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糖尿病の可能性は、空腹時血糖値ではわからない 糖尿病患者の方が糖尿病の検査を受けたのにも関わらず「正常値」が出ることがあります。 このタイプの糖尿病のことを「隠れ糖尿病」と呼びます。糖尿病患者の数は隠れ糖尿病患者を含まないため、現在、糖尿病と診断されている人の数は糖尿病を抱えている人の半分にすぎないのではないか、という指摘もあります。 つまり糖尿病を抱えている人の半数は検査で「正常」と判断されているために、治療を受けるチャンスを失っている可能性があるのです。 この記事では隠れ糖尿病の実態を解説したうえで、隠れ糖尿病を発見するための検査方法や、隠れ糖尿病を予防する方法を紹介します。 糖尿病・通常検査でも分からない場合ことある 糖尿病は年々増加傾向にあります。隠れ糖尿病についてもその可能性は否定できません。通常検査を行っても隠れ糖尿病を発見できない理由とそのリスクについて見ていきましょう。 糖尿病の通常検査とは 糖尿病の診断は血液検査で行います。患者さんの血液を採取して成分を調べます。通常、健康診断で行う糖尿病の検査は空腹時の血糖値検査です。空腹時の血糖値が126mg/dlを超えると糖尿病が疑われます。 通常検査で気づかれない糖尿病の正体 ではなぜ、健康診断などでは空腹時に血糖値を計るのでしょう。それは、食後の満腹のタイミングでは、糖尿病でない人でも血糖値が上がってしまうからです。つまり、満腹時に血糖値検査を行ってしまうと、健康な人も「糖尿病疑い」と判定されかねないのです。 空腹時に血糖値を計れば、食事をしてからかなり時間が経過しても血糖値が下がらない「糖尿病の疑いが濃厚な人」だけが異常値を示す、というわけです。 したがって、空腹時血糖値が高い人は、糖尿病疑いになることは問題がないのです。しかし、隠れ糖尿病では、通常の血糖値検査で正常値が出てしまいます。 ではなぜ糖尿病を発症しているのに、空腹時血糖値が低い人(隠れ糖尿病患者さん)がいるのでしょうか。 食事を摂ると血糖値が上がります。このとき、すい臓からインスリンが分泌されて血糖値が正常値に戻ります。空腹時血糖値は前日の最後の食事から10時間以上経ったときの血糖値ですが、インスリンの働きが悪いと、食事をしてもしばらくの間は血糖値が上昇したままということがあります。 つまり隠れ糖尿病患者の方は、空腹になるころには血糖値が正常値に戻ってしまうのです。 隠れ糖尿病になる原因 隠れ糖尿病も、通常の糖尿病と同じく体質などの遺伝要素と運動不足や食べすぎなどの生活習慣が合わさって発症するといわれています。 隠れ糖尿病が招くリスク 隠れ糖尿病を放置すると、通常の糖尿病を発症しやすくなります。糖尿病で気を付けたいのが合併症の発症リスクです。糖尿病の合併症には次のような病気があります。 ●糖尿病神経障害 手足の神経が障害され、痛みやしびれを引き起こします。悪化すると感覚が鈍り、傷を負っても痛みを感じなくなります。その結果感染症を引き起こし、手足の組織が壊疽(えそ)し、切断にいたることもあります。 ●糖尿病網膜症 網膜は目の組織のひとつです。糖尿病によって網膜に走っている血管が壊されてしまいます。最悪、失明してしまいます。 ●糖尿病腎症 腎臓には糸球体と呼ばれる毛細血管の塊があります。糸球体は老廃物をろ過して尿として排出する働きがあります。高血糖の状態が続くと毛細血管がダメージを埋めるため、腎臓が機能しなくなってしまいます。最悪の場合、腎不全に陥り、生涯にわたって人工透析を受けることもあります。 ●動脈硬化からの脳梗塞、心筋梗塞 動脈硬化は血管が硬くなる病気です。糖尿病が進行すると細い血管だけでなく、太い血管も障害するため、動脈硬化の原因になります。糖尿病に高血圧や脂質異常症などが加わると動脈硬化のリスクはさらに高まります。また、動脈硬化は脳梗塞や心筋梗塞など命に関わる病気の原因になります。 隠れ糖尿病を発見する方法 隠れ糖尿病を発見するには、通常の検査とは異なる検査を受ける必要があります。ここでは、隠れ糖尿病の発見が期待できる次の3つの検査を紹介します。 ・尿糖試験紙を用いた検査 ・HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)検査 ・ブドウ糖負荷試験 尿糖試験紙を用いた検査 隠れ糖尿病を発見する手法として注目されているのが、尿糖試験紙を用いた検査です。血糖値が160~180mg/dlを超えると尿中に糖が出てきます。尿糖試験紙を尿に浸すと、色が変わり、簡易的に尿中の糖分濃度を測ることができます。 これを隠れ糖尿病が疑われる患者が食後に用いることで、食後血糖値の高さが推測できるため、隠れ糖尿病の発見に役立ちます。 尿糖試験紙のメリットはコストが安いことです。価格は10枚で700円ほどで、薬局でも購入できます。尿をかけるだけなので、患者の方が自分で行うことも可能です。 HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)検査 HbA1c検査は血液検査のひとつです。HbA1c検査は通常の健康診断でも行われることもありますので、健康診断の結果を見直してみると良いでしょう。 HbA1cは、ブドウ糖と結びついているヘモグロビンの割合を示す数値で、検査を行った日の1~2カ月前の平均血糖値を反映します。HbA1cは食後高血糖の影響も現れますので、隠れ糖尿病患者の方でも異常値を示すことがあります。 HbA1cは4.3~5.8%が基準値とされ、5.8%を超えると要注意、6.5%を超えると糖尿病の可能性が高いと判断されます。Hblc検査は病院で1,000円程度で検査できます。 ブドウ糖負荷試験 ブドウ糖負荷試験は、検査前日の夕食以降10時間絶食し、検査に臨みます。検査開始直後に採血して、まず空腹時血糖値を計ります。次にブドウ糖75gを水に溶かした液体を飲み、30分後と1時間後、2時間後に血糖値を測定します。 2時間後に測定した血糖値が140mg/dl以上で糖尿病予備軍、200mg/dl以上の場合で隠れ糖尿病と判断されます。検査料金は2,000~3,000円程度です。 隠れ糖尿病を予防する方法 隠れ糖尿病の検査方法について説明しました。隠れ糖尿病は糖尿病を発症しやすいため、隠れ糖尿病を予防することは糖尿病そのものを予防することにつながります。 以下で隠れ糖尿病の予防方法について詳しく見ていきます。 ゆっくり食べる 隠れ糖尿病は食後血糖値が高くなるというのが特徴です。そのため、食後血糖値を上げないことが隠れ糖尿病を防ぐことにつながります。食後血糖値を上げないポイントはゆっくりと食べることです。 早食いをすると血液中に一気に糖が入ってくるため、インスリンの働きが追いつかず、食後血糖値が急上昇してしまいます。「どうしても早く食べてしまう」という人は、ひと口食べたら1回箸を置く習慣を身に付けてみると良いでしょう。 このようにすることで食事の時間が長くなり、ゆっくり食べることにつながります。 食後に運動を行う 運動には血糖値を下げる効果があります。したがって食後に運動すれば、食後の血糖値を下げることが期待できます。食後の血糖値が上がりやすいのは食後30分~1時間ですので、この時間に運動をしましょう。 例えば、会社での昼食であれば、食後に会社の周りをウォーキングするのも良いでしょう。特に食後すぐに横になってテレビを見る習慣がある人は気を付けましょう。 糖質制限食よりバランス良く食べる 最近、ご飯やパン、うどんなどの糖質が多い食材を避ける糖質制限食が話題ですが、こういった糖質制限食は長期的に血糖値を下げたという証明が医学的になされていないためお勧めできません。 隠れ糖尿病を予防するのに大切なのは、さまざまな栄養素をバランス良く摂ることです。糖尿病予防で推奨されている割合は次のとおりです。 ・炭水化物:摂取エネルギーの50~60% ・たんぱく質:標準体重1kgあたり1.0~1.2g ・脂質:摂取エネルギーの20~25% 標準体重は「身長(m)×身長(m)×22」で算出した値です。1日の適正な摂取エネルギーは次の値に標準体重をかけて算出します。 ・軽い労作(デスクワークが多い人):25~30kcal/kg ・普通の労作(立ち仕事が多い人):30~35kcal/kg ・重い労作(力仕事が多い人):35~kcal/kg まとめ・糖尿病の可能性は、空腹時血糖値ではわからない 隠れ糖尿病について説明しました。隠れ糖尿病は通常の血糖値検査で見付けることができないため、やっかいな病気です。 隠れ糖尿病は放置すると通常の糖尿病を発症しやすくなります。最近は健康診断の項目のなかにHbA1c検査が含まれていることもあります。今一度健康診断結果を見直してみると良いでしょう。 監修:リペアセルクリニック大阪院 糖尿病について詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください こちらも併せてご参照ください
2019.05.10 -
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糖尿病患者の方は、水虫などの足の病気に注意が必要です。糖尿病患者の方にとっては、ただの水虫も、足の組織を壊疽(えそ)させる重大なトラブルのきっかけになり得る病気になるからです。 糖尿病患者の方は足に異変を感じたら早期に医者にかかりましょう。そして自身でも自宅でできるフットケアに取り組んでください。 糖尿病足病変とは 糖尿病患者の方の足に生じる、さまざまなトラブルのことを、糖尿病足病変(以下、足病変)といいます。足病変には水虫やたこ、足の変形などがあり、悪化すると足の組織が死んでしまい壊疽します。 そのような事態を引き起こさないためにも、本稿では糖尿病と水虫の関係や、足病変を医療機関でしっかり治療することの重要性について解説していきます。日常生活で出来るフットケアの具体的な方法も紹介しますので、すぐに実践してみてください。 糖尿病と水虫の関係 糖尿病患者の方は水虫菌(白癬菌)を含む細菌に対する抵抗力が落ちているため、水虫などに感染しやすくなっています。また、血糖値が高い状態が続くと全身の血管だけでなく神経も障害されるので、痛みや熱さなどに対する感覚が鈍くなります。 足の感覚が鈍ると、足の変形や、たこ、うおのめなどが発症しても気がつかず、症状を悪化させてしまいます。 糖尿病の人が水虫などの感染症になりやすい理由 糖尿病患者の方が水虫などになりやすいのは、免疫力が落ちるからです。 免疫とは、外部の攻撃から身を守る機能のことです。血糖値が高くなることで白血球や免疫に関わる細胞の機能が低下すると、白癬菌などの病原菌と十分に戦えなくなります。糖尿病で免疫力をなくした体は、容易に細菌に侵されやすく感染症にかかりやすくなります。 水虫の悪化で壊疽することもある 水虫や感染症などの足のトラブルが悪化すると、足が壊疽してしまうことがあります。壊疽とは細胞が死滅してしまうことで、1度壊疽した部分は回復せず、壊疽の進行具合によっては切断を迫られます。壊疽が広がると足を切断することになるかもしれません。 先ほど、糖尿病患者の方は足の感覚が鈍ることがある、と解説しましたが、これは糖尿病によって神経が障害されてしまうからです。 こちらも併せてご参照ください 爪白癬にも注意 糖尿病患者の方は通常の水虫だけでなく、爪白癬(爪水虫)にも注意してください。 糖尿病患者の方は、爪の肥厚や巻き爪など爪に異常がでるケースが多いです。爪に異変のある患者さんのほとんどに爪白癬があるそうです。しかし目立つ症状がなく、かゆみや痛みも伴わないので、健康な人でも発見しづらい水虫です。足の感覚が鈍っている糖尿病患者の方は、さらに発見が遅れる可能性があります。 日本糖尿病学会の『糖尿病診療ガイドライン2016』では、不適切な爪の処置が足潰瘍の引き金になり得ると指摘していて、爪白癬も足病変の重症化につながると考えられています。 こちらも併せてご参照ください 病院での治療が必要 糖尿病患者の方が水虫などの足の異変に気づいたら、すぐに医師に相談し治療に取りかかってください。 血糖コントロールが悪いと足病変の元になっている感染が長引いたり、傷が治りにくくなったりします。足病変の発見によって、はじめて血糖値の異常に気づいた場合は厳格な血糖値の管理が必要になります。 フットケアで水虫を予防・対策 糖尿病患者の方が自身でもできる足病変対策としてフットケアをお勧めします。正しいフットケアを行えば、水虫などの足病変の予防につながります。また、足病変が起きてしまっても、フットケアを継続することで症状が悪化するリスクを減らすことができます。 こちらも併せてご参照ください フットケアのポイント フットケアとは、足の手入れを行うことです。 糖尿病患者の方における、フットケアのポイントは次のとおりです。 ・毎日、足を観察する ・足を清潔に保つ ・乾燥しやすい人はクリームで保湿する ・爪の伸ばしすぎも深爪も禁止 足病変は少しずつ感染部位が拡大するので、小さな異変を見落とさないようにしてください。不潔な環境や乾燥は細菌の繁殖を促してしまうので適切な予防と対策を取ってください。爪の伸ばしすぎも深爪などでも、気づかないうちに足を傷つけてしまうことがあるので細心の注意が必要です。 日常生活での注意点 フットケアに加えて、日常生活でも注意していただきたいことがあります。 <足を守るために日常生活で注意すること> ・足にあった靴を履く ・清潔な靴下を履く ・ケガをしないようにする ・やけどしないようにする 足にあわない靴を履くと靴擦れを起こし、傷ができてしまいます。その傷がきっかけとなって感染症にかかることもあります。清潔な靴下を履くことで、足を綺麗に保って感染リスクを減らすことができます。 「ケガをしない」「やけどしない」は当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが、糖尿病患者の方は、免疫力が下がっていて感染症にかかりやすいので、とくに注意が必要です。さらに足にケガや、やけどを負っていても、糖尿病による神経の障害から気がつかないことがあります。毎日、意識的に足をチェックするようにしてください。 まとめ 糖尿病患者の方にとって水虫は、単に不快な病気に留まらず、悪化すると足の壊疽まで進んでしまう可能性のある病気です。日頃よりフットケアを実施するなど、足病変に向けた予防・対策をすることで、感染のリスクを減らすことができます。そして足に異変を感じたら、放置せず、すぐに医者に相談しましょう。
2019.05.09 -
- 糖尿病
糖尿病の治療では食事や運動など患者自身の取り組みが重要です。 しかし、食事で予防できることはわかっても、運動で本当に予防できるのか心配という人もいるでしょう。また、糖尿病を予防するために運動を取り入れるとしても、どのような運動が効果的かわからないですよね。 この記事では糖尿病と運動の関係を解説、効果的な運動方法や運動をするときの注意点もあわせて紹介します。 糖尿病は運動で予防ができる 糖尿病は血液中の糖の濃度(血糖値)が高い状態が続く病気です。高血糖の状態が続くと血管にダメージを与え、合併症を招きます。 運動には血糖値の上昇を抑え、血糖値を下げる効果があります。以下で詳しく見ていきましょう。 運動は血糖値の上昇を抑える 食事をすると血糖値が上がります。 ニュージーランドのオタゴ大学によると、食後の10分間のウォーキングが食後血糖値の上昇を抑える効果があることを発表しました。血糖値が高くなるのは食後1時間といわれているため、このタイミングで運動を行うと食後血糖値の上昇を抑えることにつながります。 筋肉量UPで血糖値が下がる 通常、血液中の糖は細胞に取り込まれ、エネルギーとして消費されるため、血糖値は下がります。血液中のブドウ糖を最も多く取り込むのは筋肉ですので、運動によって筋肉が増えると血糖値を下げる効果が期待できます。 筋肉率は筋肉量と体重がわかれば計算できます。 筋肉率(%)=筋肉量(kg)÷体重(kg)×100 筋肉量は以下のようにして計算できます。 筋肉量(kg)={体重(kg)-(体重(kg)×体脂肪率(%))}÷2 体重から体脂肪量を引いた残りの半分が筋肉量になります。 例えば、体重60㎏、体脂肪率23%の人の筋肉量は23.1㎏となります。目安となる筋肉率は以下となります。 なお、筋肉の量は年齢とともに減少します。 こちらも併せてご参照ください 糖尿病を予防する運動方法 糖尿病を予防するにはどのような運動方法が適しているのでしょうか。以下で糖尿病の予防におすすめの運動を紹介します。 こちらも併せてご参照ください 糖尿病改善に効果がある運動は?オススメの運動療法|内科専門医師が配信 有酸素運動 有酸素運動とは水泳やウォーキングなどの全身運動のことです。酸素を使って脂肪や糖を燃焼して行う運動になります。 有酸素運動には次のような種類があります。 ・ウォーキング ・ジョギング ・水泳 ・エアロビクス ・サイクリング 有酸素運動を行うと筋肉への血流が増え、ブドウ糖の消費が進むため、血糖値が下がります。 有酸素運動の時間や強さは体形や年齢、健康状態によって変わりますが、ウォーキングなら1回15~30分、1日2回、週3日行うのが目安になります。 仕事が忙しくていまとまった時間が取れないという人は日常生活のなかに歩行などの運動を取り入れる工夫をすると良いでしょう。例えば、通勤に鉄道やバスなどを利用しているのであれば、一駅前で降りて歩くといったことも良いでしょう。 始めは無理のない範囲でスタートして、体が慣れてきたら頻度や回数、運動時間を増やすと良いでしょう。 レジスタンス運動 糖尿病予防では、有酸素運動と一緒にレジスタンス運動を行うことが推奨されています。 レジスタンス運動とは筋肉に抵抗(レジタンス)をかける運動です。レジスタンス運動を行うと筋肉量が増えるため、血糖値を下げる効果が期待できます。 レジスタンス運動には次のようなメニューがあります。 ・マシンを使った筋トレ ・ダンベルを使った筋トレ ・スクワット ・腕立て伏せ ・腹筋 レジスタンス運動の目安は、1種目10回2~3セットを週2~3回になります。 有酸素運動は筋肉への血流を増やし、レジタンス運動は筋肉量を増やします。有酸素運動とレジタンス運動は単独で行うより、2つの運動を組み合わせて行うほうが糖尿病予防効果がアップします。 日常や室内でもできる効果的な運動 糖尿病予防で行う運動で大切なのは継続することです。 ジムやプールに通う必要がある運動メニューだとなかなか継続できないという人もいるでしょう。このような場合、室内で行える運動や日常生活に取り入れることができる運動を続けると良いでしょう。 ウォーキング(速歩き) まとまった時間が取れない場合、日常生活の歩行を速歩きに変えるだけで血糖値低下効果が高まります。 速歩きは以下のポイントを押さえて行うと、さらに糖尿病予防効果が期待できます。 ・肩の力を抜く ・背筋を伸ばして胸を張る ・両腕を大きく振る ・歩幅を広くする ・かかとから着地する ・足を伸ばす ・顎(あご)を引く ウォーキングを行うときは、自分の足に合った靴や歩きやすい服装を選ぶことも大切です。靴はクッション性の高いソールの厚い靴が良いでしょう。 室内で行う簡単な筋トレ 筋肉を鍛えるレジスタンス運動も室内で行ったり日常生活に取り入れたりすることができます。 例えば以下のような動作もレジスタンス運動になります。 ・椅子から立ったり座ったりを繰り返す ・椅子を使ってスクワット運動を行う ・会社や駅構内ではエレベーターやエスカレーターは使わず階段を使う ・足を上げたり下げたりする スクワットや腹筋運動、腕立て伏せは自宅でもできますよね。テレビを見るときソファに横になるのではなく、スクワットをしながら見るなど工夫してみてはいかがでしょうか。 糖尿病予防に効果が出る運動時間・強度・頻度 体が慣れてきて本格的に糖尿病予防のための運動に取り組める準備が整ったら、効果が出る時間・強度・頻度を意識した運動メニューをつくってみましょう。 運動時間 糖尿病予防を目的に有酸素運動を行う場合、ウォーキングであれば1日1万歩が目標です。1日1万歩の消費エネルギーは160~240kcalになります。もし1日1万歩歩くことが難しい場合は、これに相当する運動を行うと良いでしょう。 体重60㎏の人が100kcalを消費するための運動は次のとおりです。 ・軽い散歩30分 ・軽い体操30分 ・速歩きのウォーキング25分 ・自転車(平地)20分 ・ゴルフ20分 ・ジョギング(強め)10分 ・自転車(上り坂)10分 ・テニス10分 ・水泳(クロール)5分 このなかから毎日2~3項目ずつ選んで実行すると1日1万歩と同等の効果が得られることになります。 レジスタンス運動は1回20~60分、1週間に150分以上を目安に行うと良いでしょう。レジスタンス運動を週150分以上行うと糖尿病の発症リスクが34%減少するといわれています。また、有酸素運動とレジスタンス運動を組み合わせて週150分以上行うと糖尿病の発症リスクが59%減少することもわかっています。 それでも「運動する時間を毎日確保することは難しい」という人もいるかもしれません。実は週59分以下の少ない運動量であっても糖尿病の発症リスクは12%減少することがわかっています。つまり1日10分程度であっても運動を継続すると糖尿病の予防につながるということになります。 食後1時間は最も血糖値が高くなります。そのため、食後1~2時間に運動を行うと効果的です。 運動強度 糖尿病予防の運動では、「ややきつい」と感じる程度で行うのが目安です。脈拍数を測ると適切な運動強度がわかります。運動を行う際は脈拍を測りながら行うと良いでしょう。運動時の脈拍数の目安は以下の計算式で算出できます。 運動時の目安の脈拍数(回/分)=(220-年齢)×0.5 脈拍は手首の動脈に指を置くことで測定できます。「わざわざ脈拍を測りながら運動したくない」という人は「一緒に歩いている人とおしゃべりできるくらい」を目安にしてみてください。 運動頻度 運動頻度は、週3日ぐらいからスタートして、体が慣れてきたら毎日行うようにしましょう。まとまった時間が取れない人は、日常生活でできる運動を取り入れたり、家でできる運動を増やしたりと、こまめに体を動かす習慣を身につけてください。 運動を行う時の注意点 運動を行うときは、以下の点に注意し、持病や不安がある方は医師に相談して行うようにしましょう。 ・準備運動を行う ・軽い運動量から初めて徐々に増やしていく ・毎日が目安だが、体調に合わせて無理をしない ・楽しみながら行う ・ストレスを溜めない ・十分な睡眠をとる まとめ 運動が糖尿病予防に効果的であることを説明しました。まとまった時間が取れないという人は、日常生活や室内でできる運動などを取り入れることから始めてみましょう。運動を始める際は、無理のない範囲で始め、継続して行うことが重要です。
2019.05.09 -
- 糖尿病
糖尿病の原因を知って予防する|食事と生活習慣を改善して血糖値を下げる 日本における国民病のひとつである糖尿病。糖尿病有病者・予備軍を合わせ、発症が疑われる人数はおよそ1,000万人にのぼるといわれています。糖尿病は遺伝のみならず、生活習慣も発症に関係しているため、「最近運動不足で太り気味」「食生活が乱れている」といった自覚がある方は要注意です。 糖尿病の発症原因を詳しく解説するとともに、糖尿病予防で知っておくべきポイントを紹介します。 糖尿病の原因 糖尿病は、血糖値が慢性的に高くなる病気です。血糖値上昇を抑制する「インスリン」と呼ばれるホルモンの作用が低下・不足することにより、様々な合併症のリスクをはらみ、身体に悪影響をおよぼします。 なお、糖尿病の原因には複数の要素が存在します。「1型糖尿病」では自己免疫疾患などによるインスリン分泌細胞の破壊、「2型糖尿病」では、遺伝的(体質的)要因に加え、運動不足や過食など環境的要因(生活習慣上の要因)も、糖尿病発症の原因となります。その他、妊娠が契機となる「妊娠糖尿病」もあります。 糖尿病になりやすい食事 食事の内容や食べ方によって、糖尿病発症へとつながるおそれがあります。糖尿病になりやすい食事と食べ方について見ていきましょう。 <糖尿病になりやすい食事と食べ方> ● 食事を食べ過ぎる 「もうこれ以上食べられない」という食事の取り方は、カロリーオーバーから肥満、そして糖尿病へとつながるおそれがあります。 ● 糖質の取り過ぎ 適度な糖質の摂取は欠かせませんが、 取りすぎは慢性的な高血糖を招きます。 ● 脂肪・糖分・塩分の取り過ぎ 脂質・糖質の摂り過ぎは肥満および糖尿病の原因となります。 また、塩分の取りすぎは高血圧による合併症リスクを向上させるため注意が必要です。 ● アルコールの取り過ぎ アルコールの代謝にともない、インスリンを分泌する、すい臓の働きは鈍くなってしまうため、過剰なアルコール摂取は望ましくありません。なお、お酒自体にも糖質が含まれるものがあるため注意が必要です。 ● 間食が多い 間食をすると、それぞれの食事の時間が十分に空かないため、高血糖状態が継続してしまいます。 もちろん食べ過ぎの原因にもなります。 ● 外食が多い お店やメニューを適切に選ばないと、カロリーや塩分、アルコールの取りすぎにつながります。 ● 早食い・ダラダラ食い 食べ過ぎの原因となるだけでなく、 胃腸への負担が増大することにより、消化不良やインスリンの働きの阻害の原因となるおそれがあります。 ● 朝食を食べない・夕食を多く食べる 安定した血糖値の維持のために、3食を決まった時間に食べるようにしましょう。なお、夕食は食べる量が多くなりがちですが、3食を同じくらいの分量バランスで食べることが望ましいです。 こちらも併せてご参照ください 糖尿病になりやすい生活習慣 糖尿病の中でも特に2型糖尿病の発症にかかわりの深い、乱れた生活習慣の具体例として以下が挙げられます。 ● 食べ過ぎ 食べ過ぎは、肥満につながるおそれがあります。 ● 肥満 脂肪細胞から分泌されるホルモン「アディポカイン」は、インスリンの効きを悪くするため、高血糖を誘発します。標準体重をオーバーしている方は注意してください。なお、現在は痩せていても、過去に肥満だった方も糖尿病になりやすいといわれています。 ● 運動不足 運動不足による筋肉低下により身体に脂肪がつきやすくなるため、肥満・糖尿病につながる原因となります。 ● 過度の飲酒 お酒を飲むと、おつまみとして塩分の多い食べ物が欲しくなりがちです。カロリーオーバーの原因にもなるため、アルコールはできる限り控えることが望ましいです。 ● ストレス ストレスも、糖尿病発症に深く関係するとされています。ストレスの多い環境にいる方はご注意ください。 その他に考えられる原因 糖尿病の原因として、食事や生活習慣など環境的要因以外に考えられるのが、遺伝的要因です。 糖尿病自体が遺伝することはありませんが、インスリンの働きが不十分な体質(インスリン抵抗性を持つ体質)が受け継がれることがあります。 具体的には、親・兄弟・姉妹などの近親者に糖尿病の方がいる場合、糖尿病になりやすい体質や遺伝子を持っている可能性があるといえるでしょう。糖尿病になりやすい体質を受け継いだからといって、絶対に発症するわけではありませんが、日ごろから食習慣や生活習慣に気を配ることが望ましいです。 また、1型糖尿病においてはウイルス感染が原因となるケースも知られています。このケースでは、すい臓のβ細胞の急激な破壊により高血糖に陥り、昏睡や死に至る場合もあります。これは「劇症1型糖尿病」と呼ばれ、年間300人ほどの症例が推定されており、国指定難病のひとつとなっています。 糖尿病を予防する方法 糖尿病は日常生活を見直し、気を配ることで、予防効果が期待されます。血糖値を高くする行動を控え、血糖値が必要以上に高くなりにくい体質を目指しましょう。 具体的には、食事の取り方やメニューの見直し、継続的な運動のほか、ストレス対策に気を配ることが糖尿病予防につながります。現在、糖尿病の兆候がなくても、見直すべき点があればいまのうちに改善することが望ましいです。 糖尿病を予防する食事 糖尿病の予防には、上記「糖尿病になりやすい食事」を避けることが大切です。その他、ちょっとした心がけや生活習慣を改善することも、糖尿病予防につながります。今日からすぐに実践できる、糖尿病を予防する食事方法を覚えておきましょう。 ● 間食をしない 食事と食事の間のインターバルを取ることは、血糖値を下げるために不可欠です。間食により食事の時間が十分に空けられなくなると、血糖値が高い状態がキープされてしまい、インスリンを分泌する臓器・すい臓への負担も増大します。特に、糖質を多く含む甘いお菓子やドリンクの間食はできるだけ控えましょう。 ● 野菜や海藻などから先に食べる 食事の血糖値上昇を緩やかにするために、野菜や海藻、あるいは豆類やきのこ類などから食べ始めることが望ましいです。これらを先に食べることで、満腹感を得やすくなる効果も期待できます。 ● 腹八分目で食事を終わらせる 常に満腹状態の食べ方では、糖尿病発症の原因となるブドウ糖が過剰に作られるおそれがあります。 カロリーの摂りすぎを防ぐためにも、腹八分目の食事が望ましいです。 ● ゆっくり食べる 早食いは血糖値の急激な上昇につながり、血糖コントロールに悪影響をおよぼします。食べ過ぎの原因にもなってしまうので、ゆっくりとよく噛んで食事を取りましょう。 血糖値を下げる食べ物一覧 血糖値を上げやすい食べ物には、エネルギーに変わりやすい炭水化物が挙げられます。パンやご飯などがその代表です。続いて、肉・魚・卵などのタンパク質、そして油などの脂質の多い食品が該当します。 それらの食品の過剰摂取を避け、食後血糖値の上昇が穏やかな食品(低GI食品)を献立に取り入れるようにしましょう。 <血糖値を下げる食べ物> ● キノコ類 ● 海藻類 ● 野菜(オクラ、玉ねぎ、トマト、キュウリ、レタス、ホウレンソウ、ニンジン、キャベツなど) ● フルーツ(バナナ、アロエ、シークワーサー) ● 豆類 ● 五穀(玄米、麦、アワ、ヒエ、キビ、黒米など) ● 牛乳 ● 全粒粉を使った食品 食事メニューを見直す 糖尿病の予防には、適切なエネルギー摂取量の範囲内で、栄養バランスの良い食事を取ることが効果的です。エネルギー源となる三つの栄養素(糖質、脂質、タンパク質)の標準的なバランスは「糖質60%、脂質25%、タンパク質15%」とされていますが、血糖値が高く血糖コントロールが必要な方は「糖質40%、脂質40%、タンパク質20%」の割合が適しています。 ただし、丼ものなどの一品料理は早食いにつながりやすいほか、栄養バランスも偏りがちです。「主食・主菜・副菜」を上手に組み合わせた食事を心がけるようにしてください。特に、野菜、キノコ類、海藻、食物繊維をしっかり食べることが大切です。 また、タンパク質も肉ばかりから取るのではなく、魚や豆類も取り入れてください。同じ食材を用いる場合でも、よりヘルシーな調理法を選択すると良いでしょう。茹でる・蒸すなどの調理法を選択すれば、炒めたり揚げたりする調理法とは異なり、油を使う必要がありません。 生活習慣の改善 糖尿病の改善には、食生活のみならず生活習慣全体の改善が求められます。いずれも健康的な生活における基本であり、糖尿病予防にも深い関わりがあります。生活習慣の改善の具体例として、以下の3つのポイントを紹介します。 ● 運動 ● 睡眠 ● ストレスをためない 糖尿病予防に効果的な運動 運動で血中のブドウ糖を消費することにより、血糖値を下げる効果が期待されます。また、筋肉を使うことでインスリンの働きを促し、さらに糖尿病発症の原因のひとつである肥満の解消にもつながります。有酸素運動をメインとした、ややきついと感じる強度の継続的な運動を実践しましょう。 以下、糖尿病予防に効果的な有酸素運動を紹介します。 <糖尿病予防に効果的な有酸素運動> ● ウォーキング ● ストレッチ ● 軽いジョギング ● サイクリング なお、運動が得意でない方や、忙しくて運動の時間が取れない方は、日常生活の中で体を動かす習慣を取り入れるとよいでしょう。日常生活でできる運動法には、以下のようなものがあります。 <日常生活でできる運動法> ● 1つ前の駅で降りて歩く ● 階段を使う ● 待ち時間にかかとの上げ下げを行う ● 体を動かすことを意識して家事をする これらの運動は、糖尿病の発症や悪化の抑制に適していますが、病状によっては運動を控えるべき場合もあるので注意してください。すでに糖尿病を発症している方、または糖尿病の疑いがある方は、医師に相談のうえで許可を得てから運動をスタートしてください。 睡眠をしっかりとる 高血圧や肥満との関係も知られる睡眠障害。不眠はインスリンの働きを悪くする原因になるといわれており、実際に京都大学と滋賀県長浜市の共同研究(ながはまコホート事業)にて、睡眠呼吸障害が糖尿病頻度の上昇と関連していることが認められています。中でも睡眠呼吸障害を持つ閉経前の女性は、特に注意しなければいけません。質のいい睡眠を取るポイントを理解しておきましょう。 <質のいい睡眠を取るポイント> ● 朝起きたときに朝日を浴びる ● すぐに朝食をとる ● 夕食は寝る3時間前に済ませる ● 40℃くらいのお湯にゆっくりつかる ● 体格に合った枕を選ぶ ストレスをためないようにする 血糖値上昇作用を持つホルモンは複数存在しており、ストレスを受けることでこれらのホルモンが分泌されます。具体的には、アドレナリンや甲状腺ホルモン、グルカゴン、コルチゾールなどのホルモンには、血糖値を上昇させる働きがあるのです。 さらに、ストレスに起因する飲酒や過食は肥満を誘発し、糖尿病発症の原因となります。肥満ではなくても、ストレスによって糖尿病発症率が上昇するとの報告もあるため、日ごろからストレスをためないような生活を意識することが重要です。 <効果的なストレス対策法> ● 環境を変える ● 運動をする ● 休養をとる ● 楽しめる趣味や娯楽をもつ ● 腹式呼吸をする ● 1人では無理と感じたら人に相談する まとめ 糖尿病の原因は、遺伝的(体質的)要因のほか、運動不足や過食といった環境要因(生活習慣上の要因)、さらには妊娠など多岐に渡ります。なかでも、糖尿病の原因への対策・予防として、生活習慣上の要因は見逃せません。 食習慣・生活習慣の見直しは不可欠となるでしょう。食事メニューや食べ方、運動の方法などの要点を押さえ、早期に実践し健康的な生活を送りましょう。
2019.05.08 -
- 糖尿病
糖尿病による足の症状とは|神経障害などの合併症やセルフチェックについて紹介 糖尿病は初期段階ではほとんど自覚症状がありません。そのため、糖尿病を発症していることに気付かないうちに病気が進行してしまうことが多くあります。糖尿病は進行するとさまざまな合併症を引き起こすことがあります。 この記事では、合併症のなかでも足に現れる症状について説明し、日常のチェック方法や改善法について紹介します。 糖尿病の合併症による足の症状 こちらも併せてご参照ください 糖尿病が進行すると合併症を引き起こしやすい病気です。特に以下の3つは3大合併症と呼ばれています。 ●糖尿病腎症 ●糖尿病網膜症 ●糖尿病神経障害 糖尿病腎症は糖尿病が原因で腎臓が機能しなくなる病気で、進行すると人工透析が必要になることがあります。糖尿病網膜症は糖尿病が原因で網膜という目の組織が障害を受ける病気で、場合によっては失明する恐れがあります。 糖尿病神経障害は3大合併症のなかで最も発症頻度が高いとされています。 糖尿病がなぜ神経障害を引き起こすのかはまだ完全には解明されていませんが、一説には、ソルビトールが蓄積することが原因といわれています。 血糖値が高い状態が続くと細胞のなかにソルビトールが増えます。ソルビトールが細胞内に増えると、浸透圧が上昇したり、情報伝達物質の取り込みを阻害するため、さまざまな障害が起こることが原因と考えられています。 一方、高血糖状態が続くと毛細血管の血流が低下するため、神経細胞に酸素と栄養が届きにくくなり神経が障害されることも原因ではないかといわれています。糖尿病神経障害は足から症状が現れる傾向がありますが、糖尿病腎症の場合も足に異変が見られることがあります。 糖尿病の合併症のうち、比較的早い段階で見られる足の症状としてしびれ、むくみ、だるさなどがあります。以下で詳しく見ていきましょう。 ①しびれ 足のしびれは糖尿病神経障害の初期症状として知られています。また、しびれと一緒に痛みを伴うこともあります。糖尿病患者の方によっては「ぴりぴり」や「じんじん」といった言葉でしびれを説明することがあります。 初期は足だけですが、進行すると手の指にも症状が出ることもあります。どちらも靴下と手袋で隠れるような部分に症状が出ます。ただ、しびれや痛みなどの自覚症状が出る人は15%ほどにすぎないともいわれています。 しびれや痛みを放置すると、神経の働きが低下して感覚が鈍くなります。なかには、足に切り傷を負っても気がつかないということもあります。 ②むくみ むくみとは、体内に余分な水分や老廃物が貯まった状態のことです。腎臓には毛細血管でできた糸球体というものがあります。通常、この糸球体によって血液中の老廃物が濾過され、尿が作られます。 しかし、糖尿病腎症を発症すると高血糖によって毛細血管が傷つくため、腎臓の機能が低下します。腎臓の機能が低下すると体内に水分が溜まりやすくなるため、むくみが現れるようになります。 ただし、糖尿病腎症でむくみが現れるころにはかなり症状が進行してしまっている状態ですので、早急に治療が必要になります。 ③だるさ 糖尿病では全身にだるさが現れることがあります。だるさとは倦怠感や疲労感のことで、体重減少やエネルギー不足によって起こります。寝ても疲れが取れない、倦怠感が続くといった場合は医師に相談しましょう。 足の症状をセルフチェック 糖尿病ではさまざまな症状が足に現れます。 日本糖尿病対策推進会議では以下のような「糖尿病患者さんの足のチェックシート」を作成しています。 引用元:糖尿病患者さん足チェックシート 足の症状が進行すると、次のような過程を経て切断にいたることがあります。 ①神経障害が進んで痛みを感じなくなり、傷を負っても気付かなくなる ②傷を放置してしまう ③高血糖のため感染症にかかりやすい(放置している傷から感染する) ④血管障害により傷も感染症も治りにくい ⑤傷や感染症によって化膿や潰瘍を生じ、その結果細胞が壊死してしまう ⑥壊死した部分を切除する ⑦足の切断にいたる 感染症を防ぐためには、足を清潔にしておくことや、常に靴下を履くこと、自分の足のサイズにあった靴を選ぶことが大切です。 足を清潔にしておけば感染症の予防になります。また、靴下は足を保護し、水虫の予防になります。足のサイズにあわない靴を履くと靴擦れを起こしやすく、感染症を誘発します。必ず自分の足のサイズにあった靴を選ぶことが大切です。 糖尿病患者の方や予備軍の方は、ここで紹介したチェックシートなどを利用し、足にケガや異変がないか毎日チェックするようにしましょう 足の症状の改善方法 糖尿病の進行を食い止め、足の切断を回避するには、足の異変を放置せず早い段階で対応を取ることが大切です。糖尿病による足の症状を改善するには、まず血糖値コントロールによる糖尿病治療が必要です。 通常、血糖値コントロールは食事療法と運動療法を併せて行うのが基本ですが、すでに足に異変がある場合は医師に相談してから運動療法を行うことが重要です。 食事療法や運動療法だけでは効果が見られない場合は飲み薬やインスリン療法が必要になることもあります。また、場合によっては痛みを和らげるための薬を処方してもらうこともあります。 まとめ 糖尿病による足の症状について解説しました。糖尿病の進行を食い止め、足の切断を回避するには、食事療法や運動療法などで血糖値をコントロールし、日ごろから自分の足をチェックして異変を見逃さないようにすることです。「おかしいな」と思ったら自己判断はせず、医師に相談しましょう。
2019.05.08 -
- インピンジメント症候群
- 肩
インピンジメント症候群、手遅れで手術になる前にできる治療方法 インピンジメント症候群は、進行すると痛みの他にこわばりや筋力の低下といった症状が出ることがあります。そして、重症化すると手術による治療となる場合も少なくありませんが、初期の段階では手術をしなくても治ることがあります。今回は、インピンジメント症候群の治し方について紹介します。 インピンジメント症候群と保存療法 インピンジメント症候群は、初期のうちならリハビリと注射の保存療法で治ることが多いです。以下に保存療法で行われる治療についてまとめました。 安静にする 今まで症状がなかった場合、初期だと考えられますので、まずは安静にしましょう。 痛みが起こったら、炎症が治まるまで無理せず安静にします。とにかく痛みを感じる動作を避けることがポイントです。安静にしていることで肩関節の炎症が治まり、症状が軽くなります。また、処置として患部を冷やしたり、圧迫したりすることもあります。 リハビリ 痛みや引っかかりなどの症状が慢性化している場合に有効な治療法です。慢性化しているのは、肩の動きに問題があることが多く、肩をスムーズに動かせるようにすることが根本的な解決になります。そのため、処置ではなくリハビリが効果的なのです。 リハビリの方法としては、弱い筋肉と硬い筋肉のバランスを整えることと、動作学習があります。動作学習は、正しい動きを体に覚えさせることを目的としています。 注射 注射は、肩関節の炎症を鎮めることを目的としています。 肩関節に副腎皮質ステロイドやヒアルロン酸を注射し、痛みを軽減します。 インピンジメント症候群と手術療法 リハビリや注射でインピンジメント症候群の痛みや炎症が治まらない時、治し方としては手術を検討します。 インピンジメント症候群治療としての手術は、内視鏡を用いた「鏡視下肩峰下除圧術(きょうしかけんぽうかじょあつじゅつ)」です。この手術は、手術の傷が小さい、回復が早い、社会復帰も早いといったメリットが多いという特徴があります。 手術療法になる基準 保存療法から手術療法に切り替わるのは、基準があります。 それは3ヶ月~6ヶ月以上リハビリや注射を行っても、症状が改善しなかった場合です。手術で痛みの原因を取り除くことで、症状の軽減が期待出来ます。 まとめ・インピンジメント症候群、手遅れで手術になる前にできる治療方法 インピンジメント症候群の治し方は、症状の出方や段階によって変わります。突然痛みが出たら処置、慢性的な痛みならリハビリと注射、痛みが長引くなら手術といった治し方になります。なるべく早い段階で気付いて早期に治療をすることが望ましいので、違和感や痛みを見逃さないようにしましょう。 監修:リペアセルクリニック大阪院 こちらもご参照ください
2019.05.08 -
- インピンジメント症候群
- 肩
インピンジメント症候群は野球選手がなりやすい!? インピンジメント症候群は、スポーツ選手の中でも特に野球選手に多い疾患です。プロ野球選手なら良いということでは決してありませんが、私は高校野球のピッチャーが投げ続けている姿を見ると、大丈夫かな、大丈夫かな…肩を壊さないでよー!と心配になります。今回は、野球選手がインピンジメント症候群になってしまったとき…その後どうなる?ということについてまとめました。 野球選手に多いインピンジメント症候群 インピンジメント症候群が野球選手に多いのは、肩を酷使することが原因の1つとして挙げられています。野球でボールを投げたり、飛んできたボールを打ったりする時、腕と肩には負荷がかかっています。 野球は試合の時間も長く、同じ選手がずっとボールを投げ続けることも少なくありませんから、そういった負荷が発症の原因に。そのため、ピッチャーなど、ずっとボールを投げるポジションにいる人はインピンジメント症候群になりやすいのです。 インピンジメント症候群からの復帰 野球選手はインピンジメント症候群になりやすいのは事実ですが、「この病気にかかったから選手生命が絶たれる」というわけではありません。 インピンジメント症候群は、原因をきちんと確認し正しく対処すれば十分改善可能なのです。実際、多くの野球選手がこの病気から復帰しています。初期のうちに見つけることが望ましいですが、手術をした後でも復帰することは出来ます。 復帰後にポジション変更する場合もある ただし、インピンジメント症候群にかかった野球選手は、治療によって復帰も可能ですが、以前と同じポジションではいられないこともあります。治ったと言っても、あまり無理なことは出来ません。 インピンジメント症候群の原因を突き止めるには インピンジメント症候群の原因を突き止めるには、動作分析が欠かせません。動作分析とは、痛みが出る動きや筋肉のバランスを分析することです。 野球選手の場合、ほとんどがボールを投げようとした時になるかと思います。その痛みを感じる時の動きと姿勢を分析して、体のどこに問題があるのかを明らかにして行きます。 インピンジメント症候群は、姿勢や体幹に問題がある場合も少なくないです。姿勢が悪いと筋肉のバランスにも影響が出ます。筋肉のバランスが偏ると動きにも癖が出やすくなり、肘や肩の痛みが起きることがあります。痛む部分を庇うことで不自然な動きになり、インピンジメント症候群を発症しやすくなるのです。 まとめ・インピンジメント症候群は野球選手がなりやすい!? 野球は肩に負荷がかかるのでインピンジメント症候群のリスクが高いスポーツです。野球選手が発症することが多いですが、でも、発症したからと言って野球が出来なくなるわけではありません。初期ならリハビリと注射、進行したら内視鏡を使った手術など、治療によって復帰も可能だといわれています。野球で痛みを感じたら、まず安静にし、早めに専門医の診断を受けるようにしてください。 監修:リペアセルクリニック こちらも併せてご参照ください
2019.05.08 -
- インピンジメント症候群
- 肩
インピンジメント症候群と手術について インピンジメント症候群はスポーツ選手など、肩をよく使う人に発症することが多い病気です。症状としては動作を行う際の痛みや引っかかり、夜間痛などが挙げられ、症状が強くなれば手術が必要になります。 こちらでは、インピンジメント症候群の手術について解説します。 インピンジメント症候群とは インピンジメント症候群の「インピンジメント」とは、「衝突」「挟む」といった意味になります。野球選手やバレーボール選手などの肩を使うスポーツで起こりやすいことが特徴です。 スポーツ以外でも症状が出る可能性はあります。日常生活で肩を使いすぎていても、インピンジメント症候群になることは十分あるのです。 インピンジメント症候群で手術が必要な場合 インピンジメント症候群は、初期のうちならリハビリや注射で治療可能です。リハビリでは肩の動かし方や姿勢の改善、注射ではステロイドやヒアルロン酸による炎症の抑制を目的としています。 しかし、リハビリや痛み止めの注射が効かなかった場合は、手術による治療となります。具体的には、リハビリと注射による保存療法を約3ヶ月~6ヶ月間行って効果がなかった場合に、手術治療に切り替えることが多いです。 インピンジメント症候群の手術方法 インピンジメント症候群の手術としては、「鏡視下肩峰下除圧術(きょうしかけんぽうかじょあつじゅつ)」が一般的です。痛みや炎症の原因となる部分を取り除くことから、「クリーニング手術」とも言います。 手術の特徴 内視鏡を使用し、全身麻酔で大体30分の手術になります。内視鏡を入れるための孔は1㎝程度で数は3~4箇所。手術の傷も小さく、術後の回復も早いことが特徴です。 特にスポーツ選手であれば、術後の回復が早いことは大きなメリットになりますよね。リハビリも早くから始められるため、早期退院も可能となります。 インピンジメント症候群を発症した野球選手は、この手術を受けると復帰率が高くなるとも言われています。 まとめ・インピンジメント症候群と手術について インピンジメント症候群は、初期のうちならリハビリや注射で治すことが出来ます。必ず手術が必要になるわけではありません。もし手術が必要になっても、内視鏡を使った手術のため、傷も小さく済みますし、術後の回復も早いです。 ですから、あまり不安になることはないでしょう。ただ、早期に発見出来た方が良いことは確かです。違和感を感じたら、早めに整形外科を受診しましょう。 監修:リペアセルクリニック大阪院 ▼こちらも併せてご参照ください
2019.05.08 -
- インピンジメント症候群
- 肩
肩峰下インピンジメント症候群は安静だけで改善しない!リハビリは欠かせない インピンジメント症候群の治療方法には、リハビリが欠かせません。特に慢性化したインピンジメント症候群の場合、ただ安静にしているだけでは症状が改善しないことが多いです。 そこで今回は、保存療法としてのリハビリの目的とその効果、術後のリハビリ開始時期についてご紹介します。 インピンジメント症候群の保存療法としてのリハビリ 保存療法としてのリハビリでは、動作分析と動作学習を行います。どちらもインピンジメント症候群を根本から改善するために必要なリハビリです。 動作分析 動作分析は、痛みを感じた時の動作を分析する作業です。どのタイミングで痛みを感じるかを明らかにしていくことが、痛みの改善に繋がります。 また、動作分析の中で姿勢の悪さに気付くことがあります。巻き肩や猫背といった姿勢の悪さによって、筋肉のバランスは崩れてしまいます。バランスの崩れた筋肉は弱いものと硬いものに分けられ、スムーズな動作が難しくなります。 このように、インピンジメント症候群は上半身だけの問題ではありません。下半身や体幹にも原因があるのです。 動作学習 動作学習は、正しい動きを体に覚えさせることを目的としています。 痛みは記憶と関連しているため、インピンジメント症候群で痛みのある部分を動かし続けた場合、痛みが治まってもつい痛みを避けるような動きになってしまうなど、動きに影響が出てしまいます。これは、その動きをして痛かったことを脳が記憶しているためだと言われています。 そのため、動作学習で正しい動き方を訓練する必要があるのです。 術後のリハビリ開始時期は? インピンジメント症候群は、術後にもリハビリを行います。 現在、インピンジメント症候群の手術法として主に行われている内視鏡による手術は、傷口が小さく回復が早いため、多くの患者さんが早期にリハビリに取りかかることが可能です。 患者さんの状態によっては、手術の翌日からリハビリを開始出来る場合もあります。 術後のリハビリ頻度と期間はどのくらい? 術後のリハビリ頻度ですが、最初は毎日行います。その後は1日置き、週に1回のように徐々に回数を減らしていく形になります。リハビリを行う期間は、大体3~4ヶ月です。 まとめ・肩峰下インピンジメント症候群は安静だけで改善しない!リハビリは欠かせない インピンジメント症候群には、普段の体の動かし方や姿勢も深く関わっています。動作分析や動作学習などのリハビリを行うことで、肩や腕に良くない動き方を見つけ、正しい動きを身に着けることが可能になります。 リハビリを行う際には、やり方を医師や理学療法士などの専門家に確認して、安全に正しく行うようにしましょう。 ご参考になれば幸いです。 監修:リペアセルクリニック大阪院 こちらも併せてご参照ください。
2019.05.08 -
- インピンジメント症候群
- 肩
大結節骨折がインピンジメント症候群の発症リスクを高めます インピンジメント症候群は、早期に発見出来ればリハビリや注射で治療出来ますが、肩や腕に骨折などの問題があった場合、治療が難しくなることがあります。今回は、大結節骨折とインピンジメント症候群の関係についてご紹介します。 大結節とは 大結節というのは、上腕骨の1番外側にある出っ張りのことで、肩のインナーマッスルである腱板(けんばん)がくっつく場所でもあります。大結節がインピンジメント症候群とも大きく関わっているのは、この腱板が付着しているからです。 大結節が骨折した時の状態 大結節が骨折すると、骨が2つに分かれます。片方はもともとの上腕骨が欠けた大きな骨で、もう片方は欠けて骨片となった骨です。そして、この骨片となった方に筋肉が付いていきます。 大結節骨折とインピンジメント症候群の関係 大結節骨折は、インピンジメント症候群を引き起こすきっかけとなることがあります。 大結節骨折により上腕骨の骨が分かれると、小さい骨折側に筋肉が付きます。そうなると腱板が骨片を引っ張る状態になります。腱板が引っ張ることで骨片はずれていってしまいます。大結節骨片がずれると肩の動きにも支障が出るため、インピンジメント症候群になりやすくなるのです。 また、大結節骨折の程度によってずれ方は異なります。5㎜以上のずれがある場合、インピンジメント症候群発症のリスクが高くなると言われています。 大結節骨折の治療 インピンジメント症候群を防ぐためには、まず大結節の骨折を治療する必要があります。大結節骨折治療では、安静にすることとリハビリで肩を動かすことが重要になります。 安静にする 肩の骨は他の部位よりも完全に固定するのが難しいです。ギプスをしっかり巻くと、他の部位の動きまで制限されてしまいます。そのため、極力安静にしている必要があります。 リハビリ 医師に肩を動かしても大丈夫と診断されたら、今度はリハビリを行います。 リハビリには肩の骨がずれない程度に動かすこと、硬くならないように適度に動かすことがポイントになります。運動の仕方やバランスを考え、無理のない範囲で積極的に動かすことが大切です。 まとめ・大結節骨折が、インピンジメント症候群の発症リスクを高めます 大結節骨折は程度によりますが、インピンジメント症候群を引き起こす原因となることがあります。そして大結節骨折によるインピンジメント症候群は、治療も困難になりがちです。それを防ぐためにも、大結節を骨折してしまったらしっかり治すことが大切です。 監修:リペアセルクリニック大阪院
2019.05.08 -
- インピンジメント症候群
- 肩
インピンジメント症候群の手術後の痛みと回復期間について インピンジメント症候群は、症状が慢性化すると痛みがなかなか治まらなくなるので、痛みを取り除く治療法として手術が必要になります。しかし、手術の後の痛みや、どれくらいで回復するのかといったことが不安な方も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、手術の方法や術後の痛みと回復、社会復帰の時期について紹介します。 インピンジメント症候群の手術方法と回復 慢性化したインピンジメント症候群は、手術による治療が必要です。現在は内視鏡を使った「鏡視下肩峰下除圧術(きょうけんかけんぽうかじょあつじゅつ)」が一般的で、関節内に内視鏡を入れて手術を行います。 具体的には炎症を起こしている滑液包(かつえきほう)の掃除をしたり、肩峰(けんぽう)に出来た骨の棘を切除したりします。痛みや炎症の原因となる部分を取り除くことから、「クリーニング手術」とも呼ばれています。 鏡視下肩峰下除圧術による傷 鏡視下肩峰下除圧術は、1㎝程度の孔を3~4箇所あけるだけです。全身麻酔30分程で行います。皮膚を大きく切開することはないため、手術の傷跡が目立たないことが特徴です。 手術後の回復 鏡視下肩峰下除圧術のために入院した場合、大体入院期間は9日~10日になります。この日数からしても、あまり回復に時間がかからないことが分かるかと思います。 鏡視下肩峰下除圧術は手術の傷が小さいため、回復も早くなります。そのためリハビリも早くから始められる人がたくさんいます。 手術後の痛み 滑液包や骨の棘といった炎症の原因を取り除いたため、手術後は痛みがほぼなくなるか軽減します。実際、インピンジメント症候群で手術を受けた多くのスポーツ選手が現役に復帰しています。 手術後に退院・社会復帰する時期 インピンジメント症候群で手術を行う場合、先ほどご紹介したように入院期間は9日~10日であることが多いです。そして、手術の傷が小さく回復が早いため、患者さんの体調が大丈夫であればリハビリを開始出来る時期も早まります。 リハビリが順調に進めば、早期退院・社会復帰も可能となります。 まとめ・インピンジメント症候群の手術後の痛みと回復期間について インピンジメント症候群は手術をすれば痛みの症状が治まります。スポーツ選手も手術によって現役復帰している人がたくさんいます。また、傷口が小さい手術は、比較的患者さんの体にかかる負担が少ないため、早い回復とリハビリの開始が期待できます。 とはいえ、初期のうちに発見し、手術による治療を必要とせず回復出来たほうが良いことには変わりません。症状が慢性化する前に医師の診察を受けるようにしましょう。 監修:リペアセルクリニック大阪院 ▼こちらも併せてご参照ください
2019.05.08 -
- インピンジメント症候群
- 肩
肩インピンジメント症候群が引き起こす症状とその注意点 インピンジメント症候群は、肩を酷使することで起こる病気です。 インピンジメント症候群の症状例は主に痛みで、進行すると肩を使った動作をしにくくなったり、安静にしている夜の間も痛みが出たりと、なかなか厄介なことで知られています。 そこで今回は、インピンジメント症候群の症状例について詳しく紹介します。 インピンジメント症候群の症状例 インピンジメント症候群の症状には、以下のようなものが挙げられます。 肩の痛み インピンジメント症候群の代表的な症状例としては、肩の痛みがあります。 インピンジメント症候群の人は、肩を上げていく時と上げた位置から元に戻す時、ある角度で痛みを感じます。初期のうちは、特定の動作をした時だけ痛む場合が多いです。 肩の引っかかり 肩を上げる際に引っかかりを感じることがあります。スムーズに動かすことが出来なくなり、ある角度からそれ以上腕が上がらなくなります。 肩を回すと音が鳴る 肩を回した時に「ポキポキ」した音が鳴ることがあります。これは肩が凝っている時にもなることがあると思いますが、この「ポキポキ」音の他に、先程ご紹介した肩の引っかかりや痛みを感じる場合は、インピンジメント症候群の可能性があります。 筋力の低下 インピンジメント症候群は痛みや引っかかりの他、筋力の低下を招くことがあります。 肩に痛みがあると、肩を動かすことは難しくなります。そのため、肩周辺の筋肉が減少し筋力低下に繋がりやすくなるためです。 夜間の痛み インピンジメント症候群は、進行すると動作をした時以外にも痛みを感じるようになります。安静にしている時や、夜間にも痛みが出始めます。 インピンジメント症候群で痛みを感じる理由 なぜインピンジメント症候群になると痛みを感じるのでしょうか。 それは、肩関節にある「滑液包(かつえきほう)」という部分で出血や浮腫といった炎症が起きているからです。 初期のうちは安静にすることでこの炎症が治まりますが、同じ動作を繰り返すなど、スポーツを続けていたり、仕事などでいつもの動作の繰り返しを続けることにより、炎症が反復します。 その結果、痛みや引っかかりなどの症状が慢性化します。 慢性化すると肩のインナーマッスルである「腱板(けんばん)」が断裂したり、肩の高い部分「肩峰(けんぽう)」の下に骨の棘が出来たりします。こうなると、痛みがなかなか取れなくなっていきます。 まとめ・肩インピンジメント症候群が引き起こす症状とその注意点 インピンジメント症候群の症状例をご紹介しました。 インピンジメント症候群は、慢性化するとリハビリや注射で治療するのは難しくなり、特に腱板の断裂が起こったり骨の棘が出来たりした場合は、手術での治療となることが多いです。 出来るだけ症状が軽い初期のうちに、違和感に気付いて早めに対処することが大切です。 ご参考になれば幸いです。 監修:リペアセルクリニック大阪院 インピンジメント症候群の詳しい説明は、こちらをご参照ください。
2019.05.08 -
- インピンジメント症候群
- 肩
インピンジメント症候群の発祥リスクが高いスポーツとは インピンジメント症候群は日常生活でもかかる疾患ですが、スポーツと密接な関係があります。特に野球のように腕や肩を使うスポーツは、インピンジメント症候群の発症リスクが高いとも言われていますが、他にもこの病気にかかりやすいスポーツがあります。 そこで今回は、インピンジメント症候群になりやすいスポーツを4つ紹介します。 インピンジメント症候群になりやすいスポーツ インピンジメント症候群になりやすいスポーツには、「野球」「バドミントン」「テニス」「バレーボール」などがあります。どれも腕を振り上げる動作が頻繁にあるスポーツです。 ここからは、この4つのスポーツの特徴と、インピンジメント症候群に関わりのある動作について書いていきます。 野球 野球は、特にインピンジメント症候群になりやすいスポーツといえます。 ポジションで言うと、ボールを投げるピッチャーに多い疾患。ボールを投げる時は腕や肩に力が入るので、腕や肘、肩を痛めやすいのです。痛めた箇所を庇うように動くことでより肩に負担がかかり、インピンジメント症候群を発症しやすくなります。 バドミントン バドミントンは、主にスマッシュをする際に痛みを感じる場合が多いです。 スマッシュはバドミントンで1番力が入る動作になります。バドミントンのシャトル自体は軽いものの、ゲームの最中はずっと同じ方の手でラケットを持って振りますよね。ですから、当然ラケットを持つ手や腕、肩に負担がかかるので、インピンジメント症候群になる可能性があります。 テニス テニスもバドミントン同様、ラケットを振るスポーツです。 バドミントンと違って、こちらは打つのもシャトルより重いボールです。また、テニスの場合はスマッシュだけではなく、サーブからすでに腕や肩に負担をかけやすい動きになります。また、テニスはラリーになると長い間ラケットを振り続けることになるため、インピンジメント症候群の原因になります。 バレーボール バレーボールは、ボールを手で打ちます。サーブやスパイクでは腕や肩を使いますから、インピンジメント症候群になりやすいスポーツといえます。 まとめ・インピンジメント症候群の発祥リスクが高いスポーツとは 肩から腕にかけた部分をたくさん動かすスポーツは、インピンジメント症候群になりやすいです。 運動している際に痛みを感じたら、安静にして痛みを感じる部分を冷やす、圧迫するなどの処置を行い、様子を見ましょう。もしも痛みが慢性化していたり、なかなか治らない場合は整形外科など専門医を受診してくださいね。 監修:リペアセルクリニック大阪院 ▼こちらも併せてご参照ください
2019.05.08 -
- インピンジメント症候群
- 肩
インピンジメント症候群と、その診断のためのテストについて インピンジメント症候群は、肩を動かす動作で痛みを感じる病気です。 肩を頻繁に使うスポーツ選手はもちろん、一般人でも発症することがあると言われています。しかし、肩の痛みがあったからと言って、すぐにインピンジメント症候群かどうかは分かりません。そこで今回は、インピンジメント症候群の診断方法に使う「テスト」について解説します。 インピンジメント症候群のテストとは インピンジメント症候群を診断するテストとしては、「Neer’sテスト」、「Hawkin’sテスト」、「有痛弧サイン」、「インピンジメント注入テスト」の4つがあります。 この4つのテストのやり方と特徴をまとめました。 Neer’sテスト Neer’sテストとは、肩関節を使うテストです。 まず、痛みのある方の肩を上から抑えてもらいますが、この時、動かないようにすることがポイントです。そして、肩を抑えてもらったまま腕を伸ばします。この時、肘をまっすぐにしてください。肘を伸ばしたまま小指を上にして、そのまま内側にひねって上げます。 この時に腕の付け根に痛みを感じたら、インピンジメント症候群の可能性があります。 Hawkin’sテスト Hawkin’sテストとは、肘関節を使うテストです。 まず、痛みのある方の腕を水平になるように上げます。この時腕がまっすぐになっていることを意識してください。腕を上げたら、その状態のまま肘を直角に曲げます。そして、曲げた手をひねりながら内側に倒します。 この時肩に痛みを感じたら、インピンジメント症候群の可能性があります。 また、このNeer’sテストとHawkin’sテストは1人でも行うことが出来ますが、通常は2人で行います。 有痛弧サイン 有痛弧サインは、肩関節の運動を調べるテストです。 肩関節を動かすことで、可動域と痛みが出る箇所を明らかにすることを目的としています。インピンジメント症候群の人は、大体関節の角度が80°~120°になると痛みを感じると言われています。 インピンジメント注入テスト インピンジメント注入テストとは、肩関節に注射をするテストです。 局所麻酔薬を肩峰下滑液包内に注入した後、肩の動作時痛など特有の症状が治まる場合、インピンジメント症候群を発症している可能性があります。 まとめ・インピンジメント症候群と、その診断のためのテストについて インピンジメント症候群は、病院でテストを受けることで自分が発症しているかどうかが分かります。肩の違和感や痛みに悩まされている方は、そのままにしておかず、きちんと専門医の検査を受けて、早期に治療を開始することが大切です。 監修:リペアセルクリニック大阪院
2019.05.08 -
- オスグッドシュラッター病
- ひざ
オスグッドシュラッター病と成長痛は全く違うので要注意! オスグッドシュラッター病は、成長痛と同じような時期に同じような症状が出る病気です。病気の中には、他の病気や症状と似ていて判別が難しいことがあり、風邪かな?と思っていても、病院で診てもらったら意外な病気であったというケースも珍しくありません。 オスグッドシュラッター病も、成長痛と間違えやすい病気です。しかし、放置すると後遺症が残ってしまいますから、医師の診察・診断・治療が必要です。 オスグッドシュラッター病はどんな病気? オスグッドシュラッター病は、太ももの筋肉が成長期に固くなることが原因で発症する病気で、膝に炎症と痛みの症状を引き起こします。成長とともに症状は落ち着きますが、場合によっては成長期後や成人後に症状が再発する可能性があります。 また、骨が急速に成長し、それに軟部組織の成長が追い付かない成長期に好発するという特徴があり、サッカーのようにダッシュやキックの動作の多い(他にもジャンプ動作も含まれる)スポーツに参加している子供に多く見られます。 成長痛ってどんな病気? 成長痛は、病気というよりも「症状」です。成長痛は、体が未発達な状態で活発に運動することによって負荷がかかり、痛みの症状を引き起こすという説がありますが、医療機関を受診しても具体的な原因が判明しません。 ですから、子供が痛みを訴えても具体的な原因が不明な場合に「成長痛」であると判断することがあります。この成長痛は、体の成長が運動量に十分追いつくことで症状が落ち着きます。 成長痛と勘違いすると治療が遅れる このように、オスグッドシュラッター病と成長痛は症状と好発時期の共通点があり、どちらかを発症した際にもう片方であると勘違いしてしまうケースも珍しくありません。 成長痛をオスグッドシュラッター病と間違えても医療機関で検査を受ければわかることなのですが、問題は逆のパターン、つまり「オスグッドシュラッター病を成長痛であると勘違いする」ケースです。 なぜ問題なのか…というと、オスグッドシュラッター病であった場合、治療が遅れるからです。また、オスグッドシュラッター病ではなかったとしても若年性のリウマチや白血病、感染症などの病気が原因で痛みが出ていることがあります。 病気であった場合は、早期に適切な治療を行う必要がありますが、「きっと成長痛だろう」と素人判断をしてしまうと、しかるべき検査を受ける機会を逸してしまうのです。 まとめ・オスグッドシュラッター病と成長痛は全く違う 成長期でスポーツを頻繁に行っているお子さんが膝の痛みを訴えたら、成長痛も疑われるのですが、そうではない病気である可能性もあるので、まずは整形外科を受診するようにしてください。 オスグッドシュラッター病であった場合、早期に治療を開始すること、適切なリハビリを行うことで、症状が改善でき、再発や後遺症のリスクを減らすことができます。 監修:リペアセルクリニック大阪院 ▼こちらも併せてご参照ください
2019.05.08 -
- オスグッドシュラッター病
- ひざ
成長期に発症したオスグッドシュラッター病が大人になって再発するケース オスグッドシュラッター病は、小学校高学年から中学生くらいの成長期のお子さんに発症しやすい病気ですが、成長期が終わると症状が落ち着き治っていくことが多いです。しかし、大人になって再びオスグッドシュラッター病が再発する人もいます。 どんな場合に再発しやすいのか、再発しないようにするためにはどのようにすればいいのかについてみていきましょう。 オスグッドシュラッター病の発症時期 オスグッドシュラッター病の発症期は、12歳前後の成長期に該当する期間です。この時期は骨の発達に対して軟部組織の発達が遅れることで太ももの筋肉が固くなり、剥離を起こすことで炎症と痛みの症状が現れます。 そして、成長期の終了とともに症状が回復し、早目に治療を開始することで影響は最小限に抑えられます。しかし、子供のころの症状と大人になってからの膝の使い方次第では、成人後、大人になってからオスグッドシュラッター病が再発する可能性があります。 オスグッドシュラッター病が大人になって再発するケースとは? 子供のころにオスグッドシュラッター病で痛んだ箇所が大人になってからも痛くなるというような、オスグッドシュラッター病の再発のことを「オスグッド(の)後遺症」といいます。 子どものころにオスグッドシュラッター病を発症したと診断されていない場合でも、実際には症状があらわれていたことで大人になってから初めてオスグッドシュラッター病の存在を知るというケースも珍しくありません。 大人になってからオスグッド後遺症が再発する理由 大人になってからオスグッド後遺症が再発する理由は、大きく分けて2つあります。 1つは、骨などに問題は無いものの、体の動かし方に問題があることによって発症するケースです。 もう1つは、数的には少ないのですが、器質的な問題であり、子供のころのオスグッドシュラッター病で発生した骨などの組織異常が大人になってから問題になるケースです。それが、成長期にかかったオスグッドシュラッター病の後遺症というべきものです。 オスグッド後遺症にならないためには? 大人になってからオスグッド後遺症を発症する原因は、膝に大きな負担をかけていることが大きな要因です。 オスグッド後遺症を発症しないようにするためには、オスグッドシュラッター病を発症し、完治した後も再発しないようにストレッチを行うなど、オスグッドシュラッター病の改善法を実施し続けることです。 オスグッドシュラッター病の治療において医師からストレッチなどについて指導されると思いますので、痛みが無くなった後もしっかりと継続してください。 どうしても痛みが改善されない場合には、器質的な要因が関係している可能性もありますし、手術が必要になるケースも少なくありませんので、医療機関を受診し、専門医に相談するようにしましょう。 まとめ・成長期に発症したオスグッドシュラッター病が大人になって再発するケース 大人になってからオスグッドシュラッター病が再発するケースは、数的には少ないとはいえ、珍しいことではありません。再発しないようにするためには、子供の頃の治療やリハビリがとても大切です。また、成長痛と勘違いしてしまいがちな病気ですが、痛みがあるときは放置せず、整形外科などを受診し、しっかり診断を受け、治療をすることが大切です。 監修:リペアセルクリニック大阪院 こちらも併せてご参照ください
2019.05.08 -
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オスグッドシュラッター病を改善するために必要なリハビリについて 病気の中には、しっかりと治して元の生活に近づけるための「リハビリ」を必要とするケースがあります。「オスグッドシュラッター病」でもそうなのですが、具体的にどのようなリハビリを必要とするのでしょうか? オスグッドシュラッター病ではどんなリハビリをするの? オスグッドシュラッター病ではどんなリハビリをするのかについてご紹介します。 十分な休養 まずは「十分な休養」を確保することが第一です。 特に部活動でスポーツに取り組んでいる場合、数か月はスポーツから離れる必要があるケースもあります。 オスグッドシュラッター病になってからも膝に負担をかけてしまうと、完治に時間がかかったり、後遺症を発症するリスクを抱えることになるからです。 柔軟性の改善 次に「柔軟性の改善」を行います。 オスグッドシュラッター病は成長期における軟部組織の成長の遅れによって筋肉が固くなってしまうことが大きな要因ですから、太もも前面の筋肉の柔軟性を確保することによって、症状を改善することに繋がります。 また、膝の動作を確保するために、足首や骨盤の柔軟性を確保することも必要になります。 筋力の確保 次は「筋力の確保」です。 太もも前面の筋肉が不均衡だと、膝の前面にかかるストレスが増大します。 また、太ももの筋肉の筋力不足も同様にストレスの原因となり、負担をかけてしまいますから太ももの筋力を向上させるためのトレーニングを行います。 このとき、必要に応じて電気刺激などの器具が用いられることもあります。 動作の改善 最後に「動作の改善」です。 重心が後方に移動することによって、太もも前面の筋肉や膝の前面に大きく負荷のかかる動作に変化してしまい、このままでは症状の再発を促してしまう可能性もあります。ですから、骨盤を前に倒した前方重心に導く動作をトレーニングします。 特に、部活動などでスポーツに取り組んでいる場合、再発や後遺症のリスクなどを考慮すると、このリハビリは重要な意味を持つことになります。 オスグッドシュラッター病は手術が必要なケースもある オスグッドシュラッター病は、症状の強さによって治療を行いながらスポーツを継続できるケースもありますし、長期間スポーツから離れなければならないケースもあります。 また、手術を必要とするケースもあります。 オスグッドシュラッター病の症状の程度にもよりますが、手術を行わなければ後遺症が残る可能性もある病気であることを、本人や家族が自覚することが必要です。 まとめ・オスグッドシュラッター病を改善するために必要なリハビリについて オスグッドシュラッター病を発症する時期は、成長期真っただ中であることが多く、同時にスポーツを頑張りたい!休みたくない!というお子さんの意思が強い時期でもあると思います。 ですが、早期に治療を行い、適切なリハビリを行うことによって症状が改善できます。放置すると手術が必要になることもあり、後遺症のリスクも高くなります。 お子さんが膝に痛みや違和感を感じたら、早目に医療機関で検査を受け、オスグッドシュラッター病の適切な治療・リハビリを受けるようにしてくださいね。 監修:リペアセルクリニック大阪院
2019.05.08 -
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オスグッドシュラッター病を成長痛だからと放置しないでください 成長期のお子さんの膝の痛みは「成長痛」として放置されることも多いのが実情です。ですが、オスグッドシュラッター病にかかっているのに放置すると、症状がどんどん悪化してしまう可能性がありますし、将来的に後遺症が残る可能性があります。 ですから、お子さんの様子をご覧になってオスグッドシュラッター病が疑われる場合、あるは医師にオスグッドシュラッター病と診断された場合は、放置してはいけません。医師の指示に従い完治すよう治療をすすめましょう。 オスグッドシュラッター病の痛みは放置されがち オスグッドシュラッター病は、成長期に伴う筋肉の固さから発症する膝の病気で、主な症状としては「痛み」が挙げられます。特に成長期にスポーツに取り組んでいるお子さんに多く見られるのですが、成長痛として放置されることも少なくありません。 成長痛とは、成長期に発生する「原因の明確ではない痛み」の症状のことをいいます。 成長痛は、子供という「動き回る年齢」であると同時に「骨や筋肉などの組織が未発達」であることによって痛みの症状が出るといわれています。オスグッドシュラッター病も「成長期に発症する」、「主症状が疼痛である」ということで、区別がつきにくく、「成長痛だろう、すぐに治まる、様子を見れば・・・」と判断し、医療機関を受診することなく放置してしまうケースが珍しくありません。 しかし、オスグッドシュラッター病と成長痛は、全く異なる症状です。 そして、成長痛とは異なり、オスグッドシュラッター病は放置すると大きなデメリットが発生しかねないことを知らねばなりません。 こちらも併せてご参照ください オスグッドシュラッター病を放置すると? オスグッドシュラッター病は、成長痛と同じように成長の終了(成長期の終わり)とともに痛みの症状は回復することがほとんどです。 しかし、症状が重い場合や十分なケアをしなかった場合には、骨や軟部組織の成長異常などを引き起こす可能性があります。その場合、成長期が終わった後でも膝に負荷をかけたことをきっかけに、痛みなどの症状がぶり返す可能性(オスグッド後遺症)という症状を発症する可能性があります。 また、後遺症にならないとしても、オスグッドシュラッター病が治るまでに時間がかかる場合もあり、特に部活動や習い事などで痛みを我慢して運動を続けると、悪影響を受ける期間が長くなってしまうので大きな問題となります。 ・後遺症:骨や軟骨に成長異常が起こる可能性がある まとめ・オスグッドシュラッター病を成長痛だからと放置しないでください オスグッドシュラッター病は、放置することで症状が長引いたり、成長異常などの後遺症が出る可能性があります。成長痛と同じような箇所が痛んだりすることもあるため、「成長痛だろう、心配ない…。様子をみよう」などと放置してしまいがちです。 しかし、後遺症が残ることもある非常にリスキーな病気であることをご理解いただき、お子様が足の痛みを訴えられた時は、早目に医療機関で診察を受け、その指示に従われることをお勧めします。 監修:リペアセルクリニック大阪院
2019.05.08 -
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オスグッドシュラッター病の予防、痛みの緩和にサポーターの有効性を解説 スポーツをしている子供たちの中には、特に痛みはないけれど「格好いいから!」とサポーターを付けている子もいるようですが、でも、そのサポーターがオスグッドシュラッター病の予防になったり、痛みの軽減に役立つことをご存知でしょうか。 ただし、サポーターを着けることでオスグッドシュラッター病を治療できたりするわけではないことに注意してください。 オスグッドシュラッター病とサポーター オスグッドシュラッター病の予防は、足への負担を軽減することが大切になります。また、既にオスグッドシュラッター病を発症した場合も足の負担を和らげる膝のサポーターを装着することで症状を緩和することができます。 オスグッドシュラッター病になると膝の痛みを覚えるお子さんが多く、日常生活やスポーツに大きな支障が出ますが、サポーターを装着することでその痛みを軽減させる可能性があるので、試してみる価値は十分にあるといえます。 ただし、サポーターを装着することがオスグッドシュラッター病を治すことを手助けするというわけではありません。あくまでも膝の負担を減らし、痛みなどの症状を緩和する目的で使用します。ですから、正しい付け方をすることが必須です。 医療機関を活用しよう サポーターは、付け方を誤ると症状を悪化させる可能性もあります。できるだけ医療機関を受診し、症状に合わせた装着方法や、サポーター選び、種類について助言を得るようにしてください。また、痛みがひどい場合は当然ですが医療機関で診てもらう必要があります。 注意頂きたいのは、サポーターを装着することによってオスグッドシュラッター病の痛みが緩和できてしまうと、つい無理をしてしまい、治りが悪くなったり、後遺症を発症しやすくなる可能性が出てきます。この病気は、発症年齢が低いため、周囲の大人が理解して対処してあげるべきでしょう。 オスグッドシュラッター病を発症した場合、サポーターの恩恵を過信せず、症状の緩和の意味が大きいということを念頭においてください。 サポーターの活用 ・予防に有効 ・発症後は痛みの緩和 ・治療にはならない ・できるだけ医療機関で症状に合わせた選定や、装着方法など助言を得る オスグッドシュラッター病対策にサポーターを使用した人の評価 オスグッドシュラッター病の対策としてサポーターを使用した場合の親御さんの感想についてまとめてみました。 ●装着してから痛みが軽減されている ●違和感が少なくて助かる ●使用することで大会に出られる ●オスグッド予防に安心して使っている ●オスグッド病の疑いがあるので購入してみた このような感想が挙がっています。痛みがあるけれどサポーターを使うと楽になるという人も多くいるようです。しかし、何度も言いますが、サポーターを付けたからと言ってオスグッドシュラッター病が治るというわけではないので、無理をしないようにしてくださいね。 オスグッドシュラッター病のサポーターの選び方 オスグッドシュラッター病のサポーターには、大きく分けて「膝を覆うタイプ」と「ベルト型タイプ」の2種類があります。 膝を覆うタイプの場合、安定感があり、ズレにくいので使いやすいです。ただし、きつく締めすぎるタイプの場合、膝の動きが制限されてしまうというデメリットがあります。 ベルト型のタイプの場合、膝の動きが制限されるデメリットは少ないです。着脱も容易であり手軽に使える一方で強く締めないとズレてしまうリスクが高くなりますが、そうなると血流を阻害する点が気になります。 適切なサポーターを選ぶためにも、まずは痛みがある場合は、整形外科を受診し、医師の診察を受けることをお勧めします。 サポーターの種類 ・膝を覆うタイプ:安定感があり反面膝の動きに制限がある ・ベルト型タイプ:着脱が容易だが、ずれやすい まとめ・オスグッドシュラッター病の予防、痛みの緩和にサポーターの有効性を解説 オスグッドシュラッター病の予防や症状の緩和に、サポーターが役立つことが分かりました。 しかし、無理は禁物!サポーターを使うのは良いことですが、将来的に、後遺症を残さないようにするためにも、痛みがオスグッドシュラッター病強いときには休む、整形外科を受診するということを忘れないようにしてください。 監修:リペアセルクリニック大阪院
2019.05.08 -
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オスグッドシュラッター病は、成長期後にオスグッド後遺症として大人になっても発症する 成長期にオスグッドシュラッター病になってしまったけれど、その後遺症ってあるの?と不安になるお子さん、心配になる親御さんは少なくないのではないでしょうか。そこで、オスグッドシュラッター病は後遺症が残る病気なのかどうかについてご紹介します。 オスグッドシュラッター病の好発時期と後遺症 オスグッドシュラッター病は、成長期にある子供に多く見られる病気です。特に、成長期の年代である小中学生で、バスケットボールやサッカーなどのスポーツを日ごろから行っている場合に発症リスクが高くなります。 成長期が終わると、オスグッドシュラッター病の発症リスクは大幅に低下します。また、発症したオスグッドシュラッター病についても、成長期が終わるにつれて症状が快方に向かいます。 しかし、重度のオスグッドシュラッター病の場合だと、後遺症を引き起こすリスクについて考慮する必要があります。オスグッドシュラッター病における骨や軟部組織の成長異常などを引き起こしている場合、成長が終わり大人の体格になった後でもスポーツなどで膝に大きな負荷をかけた際に痛みなどの症状が出る可能性があるのです。 いわゆる「オスグッド後遺症」と呼ばれる症状です。 また、子供のころにオスグッドシュラッター病であると診断されていなくても、大人になってからオスグッド後遺症であると診断されるケースも存在します。 オスグッド後遺症にならないために! オスグッド後遺症にならないためには、「オスグッドシュラッター病の予防」と「オスグッドシュラッター病を発症した後の十分なケア」が重要なポイントになります。 成長期という特殊な時期に甘えず、発症と悪化を予防することが後遺症の発症を予防することに繋がるのです。 具体的に何が有効なのかといえば、運動前後の十分なストレッチが有効であるとされています。 また、すでに症状が出ている場合には運動を控えること、運動する際には運動後のアイシングを必ず行うことが有効といわれています。 オスグッドシュラッター病による影響を最小限に抑えるために! オスグッドシュラッター病を発症した際に無理をしすぎてしまい、後遺症まで発症してしまうと、スポーツ選手生命に大きな障害をもたらすことになります。 特に部活動でスポーツをしている子供の場合、将来的に本格的にスポーツに取り組みたいと考えることもあるでしょう。その際の障害にならないようにするためには、オスグッドシュラッター病を発症した場合の早めの対処が重要です。 オスグッドシュラッター病を発症した場合、初期の段階で休養に入ることが早期復帰につながるといわれています。ですから、痛みが出た場合はなるべく早く専門医を受診すること、オスグッドシュラッター病であると診断された場合、本人がこの病気の怖さを十分に理解することが必要です。 まとめ・オスグッドシュラッター病は、成長期後にオスグッド後遺症として大人になっても発症する オスグッドシュラッター病は成長期を過ぎると、発症のリスクは低くなり、また症状がある場合も快方に向かいます。しかし、オスグッドシュラッター病が悪化してしまうと後遺症のリスクが高くなります。痛みがあっても休みたくない!という頑張り屋のお子さんは多いかと思いますが、休養とケアに取り組むことが結果的に本人のためになることを納得させることが大切です。 監修:リペアセルクリニック大阪院 あわせて読みたい関連記事はこちら
2019.05.08 -
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成長期に身長が伸びることで注意すべきオスグッドシュラッター病とは お子さんの成長は親にとって嬉しいものですよね。「息子が私の身長を越したの!」なんて嬉しそうに話しているお母さんをよく見かけます。ですが、成長するにしたがって発症しやすい病気もあります。 こちらでご紹介する「オスグッドシュラッター病」もその1つで、身長が急に伸びたお子さんにとって、リスキーな病気です。 身長が伸びるということ!? そもそも「身長が伸びる」とは、どういうことなのでしょうか。「背が伸びる」とか「背が高くなる」とも言いますが、なぜ人の身長は伸びるのでしょう。 それは、簡単に言うと「骨が成長する」からです。 複雑なメカニズムによって身長は伸びるのですが、オスグッドシュラッター病は、この骨の成長、つまり身長が伸びることと深いかかわりがあります。 身長が伸びることとオスグッドシュラッター病の関係について 前述の通り、背が伸びるということは骨が成長しているということです。 基本的に子どもは年齢とともに成長して背が伸びていきますが、常に一定の速度で身長が伸びているわけではありません。 特に、12歳前後の「成長期」には、一気に身長が伸びて大人の体格に近づいていきます。お子さんが成長する姿を見ることは喜ばしいことではあるのですが、同時にオスグッドシュラッター病の発症リスクについて考えなければならない時期でもあるのです。 オスグッドシュラッター病は、骨の成長に対して軟部組織の成長が遅れてしまうことが大きな原因となっています。これにより大腿四頭筋の柔軟性が一時的に低下してしまい、この状態でダッシュやジャンプなど脛骨結節部が強くひっぱられる動きを多く行うと炎症を起こし、痛みなどの症状がおこります。 オスグッドシュラッター病は成長期の一過性の疾患 オスグッドシュラッター病はどの年代でも同様の発症リスクを持つ病気かといえば、そうではありません。オスグッドシュラッター病は成長期にあるお子さん、特にスポーツ(特にダッシュやジャンプの多い競技)をする機会の多い男子に多く見られる病気です。 成長期が過ぎて軟部組織の成長も追いついてくると、オスグッドシュラッター病の発症リスクは大きく低下します。ですから、身長が急に伸びた頃に注意をしておけば、オスグッドシュラッター病の発症リスクは大幅に低下させることができるのです。 まとめ・成長期に身長が伸びることで注意すべきオスグッドシュラッター病とは 成長期に差し掛かると、特にスポーツを行っているお子さんはオスグッドシュラッター病の危険が高くなります。しかし、成長期を超えると、発症のリスクはグンと低くなります。少し運動を控えめにする、マッサージをする、痛みのある時は休むというような対処法でうまく乗り切れると良いですね。痛みが強い場合は、整形外科医など専門医に相談してください。 監修:リペアセルクリニック大阪院 こちらも併せてご参照ください
2019.05.08