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- 肩
日常生活において肩を動かすたびに鋭い痛みが走り、動作がつらく感じる瞬間はありませんか。 それは、40〜60代を中心に多くの方が経験する凍結肩(五十肩)の可能性があります。 凍結肩は肩関節周囲の組織に炎症が起き、関節の動きが制限される状態で放置すると関節が固まり、腕がほとんど上がらなくなるリスクも。 一方で、適切なストレッチを習慣づけることで、痛みの緩和や可動域の回復が期待できます。 本記事では、自宅で無理なく実践できる凍結肩の改善ストレッチを詳しく解説します。 凍結肩の不安を解消し、元気な毎日を取り戻したい方は、ぜひ最後までお読みください。 凍結肩(五十肩)を改善するストレッチ6選 凍結肩(五十肩)の痛みの軽減や可動域の改善が期待できて、自宅でも簡単にできるストレッチを6つ紹介します。 これらを継続すれば、肩の痛みが軽減され、可動域を広げられる可能性があります。 ただし、無理をすると症状が悪化する恐れがあるため、適度に行うよう注意してください。 壁を使うストレッチ 壁を使うストレッチは肩関節の可動域を広げるのに適しており、方法は以下のとおりです。 ①:壁の前に立ち、痛む方の腕を肩の高さまで上げる ②:指先を壁につけ、人差し指と中指で壁を歩かせるようにゆっくりと腕を上げていく ③:腕を上げきったら、ゆっくりと元の位置に戻す ④:①~③を10回繰り返す 肩甲骨の動きを意識すると、肩関節だけでなく肩甲骨周辺の筋肉もストレッチできます。 また、息を吸いながら腕を上げ、息を吐きながら腕を下ろすとリラックスして行えます。 ストレッチをする際は無理に高く上げようとせず、痛みを感じない範囲で少しずつ上げていきましょう。 テーブルストレッチ テーブルストレッチは肩関節の可動域を広げるとともに、肩甲骨周囲の筋肉をほぐす方法でやり方は、以下のとおりです。 ①:テーブルの前に立ち、両手を肩幅に開いてテーブルにつく ②:膝を軽く曲げ、前傾姿勢になる ③:ゆっくりと息を吐きながら、体を前に倒す ④:体を倒しきったら10秒間キープ ⑤:①~④を10回繰り返す ストレッチを行う際はテーブルの高さと肩の高さを合わせ、背中が丸まらないよう注意しましょう。 肩の力を抜き、リラックスした状態で実践するのが望ましいです。 振り子ストレッチ 振り子ストレッチは肩関節周囲の筋肉をリラックスさせ、痛みを和らげる方法でやり方は以下のとおりです。 ①:足を肩幅に開いて立ち、痛む方の腕を体の横にだらんと下げる ②:上半身を軽く前に倒し、痛くない方の手をテーブルなどにつく ③:腕を振り子のように前後に揺らす ④:腕を左右に揺らす ⑤:腕を円を描くように回し、時計回りと反時計回りをそれぞれ10回ずつ行う これらはコッドマン体操とも呼ばれ、重力と慣性を利用して、肩関節に負担をかけずに可動域を広げられます。 ストレッチ中は無理に大きく揺らす必要はなく、肩の力を抜き、腕の重みで自然に揺れるよう意識しましょう。 小さな振り幅から始め、徐々に大きくしていってください。 肩甲骨はがしストレッチ 肩甲骨はがしストレッチのやり方は以下の通りで、肩甲骨周囲の筋肉をほぐし、肩関節の可動域を広げる方法です。 ①:椅子に座り、両手を肩に置く ②:肘を大きく回すように、肩甲骨を意識して腕を回す ③:前方向と後ろ方向をそれぞれ10回ずつ行う 肩甲骨が背骨から離れるように、大きく回すのがポイントです。 肘を前に出すときは肩甲骨を外側に開き、肘を後ろに引くときは肩甲骨を内側に寄せるよう意識しましょう。 挙上ストレッチ 挙上ストレッチは肩関節の可動域を広げ、腕を上げる動作(挙上)の改善に適しており、やり方は以下のとおりです。 ①:仰向けに寝て、両手を天井に向かって伸ばす ②:両手を組んで、ゆっくりと頭の上に上げていく ③:両手を頭の上に上げきったら、ゆっくりと元の位置に戻す ④:①~③を10回繰り返す このストレッチは肩関節周囲の筋肉や靭帯を優しく伸ばし、柔軟性を高められます。 息を吐きながら手を上げ、息を吸いながら手を下ろすことで、呼吸が深まり、よりリラックスした状態で実践することができます。 凍結肩(五十肩)になる原因 凍結肩(五十肩)の原因は、はっきりと解明されていませんが、以下のような要因が複合的に関与していると考えられています。 原因 説明 加齢に伴う組織の変化 ・ 加齢とともに、肩関節を構成する腱板、関節包、滑液包などの組織が変性し、柔軟性を失う。 ・肩関節の可動域が制限され、わずかな外力や負荷でも炎症が起こりやすくなる。 運動不足 ・運動不足は肩関節周囲の血行を悪化させるため、筋肉や靭帯の柔軟性が低下しやすい。 ・長時間のデスクワークなど、同じ姿勢を続けると肩甲骨の動きが制限され、肩関節周囲の血行が悪化しやすくなる。 ・血行不良は、筋肉や靭帯の柔軟性を低下させ、炎症を引き起こしやすい。 生活習慣病(糖尿病、脂質異常症) ・糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病は、凍結肩の発症リスクを高めることが指摘されている。 ・これらの疾患は肩関節周囲の組織の代謝を妨げ、炎症を慢性化させる可能性がある。 また肩関節を構成する骨や軟骨、靱帯、腱といった組織が加齢とともに変化し、周囲に炎症が生じることも原因とされています。 ※出典:日本整形外科学会「五十肩(肩関節周囲炎)」 主な症状は、肩の痛みと運動制限です。 症状 説明 肩の痛み 初期には肩を動かすと鋭い痛みを感じ、中期以降は肩関節が硬くなって肩を動かす際に痛みを感じやすくなる。 運動制限 ・肩関節が徐々に硬くなって可動域が狭まるほか、腕を上げたり後ろに回したりすることが困難になる。 ・日常生活においては、髪を整えたり服を着替えたりする動作が難しくなりやすい。 症状は、初期(炎症期)、中期(拘縮期)、後期(回復期)の3つの段階を経て進行します。 凍結肩(五十肩)の予防と治療法 凍結肩(五十肩)の予防には、日頃から肩関節を動かす習慣をつけましょう。 主な予防策は、以下のとおりです。 ラジオ体操 ストレッチ 軽めの筋力トレーニング これらの運動は肩関節周囲の筋肉や靭帯の柔軟性を高め、血行を促進する効果を期待できます。 また、正しい姿勢を保つことも、予防には欠かせません。 長時間のデスクワークやスマートフォンの使用など、同じ姿勢が取り続ける場合は、定期的に休憩を取り、肩関節を動かすストレッチを心がけましょう。 治療法に関しては、症状の程度や進行度合いによって異なります。 初期の痛みや炎症が強い時期には安静にし、湿布や痛み止めなどの薬物療法を行うのが一般的です。 痛みが落ち着いてきたら、肩関節の可動域を徐々に広げるためのリハビリテーションを開始します。 リハビリテーションは、専門家の指導のもとで行うのが望ましいです。 その凍結肩(五十肩)は腱板断裂かも? https://youtu.be/TaYHPluB3Wc?si=caE1yNvtLEZ9HGed 肩の痛みと可動域制限を伴う症状では、凍結肩(五十肩)と腱板断裂が混同されやすいです。 症状 原因 凍結肩(五十肩) 肩関節周囲の組織の炎症や癒着が原因で起こり、症状が徐々に現れる場合が多い 腱板断裂 外傷や加齢による変性、肩の腱板と呼ばれる筋肉を覆う腱が断裂することで起こる どちらも中年以降に多く見られる疾患ですが、原因や治療法が異なるため、正確な診断をしなければいけません。 それぞれの特徴は、以下のとおりです。 凍結肩(五十肩) 腱板断裂 発症 徐々に痛みが増し、可動域が制限される 外傷や急な動作をきっかけに、急激な痛みが生じることが多い 痛み 肩全体に広がるような鈍痛。夜間痛が強い 特定の方向への運動で痛みが生じやすい。力を入れると痛みが増す 可動域制限 全方向への可動域制限 特定の方向への可動域制限 治療法 保存療法(リハビリ、薬物療法、注射など)が中心 断裂の程度や活動レベルに応じて、保存療法または手術療法 その他 自然治癒する場合もある 放置すると症状が悪化する場合がある 腱板断裂の疑いがある場合は、再生医療を検討しましょう。 PRP(多血小板血漿)療法や幹細胞療法などの再生医療は、自己の血液や細胞を利用して、腱の修復を促進する治療法です。 痛くてストレッチができない方、ストレッチの効果が得られない方からすると、適切な治療になる可能性があります。 肩の痛みと可動域制限を伴う症状でお悩みの方は、ぜひ一度以下の記事もご参考ください。 ※内部リンク:ショートコード【肩】 【まとめ】凍結肩(五十肩)はストレッチで改善を目指そう 凍結肩(五十肩)にお悩みの方は、以下のような自宅でできるストレッチを継続することで、肩の可動域改善や痛みの緩和が期待できます。 壁を使うストレッチ テーブルストレッチ 振り子ストレッチ タオルストレッチ 肩甲骨はがしストレッチ 挙上ストレッチ これらのストレッチは、肩関節周囲の筋肉や靱帯の柔軟性を高め、血行促進にもつながる可能性もあります。 ただし、痛みを我慢して無理に動かすことは、炎症を悪化させる原因にもなりかねません。 痛みを感じたら無理をせずに中止し、医師に相談することをおすすめします。 また、ストレッチを続けても症状が改善しない場合は、腱板断裂の可能性も考慮し、速やかに診断を受けましょう。 自分が凍結肩なのかお悩みの方は、ぜひ当院「リペアセルクリニック」までお気軽にご相談ください。
2020.04.23 -
- 肩
日常生活の中で、肩の痛みや動きの制限でつらさを感じている方は多いのではないでしょうか。 50代以降になると、凍結肩(いわゆる五十肩)と肩関節の動きが著しく制限された状態に進行するケースもあり、改善が長引くことがあります。 しかし「凍結肩の症状はどのようなものなの?」「治療法はあるの?」と疑問を抱えている方も多いでしょう。 この記事では、凍結肩の症状や原因、五十肩との違い、治療法を詳しく解説します。 まずは凍結肩がどのような状態なのかを詳しく見ていきましょう。 つらい肩の痛みや動きの制限に対しては、再生医療も一つの選択肢となります。 当院(リペアセルクリニック)の公式LINEで、症状・治療法について紹介していますので、本記事と併せてご参考にしてください。 凍結肩とは 凍結肩とは肩関節の動きが著しく制限された状態のことです。 肩関節周囲炎(五十肩)の症状が進行すると肩の関節が固まってしまうことから「凍結肩」と呼ばれています。 ここからは以下について詳しく解説します。 凍結肩の症状 凍結肩の原因 症状や原因を理解して、ご自身の症状が当てはまるのか確認してみましょう。 また凍結肩に進行する前の五十肩については、以下の動画でも解説していますので、ぜひご覧ください。 凍結肩の症状 凍結肩の主な特徴は、強い痛みと肩の動きが極端に制限されることです。 主に以下のような症状が現れます。 肩を上げることができない(90度以下の制限) 肩を後ろに回すことができない 夜間痛により睡眠が妨げられる 着替えや洗髪が困難になる 背中に手を回せない 肩全体の強い圧痛 これらの症状により、日常生活に大きな支障をきたします。 とくに夜間の痛みは強く、横になったときに痛みが増すことが多いです。 凍結肩の原因 凍結肩は、肩関節を包む関節包という袋状の組織が炎症を起こし、厚くなったり癒着したりすることで発症します。 主な原因として以下が挙げられます。 原因 詳細 加齢による変化 関節包や周囲組織の老化により柔軟性が失われる 外傷 肩の打撲や転倒による関節包の損傷 長期間の固定 手術後や骨折による長期間の肩の安静 糖尿病 血糖値の異常により組織の修復機能が低下 これらの要因が重なることで、関節包が癒着し、肩の動きが著しく制限されるようになります。 五十肩と凍結肩の違い 五十肩と凍結肩は実質的に同じ疾患を指していますが、五十肩が進行して動きがより制限された状態を凍結肩と呼ぶこともあります。 厳密な意味での違いはなく、症状や治療法も同じです。 項目 五十肩 凍結肩 正式名称 肩関節周囲炎 凍結肩(frozen shoulder) 呼称の由来 50代頃に多く発症することから命名 肩が凍ったように動かなくなることから命名 使用される場面 一般的な会話や患者説明 医学論文や専門的な診断名 症状 痛みと可動域制限 痛みと可動域制限 治療法 保存療法から手術まで 保存療法から手術まで 医療現場では「凍結肩」や「肩関節周囲炎」という正式名称が使われることが多く、患者さまには馴染みのある「五十肩」という説明がされることが一般的です。 どちらの呼び方を使っても同じ疾患を指しています。 五十肩から凍結肩に進行した場合の治療方法 凍結肩の治療は段階的に行われ、症状の程度に応じて、保存療法から手術療法まで複数の治療選択肢があります。 治療法 内容 適応・特徴 薬物療法 痛み止め、筋弛緩剤、湿布薬 痛みと炎症を抑制、初期治療として使用 理学療法(リハビリ) 関節可動域訓練、ストレッチ、筋力強化 肩の動きを段階的に改善、継続的な実施が重要 注射療法 ステロイド注射、ヒアルロン酸注射 保存療法で効果不十分な場合、即効性あり 手術療法 関節鏡視下関節包切離術 重症例や保存療法で改善しない場合 治療は軽度な方法から段階的に進められ、患者さまの症状に応じて調整されるのが一般的です。 多くの場合、薬物療法と理学療法の組み合わせで改善が期待できます。 症状が重い場合や保存療法で十分な効果が得られない場合は、注射療法や手術療法も検討されます。 凍結肩(五十肩)に関するよくある質問 凍結肩や五十肩について、患者さまからよく寄せられる質問にお答えします。 凍結肩(五十肩)に対するストレッチ方法はある? 五十肩・凍結肩になる人の特徴は? ご自身の症状や状況と照らし合わせながら、参考にしてください。 凍結肩(五十肩)に対するストレッチ方法はある? 適切なストレッチは凍結肩(五十肩)の症状改善に効果的です。 ストレッチ方法 実施方法 挙上ストレッチ 壁に手をついて、徐々に肩を上げていく 外旋・内旋ストレッチ 肘を90度に曲げ、肩を外側・内側に回す タオルストレッチ タオルを背中で持ち、上下に動かす 振り子体操 前かがみになり、腕を前後左右に振る 円運動 腕を小さな円を描くように動かす 痛みを我慢して無理に動かすと、かえって症状が悪化することがあります。 「気持ちよく伸びる」程度の強さで、1日3回、各動作10回程度から始めましょう。 五十肩・凍結肩になる人の特徴は? 五十肩・凍結肩になる人には、以下の特徴があります。 肩の痛みが1週間以上続く 夜間痛で眠れない 肩を90度以上上げられない 着替えや洗髪が困難 これらの五十肩・凍結肩の症状が出ても、早期に適切な治療を受けることで、症状の進行を防ぐことができます。 症状を我慢せず、早期に専門医の診断を受けることが重要です。 肩の痛みや動きの制限でお困りの際は、早めに医療機関を受診してください。 五十肩から凍結肩に進行する前に早期治療が大切 五十肩と凍結肩は実質的に同じ疾患です。 一般的には五十肩、医学論文や専門的な診断名としては凍結肩や肩関節周囲炎と呼ばれます。 また、五十肩が進行して動きがより制限された状態を凍結肩と呼ぶこともあります。 以下の症状が起きた場合、凍結肩に進行している可能性があります。 肩を上げることができない(90度以下の制限) 肩を後ろに回すことができない 夜間痛により睡眠が妨げられる 着替えや洗髪が困難になる 背中に手を回せない 肩全体の強い圧痛 中年以降、とくに50歳代に多く発症し、肩関節を構成する組織の老化により炎症が起こることが主な原因です。 症状が軽いうちに適切な治療を受けることで、重症化を防ぎ、治療期間の短縮や日常生活への影響を最小限に抑えることができます。 治療法は薬物療法、理学療法、注射療法、手術療法まで段階的に選択肢があり、患者さまの症状に応じて選択されます。 肩の痛みが1週間以上続く場合や、肩を90度以上上げられない場合は、早めに医療機関を受診しましょう。 自分の症状が凍結肩かな?と不安な方は、当院(リペアセルクリニック)でも無料相談を行っておりますので、ぜひ一度お試しください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/
2020.04.20 -
- 免疫細胞療法
健康に良いイメージのあるランニングですが、走った後に風邪など体調を崩した経験はありませんか。 上記のような経験がある方は、ランニングが原因で免疫力が低下している可能性があります。 本記事では、ランニングで免疫力が下がる原因と、運動と免疫力の関係性について詳しく解説します。 ランニングがどのように免疫機能に影響しているのかを知り、免疫力を向上させる適正なランニング量の参考にしてください。 ランニングで免疫力が下がる?運動と免疫の関係性 健康のためにランニングをしている方も多いですが、ランニングによって免疫が下がってしまうこともあります。 適度なランニングと過度なランニングは、免疫力にどのように影響するのかについて解説します。 適度な運動習慣は免疫力向上につながる 過度なランニングは免疫力が下がる可能性も 適度な運動習慣は免疫力向上につながる ランニングをはじめとする適度な運動習慣は、免疫力の向上につながり、風邪をひきにくくなるなどのメリットがあります。 適度な運動で免疫力が向上するのには、2つの理由があり、以下のとおりです。 体温が上がり血行が促進される 自律神経のバランスが良くなる 運動をすると体温が上がるのは、血の巡りが良くなり、酸素が体のすみずみまで行き届きやすくなるためです。 白血球の中に含まれる免疫細胞の活性化により、免疫力が向上します。 また、適度な運動はストレス解消につながり、自律神経のバランスが良くなるため免疫力が向上する効果が期待できます。 自律神経には、交感神経と副交感神経の2つがありますが、適度な運動をするとリラックス時に優位となる副交感神経が優位になります。 過度なランニングは免疫力が下がる可能性も 適度な運動では免疫力が上がりますが、フルマラソンなどの過度なランニングは、免疫力を下げてしまうことがあります。 とくにフルマラソンのような長時間の運動では、体が大きなストレスを受け、体調を崩しやすくなります。 健康維持の目的でマラソンをしても、そのあとで体調を崩してしまえば本末転倒です。 フルマラソンなどの高負荷トレーニングで体が受ける強いストレスは、以下のような免疫抑制反応の原因となります。 白血球の中のリンパ球が減少 唾液中の免疫物質(IgA)が大幅に低下 炎症性サイトカインが増加して炎症反応が強くなる ストレスホルモンが急上昇して免疫系を抑制 上記のような、運動後の一時的に免疫機能低下が起きる期間のことをオープンウィンドウと呼び、免疫の窓が開いた状態との意味です。 運動を終えて、数時間から72時間ほどがオープンウィンドウに該当します。 ランニングで免疫力が下がる原因 ランニングをして免疫力が下がる原因は、次のようなものが挙げられます。 コルチゾールの分泌増加 白血球の一時的な減少 粘膜免疫の低下 マラソンなどの長時間にわたる運動によって体がストレスを受けることで、副腎皮質からストレスホルモンのコルチゾールが大量に分泌されます。 コルチゾールは炎症を抑えるなどの良い働きをする一方で、高濃度の状態が続くと免疫細胞の働きを抑制してしまうため、免疫力が下がる原因となるのです。 また、ランニング中には血流が促進されて白血球が増えますが、運動後に急激に減少してしまいます。 唾液中に含まれる免疫細胞(IgA)は、口や鼻などの粘膜をウイルスや細菌から守る役割がありますが、ランニング後は分泌量が減少するため免疫力低下の一因となります。 適度なランニングはどのくらい?免疫力向上に有効な運動量の目安 適度なランニング量の目安で使われるのが、運動強度を表す単位である「メッツ」です。 運動強度は、運動を行った時に身体にかかる負荷や、身体で感じる疲労などで、厚生労働省の基準により安静時のメッツを1※とします。 出典:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」 18歳~64歳の運動量の目安 65歳以上の運動量の目安 年代別の免疫力向上に有効な運動量の目安を見ていきましょう。 18〜64歳の運動量の目安 厚生労働省が示している基準によると、日常生活における身体活動のほか、週に1日は運動を行うものとされています。 具体的な運動量をメッツで示すと、以下のようになります。 日常生活での身体活動 3メッツ以上の身体運動を週に23メッツ 週に1日の運動 3メッツ以上の運動を週に4メッツ 日常生活では3メッツの歩行と同等以上の身体活動を、毎日60分以上行うと良いとされています。 たとえば、通常の歩行が3.0メッツに相当するため、毎日60分の散歩で目安の運動量がクリアできます。 掃除など家事も運動していることになるため、今までよりも家事に力を入れてみるのも良いかもしれません。 ランニングの場合、運動強度は次のとおりです。 運動強度(1時間あたり) 速歩(かなりのスピードが必要) 5.0メッツ ゆっくりめのジョギング 6.0メッツ ランニング 8.3メッツ 週に1日の運動では4メッツが基準なので、運動強度が1時間に8.3メッツのランニングだと、必要な運動量は1週間に30分行うとクリアできます。 出典:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」 65歳以上の運動量の目安 65歳以上の方は、週に10メッツの日常的な運動を行うのが良いとされています。 日常的な運動なので、何かスポーツやランニングなどは必要なく、家の中や近所を歩くだけでも十分です。 実は毎日のように行っている家事も運動をしていることになり、料理や食材の準備に60分かかると2メッツ相当になります。 ランニングをしなくても基準を満たしている方も多いので、運動不足だと思ってランニングをすると、過度な運動となる場合があるので注意しましょう。 ランニングで免疫力が下がることに関するよくある質問 ランニングで免疫力が下がることに関するよくある質問は以下の通りです。 ランニング後に免疫力が下がっているサインは? ランニング後に風邪をひきやすいのはなぜ? フルマラソン後に免疫力が低下するのはなぜ? 健康的な運動習慣のためにもよくある質問で疑問や不安点を解消しておきましょう。 ランニング後に免疫力が下がっているサインは? ランニングのあとで免疫力が下がっているかどうかは、次の中にあてはまるかチェックしてみましょう。 該当する項目が多ければ、免疫力が下がっている可能性が高いです。 ランニング後に風邪をひきやすいのはなぜ? ランニング後に風邪をひきやすくなるのは、免疫物質(IgA)が減少するためです。 激しい運動をすると免疫物質(IgA)が減ることで、口や鼻などの粘膜からウイルスや細菌が体内に侵入しやすくなります。 どの程度のランニングが「激しい運動」となるのかは個人差があり、日常的に運動をしている人と、運動不足の人では異なります。 フルマラソン後に免疫力が低下するのはなぜ? フルマラソン後に免疫力が低下する原因として、激しい運動による身体的ストレスが挙げられます。 高負荷トレーニングで体が受ける強いストレスは、免疫抑制反応の原因となります。 フルマラソン後は休息期間を設け、バランスの良い食事や水分補給などで体を回復させることが大切です。 過度なランニングは免疫力が下がる可能性あり!適度な運動習慣を身につけよう 運動は、体温上昇による血行促進とストレス解消による自律神経バランスの改善によって免疫力が高まります。 ただし、過度なランニングは逆に免疫力を下げてしまう原因にもなるので、 ランニングの距離や頻度に注意しましょう。 また、免疫力アップに適したな運動量は、毎日60分の歩行、毎週60分の息が弾む程度の運動が良いといわれています。 免疫力のために運動を始める場合、ウォーキングなどの手軽にできる運動から始めていきましょう。 より積極的に免疫力向上を目指す方は、当院(リペアセルクリニック)の免疫細胞療法もご検討ください。
2020.04.18 -
- 肩
五十肩とも呼ばれる「フローズンショルダー(凍結肩)」は、ある日突然始まる肩の激しい痛みや腕が上がらないといった動きの制限によって、日常生活に大きな影響を与えます。 本記事では、フローズンショルダーとは一体どのような病気なのか、その主な原因、そして具体的な治療法について解説します。 肩の痛みや動きの制限でお悩みの方、フローズンショルダーについて詳しく知りたい方は、ぜひこの記事を参考にしてください。 また、当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、つらい肩の痛み症状の改善を目指せる再生医療に関する情報を配信中です。 「肩の痛みを早く治したい」という方は、ぜひ再生医療がどのような治療を行うか知っておきましょう。 フローズンショルダー(凍結肩)とは フローズンショルダー(凍結肩)は、肩関節を包んでいる関節包が炎症を起こして硬くなることで、痛みと可動域の制限が起きる疾患です。 じっとしていても痛むことがあり、特に夜間に痛みが強くなって目が覚めてしまう「夜間痛」に悩まされる方も少なくありません。 腕を上げようとしても一定の角度以上は上がらず、後ろに手を回そうとしても背中の途中までしか届かないなど、まるで肩が凍りついたかのように動きが固まってしまいます。 ただし、肩が痛くて上がらないという症状は、「石灰沈着性腱板炎」や「肩腱板断裂」などの病気でも起こりえます。 症状が続く場合は、必ず整形外科などの専門医を受診し、正確な診断を受けましょう。 以下の記事では「肩腱板断裂と五十肩の違い」について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。 フローズンショルダー(凍結肩)の主な原因 フローズンショルダー(凍結肩)の明確な原因はまだ特定されていませんが、以下のような原因が関与しているとされています。 フローズンショルダー(凍結肩)の主な原因 加齢 肩の酷使 肩の外傷 姿勢の悪さ 運動不足 糖尿病 ホルモンバランスの変化 慢性的なストレス 上記の要因が複数重なり合うことで、フローズンショルダーは発症すると考えられています。 フローズンショルダー(凍結肩)の治療法 本章では、フローズンショルダーに対して行われる主な治療法について解説していきます。 保存療法 手術療法 サイレントマニピュレーション フローズンショルダー(凍結肩)の治療では、まず手術などのメスを使用しない保存療法から始めるのが基本です。 しかし、症状が長引く場合にはより積極的な治療法が検討されることもあります。 以下の動画では、四十肩・五十肩の治療について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。 保存療法 フローズンショルダー(凍結肩)の治療は、まず手術以外の「保存療法」から始めるのが基本です。 痛みや炎症を抑えながら、硬くなった肩関節の動きを改善させることを目的に、以下の方法を組み合わせて行います。 治療法 詳細 薬物療法 痛みや炎症を和らげるための消炎鎮痛薬(NSAIDsなど)や筋肉の緊張をほぐす筋弛緩薬の内服、湿布の使用。 理学療法(リハビリ) 肩周りの筋肉をほぐし、関節の動く範囲を広げるためのストレッチや運動療法。 温熱療法や超音波療法といった物理療法を併用することも。 注射療法 肩関節の周りへのステロイド注射による強力な抗炎症作用で、つらい痛みの軽減を図る。 関節の潤滑を良くする目的でヒアルロン酸注射を行う場合もある。 保存療法による治療を6カ月以上継続しても痛みが改善しない場合は、次に紹介する手術療法やサイレントマニピュレーションが検討されます。 手術療法 フローズンショルダー(凍結肩)の症状が、長期間にわたる保存療法を続けても一向に改善しない重度なケースでは、手術療法が検討されることがあります。 主な手術法 関節鏡下関節包解離術 詳細 肩に1cm程度の小さな穴を数カ所開け、そこから内視鏡(関節鏡)と細い手術器具を挿入し、硬く癒着した関節包を直接切開して、肩の動きを広げる メリット 従来の大きく切開する手術に比べて出血量が少なく、体への負担も少ない。 術後の回復が比較的早い。 ただし、手術にはわずかながら神経麻痺、感染症といったリスクも伴います。 手術を行うかどうかはメリットとリスクを総合的に考慮し、医師と患者さまが十分に話し合ったうえで、慎重に決定しましょう。 サイレントマニピュレーション サイレントマニピュレーションは、保存療法では改善が難しい、固まってしまった重度のフローズンショルダー(凍結肩)に対して検討されるメスを使わない治療法です。 ポイント 詳細 治療方法 肩に局所麻酔を効かせた状態で、医師が患者様の力を借りずに肩関節を動かし、癒着して硬くなった関節包を剥がして可動域を改善させる メリット 麻酔下で行うため、施術中に痛みを感じることはほとんどない。 入院の必要がなく日帰りで受けられる場合もある。 施術後は、再び関節が固まってしまわないようにリハビリをする必要があります。 せっかく動くようになった肩もリハビリを怠ると、また元の固まった状態に戻ってしまう可能性があります。 以下の記事では、サイレントマニピュレーションについて詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。 フローズンショルダー(凍結肩)に有効なリハビリテーション フローズンショルダー(凍結肩)の改善や再発を予防するために大切なのはリハビリです。 本章では、凍結肩の病期ごとのリハビリについて解説します。 炎症期のリハビリテーション 拘縮期のリハビリテーション 回復期のリハビリテーション フローズンショルダー(凍結肩)の病期を大きく分けると炎症期、拘縮期、回復期の3つに分けることができますが、リハビリは、それぞれの病期に合わせておこなうことが大切です。 以下では、病期ごとのリハビリテーション内容について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。 炎症期のリハビリテーション フローズンショルダー(凍結肩)の炎症期は、明確なきっかけもなく痛みや違和感が生じ、関節が急速に硬くなっていく時期です。 肩を動かしたときに痛みが生じるだけでなく、安静にしているときや、寝ているときにも痛みが生じるのが特徴です。 進行期は痛みがあるときは局所を固定して安静にするべきですが、痛みの状態を見てストレッチや肩甲骨の動きを広げるエクササイズを少しずつ行なっていきます。 拘縮期のリハビリテーション フローズンショルダー(凍結肩)の炎症期を過ぎると、拘縮期に入ります。 拘縮期は、炎症機ほどの強い痛みは治まるものの、肩の動きが悪くなって思うような動作ができなくなったり、動かす時に痛みが生じたりする時期です。 拘縮期には、運動療法によって動きにくくなった肩関節を動かせる範囲を広げていきます。 また、スポーツや仕事で肩をよく動かす必要がある場合は、その動作ができるようにするためのトレーニングも行います。 回復期のリハビリテーション 拘縮期を過ぎて回復期に入ると、肩を動かすときも痛みが出なくなってきたり、動かせる範囲も広くなってきます。 回復期になると「もう大丈夫だろう」とリハビリを止めてしまいがちですが、回復期こそしっかりとリハビリをして、継続的に症状改善を目指していくことが大切です。 回復期のリハビリは、肩関節の動かせる範囲を広げる運動や、普段よくおこなう動作の練習をし、肩周辺の筋肉も鍛えていきます。 以下の記事では、フローズンショルダー(凍結肩)を改善するためのストレッチを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。 フローズンショルダーによるつらい肩の痛みは早めに対処しよう フローズンショルダーは、「関節包」という組織が炎症を起こして硬くなることで、激しい痛みと腕が上がらないといった動きの制限を引き起こす病気です。 しかし、肩の痛みの原因は「石灰沈着性腱板炎」や「肩腱板断裂」といった治療法が異なる類似の疾患である可能性も考えられます。 そのため、肩の痛みが長引いているのであれば自己判断で放置したりせず、まずは整形外科などの専門医療機関を早めに受診し、医師による正確な診断を受けることが重要です。 痛みが長引く方や損傷した組織の修復を促したいと考える方に対しては、ご自身の細胞や血液を活用して治療を行う「再生医療」も選択肢の一つです。 「肩の痛みを早く治したい」という方は、ぜひ当院リペアセルクリニックへご相談ください。
2020.04.15 -
- 免疫細胞療法
人間には病原体に対して防御する免疫システムが備わっているので、免疫療法ではこの免疫システムを活性化させて、病原体やがん細胞などを攻撃します。 これから免疫療法を検討している方や、すでに治療中の方で効果が見られない方は、本当に効果があるのか不安に感じる方も多いのではないでしょうか。 本記事では、免疫療法が効く人と効かない人の特徴や、どのような人に向いているのかを解説します。 当院リペアセルクリニックでは、NK細胞免疫細胞療法をご提供しています。 免疫療法による治療を受けたいけど不安でなかなか治療に踏み出せないという方は、ぜひ当院へご相談ください。 また、当院の公式LINEでは、先端医療である再生医療に関する治療法や症例を公開しているので、どのような治療を行うのかぜひご覧ください。 免疫療法が効く人と効かない人の特徴 免疫療法はすべての人に効果が見られるわけではありません。 ここでは、免疫療法が効く人と効かない人の特徴をそれぞれ解説していきます。 免疫療法が効く人の特徴 免疫療法が効かない人の特徴 それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。 効く人の特徴 免疫療法が効く人の特徴は、主に3つあります。 免疫を強く活性化できる人 がんの種類が免疫療法に合う人 特定の遺伝子変異をもつ人 免疫療法は人の体にある病原体を防御する免疫システムを活性化させて、がん細胞を攻撃します。 一部の免疫応答が強く活性化される方では、がん細胞へ効率的な攻撃ができるので、免疫療法の効果を実感できる可能性があります。 また、免疫療法はどのようながん細胞に対しても同じような効果があるわけではなく、がんの種類により免疫療法の向き不向きがあります。 免疫療法に向いているといわれるがんの種類は、非小細胞肺がんやメラノーマです。 その他に、がん細胞の中にある特定遺伝子異変が免疫療法の効果を高めるとされていて、この遺伝子異変を持つ場合には、免疫療法が向いているといえるでしょう。 効かない人の特徴 免疫療法が効かない人や、病状によっては免疫療法を行えない人がいます。 以下のような人は、免疫療法をおすすめできません。 免疫システムを抑制する物質を保有する人 がんが転移している人 他の疾患や薬剤の影響を受ける人 免疫システムを抑制する物質をがん細胞が出すと、治療効果が低下する可能性があり、免疫療法には向いていません。 がんが進行して転移が見られる人も、免疫療法の効果が十分にみられない可能性があります。 また、がんの他にも疾患がある人で、免疫療法が疾患に影響する場合や、服用している薬と併用できなければ、免疫療法ができません。 免疫療法が向いているのはどんな人? 免疫療法は、さまざまな種類のがんに使用できるため、多くの人に適用できる治療方法です。 その中でもとくに、以下のような人に向いています。 ホットチューマーを持つ人 特定のバイオマーカーを持つ人 免疫機能が良好な人 がんの転移や再発を予防したい人 高齢の人や体力のない人 免疫機能が働きやすい「ホットチューマー」を持つ方 がんには、免疫細胞が活性化しているホットな腫瘍を持つタイプと、免疫がほぼ存在していない冷たいタイプに分けられます。 ホットな腫瘍を持つタイプは「ホットチューマー」と呼ばれ、免疫細胞が入り込みやすく活性化するため、免疫療法の効果が出やすいです。 ホットチューマーに該当するがんの種類は、以下の通りです。 メラノーマ(悪性黒色腫) 非小細胞肺がん 腎細胞がん 膀胱がん MSI-H(高頻度マイクロサテライト不安定性)大腸がん 特定のバイオマーカーを持つ人 バイオマーカーはがん治療において、適切な薬など治療法を決める指標です。 主に心拍数や血圧、タンパク質の量など血液検査の結果や、心電図などがバイオマーカーとして使用されます。 近年では免疫療法の反応を予測するバイオマーカーの種類も多く、以下の表を参照してください。 バイオマーカー 内容 PD-L1 ・がん細胞表面のタンパク質 ・免疫細胞の働きが抑制される TMB(腫瘍変異量) ・がん細胞のもっている遺伝子変異の量 MSI(マイクロサテライト不安定性) ・DNAの修復機能の異常があるがん細胞 腸内フローラ ・善玉菌のバランス 免疫機能が良好な人 免疫細胞が治療の中心となる免疫療法は、白血球やリンパ球が良好であることが大切です。 以下のような条件が整えば、免疫機能が良好といえます。 パフォーマンスステータスが0〜1 アルブミンやプレアルブミンが正常範囲で栄養状態が良好 炎症マーカーが安定している 重度の自己免疫疾患がない がんの転移や再発を予防したい人 免疫療法は、がんの転移や再発を予防したい人にも向いています。 全身に向けた治療方法のため、転移や再発の原因となる全身の微小ながん細胞に対して攻撃できます。 また、免疫療法が適しているがんの進行状況にも関係しています。 免疫療法は即時に結果が出る治療方法ではなく、効果が出るまでに数週間から数カ月が必要です。 治療の対象となるのが初期のがんなど、治療に時間的余裕があるケースが多いため、転移や再発予防につながります。 高齢の人や体力のない人 免疫療法のメリットの一つが体への負担が少ないことなので、高齢の人や体力が低下している人にも向いている治療方法といえます。 体への負担の少ない理由として、アレルギー反応など重篤な副作用が起きる可能性が低いことが挙げられ、抗がん剤治療の副作用に耐えられない人も、免疫療法であれば治療が可能です。 また、免疫療法には通院でできる治療方法が多く、入院の必要がないために普段通りの生活の中で治療を行えます。 高齢の人は、入院すると寝たきりになってしまうケースもありますが、免疫療法は入院しないで治療ができます。 免疫療法における病状や目的に合わせた治療法の種類について 免疫療法が向いているかどうかは、どのような治療を希望しているのか、目的を明確にするのが大切です。 例えば、腫瘍を小さくする治療では「即効性を求める人」と「時間がかかっても負担の軽さを求める人」がいます。 即効性を求めるのであれば、抗がん剤治療や放射線治療が適していますが、時間がかかっても負担の軽い治療を求めるなら、免疫療法が適しています。 生活の質を下げずに、今の日常生活のままで治療を行う場合にも、入院が必要なく身体への負担が少ない免疫療法がおすすめです。 リペアセルクリニックでは、新たな治療方法として免疫細胞療法を提供しています。 免疫力を高めることは、がんの治療だけでなく、感染症やアレルギーの予防や、がんの再発や転移を防ぐ効果が期待できます。 以下の記事では、免疫療法について詳しく解説しているので、合わせて参考にしてください。 免疫療法が効く人と効かない人はいる!治療法は医師と相談して決めよう 免疫療法は、入院が不要で日常生活を続けながら治療を進められることが魅力です。 しかし、免疫療法が効く人や向いている人がいる反面、効かない人や治療に向いていない人もいます。 以下の特徴を参考に免疫療法を受けるか検討してみましょう。 治療を行う際には医師と相談し、納得した上で治療を始めることが大切です。 免疫療法を検討している方は、ぜひ当院リペアセルクリニックへお気軽にご相談ください。
2020.04.12 -
- 再生治療
関節リウマチと診断された場合、悪化させないための対策が必要です。 どのようなことをすると症状が悪化するのか、してはいけないことを知っておくと、日常の中で気をつけて生活を送れます。 本記事では、症状を悪化させないように「関節リウマチのしてはいけない10項目」について詳しく解説していきます。 関節リウマチの治療は、薬物療法や手術療法が一般的ですが、現在は再生医療という新しい治療法が注目されています。 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、再生医療に関する情報を公開しているため、ぜひ参考にしてください。 関節リウマチのしてはいけない10項目 関節リウマチと診断された方は、次の10項のことをしてはいけません。 関節に負担がかかる運動 砂糖や加工食品の過剰摂取 急激な体重増加や肥満 関節を冷やす 重いものを持ち上げる 高い枕を使う 和式トイレの使用 正座をする 喫煙をする ストレスを溜める それぞれわかりやすく解説していきます。 ①関節に負担がかかる運動 炎症を悪化させる可能性があるため、関節リウマチの方は関節に負担がかかる運動をしてはいけません。 例えば、マラソンなどの長時間走るような運動は関節に負担がかかるために控え、ウォーキングなど負担の少ない運動を適度にするのが良いです。 治療を行うなかで、痛みを感じないときには、関節を動かせる範囲を維持するためにも適度な運動は良いとされています。 医師に相談しながら、関節へ負荷がかからないように気をつけましょう。 ②砂糖や加工食品の過剰摂取 砂糖や加工食品を過剰に摂取した場合、関節リウマチの症状を悪化させる可能性があります。 関節リウマチと食品との関係について、多くの研究が行われた結果、摂取量の多さが問題だとされています。 症状を悪化させないためにも偏った食生活にならないように、バランスよく食事しましょう。 ③急激な体重増加や肥満 急激な体重の増加や肥満は、体を支える関節に負担をかけるため、避けなければなりません。 適切な体重管理を行い、関節リウマチの悪化を防ぎましょう。 関節リウマチ以外の健康面でも、急激な体重増加や肥満は良くないため、バランスの良い食事や適度な運動で体重管理を行いましょう。 ④関節を冷やす 関節の痛みやこわばりが出る可能性があるため、関節を冷やさないように注意しましょう。 気温が低い冬だけでなく、夏の冷房による冷えの対策も必要です。 長袖で羽織れるものや、ストールやブランケットなどで、環境に左右されずに関節や体の冷えを避けられるようにしましょう。 また、温めると血の巡りが良くなり、関節リウマチの痛み症状が緩和される効果も期待できます。 ⑤重いものを持ち上げる 重いものを持ち上げると、関節に大きな負担がかかるため、関節リウマチによる炎症が悪化する可能性があります。 日常生活の中で重いものを持たないように注意し、どうしても重量物を持つ必要がある場合にはカードなどの道具を使用して、関節への負担を軽減しましょう。 痛み症状が強く出ていると重いものを持ち上げられなくなることもあるため、周囲にサポートを依頼するなど工夫が必要です。 ⑥高い枕を使う 関節リウマチは頸椎や首の靭帯にも影響するため、高い枕を使ってはいけません。 首に負担がかかると、軽い力でも頸椎(首の骨)が脱臼する可能性があり、しびれや麻痺、呼吸障害などの原因となることがあります。 枕は首に負担がかからない低めのものを選び、高さの調整が必要な場合はタオルなどを使うと良いでしょう。 ⑦和式トイレの使用 和式トイレは膝を大きく曲げるため、関節への大きな負担がかかります。 可能な限り洋式トイレを使用し、膝を深く曲げる必要がある和式トイレの使用は控えてください。 自宅のトイレが和式の場合、洋式へリフォームをするなども検討してみましょう。 ⑧正座をする 正座をすると膝関節に大きな負担がかかり、関節リウマチが悪化する可能性があるため、注意が必要です。 とくに長時間の正座は避けてください。 長時間にわたって正座をすると、まず血行不良が起こり、そこから関節の腫れや痛みにつながりやすいです。 座るときは座面が高い椅子に座ったり、床に座る場合は膝を伸ばして座りましょう。 ⑨喫煙をする 喫煙をすると関節リウマチの発症リスクが高まるだけでなく、症状を進行させる可能性も高いため、禁煙をおすすめします。 タバコには、関節の炎症を進めたり、治療効果を弱めたりする、有害な物質が含まれています。 すぐに禁煙するのが難しい方は、少しずつ本数を減らしていき、できるだけ早く喫煙をやめましょう。 ⑩ストレスを溜める ストレスを溜めると、自律神経の乱れによって免疫システムのバランスが崩れ、関節リウマチの症状に影響する場合があります。 関節リウマチで手や足がこわばったりスムーズに動かせなかったりすると、そのような症状自体がストレスの原因になりかねません。 リラクゼーションや軽い運動、趣味などストレスを解消できる方法を見つけ、ストレスを溜めないようにしましょう。 関節リウマチで食べてはいけないもの一覧 https://www.youtube.com/watch?v=4LeBKWd3w2s 関節リウマチだからといって、完全に食べてはいけないものはありません。 糖尿病や高血圧など、関節リウマチ以外で食事を制限される持病がなければ、食事制限の必要はないので、基本的に何でも食べられます。 しかし、症状を悪化させる可能性がある食品があるので、悪化させないためには、できるだけ控えるのが望ましいです。 関節リウマチで、食べない方がよいものは次のとおりです。 炭水化物 ・白米 ・パン ・砂糖 ・菓子類 ・ジュース 脂質 ・牛乳 ・肉類(脂質が多い部位) 調理方法にも注意が必要で、揚げ物は脂質が多いため、煮たり焼いたりする調理法がおすすめです。 また、アルコールも完全に飲んではいけないものではありませんが、控えるようにしましょう。 関節リウマチのしてはいけないことに関するよくある質問 関節リウマチのしてはいけないことに関して、以下の質問が多くあります。 関節リウマチを悪化させる要因は? 関節リウマチでやってはいけない仕事は? 関節リウマチになりやすい性格は? 関節リウマチを悪化させないためにもよくある疑問や不安点を解消しておきましょう。 関節リウマチを悪化させる要因は? 関節リウマチを悪化させる要因は、本記事でも紹介している、関節リウマチのしてはいけない10項目です。 膝や関節に負担をかけることや、症状悪化の原因につながるものの摂取は、関節リウマチの症状を悪化させてしまいます。 上記の10項目を守り、関節リウマチの悪化を防ぎましょう。 関節リウマチでやってはいけない仕事は? 関節リウマチで、やってはいけない仕事はありませんが、避けた方が良い仕事はあります。 次のような仕事は、関節リウマチを悪化させる原因となるため、避けるようにしましょう。 重いものを運ぶ仕事 立ちっぱなしの仕事 長時間の歩行が必要な仕事 寒い場所での仕事 関節リウマチでは、関節に負担をかけないことが大切です。 天職だと感じている仕事や、条件が良く続けていきたいと考える仕事で辞めるという選択肢がないこともあるでしょう。 症状の程度にもよるため医師に相談してみてください。 関節リウマチになりやすい性格は? 関節リウマチは自己免疫疾患のため、特に原因となる性格はありません。 しかし、慢性的なストレスによって免疫機能が低下することで間接的に関節リウマチの発症リスクが高まる場合があります。 そのため、ストレスを溜め込みやすい方は、適度にストレス発散する方法を身につけましょう。 また、関節リウマチを早期に発見できれば、早く治療を始められるため、関節の痛みや違和感がある方は早めに医師の診察を受けましょう。 関節リウマチと診断されたらしてはいけない10項目を守ることが重要 関節リウマチと診断された方は、以下のしてはいけない10項目を守り、症状を悪化させる要因をなくすようにしましょう。 早めに医師の診察を受けることが大切ですが、薬剤や手術などで治療をするだけでなく、並行して上記の10項目を守ることが重要です。 関節リウマチの治療は、薬物療法や手術療法が一般的ですが、現在は再生医療という新しい治療法が注目されています。 再生医療とは、人間が持つ再生する力を活かした治療方法で、自分自身の細胞を使うため副作用リスクや身体への負担が少ないことが大きなメリットです。 再生医療を希望される場合や、関節リウマチでお困りの方は、当院リペアセルクリニックへお気軽にご相談ください。
2020.04.10 -
- 免疫細胞療法
「がん」を再発させないためには、生活習慣の改善が重要です。 再発しやすい病気として知られている「がん」は、命に関わったり生活の質を低下させたりする可能性があるため、適切な対処をとることが大切です。 本記事では、がんを再発させないために改善すべき生活習慣を5つご紹介します。 改善できる習慣から見直し、がんの再発リスク低減を目指しましょう。 がんを再発させない5つの習慣 がんを再発させないためには、以下の5つの生活習慣を意識することが大切です。 ①食生活の改善 ②運動習慣を身につける ③タバコを控える・禁煙する ④お酒を控える・禁酒する ⑤体重管理 適切な運動量や体重などは、人によって異なるため、まずは自身の達成できる目標を設定しましょう。 ①食生活の改善 がんを再発させないためには、食生活の改善が重要です。 栄養バランスの整った健康的な食事は、身体に必要な栄養素を効率良く取り込めます。 がんの再発予防では、以下の栄養素を含む食材をバランス良くとることを意識しましょう。 栄養素 効果・作用 具体例 タンパク質 身体をがん細胞から守る免疫細胞を作るために必要な栄養素 肉・魚介類・卵・乳製品・大豆製品 ビタミンC 抗酸化作用(体内の細胞を傷つける活性酸素から守る働き) 野菜・果物 ビタミンE ナッツ類・植物油・魚介類 食物繊維 腸内環境の改善 穀類・野菜・海藻類 乳酸菌 乳製品・発酵食品 上記の中でも特にタンパク質は、免疫力向上のために必要不可欠な栄養素なので積極的に取り入れることが推奨されます。 がんの治療中で食欲低下や味覚の変化がみられたりする場合でも、食事量を過度に減らしたり、味付けを濃くしたりしないようにしましょう。 以下の動画では、がんのリスクを減らすために避けるべき食べ物について、詳しく解説していますので合わせてご覧ください。 ②運動習慣を身につける がんの再発を防ぐためには、運動習慣を身につけることが大切です。 適度な運動は、体温が上がることによる血行促進やストレスの発散につながり、がん細胞から身体を守る免疫力が向上する効果をもたらします。 しかし、激しい運動を無理に行うと、心身ともにストレスとなり、逆に免疫力が低下する恐れがあるため注意が必要です。 運動時間の確保が難しい場合は、日常生活のなかで正しい姿勢を心がけたり、歩数を増やしたりして工夫しましょう。 ③タバコを控える・禁煙する がんの再発を防ぐ生活習慣に、禁煙があります。 タバコには発がん性物質が含まれており、喫煙者は非喫煙者と比べて約1.5倍がんの発症リスクが高まる※といわれています。 ※国立がん研究センター「日本人のためのがん予防法5+1」 自分で禁煙するのが難しい場合は、禁煙補助剤などを用いた禁煙治療を受けることも検討してみましょう。 また、非喫煙者であっても、喫煙者のタバコの煙(副流煙)を間接的に吸ってしまう「受動喫煙」に注意が必要です。 喫煙者も非喫煙者もがんの発症リスクを上げないために、タバコの煙を避けて生活しましょう。 ④お酒を控える・禁酒する がんを再発させないために、禁酒を習慣化することが大切です。 お酒に含まれるアルコールは、摂取量が多いほどがんの発症リスクが高まることがわかっています。 飲酒習慣がある方は飲酒量を減らしたり、アルコール度数の低いお酒にしたりして、アルコール摂取量を抑えましょう。 ⑤体重管理 がんの再発防止には、肥満や痩せすぎないように体重管理が大切です。 肥満でも痩せすぎでもがんの発症リスクや、がんによる死亡リスクが高くなることがわかっています。 また、体重管理を行う場合、食生活や運動習慣などの生活習慣にも気を付けることが増えるため、がんの再発予防に効果的といえるでしょう。 痩せすぎや肥満などを判断する体格指数は「BMI」と呼ばれ、以下の計算式で求められます。 BMI=体重(㎏)÷{身長(m)×身長(m)} 男性はBMI21~27、女性はBMI21~25になるように、体重を管理しましょう。 がんを再発させないために生活習慣を改善する重要性 がんを再発させないためには、生活習慣を改善することが重要です。 がんの発症には、遺伝的要因のほかに、過度な飲酒や喫煙などの生活習慣が関係しているといわれています。 以下の5つの健康習慣をすべて実践している人は、0~1つの習慣を実践している人と比べてがんの発症リスクが低いと推計※されています。 ※参照:国立がん研究センター「日本人のためのがん予防法(5+1)」 たばこを吸わない 飲酒を控える バランスの良い食事を心がける 日常生活を活動的に行う 体重管理をする 生活習慣を見直すことで、がんの再発リスクも低減できる可能性が高まるため、実施可能な行動から改善しましょう。 がんの再発防止を期待できる免疫細胞療法について がんの再発予防を期待できる治療法に、免疫細胞療法があります。 免疫細胞療法とは、体内の免疫細胞を培養し、体内に戻すことで免疫力を高める治療法です。 免疫力の低下によってウイルスや菌へ感染すると、がんに進展するリスクが高まってしまいます。 免疫力を高めることで、がんにつながる疾患やがんの再発を予防できる可能性がある免疫細胞療法が近年注目されています。 免疫力の低下ががんの発症リスクを高める理由については、以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。 【まとめ】がんを再発させない5つの習慣だけでなく免疫細胞療法も検討しよう がんを再発させないためには、以下の5つの習慣を心がけることが大切です。 食生活を改善する 運動習慣を身につける タバコを控える・禁煙する お酒を控える・禁酒する 適正体重を目指す がんの再発予防として、近年注目されている治療法に免疫細胞療法があります。 免疫細胞療法は、免疫力の向上が期待でき、がんの再発リスクを低減できる可能性があります。 がんの再発を予防したい方は、生活習慣の改善と合わせて、免疫細胞療法による治療もご検討ください。
2020.04.06 -
- 股関節
- 変形性股関節症
生物学的製剤による関節リウマチの治療を始めて効果を実感している方の中には、治療期間や中止のタイミングに不安を感じる方も多いのではないでしょうか。 特に症状が落ち着いてきた時期には、治療継続の必要性や経済的な負担について悩まれることも少なくありません。 本記事では、生物学的製剤の適切な治療期間や、治療を継続する重要性について詳しく解説します。 関節リウマチの生物学的製剤はいつまで続くの? 生物学的製剤を使用したリウマチの治療は高い効果が期待できるものの、どれくらいの期間、継続する必要があるのでしょうか。 以下の項目について詳しく解説します。 厳密な接種期間は定められていない 1年以上の接種が望ましいとされている 薬の減量や休薬はできる? 実は、いつまで継続するべきか、明確には定まっていないのが現状です。 そして、仮に生物学的製剤を使用していて症状が安定していたとしてもすぐに中止せずに少なくとも1年くらいは継続するべきと言われています。 生物学的製剤による治療を受けて短期間で効果があったとしても自己判断で治療を止めるべきではありません。 厳密な接種期間は定められていない 関節リウマチの症状や進行状況は患者さまによって大きく異なるため、生物学的製剤の投与期間について明確な基準は設けられていません。 治療効果や副作用の有無、患者さまの状態などを総合的に判断しながら、主治医が個別に投与期間を決定していきます。 そのため、他の患者さまの治療期間を参考にすることはできず、自分の状態に合わせた治療計画に従うことが重要です。 1年以上の接種が望ましいとされている 生物学的製剤による治療では、症状が改善してきても最低1年間は継続することが推奨されています。 生物学的製剤を中止した場合、2年以内に56%※もの患者さまで症状が再燃することがわかっています。 ※出典:東邦大学「『関節リウマチ患者の生物学的製剤投与中止後の再燃を予測』~血液中バイオマーカーの組み合わせが最も有用~」 再燃のリスクを考慮すると、十分な期間の治療継続が重要です。 なお、治療の継続や中止については、血液検査などの結果も考慮しながら、主治医と相談のうえで慎重に判断する必要があります。 薬の減量や休薬はできる? 症状が安定している場合、主治医の判断のもと投与量を減らしたり、投与間隔を延ばしたりする方法を検討することは可能です。 ただし、これは必ず医師の指示に従って慎重に行う必要があります。 自己判断での減量や休薬は、症状の悪化を招く可能性が高く危険です。 減量や休薬を検討する場合は、定期的な経過観察を行いながら、慎重に進めていくことが重要です。 関節リウマチ治療の生物学的製剤の使用期間は長くなるほど費用がかさむ 生物学的製剤は関節リウマチ治療において高い効果を発揮する一方で、経済的な負担が大きいことが課題となっています。 3割負担の場合でも毎月1万5千円から3万円の自己負担が必要となり、継続的な治療費用は患者さまにとって大きな負担となります。 このような経済的負担から、症状が安定した患者さまの中には投与中止を希望するケースもあります。 ただし、投与中止後2年以内に56%の患者さまで症状が再燃することがわかっており、休薬の判断は慎重に行う必要があります。 医療費の負担軽減については、高額療養費制度や各種医療費助成制度の活用を検討することをおすすめします。 関節リウマチの主な治療法は?根本的な治療が期待できる再生医療について 関節リウマチの主な治療法には、以下のようなものがあります。 薬物療法 手術療法 再生医療 それぞれの治療法について解説します。 薬物療法 薬物療法は関節リウマチ治療の基本となる治療法です。 抗リウマチ薬(DMARDs)、生物学的製剤、JAK阻害薬などが使用され、炎症を抑制し関節破壊の進行を防ぐことを目的としています。 特に早期からの治療開始が推奨され、メトトレキサートを中心とした従来型抗リウマチ薬による治療が第一選択とされています。 効果が不十分な場合は、主治医との相談のもと、生物学的製剤やJAK阻害薬の使用が検討されることがあります。 手術療法 手術療法は、薬物療法では十分な効果が得られない場合や、関節の変形や破壊が進行した場合に検討される治療法の一つです。 主な手術方法には、人工関節置換術、関節形成術、関節固定術などがあります。手術の種類や方法は、症状や状態によって個別に検討されます。 手術後は、医師の指導のもとでリハビリテーションを行い、段階的に日常生活への復帰を目指します。 再生医療 再生医療では、主に幹細胞治療とPRP療法があります。 幹細胞治療は、患者さまの幹細胞を採取・培養して投与する治療法です。 幹細胞は体内の様々な種類の細胞に変化する能力があり、損傷部位に投与すると、必要とされる特定の細胞の種類へと変化するのが特徴です。 また、PRP療法では患者さま自身の血液を採取して、血小板を濃縮した後に投与します。血小板には成長因子を放出する働きがあります。 再生医療について興味がある方は、当院「リペアセルクリニック」にご相談ください。 まとめ・関節リウマチ治療で効果を期待できる生物学的製剤の治療期間と費用 生物学的製剤による治療は一般的に長期間継続することになります。 また、費用も高額になるため計画的に治療を受けるかどうかを判断し、必要に応じて高額療養費制度などを活用すると良いでしょう。 生物学的製剤による治療を検討している人は、費用面も含めて医師に相談して計画を立てる必要があります。 関節リウマチの治療方法には、薬物療法、手術療法の他に再生医療も選択肢のひとつです。 再生医療をご検討の際は、ぜひ当院「リペアセルクリニック」へお問い合わせください。
2020.03.17 -
- 免疫細胞療法
がんは日本人の2人に1人※が生涯でかかると言われる、非常に身近な疾患です。 ※参照:がんの罹患数と死亡数 一方で、近年の研究ではがんのリスクは食生活などの生活習慣の見直しによって低減できる可能性があり、医療専門家からも重要性が指摘されています。 しかし「がん予防に良いってどんな食べ物?」「具体的に何をどう食べたらいいか分からない」といった、疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか? 本記事では、がんの予防や再発リスクの低減が期待される食品・飲み物を日々の生活に取り入れやすい形でご紹介します。 毎日の食事を少し意識するだけでも、健康維持に役立つ可能性があります。 無理なく続けられる食生活を取り入れるためにも、ぜひ本記事を参考にしてください。 癌(がん)が嫌う食べ物・飲み物を紹介 癌(がん)のリスク低減が期待できる食べ物・飲み物を以下で紹介しています。 緑黄色野菜・果物 魚(オメガ3脂肪酸を含む) 海藻類 全粒穀物 コーヒー ぜひ参考にして、日々の食生活に取り入れましょう。 注意したい食材については、以下の動画でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/b4q5Fmldk4Q?feature=shared 緑黄色野菜・果物 以下のような緑黄色野菜や果物は、健康維持や生活習慣病対策に役立つ栄養素が豊富に含まれています。 ブロッコリー、にんじん、ほうれん草、かぼちゃ 果物など 緑黄色野菜に多く含まれるβカロテン・ビタミンC・ビタミンEは、細胞を傷つける活性酸素を除去し、DNAの損傷や老化の抑制につながることも。 またブロッコリーには、スルフォラファンという成分が含まれており、この成分ががん細胞の増殖を抑制する可能性がある※といわれています。 ※出典:国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構 ブルーベリーやぶどうのポリフェノール、柑橘類のビタミンCやフラボノイド、りんごのペクチンなども、免疫力の向上や腸内環境の改善に貢献します。 一日の目安としては、野菜は350g以上、果物は200g~300g程度※が推奨されているため、適量を取り入れるのがおすすめです。 ※参照:厚生労働省「食事バランスガイド」 魚(オメガ3脂肪酸を含む) サバ・イワシ・サンマ・アジなどの青魚に含まれるオメガ3脂肪酸(DHA・EPA)は、以下のような働きが期待できる成分です。 細細胞の正常な機能維持をサポート 血液をサラサラにし、循環器疾患の予防に貢献 良質なたんぱく質が免疫力や筋力の維持をサポート 健康全体の維持にもつながる栄養源 オメガ3脂肪酸は研究で「がんの進行抑制や予防の補助的役割※」が示唆されていますが、あくまで予防的なサポート成分であり、治療薬の代替とはなりません。 ※出典:Annual Review of Nutrition 青魚は体全体の健康のためにも、週に2〜3回は青魚を中心とした魚料理を取り入れるとよいでしょう。 日常の食事に取り入れやすい青魚を活用し、バランスの取れた食材として、がんや生活習慣病の予防に取り組みましょう。 海藻類 わかめ・昆布・ひじき・もずく・のりなどの海藻類は、水溶性食物繊維やミネラルが豊富で腸内環境の改善に効果的とされています。 また、これらの海藻類は以下のようなメリットがあります。 腸内環境のサポート 代謝やホルモンバランスへの寄与 ヘルシーで満腹感がある アレンジ自在で続けやすい 特に、海藻類は加工されていない天然の海藻を選ぶことで、より自然な栄養が摂取できるのも大きなポイントです。 毎日少量ずつでも継続して摂ることが健康維持につながるので、意識して食事に摂り入れましょう。 全粒穀物 全粒穀物とはぬかや胚芽などを残した精製されていない穀物であり、玄米・全粒粉パン・オートミールなどの食材が代表的です。 これらは白米や白パンと比べて、ビタミンB群・マグネシウム・亜鉛・食物繊維といった栄養素を豊富に含みます。 また、全粒穀物は以下のような効果が期待できます。 腸内環境を整える 老廃物の滞留を防ぐ 抗酸化成分を含む 血糖をコントロール 生活習慣病リスクの低減 全粒穀物は、白米に玄米や雑穀を混ぜたり、朝食にオートミールを取り入れたりと、日々の食事に手軽に加えることが可能です。 コーヒー 以下の成分が含まれるコーヒーは、近年の研究によりがん予防効果が期待されている飲み物のひとつです。 クロロゲン酸(ポリフェノールの一種) カフェイン クロロゲン酸やカフェインには強い抗酸化作用や抗炎症作用があり、細胞の老化やDNA損傷を防ぐ働きがあります。 そのためコーヒーは肝臓がん・大腸がん・子宮体がんなどの予防効果が期待できるとされています※。 ※出典:国立がん研究センター「がんとコーヒー」 ただし、砂糖やミルクは多く加えることでカロリーや糖分が増えるため、控えめにしましょう。 また、1日2~3杯を目安にし、就寝前の摂取は避けるなど飲むタイミングにも注意が必要です。 がんリスクを高める可能性がある食品 がんを予防するには「摂るべき食材」だけでなく、以下のような「控えたい食品」についておさえておくことも重要です。 加工肉・赤肉 塩蔵食品 高脂肪食品 アルコール・砂糖含む飲み物 熱い飲食物 ここでは、日常的に口にしがちな食品の中で、注意すべきポイントやリスクについて詳しく解説します。 加工肉・赤肉 以下のような加工肉保存や発色を目的として、亜硝酸塩や発色剤などの添加物が使用されています。 ハム ソーセージ ベーコン など これらの成分の一部については、体内でニトロソ化合物という発がん性物質に変化し、大腸がんをはじめとするがんのリスクを高める可能性があると言われています。 WHO(世界保健機関)では、加工肉を「人に対しておそらく発がん性がある」※と分類しており、日常的な摂取に警鐘を鳴らしている状況です。 ※参照:農林水産省「国際がん研究機関(IARC)の概要とIARC発がん性分類について また、赤肉(牛・豚・羊など)についても、過剰な摂取によりがんの発症リスクが高まる可能性が指摘されています。 ※出典:国立がん研究センター「赤肉・加工肉のがんリスクについて」 特に、焼き肉やステーキなど高温で調理された肉には、ヘテロサイクリックアミンや多環芳香族炭化水素といった発がん性物質が生成されやすくなります。 ただし肉はタンパク質や鉄など重要な栄養素も含むため、完全に避けるのではなく、摂取量と調理法に注意を払うことが大切です。 目安としては、赤肉は週500g未満(※)に抑えること、加工肉はできる限り頻度を減らすことが望ましいでしょう。 ※参照:国立がん研究センター「多目的コホート研究(JPHC Study)」 植物性タンパク質や魚、大豆製品などをバランスよく取り入れることがおすすめです。 塩蔵食品 たらこ・塩辛・梅干し・漬物・干物などの塩蔵食品は、長期保存するために塩分を多く使って漬け込んだものです。 これらは日本の食文化に深く根付いている食品ですが、長期保存を目的に多くの塩分が使用されるため、摂取量には注意が必要です。 胃内の塩分濃度が高まることで胃粘膜が傷つき、慢性的な胃炎が引き起こされ、発がん物質の影響を受けやすい状態になると報告されています。 さらに、ピロリ菌という細菌が関与する胃がんも、塩分の高い環境下では感染や炎症が起こりやすくなり、がんの進行を助長する可能性があるとされています。 ※出典:国立がん研究センター「食塩・塩蔵食品摂取と胃がんとの関連について」 減塩対策方法としては、以下の方法が効果的です。 漬物や塩辛の量を減らす 減塩タイプの商品を選ぶ 味付けを薄味にして酢や出汁などで風味を補う 現在は冷蔵・冷凍技術が発達し、塩分に頼らずとも食品の保存が可能です。 健康維持のためにも、食塩の摂取量には意識的に注意しましょう。 高脂肪食品 高脂肪食品とは脂質を多く含む食品や調理法により油を多用した食品を指し、代表例としては以下のようなものがあります。 揚げ物(フライ・天ぷら・唐揚げ) スナック菓子・菓子パン・ファストフード バターやラードを多く使った洋菓子 など これらの食品には、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸が多く含まれ、摂取しすぎると体脂肪の増加やホルモンバランスの乱れを引き起こします。 とくに肥満は、乳がん、大腸がん、膵臓がん、腎臓がんなど多くのがんと関係がある※ことが明らかになっています。 ※参照: 国立がん研究センター 閉経前・後ともに肥満は乳がんのリスクに 日本癌学会 日本癌学会主催 第24回日本癌学会市民公開講座 講演1「肥満とがん」より 効果的な対策としては、揚げ物の頻度を減らすだけでなく、調理法を見直すことです。 蒸す・茹でる・焼くといった調理法を取り入れ、油の使用量をコントロールしましょう。 また、脂質を完全にカットするのではなく、以下のようなオメガ3脂肪酸を含む体に良い脂質へ置き換えましょう。 青魚 ナッツ アボカド オリーブオイル など このような脂質の置き換えが、健康的な食生活に繋がります。 アルコール・砂糖含む飲み物 アルコールと砂糖を多く含む飲み物もがんリスクを高める要因として、数多くの研究で報告されています。 アルコールは「グループ1=ヒトに対しておそらく発がん性がある※」と分類されており、特に以下のがんとの関連があると言われています。 ※出典:農林水産省「国際がん研究機関(IARC)の概要とIARC発がん性分類について」 口腔がん 咽頭がん 食道がん 肝臓がん 乳がん ※出典;「日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会」 飲酒量が多いほどリスクは高まるので、毎日の過剰摂取は要注意です。 また、アルコールが入っていない場合でも、糖分を多く含むジュースや炭酸飲料なども健康に影響を及ぼします。 健康的な飲み物としては、水・麦茶・緑茶・ルイボスティー・無糖の炭酸水などがおすすめです。 アルコールの代わりにノンアルコールビールやお茶を取り入れるなど、飲酒習慣の見直しも効果的な方法です。 飲み物は日常的に摂取するものだからこそ、ちょっとした積み重ねが健康に影響を及ぼすため、注意しましょう。 熱い飲食物 以下のような熱すぎる飲み物や料理も、がんリスクを高める可能性があります。 熱い緑茶やコーヒー スープ ラーメンなど 世界がん研究基金(WCRF)や国際がん研究機関(IARC)は、65℃以上※の高温の飲食物を常習的に摂取すると、食道がんのリスクが上昇するとされています。 ※参照;農林水産省 国際がん研究機関(IARC)によるコーヒー、マテ茶及び非常に熱い飲料の発がん性分類評価について 高温の飲食物が食道や口腔の粘膜を繰り返し傷つけることで、炎症が慢性化し、細胞の変異を招きやすくなるためです。 加えて、アルコールと一緒に摂取することで、粘膜への刺激が倍増し、がんリスクがさらに高まる可能性があります。 対策としては、飲食物の温度を適度に冷ましてから口にする習慣を身につけることが有効です。 熱すぎると感じたら数十秒待つ、一度器に移すなどの小さな工夫でリスクは軽減できます。 がん予防するための食生活のポイント がんを遠ざけるためには、特定の食品だけに頼るのではなく、日々の「食習慣全体」を見直すことが大切です。 以下に、実践しやすいポイントをまとめます。 バランスの取れた食事 野菜・果物・魚・豆類・発酵食品を組み合わせて、免疫力の維持と炎症の抑制をサポート 規則正しい食事 朝食抜きや深夜の食事は代謝の乱れに繋がるため、1日3食を決まった時間がおすすめ 加工食品を控える 添加物の摂取を減らすためにも、自炊中心で新鮮な食材を選ぶのが理想的 食事+運動の併用 ウォーキングや軽いストレッチなどを日常に取り入れ、肥満や慢性炎症を予防 全てを完璧に実践するのはなかなか難しいものですが、できることから少しずつ始めていくことをおすすめします。 【まとめ】癌が嫌う食べ物を避けつつ、バランスの良い食生活の実践を がんは誰にとっても身近なリスクですが、毎日の食生活を見直すことで、そのリスクを減らすことが期待できます。 以下のような食材を積極的に取り入れながら、加工肉や高脂肪食品・過度なアルコール摂取は避けましょう。 緑黄色野菜・果物 魚(オメガ3脂肪酸を含む) 海藻類 全粒穀物 コーヒー また、特定の食材に頼るのではなく、「食べ方」「習慣」「生活リズム」を総合的に見直すことが重要です。 できることから少しずつ実践して、長く続けられる健康習慣を身につけることが、がんを防ぐ第一歩となります。 今日から習慣を見直し、生活リズムを整え、バランスの良い食生活を意識して取り入れていきましょう。
2020.03.13 -
- 股関節
- 変形性股関節症
- 再生治療
変形性股関節症には前期から末期までのステージ分類があり、股関節の激しい痛みや、可動域制限などが末期症状です。 しかし、変形性股関節症の症状には個人差があるため、末期でもあまり痛みを感じていない方がいらっしゃいます。 軽い痛みなのに、医師から手術が必要と告げられた場合、多くの患者は「今が変形性股関節症の手術のタイミングなのか?」「立ち仕事に復帰できるのか?」などの疑問を抱きます。 人工関節に置き換える際は、麻酔や切開が必要になるため、患者には決断するまでの時期も必要です。 本記事では、変形性股関節症の手術について、目安となるタイミングや術後の生活リスクなどを現役医師が解説します。 切らずに治す方法も紹介しますので、手術に不安がある方はぜひ参考にしてみてください。 また当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、変形性股関節症の手術に不安を持つ方に向けて、再生医療の症例や治療内容を紹介しています。 手術を回避し、より早く日常生活へ復帰したい方はご確認ください。 変形性股関節症の手術を受ける明確なタイミングは存在しない 変形性股関節症のステージは前期・初期・進行期・末期の4段階ですが、手術を受ける明確なタイミングは存在しません。 股関節の状態が末期であっても、激しい痛みや生活への支障がなければ、保存療法(薬物療法など)で経過をみる場合があります。 一方で、変形性股関節症の前期や初期でも、患者が激しい痛みを訴えている場合は、手術の検討が必要です。 変形性股関節症の各ステージと、患者一人ひとりの症状は必ずしも一致しないため、手術は「必要性があるかどうか」で判断されます。 変形性股関節症における手術のタイミングを決めるポイント 変形性股関節症の手術を受ける場合、後悔しないための判断が必要です。 手術のタイミングを決める際には、以下のポイントを理解しておきましょう。 「もっと早く手術しておけばよかった」などの事態にならないよう、以下を参考に手術のタイミングを決めてみましょう。 痛みの強さ・日常生活への支障を考慮する 変形性股関節症を手術で治療する際は、痛みの強さや日常生活への支障(影響)を考慮しましょう。 前期のステージでは痛みを感じないケースが多く、初期段階に進行しても、痛みが歩き始めなどに限られる場合があります。 仕事や日常生活に支障がなければ、保存療法で経過をみてもよいでしょう。 ただし、変形性股関節症は徐々に進行している可能性があるため、医療機関への通院は必要です。 「痛みが引いたから治ってきている」などの自己判断をすると、気付かないうちに末期症状へ進行している恐れがあります。 安静時にも痛みが続くなど、症状の悪化が考えられる場合は、医療機関の診察を受けておきましょう。 関節の変形・画像診断の進行度を考慮する 変形性股関節症の治療において、手術のタイミングを決める際は、関節の変形が判断材料になります。 股関節の変形は進行期にあらわれるケースが多く、以下の画像検査で判定可能です。 画像検査の種類 検査できる症状など レントゲン検査 ・股関節の変形 ・骨棘の形成 ・関節裂隙(関節の隙間) CT検査 ・股関節の変形 ・骨棘の形成および詳細な形状 ・関節裂隙(レントゲンではわかりにくい部分) MRI検査 ・軟骨のすり減り ・靭帯などの損傷 ・炎症の有無 骨の出っ張りを骨棘(こつきょく)といい、股関節の痛みや、可動域制限を引き起こす原因となります。 歩行時のバランスも不安定にさせるため、骨棘が形成されている場合は、手術を選択肢に入れるタイミングです。 なお、軟骨や靭帯はレントゲン画像に写らないため、画像診断を受ける際には、CTやMRI検査ができるかどうか、事前に確認しておきましょう。 生活の質(QOL)と今後の人生設計についても考える 変形性股関節症の手術を受ける際は、生活の質や今後の人生設計も考える必要があります。 「仕事を休めない」「手術が不安」などの理由で痛みを我慢すると、日常生活や趣味・スポーツなどの動作が制限されます。 変形性股関節症の痛みは歩行にも影響するため、毎日の通勤を苦痛に感じてしまう恐れも。 また、日本人は平均寿命が伸びているので、働き盛り(40〜60代など)で変形性股関節症になった場合は、痛みを伴う人生が何十年も続きます。 少しでも早いタイミングで手術を受け、今後の不安を取り除くなど、人生設計も考えておくとよいでしょう。 変形性股関節症の手術で行う「人工股関節置換術」とは 人工股関節置換術とは、股関節の損傷部分を取り除き、「人工の関節」に置き換える手術です。 変形性股関節症が末期のステージとなった場合、人工股関節置換術しか選択できないケースがあります。 人工股関節置換術には以下のメリット・デメリットがあるので、手術を受け入れるかどうか迷ったときは、医師と十分に話し合いましょう。 人工股関節置換術のメリット ・股関節の痛みを緩和できる ・股関節の可動域を改善できる ・歩行時のバランスを改善できる ・周辺部位の負担を軽減できる 人工股関節置換術のデメリット ・脱臼や血栓症などのリスクがある ・再手術の可能性がある ・症状によっては可動域の改善に限界あり ・金属アレルギー 術後は痛みがなくなり、可動域も改善されるため、生活の質が向上します。 ただし、人工股関節の耐用年数は15~20年程度といわれており、年齢が若いうちに手術を受けると、再手術の可能性があります。 骨棘が原因となり、筋肉や腱が固くなっていた場合は、十分な可動域を確保できない恐れも。 人工股関節にはチタン合金などが使われているため、金属アレルギーがある方は、必ず医師に伝えておきましょう。 変形性股関節症における手術後の生活リスク 人工股関節に置き換えた場合、変形性股関節症は改善されますが、手術後には以下の生活リスクが発生します。 手術から3~6カ月程度経過すると、水中ウォーキングなどの軽い運動はできますが、人工関節に負荷がかかるスポーツは控えた方がよいでしょう。 人工股関節はひねりや引っ張り、衝撃にはあまり強くないため、野球やサッカーなどのスポーツはおすすめできません。 また、人工股関節にゆるみや摩耗などが生じた場合、耐用年数を経過していなくても再手術する可能性があります。 手術後の入院期間は2週間程度ですが、患部の状態によっては3週間程度かかるため、仕事や家事への影響も考慮しておきましょう。 人工関節手術の年代別リスクについて知りたい方は、ぜひ以下の記事を参考にしてみてください。 変形性股関節症|人工関節手術の年代別リスクについて 変形性股関節症の手術を避けたい方は再生医療も選択肢の一つ 人工股関節置換術は末期の変形性股関節症に効果的ですが、合併症などのリスクを伴います。 手術を避けて股関節の痛みを解消したい方は、再生医療も選択肢の一つです。 再生医療とは、患部に注射した幹細胞の働きにより、すり減った軟骨などを修復・再生する治療方法です。 手術による治療方法ではないため、再生医療は皮膚の切開や入院を必要としません。 また、再生医療には以下の特徴があります。 体にかかる負担が軽い 日帰り治療が可能 プロスポーツへの復帰が可能 自己脂肪由来の幹細胞を活用すると、アレルギー反応を低減できる 変形性膝関節症や半月板損傷などの治療にも活用できる 実際の治療では、患者の体から幹細胞を採取し、体外培養を経て股関節などの患部に戻します。 自分の幹細胞で患部を修復するため、拒絶反応やアレルギー反応のリスクが低く、体に大きな負担がかかりません。 再生医療は日帰り治療が可能になるので、仕事を休めない会社員や個人事業主など、多忙な方にもおすすめできる治療方法です。 治療期間や費用など、再生医療についてより詳しく知りたい方は、ぜひリペアセルクリニックの専門医にご相談ください。 リペアセルクリニックでは、独自の幹細胞治療技術や分化誘導により、再生医療の効果を高めています。 初回のカウンセリングは1時間程度を確保しているので、希望する治療方法などをじっくり話し合っておきましょう。 変形性股関節症の手術を受けるタイミングは医師と相談して決めよう 変形性股関節症を治療する場合、手術を受けるタイミングは必ず医師と相談して決めましょう。 手術のタイミングや必要性は総合的に判断されるため、医師による問診・触診や、画像検査などが必要です。 定期的に通院し、医師に患部の状態をチェックしてもらうと、いつ手術を受けるとよいのかわかります。 ただし、手術には感染症などのリスクがあり、人工股関節置換術は入院やリハビリを伴うため、歩けるようになるまで時間がかかります。 手術のリスクを回避したい方や、仕事復帰への時間をかけたくない方は、再生医療を選択肢に入れてみましょう。 再生医療は手術や入院の必要がなく、体にかかる負担も軽いため、高齢者にもおすすめできる治療方法です。 リペアセルクリニックも再生医療を導入しており、以下の特徴があるため、スポーツ愛好家やプロアスリートにも活用されています。 【リペアセルクリニックの特徴】 自己脂肪由来の幹細胞を活用 幹細胞の生存率が高い(冷凍保存ではなく、投与の都度培養) 国内トップクラスの細胞培養加工施設と提携 完全予約制で待ち時間なし 電話やメールによる無料相談に対応 自由に動ける健康な体や、痛みのない生活を取り戻したい方は、リペアセルクリニックの再生医療で根本治療を目指してみましょう。
2020.03.10 -
- ひざ関節
関節リウマチで膝裏に痛みにお悩みではありませんか。 関節リウマチは身体のさまざまな部位に症状が現れます。その中でも膝裏は関節リウマチの症状が現れやすい部位の1つです。 本記事では、関節リウマチによる膝裏の痛みの原因や、痛みの緩和方法などを詳しく解説します。 関節リウマチが膝裏の痛みを引き起こす原因や痛みの緩和方法を確認し、症状が悪化しないようにしましょう。 関節リウマチが膝裏の痛みを引き起こす原因とは? 関節リウマチが膝裏の痛みを引き起こす原因は、関節の内側を覆っている滑膜が攻撃され炎症を起こすためです。 滑膜が攻撃される原因は解明されていませんが、免疫系の異常が主な要因と考えられており、ホルモンバランスの影響も関連している可能性があります。 関節リウマチは、手や足の指、手首、足首、肘、膝、股関節などの関節に、腫れや痛み、こわばりなどの症状が出るのが特徴です。 関節リウマチを発症すると、以下の疾患や膝の変形を伴う可能性があります。 関節リウマチの合併症により、さらに膝に痛みが出現する場合もあるため注意が必要です。 ベーカー嚢腫(のうしゅ) 関節リウマチの合併症の1つに、ベーカー嚢腫(のうしゅ)があります。ベーカー嚢腫とは、関節液が過剰分泌され、膝裏に「こぶ」ができる疾患です。 膝裏にできたこぶは、腫れや痛みを伴う場合があり、関節リウマチの症状と相まって膝裏の痛みが増強する恐れがあります。 ベーカー嚢腫の腫れが引いても、膝裏の神経を傷つけていれば痛みが長引く可能性があります。 関節リウマチによる膝の変形 関節リウマチによる膝の変形は、痛みを伴う場合があります。 膝の変形には、以下の3つのタイプがあります。 疾患名 状態 内反膝 内側の関節が破壊されて膝が外側に変形した状態 外反膝 膝の外側が破壊されて膝が内側に変形した状態 波形膝 真っすぐ立つと、両膝が左右どちらかに同じ方を向いている状態 関節リウマチで手や足の指が変形してしまう症状はよく知られていますが、膝も変形するので、膝裏に痛みがある人は注意が必要です。 関節リウマチ以外の疾患によって膝裏に痛みが生じる原因 関節リウマチ以外の疾患でも膝裏に痛みが生じる場合があり、以下の4つの原因が考えられます。 関節リウマチと合併して発症する病気もあるため、自己判断せずに医療機関を受診することが大切です。 膝裏に痛みが生じたときは、何が原因なのかをしっかりと確認し、適切な治療を受けましょう。 変形性膝関節症 関節リウマチ以外で、膝裏に痛みが生じる原因の1つに、変形性膝関節症があります。 変形性膝関節症は加齢や肥満を原因に発症する疾患で、膝の関節軟骨が擦り減ることで膝に痛みが生じます。 変形性膝関節症の主な症状は、以下のとおりです。 変形性膝関節症になり膝が大きく変形してしまうと、日常生活に支障をきたすため、早めに治療を開始しましょう。 変形性膝関節症の症状や治療法については、以下で詳しく解説していますので参考にしてください。 半月板損傷 関節リウマチ以外で膝裏に痛みが生じる原因に、半月板損傷があります。半月板損傷とは、膝関節内にある「半月板」と呼ばれる板状の線維軟骨が損傷する疾患です。 半月板損傷の主な症状は、以下のとおりです。 半月板は膝関節を安定させる役割を担っているため、損傷すると膝の筋肉や腱などに大きな負荷がかかってしまいます。 半月板損傷の症状や治療法については、以下で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。 靭帯損傷 関節リウマチ以外で膝裏に痛みを生じる原因の1つに、靭帯損傷があります。 靭帯を損傷すると、以下の症状がみられます。 膝の靭帯損傷は、スポーツや交通事故などが原因で起こります。 膝に突然強い圧力を受けたり、同じ動作を繰り返したりすると、靭帯損傷につながる恐れがあるため、膝を酷使しないよう気をつけましょう。 反張膝 関節リウマチ以外で膝裏に痛みを生じる原因に、反張膝があります。 反張膝には以下の症状がみられます。 膝周囲の筋力不足や身体の重心が後方に偏っていると、反張膝になりやすい傾向があります。 反張膝を防ぐためには、運動をして膝周囲の筋肉を鍛えたり、日常生活で正しい姿勢をするよう意識したりするのが大切です。 関節リウマチによる膝裏の痛みを緩和させるには? 関節リウマチによる膝裏の痛みを緩和させる方法は、以下の3つです。 関節リウマチによる痛みは、セルフケアで緩和できる場合があります。関節リウマチの痛みを自身で対処しても、強い痛みが治まらないときは、医療機関を受診し適切な処置を受けましょう。 温冷によるケアを施す 関節リウマチによって膝裏痛みがある場合は、症状の程度に合わせて温冷によるケアを施すことが大切です。 関節リウマチの急性期症状である患部の腫れや赤みが出現していないかを確認し、ケアを行ってください。 膝裏に赤みや熱があって腫れている急性期の場合は、膝裏を冷やすことで痛みを緩和できる可能性があります。 急性期を終えて熱や腫れが引いた慢性期の場合は、膝裏を温めて血行を良くすると、痛みの緩和が期待できます。 痛みが強い場合は安静にする 関節リウマチで膝裏に強い痛みがある場合は、膝を動かさずに安静にしましょう。 急性期で熱や腫れがあるときは無理して動かすべきではありませんが、関節は動かさずにいると固くなり、周囲の筋肉も痩せてしまいます。 慢性期になったら、無理のない範囲で足を動かしたり伸ばしたりして、筋力低下を防ぐことが大切です。 投薬治療を受ける 関節リウマチによる膝裏の痛みの緩和方法に、投薬治療があります。関節リウマチの投薬治療には、消炎鎮痛剤やステロイド薬、抗リウマチ薬などが使用されます。 関節リウマチの発症原因を精査し、痛みの原因に合った薬物を使用して治療を進めていくことが大切です。 まずは関節リウマチの専門科を受診し、自身に合った治療法を提案してもらいましょう。 【まとめ】関節リウマチによる膝裏の痛みが治まらない場合は医療機関を受診しよう 関節リウマチによる膝裏の痛みが治まらない場合は、医療機関を受診しましょう。 膝裏の痛みは、関節リウマチだけでなく、変形性膝関節症や半月板損傷など他の疾患でも見られる症状です。 膝裏の痛みを放置したり、我慢して無理に動かしたりすると、症状が悪化する恐れがあります。 関節リウマチや他の疾患にかかり痛みが慢性化している場合は、再生医療での治療を検討しましょう。 膝裏の痛みにお悩みの方は、当院(リペアセルクリニック)までご相談ください。
2020.03.02 -
- 免疫細胞療法
実は、ボディビルダーは「風邪をひきやすい?」 あの、凄い筋肉量と、いかにも強靭そうで強い肉体を持っている「ボディビルダー」、トレーニングを重ねているため基礎代謝が良く減量などとは無縁。すごくて健康そうに見えます。!病気などにも縁がなくウイルスや細菌などぶっ飛ばしてしまいそうなイメージってありませんか。 しかし…ご存知でしたか?意外ですが「風邪をひきやすい・・・!」ということ? 全ての方がそうではありませんが実は、風邪をひくことで悩んでいるボディビルダーが多いと言います。ボディビルダーのイメージとは真逆ですね。そこで今回は、いかにも丈夫で健康の権化のようなボディビルダーが実のところは風邪ひきやすい!ということについて、その原因と対策を解説します。 ボディビルダーが風邪ひきやすい原因とは? 私たちは、ある意味出来上がった姿である鋼のようなボディビルダーを拝見している訳です。その鋼のような姿になるという部分に何かありそうですね。 ボディビルダーが風邪ひきやすい原因として第一に考えられるのが「激しいトレーニングをしている」ことです。「え?トレーニングって鍛えてるという体にに良さそうなイメージがあるけど?」「運動って免疫力を高めるんじゃないの?」と思われた方も少なくないでしょう。 実は、どんな運動でも運動であれば「免疫力」を高められるというものではないのです。「免疫力」を考えて運動するのであれば「適度な運動を、継続的に行う」これが重要になります。 激しい運動の連続は、体にとってはストレスとなり、ストレスは免疫力を低下させてしまうからです。健康的に体に負荷を与えるには負担にならない適度な運動であることと、それを継続することが大切なのです。 あの超人のようなボディビルダーとしての肉体を作り上げるためのトレーニングは、健康とはまったく別もの。 理想の魅せるための肉体作りは、一般人とは違う超ハードなトレーニングを行うことが多く、これが肉体的なストレスとなって免疫力を低下させてしまいます。また、見せるための肉体改造はトレーニングだけでは完成しません。 トレーニングに合わせて無駄な脂肪を取り去るための食生活が待っています。それは、一般人のメニューとは違っていて食事回数や、食事の内容、そのカロリーなど、脂肪をとことん、そぎ落とすことに注力し、徹底的に「体脂肪率が低い」状態を作り出します。 この体脂肪が低い状態こそが「風邪のひきやすさ」に関係しています。なぜなら脂肪は、体温を維持する役割を担っており、ボディビルダーのように脂肪が少ないと、その効果が薄く、体温が低下しやすくなるのです。 病気に対する抵抗力である免疫力は、体温が高いほど高まる傾向にあります。脂肪が薄くて体温が下がりやすいボディビルダーは基本的に免疫力が低くなりやすいのです。 このように、ボディビルダーは理想の肉体作りのための行動が免疫力を低下させてしまい、風邪をひきやすくなります。イメージからは意外に思われましたが、意外に病気になりやすい不健康ともいえる状態とも言えます。このように理屈が分かると風邪をひきやすくなることにもうなずけます。 風邪をひきやすいのは免疫力の低下が原因 きつい食事の回数やカロリーなどのコントロールに加え、ハードなトレーニングによる身体作りがかせないボディビルダーにとって「風邪をひきやすい」といった病気への抵抗力が弱くなりがちのは仕方がないのでしょうか? 逆に無視することはできません。激しいトレーニングと厳しい減量という大変な想いをして作り上げた肉体はコンテストで評価されることに意義があるからです。場合によっては重症化し、コンテストに向けたトレーニングや食生活を含めたコントロールに大きな支障をきたす可能性もあります。 免疫とは、私たちの体には侵入した異物を排除する仕組みで、身体を病気から守ってくれる自己防衛システムのことです。たとえば風邪のウイルス菌が体内に侵入すると、それを撃退します。その仕組みこそが『免疫』です。 この免疫について、ボディビルダーに限らず、厳しいトレーニングを積み、鍛えられた肉体を持つアスリートは、免疫力が高いはずという思い込みがありますが実はそうではないということになります。 先にも申しましたが適度な運動で免疫力はアップしますが、逆に激しい運動はかえって免疫力を低下させます。例えばマラソンなどの強度の強い運動をした人は、しなかった人に比べて運動後に上気道感染症(風邪)にかかる率が2~6倍増加したという報告もあるほどです。 免疫力を高めて真の強靭なボディビルダーを目指す免疫細胞療法 そんなボディビルダーが免疫力を高め、風邪に強い体作りを目指すのであれば「免疫細胞療法」という先端治療を検討してみてはいかがでしょうか。免疫細胞療法は、体内に侵入した病原菌を攻撃する免疫細胞を採血等で取り出し、培養してから体内に戻すことで免疫力を高める治療法です。 免疫力を高めることによって風邪だけでなく、アレルギーやさまざまな感染症、更にがんの予防にも役立ちます。じかも、自分の体内から取り出した細胞を培養するため、アレルギーや、ドーピングなどに抵触することがありません。 ここではボディビルダーを例にお話をしましたが、このような免疫力の低下は、激しい運動やトレーニングを行うスポーツ選手全般にとっての課題ではないでしょうか。極限まで頑張るアスリートにとって健康に気づかうことは非常に大切。 アスリートが結果を出すために、そのパフォーマンスを最大に引き出すには免疫の高い身体づくりは非常に大切なことではないでしょうか。必要な時に必要なパフォーマンスを実現するのはスポーツ選手の目標です。 せっかくのトレーニングや練習を無駄にしない。このような先端治療方法があることを知り、自身の体調コントロールに役立て、良い結果を導き出せればよいのではないかと思います。 まとめ/ボディビルダーは風邪をひきやすい? ボディビルダーにとって、肉体作りを邪魔する風邪の存在は決して無視できないものですが、ハードなトレーニングと、ハードな体脂肪管理によって、どうしても風邪ひきやすくなることは否めません。 ボディビルダーだけでなく、ハードなプレーや、トレーニングなどの運動が多いスポーツ選手、アスリートは、必要な時にパフォーマンスを発揮するためにも免疫細胞療法による治療法を検討してみてください。 興味がればお問い合わせ下さい ▼ スポーツ外傷(筋・腱・靭帯損傷)に対する再生医療 当院の再生医療は、スポーツ選手のパフォーマンス(QOL)を維持する治療を推進しています 監修:リペアセルクリニック大阪院
2020.03.01 -
- ひざ関節
- 再生治療
- 幹細胞治療
現在、半月板損傷と診断されて手術をすすめられている方や、すでに保存療法(投薬・リハビリ)を受けているものの、なかなか改善を感じられない方の中には、「このまま今の治療を続けて本当にいいのか?」「もっと自分に合った方法があるのでは?」と疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。 実際、半月板損傷の治療では手術療法が選択されることが多い一方で、手術には一定のデメリットやリスクも伴います。 手術に対して不安を感じたり、慎重に判断したいという方も少なくないでしょう。 本記事では、半月板損傷の手術のデメリット・メリットについて詳しく解説します。 また、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEでは手術以外の治療法も紹介していますので、ぜひ参考にしてご自身の症状やライフスタイルに合った治療法を選びましょう。 半月板損傷における手術のデメリット 半月板損傷における手術のデメリットは、主に以下4つあります。 感染症にかかるリスクが上がる 知覚神経を傷つける可能性がある 仕事復帰までの期間が長くなる 変形性膝関節症のリスクが高まる可能性がある それぞれのリスクについて、詳しく解説します。 また半月板損傷を手術せずに放置するリスクについては、以下の記事でも解説していますので参考にしてください。 感染症にかかるリスクが上がる 半月板損傷の手術を受けると、感染症にかかるリスクがあります。 内視鏡(関節鏡)手術の場合で細菌感染する可能性は1%以下※となっています。 ※参考:さいたま市「半月板損傷について」 しかし、ごくまれに感染症にかかると、傷口の化膿や関節に膿がたまるなどの症状が発生します。 感染を予防するために、手術後に抗生物質が投与されるケースがあるのです。 感染症に対しては適切な対策が講じられているため、過度に心配する必要はありませんが、術後の体調や傷口の状態には注意を払うことが大切です。 知覚神経を傷つける可能性がある 手術中に、皮膚の表面にある知覚神経を傷つける可能性があります。 ごくまれなケースですが、万が一神経が傷ついた場合、皮膚の感覚が鈍くなり、熱いものや鋭利なものに触れても気づきにくくなるため、二次的なケガのリスクが高まるおそれがあります。 このような知覚神経の損傷は、頻度は高くないものの、半月板手術における注意すべきリスクの一つです。 術後の違和感に気づいた場合は、早めに医師に相談しましょう。 仕事復帰までの期間が長くなる 半月板損傷の手術後は、再断裂を防ぐために慎重かつ継続的なリハビリが必要で長期にわたります。 手術後にリハビリを十分にせず無理に動かすと、再断裂のリスクが高まるので、仕事に復帰するうえでリハビリが重要です。 復帰までの期間は、以下のように異なります。 デスクワークなど:術後すぐに復帰できるケースがある 立ち仕事の場合:1.5~2ヶ月程度 激しい動きが伴う場合:約4ヶ月以上 ※参考:国立大学法人信州大学「半月板損傷の治療について」 手術後にリハビリを十分にせず無理に動かすと、再断裂のリスクが高まるので、仕事復帰のタイミングにも注意が必要です。 仕事への復帰時期は、焦らずに回復を目指し、主治医と相談しながらリハビリの進捗を見て判断しましょう。 変形性膝関節症のリスクが高まる可能性がある 半月板の一部またはすべてを切除すると痛みや腫れは改善されますが、膝のクッション性が低下し将来的な変形性膝関節症のリスクが上がります。 そのため、近年では可能な限り半月板を温存する方向が主流であり、切除術(部分・全切除)ではなく、半月板縫合術が優先されるケースが増えています。 手術を受ける際は、将来的なリスクも考慮しながら医師と相談することが大切です。 また、半月板損傷の手術には他に以下のような後遺症の可能性があります。 静脈血栓塞栓症(肺血栓塞栓症) しびれ 術後の経過は個人差が大きいため、不安な症状が現れた場合は、自己判断せずに早めに医療機関に相談することが大切です。 半月板損傷に対して手術を行うメリット 半月板損傷に対して手術を行うメリットは、主に以下の3つがあります。 痛みの緩和 可動域の改善 変形性膝関節症のリスクを減らす 手術にはリスクも伴いますが、症状の進行を防ぎ、日常生活やスポーツ活動への早期復帰を目指せます。 また手術を行うことで、半月板損傷による痛みを緩和できる可能性があります。 損傷部位によっては膝の可動域が制限されることがありますが、手術によって関節内の動きがスムーズになり、可動域の回復が見込まれます。 半月板が傷ついたまま放置されると膝関節の軟骨がすり減り、やがて変形性膝関節症へ進行するリスクが高まります。 適切なタイミングで手術を行うことで、膝関節全体の機能を保ち、長期的な関節の健康を守ることが可能です。 半月板損傷の手術方法 半月板損傷に効果的な手術は、主に3つあります。 縫合術 切除術 再生医療も選択肢の一つ それぞれの手術について、詳しく解説していきます。 半月板損傷の治療法に関しては以下の動画(3:12~)でも解説していますので、併せて参考にしてください。 縫合術 メリット 半月板を温存できる デメリット 半月板を再度損傷する可能性がある 再度手術する可能性がある 関節症や関節水腫のリスクがある 縫合術は、損傷した軟骨を縫い合わせる方法です。 膝のふた近くに穴を開け、関節鏡や器材を挿入して患部を縫合します。 切除術 切除術は、半月板の損傷した箇所を切り取る手術方法です。損傷部位の縫合が困難な場合は切除術が検討されます。 メリット 感染症のリスクが低い デメリット ロッキングを繰り返す 変形性膝関節症のリスクがある 縫合術と同じように、膝のふた付近に穴を開け、関節鏡を挿入して手術を行います。 専用のハサミを用いて患部の一部またはすべてを切除します。 再生医療も選択肢のひとつ 変形性膝関節症の手術として、再生医療も効果的です。 再生医療は患者さま自身の幹細胞を利用するため、拒否反応のリスクが低い手術です。また、リハビリ期間の短縮が期待できるため、早期に仕事へ復帰できる可能性があります。 長期の入院ができない方や人工関節の手術に抵抗がある方は、再生医療をご検討ください。 半月板損傷の手術に関するよくある質問 半月板損傷の手術に関する質問を紹介します。 半月板損傷で手術した場合の入院期間はどのくらいですか? 半月板損傷の手術費用はどのくらいかかりますか? 手術をせずに半月板損傷を治す方法はありますか? 半月板損傷の手術を行った10年後はどうなっていますか? 3つの質問について、詳しく回答します。 半月板損傷で手術した場合の入院期間はどのくらいですか? 縫合術は10~14日、切除術は2~4日程度※の入院が一般的です。 ※国立大学法人信州大学「半月板損傷の治療について」 切除術よりも縫合術の方が入院期間が長いケースが多いです。退院した後、しばらくは杖を使って歩行します。 退院後も、しばらく痛みが続く可能性があります。 術後は膝に負担がかかる動作は控えましょう。 半月板損傷の手術費用はどのくらいかかりますか? 半月板損傷の手術費用は、手術の種類・入院日数・自己負担割合などによって変動します。 一般的に3割負担の方の場合、平均的な費用の目安は以下のとおりです。 半月板縫合術:約10~20万円 半月板切除術:約7~15万円 たとえば、70歳以上で3割負担の方が9日間入院した場合、トータルで約9万円程度かかるケースもあります。 また、縫合術よりも切除術のほうが入院期間が短く、結果的に費用が抑えられる傾向がありますが、これは症状や病院の方針によっても異なります。 詳しい費用を確認したい方は、手術を受ける予定の医療機関に直接問い合わせてみましょう。 手術をせずに半月板損傷を治す方法はありますか? 再生医療は、手術をせずに損傷した半月板を治療することが可能です。 再生医療では、自身の細胞から採取して培養した幹細胞を膝に注射します。自分自身の細胞を使用するため、アレルギーなどの反応が少ない点、手術を避けられる点で身体への負担を抑えた治療法と言えます。 また、手術よりも治療期間が短くなるメリットがあります。 半月板損傷の手術を行った10年後はどうなっていますか? 臨床報告によると、一般の方の約30%、スポーツ選手のうち約70%が変形性膝関節症を発症しています。 半月板はひざのクッションの役割をしているため、切除することによって軟骨がすり減ってしまい、変形性膝関節症の原因になります。 とくに、半月板切除術は変形性膝関節症の発症率が高いと言えます。 半月板損傷手術のデメリットを回避できる再生医療を検討しよう 半月板損傷手術は、痛みや腫れを取り除く効果が期待できる反面、以下のようなデメリットがあります。 感染症にかかるリスクが上がる 知覚神経を傷つける可能性がある 仕事復帰までの期間が長くなる 変形性膝関節症のリスクが高まる可能性がある 半月板損傷の手術を受けた患者さまの10年後の臨床報告では、一般の方の約30%が変形性膝関節症を発症するなど、手術には大きなリスクが伴います。 しかし、将来的な変形性膝関節症のリスクや感染症にかかる危険性があるので、放置せずに治療を行いましょう。 ただし半月板損傷の手術を受けた患者さまの10年後の臨床報告では、一般の方の約30%が変形性膝関節症を発症するなど、手術には大きなリスクが伴います。 手術に不安がある方、すぐに会社やスポーツに復帰したい方は、再生医療をご検討ください。再生医療は手術しないため入院の必要がなく、リハビリ期間の短縮も期待できる治療法です。 詳しい治療法や症例については、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEでも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/
2020.02.29 -
- 再生治療
- 肝疾患
- 幹細胞治療
肝臓といえば「お酒」というイメージがありますが、お酒以外でも肝臓にダメージを与えている可能性があります。 「身体の疲労がなかなか取れない」という人は、肝機能が低下しているかもしれません。 本記事では、低下した肝機能を回復させる方法について詳しく解説していきます。 肝機能の低下を放置すると「脂肪肝」や「肝硬変」という病気に繋がる可能性があります。 肝臓の働きや肝機能を回復させる方法を理解して、肝臓疾患を予防しましょう。 肝臓はどのような働きをしているの? 肝臓は、人間の体の中で最も大きな臓器といわれており、以下のような働きをしています。 代謝 食事などから摂取した栄養素を体内で利用できるエネルギーとして蓄える機能 解毒 薬やアルコールなどの体にとって有害な物質を分解して無害化する 胆汁の生成 脂質の消化や吸収に必要な胆汁を生成・分泌する 「肝臓が疲れている」場合、エネルギーとして代謝できなかった栄養素が中性脂肪となって蓄積されます。 また、アルコールなどの解毒されるべき物質がそのまま体内に残ってしまいます。 生命活動にとって重要な働きをしている肝臓の疲労や疾患は、早めの対策・治療が必要です。 しかし、肝臓には神経が通っていないため、何らかのダメージを受けても自覚症状が現れにくく「沈黙の臓器」とも呼ばれています。 そのため、人間ドックや健康診断を受けて肝臓の異常を早期発見することが重要です。 肝臓を回復させるには食事の見直しや運動が大切 肝臓を回復させるには、食事による栄養素の摂取や有酸素運動、禁酒で肝臓を休める必要があります。 たんぱく質やビタミン類を摂取する 脂質と糖質の摂取を控える 肥満状態を改善する 1日30分程度の有酸素運動 アルコールの摂取量を抑える それぞれの項目について詳しく解説していきます。 たんぱく質やビタミン類を摂取する 肝臓の働きをサポートする効果に期待できる栄養素と主な食べ物を紹介します。 必要な栄養素 主な食べ物 詳細 たんぱく質 鶏ささみ、青魚、豆腐、卵など 幹細胞の修復や機能回復に必要な栄養素 ミネラル 野菜、海藻類、きのこ類など 代謝、解毒、胆汁の生成など肝臓の働きをする過程に欠かせない栄養素 抗酸化ビタミン (ビタミンA・C・E) ・ビタミンA 緑黄色野菜、ウナギなど ・ビタミンC レモン、パセリ、ブロッコリーなど ・ビタミンE 大豆類、青魚、ブロッコリーなど 肝臓内の活性酸素を抑え、肝機能の低下を防ぐために必要な栄養素 タウリン 貝類、タコ、エビなど 肝臓の解毒作用を高めて肝機能をサポートする効果が期待できる栄養素 食生活の見直しは、「肝機能の低下予防」と「肝機能を高めるサポート」のどちらの効果も期待できます。 暴飲暴食や偏った食事を避けて、バランスの良い食事を心がけましょう。 脂質と糖質の摂取を控える 肝臓を回復するためには、脂質と糖質の過剰摂取を控えることが重要です。 高脂肪・高糖質の食事は肝臓に負担をかけ、脂肪肝の原因となります。 特に、揚げ物やファストフードなどの飽和脂肪酸を多く含む食品、清涼飲料水や菓子類などの単純糖質の食べ過ぎは控えるべきです。 代わりに、不飽和脂肪酸を含む青魚などを適量摂取し、精製された糖質ではなく玄米や全粒粉パンなどの複合糖質を選ぶようにしましょう。 糖質制限と適切な脂質バランスを保つことで、肝臓への負担を軽減し、回復を助けることができます。 肥満状態を改善する 過剰な体脂肪、特に内臓脂肪は肝臓に脂肪が蓄積する「脂肪肝」の主な原因となります。 肥満状態を改善して適正体重を目指すことで、肝臓への負担を大幅に軽減できます。 具体的には、一日の摂取カロリーを適切に管理し、ゆっくり確実に減量することが重要です。 急激なダイエットは逆に肝臓に負担をかけるため避けましょう。目標は1ヶ月に1〜2kg程度の減量が理想的です。 1日30分程度の有酸素運動を習慣化する 肝機能を改善するためには1日30分程度の有酸素運動を取り入れましょう。 肥満や運動不足によって、肝臓に中性脂肪が過剰に蓄積される「非アルコール性脂肪肝」が起こる可能性があります。 ウォーキングや水泳などの有酸素運動を習慣にし、肝臓に蓄積した中性脂肪を減らしましょう。 有酸素運動によって脂肪肝化が改善される※1ことも報告されています。 ※参考:一般社団法人 日本肝臓学会「追補内容のお知らせ『NAFLD/NASH 診療ガイドライン』」 アルコールの摂取量を抑える 肝機能を改善させるためには、禁酒もしくはアルコールの摂取量をできるだけ抑えましょう。 お酒の飲酒量が多いと、アルコールを分解する働きを持つ肝臓に負担がかかり続けるため「アルコール性脂肪肝」になる可能性があります。 厚生労働省では、適度な飲酒量として1日あたりの純アルコール量は約20gとしています。 主な酒類の目安量は、以下の通りです。 お酒の種類 純アルコール量 ビール(中瓶1本500ml) 20g 清酒((1合180ml)) 22g ウイスキー・ブランデー(ダブル60ml) 20g 焼酎(35度)(1合180ml) 50g ワイン(1杯120ml) 12g しかし、アルコールは肝臓にとってストレスになるため、肝臓が疲労している時は禁酒することをおすすめします。 肝臓が回復するまでの期間と肝臓の状態 肝臓の機能が回復するまでに必要な期間は、肝臓の状態によって大きく違いがあります。 例えば、飲酒により一時的に肝臓が疲れている状態であれば、2日間の禁酒期間を設けることで肝臓は回復するといわれています。 一方で、慢性肝炎を放置して「肝硬変」になっている場合だと、いくら期間を設けても肝機能が回復することはありません。 極端な 2 例を挙げましたが、このように肝臓の回復に必要な期間および回復するかどうかについては、肝臓がどの程度のダメージを受けていて、どういった状態になっているかによって左右されるのです。 肝機能低下が招く疾患とは? 肝臓が疲れていると表現される「肝機能が低下している状態」を放置すると、様々な病気に繋がるリスクがあります。 病名 主な症状 脂肪肝 自覚症状がほぼないため、健康診断などの血液検査で発覚することが多い アルコール性肝炎 食欲不振・だるさ・発熱などの症状があり、肝臓の腫れや上腹部に痛みを感じる ウイルス性肝炎 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)・食欲不振・嘔吐・全身の倦怠感・発熱など 肝硬変 ・黄疸(皮膚や白目が黄色くなる) ・腹水(下腹部が張る) ・くも状血管拡張(首、前胸部、頬に赤い斑点ができる) ・手掌紅斑(掌の親指と小指の付け根が赤くなる) など 肝機能の低下は、肝機能を回復させるために生活習慣を見直せば改善することが多いです。 しかし、肝機能の低下を放置して病気になってしまうと適切な治療が必要になります。 肝機能が低下している前兆 肝機能が低下しても初期段階では症状が現れにくいため、血液検査を受けて初めて異常に気づくことも多いです。 しかし、肝機能の低下が進行すると肌が黄色くなる黄疸やむくみ、尿の色が濃くなるなどの症状が現れます。 気づいた時には症状が進行している可能性があるため、早めに医療機関を受診して検査を受けましょう。肝臓の回復には早期発見が重要です。 肝疾患の改善につながる可能性がある「再生医療」 従来の肝硬変の治療法では、症状の進行と合併症を防ぐことを目的としており、元の状態に戻すのは難しいとされています。 そんな、治らないとされている肝疾患には再生医療という選択肢があります。 患者さま自身から幹細胞を採取・培養して点滴投与します。ご自身の細胞を使用することから、副作用などのリスクが少ないのが特徴です。 肝疾患を根本的に治したい方は、当院「リペアセルクリニック」の無料メール相談・オンラインカウンセリングをご利用ください。 【まとめ】肝臓を回復させるには再生医療による治療をご検討ください 疲れた肝臓の機能を回復させるには、脂肪や糖質の過剰摂取を避ける食生活や、適度な運動など生活習慣の改善が大切です。 普段から肝臓を労わっていれば、少し疲れた程度なら数日の期間で回復しますが、慢性的に肝臓が疲れていると肝疾患になってしまいます。 そうなると、回復に時間がかかる、あるいは自然回復しない状態に陥ってしまう可能性があります。 肝疾患には薬物治療や運動療法の他にも、再生医療という選択肢があります。肝機能の低下に悩んでいる方は、ぜひ再生医療による治療をご検討ください。
2020.02.28 -
- 免疫細胞療法
「運動後に風邪をひきやすくなった」「健康のために運動しているのになぜ風邪をひくの?」と疑問を抱いている方は多いのではないでしょうか。 激しい運動をすると一時的に免疫力が低下し、風邪をひきやすくなる場合があります。 この記事では、運動後の体調管理方法や免疫力の低下を防ぎ、風邪を予防する生活習慣まで、健康的に運動を続けるコツを詳しく解説します。 当院(リペアセルクリニック)の公式LINEでは、免疫力の低下にアプローチできるとして注目されている再生医療に関する内容や症例を公開中です。 風邪によるパフォーマンスの低下や運動と免疫の両立などにお悩みの方は、再生医療の治療法についてご確認ください。 【結論】激しい運動は一時的に免疫力を下げ、風邪をひきやすくすることがある 激しい運動をすると、一時的に免疫力が低下し、風邪をひきやすくなることがあります。 風邪をひきやすくなる主な原因は、分泌型免疫グロブリンaと呼ばれる抗体の分泌量低下です。 分泌型免疫グロブリンaの特徴は、以下の通りです。※ ※出典:J‑STAGE「スポーツ現場における感染症の脅威とその対策」 唾液や目、鼻などの粘膜組織に分泌される抗体 病原体や毒素を無効化する働きがある 運動やストレスの影響を受けやすい 激しい運動の直後から分泌量が低下する場合がある 激しい運動を継続すると、慢性的に分泌量が減る可能性がある 激しい運動は分泌型免疫グロブリンaの低下だけでなく、細菌やウイルスと戦う白血球の減少や、ストレスホルモンによる免疫機能の抑制も引き起こします。 また、激しい運動をすると数日は免疫機能が低下する期間が現れるため、激しい運動の後は体の抵抗力が一時的に弱まり、風邪などの感染症にかかりやすくなると考えられています。 ただし適度な運動は免疫力の向上につながる 適度な運動は、免疫力の向上につながることがわかっています。 免疫力が向上する主な理由は、以下の2つです。 血行が促進され、免疫細胞が体内をスムーズに移動しやすくなる 副交感神経が優位になり、細菌やウイルスを排除する白血球の一種であるリンパ球が増加する また、厚生労働省によると免疫力を高めるには、毎日60分の歩行や家事などの活動や毎週60分の汗をかく程度の運動が効果的※とされています。 ※出典:厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準2023」 ウォーキングやストレッチなど、できる範囲から運動を習慣化しましょう。 運動で風邪を引かないための対策方法 運動で風邪を引かないための対策方法は、以下の3つです。 運動後すぐに体を冷やさない 水分と栄養をしっかり補給する 無理な運動を避けて休息を取る 風邪を予防しながら運動を続けるためには、日常の工夫や意識が重要です。体調管理を心がけながら、無理のない範囲で運動を楽しみましょう。 運動後すぐに体を冷やさない 運動で風邪を引かないための対策方法の一つに、運動後すぐに体を冷やさないことが挙げられます。 身体が冷えると血流が滞り、免疫力が低下する恐れがあります。 運動後の冷えを防ぐために注意したいポイントは以下の通りです。 クールダウンとして軽いジョギングやストレッチを行う 汗をかいたら、すぐにタオルで拭いたり着替えたりする 吸湿発熱素材と呼ばれる汗の水蒸気を熱に変化させる素材の服を着用する 運動後30分程度休んでから、ぬるめのお湯に入る 吸湿発熱素材の服は、汗の水蒸気を熱に変化させるため、汗による冷えを防ぐ効果が見込めます。 また、運動後30分~1時間ほど休んでから38度のぬるめのお湯に浸かるのも体を温める上で有効です。 しかし、運動直後の入浴は筋肉の疲労回復を妨げたり、心臓に負担をかけるおそれがあるため避けましょう。 水分と栄養をしっかり補給する 運動で風邪を引かないためには、水分と栄養の補給が欠かせません。 とくに運動後は、発汗によって水分やミネラル、ビタミンが失われがちです。 体内の水分が不足すると、鼻や口の粘膜が乾燥し、ウイルスなどの侵入を防ぎにくくなります。 また、ミネラルやビタミンは免疫細胞の働きを助け、免疫力を支える重要な役割を果たします。 水分や栄養素は、以下の点※に注意して摂取しましょう。 ※出典:アスリート育成パスウェイ「パフォーマンスに差を生み出す水分補給作戦」 運動中は1時間あたり200~300mlを3~4回が理想 運動後にも4~6時間は失った水分の150%を目安に補給する 水やスポーツドリンク、麦茶などを飲む 水分を摂りすぎると体液が薄まり疲労感やむくみなどの症状につながる場合があるので、最適な水分量を見極めましょう。 無理な運動を避けて休息を取る 運動で風邪を引かないためには、無理な運動を避けて休息を取るのも重要です。 以下のポイントに注意して、トレーニングと休息のバランスを取りましょう。 いきなり強度の高い運動をしない 激しい運動を長時間しない 約40度のお湯に肩まで10~15分程度つかる 7時間以上の質の良い睡眠をとる 体調が優れないときは休む 激しい運動は免疫力を一時的に低下させることがあります。 長時間に及ぶと免疫力の回復に時間がかかるため、過度な運動は控えましょう。 自分の体の声に耳を傾け、無理のない範囲で継続することが、健康づくりへの近道です。 以下の記事では、入浴や睡眠について詳しく解説しているので参考にしてください。 日常生活で免疫力を保つための習慣を意識することも大切 日常生活の中で免疫力を維持するための習慣を意識することも大切です。 以下のポイントを参考に、無理なく取り入れてみましょう。 バランスの良い食事を意識する 肉や魚、卵などに含まれる亜鉛の不足は、免疫機能が低下しやすくなる 炭水化物は、ストレスホルモンを抑える働きがある カフェインは白血球の一種であるリンパ球を活性化させる 納豆やキムチなどの発酵食品は腸内環境を整え、免疫力の向上に役立つ 良質な睡眠で回復力を高める 7時間以上の睡眠が理想 夕食以降のカフェインや喫煙、飲酒を控える 寝室の明るさや温度を快適に整える 寝る前にスマートフォンを使用しない ストレスを減らし、自律神経を整える 規則正しい生活を保つ 入浴で体を温めてリラックスする 読書や趣味など、自分が楽しいと感じる時間を大切にする 声を出して笑うことは、ストレス解消に効果的 免疫力は一朝一夕で高まるものではありません。 日々の積み重ねが大切ですので、長期的な視点で生活習慣を整えましょう。 【まとめ】激しい運動は風邪をひきやすくするため注意!免疫力向上を目指す生活習慣の改善も大切 激しい運動は一時的に免疫力を下げ、風邪をひきやすくすることがあるため注意が必要です。 運動で風邪を引かないためには、以下の対策を心がけましょう。 運動後すぐに体を冷やさない 水分と栄養をしっかり補給する 無理な運動を避けて休息を取る また、免疫力を高めるためには日頃の生活習慣の見直しも大切です。 バランスの良い食事や質の良い睡眠で体の回復力を養い、ストレスをため込まない工夫をしましょう。 さらに免疫力の維持・向上を積極的に目指したい方には、免疫細胞療法という選択肢もあります。 免疫細胞療法は、免疫細胞の機能を高めることで、健康的な体づくりをサポートする再生医療のひとつです。 運動と免疫の両立を図りたい方、免疫細胞療法について詳しく知りたい方は、お気軽にリペアセルクリニックまでご相談ください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/
2020.02.26 -
- 再生治療
- 肝疾患
- 幹細胞治療
肝硬変と聞くと「治らない」「怖い病気」というイメージがあるかもしれませんが、医療の進歩により治療の選択肢が広がっています。 本記事では、従来の治療法から最新の再生医療まで、肝硬変に対する様々なアプローチを解説します。 また、病状の段階別の治療法や、日常生活で実践できる予防法についても詳しく紹介します。 肝硬変の治療について不安がある方は、この記事を参考にしてください。 肝硬変を治すにはどんな治療がある? 肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、症状が出にくいため発見が遅れやすく、従来の治療では「肝硬変は治らない病気」といわれています。 肝硬変に対する従来の治療方針と近年注目されている再生医療について解説します。 近年注目されている「再生医療」は、硬くなった肝臓を修復する可能性のある治療法です。 ここでは、従来の治療方針と合わせて解説します。 従来の治療方針 肝硬変の従来の治療方針は、根本的な治癒よりも「進行抑制」と「症状緩和」を主な目標としています。 硬化した肝臓組織を元に戻すことは困難であるため、患者さんの状態に合わせた対処法が重要となります。 肝硬変の従来の治療における主なポイントは以下の通りです。 原因疾患への対処(ウイルス性肝炎には抗ウイルス薬、アルコール性には完全禁酒) 栄養バランスの良い食事と適度な運動の維持 病状に応じたタンパク質摂取量の調整 腹水や肝性脳症などの合併症に対する薬物療法 定期的な血液検査や超音波検査による経過観察 重症例における肝移植の検討(ただしドナー不足の課題あり) 特に初期段階では生活習慣の改善を中心とした治療で病状を安定させることが可能なケースもあるため、早期発見・早期治療が重要となります。 肝硬変治療に注目されている再生医療 「肝硬変は治らない」という常識を覆す可能性を秘めているのが、再生医療です。 従来の治療法では難しかった肝臓組織の修復が、先端技術によって実現できる可能性があります。 再生医療による肝硬変治療のポイントは以下の通りです。 幹細胞を活用して傷ついた肝臓組織を修復・再生 「自己骨髄細胞投与療法」で一部患者の肝硬変が改善した実例あり 入院や手術不要で治療できる 患者さま自身の細胞を用いるため副作用リスクが少ない 再生医療は病気の進行を抑えるだけでなく、硬化した肝臓を元の状態に近づける可能性がある点が画期的です。 山口大学の研究では、患者さま自身の骨髄から採取した細胞を静脈注射する方法で、一部の患者さまが慢性肝炎の段階にまで回復したことが報告※されています。 ※出典:Medical Note「肝硬変になった肝臓は再生可能? 他家間葉系幹細胞を用いた肝硬変の研究」 治らないといわれていた肝硬変の改善に期待できるため、多くの患者さまに新たな希望をもたらす可能性がある治療法です。 肝硬変の2つの病状に対する治療法 肝硬変は進行度によって大きく「代償性」と「非代償性」の2つの段階に分けられます。 代償性肝硬変では、肝臓はまだある程度の機能を保っており、症状があまり現れないことが特徴です。 一方、非代償性肝硬変になると、腹水や黄疸などの明らかな症状が出現し、より積極的な治療が必要になります。 どの段階にあるかによって治療方針は大きく変わりますので、医師の説明をしっかり理解しましょう。 代償性肝硬変 代償性肝硬変とは、肝臓が硬くなっていても、まだ十分な機能を保っている状態です。 この段階ではほとんど自覚症状がないため、健康診断や他の病気の検査で偶然見つかることもあります。 代償性肝硬変の治療目標は「これ以上悪化させない」ことです。 残念ながら、硬くなった肝臓を元に戻す薬はまだありませんが、原因に対する治療で進行を抑えることができます。 まず大切なのは原因疾患への対応です。 B型やC型肝炎ウイルスが原因なら、抗ウイルス薬でウイルスの活動を抑え込みます。 非代償性肝硬変 非代償性肝硬変は、肝臓の機能が著しく低下し、様々な症状が現れる肝硬変が進行した状態です。 この段階では、患者さまの生活の質を維持するために、合併症への適切な対処が重要となります。 非代償性肝硬変の症状と治療のポイントは以下の通りです。 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)の出現 腹水に対する塩分制限(1日5〜7g)と利尿剤療法 重度の腹水には「腹水穿刺(ふくすいせんし)」による直接排液 非代償性肝硬変では、上記のの症状が患者さんの日常生活に大きな影響を与えるため、家族の理解とサポートも大切です。 合併症の初期症状(意識の変化や腹部膨満感の増加など)に気づいたら、すぐに医療機関を受診しましょう。 肝硬変になる原因は肝機能障害からの進行が多い 肝硬変は突然発症するものではなく、肝臓の慢性的な障害が徐々に進行して引き起こされます。 主な原因となるのは、B型・C型肝炎ウイルス感染や、脂肪性肝疾患です。 上記のような病気により肝臓に持続的な炎症が起こると、その修復過程で線維(瘢痕組織)が形成され、肝臓全体が硬く小さくなっていきます。 かつてはC型肝炎ウイルスが原因の割合が高く、肝硬変全体の約半数を占めていました。 肝硬変に進行する前に、原因となる肝疾患を治療することが重要です。 肝硬変の進行を防ぐ方法や予防法について 肝硬変は一度進行してしまうと完全に元に戻すことは難しい病気ですが、早い段階から適切な対策を取ることで進行を遅らせたり、発症そのものを予防したりすることが可能です。 特に近年の日本では、ウイルス性肝炎の治療薬が進歩したことで、ウイルスが原因の肝硬変は減少傾向にある一方、アルコールや脂肪肝など生活習慣に起因する肝硬変の割合が増加しています。 そのため、日々の生活習慣の見直しがますます重要になっています。 食生活を改善する 肝臓は「体の化学工場」とも呼ばれ、食事内容が直接肝機能に影響します。 肝硬変の予防や進行抑制には、日々の食習慣の見直しが欠かせません。 肝臓に優しい食生活を送るために、何を食べるべきか、何を控えるべきかを理解しましょう。 積極的に摂りたい食品 控えるべき食品 野菜・海藻・きのこ類(ビタミン・食物繊維が豊富) 揚げ物・スナック菓子(高脂肪・高カロリー) 魚(DHA・EPAが豊富) インスタント食品・ファストフード 脂肪の少ない肉(鶏むね肉など) 清涼飲料水・甘い菓子類(高糖分) 大豆製品(豆腐・納豆など) 塩分の多い食品(漬物・加工肉など) オリーブオイル・ナッツ類(良質な脂質) 生の魚介類・加熱不十分な肉(感染リスク) コーヒー(適量) アルコール飲料 食事の取り方も重要で、一度に大量に食べるより少量ずつ規則正しく摂ることで、肝臓への負担を減らせます。 特に肝硬変の方は腹水悪化を防ぐため、塩分制限(1日7g以下)を心がけましょう。 肝機能が低下している方は食中毒リスクが高まるため、生ものは避けましょう。 禁酒・減酒する アルコールは肝臓で分解される過程で、肝細胞にダメージを与えるため、禁酒・減酒が肝硬変の進行を防ぐポイントです。 お酒の飲む量が多く、期間が長いほど肝臓の線維化(硬くなること)が進行します。 肝硬変や肝がんを予防するためには、「肝硬変になる前にお酒をやめること」が効果的です。 すでに肝硬変と診断された方は、それ以上の悪化を防ぐために禁酒が強くすすめられます。 肝機能低下や肝疾患はすぐに治療する 肝硬変の多くは、肝機能障害や肝疾患が長期間進行した結果として発症します。 そのため、前段階である肝炎や脂肪肝などの早期発見と適切な治療が非常に重要です。 例えば、B型・C型肝炎ウイルスに感染している方は、自覚症状がなくても放置すると肝硬変や肝がんへ進行する恐れがあります。 早期に適切な治療を行えば、肝硬変への進行を防げる可能性が高まります。 肝炎ウイルスは自覚症状がないまま肝臓を傷めることが多いため、過去に輸血を受けた経験がある方や感染リスクがある方は一度検査を受けることをおすすめします。 【まとめ】肝硬変を治すには再生医療による幹細胞治療を検討しよう 肝硬変は一度発症すると完全な治癒は難しいものの、早期発見と適切な治療により進行を抑えることが可能です。 従来の治療法は進行抑制と症状緩和が中心でしたが、再生医療という新たな選択肢が登場し、肝機能の回復に期待が寄せられています。 肝臓の健康は日々の生活習慣に大きく左右されますので、この記事の情報を参考に、ご自身やご家族の肝臓を守る取り組みを始めてみてください。
2020.02.24 -
- 肩
- 再生治療
肩が痛い上がらない!原因と治療、病院は何科を受診すべきか? 急に肩が上がらなくなった!腕を上げると肩に強い痛みがある!ズキズキとした痛みで寝れない、こんな状態になると不安になられて当然です。 なぜ痛むのか?なぜ腕が上がらないのか?で、どうすれば良いのか?その原因と治療のため、病院に行くべきなのか、整体やマッサージで良いのか?迷われることでしょう。 できるなら最初、病院でしっかりと検査され、診断を受けられることをお勧めします。では「肩が痛い」「肩が上がらない」場合、病院で何科に行けばいいのか?ということもあると思います。 今回は、肩が痛む、肩が上がらないときには様子を見るか、病院に行くべきなのか?その際、何科を受診すればよいのかについて解説してまいりましょう。 肩が痛くて上がらない!この症状は四十肩か五十肩?はたまた肩腱板断裂? 肩を上げると痛みが走る、もしくは腕を上げると肩に強い痛みが起こるという場合は、体に何らかの異常が生じているサインです。 四十肩・五十肩だろうと思っていたら、肩腱板が損傷していたり、もしかすると断裂している可能性もあって、そうなると手術の可能性も考えられるのです。 そのため「肩(腕)が上がらない」「肩が痛む」という症状があるなら自己判断で「そのうち治るだろうと」放置せず、早めに病院を受診することをおすすめします。 前途のように、見た目だけでは原因が分からず、検査が必要なことがあるからです。 病院では何科を受診すればよい? 病院の何科を受診すればいいの?今回のように、肩が上がらない、肩が痛む場合は、まずは整形外科を受診することをおすすめします。 検査をしてみて他に原因がある場合は、他の科を紹介してもらえます。あなたがスポーツをしている場合は、スポーツ障害を扱っている病院を受診するという方法もあります。 肩が痛む、上がらない ・病院の整形外科を受診 ・他に原因がある場合は他科の紹介も可能 ・アスリート、スポーツ選手は、スポーツ障害を扱う病院もある 肩が上がらない!手術を避ける新たな治療法の選択 肩が上がらない状態が続くと手術を検討することがあります。スポーツをしているなら肩が上がらないと、思うようなパフォーマンスを発揮することが難しくなるなど復帰が難しくなるかもしれません。 ただ、治療とはいえ、手術をするとなれば、その成否はもとより、患部にメスを入れることになり、復帰までの期間が延びてしまい、その間はトレーニングもできなくなる可能性もあります。 手術を受けるべきか?!悩ましいところです。 しかし近年、身体への負担が少なく、治療期間も短くて済む【再生医療】という選択肢があります。アスリートにとって朗報ですが、自由診療となり、健康保険が使えない点で検討が必要です。 再生医療は、「肩が上がらない」という場合の治療法としても、もちろん有効ですがスポーツ医療の分野でも大きな注目を集めています。 実際、有名なスポーツ選手が再生医療による治療によって短期間で復帰を果たしています。再生医療では、自分の細胞からとった幹細胞を患部に注射し、損傷した腱板を修復するという治療法が用いられます。 注意点としては、再生医療は新しい治療方法、先端治療法なので、一般的な病院で受けることができません。厚生労働省から認可を受けて再生医療を提供しているクリニックなどでの受診が必要です。 当院も厚生労働省から認可を受けて日本でもトップクラスの症例数がございますので、もしもお悩みなら、お気軽にご相談ください。親切丁寧にご説明させて頂きます。 再生医療 ・これまでできるようになった先端医療 ・手術を避けることができ、入院も不要 ・一般的な医療機関で受けることができない ・厚生労働省から許可を得た再生医療専門のクリニックを受診する必要性 まとめ・肩が痛い上がらない!原因と治療、病院は何科を受診すべきか? 肩が上がらないときに病院を受診するか、何科に行くべきか悩む人は多いと思います。基本的には、症状があるときには、原因究明、治療のためにはレントゲンやMRI、エコーなど検査が必要です。 すでに肩に何らかのトラブルが起きている可能性がありますから、なるべく早く医療機関、整形外科を受診しましょう。 早めの受診が早期治療につながり、その分、治癒も早まります。また、手術にかわる新たな治療法として再生医療という治療法も期待されています。 肩が上がらない、スポーツに復帰したい、早く治したいという方は、整形外科はもちろんですが、再生医療についても検討してみてはいかがでしょうか。 監修:リペアセルクリニック大阪院
2020.02.23 -
- 肩
- 再生治療
20代でも腕を上げたときの肩の痛みに悩む方は少なくありません。実は、20代でも四十肩や腱板損傷といった症状が起こる可能性があります。 この記事では、20代で肩に痛みが生じる主な原因や、症状に合わせた具体的な治療法について詳しく解説します。肩の痛みに悩む方が症状を改善し、快適な生活を取り戻せるよう役立つ情報をお届けするので、ぜひ最後までご覧ください。 【20代】腕を上げると肩が痛い原因とは? 20代でも腕を上げたときに肩が痛むのは珍しくありません。 具体的に腕を上げると肩が痛い原因として考えられる2つの理由について解説します。 四十肩・五十肩(肩関節周囲炎) 腱板損傷 四十肩・五十肩(肩関節周囲炎) 四十肩や五十肩の正式な病名は「肩関節周囲炎」です。 肩関節には骨・軟骨・靭帯・腱板・関節包など多くの組織が存在します。肩の酷使や加齢などが原因で組織が衰え、炎症が起こると肩関節周囲炎になります。 腕を上げる際の痛みや可動域の制限により、日常生活での動作に支障が出るのが特徴です。 加齢が原因の場合が多いですが、はっきりとした誘因がわかっていない部分もあり、20代や30代でも発症します。 腱板損傷 ケガやスポーツなどによって肩を使い過ぎると起こるのが、腱板損傷です。腱板は肩関節にある腱を指します。 肩をぶつけたり転んで手をついたりしたときに肩に負荷がかかると腱板が断裂してしまいます。痛みを伴うパターンや痛みはないものの肩が上がらないなど、症状は人それぞれで、20代でも発症するため注意が必要です。 腱板損傷は、特に肩や腕をよく動かすスポーツで起こるリスクが高く、スポーツ外傷のひとつです。 四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)と腱板損傷の違い 腕が上がらないと言えば四十肩・五十肩をイメージする人もいるでしょう。 四十肩・五十肩で腕が上がらなくなるケースは多いです。しかし四十肩・五十肩の原因は本来柔らかくて伸びがある関節がかたくなってしまう点にあります。また、痛みが強すぎて動かせないケースもあります。 腕が上がらない理由は異なりますが、肩関節周囲炎か肩腱板損傷かを自分で判断するのは難しいです。 腕を上げると肩が痛いときの治療法 腕を上げると肩が痛い場合、症状に応じた治療法が必要です。ここでは、薬の服用、リハビリテーション、外科手術の方法や効果について解説します。 薬の服用・リハビリテーション 薬の服用は、痛みや炎症を抑えるための基本的な治療法です。 消炎鎮痛剤や筋肉の緊張を和らげる薬の使用により、症状の緩和を図ります。一方、リハビリテーションは肩の可動域を回復し、筋力を強化することを目的としたものです。ストレッチや肩周辺の筋肉を鍛えるエクササイズを通じて、再発防止や長期的な改善を目指します。 外科手術 外科手術は、重度の肩の痛みや機能障害が続く場合に検討される治療法です。 四十肩や腱板損傷が原因で、薬やリハビリでは改善が見られない場合に行う治療です。具体的な手術内容には、内視鏡による肩の掃除(関節鏡手術)や、腱板の修復手術などが含まれます。 手術後はリハビリが必要で、肩の可動域と筋力を回復させるためのトレーニングを行うのが一般的です。 20代の肩痛みは医療機関の受診がおすすめ 肩の痛みや可動域制限は、四十肩・五十肩や腱板損傷など、さまざまな原因が考えられます。放置すると症状が悪化し、日常生活に支障をきたす可能性もあるため、まずは医療機関の受診が必要です。 治療法としては薬の服用、リハビリテーション、外科手術が挙げられますが、手術のリスクを避けるための再生医療も選択肢のひとつです。 腱板損傷の治療では、幹細胞を使った再生医療により症状を改善できます。効果に個人差はありますが、高い確率で痛みが軽減します。再生医療による治療をご検討の際は、ぜひリペアセルクリニック大阪院へご相談ください。
2020.02.21 -
- 肩
- 再生治療
- 腱板損傷
「肩を動かすと痛い」「夜になるとズキズキして眠れない」といった、肩の不調が続いている場合、腱板損傷が原因かもしれません。 腱板損傷は40代以降に発症しやすいとされており、日常の些細な動作や加齢による変化でも引き起こされることがあります。 しかし「肩の痛みの原因って何があるの?」「腱板損傷ってどんな症状?」「どうすれば予防できるの?」と、疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。 本記事では、腱板損傷の主な原因だけでなく、症状が進行する前に早期発見・予防につなげる方法も解説しています。 腱板損傷は放置すると腱板断裂に進行するリスクもあり、日常生活に大きな支障をきたす恐れがあります。 「もしかして自分も腱板損傷かも」と感じている方は、ぜひ本記事を参考に、早期発見と適切な対処を行いましょう。 腱板損傷の原因とは|使いすぎ(オーバーユース)に注意が必要 腱板損傷は、以下のような原因によって引き起こされます。 変性(加齢など) 外傷性(転倒・打撲・事故など) オーバーユース(繰り返しの動作・スポーツ) 腱板損傷の詳細については、以下の記事でも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。 加齢性変化(年齢) 腱板損傷の原因のひとつが、加齢による腱の変性(老化)です。 腱板は、肩甲骨と上腕骨をつなぐ4つの筋肉(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)から構成されており、肩の安定性とスムーズな動作を支える重要な組織です。 しかし年齢を重ねると、以下のような組織の変化が起こります。 コラーゲン繊維の弾力性が低下 血流が悪化し、栄養や酸素の供給が不十分に 腱自体がもろくなり、損傷しやすくなる その状態で肩を使い続けると、日常の動作や軽い作業でも腱に小さな損傷が蓄積し、やがて断裂につながることがあります。 また腱板は40代から少しずつ傷みやすくなり、加齢とともに誰にでも腱板損傷を起こる可能性(※)があるので注意しましょう。 ※参照:MSDマニュアル「肩腱板損傷」 初期の段階では「肩に違和感がある」「少し痛む」といった症状にとどまることもありますが、進行すると夜間痛や腕の可動制限など、日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。 加齢に伴う腱板の劣化の場合は、日頃からストレッチや適度な運動を心がけることで、ある程度予防が期待できます。 外傷性(転倒・打撲・事故など) 腱板損傷は加齢や使いすぎだけでなく、転倒・打撲・交通事故などの外傷が原因で突然発症するケースもあります。 このような外傷性の腱板損傷は、発症直後から痛みが強く、腕が上がらない・力が入らないといった症状が急激に現れるのが特徴です。 また以下のような状態が見られる場合は、早めに整形外科を受診し、身体診察・MRIなどで状態を確認することが大切です。 安静にしていても痛みが引かない 内出血や腫れがある 肩の動きに明らかな制限がある 外傷をきっかけにした腱板損傷は早期発見と早期治療が重要になるので、自己判断せずに速やかに医療機関へ受診しましょう。 オーバーユース(繰り返しの動作・スポーツ) 腱板損傷は、肩の使いすぎ(オーバーユース)によっても生じることがあります。 オーバーユースによる腱板損傷のリスクが高い動作・場面としては、以下のようなものが挙げられます。 野球やソフトボールの投球動作 テニス・バドミントンなどのサーブやスマッシュ動作 重量物を頭上に持ち上げる動作 水泳のクロールなど、腕を頭より上に繰り返し動かす運動 ※参照:MSDマニュアル「肩腱板損傷」 特にテニス、野球、水泳などの肩を頭より高く挙げた状態に保ったまま負荷をかけるため、腱板に強いストレスがかかります。 症状は、初めは軽い違和感や筋肉の張り程度であることが多いですが、そのまま使い続けると腱板断裂に進行するリスクもあるため、注意が必要です。 腱板損傷を防ぐための方法 腱板損傷を予防するために、日常生活の中で以下のような対策を意識してみましょう。 肩のストレッチ 適度な筋力トレーニング 同じ動作の繰り返しを避ける 腱板周囲の筋肉や関節が硬くなると、肩の動きに無理がかかり損傷のリスクが高まるのでストレッチで肩甲骨や肩関節の可動域を広げるようにしましょう。 また長時間の作業や肩に負担のかかるフォームに注意し、痛みが出たら無理に動かさず、休むことも大切です。 少し痛むだけだからと放置すると、炎症が進行して断裂に至るリスクもあります。 軽い痛みや動かしにくさを感じたら、整形外科を早めに受診し、画像検査(MRIやエコー)などで状態を確認しましょう。 腱板損傷に有効なトレーニング方法については、以下の記事でご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。 【まとめ】腱板損傷の原因を知って早期発見・予防につなげよう 腱板損傷は、加齢による腱の変性(老化)・転倒や打撲などの外傷・肩の使いすぎなど、複数の要因が重なって発症します。 特に40代以降は腱板の組織が弱くなりやすく、日常の些細な動作でも損傷を起こすリスクがあります。 発症を防ぐためには、以下の点を意識しましょう。 肩の柔軟性を保つストレッチを取り入れる 適度な筋力トレーニングを行う 肩に違和感があれば早めに状態を確認する 肩の不調をそのままにしておくと、腱板断裂や痛みが強くなる・腕が上がらなくなるなど、日常生活に影響が出ることもあります。 気になる症状があれば、無理せず整形外科を受診し、早めに対処しましょう。 また当院(リペアセル)では症例などの情報に関する詳細についてLINEでも解説していますので、肩に違和感を感じている方は、ぜひ参考にしてください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/
2020.02.19 -
- 免疫細胞療法
- 再生治療
- 肝疾患
日常的にアルコールを摂取している方にとって、アルコール性肝硬変のリスクは他人事ではありません。 肝硬変は肝機能が低下するほか、さらに悪化すると肝性脳症などの合併症を引き起こす可能性も高まります。 しかし「アルコール性肝硬変は改善できるのか?」「完治は難しいと聞くけど、どうすれば進行を止められるのか?」 と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。 本記事では、アルコール性肝硬変の完治の可能性や、合併症の対処法について解説します。 末期症状や合併症についての詳しい解説もしていますのでご覧ください。 【結論】アルコール性肝硬変の完治こそ難しいが、進行の抑制は可能 アルコール性肝硬変まで進行してしまうと、元の健康な肝臓に戻る(完治)ケースは極めて難しいです。 ※参照:全国健康保険協会 ただし、病状の悪化を抑えつつ、ある程度の肝機能を維持しながら日常生活を送ることは可能です。 アルコール性肝硬変の進行を抑制するためには、禁酒が重要です。アルコール依存症になっている場合は、専門医に相談し、早期に治療を開始しましょう。 また、併せて生活習慣の改善も大切です。脂質や塩分を抑え、タンパク質豊富な食事を心がけてください。 肝硬変になる前の脂肪肝の場合は、禁酒や生活習慣の改善が期待できます。 肝臓における生活習慣の見直し方法などについては、以下の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。 アルコール性肝硬変に至る進行ステップ アルコール性肝硬変は、突然発症する病気ではありません。 長期間の飲酒を続けることで肝臓は徐々にダメージを受け、以下のように段階を経て進行していきますので、各ステージで適切な対応を取ることが重症化を防ぐ鍵となります。 アルコール性脂肪肝 初期 肝臓に脂肪が多い状態 節酒・減量で改善 長く放置した場合や重度の場合は肝炎や肝硬変に進行 アルコール性肝炎 肝機能が低下 発熱・腹痛・下痢・嘔吐などの症状 アルコール性肝硬変 末期 肝細胞が変形して縮み、正常な機能が大きく損なわれる 栄養が不足して痩せていくが、おなかは腹水が溜まり膨らむ 吐血、昏睡の危険性が高まる 初期のアルコール性肝炎は、目立った症状がないのが特徴です。 禁酒・節酒を行わずアルコールの摂取を続けると、アルコール性肝炎や肝硬変を発症する可能性が高まります。 アルコール性肝炎の中でも、重症になると多臓器不全や意識障害を伴う場合があり、劇症肝炎と呼ばれます。 また、多量の飲酒によってアルコール性肝障害が進行すると、肝がんを発症するリスクも高まります。 ※参照:国立がん研究センター「肝がんの原因・症状について」 アルコール性肝硬変の末期症状と合併症の対処法 アルコール性肝硬変が重症化すると、以下のようなさまざまな症状や合併症を引き起こします。 腹水 吐き気・嘔吐 息切れ 食欲不振 腹部の膨張など 肝性脳症 手が震える 注意力の低下 性格の変化 昏睡など 食道動脈瘤 食道の静脈瘤に血液が溜まりこぶのようなものができる 破裂すると吐血・消化管出血などのリスクがある それぞれの合併症の対処法について詳しく紹介します。 腹水 腹水の対処法は、主に3つあります。 食事療法 利尿剤 腹水穿刺 腹水の発生・悪化を防ぐためには、食塩摂取量の制限が基本です。 塩分は体内に水分を保持する性質があることで過剰摂取すると腹水の悪化につながるため、塩分は1日に5~7g※にしましょう。 ※参照:日本消化器病学会・日本肝臓学会「肝硬変診療ガイドライン 2020(改訂第 3 版)」2020年発行 また、腹水を体外へ排出するために、利尿剤(尿量を増やす薬)が処方されることがあり、体内に余分な水分が蓄積するのを防ぎます。 腹水が大量にたまり、腹部膨満や呼吸困難、食欲不振などの症状が強く現れる場合には、腹水穿刺(ふくすいせんし)という処置が行われます。 このように腹水は単なる症状ではなく、肝硬変の機能が低下した段階に入っているサインです。 進行を防ぐには断酒・栄養管理や、内科的・外科的治療などを組み合わせて全体的に病態のコントロールをすること必要です。 肝性脳症 肝性脳症とは、肝機能の低下により体内の有害物質(特にアンモニア)が解毒されずに脳へ到達し、意識障害や神経精神症状を引き起こす合併症です。 治療の基本は、主に以下の通りです。 誘因の除去 栄養療法 薬物療法 肝性脳症は、以下のような特定の誘因をきっかけに急激に悪化することが多いため、まずはそれらを的確に見つけ出し、排除することが最優先です。 便秘 タンパク質の過剰摂取 消化管出血 感染症 脱水・電解質異常 利尿薬の過剰投与 ※参照:J-Stage「日本内科学会雑誌第111巻第1号」 かつてはタンパク質制限が推奨されていましたが、現在は過度な制限は予後を悪化させるとされ、適正なタンパク質摂取の維持が重要とされています。 また薬物療法では腸内アンモニアの生成・吸収を抑えることを目的とした治療が中心になります。 肝性脳症は肝硬変が進行しているサインであり、放置すると昏睡や死亡に至ることもある重大な状態です。 しかし、誘因の早期除去・適切な栄養と薬物管理により、再発予防が期待できます。 ただし自己判断での食事制限はリスクも大きいため、医療機関と連携しながら治療を継続しましょう。 食道静脈瘤 食道静脈瘤は、肝硬変によって肝臓内の血流が悪くなり、門脈圧(門脈内の血圧)が上昇することで、食道の静脈が異常に膨らんだ状態です。 破裂すると大量吐血や消化管出血を引き起こし、命の危険が伴う深刻な状態になります。 破裂を未然に防ぐ、あるいは破裂後の止血を行うために、主に以下の2つの内視鏡的治療が用いられます。 食道静脈瘤硬化療法(EIS) 内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL) 食道静脈瘤硬化療法(EIS)は、内視鏡を使って食道静脈瘤に硬化剤(血管を固める薬)を注入し、静脈瘤を閉塞させる方法です。 瘤そのものに直接作用するため、再発リスクが比較的低いとされていますが、処置の際の合併症や身体への負担がやや大きいという側面もあります。 一方で、内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)は内視鏡で静脈瘤を確認し、ゴムバンドで結紮(縛る)することで血流を遮断し、壊死・脱落させることで瘤を除去する治療法です。 患者の病態や静脈瘤の状態に応じて治療方法が異なるため、専門医と相談しながら治療方針を決定します。 アルコール性肝硬変の初期症状と早期発見のポイント アルコール性肝硬変の初期症状と早期発見のポイントは、以下の通りです。 初期症状|倦怠感や食欲不振など 肝機能検査(AST・ALT・γ-GTPなど)での早期発見 早期発見のための自己チェック 検査を欠かさない、自覚症状を見逃さない2点が重要です。 初期症状|倦怠感や食欲不振など 肝硬変の初期症状として、以下のようなものがあります。 慢性的な倦怠感 食欲不振 突然の食欲低下や慢性的な倦怠感といった症状が続く場合、肝炎や肝硬変の可能性が考えられます。 肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるように、自覚症状が現れにくく、気づいたときには病気が進行しているケースも少なくありません。 しかし、肝硬変へと進行する前の肝炎の段階で異変に気づき、早期に受診・治療を開始すれば、回復の可能性が期待できます。 気になる症状がある場合は、自己判断せず、早めに医療機関を受診しましょう。 肝機能検査(AST・ALT・γ-GTPなど)での早期発見 肝臓の異常は自覚症状が出にくいため、血液検査による早期発見が重要です。 AST(GOT)・ALT(GPT)・γ-GTPといった酵素の数値は、肝機能の状態を把握する基本的な指標です。 AST ・肝細胞に含まれる酵素で、肝臓にダメージがあると血液中に漏れ出し、数値が上昇します。 ・ALTは肝臓に特化しているため、肝炎などの診断に役立ちます。 ALT γ-GTP ・胆道や解毒機能に関わる酵素で、数値が高いと肝臓や胆道に何らかの異常がある可能性がある ASTやALTという酵素の数値を測る検査です。幹細胞が破壊されると血液中に控訴が漏れ出し、ASTやALTの数値が高くなります。 γ-GTPは胆道から分泌される酵素で、肝臓の解毒作用に深く関連しています。過度な飲酒や肝硬変、肝臓がんや胆石、胆管がんなどが原因で数値が高くなる可能性があります。 また、服用している薬の副作用によっても数値が上がるケースがあるので、医師に相談して薬の量を減らすなどの対策が必要です。 早期発見のための自己チェック 早期発見のため、普段からご自身の体調に気を配るようにしましょう。 肝硬変や肝炎のチェックポイントをご紹介します。以下の特徴に当てはまっている場合、肝炎などの可能性があります。 疲労感 倦怠感 食欲不振 吐き気 むくみやすい 肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、症状がない場合も多いです。人によっては疲労感や食欲不振などの症状が現れます。 もし原因不明の疲労感や吐き気がある場合は、医師に相談し適切な治療を受けましょう。 アルコール性肝硬変の治療 アルコール性肝硬変の治療法は、主に5つあります。 断酒 薬物療法 食事療法 肝移植 再生医療 アルコール性肝硬変の治療では、断酒が重要です。肝硬変の進行抑制はもちろん、肝機能の回復も期待できます。 薬物療法では、ビタミン剤やアミノ酸製剤が処方されます。肝臓保護や症状の緩和が目的です。薬物療法は完全な回復を目的とした治療法ではありません。 食事療法では脂肪分の少ない食事が推奨されます。ビタミンやミネラルを積極的にとりましょう。 肝臓の機能が著しく低下している場合、肝移植が検討されます。 再生医療は、低下した肝機能を改善できる可能性があります。肝硬変以外にも、脂肪肝においては血流促進による疲れやすさの改善などに寄与する可能性があるとされています。 【まとめ】アルコール性肝硬変になっても諦めず症状の緩和を目指して治療に臨もう アルコール性肝炎は、完治は困難ですが進行の抑制は可能です。 断酒や食生活の見直し、運動習慣をつけると肝機能の改善が期待できます。 アルコール性肝硬変は、合併症を引き起こすリスクも高まるため、普段の節酒やバランスの良い食事が大切です。 肝硬変を予防するため、普段から体調に気を配り、検査を受けるようにしましょう。 アルコール性肝硬変の治療法として、再生医療の選択肢もあります。患者さまの細胞を利用した治療法のため、拒否反応のリスクが低い安全な治療方法です。 再生医療については、当院「リペアセルクリニック」にご相談ください。
2020.02.18 -
- 肩
- 再生治療
スイングショルダー(ゴルフ肩)の症状が治らず、悩んでいる方はいませんか。スイングショルダーとは、ゴルフをプレーする際の動作によって起こる肩関節周囲の炎症です。 ゴルフを正しくない姿勢でプレーしたり、過度に打ちっぱなしを行ったりすると、スイングショルダーになりやすいため注意が必要です。 本記事では、スイングショルダーの原因や治療について紹介します。スイングショルダーの原因や治療法を理解して、ゴルフ肩を治しましょう。 この記事を読むとわかること スイングショルダーになる原因 スイングショルダーの治療法 ゴルフ肩(スイングショルダー)とは? ゴルフ肩(スイングショルダー)とは、ゴルフのプレーによって生じる肩関節周囲の損傷です。ゴルフのスイング動作は、肩周囲の筋肉の伸張、収縮を繰り返します。 筋肉や関節に大きな負担がかかると肩関節周囲が損傷し、疼痛(とうつう)やしびれなどの症状が現れます。 スイングショルダーの症状が出た場合は、無理してプレーせずに治療を受けるのが大切です。 ゴルフ肩(スイングショルダー)の原因となる疾患は? ゴルフ肩(スイングショルダー)の原因となる疾患の具体例は、以下のとおりです。 腱板損傷 腱板断裂 肩峰下インピンジメント 上腕二頭筋腱損傷 変形性関節症 肩関節の不安定性 ゴルフのスイング動作により引き起こされた、肩周囲の関節や腱の損傷は、スイングショルダーに分類されます。 ゴルフ肩(スイングショルダー)の主な症状 ゴルフ肩(スイングショルダー)の主な症状は、以下のとおりです。 肩甲骨内側の疼痛 肩から腕にかけてのしびれ感 首のだるさ 肩甲骨周りの可動域制限 スイングショルダーの人は、利き腕と反対側の肩が下がっているのが特徴です。症状がひどくならないうちに、治療を受けましょう。 ゴルフ肩(スイングショルダー)になりやすい人 ゴルフ肩(スイングショルダー)は、スイング時の姿勢が崩れていたり、頻繁にゴルフを行ったりする人がなりやすいといわれています。スイング動作を無理に行った場合は、肩周囲に大きな負担がかかります。 トップの位置を高く上げ過ぎたり、グリップに力を入れ過ぎたりすると、ゴルフ肩になる可能性があるため注意が必要です。猫背の人や股関節が硬い人も、スイング動作の際に上手に体を動かせず、全身に大きな負担がかかります。 スイングショルダーの症状が悪化しないよう、ゴルフスイングの姿勢だけではなく、普段から姿勢を意識して過ごしましょう。 ゴルフ肩(スイングショルダー)の治し方 ゴルフ肩(スイングショルダー)の治し方は、主に以下の3つです。 安静にする 鎮痛消炎剤での症状の緩和 専門家による治療を受ける ゴルフ肩(スイングショルダー)は、間違った知識で対策するとさらに症状を悪化させてしまう可能性があるため、医療機関で治療を受けるのがおすすめです。 安静にする ゴルフ肩(スイングショルダー)を治すためには、まず安静にしましょう。スイングショルダーの症状がある場合は、無理して動かさないようにし、筋肉を休ませてください。 スイングショルダーは、筋肉や関節の無理な動きが原因で起こります。誤った姿勢でスイングし続けたり、ゴルフを過度にやりすぎたりすると、さらに症状が悪化します。 ゴルフを続けるためにも、スイングショルダーの症状が落ち着くまで十分に休息をとりましょう。 鎮痛消炎剤での症状の緩和 ゴルフ肩(スイングショルダー)の治し方に、鎮痛消炎剤を用いて症状の緩和を行う方法があります。鎮痛消炎剤には、ゲルやローション、湿布などさまざまな形態があります。 疼痛や腫れなどの症状が出現したら、すぐにプレーをやめてアイシングをし、患部の炎症を抑えてください。 鎮痛消炎剤には症状を和らげる作用があります。しかし、スイングショルダーが完治するわけではありません。症状が悪化する前に専門家に相談し、早めに治療を受けましょう。 専門家による治療を受ける ゴルフ肩(スイングショルダー)になった場合は、専門家による治療を受けることが大切です。専門家は、患者さんの症状に合わせて、適切な治療法を提案してくれます。 安易にストレッチを行い症状が悪化すると、競技復帰までに時間がかかります。適切な治療を早期から始め、症状の悪化を防ぎ回復を早めましょう。 ゴルフ肩(スイングショルダー)から競技復帰までの期間とプロセス ゴルフ肩(スイングショルダー)になった場合は、競技復帰までに3〜6カ月の期間が必要です。症状の程度や治療開始スピードによって、治癒にかかる期間は異なります。 復帰までのプロセスは、まず痛みを軽減させるために安静や薬物療法を行います。症状が和らいだ後には、肩周りの筋力を強化し、可動域の改善を目的としたリハビリを開始する流れです。 治療開始が遅れたり、重度の症状が出現したりしたときは、回復に6カ月以上の期間が必要な場合もあります。重度のスイングショルダーは、外科的治療を行う可能性もあるため、痛みを感じたら早めに医療機関を受診しましょう。 ゴルフ肩(スイングショルダー)の予防ケア ゴルフ肩(スイングショルダー)を予防できるケア方法には、以下の4つがあります。 肩関節周りの筋力強化 スイングフォームを見直す 軽い負荷から再開 ゴルフをする前にストレッチをする スイングショルダーになった経験がある人も、再発防止のために予防ケアを行うことが大切です。 肩関節周りの筋力強化 ゴルフ肩(スイングショルダー)の予防ケアの1つに、肩関節周りの筋力強化があります。肩関節周りの筋力を強化すると、スイング動作で使う筋肉や関節を上手に動かせます。 「ゴルフでは、肩関節周りだけでなく全身の筋肉を使うため、全体をバランスよく鍛えると予防に役立ちます。スクワットやプランクなどの筋力トレーニングを行い、筋力の強化を目指しましょう。 スイングフォームを見直す ゴルフ肩(スイングショルダー)の予防ケアに、スイングフォームの見直しがあります。スイングフォームを見直すと、筋肉や関節を正しく使えているかを確認できます。 以下の2つのポイントを意識し、スイングフォームを正しい姿勢に直しましょう。 手首に力を入れない 右打ちの場合はトップの位置を左手で押し込まない 正しいフォームでスイングを行えば、肩周囲に大きな負担がかかりません。 軽い負荷から再開 ゴルフ肩(スイングショルダー)の再発を予防するために、負荷が軽い動作から再開しましょう。負荷の軽い運動から再開すると、体にかかる負担を軽減できます。 ゴルフは全身を使うスポーツであるため、体への負荷が必然的に大きくなります。負担の少ない動きで体を徐々に慣らし、負荷が大きくなっても対応できる体をつくりましょう。 ゴルフをする前にストレッチをする ゴルフ肩(スイングショルダー)を予防するには、ゴルフ前にストレッチを行うのが効果的です。ゴルフをプレーする前にストレッチをすると、筋肉がほぐれ体を柔軟に動かせます。 肩甲骨のストレッチ手順 1.胸を張り、大きく背伸びをする 2.挙げた手を横に移動させ、肩の高さまで下げる 3.10秒キープ 4.手のひらを上に向けて両肘をゆっくり近づける 5.1~4を3回繰り返す ストレッチは筋肉の伸びを意識して行うことが大切ですが、無理に動かすと体を痛めるリスクもあります。痛みを感じない程度に体を伸ばしましょう。 ゴルフ肩(スイングショルダー)の治し方まとめ ゴルフ肩(スイングショルダー)は、肩関節やその周囲の筋肉・腱に負担がかかり発症します。繰り返しのスイング動作や無理なフォームが原因となり、痛みや可動域の制限を引き起こします。 治療ではまず、痛みや炎症を和らげるため安静にするのが大切で、必要に応じて専門医の診察を受け、リハビリや治療を進めていきます。 また、近年注目されているPRP療法(多血小板血漿療法)も効果的な選択肢です。副作用のリスクが低く、早期回復が期待できるため、手術を避けたい方や再発を防ぎたい方におすすめです。 PRP療法をご検討の方は、ぜひ当院へお気軽にご相談ください。
2020.02.17