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脂肪肝の改善方法|食生活・運動習慣・アルコール習慣の見直しポイントについて解説

健康診断などで脂肪肝と指摘され、不安に感じている方も多いのではないでしょうか?
脂肪肝は自覚症状がほとんどないため放置されやすい一方で、放置すれば肝炎・肝硬変、さらには肝臓がんへと進行するリスクもある病気です。
しかし、脂肪肝は早期に適切な対応を取れば、生活習慣の改善で改善が期待できる病気でもあります。
この記事では、脂肪肝を改善するための具体的な方法について解説します。
重症化する前の今こそ、生活習慣を見直し、肝臓をいたわる行動を始めましょう。
近年の脂肪肝治療では、患者さまの幹細胞や血液を用いて、体内の組織や臓器へアプローチする「再生医療」が注目されています。
実際に当院リペアセルクリニックの幹細胞治療(再生医療)によって脂肪肝が改善した症例も多数あるため、併せて参考にしてください。
>再生医療によって脂肪肝が改善した症例(40代男性)はこちら
「再生医療による治療について詳しく知りたい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
目次
脂肪肝の改善方法①:食生活の改善
脂肪肝の改善が期待できる方法は、以下のとおりです。
脂肪肝の改善には数カ月~数年かかるとされ、すぐに改善される病気ではありません。
焦らずにじっくりと継続しましょう。
バランスの良い食事を摂る
脂肪肝を改善するためには、主食、主菜、副菜を基本とした、バランスの良い食事を摂ることが重要です。
主食は米やうどんなど穀類を1品、主菜は魚、肉、卵、大豆などタンパク質を1品、副菜は野菜、きのこ、海藻類を2品が一度の食事の形となります。
主食や主菜を2品以上食べると、カロリー(エネルギー)を過剰に摂取することになるため、注意が必要です。
脂質・糖質の過剰摂取を避ける
脂肪肝を改善するためには、食べ過ぎを抑え、脂質・糖質を減らすことが大切です。
また食べすぎを控えるだけでなく、自分に合った適正な量を知ることも重要になります。
農林水産省が示す「食事バランスガイド」では、日常生活や運動量に応じて以下の3段階に分類されていますので、ぜひ参考にしてください。

※参照:農林水産省
脂肪肝の人が避けた方がよい食品については、以下の記事でも詳しく解説していますので、気になる方はぜひご覧ください。
活動レベルに応じた食事量を意識する
自分の身体活動レベルに合った食事量を意識することで、脂肪肝をはじめとした生活習慣病の予防・改善に役立ちます。
また以下を参考に自身の年齢・性別・活動レベルに合った食事量と内容も把握しておきましょう。

※参照:農林水産省
生活スタイルに見合った食事管理を続けることで、脂肪肝の予防・改善につながります。
脂肪肝の改善方法②:運動習慣を身につける
運動不足は肝臓に脂肪が溜まりやすくなるだけでなく、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病のリスクが高まります。
脂肪肝と糖尿病は密接に関わっていて、糖尿病の人は脂肪肝になりやすく、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの効きが悪くなる恐れがあります。
運動習慣を身につけて、脂肪肝を改善しましょう。
おすすめの運動
脂肪肝を改善するためには、以下のような有酸素運動がおすすめです。
- ウォーキング
- ジョギング
- 水泳
- サイクリング
運動は継続が重要で、アルコールを飲まない非アルコール性脂肪肝(NAFLD)の方が、週3〜4回の有酸素運動を30〜60分継続したところ、体重が減らなくても脂肪肝が改善したという報告※もあります。
※参照:日本消化器病学会・日本肝臓学会「NAFLD/NASH診療ガイドライン2020(改訂第2版)」
ただし、激しい運動を急に始めると、怪我をする可能性や継続できなくなる可能性があるため、1日30分程度のウォーキングから始めるのがおすすめです。
脂肪肝の改善方法③:断酒・減酒する
アルコールの過剰摂取によるアルコール性脂肪肝の方は、禁酒によって脂肪肝が改善する可能性があります。
肝臓の状態にもよりますが、2~3カ月の禁酒で肝臓の脂肪が大幅に減少する※とされています。
※出典:昭和医学会雑誌「アルコール性脂肪肝の禁酒後の経時的病理組織学的変化について」
また、1年禁酒すると肝臓がんのリスクが6~7%低下する※という報告がありました。
※出典:厚生労働省健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~「アルコールと肝臓病」
短期間の禁酒で肝臓の脂肪が減るだけでなく、アルコールを控える習慣を続けることで、肝臓の健康を長く保てる可能性があります。
完全な禁酒が難しい方は、休肝日を設けたり、飲酒量を徐々に減らしたりして自分に合ったペースから取り組んでみましょう。
脂肪肝に関する基本知識
脂肪肝に関する基本知識は以下のとおりです。
脂肪肝の基本知識を知ることで、脂肪肝の改善につながる可能性があるため、症状や原因などを見ておきましょう。
脂肪肝の症状
脂肪肝は初期段階で自覚症状はほぼありませんが、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)や肝硬変などへ進行すると以下のような症状が出てきます。
- 倦怠感
- 食欲不振
- 腹部の不快感
- 疲れやすい
- 黄疸
肝機能の低下により、身体に酸素や栄養分が十分に届かなくなるため、上記のような症状が出ます。
自覚症状がないことで、放置してしまうと肝硬変や脂肪性肝炎など重症度の高い病気になる可能性があるため、肥満の方や糖尿病の方は早めの治療を受けるようにしましょう。
脂肪肝の主な原因
脂肪肝になる主な原因は、以下のとおりです。
- アルコールの過剰摂取
- 糖分や脂肪分の過剰摂取
- 食物繊維不足
- 運動不足
- 糖尿病
上記のような生活習慣のある方は、中性脂肪が肝臓にたまりやすくなるため、脂肪肝になる可能性があります。
また、ステロイド薬による副作用やバターなど動物性脂肪の摂取も、脂肪肝の原因になる場合があるため、注意が必要です。
脂肪肝の検査方法
脂肪肝の検査方法は、以下のようなものがあります。
- 超音波検査
- 血液検査
- 肝生検
- CTまたはMRI検査
脂肪肝になっているかは、超音波検査で判明します。
また、血液検査をすることで非アルコール性脂肪肝かどうかを確認できます。
肝生検は、肝臓に細い針を刺して組織の一部を採取することで、進行具合など詳しく調べる検査方法です。
脂肪肝の改善方法によくある質問
脂肪肝の改善方法について、よくある質問を紹介します。
脂肪肝を早く治す方法やいい食べ物、サプリについても紹介していますので、参考にしてください。
脂肪肝を早く治す方法は?
脂肪肝を早く治す特効薬などはないため、生活習慣の見直しやバランスの良い食生活、アルコールを控えるなど、複数の対策を継続することが大切です。
また、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動と筋力トレーニングを合わせることで基礎代謝が上昇し、脂肪が燃焼されやすくなります。
脂肪肝は悪化すると肝硬変など重症化する可能性があるため、無理な運動は避けて、焦らずに日々の生活を見直しましょう。
脂肪肝にいい食べ物は?
脂肪肝は食生活を改善する必要があるため、以下のような食べ物を摂取することを心がけましょう。
- 野菜・きのこ・海藻類など食物繊維が豊富な食べ物
- 青魚・鶏むね肉・大豆など良質なタンパク質が豊富な食べ物
- 適量の果物
上記の食べ物をバランスよく食べることで、脂肪肝を改善できる可能性があります。
ただし、過剰に摂取するとカロリーオーバーとなり、脂肪肝になる可能性があるため、注意が必要です。
脂肪肝の改善にサプリは有効?
脂肪肝を改善するためのサプリは、脂肪肝の改善や肝機能数値の改善など、補助的な役割となるため、治るわけではありません。
抗酸化作用のあるビタミンEは、肝機能の改善の補助的な役割があり、ビタミンB群やセサミンなどは肝機能をサポートする役割があります。
サプリの過剰摂取は避けて、まずは食事や生活習慣を見直すことが大切です。
脂肪肝の早期改善には再生医療をご検討ください
脂肪肝の改善は、できるところから始めて継続することが大切です。
脂肪肝はほとんど自覚症状がないため、生活習慣を見直さずに放置すると、肝硬変や肝臓がんなどの深刻な病気に進行する恐れがあります。
そのため、回復が期待できる脂肪肝の段階で以下のような対策を始めましょう。
- 食べ過ぎを抑え、脂質・糖質を減らす
- 運動習慣を身に付ける
- アルコール性脂肪肝の場合は断酒が基本
無理なく続けることで肝臓の負担を減らし、脂肪肝の改善につながります。
また、近年では患者さまの幹細胞や血液を用いて、体内の組織や臓器へアプローチする「再生医療」が注目されています。
当院「リペアセルクリニック」では、脂肪肝や肝機能の改善を目的とした再生医療を提供しています。
以下のページでは、当院の幹細胞治療(再生医療)によって脂肪肝が改善した症例を紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
監修者
渡久地 政尚
Masanao Toguchi
医師
略歴
1991年3月琉球大学 医学部 卒業
1991年4月医師免許取得
1992年沖縄協同病院 研修医
2000年癌研究会附属病院 消化器外科 勤務
2008年沖縄協同病院 内科 勤務
2012年老健施設 かりゆしの里 勤務
2013年6月医療法人美喜有会 ふたこクリニック 院長
2014年9月医療法人美喜有会 こまがわホームクリニック 院長
2017年8月医療法人美喜有会 訪問診療部 医局長
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 院長





















