかな痛みと腫れがあり、膝に不安定感を感じる
III度(重度) 激しい痛みと著しい腫れで歩行は困難になる

膝の不安定感を放置すると、半月板など他の部位を傷つける二次的な怪我につながる恐れがあります。

違和感がある場合は、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。

内側側副靭帯損傷の原因

内側側副靭帯損傷は、膝が内側へ「くの字」に曲がるような強い力が加わることが主な原因です。

膝の外側から内側へ向かう力によって、靭帯が許容範囲を超えて伸びたり断裂したりします。

原因は、相手と接触して起こる場合と、自分自身の動きで起こる場合があります。

内側側副靭帯損傷の主な原因

  • スポーツで膝の外側からタックルを受ける
  • 急な方向転換やストップ動作
  • ジャンプの着地失敗
  • 交通事故や日常生活での転倒

上記のように、ラグビーやサッカーなどのコンタクトスポーツで多くみられます。

相手との接触がない場面でも、膝を捻るような動きが多いスポーツで発生する可能性があるため注意が必要です。

膝の内側への外傷で痛い|半月板損傷

膝を強く捻るなどの外傷をきっかけとして膝の内側が痛む場合、半月板損傷が考えられます。

半月板損傷とは、膝関節でクッションの役割をはたす半月板という軟骨組織が傷ついた状態です。

ここでは、半月板損傷の症状と原因について詳しく解説します。

特徴的な症状と、損傷に至る主な原因をそれぞれ確認していきましょう。

半月板損傷の症状

半月板損傷の症状は、膝の曲げ伸ばしでの痛みや動かした際の引っかかり感が特徴です。

損傷した半月板が関節の滑らかな動きを妨げ、炎症を引き起こすことで症状が現れます。

具体的には、以下のような症状がみられます。

半月板損傷の代表的な症状

  • 階段の上り下りやしゃがむ動作での痛み
  • 関節に水がたまり膝が腫れる
  • 膝を動かすと「ゴリッ」と音がする違和感
  • 膝が動かなくなる「ロッキング」現象
  • 歩行中に膝の力が抜ける「膝崩れ」

特に、損傷した半月板が関節に挟まり膝が動かなくなる「ロッキング」は代表的な症状です。

症状は損傷の程度によって様々ですが、放置すると悪化する恐れがあるため注意しましょう。

半月板損傷の原因

半月板損傷の原因は、一度の大きな力で起こる「外傷性」と、加齢に伴い起こる「変性」の2つに分けられます。

若年層ではスポーツ中の怪我が多く、中高年層では明らかな原因がなく発症する場合もあります。

原因の種類 発生しやすい状況・動作
外傷性 サッカー・バスケットボールなど急な方向転換を伴うスポーツ
変性 階段の上り下り、立ち上がり など

上記のように、スポーツによる怪我だけでなく、加齢が原因となる場合も少なくありません。

どちらも膝への負担が関係しており、体重の増加もリスクを高める一因になります。

膝内側の引っかかり感と痛み|タナ障害

膝の内側に引っかかり感や痛みがあり、曲げ伸ばしの際に音がする場合、タナ障害の可能性があります。

膝関節の中にある滑膜ヒダ(タナ)と呼ばれる膜が、炎症を起こしている状態です。

ここでは、タナ障害の症状と原因について詳しく解説します。

どのような症状が現れ、何が原因で発症するのかを確認していきましょう。

タナ障害の症状

タナ障害の特徴的な症状は、膝を曲げ伸ばしする際の引っかかり感や「コリッ」という音です。

炎症によって厚くなったタナが、膝の骨に挟まったりこすれたりすることで特有の違和感が生じます。

症状が進行すると、以下のような状態がみられます。

タナ障害の代表的な症状

  • 膝のお皿の内側や下側の痛み
  • 階段の上り下りやしゃがむ動作で痛みが悪化
  • 運動中に膝の力が抜ける「膝崩れ」
  • 痛みで膝が曲げにくくなる

初期は痛みよりも違和感が強い場合が多いです。

しかし、放置すると痛みが慢性化し、スポーツや日常生活に影響が出るため注意しましょう。

タナ障害の原因

タナ障害は、生まれつき存在する「タナ」に、後天的な要因が加わることで発症します。

主な原因は、ランニングやジャンプなど膝の曲げ伸ばしを繰り返すことによる「使いすぎ」です。

タナ障害の主な原因

  • スポーツによる膝の使いすぎ
  • 膝を強くぶつけるなどの外傷
  • 運動前のウォーミングアップ不足
  • 太ももの筋肉の柔軟性低下

タナは、通常は柔らかいため問題になりませんが、スポーツなどによる継続的な刺激で硬くなることで、症状を引き起こしやすくなります。

膝の内側が急に痛いときに病院へ行くべき症状

急な膝の内側の痛みは数日で改善する場合もありますが、特定の症状がみられる場合は、何らかの疾患が隠れている可能性があります。

以下の症状に当てはまる場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。

病院受診を判断するためのチェックリスト

  • 安静にしていてもズキズキと痛む
  • 痛みが1週間以上続いている、または悪化している
  • 膝が赤く腫れて熱を持っている
  • 膝の曲げ伸ばしができない
  • 歩行や階段の上り下りがつらい
  • 膝がぐらついたり、力が抜けたりする感覚がある

上記の症状が1つでも当てはまる場合、自己判断で放置すると症状が悪化したり慢性化したりする可能性があります。

また、痛みをかばうことで体のバランスが崩れ、腰など他の部位に新たな不調を引き起こす場合もあるため注意が必要です。

日常生活に少しでも支障が出ているなら、早めに専門医へ相談しましょう。

膝の内側が急に痛いときに効果的な対処法

急に膝の内側が痛みだした時には、痛みを和らげるために以下の対処法を行ってみましょう。

どの方法も痛みを和らげることを目的としており、「鵞足炎」や「変形性膝関節炎」を発症していた場合、完治するわけではありません。

痛みが取れない場合や不調を感じたら、早めに医療機関へ相談しましょう。

アイシング

急な膝の痛みや腫れが生じている時は、氷嚢や保冷剤で患部をアイシングするのが効果的です。

しかし、炎症が強い場合、冷やすことで血行が悪くなり逆に痛みがひどくなる可能性があります。

温めて血行を良くした方が良いこともあるので、症状に応じて使い分けましょう。

湿布

湿布などの貼り薬を貼って痛みを緩和させる方法があります。

湿布の中でも特に非ステロイド抗炎症薬は炎症を抑える効果や痛みを緩和させる効果が高いです。

サポーター

痛くて歩けない場合、サポーターを活用するのも良いでしょう。

ドラッグストアやスポーツ用品店に行くと、補強機能付きタイプのサポーターが販売されています。

値段は少し高いですが、膝が横方向にぶれるのを抑えてくれ、痛みを軽減する効果が期待できます。

テーピング

テーピングすることで膝の痛みを和らげたり、膝関節をサポートする効果が期待できます。

膝の関節は曲げ伸ばし動作が多いため、伸縮性の高いテープを選びましょう。

また、強く巻きすぎてしまうと血行不良の原因となるため、力加減に注意が必要です。

膝の内側が急に痛いときに有効なストレッチ方法

膝の内側が痛む場合、膝周りの筋肉が硬くなっているケースがみられます。

ストレッチで筋肉の柔軟性を高めることは、膝への負担を減らし、痛みを和らげるのに有効です。

ただし、痛みが強いときや腫れがあるときは、悪化させる恐れがあるため控えましょう。

ストレッチを行う場合は、痛みのない範囲でゆっくり行うことが大切です。

それぞれの部位のストレッチ方法をみていきましょう。

膝の内側(鵞足筋)のストレッチ

鵞足筋を伸ばすことで腱へのストレスが和らぎ、痛みの軽減が期待できます。

以下の手順で鵞足筋のストレッチを行いましょう。

鵞足筋ストレッチの手順

  • ①床に座り、痛みのある方の脚を斜め前に開いて伸ばす
  • ②反対側の脚は、膝を内側に折りたたむ
  • ③背筋を伸ばしたまま、ゆっくりと体を前に倒す
  • ④太ももの内側が伸びるのを感じながら20秒ほど保つ

体を前に倒す際に、背中が丸まらないように意識しましょう。

太ももの前側(大腿四頭筋)のストレッチ

大腿四頭筋の柔軟性を高めることで、膝関節にかかる負担を減らせます。

以下の手順で大腿四頭筋のストレッチを行いましょう。

大腿四頭筋ストレッチの手順

  • ①壁や椅子に手をついて体を支える
  • ②片足で立ち、もう一方の足首を手で持つ
  • ③かかとをお尻にゆっくりと引き寄せる
  • ④太ももの前側が伸びるのを感じながら20秒ほど保つ

ストレッチ中に腰が反ったり、膝が外側に開いたりしないように意識しましょう。

太ももの裏側(ハムストリングス)のストレッチ

太ももの裏側にあるハムストリングスを伸ばすことは、膝の痛みの軽減だけでなく腰痛予防にもつながります。

以下の手順でハムストリングスのストレッチを行いましょう。

タオルを使ったストレッチの手順

  • ①仰向けに寝て、片方の足の裏にタオルを掛ける
  • ②タオルの両端を両手で持つ
  • ③膝をできるだけ伸ばしたまま、タオルで脚を天井方向へ引き上げる
  • ④太ももの裏が伸びるのを感じながら20秒ほど保つ

反対側の脚が床から浮かないように意識してください。

痛みを感じる場合は、無理に引き上げないようにしましょう。

膝の内側が急に痛いときは再生医療による治療をご検討ください

膝の内側が痛む場合の対処法はさまざまですが、痛みが引かないときは放置せずに医療機関へ相談しましょう。

鵞足炎や変形性膝関節症といった疾患を発症している可能性があります。

膝の痛みの原因疾患には手術せずに治療できる「再生医療」という選択肢もあります。

再生医療は、患者さんご自身の細胞を使って損傷した組織の再生・修復を促す治療法です。

「膝関節の痛みに悩まされている」「手術するしかないと言われた」という方の新たな選択肢として、ぜひ検討してみてください。

症例や治療法については、当院(リペアセルクリニック)で無料カウンセリングを行っておりますので、ぜひご相談ください。

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監修者

坂本 貞範

Sadanori Sakamoto

医療法人美喜有会 理事長

「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。

略歴

1997年3月関西医科大学 医学部卒

1997年4月医師免許取得

1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務

1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務

1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務

1999年2月国立大阪南病院 勤務

2000年3月野上病院 勤務

2003年3月大野記念病院 勤務

2005年5月さかもとクリニック 開設

2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任

2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設

2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設

2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設