- 肝疾患
脂肪肝に使われる薬の種類|市販薬と処方薬の違いは?服用時の注意点について解説

健康診断で脂肪肝を指摘され、「薬で治せないのか」「市販薬で対応してもよいのか」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
脂肪肝は多くが無症状ですが、一部では肝炎や肝硬変、肝がんへ進行することがあるため、早期から適切に対処することが重要です。
本記事では、脂肪肝に使われる薬の種類や、市販薬と処方薬の違い、服用時の注意点について解説します。
脂肪肝の改善に向けて、まずは正しい知識を身につけることから始めてみてください。
また、近年の肝臓疾患の治療では、自己細胞を用いて損傷した肝組織の修復を目指す「再生医療」が注目されています。
再生医療とは、患者さまの細胞や血液を用いて、炎症抑制、および損傷した肝組織の再生・修復を促すことで、脂肪肝の改善が期待できる治療法です。
「脂肪肝を早く治したい」「再生医療について詳しく知りたい」という方は、ぜひ当院リペアセルクリニックにご相談ください。
目次
脂肪肝に使われる薬の主な種類
結論として、現在の日本には脂肪肝そのものを対象とした治療薬は存在しません。
そのため、脂肪肝における薬物療法では、糖尿病・脂質異常症・高血圧などの合併症を管理する薬が中心となり、それらが結果的に肝臓への脂肪蓄積や炎症を抑える役割を担います。
本章では、脂肪肝患者に対して使われる薬について、それぞれの特徴を解説します。
以下でそれぞれの薬について詳しく見ていきましょう。
ピオグリタゾン(チアゾリジン誘導体)
ピオグリタゾンは、インスリンの効きを良くすることで肝臓への脂肪蓄積を減らす効果が期待される糖尿病治療薬です。
脂肪肝、特に非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の背景には、インスリンが効きにくくなる「インスリン抵抗性」が深く関与しているとされています。
ピオグリタゾンはこの抵抗性を改善することで、肝臓の脂肪量や炎症の軽減につながる可能性があると報告されています。
体重増加やむくみといった副作用が出ることもあるため、医師の判断のもとで使用されます。
GLP-1受容体作動薬
GLP-1受容体作動薬は、食欲抑制と血糖コントロールの両面から体重減少を促し、結果として脂肪肝の改善が期待される薬剤です。
もともとは2型糖尿病の治療薬として使われており、インスリン分泌の促進と脳への作用による食欲抑制という働きを持ちます。
体重が減少することで肝臓に蓄積した脂肪も減りやすくなり、肝機能の改善や炎症・線維化の進行抑制につながる可能性があるとされています。
注射薬と内服薬があり、いずれも医師の処方が必要です。
SGLT2阻害薬
SGLT2阻害薬は、尿から糖を排出することで血糖値と体重の両方を下げ、脂肪肝の改善にも寄与する可能性がある糖尿病治療薬です。
腎臓における糖の再吸収を阻害し、過剰な糖を尿中へ排泄させる仕組みを持っています。
血糖値の低下に加え、体重や内臓脂肪の減少効果も認められており、肝脂肪や肝機能の改善が報告されています。
一方で、尿量の増加にともない脱水を起こしやすい点には注意が必要で、服用中は水分補給が欠かせません。
スタチン製剤
スタチン製剤は、肝臓でのコレステロール合成を抑える働きを持ち、脂質異常症の治療に広く使われている薬です。
コレステロール値を下げる薬ですが、脂肪肝患者の心血管トラブルを減らす効果も期待されています。
加えて、抗炎症作用や抗線維化作用も期待でき、脂肪肝に伴う動脈硬化や心筋梗塞などのリスク軽減に役立つ可能性があります。
ビタミンE(抗酸化剤)
ビタミンEは、肝細胞を傷つける活性酸素を取り除く抗酸化作用により、脂肪肝の炎症を抑える効果が期待される成分です。
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の進行には酸化ストレスが関与しているとされており、ビタミンEを一定量摂取することで肝臓の炎症マーカーや組織所見が改善する可能性があると報告されています。
ただし、高用量を長期間使用する場合、出血傾向や出血性脳卒中のリスク増加が指摘されています。
サプリメントとして自己判断で摂取するのではなく、必要性や用量は医師に相談しましょう。
ARB・ACE阻害薬
ARBやACE阻害薬は、本来は高血圧の治療薬ですが、肝臓の炎症や線維化を抑える可能性があるといわれています。
これらの薬は「アンジオテンシンII」というホルモンの働きを抑えることで血圧を下げます。
アンジオテンシンIIは肝臓の炎症や線維化を促進する作用も持つため、その働きをブロックすることで脂肪肝の進行抑制にも一定の役割を果たすと考えられています。
脂肪肝に使われる処方薬と市販薬の違いは?
処方薬は肝機能改善や脂肪肝の原因となる生活習慣病の治療を目的とした薬ですが、市販薬は肝機能のサポートや疲労回復を目的とした薬という違いがあります。
| 種類 | 主な目的 | 特徴 |
|---|---|---|
| 処方薬 | 肝炎症の抑制、中性脂肪の減少、生活習慣病(糖尿病・脂質異常症など)の改善 | ・病院や診療所の処方箋が必要 ・病状や診断に合わせて医師が選択・用量設定できる |
| 市販薬 | 肝機能の保護・サポート、疲労回復 | ・ドラッグストアなどで購入できる ・成分・用量が決まっている |
処方薬は診断や合併症の有無に応じて、医師が薬剤の種類や用量を調整できる点が特徴です。
しかし、前述のとおり、現在の日本には脂肪肝そのものを治すための薬は、処方薬にも存在しません。
これは脂肪肝の治療には生活習慣の改善が重要であり、治療薬は糖尿病や脂質異常症などをコントロールするための補助的な役割を担うためです。
脂肪肝に対して薬を服用するときの注意点
脂肪肝で薬を服用する場合は、生活習慣の改善や副作用への配慮、自己判断での服用を避けることが大切です。
以下でそれぞれの内容について詳しく見ていきましょう。
根本改善には生活習慣の改善が最優先
脂肪肝の改善において重要なのは、食事療法と運動療法をはじめとする生活習慣の改善であり、薬はあくまでそれらをサポートする位置づけです。
脂肪肝の主な原因は、過剰なエネルギー摂取・運動不足・肥満・アルコール摂取などの生活習慣にあります。
薬で合併症をコントロールしても、生活習慣そのものが変わらなければ脂肪肝が再び悪化する可能性が高くなります。
糖質や脂質の摂取量を見直し、ウォーキングといった運動習慣を取り入れるなど、できることから始めましょう。
薬の副作用リスクを確認しておく
脂肪肝に使われる薬は、それぞれ副作用リスクが多少なりともあるため、事前確認を徹底し、用法・用量を守ることが重要です。
例えば、脂肪肝の治療で用いられる脂質異常症や糖尿病の薬には、筋肉の痛みや低血糖といった特有の副作用が生じる可能性があります。
服用後に少しでも体調の異変を感じた際は、自己判断で服用を中止せずに、すぐ主治医に相談しましょう。
自己判断でサプリメントなどを服用しない
処方薬を飲んでいる期間中は、市販のサプリメントなどを独自の判断で併用する行為は避けるべきです。
サプリメントの成分が処方薬の作用を過剰に強めたり、逆に効果を打ち消したりする思わぬ相互作用を引き起こす恐れがあります。
さらに、複数の成分を同時に摂取することで弱っている肝臓への負担が増し、症状の悪化を招く危険性も潜んでいます。
併用したいサプリメントがある場合は、必ず事前に医師や薬剤師へ相談してください。
脂肪肝の薬についてよくある質問
脂肪肝の薬に関して、患者さまからよく寄せられる質問に回答します。
以下でそれぞれの疑問について詳しく見ていきましょう。
脂肪肝は薬で治る?
現在の日本には、脂肪肝そのものを対象とした特効薬は存在せず、薬物療法は合併症のコントロールや肝臓の保護を目的に行われます。
脂肪肝の改善には、糖尿病・脂質異常症・肥満などの背景にある疾患の治療と、生活習慣の改善が欠かせません。
糖尿病治療薬などを通じて間接的に脂肪肝の改善が期待されることはありますが、「この薬を飲めば脂肪肝が治る」という単一の薬剤は確立されていません。
脂肪肝の薬は保険適用される?
「脂肪肝」という病名だけで保険適用される専用薬はありませんが、合併症がある場合にはその治療薬として保険が適用される可能性があります。
例えば、糖尿病を併発している場合のピオグリタゾンやSGLT2阻害薬、脂質異常症の場合のスタチン製剤、高血圧の場合のARB・ACE阻害薬などは、それぞれの疾患に対する治療として保険診療で処方されます。
実際にどの薬が保険適用になるかは個別の病状や診断名によって異なるため、主治医に確認しましょう。
脂肪肝にお悩みの方は「再生医療」をご検討ください
脂肪肝に使われる薬は、糖尿病や脂質異常症などの合併症をコントロールしながら肝臓への負担を軽減することを目的としています。
現在の日本には、脂肪肝そのものを直接治す特効薬はありませんが、原因となる生活習慣病の治療薬を用いることで、肝臓の保護・脂肪を減らす効果も期待できます。
脂肪肝の改善には、食事療法・運動療法といった生活習慣の見直しが最優先であり、薬はそれらをサポートする位置づけと理解しておきましょう。
また、近年の肝臓疾患の治療では、自己細胞を用いた「再生医療」も選択肢の一つです。
再生医療とは、患者さまの細胞や血液を用いて、炎症抑制、および損傷した肝組織の再生・修復を促す治療法のことです。
>>再生医療によって脂肪肝が改善した症例(40代男性)はこちら
生活習慣の改善や薬物療法だけでは十分な改善が得られない場合の選択肢として注目されています。
肝臓疾患にお悩みの方は、ぜひ当院リペアセルクリニックにご相談ください。
監修者
渡久地 政尚
Masanao Toguchi
医師
略歴
1991年3月琉球大学 医学部 卒業
1991年4月医師免許取得
1992年沖縄協同病院 研修医
2000年癌研究会附属病院 消化器外科 勤務
2008年沖縄協同病院 内科 勤務
2012年老健施設 かりゆしの里 勤務
2013年6月医療法人美喜有会 ふたこクリニック 院長
2014年9月医療法人美喜有会 こまがわホームクリニック 院長
2017年8月医療法人美喜有会 訪問診療部 医局長
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 院長
所属学会
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