脂肪肝の人が食べてはいけないものとは?一覧で解説
公開日: 2020.01.18更新日: 2024.11.19
健康診断で「脂肪肝」と診断された方は、不安を感じているかもしれません。脂肪肝は、肝臓に中性脂肪が過剰に蓄積した状態ですが、初期段階では自覚症状がないことが多いため、気づかないうちに進行しているケースも少なくありません。
脂肪肝の主な原因は、過剰な飲酒と食べ過ぎです。1特に、糖質や脂質を多く含む食品は、中性脂肪に変わりやすく、脂肪肝のリスクを高めます。
今回は、脂肪肝の人が特に控えるべき食品と、その理由について詳しく解説していきます。毎日の食生活を見直すことで、脂肪肝の改善を目指しましょう。
目次
食べてはいけないもの(控えた方が良いもの)
脂肪肝を改善するためには、いくつかの食品を控えることが重要です。特に、中性脂肪を増加させる糖質や脂質の多い食品は注意が必要です。
以下は、控えた方が良い食品と、その理由です。
お酒(アルコール)
お酒を控えた方が良い理由は、アルコールが脂肪肝のリスクを高める主な要因になるからです。 アルコールが分解される過程で中性脂肪が生成され、それが肝臓に蓄積しやすくなります。
お酒の飲み過ぎは「アルコール性脂肪肝」を引き起こし、 一方、お酒をあまり飲まない場合は、食べ過ぎが原因で「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)」を引き起こします。
脂肪肝の段階であれば、2~4週間の禁酒によって改善する可能性があります。 飲酒する場合は、厚生労働省が推奨する「1日平均純アルコールで約20g程度」を目安にしましょう。 これはビール中瓶1本、日本酒1合、焼酎0.6合、ワイン4分の1本、缶チューハイ(5度)1.5缶に相当します。
糖質が含まれるもの
糖質を含む食品を控えた方が良い理由は、糖質が肝臓で中性脂肪に変わり、脂肪肝を引き起こす可能性があるからです。
特に、ジュースや菓子類に含まれるショ糖は、米などに含まれる糖質よりも中性脂肪が肝臓にたまりやすい性質を持っています。
果物に多く含まれる果糖も吸収が早く、肝臓で中性脂肪に変わりやすいので注意が必要です。 食物繊維が多い食品を食べることは、糖質や脂質の吸収を遅らせる効果があるため、脂肪肝の食事療法に取り入れることが推奨されています。
飽和脂肪酸が多い食材
飽和脂肪酸を多く含む食品を控えた方が良い理由は、主に2つあります。
- コレステロール値の上昇: 飽和脂肪酸を過剰に摂取すると、コレステロール値が上昇する可能性があります。コレステロール値の上昇は、循環器疾患の発症リスクを高める要因となります。
- 中性脂肪の増加: 脂質の過剰摂取は、中性脂肪の増加につながります。中性脂肪が増加すると、脂肪肝のリスクが高まります。
脂質を摂取する際には、飽和脂肪酸ではなく、不飽和脂肪酸を選ぶようにしましょう。不飽和脂肪酸は、コレステロール値を下げる効果が期待できるため、脂肪肝の食事療法に有効です。
肉の脂身やラード、バター、生クリーム、乳脂肪、インスタントラーメンなどの加工食品には、飽和脂肪酸が多く含まれています。 一方で、サラダ油や魚油などの液体の油や魚には、不飽和脂肪酸が多く含まれています。
脂肪肝を改善するためのポイント
脂肪肝を改善するには、肝臓に蓄積された余分な脂肪を減らし、健康な状態へと導くことが重要です。そのためのポイントとして、以下の6つを意識した生活習慣を送りましょう。
間食や夜食は控える
脂肪肝は、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回り、余分なエネルギーが中性脂肪として肝臓に蓄積されることで起こります。
間食や夜食は、1日の総摂取エネルギー量を増やし、脂肪肝を悪化させる可能性があります。 特に、就寝前に食事をすると、睡眠中にエネルギー消費が少なくなるため、脂肪が蓄積されやすくなります。
油っこいものは控える
脂肪肝の改善には、脂質の摂取量を控えることが重要です。 特に、動物性脂肪は飽和脂肪酸を多く含み、中性脂肪を増やしやすいため注意が必要です。
油っこい食事は脂肪肝のリスクを高めるだけでなく、血中総コレステロールの増加にもつながる可能性があります。
ゆっくり食事を摂る
ゆっくりとよく噛んで食べることは、食べ過ぎを防ぐだけでなく、消化を助ける上でも重要です。 早食いは、満腹感を感じにくく、過食につながりやすいため、脂肪肝改善には逆効果です。
適度にタンパク質は摂る
タンパク質は、筋肉や臓器、血液など、体のあらゆる組織を作るために必要な栄養素です。 タンパク質が不足すると、筋肉量が減少し、基礎代謝が低下することで、脂肪が燃焼しにくい体になってしまいます。
しかし、過剰に摂取すると、エネルギー過多になる可能性もあるため、適量を心がけましょう。
適度な運動をしましょう
運動は、消費エネルギーを増やし、脂肪の燃焼を促進するため、脂肪肝の改善に非常に効果的です。
運動不足は、エネルギー消費量が減り、中性脂肪が体に蓄積されやすくなるため、脂肪肝のリスクを高めます。
食物繊維の豊富な食べ物を食べる
食物繊維は、糖質や脂質の吸収を穏やかにし、食後の血糖値の急上昇を抑える効果があります。 また、腸内環境を整え、脂肪の代謝を助ける働きもあります。
適正エネルギーの目安について
適正なエネルギー摂取量は、標準体重×25~30kcalを目安に計算します。 標準体重は 身長(m)×身長(m)×22 で求めることができます。
例えば、身長160cmの方であれば、標準体重は 1.6m×1.6m×22 = 約56kg、適正エネルギー摂取量の目安は 56kg×25~30kcal = 約1400~1680kcal となります。
しかし、肥満がある場合は、この計算式よりも少ないエネルギー量を摂取する必要があります。 自分の肥満度を把握するためには、BMIを計算すると良いでしょう。
自分のBMI指数も計算してみましょう
BMIは、肥満度を表す体格指数で、体重(kg) ÷ {身長(m)×身長(m)} で計算できます。
- BMIが18.5未満の場合は「低体重(やせ)」
- BMIが18.5以上25.0未満の場合は「普通体重」
- BMIが25.0以上の場合は「肥満」
と分類されます。 自分のBMI値を計算し、肥満度に合わせたエネルギー摂取量を心がけましょう。
無理な食事制限はNG
脂肪肝の改善には、食事制限が有効ですが、無理な食事制限は逆効果になる可能性があります。 極端に食事量を減らすと、必要な栄養素が不足し、健康を害する恐れがあります。 特に、タンパク質の不足は、筋肉量の減少や代謝の低下を招き、脂肪が燃焼しにくい体を作ってしまいます。
また、無理な食事制限はストレスとなり、リバウンドのリスクも高まります。 脂肪肝を改善し、健康を維持するためには、バランスの取れた食事を摂ることが重要です。 医師や管理栄養士の指導のもと、自分に合った食生活を送りましょう。
まとめ
脂肪肝の改善は、日々の生活習慣の見直しから始まります。アルコールと糖質、飽和脂肪酸の摂取を控え、バランスの取れた食事を心がけることが重要です。適度な運動と食物繊維の摂取も効果的です。
ただし、極端な食事制限は避け、自分のBMIに合わせた適切なエネルギー摂取を目指しましょう。脂肪肝の改善は一朝一夕にはいきませんが、継続的な取り組みによって、より健康的な生活を送ることができます。わからないことがあれば、医師や管理栄養士に相談し、自分に合った方法で脂肪肝の改善に取り組んでいきましょう。
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