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反張膝を治すには?原因や主な治療法を医師が解説

膝を伸ばす人
公開日: 2019.09.02 更新日: 2026.09.30

立ったときに膝が後ろに反り返るように感じ、反張膝の治し方を知りたいと考えている方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、反張膝の治し方は、原因に合わせたリハビリや装具療法、筋力トレーニングなどの保存療法が基本です。

反張膝(はんちょうひざ)とは、立っているときに膝関節が正常な範囲を超えて後ろに反り返る状態を指します。

放置すると膝への負担が蓄積し、関節の痛みや歩行時の不安定感、姿勢の崩れにつながる可能性があります。

本記事では、反張膝の原因やなりやすい人の特徴、主な治療方法、自宅でできる筋トレ・ストレッチについて解説します。

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反張膝とは

反張膝とは、足を横から見たときに、膝が後ろに弓のように反り返っている状態のことです。

膝の関節が伸びすぎた状態が続くため、太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)やふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)に負担がかかり、膝関節や足の変形につながるおそれがあります。

生まれつき関節が柔らかい方のほか、過去の怪我や脳卒中後の麻痺などが原因で起こる場合もあります。

自分が反張膝かどうか気になる方は、以下の方法でセルフチェックできます。

反張膝のセルフチェック方法

  • 用意するもの:バスタオル1枚
  • バスタオルを丸めて足首の下に置き、仰向けに寝る
  • この状態で、膝の裏が床に着くかどうかを確認する
  • 膝の裏が床に着く場合は、反張膝になっている可能性がある

膝の裏が床に着き、膝の痛みや歩きにくさもある場合は、整形外科を受診しましょう。

反張膝と膝の痛みの関係については、以下の記事でも解説しています。

反張膝の原因

反張膝の主な原因は、生まれつきの要因、過去の怪我や脳卒中などの病気、筋力不足や過度な柔軟性の3つです。

ここでは、反張膝を起こす3つの原因について解説します。

生まれつき・遺伝的な要因

反張膝は、生まれつきの関節の柔らかさなど、遺伝的な要因が影響する場合があります。

両親や兄弟など、家族に同じような膝の特徴がある場合は、反張膝になりやすいといわれています。

家族に当てはまる方がいる場合は、早めに筋力トレーニングや姿勢の見直しに取り組み、予防につなげましょう。

過去の膝の怪我・脳卒中などの病気

過去に膝を怪我したことがある方や、膝の手術を受けた経験がある方は、反張膝のリスクが高まる傾向があります。

怪我や手術によって関節の構造や動く範囲が変わり、膝の安定性が損なわれることがあるためです。

また、脳卒中後の片麻痺がある方にも、歩くときに膝が反る反張膝がよく見られます。

片麻痺の方の反張膝には、すねの前側の筋肉(前脛骨筋)が十分に働かないことや、足首を下に向ける筋肉がこわばることなどが関係しているとされています。
※参照:J-STAGE「反張膝を呈する脳卒中片麻痺患者に対するウォークエイドを用いた麻痺側荷重応答期における足関節背屈筋活動促通に着目した理学療法の検討」

麻痺した側の足首がうまく使えないと、歩くときに膝を反らせて体を支えるような動き(代償動作)が起こりやすくなります。

該当する方は、早い段階から医師やリハビリの専門職に相談し、歩き方の指導を受けましょう。

脳卒中後に起こりやすい足首のトラブルと反張膝の関係は、以下の記事で解説しています。

筋力不足・過度な柔軟性

膝を支える筋肉の筋力不足や、関節の過度な柔軟性も、反張膝の原因になります。

特に太ももの前側と裏側の筋肉が弱いと、膝関節をしっかり支えられず、膝が後ろに伸びすぎやすくなります。

筋肉 主な働き
大腿四頭筋 ・太ももの前側にある4つの筋肉の総称
・膝を伸ばす働きを担い、筋力が不足すると膝の安定性が低下する
ハムストリングス ・太ももの裏側にある3つの筋肉の総称
・膝を曲げたり、股関節を後ろに反らしたりするときに働く

筋力不足に加えて、関節の柔らかさが過度な場合も反張膝のリスクになり、以下のようなケースでは注意が必要です。

  • 靭帯がゆるんでいる(関節弛緩性)
  • 関節が通常より大きく動く(過可動性)

関節が柔らかすぎると、膝が通常の範囲を超えて伸びやすくなります。

反張膝を予防するには、関節の柔らかさだけでなく、膝を支える筋力とのバランスを意識しましょう。

反張膝になりやすい人の特徴|生活習慣・癖に注意が必要

反張膝になりやすいのは、重心が後ろに偏る姿勢の方や、下半身の筋力が不足している方です。

主な特徴は、以下のとおりです。

反張膝になりやすい人の特徴

  • 重心が後ろに偏りやすい姿勢をしている
  • 骨盤が前方にずれている
  • 幼少期に体操やバレエをしていた
  • ヒールの高い靴をよく履く
  • 下半身の筋力が不足している
  • 膝の故障や手術歴がある

立つときに膝を伸ばしきって体を支える癖があると、膝が反った状態が続きやすくなります。

幼少期に体操やバレエをしていた方は、関節の動く範囲が大きく、膝が反りやすい場合があります。

また、ヒールの高い靴は重心が不安定になりやすく、膝への負担が大きくなる点にも注意が必要です。

反張膝を放置すると、将来的に変形性膝関節症や腰痛につながる可能性もあるため、姿勢や靴選びを一度見直してみましょう。

ハイヒールを履いたときの膝への負担については、以下の記事で解説しています。

反張膝の主な治療方法(治し方)

反張膝の治療は、リハビリや装具療法などの保存療法が基本で、症状が重い場合は手術が検討されます。

反張膝に伴う膝の痛みが続く場合は、再生医療も選択肢の一つです。

ここでは反張膝の主な治療方法を紹介するので、医師の指示のもとで自分に合った方法を選びましょう。

保存療法(リハビリ・装具療法・筋力トレーニング)

保存療法とは、手術をせずに症状の改善や緩和を目指す治療で、反張膝の治療の中心となります。

反張膝は筋肉を鍛えるだけで改善するものではなく、正しい体の動かし方を身につけることも求められます。

反張膝のリハビリで行われる主な方法は、以下のとおりです。

方法 内容
正しい動きを身につけるリハビリ ・膝を軽く曲げる動きや、足首を上に反らす動きを練習する
・足首まわりのこわばりをほぐすストレッチを取り入れる
・歩くときの正しい姿勢や体重移動を身につける
装具療法 ・足首から下を支える装具(短下肢装具)で、膝が反りすぎないように補助する
・歩行を安定させ、反張膝の改善を目指す
筋力トレーニング ・膝まわりだけでなく、足首や股関節を含めた足全体の筋肉を鍛える
・すねの前側の筋肉(前脛骨筋)やお尻の筋肉を重点的に鍛える
姿勢と歩き方の練習 ・歩くときの体重移動や足裏の感覚を意識する
・正しい体重移動をくり返し練習し、無意識でもできるようにする

脳卒中後の片麻痺による反張膝では、短下肢装具を使って、歩くときにすねが前に傾くように促す方法がよく用いられています。
※参照:J-STAGE「反張膝を呈する脳卒中片麻痺患者に対するウォークエイドを用いた麻痺側荷重応答期における足関節背屈筋活動促通に着目した理学療法の検討」

リハビリの内容は症状や状態によって異なるため、医師や理学療法士の指導のもとで、自分に合った保存療法を受けましょう。

脳卒中の後遺症に対するリハビリについては、以下の記事で詳しく解説しています。

手術療法

手術療法は、症状が重く、保存療法での改善が見込めない場合に検討される治療法です。

ただし、手術には感染や出血などのリスクが伴う場合があります。

また、麻酔による副作用や、手術後に入院やリハビリの期間が必要になる点にも注意が必要です。

手術を受けるかどうかは、症状や生活への影響、リスクを踏まえて、医師と十分に相談したうえで判断しましょう。

反張膝に伴う膝の痛みに対する再生医療

反張膝によって膝に負担がかかり、膝の痛みが続く場合や変形性膝関節症などを発症している場合は、再生医療も選択肢の一つです。

再生医療は、保存療法と手術の間を埋める選択肢として、患者様ご自身の細胞や血液を用いて、傷ついた膝の組織の修復を目指す治療法です。

「保存療法を続けても膝の痛みが改善しない」「手術は避けたい」という方に向けて、当院では幹細胞治療とPRP(多血小板血漿)療法を提供しています。

治療法 内容
幹細胞治療 ・患者様ご自身の脂肪から採取した幹細胞を培養し、膝関節内に注射する
・すり減った軟骨など、傷ついた組織の修復を目指す
・入院や手術を必要としない
PRP療法 ・患者様ご自身の血液から、血小板を多く含む成分(多血小板血漿)を取り出して膝に注射する
・血小板に含まれる成長因子(組織の修復を促す物質)の働きで、炎症や痛みの軽減を目指す
・採血した当日に治療を受けられる

当院リペアセルクリニックの再生医療には、以下の特徴があります。

リペアセルクリニックの再生医療の特徴

  • 冷凍しない「フレッシュな細胞」を投与し、細胞の生存率にこだわった治療を実施
  • 独自の培養技術により、1回あたり最大2億個の幹細胞投与が可能
  • 分化誘導によって、目的の組織へ働きかけることを目指した治療設計
  • 入院・手術を必要とせず、日常生活への影響を抑えられる

電話での無料相談も受け付けておりますので、ぜひお気軽にご連絡ください。

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反張膝による負担が続いた場合に起こりうる変形性膝関節症については、以下の記事で解説しています。

反張膝に関するよくある質問

反張膝に関するよくある質問と回答は、以下のとおりです。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

水泳選手は反張膝を治したほうが良い?

結論から言うと、水泳選手の反張膝は競技に有利に働く場合もあるため、治すかどうかは症状や競技への影響を踏まえて判断しましょう。

反張膝は膝の動く範囲が大きいため、キックのときに水をとらえやすくなる場合があるといわれています。

一方で、膝の痛みや将来的な障害のリスクもあるため、痛みがある場合は放置しないようにしましょう。

競技への影響や症状の程度、今後の競技レベルなどを踏まえ、医師やトレーナーとよく相談して対応を決めることをおすすめします。

反張膝になりやすい女性の特徴は?

結論から言うと、関節がゆるみやすく、膝を支える筋力が弱い女性は、反張膝になりやすいといわれています。

反張膝になりやすい女性の特徴

  • 関節が柔らかく、ゆるみやすい
  • 太ももやお尻の筋力が弱い
  • ヒールのある靴をよく履く
  • 猫背の姿勢になりやすい

女性は男性に比べて関節がゆるみやすい傾向があり、膝関節が不安定になりやすいとされています。

また、ヒールのある靴を長時間履くことや、猫背の姿勢を続けることも、膝が反る原因になります。

妊娠や出産で体型や姿勢が変化し、反張膝が目立つようになるケースもあります。

反張膝を改善するための筋トレ・ストレッチ方法は?

結論から言うと、反張膝の改善には、太ももの前側をゆるめ、太ももの裏側とお尻の筋肉を鍛えるのがおすすめです。

方法 やり方
【ストレッチ】大腿四頭筋(太ももの前側)をゆるめる ・立った状態か横向きに寝た状態で、片膝を曲げて足首を持つ
・かかとをお尻に近づけるように引き寄せ、太ももの前側が伸びるのを感じる
・30秒キープ×左右2セット
【筋トレ】ハムストリングス(太ももの裏側)を鍛える ・仰向けになり、膝を立てて足裏を床につける
・お尻を締めながら、ゆっくりお尻を持ち上げる
・肩から膝が一直線になるところで3秒キープし、ゆっくり下ろす
・10回×2セット
【筋トレ】中臀筋(お尻の横)を鍛える ・横向きに寝て、下側の足を軽く曲げる
・上側の足をまっすぐ伸ばしたまま、ゆっくり持ち上げて3秒キープする
・ゆっくり下ろす
・10回×左右2セット

筋肉のバランスが整うと、膝を反らせずに立つ姿勢が身につきやすくなります。

ただし、痛みがある場合は無理に行わず、医師や理学療法士に相談してから取り組みましょう。

反張膝の治し方は原因に合わせて選ぼう

反張膝は、生まれつきの関節の柔らかさや過去の怪我、脳卒中後の麻痺、筋力不足など、さまざまな原因で起こります。

原因によって適した治し方が異なるため、まずは整形外科を受診し、自分の反張膝の原因を確認しましょう。

日常生活では、膝を伸ばしきって立つ癖や靴選びを見直し、筋肉のバランスを整える運動を続けることをおすすめします。

膝の痛みが続く場合は放置せず、医師に相談したうえで、再生医療を含めた治療法を検討してみてください。

膝の痛みは⼿術しなくても治療できる時代です。

監修者

坂本 貞範

Sadanori Sakamoto

医療法人美喜有会 理事長

「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。

略歴

1997年3月関西医科大学 医学部卒

1997年4月医師免許取得

1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務

1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務

1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務

1999年2月国立大阪南病院 勤務

2000年3月野上病院 勤務

2003年3月大野記念病院 勤務

2005年5月さかもとクリニック 開設

2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任

2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設

2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設

2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設