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リウマチになりやすい人の特徴とは?日常生活での予防・対策方法も紹介

公開日: 2020.05.12
更新日: 2025.04.30

「朝、手がこわばって動かしづらい」「関節が腫れて痛い」といった症状から「もしかしてリウマチかも?」と不安になる方もいるでしょう。

関節リウマチは関節に慢性的な炎症が続く自己免疫疾患で、進行すると関節の変形や破壊を引き起こす可能性があります。

実際に日本では、およそ70万〜100万人の方が関節リウマチに悩まされています。
※出典:公益社団法人 日本WHO協会

誰でも発症する可能性はありますが、性別・年齢・体質・生活習慣などによって、リウマチになりやすい人の傾向があるのも事実です。

そこで本記事では、リウマチになりやすい人の特徴を詳しく解説します。

リウマチのリスクを減らしたい方、日常生活での予防策を知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。

リウマチになりやすい人の主な特徴

リウマチになりやすい人の主な特徴を、以下の項目に分けて紹介しています。

性別・年齢 30代~50代の女性は男性より4~5倍の発症率
遺伝・家族歴 HLA-DR4遺伝子を持つ・家族に関節リウマチの方がいる
生活習慣 喫煙・肥満・歯周病などがリスクを高める可能性
既往歴 特定の感染症にかかったことがある

リウマチは、特定の要因が重なると発症リスクが高まると考えられています。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

性別・年齢|30代~50代の女性は男性より4~5倍の発症率

関節リウマチは、30代〜50代の女性に多く見られ、男性の4〜5倍の発症率とされています。※
※出典:日本リウマチ学会「関節リウマチ(RA)」

直接関係あるわけではないものの、以下のような妊娠・出産といった女性ホルモンの影響が関与している可能性が考えられます。

状況 ホルモン変化 免疫システムへの影響
妊娠初期 ホルモン増加 免疫抑制で自己免疫疾患リスクが一時的に低下
出産直後 ホルモンが急減 免疫が再活性し、リウマチなどの発症リスク上昇
産後・更年期 ホルモンバランスの乱れ・減少 自己免疫疾患リスクが高まる

ただし、リウマチは女性に多い疾患ではあるものの、男性にも発症リスクはあるので、性別・年齢を問わず注意が必要です。

遺伝・家族歴|HLA-DR4遺伝子を持つ・家族に関節リウマチの方がいる

関節リウマチの発症には遺伝的な素因が関与するとされており、なかでも以下の「HLA-DR4」という遺伝子を持つ人は、発症リスクが高い傾向にあります。

HLA-DR4の特徴 説明
定義 ヒト白血球型抗原(HLA)システムの一部であり、免疫系の調節に関与する細胞表面受容体。
関連疾患 関節リウマチ(RA)、1型糖尿病、自己免疫性肝炎、Vogt-Koyanagi-Harada病などとの関連がある。
リスク HLA-DR4を持つ個体は、関節リウマチや1型糖尿病の発症リスクが4〜5倍高いとされる。
性別の影響 HLA-DR4は女性に多く見られる傾向があり、とくに自己免疫疾患においては女性の発症率が高い。
免疫応答への影響 HLA-DR4は特定のペプチドを提示し、免疫系の細胞を活性化することで、自己免疫反応を引き起こす可能性がある。

実際にリウマチ患者の約70%にHLA-DR4の保有が確認されています。
※出典:厚生労働省「関節リウマチ」

また、家族に関節リウマチの患者がいる場合は、免疫が過剰に反応しやすい体質を遺伝的に受け継いでいる可能性があるため、発症リスクが高まるとされています。

生活習慣|喫煙・肥満・歯周病などがリスクを高める可能性

関節リウマチの発症や進行には、日々の生活習慣が関わっており、以下のような習慣はリスクを高める要因となります。

  • 喫煙
  • 肥満
  • 歯周病

喫煙は発症リスクを高めるだけでなく、免疫システムが異常に活性化され、関節の炎症を引き起こしやすくなるほか、治療効果を低下させる可能性も。

また歯周病もリウマチとの関連が指摘されており、口腔内の炎症が免疫系に影響を与えることで、発症に関わる自己抗体の生成を促す可能性があります。
※出典:J-Stage「日本内科学会雑誌第103巻第9号 」

既往歴|特定の感染症にかかったことがある

リウマチの発症要因として、過去に特定のウイルスや細菌に感染した既往歴が免疫異常を引き起こし、発症に関与する可能性が指摘されています。

なかでも、ヘルペスウイルスの一種であるEBウイルスは免疫系に影響を及ぼし、発症リスクを高める可能性があると報告されています。
※出典:J-Stage

ただし、感染症が直接的なリウマチの原因となるわけではありませんが、慢性的な感染症や免疫システムに影響を与える感染症には注意が必要です。

リウマチの注意すべき初期症状|放置は関節の破壊や変形が進む可能性も

関節リウマチは早期発見と適切な治療が重要になるため、以下のような初期症状があるかチェックしてください。

  • 朝起きた時の手のこわばり
  • 複数の関節の腫れや痛み
  • 症状が左右対称に出る
  • 微熱や倦怠感、食欲不振が続く
 

朝起きたときに手がこわばる感覚があり、30分以上続く場合はリウマチの典型的な初期症状とされています。

これらの初期症状を見逃して放置してしまうと、関節の炎症が慢性化し、関節の破壊や変形が進んでしまうリスクも。

「なんとなくおかしい」と感じたら自己判断せず、早めに専門医を受診しましょう。

リウマチにかかるリスクを減らすために日常生活で意識したい予防策

関節リウマチは完全に防ぐことが難しい病気ですが、以下のような生活習慣の見直しによって発症リスクを下げられる可能性があります。

  • 禁煙
  • 口腔ケアの徹底
  • バランスの取れた食事
  • 適度な運動習慣
  • 感染症の予防
  • ストレスを溜めない
 
これらの習慣は、関節リウマチの発症リスクを下げるだけでなく、免疫バランスの維持や全身の健康管理にもつながります。
 
「すでに関節に違和感がある」「家族にリウマチの人がいる」といった方は、これらの予防策をできることから実践し、必要に応じて専門医のアドバイスを受けるようにしましょう。

【まとめ】リウマチになりやすい人の特徴を知って、発症しないための予防・対策を行おう!

リウマチになりやすい人の特徴は、主に以下の通りです。

性別・年齢 30代~50代の女性は男性より4~5倍の発症率
遺伝・家族歴 HLA-DR4遺伝子を持つ・家族に関節リウマチの方がいる
生活習慣 喫煙・肥満・歯周病などがリスクを高める可能性
既往歴 特定の感染症にかかったことがある

リウマチになりやすい人の特徴を理解し、自身のリスクを把握すれば、発症の予防や早期発見につながる可能性があります。

関節の痛みや腫れ・朝のこわばりなどの初期症状に気づいた場合は、早めに医療機関を受診し、専門医の診察を受けてください。

また近年ではPRP療法や幹細胞治療などの再生医療も注目されており、従来の治療で改善が難しい方にとって、新たな可能性として期待されています。

再生医療の特徴については、以下をご参考にしてリウマチに対する不安を解消しましょう。

手術をしない新しい治療「再生医療」を提供しております。

監修者

岩井 俊賢

Toshinobu Iwai

医師

略歴

2017年3月京都府立医科大学 医学部医学科卒業

2017年4月社会医療法人仁愛会 浦添総合病院 初期研修医

2019年4月京都府立医科大学附属病院 整形外科

2020年4月医療法人啓信会 京都きづ川病院 整形外科

2021年4月一般社団法人愛生会 山科病院 整形外科

2024年4月医療法人美喜有会 リペアセルクリニック大阪院 院長

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