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ウイルス性肝炎はどう対策すればいいの?

ウイルス性肝炎はどう対策すればいいの?

肝臓の病気の中でも患者数の多いウイルス性肝炎。肝臓の病気と聞くと恐いという印象を持つ人もいるでしょう。そんなウイルス性肝炎ですが、どのような感染対策をすればいいのでしょうか。今回はウイルス性肝炎の感染対策や予防についてご紹介します。

ウイルス性肝炎対策

 

ウイルス性肝炎の対策とは?経口感染の対策

ウイルス性肝炎とは、肝臓がウイルスに感染して炎症を起こした状態で、予防には感染対策が大切です。

感染経路は大きく分けて「経口感染」と「血行感染」の2種類です。経口感染はウイルスを口にすることで感染するもので、A型とE型肝炎がこれにあたります。A型肝炎を引き起こすウイルスは貝に付着していることが多いです。

A型ウイルス性肝炎は衛生環境のいい日本ではあまり発生せず、海外旅行での食事で感染する事例が多いです。また、ウイルスは便の中にも含まれるため、気付かないうちに便に触れてしまうことも感染リスクになります。

海外旅行の前にワクチンを接種する、食事の前の手洗いをするなどが、主な感染対策となります。

B型肝炎とC型肝炎の対策とは?

慢性化するリスクがあることで知られるB型・C型肝炎は、血液や体液を介してウイルスが体内に侵入することで感染します。B型肝炎は針刺し事故や性交渉が感染の原因となることがあります。

以前はB型肝炎ウイルスに感染した母親が出産するときに赤ちゃんに感染する「垂直感染」の事例が多いとされていました。しかし、1986年から母子感染予防プログラムが始まり、母子感染はほとんど見られないようになっています。

感染対策として、ウイルスを持っているかどうかも検査も行われています。C型肝炎は、輸血や血液製剤での感染例が多いのが特徴です。血液に直接触れることが一番のリスクでありB型肝炎のような性交渉や母子感染は少ないとされています。

B型・C型のどちらも、ウイルスを持っている人の血液に接触しないことが感染対策になるでしょう。医療従事者の場合は、針刺し事故を起こしたらすぐに検査をすることが重要です。

医療現場で針の使いまわしや、血液製剤からの感染が問題となっていました。しかし感染対策が講じられ医療環境が整えられたことで、これらによる感染はほとんど見られなくなっています。

日常生活で感染するリスクは低いものの、気を付けておきたい点はあります。
・入れ墨やピアスをするときは清潔な器具で行う
・他人の血液を素手で触らない(自分の皮膚に傷があるときは要注意)
・血液が付着する可能性のあるものを他人と共有しない(歯ブラシ、かみそりなど)
・コンドームを正しく使用する(B型肝炎は性交渉での感染が多い)

ウイルス性肝炎が肝硬変に…対策はできる?

ウイルス性肝炎が慢性化すると、肝硬変や肝臓がんを合併するリスクがあります。そうならないようにするための対策は、検査で陽性となったら受診をすることと、必要に応じた治療を続けることです。

そのままにしておくと、知らないうちに肝硬変になっていたという場合もあるのです。肝硬変は、肝細胞が線維化して肝臓が固くなる病気です。そうなると肝臓は自然に元の状態に戻ることができなくなります。

そんな肝硬変に近年注目されているのが再生医療です。自己由来幹細胞を静脈注射で肝臓に届けます。幹細胞が、線維化した肝細胞を溶解・修復してくれるので、肝臓が元の機能を取り戻すことが期待できるのです。

まとめ・ウイルス性肝炎はどう対策すればいいの?

ウイルス性肝炎には経口感染と血行感染があります。慢性化することで知られるB型・C型肝炎の感染は、他人の血液に触れないことで対策ができます。

慢性化しないための対策も重要ですが、それでも慢性化し肝硬変を合併してしまうこともあります。再生医療は、自己由来幹細胞を用いて肝臓が元の機能を取り戻すことを期待できる治療法です。

 

監修:リペアセルクリニック大阪院

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