変形性膝関節症は20代の若者でも発症するので注意が必要です
公開日: 2020.06.20更新日: 2024.12.04
20代の人で膝に違和感やちょっとした痛みが生じた場合、「膝がちょっと気になるけど、まだ若いしそのうち自然と治るだろう」と放置する人も少なくないでしょう。
しかし、その膝の痛みや違和感は「変形性膝関節症」かもしれません。
本記事では「変形性膝関節症とはどのような病気か」「変形性膝関節症になる原因」について紹介します。
また、変形性膝関節症におすすめの治療方法・発症しないための予防方法についても詳しく解説しています。
膝に違和感や痛みがある方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
変形性膝関節症とは?主な症状
変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)とは、関節の老化などによって「膝関節の軟骨がすり減る病気のこと」です。
膝関節の軟骨が擦り減ることによって、関節が炎症を起こしたり変形したりして痛みが生じます。
主な症状は、以下の通りです。
初期 |
起き上がったり、歩き始めると膝が痛くなる。 |
進行期 |
歩いていると膝が痛くなる。 |
末期 |
膝関節がほとんどなくなり、骨同士がぶつかって歩くのも困難なほど痛くなる。 |
初期症状は、立ち上がった瞬間や歩き始めなど一時的な痛みを感じる場合が多く、休めば痛みがとれる程度です。
しかし、症状が進むにつれて歩いている時や階段の上り下りなどの膝を深く曲げる動作でも痛みを感じるようになります。
20代でも変形性膝関節症は発症する?
日本では、一般的に40代頃から発症する人が増えてきて、65代以上になると5人に1人くらいの割合で発症しています。
しかし、変形性膝関節症は20代であっても、生活環境や体質によっては発症することもあります。
軟骨は神経が通っておらず擦り減っただけでは痛みは生じないため、今はまだ痛みはないという人でも軟骨の擦り減りがどんどん進行している可能性もあります。
20代で変形性膝関節症になる主な原因
20代で変形性膝関節症になる原因は、主に以下の4つが考えられます。
変形性膝関節症のほとんどの原因である老化以外にも原因はあります。
20代の若者でも変形性膝関節症になる原因を把握して、予め対処できるようにしましょう。
肥満
肥満体型の人は、膝関節や軟骨に大きな負荷がかかるため、20代でも変形性膝関節症になりやすいです。
脂肪量が少ない人と比べると膝の負担が大きく、軟骨がすり減るのが早くなってしまいます。
また、脂肪量が少ない人も急速に体重が増加しないように注意しましょう。
膝には体重増加の3倍の負荷がかかると考えられており、例えば体重が10kg増加すると30kgの負担が膝にかかっていることになります。
脂肪量が増えるほど、変形性膝関節症になりやすくなるリスクが高まるでしょう。
遺伝
遺伝によって膝関節の軟骨がすり減りやすい人もいるため、20代でも変形性膝関節症になる可能性があります。
両親のどちらか、または両方が変形性膝関節症を発症したことがある場合は、注意が必要です。
日常生活の中で膝に負担をかけないように意識して過ごしましょう。
筋肉量が少ない
筋肉量が少ない人は、膝関節に負担がかかりやすいため、20代でも変形性膝関節症になる可能性があります。
膝関節を支える筋力が少ないと、関節の内側に負担が集中して軟骨がすり減ってしまいます。
特に運動不足の方は、日頃から意識して運動を取り入れて、膝へ負担がかからないようにしましょう。
女性ホルモンの変化
女性ホルモンの変化によって、20代でも変形性膝関節症になる可能性があります。
軟骨の形成・維持に必要とされる女性ホルモン「エストロゲン」の分泌量が減少すると発症しやすくなると考えられています。
ホルモンバランスの乱れは、ストレスや不規則な生活が原因であることが多いので注意が必要です。
20代の変形性膝関節症は治療できる?
20代の変形性膝関節症は、症状の段階別にさまざまな方法で治療可能です。
従来の治療では、主に以下のような方法があります。
治療方法 | 詳細 |
生活習慣の改善 |
日常生活における膝の負担軽減を目的として、普段の動作を見直す・体重管理をするといった方法 |
運動療法(リハビリテーション) |
運動によって膝周辺の筋肉を強化し、膝関節を保護する方法 |
薬物療法 |
痛みに対して、内服薬や外用薬を使って痛みを止める方法 |
装具両方 |
膝サポーターや足底(インソール)への装具着用を行い、膝への負担を軽減する方法 |
物理療法 |
膝周辺を温めて血行を促したり、酷く腫れている場合は冷やしたりする方法 |
外科手術 |
症状が進行している場合、以下のような外科的手術が必要になる場合がある |
上記のような保存療法や外科手術に代わる新しい選択肢として「再生医療」が注目されています。
今まで、すり減った膝軟骨を再生させることが不可能といわれてきましたが、再生医療では患者さんの幹細胞を培養して軟骨が再生できるようになりました。
再生医療を用いた治療には時間がかかりますが、手術や入院の必要もなく日常生活に復帰できるため評価されている治療方法です。
再生医療についてご相談される場合は、一般の病院ではなく再生医療専門医のいるクリニックをおすすめします。
当院でも再生医療による変形性膝関節症の治療を行っているため、ぜひお問い合わせください。
20代で変形性膝関節症を発症しないための予防方法
20代で変形性膝関節症を発症しないための予防方法を紹介します。
変形性膝関節症の症状を和らげたり進行を遅らせたりするためには、病院で治療を受けるだけでなく、日常生活で予防していくことも大切です。
それぞれの予防方法について詳しく解説します。
体重を減らす
肥満体型の人や急速に体重が増加している人は、体重を減らすことが大切です。
体重が重い人は、膝関節に大きな負荷がかかり軟骨がすり減るのが早くなりやすいため、変形性膝関節症に繋がります。
日常生活の中で軽い運動を取り入れたり食事制限したりして、体重管理を意識してみましょう。
靴を見直す
変形性膝関節症の予防方法として、膝への負担が少なく衝撃を緩和する靴を選ぶことが大切です。
女性の場合は、ハイヒールを履く機会をできるだけ減らすなど、日常生活の中で膝への負担が少ない靴を履くように意識してみましょう。
また、厚めの中敷きを敷く方法も膝への負担を軽減できるのでおすすめです。
太腿の筋肉を鍛える
変形性膝関節症の予防方法として、太もも周りの筋肉を鍛えることが大切です。
膝周辺の筋肉量が少ないと膝関節への負担が多くなり、膝軟骨がすり減る原因に繋がります。
運動によって膝周辺の筋肉を鍛えることで膝関節の保護しましょう。
膝を温める
すでに変形性膝関節症によって痛みが生じている場合、膝を温めるのがおすすめです。
膝を温めると血行が良くなり筋肉も緩和させるため、痛みが出にくくなります。
衣類やサポーターなどを上手に活用して膝を冷やさないようにしましょう。
20代の若者でも発症する変形性膝関節症についてのまとめ
20代で変形性膝関節症を発症する原因や予防方法について紹介しました。
変形性膝関節症の治療方法の一つに人工関節置換術がありますが、人工関節の耐久性は20年くらいと言われているので、20代の人の場合は、将来、人工関節の入れ替えを行わなければならなくなります。
近年では、手術以外の治療方法として再生医療という治療方法にも注目が集まっています。治療の選択肢の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。以上、変形性膝関節症は20代でも発症するのかについて記しました。
▼こちらも併せてご参照ください 膝の痛み、変形性膝関節症の再生医療・幹細胞治療
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