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- 再生治療
膝の関節に痛みや違和感があると「関節リウマチではないか」と不安に思ってしまう方も多いでしょう。 この記事では、膝の関節リウマチではどのような初期症状が見られるのかを解説します。 自分の初期症状に当てはまっているかどうか確認できるチェック方法についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。 関節リウマチが疑われる場合は、早めに医療機関で診察を受けましょう。 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、膝の関節痛に対する再生医療の治療法や症例を公開しています。 「膝関節の痛みを何とかしたい」という方は、ぜひ参考にしてください。 膝の関節リウマチの初期症状は? 関節リウマチの初期症状は、痛みや腫れだけではなく、以下のように多岐にわたります。 膝関節の痛み 膝関節が腫れる 朝に膝がこわばる コブができる 発熱・倦怠感がある 当てはまる症状があるかどうか、チェックしてみましょう。 膝関節の痛み 膝の関節リウマチで多く見られる代表的な初期症状といえば、膝関節の痛みです。 最初は痛む部位が移動するケースがあり、今は膝が痛いけれど時間が経過すると痛みが消え、次に足の指が痛くなるなど、膝関節だけが痛むとは限りません。 また、関節リウマチの痛みは左右対称に起こるといわれていますが、必ず左右対称というわけではありません。 左右どちらか片方の膝関節が痛む場合でも、関節リウマチである可能性を否定できないため、病院で診てもらうのがおすすめです。 以下の記事では、関節リウマチの痛みについて詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。 膝関節が腫れる 膝関節の腫れも、関節リウマチによくある初期症状のひとつです。 腫れ方は、以下のように大きく2タイプに分かれます。 ブヨブヨとして熱を持つ 硬くカチカチになる ブヨブヨと腫れて熱を持っている腫れ方は、関節リウマチの症状である可能性が高いと考えられます。 一方、腫れた部位が硬くカチカチになっている場合は、膝関節の軟骨がすり減って変形してしまう変形性膝関節症の可能性があります。 朝に膝がこわばる 朝起きたときに膝がこわばっている症状も、関節リウマチの特徴的な初期症状です。 筋肉や関節が硬くなり動かしにくい状態を「こわばる」と表現されますが、この症状を「むくんでいる」と感じる人もいます。 起床時の膝のこわばりは、関節リウマチによって関節を包む滑膜が炎症している可能性があります。 しかし、朝のこわばりだけで関節リウマチと決めつけることはできません。 手足の「こわばり」や「むくみ」は更年期障害で起こるため、40代や50代の女性に見られやすい症状なのです。 自分では判断できないため、医療機関で診察を受けましょう。 コブができる 関節リウマチの初期症状では、膝にコブができる人もいます。 主に肘や膝などの骨が出っ張っている部分にできるリウマトイド結節と呼び、関節が伸びる側にブヨブヨとしたコブができます。 炎症が強くなるとコブが大きく固くなり、炎症が治まれば小さくなっていきます。 発熱・倦怠感がある 風邪のように微熱や倦怠感が出るのも、初期の関節リウマチに見られる症状です。 発熱以外にも、首や脇のリンパ節が腫れるケースもあります。 上記のような症状が1週間以上続く場合は、医療機関で診察を受けましょう。 膝の関節リウマチの初期症状をセルフチェック! 膝に痛みや違和感がある場合、関節リウマチの可能性が高いかどうか、初期症状をチェックしてみてください。 関節リウマチの初期症状は朝に出やすいので、セルフチェックをするタイミングは朝がおすすめです。 以下が膝の関節リウマチの主な初期症状なので、当てはまる症状が多い方は、早めに医師の診察を受けましょう。 関節の痛み 関節の腫れ 朝に膝がこわばる 膝への圧迫感 微熱が続く 倦怠感や疲れやすさ 体重の減少 食欲の低下 目や口の渇き 関節リウマチの場合、腫れや痛みを感じる部位は膝だけでなく、足指にも見られることがあります。 歯磨きやメイクなど朝の準備や、スマートフォンを操作する際など、指や手を動かしにくいなどの違和感があれば、リウマチの初期症状かもしれません。 小さなことでも、何か気になる症状が見られた場合は、早めの受診が重要です。 関節リウマチで膝が痛いときの対処法は? 関節リウマチによる膝の痛みには、以下のような対処法があります。 関節を冷やさないようにする 適度に運動する 自己判断で行うと痛みが強くなったり、症状が悪化する可能性があるため、医師や専門家の指導のもと実践することが推奨されます。 関節を冷やさないようにする 冷えると痛みが強くなり、関節を動かしにくくなることがあるため、関節を冷やさないようにしましょう。 冬には防寒具などで冷えないように気をつける人が多いですが、夏にも関節の冷え対策が必要です。 場所によっては冷房が効きすぎていることがあり、ストールやブランケットなどで冷えないように気をつけてください。 痛みの対策には膝関節の保温が大切ですが、温めないほうがよいケースがあり、注意しなければなりません。 膝関節が腫れて熱を持っているときには、温めないようにしましょう。 腫れて熱がある状態は、炎症が起きている可能性があるので、医師に相談するのがおすすめです。 適度に運動する 症状の有無に関わらず、関節リウマチには適度な運動が推奨されています。 痛みや炎症が強い場合は安静にすることも重要ですが、痛みが落ち着いている場合には適度に関節を動かしましょう。 関節を全く動かさないと、筋力が低下しやすく、筋肉の萎縮につながります。 筋肉が萎縮すると、関節が硬くなり動かしにくくなる可能性があるため、自分の体調と相談して適度に動かすことが大切なのです。 適度な運動量には個人差がありますが、目安としては、運動中や翌日に疲れや関節の痛みが残らない程度が良いです。 膝の関節リウマチの初期症状によくある質問 膝の関節リウマチの初期症状に関するよくある質問をご紹介します。 関節リウマチかどうか確かめる方法は? 関節リウマチでやってはいけないことは? 関節リウマチは何科を受診すればいい? 一つずつ順番に確認していきましょう。 関節リウマチかどうか確かめる方法は? 関節リウマチかどうかを確かめる方法は、血液検査と尿検査、画像診断です。 画像診断とはX線検査やMRI検査などで、血液検査や尿検査と画像診断を組み合わせて行います。 血液検査では抗体の一つである「リウマトイド因子」、早期のリウマチでも血液中に現れる「CCP抗体」の数値によって免疫や炎症を確認します。 リウマチによる関節炎は、血液中の「CRP」の数値によって炎症のレベルがわかります。 リウマチは腎臓に機能に影響をあたえるため、尿検査を行いタンパクの有無を調べます。 また、合併症や薬の副作用についても尿検査でわかるため、重要な検査の一つです。 関節リウマチでやってはいけないことは? 関節リウマチでやってはいけないことは、以下のような膝関節に負担をかけることです。 関節を冷やすと、痛みが出たり関節を動かしにくくなったりします。 また、激しい運動は関節に負担がかかるため避けるべきですが、筋力や柔軟性を維持するために適度な運動は行った方が良いです。 喫煙している人が関節リウマチと診断された場合、症状を悪化させる要因となるためすぐに禁煙することが推奨されます。 関節リウマチは何科を受診すればいい? 関節リウマチが疑われる場合、内科または整形外科を受診しましょう。 治療を行う際には内科と整形外科での連携が必要なため、最初に受診するのはどちらでも問題ありません。 内科でも整形外科でも、可能であれば「リウマチ専門医」に診察してもらえる病院へ行きましょう。 診察では以下のことを聞かれるので、事前に確認しておくとスムーズです。 親族に関節リウマチの患者がいるか 過去にかかった病気と、現在治療している病気の有無 気になる関節の症状について、発症の時期やどのような症状がでているか 関節リウマチで受診すべき診療科については、以下の記事で詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。 膝の関節リウマチの初期症状がでたら早期に医療機関を受診しましょう 関節リウマチは、早期発見・早期治療が重要です。 初期症状は関節の痛みや腫れのほか、微熱や倦怠感など膝関節とは関係なさそうなものもあり、風邪や更年期障害と思って放置してしまうことも考えられます。 以下のような初期症状があらわれたら早めに医療機関を受診しましょう。 膝関節の痛み 膝関節が腫れる 朝に膝がこわばる コブができる 発熱・倦怠感がある また、当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、膝の関節痛に対する再生医療の治療法や症例を公開しています。 「膝関節の痛みを何とかしたい」という方は、ぜひ参考にしてください。
2020.05.26 -
- 幹細胞治療
「ウイルス性肝炎を発症したかもしれない」「健康診断で肝機能の異常を指摘された」と、お悩みの方はいませんか。 ウイルス性肝炎とは、ウイルスが原因で肝臓に炎症が起こる疾患です。 肝機能の異常が見つかった場合は、症状の悪化を防ぐために、早めに治療を開始しましょう。 本記事では、ウイルス性肝炎の種類や対策方法について、詳しく解説します。 肝臓は人体のなかで最大の臓器であり、代謝機能や解毒作用などの働きをもちます。 ウイルス性肝炎になった際は早期治療を行い、症状の悪化や肝硬変への移行を防ぎましょう。 ウイルス性肝炎とはどんな病気?基礎知識を解説 ウイルス性肝炎とは、ウイルスの感染によって引き起こされる肝臓の炎症のことです。 肝臓の働きと肝炎について ウイルス性肝炎とそのほかの肝炎の違い 肝臓の主な働きには代謝や解毒などがあり、病気によって働きが阻害されることで、さまざまな身体の不調が起こります。 倦怠感や食欲低下などの症状がみられる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。 肝臓の働きと肝炎について 肝臓の主な働きは、以下の4つです。 代謝 解毒作用 エネルギーの貯蔵 胆汁の生成 肝機能に障害が発生すると、必要な栄養素を体内に取り込めなくなったり、有害物質が体内に停滞したりします。 肝臓は機能が低下していても症状が現れにくいため、「沈黙の臓器」と呼ばれます。 急激に肝細胞が破壊されることで発症する肝炎は、急性肝炎と呼び、原因はウイルス感染である場合が大半です。 急性肝炎は自然治癒するケースもありますが、症状が悪化すると肝硬変になる恐れがあるため注意が必要です。 ウイルス性肝炎とそのほかの肝炎の違い ウイルス性肝炎以外の肝炎には、主に以下の種類があり、発症原因が異なります。 肝炎の種類 発症原因 アルコール性肝炎 過度なアルコール摂取で肝臓に炎症が起こる 非アルコール性脂肪肝炎 肥満や糖尿病により肝臓に脂肪が蓄積し発症する 自己免疫性肝炎 免疫異常により肝細胞が障害されて発症する 薬物性肝障害 中毒性 薬剤の代謝物によって肝臓に炎症が起こる 特異体質性 先天的な代謝酵素の欠如やアレルギー反応として起こる 肝炎は発症前に原因となる行動をとっていることも多く、診断時の判断材料となるため、医療機関で伝えることが大切です。 ウイルス性肝炎の種類と症状 ウイルス性肝炎には、以下の4種類があり、倦怠感や食欲不振などの症状があらわれます。 A型肝炎ウイルス B型肝炎ウイルス C型肝炎ウイルス E型肝炎ウイルス いずれもウイルス感染によって発症する肝炎ですが、感染経路が異なるため覚えておきましょう。 A型肝炎ウイルス A型肝炎ウイルスは経口感染が多く、加熱が不十分な二枚貝を摂取したり、海外旅行で飲食したりすることで体内に侵入します。 特に衛生環境が良くない地域へ旅行し、感染源となる食材を摂取した場合は、A型肝炎を発症する恐れがあるため注意が必要です。 A型肝炎ウイルスの主な症状は、以下のとおりです。 食欲不振 発熱 倦怠感 吐き気・嘔吐 黄疸(皮膚が黄色くなる症状) A型肝炎はウイルス性肝炎のなかでも、症状が強くあらわれますが、劇症化する症例は少なく自然治癒するケースが大半です。 食欲不振に対する薬や肝臓に負担を与えないような食生活などの対処法がとられます。 B型肝炎ウイルス B型肝炎ウイルスは、主に以下の経路により感染します。 輸血 母子感染 性行為 注射による感染 刺青 など B型肝炎ウイルスの母親から生まれた子どもは、キャリア(保菌状態)となり、慢性肝炎や肝硬変に進展する可能性があります。 また、刺青や性交渉によって、感染者の血液に触れたりすると、B型肝炎ウイルスを発症する恐れがあるため注意が必要です。 B型肝炎の主な症状は、以下のとおりです。 発熱 倦怠感 食欲低下 吐き気・嘔吐 右わき腹の痛み 黄疸 一般的な風邪症状と似た症状がみられますが、症状は慢性化するため、早めに医療機関を受診し治療しましょう。 C型肝炎ウイルス 血液や体液によって感染するC型肝炎ウイルスは、ワクチンがないため注意が必要です。 C型肝炎ウイルスでは主に以下の症状がみられますが、重症化しにくい場合や自覚症状がない場合もあります。 全身の倦怠感 食欲低下 発熱 C型肝炎ウイルスの多くは慢性化し、肝硬変や肝がんに進行する恐れがあります。 倦怠感や発熱などの症状が落ち着き目立った症状がみられなくなった場合でも、病気が進行しているケースがあるため、医療機関の早期受診が大切です。 E型肝炎ウイルス E型肝炎ウイルスは、豚やイノシシ、鹿などが持つウイルスによって感染する可能性があります。 生肉を食べたり、衛生環境の良くない海外で水を飲んだりすると、E型肝炎を発症する可能性があります。 E型肝炎の主な症状は、以下のとおりです。 腹痛 寒気 発熱 倦怠感 食欲不振 症状が慢性化するケースは少なく、多くは自然に治癒するため、E型肝炎の治療では症状の改善を目指す「対症療法」を行うのが一般的です。 しかし、症状が慢性化し劇症肝炎を発症した場合は注射(インターフェロン療法)によって治療するケースもあります。 ウイルス性肝炎の対策について ウイルス性肝炎を予防するには、以下の感染対策を十分に行うことが重要です。 手洗い・うがいを行う 海外での飲食に注意する 入れ墨やピアスの穴開けを行う際は清潔な器具を使用する 他人の血液を素手で触らない 血液が付着する可能性のあるものを他人と共有しない(歯ブラシ、かみそりなど) コンドームを正しく使用する A型・E型肝炎は、口から体内にウイルスが入り込む「経口感染」によって発症します。 血液や体液を介してウイルスが体内に侵入するB型・C型肝炎は、針刺し事故や性交渉が感染の原因となるため、感染者との接触に注意が必要です。 ウイルス性肝炎の治療法については、以下で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。 ウイルス性肝炎は肝硬変へと進行するリスクがある ウイルス性肝炎が慢性化すると、肝硬変へと進行するリスクがあります。 症状の悪化を防ぐためには、検査で陽性となったら早期から治療を開始することが大切です。 肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれており、気づかぬうちに肝硬変になっているケースもあります。 肝硬変は肝細胞が線維化して肝臓が固くなる病気で、自然治癒は見込めません。 また、ウイルス性肝炎以外の肝機能障害でも、肝硬変になるリスクがあるため注意が必要です。 以下の記事では、脂肪肝が肝硬変に移行する理由について、詳しく解説していますので合わせてご覧ください。 進行した肝硬変に対する治療法「再生医療」について ウイルス性肝炎から進行した肝硬変に対する治療法として、先端医療である「再生医療」が注目されています。 再生医療とは、患者様自身の細胞を利用して、線維化した肝細胞を修復・再生する治療法です。 再生医療は肝細胞を修復することで、肝臓が元の機能を取り戻せる可能性がある治療法です。 慢性化した肝炎や肝硬変などでお悩みの方は、当院(リペアセルクリニック)の再生医療をご検討ください。 まとめ|ウイルス性肝炎は早期発見・早期治療が重要 ウイルス性肝炎には、A型・B型・C型・E型肝炎の4種類があり、感染経路や対策方法が異なります。 肝炎は慢性化すると、従来の治療では完治しないといわれている肝硬変へと進行する恐れがあるため、感染対策を十分に行うことが大切です。 全身の倦怠感や食欲低下など、ウイルス性肝炎の症状がみられる場合には、早めに医療機関を受診し治療を行いましょう。 ウイルス性肝炎から肝硬変へと進行し、慢性的な症状にお悩みの方は、再生医療による治療も1つの選択肢です。 再生医療による治療法について気になる点がある場合は、ぜひ一度当院(リペアセルクリニック)にお問い合わせください。
2020.05.25 -
- 肩
肩の石灰化は腱板と呼ばれる腱の中にカルシウムが蓄積して痛みを伴う疾患です。急激に強い痛みが伴うことから多くの方が悩まされています。 そんな肩の石灰化の痛みを改善するには、ストレッチによる運動治療が有効です。 本記事では、効果的なストレッチ方法を3選紹介します。症状改善と日常生活の質向上を目指すためにもぜひ最後までご覧ください。 肩の石灰化に運動治療(ストレッチ)が有効な理由 肩が石灰化している場合、夜中に肩の痛みで目が覚める・腕を動かすと痛みがある・腕を動かせないといった症状があります。 肩の石灰化に有効な治療法は多数存在しますが、そのなかの ひとつに運動療法によるストレッチが挙げられます。 ストレッチは石灰化を起こしている肩周辺の筋肉をほぐし、可動域を広げる効果があります。 この項目では、そもそも肩の石灰化とはどういった疾患なのかを具体的に解説した上で、運動治療の目的を紹介します。 肩の石灰化(肩石灰沈着性腱板炎)とは 肩の石灰化とは、体内の余分なリン酸カルシウムが肩関節の動きを安定させる役割のある腱板の周囲に沈着して硬くなってしまうことです。 沈着する初期のリン酸カルシウムはミルク状ですが、徐々に練り歯磨き状・石膏状へと硬くなっていきます。 この石灰化したものを身体が異物と認識し、攻撃することで腱板が炎症を起こします。また、硬くなり膨れ上がった石灰が腱板を突き破ることで、激しい痛みが生じます。そうした症状を、石灰沈着性腱板炎と言います。 運動療法の目的 石灰沈着性腱板炎は、発症してから1週間から4週間の急性期に強い痛みが生じます。よって急性期は保存療法で安静を保ち、強い痛みが落ち着いてから運動療法を開始します。 運動療法は、ダメージや運動不足によって硬くなった筋肉や関節をほぐすことを目的とし、痛みの緩和や関節の可動域を広げる効果があります。 また、肩の石灰化に対して運動療法を行う場合は、痛みが強くならないよう注意しなければなりません。無理して運動してしまうと症状が悪化してしまいます。 肩の石灰化に有効なストレッチ3選 肩の石灰化に運動治療が有効な理由を確認いただいたところで、さっそく有効なストレッチ3選を紹介します。 ストレッチは、空き時間を利用しながら手軽にできる運動療法です。確認し次第実践してみましょう。 タオルを使ったストレッチ タオルの両端を両手で持って、上下に動かす タオルの両端を両手で持って、腕を真上に挙げた状態でゆっくり左右に動かす 両腕を下げて体の後ろでタオルの両端を持ち、その状態で左右に動かす ※いずれも繰り返し行います 硬くなってしまった筋肉や関節をほぐすイメージで行います。強い痛みが出る場合は、無理をせず中止してください。 肩の後ろを伸ばすストレッチ 横向きで寝る(ストレッチを実施する肩が下になるよう) 下側の腕を肘から直角に曲げる(腕は肩と並行になるよう真横に向ける) 曲げている肘の手首を上側の手でつかむ 手首を腹部側に徐々に倒す(床につけるように) 上記は、肩の後ろを伸ばすのに効果的なストレッチです。就寝前など、寝転んだついでに実践できるお手軽なストレッチとなっています。 インナーマッスルストレッチ 床や背もたれのない椅子に座る 伸ばす方の腕を下から背中に回す 棒やタオルを持ったもう一方の腕を上から背中に回す 棒やタオルを両手で持ち、上に回した腕で伸ばす腕を引き上げる 上記ストレッチは、棒やタオルといった引っ張れるものを使用します。 お互いの腕を上下に分けて背中に回し、伸ばす側の腕を引っ張るイメージです。 適切なストレッチで肩の石灰化を緩和しよう 肩の石灰化に対して運動療法は有効ですが、間違ったタイミングや方法でおこなうとかえって悪化を招いてしまいます。自己判断で運動したり自己流の運動をしたりせずに、医師や専門家のアドバイスをきちんと受けた上で正しく行いましょう。 また、手術を伴わない療法として再生医療が近年注目を集めています。肩の痛みにお悩みの方は再生医療による治療も検討してみてはいかがでしょうか。
2020.05.24 -
- 免疫細胞療法
運動で免疫力を高めたいと考えている方は多いのではないでしょうか。 風邪をひきやすい、疲れが取れにくいなど、免疫力低下を感じている方にとって、日々の運動で免疫力をアップする方法は気になることでしょう。 本記事では、運動によって免疫力がアップする理由から、おすすめの運動方法、そして適切な運動量まで詳しく解説します。 日常生活に取り入れやすい運動習慣から始めましょう。 過度な運動がかえって免疫力を下げてしまう可能性についても触れながら、健康づくりに役立つ情報をお届けします。 運動で免疫力アップする理由 https://www.youtube.com/watch?v=lUGtwkIV7po 運動で免疫力がアップする理由としては、次の2つが考えられます。 体温が上がって血行が良くなる ストレス解消によって自律神経のバランスが取れる 運動によって筋肉を動かすことによって体温が上がり、血行が良くなることで免疫力がアップします。 また、ストレス解消にもつながり、副交感神経が優位な状態を保つとリンパ球が増えることで免疫力が向上する※こともわかっています。 ※出典:J-STAGE「運動と免疫と健康」 一方で、過度な運動は免疫力の低下につながるため、「適度な運動」であることが大切です。 体温が上がって血行が良くなる 運動をすると筋肉が動いて体温が上がり、血行が促進されることで免疫細胞が体内を移動しやすくなるため免疫力向上につながります。 また、運動後は筋肉に血液が多く送られ、疲労回復が促されるとともに代謝も活発になります。 中程度(週5回、45分間、心拍数60程度を維持できる早歩きなど)の運動を継続することで、血液中の免疫グロブリン(IgG、IgA、IgM)が増加※することが報告されており、これは感染症への防御機能が高まる可能性を示しています。 ※出典:PubMed ちなみに、風邪のときに熱が出るのは、免疫細胞がウイルスと闘っている証拠です。体温の上昇は免疫機能の活性化に関わっているとされています。 ストレス解消によって自律神経のバランスが取れる 運動がストレス解消となって自律神経のバランスが取れることで、免疫力向上につながります。 現代社会では多くの人が様々なストレスを抱えていますが、このストレスが免疫機能に大きな影響を与えます。 イライラしている状態が続くと交感神経が過度に優位になり、免疫細胞の働きが低下するため、この状態が続くことは好ましくありません。 そんな時には運動が有効です。適度な運動にはストレス解消効果があり、ストレスが発散されることで心身がリフレッシュされます。 運動時は一時的に交感神経が優位になりますが、運動後のリラックス状態では副交感神経の働きが活発になります。 運動は免疫力向上のための自律神経のバランスを取るのに有効な対策です。 免疫力アップにはどれくらい運動すれば良い? 免疫力を高めるための適切な運動量は、以下を参考にしてください。 毎日60分間、歩行や家事などの身体活動を行う 毎週60分間、息が弾み汗をかく程度の運動を行う ※出典:厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準2023」 また、運動を習慣化するには、「+10(プラステン)」という考え方が有効です。 毎日10分多く体を動かすだけでも免疫力向上に効果があります。 過度な運動はかえって免疫力を低下させる「オープンウィンドウ」現象を引き起こすため、無理のない範囲で続けることが大切です。 運動による免疫力アップが期待できる方法 運動で免疫力をアップさせたい方には、次の方法がおすすめです。 ウォーキング 縄跳び 上半身のストレッチ 下半身の筋トレ 継続するためにも興味があるものから始めてみましょう。 ウォーキング ウォーキングは免疫力アップに効果的で、運動習慣のない方でも始めやすい運動です。 長時間のウォーキングが難しい方は、「立つ」という基本動作を意識することから始めてみましょう。 立つだけでも股関節や膝を使い、ふくらはぎに負荷がかかるため血液循環が促進されます。 デスクワークが中心の方は、1時間に一度立ち上がる、エレベーターではなく階段を使う、少し離れた場所へは徒歩で行くなど、日常生活の中で歩く機会を増やすことから始めてみましょう。 無理なく継続できる範囲で実践することが、免疫力アップの鍵となります。 縄跳び 縄跳びは手軽に始められる全身運動で、免疫力アップに効果的です。 縄跳びをすることで血液循環を促進し、体温を上昇させることで免疫細胞の活性化につながります。 また、リズミカルな動きはストレス解消効果も期待できるため、自律神経のバランスを整えるのにも役立ちます。 初心者は1分間を数セット、慣れてきたら5〜10分間を目標に行いましょう。 エア縄跳びでも同様の効果があり、室内でもできるため、場所や天候に左右されず継続しやすい運動方法といえます。 上半身のストレッチ 上半身のストレッチは、肩こりや姿勢の改善だけでなく、免疫力アップにも効果的です。 とくに肩や胸、背中のストレッチは、筋肉の緊張をほぐし、血流を促進します。 デスクワークなどで固まった筋肉をほぐすことで、リンパの流れも良くなり、免疫細胞が体内をスムーズに巡回できるようになります。 朝晩5分程度、腕を広げる胸のストレッチや、肩を回すなどの簡単な動きから始めましょう。呼吸を意識しながら行うことで、リラックス効果も高まります。 下半身の筋トレ 下半身の筋トレは、体内最大の筋肉群を鍛えることで代謝が上がり、免疫力アップに効果的です。 太もも、お尻、ふくらはぎなどの大きな筋肉を動かすことで、全身の血流が改善され、免疫細胞の働きが活性化します。 スクワットはとくにおすすめで、自分の体重だけで効果的なトレーニングができます。 膝に負担をかけない程度に浅く腰を落とすだけでも十分効果があります。 過度な運動習慣は逆効果になることもあるため注意 適度な運動は免疫機能を高めますが、過度な運動は逆に免疫力を低下させることがあります。 マラソンのような高強度の運動後は、数時間〜数日間にわたり免疫力が低下し、感染症にもかかりやすくなります。 免疫力アップを目指す場合は、息が弾み軽く汗をかく程度の中強度の運動を30分程度、週に2〜3回行うことが理想的です。 運動後に強い疲労感や倦怠感を感じる場合は、運動強度や時間を見直しましょう。 免疫力アップ目指すなら再生医療による「免疫細胞療法」も検討しよう 免疫力アップを目指すなら、運動習慣の改善と合わせて再生医療による免疫細胞療法も検討しましょう。 免疫力が低下すると、日常生活に多くの影響を及ぼします。 風邪を引きやすい 帯状疱疹や口唇ヘルペスが出やすい 皮膚トラブルや花粉症が悪化している これらの症状に当てはまる方は、免疫力が下がっているサインかもしれません。 当院「リペアセルクリニック」では、再生医療によって免疫力向上を図る「免疫細胞療法」を提供しています。 日々の生活で免疫力の低下を感じている方は、ぜひ当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。 【まとめ】運動で免疫力アップするには適度な運動習慣が重要! 運動が免疫力を高める主な理由は、体温上昇による血行促進と、ストレス解消による自律神経バランスの改善です。 免疫力アップに最適な運動量は、毎日60分の歩行や同程度の身体活動、または毎週60分の息が弾む程度の運動が理想とされています。 ただし、いきなり始めるのではなく、「今より10分多く体を動かす」という小さな変化から始めるのが継続のコツです。 ウォーキングなどの手軽にできる運動から取り入れていきましょう。 大切なのは「適度」であること。過度な運動はかえって免疫力を低下させるため、無理のない範囲で続けることが健康的な免疫力アップへの近道です。 日常的な運動習慣に加えて、より積極的に免疫力向上を目指す方は、当院の「免疫細胞療法」もご検討ください。
2020.05.23 -
- 再生治療
初期段階の関節リウマチは、他の病気にも見られる症状が多いため早期発見が難しい病気です。 そのため「関節リウマチは何科に行けばいいかわからない」という方もいるでしょう。 本記事では「関節リウマチを疑った時に受診すべき診療科」について詳しく解説します。 また、受診する診療科よりも「早期受診」が重要視される理由も紹介しています。 受診すべき診療科と早期受診の重要性を理解して、関節リウマチを早期発見・早期治療できるようにしましょう。 関節リウマチは何科を受診すべき?内科でも整形外科でも良い 「関節リウマチかも」と思ったら、リウマチ科・内科・整形外科などを受診しましょう。 関節リウマチは他の病気にも見られる初期症状が多く、初期段階での発見が難しい病気のため、医師の総合的な判断が必要です。 そのため、どの診療科を受診するかよりも治療を担当する医師の知識と経験が豊富である方が重要といえます。 一つの判断基準として「日本リウマチ学会リウマチ専門医」の有資格者は、関節リウマチに関する専門性が高いと判断できます。 内科と整形外科はどっちが良い? 内科と整形外科のどちらか迷った場合は、まずは内科のリウマチ専門医へ受診するのがおすすめです。 最近の関節リウマチの治療では、以下のような関節外症状の内科的な知識が必要になってきています。 薬の副作用管理が複雑 感染症対策などの緊急時の対応 など 整形外科でも、経験豊富で症例が多いリウマチ専門医のいる病院であれば問題ありません。 とはいえ、内科と整形外科が連携して治療することが重要なのでどちらの診療科も必要不可欠です。 関節リウマチは診療科選びよりも早期受診することが重要 関節リウマチは、 早期に適切な治療を行えば病気の進行を抑えられますが、発見や治療が遅れると関節破壊が進行し続けます。 初期症状は「体がだるい」「熱っぽい」「朝方に手がこわばる」など、他の病気にも見られるものです。 自己判断せず、少しでも不安があれば医療機関に相談することが大切です。 現在は、アロマ・整体・漢方・温泉・サプリメントなど、たくさんの民間療法がありますが、試している間にも病気が進行する可能性があるため、試す前に、まずは専門医の診断を受けることをおすすめします。 リウマチの初期症状 関節リウマチの初期症状には、以下のようなものがあります。 【関節リウマチの初期症状】 倦怠感、身体が重い感じ 食欲不振、体重減少 微熱 手足や指のこわばり(特に起床時) 関節の痛みや腫れ これらの症状は、日常生活で「靴ひもを結ぶ」「ボタンを掛ける」「茶碗を持つ」「歩く」「体を洗う」「腰を曲げる」「蛇口を開閉する」「車の乗り降り」といった動作がしにくくなったことで気づく場合もあります。 関節リウマチは、30~50代の女性に多く見られます。 仕事や家事、育児などに追われて初期症状に気づきにくい場合もあるため注意が必要です。 関節リウマチは自己免疫疾患の一つで、関節が腫れ、放置すると変形する可能性があります。 病気が進行すると関節に腫れや激しい痛みが生じ、関節を動かさなくても痛みが生じるようになります。 少しでも気になる症状がある場合は、我慢せずに医療機関に相談することが大切です。 リウマチの診断には専門的な知識が必要とされるため、リウマチ専門医のいる医療機関を受診すると安心です。 関節リウマチの診断・検査方法 関節リウマチは、他の病気と初期症状が似ていて識別しづらいため、以下のような方法で診断・検査を行います。 【関節リウマチの診断・検査方法】 問診・診察 血液検査 レントゲン 関節エコー検査 尿検査 それぞれの診断・検査方法について解説していきます。 問診・診察 関節リウマチの診察では、以下のようなことを質問されるので事前に確認しておきましょう。 家族歴について:血のつながった家族の中に関節リウマチの人がいないか 既往歴について:過去にかかった病気について、現在治療中の病気がないか 症状について:いつ頃症状が出たか、現在どのような症状か 関節リウマチが発症する原因はまだ明らかになっていませんが、遺伝的な要素が関与していると考えられています。 三親等内に関節リウマチや自己免疫疾患(全身性エリテマトーデス、多発性筋炎、強皮症など)の人がいるかは、重要な情報です。 また、適切な薬物療法を行うために現在治療中の病気や服用中がある場合は、答えれるようにしましょう。 血液検査 関節リウマチで基準値よりも高くなるのが抗CCP抗体とRF(リウマチ因子)です。これらはリウマチ体質である可能性が高いことを示します。 また、CRP(炎症反応)が高くなることも関節リウマチの特徴です。関節の痛みや腫れといった症状や、血液検査の結果をみて診断します。 レントゲン 骨の変形や破壊状態をレントゲンで確認することができます。関節リウマチの診断基準の項目にも含まれているため、関節の痛みなどで受診するとレントゲン検査を行うことが多いでしょう。 関節エコー検査 関節エコーは、レントゲンに骨の破壊が映る前の、まだ症状が進んでいない段階でも病気をとらえることができます。関節内の炎症や腫れがわかり、早期発見・早期治療につながるでしょう。 尿検査 尿検査では、尿にたんぱく質が出ていないか、白血球や赤血球が含まれていないかを検査します。 薬の副作用や他の病気(合併症)を調べられます。 関節リウマチの治療法は再生医療という選択肢もあります! 関節リウマチに対する従来の治療は、薬物療法が基本とされていましたが、再生医療による幹細胞治療が注目されています。 【再生医療とは】 機能障害や機能不全になった生体組織に対して、体が持つ再生能力を利用して損なわれた機能を再生させる医療技術のこと 薬物療法では、関節リウマチの進行を抑制する抗リウマチ薬が処方されますが、完全に治すのは難しく長期的な治療が必要です。 しかし、再生医療では患者自身の幹細胞を培養し、患部へ投与することで損なわれた関節リウマチの根本的な改善が期待できます。 自身の細胞を用いた治療方法のため、副作用の心配が少ない点も再生医療の強みの一つです。 再生医療による幹細胞治療は、ぜひ当院へご相談ください。 【まとめ】関節リウマチは受診する診療科より早期受診が重要 関節リウマチは早期発見・早期治療が極めて重要な病気です。 初期症状は倦怠感や微熱、関節のこわばりなど一見ありふれたものですが、放置すると急速に進行し、取り返しのつかない関節破壊を引き起こす可能性があります。 少しでも症状に気づいたら、リウマチ科や膠原病科、専門の整形外科を受診しましょう。重要なのは、関節リウマチの診断・治療に精通した医師による診察を受けることです。 診断には血液検査やレントゲン、関節エコー検査などが行われます。 治療は主に薬物療法が基本ですが、副作用の心配もあります。最近では、自己血液を用いたPRP療法という再生医療も注目されており、副作用のリスクが低い新たな選択肢として期待されています。 関節リウマチは適切な治療で進行を抑えられる病気です。自己判断や民間療法に頼らず、専門医による早期の診断と治療を受けることが、QOL(quality of life :生活の質)を維持する上で非常に大切です。 関節リウマチは治るのか?辛い症状を抑えこむ寛解については、こちらをご覧ください
2020.05.22 -
- 股関節
股関節が痛くなったときに考えられる原因の1つが股関節の石灰化です。 股関節内に石灰化したカルシウムが沈着すると、痛みや関節の可動域の制限を引き起こします。 ときには、強い痛みで歩けなくなる恐れがある疾患です。 本記事では、股関節の石灰化の症状や原因、対処法について詳しく紹介します。 また、石灰化した股関節の根本的な治療に期待できる再生医療についても紹介しているので参考にしてみてください。 股関節が石灰化すると歩けない可能性があるのはなぜ? 股関節が石灰化すると歩行が困難になる可能性がある理由は、症状が進行することで強い痛みや股関節の可動域が制限されるためです。 股関節の石灰化は「石灰沈着性腱炎」という病名で、石灰と呼ばれるカルシウムの結晶が股関節の組織に溜まる病気です。 股関節以外にも肩関節、手足の関節などによく発症し、急に患部が痛んだり、夜も眠れないほどの痛みを感じたりします。 股関節に発症すると炎症による痛みで関節の動きが制限され、歩行が困難になるなど日常生活に大きな影響を与える病気です。 石灰沈着性腱炎による股関節痛の原因 石灰沈着性腱炎による股関節痛の原因は、身体が石灰を異物と判断して攻撃するために起こる炎症です。 石灰化したカルシウムが股関節に沈着すると、身体が石灰を異物だと認識して攻撃するので関節がダメージを受けて炎症を起こします。 沈着したカルシウムを異物と判断して攻撃することは本来ならありませんが、なぜ攻撃するのかは解明されていません。 また、石灰化が肩の腱板に起こると「石灰沈着性腱板炎」になり、痛みを引き起こします。詳しくは下記の記事を参考にしてください。 病態によって症状が異なる場合がある 石灰沈着性腱炎による股関節痛の痛みの度合いや鎮静化するまでの期間は個人差があり、年齢や免疫反応(石灰を攻撃する力)によって異なります。 若い人は体の免疫反応が強いため、炎症が激しく、強い痛みが出ることがあります。 しかし、症状が鎮静化するまでの期間は短いケースが多いです。 免疫反応が弱い高齢者では、強い炎症や激しい痛みになるケースは少なくなりますが、鎮静化するまでの期間が長くなる傾向にあります。 股関節はどうやって石灰化する?沈着するカルシウムについて 股関節が石灰化するきっかけとなるのがカルシウムの沈着です。 カルシウムが沈着する主な要因は、以下の通りです。 カルシウムの代謝異常によって骨からカルシウムが溶け出す 加齢によってカルシウムの代謝バランスが崩れる カルシウムの過剰摂取によって石灰化を促進する可能性がある カルシウムは本来、骨を維持するために腸から吸収し、余分なものは尿で排出しています。 しかし、加齢によって吸収と排出のバランスが崩れたり、カルシウムを過剰摂取したりすると石灰化が促進される可能性があります。 また、カルシウムは体内の細胞が活動するのに欠かせないので、カルシウム不足になると骨を溶かして補おうとします。 代謝異常によって必要以上にカルシウムが溶け出してしまうことで、カルシウムの蓄積につながり、石灰化する可能性があります。 股関節の石灰化による炎症や進行を治療する方法 股関節の石灰化によって歩けないときの治療法を紹介します。 保存療法 再生医療 股関節の石灰化は自然に治癒する場合もありますが、痛みが強い方や長引いている方は、医療機関を受診しましょう。 保存療法 股関節の石灰化に対する保存療法は以下の通りです。 安静にする 鎮痛剤や抗炎症剤の内服 石灰部位への注射 石灰の吸引 リハビリテーション 保存療法では、痛みの原因である石灰を吸引したり、炎症を抑えたりする治療が一般的です。 重度の場合や保存療法で改善が見られない場合、石灰部位を外科手術で摘出する治療も検討されます。 再生医療 股関節の石灰化による治療では、再生医療も選択肢の一つです。 再生医療の治療は、主に以下の2種類です。 幹細胞治療:損傷した組織の再生および修復 PRP治療:自然治癒力を高め、炎症を抑える とくに幹細胞治療では自身の細胞を活用し、損傷した股関節の再生・修復を目指します。 患者さまから幹細胞を採取・培養し、注射で患部に投与します。 手術や入院をせずに根本的な治療が期待できるため、近年注目されている治療法です。 股関節の石灰化による歩行の困難さにお困りの方は当院へご相談ください 歩行が困難なほどの股関節痛にお悩みの方は、ぜひ当院(リペアセルクリニック)へご相談ください。 当院で提供している再生医療の特徴は、以下の通りです。 股関節の疾患に対する幹細胞治療の症例数は数千件以上 独自の培養技術で幹細胞の生存率・活動率が高い 手術や入院が不要で早期回復を目指せる 当院(リペアセルクリニック)では、豊富な症例を元に患者さまそれぞれの症状に合わせた治療法をご提案します。 再生医療の効果には個人差がありますが、股関節の強い痛みにお悩みの方は、お気軽にご相談ください。 股関節の石灰化で歩けない方からよくある質問 股関節痛の石灰化で歩けない方からよくある質問をまとめました。 受診の検討や予防に役立ててください。 股関節の石灰化は自然に治る? 股関節の石灰化に有効なストレッチは? 股関節の石灰化に効く食べ物は? 股関節の石灰化は自然に治る? 股関節の石灰化は、保存療法を受ければ自然に軽快する場合が多い病気です。 関節の石灰化による痛みが出たら、一般的に痛み止めの服用やステロイドの注射、リハビリなどの保存療法を行います。この治療を3カ月行なったところ、73%以上に改善があった報告もあります。※ ※出典:肩の石灰性腱鞘炎:メカニズム、病因、および治療に関する臨床的展望 保存的な治療を行えば、比較的高い確率で改善する病気です。 股関節の石灰化に有効なストレッチは? 石化に有効なストレッチはありませんが、予防のために股関節を柔らかくするストレッチがおすすめです。 寝ながらできる簡単なストレッチについて紹介します。 寝た姿勢になる 膝を胸に向かってゆっくりと引き寄せる 20〜30秒姿勢を保つ 3セット繰り返す 朝晩1回ずつ継続して行いましょう ただし、石化の根本的な治療が必要になるので、専門家への相談を忘れずに行ってください。 股関節の石灰化に効く食べ物は? 石灰化しやすい食べ物や石灰化に効く食べ物は、今のところありません。 コーヒーが石灰沈着性腱炎の原因と言われていますが、医学的根拠はなく因果関係も証明されていません。 全身の炎症を抑えたいなら、抗炎症食品として有名な果物や野菜、ナッツ、脂肪の多い魚の摂取がおすすめです。 【まとめ】股関節の石灰化は早期治療によって進行を防ぐことが大切 石灰沈着性腱炎による股関節痛の原因や症状について紹介しました。 股関節痛の原因はさまざまですが石灰沈着性腱炎が疑われる場合、症状の度合いによって適切な治療法も異なります。 股関節が痛みや思うように動かせない方は、放置せずに早めに医療機関を受診してください。 また、当院(リペアセルクリニック)では、股関節の疾患に対して再生医療による治療を取り扱っています。 股関節痛を根本的に解決したい方は、まず当院へご相談ください。
2020.05.20 -
- 再生治療
急性肝炎と診断されると「どのような後遺症があるのか」「完全に治るのか」不安になる方も多いでしょう。 本記事では、急性肝炎の後遺症について分かりやすく解説します。 注意すべき劇症肝炎への進展の可能性やその原因、そして万が一、劇症化してしまった場合の治療法についてもご紹介します。 急性肝炎と診断され、その後の経過や後遺症について不安を感じている方は、ぜひこの記事を参考にしてください。 また、当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、肝疾患に対する再生医療の治療法や症例を公開中です。 損傷した肝臓の症状改善に効果が期待できる治療法なので、合わせてご覧ください。 急性肝炎の後遺症について ほとんどの急性肝炎は、適切な治療によって後遺症なく回復へと向かいます。 しかし、ごく稀に「劇症肝炎」という非常に重い状態に進行してしまうケースも存在します。 適切な治療を受ければ後遺症はほとんどない 劇症肝炎に進展する可能性がある まずは、急性肝炎の一般的な経過と、後遺症の基本的な考え方について見ていきましょう。 以下の記事では、肝機能を回復させる方法について解説しているので、ぜひ参考にしてください。 適切な治療を受ければ後遺症はほとんどない 肝臓は再生能力が高い臓器のため、先述の通り急性肝炎のほとんどは適切な治療によって後遺症なく回復へと向かいます。 肝臓は再生能力が高い臓器のため急性肝炎によって一時的に肝細胞がダメージを受けても、適切な治療を受け、安静にすることで肝細胞は修復されていきます。 また、自然に治癒するケースも少なくありません。 A型肝炎やB型肝炎では、一度回復すると体内に強い免疫(抗体)ができ、再び同じ型の肝炎にかかりにくくなります。 劇症肝炎に進展する可能性がある 急性肝炎は一般的に良好な経過をたどりますが、約1~2%の方が「劇症肝炎(急性肝不全)」という重篤な状態に移行することが報告されています。 劇症肝炎への進行 初期症状:発熱や倦怠感、悪心・嘔吐、食欲不振など 進行すると黄疸や肝性脳症(意識障害)もあらわれる 劇症肝炎の初期症状は、急性肝炎と同様に発熱やだるさ、吐き気、食欲不振などがあらわれることが多いです。 その後、肝機能が著しく低下すると、皮膚や白目が黄色くなる黄疸が現れ、さらに進行するとアンモニアなどの解毒がうまくいかず、肝性脳症(意識が混濁したり昏睡に至る重い意識障害)が生じます。 劇症肝炎まで進むと、全身の臓器障害や血液が固まりにくくなる異常が高頻度で起こり、適切な治療がなければ命に関わります。 発症すると治療が困難になる肝硬変や肝臓がんにつながるサインについて、以下の動画で詳しく解説しているので、合わせて参考にしてください。 https://youtu.be/ZcBK2hb48bo?si=FwncrnITBXQrxCqU 急性肝炎の後遺症として劇症肝炎を発症する原因 急性肝炎が劇症肝炎に進行する際、以下のような複数の要因が複雑に関わっていると考えられています。 ウイルスによる肝炎(ウイルス性肝炎) 薬による肝臓の障害(薬剤性肝障害) ご自身の免疫システムが肝臓を攻撃してしまう病気(自己免疫性肝炎) 原因が特定できない場合(特発性) 劇症肝炎に進行するケースで多いのはB型肝炎ウイルスのキャリアからの発症によるもので、全体の約40%を占めます。 薬剤性肝障害は、アセトアミノフェンや一部の抗てんかん薬、抗生物質などが原因です。 自己免疫性肝炎は、自身の免疫システムが肝細胞を攻撃してしまう病気で、これも劇症肝炎の原因となりえます。 全体の約30%は原因が特定できない「特発性」とされ、なぜ一部の人だけが重症化し劇症肝炎に至るのか、その明確な理由はまだわかっていないのが現状です。 急性肝炎が劇症肝炎に進展した際の治療法 急性肝炎が進行し、劇症肝炎という危険な状態に陥ってしまった場合、肝臓の機能をサポートし、原因に対して集中的な治療を行う必要があります。 治療法は主に以下の3つです。 抗ウイルス療法 人工肝補助療法 生体部分肝移植 どのような治療法なのか、詳しく解説します。 抗ウイルス療法 急性肝炎が劇症肝炎(急性肝不全)に進行した場合、原因ウイルスに対して抗ウイルス療法が行われます。 抗ウイルス療法のポイント 原因となる肝炎ウイルスの増殖を抑制 薬剤で肝臓の損傷進行を防ぐ B型肝炎:核酸アナログ製剤やインターフェロンの投与 C型肝炎:インターフェロンや抗ウイルス剤(DAA)の投与 抗ウイルス薬を適切に使用し、体内のウイルス量を減らすことで、劇症化した肝炎の鎮静化や、肝不全の進行を抑制することを目指します。 人工肝補助療法 人工肝補助療法とは、劇症肝炎で低下した肝臓の解毒・代謝機能を一時的に機械で代替する治療法です。 人工肝補助療法のポイント 肝臓の解毒・代謝機能を機械で一時的に代替 血漿交換と血液透析を行う 血液中の有害物質除去、不足する凝固因子などを補充 肝臓自身の再生・回復を待つ 人工肝補助療法自体が肝臓を直接再生させるわけではありません。 あくまで肝臓が自身の力で回復してくるまでの時間を稼ぎ、その間の生命を維持するための役割を担います。 生体部分肝移植 生体部分肝移植は、機能しなくなった患者さまの肝臓を取り出し、健康な肝臓と入れ替える手術です。 肝臓は再生能力が高いため、ドナーの方の肝臓も患者さまに移植された肝臓も数ヶ月ほどで元の大きさに近い状態まで再生します。 近年では、2010年の臓器移植法改正以降、脳死ドナーからの肝臓提供も少しずつ増えてきており、劇症肝炎の患者さまに対する脳死肝移植の実施件数も増加傾向にあります。 急性肝炎の後遺症についてよくある質問 本章では、急性肝炎の後遺症について以下の2つの質問に回答していきます。 急性肝炎の予後は? 急性肝炎は完治する? 急性肝炎と診断されたり、その後の経過について心配な方は、ぜひ参考にしてください。 急性肝炎の予後は? 急性肝炎の多くは適切な治療と安静によって肝機能が回復し、良好な予後を期待できます。 急性肝炎の予後のポイント 多くは適切な治療によって肝機能が回復する ウイルス性肝炎は自然治癒するケースも多い ごく一部(約1~2%)は劇症肝炎へ進行し致命的となる恐れ B型・C型肝炎では一部が慢性化する可能性 多くの方が良好な予後を期待できる一方で、急性肝炎にかかった方のうち、全体の約1〜2%の方は「劇症肝炎」という非常に重い状態に進行してしまう可能性があります。 劇症肝炎になると意識障害が出たり、臓器が機能しなくなったりして、命に関わる危険な状態となることがあります。 急性肝炎の予後は一概には言えませんが、多くの方は後遺症なく回復する一方で、一部には重篤化したり慢性化したりするケースがあることを理解しておくことが大切です。 急性肝炎は完治する? 急性肝炎は原因にもよりますが、適切な対処を行えば多くの場合、完治が期待できます。 急性肝炎の完治について 原因により完治の期待度は異なる A型・E型肝炎ウイルス:ほとんどが自然治癒を見込める B型肝炎ウイルス:10%の方が慢性B型肝炎になるリスクがある C型肝炎ウイルス:90%以上はウイルスを排除可能 急性肝炎が完治するかどうかは、原因となったウイルスの性質により左右されます。 大部分の急性肝炎は適切な安静と治療のもとで肝臓が再生し完治します。 しかし、一部のウイルス性肝炎では、急性期が過ぎた後もウイルスが体内に残り、経過観察や追加の治療が必要になる場合があることを覚えておく必要があります。 急性肝炎の後遺症を防ぐには適切な治療を受けることが重要 急性肝炎の大部分は、医師による適切な治療と十分な安静によって、後遺症なく回復することが多いという点をご理解いただけたかと思います。 しかし、全体の約1~2%という低い確率ではありますが、肝機能が急激に悪化する劇症肝炎に進行するケースも存在します。 急性肝炎の後遺症を防ぐために大切なことは、診断を受けたら自己判断をせず、必ず医師の指示に従って適切な治療を受けることです。 早期発見・早期治療と、その後の正しい経過観察が、後遺症なく健康な毎日を取り戻すためのポイントとなります。
2020.05.19 -
- 免疫細胞療法
免疫細胞を活性化するためにやるべきこととは? 免疫とは、ウイルスを始めとする異物を認識して、侵入を防いだり、侵入した異物を排除したりする能力のことです。この免疫力が低下してしまうといろいろな身体の不調を引き起こしてしまいます。 免疫力を低下させないため、または、低下してしまった免疫力をアップさせるためには免疫細胞を活性化させることが必要になります。今回は、免疫細胞を活性化させるために日常生活でできることを紹介します。 生活のリズムを整えて免疫細胞を活性化! 免疫細胞を活性化させるためには規則正しい生活を送ることが大切です。免疫細胞は自律神経と大きく関係していて、自律神経のバランスがきちんと整っているときに免疫細胞は活性化されやすくなります。 そのため、免疫細胞を活性化させるためには自律神経のバランスを整えることが重要です。夜更かしをしたりして生活のリズムが乱れていると、体内時計のリズムがくるって自律神経のバランスも乱れがちになってしまいます。 自律神経のバランスが崩れて免疫細胞の活性化を妨げてしまわないように、就寝時間や起床時間をできるだけ一定にするなど、生活のリズムを整えることが大切です。 体を温めて免疫細胞を活性化! 免疫細胞を活性化させるためには、体を温めることも大切です。 免疫細胞は血液中にあるリンパ球にたくさん存在していますが、体が冷えてしまっていると、血管の収縮によって血液の流れが悪くなって体の隅々まで行き届かなくなってしまいます。 体を温めるコツは太ももやお腹など大きな筋肉がある部位をしっかりと温めることです。また、体を冷やさないコツは、首、手首、足首など「首」がつく部位を衣類やウォーマーなどでしっかりガードすることです。 また、お風呂もシャワーですませるのではなく湯船に浸かるようにするのもおすすめです。湯船の温度は38℃くらいにして、ゆっくりと浸かりましょう。 バランスのとれた食事と運動で免疫細胞を活性化! 免疫細胞を活性化させるためには、バランスのとれた食事を摂ることが大切です。かかっている病気によっては控えるべき食べ物もありますが、それ以外の場合は、なるべく多品目の食品をバランスよく食べることを意識しましょう。 また、適度な運動をおこなうことも免疫細胞の活性化につながります。運動不足の人がいきなり激しい運動をすると逆に自律神経のバランス乱れの原因になってしまうので、いつもより少し体を動かすくらいの気持ちで運動を始めましょう。 まとめ・免疫細胞を活性化するためにやるべきこととは? 以上、免疫細胞の活性化ために普段からやるべきことについて紹介しました。普段の生活を工夫することでも免疫細胞を活性化させることは可能ですが、医療機関で免疫細胞療法をおこない、免疫細胞の活性化をすることもできます。 免疫細胞療法は病気のいろいろな段階で、また、健康な状態でも自己治癒力アップやウイルス感染や癌の予防のためにおこなうことができますよ。 こちらもご参照ください
2020.05.18 -
- 肩
石灰沈着性腱板炎の辛い痛みは放置しない!悪化するとどうなる?その治療法とは 石灰沈着性腱板炎は、前触れもなく関節に突然強い痛みが発生するので、初めて発症した人は痛みが辛いのはもちろんのこと「放っておくと悪化するの?」「悪化したらどうなるのだろう」と不安になる人も多いでしょう。 ここでは、石灰沈着性腱板炎が悪化するとどういった症状が出るのかについて、また、悪化した時の治療方法についても紹介します。 石灰沈着性腱板炎が悪化する流れ 石灰沈着性腱板炎は腱板にリン酸カルシウムの石灰が沈着し、その石灰を何らかの原因で身体が異物だと判断して攻撃することで腱板が炎症を起こすものです。 沈着する石灰は最初ミルク状ですが、悪化すると練り歯磨き状になり、さらに悪化すると石膏状になるというようにどんどん硬くなっていき、石灰が溜まって膨れ上がっていきます。 そうなると痛みがどんどん増してしまいます。 さらに、石膏状になって膨らんだ石灰が腱板を破って関節の周囲にあって関節の動きを滑らかにする働きのある滑液包へと移動すると強烈な痛みが生じます。 石灰沈着性腱板炎を悪化させないための保存療法について 石灰沈着性腱板炎が発症してから1週間から4週間くらいの急性の時期は保存療法による治療がおこなわれます。 アームスリングや三角巾などの固定器具を使って患部を動かさないようにして負荷を軽減した状態で安静したり、炎症鎮痛剤を内服するによって炎症や痛みを抑えたりします。 このような保存療法をおこなうことで石灰が体内に吸収されて消失して、悪化せずに軽快するケースが多いです。 また、この時期は石灰がまだミルク状なので、痛みが強い時は注射針を挿入して吸引して取り除く治療をおこなうこともできます。 石灰沈着性腱板炎の悪化した際の治療法 石灰沈着性腱板炎が悪化すると、慢性的に痛みが強くなり関節を思うように動かせなくなってしまいますが、石膏状になった石灰は注射針を挿入しても吸引して取り除くことはできませんし、放置しておいて自然に軽快することも期待できません。 そういう場合は、内視鏡による手術が検討されるのが一般的ですが、近年では衝撃波によって石膏状の石灰を取り除く体外衝撃波療法のように皮膚を切開する必要のない治療法もおこなわれるようになってきています。 まとめ・石灰沈着性腱板炎の辛い痛みは放置しない!悪化するとどうなる?その治療法とは 石灰沈着性腱板炎が悪化した時の症状や治療方法について紹介しました。 石灰沈着性腱板炎は悪化せずに自然に治まっていくこともありますが、悪化すると痛みや関節の可動域制限などでつらい日々を過ごすことになってしまうこともあります。 悪化させないためにも早めに医療機関を受診して正しい治療を受けることをおすすめします。 こちらも併せてご参照ください 監修;リペアセルクリニック大阪院
2020.05.17 -
- 再生治療
- 幹細胞治療
- PRP治療
関節リウマチと診断されたけど治るのか、不安を抱えている方も多いのではないでしょうか? 関節リウマチは免疫の異常により関節が炎症を起こし、進行すると関節の破壊や変形につながる病気です。 完治が難しいとされる一方で、近年は治療法が進歩し、寛解という状態を目指すことが可能に。 本記事では、関節リウマチの「完治」と「寛解」の違いを詳しく解説します。 発症の背景やリスク要因・治療法についても、紹介していますので「この先どうなるのか不安」「何を選べばいいか迷っている」という方は、ぜひ参考にしてください。 【結論】関節リウマチは現在の医学では完治は難しい|治療目標は寛解 関節リウマチは、免疫の異常によって発症すると考えられており※、現在の医学では完治が難しいとされています。 ※出典:日本リウマチ学会「リウマチ・膠原病を心配したら」 根本的な原因を取り除く治療法は確立されていないため、「治す」のではなく、「うまく付き合う」ことが治療の基本方針です。 ただし、近年の治療法の進歩により、痛みや腫れを抑えて、日常生活に支障のない状態(寛解)を目指すことは可能になっています。 重要なのは早期発見・早期治療で、発症して間もない段階で治療を開始すれば、進行を抑えやすくなります。 また、リウマチは進行性の疾患のため、治療を怠ると関節の変形が進み、日常生活に深刻な支障をきたす恐れがあるので注意が必要です。 そのため、自己判断せず、必ず専門医のもとで治療方針を継続的に見直すことが大切です。 関節リウマチの主な原因 関節リウマチの原因は一つに特定できず、以下のような複数の要因が絡み合って発症すると考えられています。 原因 内容・具体例 免疫異常 免疫システムが自分自身の滑膜組織を攻撃し、炎症が慢性化する 遺伝的素因 関節リウマチになりやすい体質が遺伝するが、必ず発症するわけではない 環境要因 喫煙、歯周病、腸内環境の異常、化学物質、外傷、強いストレスなどが発症や悪化のリスクになる ホルモンの影響 ・女性に多く、30~50歳での発症が多い ・妊娠・出産・閉経など、女性ホルモンの変化が関与する可能性がある 発症割合の内訳 ・遺伝子によるもの:約40% ・環境ストレス因子によるもの:約60% 体を守るはずの免疫が誤作動を起こし、本来なら攻撃しないはずの自分自身の関節を標的にしてしまうのが関節リウマチの発症メカニズムです。 原因はまだ完全には解明されていませんが、現在では「遺伝的な素因」と「環境要因」など、複数の要素が組み合わさって免疫の異常が生じると考えられています。 また関節リウマチは30代から50代の女性※に多く見られ、妊娠や出産、閉経などのホルモンバランスが変化しやすい時期と重なって発症する事例も。 ※出典:リウマチeネット このように、関節リウマチはさまざまな要因が複雑に絡み合い、免疫のバランスが崩れて発症に至ると考えられます。 関節リウマチの寛解を目指すための治療法 関節リウマチの治療法は、大きく分けると5つあります。 治療法 説明 薬物療法 免疫の異常な働きを調整し、炎症や痛みを抑える薬を使用する。 生物学的製剤 免疫の特定の働きをピンポイントで抑えるタイプの薬。 手術療法 関節の変形や機能障害が進行した場合に、関節の修復や置換を行う。 リハビリテーション 関節の動きや筋力を維持・改善し、日常生活の自立をサポートする。 再生医療 損傷した関節組織の修復を目指す治療法。現時点では標準治療ではない。 治療は患者の症状や進行度に応じて、これらを組み合わせて計画が立てられます。 専門医から治療の目的や効果、副作用の説明を受け、納得した上で取り組む姿勢が大切です。 ここでは、関節リウマチの代表的な5つの治療法を詳しく解説します。 薬物療法 関節リウマチの薬物療法は炎症を抑え、関節の破壊や変形防止を目的とし、治療を進めていく上での軸になる存在です。 症状や病状に合わせてさまざまな種類の薬が使用されますが、従来から使用されている定番は抗リウマチ薬(DMARDs)です。 抗リウマチ薬には複数の種類があり、それぞれ作用の仕方や副作用のリスクが異なるため、患者ごとに最適な組み合わせが検討されます。 ただし、薬物療法は副作用のリスクもあるため、治療中は定期的な血液検査や医師の管理が欠かせません。 必ず専門医と相談しながら、自分に合った治療を安全に継続していくことが大切です。 生物学的製剤 生物学的製剤は、従来の抗リウマチ薬とは異なり、炎症の原因となる特定の免疫物質(サイトカイン)直接ブロックするため、高い抗炎症効果が期待できます。 製剤は遺伝子工学などのバイオテクノロジー技術を用いて製造され、以下のように種類が豊富です。 薬剤の種類 作用機序 TNF阻害薬 ・腫瘍壊死因子(TNF)を中和し、炎症反応を抑制 ・骨破壊を抑制し、関節の損傷を防ぐ IL-6阻害薬 ・インターロイキン-6(IL-6)の働きを抑え、炎症を軽減 ・免疫反応を調整し、関節の損傷を防ぐ T細胞活性化阻害薬 ・T細胞の活性化を抑制し、免疫反応を調整 ・サイトカインの産生を抑えることで、炎症を軽減 生物学的製剤は従来の抗リウマチ薬で効果が不十分な場合や、関節破壊の進行が早い場合に検討される治療法です。 注射または点滴で投与され、高い効果が期待できる一方で、結核などの潜在感染症を悪化させる可能性※があるため、治療前に検査が必須です。 ※出典:日本リウマチ学会「関節リウマチ(RA)に対する TNF 阻害薬使用の手引き」 導入にあたっては、専門医と相談のうえ、効果とリスクを理解したうえで計画的に進めましょう。 手術療法 関節リウマチの手術療法は薬物療法やリハビリテーションなどの保存療法で効果が得られない、関節の変形や機能障害が進行した場合に検討されます。 主な手術方法は以下の3つです。 手術の種類 特徴 滑膜切除術 ・炎症を起こしている滑膜を取り除く手術 ・痛みや腫れを軽減し、関節の機能を改善する ・回復が早い 関節形成術 ・変形した関節を再構築し、可動性を回復させる手術 ・自分の関節を動かせるようにするのが目的 人工関節置換術 ・傷んだ関節を人工関節に置き換える手術 ・痛みを大幅に軽減し、関節機能を再生する ・人工関節の耐久性は10年ほど※ ※出典:愛媛大学医学部附属病院 人工関節センター 手術療法は効果的な手段ですが、出血や感染、合併症などのリスクもあるため、手術の種類・適応・術後の生活について、専門医と相談することが重要です。 術後は適切なリハビリを行うことで、関節の動きや日常動作の改善が期待できます。 リハビリテーション 関節リウマチのリハビリテーションは薬物療法と並行して行われる治療法で、期待できる主な効果は以下の3つです。 痛みの軽減 炎症の軽減 関節の変形防止 これらを目指しながら、患者の状態に合わせた以下のような個別プログラムが組まれます。 種類 特徴 理学療法 関節の可動域を広げる運動や、筋力トレーニング、温熱療法などが行われる 作業療法 日常生活動作の練習や、関節に負担をかけない動作の指導、自助具の活用などが検討される 装具療法 関節を保護し、痛みを軽減するための装具(サポーターやインソールなど)が使用される ただし痛みや炎症が強い場合は安静を保ち、無理に動かさず安静を優先することが基本です。 再生医療(PRP療法・幹細胞治療) 再生医療は関節リウマチ治療の新たな選択肢として注目されており、主な治療法としては以下の2つがあります。 治療法 特徴 PRP療法 ・患者自身の血液から血小板を濃縮したPRPを抽出 ・関節内に注入して成長因子を放出し、組織の修復を促す ・炎症を抑える作用や、痛みを軽減する効果が期待されている 幹細胞治療 ・患者自身の脂肪組織や骨髄から幹細胞を採取 ・培養・増殖させた後、関節内に注入する ・損傷した軟骨や骨組織の再生を促す 再生医療は薬物療法や手術療法と比べて体への負担が少ないのが特徴で、患者自身の細胞を用いるため、拒絶反応のリスクも低いとされています。 ただし自由診療となるため、費用面などに注意が必要です。 治療を検討する際は専門医に相談し、自身の症状に合った選択肢か見極めましょう。 【まとめ】関節リウマチは完治が難しいものの、症状の寛解は目指せる!早期発見・治療を行おう 関節リウマチは、現代医学では完治が難しい疾患ですが、適切な治療と生活習慣の見直しによって症状の「寛解」は目指せます。 「リウマチ=一生つらい病気」と決めつけるのではなく、早期に発見し、適切な治療を始めることが何より重要です。 関節の痛みやこわばりなどの初期症状を感じたら、早めに専門医を受診しましょう。 関節リウマチは長く付き合っていく病気ですが、正しい情報と治療に基づき、希望を持って前向きに暮らすことは可能です。 症状の進行を防ぎ、よりよい生活を送りたい方は、ぜひリウマチ専門医に相談し、必要に応じて再生医療も視野に入れてみてください。
2020.05.16 -
- 肩
夜間、眠っているときに生じる肩の強い痛みに悩んでいる方は、石灰沈着性腱板炎を発症しているかもしれません。 石灰沈着性腱板炎とは、肩の筋肉である腱板に石灰が蓄積され、炎症を引き起こし痛みが生じる疾患です。 この記事では、石灰沈着性腱板炎の概要や原因、症状などについて解説します。 石灰沈着性腱板炎の新たな治療法として注目されている再生医療の紹介もしているので、参考にしてください。 また、当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、再生医療の治療法や症例に関する情報を公開しているので、合わせてご覧ください。 石灰沈着性腱板炎(石灰性腱炎)とは 石灰沈着性腱板炎とは、肩の腱板に石灰(カルシウム)が蓄積し、炎症を引き起こすことで強い痛みや肩の可動域制限が起こる疾患です。 腱板は、肩甲骨と上腕骨をつなぐ(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)と呼ばれる4つの筋肉で、肩の動きをサポートし安定させるのが主な役割です。 石灰沈着性腱板炎は突然強い痛みが現れ、夜間に痛みが強くなって睡眠が妨げられることがあります。 また、痛みがあることで肩を動かすことが難しくなり、腕を上げたり物を持つといった日常の動作にも支障をきたします。 放置すると症状が慢性化して長引くこともあるため、早めに整形外科を受診しましょう。 石灰沈着性腱板炎の原因 石灰沈着性腱板炎は、以下の4つが主な原因と考えられています。 肩の継続的な負担 加齢による修復機能の低下 女性ホルモンの低下 カルシウムを中心とした栄養素の不足 石灰沈着性腱板炎による痛みは、腱板に沈着したリン酸カルシウム結晶が炎症を引き起こすことによって生じます。 リン酸カルシウムが腱板に沈着する理由や詳しいメカニズムは、完全に解明されていません。 肩の継続的な負担 石灰沈着性腱板炎の原因の一つに、肩の継続的な負担が挙げられます。 肩に負担がかかる動作は、以下の通りです。 猫背や前傾姿勢などの不良姿勢 建設現場や引越し業者など重量物を持つ 野球やテニスなどの肩を酷使するスポーツ 上記のような肩を酷使する環境が続くと、肩の腱板に微細な損傷が起こりやすくなります。 損傷を修復する際に石灰が沈着して炎症を引き起こすことが石灰沈着性腱板炎の発症につながると考えられています。 加齢による修復機能の低下 石灰沈着性腱板炎の原因の一つとして、加齢による修復機能の低下が考えられます。 特に40~50代の方に多くみられます。 加齢とともに、肩まわりの血流が悪くなったり、組織を修復する機能が低下したりすると、腱板に石灰が沈着しやすくなると考えられています。 石灰沈着性腱板炎は、年齢とともに誰でも発症する可能性があるので、肩に痛みや違和感を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。 女性ホルモンの低下 石灰沈着性腱板炎の原因に、女性ホルモンの一つであるエストロゲンの分泌低下があります。 エストロゲンの主な働きは、以下の通りです。 女性らしい体型をつくる 損傷した筋肉や腱を修復する 腱の柔軟性を保つ 血中のカルシウム濃度を一定に保つ 更年期や閉経によってエストロゲンの分泌量が減少すると、肩の修復機能が低下し、石灰沈着が起こりやすくなると考えられています。 また、エストロゲンとカルシウムの関係も重要です。 骨は古い骨を壊して新しい骨を作る働きがあり、エストロゲンは古い骨を壊す働きを抑え、骨からカルシウムが溶け出すのを防ぎます。 そのため、エストロゲンの分泌が減少すると、体内のカルシウムバランスが崩れ、石灰沈着性腱板炎を発症しやすくなる可能性があります。 日本人女性が閉経する平均年齢は、50.5歳※です。 ※出典:厚生労働省働く女性の心とからだの応援サイト「更年期」 50代以降の女性は、肩の痛みや違和感を感じたら、年齢やホルモンの影響も視野に入れて、早めの対応を心がけましょう。 カルシウムを中心とした栄養素の不足 カルシウムなどの栄養素が不足すると、石灰沈着性腱板炎の発症リスクが高まる可能性があります。 血液中のカルシウムが不足すると、体は骨からカルシウムを溶かして補おうとしますが、何らかのきっかけにより腱板にカルシウムが沈着する場合があると考えられています。 コンビニ食やファーストフード中心の食生活が続いている方は、栄養バランスを意識し、カルシウムを積極的に摂取するのが大切です。 カルシウムを多く含む食品は、以下の通りです。 食品 主な例 乳製品 牛乳、チーズ、ヨーグルトなど 大豆製品 豆腐、納豆など 小魚 ししゃも、さくらえびなど 野菜 小松菜、切り干し大根など ※出典:農林水産省「大切な栄養素カルシウム」 とくに牛乳は、他の食品に比べてカルシウムの吸収率が高く、効率よく摂取できる乳製品です。 また、カルシウムの吸収を助ける働きを持つビタミンDが豊富なイワシやサンマ、しいたけなどの食品も一緒に食べると効果的です。 石灰沈着性腱板炎を予防するにも、カルシウムやビタミンDなどの栄養素を積極的に摂りましょう。 石灰沈着性腱板炎の症状 石灰沈着性腱板炎の症状は、以下の3つのタイプに分けられます。 タイプ 痛みが続く期間 主な症状 急性型 1週間から4週間程度 急に激しく痛む 夜間に痛みが強くなる 関節を動かせない 亜急性型 1カ月から半年程度 急性型のような症状が出たり、症状が治まったりするのを繰り返す 慢性型 6カ月以上 肩を動かすと引っかかるような感じがする 腕を挙げると痛む 後ろに手を回せない 石灰沈着性腱板炎は、急性型・慢性型問わず、日常生活に支障をきたす場合があります。 急性型は、突然強い痛みが生じることが多く、睡眠や仕事、家事がままならないケースも少なくありません。 一方、慢性型では、腕を上げたときの痛みや引っかかるような違和感により、洗髪・衣服の着脱・洗濯など、日常の動作が困難になることもあります。 石灰沈着性腱板炎はどうやって治す?主な治療法 石灰沈着性腱板炎には、以下の3つの治療法があります。 保存療法 手術療法 再生医療 一般的に保存療法が用いられますが、沈着した石灰が時間の経過に伴い、硬く石膏状になった際は手術が検討されます。 また、修復することがほとんどないとされている腱板の回復を促す再生医療についても紹介するので、参考にしてください。 保存療法 石灰沈着性腱板炎の治療法に、保存療法が挙げられます。 保存療法の主な内容は、以下の通りです。 治療方法 内容 安静 アームスリングや三角巾などの固定器具を使って肩を固定する 薬物療法 炎症や痛みを緩和するために、鎮痛剤やステロイド薬などを使用する リハビリ 肩関節の動きを回復させるため、ストレッチや筋肉トレーニングなどを行う 注射療法 痛みの緩和や可動域を改善するために、ステロイドやヒアルロン酸を注射する 吸引療法 石灰がミルク状で強い痛みがある場合、注射針を用いて石灰を吸引する とくに、石灰沈着性腱板炎を発症して1~4週間程度の急性期は、固定器具で肩を安静にして、炎症や痛みを抑えるための薬を服用するのが一般的です。 また、蓄積した石灰がミルク状かつ強い痛みを伴う場合は、吸引療法により注射針で石灰を取り除いて症状の緩和を図ります。 保存療法によって、蓄積した石灰が自然に吸収され、軽快するケースもあります。 手術療法 石灰沈着性腱板炎の石灰を直接取り除く治療法として、手術療法があります。 手術療法は、保存療法による改善がみられない場合や、日常生活に大きな支障をきたしているときに選択される治療法です。 主に用いられるのは関節鏡手術で、肩に小さな傷を作って小さなカメラや専用の手術器具を挿入し、腱板に沈着した石灰を取り除きます。 石灰が除去できた場合、術後1週間ほどで日常生活に復帰可能なケースが多いです。 しかし、石灰沈着性腱板炎は再発する可能性もあるため、手術後も適切なリハビリを行い、肩の状態を継続的にケアしましょう。 石灰沈着性腱板炎の手術については、以下の記事で詳しくまとめていますので、参考にしてください。 再生医療 石灰沈着性腱板炎の新たな治療法として、再生医療が挙げられます。 再生医療とは、患者さま自身の細胞を活用して、損傷した組織の修復を促す治療法です。 治療には点滴や注射などを使用するので入院や手術を必要とせず、身体への負担が少ないことが大きな特徴です。 再生医療について興味がある方は、当院「リペアセルクリニック」へお気軽にご相談ください。 石灰沈着性腱板炎についてよくある質問 石灰沈着性腱板炎についてよくある質問は、以下の2つです。 石灰沈着性腱板炎の激痛はいつまで続く? 石灰沈着性腱板炎の予防法は? 石灰沈着性腱板炎に関する疑問をまとめたので、参考にしてください。 石灰沈着性腱板炎の激痛はいつまで続く? 石灰沈着性腱板炎の激痛は、急性型であれば発症後1~4週間続くのが一般的です。 しかし、症状のタイプによっては1年以上かかる場合があります。 石灰沈着性腱板炎の症状は、次の3タイプに分類されます。 タイプ 症状が続く期間 急性型 突然の強い痛みが1~4週間続く 亜急性型 中等度の症状が1~6カ月続く 慢性型 運動時の痛みや引っかかるような違和感などが6カ月以上続く 石灰沈着性腱板炎は、自然に回復する場合もありますが、放置すると痛みが慢性的になったり、石灰が大きくなり症状が悪化したりする恐れがあります。 肩の激痛が続く場合は、レントゲン検査やCT検査で石灰沈着性腱板炎の診断ができる整形外科を受診しましょう。 石灰沈着性腱板炎の予防法は? 石灰沈着性腱板炎の予防法を、以下にまとめました。 肩の使いすぎを避ける 肩まわりの筋力トレーニングやストレッチをする 栄養バランスの取れた食事を心がける 石灰沈着性腱板炎の予防には、肩まわりの筋力トレーニングやストレッチなどが有効です。 また、バランスの良い食事も石灰沈着性腱板炎の予防に役立ちます。 カルシウム不足は石灰沈着の原因となる可能性があるので、以下の栄養素を積極的に摂取しましょう。 栄養素 主な働き 食品 カルシウム 石灰の沈着を防ぐ チーズ 牛乳 豆腐 ししゃも 切り干し大根 ビタミンD クエン酸 カルシウムの吸収を助ける イワシ サンマ しいたけ きくらげ オメガ3脂肪酸 ビタミンC ビタミンE 炎症を抑える効果が期待できる えごま油 くるみ サバ イワシ 外食やコンビニ食が多い方は、食事内容を見直してみましょう。 石灰沈着性腱板炎が疑われる場合は早期に医療機関を受診しよう 石灰沈着性腱板炎とは、肩の腱板に石灰がたまって炎症を起こし、強い痛みを引き起こす疾患です。 症状はタイプによって異なりますが、突然の激しい痛みや夜間の痛みがある場合は、石灰沈着性腱板炎の可能性があります。 自然に治ることもありますが、放置すると症状が悪化したり、慢性化したりする恐れがあるため、早めに整形外科を受診しましょう。 治療法には、保存療法や手術療法のほか、近年では再生医療も選択肢の一つとして注目されています。 再生医療に関心のある方は、お気軽に当院までご相談ください。
2020.05.15 -
- 幹細胞治療
肝硬変と診断されて「今後どのような合併症が起こるのか」「どのような治療法があるのか」と不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。 肝硬変は肝臓が線維化して硬くなる疾患であり、進行すると様々な合併症を引き起こす可能性があります。 本記事では、肝硬変で起こりやすい合併症とその治療法について詳しく解説します。 元の状態に戻すのが難しいといわれている肝硬変に対しての新たな治療法である再生医療についてもご紹介します。 また、当院の公式LINEでは肝硬変の根本的な治療が期待できる再生医療の症例を公開しているため、ぜひご覧ください。 肝硬変の合併症とは 肝硬変が進行すると、肝機能の低下などにより以下の合併症が現れるリスクがあります。 腹水 肝性脳症 食道静脈瘤 肝腎症候群 肝肺症候群 肺高血圧症 特発性細菌性腹膜炎 肝臓がん 白血球減少症 皮膚のかゆみ これらの合併症は患者さまの生活の質を下げるだけでなく、命に関わる可能性もあるため、早期の発見と適切な治療が重要です。 腹水 腹水は、肝硬変でも多く見られる合併症の一つです。 主に以下の症状があります。 腹部の膨満感(お腹が張って重い・苦しい感覚) 呼吸困難 肝硬変により血中のアルブミンが低下し、肝臓に血液を送る門脈の圧力が高くなるのが原因です。 治療では減塩食(1日7g以下)から始まり、利尿薬の内服、アルブミン点滴投与、腹水濃縮再静注療法(CART)などが行われます。 呼吸困難や腹部膨満感が強い場合は、応急処置として腹水穿刺排液(溜まった腹水を抜く処置)も実施されます。 肝性脳症 肝性脳症は、肝機能低下によりアンモニアなどの毒素が蓄積し、脳機能が低下する状態です。 主に以下の症状があります。 軽度の昼夜逆転症状(体内時計が正しく機能せず生活リズムが崩れる) 羽ばたき振戦(手が羽ばたくように震える症状) 意識消失 治療方法としては、たんぱく質の適量摂取や便秘の改善のための栄養療法、血中のアンモニア濃度をコントロールするための薬物療法が行われます。 食道静脈瘤 食道静脈瘤は、肝臓への血管の圧力が高くなることで食道や胃の静脈が拡張し、瘤(こぶ)状になった状態です。 主に以下の症状があります。 基本的には無症状(内視鏡検査でしか発見できない) 破裂時には吐血や下血がみられ生命に危険が及ぶ 一度破裂すると消化管の中に大出血を起こし、吐血や下血がみられ、命に危険が及ぶこともあります。 内視鏡検査で赤い斑点(Red Color Sign)が見られた場合は破裂の危険が高いため、予防的治療が必要です。 治療法には、内視鏡を用いて静脈瘤を縛る内視鏡的結紮術(けっさつじゅつ)や、薬で固める食道静脈瘤硬化療法があり、患者さまの状態に応じて選択されます。 肝腎症候群 肝腎症候群は、肝硬変により体内の血液量が低下し、腎臓への血流が悪くなって腎機能障害が起こった状態です。 主に以下の症状があります。 尿量の減少 腹水の悪化 血中クレアチニン値の上昇 肝硬変の患者さまが肝腎症候群を診断するには、腎臓が上手く機能しているかの基準となる血中クレアチニンを定期的に検査することが重要です。 肝腎症候群の治療では、血液製剤のアルブミン投与や血圧を上げる薬の使用、重症例では肝移植が検討されます。 肝肺症候群 肝肺症候群は、肝硬変が原因で肺の細い動脈が拡張されることで、血中の酸素濃度が低くなった状態です。 主に以下の症状があります。 座位や立位での息苦しさ(横になると改善する場合がある) ばち指(指が太鼓のばちのように膨れる) 呼吸困難 肝硬変により肺の血管に異常が生じ、肺内の血液量が増えることで血液中の酸素が十分に取り込めなくなります。 特徴的なのは、座ったり立ったりしたときに息苦しさを感じ、横になると改善することです。 治療には主に酸素投与を行いますが、原因となる肝臓の機能を元に戻すことができないため、根本的な治療につながるのは肝移植のみとなります。 肺高血圧症 肺高血圧症は、肝硬変により血液の流れが変化し、肺の血管の圧力が高くなった状態です。 主に以下の症状があります。 息苦しさ 足のむくみ 動悸 失神 治療では、肺の血管を広げる薬(マシテンタンなど)が使用され、症状の改善や進行を遅らせる効果が期待できます。 特発性細菌性腹膜炎 特発性細菌性腹膜炎は、お腹にたまった水(腹水)に細菌が感染した状態で、肝不全への進行が懸念される合併症です。 主に以下の症状があります。 腹部不快感 発熱 腹水の増加 肝硬変の方は感染症にかかりやすく、通常の検査では見つけにくいため、腹水の検査で診断します。 早期発見が重要なため、定期的な検査が必要です。 特発性細菌性腹膜炎と診断された場合は、抗生物質の点滴で治療を行います。 肝臓がん 肝臓がんは、肝硬変の患者さまに高い頻度で発症する重篤な合併症の一つです。 主に以下の症状があります。 初期は無症状 疲労感 体重減少 腹部の違和感 肝硬変と診断された方は、定期的な腹部エコーなどの画像検査で経過観察を行うことが重要です。 血液検査も参考になりますが、最終的な診断には組織を取って調べる生体検査が必要です。 治療法はがんの大きさ・数・肝硬変の程度により決定されます。 早期発見により治療選択肢が広がるため、定期的な検査受診が不可欠です。 白血球減少症 白血球減少症は、肝硬変によって脾臓(ひぞう)が腫れて大きくなり、その中に白血球が捕えられてしまうことで起こる合併症です。 主に以下の症状があります。 発熱 感染症の症状が頻繁に起こる 白血球が減ると感染症にかかりやすくなるため、手洗いやうがい、予防接種などで感染症を防ぐことが重要です。 重度の場合は脾臓の手術が検討されることもあります。 皮膚のかゆみ 皮膚のかゆみは、肝硬変を含む肝疾患で生活の質を大きく低下させる症状の一つです。 主に以下の特徴があります。 皮膚の強いかゆみ 黄疸と併せて現れることが多い 抗ヒスタミン薬が効かない 皮膚のかゆみが起こるのは、肝機能低下による胆汁処理能力の低下が原因です。 症状は肝機能の改善とともに軽減されることがあり、スキンケアや適切な保湿も症状緩和に役立ちます。 また、抗ヒスタミン薬では効果が不十分な場合、ナルフラフィンという薬がかゆみに効くことがあります。 早期発見と適切な治療により症状の悪化を防ぐことができるため、異変を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。 肝硬変の合併症に対する治療法 肝硬変の合併症に対する治療は、それぞれの症状に応じた以下の対症療法が中心です。 食事療法 薬物療法 肝移植 治療法は主にこれらの3つに分けられ、患者さまの状態や合併症の種類に応じて組み合わせて実施されます。 食事療法 食事療法は合併症の種類に応じて食事内容を調整することが必要です。 症状・合併症 食事のポイント 腹水・むくみの場合 塩分制限(5~7g/日)が最も重要で、適度な水分制限も行う 食道静脈瘤の場合 刺激物や硬い食物を避け、よく噛んでゆっくり食べる 肝性脳症の場合 たんぱく質を適度に摂取し、食物繊維を多く摂る 糖尿病合併の場合 一度に大量に食べることを避け、砂糖や果物を控えめにする 肝機能が保たれている場合は一般的な食事で問題ありませんが、肝機能が低下している場合は分割食(1日3~5回)や就寝前軽食(200kcal程度)が推奨されます。 また、分岐鎖アミノ酸(BCAA)製剤による栄養補充も重要です。 薬物療法 薬物療法は各合併症の症状緩和と進行抑制を目的として実施され、患者さまの症状に応じて以下のように適切な薬剤が選択されます。 症状・合併症 食事のポイント 肝性脳症 ラクツロース、分岐鎖アミノ酸製剤、リファマイシン系抗菌薬、亜鉛製剤、カルニチン製剤 腹水 フロセミド、スピロノラクトン、トルバプタンなどの利尿薬 皮膚のかゆみ ナルフラフィン塩酸塩 こむら返り 芍薬甘草湯、カルニチン、BCAA、亜鉛製剤 血小板減少 アバトロンボパグ、ルストロンボパグ 肺高血圧症 マシテンタンなどの肺動脈拡張薬 それぞれの薬剤には副作用もあるため、医師の指導のもとで適切に使用します。 肝移植 肝移植は肝硬変が進行し、他の治療法が効果を示さない場合の最終的な治療選択肢です。 肝移植には生体肝移植と脳死肝移植の2種類があります。 症状・合併症 食事のポイント 生体肝移植 健康なドナー(主に家族)の肝臓の一部を移植する方法で、待機時間が短いメリットがある 脳死肝移植 脳死状態の方からの肝臓提供で、肝臓全体を移植できるが待機時間が長くなる可能性がある 肝移植後は拒絶反応を防ぐため免疫抑制剤の生涯服用が必要です。また、感染症リスクの増加などの副作用もあります。 すべての肝硬変患者さまが移植を受けられるわけではなく、年齢、全身状態、他の臓器の機能などを総合的に評価して適応が判断されます。 手術自体にも全身麻酔による合併症や周囲臓器損傷のリスクが伴うため、慎重な検討が必要です。 肝硬変の合併症の治療法には再生医療も選択肢の一つ 一般的に、肝硬変で線維化した肝臓が元に戻ることは難しいとされています。 しかし、肝硬変および合併症に対して再生医療という新しい治療選択肢があることをご存じでしょうか。 肝臓疾患に対する再生医療では、点滴投与(静脈注射)により多様な細胞に分化する能力を持つ幹細胞を弱った肝臓に届けます。 また、入院を伴う大きな手術を必要としない点滴による治療のため、身体への負担が少ないという利点もあります。 食事を含む生活習慣の改善と合わせて再生医療による治療も検討しましょう。 再生医療について詳細は、以下をご覧ください。 肝硬変の合併症に応じて適切な治療を受けよう 肝硬変の合併症は多岐にわたり、それぞれに応じた適切な治療法があります。 早期発見と早期治療により、症状の悪化を防ぎ生活の質を維持することが可能です。 食事療法では合併症の種類に応じた栄養管理が重要で、薬物療法では症状緩和と進行抑制を目的とした治療が行われます。 重篤な場合は肝移植も選択肢となりますが、すべての患者さまが適応となるわけではありません。 また、肝硬変および合併症に対しては、再生医療という新しい治療法もあります。 肝硬変の合併症でお困りの方は、一人で悩まず医療機関にご相談ください。
2020.05.14 -
- 変形性股関節症
- 股関節
変形性股関節症は、「股関節が痛くて座ったり立ち上がったりするのがつらい」「階段の昇り降りや靴を履くのが大変」などの症状が出現します。 変形性股関節症の症状で日常生活に支障が出ていて、手術をしないで治したいと思う方もいるでしょう。 本記事では、変形性股関節症を手術しないで治す方法について詳しく解説します。 変形性股関節症は病期ごとに治療方法が異なります。症状に合った治療方法を検討し、変形性股関節症の症状緩和を目指しましょう。 変形性股関節症を手術しないで治す方法はある?主な治療方法 変形性股関節症を手術なしで治す方法は、以下の4つです。 変形性股関節症は骨盤と大腿骨(足の骨)との間の軟骨の擦り減りが原因です。擦り減った軟骨は、自然に再生することはありません。 そのため、痛みや症状を緩和する治療が中心となりますが、再生医療では変形性股関節症の症状の緩和や軟骨の再生が可能です。 変形性股関節症の治療法については、以下で詳しく解説しているので参考にしてください。 温熱療法 変形性股関節症の症状を緩和する方法の1つに、温熱療法があります。股関節を温めると血行が良くなり筋肉がほぐれるため、痛みの緩和が期待できます。 しかし、炎症を起こしている場合、温熱療法を実施することで症状の悪化につながる可能性があります。 温熱療法は症状の程度をみながら、やりすぎないように注意して実施しましょう。 運動療法 変形性股関節症の症状を手術なしで緩和する方法に、運動療法があります。 運動を行うことで、関節の位置矯正や筋肉の柔軟性が向上し、症状を緩和できる可能性があります。筋力トレーニングやストレッチなどを無理のない範囲で行いましょう。 運動療法は正しい方法で行わなければ、症状が悪化するリスクもあるため注意が必要です。 薬物療法 変形性股関節症は薬物療法によって、症状の緩和が期待できます。 内服薬や外用薬、座薬などの抗炎症薬は、急性炎症による痛みの緩和が期待できます。 しかし、薬物療法による痛みの緩和はあくまで一時的で、変形性股関節症が治るものではありません。 変形性股関節症のステージや症状によって合う薬も異なるため、医師へ相談し自身に合った治療を受けましょう。 再生医療 再生医療は変形性股関節症の症状緩和と、重症化予防に効果が期待できる治療法です。 再生医療は自身の細胞を使用する治療で、痛みの緩和だけでなく、擦り減った関節軟骨の再生にも効果が見込めます。 手術や入院なしで受けられる再生医療は、仕事で忙しい方でも治療を受けやすいのが特徴です。 変形性股関節症はステージによって治療法が異なる 変形性股関節症は、ステージ(病期)によって治療方法が異なります。変形性股関節症になった際は以下のポイントを押さえて、自身に合った治療方法を検討しましょう。 変形性股関節症が悪化しないように、正しい時期に適切な治療を受けましょう。 初期と進行期は「保存療法」 変形性股関節症の初期と進行期は、保存療法を中心とした治療を行うのが基本です。 初期症状として、動作時に股関節に痛みを感じることが多いです。病期が進行していくにつれて、動作時だけでなく常に痛くなる「持続痛」や夜間の痛み「夜間痛」も出てくる場合があります。 手術を回避して治療を行うためには、保存療法に加えて日常生活の改善も重要です。股関節にできるだけ負担をかけないように、身体の使い方を意識して動きましょう。 軽症のうちに治療を開始すれば、症状の悪化を防ぎ、手術療法が必要となるリスクを軽減できます。 末期・重症化の場合は「手術療法」 変形性股関節症が重症化、または末期になった場合、手術療法による治療を検討します。 手術療法は、保存療法を行っても改善しない場合に選択肢となる治療法の1つです。 手術には主に、骨盤や大腿骨の骨を切って関節面を調整する「骨切り術」と関節を人工関節に入れ替える「人工股関節術」があります。 変形性股関節症を手術しないで治す再生医療とは? 手術なしで変形性股関節症を治療する方法として、再生医療が注目されています。 変形性股関節症の治療法にお悩みの方は、以下のポイントを確認し、再生医療による治療をご検討ください。 変形性股関節症の方は、軽症のうちから治療を開始し、症状の進行を抑えることが大切です。 手術をしないで変形性股関節症の治療ができる再生医療について、詳しく解説します。 再生医療とはどんな治療法? 再生医療は、患者さま自身の幹細胞を採取・培養して股関節に注射し、損傷した関節軟骨の再生を目指す治療法です。 変形性股関節症は、関節軟骨が徐々に擦り減ることで骨同士がぶつかり痛みを感じるため、再生医療により関節軟骨が再生されれば、手術を必要とする状態へ悪化するのを抑えられる可能性があります。 再生医療がおすすめな人 再生医療は、以下の方におすすめな治療法です。 再生医療は手術や入院を必要としない治療法で、忙しい方でも受けやすいのが特徴です。 基礎疾患や年齢の問題により手術を受けられない方でも、再生医療であれば変形性股関節症の治療が受けられる可能性があります。 当院(リペアセルクリニック)の再生医療の特徴 当院(リペアセルクリニック)の再生医療の特徴は、以下の4つです。 一般的に股関節への注射は関節の外側に針を刺しますが、関節内に幹細胞が届きにくいという欠点があります。 当院(リペアセルクリニック)では、特殊な針とエコーやレントゲン装置を使用し、股関節内の損傷部位に直接幹細胞を注入しています。 また、股関節は身体のなかで一番大きな関節であり、関節軟骨の再生には多くの幹細胞が必要です。 独自の培養技術により幹細胞の生存率・活動率が高いため、治療成績が良い特徴があります。 幹細胞を抽出するために採取する脂肪も最低限(米粒2〜3粒程度)なので、身体への負担も少ないです。 再生医療による治療を検討している方は、ぜひ当院(リペアセルクリニック)にご相談ください。 変形性股関節症やってはいけないこと 変形性股関節症でやってはいけないことは、以下のとおりです。 股関節に負担のかかる姿勢は、変形性股関節症の症状を悪化させるため注意が必要です。 変形性股関節症の悪化を防ぐために、ストレッチを中心的に行い、痛みが強いときは休息をとるようにしましょう。 【まとめ】変形性股関節症を手術しないで治すための選択肢「再生医療」 変形性股関節症は初期や進行期の場合は保存療法を中心に治療されますが、重症・末期の症状の場合は手術も検討されます。 また、手術以外の治療法としては、再生医療があります。再生医療は、擦り減った関節軟骨の再生が期待できる治療法です。 治療方法の選択にあたっては、安全性や効果を重視しながら、医師と十分に相談することが大切です。 再生医療を含めた治療方法について詳しく知りたい方は、ぜひ再生医療専門クリニックである当院(リペアセルクリニック)へお問い合わせください。
2020.05.13 -
- 再生治療
「朝、手がこわばって動かしづらい」「関節が腫れて痛い」といった症状から「もしかしてリウマチかも?」と不安になる方もいるでしょう。 関節リウマチは関節に慢性的な炎症が続く自己免疫疾患で、進行すると関節の変形や破壊を引き起こす可能性があります。 実際に日本では、およそ70万〜100万人※の方が関節リウマチに悩まされています。 ※出典:公益社団法人 日本WHO協会 誰でも発症する可能性はありますが、性別・年齢・体質・生活習慣などによって、リウマチになりやすい人の傾向があるのも事実です。 そこで本記事では、リウマチになりやすい人の特徴を詳しく解説します。 リウマチのリスクを減らしたい方、日常生活での予防策を知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。 リウマチになりやすい人の主な特徴 リウマチになりやすい人の主な特徴を、以下の項目に分けて紹介しています。 性別・年齢 30代~50代の女性は男性より4~5倍の発症率 遺伝・家族歴 HLA-DR4遺伝子を持つ・家族に関節リウマチの方がいる 生活習慣 喫煙・肥満・歯周病などがリスクを高める可能性 既往歴 特定の感染症にかかったことがある リウマチは、特定の要因が重なると発症リスクが高まると考えられています。 それぞれ詳しく見ていきましょう。 性別・年齢|30代~50代の女性は男性より4~5倍の発症率 関節リウマチは、30代〜50代の女性に多く見られ、男性の4〜5倍の発症率とされています。※ ※出典:日本リウマチ学会「関節リウマチ(RA)」 直接関係あるわけではないものの、以下のような妊娠・出産といった女性ホルモンの影響が関与している可能性が考えられます。 状況 ホルモン変化 免疫システムへの影響 妊娠初期 ホルモン増加 免疫抑制で自己免疫疾患リスクが一時的に低下 出産直後 ホルモンが急減 免疫が再活性し、リウマチなどの発症リスク上昇 産後・更年期 ホルモンバランスの乱れ・減少 自己免疫疾患リスクが高まる ただし、リウマチは女性に多い疾患ではあるものの、男性にも発症リスクはあるので、性別・年齢を問わず注意が必要です。 遺伝・家族歴|HLA-DR4遺伝子を持つ・家族に関節リウマチの方がいる 関節リウマチの発症には遺伝的な素因が関与するとされており、なかでも以下の「HLA-DR4」という遺伝子を持つ人は、発症リスクが高い傾向にあります。 HLA-DR4の特徴 説明 定義 ヒト白血球型抗原(HLA)システムの一部であり、免疫系の調節に関与する細胞表面受容体。 関連疾患 関節リウマチ(RA)、1型糖尿病、自己免疫性肝炎、Vogt-Koyanagi-Harada病などとの関連がある。 リスク HLA-DR4を持つ個体は、関節リウマチや1型糖尿病の発症リスクが4〜5倍高いとされる。 性別の影響 HLA-DR4は女性に多く見られる傾向があり、とくに自己免疫疾患においては女性の発症率が高い。 免疫応答への影響 HLA-DR4は特定のペプチドを提示し、免疫系の細胞を活性化することで、自己免疫反応を引き起こす可能性がある。 実際にリウマチ患者の約70%※にHLA-DR4の保有が確認されています。 ※出典:厚生労働省「関節リウマチ」 また、家族に関節リウマチの患者がいる場合は、免疫が過剰に反応しやすい体質を遺伝的に受け継いでいる可能性があるため、発症リスクが高まるとされています。 生活習慣|喫煙・肥満・歯周病などがリスクを高める可能性 関節リウマチの発症や進行には、日々の生活習慣が関わっており、以下のような習慣はリスクを高める要因となります。 喫煙 肥満 歯周病 喫煙は発症リスクを高めるだけでなく、免疫システムが異常に活性化され、関節の炎症を引き起こしやすくなるほか、治療効果を低下させる可能性も。 また歯周病もリウマチとの関連が指摘されており、口腔内の炎症が免疫系に影響を与えることで、発症に関わる自己抗体の生成を促す可能性があります。 ※出典:J-Stage「日本内科学会雑誌第103巻第9号 」 既往歴|特定の感染症にかかったことがある リウマチの発症要因として、過去に特定のウイルスや細菌に感染した既往歴が免疫異常を引き起こし、発症に関与する可能性が指摘されています。 なかでも、ヘルペスウイルスの一種であるEBウイルスは免疫系に影響を及ぼし、発症リスクを高める可能性があると報告されています。 ※出典:J-Stage ただし、感染症が直接的なリウマチの原因となるわけではありませんが、慢性的な感染症や免疫システムに影響を与える感染症には注意が必要です。 リウマチの注意すべき初期症状|放置は関節の破壊や変形が進む可能性も 関節リウマチは早期発見と適切な治療が重要になるため、以下のような初期症状があるかチェックしてください。 朝起きた時の手のこわばり 複数の関節の腫れや痛み 症状が左右対称に出る 微熱や倦怠感、食欲不振が続く 朝起きたときに手がこわばる感覚があり、30分以上続く場合はリウマチの典型的な初期症状とされています。 これらの初期症状を見逃して放置してしまうと、関節の炎症が慢性化し、関節の破壊や変形が進んでしまうリスクも。 「なんとなくおかしい」と感じたら自己判断せず、早めに専門医を受診しましょう。 リウマチにかかるリスクを減らすために日常生活で意識したい予防策 関節リウマチは完全に防ぐことが難しい病気ですが、以下のような生活習慣の見直しによって発症リスクを下げられる可能性があります。 禁煙 口腔ケアの徹底 バランスの取れた食事 適度な運動習慣 感染症の予防 ストレスを溜めない これらの習慣は、関節リウマチの発症リスクを下げるだけでなく、免疫バランスの維持や全身の健康管理にもつながります。 「すでに関節に違和感がある」「家族にリウマチの人がいる」といった方は、これらの予防策をできることから実践し、必要に応じて専門医のアドバイスを受けるようにしましょう。 【まとめ】リウマチになりやすい人の特徴を知って、発症しないための予防・対策を行おう! リウマチになりやすい人の特徴は、主に以下の通りです。 性別・年齢 30代~50代の女性は男性より4~5倍の発症率 遺伝・家族歴 HLA-DR4遺伝子を持つ・家族に関節リウマチの方がいる 生活習慣 喫煙・肥満・歯周病などがリスクを高める可能性 既往歴 特定の感染症にかかったことがある リウマチになりやすい人の特徴を理解し、自身のリスクを把握すれば、発症の予防や早期発見につながる可能性があります。 関節の痛みや腫れ・朝のこわばりなどの初期症状に気づいた場合は、早めに医療機関を受診し、専門医の診察を受けてください。 また近年ではPRP療法や幹細胞治療などの再生医療も注目されており、従来の治療で改善が難しい方にとって、新たな可能性として期待されています。 再生医療の特徴については、以下をご参考にしてリウマチに対する不安を解消しましょう。
2020.05.12 -
- 肩
石灰沈着性腱板炎は肩に突然強い痛みが現れ、腕を動かすのもままならなくなることがある疾患で、特に夜間に痛みが強くなり、眠れないほどの激痛に悩まされる方も少なくありません。 こうしたつらい症状に対して、「結局、手術しかないのでは?」「入院となったらどのくらいの期間がかかるの?」といった、不安や疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか? 本記事では、石灰沈着性腱板炎の手術を行った場合の入院期間や術後の生活への影響について解説しています。 このまま薬やリハビリを続けて改善するのだろうか・この辛い痛みから解放されたいという方は、ぜひ参考にして手術も検討してみましょう。 また再生医療のように手術を避けながら改善を目指す治療法も注目を集めています。 手術を避けたい方に向けた治療法である再生医療については、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEからも無料で確認できますので、ぜひご利用ください。 石灰沈着性腱板炎の手術後の入院期間は数日で済むケースが多い 石灰沈着性腱板炎の手術を行った場合の入院期間は、通常、数日程度で済むケースが多いです。 また、手術が成功し石灰がしっかりと除去できた場合では、術後1〜2週間ほどで腕を上げられるようになり、日常動作の回復もスムーズに進む傾向にあります。 その後は、医師の指導を受けながら、ストレッチや可動域を広げるリハビリを自宅で継続的に行っていくのが、術後の一般的な流れとなります。 石灰沈着性腱板炎の特徴については、以下の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。 仕事復帰・日常生活に戻れるまでの期間 仕事復帰・日常生活に戻れるまでの期間の目安としては、以下の治療法によって異なります。 治療法 仕事復帰の目安 薬物療法 数日〜1週間以内 注射療法 数日〜1週間程度 保存療法+リハビリ 2〜4週間程度 関節鏡手術 ・軽作業:術後1〜2週間 ・重作業:1~3ヶ月以上 たとえ痛みが軽減していても、肩の可動域が不十分なまま復帰してしまうと再発や炎症悪化の原因になります。 復帰のタイミングは、自己判断せず、担当医やリハビリの進行状況をもとに判断しましょう。 石灰沈着性腱板炎の治療法 石灰沈着性腱板炎の治療法としては、以下の方法があります。 保存療法 手術療法 再生医療 自身のライフスタイルや症状に合う治療法を把握するためにも、ぜひ参考にしてください。 保存療法 石灰沈着性腱板炎では、多くの場合、まず以下の保存療法(手術を伴わない治療)から開始されます。 方法 内容と目的 安静・患部の固定 アームスリングや三角巾で肩を固定し、炎症部位の負担を軽減 薬物療法 痛みや炎症を抑えるためにNSAIDs(ロキソニン・ボルタレンなど)や湿布などを使用 注射療法 強い痛みに対して、局所麻酔薬やステロイド注射で即効性のある緩和を図る 理学療法(リハビリ) 可動域を維持・改善するためのストレッチや軽い運動療法。痛みが軽減してから段階的に実施 吸引療法 石灰がミルク状の段階で強い痛みを伴う場合、注射器で石灰を吸引し除去 改善までの期間は個人差がありますが、数週間〜数カ月をかけて徐々に痛みや動作制限が改善されることが多く、特にミルク状の石灰が自然吸収されることで症状が緩和することもあります。 多くの患者さんでは、保存療法だけで症状が軽快し、手術を回避できるケースが一般的です。 ストレッチを取り入れた運動療法による症状の改善方法については、以下の記事で詳しくご紹介していますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。 手術療法 石灰沈着性腱板炎では、保存療法で改善が見られない場合や、石灰が大きく硬化している場合に手術療法が検討されます。 また、日常生活に支障をきたす強い痛みが長期間続いている場合や夜間の睡眠がとれないほどのケースでは、早期に手術を選択することが勧められることもあります。 石灰沈着性腱板炎の手術では、関節鏡(内視鏡)を使用した低侵襲な手術方法が一般的です。 関節鏡とは、直径5ミリ程度の細い棒状のCCDカメラで、皮膚にごく小さな切開を入れるだけで肩関節の中に挿入でき、関節内の状態を高精度でモニタリングすることができます。 関節鏡で石灰の位置と周囲の組織の状態を確認したうえで、専用の器具を用いて腱板に沈着した石灰を丁寧に除去します。 石灰を取り除いた部位には一時的な小さな空洞(穴)が残りますが、ほとんどの場合は自然に修復されるため、縫合などの追加処置を必要としません。 このように、関節鏡手術は傷口が小さく体への負担も少ないため、術後の回復も比較的早く、早期の社会復帰が期待できます。 再生医療 石灰沈着性腱板炎の治療法として、近年注目されているのが「再生医療」です。 患者さまご自身の細胞(主に幹細胞など)を活用して、損傷した腱や組織の自然な修復を促進する治療法であり、手術のような切開をせずに治療を行えます。 手術不要・入院不要:点滴や注射による治療が主で、日常生活への支障が少ない 身体への負担が少ない:高齢の方や既往歴のある方でも適応しやすい 手術には抵抗がある方・忙しくて入院や手術が難しい方・保存療法で改善がみられない方という方は、ご検討ください。 治療内容や症例に関しては、当院(リペアセルクリニック)の、公式LINEでもご確認できますので、興味のある方はぜひご覧ください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ 石灰沈着性腱板炎の手術で入院する期間がない方は再生医療も一つの選択肢に 石灰沈着性腱板炎の治療では、症状や経過によって手術が検討されるケースもあり、手術というと肉体的にも精神的にも大きな負担がかかるイメージを持つ人も多いと思います。 しかし、実際には関節鏡を用いた手術が主流であり、入院期間も数日程度と短く、身体的・精神的な負担も比較的少ないとされています。 また、早期治療をおこなえば手術を受けずに軽快することも可能なので、我慢せずに早めに医療機関を受診することをおすすめします。 ただ、仕事や家庭の事情でどうしても入院が難しい方や、できる限り手術を避けたい方には、再生医療という選択肢もあります。 手術に不安がある方や、再生医療について詳しく知りたい方は、以下から当院(リペアセルクリニック)へお気軽にご相談ください。
2020.05.11 -
- 幹細胞治療
肝臓の病気は初期には自覚症状が現れにくいものが多いですが、中には女性に多く見られるタイプも存在します。 「自己免疫性肝炎」はその代表的な疾患の一つで、早期発見と適切な対応が大切です。 本記事では、女性に多い「自己免疫性肝炎」の症状やセルフチェックリストについて解説します。 また、進行するとどのようなサインが現れるのか、そして女性が発症しやすいとされる原因や主な治療法について解説しているので、ぜひ参考にしてください。 また、当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、肝臓疾患に対する再生医療の治療法や症例を限定公開しています。 再生医療の治療ガイドブックを無料でプレゼントしているので、将来的な肝臓疾患の不安がある方は、ぜひお受け取りください。 肝臓の病気で女性特有の症状とは|自己免疫性肝炎 自己免疫性肝炎は、自己免疫の異常により本来守るべき肝臓を免疫システムが誤って攻撃してしまうことで慢性的な肝炎を起こす疾患です。 男性に比べ女性に多く発症することが知られており、50〜60代以降の女性に好発するのが特徴です。 本章では、自己免疫性肝炎の症状の現れ方について解説していきます。 初期段階では自覚症状がほぼない 悪化すると腹部の張りや下肢のむくみが起きる 「自分は大丈夫かな?」と少しでも気になる方は、ぜひ読み進めてみてください。 初期段階では自覚症状がほぼない 自己免疫性肝炎の初期段階では、自覚症状がほとんど現れずに静かに進行する病気です。 初期段階の特徴 初期段階は自覚できる症状が乏しい 健康診断の血液検査で発見が多い 肝機能異常(AST・ ALT)が手がかり 初期段階の自覚症状が乏しいため、定期的に健康診断や肝機能検査を受けることが重要です。 健康診断で肝障害を指摘された場合は放置せず、専門医を受診することが勧められており、適切な診断と治療により肝硬変や肝不全への進行を防ぐことができます。 また、以下の記事では肝機能の数値が高いときの症状について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。 悪化すると腹部の張りや下肢のむくみが起きる 自己免疫性肝炎は初期に症状が出にくいため、何らかの自覚症状が現れたときには、病状がある程度進行してしまっていることも少なくありません。 病状が進み肝硬変に至ると、腹水のためお腹が張る(腹部膨満)症状や、血液中の水分が滞留して足にむくみが生じるといった症状が現れます。 自覚症状が出る頃には肝臓の障害がかなり進行していることが多いため、早期の段階で疾患をコントロールすることが重要です。 以下の記事では肝硬変の治療法について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。 女性必見!肝臓の病気の症状セルフチェックリスト 肝臓は「沈黙の臓器」ともいわれ、不調があってもなかなか自覚症状として現れにくいことがあります。 しかし、日々のちょっとした体調の変化が、実は肝臓不調のサインである可能性も否定できません。 ここでは、ご自身で「もしかして肝臓の調子が悪いのかな?」と感じたときに、チェックしていただきたいポイントをご紹介します。 チェック項目 具体的な症状・観察ポイント 全身の倦怠感 ・原因不明のだるさ、疲れやすさ ・朝起きても疲れが取れない 黄疸(おうだん) ・皮膚や白目が黄色っぽくなる 皮膚のかゆみ ・はっきりした原因がないのにかゆみが続く 吐き気・食欲不振 ・吐き気や食欲の低下が続く ・急性肝炎では発熱・だるさに伴うことも むくみ ・下肢にむくみが出る ・靴下の跡がなかなか消えない ・靴がきつい 尿の色の変化 ・尿の色が普段より濃く、茶色っぽく変化する(褐色尿) 上記は、あくまで目安ではありますが、肝臓疾患の早期発見の手がかりになることもありますので、ぜひ参考にしてみてください。 肝臓の病気(自己免疫性肝炎)を女性が発症しやすい原因 自己免疫性肝炎がなぜ女性に多いのか、そのはっきりとした理由はまだわかっていません。 しかし、男性に比べて女性の割合が多く、特に中年以降に発症しやすいことから、女性ホルモンや遺伝的な背景が発症に関与していると推測されています。 そのため、女性ホルモンの一つであるエストロゲンの分泌量が免疫の働きに何らかの影響を与えている可能性が指摘されています。 女性に多い肝臓の病気(自己免疫性肝炎)に対する治療法 自己免疫性肝炎の治療は、肝臓への攻撃を抑えるために免疫の働きを調整する「副腎皮質ステロイド」というお薬の内服が基本となります。 主な治療法は以下の通りです。 治療の種類 主な薬剤・方法 基本治療 副腎皮質ステロイド(プレドニゾロン等)内服 追加・併用治療 免疫抑制剤(アザチオプリン等)内服 ウルソデオキシコール酸の内服 進行した場合 肝移植 再生医療(幹細胞治療) 副腎皮質ステロイドの効果のあらわれ方、副作用に応じて他の免疫抑制剤を併用することもあります。 また、肝硬変に進行した場合には、肝移植や再生医療も選択肢として挙げられます。 近年では、患者さまご自身の細胞を利用して、傷んだ肝臓組織の再生を促し、肝機能の回復を目指す「再生医療」の研究開発が進められています。 従来の治療では治らないとされている肝硬変の改善が期待できる選択肢として注目されている治療法なので、再生医療について知識を深めておきましょう。 いずれにしても早期に適切な診断を受け、医師とよく相談しながら治療計画を立て、根気強く治療を続けることが大切です。 以下の記事では、肝硬変の治療として注目されている再生医療について詳しく解説しています。 肝臓の病気で女性特有の症状についてよくある質問 ここでは、肝臓の病気で女性特有の症状についてよくある質問とその回答をまとめました。 肝臓がやばいサインは? 女性によくある肝臓病の症状は? 若い女性でも肝臓病になる? 自己免疫肝炎の注意点は? 「もしかして肝臓疾患かも?」と感じるサインや、日頃から気をつけておきたいことなど、ぜひ参考にしてください。 肝臓がやばいサインは? 肝臓からのSOSサインには、皮膚や白目が黄色くなる黄疸、原因不明のだるさ・むくみ・皮膚のかゆみなどがあります。 このような症状に気づいたら、自己判断せずに早めに医療機関を受診することが大切です。 女性によくある肝臓病の症状は? 女性はホルモンの影響で肝機能が変動しやすく、妊娠中・更年期には肝機能障害のリスクが高まる場合があります。 例えば、はっきりとした原因がないのに皮膚にかゆみが続く、夕方になると足がむくむ、あるいは月経不順といった症状が肝機能の低下と関連している場合があります。 いつもと違う体調の変化には注意し、異変を感じる場合や違和感が強い場合は医療機関を受診しましょう。 若い女性でも肝臓病になる? 若い女性でも肝臓病になる可能性があります。 例えば、「自己免疫性肝炎」は中年以降の女性に多いとされていますが、若い世代の女性やまれに小児でも発症することが報告されています。 「B型肝炎ウイルス」は、近年、性的接触による感染が若年層で増加していることが指摘されており、急性肝炎や慢性肝炎の原因となります。 年齢が若いからといって油断せず、気になる症状があれば早めに医療機関を受診することが大切です。 自己免疫肝炎の注意点は? 自己免疫性肝炎は女性に多い病気ですが、初期症状に気づきにくい点に注意が必要です。 気づかないうちに病気が進行し、倦怠感や黄疸などの症状が現れたときには、すでに肝臓の炎症が進んでしまっているケースも少なくありません。 治療を受けずに放置してしまうと、慢性的な炎症によって肝臓が硬くなる「肝硬変」や、肝臓の機能が著しく低下する「肝不全」になる可能性があります。 これらかの肝臓疾患は命に関わる深刻な状態に進行してしまうケースもあるため注意が必要です。 そのため、定期的な健康診断や血液検査を受け、肝機能の異常を早期に発見し、適切な治療を受けることが大切です。 肝臓の病気(自己免疫性肝炎)が不安な女性は早めに医療機関を受診しよう 女性に多く見られる肝臓の病気である「自己免疫性肝炎」は、症状が初期段階では自覚しにくく、進行するとお腹の張りや足のむくみといったサインが現れます。 肝臓は私たちの体にとって重要な臓器ですが「沈黙の臓器」と呼ばれるほど、不調が表面化しにくいという側面があります。 本記事のセルフチェックリストで何か気になる点があったり、あるいは健康診断などで肝機能の異常を指摘されたりした場合は注意が必要です。 決して「大丈夫だろう」と自己判断せず、できるだけ早く専門の医療機関を受診しましょう。。 早期に発見し、適切な治療を開始することが病気の進行を食い止め、健やかな毎日を守るための一歩となります。 不安なことは抱え込まず専門医に相談し、一緒に対処法を見つけていきましょう。
2020.05.10 -
- 免疫細胞療法
「免疫」という言葉は日常的によく耳にしますが、その仕組みや働きについて詳しくは理解していない、という方も多いのではないでしょうか。 健康な日常を送れているときは、免疫システムについて意識することは少ないものです。 しかし、この目に見えない防御機構は24時間365日、私たちの体を様々な病原体から守り続けています。 この記事では、免疫システムの基本的な仕組みや、免疫力が低下したときの症状、そして免疫力を高める方法までをわかりやすく解説します。 さらに、免疫機能をサポートする先進的な選択肢として、再生医療による免疫細胞療法についてもご紹介します。 免疫の仕組み|どんな働きをしているの? 免疫とは、人の体を細菌やウイルスなどの外敵から守る防御システムのことです。 このシステムは「自己」と「非自己」を区別し、非自己と判断した異物(抗原)に対して防御反応を起こします。 体が抗原を検知すると、免疫グロブリンというタンパク質(抗体)を作り出し、抗原の活動を阻害します。 免疫システムの主な働きは次の通りです。 病原体の侵入防止と排除 がん細胞の監視と排除 老廃物の処理 過去に遭遇した病原体を記憶する機能 これらの機能がバランスよく働くことで健康が維持され、免疫システムは単なる防御機構だけでなく、体内環境を整える清掃員としての役割も担っています。 免疫システムは大きく2つに分類される 人の体には、日々侵入してくる細菌やウイルスなどの病原体から身を守るための防御システムが備わっています。 この防御システムを「免疫」と呼び、次の2つの仕組みで構成されています。 自然免疫 獲得免疫 これらは連携しながら健康を守る防御壁として機能しています。 外敵が侵入すると、まず自然免疫が即座に対応し、それでも撃退できない場合には獲得免疫が出動するという2段構えの防御体制となっています。 以下では、自然免疫と獲得免疫についてそれぞれ詳しく解説します。 自然免疫 自然免疫は、生まれつき備わっている免疫システムです。 皮膚や粘膜などの物理的バリアを突破して体内に侵入した病原体に対して、免疫細胞がすぐさま反応して攻撃・排除します。 自然免疫の中心的役割を担うのは、白血球の一種であるマクロファージや好中球などの病原菌を食べる貪食細胞です。 これらの細胞は体内をパトロールし、侵入した異物を見つけると素早く取り囲んで「食べる」ように分解します。 自然免疫の特徴は、異物の種類を特定せず、非自己と判断したものには何でも即座に攻撃することです。 ただし、攻撃の強さや特異性には限界があり、自然免疫で排除しきれなかった場合は獲得免疫が働きます。 獲得免疫 獲得免疫は、自然免疫で排除できなかった病原体に対して働く、より高度な防御システムです。 獲得免疫の大きな特徴は、一度出会った病原体を記憶する能力を持っていることです。 この「免疫記憶」により、同じ病原体に再び感染した場合には、より迅速かつ強力に対応することができます。 獲得免疫の中心的な役割を担うのはリンパ球と呼ばれる白血球の一種で、B細胞とT細胞に分類されます。 B細胞は特定の抗原(異物)に対して抗体を産生します。この抗体は鍵と鍵穴のように特定の抗原だけに結合し、病原体を撃退する働きがあります。 一方、T細胞には主にヘルパーT細胞とキラーT細胞があり、ヘルパーT細胞は他の免疫細胞に指令を出し、キラーT細胞はウイルスに感染した細胞やがん細胞を直接攻撃します。 さまざまな病気のワクチンは、この獲得免疫の仕組みを利用して作られています。 免疫力が低下するとどういう状態になる? 免疫力が低下すると、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなり、一度かかると症状が長引く傾向があります。 具体的な症状としては、次のようなものがあります。 疲れやすさや倦怠感が持続する 口内炎や皮膚トラブルが増加する 傷の治りが遅くなる 帯状疱疹が発症しやすくなる など さらに、免疫システムはがん細胞の監視・排除も担っているため、免疫力低下はがんリスクの上昇にもつながる可能性があります。 健康維持のためには、免疫力を適切に保つことが非常に重要です。 免疫力を高める方法 免疫力を高める方法として、次の2つを紹介します。 生活習慣の改善 適切な体温の維持 日々の生活習慣の見直しと体温管理で免疫力を高め、健康な毎日を手に入れましょう。 生活習慣を改善する 免疫力向上の基本となるのが生活習慣の改善です。 まず重要なのは栄養バランスの取れた食事で、特に腸内環境を整えるヨーグルトなどの発酵食品や食物繊維を含む野菜・キノコ類を積極的に摂取しましょう。 免疫に関係する細胞の半分以上が消化管にあるため、腸内環境の改善は免疫力アップに直結します。 また、免疫力低下を防ぐために質の良い睡眠の確保も不可欠です。 入眠してから2〜3時間経過すると、細胞の修復や体の疲労を回復させる働きがある成長ホルモンが分泌されます。 睡眠時間が確保できないと免疫力の低下につながるため、寝る前にリラックスできる環境を整えて8時間以上の睡眠を心がけましょう。 さらに、過度なストレスは免疫細胞の働きを低下させるため、自分なりのストレス発散方法を知っておくことも重要な要素です。 適切な体温を維持する 免疫細胞が最も活発に働く体温は36.5~37.1℃といわれています。体温の低下は、免疫力低下の一因です。 体温が1℃下がると免疫力は約30%低下するともいわれており、適切な体温維持は免疫力向上の鍵となります。 体温を維持するためには、冷たい飲食物の摂りすぎに注意し、適度な運動で筋肉を動かして熱産生を促進することが効果的です。 また、半身浴やぬるめの入浴で体の芯から温めるのも良いでしょう。 体を温めることで血液循環が促進され、免疫細胞が体内をスムーズに巡り、効率的に働くことができます。 免疫力を高めるには再生医療による免疫細胞療法も選択肢の一つ 免疫力を高めたい方は、当院リペアセルクリニックで提供している再生医療の「免疫細胞療法」をご検討ください。 免疫細胞療法では、免疫細胞の機能向上を目指し、健康な体作りをサポートします。 風邪や皮膚トラブル、歯周病などでお悩みの方は、免疫力が低下している可能性が高いので、ぜひ当院へお問い合わせください。 以下のページでは、免疫細胞療法について詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。 【まとめ】免疫の仕組みはウイルスや細菌から身体を守る重要な防御システム 人の体には、病原体から身を守る「免疫」という防御システムが備わっており、「自然免疫」と「獲得免疫」の2つの仕組みで構成されています。 免疫力が低下すると、感染症にかかりやすくなり、疲労感や皮膚トラブルが増え、がんリスクも高まる可能性があります。 免疫力を高めるには、発酵食品や食物繊維を含む食事の摂取、質の良い睡眠確保、適度な運動などの生活習慣改善が重要です。 免疫力を高めるには、生活習慣の見直しの他にも「免疫細胞療法」という方法もあります。 免疫細胞療法を受けてみたい、詳しく知りたいとお考えの方は、当院「リペアセルクリニック」へお気軽にご相談ください。
2020.05.09 -
- 肩
肩の石灰化(石灰沈着性腱板炎)は日常生活に大きな支障をきたすことがありますが、適切な対処を行えば多くの場合、改善が期待できるようになりました。 しかし、治療期間や正しい対処法について不安をお持ちの方も少なくないでしょう。 本記事では、肩が石灰化したらどれくらいで治るのか、早く治すためにやってはいけないことを解説します。 肩の石灰化による痛みでお悩みの方は、ぜひこの記事を参考にしてください。 また、当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、肩の石灰化に対する治療の選択肢として注目されている再生医療に関する情報を公開しています。 「肩の石灰化を早く治したい」「手術は避けたい」という方は、ぜひご参考ください。 肩が石灰化したらどのくらいで治る? 石灰沈着性腱板炎(肩の石灰化)は、多くの場合、保存療法で数週間〜数ヶ月ほどで痛みが改善します。 治療期間の目安とそれぞれの期間の状況は、以下の通りです。 期間の目安 状況・割合など 数週間~数ヶ月 適切な保存療法(安静、薬物療法など)で痛みが和らぐことが多い 3ヶ月以内 約半数の患者さまで症状が軽快すると報告されている 1年以上痛みが残る 約3割の患者さまで見られることがある また、一度痛みが治まっても肩の腱板に残った石灰が原因で、再び強い痛みが起こることもあります。 時間の経過とともに少しずつ症状は軽快していく傾向にありますが、痛みがなかなか改善しないときは医療機関を受診しましょう。 日常生活に大きな支障が出ているときは、自己判断せずに医師とよく相談し、根気強く適切な治療を続けていくことが大切です。 肩の石灰化を早く治すためにやってはいけないこと 肩の石灰化による痛みを早く和らげ、症状を悪化させないためには、炎症を助長したり肩関節に余計な負担をかけたりする行動を避けることが重要です。 早く治すためにやってはいけないこと 痛みを我慢して無理に肩を動かすこと 痛む部分への自己流の強いマッサージや鍼(はり)刺激 痛い方の肩で重い物を持つ 痛みがある肩側を下にして寝るなどの動作 適切な治療を受けずに放置すること 肩に強い痛みや違和感が続く場合は、できるだけ早く整形外科を受診しましょう。 痛みを和らげるために自己流のマッサージや、痛み止めや湿布の自己判断による使用も避けた方が良いです。 市販のお薬にも副作用のリスクはあり、根本的な解決にはなりません。 肩の石灰化を早く治すためにも、医師や薬剤師に相談しながら、適切な治療を受けることが重要です。 肩の石灰化はストレッチやマッサージで治せる? ストレッチやマッサージで肩の腱板に沈着した石灰そのものを取り除いたり、溶かしたりすることはできません。 しかし、肩関節の柔軟性を保ち、痛みを和らげるためにはストレッチが有効な場合があります。 自宅でもできる肩の石灰化による痛みに効果的なストレッチは、以下の通りです。 ①前かがみになる ②痛い方の腕を真下にリラックスして垂らす ③腕の重みを利用し、ゆっくりと前後・左右・小さな円を描くように揺らす 大切なのは決して無理をせず、痛みを感じたらすぐに中止することです。 マッサージについても同様で、石灰そのものを消す効果はありませんが、肩周りの筋肉の緊張を優しくほぐし、血行を促進することで痛みを和らげる効果が期待できます。 ただし、急性期の痛みが強いときに無理にストレッチやマッサージを行うと逆効果になることがあるため注意が必要です。 以下の記事では、肩の石灰化に有効なストレッチを詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。 肩の石灰化に対する治療法 肩の石灰化の治療では、まず手術をしない「保存療法」から始めるのが一般的です。 多くの場合、保存療法で症状は改善に向かいますが、それでも痛みが取れない場合には「手術療法」が検討されることもあります。 保存療法 手術療法 それぞれの治療法について、詳しく見ていきましょう。 保存療法 肩の石灰化の治療では、まず手術以外の方法で症状を和らげる「保存療法」が選択されます。 60~80%の患者さまは保存療法だけで症状が改善するといわれています。 保存療法の種類 主な内容・目的 薬物療法 痛み止め(NSAIDs等)内服で炎症と痛みを抑える 理学療法 ・急性期:安静・固定・冷却 ・亜急性期以降:温熱療法、運動療法(ストレッチ等)で拘縮予防、機能改善 ステロイド局所注射 患部に直接注射することで炎症を抑え、激痛を速やかに和らげるのに有効 ほとんどの場合、このような保存療法の組み合わせで症状は軽快し、日常生活に支障がない程度まで回復するケースが多いです。 手術療法 保存療法を行っても肩の石灰化による痛みが改善しない場合や、石灰の沈着が大きく日常生活への支障が著しい場合には、「手術療法」が検討されます。 関節鏡と細い手術器具を挿入し、モニターで内部の様子を確認しながら、腱板に沈着した石灰を丁寧に取り除いていきます。 この方法のメリットは、筋肉など周囲の組織へのダメージが少なく、術後の痛みが比較的軽く、回復も早い点です。 もちろん、手術には全身麻酔に伴うリスクや、感染症の可能性もゼロではありません。 そのため、手術を行うかどうかは、患者さまの症状の程度や生活への影響などを総合的に考慮し、医師と患者さまが十分に話し合って慎重に決定されます。 肩が石灰化したら予防策と生活習慣を見直すことが重要 肩の石灰化は一度症状が良くなっても、再発することがあります。 そのため、治療を受けて痛みが和らいだ後も、肩に余計な負担をかけないような予防策を講じたり、生活習慣を見直したりすることが大切です。 ここでは、肩の健康を保ち、石灰化の再発リスクを減らすために、日常生活で意識したいポイントをご紹介します。 見直すポイント 内容 肩への負担軽減 ・長時間重い物を持たない ・無理な姿勢での作業を避ける ・スポーツや作業時は適度な休息を挟む ・痛みを感じる動作は控える 姿勢の改善 ・猫背や巻き肩を避け、背筋を伸ばした良い姿勢を意識する ・デスクワーク中はこまめに体を動かし、同じ姿勢を続けない 適度な運動・ストレッチ ・肩周りの柔軟性や筋力を保つ ・ラジオ体操、軽いストレッチ、ヨガなどで肩甲骨や肩関節を動かす 栄養バランスの改善 バランスの良い食事を基本とし、抗炎症作用のある栄養素(オメガ3脂肪酸、ビタミンC・Eなど)も意識して摂取する。 肩周りを温める習慣 ・肩を冷やさないように注意し、血行を促進する ・入浴で肩まで温まる、蒸しタオルなどで筋肉の緊張をほぐす。 上記のポイントを参考に、ご自身の生活習慣を見直し、肩を大切にいたわってあげることが、石灰化の予防と健やかな肩を保つためのポイントとなります。 肩が石灰化したときの治療期間に関するよくある質問 ここでは、肩が石灰化したときの治療期間についての質問に回答していきます。 肩の石灰化を早く治す方法はある? 肩の石灰化を放置するとどうなる? 肩の石灰化になりやすい人は? 肩の石灰化になりやすい食べ物は? 日常生活で気を付けるべきポイントなどをみていきましょう。 肩の石灰化を早く治す方法はある? 肩の石灰化を早く治すには、痛みを我慢せずにできるだけ早く整形外科を受診し、ご自身の状態に合った適切な治療を早期に開始することが重要です。 一般的な治療としては、まず炎症を抑える飲み薬などで様子を見ることが多く、順調にいけば1〜2週間程度で痛みが和らいでくることもあります。 もし痛みが非常に強く、日常生活にも支障が出ているような場合には、ステロイド注射を行うことで痛みを緩和させることも可能です。 肩の石灰化を放置するとどうなる? 肩の石灰化は、自然に痛みが和らいでいくことも多いため、放置したからといって必ずしも深刻な事態に発展するわけではありません。 しかし、自己判断で放置してしまうといくつかのリスクもあるため、注意が必要です。 硬く大きくなった石灰は、肩を動かすたびに周囲の組織とぶつかり、繰り返し炎症を起こして、痛みが長引く原因となることがあります。 また、痛みのために肩を動かさない期間が長引くと関節が固まってしまい、動きの範囲が狭くなる「拘縮(こうしゅく)」という後遺症が出てしまうこともあります。 肩の石灰化になりやすい人は? 肩の石灰化になりやすい人の特徴は、以下の通りです。 年齢:40〜60歳代 性別: 女性に多い 基礎疾患: 1型糖尿病・甲状腺機能の異常・腎結石症など 一方で、肩をたくさん使う仕事やスポーツをしているからといって、必ずしも石灰化しやすくなるわけではないと考えられています。 肩の酷使が直接的な原因となるというよりは、加齢に伴う腱の変性などが背景にあると推測されています。 肩の石灰化になりやすい食べ物は? 特定の食べ物を摂取することが肩の石灰化の直接的な原因になるという明確な医学的根拠はありません。 肩の石灰化は、原因自体がまだ完全には解明されていないため「これを食べると石灰化する」といったものもなければ、「これを食べれば予防できる」という確実な食事法もわかっていないのが現状です。 そのため、肩の石灰化を心配して特定の食品を極端に避けたり、特別な食事制限を行ったりする必要はないといえるでしょう。 肩が石灰化したら早期治療と予防策を実践しよう 肩の石灰化によるつらい痛みは、適切な知識を持ち、早期に対処することで改善が期待できます。 痛みを我慢したり自己判断で放置したりすることは、症状を長引かせたり、悪化させたりする可能性があります。 この記事を参考に、専門医による正確な診断とご自身の状態に合った適切な治療を受けることが重要です。 そして、治療と並行してご紹介した予防策や生活習慣の見直しを根気強く実践することで、より早い回復と再発防止につながるでしょう。
2020.05.08 -
- 腱板損傷
肩のインナーマッスルを構成する「腱板(けんばん)」が部分的、あるいは完全に断裂することで起こる腱板損傷。 特に40代以降に多く見られ、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。 そんな腱板損傷に対して「これって本当に治るの?」「手術しないとダメ?」と、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。 本記事では、腱板損傷が治る可能性や具体的な症状・原因について詳しく解説します。 「放っておいても大丈夫?」と迷っている方も、正しい知識を持つことで、より良い治療選択につながります。 まずはご自身の状態を知るヒントとして、ぜひ参考にしてください。 【結論】腱板損傷が治るかは損傷の程度次第!完全・広範囲の断裂は自然治癒が難しい 腱板損傷が治るかは、以下の損傷の程度によって異なります。 自然治癒が期待できるケース(軽度な損傷) ・部分断裂や炎症のみの場合 ・早期に発見され、保存療法を開始した場合 ・リハビリや鎮痛薬で肩の動きを維持しながら回復が見込める 自然治癒が難しいケース(重度な損傷) ・完全断裂や広範囲の断裂がある ・損傷を長期間放置してしまった ・筋肉が萎縮・脂肪化してしまっている ・肩を動かすと常に激しい痛みがある 腱板損傷は、肩の運動に重要な役割を果たす腱板(けんばん)が、部分的または完全に切れてしまう状態です。 軽度の部分断裂であれば、保存療法(リハビリ・薬物療法)により改善が期待できるケースもあります。 しかし完全断裂や広範囲の損傷となると、腱の自然な再生が難しくなるため、手術が必要になるケースが多いです。 腱板損傷は放置せず、肩の痛みや可動域の制限が続く場合は、早期に専門医の診察を受けることが重要です。 腱板損傷の症状と原因 腱板損傷でよく見られる代表的な症状と、その主な原因について以下で詳しく解説していきます。 症状 原因 腱板損傷は、肩の運動に深く関わる重要な筋肉と腱が傷つくことで、痛みや可動域の制限など、さまざまな不調を引き起こします。 放置すると日常動作にも支障が出るため、早期発見・対応が重要になりますので、ぜひ参考にしてください。 症状 「肩の痛み」や「肩の動かしにくさ」が腱板損傷の主な症状です。 特に以下のような動作の際に痛みが生じるのが特徴です。 腕を上げる 下ろす ひねる 初期には夜間痛(夜寝ているときの痛み)から始まり、やがて日中の動作にも影響が出るようになります。 主に動作で痛みや制限を感じることが多いのは、以下のような場合です。 洋服を着る・脱ぐとき 入浴時に頭を洗うなどの頭より上の動作が困難になる 肩を動かすときに「引っかかる」感覚がある 力が入らず物を持ち上げられない 横向きに寝ると痛い 痛みが慢性化してくると、筋力低下や肩の可動域制限が進み、四十肩・五十肩と診断されることがあります。 特に高齢者では自覚症状が軽くても損傷が進んでいるケースがあるため、軽い痛みでも医師の診察を受けることが重要です。 原因 腱板損傷の原因は大きく分けて、以下の2つに分類されます。 加齢による変性 外傷(ケガ) 腱や筋肉が年齢とともに弱くなっていく自然な過程で起こります。 40代以降では腱板に小さな亀裂が入りやすくなり、繰り返しの使用によって徐々に損傷が広がることがあるためです。 たとえば、重いものを持ち上げる作業を繰り返したり、ゴルフ・テニスや水泳など肩を酷使するスポーツを続けている人に多く見られます。 また転倒して手や肩を強く打ったり、無理な力が肩に加わった場合などに起こります。 とくに高所からの落下や交通事故などの衝撃で、腱が急激に断裂する「完全断裂」も少なくありません。 また、肩の構造的な異常(肩峰の形状や狭小な肩関節空間)により、腱板が骨が擦れやすくなる「インピンジメント症候群」も損傷の要因となる可能性があります。 いずれにしても、原因を正確に突き止めることが適切な治療の第一歩です。 腱板損傷の予後と回復までにかかる期間 腱板損傷はその程度や治療方法によって、予後や回復までにかかる期間が異なります。 軽度の損傷の場合 数週間〜数ヶ月 完全断裂や広範囲の損傷の場合 数ヶ月~1年 軽度の損傷の場合は、保存療法を中心としたリハビリテーションで数週間〜数ヶ月のうちに痛みが和らぎ、肩の動きも徐々に改善することが多いです。 しかし完全断裂や広範囲の損傷の場合は自然治癒が見込めず、手術を要するケースもあるため、ある程度の時間が必要です。 通常、術後は数週間の固定期間を経てリハビリが始まり、日常生活に支障がないレベルまで回復するには数ヶ月から半年程度、スポーツや重労働への復帰には半年から1年程度を要する場合もあります。 このリハビリ期間中に焦って無理な動作を行うと、再断裂のリスクが高まるため、医師や理学療法士の指導を守ることが非常に重要です。 また、高齢者や基礎疾患がある人、筋力の低下が著しい人では回復が遅れる傾向にあります。 一方で、早期に診断され、適切な治療を受けた場合には、比較的良好な予後が得られることも多いです。 腱板損傷の予後は以下の3要素に大きく左右されます。 損傷の程度 治療の選択 リハビリの継続 自己判断で放置せず、早期に専門医の診断を受けることで、長期的な痛みや機能障害を防ぐことができます。 腱板損傷を治すための治療法 腱板損傷の治療法には、主に以下3つがあります。 保存療法 手術療法 再生医療 軽度の場合は、保存療法による自然回復が期待できる一方、完全断裂や広範囲にわたる損傷では手術が検討されるケースもあります。 ここでは、それぞれの治療法の特徴と流れについて詳しく紹介します。 保存療法 保存療法は、手術を行わずに腱板損傷の症状を緩和・改善する治療法です。 主に軽度〜中等度の部分断裂や、手術が難しい高齢者などに対して用いられます。 保存療法には、以下のような手段が含まれます。 消炎鎮痛薬の投与(内服・外用) ステロイド注射(関節内の炎症を抑える) 物理療法(電気治療や温熱療法など) 運動療法(リハビリ)(可動域と筋力の回復を目的) リハビリは非常に重要で、専門の理学療法士の指導のもと、痛みを抑えながら徐々に肩関節の可動域を広げていきます。 肩周囲の筋肉(特に三角筋や肩甲骨周囲筋)を鍛えることで、腱板の機能を補うようにするのが基本的な考え方です。 保存療法のメリットは、手術による身体的負担を避けられることですが、一方で損傷が進行するリスクや、完全には治らないまま機能障害が残る可能性もあります。 そのため、一定期間(おおむね3~6ヶ月)で改善が見られない場合や、日常生活に支障が続く場合は手術への切り替えが検討されます。 手術 腱板損傷が完全断裂している場合や保存療法で改善が見られないケースでは、手術による修復が必要となります。 手術は主に「関節鏡視下手術」で行われることが多く、身体への負担を最小限に抑えながら損傷部位を修復することが可能です。 術式には以下のようなものがあります。 腱板縫合術:断裂した腱を縫い合わせて骨に固定する 肩峰形成術:骨と腱が擦れ合わないよう骨を削る 部分置換術や腱移植:重度の場合、補強する人工物や他の腱を利用 術後は、肩の固定を数週間行ったのち、段階的にリハビリを開始します。 肩の可動域を回復し、再断裂を防ぐためには、術後のリハビリが非常に重要です。 医師と相談し、最も適した方法を選択することが大切です。 再生医療 腱板損傷に対しては、以下の治療法が検討されます。 PRP療法 自身の血液から抽出した血小板を濃縮し、損傷部位に注射する治療法 幹細胞治療 脂肪組織などから採取した幹細胞を用いて、より積極的に損傷した腱や筋肉の再生を促し炎症の抑制や組織の修復を促進 PRP療法は血小板には「成長因子」と呼ばれる組織の修復を促進する物質が含まれているため、損傷した腱の再生を助ける効果が期待されています。 外来での処置が可能で、入院も必要ありません。 ただし、再生医療は保険適用外の治療が多く、自費診療となる点には注意が必要です。 再生医療の詳細については、以下でも紹介していますので、興味のある方はぜひ参考にしてください。 【まとめ】腱板損傷が治るかは損傷の程度による!適切な治療を受けよう 腱板損傷は、損傷の程度・発見時期・治療内容によって回復の可能性が大きく変わります。 軽度な部分断裂:保存療法やリハビリによる自然回復が期待できる 完全断裂や広範囲の損傷:手術を含む積極的な治療が必要になることも 「自然に治るだろう」と自己判断せず、早期に医療機関を受診することが重要です。 医師による正確な診断を受け、自身の状態に最適な治療法を選ぶことが、回復への近道です。 医師や理学療法士の指導のもと、無理のないペースで回復を目指すことをおすすめします。 さらに近年では、再生医療(PRPや幹細胞治療)といった新たな選択肢も注目されています。 肩の痛みや動かしづらさを感じたら放置せず、ご相談ください。
2020.05.02 -
- 免疫細胞療法
「マラソンを走った後、なぜか風邪をひきやすい」「大会後はいつも体がだるい」といった経験はありませんか? マラソンは健康的なイメージがありますが、実は過度な運動によって一時的に免疫力が低下することがあるのです。 特にフルマラソンのような長時間・高負荷の運動では、体に強いストレスがかかり、感染症にかかりやすくなるオープンウィンドウと呼ばれる状態が生じると、医学的にも報告されています。 本記事では運動と免疫の関係について・マラソンを楽しみながら体調を崩さないための具体的な対策をわかりやすく解説します。 免疫力を守りながらパフォーマンスも維持するために、今日から実践できるセルフケアをチェックしていきましょう。 また体の内側から免疫機能を高めるアプローチとして、再生医療の免疫細胞療法という選択肢もあります。 この治療法の詳細や特徴については、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEでもご紹介していますので、ご興味のある方はぜひご確認ください。 【結論】マラソンは免疫力を低下させる可能性がある マラソンのような長時間かつ高強度の運動は、一時的に免疫力を低下させることが運動免疫学の研究で明らかになっています。 運動と免疫の関係を表す「Jカーブモデル」によると、運動の強度に応じて免疫機能は以下のように変化します。 軽度〜中程度の運動:免疫機能を高め、風邪や感染症のリスクを下げる フルマラソンなど過度な運動:免疫が一時的に抑制され、感染リスクが上昇する ※参照:J-Stage「運動と免疫」 マラソンを完走した後の体内では、以下のような生理的変化が起こることも。 唾液中IgA(免疫抗体)の低下 リンパ球・NK細胞の一時的な減少 ストレスホルモン(コルチゾール、アドレナリン)の急上昇 炎症性サイトカインや活性酸素の増加 マラソンを走り終えた直後から数日間は、体内で免疫機能が一時的に低下する「オープンウィンドウ」と呼ばれる状態が生じ、特にレース後24〜72時間は風邪やインフルエンザなどの上気道感染症にかかりやすくなるのです。 このようにマラソンは体に大きなストレスを与えるため、一時的に感染症への防御力が弱まるリスクがあるのです。 ただし、この免疫力の低下は一時的なものであり、適切な対策によって予防・回復が可能です。 以下では、免疫力を下げないマラソン習慣と体調を崩さないための具体的な対策について解説していきます。 免疫力を下げないマラソン習慣とは? マラソンを健康的に楽しみながら、免疫力の低下を防ぐには、以下のポイントを意識しましょう。 練習強度と頻度を見直す レース後の十分な休息・睡眠 栄養補給をしっかり行う これらの習慣を意識することで、マラソンを継続しながらも、免疫力を維持・風邪や感染症にかかりにくい体づくりが可能になります。 練習強度と頻度を見直す 免疫力を下げずにマラソンを継続するには、過度なトレーニングを避け、計画的に負荷を調整することが大切です。 以下のようなトレーニング習慣には注意が必要です。 毎日、高強度のトレーニングを行っている 疲労を感じても休まず走っている ロング走やインターバル走を週に複数回実施している このような状態が続くと、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)やリンパ球の数が減少し、感染症にかかりやすくなる可能性があります。 免疫を保ちながら走るための負荷の目安としては、以下を意識しましょう。 週3〜4回の練習に抑え、1〜2日は休養日を設ける 強度の高い練習(ロング走など)は週1〜2回までにとどめる また疲労感をもとに運動の強さを判断できる指標として、「ボルグスケール(Borg Scale)」を活用するのもおすすめです。 ※画像引用元:JSPO 日本スポーツ協会 ボルグスケール(RPE=主観的運動強度)とは、自分がどれだけきついと感じているかを数値で評価する方法で、数字が大きいほど運動がつらく感じられる状態を示します。 練習全体を振り返ったとき、「きつい:楽=7:3」程度のバランスになっていれば、免疫への負担を最小限にしながらトレーニングを継続できます。 レース後の十分な休息・睡眠 マラソン完走後は、体内で免疫機能が一時的に低下するオープンウィンドウ状態に入ります。 このタイミングで無理をしてしまうと、風邪やインフルエンザなどの感染症リスクが高まるため、レース後は以下のような習慣を意識しましょう。 レース当日と翌日は完全休養に充てる 7〜9時間以上の睡眠を意識する 日中に強い眠気がある場合は、20〜30分の仮眠を取り入れる 就寝前は湯船に浸かる、照明を落とすなど、副交感神経を優位にする夜のルーティンを整える 走ることで鍛えるだけでなく、休むことで体を守るという視点も、マラソンを長く続けるためには欠かせません。 栄養補給をしっかり行う マラソンを走り終えた直後の身体は、エネルギーと栄養素を大量に消耗した状態にあります。 このタイミングで適切な栄養補給を行わないと、筋肉の回復が遅れるだけでなく、免疫力の回復も遅れ、体調を崩すリスクが高まります。 食材の例に関しては、以下を参考にしてください。 栄養素 食材の例 ビタミンC・E キウイ、オレンジ、ブロッコリー、アーモンド、鮭、サバなど 亜鉛・鉄 牡蠣、豚レバー、牛肉、カシューナッツなど たんぱく質 鶏むね肉、豆腐、納豆、ヨーグルト、卵、プロテインなど 発酵食品 納豆、味噌、ヨーグルト、キムチなど 栄養補給の効果をに引き出すには、ゴールデンタイムとされているレース後30分以内の補給を意識しましょう。 バナナ・プロテインドリンク、おにぎり・ゆで卵などで補給するのが簡単かつ効果的です。 マラソンで免疫力を下げないためには食事・睡眠・練習管理がカギ! マラソンで免疫力を下げないためには、以下のポイントを意識しましょう。 練習強度と頻度を見直す レース後の十分な休息・睡眠 栄養補給をしっかり行う マラソンを長く楽しむには、走力を過剰に鍛えるだけでなく回復力も鍛えるという意識も大切です。 免疫力を守りながら、無理をしない練習方法でマラソンを楽しみましょう。 日々のセルフケアに加えて、体の内側から免疫力を高める方法のひとつとして「免疫細胞療法」という選択肢もあります。 これはもともと体に備わっている免疫細胞の働きを強化する治療法で、副作用のリスクが低い点も特徴です。 「風邪をひきやすい」「慢性的な疲労が抜けない」「トレーニング中によく体調を崩す」といったお悩みがある方は、ぜひご検討ください。 この治療法については、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEでも解説していますので、興味のある方はご覧ください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/
2020.05.01 -
- 肩
「肩が痛くて腕が上がらない」「夜もズキズキして眠れない」 そんなつらい四十肩・五十肩の症状が長引き、日常生活にも支障が出てお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。 さまざまな治療を試してもなかなか改善が見られない場合、「サイレントマニピュレーション」という治療法が、固まった肩の動きを短期間で取り戻す新たな選択肢として注目されています。 本記事では、「サイレントマニピュレーション」が具体的にどのような治療法なのか、治療かかる費用について解説します。 長引く肩の痛みや動きの制限でお悩みの方、サイレントマニピュレーションについて詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。 当院リペアセルクリニックでは、四十肩や五十肩に対する再生医療に関する情報を公式LINEで公開中です。 「四十肩や五十肩の痛みに困っている」「肩の痛みが長いている」という方は、先端医療である再生医療がどのような治療を行うか確認しておきましょう。 サイレントマニピュレーションとは? サイレントマニピュレーションは、四十肩・五十肩とも呼ばれる肩関節周囲炎(凍結肩)に対する治療法の一つです。 ここでは、以下のポイントに沿って、サイレントマニピュレーションについて詳しく解説していきます。 凍結肩の治療法の一つ 治療の特徴 「サイレントマニピュレーション」がどのような治療なのか知りたい方は、ぜひこの先を読み進めてみてください。 凍結肩の治療法の一つ サイレントマニピュレーションとは、保存療法を長期間続けても肩の痛みや動きが改善しない凍結肩患者さまに対して行われる治療法です。 四十肩や五十肩と呼んでいる症状の多くは、医学的には「肩関節周囲炎」と診断され、その中でも特に肩の動きが悪くなり、まるで凍ったように固まってしまう状態を「凍結肩」と呼びます。 凍結肩は、肩関節を包んでいる「関節包」という袋状の組織が炎症を起こし、厚く硬くなったり、周囲とくっついてしまうことで、肩を上げたり回したりする動きが制限されてしまうのです。 以下の記事では、五十肩から凍結肩に進行した場合について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。 治療の特徴 サイレントマニピュレーションには、つらい肩の症状に悩む方にとって、以下のような特徴・メリットがあります。 サイレントマニピュレーションによる治療の特徴・メリット 痛みが少なく、効果が速やかに現れやすい 日帰りで治療を受けられ、身体的・経済的負担が少ない 手術を回避できる可能性がある 施術後のリハビリ効果を高めることに期待できる 局所麻酔下で行うため施術中の痛みはほとんどなく、治療直後から肩の可動域が改善するケースが多いのが特徴です。 従来の保存療法のみの場合と比べて、可動域改善までの期間を短縮できる特徴があります。 サイレントマニピュレーションの費用 サイレントマニピュレーションは健康保険が適用される治療法で、自己負担額が3割負担の場合、一般的に約5,000円から8,000円程度が目安となります。 施術前の診察にかかる初診料や再診料、お薬が処方された場合の処方箋料、そして施術後に行われるリハビリテーションの費用などが別途必要になる場合もあります。 医療機関の設備や、同時に行う検査・処置の内容によって、費用は多少前後することがありますので、正確な金額については治療を受けようと考えているクリニックや病院で事前に確認しましょう。 サイレントマニピュレーションの治療の流れ ここでは、一般的なサイレントマニピュレーションの治療の流れを紹介します。 ステップ 主な内容 1. 問診・診察 医師が症状やこれまでの経緯を詳しく聞き取り、肩の動きや痛みの状態を丁寧に評価し、治療方針を決定 2. 画像検査 レントゲンやMRIといった画像検査で、肩関節の骨や周りの組織の状態を調べ、癒着の程度などを評価 3. 麻酔(神経ブロック) 超音波エコーで神経の位置を確認しながら、首の付け根あたりから麻酔薬を注射し、肩や腕の痛みを感じる神経を一時的に麻痺させる 4. 関節可動域操作(マニピュレーション) 麻酔が効いて痛みがないことを確認した後、肩関節をさまざまな方向にゆっくりと動かす 5. 経過観察・リハビリ開始 施術後は、腕を三角巾で吊って肩を安静に保つ。麻酔の効果が切れるまでは腕に力が入らないため、当日はそのままの状態で帰宅 リハビリでは獲得できた可動域を維持し、さらに肩周りの筋力を強化するための運動療法を行い、元のスムーズな日常生活に戻れるようサポートしていきます。 サイレントマニピュレーションの術後の注意点 サイレントマニピュレーションは、つらい五十肩の症状改善に効果が期待できる治療法ですが、施術を受けた後にはいくつか注意すべき点があります。 治療で得られた肩の動きをできるだけ長持ちさせるためには、以下の注意点を理解しておくことが大切です。 合併症のリスク 継続的なリハビリが必要 ここでは、術後に起こりうる可能性のある合併症リスクと治療効果を引き出すために必要なことについてご説明します。 合併症のリスク サイレントマニピュレーションによる治療後は、以下のような合併症リスクが考えられます。 合併症 どのような時に起こりうるか 脱臼や骨折 肩関節を動かす際にごく稀に発生する 持続するしびれ 神経ブロックの麻酔時、針先が神経の線維に触れた場合に稀に起こる 出血や内出血 首の神経ブロック注射で長めの針を使うため起こる 感染 注射針を刺すことからごく稀に起こる可能性がある その他の体調変化 気分が悪くなったり、血圧が一時的に下がったりすることがある 合併症の発生頻度は低いものですが、ゼロではないことを理解しておく必要があります。 施術前には医師からリスクについて十分な説明を受け、万が一術後に何か異常を感じた際には、速やかに医療機関に連絡し指示を仰ぐことが大切です。 継続的なリハビリが必要 サイレントマニピュレーションによる治療後は、再び肩が固まってしまう「再癒着」や「拘縮の再発」を防ぐために継続的なリハビリが必要です。 多くの医療機関では、術後数ヶ月にわたり、週に数回程度の通院による専門的なリハビリを継続するよう指導しています。 もしリハビリを途中でやめてしまったり、指示通りに行わなかったりすると、関節は再び固まりやすくなり元のつらい痛みや可動域の制限がぶり返してしまう恐れがあります。 サイレントマニピュレーションに関するよくある質問 サイレントマニピュレーションという治療法について、よくある質問に回答します。 術後に痛みはある? 2回目の手術は必要? 治療の対象になる人は? 治療を検討するうえでの不安解消のため、ぜひ参考にしてください。 術後に痛みはある? サイレントマニピュレーションの施術直後は、麻酔が効いているため痛みを感じることはほとんどありません。 しかし、麻酔が切れた後には一時的に痛みや炎症が起こることがあります。 多くの場合、術後の痛みに対しては、医師から痛み止めの飲み薬が処方されたり、患部を冷やしたりするよう指示されます。 2回目の手術は必要? サイレントマニピュレーションは、基本的に1回の施術で可動域の改善効果が期待できるため、2回目の手術は不要なことが多いです。 まれに効果が十分でなかったり、再癒着が起きたりした場合は、2回目の手術が検討されることもあります。 そのため、サイレントマニピュレーションによる治療後は、継続的なリハビリによって再癒着を防ぐことが重要です。 治療の対象になる人は? サイレントマニピュレーションは、長期間の保存療法を試みても肩の痛みが十分に改善していない方が対象になります。 サイレントマニピュレーションの対象になる人の特徴 四十肩・五十肩で肩の動きがひどく悪い方 3ヶ月以上リハビリ等でも効果が乏しい状態 夜も痛くて眠れないなど生活に大きな支障がある 手術後や骨折後の肩の固まりが強い場合 保存療法による効果が見られない方以外に、日常生活に不便を感じるほど肩の動きが著しく制限されてしまった方も主な対象となります。 一方で、サイレントマニピュレーションが適さない方の特徴もあります。 例えば、重度の骨粗しょう症の方は、施術による骨折や脱臼のリスクが高まるため治療が行えない、あるいは慎重な判断を要するケースがあります。 また、肩関節に感染や炎症がある場合も、症状を悪化させる恐れがあるため通常は治療を行いません。 最終的な治療の可否は、医師が診察や画像検査の結果を踏まえ総合的に判断します。 サイレントマニピュレーションは凍結肩の改善に有効な治療法 サイレントマニピュレーションは、従来の保存療法ではなかなか改善が見られなかった凍結肩に対して、短期間で日常生活の質の向上を目指せる治療法です。 何をしても良くならない肩の痛みや動きの悪さでお困りの場合、一度サイレントマニピュレーションに詳しい整形外科の専門医にご相談してみましょう。 ご自身の状態を正確に診断してもらい、適切な治療を受けることがつらい症状から解放され、快適な毎日を取り戻すための第一歩となるでしょう。 長引く肩の痛みや動きの制限でお悩みの方は、先端医療によって肩の痛みの緩和が期待できる再生医療による治療も検討してみましょう。 当院リペアセルクリニックでは、四十肩や五十肩に対する再生医療に関する情報を公式LINEで公開中です。 「四十肩や五十肩の痛みに困っている」「肩の痛みが長いている」という方は、先端医療である再生医療がどのような治療を行うか確認しておきましょう。
2020.04.30