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肝硬変が疑われる血液検査の数値|診断基準や医療機関受診の目安について解説

肝硬変が疑われる血液検査の数値|診断基準や医療機関受診の目安について解説
公開日: 2026.06.30

健康診断や病院の血液検査で、肝臓の数値の異常を指摘されて不安を感じていませんか。

「もしかして肝硬変かもしれない」「数値が具体的に何を意味しているのかわからない」という不安や疑問を抱えている方も多いでしょう。

本記事では、肝硬変が疑われる血液検査の数値の見方や、異常があったときの受診目安、日常生活での対処法について詳しく解説します。

ご自身の状態を正しく把握し、適切な行動をとるための参考にしてください。

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肝硬変が疑われる血液検査の数値

肝硬変の可能性を早期に発見するためには、血液検査における肝機能や血液の状態を示す数値に注目することが重要です。

健康診断や病院の血液検査で、特に確認しておきたい主な項目は以下の6つです。

ただし、単一の数値異常で肝硬変と診断することはできないため、あくまで肝硬変の手掛かりとして認識しておくことが大切です。

以下でこれらの数値がそれぞれどのような状態を示し、なぜ肝機能低下のサインとなるのかについて詳しく見ていきましょう。

AST(GOT)

AST(GOT)は、肝臓の細胞内に多く含まれている重要な酵素の一種です。

肝臓の細胞がダメージを受けて破壊されると、血液中に漏れ出すため数値が上昇します。

健康な状態の基準値は「13〜30U/L(※)」ですが、肝硬変が進行するとASTの数値に異常が出ることがあります。
※出典:日本臨床検査医学会「基準範囲・臨床判断値」

しかし、肝硬変の進行例であっても正常〜軽度上昇に留まることもゼロではありません。

ALT(GPT)

ALT(GPT)もASTと同様に、肝臓の細胞に多く存在している酵素の一種です。

肝臓がウイルスやアルコールなどでダメージを受けると、血液中に流れ出して数値が上昇します。

基準値は「8〜36U/L(※)」ですが、初期の肝炎などではASTよりもALTの方が高くなりやすい傾向があります。
※出典:日本臨床検査医学会「基準範囲・臨床判断値」

しかし、病状が進行して肝硬変に至ると、肝臓の細胞自体が減っていくため、ALTの数値がASTを下回るようになります。

血小板数

血小板は、出血した際に血液を固めて止血する働きを持つ、重要な血液成分です。

肝硬変が進行して肝臓が硬くなると、血流が悪化して隣接する脾臓という臓器が腫れ上がります。

脾臓が腫れると、血小板が過剰に壊されるようになるため、血液中の血小板数が減少してしまいます。

基準値は「15万〜35万/μL」程度ですが、10万/μLを下回るようになると、肝硬変の可能性が高いと考えられます。

アルブミン(Alb)

アルブミンは、血液中に多く含まれているタンパク質であり、主に肝臓で作られています。

肝硬変によって肝臓の機能が低下すると、このアルブミンを作り出す能力が落ちて数値が下がります。

一般的な基準値は「4.1〜5.1g/dL(※)」とされており、これより低くなると肝機能の低下が疑われます。
※出典:日本臨床検査医学会「基準範囲・臨床判断値」

アルブミンが減少すると血管内に水分を保てなくなり、全身のむくみや腹水といった肝硬変特有の症状を引き起こします。

総ビリルビン(T-Bil)

ビリルビンは、古くなった赤血球が寿命を迎えて壊れるときに作られる黄色い色素のことです。

通常は肝臓で処理されて胆汁として排出されますが、肝機能が落ちると処理しきれずに血液中に溜まります。

総ビリルビンの基準値は「0.2〜1.2mg/dL」ですが、肝硬変が進行して数値が上昇すると、皮膚や白目が黄色くなる黄疸が現れます。

数値の高さは、肝臓の処理能力がどれくらい低下しているかを判断する重要な指標となります。

プロトロンビン時間(PT/INR)

プロトロンビン時間は、出血した際に血液が固まるまでにかかる時間を測定した数値です。

私たちの体で血液を固めるための成分(凝固因子)の多くは、実は肝臓で作られています。

肝硬変によって肝臓の機能が著しく低下すると、凝固因子が十分に作られず、血液が固まるまでの時間が長くなります。

健康な状態に比べて数値に異常が見られる場合は、肝臓の働きがかなり落ちている証拠といえます。

肝硬変で見られる症状と数値に異常があったときの受診目安

肝硬変は病状が進行するまで症状が現れにくいため、血液検査の数値異常に気づいた時点で早めに受診することが大切です。

症状の進行度と受診の目安として、3つのポイントを押さえておきましょう。

それぞれの段階における具体的な症状と、適切な受診のタイミングについて詳しく解説します。

初期は自覚症状が乏しいこともある

肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれており、初期の肝硬変(代償性肝硬変)では自覚症状がほとんどありません。

痛みやだるさなどの症状がないからといって、健康診断でAST、ALT、血小板などの数値の異常を指摘されたまま放置するのは危険です。

血液検査の数値異常は、肝臓が悲鳴を上げ始めている重要なサインといえます。

自覚症状がなくても、検査結果で異常値や「要精密検査」の判定が出た場合は、早めに消化器内科や肝臓専門医を受診してください。

黄疸・腹水・むくみ・倦怠感がある場合

病状がさらに進行し、肝臓の機能が保てなくなる「非代償性肝硬変」の段階になると、体に目に見える症状が現れ始めます。

アルブミンの低下による手足のむくみや腹水、ビリルビンの上昇による皮膚や白目の黄疸、そして強い倦怠感などが代表的なサインです。

また、手のひらが赤くなる手掌紅斑や、胸元に赤い斑点ができるクモ状血管腫が見られることもあります。

これらの症状が出ている場合は、すでに肝機能が著しく低下している状態なので、一刻も早い受診と適切な治療が必要です。

意識がぼんやりする場合は緊急性が高い

肝硬変が末期まで進行すると、肝臓で解毒しきれなくなったアンモニアなどの有害物質が脳に達し、「肝性脳症」を引き起こす場合があります。

最初は昼夜が逆転したり、性格が変わったように怒りっぽくなったりしますが、進行すると意識がぼんやりして呼びかけに応じなくなります。

さらに状態が悪化すると、最終的には昏睡状態に陥ってしまう、命に関わる危険な状態に至ります。

第三者から見て異常な言動や意識障害が見られる場合は緊急性が高いため、ためらわずに救急車を呼ぶなど至急医療機関を受診してください。

肝硬変の診断基準は?主な検査方法

肝硬変の診断は、血液検査の数値だけで判断するのではなく、肝臓の形状や状態を確認する複数の検査を組み合わせて総合的に行われます。

病院で診断を下すために実施される主な検査方法は、以下の4つです。

具体的にどのような検査が行われるのか、それぞれの目的と内容について詳しく解説します。

血液検査

血液検査は、ASTやALTなどの酵素や血小板数を測定し、肝機能の低下度合いを調べるための基本的な検査です。

また、肝臓の働きを評価するだけでなく、B型やC型の肝炎ウイルスに感染していないかなど、病気の根本的な原因を特定する目的でも行われます。

これまでに解説したさまざまな数値異常の組み合わせから、肝硬変の可能性を絞り込むための第一歩となります。

画像検査

画像検査は、超音波(エコー)やCT、MRIなどを用いて、体の中から肝臓の状態を視覚的に直接確認する検査です。

肝硬変が進行すると、肝臓の表面がデコボコになったり、全体が萎縮して小さくなったりといった特有の形状の変化が見られます。

さらに、脾臓が腫れていないか、腹水が溜まっていないか、肝臓がんが併発していないかなどを同時に確認できます。

肝硬度測定

肝硬度測定は、超音波やMRIの技術を応用した特殊な機器を使い、肝臓の「硬さ」を数値化して評価するための検査方法です。

「フィブロスキャン」と呼ばれる検査などが代表的で、皮膚の上から機械を当てるだけなので、痛みもなく短時間で終わります。

体への負担を抑えつつ、肝臓の線維化がどの程度進行しているかを客観的に測定できます。

肝生検

肝生検は、細い針を直接肝臓に刺し、組織の一部を採取して顕微鏡で詳しく調べる検査です。

肝臓の細胞が実際にどれくらい壊れ、線維化が進んでいるかを直接確認できるため、確定診断の際に用いられます。

しかし、出血などの合併症リスクが伴い、数日の入院が必要になる場合もあるため、他の検査結果を踏まえて医師が必要と判断した際に慎重に行われます。

肝硬変が疑われる数値が出たときの対処法

血液検査で肝硬変が疑われる数値が出た場合、医療機関での治療に加えて、日常生活の見直しによる肝臓への負担軽減が不可欠です。

肝臓を守るために日常生活で意識すべき対処法は、以下の3つです。

数値を改善し、これ以上の肝機能の悪化を防ぐために、日常生活ですぐに取り組むべき3つの対処法について詳しく解説します。

禁酒する

アルコールの分解は肝臓にとって大きな負担となるため、飲酒習慣を見直すことが重要です。

特にアルコール性肝障害が原因で数値が悪化している場合は、直ちに完全な禁酒を行うことが強く推奨されます。

すぐに禁酒するのが難しい場合でも、休肝日をしっかり設けたり、1日の飲酒量を減らしたりする工夫が不可欠です。

食生活・栄養バランスを見直す

肝臓の修復を助け、さらなる負担をかけないために、毎日の食生活や栄養バランスを改善することが重要です。

良質なタンパク質やビタミンを積極的に摂りつつ、肝臓への脂肪蓄積を防ぐために、脂質や糖質は控えめにしましょう。

ただし、病状が進行している場合はタンパク質や塩分の制限が必要になることもあるため、必ず医師の指導に従ってください。

適度な運動習慣を身につける

適度な運動は、肥満を解消して脂肪肝を防ぐだけでなく、全身の血流を良くして肝臓の働きをサポートする効果が期待できます。

ウォーキングやエアロバイクなどの有酸素運動を、無理のないペースで日常的に継続することがポイントです。

ただし、激しい運動はかえって肝臓に負担をかけるため、体調と相談しながら少し汗ばむ程度の運動を心がけましょう。

肝硬変が疑われる数値があれば適切な検査を受けよう

前述のとおり、肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれており、初期段階では自覚症状がほとんどありません。

そのため、健康診断の血液検査でASTやALT、血小板数などの数値に異常が見られた場合は、決して放置しないことが重要です。

数値の異常は、肝機能低下を知らせる重要なアラートです。自覚症状がないからと自己判断せず、早めに消化器内科や肝臓専門医を受診してください。

超音波検査や肝硬度測定など、より詳しい検査を受けることで肝臓の正確な状態を把握できます。

大切な体を守るために、異常な数値があればためらわずに専門機関で検査を受けましょう。

なお、近年の治療では、肝硬変をはじめとする肝疾患に対して「再生医療」による治療が注目されています。

下のページでは、実際に当院リペアセルクリニックで再生医療を受け、肝疾患が改善された患者さまの症例を紹介しているので、ぜひご覧ください。

>>肝疾患に対する再生医療の症例はこちら

「再生医療について詳しく知りたい」という方は、ぜひ当院リペアセルクリニックへお問い合わせください。

監修者

渡久地 政尚

Masanao Toguchi

医師

略歴

1991年3月琉球大学 医学部 卒業

1991年4月医師免許取得

1992年沖縄協同病院 研修医

2000年癌研究会附属病院 消化器外科 勤務

2008年沖縄協同病院 内科 勤務

2012年老健施設 かりゆしの里 勤務

2013年6月医療法人美喜有会 ふたこクリニック 院長

2014年9月医療法人美喜有会 こまがわホームクリニック 院長

2017年8月医療法人美喜有会 訪問診療部 医局長

2023年12月リペアセルクリニック札幌院 院長