ストレスで免疫力低下する原因は?免疫力を高める方法と生活習慣の改善について
公開日: 2020.06.24更新日: 2025.06.02
「最近何となく体調が良くない」「風邪をひきやすくなった」という方は、免疫力が低下している可能性があります。
日々のストレスが溜まった状態が続き、自律神経が乱れると免疫力低下の原因となります。
この記事では、ストレスによって免疫力が下がる原因や、対処法について解説します。
- ストレスで免疫力が低下する原因
- ストレス解消して免疫低下を防ぐ方法
- 免疫力を高めるにはストレス解消のほかに生活習慣の改善が重要
ストレスが免疫力低下につながる原因や対処法がわかれば、免疫力の低下を防ぎ、健康的な生活を手に入れられるでしょう。
目次
ストレスで免疫力が低下する原因は?
ストレスとは、外部からのさまざまな刺激によって緊張状態になることを指し、免疫力の低下につながります。
免疫力低下の原因となるストレスは、主に以下の3つです。
免疫力が下がると、風邪をひきやすくなったり、インフルエンザなどの感染症にかかりやすくなったりするため、原因を知って免疫力の低下を防ぎましょう。
慢性的なストレス
仕事や人間関係などから受ける慢性的なストレスは、免疫力低下の原因です。
鼻や口などの粘膜は免疫物質(IgA)を分泌して、ウイルスや細菌などが体内へ入らないように阻止しています。
しかし、慢性的なストレスを溜め込んだ結果、自律神経のバランスが乱れることで免疫物質の分泌量が下がることがわかっています。
慢性的なストレスを溜め込まないためにも、自分なりのストレス発散方法を把握しておくことが重要です。
急性的なストレス
継続的に続くストレスではなくても、一時的に大きな負荷がかかる急性的なストレスも免疫力を低下させる原因となります。
暑さや寒さや、難しい決断などはもちろんですが、一定時間難しい仕事や勉強に取り組むような状況でも免疫力低下につながることが、実験で明らかになっています。
10分程度の短時間に受けたストレスでも、免疫物質(IgA)の分泌量が低下し、免疫力を下げてしまいます。
女性のホルモンバランスによるストレス
女性はホルモンバランスの乱れからもストレスを受けるため、PMSとも呼ばれる生理前症候群に注意が必要です。
PMSは月経の3日から10日ほど前から起こる不調のことで、イライラや頭痛、吐き気などの症状が見られます。
月経前・月経中・月経後の免疫物質の量を、PMSがある女性とない女性とで比較した場合、PMSがある女性は月経後に免疫物質(IgA)の数値が下がっていることが判明しています。
PMSの症状が出る月経前ではなく、月経後に免疫物質が減少するのは、月経前に受ける心身への負担を慢性的にストレスに感じているのです。
女性の免疫力低下については、以下の記事も合わせて参考にしてください。
ストレス解消して免疫力低下を防ぐ方法
免疫力低下を防ぐためのストレス解消には、以下で紹介する3つの方法がおすすめです。
それぞれどのような効果が期待できるか確認していきましょう。
適度に運動する
適度な運動は副交感神経の働きがよくなり、リラックス効果が期待できるため免疫力の低下が防げます。
また、体を動かすと体温が上昇するため、免疫力アップの効果にも期待できます。
手軽にできるウォーキングやランニングなどの有酸素運動を30分程度行う習慣をつけると良いでしょう。
運動時間を確保できない場合は「立つ時間を増やす」など、できることから始めるのがおすすめです。
しかし、過度な運動習慣は免疫物質(IgA)の濃度が下がることで、逆効果となってしまう可能性があるため、無理のない運動を心がけましょう。
運動による免疫力アップについては、以下の記事も合わせて参考にしてください。
睡眠の質を高める
免疫機能を正常に働かせるための自律神経を整えるためには、質の高い睡眠が8時間ほど必要とされています。
睡眠の質が重要視されるのは、睡眠中に分泌される成長ホルモンが免役力を高める細胞を強化するためです。
就寝前にスマートフォンやタブレットなどを使っている人は、交感神経が活発になり、眠りが浅くなる可能性があるため注意が必要です。
できるだけリラックスした状態で就寝できる環境を整えましょう。
お風呂にゆっくり浸かる
お風呂にゆっくり浸かるとリラックス効果が期待できるため、自律神経が整うことで免疫力向上につながります。
体が温まると血の巡りがよくなり、血液中の白血球の働きが活発になることで、免疫力が上がる効果が期待できます。
免疫力のアップには、半身浴ではなく全身浴がおすすめで、40℃のお湯に10分程度浸かるのが効果的とされています。
長めの半身浴は、お湯に浸かっていない部分が冷えやすいため、免疫力が低下する可能性があるので注意しましょう。
免疫力を高めるにはストレス解消以外にも生活習慣の改善が重要
ストレスによる免疫力低下を防ぐためにストレス解消することは大切ですが、生活習慣の改善によって免疫力を高めることも重要です。
生活習慣の乱れがストレスの原因となることも多く、不規則な食事によって空腹を感じればストレスとなります。
生活習慣の改善は、主に食事に関する改善が大切で、以下のような改善方法があります。
- 1日3食をしっかりと食べる
- 規則正しい時間に食事を摂る
- 栄養のバランスを考える
- よく噛んで食べる
1日3食を食べると、食事から摂るエネルギーと生活する中で消費するエネルギーのバランスが保たれます。
肥満になっても痩せすぎても免疫力が低下するため、摂取するエネルギーと消費するエネルギーのバランスに気をつけましょう。
正常な代謝のためには、バランスの良い食事が必要なので、栄養が偏らないようバランスよく食事を摂ってください。
また、早食いは控えて、しっかりと噛んで食べましょう。
食事開始から満腹中枢が刺激されるまでにはタイムラグがあるため、早食いをした場合に満腹中枢が刺激されて「ちょうど良い量を食べた」と思ったときには、食べ過ぎている可能性が高いです。
ストレスによる免疫力低下によくある質問
ストレスが原因となる免疫力低下によくある質問を紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ストレスで免疫力が落ちるのはなぜ?
ストレスで免疫力が落ちるのは、自立神経のバランスが崩れるためです。
過度なストレスがかかると、交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまいます。
交感神経や副交感神経は、病原体から体を守る免疫細胞の働きに影響するため、免疫力が落ちる原因となるのです。
免疫力低下のサインは?
免疫力が低下すると風邪をひきやすくなるなど、以下のようなサインが出ます。
- 傷が治りにくい
- 疲労感がある
- 皮膚トラブルが多い
- 胃腸に不快感がある
- 口の中や周辺にトラブルが起こりやすい
免疫力が低下すると体の自己治癒力が弱くなり、傷の治りが遅くなります。
小さな傷が1週間以上治らない場合は、免疫力低下のサインです。
また、充分に休息をとっていても疲れがとれない場合も、免疫力が下がっている可能性があります。
肌の乾燥がひどい場合や、発疹などの皮膚トラブルも、免疫力低下によって血行や新陳代謝に影響が出ているためと考えられます。
胃腸の働きが弱まるのも免疫力が低下しているサインなので、暴飲暴食を避けるなど、食生活の見直しが必要です。
口の中や周辺のトラブルは、免疫力低下によって細菌がとどまり、炎症を起こしていることが考えられます。
ストレスは免疫力低下の原因に!自分に合った解消法を見つけよう
免疫力が低下すると風邪などの病気にかかりやすくなり、生活の質を落とすことになりますが、その一因としてストレスが挙げられます。
ストレスを溜めないことや自分なりのストレス解消法を持つことも大切ですが、免疫力低下の原因は、ストレスだけではありません。
食生活の見直しや適度な運動習慣など、生活習慣の改善も並行して行うことで免疫力を高める効果が期待できます。
しかし、ストレス解消や生活習慣の見直しは簡単とは限らず、職業や環境などによっては難しいかもしれません。
免疫力を高める方法として、治療によって免疫力を高める免疫細胞療法も選択肢の一つです。
「免疫力を高めて健康な体を目指したい」という方は、ぜひ当院リペアセルクリニックにお気軽にお問い合わせください。

監修者
岩井 俊賢
Toshinobu Iwai
医師