- 変形性膝関節症
膝の内側を曲げると痛い原因|自宅でできる対処法と放置リスクについて解説

膝を曲げると内側に痛みや違和感があったら、原因を特定したいとお悩みの方も多いのではないでしょうか。
膝の内側に痛みが出る場合、変形性膝関節症や鵞足炎などの疾患の可能性が考えられます。
放置すると痛みが慢性化したり、症状の悪化につながるため、違和感を覚えたら早期に対策を行うことが大切です。
この記事では、膝の内側に痛みが出る原因と自宅でできる対処法、放置するリスクについて解説します。
膝の痛みで悩まれている方は、ぜひ最後まで読んで適切な対処法を見つけましょう。
また、現在リペアセルクリニックでは手術なしで痛みの改善が期待できる再生医療に関する情報を公式LINEで発信しております。
膝の痛みに対する治療の選択肢として、膝関節の症状に関する症例も紹介しておりますので、ぜひご登録ください。
目次
膝の内側を曲げると痛い原因
膝の内側を曲げると痛い場合、さまざまな疾患や状態が考えられます。
主な原因として、以下の5つがあります。
これらの正しい知識を身につけて、適切な治療を選択しましょう。
鵞足炎(がそくえん)
膝の内側を曲げると痛い場合、膝の内側の腱が炎症している鵞足炎(がそくえん)の可能性があります。
主な症状は以下のとおりです。
- 膝の内側に鋭い痛みがある
- 階段の昇降時やしゃがむ動作でチクチクするような痛みを感じる
- 膝を曲げると痛みが強くなる
外傷ではなく膝の使いすぎが原因となる傾向があり、比較的若年層から中高年のスポーツ愛好者にも発症が見られます。
治療としては安静とアイシングによる炎症の抑制やテーピングによるサポートなど、保存療法が主流です。
鵞足炎を放置して自己判断で運動を続けると、炎症が悪化し慢性化する恐れもあるので、違和感を覚えたら早めに医療機関を受診しましょう。
変形性膝関節症
変形性膝関節症は、膝の軟骨がすり減ることで痛みや歩きにくさを生じる疾患です。
主に以下の症状があります。
- 立ち上がりや歩き始めに膝の内側が痛い
- 階段の昇降がつらい
- 膝の動きが悪い
- 膝を曲げると痛い
とくに膝を曲げたときに痛みが出る場合、軟骨のすり減りによる炎症が進行している可能性があります。
治療としては運動療法や薬物療法などの保存療法が中心となり、症状に応じてヒアルロン酸注射や手術も選択肢となります。
放置すると症状が進行し安静時にも痛みが生じるようになるため、膝関節に違和感がある場合は早めに診察を受けることが大切です。
半月板損傷
膝の内側を曲げると痛い症状が急に現れた場合は、膝関節内のクッションである半月板の損傷の可能性があります。
主な症状は以下のとおりです。
- 膝の引っかかり感やロッキング(動かせない状態)が起こる
- 特定の角度で曲げると膝内側に鋭い痛みがある
- スポーツ中のひねり動作や加齢による変性が原因
半月板損傷は若い方でも起こりうる怪我であり、膝を特定の角度に曲げた時や体重がかかった時に鋭い痛みとして感じられることが多いのが特徴です。
放置すると症状が悪化したり、変形性膝関節症へ移行するリスクを高めたりする可能性もあります。
膝の違和感や痛みがある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
内側側副靭帯損傷
膝の安定性を支える内側側副靭帯の損傷も、膝の内側を曲げると痛い原因の一つです。
以下の症状があります。
- 膝内側の圧痛や腫れがある
- 膝を曲げたり体重をかけたりするときに内側が痛む
スポーツや事故で膝に外側からの強い力が加わった際に、内側側副靭帯が損傷することがあります。
治療をしないと症状の悪化や、変形性膝関節症へ移行するリスクを高める可能性もあるため、放置は厳禁です。
その他に考えられる原因
膝の内側を曲げると痛い場合、脛骨の疲労骨折や膝の内側への負担を増大させるO脚が原因の場合もあります。
とくに慢性的な痛みや繰り返す症状がある場合は、注意が必要です。
| 疾患、症状 | 主な原因、症状、影響 |
|---|---|
| 疲労骨折 | 【原因】 ランニングなど繰り返しの負荷による骨への微細なひびが入る 【症状】 運動中や運動後だけでなく安静時にも局所的な痛みや腫れ |
| O脚(内反膝) | 【原因】 姿勢や歩き方の癖が原因で両膝が外側に湾曲し、膝の間に隙間ができる 【影響】 変形性膝関節症や半月板損傷、鵞足炎のリスクを高める |
すねの内側に発生する疲労骨折は、初期には膝の内側に鈍い痛みを感じ、休息で軽快するものの運動を再開すると再び痛むのが特徴です。
ジャンプ動作や体重移動時にズキズキした深部の痛みがある場合は、疲労骨折を疑う必要があります。
O脚は膝の内側に持続的な圧力がかかる特徴があり、内側関節への負担が蓄積されることで、痛みや関節の変性を引き起こします。
O脚が進行すると、変形性膝関節症の発症リスクも高まるため、放置せず日頃の姿勢や歩き方の癖を見直すことが重要です。
膝の内側を曲げると痛いときの対処法【自宅でできる】
膝の内側に痛みを感じたとき、自宅でできる対処法を知っておくことで、症状の悪化を防げます。
痛みを緩和する方法として、以下の3つがあります。
これらの対処法を理解して、適切に対処しましょう。
患部をアイシングする
膝の内側の痛みが急に生じた際に有効な対処法として、患部をアイシングして炎症を抑える方法があります。
冷却を行う際は、炎症が強い受傷直後から72時間以内が効果的で、炎症を抑えることによって腫れや痛みの軽減につながります。
冷やすのは1回15〜20分を目安に行い、凍傷リスクを避けるためタオルなどの布に包んで使用しましょう。
ただし、炎症が落ち着いている慢性化した痛みの場合は、冷やすのは逆効果になる可能性があります。
そのような場合は逆に温めた方が良い場合もあるので、症状に応じた対処が必要です。
湿布を貼る
膝の内側の痛みに腫れなどの炎症が見られる場合、湿布を貼るのも有効です。
湿布の主な効果として、湿布に含まれる消炎鎮痛成分による痛みと炎症の軽減が期待できます。
冷湿布には冷感がありますが、実際の冷却効果はないため、患部を冷やす目的であればアイシングの方が効果的です。
サポーターやテーピングを活用する
治療中やリハビリ中などにサポーターやテーピングを使用することで、痛みの緩和が期待できます。
サポーターには、膝が左右にブレたりグラついたりするのを防ぐ固定タイプや、血行不良からくる膝痛を防ぐための温めるタイプがあります。
サポーターで膝を固定すれば痛みは和らぎますが、あくまで膝の補助による一時的な効果です。
また、テーピングもサポーター同様、膝を固定することで痛みを緩和できます。
筋肉の働きを助ける作用があるため、膝関節のサポートにも有効です。
膝の内側を曲げたときの痛みを放置するリスク
膝の内側を曲げると痛い症状を放置してしまうと痛みが慢性化して日常生活に深刻な支障をきたす可能性があります。
放置することで考えられる主なリスクは、以下のとおりです。
- 症状の悪化と慢性化
- 関節変形の進行と機能障害
- 日常生活の質の低下(QOLの低下)
- 治療の長期化と手術リスクの増大
原因となっている疾患が進行し関節の変形が進むなど、様々なリスクが生じるため、早期の適切な対処が不可欠です。
痛みの原因が変形性膝関節症などである場合、放置すると軟骨のすり減りがさらに進み、骨の変形やO脚の悪化などが進行します。
膝の可動域に制限が生じ、歩行能力の低下や日常生活動作に支障をきたし、生活の質の低下につながるリスクもあります。
また、放置して症状が進行すると、治療が長期化したり手術を検討しなければいけない可能性が高まります。
上記のリスクを避けるために、膝の内側に痛みや違和感を覚えたら、早い段階で整形外科などの専門医を受診して正確な診断を受けることが重要です。
膝の内側を曲げたときの痛みを予防する方法
膝の内側の痛みを予防・再発防止するためには、膝関節への負担を日頃から軽減する生活習慣を心がけ、関節の柔軟性を保つことが重要です。
【予防・再発防止するための方法】
下記では簡単にできるストレッチ方法や、日ごろ意識したい生活習慣について解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
膝周辺のストレッチを行う
膝の内側を曲げると痛い症状を予防・改善するためには、筋力の強化と柔軟性の維持が欠かせません。
大腿四頭筋やハムストリングスなど太ももの筋肉をターゲットにして、ストレッチを行うことで、膝関節の安定性を高めて動作時の痛みを軽減します。
【おすすめのストレッチ】
- 太もも前側のストレッチ
片足立ちで膝を曲げ、足首をつかんで伸ばす - ハムストリングスのストレッチ
床に座って脚を前に伸ばし、つま先に手を伸ばす - 股関節の開脚ストレッチ
あぐらの姿勢で膝を地面に近づける
上記のストレッチを正しいフォームを意識しながら、無理のない範囲で継続して、関節の柔軟性を保ちましょう。
筋力トレーニングとストレッチは、痛みの再発防止だけでなく日常生活の動作をスムーズにし、関節を健康に保つ鍵となります。
膝に負担がかからない動作を身につける
膝の内側の痛みを防止するためには、日常生活の中で膝関節にかかる負担を少しでも減らす工夫を意識的に取り入れることが重要です。
特に膝の内側に負担がかかりやすい方は、生活の様々な場面で注意が必要です。
膝関節への負担を軽減するための具体的な生活習慣のポイントは以下の通りとなります。
| 生活習慣のポイント | 工夫と注意点 |
|---|---|
| 座り方 | 床座りを避け、椅子中心の生活を意識する |
| 体重管理 | 適正体重の維持を心がける |
| 日常動作の工夫 | ・立ち座り:支えを使いゆっくり行う ・階段昇降:手すりを使い一段ずつ昇り降りする ・荷物の持ち方:膝を曲げ腰を落とし、荷物を体に近づけて持つ |
| 靴の選択 | クッション性が高く安定した靴を選ぶ |
| 長時間の同一姿勢を避ける | 30分~1時間に一度は立ち上がったり、軽く膝を動かす |
猫背やガニ股歩きなど、重心が片側に偏る姿勢は膝の内側に負荷を集中させるので、膝とつま先の向きを揃えることを意識して正しい姿勢を保ちましょう。
また靴の選択も重要で、底が硬くグリップ力のない靴は、膝にダイレクトな衝撃を与えます。
ウォーキングや日常用には、衝撃吸収性の高いスニーカーやインソールを活用しましょう。
生活習慣の見直しは、すぐに効果が現れるものではないかもしれませんが、長期的に見れば痛みを軽減し膝の健康寿命を延ばすために有効です。
できることから少しずつ取り入れ、無理なく継続していくことが大切です。
長引く膝の内側を曲げたときの痛みには再生医療も選択肢の一つ
膝の内側を曲げたときの痛みが長引く場合は、再生医療も治療の選択肢の一つです。
再生医療とは、自己の細胞や血液を利用して損傷した組織の修復・再生を促す医療技術で、手術に頼らずに関節の機能改善や痛みの軽減を目指します。
変形性膝関節症や半月板損傷、鵞足炎などによる膝の内側の痛みに対しても、再生医療が選択肢となります。
- PRP(多血小板血漿)療法
血液から抽出した血小板成分を膝関節内に投与する治療法 - 幹細胞治療
脂肪組織などから採取した幹細胞を培養・投与する治療法
治療方法は注射や点滴のみで、日帰りで治療を受けられるため、手術や入院の必要がありません。
当院「リペアセルクリニック」では、患者さま一人ひとりの症状に合わせて治療方針を決定します。
丁寧なカウンセリングを行い、患者さまの目指す状態まで寄り添って治療していくので、膝の痛みでお悩みの方はぜひご相談ください。
▼実際に当院で再生医療を受けた方のインタビュー動画
膝の内側を曲げると痛いときは早期に適切な治療を受けることが重要
膝の内側を曲げると痛い主な原因として、変形性膝関節症や鵞足炎、半月板損傷などが考えられます。
これらの疾患は、適切な対処をせずに放置してしまうと、症状が悪化・慢性化するリスクが高まるため早期の診断・治療が大切です。
主な治療法は保存療法や手術療法ですが、手術を避けたい場合は再生医療という選択肢もあります。
幹細胞や血液を利用する再生医療によって、膝の痛み解消につながる可能性があります。
膝の内側を曲げたときの痛みでお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」にご相談ください。
>膝関節に対する再生医療の症例はこちら
監修者
岩井 俊賢
Toshinobu Iwai
医師




















