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前十字靭帯断裂でサッカーに復帰できるのはいつ?早期改善を目指すための治療法を解説

前十字靭帯断裂はサッカー選手に多い怪我の一つで、急な切り返しや着地などの非接触プレーで断裂する可能性があります。
競技復帰のためには、受傷直後から適切な応急処置を行い、数カ月〜1年程度のリハビリテーションを継続することが重要です。
本記事では、前十字靭帯断裂の受傷後にサッカーに復帰できる期間の目安や、再発の予防法について詳しく解説します。
プロのサッカー選手にも前十字靭帯断裂はたびたび見られ、復帰までに長期間の休養が必要になる場合もあります。
前十字靭帯断裂になった際は、早めに医療機関を受診して、適切な治療を受けましょう。
目次
前十字靭帯断裂でサッカーに復帰できる期間目安
前十字靭帯断裂からサッカーの競技復帰までの期間は、一般的に手術後8〜12ヶ月程度が目安です。
安全に競技復帰するためには、各段階の目標をクリアしながら慎重にステップアップしていく必要があります。
復帰までの大まかなスケジュールと、それぞれの時期におけるリハビリの目標は以下のとおりです。
- 術後1〜2ヶ月:日常生活動作の改善、可動域・筋力回復
- 術後3〜5ヶ月:直線的なランニングやアジリティ(敏捷性)訓練の習得
- 術後6〜7ヶ月:ボールを使った対人練習や実践的な動きへの適応
- 術後8〜12ヶ月:医師の許可を得ての全体練習合流と完全な競技復帰
提示した期間はあくまで一般的な目安であり、回復のペースには個人の筋力や年齢によって異なります。
そのため、競技復帰は時期だけでなく、筋力、ホップテスト、膝の安定性、心理的準備などを含めて総合判断することが重要です。
専門医や理学療法士と相談しながら、焦らずにリハビリテーションを進めましょう。
サッカー選手が前十字靭帯断裂を受傷する原因
サッカー中の前十字靭帯断裂は、相手との接触よりも、急な切り返しや着地などの非接触プレーで多く発生します。
主な原因として、急な減速や切り返し、着地などの動作で、膝が内側に入り(ニーイン)、靭帯が強くねじれることが挙げられます。
もし受傷してしまった場合は、応急処置を行い、早めに医療機関を受診しましょう。
前十字靭帯断裂を治療せずに放置するリスク
前十字靭帯断裂を放置するリスクは、以下のとおりです。
- 膝崩れしやすくなる
- 症状が悪化し歩行が困難になる
- 関節軟骨や半月板の損傷リスクが上がる
膝関節のなかにある前十字靭帯が断裂し上手に機能しなくなれば、周囲の関節や筋肉にも影響を及ぼします。
膝の負担が大きくなることで、膝軟骨がすり減って変形してしまう「変形性膝関節症」や「半月板損傷」のリスクが高まります。
歩行困難などの痛みまで症状が悪化すると、サッカーへの復帰が難しくなるだけでなく、日常生活にも支障をきたす恐れがあるため、早めに治療を受けることが重要です。
前十字靭帯断裂の主な治療方針
前十字靭帯断裂は症状の程度によって、以下のような流れで治療が進められます。
以下でそれぞれの治療・処置について詳しく確認していきましょう。
急性期における応急処置
サッカー選手に多い前十字靭帯断裂は、「RICE処置」と呼ばれる急性期における処置が重要です。
- R:安静(Rest)
- I:冷却(Icing)
- C:圧迫(Compression)
- E:拳上(Elevation)
競技中に膝を痛め、前十字靭帯断裂の可能性がある場合は、膝を無理に動かさないように、RICE処置を実施しましょう。
手術療法(再建術)
サッカーのような方向転換の多い競技では、断裂した靭帯を再建する手術が検討されることが多いです。
前十字靭帯断裂における再建術では、患者さまの他の組織から採取した腱で前十字靭帯の代用靭帯を作る手術を行います。
術後は安静にする必要があるため、筋力が低下したり、膝の可動域が制限されたりする場合があります。
術後すぐに無理をして動いてしまうと、再断裂する可能性があるため、医師の指示に従ってリハビリを開始しましょう。
継続的なリハビリテーション
前十字靭帯断裂を受傷した場合、術後の回復や再発予防のために、継続的なリハビリテーションが重要です。
術後安静の指示が解除されたら、リハビリテーションが段階的に開始されます。
最終目標がサッカーへの復帰である場合も、まずは日常生活動作のリハビリテーションから行います。
筋力をつける運動や膝関節の可動域を広げる訓練を継続的に行い、段階的に復帰することを目指しましょう。
【サッカー選手必見】前十字靱帯断裂の予防法
サッカーにおける前十字靭帯断裂を防ぐためには、日々のウォーミングアップと正しい身体の使い方の習得が重要です。
実践すべき主な予防策として、以下の3つのアプローチが挙げられます。
科学的な根拠に基づいた予防プログラムを継続することで、長期離脱につながる大怪我のリスクを減らすことが可能です。
それぞれの具体的な予防アプローチについて詳しく解説していきます。
「FIFA 11+」の実践
国際サッカー連盟(FIFA)が開発した怪我予防プログラム「FIFA 11+」を毎日の練習に取り入れることが、怪我の有効な対策となります。
このプログラムは、サッカー選手の下肢障害(膝や足首など)を予防し、パフォーマンス向上を目的として作られています。
以下の3パートで構成される約20分程度のプログラムです。
| パート | 時間 | 主な内容 |
|---|---|---|
| PART1 ランニングエクセサイズ | 8分 | ・ストレート・アヘッド ・ヒップアウト ・ヒップ・イン ・サイクリング・パートナー ・ショルダーコンタクト ・前後走 |
| PART2 筋力・プライオメトリクス・バランス | 10分 | ・スタティック ・ハムストリングス ・シングルレックスタンス ・+トー・レイズ ・垂直ジャンプ など |
| PART3 ランニングエクササイズ | 2分 | ・アクロス・ザ・ピッチ ・バウンディング ・プラント&カット |
※出典:JFA(公益財団法人日本サッカー協会)「FIFA11+ 日本語版」
世界中で導入されている実績のあるプログラムであるため、チーム全体でウォーミングアップとして習慣化することが理想的です。
下半身の筋力トレーニング
膝関節の安定性を高めるためには、太ももの裏側(ハムストリングス)や臀部の筋肉を重点的に鍛える筋力トレーニングが不可欠です。
主に以下の筋肉を中心にトレーニングしましょう。
- ハムストリングス(太もも裏)
- 大臀筋・中臀筋(お尻周り)
前十字靭帯への過度な負担を逃がすためには、太ももの前後の筋力バランスを適切に保ち、関節を支える強い土台を作ることが重要です。
定期的な筋力測定でバランスを可視化しながらトレーニングを行うと、より精度の高い予防とパフォーマンス向上が見込めます。
競技中の動作改善
筋力強化と並行して、実際のプレー中に膝へ負担をかけない動作に改善することも重要な予防策です。
膝に負担をかけないために、方向転換や着地の際に、膝が内側に入り、つま先が外を向く「ニーイン・トゥーアウト」という危険な姿勢を避ける必要があります。
プレー中の具体的な動作において、意識すべき改善のポイントは、以下のとおりです。
- 膝の関節だけで衝撃を受け止めず、股関節や足首を柔らかく使って力を逃がす
- 勢いよく一歩で急停止するのではなく、小刻みなステップを踏んで安全に減速する
- 膝から無理に方向を変えようとせず、股関節主導でスムーズに重心を移動させる
日々の反復練習の中で正しいフォームを意識づけ、無意識の試合中でも安全な動作ができるレベルまで落とし込むことが大切です。
前十字靱帯断裂とサッカーに関するよくある質問
最後に、前十字靱帯断裂とサッカーに関するよくある質問に回答します。
怪我に対する不安を和らげ、前向きに治療やリハビリに取り組むための参考としてお役立てください。
以下で、それぞれの疑問について詳しく見ていきましょう。
前十字靱帯断裂でサッカーは継続できる?
前十字靱帯断裂を受傷しても、適切な手術とリハビリを継続することでサッカーの継続は十分に可能です。
ご自身の状態や目的に合わせて手術を受け、術後の早い段階から適切なリハビリを根気よく続けましょう。
一方で、手術を行わない保存療法では、膝の不安定感が残る場合があり、膝崩れや半月板・軟骨損傷のリスクに注意が必要となります。
また、手術を受けた場合でも、体の使い方が変わっていないと再断裂のリスクがあるため、トレーニングや動作改善などの予防策も行うことが重要です。
前十字靱帯断裂から復帰したサッカー選手はいる?
国内外を問わず、前十字靱帯断裂を乗り越えて競技復帰したプロサッカー選手は数多く存在します。
前十字靭帯断裂から復帰した主な選手は、以下のとおりです。
- 深井一希(北海道コンサドーレ札幌)
- 宮市亮(横浜F・マリノス)
- ラダメル・ファルカオ(ミジョナリオスFC)
など
前十字靱帯断裂を受傷しても競技人生を諦めず、適切な治療とリハビリを継続しましょう。
前十字靭帯断裂からサッカーへの早期復帰を目指すなら「再生医療」をご検討ください
サッカーは急激な方向転換やストップ動作が多いスポーツのため、前十字靭帯断裂のリスクが高いのが特徴です。
前十字靭帯断裂を治療せずに放置していると、症状が悪化したり、膝周囲の関節軟骨や半月板も損傷する恐れがあります。
そのため、受傷直後から応急処置を行い、早期から適切な治療を受けることが大切です。
近年の治療では、前十字靭帯断裂の早期改善を目指す選択肢として、自己細胞を用いた「再生医療」が注目されています。
再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した靭帯の再生・修復を促す治療法です。
「早くスポーツ復帰したい」「再生医療について詳しく知りたい」という方は、当院リペアセルクリニックにご相談ください。
監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設
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