保存療法とは?手術せずに改善を目指す治療法の種類と基礎知識
公開日: 2020.06.21更新日: 2025.04.30
「保存療法で身体の不調を治したい」「仕事があり入院や手術が難しい」と、お悩みの方はいませんか。
痛みをはじめとした身体の不調は、症状が悪化する前に治療を開始することが大切です。
本記事では、保存療法の基礎知識について詳しく解説します。
身体への侵襲が大きい手術を避けて症状を治したい場合は、身体への負担が少ない保存療法を検討しましょう。
目次
保存療法の基礎知識
保存療法は、手術をせずに症状の改善や緩和を目指す治療法で、以下の効果が期待できます。
- 慢性的な症状を改善・緩和
- 身体の機能を改善
- 病状の悪化を防ぐ
保存療法は手術をしない治療なので、日常生活を送りながら症状の改善を目指せるのが特徴です。
一方で、症状と付き合いながら身体の機能改善を目指す治療法であり、病気の根本的な解決にならないデメリットもあります。
保存療法は患者様の症状に合わせて、薬物療法や運動療法などを組み合わせて行う方法が一般的です。
対症療法や手術療法との違い
保存療法は、「対症療法」や「手術療法」と以下のような違いがあります。
治療方法 | 目的 | 特徴 |
---|---|---|
保存療法 |
症状の改善・緩和 |
手術をせずに症状の緩和を目指す対症療法の治療を総称して保存療法と呼ぶ |
対症療法 |
症状の改善・緩和 |
|
手術療法 |
症状を根本的に治す |
|
対症療法は、病気の原因を取り除くのではなく、痛みなどの症状の改善・緩和を目指す治療法のことです。
対症療法の中には、薬物療法や理学療法などさまざまな治療法があり、総称して保存療法と呼びます。
一方で手術療法は症状の原因を取り除き、病気を根本的に改善させることを目指す治療法のことです。
適切な治療方法には個人差があるため、身体に不調が見られる場合は、医療機関へ相談しましょう。
保存療法の主な種類と特徴
保存療法には、主に以下の4種類があり、それぞれ症状改善へのアプローチ方法が異なるのが特徴です。
保存療法は症状の程度に合わせて、薬物療法や理学療法などを組み合わせて行います。
また、症状の原因が乱れた生活習慣である場合は、専門家による指導を受け、生活習慣を見直すことが大切です。
薬物療法
保存療法の1つである薬物療法は、炎症を抑えて痛みや苦痛などの症状を軽減するのを目的に行われます。
病状や既往歴などに合わせて、主に以下の薬が用いられます。
- 塗り薬
- 貼り薬・湿布
- 内服薬
- 坐薬
- 注射(関節注射・静脈注射など)
痛みをはじめとした身体の不調がみられる場合は、早めに医療機関を受診し、症状に合った薬を処方してもらいましょう。
理学療法(リハビリ・運動療法)
リハビリや運動療法は、理学療法と呼ばれる保存療法の1つです。
運動療法では、筋肉や関節がスムーズに動かせるよう、症状に合った筋力トレーニングやストレッチを行います。
有酸素運動や筋力トレーニングなどを行うと、身体の血流が良くなり、痛みによって硬くなった筋肉の緊張がほぐれます。
慢性的な痛み症状や、ケガによる動作制限がある場合は、日常生活動作を中心としたリハビリを専門家に提案してもらいましょう。
装具療法
保存療法の1種である装具療法とは、サポーターなどの装具を使用して身体への負担を軽減する治療法です。
スポーツ外傷や変形性膝関節症などでは、装具を使用して不安定な関節を補助し、スムーズな動きをサポートします。
装具療法で用いられる装具は、症状の程度や装着部位のサイズに応じて、個々に合った形を使用します。
その他|生活指導・食事療法
生活習慣に問題があり身体に不調がみられる場合は、生活指導や食事療法によって、症状の改善を目指すことが大切です。
不規則な生活が続くと、生活習慣病や慢性的な身体の不調などにつながる恐れがあります。
自身の生活習慣を見直し、身体に悪影響を及ぼす可能性のある行動を早めに改善しましょう。
生活習慣の改善が難しい場合は、医師や栄養士などの専門家に相談し、生活指導を受けるのも1つの手段です。
保存療法のメリット・デメリットとは
保存療法には、以下のメリットとデメリットがあります。
保存療法のメリット | 保存療法のデメリット |
---|---|
|
|
保存療法は症状の軽減が目的であり、病気の根本的な治療にはなりません。
症状を改善したい場合は、メリットとデメリットを比較し、自身に合った治療法を検討しましょう。
まとめ|保存療法で治らないときは手術や再生医療を検討しよう
保存療法は、手術を避けて症状の改善・緩和が期待できる治療法です。
慢性的な痛みや身体の不調がみられる場合は、まずは医療機関を受診し、自身に合った治療法を検討することが大切です。
保存療法を受けても症状が治らないときは、手術や再生医療による治療を検討しましょう。
再生医療とは、患者様自身の細胞を利用して、損傷した部位の修復や再生を促す治療法です。
変形性の関節疾患や外傷などで、保存療法による回復が見込めない場合は、再生医療による治療も選択肢の1つです。
手術をせずに症状を改善したい方は、ぜひ一度当院(リペアセルクリニック)へお問い合わせください。

監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設
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