膝の関節リウマチの初期症状は?セルフチェックリストや痛みの対処法について医師が解説
公開日: 2020.05.26更新日: 2025.06.02
膝の関節に痛みや違和感があると「関節リウマチではないか」と不安に思ってしまう方も多いでしょう。
この記事では、膝の関節リウマチではどのような初期症状が見られるのかを解説します。
自分の初期症状に当てはまっているかどうか確認できるチェック方法についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
- 膝の関節リウマチの初期症状
- 膝の関節リウマチの初期症状をセルフチェックする方法
- 関節リウマチで膝が痛いときの対処法
関節リウマチが疑われる場合は、早めに医療機関で診察を受けましょう。
当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、膝の関節痛に対する再生医療の治療法や症例を公開しています。
「膝関節の痛みを何とかしたい」という方は、ぜひ参考にしてください。
目次
膝の関節リウマチの初期症状は?
関節リウマチの初期症状は、痛みや腫れだけではなく、以下のように多岐にわたります。
当てはまる症状があるかどうか、チェックしてみましょう。
膝関節の痛み
膝の関節リウマチで多く見られる代表的な初期症状といえば、膝関節の痛みです。
最初は痛む部位が移動するケースがあり、今は膝が痛いけれど時間が経過すると痛みが消え、次に足の指が痛くなるなど、膝関節だけが痛むとは限りません。
また、関節リウマチの痛みは左右対称に起こるといわれていますが、必ず左右対称というわけではありません。
左右どちらか片方の膝関節が痛む場合でも、関節リウマチである可能性を否定できないため、病院で診てもらうのがおすすめです。
以下の記事では、関節リウマチの痛みについて詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。
膝関節が腫れる
膝関節の腫れも、関節リウマチによくある初期症状のひとつです。
腫れ方は、以下のように大きく2タイプに分かれます。
- ブヨブヨとして熱を持つ
- 硬くカチカチになる
ブヨブヨと腫れて熱を持っている腫れ方は、関節リウマチの症状である可能性が高いと考えられます。
一方、腫れた部位が硬くカチカチになっている場合は、膝関節の軟骨がすり減って変形してしまう変形性膝関節症の可能性があります。
朝に膝がこわばる
朝起きたときに膝がこわばっている症状も、関節リウマチの特徴的な初期症状です。
筋肉や関節が硬くなり動かしにくい状態を「こわばる」と表現されますが、この症状を「むくんでいる」と感じる人もいます。
起床時の膝のこわばりは、関節リウマチによって関節を包む滑膜が炎症している可能性があります。
しかし、朝のこわばりだけで関節リウマチと決めつけることはできません。
手足の「こわばり」や「むくみ」は更年期障害で起こるため、40代や50代の女性に見られやすい症状なのです。
自分では判断できないため、医療機関で診察を受けましょう。
コブができる
関節リウマチの初期症状では、膝にコブができる人もいます。
主に肘や膝などの骨が出っ張っている部分にできるリウマトイド結節と呼び、関節が伸びる側にブヨブヨとしたコブができます。
炎症が強くなるとコブが大きく固くなり、炎症が治まれば小さくなっていきます。
発熱・倦怠感がある
風邪のように微熱や倦怠感が出るのも、初期の関節リウマチに見られる症状です。
発熱以外にも、首や脇のリンパ節が腫れるケースもあります。
上記のような症状が1週間以上続く場合は、医療機関で診察を受けましょう。
膝の関節リウマチの初期症状をセルフチェック!
膝に痛みや違和感がある場合、関節リウマチの可能性が高いかどうか、初期症状をチェックしてみてください。
関節リウマチの初期症状は朝に出やすいので、セルフチェックをするタイミングは朝がおすすめです。
以下が膝の関節リウマチの主な初期症状なので、当てはまる症状が多い方は、早めに医師の診察を受けましょう。
- 関節の痛み
- 関節の腫れ
- 朝に膝がこわばる
- 膝への圧迫感
- 微熱が続く
- 倦怠感や疲れやすさ
- 体重の減少
- 食欲の低下
- 目や口の渇き
関節リウマチの場合、腫れや痛みを感じる部位は膝だけでなく、足指にも見られることがあります。
歯磨きやメイクなど朝の準備や、スマートフォンを操作する際など、指や手を動かしにくいなどの違和感があれば、リウマチの初期症状かもしれません。
小さなことでも、何か気になる症状が見られた場合は、早めの受診が重要です。
関節リウマチで膝が痛いときの対処法は?
関節リウマチによる膝の痛みには、以下のような対処法があります。
自己判断で行うと痛みが強くなったり、症状が悪化する可能性があるため、医師や専門家の指導のもと実践することが推奨されます。
関節を冷やさないようにする
冷えると痛みが強くなり、関節を動かしにくくなることがあるため、関節を冷やさないようにしましょう。
冬には防寒具などで冷えないように気をつける人が多いですが、夏にも関節の冷え対策が必要です。
場所によっては冷房が効きすぎていることがあり、ストールやブランケットなどで冷えないように気をつけてください。
痛みの対策には膝関節の保温が大切ですが、温めないほうがよいケースがあり、注意しなければなりません。
膝関節が腫れて熱を持っているときには、温めないようにしましょう。
腫れて熱がある状態は、炎症が起きている可能性があるので、医師に相談するのがおすすめです。
適度に運動する
症状の有無に関わらず、関節リウマチには適度な運動が推奨されています。
痛みや炎症が強い場合は安静にすることも重要ですが、痛みが落ち着いている場合には適度に関節を動かしましょう。
関節を全く動かさないと、筋力が低下しやすく、筋肉の萎縮につながります。
筋肉が萎縮すると、関節が硬くなり動かしにくくなる可能性があるため、自分の体調と相談して適度に動かすことが大切なのです。
適度な運動量には個人差がありますが、目安としては、運動中や翌日に疲れや関節の痛みが残らない程度が良いです。
膝の関節リウマチの初期症状によくある質問
膝の関節リウマチの初期症状に関するよくある質問をご紹介します。
一つずつ順番に確認していきましょう。
関節リウマチかどうか確かめる方法は?
関節リウマチかどうかを確かめる方法は、血液検査と尿検査、画像診断です。
画像診断とはX線検査やMRI検査などで、血液検査や尿検査と画像診断を組み合わせて行います。
血液検査では抗体の一つである「リウマトイド因子」、早期のリウマチでも血液中に現れる「CCP抗体」の数値によって免疫や炎症を確認します。
リウマチによる関節炎は、血液中の「CRP」の数値によって炎症のレベルがわかります。
リウマチは腎臓に機能に影響をあたえるため、尿検査を行いタンパクの有無を調べます。
また、合併症や薬の副作用についても尿検査でわかるため、重要な検査の一つです。
関節リウマチでやってはいけないことは?
関節リウマチでやってはいけないことは、以下のような膝関節に負担をかけることです。
- 関節を冷やす
- 激しい運動
- 過労
- 安静にしすぎる
- 合わない靴を履く
- ストレスをためる
- 正座
- 喫煙
- 肥満
関節を冷やすと、痛みが出たり関節を動かしにくくなったりします。
また、激しい運動は関節に負担がかかるため避けるべきですが、筋力や柔軟性を維持するために適度な運動は行った方が良いです。
喫煙している人が関節リウマチと診断された場合、症状を悪化させる要因となるためすぐに禁煙することが推奨されます。
関節リウマチは何科を受診すればいい?
関節リウマチが疑われる場合、内科または整形外科を受診しましょう。
治療を行う際には内科と整形外科での連携が必要なため、最初に受診するのはどちらでも問題ありません。
内科でも整形外科でも、可能であれば「リウマチ専門医」に診察してもらえる病院へ行きましょう。
診察では以下のことを聞かれるので、事前に確認しておくとスムーズです。
- 親族に関節リウマチの患者がいるか
- 過去にかかった病気と、現在治療している病気の有無
- 気になる関節の症状について、発症の時期やどのような症状がでているか
関節リウマチで受診すべき診療科については、以下の記事で詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。
膝の関節リウマチの初期症状がでたら早期に医療機関を受診しましょう
関節リウマチは、早期発見・早期治療が重要です。
初期症状は関節の痛みや腫れのほか、微熱や倦怠感など膝関節とは関係なさそうなものもあり、風邪や更年期障害と思って放置してしまうことも考えられます。
以下のような初期症状があらわれたら早めに医療機関を受診しましょう。
また、当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、膝の関節痛に対する再生医療の治療法や症例を公開しています。
「膝関節の痛みを何とかしたい」という方は、ぜひ参考にしてください。

監修者
岩井 俊賢
Toshinobu Iwai
医師