関節リウマチは何科に行く?受診すべき診療科と早期受診が重要な理由
公開日: 2020.05.22更新日: 2025.02.03
初期段階の関節リウマチは、他の病気にも見られる症状が多いため早期発見が難しい病気です。
そのため「関節リウマチは何科に行けばいいかわからない」という方もいるでしょう。
本記事では「関節リウマチを疑った時に受診すべき診療科」について詳しく解説します。
また、受診する診療科よりも「早期受診」が重要視される理由も紹介しています。
受診すべき診療科と早期受診の重要性を理解して、関節リウマチを早期発見・早期治療できるようにしましょう。
目次
関節リウマチは何科を受診すべき?内科でも整形外科でも良い
「関節リウマチかも」と思ったら、リウマチ科・内科・整形外科などを受診しましょう。
関節リウマチは他の病気にも見られる初期症状が多く、初期段階での発見が難しい病気のため、医師の総合的な判断が必要です。
そのため、どの診療科を受診するかよりも治療を担当する医師の知識と経験が豊富である方が重要といえます。
一つの判断基準として「日本リウマチ学会リウマチ専門医」の有資格者は、関節リウマチに関する専門性が高いと判断できます。
内科と整形外科はどっちが良い?
内科と整形外科のどちらか迷った場合は、まずは内科のリウマチ専門医へ受診するのがおすすめです。
最近の関節リウマチの治療では、以下のような関節外症状の内科的な知識が必要になってきています。
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整形外科でも、経験豊富で症例が多いリウマチ専門医のいる病院であれば問題ありません。
とはいえ、内科と整形外科が連携して治療することが重要なのでどちらの診療科も必要不可欠です。
関節リウマチは診療科選びよりも早期受診することが重要
関節リウマチは、 早期に適切な治療を行えば病気の進行を抑えられますが、発見や治療が遅れると関節破壊が進行し続けます。
初期症状は「体がだるい」「熱っぽい」「朝方に手がこわばる」など、他の病気にも見られるものです。
自己判断せず、少しでも不安があれば医療機関に相談することが大切です。
現在は、アロマ・整体・漢方・温泉・サプリメントなど、たくさんの民間療法がありますが、試している間にも病気が進行する可能性があるため、試す前に、まずは専門医の診断を受けることをおすすめします。
リウマチの初期症状
関節リウマチの初期症状には、以下のようなものがあります。
【関節リウマチの初期症状】
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これらの症状は、日常生活で「靴ひもを結ぶ」「ボタンを掛ける」「茶碗を持つ」「歩く」「体を洗う」「腰を曲げる」「蛇口を開閉する」「車の乗り降り」といった動作がしにくくなったことで気づく場合もあります。
関節リウマチは、30~50代の女性に多く見られます。 仕事や家事、育児などに追われて初期症状に気づきにくい場合もあるため注意が必要です。
関節リウマチは自己免疫疾患の一つで、関節が腫れ、放置すると変形する可能性があります。 病気が進行すると関節に腫れや激しい痛みが生じ、関節を動かさなくても痛みが生じるようになります。
少しでも気になる症状がある場合は、我慢せずに医療機関に相談することが大切です。 リウマチの診断には専門的な知識が必要とされるため、リウマチ専門医のいる医療機関を受診すると安心です。
関節リウマチの診断・検査方法
関節リウマチは、他の病気と初期症状が似ていて識別しづらいため、以下のような方法で診断・検査を行います。
【関節リウマチの診断・検査方法】 |
それぞれの診断・検査方法について解説していきます。
問診・診察
関節リウマチの診察では、以下のようなことを質問されるので事前に確認しておきましょう。
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関節リウマチが発症する原因はまだ明らかになっていませんが、遺伝的な要素が関与していると考えられています。
三親等内に関節リウマチや自己免疫疾患(全身性エリテマトーデス、多発性筋炎、強皮症など)の人がいるかは、重要な情報です。
また、適切な薬物療法を行うために現在治療中の病気や服用中がある場合は、答えれるようにしましょう。
血液検査
関節リウマチで基準値よりも高くなるのが抗CCP抗体とRF(リウマチ因子)です。これらはリウマチ体質である可能性が高いことを示します。
また、CRP(炎症反応)が高くなることも関節リウマチの特徴です。関節の痛みや腫れといった症状や、血液検査の結果をみて診断します。
レントゲン
骨の変形や破壊状態をレントゲンで確認することができます。関節リウマチの診断基準の項目にも含まれているため、関節の痛みなどで受診するとレントゲン検査を行うことが多いでしょう。
関節エコー検査
関節エコーは、レントゲンに骨の破壊が映る前の、まだ症状が進んでいない段階でも病気をとらえることができます。関節内の炎症や腫れがわかり、早期発見・早期治療につながるでしょう。
尿検査
尿検査では、尿にたんぱく質が出ていないか、白血球や赤血球が含まれていないかを検査します。
薬の副作用や他の病気(合併症)を調べられます。
関節リウマチの治療法は再生医療という選択肢もあります!
関節リウマチに対する従来の治療は、薬物療法が基本とされていましたが、再生医療による幹細胞治療が注目されています。
【再生医療とは】 機能障害や機能不全になった生体組織に対して、体が持つ再生能力を利用して損なわれた機能を再生させる医療技術のこと |
薬物療法では、関節リウマチの進行を抑制する抗リウマチ薬が処方されますが、完全に治すのは難しく長期的な治療が必要です。
しかし、再生医療では患者自身の幹細胞を培養し、患部へ投与することで損なわれた関節リウマチの根本的な改善が期待できます。
自身の細胞を用いた治療方法のため、副作用の心配が少ない点も再生医療の強みの一つです。
再生医療による幹細胞治療は、ぜひ当院へご相談ください。
【まとめ】関節リウマチは受診する診療科より早期受診が重要
関節リウマチは早期発見・早期治療が極めて重要な病気です。
初期症状は倦怠感や微熱、関節のこわばりなど一見ありふれたものですが、放置すると急速に進行し、取り返しのつかない関節破壊を引き起こす可能性があります。
少しでも症状に気づいたら、リウマチ科や膠原病科、専門の整形外科を受診しましょう。重要なのは、関節リウマチの診断・治療に精通した医師による診察を受けることです。
診断には血液検査やレントゲン、関節エコー検査などが行われます。
治療は主に薬物療法が基本ですが、副作用の心配もあります。最近では、自己血液を用いたPRP療法という再生医療も注目されており、副作用のリスクが低い新たな選択肢として期待されています。
関節リウマチは適切な治療で進行を抑えられる病気です。自己判断や民間療法に頼らず、専門医による早期の診断と治療を受けることが、QOL(quality of life :生活の質)を維持する上で非常に大切です。
関節リウマチは治るのか?辛い症状を抑えこむ寛解については、こちらをご覧ください