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- 変形性膝関節症
- 再生治療
変形性股関節症の末期の場合、治療としては手術しか方法はないのでしょうか。 今回は、変形性股関節症における末期の治療について紹介します。 変形性股関節症における末期の治療は手術? 変形性股関節症は、股関節の隙間の広さによって前期、初期、進行期、末期の4つの病期に分類されます。 末期ではレントゲン検査により隙間が完全に消失し、骨変形も高度に進行してしまっていることが確認できます。 そして、変形性股関節症は末期の段階まで進んでしまうと、安静時でも痛みがみられます。そのため、治療として、多くの場合人工関節手術が行われます。 人工関節手術後の経過は良好なことが多く、片側だけに人工関節を入れた場合でも、術後1年で反対側のX線所見も改善することがあります。 しかし人工関節のすり減りやゆるみによる寿命もあるため、60歳以下の若い人に手術を行う際には慎重に検討する必要があります。のちに、もう一度手術をしなければならなくなることもあるためです。 変形性股関節症の手術にリスクはある? 変形性股関節症で人工関節手術をした場合、手術翌日から動くことが可能で、術後約2週間で退院することができるなど経過は良好なケースが多いです。 しかし、感染症や血栓症、脱臼のリスクなどのデメリットも挙げられます。 感染症が早期のケースでは、人工関節を温存したまま治療することもできますが、多くの場合では再手術となってしまいます。 また、手術直後はあまり足を動かすことができず、血栓ができやすい状態です。その血栓が詰まってしまうなどの合併症を引き起こしてしまう場合もあるため、あらかじめ血栓予防の薬を飲む、血流状況をよく確認するなどの必要があります。 変形性股関節症の末期における新しい治療に注目が集まっています! 術後経過が良好でも、人工関節の摩耗を確認・点検するために定期的な受診が必要です。 そして、摩耗が進行すると、再度新しい人工関節を入れ直す場合もあります。 そのような状況を避けるためにも、股関節に負担のかかりすぎる運動は控える、体重管理を行う、筋力低下による股関節のゆがみを防ぐなど、自宅でもリハビリや日常生活の管理を続けていかなければなりません。 最近では、自身の細胞により軟骨や骨の損傷を修復し、症状を改善させる再生医療による治療も選択肢とすることができます。 自身の細胞を使うため副作用が少ないこと、また、治療期間も短く済むなどのメリットがあり、近年、大きな注目を集めている治療です。 運動療法や人工関節手術を行っても症状の改善が見られない、どうしても手術を避けたい方は医師に相談して再生医療を検討してみてはいかがでしょうか。 まとめ 変形性股関節症末期の治療について紹介しました。 変形性股関節症では、早期から治療やリハビリを開始することが望ましく、初期であれば運動療法のような保存療法がメインに行われます。しかし、一度すり減った軟骨は修復不可能なため、末期になると人工関節手術が行われます。 また、近年は再生医療という治療法に注目が集まっています。期待できる効果は高く、リスクの少ない治療法ですから、ぜひ、再生医療による治療を検討してみてください。
2020.06.14 -
- ひざ
- 再生治療
半月板損傷とは?どのような治療をするのか 膝の外傷のひとつである半月板損傷とは、どのようなものなのでしょうか。今回は、膝の痛みを引き起こすだけでなく歩行にも影響のある半月板損傷についてご紹介します。症状や治療法についてもまとめました。 半月板損傷とは? 膝関節には、半月板という板状の組織があり、大腿骨と脛骨をつなぎ、膝のクッション性や滑らかな動きに重要な役割を果たしています。半月板損傷とは、その膝関節にある半月板が損傷した状態のことをいいます。 半月板損傷はスポーツ外傷でも多くみられますが、これはジャンプやターンなどの動きが膝関節に負荷をかけるからです。 また、膝をひねったり、転んで膝を強く打ったりすると半月板損傷が起こることがあります。半月板は加齢によって変形するため、日常生活の中で半月板損傷が起こるリスクもあるのです。 半月板損傷の症状とは? 半月板損傷の症状とは、どのようなものがあるのでしょうか。 痛み 半月板の周囲には軟骨や腱、筋肉が存在するのですが、膝を捻ったりして強い負荷がかかると筋肉が収縮して痛みを引き起こすことがあります。 また、半月板が損傷すれば関節に炎症が起きます。炎症は損傷した部分を修復させようとする身体の反応ですが、これによって痛みが生じることがあるのです。 膝の引っかかり感 半月板の役割とは、膝関節を安定させることです。その半月板が損傷してしまうと、膝の動きが不安定になり、曲げ伸ばしをするときに引っかかる感じがします。 例えば膝の曲げ伸ばしをして「コキッ」という音がする、膝の動きに違和感があり歩きにくい、歩行時に「カクン」と膝が折れる感じがするという感覚です。 膝の曲げ伸ばしができない 半月板損傷がひどくなると、ロッキングという膝の曲げ伸ばしができない状態になることもあります。膝の引っかかり感から、突然ロッキングの状態になることがあるので注意が必要です。膝の曲げ伸ばしができないので歩行が困難になり、強い痛みを感じることもあります。 膝の腫れ 半月板が損傷すると、膝関節の中で炎症が起こるため膝が腫れてきます。また、膝に水が溜まり腫れてくる場合もあります。 半月板損傷の治療とは? 半月板損傷の主な治療は、保存療法と手術がメインでした。保存療法とは、痛み止めや炎症を抑える薬で症状をコントロールし、必要に応じて安静にする、リハビリを行うというものです。 それでも痛みが強くなる、ロッキングの状態になる場合は手術を検討します。損傷した半月板を縫い合わせる方法と、損傷した部分を取り除く方法があります。 どちらの方法でも治療が長期化することがあり、なかなか痛みがよくならない人もいます。そんな中、半月板損傷の治療に再生医療という選択肢が注目されるようになりました。 再生医療では、自分の脂肪から採取・抽出した幹細胞を直接膝に注射します。そうすることで、膝関節の炎症を抑えて痛みが落ち着くだけでなく、傷ついた半月板や軟骨の修復が期待できるというものです。 まとめ・半月板損傷とは?どのような治療をするのか 半月板損傷とは、膝関節にある半月板が傷ついた状態です。半月板は膝の安定性を守る重要な役割を果たすため、損傷すると痛みや引っかかり感、ロッキングといった症状が出現します。 これまで保存療法と手術がメインでしたが、近年は幹細胞を用いた再生医療という選択肢も期待されています。 監修:リペアセルクリニック大阪院 こちらもご参照ください
2020.06.13 -
- 変形性股関節症
- 再生治療
スポーツ選手が変形性股関節症になってしまったら 変形性股関節症はスポーツ選手の選手生命を脅かす可能性があります。しかし、近年は、新たな治療法である「再生医療」によって、スポーツ復帰をするスポーツ選手も増えています。 今回は、スポーツ選手と変形性股関節症の関わりについて紹介します。 形性股関節症とスポーツ選手の関わり 先日、元スペイン代表のサッカー選手であるアリツ・アドゥリスが現役引退を表明しました。原因は「股関節痛が限界に来たから」というものでした。人工関節置換も勧められていたようですが、日常生活を送るのも困難なほど症状は進行していたようです。 一方で、テニス界においてはアンディ・マリーが右股関節に人工関節を入れた写真を公開し、引退もささやかれました。しかしその後完全復帰へ向けてリハビリを行いながら練習を重ね、ツアー優勝を果たし多くの人を勇気づけました。 変形性股関節症になるとスポーツ選手としての活躍は難しい? 変形性股関節症を患ってしまうと、痛みはもちろんのこと、関節可動域の制限により動かしづらいなどスポーツにおけるパフォーマンスにも影響を与える場合もあります。 そのため、治療をしないままにスポーツを続けるというのは難しいでしょう。 変形性股関節症になってしまったらどんな治療をするの? 変形性股関節症の原因には臼蓋形成不全と呼ばれる股関節の骨形成異常があり、より早期の段階で治療を開始することが望ましいとされています。 臼蓋平成不全では、骨盤を前傾し、おしりを突き出したような特徴的な姿勢が見られます。そのため運動療法だけでなく、日常における正しい姿勢を指導、矯正することによっても骨盤の位置を正常に近づけ負担を軽減させます。 早期の段階では保存療法を行い、リハビリや適度な運動を行いながら股関節に負担をかけないような治療、指導が行われますが、症状が悪化、進行してしまうと外科手術となります。 リハビリをおこなう期間も含めると、変形性股関節症のスポーツ選手の早期復帰は難しいと言えます。 変形性股関節症に新たな治療法「再生医療」が期待されている! 近年、再生療法により軟骨や骨の修復に成功し、早期復帰したスポーツ選手の話を耳にすることが多くなってきました。スポーツ選手の股関節障害は、高齢者の加齢に伴った障害と異なり、外部からの大きな刺激により関節内まで障害が及んでしまっている場合が多いです。 そうなってしまうと、通常の運動療法のみでの改善には限界があり、人工関節を入れる必要がある場合も多くなってしまいます。その外科的手術に代わる治療法として「再生医療」が話題です。 自身の細胞を用いた再生医療は、副作用が少なく、また、治療期間も短く済むなどのメリットがあります。 まとめ・スポーツ選手が変形性股関節症になってしまったら 変形性股関節症を患ったスポーツ選手も、基本的には一般の患者と治療法に差はありません。しかし、スポーツ選手生命を脅かす病気であるため、より早い治療開始が望まれます。 近年では再生医療によって、スポーツ選手のケガからの早い復帰も報告されています。変形性股関節症においても、再生医療の治療効果が期待できます。 早い回復、身体に負担の少ない医療を希望するのであれば、再生医療を検討してみてはいかがでしょうか。 監修:リペアセルクリニック大阪院
2020.06.12 -
- ひざ
- 再生治療
半月板損傷は加齢が原因になることも!その症状や治療法について 膝が痛くて動かしにくい…、運動をしているわけじゃないけど半月板損傷?そんな悩みを持つ人もいるのではないでしょうか。半月板損傷はスポーツ外傷のイメージを持つ人もいるかもしれませんが、実は加齢が原因となることがあります。 今回は、半月板損傷と加齢の関係についてご紹介します。 半月板損傷は加齢が原因で起こる? 歩くときに必ず使うのが膝関節です。 膝関節は人間の体重の大部分を支え、身体を動かすのに重要な役割を果たしています。そのため、膝関節にはさまざまな組織が関わっているのですが、そのうちのひとつが半月板です。 半月板は、膝の内側にあるC型内側半月板と、外側にあるO型をした外側半月板に分かれています。この板状の組織の周辺には軟骨や靭帯、腱などがあり、それらを安定させる役割を果たしています。歩くだけでも膝にはかなりの負荷がかかるため、膝関節の安定性は大切です。 そんな半月板ですが、転んで膝を強く打ったり、急激な負荷がかかることで傷つくことがあります。それが半月板損傷です。 また半月板は加齢によって変性するため、中高年では運動をしたりぶつけたりしていなくても半月板損傷を起こすリスクがあります。 半月板損傷の症状は? 半月板損傷は加齢によって起こるリスクが高まりますが、その症状は日常生活に支障が出ることがあります。 膝の痛み、膝を動かしたときの引っかかり感、膝の曲げ伸ばしができないというのが主な症状です。 損傷がひどく、状態が悪化すると膝の曲げ伸ばしができないロッキングという状態になる場合もあります。半月板損傷では歩行時の膝の痛みがあるのですが、ロッキングの状態になるとさらに痛みがひどくなるだけでなく、歩くこと自体が困難になってしまいます。 半月板損傷は痛みが強くなると加齢であっても手術に 半月板損傷の治療のメインは、保存療法と手術です。 痛み止めや抗炎症剤を使って症状を和らげる、必要に応じて安静にする、リハビリを行うなどといった治療をおこないます。それでも痛みが強くなる、ロッキングの状態になるというような場合は、手術を検討することもあります。 加齢が原因の半月板損傷も手術を検討するのはなぜ? スポーツをする人なら復帰するために手術を受けることが必要かもしれません。しかし、加齢による場合も手術をしなければならないの?と思う人もいるでしょう。 半月板損傷はひどくなるとロッキングという状態になって歩けなくなる場合もあります。また痛みがさらにひどく、日常生活に支障がでることもあるため、加齢が原因であっても手術を検討することがあります。 半月板損傷の手術は、損傷した半月板を縫い合わせる方法と、損傷した部分を取り出す方法があります。 関節鏡という機械を使うため小さな傷ですみますが、それでも手術をするとなれば治療期間が延びることになります。中高年の患者さんの場合は手術を躊躇する人もいます。 近年半月板損傷の治療では、手術に代わる方法として再生医療が注目されています。自身の細胞から採取・抽出した幹細胞を膝に直接注射して入れるという治療法です。 再生医療は、痛みや炎症を落ち着かせるだけでなく、幹細胞が傷ついた半月板や軟骨を修復してくれることが期待されます。 まとめ・半月板損傷は加齢が原因になることも!その症状や治療法について 半月板損傷の原因のひとつに加齢があります。膝関節の安定性に重要な役割を果たす半月板ですが、加齢によって変形するため半月板損傷が起きることがあるのです。 痛みが強い、ロッキングの状態になり歩行が困難な場合は手術を検討することもあります。 近年は、手術に代わる方法として肝細胞を用いた再生医療が注目されています。この再生医療も治療の選択肢の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。 以上、半月板損傷の原因は加齢?症状や治療法について、ご説明させて頂きました。以上、半月板損傷は加齢が原因になることも!その症状や治療法について記させいただきました。参考にしていただければ幸いです。 監修:リペアセルクリニック 大阪院 こちらもご参照ください
2020.06.11 -
- 変形性股関節症
変形性股関節症のリハビリテーションについて 変形性股関節症は、股関節に負担をかけないことが重要ですが、リハビリテーションではどのようなことをするのでしょうか。また、変形性股関節症の人がリハビリテーションを行うことで、どのような効果が期待できるのでしょうか。 今回は、変形性股関節症におけるリハビリテーションについて紹介していきます。 変形性股関節症では、どんなリハビリテーションを行うのか 変形性股関節症では痛みのほかに可動域制限が見られ、歩くのが困難になったことによる日常生活の※QOL低下を訴える人もいます。そのため、変形性股関節症におけるリハビリテーションでは、股関節に負担をかけないような生活指導や、状態に応じた適度な運動療法の指導が行われます。 運動療法を行うことで股関節が安定し、痛みや可動域の制限が改善します。また、運動によって体重減少ができれば股関節に与える負担も軽減させることができます。 このようなことから、変形性股関節症ではリハビリテーションが積極的に行われています。 ※QOL(Quality of Life):人生の質や、生活の質を表す標語・指標で、単に病気の治療を行うというものではなく、その先にあるもの生活自体の質を高めたり、前向きに生きる術や、気持ちで暮らすことの大切さを表しています。 股関節に負担を掛けない生活上の指導 生活を行っていく上での指導としては、股関節に負担をかけないような日常生活を送ることができるように指導されます。 例えば、高い所にあるものを取るときに、無理に背のびや手を伸ばすような姿勢を避けることや、靴を履く際にはかがまないで靴ベラを使う、歩く際には負担の軽減と転倒防止のために杖を使うといったことなどがあります。 運動療法や筋力トレーニング 運動療法や、筋力トレーニングについては、痛みのない状態で行うことが理想です。そのためには現在、変形性股関節症のどの段階(ステージ)の病期にあたっているかの診断が重要です。 問診やレントゲン検査、必要であれば検査などを行って関節の状況、可動域検査など複数の検査を行い、総合的に病期や状態を判断、把握し、今後の治療方針を定めてリハビリテーションの内容を決めていきます。 運動療法・リハビリとしては、両足を開いたり閉じたりして、股関節の可動域を改善し、動きをスムーズにさせるといった指導が行われます。また、プールでのウォーキングは、水の浮力で体重の負担が減るため、股関節への負担が少なくなる特徴があり、変形性股関節症のリハビリテーションに最適です。 ただ、気を付けるべきは運動療法や筋力トレーニングは、やりすぎると逆効果になるため、定期的に受診し、股関節の状態を確認しながら無理のない範囲で継続して行うようにしましょう。 まとめ・変形性股関節症のリハビリテーションについて 以上、変形性股関節症では、どのようなリハビリテーションを行うのかについてご紹介しました。変形性股関節症のリハビリテーションは、股関節に負担をかけないことが重要です。そのため、ジムに通って器具を使った過度な筋力トレーニングは逆効果になることがあります。 リハビリは、痛みの状況や股関節の状態に応じて最適な方法で行うためには定期的に病院等、医療機関を受診し、変形性股関節症の状態を診断してもらいながら行うようにしましょう。以上、変形性股関節症のリハビリテーションに関して記しました。参考にしていただければ幸いです。 監修:リペアセルクリニック大阪院 こちらも併せてご参照ください
2020.06.10 -
- ひざ
- 再生治療
我々は日々の生活の中で立つ、座る、歩く、走るなどの動作で無意識のうちに膝関節を使っています。その膝関節には歩くときには体重の2倍くらいの負荷がかるなど、大きな負荷を受けることが多く、痛みや腫れを発症することもよくあることです。 膝に腫れが生じた場合、どれくらいで治るのかが気になると思います。そこで今回は、膝の腫れはどれくらいで治るのかについ解説します。また、膝に水が溜まることについても紹介します。 こちらもご参照ください 膝の腫れはどれくらいで治るの? 膝は人の身体のなかでも複雑で不安定な構造をしていて、軟骨の擦り減りや大きな衝撃などいろいろな原因で損傷が起こりやすい箇所になります。 その際に炎症を起こしてしまうこともよくあります。 炎症によって膝が腫れると、膝の腫れはどれくらいで治るか気になると思いますが、急性の炎症の場合、患部を冷やして安静にしておくことで1、2日くらいのうちに治るケースもあります。 ただし、膝の腫れの状態や原因によってさまざまですから、一概に必ずどれくらいで治る!ということはできません。 水が溜まっているかによって膝の腫れがどのくらいで治るか?も変わってくる 膝の腫れがどれくらいで治るかどうかは、膝に水が溜まっているかどうかでも大きく異なります。 膝に溜まる水は、正確に言うと関節液です。関節液は関節を包んでいる袋(関節包)を覆っている滑膜から分泌されている液で、普段は分泌と吸収のバランスがとれているため膝に水が溜まることはありません。しかし、炎症が起きるとそのバランスが乱れてしまって関節液が膝に溜まってしまいます。 そのため、炎症が治まって関節液の分泌と吸収のバランスが元に戻れば水が溜まることによる膝の腫れも小さくなっていきますが、炎症の具合、個人差もあるので、どのくらいで治るのかを一概に言うことは難しいです。 膝に溜まった水を抜く理由 膝に水が溜まって膝の腫れが生じている場合、炎症が治まれば自然に少なくなっていきますが、炎症が治まらない状態が続くと水が溜まったままになってしまいます。 水が溜まると膝が重くなってだるさを感じますし、溜まっている水には炎症を引き起こす物質も含まれているため、そのままにしておくとさらに炎症が起きるという悪循環に陥ってしまいます。そのため、医療機関では水を抜く治療が検討されます。 「膝の水を抜くと癖になる」と言われることもありますが、水を抜いたからといって癖になることはありません。水が溜まっていて「どれくらいで治るの?早く治したい!」という人は、溜まった水は放置しないようにしましょう。 まとめ 膝の腫れがどれくらいで治るかについて、また、膝に溜まる水について紹介しました。膝の腫れは短期間で治るケースもあれば、慢性的になって症状もどんどんつらくなってしまうケースも少なくありません。 膝の痛みや腫れが長引いていて、薬物療法を始めとする保存治療でも改善できないという場合、再生医療という選択肢もあるので、ぜひ検討してみることをおすすめします。
2020.06.09 -
- 変形性股関節症
変形性股関節症はどんなセルフケアをするといいのか 変形性股関節症の治療には、骨切り術や人工関節置換術のほか、温熱療法や保存療法と言った、患者さん自身が自宅や職場など病院の外で取り組む治療もあります。 今回は、変形性関節症におけるセルフケアについて紹介します。 変形性股関節症におけるセルフケアの重要性 変形性股関節症における患者自身が行うことのできるセルフケアは多岐に渡ります。変形性股関節症は、その病期や状態に応じて保存療法のみで経過観察を行う場合もあります。また、手術療法と保存療法どちらも行う場合もあります。 最近は、最先端の再生医療、患者自身の細胞を用いて軟骨組織の修正を促す治療を受ける方もいるでしょう。このように、変形性股関節症は患者に応じて治療法が異なります。 しかし、変形股関節症では股関節にかかる負担を軽減させることが重要です。そのため、どの治療法であったとしても体重の減量や靴選びといった日常生活指導のほか、運動による筋力保持や股関節周囲の筋肉のこわばりを減らすストレッチのようなセルフケアを行う必要があります。 温熱療法 体を温めることで血行を促進させ、筋肉をほぐして痛みを和らげます。関節可動域の拡大や維持のために、温熱療法のあとに運動療法を行うと、より効果的であると言われています。 温熱療法は、ぬるめのお風呂にゆっくりと浸かる、火傷をしない程度に温めたタオルを乗せて血行を促進させるという方法があります。しかし、炎症を起こしている場合、温熱療法は逆効果になり痛みが増してしまう場合もあるので、注意が必要です。 運動療法 運動療法では股関節の緊張をほぐすストレッチや股関節のサポートをする目的で筋力トレーニングや適度な有酸素運動を行います。ストレッチにより筋肉の緊張がほぐれ、股関節の位置が調節されて股関節を楽に動かすことができるようになってから筋力トレーニングを行うようにしましょう。 筋力トレーニングにより、股関節周辺の大きな筋肉が、股関節を正しい位置でサポートします。ただし、筋力トレーニングはやりすぎてしまうと股関節に負担をかけてしまう為、痛みを感じない程度で継続して行うようにしましょう。 まとめ/変形性股関節症はどんなセルフケアをするといいの? 変形性股関節症におけるセルフケアは、どのようなケアをすればいいのかについて紹介しました。正しいセルフケアをおこなうことで、関節可動域の維持や筋力アップにより痛みの緩和や変形性股関節症の進行を遅らせる効果が期待できると言われています。 ストレッチで筋肉を十分にほぐしてから筋力トレーニングを行うようにしましょう。筋力トレーニングや適度な有酸素運動によって骨盤や股関節のサポートが期待できます。 また、股関節に過度の負担をかけないことが重要であるため、定期的に受診して状態を確認しながら、やりすぎに注意して継続して行うようにしましょう。 監修:リペアセルクリニック大阪院 こちらも併せてご参照ください
2020.06.08 -
- 変形性股関節症
変形性股関節症と骨盤傾斜に関係はあるのか 変形性股関節症は、股関節における軟骨のすり減りや骨の異常により痛みを伴う病気です。では変形性股関節症と骨盤傾斜に関係性はあるのでしょうか。ここでは変形性股関節症と骨盤傾斜は関係があるのかどうか、また、その影響について紹介していきます。 変形性股関節症と骨盤傾斜の関係とは? 患者が痛みを訴えて受診する変形性股関節症では、股関節の軟骨のすり減りや骨の異常を確認することができます。さらにレントゲン写真を観察すると、骨盤傾斜と呼ばれる骨盤の傾きが見られる場合があります。 そして、この骨盤傾斜が股関節に負担を与え、変形性股関節症における骨の形成に影響を与える可能性があることもわかっています。股関節は骨盤側の骨である寛骨臼と太もも側である大腿骨によって構成されており、この部分の形成異常も変形性股関節症の原因となります。 寛骨臼の形成異常による変形性股関節症は、骨盤前傾が強いことが報告されており、大腿骨や寛骨臼の骨の異常である骨棘形成が強いほど、骨盤前傾もより多く見られます。 一方で高齢者の変形性股関節症では、骨盤後傾が強く見られます。寛骨臼の大腿骨を受ける部分のことを臼蓋骨と呼び、臼蓋と大腿骨の接続部がうまく形成されていない臼蓋形成不全が日本では多く見られます。 骨盤傾斜角の違いにより、骨盤の状態が大きな円形状に見えるものから細長く見えるものまで、さまざまであることもわかっています。そして、傾斜角の小さいものでは、傾斜角が大きいものと比べて骨の形成不全や変形を伴わない変形性股関節症を発症しています。 骨盤傾斜角が小さいと、前方の臼蓋形成不全を引き起こし、変形性股関節症の進行を促進させてしまいます。 逆に、骨盤傾斜角が大きくても、臼蓋骨の後方に負荷がかかりやすくはなるものの、寛骨臼は元々後方が大きい骨であるため後方臼蓋骨の形成不全にはならないと考えられています。 レントゲンを撮った際に、変形性股関節症の原因がわからない時は骨盤傾斜が小さいことによる前方臼蓋形成不全の可能性があるのです。しかし股関節に影響を与える要因は骨盤の前傾だけではなく、坐骨や恥骨といった骨のひねりにもあると考えられています。 このように、変形性股関節症の病態において骨盤傾斜も関係すると考えられてはいるものの、それ以外にも変形性股関節症を引き起こす要因は股関節のこわばりや脊椎の変形などにもあるとされています。 そして、変形性股関節症の要因がどこにあるのかを早期に判断することで治療方針も異なってくるため、痛みを感じたらできるだけ早期に受診するようにしましょう。 まとめ・変形性股関節症と骨盤傾斜に関係はあるのか 変形性股関節症と骨盤傾斜の関係についてご紹介しました。変形性股関節症における骨盤傾斜は、その傾斜角の違いにより変形性股関節症を引き起こしている原因をはっきりさせることができる場合があります。 特に骨盤前傾のタイプでは、より痛みが強く、骨の形成不全も起きている可能性も高いので、早期に確認、診断することが治療開始や方針を決定するために重要です。痛みを我慢することなく、早めに医療機関を受診するようにしてくださいね。 以上、変形性股関節症と骨盤傾斜に関係はあるのかと題して説明させて頂きました。 監修:リペアセルクリニック大阪院
2020.06.06 -
- ひざ
- 再生治療
膝に痛みや腫れがあると、立つ、座るといった普段の何気ない動作でも思うようにできなかったり、痛みが生じたりして大きな支障が出てしまうものです。そのため、「膝の腫れや痛みを自分でも何とかできないだろうか?」と思う人もたくさんいるでしょう。 そういった人たちの中には、「膝の腫れや痛みに効くツボはないのだろうか」と思っている人もいるのではないでしょうか。 そこで今回は、膝の腫れや痛みに効くツボについて紹介します。 膝の腫れにツボ押しがおすすめの理由 膝の腫れの原因は運動や階段の昇り降りなど、いろいろな動作によって膝関節に負担がかかってしまうことです。そのため、膝の腫れの予防や改善をするためには膝関節に余計な負担をかけないようにすることが大切ですが、関節の弾力性を保つことも大切になります。 関節の弾力性を保つためには関節部分の血液の流れを良くして、必要な栄養がしっかりと行き届くようにすることが欠かせません。 そこで、ツボ押しをおこない血液の流れをよくすることで、関節の弾力性を保つことにつながり、膝の腫れの予防や改善にもつながることが期待できます。 膝の腫れにおすすめのツボはどこ? 膝の腫れの予防や改善にツボ押しはおすすめですが、膝の腫れの部分を直接押したり、闇雲に押したりするのではなく、膝の腫れにおすすめと言われているツボを正確に押すことが大切です。 陰陵泉 陰陵泉(いんりょうせん)は膝の内側の下にあるツボです。内くるぶしから骨に沿って指を上になぞっていくと指が止まる部分が陰陵泉になります。 血海と梁丘 血海(けっかい)は膝の皿の上端の内側から指2本分上のところにあるツボで、皿の上端の外側から指2本分上のところあるツボが梁丘(りょうきゅう)になります。 委中 委中(いちゅう)は、膝の裏側にできる横ジワの真ん中の部分にあるツボです。 膝の腫れ対策としてツボ押しをするときの注意点 膝の腫れの予防や改善にツボ押しをする際に注意すべきなのが力の入れ具合です。ツボを強く押した方がより高い効果が期待できるのではないかと思って、力を入れて強く押してしまいがちです。 しかし、ツボ押しは軽く撫でるくらいの力でじゅうぶんに効果が期待できるので力の入れ過ぎには注意しましょう。 また、ツボ押しをしたからといって急激に膝の腫れが改善されるというものではありません。 なので、短期間やって効果がないからと諦めるのではなく、毎日短時間でもいいので継続してみることが大切です。 また、ツボ押しをするまえに、かかりつけの医師にツボ押しをしても良いかどうか聞いてみたほうが安心です。 まとめ 膝の腫れにおすすめのツボについて紹介しました。膝の腫れや痛みに悩んでいる人は膝の腫れや痛みにおすすめのツボのツボ押しを試してみてはいかがでしょうか。 また、ツボ押しをしたり、いろいろな治療を受けたりしても改善されないという場合は、再生医療という治療方法もあります。 再生医療による治療を検討したい人は、まずは、専門医にご相談くださいね。 こちらもご参照ください
2020.06.05 -
- 変形性股関節症
変形性股関節症の診断は、今後の治療の方向性を決めるためにも、その検査が重要なものとなっています。 軟骨のすり減りや骨の変形が進んでいない段階で変形性股関節症の治療を始めると、自身の股関節を温存できる期間も長くなります。 今回は、変形性関節症の診断における検査の重要性やその種類について紹介していきます。 変形性股関節症の検査の重要性 股関節は人体で最も大きな関節であり、頻繁に使われる関節でもあるため、日常的に負担がかかりやすい部位です。 そして、変形性股関節症は加齢が原因の場合が多く、股関節を酷使し続けた結果、軟骨がすり減り痛みや違和感を生じる疾患です。 しかし、早期の段階で治療を始めることにより、負担を軽減させる指導を受けられますし、負担の少ない保存療法での治療を行うこともできます。 ただし、適切な治療をおこなうためには、変形性股関節症の検査をきちんと受けなければなりません。 変形性股関節症の検査の種類 変形性股関節症の診断では、問診や診察で股関節の可動域のチェックをしたのち、単純X線検査(レントゲン検査)で診断します。必要に応じてCTとMRIなどの検査を行うこともあります。 可動域制限 可動域とは関節の動く範囲のことで、関節可動域制限とはこの範囲が狭くなった状態と定義されています。 可動域制限は関節周辺の皮膚や骨格筋のような軟部組織に原因がある場合と、変形性股関節症のような骨や軟骨と言った関節を構成する部位に問題がある場合があります。 変形性股関節症における単純X線検査(レントゲン検査) 変形性股関節症は、多くが骨盤側の骨である寛骨臼と太もも側の骨である大腿骨の形態異常によるものです。 そのため、変形性股関節症の状態を知るには正常な股関節との比較が必要です。 変形性股関節症では、骨棘と呼ばれる異常な骨組織や、骨嚢胞と呼ばれる骨の空洞、そして関節のすり減りが見られます。これらの有無をレントゲン検査で確認し、診断を行います。 さらにそのすり減り具合などの状態によって、変形性股関節症の病期も判断します。 変形性股関節症では、一般的に病期が進行するにつれて可動域も減少し、痛みも激しくなりますが、治療開始が早いほど、痛みの改善も早く見られる傾向にあります。 つまり、レントゲン検査による変形性股関節症の診断と病期の判断の早さが、今後の治療において重要なのです。 変形性股関節症におけるCT検査 CT検査を行うことで、より立体的に股関節の状態を把握することが可能です。そのため、手術前の計画や術後の確認などを行う場合に用いられることがあります。 しかし、放射線を用いる検査でもあるため、対象となる患者は限られます。 変形性股関節症におけるMRI検査 レントゲン検査で観察することができなかった骨の内部の状態を確認することができます。 そのため、レントゲン検査の補助的な診断を行う場合にMRI検査が行われることがあります。 まとめ 変形性股関節症における検査の重要性と、検査の方法について紹介しました。 変形性股関節症の検査では問診や可動域のチェックの他、レントゲン検査、CT検査やMRI検査も必要に応じて行われることがあります。 治療開始の早さがその後の治療方針も決定する変形性股関節症においては、レントゲン検査での診断の確定や病期の診断をなるべく早く行うことが重要です。 痛みを我慢せず早めに医療機関を受診するようにしましょう。 こちらも併せてご参照ください
2020.06.04 -
- ひざ
- 再生治療
半月板損傷にはサポーターをおすすめします スポーツ外傷で多くみられる半月板損傷ですが、加齢によって起こりやすくなることもあります。膝の痛みや動かしにくさなど日常生活に支障が出ることもあるので、早めに治療し、再発予防に努めたいと思う人は多いのではないでしょうか。 今回は半月板損傷の治療や予防に用いるサポーターについてご紹介します。 半月板損傷の治療、サポーターで安静がおすすめ 膝関節には半月板という板状の組織があります。歩くだけでも膝関節には大きな負荷がかかります。そのため、膝は半月板以外にも軟骨や靭帯、腱といった多くの組織で構成されています。 半月板は、それらの組織を安定させ、膝の動きをよくする役割を果たしています。 そんな半月板ですが、強い衝撃や急激な負荷が加わると傷ついてしまうことがあります。これが半月板損傷ですが、このとき周辺の組織にも負荷がかかるため、それらを守ろうとして筋肉が収縮することもあります。 筋肉の収縮によって膝に痛みが生じます。このときに無理に動かそうとすると他の組織を痛めてしまったり、半月板損傷がひどくなる恐れがあります。そのため、受傷した直後は医師から安静にするよう指示されることもあるでしょう。 半月板は自然に元の状態に戻ることが難しいものの、安静によって自然に癒合することや、症状が改善する場合もあります。しかし、安静が必要とはいっても歩くときに膝関節を使うのでどのようにしたらいいか不安ですね。 そのようなとき、膝用のサポーターを使うことが推奨されています。 つまり、「半月板損傷では膝の安静を保つためにサポーターがおすすめ」ということになります。 半月板損傷の予防にもサポーターがおすすめ 半月板損傷の安静にはサポーターがおすすめですが、再発予防にも用いることがあります。半月板損傷は保存療法で症状の改善を目指すことが多いですが、損傷がひどかったり膝の曲げ伸ばしができないロッキングという状態になれば手術を検討します。 手術には損傷した半月板を縫い合わせる縫合術と、断裂した部分を取り除く切除術があります。関節鏡という機械を用いるので手術による傷は小さくて済みますが、安静によって低下した筋力アップや再発予防のために、数か月にわたるリハビリが必要となります。 手術をしたからといって半月板損傷が起こらないわけではありません。再断裂のリスクもあるため、予防が必要なのです。膝関節の負荷を軽減させ、無理な動きをしないようにするため、「半月板損傷の予防にサポーターを使用する」のもおすすめです。 半月板損傷の治療には再生医療という選択肢も! 半月板損傷の治療で手術を検討する場合もありますが、リハビリも含めて治療期間が長くなることから躊躇する人もいます。そんな中注目されているのが再生医療という選択肢です。 再生医療は自身の脂肪から採取・抽出した幹細胞を膝関節に注射するという方法です。 再生医療は、幹細胞が損傷した半月板を修復させてくれるというこれまでにない治療法であり、手術に代わる方法として、可能性が広がっています。 まとめ・半月板損傷にはサポーターをおすすめします 半月板損傷で行う保存療法では、膝関節の安静が必要な場合があり、そのときにおすすめなのが膝用のサポーターです。サポーターで無理な動きをしないようにすることで、安静を保つことができます。 また、手術に代わる治療法として再生医療が注目されています。手術は避けたい、治療期間を短くしたいという人は、ぜひ、検討してみてはいかがでしょうか。以上、半月板損傷にはサポーターがおすすめと題してご説明しました。 監修:リペアセルクリニック大阪院
2020.06.03 -
- 変形性股関節症
- 再生治療
変形股関節症は完治するの? 変形股関節症は完治する病気なのでしょうか?高齢化社会に伴い加齢が発症の一因ともなる変形股関節症の方が増えてきています。痛みを感じない軽度の方から、日常生活を送るのが困難な方までその症状や状態も多岐に渡ります。 ここでは変形股関節症の状態と完治について紹介していきます。 変形股関節症は完治するのか 変形性股関節症とは、加齢や骨の異常により軟骨のすり減りや骨の変形が起きてしまう病気のことです。一度すり減った軟骨や骨の変形は二度と元には戻らないため、変形性股関節症が完治するということはありません。 変形性股関節症はどんな治療をするの? 比較的早期の段階では、ヒアルロン酸の注射や人工的に骨を削って形を整える骨切り術と呼ばれる手術が行われます。さらに症状が進み悪化している場合には人工関節置換術が行われ、股関節を人工関節と置き換えます。 それぞれの状態に応じて治療を行い、症状の緩和や進行の抑制をすることはできても、関節自体を元の状態に戻す治療法は現段階でないのが実情です。 人工関節置換術とは? 変形性股関節症で損傷が進んでしまった股関節を人工関節と置き換えることで、完治に近い状態に持っていくことができます。人工関節置換術では手術後ほぼ完全に痛みがなくなり、手術翌日からリハビリを始め、約2週間で退院して不自由なく歩くことができます。 しかし、人工関節にはデメリットもあります。術後経過が一見良好でも、人工関節が外れてしまう脱臼が起きることがあり、これが続くようであれば再手術となります。 また、人工関節を入れた部分は細菌感染が起きやすい環境になっており、炎症がひどくなると人工関節自体を取りはずさなければならない場合もあります。さらには、人工関節も時間が経つにつれて劣化してしまうため定期的に受診しながら状態の確認も行う必要があります。 このように万能と思われる人工関節にもデメリットはあります。 完治しない変形性股関節症…注目を集める治療法があった! 近年、注目を浴びている新しい治療法に再生医療があります。再生医療は、自身の細胞を用いて軟骨の修復や再生を促進したり、病気の進行を抑制することが可能と言われており、他の治療を行っても効果が感じられなかったり、症状が悪化してしまった場合の選択肢として検討する人もいます。 副作用が少なく済むなど、患者さんへの負担も小さく、治療期間も短くて済むなどのメリットもあります。 まとめ/変形股関節症は完治するのか 変形性股関節症は、現状では完治することのない病気です。痛みが大きく和らぐ人工関節手術を行ったとしても、定期的に受診して状態を確認せねばならず、完治とは言えません。 変形性股関節症における治療は進行を抑制することしかできず、術後もできるだけ負担をかけないようにするなど、上手につきあっていく必要があるのです。 完治しない病気であるからこそ、痛みを我慢したりせず、軟骨や関節のすり減りや悪化が進む前に早めに医療機関を受診し、治療法や日常生活上の注意などの指導を受けるようにしましょう。 また、近年注目を集めている再生医療についても検討してみてはいかがでしょうか。 監修:リペアセルクリニック大阪院 ▼こちらもご参照ください
2020.06.02 -
- ひざ
- 再生治療
膝を何かにぶつけたりしたわけでもないのに膝が腫れてきて、その腫れが引かないという状況になると、「今後どうなるのだろう」「どのように対処すればいいのだろう」と不安になると思います。 今回は、膝の腫れが引かない原因について、また、対処方法について紹介します。 膝の腫れが引かない主な原因 転倒したり、何かにぶつかったりしたというように思い当たるようなことがなく、膝が腫れてきて、膝の腫れが引かないという場合の原因で多いのが以下の3つです。 変形性膝関節症 膝の軟骨の擦り減りによって、骨と骨がぶつかり合うことで炎症が起きて膝に痛みや腫れが生じます。遺伝や加齢のほか、姿勢や肥満などが原因につながると言われています。 リウマチ 自己免疫疾患の一つで、免疫システムが間違って自分の細胞を攻撃することで、関節を覆っている滑膜に炎症が起きてこわばり、痛み、腫れなどが生じます。関節リウマチの症状は手のこわばりがよく知られていますが、膝関節の腫れも症状の一つです。 痛風・偽痛風 痛風は溜まった尿酸が結晶化することで炎症を引き起こすもので、激しい痛みや腫れが生じます。足の親指の付け根やくるぶしの他にも膝が腫れるケースもあります。同じような症状で、ピロリン酸カルシウムが結晶化するのが原因の偽痛風というものもあります。 膝の腫れが引かないときの対処方法 膝の腫れが引かない場合、膝に熱をもっていたら冷やすのが効果的です。氷枕やアイスノンを使用したり、タオルを水に濡らしたりして患部を20分から30分くらい冷やすというのを1日2、3回おこないましょう。 症状が軽度であれば患部を冷やしていると2、3日くらいで腫れが引いてくるでしょう。 また、普段の生活で、できるだけ膝に負担がかからないようにすることが大切です。体重が増えるとそれだけ膝にかかる負担が大きくなるので、肥満の人は減量することで膝への負担を軽減することができます。 また、立ち仕事など長時間立っていることが多い人は、短時間でもいいのでこまめに休憩をとるようにしましょう。 膝の腫れが引かない時は早めに医療機関を受診 膝が腫れたので患部を冷やして安静にしていたけど膝の腫れが引かないといときは、できるだけ早めに医療機関を受診するのがおすすめです。 医療機関を受診する際には、いつごろから腫れたのか、普段の生活で膝に負担がかかるようなことをしているかなど、できるだけ多くの情報を伝えることができるようにまとめておくのがおすすめです。 まとめ 膝の腫れが引かない原因や治療方法について紹介しました。 膝は骨や関節、靭帯、腱などの構造が不安定な部位であるため、普段の姿勢などちょっとしたことが原因で膝へ負担がかかり、炎症が起きて腫れや痛みが生じやすい部位になります。 膝の腫れや痛みなどの治療を受けても改善されず、手術しかないのだろうかと思っている人は再生医療という治療方法もあります。治療法の選択肢として、再生医療も検討してみてはいかがでしょうか。 ▼こちらもご参照ください 半月板損傷かも?そんな場合に症状をチェックする方法 変形性膝関節症の人がしてはいけない仕事とその理由
2020.06.01 -
- 変形性股関節症
- 再生治療
変形性股関節症で踏み台昇降は運動療法としておすすめなのか 変形性股関節症では、股関節の痛みの緩和や症状の進行を抑えるための保存療法として適切な運動療法が必要です。 これは通常のウォーキングや、筋肉をほぐすストレッチと平坦な道や水中ウォーキング、自転車や低負荷のエアロバイク、エアロビクスといった適宜な筋力トレーニングなどの運動を行います。 では、変形股関節症において踏み台昇降は、運動療法としておすすめなのでしょうか。 変形性股関節症における運動療法としての踏み台昇降 変形股関節症は、軟骨がすり減り骨が変形して痛みや違和感を伴い、時には日常生活にも支障をきたす病気です。この痛みの緩和と軟骨のすり減りの進行防止が、変形性股関節症における治療の目標です。 ストレッチを行い股関節周囲の筋肉をリラックスさせ、股関節の柔軟性を高めることで股関節の位置が調整され、より楽に動かすことができます。 一方で適度な運動や筋力トレーニングは股関節周囲の筋肉を鍛えて骨盤と大腿骨のサポートをすることにより股関節への負担を軽減することが目的となっています。ストレッチを行い、筋肉がほぐれて楽に動かすことができるようになってきたら、筋力トレーニングを開始します。 膝などに痛みがない場合はスクワットが推奨されていますが、既に痛みがある場合は悪化を防ぐためより負担の軽い水中ウォーキングから始めると良いでしょう。 階段や踏み台昇降は、骨盤周辺の大きな複数の筋肉を同時に鍛えることができる運動で、適切な昇降運動は効果的に股関節を強化します。そのため、変形股関節症の運動療法として踏み台昇降運動をおこなうのは良いのですが、高すぎる踏み台は股関節に過度の負荷をかけてしまう場合もあり注意が必要です。 効果的な反面、大きく股関節を使うため誤った方法で続けるとその分負荷も大きくなってしまうのからです。有酸素運動については、週3回異常が望ましいとされていますが、筋力トレーニングと有酸素運動を行う際は過度な負担がかからないように気をつけましょう。 効果的だからと、やりすぎてしまうことにより、股関節に炎症が起き、変形性股関節症の進行を早めてしまう場合があるからです。 まとめ・変形性股関節症で踏み台昇降は運動療法としておすすめなのか 変形性股関節症においてストレッチや適度な運動は痛みの緩和や進行の抑制に効果的です。踏み台昇降運動は踏み台の高さや足を下ろす順番を守るなど正しく行うことによって効果的に股関節を強化するため推奨される運動ですが、反面負担も大きく、注意が必要です。 股関節の状態に応じて、無理のない範囲で筋力トレーニングや運動を継続して行うことが症状の改善に繋がります。自分で運動や筋力トレーニングを継続して行うことが難しい場合などに新しい治療の選択肢として股関節の再生医療が挙げられます。 自身の細胞で軟骨を修復するため手術のような大きな負担もありません。医師と相談して検討してみるのも良いでしょう。 監修:リペアセルクリニック大阪院
2020.05.31 -
- ひざ
- 再生治療
半月板損傷で起こるロッキングは治療できるのか? 半月板損傷になると膝が動かなくなるのでは?と不安に思う人もいるかもしれません。痛みを引き起こすだけでなく、膝の曲げ伸ばしの違和感といった症状が出るのが半月板損傷です。 今回は半月板損傷で生じるロッキングについてご紹介します。ロッキングの状態になったらどのような治療があるのか、治療でよくなるのかについてみていきましょう 。 半月板損傷で起こるロッキングは治療できる? ロッキングについて説明する前に、まずは半月板損傷について見ていきましょう。半月板は、C型を呈した内側半月板とO型を呈した外側半月板に分かれています。そして、周辺には軟骨や靭帯、腱などがあり、膝の安定性を守る役割を果たしています。 歩くだけでも大きな負荷がかかるのが膝関節です。その負荷を軽減させるため、半月板はクッション性を高めたり、周辺の組織を安定させたりしているのです。そんな半月板ですが、急激な負荷や強い衝撃で傷ついてしまうことがあります。それが半月板損傷です。 半月板損傷が起こると、膝を動かしたときの痛みや、膝の曲げ伸ばしのしにくさといった症状が見受けられます。そして、断裂した半月板が膝関節に挟まってしまうことがあり、そうなると膝がロックされて動かすことができない状態になります。 これを半月板損傷のロッキングといいます。 半月板損傷のロッキングはどのように治療するの? 半月板損傷の主な治療は保存療法と手術です。半月板を切除してしまうと、クッション性がなくなり軟骨をすり減らすリスクがあるため、できるだけ保存療法を行うことが多いです。 しかし、ロッキングの状態になれば膝を動かすことができず歩行が困難になるため手術を検討することになります。手術には、損傷した半月板を縫い合わせる縫合術と、断裂した半月板を取り除く切除術があります。どちらも関節鏡という機械を用いて行うため、手術の傷は小さいです。 半月板損傷の治療に再生医療という選択肢 半月板損傷でロッキングの状態になると、治療に手術を検討することになります。しかし、手術のときにできる傷は小さいとはいえ、合併症や術後のリハビリのことを考えて躊躇する人もいるでしょう。 近年、半月板損傷の治療に再生医療が注目されています。再生医療では、自身の脂肪から採取・抽出した幹細胞を膝に注射します。その幹細胞が傷ついた半月板や軟骨といった組織を修復させることが期待されているのです。 一度損傷した半月板は、自然に元の状態に戻ることが難しいです。そんな半月板を修復させるとして、再生医療を選択する人も増えています。 まとめ/半月板損傷で起こるロッキングは治療できるのか? 今回は半月板損傷で起こるロッキングの治療についてご紹介しました。断裂した半月板が膝関節に挟まることで、膝が動かせなくなるのがロッキングです。この状態になると保存療法ではなく手術という治療を検討することになります。 しかし近年では、新たな治療として幹細胞を用いて半月板を修復させる再生医療も注目を集めています。治療の選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。 監修:リペアセルクリニック大阪院
2020.05.30 -
- 変形性股関節症
変形性股関節症における骨切り術とはどんな治療法なのか 変形性股関節症において「骨切り術」という治療法がありますが、どのような治療法なのでしょうか?変形性股関節症であれば誰でも骨切り術を行うのでしょうか?ここでは変形性股関節症における骨切り術について紹介していきます。 変形性股関節症における骨切り術 変形性股関節症とは軟骨のすり減りにより、骨盤と大腿骨の隙間が狭くなることで痛みや動かしづらさを感じ、日常生活に支障をきたすこともある病気です。変形性股関節症では、まずは保存療法を行い関節機能の悪化を防ぎます。 しかし、保存療法を行っても症状の改善が見られない、さらに痛みが増して日常生活にも支障をきたすという場合は、骨切り術などの手術を検討することがあります。 骨切り術とは? 骨切り術は変形性股関節症における手術療法の1つで自分自身の股関節を温存できるものです。人工関節を入れる手術療法に対し、骨切り術では比較的若く、関節がそれほど痛んでいない早期の段階に行われます。 骨切り術は股関節を形成する骨を手術によって切り取ったり、ずらすことにより軟骨の残っている部位で体重を受けるよう股関節の調整を行います。これにより負担が分散され、軟骨がすり減りにくくなります。 股関節は骨盤と大腿骨の2種の骨の組み合わせで成り立っているため、骨切り術も骨盤側を削る場合と大腿骨側を削る場合、その両方を削る場合があります。 骨盤側を削る手術を寛骨臼回転骨切り術と呼び、大腿骨を調整するものを大腿骨骨切り術と呼びます。 変形性股関節症における骨切り術のメリットとデメリット 変形性股関節症における骨切り術における最大のメリットは、自身の股関節を温存できる点です。大きな力が加わらなければ、日常生活や運動にも特に制限はありません。 一方で、骨切りした部分が治るまでは負担をかけることができないため、関節をすぐに動かすことができず、入院やリハビリ期間が長くなってしまうこともあります。 また、再度関節の軟骨がすり減って痛みが出るようになり再手術となる可能性もあります。そして、そのような場合には、人工関節手術を行うことも視野に入れる必要が出てきます。 骨切り術を行っても、軟骨のすり減りが元に戻るわけではないため、痛みを我慢したり、無理な運動をしてしまうと変形性股関節症はさらに悪化してしまいます。 変形性股関節症は定期的に受診し、状態の確認をしながら上手に付き合っていくことが重要です。 まとめ・変形性股関節症における骨切り術 変形性股関節症における骨切り術について紹介しました。 骨切り術は変形性股関節症の比較的早期の段階で、年齢も若い方が対象となる手術療法です。しかし人工関節手術と比べ、リハビリに時間がかかり社会復帰に時間を要するため、その人のライフスタイルに応じてどちらの手術を行うか検討する必要があります。 現在では自身の細胞で軟骨損傷を修復する再生療法という治療も選択可能になっています。どうしても手術を避けたい、今までの治療で効果を感じることができなかったという場合には、この再生医療を検討してみるのも良いでしょう。 監修:リペアセルクリニック大阪院
2020.05.29 -
- ひざ
- 再生治療
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- 変形性股関節症
変形性股関節症におけるステージ分類について 変形性股関節症では、レントゲン写真を撮って股関節の状態を確認し、関節同士の隙間の広さや軟骨のすり減り状態からステージの分類を行います。この状態確認を行うことにより、股関節の骨の接触具合や変形の有無、軟骨の消失程度を判断し、ステージの分類に応じた治療を開始していくこととなります。 ステージの分類において、変形性股関節症の状態が早期の場合には保存療法で済むこともありますが、進行してしまうと手術が必要になる場合もあります。今回は、変形性股関節症におけるステージ分類についてご紹介します。 変形性股関節症、4つのステージの分類 変形性股関節症におけるステージの分類は、股関節の隙間である関節列隙の状態に応じて「前期」、「初期」、「進行期」、「末期」の4期に分類されます。 前期、股関節症 股関節とは、骨盤の臼蓋と呼ばれる部分と大腿骨の骨頭と呼ばれる部分の組み合わせのことを指しています。前期股関節症では、この組み合わせ部分には異常が見られるものの、隙間の広さは正常で軟骨のすり減りは見られません。 初期、股関節症 初期の段階になると、隙間がやや狭くなった状態です。この段階では痛みは少ない場合が多く、中には違和感を覚える方や筋肉のこわばりを訴える方もいます。 進行期、股関節症 隙間がさらに狭くなり、関節のすり減りも進行してきた状態です。歩行時に痛みを感じ、しゃがみ込みができないなど日常生活に支障をきたす場合もあります。 末期、股関節症 隙間が消失し、骨の変形も進んでしまった状態です。この段階になると組み合わさった骨同士が直接接触して激しい痛みが出てきてしまい、人工関節をいれるような体にも負担のかかる大きな手術をせざるを得なくなってしまいます。 まとめ・変形性股関節症におけるステージ分類について 変形性股関節症における四つのステージ分類について紹介しました。 軟骨のすり減りや骨の変形が進んでしまうと、手術を避けられなくなってしまう場合もあり、なるべく早い段階での治療開始が望まれます。 現在では手術以外にも患者さん負担を抑えることができ、副作用も少ない再生医療も注目を集めています。とても多くのメリットがある治療法として注目を集めているので、治療の選択肢の1つとしてみてはいかがでしょうか。 また、変形性関節症のステージ分類を確定し治療を始めるためにも、痛みを我慢せず、早期に医療機関を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。以上、変形性股関節症におけるステージの分類について記させていただきました。 監修:リペアセルクリニック大阪院
2020.05.27 -
- 再生治療
関節の痛みや変形といったつらい症状が出現することで知られている関節リウマチ。 もしも、そんな関節リウマチだと診断されたら「これからどうなるのか」「治るのだろうか」と不安になる人も多いでしょう。 今回は、関節リウマチは治るのかについてご紹介します。 こちらもご参照ください 関節リウマチって治るの?どんな病気なの? 関節リウマチは自己免疫疾患のひとつです。細胞やウイルスなどが体内に侵入すると、免疫機能が異物を感知して闘おうとします。 しかし、免疫機能に何からの不具合が生じ自分の体を異物として攻撃してしまうことがあります。これが自己免疫疾患です。 そして、自己免疫が関節の骨や軟骨をいためるのが関節リウマチなのです。 関節リウマチは病気が進行すると関節の骨や軟骨が破壊されてしまいます。関節リウマチの患者さんの手や足が変形してしまうのはこのためです。 日常生活に支障が出たり、歩行が不安定になったりするため、変形を防ぎたいという人は多いでしょう。 そんな関節リウマチですが、治療によって治るのでしょうか。 結論からいうと、完治はしません。 しかし、病気の研究や治療薬の開発が進み、「治る」に近い状態にもっていくことが可能になりました。 治るというわけではないのですが、寛解(病気が活発ではなく落ち着いている状態)は期待できるのです。炎症が落ち着いている状態になるため、関節の痛みといった症状も軽くなるでしょう。 関節リウマチの治療法は? 関節リウマチの治療法は、薬物療法が主軸になります。抗リウマチ薬で病気が治るわけではありませんが、進行を遅らせたり炎症を抑える効果が期待できます。 また、内服薬だけでなく、点滴という方法もあります。リウマチの薬といっても種類はいろいろあるため、症状や病気の程度によって薬剤が検討されます。 さらに、痛みが強いときには痛み止めを併用したり、炎症に対してステロイドを使用することもあります。 早期発見・早期治療をすると関節リウマチが悪化する前に進行を遅らせることも可能になります。 しかし、関節リウマチの治療に用いられる薬には副作用もあります。皮膚のかゆみ、皮疹、肝障害、胃腸障害といった副作用が出る薬もあるのです。 症状が落ち着いたからといって副作用を気にして自己判断で内服を中止するのは危険です。せっかく落ち着いた症状や炎症が再燃するリスクがあるからです。 治療や副作用のことなどは医師と相談しながら、指示通りに内服することが大切です。 関節リウマチの治療に再生医療という選択肢 これまで関節リウマチの治療は薬物療法がメインでした。しかし副作用の心配があるという患者さんが多いという現状もあります。 そんな中、近年、再生医療が関節リウマチの治療法として注目されています。PRP(多血小板血漿)を直接関節に注射するという、これまでの関節リウマチの治療にはなかった新たな方法です。 PRPは聞き慣れない人も多いかもしれませんので、簡単に説明します。 PRPとは多血小板血漿のことで、自分の血液から抽出します。このPRPを関節に注射すると、成長因子として新しい細胞や組織をつくりだす働きをするのです。 関節リウマチは自己免疫が関節の骨や軟骨を攻撃し、炎症が起きたり破壊される病気です。 再生医療では、成長因子が新しい細胞や組織をつくることで、関節の炎症を鎮めることが期待できます。 リウマチ自体が治るわけではありませんが、炎症が落ち着けば関節の痛みが軽減する可能性があるでしょう。 そして再生医療のメリットのひとつが、副作用です。PRPは自分の血液から抽出するため、副作用の心配が少なく安心して治療を受けることができます。 まとめ 関節リウマチの治療は薬物療法がメインですが、抗リウマチ薬によって治るわけではありません。 しかし炎症を抑え、症状を落ち着かせることや病気の進行を遅らせることは可能です。ただ、薬物療法では副作用が不安という人も多いでしょう。 近年、副作用の心配が少なくてすむ再生医療が、関節リウマチの治療として期待されています。治療法の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。
2020.05.26 -
- 幹細胞治療
ウイルス性肝炎はどう対策すればいいの? 肝臓の病気の中でも患者数の多いウイルス性肝炎。肝臓の病気と聞くと恐いという印象を持つ人もいるでしょう。そんな中ウイルス性肝炎ですが、どのような感染対策をすればいいのでしょうか。今回はウイルス性肝炎の感染対策や予防についてご紹介します。 ウイルス性肝炎の対策とは?経口感染の対策 ウイルス性肝炎とは、肝臓がウイルスに感染して炎症を起こした状態で、予防には感染対策が大切です。 感染経路は大きく分けて「経口感染」と「血行感染」の2種類です。経口感染はウイルスを口にすることで感染するもので、A型とE型肝炎がこれにあたります。A型肝炎を引き起こすウイルスは貝に付着していることが多いです。 A型ウイルス性肝炎は衛生環境のいい日本ではあまり発生せず、海外旅行での食事で感染する事例が多いです。また、ウイルスは便の中にも含まれるため、気付かないうちに便に触れてしまうことも感染リスクになります。 海外旅行の前にワクチンを接種する、食事の前の手洗いをするなどが、主な感染対策となります。 B型肝炎とC型肝炎の対策とは? 慢性化するリスクがあることで知られるB型・C型肝炎は、血液や体液を介してウイルスが体内に侵入することで感染します。B型肝炎は針刺し事故や性交渉が感染の原因となることがあります。 以前はB型肝炎ウイルスに感染した母親が出産するときに赤ちゃんに感染する「垂直感染」の事例が多いとされていました。しかし、1986年から母子感染予防プログラムが始まり、母子感染はほとんど見られないようになっています。 感染対策として、ウイルスを持っているかどうかも検査も行われています。C型肝炎は、輸血や血液製剤での感染例が多いのが特徴です。血液に直接触れることが一番のリスクでありB型肝炎のような性交渉や母子感染は少ないとされています。 B型・C型のどちらも、ウイルスを持っている人の血液に接触しないことが感染対策になるでしょう。医療従事者の場合は、針刺し事故を起こしたらすぐに検査をすることが重要です。 医療現場で針の使いまわしや、血液製剤からの感染が問題となっていました。しかし感染対策が講じられ医療環境が整えられたことで、これらによる感染はほとんど見られなくなっています。 日常生活で感染するリスクは低いものの、気を付けておきたい点はあります。 ・入れ墨やピアスをするときは清潔な器具で行う ・他人の血液を素手で触らない(自分の皮膚に傷があるときは要注意) ・血液が付着する可能性のあるものを他人と共有しない(歯ブラシ、かみそりなど) ・コンドームを正しく使用する(B型肝炎は性交渉での感染が多い) ウイルス性肝炎が肝硬変に…対策はできる? ウイルス性肝炎が慢性化すると、肝硬変や肝臓がんを合併するリスクがあります。そうならないようにするための対策は、検査で陽性となったら受診をすることと、必要に応じた治療を続けることです。 そのままにしておくと、知らないうちに肝硬変になっていたという場合もあるのです。肝硬変は、肝細胞が繊維化して肝臓が固くなる病気です。そうなると肝臓は自然に元の状態に戻ることができなくなります。 そんな肝硬変に近年注目されているのが再生医療です。自己由来幹細胞を静脈注射で肝臓に届けます。幹細胞が、繊維化した肝細胞を溶解・修復してくれるので、肝臓が元の機能を取り戻すことが期待できるのです。 まとめ・ウイルス性肝炎はどう対策すればいいの? ウイルス性肝炎には経口感染と血行感染があります。慢性化することで知られるB型・C型肝炎の感染は、他人の血液に触れないことで対策ができます。 慢性化しないための対策も重要ですが、それでも慢性化し肝硬変を合併してしまうこともあります。再生医療は、自己由来幹細胞を用いて肝臓が元の機能を取り戻すことを期待できる治療法です。 監修:リペアセルクリニック大阪院 こちらもご参照ください
2020.05.25 -
- 肩
「夜中に肩の痛みで目が覚める」「腕を動かすと痛みがある」「腕を動かすことができない」といった症状で悩んでいる人は肩が石灰化している可能性があります。 肩の石灰化に対する治療法はいろいろありますが、そのなかの1つに運動療法があります。 ここでは、肩の石灰化とはどういうものなのかについて紹介し、肩の石灰化に対する治療法の1つである運動療法についても紹介します。 肩の石灰化に対する運動療法の重要性 肩の痛みや関節の動きに制限がかかる原因となる石灰化とはどういったものかとそれに対する運動療法の目的について紹介します。 肩の石灰化とは? 肩の石灰化というのは、体内の余分なリン酸カルシウムが肩関節の動きを安定させる役割がある腱板の周囲に沈着して硬くなってしまうことです。 沈着するリン酸カルシウムは最初ミルク状ですが、徐々に練り歯磨き状、石膏状と硬くなっていきます。 この石灰化したものを身体が異物と認識して攻撃することで腱板が炎症を起こしたり、硬くなり膨れ上がった石灰が腱板を突き破ったりすることで、激しい痛みが生じますが、そうした症状を石灰沈着性腱板炎と言います。 こちらも併せてご参照ください 運動療法の目的 石灰沈着性腱板炎は、発症してから1週間から4週間(急性期)に強い痛みが生じるので、急性期は保存療法で安静にして、強い痛みが落ち着いたら運動療法を開始します。 運動療法はダメージを受けたり、動かさなかったりしたことで硬くなってしまった筋肉や関節をほぐすことで、痛みの緩和や関節の可動域を広げるのを目的におこないます。 肩の石灰化に対する運動療法は「痛みが強くならない」が大前提 肩の石灰化に対して運動療法をおこなう場合、痛みが強くならないように気を付けるのが大前提です。早く痛みを無くしたい、早く思うように動かせるようになりたいという気持ちが強く、強い痛みがあるのに無理して運動してしまうと悪化してしまいます。 強い痛みがある場合は運動するべきではありませんし、運動療法をおこなっていて強い痛みが出たらすぐに中止すべきです。 自宅でできる運動 肩の石灰化に対する運動療法は自宅で簡単にできるものもたくさんあります。 例えば、タオルの両端を両手で持って腕を真上に挙げた状態でゆっくり左右に動かすのを繰り返したり、両腕を下げて体の後ろでタオルの両端を持った状態で左右に動かす、上下に動かすのを繰り返したりするのもおすすめです。 まとめ 肩の石灰化とはどういうものなのかについてと、肩の石灰化に対する運動療法について紹介しました。 肩の石灰化に対して運動療法は有効ですが、間違ったタイミングや方法で運動をおこなってしまうと、かえって悪化してしまうことになります。 ですから、自己判断で運動したり、自己流の運動をしたりせずに、医師など専門家のアドバイスをきちんと受けた上で正しく行うことが大切です。
2020.05.24