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膝の腫れと突然の痛み!?疑われる病気と対処法

膝が突然、腫れたり、痛むという症状は、意外にも多くあるものです。ぶつけたわけでもなければ、捻ったわけでも無い、けれどもある時突然、膝に痛みを発生させ、ひどく腫れるという現象はなぜ起こるのでしょうか。

知識がなければ、細菌感染などを起こして腫れているのか、それとも悪い病気なのかと考えがよぎってしまうこともあるでしょう。そこで今回は、膝の痛みが突然発生し、腫れてしまう症状の原因についてご紹介していきます。

突然の痛みと腫れは膝の使い過ぎ

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膝が突然腫れて痛みを発生させるのは、ほとんどの場合使い過ぎが原因です。長距離ランナーなど明らかな負担だけでなく、姿勢や体重、生活習慣など様々な要因が重なって膝で不調を起こします。

膝だけでなく全身のバランスを見直し、生活習慣や癖を改善することが必要になるかもしれません。

膝が腫れるのは炎症が起きているから

膝で突然起こる腫れというのは、関節内で炎症が起きていることによって発生します。コンタクトのあるスポーツなどで、人に乗っかられたり激しくタックルされたりして膝が腫れた場合には、外傷による靭帯損傷などが考えられます。

しかし、明確な原因がなく突然膝が腫れる場合、慢性的な外力によって起こった関節炎であるという可能性が高いのです。炎症が起きれば炎症物質によって関節内が充満し、いわゆる膝に水が溜まった状態になります。そのため、外からみると膝が腫れあがった状態に見えるのです。

腫れの成分を見れば病態がわかる

膝が腫れている場合、関節内に溜まった物質を注射などで抜く治療方法があります。よく、膝の水を抜くと癖になると言いますが、それは間違いで、炎症が治まっていないから膝が腫れ続けるのです。ですから、ひどい腫れによって日常生活が制限されている場合、早めに水を抜いて確かめることが大切です。

腫れを作っている液体成分を検査すれば、関節内で何が起こっているのか見えてくるのです。炎症物質であれば、関節炎を起こしているとわかります。血が混じっていれば、前十字靭帯などの軟部組織損傷が起こっていることがわかります。膿が混じっていれば、感染性による化膿のせいで膝が腫れているのだとわかるわけです。

炎症が起きれば痛みも発生する

膝が突然腫れた場合、ほとんどのケースで痛みを伴います。なぜなら、腫れの原因が炎症であれば、当然関節内にダメージが蓄積しているので痛みを発生させるのです。関節軟骨が亜急性の損傷を起こしている可能性もありますし、大腿骨や脛骨が陥没して変形し始めていることもあります。

膝が突然腫れて痛い場合に考えられる病気

膝に突然腫れが出現し、なおかつ痛みも伴っている場合に、どんな病態が起きている可能性があるのかご紹介していきます。

変形性膝関節症

一度の激しい外力によって膝関節を壊すわけではなく、日常生活の中でかかる繰り返しの外力によって少しずつ膝関節を変形させていく症状です。変形性膝関節症のリスクは年齢が上がるとともに高まり、50代以降で突然膝に痛みと腫れを発生させた場合はまず変形性膝関節症を疑います。

長年にわたって膝関節に負担をかけ続け、それがある日長く歩いたり、重い物を持って作業したり、何かの引き金で炎症に発展します。当事者からすれば、それほど負担がかかる動作でなくとも急に発症するので、明確な原因がわからないこともあります。

しかし、あくまでもそれは引き金にすぎず、変形性膝関節症の本質は慢性的な膝への負担にあるのです。膝関節にある関節軟骨をすり減らし、骨が変形してしまうほどのダメージなので、当然関節内で炎症を起こして腫れます。

痛みも伴い、通常の歩行時でも痛みを感じるケースもあるくらいです。膝の腫れが酷くなると、階段の上り下りもかなり支障をきたします。

対処法

腫れの原因が変形性膝関節症であった場合、まずは安静にして膝の負担を減らします。それによって膝の腫れが引けば、そこから運動療法などを行って膝に負担をかけにくい体の使い方を作ることが大切です。

もし膝の腫れが長期間引かない場合は、膝の関節に針を刺して液体成分を抜き取る処置ですぐに緩解します。しかし、膝の炎症自体が治まっていなければ、すぐに膝の腫れは再発するでしょう。

膝の水を抜いたら、後療、罨法、手技療法、運動療法などで膝にかかる負担を減らすようなアプローチが必要になります。整形外科でリハビリをしても良いですし、水を抜いた後は接骨院や整骨院でも膝の治療が可能です。

関節リウマチ

リウマチでは、関節に慢性的な炎症を起こすので、変形と腫れを起こします。通常は関節リウマチの症状は指先から発生していきます。そこから徐々に範囲を広げて、全身の関節で痛みを起こす可能性が出てきます。

その中でも、荷重関節である膝関節で起きた場合の炎症は、比較的強い腫れを認めることもあるのです。変形性膝関節症の場合は、簡単な言葉で表現すると、使い過ぎ(オーバーユース)によって発生します。

しかし、関節リウマチの場合は免疫機能の異常で、病原菌やウイルスに対する免疫機能が、自分の体を構成している細胞に対して働いてしまっている状態です。ですから、自らを攻撃して炎症を起こしている状態とも言えます。腫れと変形が出てくるので、可動域も狭まり運動機能が低下していく恐れもあります。

対処法

関節リウマチに対処するには、薬物療法や運動療法、手技療法が有効です。あまりにも日常生活に支障が出ている場合は、膝の人工関節置換術など外科的手術を実施する場合もあります。薬物療法によって炎症を抑え、腫れを引かせます。

その後、膝の変形や痛みを緩和するため、運動療法によって負担のかかりにくい体の使い方を獲得していきます。手技療法によって膝を動かす筋肉の緊張を緩和できれば、可動域が回復していく可能性は十分あると言っていいでしょう。

痛風

痛風は突然の激しい痛みを特徴とする病気です。足の親指や足の裏、かかと、膝などに症状が現れることがあります。発症すると1日から2日でピークを迎えますが、適切な治療を行わないと再発する間隔が短くなり、関節破壊を引き起こす可能性があります。

対処法

痛風発作に対しては、鎮痛薬を用いて痛みを和らげることが一般的です。症状が落ち着いたら、尿酸値を下げる治療薬の使用が検討されます。日常生活では、尿酸値を上げる食べ物を控えめにし、適度な運動を心がけることが大切です。

オスグッド病

オスグッド病は、膝の痛みを引き起こす疾患の一つです。主に成長期の子どもに多く見られ、膝のお皿の裏側にある骨の成長と太ももの筋肉の発達のバランスが崩れることが原因と考えられています。

対処法

オスグッド病の治療は、主に安静と炎症を抑えることが中心となります。膝への負担を減らすために、スポーツ活動を一時的に制限することが必要です。痛みが強い場合は、医師の指示のもと、鎮痛剤や湿布などを使用して症状を和らげます。

また、ストレッチや筋力トレーニングを行い、膝周りの柔軟性と筋力を高めることも重要です。さらに、痛みを引き起こす動作そのものを見直し、バランスの取れた動作を習得することも症状の改善に役立ちます。例えば、膝に負担のかかる動作を避け、正しい姿勢や動作を身につけることで、膝への過度な負担を減らすことができます。

半月板・靭帯損傷

半月板や靭帯の損傷は、膝関節の腫れや痛みの原因となります。スポーツ活動だけでなく、日常的な膝への負荷の繰り返しによっても発症する可能性があります。

対処法

半月板や靭帯の損傷に対する治療は、損傷の程度によって異なります。軽度の場合でも、医師の診察を受けることをおすすめします。

医師の指示のもと、安静とともに、湿布や鎮痛剤で症状を和らげます。中等度以上の損傷では、専門医による詳細な診察と治療が必要です。理学療法やリハビリテーションを行い、膝関節の機能回復を図ります。場合によっては、手術療法が検討されることもあります。いずれの場合も、早期の診断と適切な治療が重要です。

打撲・強打

膝の打撲や強打は、外部からの強い衝撃によって引き起こされます。スポーツ中の事故やつまずいて転倒した際などに発生しやすいです。

対処法

打撲や強打による膝の痛みに対しては、RICE処置が有効です。Restは安静、Iceは冷却、Compressionは圧迫、Elevationは患部の挙上を意味します。痛みが強い場合や腫れが引かない場合は、医療機関を受診し、専門医の診察を受けることが大切です。

膝裏のリンパが詰まっている

膝裏のリンパ節が腫れると、膝の痛みや違和感を引き起こすことがあります。リンパ節は、体内の不要なものや細菌、ウイルスなどを処理する役割を持っています。ただし、リンパ節の腫れは、感染症や炎症、腫瘍などが原因で起こることもあるため、注意が必要です。

対処法

膝裏のリンパ節の腫れに対しては、まずは安静にすることが大切です。過度な運動は控え、患部を冷やすことで腫れを和らげます。また、マッサージやストレッチを行い、リンパの流れを促進することも効果的です。症状が長引く場合や腫れが大きい場合は、医療機関を受診し、専門医の診察を受けましょう。

膝の腫れと突然の痛みを起こしやすいのはこんな人

明確なきっかけが無いのに、突然膝に腫れや痛みを発生させるのは、どんな特徴の人に多いのでしょうか。

股関節が硬い人

股関節の動きが悪い場合、その分を膝関節で代償するようになるので負担が増えます。歩行の動作を例にとると、股関節が動きにくいせいで足を前に進める力が弱くなります。その分、膝関節を大きく動かして足を前に進めるようになるので、通常時よりも負担が増えてしまうのです。

この場合、膝関節で起きた炎症を抑えるための治療はもちろん、股関節の可動域を増やすような運動療法が必要です。

立ちっぱなしの人

仕事柄や生活習慣上、1日の大半を立ちっぱなしで歩き回って過ごすという方の場合、変形性膝関節症などのリスクを高めるので、突然膝に痛みと腫れを起こすこともあります。

1日であれば大したダメージにはならないかもしれませんが、これが何日、何週間、何年と続くと大きな症状に繋がります。意識的に座ることや、膝の荷重を避ける瞬間を作れると良いでしょう。

姿勢が悪い人

猫背や巻き肩、ストレートネックなど、明らかに姿勢が悪い人は、膝にかかる負担も大きいです。特に、上半身のゆがみが膝に影響を与えることも多く、頭の位置が前に出ているほど膝の不調を起こすリスクは高まります。頭はとても重い部位であり、体の重心から少し外れるだけでも負担が何倍にも増えてしまいます。

また、腰が曲がって骨盤が後ろに傾いている人も、股関節の動きが悪くなって膝の負担を増やします。そこから変形性膝関節症の進行を早め、なかなか治まらない炎症を発生させていくのです。ただ単に膝を使いすぎるだけでなく、通常よりも少し大きな負担をかけ続けていることが問題なのです。

足関節の動きが悪い人

足首が硬いと、やはり膝で代償するようになるので負担が増えます。足首が硬くなる原因は、筋肉を使いすぎて疲労を溜めていることもあります。さらに、足関節捻挫の後に治療をしっかり行わず、後遺症を残してしまった場合も考えられます。

特に足関節捻挫をしっかり治さないと、背屈制限が残ることがあるので、足関節捻挫を軽く見てはいけません。それが将来的に変形性膝関節症のリスクを高めることになるのです。

体重が重い人

体重が重ければ、単純に考えて物理的負担が増えるので膝の不調も起こりやすくなります。実際、肥満の方は変形性膝関節症のリスクも高く、年齢と共に多くの方が膝に不安を抱えるようになります。

膝の使い方や姿勢をいくら良くしたところで、物理的に荷重が大きすぎれば膝関節の半月板はつぶれていきます。そこから炎症に発展し、常に膝が腫れている状態になってしまうのです。定期的に膝の水を抜くことになりますが、それこそ膝の腫れ癖になったかのような錯覚に陥るかもしれません。

しかし、水を抜いたことで癖になったのではなく、膝で炎症を起こす原因が解決されていないということなのです。また、元々体重が重かった人はもちろん、急激に太った場合も膝の不調リスクは高まります。

一度膝が腫れたことがある人

以前に膝が腫れた経験がある人は、再発する可能性も高いです。突然の外傷以外では、日常生活の軽微な外力によって膝の炎症を起こします。原因が生活習慣にあるので、しっかり意識して変えていかないとすぐに炎症は再発するものです。
一度良くなって完治した後も、良い状態をキープできるように定期的に体のメンテナンスをすることが大切になります。

突然膝が腫れて痛かったらどうすればいい?

もし、突然膝に腫れと痛みが出たら、どのように対処すればいいのかご紹介していきます。

大腿部をマッサージする

軽い力でさする程度でいいので、大腿部の筋緊張を取り除くことが重要です。膝で炎症が起きる原因の多くは、膝の使い方にあります。膝の使い方を大きく左右するのが大腿部の筋肉なので、特に大腿四頭筋を自分でマッサージします。

筋緊張が緩和されれば、膝にかかる圧力も減って、自然と腫れが吸収されていく可能性もあります。あまり強い刺激を加える必要はないので、優しくもみほぐすイメージで行ってみてください。

お風呂でよく温まる

急性外傷でない限りは、温まることで症状が緩和されるケースも多いです。細菌感染など、病気でないことが前提ですが、変形性膝関節症や筋肉疲労が原因であれば有効な対処法です。温まることで筋肉の緊張もほぐれ、血流が良くなります。

その結果、腫れの成分も周りの組織に吸収されやすくなり、腫れも痛みも引くようになるのです。

整形外科に行く

突然の腫れと痛みを検査するには、整形外科が最も適しています。レントゲンも撮影できますし、場合によってはMRIで精査することもできます。外科的処置も出来るので、腫れの原因をはっきり知ることが出来るでしょう。根本的な治療でなくとも、膝の水を抜くなどの対症療法はかなり楽になります。

接骨院に行く

接骨院では、膝の腫れが出た原因を確定診断することは出来ません。しかし、有効な手技療法や後療法、運動療法などの処置ができるので、膝の負担のかかり方をコントロールするのに最適です。整形外科と接骨院を併用することもできるので、上手く使い分けてください。

まとめ

膝は骨や関節、靭帯、腱などの構造が不安定な部位であるため、普段の姿勢などちょっとしたことが原因で膝へ負担がかかり、炎症が起きて腫れや痛みが生じやすい部位になります。
膝の腫れや痛みなどの治療を受けても改善されず、手術しかないのだろうかと思っている人は再生医療という治療方法もあります。治療法の選択肢として、再生医療も検討してみてはいかがでしょうか。

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監修:リペアセルクリニック大阪院

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