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テニス肘とゴルフ肘は痛む部位が違います!効果的なリハビリと治し方 テニス肘(テニスエルボー)は、肘の外側、ゴルフ肘(ゴルフエルボー)は、肘の内側が痛くなる症状です。どちらもそのスポーツの初心者の方に多いという特徴があります。 症状の違い ・テニス肘:肘の「外側」が痛む ・ゴルフ肘:肘の「内側」が痛む また、スポーツ活動だけでなく、日常生活の中で肘や前腕の筋肉に軽微な外力による負担を蓄積することでも同じような症状が出てきます。今回は、テニス肘や、ゴルフ肘の違いと、リハビリなど、その治し方についてご紹介していきます。 テニス肘(テニスエルボー)とは テニス肘は、正式名称を外側上顆炎と呼びます。上腕骨の遠位部にある外側上顆で炎症が起きてしまう病態です。外側上顆は肘の外側にある、出っ張っている骨なので、体表からも容易に触診することが出来ます。 発生機序としては、テニスのバックハンドなど、手首や指を反らすような動きを繰り返すことによって起こります。外側上顆には前腕の伸筋群が起始している部分なので、伸ばす、反るといった動作がもっとも影響を与えやすいのです。 また、テニスのプレーだけでなく、日常生活動作の積み重ねでもテニス肘を起こします。例えば手のひらをしたにした状態でお鍋の柄を掴んだり、洗濯物を洗濯機の中から取り出したりする動作などで負担がかかります。 一回一回の動作によるダメージはそれほど大きくなくても、疲労が少しずつ蓄積することでテニス肘を発症するのです。外側上顆炎をテニス肘と呼ぶことが多いので、テニスを全くプレーしていない方でもテニス肘になるのです。 テニス肘になると、フライパンが持てない、ペットボトルの蓋が回せないなど日常生活動作でも支障が出てきます。 ゴルフ肘(ゴルフエルボー)とは ゴルフ肘は、内側上顆炎という病態のことを指します。外側上顆同様に、上腕骨の遠位端部に位置しています。内側上顆も骨の形状が出っ張っているので、体表から触診することが簡単にできます。 内側上顆には前腕の屈筋群が起始していて、手首や手指の屈曲や回旋運動に深く関与しています。ゴルフで地面を叩いてしまったり、体幹が上手く回転せずに手の力だけで打ったりするようなフォームを繰り返していると、前腕の屈筋群に余計な力が入ってゴルフ肘を発症します。 主に後ろになる手でゴルフ肘が発生しやすいので、右打ちの方は右肘、左打の方は左肘がゴルフ肘の症状が出やすいと言えます。ゴルフ肘も日常生活の中でかかる負担によっても同じ症状が出ることがあり、ゴルフのプレーだけが発生原因とは限りません。 重い物を何度も運ぶようなことを繰り返していれば、前腕の屈筋群に力が入ってダメージを蓄積してしまいます。ゴルフ肘になると、肘の屈曲や伸展、手首の屈曲、手指の屈曲といった動作で力が入ると肘の内側が痛くなります。 テニス肘やゴルフ肘の治し方(リハビリ) テニス肘やゴルフ肘を治すにはどのような対処法があるのかご紹介していきます。 1.ストレッチを行う テニス肘もゴルフ肘も、前腕の筋肉が緊張したり過度な負担がかかったりすることによって発生します。筋肉が硬くなっていることは間違いないので、前腕の筋肉をストレッチすることが有効です。 テニス肘の場合は特に前腕の伸筋群、ゴルフ肘の場合は特に前腕の屈筋群を入念にストレッチすることが重要です。肘を伸ばした状態で、手首を屈曲方向に他動的に曲げると前腕の伸筋群のストレッチが出来ます。 逆に、手首を伸展方向に他動的に曲げると前腕の屈筋群のストレッチが出来ます。どちらのストレッチも、肘の関節が伸びている状態で行うことがポイントです。 前腕の屈筋群も伸筋群も、肘関節と手関節をまたぐ筋肉なので、肘が伸びていないとストレッチ効果が半減するのです。 2.肘(筋肉)を温める 肘の筋肉を温めることで血流がよくなるので、緊張緩和に繋がります。テニス肘もゴルフ肘も、お風呂に入った後に少し症状が軽くなるというケースも多いです。 それは筋肉が温まったことで柔軟性を取り戻し、外側上顆や内側上顆にかかる負担を軽減できているということでもあります。テニス肘の場合は前腕の伸筋群を中心に、ゴルフ肘の場合は前腕の屈筋群を中心に温めます。 温め方としては、電子レンジなどで作る蒸しタオルをあてがう方法や、お風呂でしっかり温まるという単純な方法で十分です。冷やさないという対策も重要なので、長そでを着たり、上腕から前腕まで覆うことができるサポーターをしたりするのも良いでしょう。 ホッカイロを活用するのも有効です。 3.温熱療法を受ける 前述の方法では、自宅などでできる筋肉の温め方をご紹介しました。それとは別に、整形外科や接骨院などで受けられる温熱療法も効果的です。 筋肉を温めるという点では全く同じですが、温熱治療器を使えば芯の部分からしっかり温めることが出来ます。赤外線治療器なら、体表よりもむしろ深部を温めることができるので、効率的です。 さらに、ホットパックという道具もあり、蒸しタオルなどと違って温度が徐々に下がることなく一定を保つことができるので、自宅で行うよりもよく温まります。 4,電気(低周波)治療を受ける 電気治療は、整形外科でも接骨院でもどちらでも可能です。保険適応になれば数百円と安い金額で受けることが出来ます。電気(低周波治療器)治療器にはいくつか種類があり、低周波治療器や干渉波治療器といったものがあります。 どちらもテニス肘やゴルフ肘の治療において、効果を発揮してくれます。電気刺激を送ることで、テニス肘やゴルフ肘の原因となっている前腕の伸筋群と屈筋群の血流を良くすることが出来ます。血流が良くなれば代謝が向上し、疲労物質も早く流れてくれます。 それによって筋肉の緊張も取れやすくなりますし、外側上顆や内側上顆の負担も軽減されます。しかし、稀に電気治療を受けた後に肘の痛みが悪化してしまうというケースもあります。 その場合、電気(低周波)の刺激が強すぎたということも考えられるので、電気を弱くして試してみてください。また貼り方が悪い場合もあります。それでも悪化するようなら、その他の温熱療法や手技療法で代替するべきです。 人間は強すぎる刺激に対しては、無意識のうちに筋肉を硬直させる防衛反応が働くので、電気が強すぎるとテニス肘やゴルフ肘の症状は悪化してしまうのです。 5.運動療法を受ける 肘関節の屈曲や伸展、手関節の屈曲や伸展、手指の屈曲や伸展、といった動作をスムーズに行えるようにするために、運動療法を受けるのも効果的です。 どれもテニス肘やゴルフ肘の発生リスクに関わる動作であり、動かし方が間違っているとすぐに再発もします。また、テニス肘やゴルフ肘の痛みが軽減してからは、筋力を強化することも重要です。 前腕の屈筋群と伸筋群、肘の屈曲動作に関わる筋肉を強化することで、テニス肘やゴルフ肘の再発予防にも繋がります。最初はあまり大きな負荷でやらなくても良いので、500mlのペットボトルを上げ下げする程度の運動が良いでしょう。 6.マッサージを受ける 前腕の屈筋群や伸筋群をマッサージしたり、上腕、肩甲骨周辺のマッサージをしたりすることが重要です。マッサージをすることによって筋肉の緊張を取り除き、内側上顆や外側上顆にかかる牽引力を軽減するのです。 なぜ上腕や肩甲骨周辺までマッサージが必要なのかというと、上肢帯の動きが悪いと自由上肢骨に大きな負担がかかるからです。肩甲骨の動きが悪ければ、肩を挙げるときに肘関節がそれを代償しようとします。 その結果前腕にも負担をかけ、テニス肘やゴルフ肘のリスクを高めるのです。しかし、マッサージをあまりにも強い力でやりすぎると、かえって自分の体を守ろうとして筋肉が硬くなることもあるので、マッサージが強ければ強いほど良いという勘違いは無くした方が良いでしょう。 7.整体を受ける テニス肘やゴルフ肘の治癒を早くするためには、全身のバランスも整えた方が良いです。背骨のゆがみや骨盤のゆがみがあるせいで、前腕に大きな負担をかけることがあるのです。 テニス肘やゴルフ肘の発生機序として、単に前腕の屈筋群や伸筋群の使い過ぎということがあるだけでなく、それらの筋肉に負担をかけざるを得ない体のバランスが隠れています。 例えば猫背やストレートネックなど、肩甲骨の動きが悪くなるような姿勢だと、上肢全体の動きが悪くなります。通常よりも前腕の屈筋群や伸筋群に大きな負担をかけるようになるので、テニス肘やゴルフ肘のリスクが高まるのです。 肘や前腕の治療を集中的に行っても痛みがなかなか軽減しない場合は、背骨のゆがみが関係していることも視野にいれましょう。むしろ、早期治癒と再発予防を両立していくことを考えるならば、初期段階から整体の施術を取り入れても良いでしょう。 テニス肘やゴルフ肘になりやすい人とは テニス肘やゴルフ肘は、リスクを高める特徴がいくつかあります。再発予防のためにも、ぜひ押さえておきましょう。 1.テニスやゴルフの初心者 初心者の場合、ラケットやクラブのスイング動作を、どうしても上肢の力に頼って行うことになります。長年経験している方や、そのスポーツが上手い方の場合は、体幹の力を上手く使って体全体を回転させて打ちにいけるのですが、それが出来ないうちは肘や手首に負担がかかります。結果的に外側上顆や内側上顆に付着する筋肉へと負担が集中するので、痛みを発症しやすいです。 2.肘以外に痛みを抱えている人 肩や腰など、前腕以外に痛みを抱えている人はテニス肘やゴルフ肘のリスクを高めてしまいます。テニスやゴルフに共通するのは回転動作ですが、腰に不安があると体の回転が甘くなります。 その分パワーを発揮するには上肢の筋力をより大きく発揮させなければなりません。その結果前腕に力が入り、テニス肘やゴルフ肘を発症しやすくなってしまうのです。 日常生活の中でも、肩に痛みがあれば腕が上がりにくくなります。それでも腕を上げて行わなければならない洗濯物を干す動作をすれば、前腕に余計な負担をかけることになります。 その積み重ねでテニス肘やゴルフ肘のような症状を発生させるのです。この場合、肘だけを治療しても改善に時間がかかります。肘以外の痛みの治療も並行して行う必要がありますね。 3.姿勢が悪い人 背骨のバランスが悪い人は、肩を中心とした上肢の筋肉に慢性的な負担をかけ続けます。猫背などのように、横から見た時に頭の位置が体幹からかなり前に出ている人は、首から背中にかけて日常的に負担をかけ続けています。 その結果肩甲骨の動きが悪くなり、肩の可動域が狭まり、肘から先にも疲労を溜めやすくなるのです。さらに、姿勢が悪い人は背骨のしなやかさが失われていることが多く、仰向けや横向きになったときに体が休まりません。 すると睡眠時の回復力が低下してしまうので、疲れが抜けにくく筋肉の疲労を蓄積してしまいます。そこからテニス肘やゴルフ肘の症状に繋がることがあるので、姿勢を改善しておくことは非常に重要な項目であると言えます。 まとめ・テニス肘とゴルフ肘は痛む部位が違います!効果的なリハビリと治し方 テニス肘やゴルフ肘は、そのスポーツを経験している人以外でも起きることがある症状です。肘の内側や外側で痛みが出るということ以外は、発生機序やリスクが同じなので、どちらの症状も同時に起こすことさえあります。 一回の外力で発生するというよりも、徐々に負担を蓄積して症状になるので、体の使い方など根本から改善しないとすぐに再発するでしょう。自分ひとりだけで解決しようとせず、専門医のアドバイスも聞いて早期治癒と再発予防に努めましょう。 監修:リペアセルクリニック大阪院 お近くに再生医療やスポーツ医療についての専門医がいない方へ リペアセルクリニックは、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に提出し受理された厚生労働大臣許可医療機関です。当院では来院前でも「お電話やメール相談」を受付けています。どうぞ事前にご相談ください。 メール相談・お問い合わせフォームはコチラ 肘や筋肉の痛みに関連する記事はこちら 肘・筋肉の痛みは?原因と対策は? 肘から下の痛みは背骨が原因か?前腕が痛む原因で考えられる疾患 肘をぶつけてからずっと痛みが治まらない時、考えられる原因は? 肘の外側が痛い場合の対処法は?外側上顆炎や神経痛の場合も 肩の痛み、肩の関節の痛みに関連する記事はこちら 肩の関節が痛い場合に有効な治し方と痛みの原因は? 腕に関連する記事はこちら 腕が上がらないのは病気のせい?考えられる症状は何 当院の治療についての考え方や再生医療についての内容もお読みください スポーツ外傷・障害の痛みに対する当院の治療 再生医療とは PRP(多血小板血漿)療法とは ご相談から治療までの流れ 再生医療による膝の治療に関連する記事はこちら 膝の症例 現役プロスポーツ選手 ひざの痛みにPRP治療
最終更新日:2023.10.11 -
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肘の痛みが治まらない!考えられる病気 肘をぶつけてから痛みが治まらない 肘の関節は、脂肪や筋肉で覆われているわけではないため、ぶつけると痛みを感じやすい部分です。 衝撃にもよりますが骨折などが起こっている場合もあります。小児の特徴的な骨折である「上腕骨顆上(じょうわんこつかじょう)骨折」や、中には肘の先端をぶつけることによっておこる「肘頭(ちゅうとう)骨折」などの可能性も考えられます。 これらの場合、骨折であれば固定が必要ですが、筋肉が痛みの原因である場合は運動療法などが有効となります。 骨折の場合 ・上腕骨顆上(じょうわんこつかじょう)骨折 ・肘頭(ちゅうとう)骨折 そこで今回は、「肘をぶつけて、曲げると痛い」「肘をぶつけてから ずっと痛い」といった場合、どのような症状が考えられるのかご紹介していきます。 痛みが出るのは、筋肉か骨に異常が出ているサイン 肘をぶつけて、曲げると痛い場合は、「筋肉に異常が出ているケース」も、「骨折など器質的な異常が出ているケース」もどちらも考えられます。 肘を曲げるための筋肉は、主に上腕二頭筋や上腕筋といった筋肉で、これらの筋肉に炎症や打撲があれば肘を曲げたときに痛みが出るでしょう。しかし、肘の伸展に作用する筋肉である、上腕三頭筋などに異常が起きている場合でも痛みが出ます。 肘を曲げることによって上腕三頭筋が強制的に伸張される形になるので、筋損傷があって緊張が強い場合には痛みが出るでしょう。骨で異常が出ている場合は、肘頭の骨折や上腕三頭筋付着部での炎症が考えられます。 肘頭は上腕三頭筋の停止部でもあるので、肘を曲げることで骨片が無理に引き離されます。それが痛みを発生させる原因になるのです。 肘を曲げると痛い!考えられる病態とは? 肘をぶつけて曲げると痛い場合、「筋肉が原因」なのか「骨が原因なのか」を見極める必要があります。発生機序や症状から、考えられる病態をご紹介していきます。 肘頭骨折 肘頭は尺骨の近位端部に位置する部位で、肘関節の大部分を構成しています。体表に近い部分まで骨が出ているので、ぶつけることで骨折が起こることは十分考えられます。 肘を曲げると痛いのはもちろん、場合によっては肘の動作がかなり制限されます。伸ばす動作も曲げる動作もどちらもできにくくなるので、生活に支障が出るでしょう。 もし肘をぶつけた後に肘頭部で強い痛みがある場合は、まず安静にして肘を動かさないようにしてから、整形外科を受診しましょう。 治療方法 肘頭の骨折では、保存療法と手術のどちらも考えられます。保存療法の場合はまず硬性材料によって1カ月以上の固定が必要です。ただ、肘頭骨折は固定が難しい骨折でもあり、偽関節を作りやすい部位でもあります。 固定には細心の注意を払い、安静を守ります。骨癒合した後は、少しずつ肘の可動域を広げていくための後療、罨法、手技療法などが有効です。運動療法なども少しずつ取り入れ、肘の可動域を最大にしていきます。 手術の場合はプレートなどで骨片を固定します。当然ですが、保存療法よりもしっかり骨片がくっつくので、早期にリハビリを開始できるというメリットがあります。 上腕骨顆上骨折 小児に多い骨折で、高齢者でも起こすことがあります。上腕骨の下端部の、内側上顆や外側上顆よりも近位部で折れてしまう骨折です。高いところから落ちて手をついたり、後ろ向きに転倒して手をついたりすることで発生します。 上腕骨顆上骨折を起こすと、明らかに変形を認め、運動がかなり制限されます。曲げようとすると激痛になるので、筋肉の損傷とは全く違う痛み方をするでしょう。 治療方法 上腕骨顆上骨折は多くの場合変形が大きく、手術を選択されることもあります。折れた骨片が深く入り込んで短縮してしまうことがあるので、牽引しながら治療することもあります。 手術をせずに保存療法で改善することも可能ですが、ギプスなどでしっかり固定されるのでしばらくは肘を使えなくなります。骨折が起きた時に神経や血管を圧迫したり、固定の仕方によって圧迫してしまったり、二次的な症状が起こることもあります。 小児の上腕骨顆上骨折では、変形したまま骨癒合することで内反肘という特徴的な後遺症を残すこともあります。 テニス肘(テニスエルボー) テニス肘は、特に肘の外側で痛みが起こる症状です。テニスのバックハンドの際に負担がかかる部分で、テニスプレーヤーが肘の外側で痛みを訴えることが多いことからテニス肘と呼ばれています。 外側上顆炎や肘外側の側副靭帯の損傷を、総称しているのです。肘をぶつけたことで痛みを発生しますが、その1回の外力によってテニス肘を発生させることは稀です。 よほど大きな外力で、肘関節に捻りが加わると側副靭帯の損傷を起こしますが、多くは軽微な外力を繰り返し受けることによってダメージが蓄積して起こります。 テニスなどのスポーツ競技はもちろん、パソコンなどのタイピングが多い方や、包丁をよく使う料理人などでもしばしば起こる症状で痛みが起こってから、肘に力が加わるとずっと痛いといった症状が起こります。 治療方法 基本は保存療法です。側副靭帯が損傷していない限りは、固定することはほとんどありません。手首の動きや手指の動きに関する筋肉が障害されていることが多いので、痛みのある動作をなるべく避けて安静にすることが第一です。 前腕の回内や回外、肘関節の屈曲や伸展で痛みが出ることもあるので、日常生活が少し制限される場合もあるでしょう。前腕の伸筋群にかかる負担や疲労を取り除くことが、早期治癒のカギです。マッサージやストレッチなど、自分でできるケアをしていくことも重要になります。 手のひらを下にした状態で、鍋などを持ち上げると激痛になることもあるので注意が必要です。 野球肘 肘の内側側副靭帯の損傷や、上腕骨内側上顆炎を野球肘と呼びます。小学生や中学生の年代で、繰り返し投球動作を繰り返すことによって肘の内側に過度な負担をかけ続けることで起こることが多いので、野球肘と呼ばれるのです。 肘の内側についている靭帯や軟骨、筋肉や腱が損傷している状態なので、肘を曲げるなどの動きでも痛みが出ます。炎症が起きている状態では、肘の内側をぶつけるとかなり痛いでしょう。 手首の屈曲や手指の屈曲など、前腕の屈筋群に負担をかけ続けると野球肘発生のリスクも高まります。 治療方法 骨自体に裂離骨折などが起きているケースは少なく、保存療法が主です。野球をやっている場合は投球の中止、安静が第一になります。上腕部の筋肉から、前腕の屈筋群にかかっている負担を減らしていくことが大切です。 肩甲骨の動きが悪いと代償動作として肘に負担がかかるので、再発の予防をするためには肩甲骨や背骨のゆがみから取り除いていかなければなりません。 関連記事はこちら つらい肘の痛みにPRP治療も効果的です 変形性肘関節症 男性に多い症状で、長年にわたって肘関節を酷使することによって肘で変形が起き、可動域制限や痛みを発生させる症状です。元スポーツ選手で起こるケースもありますし、重い物を持つなどの重労働を繰り返していた方では変形性肘関節症のリスクが高いです。 変形の仕方は骨棘ができることで、肘の関節面にある軟骨がすり減って、骨の部分が直接接触することで徐々に変形していきます。場合によっては肘の屈曲可動域が大幅に制限されるので、食事など日常生活に大きな支障をきたすケースもあります。 肘部管症候群と呼ばれる、尺骨神経を圧迫する症状が特徴的です。ロッキングを起こすこともあります。 治療方法 日常生活へどの程度支障が出ているかによって、手術か保存療法か判断されます。保存療法の場合は温熱療法や薬物療法、筋力トレーニングなどのリハビリを行います。手術の場合は、変形して出来た骨棘を取り除くことが行われます。 関節リウマチ 最初に手指など遠位部で炎症や痛みが起きることが多いですが、肘関節でも痛みを発生させることがあります。関節リウマチは発生の原因がはっきりしておらず、何が誘因になっているのか不明な点も多いです。 病態としては免疫の異常であり、本来であれば病原菌など侵害物に対して攻撃を行う免疫が、体の細胞に対して攻撃を行ってしまうという現象です。関節の組織を破壊してしまうため、肘で起きれば曲げるときに痛みが出ますし、変形を起こすこともあります。 治療方法 薬物療法や運動療法、罨法などが行われることが多いです。あまりに変形がひどく進んでしまっている場合には手術も選択肢に入り、変形によって血管や神経を圧迫してしまうことを防ぎます。人工関節の置換術が行われることもあります。 肘を曲げて痛いときにどうするべきか? 肘を曲げた時に痛みが出るような場合に、自分でできる対処法にはどのようなものがあるでしょうか。 整形外科を受診する 肘に関する症状を精査するなら、整形外科を受診してください。レントゲンやMRIを希望する場合は、大きな病院の中にある整形外科に行った方が確実です。骨折が疑われる場合はもちろん、明らかに変形が起きている場合も精査が必要です。 強く晴れている場合や、肘がほとんど曲がらない状態であれば骨折など、器質的な異常が隠れているかもしれません。 接骨院を受診する 肘を曲げて痛い原因が、筋肉の炎症や関節の動かし方にあるのであれば、接骨院や整骨院でも有効な治療を行うことが出来ます。整形外科で精査してもらい、骨折や病気でないことを確認してから接骨院や整骨院を受診すると確実です。 罨法、後療、電療、運動療法、手技療法など、様々なアプローチが出来ます。 整体を受ける 肘を曲げると痛いのが、肩甲骨の動きや背骨のゆがみによって起きているケースもあります。姿勢が悪く肩甲骨の動きも悪ければ、必然的に肘にも負担がかかります。 肘自体に問題があるというよりも、周りの機能によって二次的なダメージを溜めているパターンもあるのです。その場合、肘関節に電気治療を行ったり、肘の動きを良くするような手技療法を行ったりするだけでは改善できません。 肘にかかる根本的な負担を取り除くには、姿勢から改善する必要があるのです。 温める 捻挫や打撲でない場合や、痛みが出だしてから数日経過している場合、温めることが有効なセルフケアになります。基本的には温めた方が血流も良くなるので、損傷している組織の代謝も上がって回復力がアップします。 サポーターを付けて冷やさない工夫をしたり、お風呂でしっかり温まったりなど、簡単にできるケアで十分です。 安静にする 早く治そうと思ったら、安静にするのが一番です。リウマチなど、黙っていても症状が進行してしまう場合は別ですが、そうでない場合は肘を休めて筋肉疲労を回復させることで痛みが軽減する場合もあります。 再生医療を受ける スポーツによる障害や変形を伴った関節症など、肘に痛みが出る疾患は様々ですが、痛みを取るには自己の自然治癒力を高める事が重要です。温熱療法や手技療法など治療の仕方はいろいろありますが、そのどれもが自然治癒力を高めるための治療です。 その方法の一つに「再生医療」という治療があります。これは自身の血液や脂肪を用いて、「自然治癒力=再生する力」を高める方法です。 血液を用いた方法は「PRP(多血小板血漿)療法」といい、傷を修復させる血液成分を抽出して患部に注射します。PRP療法は、スポーツ選手がケガをした際、手術をせずに早期復帰を目指す治療法としても取り入れられています。 脂肪を用いた方法は、「脂肪由来幹細胞」による再生医療です。幹細胞とは臓器や皮膚、骨、筋肉、靭帯など様々な細胞に分化する能力があります。 自身の脂肪から幹細胞を培養し、それを体内に戻すことで自然治癒力が向上します。この治療法は患部に注射する方法だけでなく、点滴により全身に幹細胞を届けることも可能です。 肘をぶつけて痛みが発生しやすい箇所 肘をぶつけることが多いのは、肘の背面に位置している「尺骨の肘頭」という部分です。 後ろ向きに転倒したときや、肩関節の伸展動作によって打撲することが考えられます。肘頭は、筋肉や脂肪で覆われていることが少ないため、打撲症状や骨折が起こりやすい部位です。 また、上腕骨下端にある外側上顆や内側上顆もぶつけやすい部位です。 外側上顆も内側上顆も、骨が少し外側に出っ張っているため、皮膚の上からでも容易に触わることが出来るくらい体表に近くなっています。転倒などでもぶつけることが多々あります。 肘の痛みから全身が痛くなることもある 最初は肘を曲げると痛いだけだったのが、知らない間に肘をかばって生活するようになり、肩や背中に痛みを発生させることもあります。そこから全身の不調につながっていくことは十分考えらえるので、痛みを放置せずに早めに対処してください。 お近くに再生医療やスポーツ医療についての専門医がいない方へ リペアセルクリニックは、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に提出し受理された厚生労働大臣許可医療機関です。当院では来院前でも「メール相談」を受付けています。どうぞ事前にご相談ください。 以上、肘の痛みが治まらない!考えられる病気について記してまいりました。参考になれば幸いです。 >メール相談・お問い合わせフォームはコチラ 監修:リペアセルクリニック大阪院 肘や筋肉の痛みに関連する記事はこちら 肘・筋肉の痛みは?原因と対策は? テニス肘とゴルフ肘の正しい治し方となりやすい条件とは 肘の外側が痛い場合の対処法は?外側上顆炎や神経痛の場合も 肩の痛み、肩の関節の痛みに関連する記事はこちら 肩の関節が痛い場合に有効な治し方と痛みの原因は? 腕に関連する記事はこちら 腕が上がらないのは病気のせい?考えられる症状は何 当院の治療についての考え方や 再生医療についての内容もお読みください スポーツ外傷・障害の痛みに対する当院の治療 再生医療とは PRP(多血小板血漿)療法とは ご相談から治療までの流れ 再生医療による膝の治療に関連する記事はこちら 膝の症例 現役プロスポーツ選手 ひざの痛みにPRP治療
最終更新日:2023.10.09 -
- 足底腱膜炎
足の裏が痛いのは足底腱膜炎が原因か?その治療法や予防法を確認 長く歩いた次の日や、慣れない靴を履いたときなど、急に足の裏が痛くなることもありますよね。転倒や打撲でないにも関わらず、足の裏が地面に着くだけで痛い場合、いくつかの原因が考えられます。今回は、足の裏が痛い場合に疑うべき病態と、その治療方法や対処方法をご紹介していきます。 足の裏はアーチ構造になっている 足の裏は、いわゆる土踏まずと呼ばれるアーチ構造があります。足の裏側を踵(かかと)側からつま先に向かって作られる縦アーチと、母指球から小指球に向かって伸びる横アーチの二つの構造があり、もっと深くみていくと縦アーチは内側と外側で分かれています。これも含めると、全部で3種類のアーチ構造によって体を支えている仕組みです。 足が接地したときの衝撃吸収を担っている 足の裏のアーチ構造は、歩行時やジャンプの着地時など、足の裏から伝わる衝撃を吸収する役割を持っています。アーチが正常に作られていることによって、足の裏から背骨に直接衝撃が伝わるのを防いでいるのです。もしこのアーチ構造が何らかの原因で機能しなくなった場合、足を接地したときの衝撃が直接身体に伝わり、様々な不調をきたします。脛骨で起こる疲労骨折や、臀部が緊張することによって起こる坐骨神経痛、慢性的な腰痛、肩こり、股関節痛など様々な症状が考えられます。もし背骨付近で慢性的な症状があり、どんな治療法を試しても改善が見られない場合、アーチ構造を含め足部に問題があるのかもしれません。 足の裏のアーチは筋肉や腱によって出来ている 人間にとって非常に重要なこのアーチ構造ですが、足部の筋肉やその腱によって支えられています。これを足底腱膜と呼びます。主に足趾や足関節の屈筋群で、中には下腿部から走行してきている筋肉もあります。そのため、これらの筋肉が硬くなったり疲労が溜まったりすれば、アーチ構造を支える力が低下してしまいます。また、足関節や膝関節、足趾の関節の使い方が悪ければ、アーチ構造が破綻しやすくなります。足の裏のアーチが機能しなくなってくると、偏平足や浮指などの外見的な症状も現れてくるのです。 足の裏のアーチに問題が起きるのはなぜ? 幼少期に裸足で生活する機会が多い程、足の裏のアーチ構造が構成されやすいと言われています。近年では、室内でもスリッパを履くなど足の裏を直接地面に着ける機会が少なくなっているので、足の指でしっかり地面を掴まなくても歩けてしまうことが問題視されています。足の裏のアーチ構造を構成している筋肉を使わなくても生活が出来てしまうので、だんだんと筋力が低下し、偏平足や浮指になってしまうのです。また、骨盤の歪みや背骨の歪みによっても、足の裏にかかる負担は増えます。例えば骨盤の歪みによって股関節の可動域が狭くなると、歩行時にも膝関節や足関節が普段よりも大きな動きで股関節を代償しなければならなくなります。その状態が長期間続くと、足の裏が悲鳴をあげるのです。 足の裏が痛いときに考えられる症状 激しいスポーツ活動を繰り返しているわけでもなく、転倒した記憶もなく、激しく打ち付けたことも無いのに足の裏が痛いというとき、まず初めに考えられるのが足底腱膜炎です。足底腱膜炎の発生頻度は多いので、詳しく解説していきます。 足底腱膜炎とは 足の筋肉を使いすぎる、または上手く稼働出来ていないことによって足底腱膜で炎症を起こす病態です。足底腱膜は足の裏全体を覆う筋肉や腱で構成された膜のことで、足の裏のアーチ構造の大きな役割を担っています。足底腱膜炎であるということは、足関節を動かす筋肉、更には足の指を動かす内在筋といった細かい筋肉も含めて負担がかかっていることが考えられます。多くは一回の外力で足底腱膜炎を発症するというよりも、長く歩くことが続いたり、ハイヒールなど慣れない靴で長期間過ごしたりすることによって徐々に痛みが起こります。 足底腱膜炎の症状 足底腱膜炎の主な症状は足の裏の痛みで、歩行時や立ち上がる動作など、普段なら何でもない動作で痛みが発生します。足の裏を地面につけて少し荷重するだけでも痛いので、日常生活に大きな支障をきたします。安静時でも足の裏が痛むこともあり、少し触れるだけでも痛みが増悪するケースも稀ではありません。痛みをかばいながら行動することになるので、そこから身体全体のゆがみを生み、逆足の足底腱膜炎や膝痛、腰痛などに発展することもあります。足底腱膜炎を放置しておくと、足の裏のアーチによる衝撃吸収が機能していないので、疲労骨折になることもあります。中足骨や脛骨で起こることもあるので、足の裏の痛みだけでなく他の部位にも痛みが広がり出したら早急に治療が必要です。 足底腱膜炎の原因 足底腱膜炎のリスクが高いのは、元々偏平足の方や、外反母趾、浮指になっている方です。合わない靴など、日常生活で足趾や足関節が上手く使えていないことも足底腱膜炎の原因になります。また、女性の場合は男性よりも足底腱膜炎の発生リスクが高いと言えます。それは、妊娠が出来るという女性の特徴が関係していて、ホルモンの作用によって足の靭帯が男性に比べて緩みやすくなっています。そのため足底腱膜で支える足の裏のアーチ構造が崩れやすく、外反母趾や偏平足になりやすいのです。ある時期だけ歩く距離が異常に長くなったり、立っている時間が長いことが続いたりということも、足底腱膜炎を助長する一因です。 足底腱膜炎の治療 足底腱膜炎は保存療法が選択されます。炎症であるという特性上、患部を安静にすることが第一ではあります。しかし、足は通常生活をしていれば完全に安静にすることは難しく、治療が長期化しやすいという側面もあるので注意が必要です。 電気治療 低周波や干渉波など、電気治療が施されることが多いです。筋肉への負担を減らし、血流を良くして足底腱膜の弾力性を取り戻すことが狙いです。電気治療だけで足底腱膜炎を治癒させることは難しいですが、治癒までの期間を少しでも短くするためには有効な手段の一つです。 マッサージ 足底やふくらはぎなど、下腿部のマッサージで筋肉をほぐすことも有効です。要はダメージの蓄積によって起きている症状であり、簡単な言葉で言い換えれば足底腱膜炎は足の使い過ぎということです。足の裏を押すと痛いこともあるので、痛みがある部分は避けた方がいいでしょう。 ストレッチ 足の裏やふくらはぎのストレッチが、足底腱膜炎の改善や予防に効果的です。足の指を足の甲側に反らせるようにストレッチすると、足底腱膜がよく伸びます。筋肉の緊張を緩和することで足の裏の痛みが軽減するので、日ごろからストレッチを習慣にしておくと治癒した後の予防に繋がります。 整体 背骨のゆがみを矯正することや、骨盤のゆがみを正すことで足の使い方が改善され、結果的に足底腱膜炎の改善にも繋がります。むしろ、足の裏が痛いからといって足ばかりを治療するのではなく、体全体のバランスも一緒に整えた方が治りも早いのです。単純に、体のバランスが整えば重心が改善され、足の裏の負担も減ります。 足底腱膜炎の予防方法 足にあった靴を履く サイズが大きすぎる靴を履いていると、靴が脱げないように無意識のうちに力が入り、足底腱膜を構成している筋肉に余計な負担をかけることになります。それが足底腱膜炎を助長するので、日ごろから自分に合ったサイズの靴を履くことが効果的な予防になるのです。 足首を良く回しておく お風呂に入った後などに、足首を良く回すだけでも足底腱膜炎の予防に繋がります。足首の動きを良くしておくことで、足底腱膜を構成している筋肉の負担を減らせるのです。逆に足首が硬くなると、指を動かす筋肉などが普段よりも過剰な筋力発揮をしなければならず、足底腱膜炎のリスクを高めてしまいます。 骨盤の後傾を防ぐ 椅子に座っているときなどに、背中が丸くなって骨盤が後ろに傾くような姿勢を続けていると、足底腱膜炎のリスクを高めてしまいます。これには理由が二つあり、一つは、骨盤が後ろに傾くことで股関節の動きが悪くなり、歩行などの際に足首や足趾を動かす筋肉にかかる負担が増してしまうからです。もう一つは、骨盤の後傾と共に股関節前側の筋肉が硬くなり、下肢全体の血流が悪くなります。血流が悪くなれば筋肉も硬くなりやすく、また代謝も落ちるので筋肉に溜まった疲労が抜けにくくなります。その結果足底腱膜の筋肉に慢性的なダメージを蓄積してしまい、徐々に足底腱膜炎に移行していくことになるのです。 足底腱膜炎以外で考えられる足の裏の痛み 足の裏で痛みが起こるのは、100%足底腱膜炎というわけではありません。その他にも考えられる症状をご紹介していきます。 行軍骨折 疲労骨折の一つで、足の第二中足骨や第三中足骨で起こります。一回の大きな外力によって中足骨が折れてしまうわけではなく、激しいスポーツ活動の長期間の継続や、長距離ランニングの継続など、細かい負担が継続的にかかってダメージが蓄積した結果起こる骨折です。一番は足の甲で痛みが出ますが、接地時にも痛みが出るので足の裏の痛みとして感じられることもあります。 ジョーンズ骨折 第五中足骨の基底部で発生する疲労骨折のことで、再発しやすいという特徴があります。足の背面や側面の痛みと共に、足の裏側で痛みを感じることもあります。圧痛があるので、足をついたときにも痛みを発生します。スポーツ活動で起こることがほとんどなので、治りかけからスポーツ再開をして痛みを再発させるというケースも少なくありません。 足の裏の痛みが出たらどうすればいい? 足の裏の痛みは、多くの場合明確な原因がなく急に襲ってきます。もし朝起きた時に急に足の裏が痛かったらどうすればいいのか、対処法をご紹介していきます。 整形外科を受診する 足底腱膜炎なのか、骨自体で何か問題が起きているのか、精査できるのは整形外科です。レントゲンを撮ったり触診したりして、確定的な診断を出してもらいましょう。もし骨折など骨の異常であった場合は、固定や安静が必要です。足底腱膜炎だった場合は、リハビリなど長期的な計画で治療をしていく必要があるでしょう。 接骨院・整骨院の受診 骨折だった場合、骨が戻るまでは固定と安静しかありません。しかし、足底腱膜炎だった場合は接骨院や整骨院でも有効な治療ができます。もちろん、いきなり接骨院や整骨院に行って治療を開始するのでも良いです。しっかり骨に異常が無いことを確認したい場合は、まず整形外科に行ってから近くの通いやすい接骨院に行ってください。罨法や手技療法、運動療法など様々な角度から治療が行えるでしょう。必要があれば、テーピングなどもしてもらえます。 温める 足底腱膜炎である場合、体が温まることで足の裏の痛みが軽減することもあります。お風呂でしっかり温まることはもちろん、足湯をする、電子レンジで蒸しタオルを作って足の裏にあてるなども効果的です。 足の裏の痛みは全身に影響する 足の裏は体全体を支える重要な器官です。痛みをかばうことで、知らず知らずのうちに全身に悪影響を与えてしまいます。二次的な症状を起こさないためにも、早めに治療を開始してください。 お近くに再生医療やスポーツ医療についての専門医がいない方へ リペアセルクリニックは、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に提出し受理された厚生労働大臣許可医療機関です。当院では来院前でも「メール相談」を受付けています。どうぞ事前にご相談ください。 以上、足の裏が痛いのは足底腱膜炎が原因か?その治療法や予防法を確認について記しました。参考になれば幸いです。 メール相談・お問い合わせフォームはコチラ 監修:リペアセルクリニック 当院の治療についての考え方や再生医療についての内容もお読みください スポーツ外傷・障害の痛みに対する当院の治療 変形性股関節症に対する当院の治療 再生医療とは PRP(多血小板血漿)療法とは ご相談から治療までの流れ
最終更新日:2023.10.11 -
- テニス肘
- スポーツ医療
- 肘
肘の外側、何もしてないのに痛い!上腕骨外側上顆炎や神経痛かも ぶつけたり捻ったりしたわけでもないのに、急に肘の外側が痛くなる。実はこれ、珍しい症状ではありません。普段の生活の中で軽微な外力による負担が積み重なり、あるとき突然、肘の外側で痛みを発生させます。 今回は、肘を伸ばすときや曲げると肘の外側が痛いとき、何もしなくても痛いときに考えられる原因や対処法、治療法や予防法についてご紹介していきます。ぜひご参考にされてください。 肘の外側が痛い場合は「上腕骨外側上顆炎(がいそくじょうかえん)」を疑う 上腕外側上顆炎という肘の病気をご存じでしょうか?肘の外側が痛いときの原因として考えられることがよくあります。 上腕骨外側上顆炎(テニス肘、テニスエルボー)とは? 別名テニス肘、近年ではスマホ肘と呼ばれることもある病態です。これらは正式名称を「上腕骨外側上顆炎」と呼び、上腕骨にある外側上顆で炎症が起きているということを言います。 外側上顆で痛みが出ているわけですが、実際に根本的な原因になっているのは肘関節というよりも前腕の筋肉群です。具体的には手関節や手指の伸展動作に関わる筋肉で、前腕の伸筋群と呼ばれます。 前腕の伸筋群は、上腕骨の外側上顆から前腕を通過し、手関節の先まで走行しています。そのため、前腕の伸筋群を使いすぎるなどしてダメージを蓄積した場合、外側上顆にも負担がかかります。 ぶつけていないのに肘が痛くなるのはなぜ? 手関節や手指の動きを繰り返し行うことで、前腕伸筋群が伸張を繰り返し、その牽引力が外側上顆の一点にかかります。これが長時間、または長期間続くことで徐々に外側上顆で炎症を起こし、結果的に伸ばすと痛い、曲げる痛い、何もしなくても肘の外側が痛いという症状となって現れるのです。 前腕の筋肉を多用するテニスプレーヤーに多い症状でもあることから、テニス肘という名称がついています。近年でスマホ肘と呼ばれる理由は、テニスをしていない人でもよく起こる症状であることも由来しています。 スマホを長時間操作していると、スマホを支えるために前腕の筋肉が硬直し、外側上顆に負担をかけるのです。 肘関節の構成 肘の関節は、上腕骨と前腕の橈骨(とうこつ)、尺骨(しゃっこつ)の3つの骨で構成されています。 肘関節のなかでもさまざまな関節があり、肘関節をもっと詳しくみていくと3つの関節が1つの関節包の中に納まっています。 1,腕尺関節(わんしゃく‐かんせつ) その中の1つの腕尺関節は、関節の種類でいうと蝶番関節であり、屈曲と伸展の運動を行っています。 2,腕橈関節(わんとう‐かんせつ) もう1つが腕橈関節であり、小さい関節ではありますが球関節の構造をしています。肘の屈曲伸展、回旋運動に関わる関節です。 3,上橈尺関節(じょうとうしゃく‐かんせつ) 最後の1つが上橈尺関節で、前腕の骨である橈骨と尺骨の間で構成されている関節です。主に前腕の回外や回内運動を行っています。 肘関節を動かす最も大きな筋肉は上腕二頭筋で、肘関節の屈曲と前腕の回外の運動に関わっています。 上腕二頭筋は肩甲骨から上腕を通過して前腕まで走行しているため、肩関節の動きに異常がでることによって肘関節に影響が出る可能性もあります。 また、肘関節伸展に関わる主な筋肉は上腕三頭筋であり、これも肩甲骨から上腕を通過して前腕まで走行しています。やはり肩関節を超えて肘関節をコントロールする筋肉なので、肘関節の異常が肩関節の使い方によって影響されることもあり得ます。 上腕骨外側上顆炎の症状 上腕骨外側上顆炎は男女どちらでも当然起こり得る症状ではありますが、患者数でいうと30~50代、さらに女性の方が多い傾向にあります。筋力の弱さやホルモンバランスも関係しているようです。 外側上顆炎を発症すると、伸筋群が原因であるにも関わらず、手関節の伸展や手指の伸展以外の動作でも、肘の外側に痛みを発生させます。 肘を伸ばすときや曲げるとき、前腕の回外、安静時でも肘の外側が痛むという症状があり、日常生活ではドアノブを回すときやタオルを絞るとき、キーボードを打つときや物を持ち上げるときに痛むなど、普段の生活にも大きく影響を及ぼすこともあるのです。 ・肘を伸ばすと痛い ・肘を曲げると痛い ・前腕の回外時に痛い ・安静時でも肘の外側が痛む ・ドアノブを回すと痛い ・タオルを絞ると痛い ・キーボードを打つときに痛む ・物を持ち上げるときに痛む 打撲や捻挫のように、一度の外力で急に外側上顆炎になることよりも、日常生活の動作の中で少しずつ負担を蓄積して発症するケースが多いという特徴もあります。そのため、治癒させるためには治療が長期間に及ぶこともしばしばです。 上腕骨外側上顆炎の5つの治療方法 上腕骨外側上顆炎の治療を医療機関で行う場合、どのような方法がとられるのかを5つご紹介していきます。 1.電気治療 痛みがある肘の外側、前腕の筋肉を中心に低周波や干渉波の電気治療が行われることがあります。主な目的は前腕の筋肉で起きている緊張を取り除くことと、血流を良くすることです。 しかし、炎症であることと、筋肉の緊張による牽引力が原因で起きている症状であるという特徴から、電気治療をすることで稀に悪化するケースも見られます。 電気刺激が強すぎると、かえって自分の体を守ろうとする防衛本能が働き、逆に筋緊張を強めてしまうのです。そのような反応が見られた場合は電気刺激を弱めるか、別の保存療法を選択するべきです。 2.手技療法 前腕の筋肉をマッサージやストレッチでほぐすことが主な手技療法になります。上腕骨から指先まで走行している伸筋群もあるため、前腕だけでなく手指の動きを良くすることも重要です。 手指の動きが良くなれば、必然的に外側上顆の負担は減り、肘の外側の痛みが消えるのも早いです。そういった意味では、手の内在筋をマッサージやストレッチでほぐすということも、外側上顆炎の有効な治療と言えます。 3.温熱療法 外側上顆炎の患者の中には、お風呂に入った後には少し痛みが軽減するという方もいます。これは、温められることによって血流が良くなり、前腕伸筋群の緊張が和らいだことが考えられます。 赤外線などで外側上顆から前腕にかけて温熱療法を行い、その後に手技療法や運動療法を行うことで改善を早めることに繋げます。 4.運動療法 肘関節の正しい動かし方を身につける運動療法や、手関節、手指の関節の動きをスムーズにするための運動学習など、様々な運動療法が有効です。もちろん痛みの程度を見ながら、無理のない範囲で徐々に行うことが大切です。 その際、肩関節の動きを良くして可動域を広げることも外側上顆炎の治療では重要です。肩関節や肩甲骨の動きが肘関節を動かす筋肉の負担に繋がり、それが外側上顆炎に結び付くことが考えられるからです。 5.背骨の矯正 一見すると関係なさそうですが、外側上顆炎を改善するために背骨のゆがみ、さらには骨盤のゆがみを改善することは有効な手段です。姿勢が良くなることで肩甲骨や胸椎の正しい動き、スムーズな動きが獲得でき、肩関節の可動域が広がります。 肩関節の可動域が広がれば、肘関節にかかる負担も軽減することができ、結果的に手関節や手指の動きをスムーズに行うことができるのです。 外側上顆炎だからといって肘だけを集中的に治療するよりも、背骨のゆがみから改善していった方が早期に治癒が見込めます。その上、繰り返しの外力によって発生するという外側上顆炎の特性上、再発の予防にも繋がる治療なのです。 上腕骨外側上顆炎は再発する!その予防方法は? 上腕骨外側上顆炎は一度なってしまうと治癒まで比較的時間がかかる症状であり、一度良くなった後も再発するケースが多いのも特徴です。自分でできる改善方法、再発予防方法をご紹介していきます。 1.ストレッチ 前腕の特に伸筋群に疲労を溜めることで外側上顆炎のリスクが高まるので、前腕のストレッチをこまめに行うことが予防方法になります。外側上顆炎になった後はストレッチの動作でも痛みを感じることがあるので、痛みが軽減してから習慣にしてください。 やり方は簡単で、手関節の屈曲と伸展方向にゆっくりと伸ばすだけです。外側上顆炎の主な原因筋が伸筋群なので、手関節を屈曲方向に曲げれば伸筋群がストレッチできます。 しかし、伸筋群だけのストレッチでは外側上顆炎の再発予防としては不十分です。屈筋群に緊張があるままだと、日常生活の中でも手関節伸展がしにくくなり、余計に筋力を発揮させて伸展動作を行わなければならなくなります。 それが外側上顆にかかる負担を増す原因になるので、屈筋群も併せてストレッチしておくことが大切です。 2.肘と前腕を温める 基本的に冷えは筋肉の緊張を生みやすいので、自分でも温めるようにした方が改善の助けになります。お風呂でしっかり温まることはもちろん、電子レンジなどで蒸しタオルを作って肘の外側から前腕にあてておくだけでも良いセルフケアです。 安価な物でも良いので、肘全体を覆うタイプのサポーターをするのも冷え対策になるのでオススメです。 神経痛によって肘の外側が痛むこともあるので注意! 頚椎ヘルニアなど、首から上肢にかけて走行している神経が圧迫されることによって肘の外側で痛みを発生させている場合もあります。 頚椎ヘルニア・神経痛とは? 神経を圧迫している原因の代表は頚椎ヘルニアで、スマホやPCが大部分に普及してきた現代では発生頻度も高くなっている病態です。頚椎から派出する神経が上肢を走行し、その過程で肘の外側も支配しています。 頚椎ヘルニアが上腕の外側を支配する高さで起こっている場合、肘の外側が痛むということは十分考えられます。デスクワーク、バイクの長時間の運転、姿勢が悪いという既往などが頚椎ヘルニアのリスクを高めます。 頚椎ヘルニアで肘の外側に痛みが出ている場合、そこだけでなく肩甲骨の内側や外側、首自体での痛みも同時に発生しているケースがほとんどです。 もし痛みが肘の外側だけでなく、体幹に近い部分にもいくつか発生しているなら、神経症状であることを疑いましょう。その他の鑑別ポイントとしては、安静時でも常に痛い、頸部の伸展や回旋動作などで痛みが悪化するといったことです。 頚椎ヘルニア・神経痛の5つの治療方法 肘の外側で出ている痛みが神経痛であった場合、肘の動きをいくら良くしようが、前腕や上腕の筋肉をいくらマッサージしようが、根本的な解決にはなりません。神経が発生している背骨の部分から治療していく必要があります。 1.薬物療法 痛み止めの処方や、神経痛の際によく出されるビタミン剤が主な薬物療法で使われます。飲み続けることによって痛みを感じにくくなりますが、頚椎ヘルニアなど神経を圧迫しているものが解決されるわけではないので、薬物だけですべてを解決するのは難しいときもあります。 ただ、あまりの痛みは日常生活に支障をきたすので、それを防ぐ目的で使用するのが良いでしょう。 2.温熱療法 神経痛もやはり温めることが有効な治療方法になります。血流が良くなる上に筋肉の緊張が取れるため、神経の圧迫も軽減されることがあるのです。 3.牽引治療 整形外科などでは、頚椎を牽引して治療する方法になることが多いです。牽引することで背骨全体の筋肉がストレッチされ、神経の通り道を広くすることが期待できます。しかし、現状では牽引治療だけで治癒に至らないケースも多いです。 4.整体 姿勢を改善して首の負担を取り除くことや、関節の動かし方を改善して頚椎から出る神経を圧迫しないような体作りをしていきます。手術以外ではこれがかなり有効な治療方法でもあり、早期の改善と再発予防に繋がる可能性もあります。 5.手術療法 スポーツ選手など特別な事情が無い限りは稀な選択と言えますが、頚椎の手術が選択される場合もあります。頚椎というシビアな場所だけに、一般では最終手段的な立ち位置でもあります。 まとめ・肘の外側、何もしてないのに痛い!上腕骨外側上顆炎や神経痛かも 肘の外側で起きる痛みには、肘や前腕で問題が起きている場合と、頚椎など中枢に近い部分で問題が起きている場合と2種類あります。両者は治療方法も全く異なるので、どこで問題が起きているのか見極めるのが大切です。 当院は、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に提出し受理された厚生労働大臣許可医療機関です。当院では来院前でも「メール相談」を受付けています。どうぞ事前にご相談ください。 監修:リペアセルクリニック大阪院 メール相談・お問い合わせフォームはコチラ
最終更新日:2023.09.14 -
- 変形性膝関節症
ひざの内側が痛むのなら変形性膝関節症かもしれません! 変形性膝関節症を発症した患者さんが訴える症状の多くが「膝の内側の痛み」です。この膝の内側の痛みが何故起こるのか?そもそも膝はどのような構造になっているのか? 関節の構造はどうなっているのか?変形性膝関節症とはどのような病気でどのような治療をするのかについて説明していきたいと思います。 膝の構造や関節の構造はどうなっているのか? 膝は人体の諸関節の中で最大の関節であると同時に損傷を受けやすい関節でもあります。膝は大腿骨、脛骨、膝蓋骨という3つの骨で構成されています。大腿骨と脛骨の表面には関節軟骨があり、関節軟骨と関節軟骨の間には半月板があります。この関節軟骨と半月板と関節軟骨の3つが膝が滑らかに動くようにしたり、荷重を分散させています。 大腿骨と脛骨は前十字靱帯、後十字靱帯、内側側副靭帯、外側副側靭帯という4つの靭帯によって結ばれています。この4つの靭帯の働きによって脱臼防止や関節の伸展・屈曲・内旋・外旋がスムーズに行われています。 膝にはもう1つ膝蓋大腿関節があり、この骨の表面にも関節軟骨が存在して、筋肉の力を効果的に下腿に伝える働きをしています。そして、これらの関節を包みこんでいる袋が関節包であり、この関節包の内膜は滑膜と呼ばれ、関節液を分泌したり吸収する働きをしています。 関節軟骨という言葉が出てきましたが、関節軟骨とはどのような物なのか? 関節軟骨の組成は60~80%が水分であり、残りはコラーゲンとプロテオグリカンです。関節軟骨の基質はⅡ型コラーゲンを主体とするコラーゲン線維の隙間を、アグリカンと呼ばれる巨大プロテオグリカン分子が埋める構造をしています。 プロテオグリカンは保水性に富み、スポンジのように水分の出し入れを行っています。軟骨細胞は小腔内に独立して存在し、軟骨組織には血管もリンパ管も存在しないため、軟骨細胞の代謝は関節運動による関節液の浸透によって行われています。このため、関節運動が行われないと軟骨の萎縮を起こします。また、軟骨組織は自己修復力がほとんどなく、ひとたび関節軟骨が損傷を受けると変性に陥ります。 関節包と滑膜について 通常大部分の関節には関節包とその内面を包む滑膜があります。前述の通り膝関節にも関節包と滑膜が存在しています。滑膜は関節の潤滑と栄養をつかさどる関節液を合成するとともに、関節内に生じた異物を除去する働きがあります。関節液の主成分は、グルコサミノグリカンの一種であるヒアルロン酸です。これはヘパリンと同種の組成であるため、関節内に出血が起きても血が固まりません。 関節の機能について 関節は、その種類によって運動の方向や正常な可動範囲が定まっており、関節運動はその方向によって決まった名称で呼ばれます。関節の可動域をROMといい、各関節はその構造上から運動の方向・機能と可動域を持っています。関節運動の方向には下記のような種類があります。 屈曲↔伸展 外転↔内転 外旋↔内旋 回内↔回外 掌屈↔背屈 関節可動域は年齢、性別、ときには職業によっても異なります。膝の運動方向は屈曲と伸展であり、可動域の範囲は屈曲が0~130、伸展が0です。 膝の痛みはなぜおこるのか? 関節を構成する靱帯や関節包には痛覚神経線維の終末が多数存在し、関節が異常運動を行った場合は強い痛みを生じて警告を発し、非生理的な関節運動が起こる事を予防しています。これらの組織に機械的刺激や化学的刺激が加わると、強く鋭い関節痛を生じます。これに加えて、滑膜の炎症によって増加した関節液や外傷による関節内出血は関節内圧の上昇をまねき、鈍重な痛みの原因となります。 変形性膝関節症とはどのような病気か? 変形性膝関節症とはその名の通り膝関節が変形し、痛みやしびれ、運動障害を起こす慢性関節疾患です。変形性関節症の中では最も頻度の高いもので、日本人の生活様式である畳の上に座るという習慣が影響していると考えられています。また、加齢や肥満、膝へのストレスが原因とされています。 原因についてさらに詳しく説明します。関節リウマチや大腿骨の顆部壊死、過去の骨折経験などもともと何らかの原因が元になっている場合が10%程度ありますが90%は原因がはっきりわかっていません。年齢では30代ではほとんど見られませんが40代以降、年齢を重ねるにつれて患者数が増えています。理由としては加齢によって関節組織(軟骨)の退行性変性が起きるためです。性別では女性の方が男性に比べ1.5~2倍くらい多い傾向にあります。特に閉経後の女性は急速に進むケースが多いです。これはエストロゲンという女性ホルモンに要因があると考えられています。肥満については、体重が増えることにより膝への負担が大きくなる事や、脂肪組織で生成されるレプチンという物質が影響することが原因と考えられています。レプチンとは食欲の抑制とエネルギー代謝の調節に関わるホルモンです。これらのような加齢や性別、遺伝、肥満や重労働やスポーツなどの膝への過度なストレスなど様々な要因が引き金となって、膝の軟骨が変形し、膝の中にある滑膜が炎症を起こします。 変形性膝関節症の進行と症状について 膝関節の腫れや痛みを主な訴えとして、関節の可動制限はそれほど著しくないが、最大伸展位を取る事が出来ずに、運動時のコツコツやゴリゴリといった軋轢音、関節裂隙(かんせつれつげき)の圧痛がみられます。高度になると内反膝あるいは外反膝の変形が起こりますが、日本では内反膝変形が多くみられます。 変形性膝関節症の症状は進行度によって症状が変化します。 【軽度】 骨と骨の隙間が少し狭くなり軟骨がすり減ってきます。起床時の第一歩の「膝の違和感」が最も早く現れる症状です。この段階では動作時のみの痛みですが、一時的でしばらく休むと痛みがなくなる場合がほとんどです。「立ち上がる時に膝が痛む」「膝がこわばる」「動き始めに膝が痛む」このような症状が現れます。 【中等度】 関節軟骨や半月板がすり減り、骨と骨の隙間がさらに狭くなります。痛みの頻度が多くなり、炎症が生じて膝の周辺が腫れたり、熱を持ったりします。膝に水がたまる事により膝を曲げると張って重くだるくなります。膝の変形が目立ち、膝に力のかかる動きをすると、コツコツやゴリゴリといった異音を自覚します。「膝が完全に曲げられない」「正座ができない」「階段の上り下り、とくに下りで膝が痛む」「膝に水がたまる」等のような症状が現れます。 【重度】 軟骨や半月板がほとんどなくなり、骨がむき出しになって、骨と骨が直接触れあうようになります。膝関節の変形も進行し、痛みも強くなります。日常生活に支障が起きるほどの痛みになります。そのため、買い物や仕事や旅行などの活動が思うようにできなくなり、活動範囲が狭まります。高齢者では家の外に出ない生活が続くと痴呆症状が現れる人もいます。骨の変形が相当進むので外見的にも関節の変形が目立ち、O脚(ガニ股)となります。「じっとしていても膝が痛む」「膝の曲げ伸ばしが難しい」「歩くときに膝が横揺れする」「歩行困難」等の症状が現れます。 変形性膝関節症の検査はどのような検査を行うのか? 【X線撮影】 膝の骨の変形の具合を調べます。骨と骨の関節部分は何も写りませんが、この関節の隙間が狭いほど関節軟骨がすり減っているという事になります。 【関節液検査】 膝に炎症が起きて腫れている場合、注射器で関節液を抜き取りその性状により病気の判定をします。変形性膝関節症では、黄色透明の関節液が排出されますが、リウマチや関節炎では、黄色混濁した関節液が出ますので鑑別診断ができます。 【MRI検査】 関節軟骨、半月板や骨内の病変の有無を調べます。変形性膝関節症が進行すると、半月板が痛んで断裂したり、骨内に骨のう腫という穴が開いたりして痛みの原因となります。また、膝関節の大腿骨内顆骨壊死が発見されたりします。 【血液検査】 関節リウマチではCRPやリウマチ因子が陽性となる事が多いですが、変形性膝関節症では通常CRPやリウマチ因子は陰性です。 変形性膝関節症の治療はどのようなものがあるのか? 変形性膝関節症の治療の1つとして肥満の人には体重を軽くするように指導するとともに大腿四頭筋の筋力強化、温熱療法が勧められます。変形性膝関節症は進行度により治療が行われます。整形外科での治療は主に保存療法(リハビリ)と手術療法です。 保存療法(リハビリ) 症状が軽い場合には痛みどめの内服薬や外用薬を使った痛みを軽減する薬物療法が行われます。関節内で炎症が起きると痛み物質が発生し、滑膜が刺激されてさらに炎症が進むことによる悪循環に陥るため、この悪循環を断ち切るために鎮痛剤の処方が行われます。 そして、痛みを起こさせないようにするために重要なのが運動療法になります。膝関節を支える筋肉を鍛えることにより、膝がしっかり安定して関節への負担が減ります。また、膝を動かすことにより血行が促進され、関節液中の痛みを起こす物質が血中に吸収されて減っていきます。さらに運動によって肥満が改善され、膝への負担が軽減されます。 次に軟骨や関節液の重要な成分であるヒアルロン酸を潤滑成分として注射して軟骨表面の保護を行う治療があります。同様に注射治療の1つに炎症を強力に抑え込み、鎮痛効果も高いステロイドの注射があります。しかしステロイドの頻繁の使用は軟骨や靭帯を弱くしてしまうので2カ月から3カ月に1回の注射が安全とされています。 手術療法 上記の一般的な保存療法に抵抗し、軟骨破壊が内側に偏しているような時は高位脛骨骨切り術という手術療法が行われます。内反変形を矯正して、内側にかかる荷重を正常な軟骨や半月板が残っている外側の関節に分散させる手術です。手術後は自分自身の関節が温存されるため、可動域が改善されスポーツなどの重労働にも耐えられます。また、時間の経過とともに筋力が増強し関節機能が改善することがこの手術の特徴となります。 高度の関節破壊のある場合には人工膝関節置換術という手術が行われます。痛みのある片側だけを置き換える片側置換術と関節面全体を金属に置き換える全置換術があります。手術後は翌日から数日で立ったり歩いたりするリハビリが始まり2週から4週程度で退院し、比較的速やかに日常生活に戻る事が出来ます。 注目されている最新の治療法があります!! 近年再生医療の分野が医学界ではめざましい進歩をあげておりますが、この再生医療を応用した治療が変形性膝関節症にも治療適応されています。 再生医療も治療の選択の1つです。再生医療とはこちらを参照ください。 変形性膝関節症に対する再生医療分野の治療は脂肪幹細胞と多血小板血漿(PRP)を用いた治療になります。脂肪幹細胞を用いた治療ではご自身のお腹や太ももの皮下脂肪を吸引し、幹細胞を採取します。採取した幹細胞を培養し関節内に投与します。これにより関節の炎症を治めるだけでなく関節軟骨の変形を抑えたり痛んだ軟骨の修復や再生を促します。 多血小板血漿(PRP)を用いた治療とは自身の血液から特殊な技術で血小板が多く含まれる血漿を取りだし、膝関節内に注入する治療法で患者さん自身が持つ修復力をサポートする治療法です。自分の血液ですので副作用もありません。 膝関節症の患者さんの多くが訴える膝の内側の痛みについて、骨の構造や関節の機能、膝関節症とは何かについて説明してきましたが、膝関節症は原因の90%が明らかになっていない疾患です。 しかし変形性膝関節症の治療法の選択肢も増えてきています。ご自身のライフスタイルや症状に合った治療を選択していきましょう。変形性膝関節症や再生医療についてさらに詳しく知りたい時には専門医に話を聞いてみましょう。 お近くに再生医療についての専門医がいない方へ さかもとクリニックは、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に提出し受理された厚生労働大臣許可医療機関です。当院では来院前でも「メール相談」を受付けています。どうぞ事前にご相談ください。 以上、ひざの内側が痛むのなら変形性膝関節症かもしれない!についてご説明させて頂きました。参考になれば幸いです。 メール相談・お問い合わせフォームはコチラ 監修:リペアセルクリニック大阪院 膝の痛みに関連する記事はこちら 膝の痛みと腫れが突然出た!考えられる原因は? 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最終更新日:2023.09.04 -
- 股関節
股関節!人工股関節術後に注意!脱臼する可能性と、ならないために生活上の注意点 股関節に何らかの疾患を抱えてしまった場合、保存療法や関節鏡による手術でも改善が見込めない場合は人工関節に置換することが選択されます。人工股関節に置換すれば、早期から荷重をすることも出来ますし、左右の下肢の長さなど器質的な異常も改善することが出来ます。 そんな人工関節置換術について、どんな症状や疾患の場合に適応されるのかということや、手術後の生活を送る上での注意点などをご紹介していきます。 股関節は球関節に分類される 股関節の一番の特徴は、なんといっても常に荷重がある関節だということです。立位はもちろん、座位でも股関節には体重がかかります。股関節は骨盤の骨と大腿骨の骨で構成されており、関節の形で分類すると球関節に該当します。 球関節は運動の自由度が最も高い関節であり、様々な軸で関節を動かすことが可能です。股関節を前後に動かす屈曲や伸展という動作を筆頭に、左右に動かす外転や内転、下肢全体を捻る外旋や内旋といった動きは全て可能です。 関節包や関節唇で安定性を増している 股関節は荷重を大きく受ける球関節であるために、運動の自由度だけでなく安定性も求められる関節です。そのため、可動域の制限を最小限にとどめる範囲で関節包や関節唇が安定性を保っています。 関節包や関節唇は、股関節にはまり込んでいる大腿骨頭をしっかり覆うように位置していて、靭帯なども強固に付着しているため脱臼の頻度は少ないです。関節唇には神経も通っており、損傷すると痛みを発生します。 何らかの原因で大腿骨頭を取り囲む関節唇を損傷してしまうと、歩行や立ち上がりなど軽微な動作でも痛みを感じるようになってしまいます。 年齢と共に股関節疾患のリスクは上昇する 常に荷重がかかる関節であることも関係して、年齢を重ねると共に股関節関連の疾患を発症するリスクは上がっていきます。股関節の人工関節置換術など、大きな手術が適用になるケースは50代、60代以降の方に多いのが特徴です。 また、大腿骨頭から股関節の関節面に伸びている大腿骨頭靭帯には、血流が豊富に流れているという特徴があります。関節軟骨の代謝など、股関節を栄養する血管の血流が悪化することによっても、股関節の機能が低下する原因になってきます。 股関節の疾患から二次的な症状が多く発生する 股関節に痛みがあったり、違和感があったり、何らかの股関節疾患を発症することによって二次的な症状を多く発生させるという特徴もあります。人間はどこかに痛みが出ると無意識にそこをかばって行動するようになり、股関節の使い方がおかしくなったり骨盤や背骨が歪んだりすることもあるのです。 そこから腰痛や膝痛、周囲の筋肉の緊張が原因で起こる坐骨神経痛や梨状筋症候群など、様々な症状に繋がっていく可能性もあります。そういった二次的な症状が出てきた場合、股関節の疾患を改善するだけでは解決できないケースも出てくるのです。 股関節は人工関節置換術が選択される場合もある 疾患が起きた場合に手術が行われるケースは多々ありますが、股関節は人工関節置換術が選択される場合もある数少ない関節です。人工関節置換術は、基本的に膝関節か股関節に適応される外科的治療で、その他の治療方法が全く奏功しなかった場合に行われるケースが多いです。 股関節のその他の治療方法とは 保存療法 多くの整形外科的な股関節疾患に対しては、まず保存療法が行われます。内容は体重のかけかたや歩き方の指導、杖や車いすなど道具の使用方法といった生活指導が中心です。 その他臀部や大腿部の筋力トレーニング、エアロバイクを使用した運動療法、水中での運動療法などが主です。手術を行うよりもリスクが少ない治療方法ではありますが、大腿骨頭壊死症など股関節の変形が強く進行している場合には荷重することで悪化させてしまうケースも考えられます。 薬物療法 薬物療法は保存療法の一つと考えることも出来ます。基本的には痛み止めや炎症を抑えるための薬が処方されます。ただ、荷重関節であるために薬を処方しても痛みが長期間続くことも多く、長期の薬物の服用によって副作用を起こす恐れも否定できません。 薬を体内で処理するために腎臓に負担をかけたり、胃に負担をかけたりするので内臓の疾患に繋がってしまうかもしれません。薬物療法を行っている間も、主観的な痛みなどの感覚はもちろん、レントゲンやMRIなど客観的な評価でも治療の進行度を測る必要があります。 骨切り術 先天的な疾患でもある臼蓋形成不全によって股関節に痛みを発生させている場合、人工関節置換術ではなく骨切り術が選択されることがあります。臼蓋形成不全は、簡単に説明すると股関節が浅すぎるという器質的な問題がある疾患で、根本的には運動療法や薬物療法で解決することが難しい疾患です。 骨切り術は、股関節の大腿骨頭がはまり込む寛骨臼というくぼみを深く切り抜き、大腿骨頭を深くはまりやすくするための手術です。形態的な部分から改善できるため、股関節の痛みはもちろん、将来的な変形性膝関節症などを予防することにも繋がります。 人工股関節の手術が選択される症状とは 人工股関節の手術を選択されるケースは、日常生活にかなりの支障をきたしたり、他の保存療法でも治療が困難であったりする場合です。どんな症状から人工股関節の手術に踏み切る場合があるのか、ご紹介していきます。 変形性股関節症 股関節の中にある関節軟骨の変形によって、関節内で慢性的な炎症を起こしてしまっている症状です。何か一度の外力で急に股関節の軟骨が損傷して変形してしまうというよりも、日常生活の中で負担を積み重ねて少しずつ変形を進行させるケースの方が多いと言えます。 年齢と共に筋力が低下して股関節を支える力が無くなっていったり、姿勢が悪く股関節の動かし方が悪いせいで関節軟骨のすり減りを助長していたり、仕事の中で負担がかかることが多いなど理由は様々です。 一度変形してしまった関節軟骨は元には戻らないので、痛みが強く常に続いている場合などは人工股関節の手術が適応になります。人工股関節の手術以外で治療をするなら、股関節の運動療法、背骨や骨盤の矯正による荷重の改善などが有効です。 大腿骨頭壊死症 大腿骨頭から関節内に流れる大腿骨頭動脈の血流が断絶され、大腿骨頭の骨細胞が徐々に壊死していく疾患です。アルコール中毒や、ステロイドの使用歴など、大腿骨頭壊死症に繋がる原因はいくつか指摘されていますが、決定的な原因が解明できない症状でもあります。 そのため、大腿骨頭壊死症のほとんどが、原因不明の特発性と判断されているのです。大腿骨頭壊死症が見つかり次第すぐに人工股関節の手術が行われるわけではなく、経過観察されるケースもあります。壊死した骨が潰れるので、荷重がかかることによって痛みを生じます。 壊死した部分に負担をかけないような体の使い方ができたとしたら、手術を回避することも出来るのです。しかし、運動の自由度が高い関節であるため、大腿骨頭の破壊は時間と共に進んでいき、最終的には人工股関節の手術になることが多いでしょう。 関節リウマチ リウマチは自己免疫疾患とも呼ばれ、免疫が異常な動作を起こして体の健康な細胞を攻撃してしまう疾患です。手先など全身の関節で症状が出る可能性がありますが、股関節でもリウマチの症状を起こします。基本的には薬物療法で生活改善を試みることが多いですが、 著しい歩行時痛や歩行困難など、日常生活動作に大幅な支障をきたしている場合は人工股関節の手術になります。しかし、健康な組織を攻撃してしまうという疾患の特徴ゆえに、リウマチが進行しすぎると人工股関節の手術さえできなくなることもあります。 もし人工股関節の手術を視野に入れるなら、比較的早い段階で決断することが必要な場合もあるのです。 人工股関節の手術は年齢によっても変わる 一般的には、人工股関節の手術をするのは60代以降の年齢になります。日常生活の具合や、症状の程度、運動習慣などを加味して50代や40代で行われるケースもありますが、基本的には高齢になってから行うものです。 というのも、人工股関節にも耐用年数があるからです。近年では技術の向上によって人工股関節の耐久も上がってきましたが、それでも20年くらいが1つの目安と言われています。もちろん股関節の使い方や、生活レベルによっても大きく左右されます。 使えば使うほど摩耗していくことは当然なので、人工股関節の手術後にもスポーツや旅行などを楽しみたいという場合は、筋力を取り戻すリハビリも長期間にわたって行う必要があるわけです。 人工股関節の手術後に日常生活で注意すること 人工関節の手術をした後は、股関節に余計な負担をかけないように注意しなければならない点もいくつかあります。 脱臼肢位を避ける 人工股関節の手術後に最も怖いのは、脱臼してしまうことです。これも、近年では手術の技術や人工股関節の精度も高まり、心配は少しずつ軽減されてはいます。しかし、脱臼しやすい肢位を取ってしまうと、通常の股関節に比べて脱臼しやすい状態であることには変わりありません。 股関節が深く屈曲するような体勢や、あぐらのように過度な外線外転肢位になると、脱臼のリスクが高まります。これらの動作は意外と日常生活の中でも頻繁に起こる姿勢で、例えばお風呂の低い椅子に座るなどすると股関節が深く曲がり込みます。 床に座って前かがみになって靴下を履くときもそうです。正座をしたまま遠くの物を取ろうとした時も、股関節の屈曲が強くなります。意識していないとやりがちな体勢なので、人工股関節の手術後は注意を払いましょう。 また、人工股関節の手術をした足を軸にして片足で立ち、高いところに手を伸ばすなどの姿勢も危険です。今度は股関節に伸展力が強く加わってしまうので、脱臼のリスクが高くなってしまうのです。とにかく、過度な屈曲伸展、外転や外旋などの動作を避けることです。 激しい運動を避ける よく言われるのが、スキーやサッカー、バレーボール、バスケットボール、野球など激しくジャンプや捻り動作を行うスポーツを避けるべきだということです。人工股関節が脱臼してしまうリスクがあるとともに、人工股関節の摩耗を早めてしまいます。 ただ、せっかく股関節の手術をしたのだから好きにスポーツを楽しみたいという考えもあります。その場合は動作を制限するなど、なるべく負担を軽減して楽しむことが大切です。運動すること自体は良いことなので、水中でのウォーキングや散歩など、人工股関節への負担が少ない活動を選ぶようにしましょう。 リハビリを長期間続ける 人工股関節の手術後は、筋力が低下しています。手術したことによって動作がしにくいということもありますが、人工股関節にしなければならないほどの症状を患っていたわけです。多くの場合は人工股関節に至るまでに、長年にわたって症状と向き合い続けてきています。 その間に日常生活が大きく制限されるほどの痛みを伴っていたのですから、当然筋力は大きく低下しています。何年もかけて低下した筋力を、短期間で取り戻すのは難しいです。 人工関節の手術後にどのくらいの生活レベルを目指すかにもよりますが、リハビリも長いスパンで計画を立てる必要があるわけです。 再生医療も発達してきている 今の日本では、再生医療をリードしようという動きもみられています。一度失ってしまった機能を、細胞移植によって再び取り戻そうという医学です。再生医療に関心のある方当院まで、ご遠慮なくお問い合わせ下さい。 監修:リペアセルクリニック大阪院 人工関節に関連する記事はこちら 膝の人工関節手術は失敗がある?知っておくべきリスクとは 足の付け根の痛みに関連する記事はこちら 足の付け根が痛い場合は手術が必要?考えられる病態とは 当院の治療についての考え方や再生医療についての内容もお読みください スポーツ外傷・障害の痛みに対する当院の治療 変形性股関節症に対する当院の治療 再生医療とは PRP(多血小板血漿)療法とは ご相談から治療までの流れ 監修:リペアセルクリニック大阪院
最終更新日:2023.12.26