変形性膝関節症でも畑仕事は続けられる?負担の少ない作業の工夫と対策を解説
公開日: 2020.07.20更新日: 2025.06.30
畑仕事は一見すると穏やかな作業に見えるかもしれませんが、膝への負担は想像以上に大きい作業です。
「最近しゃがむと膝が痛い」「立ち上がるときに違和感がある」といった症状が出てくる場合、畑仕事による変形性膝関節症の初期サインかもしれません。
変形性膝関節症が進むと、しゃがむ・立ち上がるといった当たり前の動作がつらくなり、「もう畑に出るのは無理かもしれない」と感じてしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、畑仕事が膝に与える影響と、痛みを軽減するための具体的な作業の工夫について、詳しく解説していきます。
これからも畑に立ち続けるために、ぜひ参考にしてみてください。
また当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、変形性股関節症の症状に不安を持つ方に向けて、再生医療の症例や治療内容を紹介しています。
LINEで家族ができるケア情報についても配信しているので、ぜひご確認ください。
目次
畑仕事が膝に与える影響と変形性膝関節症について
畑仕事は膝の関節を頻繁に使うため、膝関節の軟骨がすり減り、骨が変形することで痛みや炎症が生じる変形性膝関節症になる場合があります。
畑作業では、「しゃがむ」「膝をつく」「前かがみになる」「重いものを持つ」といった動作が頻繁に繰り返されます。
これらの動作はすべて、膝関節に大きな負荷をかける要因です。
特にしゃがむ動作は、膝の関節軟骨に大きな圧力がかかるため、長時間続けたり頻繁に立ったり座ったりを繰り返すことで、関節がすり減りやすくなります。
負担が積み重なることで、徐々に関節の変形が起こり、痛みや腫れといった症状につながるのです。
変形性膝関節症の初期の段階では「膝がこわばる」「階段の上り下りがつらい」といった軽い違和感から始まりますが、進行すると畑作業に支障をきたすようになります。
さらに膝の痛みが続くことで歩行や体のバランスも悪くなり、転倒のリスクが高まるため、早めの対策が重要です。
膝の痛みを軽減しながら畑仕事を続けるための工夫
変形性膝関節症を抱えながら、畑仕事を続けるためには、膝への負担を減らし作業を無理なく続ける工夫が重要です。
【膝の痛みを軽減しながら畑仕事を続けるための工夫】
下記では畑仕事の現場で実践できる、膝に優しい工夫を紹介していきます。
作業時間と道具を見直す
基本的な対策として、「無理に長時間続けない」ことが挙げられます。
膝関節にとって負担になるのは、同じ姿勢を続けることと、急に負荷の大きな動作を行うことです。
作業は30分を目安に一度立ち上がる・休むなど、リズムを意識しましょう。
道具に関しても、以下のような工夫を行うのがおすすめです。
- 作業用の低い椅子や踏み台を用意する
- 柄の長い農具を使う
作業用の低い椅子や踏み台は、しゃがむ姿勢を避けられ、膝への負担を軽減するのに適しています。
柄の長い農具は腰をかがめずに済むため、膝だけでなく腰の保護にも有効です。
上記のような小さな工夫の積み重ねが、膝へのストレスを大きく減らすポイントとなります。
作業後のケアを行う
畑作業の後は、体をケアすることが重要です。
作業後に以下を習慣にすると、炎症や疲労の蓄積を防ぎやすくなります。
- 冷却(保冷剤などで膝を10〜15分冷やす)
↳炎症や腫れの予防に効果的 - 軽いストレッチ
↳太もも・ふくらはぎ・足首まわりをゆっくり伸ばす - 温熱療法(お風呂で温める/温湿布)
↳筋肉のこわばりや血流改善に効果的
上記のようなケアは、痛みの予防だけでなく、日常生活での動作を軽くする基盤作りにもつながります。
家族・周囲と協力し「無理しない習慣」を作る
変形性膝関節症と向き合うには、痛みを一人で抱え込まず無理しない習慣を作ることが大切です。
作業の分担や支援をお願いすることで、身体的にも心理的にも負担が軽くなります。
重いものを運ぶときは手伝ってもらう・作業スケジュールを無理のない範囲に設定するなどの行動を続けることで、無理のない習慣を作ることができます。
サポートしてもらいやすい環境を作るためにも、周囲に「できるだけ続けたいけれど無理はできない」旨を伝えておくことが重要です。
変形性膝関節症の治療方法
変形性膝関節症は進行性の疾患ですが、早期の対処と適切な治療を行うことで、痛みのコントロールや進行の抑制が可能です。
以下では、医療現場で一般的に行われている保存療法と手術療法について紹介します。
項目 | 保存療法(非手術) | 手術療法 |
---|---|---|
対象 | 初期〜中期の症状 | 中期〜末期で保存療法が効かない場合 |
主な内容 | 薬物療法・運動療法・装具・注射など | 人工関節置換術・骨切り術など |
負担 | 身体的負担が少なく、通院で可能 | 入院・リハビリが必要 |
効果の持続性 | 一時的な痛みの軽減が中心 | 痛みの根本的な改善が期待できる |
費用 | 比較的安価(保険適用が多い) | 保険適用でも一定は自己負担 |
畑仕事への影響 | 継続しやすいが制限も必要 | 回復後は再開可能だが一時中断が必要 |
変形性膝関節症の初期から中期にかけては、多くの場合、保存療法(手術以外の治療)が選ばれます。
保存療法は「痛みをゼロにする」のではなく、「痛みと上手に付き合いながら日常生活を快適にする」ことを目的とします。
保存療法で十分な効果が得られない場合、手術療法が検討されます。
手術は身体への負担も大きいため、仕事や生活スタイル、年齢なども考慮して慎重に検討する必要があります。
変形性膝関節症には再生医療という選択肢の検討もおすすめ
先進的な方法として近年注目を集めているのが、再生医療による治療法です。
これは、自分の血液や脂肪組織から取り出した成分を使って、膝の修復力を高める治療です。
例えばPRP療法(多血小板血漿療法)では、血液から抽出した血小板を注射することで、膝の痛みや腫れの緩和が期待できます。
スポーツ選手のケガの治療でも活用されており、副作用のリスクも比較的少ないのが特徴です。
さらに進んだ治療としては、幹細胞治療があります。
幹細胞治療は自分の脂肪や骨髄から取り出した幹細胞を培養・注入することで、軟骨の再生や痛みの根本的な改善を目指すものです。
再生医療は「手術はしたくない」「でもこのまま痛みを抱えて暮らしたくない」と考える方にとって、有力な選択肢となります。
手術をしない新しい治療「再生医療」を提供しております。
膝を守りながら、自分らしく畑仕事を続けよう!
変形性膝関節症と向き合いながら、自分に合った工夫や治療を取り入れていけば、畑仕事を安全に続けることは十分に可能です。
痛みが続く場合は我慢せず、早めに医療機関を受診して痛みの原因を改善していくことが重要です。
手術に抵抗がある方には、リペアセルクリニックが提供する再生医療の検討がおすすめです。
リペアセルクリニックでは、自分の体から採取した幹細胞やPRPを活用して、関節内の修復や炎症抑制を促す先進的な治療を行っています。
メスを入れずに膝の状態改善が目指せるため、「できるだけ自然な方法で膝を治したい」「趣味の畑仕事を長く続けたい」と願う方にとって、有力な選択肢となります。
畑に立つ喜びを諦めないためにも、まずはリペアセルクリニックの無料カウンセリングへご相談ください。

監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設