膝の関節リウマチの初期症状5つ|チェック方法や治療法について解説
公開日: 2020.05.26更新日: 2025.08.30
膝の関節に痛みや違和感があると「関節リウマチではないか」と不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
関節リウマチは、免疫の異常によって関節に炎症が起き、痛みや腫れを引き起こす自己免疫疾患です。
症状が進行すると、痛みだけでなく関節の機能障害につながる可能性があるため、初期症状を見逃さずに早期発見することが大切です。
本記事では、膝に起きる関節リウマチの初期症状や病院に行くべき症状チェックリストについて解説します。
また、近年の関節リウマチ治療に注目されている再生医療についても紹介しています。
「現在の薬物療法で期待した効果が出ていない」という方は、ぜひ再生医療による治療を検討してみましょう。
当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、膝の関節痛に対する再生医療の治療法や症例を配信中なので、ぜひチェックしてみてください。
目次
膝の関節リウマチで病院に行くべき初期症状チェックリスト
関節リウマチが疑われる初期症状は、以下のとおりです。
病院に行くべきか判断するためにも、ご自身に当てはまる項目がないかチェックしましょう。
- 膝関節の痛み
- 膝関節の腫れ
- 朝に膝がこわばる
- コブができる
- 膝への圧迫感
- 微熱が続く
- 倦怠感や疲れやすさ
- 体重の減少
- 食欲の低下
- 目や口の渇き
関節リウマチの初期症状では、腫れや痛みを感じる部位は膝だけでなく、手足の指にも症状がみられる場合があります。
スマートフォンの操作など日常的な動作の中で、指や手を動かしにくいなどの違和感があれば、関節リウマチの初期症状かもしれません。
関節リウマチの初期症状は朝に出やすいので、セルフチェックをするタイミングは朝がおすすめです。
上記の初期症状で当てはまるものが多い方は、早めに医療機関を受診しましょう。
膝の関節リウマチでみられる初期症状5つ
膝の関節リウマチでみられる初期症状は、痛みや腫れだけではありません。
主な初期症状は、以下のとおりです。
上記の初期症状がある方は、早めに医療機関を受診しましょう。
膝関節の痛み
膝関節の痛みは、関節リウマチの代表的な症状です。
初期は痛む部位が移動するケースがあり、時間が経過すると膝関節の痛みが消えて、次に足の指が痛くなる場合があります。
膝関節のリウマチだとしても、足や手の指に痛みが生じる可能性があるため、膝以外の痛みにも注意が必要です。
また、関節リウマチの痛みは左右対称に起こるといわれていますが、左右非対称に痛みが発生するケースもあります。
膝関節が腫れる
膝関節の腫れ方には、主に2つのパターンがあります。
- 熱を持ちブヨブヨする
- 硬くなる
熱を持ってブヨブヨする腫れ方は、関節リウマチが疑われる症状の一つです。
しかし、腫れた部分が硬くなっている場合は変形性膝関節症の可能性があります。
どちらも早期受診・早期治療が重要な疾患のため、膝関節が腫れている場合は医療機関に相談しましょう。
朝に膝がこわばる
朝起きたときに膝がこわばっている症状も関節リウマチの特徴的な初期症状です。
起床時の膝のこわばりは、関節リウマチによって関節を包む滑膜に炎症が起きている可能性があります。
しかし、朝のこわばりだけでは関節リウマチだと判断できません。
手足のこわばりやむくみは更年期障害でも起こるため、40〜50代の女性にも見られやすい症状といえます。
朝に膝がこわばる感覚がある場合は、自己判断せずに医師の診断を受けましょう。
コブができる
関節リウマチの初期症状では、膝にコブができる患者さまもいます。
リウマトイド結節(リウマチ結節)と呼ばれていて、骨が突出している部分にできやすいです。
炎症が強くなるとコブが大きく固くなり、炎症が治まれば小さくなっていきます。
基本的にコブ自体に痛みはないため、放置してしまう方もいますが、関節リウマチが疑われるため医療機関に相談しましょう。
発熱・倦怠感がある
風邪をひいたときのような発熱・倦怠感も関節リウマチの初期症状の一つです。
また、首や脇のリンパ節が腫れるケースもあります。
風邪の症状と大きな違いがないため、風邪なのか関節リウマチなのか自己判断するのは難しいです。
1週間以上症状が続く場合は、医療機関を受診してください。
関節リウマチと膝の関節炎との違いは?
関節リウマチと関節炎の違いは、以下のとおりです。
症状 | 特徴 |
---|---|
関節炎 | ・関節に起こる炎症の総称のことで症状はさまざま ・特定の関節のみに症状が出るケースが多い |
関節リウマチ | ・免疫異常によって全身の関節に炎症を引き起こす疾患 ・全身のさまざまな関節に痛みや腫れをともなうケースが多い ・倦怠感や発熱などの風邪のような症状がみられることもある |
さまざまな原因によって膝関節に起きている炎症を総称して「関節炎」と呼び、関節リウマチは免疫異常によって生じる関節炎のことを指します。
関節炎は特定の関節のみに症状が出ますが、関節リウマチは全身の関節に痛みや腫れが生じるケースがほとんどです。
また、関節リウマチでは、全身の倦怠感や発熱など風邪と同様の症状があらわれることもあります。
以下の記事では、関節炎とリウマチの違いについて詳しく解説しているので、合わせて参考にしてください。
関節リウマチによる膝の痛みの治療法・対処法
関節リウマチによる膝の痛みに悩まされている方は、以下の治療法・対処法を行ってください。
関節リウマチは薬の使用も大切ですが、生活を見直すことによって痛みを改善できる可能性があります。
膝関節や体を保温する
膝関節や体を冷やすと痛みが強くなり、関節を動かせなくなる可能性があるため、患部や全身を保温することが重要です。
寒い冬だけでなく、夏も冷房によって体が冷えないように注意する必要があります。
場所によっては冷房が効きすぎていることがあるので、ストールやブランケットなどで冷えないように対策しましょう。
痛みの対策には膝関節の保温が大切ですが、膝関節が腫れて熱を持っている場合は体を温めないように注意が必要です。
適度に運動する
症状の有無に関わらず、関節リウマチには適度な運動が推奨されています。
痛みや炎症が強い場合は安静にすることが重要ですが、痛みが落ち着いている場合は適度に関節を動かしましょう。
関節を全く動かさないと筋力が低下しやすく、筋肉の萎縮につながります。
筋肉が萎縮すると関節が硬くなって動かしにくくなる可能性があるため、無理のない範囲での運動が大切です。
適度な運動量には個人差がありますが、目安としては、運動中や翌日に疲れや関節の痛みが残らない程度が良いです。
生活習慣を見直す
関節リウマチに悩まされているときは、生活習慣の見直しが重要です。
とくに炎症を促進してしまう食品などの摂取を控え、バランスの良い食生活を目指しましょう。
食生活改善のポイントは、以下のとおりです。
摂取するべき栄養や食品 |
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摂取量に注意するべき栄養や食品 |
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青魚などに豊富に含まれている「オメガ3脂肪酸(EPAやDHA)」は、関節の炎症を抑える効果が期待できます。
一方で、砂糖や赤身肉は炎症・症状を悪化させる恐れがあるため、摂り過ぎに注意が必要です。
カフェインの過剰摂取は、関節リウマチの薬の効果を低下させる可能性があるため、できるだけ接種を控えましょう。
関節リウマチの薬を処方された際には、医師の指示に従ってバランスの良い食事を心がけてください。
抗リウマチ薬を服用する
関節リウマチは、主に薬物治療で症状の改善を図ります。
診断されてすぐに抗リウマチ薬での治療を開始し、痛みの程度に応じて抗炎症剤であるステロイドや鎮痛薬を併用します。
関節リウマチに対して処方される代表的な抗リウマチ薬は、以下のとおりです。
- メトトレキサート
- 生物学的製剤やJAK阻害薬
関節リウマチはこれまで治療が難しく、関節の変形が進行してしまう患者さまも少なくありませんでした。
しかし、近年の治療では有効な薬剤の種類も増えており、適切な治療を受ければ症状を抑えられるケースも多いです。
膝の関節リウマチの初期症状には再生医療による治療をご検討ください
関節リウマチの症状には薬物療法が中心ですが、先端医療である再生医療による治療も検討してみましょう。
再生医療は、患者さまご自身の細胞や血液を用いて炎症を抑えたり、損傷した関節の再生・修復を促す医療技術のことです。
ご自身の細胞や血液のみを使うことで、拒絶反応やアレルギーなどの副作用リスクが少ない治療法として注目されています。
「現在の薬物療法で期待した効果が出ていない」「関節リウマチによる膝の痛みを治したい」という方は、ぜひ再生医療をご検討ください。
膝の関節リウマチの初期症状によくある質問
本章では、膝の関節リウマチについてよくある質問にお答えします。
以下では、それぞれの質問について詳しく解説していきます。
関節リウマチかどうか確かめる方法は?
関節リウマチは、血液検査、尿検査、画像診断によって確かめることが可能です。
画像診断とはX線検査やMRI検査などで、血液検査や尿検査と組み合わせて行います。
血液検査では抗体の一つである「リウマトイド因子」、早期のリウマチでも血液中に現れる「CCP抗体」の数値によって免疫や炎症を確認します。
リウマチによる関節炎は、血液中の「CRP」の数値によって炎症のレベルがわかります。
リウマチは腎臓の機能に影響を与えるため、尿検査を行いタンパクの有無を調べます。
また、合併症や薬の副作用についても尿検査でわかるため、重要な検査の一つです。
関節リウマチでやってはいけないことは?
関節リウマチでやってはいけないことは、以下のとおりです。
- 関節や体を冷やす
- 関節を動かさない
- 激しい運動
- 合わない靴を履く
- ストレスをためる
- 過労
- 正座
- 喫煙
- 肥満
膝関節に負担をかける激しい運動は避けるべきですが、まったく動かさないと筋力が落ち、筋肉が萎縮してしまう可能性があります。
運動量は医師と相談したうえで、筋力が落ちない程度の運動を行うことが重要です。
喫煙は関節リウマチを悪化させる可能性があるため、関節リウマチと診断されたら禁煙することが強く推奨されます。
関節リウマチは何科を受診すればいい?
関節リウマチが疑われる場合、内科または整形外科を受診しましょう。
治療を行う際には内科と整形外科での連携が必要なため、最初に受診するのはどちらでも問題ありません。
診察では以下のことを聞かれるので、事前に確認しておくとスムーズです。
- 親族に関節リウマチの患者がいるか
- 過去にかかった病気、現在治療している病気の有無
- 関節にどのような症状が出ているか・発症の時期
内科でも整形外科でも、可能であれば「リウマチ専門医」に診察してもらえる病院へ行きましょう。
膝の関節リウマチは早期発見・早期治療で改善を目指せる
関節リウマチは、早期発見・早期治療が重要なので、疑われる症状がみられる場合は早めに医療機関を受診しましょう。
初期症状は関節の痛みや腫れのほか、微熱や倦怠感など膝関節とは関係なさそうなものもあり、風邪や更年期障害と思って放置してしまうことも考えられます。
以下のような初期症状がある方は、医療機関を受診しましょう。
- 膝関節の痛み
- 膝関節が腫れる
- 朝に膝がこわばる
- コブができる
- 発熱・倦怠感がある
また、近年の関節リウマチ治療では、患者さまご自身の細胞や血液を用いた再生医療が注目されています。
「現在の薬物療法で期待した効果が出ていない」という方は、ぜひ再生医療による治療を検討してみましょう。
当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、膝の関節痛に対する再生医療の治療法や症例を配信中なので、ぜひチェックしてみてください。

監修者
岩井 俊賢
Toshinobu Iwai
医師