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反張膝とは | 水泳選手に多い?原因や治療法

 

水泳選手に見られる反張膝の改善

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反張膝とは

少し耳慣れない言葉かもしれませんが、反張膝(はんちょうしつ)は膝の痛みの原因の1つです。

反張膝とは、足を横から見たときに後ろに弓のように曲がってしまっている膝変形のことです。「X脚」を心配して病院を受診する方の中にはこの反張膝である方がいます。

反張膝の原因としては、生まれつきや大腿骨に外傷を受けて変形したことなどが考えられます。また、靱帯や筋の柔軟性が過度なケースでも生じやすく、膝が反るような力の入れ方を続けることでも反張膝を招くことがあります。

さらに、脳卒中などの脳疾患で麻痺が残った方も、姿勢が後ろに倒れ気味になることで膝の関節が伸びてしまい、反張膝となる場合があります。反張膝では、膝の関節が過度に伸び切った状態にあるため、より大きな負担がかかり、痛みの原因になります。

また、重心が後ろに傾いてしまうため、骨盤を前傾させてバランスを取り、その結果膝関節や足部の変形をもたらしてしまうこともあります。

このように、反張膝は膝だけでなく、腰痛も起きやすくなります。腰痛の原因になることもある病気なのです。

反張膝のチェック方法

反張膝なのではないか?と気になる人は、自分でチェックすることが可能です。正常の場合、膝を伸ばしても反ることはなく、真っ直ぐの状態です。正常な可動域以上に動いていないか確認するには、次の方法があります。

チェック方法

  • ① 用意するもの:バスタオル1枚
  • ② バスタオル1枚を丸め、足首の下に置いて上向きに寝ます
  • ③ この状態で膝の裏が床に着くかどうかをチェックします
  • ④ 膝の裏が床に着いている場合、反張膝になっている可能性があります。

反張膝の原因

生まれつき・遺伝的な要因

反張膝は、遺伝的な要因が影響する可能性があります。両親や兄弟など家族の中で同様な膝の疾患や問題を持っている場合は、反張膝になりやすいと言われています。

そのため、反張膝のリスクは、家族を確認して問題がある場合は、早期の対策を講じることで、予防や治療に役立てることができます。

過去の膝の怪我

反張膝は、さまざまな原因によって引き起こされます。その中でも、過去の膝の怪我や手術は大きなリスク要因となります。膝を怪我した後や手術後に膝の解剖学的な面で構造が変化するケースがあり、これが反張膝を引き起こす一因となるからです。

さらに、脳卒中後の片麻痺も反張膝のリスクを高めることをご存知でしょうか。脳卒中によって片方の体が麻痺すると、麻痺した側の筋力低下や筋緊張の変化が起こり、膝関節の動きが不安定になります。その結果、反張膝が発生しやすくなります。

膝の怪我や手術、脳卒中後の片麻痺は、反張膝のリスクを高める重要な要因です。これらの要因がある場合は、早期の予防策や適切なリハビリテーションが必要です。

柔軟性

反張膝は、膝関節が通常の可動域を超えて過度に伸展する状態を指します。膝の安定性が損なわれ、歩行や日常生活に支障をきたすことがあります。この問題の背景には、筋力不足や過度な柔軟性が関与しています

膝の安定性を保つためには、周囲の筋肉が重要な役割を果たします。特に、大腿四頭筋やハムストリングスの筋力が不足していると、膝関節をしっかりと支えられなくなります。これにより、膝が後方に過度に伸びやすくなるのです。

  • 大腿四頭筋:太ももの前面に位置し、膝を伸ばすことを助ける4つの筋肉の総称です。この筋力が不足すると、膝の安定性が低下します。
  • ハムストリングス:太ももの裏側に位置する3つの筋肉の総称で、膝を曲げたり、股関節を後ろに反らすときに働きます。これらの筋肉も膝の安定に寄与しています。

靭帯は、膝関節内で骨と骨をつなぐ組織です。これらの靭帯が過度に柔軟であったり、緩んでいたりすると、膝関節の安定性が低下し、反張膝を引き起こすリスクが高まります。特に、ストレッチを頻繁に行う人は、靭帯が柔らかくなりすぎることがありますので、注意が必要です。

関節の柔軟性も反張膝に影響を与えます。関節が過度に柔らかい場合、膝が通常の範囲を超えて伸びることがあります。このため、関節の柔軟性を維持することは重要ですが、過度に柔らかくすることは避けるべきです。

反張膝を回避するためには、筋力と柔軟性のバランスが重要となります。

反張膝の治療方法

リハビリテーション

リハビリテーションは、反張膝の症状を和らげ、再発を予防するために不可欠です。また、日常生活における膝の使い方や正しい姿勢を学ぶ場でもあります。

  • 筋力トレーニング:太ももの裏表の筋肉を強化することで膝の安定性を高めるため行います
  • ストレッチ:膝の周りにある筋肉の適切な膝の動きを促し、柔軟性を向上させます

保存療法

反張膝のリハビリにはいくつかのアプローチがあります。反張膝は単純に筋肉を鍛えるだけで改善されるものではありません。神経回路についての取組みも重要となります。

以下に、反張膝のリハビリに役立ついくつかの方法を示します

  1. 神経回路の再構築を目指すリハビリ:
    • 膝関節の屈曲と足関節を背屈する練習が重要となります。
    • 足関節の筋緊張の影響を受けやすいので、足関節周りのストレッチも有効です。
    • これによって、歩行中の正しい姿勢や体重移動を回復しようとするものです。
  2. 装具療法の利用:
    • AFO(短下肢装具)は、装具を使用して、足関節機能を補助することで膝の伸展抑制をサポートする方法です。これにより、安定した歩行を促進して反張膝の改善を目指します。
  3. 筋力増強トレーニング:
    • 単に膝周囲の筋肉を強化するだけではなく、足の関節や、股関節を含んだ足全体の筋肉を効果的に鍛えることが大切になります。特に前脛骨筋や股関節伸展筋を重点的にトレーニングすることで反張膝の改善を見込みます。
  4. 姿勢と歩行の意識:
    • 歩行中、体重の移動や、足裏の感覚を意識して行う訓練が効果的と言われています。歩行訓練では体重移動を正確に行うことを意識し、神経回路に正しい動きを伝えます。

これらの方法は、個々の症状や状態に応じて調整されるものです。専門医の指導のもと、その個人に適したリハビリ(保存療法)を計画することが大切です。

外科的療法

反張膝の外科的治療は、かなり重度の症例に対して検討することがあります。そこにはいくつかのデメリットやリスクも存在します。手術に伴う主なリスクとしては、合併症による感染や出血、そして麻酔に関連するリスクも考えねばなりません。

さらに、手術後には入院期間が長期になることもデメリットでしょう。

いずれにしろ治療方法の選択は、患者様の症状や状態、およびリスクを十分に考慮した上で専門医と充分相談しましょう。

再生医療という選択肢

反張膝は、水泳選手にとってメリットがある一方で、選手生命や日常生活に悪影響を及ぼす可能性がある症状であることがわかります。

反張膝は自分ではなかなか気が付くことができません。しかし、誰かに指摘される等で反張膝であることを自覚したら、早目に専門の医療機関や病院などを受診し、しっかり検査を受けて治療に取り組むことが大切です。

それでも改善しない場合には再生医療という先端医療を検討することをおススメします。再生医療は、手術せず、入院も不要。選手生命を守る可能性の高い方法です。

水泳選手と反張膝

反張膝と水泳選手の関係について、反張膝は水泳選手にとって特有の才能の一つとも言わることがあるようです。水泳選手は重力の影響が少ない水中でのトレーニングを通じて、反張膝を持つことが多いとされ、競技的には有利に働くことがあるようです。

特にバタフライ泳法などで重要なドルフィンキックでは、可動域が大きくなることが水の把握範囲を広げ、泳速向上に寄与するとされています。実際、反張膝の水泳選手において、膝の可動域を制限するテーピングが行われた研究では、水泳速度が低下したという報告もあるほどです。

一方で、反張膝は水泳以外の部分、長期的には歩行などで膝への負担を増加させることになります。膝の変形や靭帯の損傷などのリスクの増加にもつながるリスクがああります。

そのため、反張膝を持つ水泳選手は有利と言えども、適切な管理とやはり、日常生活を考慮し、治療を受けることが大切ではないでしょうか。

反張膝が持つ利点を最大限に活用しつつも、そのリスクを理解してダメージを最小限に抑えるために反張膝を理解しておいて頂ければと思います。

まとめ

反張膝(はんちょうしつ)とは、立ったときに膝関節が正常な可動域を超えて後ろ側に反るように曲がった状態をいいます。

原因は色々な可能性があります。生まれつき遺伝的な要因や外傷、脳卒中後の麻痺などがその例です。いずれにしても、この状態が長期間続くと、膝関節やその周囲の筋肉に負担がかかり、痛みや歩行困難、姿勢不良などの問題を引き起こすことがあります。

反張膝をチェックする方法として、特定の体位での自己診断がありますが、最終的には専門医の診断を受けてください。治療法としては、リハビリテーションや保存療法が一般的であり、筋力トレーニングや柔軟性の向上を目指します。

重度の場合には、外科的治療も検討されることがありますが、その際はリスクと効果を十分に考慮する必要があるでしょう。

水泳選手においては、反張膝が特有のメリットを持つことがある一方で、日常生活や競技以外での負担も考慮する必要はあるでしょう。何より、反張膝を理解し、適切な管理と治療を行うことが、将来の健康維持につながります。

反張膝については、早期に専門医の診断を受け、適切な治療を受けて頂ければと考えます。

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