関節リウマチで膝裏が痛くなる?膝の裏が痛いときに考えられる疾患と治療法を解説
公開日: 2020.03.02更新日: 2025.07.31
「膝裏が痛いのは関節リウマチが原因?」
「関節リウマチと膝裏の痛みの関係性は?」
関節リウマチは身体のさまざまな部位に症状が現れるため、「膝裏の痛みは関節リウマチが原因だろうか」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、関節リウマチによって膝裏の痛みを引き起こす原因について詳しく解説します。
- 関節リウマチによって膝裏の痛みを引き起こす原因
- 関節リウマチ以外の疾患によって膝裏に痛みが生じる原因
- 関節リウマチによる膝裏の痛みの治し方
関節リウマチが膝裏の痛みを引き起こす原因や痛みの治し方を確認し、症状の悪化を防ぎましょう。
また、従来の治療では薬物療法によって症状をコントロールすることが目的とされていましたが、近年では再生医療も治療の選択肢として注目されています。
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「膝裏の痛みを早く治したい」「根本的に改善する可能性がある治療に興味がある」という方は、ぜひ再生医療について確認してみてください。
目次
関節リウマチによって膝裏の痛みを引き起こす原因
関節リウマチが膝裏の痛みを引き起こす原因は、関節の内側を覆っている滑膜が攻撃され炎症を起こすためです。
滑膜が攻撃される原因は解明されていませんが、免疫系の異常が主な要因と考えられており、ホルモンバランスの影響も関連している可能性があります。
関節リウマチは、手や足の指、手首、足首、肘、膝、股関節などの関節に、腫れや痛み、こわばりなどの症状が出るのが特徴です。
関節リウマチを発症すると、以下の疾患や膝の変形を伴う可能性があります。
関節リウマチの合併症により、さらに膝に痛みが出現する場合もあるため注意が必要です。
リウマチによる膝関節の変形
膝裏が痛い原因として、関節リウマチによって膝関節の変形が進行している可能性があります。
膝関節の変形には、主に以下の3つのタイプがあります。
疾患名 | 状態 |
---|---|
内反膝 | 内側の関節が破壊されて膝が外側に変形した状態 |
外反膝 | 膝の外側が破壊されて膝が内側に変形した状態 |
波形膝 | 真っすぐ立つと、両膝が左右どちらかに同じ方を向いている状態 |
関節リウマチで手や足の指が変形してしまう症状はよく知られていますが、膝が変形する可能性もあります。
膝裏に痛みがある方は、早めに専門医に相談しましょう。
ベーカー嚢腫(のうしゅ)
膝裏が痛い原因として、関節リウマチの合併症の一つであるベーカー嚢腫(のうしゅ)の可能性があります。
ベーカー嚢腫とは、関節液が過剰分泌され、膝裏に「こぶ」ができる疾患です。
膝裏にできたこぶは、腫れや痛みを伴う場合があり、関節リウマチの症状と相まって膝裏に強い痛みが生じる場合があります。
ベーカー嚢腫の腫れが引いても、膝裏の神経が傷ついてしまうと痛みが長引く可能性があります。
関節リウマチ以外の疾患によって膝裏に痛みが生じる原因
関節リウマチ以外の疾患でも膝裏に痛みが生じる場合があり、以下の4つの原因が考えられます。
関節リウマチと合併して発症する病気もあるため、自己判断せずに医療機関を受診することが大切です。
膝裏に痛みが生じたときは、何が原因なのかをしっかりと確認し、適切な治療を受けましょう。
変形性膝関節症
関節リウマチ以外で膝裏に痛みが生じる原因の1つとして、変形性膝関節症が挙げられます。
変形性膝関節症は加齢や肥満を原因に発症する疾患で、膝の関節軟骨が擦り減ることで膝に痛みが生じます。
変形性膝関節症の主な症状は、以下のとおりです。
- 膝に水が溜まる
- 階段昇降が困難になる
- 歩行が難しくなる
変形性膝関節症になり膝が大きく変形してしまうと、日常生活に支障をきたすため、早めに治療を開始しましょう。
変形性膝関節症の症状や治療法については、以下で詳しく解説していますので参考にしてください。
半月板損傷
関節リウマチ以外で膝裏に痛みが生じる原因として、半月板損傷が挙げられます。
半月板損傷とは、膝関節内にある「半月板」と呼ばれる板状の線維軟骨が損傷する疾患です。
半月板損傷の主な症状は、以下のとおりです。
- 膝が腫れる
- 膝の曲げ伸ばしができない
- 膝を動かすと引っかかる感じがする
半月板は膝関節を安定させる役割を担っているため、損傷すると膝の筋肉や腱などに大きな負荷がかかってしまいます。
半月板損傷の症状や治療法については、以下で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
靭帯損傷
関節リウマチ以外で膝裏に痛みを生じる原因の1つとして、靭帯損傷が挙げられます。
靭帯を損傷すると、以下の症状がみられます。
- 膝の曲げ伸ばしがしづらい
- 膝に水が溜まる
- 歩行が困難になる可能性がある
膝の靭帯損傷は、スポーツや外傷が原因となって起こります。
膝に突然強い圧力を受けたり、同じ動作を繰り返したりすると、靭帯損傷につながる恐れがあるため、膝を酷使しないよう気をつけましょう。
反張膝
関節リウマチ以外で膝裏に痛みを生じる原因として、反張膝が挙げられます。
反張膝には以下の症状がみられます。
- 膝に痛みを感じる
- 膝関節が不安定になり外れそうな感覚がある
- 筋肉が張って痙攣を起こすことがある
膝周囲の筋力不足や身体の重心が後方に偏っていると、反張膝になりやすい傾向があります。
反張膝を防ぐためには、運動をして膝周囲の筋肉を鍛えたり、日常生活で正しい姿勢をするよう意識したりするのが大切です。
関節リウマチによる膝裏の痛みを治す方法
関節リウマチによる膝裏の痛みを治す方法を紹介します。
関節リウマチによる膝裏の痛みは、セルフケアで緩和できる場合があります。
しかし、強い痛みが出ているときは、医療機関を受診し適切な処置を受けることが重要です。
安静にする
関節リウマチによって膝裏に強い痛みがある場合は、膝を動かさずに安静にすることを優先しましょう。
急性期で熱や腫れがあるときは無理して動かすべきではありませんが、関節は動かさずにいると硬くなり、周囲の筋肉も痩せてしまいます。
痛みが引いてきたら、無理のない範囲でストレッチや筋力トレーニングを行ない、筋力低下を防ぐことが大切です。
温冷療法による処置を行う
関節リウマチによって膝裏痛みがある場合は、症状の程度に合わせて温冷によるケアを行いましょう。
関節リウマチの急性期症状である患部の腫れや赤みが出現していないかを確認し、ケアを行ってください。
膝裏に赤みや熱があって腫れている急性期の場合は、膝裏を冷やすことで痛みを緩和できる可能性があります。
急性期を終えて熱や腫れが引いた慢性期の場合は、膝裏を温めて血行を良くすると、痛みの緩和が期待できます。
食生活を改善する
関節リウマチによって膝裏痛みがある場合は、食生活の改善も重要です。
別の疾患がなければ基本的に食事制限は必要ない関節リウマチですが、症状を悪化させる可能性がある食材があるため、注意しましょう。
控えた方が良い食べ物は、以下の通りです。
- 加工食品
- 揚げ物
- 精製炭水化物(白米、砂糖など)
- マーガリン
- アルコール
塩分の過剰摂取は、関節リウマチの症状を悪化させる可能性があるため、加工食品や揚げ物など高塩分の食べ物には注意が必要です。
また、アルコールは関節リウマチの薬との相互作用によって炎症を引き起こす可能性があるので、できるだけ控えましょう。
上記を完全に制限する必要はなく、バランスのとれた食生活を心がけることが重要です。
抗リウマチ薬を処方してもらう
関節リウマチによる膝裏の治療法は、基本的に薬物療法です。
診断された早い段階から抗リウマチ薬の使用を開始し、痛みの程度に応じてステロイドや鎮痛薬を併用します。
関節リウマチの発症原因を精査し、痛みの原因に合った薬を使用して治療を進めていくことが重要です。
まずは関節リウマチの専門科を受診し、自身に合った治療法を提案してもらいましょう。
つらい膝裏の痛みには再生医療による治療も選択肢の一つ
関節リウマチによる膝裏の痛みが治まらない場合は、医療機関を受診しましょう。
膝裏の痛みは、関節リウマチだけでなく、変形性膝関節症や半月板損傷など他の疾患でも見られる症状です。
膝裏の痛みを放置したり、我慢して無理に動かしたりすると、症状が悪化する恐れがあります。
関節リウマチや他の疾患にかかり痛みが慢性化している場合は、再生医療による治療をご検討ください。
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再生医療での治療に興味がある方は、ぜひ再生医療についてご確認ください。

監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設