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- 変形性膝関節症
変形性膝関節症とリハビリについて 変形性膝関節症の治療では、生活改善や投薬の他にリハビリによる治療を行う場合もあります。そこで今回は、変形性膝関節症のリハビリ内容と開始時期、リハビリ期間についてご紹介します。 変形性膝関節症で行われる治療 変形性膝関節症の治療では、症状が軽いうちは生活改善や運動療法、内服薬と外用薬の投薬を行い、腫れや痛みがひどくなり歩行障害が起きるなど、日常生活に悪影響が出る程悪化した時は、外科手術による治療となる場合が多いです。 そして、これらの治療方法と並行してリハビリを行う場合もあります。リハビリは、比較的症状の軽い初期~中期に行うものと、症状が進行した中期~末期の術後に行うものがあります。 変形性膝関節症のリハビリは症状に応じて行います 変形性膝関節症におけるリハビリは、症状に適した方法で行います。 初期 痛みが軽い初期に行うリハビリは、患者さんが自宅で自分で行うことができる内容のものがほとんどです。 中期~末期 症状がひどくなってくると、自宅で自分で行うリハビリでは対処が難しくなるため、持続的他動運動装置という装置を用いたリハビリを行います。このリハビリは、医師や理学療法士の指導を受けながら行います。 変形性膝関節症手術後のリハビリ 変形性膝関節症の手術は、内視鏡を用いた関節鏡視下手術や、骨を切って変形を矯正する高位脛骨(けいこつ)骨切り術、人工膝関節置換術などがありますが、どれも術後にはリハビリが必要です。 変形性膝関節症の術後のリハビリ開始時期 変形性膝関節症のリハビリは、患者さんの状態にもよりますが、手術翌日から開始することがほとんどです。 変形性膝関節症のリハビリ期間はどのくらい? 変形性膝関節症のリハビリ期間は、入院中で5日~7日間と退院した後です。退院後は、週に1~2回の頻度で外来リハビリを行います。外来でのリハビリ期間は、患者さんの要望や膝の状態にもよりますが、約2~3ヶ月となることが多いです。 変形性膝関節症術後のリハビリはどんな内容? 変形性膝関節症のリハビリ内容は、アイシングや運動装置を用いた曲げ伸ばし関節角度改善、筋力トレーニングといったものになります。この他には、歩行器や杖を用いた日常動作訓練などを行い、慣れてきたら独立して歩行する練習も行います。 退院後のリハビリも、アイシングを除けば術後とほぼ同じ内容です。 まとめ・変形性膝関節症とリハビリについて 変形性膝関節症は、リハビリを適切に行うことが重要です。初期には、初期段階に適したリハビリを行うことで症状の進行を遅くすることができる場合が多いので、毎日の生活の中に取り入れてみてください。 術後のリハビリについては、開始時期や期間はあくまで平均的なものをご紹介しました。患者さんの要望や状態も考慮されますので、医師と相談しながら適切に行うようにしてくださいね。以上、変形性膝関節症とリハビリについて記させていただきました。 監修:リペアセルクリニック大阪院
2019.05.08 -
- 変形性膝関節症
変形性膝関節症は、サポーターを使って膝の負担を減らしたい 変形性膝関節症を予防するためには、適度な運動が必要です。 でも、痛みや違和感があると辛いですし、膝が痛くなることがあるので運動は避けたい…という方もいるのではないでしょうか。しかし、サポーターを使うことで、膝の負担を軽くすることができ、運動も行えるようになる方も多いです。 適度な運動は、健康な関節維持・健康そのものの維持に効果的ですから、サポーターの使用を検討してみてはいかがでしょうか。 変形性膝関節症は無理な運動による膝関節への負担が原因!でも…。 私達の膝関節は、軟骨によってスムーズに動かせる仕組みとなっています。 しかし、加齢とともに軟骨はすり減って衰えていくので、歩行や日常的な動作で違和感や痛みを感じるようになります。また、変形性膝関節症は進行すると安静にしていても痛むので、日常生活すら困難になってしまいます。 そして、加齢以外にも軟骨がすり減る原因があります。 それは、継続的な激しい運動や肥満による体重の増加などで、アスリート並み、或いはそれに近い運動を行っている人の場合、膝には大きな負荷がかかっていますし、肥満の人も膝にかかる負担は大きいです。 ですが、適度な運動を適切に行うことで、変形性膝関節症の予防に繋がりますし、年齢を重ねたことで膝に違和感や少し痛みがあるという場合は、その進行を食い止めたり、遅らせることができます。 それは、運動によって膝関節周辺の骨を支える筋肉が付くためです。筋肉が付けば、軟骨への衝撃を緩和出来るのです。 ●違和感や痛みがあるのに運動をするのはちょっと辛い ●今以上に膝に負担をかけたくない ●痛みや違和感があるというわけではないけれど、年齢的に膝に負担をかけないほうが良いのでは?と思う という方も少なくないと思います。 そんな時に役立つのがサポーターです。 変形性膝関節症とサポーターの役割 サポーターを正しく着けると、膝関節を安定させることができますし、何もつけていない状態よりも膝関節への負担が少なくて済みます。 脚の関節が不安定なO脚だったり、膝の曲げ伸ばしが上手くいかないという場合も、そのままの状態だと少しの運動でも膝に負担がかかりますが、サポーターをつけて安定させてあげることで、膝への負担が軽減します。 サポーターの主な機能は3つあります! サポーターには、主に「圧迫」、「安定」、「保温」という3つの機能があります。これらの機能によって、どのような効果が期待できるのかご紹介します。 圧迫機能 サポーター本体で膝を圧迫することで、膝関節を安定させる効果が期待できます。 安定機能 膝の動きを安定させることができるので、膝関節のぐらつきを抑え、膝の動きがスムーズになる効果が期待できます。 保温機能 膝周辺を温めることによって、血液の流れが良くなります。結果、筋肉の緊張がほぐれ、膝関節周辺のこわばりを改善する効果が期待できます。 自分に合ったサポーターを選びましょう サポーターは、自分の体や状態に合ったものを選びましょう。合わないサポーターを着用しても、膝への負担は減りません。自分に合うサポーターが分からない場合は、整形外科の医師など、専門家に相談することをおすすめします。 まとめ・変形性膝関節症は、サポーターを使って膝の負担を減らしたい 変形性膝関節症を予防するには、脚の筋力が必要不可欠です。また、運動による膝への負荷を減らすには、自分の状態や目的に合ったサポーターを着用することも大切です。どんなサポーターがいいのか迷う場合は、整形外科を受診して相談してみてくださいね。
2019.05.08 -
- 変形性膝関節症
変形性膝関節症の発症原因と痛みを感じる仕組み 変形性膝関節症は膝の痛みや違和感を伴うので、この病気になると日常生活に支障をきたしてしまうことが少なくありません。しかし、なぜこの病気が発症してしまうのでしょうか。こちらでは、変形性膝関節症になる原因についてまとめました。 変形性膝関節症になってしまう原因 変形性膝関節症は、膝の軟骨がすり減ることによって発症します。軟骨は、年齢を重ねるにつれて、どうしても摩耗されるので、高齢になるほど変形性膝関節症を発症する人の割合が増えてきます。 また、体重の負荷や激しい運動によっても膝の軟骨がすり減ります。ですから、肥満体型の方や若いころから激しいスポーツをしているという人は、年齢が若くても発症することがあります。 変形性膝関節症は軟骨の「削りかす」が原因 変形性膝関節症で厄介なのは、痛みです。この痛みが日常の動作に悪影響を及ぼすため、多くの患者さんを悩ませています。先ほど「変形性膝関節症は膝の軟骨がすり減ることによって発症する」ということをお伝えしたので、その痛みは軟骨がすり減った際に生じると思ってしまいがちです。 ですが、痛みの原因はすり減った軟骨の「削りかす」です。削りかすが炎症を引き起こすので、痛みが発症するのです。変形性膝関節症で痛みが出てしまう仕組みをもう少し詳しくお話しますね。 変形性膝関節症で痛みを感じる仕組み 軟骨の削りかすが痛みを引き起こす仕組みとして「関節包(かんせつほう)」が大きく関わっています。通常、関節包は大腿骨とけい骨(すねの骨)を覆っているのですが、軟骨がすり減り削りかすが出た時、この関節包の内部にある滑膜(かつまく)という膜に炎症が起こります。 そして、炎症が起きると膝関節の周辺に腫れや痛みが生じるのです。 変形性膝関節症の「水」とは 関節の痛みや違和感などが気になって整形外科を受診すると「水が溜まっていますね」などと言われることがあるかと思いますが、この「水」とは、炎症の結果、増えた関節液のことです。 関節包には、軟骨へ酸素と栄養を与えるための関節液が常に数cc存在していて、炎症が起きると、その関節液の量が増えるのです。すると、膝の曲げ伸ばしの時に違和感があったり、痛みを感じたりします。 変形性膝関節症は悪循環に陥りやすい 変形性膝関節症は、最初に炎症が起きた時に痛みを無視してしまうと、症状が悪化しやすいという特徴があります。 なぜなら、炎症が起こっている状態で軟骨へ負担をかけると、さらに軟骨がすり減って削りかすが出てしまいます。すると新たに出来た削りかすが出て、繰り返し炎症を起こす事態に繋がるのです。 変形性膝関節症の末期に膝が変形する原因 変形性膝関節症の末期には、膝が伸ばせなくなったり膝の形が変わったりします。これは、膝で繰り返し炎症を起こした結果、何度も削られた軟骨が減ったことが原因です。 また、軟骨が減ると周辺の骨が硬くなったり、余分に出来たりするため、膝自体も変形してしまいます。 まとめ/変形性膝関節症を発症原因と痛みを感じる仕組み 変形性膝関節症の原因についてまとめました。症状が強くなってしまうと日常生活に支障をきたしてしまうので、重症化を防ぐためにも違和感や痛みを感じたら早めに整形外科など専門医を受診しましょう。 早めに病院を受診し、治療を開始することで変形性膝関節症の重症化を予防することができます。いつまでも元気に活動できるように、膝関節を大切にいたわってあげてくださいね。 監修:リペアセルクリニック大阪院 変形性膝関節症に関連する記事はこちら こちらも併せてご参照ください
2019.05.08 -
- 変形性膝関節症
- ひざ
変形性膝関節症、初期、中期、末期の症状をご説明 膝関節は私達が歩行するのに欠かせない部位ですが、年齢を重ねるにつれて「膝が痛い」、「膝を曲げるときに違和感がある」というような症状を伴う変形性膝関節症を発症しやすくなります。 こちらでは、膝関節の病気の1つ「変形性膝関節症」とはどのような病気なのか、その特徴と対処法についてまとめました。 変形性膝関節症の特徴 変形性膝関節症は、50歳以上の方に発症しやすい膝関節の病気です。「膝が痛い」、「膝の曲げ伸ばしがしづらい」などの症状で整形外科を受診する患者さんの多くに、この病名が当てはまるといわれています。 また、男性よりも女性の患者さんが多いことも特徴の1つとして挙げられます。男性に比べて筋力が弱く、女性ホルモンの影響も受けやすいということがその原因とされています。 変形性膝関節症の症状 変形性膝関節症は、段階ごとに症状の出方が異なります。初期から末期までの症状をまとめましたので、参考にしてみてくださいね。 初期の症状 初期は立ち上がりや歩き始めといった、動作を始める時に痛みが出ます。少し休むと痛みが治まるのが初期の特徴です。 中期の症状 中期になると、正座や階段の昇り降りがつらくなっていきます。中期も安静にしていれば痛みは軽くなります。 末期の症状 末期になると、安静にしている時にも痛みが起こります。また、膝が変形したことにより、歩く時にも膝がピンと伸びなくなります。そのため、歩行自体が難しくなります。 変形性膝関節症が起こる仕組み 変形性膝関節症は、膝の軟骨へ負担がかかることと関係しています。 軟骨は負担がかかるとすり減ります。このすり減ったものが分解され、老廃物として膝にたまっていきます。そうなると、滑膜(かつまく)という膜に炎症が起き、水がたまったり痛みが生じたりするのです。 また、炎症が起きている状態で膝に負担がかかると、ますます軟骨のすり減りが進みます。痛みを無視していると、どんどん悪循環に陥ってしまうため、注意が必要です。 変形性膝関節症になった時の対処法 急に膝が痛み出すと不安ですし、日常生活にも影響が及ぶと不便も感じると思いますが、変形性膝関節症を疑う場合は、まず安静にしてみましょう。無理に動いてしまうと炎症がひどくなってしまい、さらに痛みが増すことがありますから、くれぐれもご無理をされないようにしてくださいね。 安静にする期間の目安としては3日から1週間程度です。この間は、激しい運動は控えて、日常生活を行える必要最低限の動きに抑えることが大切です。もし、1週間で痛みが治まらない場合や最低限の日常生活を行うのが難しいほどの痛みがあるという場合は、迷わず整形外科を受診し治療を受けてください。 また、症状が悪化してしまうと先ほど「変形性膝関節症の症状」のところでご紹介したように、安静にしているときにも痛みが生じるようになってしまうので、時間に余裕がある方は、痛みがそれほど強くない状態であっても受診し、診察を受けておくと安心です。 まとめ/変形性膝関節症、初期、中期、末期の症状をご説明 変形性膝関節症は、年齢を重ねる程発症しやすくなるといわれ、50歳過ぎの方、特に女性に多い膝関節に痛みを伴う病気です。若い方でも、スポーツを行っていた方や、急に激しい運動をすることによって発症することもあります。膝に痛みや違和感を感じたら、我慢せず早めに整形外科を受診しましょう。 監修:リペアセルクリニック大阪院/ ▼こちらも併せてご参照ください
2019.05.08 -
- 糖尿病
高血糖が慢性的に続くことで、重篤な合併症を誘発するリスクをはらむ糖尿病。生活習慣が発症に関係するとされる2型糖尿病においては、その疑いがある人は日本の成人の6人に1人ともいわれています。糖尿病の原因や初期症状を理解し、早い段階での改善・予防を目指しましょう。 糖尿病の初期症状 糖尿病は「サイレント・キラー」とも呼ばれます。その理由は、自覚症状に乏しいままに病気が進行してしまうからです。早期発見のために、糖尿病の初期症状である以下4点を把握しておきましょう。 ● 喉が乾きやすい ● 手足がしびれやすい ● 頻尿気味になりやすい ● 目がかすみやすい こちらも併せてご参照ください 喉が乾きやすい いくら飲み物を口にしても喉が渇く。それは糖尿病のサインかもしれません。糖尿病の症状である高血糖の状態が続くと、身体が脱水状態となり、喉の渇きが生じます。これは、高くなった浸透圧により細胞から水分が出て行ってしまい、尿で排泄されるためです。 また、高血糖状態のドロドロの血液に対して、脳が「脱水状態」と勘違いすることも喉が渇く一因となります。喉の渇きを、ジュースや炭酸飲料といった甘い飲み物で解決しようとすれば、さらに血糖値は高まってしまいます。 手足がしびれやすい 「なんだか手足がしびれる、痛みを感じる」。それは、糖尿病の代表的な合併症のひとつである神経障害の症状が疑われます。 初期段階であれば、しびれや痛みも我慢できる程度なので、気に留めない方も多いかもしれません。しかし高血糖状態が続けば、神経細胞へのダメージは増大します。病状が進むにつれ痛みは大きくなり、激痛をともなうこともあります。 さらに進行し、無感覚となった場合には、すでに神経の壊死が起きていることも考えられます。手足のしびれは早い段階での自覚症状として気づきやすいため、注意しておきましょう。 神経障害のそのほかの症状には、味覚の鈍化、異常な発汗、繰り返される便秘や下痢、勃起障害、立ちくらみ、尿の出が悪いなどがあります。 頻尿気味になりやすい トイレが近くなることは年齢に起因するものではなく、糖尿病の症状の可能性があります。上で紹介したとおり、喉の渇きは多飲へとつながります。 水分を多く摂取していれば、当然尿意をもよおす頻度も増えてくるのです。トイレが近いという方は、喉が渇きやすくなっていないかもチェックしてください。 また、糖尿病によって末梢神経がダメージを受けることで、排尿コントロールに影響が出て、頻尿につながることも考えられます。 目がかすみやすい 糖尿病の合併症のひとつに、目の病気である「糖尿病網膜症」があります。糖尿病網膜症は失明原因の上位にランクインしており、その症状としてかすみ目が生じます。 糖尿病網膜症の初期段階は「単純糖尿病網膜症」と呼ばれ、自覚症状がない場合も多いです。ただし、目に見えた症状は出ていなくても、毛細血管瘤や硬性白斑などの異常はすでに発生しています。 単純糖尿病網膜症が進み「前増殖糖尿病網膜症」と呼ばれる段階になると、かすみ目が現れます。 かすみ目を感じるようになると、すでに糖尿病網膜症の進行が進んでいる可能性があるため、すでに糖尿病の方、あるいはその疑いのある方は、早めに医療機関を受診してください。 糖尿病の原因 糖尿病ではない方であれば、血糖値はおよそ一定範囲内におさまっています。 これはインスリンが正常に働くことで、細胞が糖をスムーズに取り入れることができるためです。 しかし、インスリンに何らかの問題が発生すると、血液中に糖が溢れ出してきます。これが糖尿病の血糖値上昇メカニズムです。 インスリンに問題が生じる具体的な原因として、以下のふたつが挙げられます。 ● インスリンの分泌障害 ● インスリン抵抗性 インスリンの分泌障害 インスリンの分泌障害とは、インスリンが十分に分泌されない状態を指します。 いわば需要に対して供給が足りていない状態となり、細胞に糖がうまく取り込まれなくなった結果、血糖値が上がってしまいます。インスリンの分泌量が少ないのみならず、分泌が遅れてしまうケースもインスリンの分泌障害のひとつです。 インスリンの分泌障害の原因には、すい臓の機能低下が考えられます。このような状態が続くと、すい臓へのダメージが蓄積し、インスリンの分泌がさらに悪くなるという悪循環、高血糖状態が慢性的に続くことにもつながりかねません。 インスリン抵抗性 インスリン抵抗性とは、インスリンの効果がうまく発揮されない状態を指します。仮にインスリンの分泌量が十分でも、その効果がうまく発揮できないため、高血糖へとつながってしまうのです。 インスリン抵抗性が現れる原因のひとつが肥満です。脂肪細胞からは「アディポカイン」と呼ばれるホルモンが分泌されますが、これにはインスリンの効きを悪くする働きがあります。インスリン抵抗性の状態が続くと、すい臓は高血糖状態に対しインスリンの分泌量を増やします。 その結果、すい臓は疲弊しインスリンの分泌が悪くなることで、慢性的な高血糖状態となるおそれが出てきます。 糖尿病の予防治療 糖尿病の発症には、生活習慣が大きく関係しています。生活習慣を適切に改善することができれば、糖尿病の予防にもつながるのです。 糖尿病の予防方法としては、以下の4点が挙げられます。 ● 食事療法で予防する ● 運動療法で予防する ● ストレスを適度に発散する ● 飲酒の量に気をつける 食事療法で予防する 糖尿病の予防では、食べ過ぎないことが大切です。これは「必要以上のカロリー摂取をしないこと=1日の適切なエネルギー量を守ること」を意味します。 1日の適正なエネルギー量、および標準体重の求めかたは、以下の計算となります。 ●標準体重の計算 標準体重(kg) = 身長(m) × 身長(m) × 22 ●1日の目安エネルギー量の計算 エネルギー摂取量(kcal)= 身体活動量 (*) × 標準体重 (* 身体活動量の目安) ・軽度(デスクワークなどの職種)・・・25~30kcal/標準体重(kg) ・普通(立ち仕事などの職業)・・・・・30~35kcal/標準体重(kg) ・重度(力仕事が多い職業など)・・・・35~ kcal/標準体重(kg) なお1日の適切なエネルギー量を守ることに加え、1日3食規則正しく食べることも血糖値コントロールには欠かせません。 また、食べる順番を野菜から(ベジタブルファースト)とすることで、血糖値の急激な上昇を防ぐことが期待できます。また、間食は絶対に禁止されるわけではないものの、 できる限り控えましょう。 運動療法で予防する 運動は糖の消費に役立つため、食事療法とならんで有効な糖尿病の予防方法です。継続的な運動は、肥満の解消・防止にも寄与するため、その観点からも糖尿病の予防につながります。 具体的な運動方法として、以下のような有酸素運動が効果的です。 ● ウォーキング ● ストレッチ運動 ● 軽めのジョギング ● サイクリング 有酸素運動に加えて筋力トレーニングも並行して行うことで、筋肉量が増え、有酸素運動の効果も向上します。筋力トレーニングには、特別な道具を用意する必要はありません。自宅で、ちょっとした空き時間に行う、つま先立ちやスクワットなども、継続すれば十分な効果が期待されます。 ストレスを適度に発散する 糖尿病患者は病気のためにストレスを感じる機会も増えると考えられますが、ストレスそのものが糖尿病発症の要因になると指摘されています。 血糖値を上昇させる作用のあるホルモンとして「コルチゾール」「ノルアドレナリン」「アドレナリン」などがありますが、これらのホルモンはストレスを感じることにより分泌量が増えてしまうのです。ストレスの発散は、糖尿病の治療や予防に大切です。 ストレス発散には良質で十分な睡眠が不可欠ですが、ほかにも以下のような手段が挙げられます。 ● 一人の時間を見つける ● 友人との会話 ● 専門家や医師に相談する ● 定期的に運動を行う 飲酒の量に気をつける 糖尿病予防において、アルコールは禁止されるものではありません。適度な飲酒であれば糖尿病の発症を抑制するともいわれており、あくまでも適量を越えないことが重要です。 過度の飲酒は体内の各器官にダメージを与え、さまざまな健康上の問題の引き金となりかねません。 アルコール分解の際には、肝臓が糖を放出することで血糖値が上昇します。慢性的にこのような状態が続けば、糖尿病の悪化は免れません。 また、アルコールを摂取すれば脂っこいものが食べたくなるもので、さらにお酒そのものも意外に高カロリーでもあります。1日の適切な飲酒量として、以下の目安を守るようにしましょう。 ● ビール(5%)→中ビン1本(500ml) ● 日本酒(12~14%)→1合 ● ワイン(11~14%) →グラス1.5杯 ● 焼酎(20~25%) → 0.6合 ● ウイスキー(40~43%) → 50ml まとめ 糖尿病は症状が進行することにより、神経障害などの合併症を誘発するケースも少なくありません。糖尿病の合併症を防ぐためには、早期発見と初期段階からの治療が大切です。 初期症状を感じたら、なるべく早く医療機関を受診し、生活習慣の改善に取り組みましょう。
2019.05.01 -
- 糖尿病
糖尿病、初期症状の特徴とセルフチェックで早めにできる予防対策 糖尿病は平成28年「国民健康・栄養調査」で、有病者・予備軍をあわせて、約1,000万人と発表しています。その患者数から人々の関心も高く、糖尿病に関する情報はインターネット上に溢れているので、どの情報を参考にすべきか悩んでいませんか? そこで短時間で糖尿病の全体像を把握できるように、糖尿病の初期症状や糖尿病を発症する原因、さらに予防につながるセルフチェックの方法をまとめました。 糖尿病の初期症状の特徴 糖尿病の恐ろしさは、進行すると合併症を引き起こす病気であるにもかかわらず、初期の段階では自覚症状が乏しいことです。ゆるやかに症状が出はじめ、気づいたときには、かなり進行している場合が多いです。 したがって、自覚症状がさほどなくても小さな異変を体に感じたら、一度検査を受けたほうがよいでしょう。 糖尿病の初期に現れる異変には次のようなものがあります。 ・頻尿気味になる ・手足がしびれる ・目がかすむ ・喉が渇きやすくなる 初期症状のうちに糖尿病を発見し、食事療法と運動療法を徹底して早期治療すると健康な人と同じ状態を維持することが期待できます。 では、初期症状について詳しくみていきましょう。 頻尿気味になる 糖尿病の初期症状のひとつが頻尿です。頻尿が起きる原因は3つあります。 1つめの理由は高血糖になると喉が渇くので水分を多く摂るようになり、尿の頻度が増えます 2つめに糖尿病は神経を障害することがあるので、排尿をコントロールする神経に障害が起こった場合です。これを神経因性膀胱といい、夜間の頻尿が特徴です。 3つめは糖尿病は腎臓の機能を低下させるので腎臓に不具合が起こると頻尿が起きることがあります。 手足がしびれる 手足のしびれも糖尿病の初期症状のひとつです。糖尿病による神経への障害がしびれを引き起こしていると考えられています。糖尿病による神経の障害では、手足のしびれ以外に次のような症状も起きます。 ・足の裏の違和感 ・ケガや痛みに鈍感になる ・立ちくらみ 目がかすむ 糖尿病を発症すると目のかすみも生じます。そのほか、視力が落ちてメガネなどで矯正しにくくなることもあります。糖尿病は毛細血管にダメージを与えます。目には毛細血管が多くあるので、視力に支障が生じるのです。 喉が渇きやすくなる 糖尿病患者さんが、喉が渇きやすくなるのは、高血糖によって浸透圧が高くなり全身の細胞から水分が出てしまうからです。浸透圧とは、濃度が異なる2種類の液体を隣り合わせにある場合、同じ濃度になろうとする現象です。濃度が高い液体は薄くなろうとし、濃度が低い液体は濃くなろうとします。 糖が多い血液は濃度が高い状態であり、細胞内の水分は濃度が低い状態です。したがって血液は細胞内から水分を吸収しようとするので細胞内の水分が減少し喉が渇きやすくなります。 糖尿病の原因は日常生活にある 糖尿病には1型と2型があるのですが、2型糖尿病は生活習慣の乱れから引き起こります。 次の生活の悪習慣が糖尿病の原因になると考えられています。 ・過食や食生活の乱れ ・運動不足 ・睡眠不足 ・ストレス ・肥満 早めの予防対策で糖尿病を防ぐ 「過食や食生活の乱れ」「運動不足」「睡眠不足」「ストレス」「肥満」を解消するには、生活習慣の見直しが必要です。 つぎに生活のなかで糖尿病を予防するためのポイントを紹介します。 食事で予防する 日々の食事を気をつけることで糖尿病になりにくい体をつくることができます。 炭水化物、タンパク質、脂質をバランスよく摂ることが大切です。また現代人はビタミンとミネラルも不足しがちです。理想は食事で摂ることですが、それができない方はサプリメントを利用しましょう。 すでに糖尿病治療を始めている患者の方は、主治医に相談してから服用をしてください。 下記のように、食材の栄養素を理解して、食事のメニューを決めることが大切です。 <栄養素ごとの代表的な食べ物> ・炭水化物:ごはん、パン、麺など ・タンパク質:肉、魚、大豆など ・脂質:植物油、バター、マヨネーズなど ・ビタミン・ミネラル:野菜、キノコ、海藻、卵、レバー、果物など 「炭水化物は糖尿病の原因になるのではないか」と心配する人がいるかもしれません。炭水化物は血糖を上昇させますが、体に必要なエネルギー源です。しかし炭水化物の摂りすぎは糖尿病のリスクを高めることも事実です。 したがって炭水化物は特に分量に注意する必要がありますが、まったく摂らないことはおすすめしません。 必要以上にカロリーを摂らないようにすることも大切です。1日に必要な摂取カロリーは次のように算出します。 【1日に必要な摂取カロリー=標準体重×身体活動量】 ・標準体重=身長(m)×身長(m)×22 【身体活動量】 ・軽い労作(デスクワークが多い人)・・・25~30kcal/kg ・普通の労作(立ち仕事が多い人)・・・・30~35 kcal/kg ・重い労作(力仕事が多い人)・・・・・・35~kcal/kg 例えば、身長160センチの普通の労作の人の1日に必要な摂取カロリーは1,689.6~1,971.2kcal/日となります。計算式は以下のとおりです。 ・標準体重=1.6×1.6×22=56.32 ・1日に必要な摂取カロリー=56.32×30~35=1,689.6~1,971.2 運動で予防する 継続的な運動を心がけることで、運動不足による糖尿病の発症を食い止めることができます。また糖尿病を発症した後も、運動は重要です。 運動するときは以下の点に注意してください。 ・簡単な運動から始める ・少しずつ運動量を増やす ・継続してできる運動を行う ・体調に気をつけて無理はしない 多くの糖尿病専門医は、いつでも1人でも簡単に行え、糖尿病予防に効果があるウォーキングをおすすめしています。ぜひ試してみてください。 睡眠時間を十分にとる 睡眠不足が続くと空腹時血糖値が上昇しやすくなることがわかっています。この現象も糖尿病の発症リスクを高めます。理想の睡眠時間は7~8時間です。 睡眠時間が不足するとインスリンの分泌能力が低下するので、それが糖尿病を誘発します。また睡眠不足は肥満の原因になることがあります。そして肥満は糖尿病の危険因子のひとつです。 睡眠不足が糖尿病のリスクを高めるには次の2つの理由があるわけです。 ・睡眠不足→インスリン分泌能力の低下→糖尿病 ・睡眠不足→肥満→糖尿病 ストレスをためない ストレスも糖尿病リスクを高めることがわかっていますが、現代人が日々の生活から全くストレスを感じない生活を送るのは難しいと思います。そこで発想を変えて、溜まったストレスを解消する努力をしてみてはいかがでしょうか。 ストレス解消法には例えば次のような方法があります。 ・ポジティブに考える ・友人と会って話をする ・夢中になれる趣味を探す ・体を動かす カナダの研究で、仕事のストレスが多い女性は、そうでない女性に比べて糖尿病を発症するリスクが2倍になることが分かりました。 これは、ストレスを感じると交感神経が活発になり、血糖値を上昇させるグルカゴンやアドレナリン、甲状腺ホルモンなどに作用するからと考えられています。 飲酒の回数を減らす アルコールは、適度な量であれば糖尿病の発症リスクを抑制することもあります。 ところが飲酒量が増えると今度は糖尿病リスクを高めてしまいます。お酒は高カロリーのため、過度の飲酒は肥満の原因になります。肥満も糖尿病のリスクの大きな要因です。また、アルコールそのものが血糖値に悪影響を及ぼし、糖尿病につながることがあります。 飲酒の回数を減らすか、もしくはやめることで糖尿病を防ぐことができます。 まとめ・糖尿病、初期症状の特徴とセルフチェックで早めにできる予防対策 糖尿病の初期症状から原因、予防法をみてきました。 生活習慣と糖尿病が深く関わっていることには特に注意してください。糖尿病の原因になる「悪い生活習慣」は日々の積み重ねです。1日だけ改善しても、大きな予防効果は期待できません。 継続できる方法を探し、生活習慣を改善することは、糖尿病以外の病気の予防にもつながるので、ぜひチャレンジしてみてください。 監修:リペアセルクリニック大阪院
2019.04.30 -
- 糖尿病
糖尿病患者の方は便秘になる人が多いのですが、これは糖尿病の合併症で神経障害を引き起こし、神経によってコントロールされている腸などの消化器に悪影響が及ぶためです。 本記事では糖尿病と神経の関係から便秘になる原因について解説します。また便秘の改善が期待できる、糖尿病患者の方のためのセルフケアも併せて紹介します。 糖尿病で便秘になる原因 糖尿病患者の方が便秘を引き起こしやすいのは、腸などの消化器系のすべてが糖尿病の影響を受けているためです。また消化器系の機能障害は、糖尿病からだけではなく、合併症から起こることも多いです。便秘以外に消化器の不具合で生じる症状は次のとおりです。 ・便秘 ・下痢 ・腹痛 ・嘔吐 ・便失禁 これらの消化器系の異常は互いの症状に影響しあっている場合があります。例えば、便秘になると腸の内容物(便そのもの)が腐敗して有害物質がつくられ、それが腹痛や嘔吐などを引き起こすことがあります。 糖尿病の合併症のひとつに糖尿病神経障害があり、これは自律神経を含む神経に支障が出る病気です。糖尿病神経障害で自律神経が障害されると、自律神経がコントロールしている、排便に不具合が生じます。 すなわち糖尿病を発症すると、「糖尿病→糖尿病神経障害→自律神経の障害→排便コントロールの不具合→便秘などの症状」という流れで便秘が引き起こります。 糖尿病神経障害の症状 糖尿病神経障害は便秘や下痢だけでなく、さまざまな症状を起こします。主な症状は次のとおりです。 ・胃の不調 ・手足のしびれ ・立ちくらみ ・熱さや痛みが感じにくくなる ・排尿障害 ・勃起障害 ・眼やまぶたが動かしにくくなる 糖尿病神経障害は、進行すると手足にしびれや痛みを感じます。さらに進行すると、感覚がなくなるので怪我をしても気づくことができません。 気がつかないうちに、怪我の傷から感染症にかかり、足の組織細胞の壊疽(えそ)を引き起こします。最終的には足を切断する事態に陥ることもあります。 神経障害の予防治療 糖尿病が糖尿病神経障害を引き起こすのは、高血糖の状態が長く続くことによって神経細胞が変化してしまうからです。また糖尿病は動脈硬化を引き起こすことがあり、血流不足から神経細胞に栄養が届かず神経が破壊されることもあります。 糖尿病神経障害を予防するには、以下のような生活習慣の改善が重要です。 ・血糖コントロール ・高血圧改善 ・脂質異常の改善 ・禁煙 ・禁酒・節酒をこころがける 糖尿病治療のため投薬している場合は、必然として糖尿病神経障害の予防になっています。その場合も、生活習慣の改善が基本になります。 糖尿病による便秘の改善方法 糖尿病による便秘の改善方法を紹介します。便秘は食事と深く関わっています。したがって糖尿病患者の方は、食事法を改善する必要があります。 便秘改善のためのキーワードは「水」「食物繊維」「時間」「排便習慣」です。 水と食物繊維を多く摂取する 快適な排便のためにはバランスのとれた食事が大切です。 とくに気をつけるべきなのは、食物繊維が多い食材をたくさん摂ることと、小まめな水分補給です。まず食物繊維を摂取すると便が大きくなるので排便しやすくなります。 食物繊維の1日の目標摂取量は20~25グラムです。食物繊維が多く含まれている食材は次のとおりです。 ・穀類 ・根菜類 ・緑黄色野菜 ・豆類 ・海藻類 ・イモ類 ・キノコ類 食物繊維を多く含有している食材を食べたときは、水分を十分摂ってください。そうすることで腸の動き「蠕動(ぜんどう)」が活発になり、食べたものが腸のなかをスムーズに流れて、便秘の解消につながります。 食事を取る時間は規則正しく 1日3食しっかり食べる規則正しい食生活は、糖尿病による便秘を改善するうえで大切です。 不規則な食生活で問題になるのが、朝食を食べないケースです。排便のリズムは生活のリズムに深く関係しているので、朝食を欠食すると生活のリズムが崩れ便秘などの排便障害を起こしやすいです。 排便の習慣をつける 糖尿病による便秘を改善するうえで、排便習慣を身につけることは重要です。 そのために、次のことを意識するようにしてください。 ・我慢しない(便意を催したら速やかにトイレに行く) ・排便のタイミングに合わせて起床時間や食事の時間を変える 便意は食べ物が胃に流れる刺激で腸が蠕動して(活発に動いて)起きます。したがって食事をした後に便意を催しているにも関わらず排便を我慢してしまうと、蠕動が弱まってしまい、しばらく便意が起きないことがあります。 例えば、出勤直前に起床して朝食を短時間で摂り、すぐに交通機関に乗って長時間トイレに行けず我慢する状態が続くと、便秘を誘発します。 神経障害以外の合併症 糖尿病による重大な合併症は糖尿病神経障害だけではありません。その他に糖尿病網膜症と糖尿病腎症などがあり、この3つは糖尿病の三大合併症と呼ばれています。 糖尿病網膜症 糖尿病網膜症は糖尿病によって引き起こる目の病気です。高血糖が続くと毛細血管が障害されて、網膜に走っている毛細血管も破壊されます。網膜は視力に深く関与しているので、糖尿病網膜症が進行すると最悪、失明してしまいます。 糖尿病腎症 糖尿病腎症は糖尿病によって起きる腎臓の病気です。腎臓にも毛細血管がたくさんあるので、高血糖によってそれらが壊されてしまい発症します。 腎臓は一度壊れると回復することはありません。糖尿病腎症が進行すると腎不全に進んでしまいます。そうすると、腎不全に陥り人工透析が必要になるので、早期発見と早期治療に取り掛かってください。 もちろん、糖尿病神経障害や糖尿病網膜症も、早期発見・早期治療が重要です。 まとめ 糖尿病患者の方が便秘になりやすいのは、神経障害から消化器系に異常が起こるからと考えられています。 糖尿病の合併症のひとつである糖尿病神経障害は便秘を引き起こすだけでなく、胃の不調、手足のしびれ、排尿、勃起不全などにも悪影響を与えます。それは神経が全身の臓器や器官や組織をコントロールしているからです。 「便秘ぐらい」と、症状を我慢するのではなく、医者に相談したり、予防策を参考に便秘改善に取り組んでみてください。 こちらも併せてご参照ください
2019.04.29 -
- 糖尿病
糖尿病は初期段階では自覚症状がほとんどありません。つまり、なんらかの症状が現れた段階では糖尿病が進行していることになります。自覚症状がないときはそれほど深刻に考えていなかった人も、症状が重くなってくると不安になりますよね。 この記事では、糖尿病が進行するとどのような症状が現れるのか、さらにその治療法について説明します。 糖尿病の主な症状 糖尿病にはいくつか種類がありますが、大きく分けて1型(インスリン欠乏)と2型(インスリン分泌不全・インスリン抵抗性)があります。 食事をするとすい臓からインスリンが分泌され、血糖値を下げます。糖尿病はインスリンの分泌力の低下や作用不足により血液中のブドウ糖の割合が増加してしまう病気ですが、1型糖尿病と2型糖尿病で発症原因と症状の現れ方に違いがあります。 1型糖尿病の主な症状 1型糖尿病は何らかの原因により、すい臓がインスリンをつくれなくなってしまう病気です。 1型糖尿病では以下のような症状が突然現れるという特徴があります。 ・喉が渇く ・頻尿 ・体重が急激に減少する ・疲れやすくなり、疲れ方が重い このほか高血糖によるさまざまな症状が現れることもあります。 1型糖尿病は年齢に関係なく発症し、子供や若い方が発症することもあります。 2型糖尿病の主な症状 2型糖尿病は体質などの遺伝的要素と乱れた食生活などの生活習慣が合わさることで発症するといわれています。 2型糖尿病は初期段階では自覚症状がほとんどありませんが、症状が進行すると以下のような症状がゆっくりと現れるのが特徴です。 ・喉が渇く ・疲れやすくなり、疲れ方が重い ・皮膚の乾燥、かゆみ ・手足の感覚低下、刺すような痛み ・感染症にかかりやすい ・目がかすむ ・性機能が低下 ・傷が治りにくい 2型糖尿病は過体重の方や40歳以上の方に多い傾向があります。 糖尿病の治療方法 糖尿病の治療法は1型糖尿病と2型糖尿病で異なります。 1型糖尿病ではインスリンをほとんど分泌できないため、注射器を使ったインスリン療法が第一選択になります。 2型糖尿病の治療法は次の3つになります。 ・食事療法 ・運動療法 ・薬物療法 2型糖尿病の治療は、食事療法と運動療法を行うのが基本です。それでも血糖値が下がらない場合、薬物療法を取り入れます。 高血糖状態が続くとすい臓が疲弊し、インスリンの分泌力が低下したり、合併症を招きます。また、肥満はインスリンの作用を低下させます。そのため、食事療法や運動療法で血糖値をコントロールすることが大切になります。 糖尿病の内服薬には血糖値を下げる効果があるものもあります。ただし、薬物療法を取り入れる際も食事療法や運動療法を続けなければ、薬の効果が十分に発揮できないことがあります。 したがって、薬物療法を取り入れる際も食事療法と運動療法は継続する必要があります。 食事療法 食事療法を行う目的は、食事によるブドウ糖の量をコントロールし、血糖値をコントロールすることです。 糖尿病の食事療法の基本は、1日の食事量を1日に必要なエネルギー量に抑え、栄養バランスの良い食事を摂ることです。1日に必要なエネルギー量は人によって異なるため、主治医と相談して決めることになります。 関連記事 糖尿病食を作るポイント 食事療法で取り入れる糖尿病食は家庭でも用意することができます。調理ポイントは次のとおりです。 ・食物繊維を多く摂る ・肉の脂肪を取り除く ・植物油を使う ・減塩 血糖値を上げない食べ方 さらに食事療法では、血糖値を上げない食べ方も大切です。食事をするときは以下の点に注意しましょう。 ・バランスの取れた食事を1日3回規則正しく摂る ・よく噛んでゆっくり食べる 外食・飲酒・間食の注意点 外食はエネルギーや栄養バランスを調整することが難しくなります。外食や飲酒、間食をする場合は以下の点に注意することが大切です。 ・肉より魚を選ぶ ・油を多く使っている洋食ではなく、油の少ない和食を選ぶ ・丼ものよりバランスが良い定食を選ぶ ・飲酒量は主治医の指示に従う ・間食は必要エネルギー量の範囲内に収める 「1食ぐらい」「1杯ぐらい」と考えず、医師の指示をしっかり守るようにしてください。 運動療法 運動療法には以下のような効果があります。 関連記事 1)血液中のブドウ糖を消費して血糖値を下げる、 2)インスリンの効果を高める、 3)血行がよくして血管の老化を予防する 運動療法は食事療法と組み合わせることで効果を発揮します。運動療法だけを行うと、食欲が増すため、糖尿病が悪化することもあります。 運動療法と食事療法はセットで行うことが大切です。 運動療法は、ウォーキングや軽めのランニング、水泳、水中ウォーキングなどの有酸素運動を中心に行い、無理せず継続することを目標にしてください。 運動量は、少し汗ばむ程度を20分以上、週3~5回、食後1~2時間以内に行うと効果的です。どのような運動をどのくらい行えば良いか人によって異なります。必ず主治医と相談して決めるようにしましょう。なお、運動中に低血糖の症状が現れたら運動を中断してください。 一方、次の項目に該当する人は運動してはいけないとされています。 ・足が壊疽(えそ)している ・血糖値が高い、血糖コントロールが不良 ・手や足にしびれがある(神経障害) ・増殖性網膜症がある ・心筋梗塞や狭心症などの心臓疾患がある ・糖尿病腎症が進行している ・感染症を患っている 上記に該当する方は自己判断で運動をしないようにしてください。 薬物療法 糖尿病の薬物療法は、食事療法と運動療法を行っても血糖コントロールが改善されないときに行います。 糖尿病の薬には、インスリンの分泌量を高める薬や、インスリン抵抗性を改善する薬、不足しているインスリンを補う薬などがあり、インスリンの作用不足を改善して血糖値を下げる効果が期待できます。 医師は血糖値だけでなく患者の方の状態や生活環境などを加味して薬の組み合わせを決めます。そのため、医師から指示された薬は、決められた量を決められたタイミングで飲む(または注射する)ようにしてください。 関連記事 糖尿病チェック 1型糖尿病と異なり、2型糖尿病は遺伝的要素や生活習慣が原因といわれています。どのような人が糖尿病になりやすいかチェックしましょう。 <糖尿病のなりやすさチェック> ・家族や親族に糖尿病になった人がいる ・適正体重を10%以上超えている ・過食や美食の傾向がある ・運動不足 ・お酒をよく飲む ・ストレスが多い ・健康診断を受けていない 糖尿病は遺伝的要素があるため、糖尿病歴がある家族がいると糖尿病になりやすいといえます。 また、肥満はインスリン抵抗性を高め、血糖値を上げる原因になります。適正体重から10%以上超えている人は適正体重にするように努めましょう。 なお、適正体重は、「身長(m)×身長(m)×22」で計算できます。 さらに、過食や美食の傾向がある人は血糖値が高くなりがちです。運動不足もインスリンの作用を弱め、血糖値の上昇を招きます。 お酒は高カロリーのため、肥満の原因やインスリン抵抗性を招きます。さらに、お酒をよく飲む人はお酒と一緒に食べ過ぎてしまう傾向があるため、血糖値が上昇することがあります。バランスが良く適正な量の食事を心掛け、運動不足を解消し、肥満がある場合は適正体重に近づけ、お酒はほどほどにすることが大切です。 一方、最近の研究でストレスが糖尿病の発症に深く関わっていることがわかっています。ストレス自体をなくすことはできませんが、自分に合ったストレス解消法を見付けて取り入れるようにしましょう。 2型糖尿病は初期段階では自覚症状がほとんどありません。そのため、健康診断を受けないでいると血糖値が上がっていることに気付かず、糖尿病であることに気付きません。定期的に健康診断を受け、早期発見につなげることが大切です。 まとめ 糖尿病の症状から治療法、糖尿病のなりやすさまでを説明しました。1型糖尿病と2型糖尿病では、発症原因や症状の現れ方、治療法が異なります。 糖尿病は進行すると足の切断や失明など重篤な合併症を招きます。病気を進行させないためにも、医師の指示に従い、治療を継続することが大切です。
2019.04.26 -
- 糖尿病
「糖尿病予備軍だね」周りからそういわれたものの、実際に糖尿病かどうかはどうやって診断するのかわからないという人も多いでしょう。きちんと検査をして糖尿病かどうか判断したいですよね。 この記事では、糖尿病であるかどうかどうやって判断するのかについて、検査方法や診断基準を踏まえて解説します。 糖尿病であると気づくきっかけ 糖尿病は以下の4つのケースで気付くというのが一般的です。 ・献血に行ったときに、糖尿病の可能性があることが分かった ・定期健康診断や人間ドックで判明した ・ほかの病気でお医者さんにかかったときに判明した ・合併症による症状が出て受診したときに判明した いずれの場合も、「糖尿病の検査をしよう」と思って検査をしたわけではなく、たまたま見付かったケースが目立ちます。 初期症状についてはこちら 糖尿病の初期症状を改善する!早期発見・治療が重要な理由 糖尿病を診断するための検査方法 糖尿病であるかどうかは以下の3つの血糖検査とHbA1c検査によって総合的に判断されます。 ・早朝空腹時血糖検査 ・随時血糖検査 ・75g経口ブドウ糖負荷試験 ・HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)検査 血糖値とHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー) 血糖値とは血液中のブドウ糖の濃度を示したものです。一方、HbA1cは糖化ヘモグロビン(糖と結合したヘモグロビン)の割合になります。 ヘモグロビンは赤血球にある色素で、各細胞に酸素を運ぶ役割があります。ヘモグロビンは生成されてから120日で消失するため、HbA1cには過去1~2ヶ月の平均の血糖値が反映されます。 こちらも併せてご参照ください 糖尿病と診断されるHbA1cと血糖値とは|目標値も解説 3つの血糖検査 前述の3つの血糖検査は、それぞれ別のタイミングで実施されます。 早朝空腹時血糖値 血糖値検査の当日、朝食を抜いた状態(空腹時)の血糖値を測定します。早朝空腹時血糖値が126mg/dl以上である場合は糖尿病型(糖尿病の疑いがある)と診断されます。糖尿病型の詳細については後述します。 随時血糖値 食後の時間を定めずに測定した血糖値のことをいいます。随時血糖値が200mg/dl以上の場合に糖尿病型と診断されます 75g経口ブドウ糖負荷試験 75g経口ブドウ糖負荷試験は75gのブドウ糖を摂取し、2時間経過したあとの血糖値を測定する検査で、75gOGTTとも呼ばれています。75g経口ブドウ糖負荷試験の血糖値が200mg/dl以上で糖尿病型と診断されます。 検査結果の診断 糖尿病の検査結果には判定基準があり、判定結果は3段階に分類されます。 血糖値の3段階の分類 糖尿病の検査結果は、血糖値の高さによって3段階に分かれます。それぞれ詳しく見ていきます。 糖尿病型 糖尿病型とは「糖尿病の疑いがある」ということです。 以下の①~④の4つの糖尿病検査の結果が一定の値を超えた場合は「糖尿病型(糖尿病の疑いがある)」と判断されます。さらに、①~④のいずれかと④が一定の値を超えた場合は「糖尿病」と診断されます。 ①早朝空腹時血糖検査 ②随時血糖検査 ③75g経口ブドウ糖負荷試験 ④HbA1c検査 境界型 境界型は糖尿病予備軍と呼ばれることもあります。検査結果が糖尿病型と正常型の間である場合に境界型と判定されます。 境界型は糖尿病ほど血糖値が高いわけではありません。しかし、境界型は正常値よりも血糖値が高く、糖尿病になりやすい状態です。 また、高血糖が続くと血管はダメージを受けます。そのため、境界型の段階で生活習慣を改善することが重要になります。 正常型 糖尿病検査の結果が正常値であるという意味です。以下の2つを満たす場合に正常型と判断されます。 ・早朝空腹時血糖値:110mg/dl未満 ・75g経口ブドウ糖負荷試験:140mg/dl未満 糖尿病の診断基準 糖尿病の診断は医師が下記の判定基準に従って行います。「糖尿病型」「正常型」いずれにも該当しない場合は境界型と判断されます。 引用元:東京都病院経営本部「糖代謝異常の判定区分と判定基準」 以下のいずれかに該当する場合、糖尿病と判断されます。 ・同日あるいは別の日に2回糖尿病型が確認された場合 ・表の(1)~(3)のいずれかと(4)が糖尿病型と診断された場合 まとめ 糖尿病の検査方法や判定基準について説明しました。「糖尿病予備軍」や「境界型」は糖尿病ではありませんが、糖尿病になりやすい状態です。「糖尿病じゃないから」と何の対処もせずにいると糖尿病を発症する可能性があります。 これらの判定を受けたら生活習慣の改善に努め、糖尿病を発症しないよう心がけましょう。
2019.04.25 -
- 糖尿病
糖尿病はさまざまな原因で高血糖状態が続く病気です。初期段階では自覚症状はほとんどありませんが、そのまま放置しておくとさまざまな症状が現れます。 糖尿病が進行すると手や足に痛みやしびれなどの症状が現れることもあります。 糖尿病と手足の痛みやしびれは一見関係がなさそうに思えますが、なぜ糖尿病になると手足に痛みやしびれを感じるのでしょうか。 また、これらの症状が出たからといって自己判断は禁物です。糖尿病の神経障害は病状によって治療法が変わります。 この記事では、糖尿病によって手足にしびれや痛みを感じる理由や治療法について解説します。 糖尿病が指先に引き起こす症状 糖尿病を放置すると手足に以下のような症状が現れることがあります。 ・指先のしびれや痛み ・指先や手足の感覚が鈍くなる 以下で詳しく見ていきます。 指先のしびれや痛み 糖尿病の手足の症状としては、まず足の裏や足の指にしびれや痛みを感じるようになります。はじめのうちは手指に症状は現れません。しかし、糖尿病が進行すると手の指にもしびれや痛みなどの症状が現れるようになります。 指先や手足の感覚が鈍くなる さらに糖尿病が進行すると手足の感覚が鈍くなります。これは糖尿病の進行に伴って神経の働きが失われることによるものです。 手足の感覚が鈍くなると、ケガや火傷をしても痛みを感じないためケガをしていることに気付きにくくなります。 早い段階で処置をすれば治るような軽い傷であっても、傷があることに気付かずに放置してしまい、治りにくくなることがあります。最悪の場合、感染症にかかり、細胞が壊死することもあります。 糖尿病で指先に痛みが出る原因 糖尿病による手足の指先の痛みやしびれは糖尿病の合併症によるものです。 糖尿病の代表的な合併症として「糖尿病網膜症」「糖尿病神経障害」「糖尿病腎症」の3つがあります。糖尿病の手足の指先のしびれや痛みは糖尿病神経障害の症状になります。ではなぜ糖尿病が進行すると手足の指先にしびれや痛みなどの神経障害が生じるのでしょうか。 明確な原因はわかっていませんが、高血糖状態が続くことでソルビトールという神経障害を引き起こす物質が神経細胞に蓄積することが原因とする説があります。 こちらも併せてご参照ください 一方、高血糖状態が続くと毛細血管の血流が悪くなります。血流が悪くなると神経細胞にとって必要な栄養や酸素が運ばれにくくなるため神経障害が起こるという説もあります。 糖尿病の神経障害の治療法 糖尿病の神経障害が軽度の場合、生活習慣や内服薬によって血糖コントロールを行い、症状を進行させないことが重要です。症状によっては痛みや症状を軽減するための薬物療法を取り入れることもありますが、いずれにしても血糖コントロールは必須になります。 食事療法 糖尿病は高血糖が続く病気です。食事の量や食べ方、食事内容を調整する食事療法は血糖コントロールに有効です。 糖尿病の食事療法では以下の7つのポイントが重要になります。 ・1日分のエネルギー量を主治医に確認する ・栄養バランスの良い食事を1日3食規則正しく食べる ・よく噛み、ゆっくりと食べる ・夜食を避ける ・肉類の脂肪・塩分は減らす ・食物繊維を積極的に取る ・外食では一品料理を避け、油の少ない和食や魚を選ぶ 運動療法 一般的に、糖尿病の血糖コントロールは食事療法と運動療法を併せて行うことが効果的といわれています。 運動療法は肥満を解消してインスリンの働きを良くしたり、血中のブドウ糖を消費することで血糖値を下げる効果があります。 ただし、糖尿病の神経障害が重い場合は運動することは避けたほうが良いでしょう。 神経障害が重い患者の方が運動を行うと、ケガをしても気付かずに放置してしまうことがあります。また、自律神経に障害がある場合は低血糖が起こっても気付かず、意識障害を起こすこともあります。 運動療法を取り入れるべきかわからない、運動療法を取り入れたいといった場合は必ず医師に相談しましょう。 薬物療法 糖尿病の神経障害では、非ステロイド性消炎鎮痛剤や抗うつ剤、抗てんかん薬などでしびれや痛みなどの症状を抑える治療を行うことがあります。 また、状況によって症状をやわらげるためにアルドース還元酵素阻害薬を用いられることもあります。先ほど、糖尿病の神経障害はソルビトールという物質が神経細胞に蓄積することが原因といわれていると説明しました。 ソルビトールはアルドース還元酵素の働きによって体内でブドウ糖から生成されます。アルドース還元酵素阻害薬はアルドース還元酵素を阻害するため、ソルビトールの生成を抑える効果があるのです。 糖尿病の神経障害のチェックシート 糖尿病と診断され、手や足にしびれや痛みがある。 これは糖尿病による症状なのかどうか心配ですよね。糖尿病の神経障害に関しては以下のようなチェックリストがあります。こまめに自分の手足をチェックし、「おかしいな」と思ったら医師に相談してみると良いでしょう。 【足の症状のチェックリスト】 ・明日の先がピリピリ・ジンジンする ・足の先に痛みがある ・足の先がしびれる ・足の感覚に異常がある(痛みを感じにくい・感覚が鈍い・ザラザラした感触など) ・足がつる(こむら返り) 【足の外観のチェックリスト】 ・皮膚が赤くなったり、腫れている部分がある ・小さな傷が治りづらい ・まめやたこ、うおのめ、靴擦れができやすい ・皮膚が乾燥する ・皮膚にひび割れがある ・皮膚の硬い部分が増えてきた ・みずむしなどの感染症がある 日本医師会のウェブサイトでは以下のチェックシートを掲載しています。こちらも併せて参考にしてください。 引用元:日本医師会「糖尿病患者さん足チェックシート」 まとめ 糖尿病の手や足の指先に現れる症状や治療法について解説しました。 手足のしびれや痛みを糖尿病の症状だと気付かず放置してしまうと細胞が壊死し、最悪の場合、足を切断することもあります。特に足の裏や足の先は意識しなければ「じっくり観察しよう」なんて思いませんよね。 ここで紹介したチェックリストやチェックシートなどを利用し、こまめに手足のチェックを行うことが大切です。少しでも違和感を感じたら、自己判断せず必ず医師に相談しましょう。 尿病について詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。 https://africatime.com/topics/7771/
2019.04.25 -
- 糖尿病
糖尿病で体重が減少することがある!その原因や症状を知ってコントロールする しっかり食べているにも関わらず体重が減り、周りから「糖尿病じゃないの?」といわれたことはありませんか?でも、「糖尿病は太っている人の病気」という印象が強いため、「糖尿病で体重が減る」と聞いてもピンとこない人もいるでしょう。 では、実際に糖尿病で体重が減ることはあるのでしょうか。この記事では糖尿病と体重の関係について見ていきます。 糖尿病で体重が減少することがある 実は糖尿病になると体重が減ることがあります。では、なぜ「糖尿病は太っている人がなるもの」というイメージが強いのでしょうか。 食事を摂ると血糖値が上がります。このとき、すい臓からインスリンが分泌されて血液中のブドウ糖を消費し、血糖値を下げます。糖尿病は何らかの理由でインスリンの分泌量が低下したり、インスリンが効かなくなり、高血糖状態が続く病気です。 一方、インスリンの働きが悪くなると、食事で摂ったブドウ糖をエネルギーとして利用することができなくなります。その結果、筋肉や脂肪を分解してエネルギーとして利用するようになります。糖尿病で体重が減るのはこのためです。 実は「糖尿病は太っている人がなるもの」というイメージは日本の糖尿病患者の9割以上が2型糖尿病であるためと考えられます。これについては後述します。 1型糖尿病と2型糖尿病 糖尿病にはいくつか種類がありますが、大別すると「1型糖尿病」と「2型糖尿病」に分かれます。 1型糖尿病と2型糖尿病の大きな違いは発症原因と症状の現れ方にあります。1型、2型いずれの糖尿病でも体重減少が見られますが、2型糖尿病は初期段階ではほとんど自覚症状がありません。一方、1型糖尿病は急激に症状が現れます。 1型糖尿病とは 1型糖尿病は突然症状が現れるというのが特徴です。若い方が糖尿病を発症した場合は1型糖尿病であることが多いですが、基本的には年齢や体型などに関係なく発症します。 以下で1型糖尿病の発症原因と主な症状について見ていきます。 1型糖尿病の原因 1型糖尿病は何らかの原因ですい臓にあるβ細胞が破壊される病気です。インスリンはこのβ細胞から分泌されるため、1型糖尿病になるとインスリンがほとんど分泌されなくなります。β細胞が破壊される原因は正確にはわかっていませんが、原因の1つに免疫反応の異常(自己免疫反応)があると考えられています。 1型糖尿病の症状 1型糖尿病も2型糖尿病も基本的には高血糖状態が続くことによる症状が現れます。ただし、1型糖尿病は以下のような症状が突然現れるという特徴があります。 ・急激な体重減少 ・多飲 ・頻尿 ・疲労感 など 2型糖尿病とは 日本の糖尿病患者の9割以上を占めるのが2型糖尿病です。1型糖尿病と違い、初期段階では自覚症状がほとんどありません。 2型糖尿病は遺伝や生活習慣などが原因で発症すると考えられているため、比較的過体重の方が発症するケースが多いです。「糖尿病は太っている人がなる病気」という印象が強いのは2型糖尿病によるものと考えられます。 以下で2型糖尿病の発症原因と主な症状について見ていきます。 2型糖尿病の原因 2型糖尿病になりやすい人には以下の特徴があります。 ・家族に糖尿病患者がいる ・過体重 ・運動不足 ・年齢が40歳以上 など 上記のように、2型糖尿病は体質などの遺伝的要因と生活習慣が組み合わさることで発症すると考えられています。 2型糖尿病の症状 1型糖尿病と違い、2型糖尿病は初期段階では自覚症状がほとんどありません。また、症状が現れる場合も以下のような症状がゆっくりと現れます。 ・空腹感 ・体重が減る ・多飲 ・頻尿 ・疲労感 ・目のかすみ ・皮膚の乾燥 ・ケガが治りにくい ・手足の感覚が鈍くなる など 糖尿病は放っておくと「糖尿病網膜症」「糖尿病神経障害」「糖尿病腎症」などの重篤な合併症を招くことがあります。最悪の場合、失明したり、足を切断することもあります。早い段階で治療に取り組み、病気を進行させないことが重要になります。 糖尿病の予防と治療 糖尿病は発症すると完治することができません。したがって、糖尿病は発症する前の段階で予防することが大切です。また、高血糖状態が続くとさまざまな合併症を引き起こします。糖尿病と診断されたら、適切な治療を行い、初期の段階で病気の進行を食い止めることが重要になります。 以下で糖尿病の予防法と治療方法について見ていきます。 1型糖尿病の場合 前述のとおり、1型糖尿病は原因がはっきりしていないため、予防法が確立されていません。また、1型糖尿病患者の方はインスリンがほとんど分泌されないため、体の外からインスリンを補充するインスリン治療を行う必要があります。 2型糖尿病の場合 2型糖尿病は遺伝的要因と生活習慣が組み合わさることで発症するといわれています。したがって、生活習慣を見直すことが糖尿病の予防につながります。 2型糖尿病の予防法 肥満はインスリンの作用を低下させることがわかっています。肥満と診断された方や過体重の方は、食事や運動などで肥満を解消し、体重を減らすことが重要です。 また食べ過ぎると、過剰にインスリンを分泌するのですい臓にも負担をかけます。そのため、バランスが良く、適切な量の食事を摂ることも大切です。 糖尿病を予防するためには以下のポイントを押さえた食事を心がけましょう。 ・食事は腹八分目を心がける ・間食を控えて規則正しく3食(朝・昼・晩)と食べる ・野菜やきのこなどの食物繊維を積極的に摂る ・外食をするときは和食の定食を選ぶ ・夜食は避ける また、運動も糖尿病予防に効果的です。適度な運動はインスリンの効果を高めることがわかっています。さらに運動をすると血液中のブドウ糖が消費されやすくなるため、血糖値を下げる効果があります。 糖尿病予防に運動を取り入れるときは以下のポイントに注意しましょう。 ・無理をせず体調に合わせる ・軽い運動から始める ・できるだけ毎日続ける このほか、ストレスや睡眠不足も糖尿病を招くといわれています。ストレス改善に努め、十分な睡眠を取ることを心がけましょう。 2型糖尿病の治療法 糖尿病は完治することはできませんが、血糖値をコントロールすることで健康な人と変わらない状態を保つことができます。 2型糖尿病の治療法には以下の3つがあります。 ・食事療法 ・運動療法 ・薬物療法 2型糖尿病と診断されたら、まずは食事療法と運動療法などの生活習慣を改善することで血糖値のコントロールを行います。 これらの治療を行っても血糖値が改善しない場合は薬物療法を行います。薬物療法には内服薬によるものと注射薬があります。薬物療法を行う場合も食事療法と運動療法は継続して行います。 内服薬にはインスリンの効きを良くする薬やインスリンの分泌量を高める薬、食後の高血糖を抑える薬などがあります。一方、注射薬には体の外からインスリンを補充する薬などがあります。 まとめ/糖尿病で体重が減少することも!その原因や症状を知ってコントロールする 糖尿病と体重の関係性について説明しました。糖尿病は太っている人がなる病気と思われがちですが、糖尿病を発症すると体重が減ることがあるのです。糖尿病は放っておくと重篤な合併症を招く病気です。 反対に早い段階で治療すれば糖尿病の進行を食い止めることにつながります。「食べる量を減らしたわけでもないのに体重が減った」などという場合は、すぐに医師の診察を受けましょう。 ▼糖尿病について詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。 監修:リペアセルクリニック大阪院
2019.04.25 -
- ひざ
膝の疾患では、人工関節を入れる手術が選択されることがあります。もちろん、年齢や生活習慣によって、人工関節を入れた方がいいかどうかの判断基準は変わってきます。保存療法でどうしても良くならない膝の疾患については、人工関節を入れることで劇的に生活が改善されることもあります。しかし、100%手術をすることによって生活レベルが上がるという保証はなく、稀ではありますが膝に人工関節を入れることによって、重大な悪影響を及ぼすこともあります。今回は、膝の人工関節手術についてご紹介していきます。 膝に人工関節手術を行うケースとは 膝に人工関節置換術を行うのは、どのような場合なのでしょうか。 保存療法で改善の見込みがない場合 膝で起こる病態は、ほとんどの場合は整形外科的な疾患です。変形性膝関節症や関節リウマチなど、薬物療法や保存療法で改善を目指すことが多いので、基本的には手術は最終手段になります。しかし、あまりにも病状が進行して、関節の変形や痛みが日常生活に大きく支障をきたしている場合、人工関節の手術が選択されます。発症してからいきなり人工関節置換術になるケースは稀で、まずは保存療法によって処置が行われます。膝にかかる負担があまりにも大きいときや、病態の悪化が著しい場合に人工関節置換術が検討されるのです。 高齢者の場合 40代、50代の年齢層で、膝の人工関節置換術が行われるのは稀なケースです。というのも、あまりにも若いうちから膝の人工関節置換術を行ってしまうと、人工関節の摩耗によって再手術を行わなければならない可能性があるからです。近年では人工関節の精度も上がっているので、耐用年数も少しずつ上がってきてはいます。しかし、それでも何十年も機能を維持することは難しく、さらに膝が荷重関節であるという特徴も重なって20年程度が限度だと言われています。したがって、膝の人工関節置換術が行われるのは、多くが60代以降の患者です。 生活レベルが下がっている場合 膝に患った疾患によって、著しく生活レベルが下がってしまっている場合は、人工関節置換術が選択されることがあります。通常の歩行が困難になっている場合や、立ちあがる、座るなどの動作も自立して出来ないようなケースでは、人工関節置換術によって機能を早急に回復することが目指されます。膝の痛みや可動域制限によって生活レベルが下がれば、そこから筋力はどんどん低下し、再び日常生活を自立して行えるように回復するまでかなりの時間を要することになります。リハビリとの兼ね合いも考慮して、生活の支障度合いでは早めに膝の人工関節手術をすることもあるのです。 膝に人工関節の手術を行う可能性のある疾患 膝関節に人工関節手術を行う可能性があるのは、ほとんどが慢性的にダメージを蓄積する疾患です。 変形性膝関節症 一度の外力によって膝に障害を受けるわけではなく、日常生活の中で受ける軽微な外力の積み重ねによっておこる症状です。体重や足の使い方などで、膝関節の中にある関節軟骨を少しずつすり減らしていきます。その結果、大腿骨の膝関節面と、脛骨の膝関節面が直接ぶつかるようになり、炎症を起こすとともに変形していきます。まずは保存療法によって、膝に負担がかかりにくいような関節運動を獲得することを目指します。さらに、体重管理や、筋緊張を緩和させる手技療法なども有効な治療方法です。しかし、それでも変形性膝関節症の症状が進行していき、日常生活に著しく支障をきたすような場合は人工関節手術が選択されることがあります。あまりにも変形が強くなると、内側の半月板や骨が潰れて外観でも変形がはっきりわかるようになります。そこまで病状が進むと、通常の歩行が困難になることもあるので、生活レベルを取り戻すための手術でもあるのです。 関節リウマチ 自己免疫疾患の一つで、自らの関節を免疫機能が攻撃してしまう病態です。指先の関節で起こる症状が有名ですが、関節リウマチの症状が膝で起こることもあります。膝でリウマチ症状が出ると、腫れがひどくなったり、変形が進んだりします。当然痛みも伴うので、痛みをかばって行動することで、結果的に膝の負担を増やすケースもあるのです。そこからさらに膝の変形が進むと、リウマチによる症状に加えて二次的な負担が加わります。膝が変形したことによって荷重のかかり方に変化が起き、余計に膝のダメージを悪化させるのです。立位の保持や、通常の歩行でも強い痛みと可動域制限が起こるようになると、膝の人工関節手術が視野に入ってきます。 膝の人工関節手術におけるリスクとは 人工関節を入れるということは、皮膚や筋肉を切開することになるので、それなりのリスクもつきまといます。人工関節の手術をすることで、100%生活が向上するわけではありませんから、考えられるリスクもご紹介していきます。 人工関節の摩耗 人工関節はやはり人工物なので、何十年経過しても全く機能が劣化せずに一生保てるという保証はありません。一般的には、現在の膝に使われる人工関節の耐用年数は、長くて20年ほどと言われています。ということは、60歳で手術をした場合、80歳あたりで再手術を行う必要が出てくるわけです。再手術といっても、60歳と80歳では当然体力に差があり、高齢の体にとっては非常に負担になります。手術の後にしっかりリハビリを行わないと、生活レベルが保てないので、想像以上に過酷です。中には、人工関節が一生持つというドクターや有識者もいますが、必ず一生保てるということはありません。人体構造の中に人工物を入れるわけですから、人工関節と元々の膝関節の間に隙間が出来たり、緩みが出たりして不具合が起きる可能性は十分あります。膝の人工関節手術を検討する場合は、年齢についても考慮しなければなりません。 リハビリの必要性 人工関節を入れれば、術後すぐに痛みが無く歩けるというわけではありません。人工関節を入れるために、膝周辺の組織を一度切開しているわけですから、筋力や可動域を取り戻すためにはリハビリをこなしていかなければなりません。膝の筋力を回復することはもちろん、股関節や足関節の動作によっても膝の負担を減らしていく必要があります。人工関節には神経が通っているわけではないですが、膝の使い方が悪ければ、元々の骨と接する部分で痛みを発生させる危険性もあります。 膝の疾患が再発する恐れがある 膝に人工関節手術をしなければならない疾患は、多くが慢性的に膝へダメージを与える疾患です。そのため、膝に人工関節を入れて膝そのものを回復させたとしても、手術前と体の使い方が変わらなければ、膝の負担も変わらないということです。人工関節を入れることで、今出ている痛みの発生源は取り除かれるかもしれませんが、膝の痛みに繋がる根本的な原因は改善されないのです。膝に人工関節を入れる手術をしても、結局は運動療法などで膝に負担を溜めすぎない体づくりをしないと、痛みを再発させる可能性は高いです。さらに、人工関節の摩耗も早めてしまうので、手術後に全身のバランスを整えることや関節の動かし方を改善することは必須になります。 感染症のリスクがある 手術をするということは、本来であれば無菌状態の関節を切開するということです。もちろん確率は低いですが、その分感染症のリスクは高まります。特に、水虫など元々持病を患っている方は要注意です。もし膝関節に何らかの病原菌が侵入すれば、一度人工関節を抜いて洗うという工程が必要になります。もし、人工関節置換術を行った後に感染症が発覚し、人工関節が挿入できないということになったら最悪です。人工関節を取り除いて、残った骨で関節を繋ぎ合わせなければいけないので、左右の下肢の長さが大幅に違ってきます。通常の歩行も困難になり、生活レベルを著しく下げてしまう恐れもあるのです。 死亡の可能性もある こちらも稀ではありますが、手術の影響で血栓を発生させ、深部静脈血栓症や肺塞栓に陥る可能性もあります。どちらも手術中に発生した血栓が、静脈に詰まる病態です。これは生命の危機に繋がる病態で、膝の人工関節置換術においてもその可能性は否定できません。しかも、死の可能性が否定できない手術であるにも関わらず、手術をしたことで膝の痛みが必ずしも改善される保証はないという点も知っておくべきです。そのあたりのリスクも加味して、手術を検討してください。 膝の人工関節手術を避けるためには 前の項目でご紹介したように、膝の人工関節手術にはリスクもあります。できれば手術を回避できた方が良いので、手術を検討しなければならない状態まで悪化させないために、今からできることをご紹介していきます。 痛みを早めに相談する 膝で何か異変が起きたと感じたときに、なるべく早く専門医に相談することが大切です。整形外科に行けばレントゲンなどで精査も出来ますし、腫脹が出ていれば関節内に溜まった成分を検査して病気を診断することもできます。接骨院や整骨院でも、膝の痛みに対して専門的な知識によって治療を受けることが出来ます。基本的に膝の病態は、放置しておくと悪化する一方です。早めに膝の状態が分かれば、適切な治療によって病態の悪化を食い止めることが出来ます。変形などは元に戻らないとしても、今よりも悪化させなければ生活レベルは保つことが出来るのです。 全身のバランスを整える 姿勢を整えたり、背骨や骨盤のゆがみを矯正したりしておくことも、膝の負担を減らすとても有効な手段です。姿勢が悪いせいで膝に余計な負担をかけ、変形などの症状を助長しているケースもあります。さらに、体のゆがみによって股関節や足関節の可動域が制限され、その結果膝の負担を増やしていることもあるのです。この場合、膝だけを集中して治療しても改善しないので、全身のバランスを整えることが必要になるのです。 体重を急激に増やさない 無茶なダイエットをする必要はありませんが、肥満状態の継続や、急激な体重増加は膝の疾患を助長します。常に荷重がかかる関節でもあるので、単純に体が重くなれば変形や痛みも強くなるのです。実際に治療の現場でも、肥満傾向にある方は変形性膝関節症になったときに変形の進行も早いので、今から体重管理をしておくことが大切です。膝に痛みが出てしまってからだと、運動が制限されるので痩せるのが難しくなります。食事制限をするしかなくなるので、年齢によっては代謝も落ちていますから時間がかかります。 膝の人工関節手術は最終手段である 膝に人工関節を入れる手術を行うのは、あくまでも最終手段と思った方が良いでしょう。ご紹介したように、人工関節手術にはリスクも伴います。しかも、人工関節を膝に入れたからといって、絶対に痛みが消えてスムーズな歩行ができるとは限らないのです。年齢によっては再手術の必要も出てきますし、まずは保存療法で改善することを最優先にする方が良いでしょう。それでも膝の人工関節手術を検討する場合は、感染のリスクや再発のリスク、さらには死亡のリスクも頭に入れた上で検討するべきです。 お近くに再生医療やスポーツ医療についての専門医がいない方へ さかもとクリニックは、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に提出し受理された厚生労働大臣許可医療機関です。当院では来院前でも「メール相談」を受付けています。どうぞ事前にご相談ください。 メール相談・お問い合わせフォームはコチラ 人工股関節に関連する記事はこちら 人工股関節術後に脱臼する可能性と生活の注意点をチェック 膝の痛みに関連する記事はこちら 膝の痛みと腫れが突然出た!考えられる原因は? 完治まで膝から水はなくならない?膝に水が溜まる原因と治し方 正座すると膝が痛いのは危険サインか?変形性膝関節症の可能性も 膝を曲げると痛いのは病気のサイン?音が鳴る原因は 膝をつくと痛い!痛みの原因や症状考えれる病態は? 膝の上が痛い原因は使い過ぎ?痛みに繋がるリスクとは 膝の皿が痛いのはなぜ?考えられる原因や病名は 膝の内側の痛みの原因は?症状や治し方について 再生医療による膝の治療に関連する記事はこちら 膝の症例 現役プロスポーツ選手 ひざの痛みにPRP治療 太ももの痛みに関連する記事はこちら 太ももの付け根が痛いときは股関節の異常?考えられる病態とは 足の付け根の痛みに関連する記事はこちら 足の付け根が痛い場合は手術が必要?考えられる病態とは 足の裏の痛みに関連する記事はこちら 足の裏が痛いのは足底腱膜炎が原因か?治療法や予防法も確認 当院の治療についての考え方や再生医療についての内容もお読みください スポーツ外傷・障害の痛みに対する当院の治療 変形性股関節症に対する当院の治療 再生医療とは PRP(多血小板血漿)療法とは ご相談から治療までの流れ
2019.04.25 -
- 糖尿病
「糖尿予備軍」そういわれたことがある人もいるでしょう。 「糖尿予備軍ということは糖尿病じゃないんでしょ?何もしなくて良いんでしょ?」と思っていませんか?糖尿病は糖尿病予備軍の段階で食い止め、糖尿病を発症しないことが非常に重要なのです。 実は糖尿病は以下の4つに大別されます。 ・1型糖尿病 ・2型糖尿病 ・妊娠糖尿病 ・特定の原因によるその他の型の糖尿病 現在、日本の成人の糖尿病患者の95%が2型糖尿病になります。 ここでは2型糖尿病について糖尿病の原因や発症のメカニズム、糖尿病の予防法について説明します。 2型糖尿病が発症する原因 2型糖尿病はもともと糖尿病の素質がある方にほかの原因が加わることで発症するといわれています。 2型糖尿病が発症する原因は主に以下の5つです。 ・偏った食習慣 ・運動不足 ・肥満 ・過度なストレス ・加齢 2型糖尿病のメカニズム 糖尿病の発症にはインスリンというホルモンが関係します。 通常、食事を摂ると血糖値が上昇します。このとき、すい臓からインスリンというホルモンが分泌されます。血液中のブドウ糖はインスリンの働きによって細胞に取り込むことができます。つまり、インスリンは血糖値を下げる働きがあるのです。 2型糖尿病の発症メカニズムにはインスリン分泌障害(不全)とインスリン抵抗性があります。以下で詳しく見ていきましょう。 インスリンの分泌障害による発症メカニズム 食事によって血糖値が上昇すると、すい臓からインスリンが分泌されます。 正常にインスリンが分泌されれば、血糖値が下がりますが、インスリンの分泌障害があると分泌されるインスリンの量が不足したり、インスリンが分泌されるまでに時間がかかることがあります。 インスリンは血糖値を下げるホルモンですから、インスリンの分泌障害があると高血糖の状態が続くことになります。 さらに、血糖の高い状態が続くとすい臓は頑張ってインスリンを分泌し、血糖値を下げようとします。この状態が続くとすい臓は疲弊してしまいます。 これによりインスリン分泌量が減り、高血糖が続くようになります。 インスリン抵抗性による発症メカニズム インスリンは十分分泌されていても、インスリンに対する反応が悪くなることで高血糖になることがあります。これをインスリン抵抗性といいます。 インスリン抵抗性は肥満や運動不足などで起こります。インスリン抵抗性の場合も血糖値を下げるためにすい臓はインスリンを分泌しようとします。 この状態が続くとすい臓が疲弊してしまい、インスリンの分泌量が減り、高血糖状態が続くことになります。 糖尿病の発症年齢 糖尿病は年齢が高くなるほど発症しやすくなります。厚生労働省の「平成28年国民健康・栄養調査結果の概要」 によると、「糖尿病が強く疑われる者」「糖尿病の可能性を否定できない者」のいずれも40歳を過ぎると急激に増え始めることがわかります。 引用元: 厚生労働省「平成28年 国民健康・栄養調査の概要」 年齢が高くなると体中のさまざまな機能が低下していきます。血液中のブドウ糖を取り込む力やすい臓のインスリン分泌力も低下してしまうのです。 糖尿病の発症率 前述の厚生労働省「平成28年 国民健康・栄養調査の概要」によると、20歳以上で「糖尿病が強く疑われる者」の割合は男性16.3%、女性9.3%となっています。 また同調査では「糖尿病の可能性を否定できない者」の割合は男性12.2%、女性12.1%となっています。これらの結果から、女性より男性のほうが糖尿病を発症しやすいといえます。 引用元: 厚生労働省「平成28年 国民健康・栄養調査の概要」 糖尿病の初期症状 2型糖尿病は初期段階では自覚症状はほとんどありません。しかし、高血糖状態が続くと以下のような症状が現れることがあります。 ・喉の渇き、水分をよく飲む ・尿の回数が増える(頻尿) ・体重が減る ・疲れやすくなる ・傷が治りにくい 上記のほかにもさまざまな症状があります。また、これらの症状は少しずつ、ゆっくりと現れます。「いつもと違う」と思ったら、自分で判断せずに医師に相談することが大切です。 糖尿病の予防法 2型糖尿病は発症してしまうと完治することはできません。したがって、糖尿病予備軍や糖尿病の可能性があるという段階で糖尿病を発症しないようにすることが大切です。 糖尿病は主に以下の4つの予防法があります。 ・運動不足を解消し、運動を習慣づける ・食生活を見直す ・ストレスを溜めない ・睡眠をしっかりとる 上記は糖尿病を進行させないためにも大切です。 こちらも併せてご参照ください まとめ 2型糖尿病の発症メカニズムと原因、予防法について解説しました。 糖尿病は発症してしまうと完治することはできません。また、発症しても初期段階では自覚症状がほとんどなく、症状が現れた頃には病気が進行している状態です。糖尿病が進行すると、失明や足の切断など重大な結果を招きます。 糖尿病について詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。 糖尿病ってどんな病気?
2019.04.24 -
- ひざ
膝の痛みと腫れが突然出た!考えられる原因は? 膝が突然痛み、腫れてくるという症状は、以外にも多くあるものです。ぶつけたわけでもなければ、捻ったわけでも無い、けれどもある時突然膝に痛みを発生させ、ひどく腫れるという現象はなぜ起こるのでしょうか。 知識がなければ、細菌感染などを起こして腫れているのか、それとも悪い病気なのかと考えがよぎってしまうこともあるでしょう。そこで今回は、膝の痛みが突然発生し、腫れてしまう症状の原因についてご紹介していきます。 膝が腫れるのは炎症が起きているから 膝で突然起こる腫れというのは、関節内で炎症が起きていることによって発生します。コンタクトのあるスポーツなどで、人に乗っかられたり激しくタックルされたりして膝が腫れた場合には、外傷による靭帯損傷などが考えられます。しかし、明確な原因がなく突然膝が腫れる場合、慢性的な外力によって起こった関節炎であるという可能性が高いのです。炎症が起きれば炎症物質によって関節内が充満し、いわゆる膝に水が溜まった状態になります。そのため、外からみると膝が腫れあがった状態に見えるのです。 腫れの成分を見れば病態がわかる 膝が腫れている場合、関節内に溜まった物質を注射などで抜く治療方法があります。よく、膝の水を抜くと癖になると言いますが、それは間違いで、炎症が治まっていないから膝が腫れ続けるのです。ですから、ひどい腫れによって日常生活が制限されている場合、早めに水を抜いて確かめることが大切です。腫れを作っている液体成分を検査すれば、関節内で何が起こっているのか見えてくるのです。炎症物質であれば、関節炎を起こしているとわかります。血が混じっていれば、前十字靭帯などの軟部組織損傷が起こっていることがわかります。膿が混じっていれば、感染性による化膿のせいで膝が腫れているのだとわかるわけです。 炎症が起きれば痛みも発生する 膝が突然腫れた場合、ほとんどのケースで痛みを伴います。なぜなら、腫れの原因が炎症であれば、当然関節内にダメージが蓄積しているので痛みを発生させるのです。関節軟骨が亜急性の損傷を起こしている可能性もありますし、大腿骨や脛骨が陥没して変形し始めていることもあります。 膝が突然腫れて痛い場合に考えられること 膝に突然腫れが出現し、なおかつ痛みも伴っている場合に、どんな病態が起きている可能性があるのかご紹介していきます。 変形性膝関節症 一度の激しい外力によって膝関節を壊すわけではなく、日常生活の中でかかる繰り返しの外力によって少しずつ膝関節を変形させていく症状です。変形性膝関節症のリスクは年齢が上がるとともに高まり、50代以降で突然膝に痛みと腫れを発生させた場合はまず変形性膝関節症を疑います。長年にわたって膝関節に負担をかけ続け、それがある日長く歩いたり、重い物を持って作業したり、何かの引き金で炎症に発展します。当事者からすれば、それほど負担がかかる動作でなくとも急に発症するので、明確な原因がわからないこともあります。しかし、あくまでもそれは引き金にすぎず、変形性膝関節症の本質は慢性的な膝への負担にあるのです。膝関節にある関節軟骨をすり減らし、骨が変形してしまうほどのダメージなので、当然関節内で炎症を起こして腫れます。痛みも伴い、通常の歩行時でも痛みを感じるケースもあるくらいです。膝の腫れが酷くなると、階段の上り下りもかなり支障をきたします。 対処法 腫れの原因が変形性膝関節症であった場合、まずは安静にして膝の負担を減らします。それによって膝の腫れが引けば、そこから運動療法などを行って膝に負担をかけにくい体の使い方を作ることが大切です。もし膝の腫れが長期間引かない場合は、膝の関節に針を刺して液体成分を抜き取る処置ですぐに緩解します。しかし、膝の炎症自体が治まっていなければ、すぐに膝の腫れは再発するでしょう。膝の水を抜いたら、後療、罨法、手技療法、運動療法などで膝にかかる負担を減らすようなアプローチが必要になります。整形外科でリハビリをしても良いですし、水を抜いた後は接骨院や整骨院でも膝の治療が可能です。 関節リウマチ リウマチでは、関節に慢性的な炎症を起こすので、変形と腫れを起こします。通常は関節リウマチの症状は指先から発生していきます。そこから徐々に範囲を広げて、全身の関節で痛みを起こす可能性が出てきます。その中でも、荷重関節である膝関節で起きた場合の炎症は、比較的強い腫れを認めることもあるのです。変形性膝関節症の場合は、簡単な言葉で表現すると、使い過ぎ(オーバーユース)によって発生します。しかし、関節リウマチの場合は免疫機能の異常で、病原菌やウイルスに対する免疫機能が、自分の体を構成している細胞に対して働いてしまっている状態です。ですから、自らを攻撃して炎症を起こしている状態とも言えます。腫れと変形が出てくるので、可動域も狭まり運動機能が低下していく恐れもあります。 対処法 関節リウマチに対処するには、薬物療法や運動療法、手技療法が有効です。あまりにも日常生活に支障が出ている場合は、膝の人工関節置換術など外科的手術を実施する場合もあります。薬物療法によって炎症を抑え、腫れを引かせます。その後、膝の変形や痛みを緩和するため、運動療法によって負担のかかりにくい体の使い方を獲得していきます。手技療法によって膝を動かす筋肉の緊張を緩和できれば、可動域が回復していく可能性は十分あると言っていいでしょう。 膝に痛みと腫れを起こしやすいのはこんな人 明確なきっかけが無いのに、突然膝に腫れや痛みを発生させるのは、どんな特徴の人に多いのでしょうか。 立ちっぱなしの人 仕事柄や生活習慣上、1日の大半を立ちっぱなしで歩き回って過ごすという方の場合、変形性膝関節症などのリスクを高めるので、突然膝に痛みと腫れを起こすこともあります。1日であれば大したダメージにはならないかもしれませんが、これが何日、何週間、何年と続くと大きな症状に繋がります。意識的に座ることや、膝の荷重を避ける瞬間を作れると良いでしょう。 姿勢が悪い人 猫背や巻き肩、ストレートネックなど、明らかに姿勢が悪い人は、膝にかかる負担も大きいです。特に、上半身のゆがみが膝に影響を与えることも多く、頭の位置が前に出ているほど膝の不調を起こすリスクは高まります。頭はとても重い部位であり、体の重心から少し外れるだけでも負担が何倍にも増えてしまいます。また、腰が曲がって骨盤が後ろに傾いている人も、股関節の動きが悪くなって膝の負担を増やします。そこから変形性膝関節症の進行を早め、なかなか治まらない炎症を発生させていくのです。ただ単に膝を使いすぎるだけでなく、通常よりも少し大きな負担をかけ続けていることが問題なのです。 股関節が硬い人 股関節の動きが悪い場合、その分を膝関節で代償するようになるので負担が増えます。歩行の動作を例にとると、股関節が動きにくいせいで足を前に進める力が弱くなります。その分、膝関節を大きく動かして足を前に進めるようになるので、通常時よりも負担が増えてしまうのです。この場合、膝関節で起きた炎症を抑えるための治療はもちろん、股関節の可動域を増やすような運動療法が必要です。 足関節の動きが悪い人 足首が硬いと、やはり膝で代償するようになるので負担が増えます。足首が硬くなる原因は、筋肉を使いすぎて疲労を溜めていることもあります。さらに、足関節捻挫の後に治療をしっかり行わず、後遺症を残してしまった場合も考えられます。特に足関節捻挫をしっかり治さないと、背屈制限が残ることがあるので、足関節捻挫を軽く見てはいけません。それが将来的に変形性膝関節症のリスクを高めることになるのです。 体重が重い人 体重が重ければ、単純に考えて物理的負担が増えるので膝の不調も起こりやすくなります。実際、肥満の方は変形性膝関節症のリスクも高く、年齢と共に多くの方が膝に不安を抱えるようになります。膝の使い方や姿勢をいくら良くしたところで、物理的に荷重が大きすぎれば膝関節の半月板はつぶれていきます。そこから炎症に発展し、常に膝が腫れている状態になってしまうのです。定期的に膝の水を抜くことになりますが、それこそ膝の腫れ癖になったかのような錯覚に陥るかもしれません。しかし、水を抜いたことで癖になったのではなく、膝で炎症を起こす原因が解決されていないということなのです。また、元々体重が重かった人はもちろん、急激に太った場合も膝の不調リスクは高まります。 一度膝が腫れたことがある人 以前に膝が腫れた経験がある人は、再発する可能性も高いです。突然の外傷以外では、日常生活の軽微な外力によって膝の炎症を起こします。原因が生活習慣にあるので、しっかり意識して変えていかないとすぐに炎症は再発するものです。一度良くなって完治した後も、良い状態をキープできるように定期的に体のメンテナンスをすることが大切になります。 突然膝が腫れて痛かったらどうすればいい? もし、突然膝に腫れと痛みが出たら、どのように対処すればいいのかご紹介していきます。 大腿部をマッサージする 軽い力でさする程度でいいので、大腿部の筋緊張を取り除くことが重要です。膝で炎症が起きる原因の多くは、膝の使い方にあります。膝の使い方大きく左右するのが大腿部の筋肉なので、特に大腿四頭筋を自分でマッサージします。筋緊張が緩和されれば、膝にかかる圧力も減って、自然と腫れが吸収されていく可能性もあります。あまり強い刺激を加える必要はないので、優しくもみほぐすイメージで行ってみてください。 お風呂でよく温まる 急性外傷でない限りは、温まることで症状が緩和されるケースも多いです。細菌感染など、病気でないことが前提ですが、変形性膝関節症や筋肉疲労が原因であれば有効な対処法です。温まることで筋肉の緊張もほぐれ、血流が良くなります。その結果、腫れの成分も周りの組織に吸収されやすくなり、腫れも痛みも引くようになるのです。 整形外科に行く 突然の腫れと痛みを検査するには、整形外科が最も適しています。レントゲンも撮影できますし、場合によってはMRIで精査することもできます。外科的処置も出来るので、腫れの原因をはっきり知ることが出来るでしょう。根本的な治療でなくとも、膝の水を抜くなどの対症療法はかなり楽になります。 接骨院に行く 接骨院では、膝の腫れが出た原因を確定診断することは出来ません。しかし、有効な手技療法や後療法、運動療法などの処置ができるので、膝の負担のかかり方をコントロールするのに最適です。整形外科と接骨院を併用することもできるので、上手く使い分けてください。 突然の痛みと腫れは膝の使い過ぎ 膝が突然腫れて痛みを発生させるのは、ほとんどの場合使い過ぎが原因です。長距離ランナーなど明らかな負担だけでなく、姿勢や体重、生活習慣など様々な要因が重なって膝で不調を起こします。膝だけでなく全身のバランスを見直し、生活習慣や癖を改善することが必要になるかもしれません。 お近くに再生医療やスポーツ医療についての専門医がいない方へ さかもとクリニックは、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に提出し受理された厚生労働大臣許可医療機関です。当院では来院前でも「メール相談」を受付けています。どうぞ事前にご相談ください。 メール相談・お問い合わせフォームはコチラ 膝の痛みに関連する記事はこちら ・完治まで膝から水はなくならない?膝に水が溜まる原因と治し方 ・正座すると膝が痛いのは危険サインか?変形性膝関節症の可能性も ・膝を曲げると痛いのは病気のサイン?音が鳴る原因は ・膝をつくと痛い!痛みの原因や症状考えれる病態は? ・膝の上が痛い原因は使い過ぎ?痛みに繋がるリスクとは ・膝の皿が痛いのはなぜ?考えられる原因や病名は ・膝の内側の痛みの原因は?症状や治し方について 再生医療による膝の治療に関連する記事はこちら 膝の症例 現役プロスポーツ選手 ひざの痛みにPRP治療 太ももの痛みに関連する記事はこちら 太ももの付け根が痛いときは股関節の異常?考えられる病態とは 足の付け根の痛みに関連する記事はこちら 足の付け根が痛い場合は手術が必要?考えられる病態とは 足の裏の痛みに関連する記事はこちら 足の裏が痛いのは足底腱膜炎が原因か?治療法や予防法も確認 人工股関節、人工関節に関連する記事はこちら 人工股関節術後に脱臼する可能性と生活の注意点をチェック 膝の人工関節手術は失敗がある?知っておくべきリスクとは 当院の治療についての考え方や 再生医療についての内容もお読みください ・スポーツ外傷・障害の痛みに対する当院の治療 ・変形性股関節症に対する当院の治療 ・再生医療とは ・PRP(多血小板血漿)療法とは ・ご相談から治療までの流れ ▼こちらもご参照ください 監修:リペアセルクリニック大阪院
2019.04.24 -
- ひざ
完治まで膝から水はなくならない?膝に水が溜まる原因と治し方 膝に起こる異変の一つとして、水が溜まるという現象があります。 膝の水が溜まってしまう原因は様々で、膝の水を検査することでどんな病態が隠れているのか知ることもできます。決して年齢が高いから膝に水が溜まるわけではなく、若年層でも膝に水が溜まるケースは考えられます。 そこで今回は、膝に水が溜まる原因と、完治までどのような経過をたどっていくのかご紹介していきます。 膝の水の正体と、溜まる原因 膝に水が溜まる原因は、関節内に炎症が起こるからです。炎症の原因は、まず一つに「靭帯損傷」や「半月板損傷」といった外傷で膝に水が溜まる場合、もう一つは、「変形性膝関節症」などの慢性的な症状によって膝に水が溜まる場合です。 膝関節の動きに重要なものに「関節液」があります。この関節液、関節の動きがスムーズにする潤滑剤の役割をしています。よく耳にする「膝に水が溜まる」という言葉、実のところ、この関節液が正体なのです。 このように「膝の水」は、関節液なので誰の膝関節にも存在していて、問題はその量ということです。膝に水が溜まると言われる状態は、何らかの原因で関節液が増えてしまった状況です。 この膝関節内に溜まっている膝の水(関節液)は、純粋な水分というわけではなく、血液が混じっていたり、化膿して発生した物質が混ざったりすることがあります。 その膝に溜まっている水を注射で抜き、どんな成分が含まれているか検査をすることで、膝関節で起こっている病変を特定することにも役立ちます。 その成分が、「炎症成分であれば、関節炎が起きていることが分かり」、「血液であれば靭帯損傷などの軟部組織損傷」であることがわかるのです。 膝の水 関節液 ▲炎症成分 関節炎 ▲血液 靭帯損傷、軟部組織損傷 膝の水を抜くと癖になる?! 膝に水がたまると、「水を抜くと癖になる」という話。膝に溜まった水を抜くと、何度も繰り返すようになってしまうという噂ですが、これは正しい情報ではありません。 実際に、一度膝に溜まった水を抜き、その後も何度も処置をしなければならないケースはありますが、抜いたことで癖になっているのではありません。単純に、膝関節内での炎症が治まっていないから腫れが引かないだけなのです。 ですから、癖になるからと言って膝関節の水を抜くことをためらっている方もいらっしゃいますが、我慢する必要は全くないのです。むしろ、膝の水を放置しておくことで、悪影響が出ることもあります。 水を抜くと癖になる ✕(嘘) 炎症が収まっていないから溜る 〇(抜いたほうが良い) 抜くのを我慢する ✕(意味がないので抜いたほうが良い) 膝の水を放置する ✕(悪影響も) 膝の水を放置すると、どうなるか? 膝の水を放置すると膝関節にズレが出やすく悪影響となる恐れがあります。通常であれば関節包内で関節軟骨がスムーズな動作や衝撃吸収のシステムを作り出していますが、関節内に水が充満しているとそれらの機構が上手く機能しなくなるからです。 その結果、膝をかばった動作を行うことで膝周辺の筋肉に余計に負担をかけ、その周辺に異常な緊張が生まれ、膝関節の安定性をさらに低下させてしまいます。 膝の動作でズレが出るので、膝の水が引いたあとも再び関節炎を起こしやすくなり、膝に水が溜まる現象を繰り返すことになります。また、可動域制限がかかった膝をかばうことで、股関節や足関節の負担が増加し、新たな障害の可能性が増すだけです。 膝の水を放置することは、膝だけの問題であったものが二次的に他の関節にも痛みを生じさせることになってしまうのです。 膝にたまった水の放置 ▼膝関節のスムーズな動作を阻害 ▼膝をかばった動作となり、その他の関節に負担が出る ▼新たな障害の可能性が増える 膝にたまった水を放置してはいけません 膝の水は、完治するまで無くならない ここまでご紹介してきたように、「膝に溜った水は抜いても癖になりません。」むしろ「放置しておくことは逆効果」で、炎症が治まっていない限りは膝の水は発生し続けます。 膝に水が溜ることを完治させるためには、水が無くなるまで注射で抜き続けるのではなく、膝で炎症を起こしている根本的な原因を改善しなければなりません。その原因が解決されない限りは、膝の水が溜まる現象は完治することは無いのです。 水が溜る ▼水がなくなるまで抜く ✕ 水が溜る根本原因を改善する 〇 ▲水が溜らなくなる 水を抜く必要がなくなる 膝で水が溜まる病態とは 膝に水が溜まるという現象が起こり得る病態とは、どのようなものがあるでしょうか。 変形性膝関節症 変形性ホ座関節症とは、打撲や捻挫をしたわけでもないのに、慢性的な症状で膝に水を溜める大きな原因が「変形性膝関節症」です。特に50代以降で、「外傷の可能性が無いのに膝に水が溜まってきている」場合、高い確率で「変形性膝関節症」だと思ってください。 変形性膝関節症は関節の軟骨が摩耗により、大腿骨と脛骨の関節面が直接擦れ合うようになり、関節内で炎症を起こす病態です。膝関節に負担を蓄積することで、少しずつ関節が変形していきます。 一度変形が起きた骨は元に戻ることはなく、炎症を抑えるためには体の使い方を見直す必要があります。股関節の動かし方や膝関節の動かし方、さらには背骨のゆがみや骨盤のゆがみなど、全身のバランスから改善することが必要なる場合もあります。 変形性膝関節症による炎症が落ち着けば、膝の水も無くなっていくので、必ずしも水を抜く処置を受ける必要はありません。 関節リウマチ 関節リウマチとは、全身のどの関節でも起こる可能性がある炎症です。この炎症は、免疫機能が異常を起こし、健康な骨や筋肉を構成している細胞を攻撃してしまう病態で、関節内での炎症と変形が主な症状となります。 痛みもあるので関節の可動域も狭くなり、変形が起きればさらに関節が動かしにくくなります。そこから慢性的な膝関節炎を起こし、膝全体が腫れあがったような水のたまり方をすることもあります。 薬物療法や運動療法などで炎症が軽減されれば、膝の水は自然と吸収されていきます。 靭帯損傷 靭帯損傷は、膝を支える靭帯に大きな外的衝撃を受けた場合に起こる損傷です。中でも膝に腫れを起こしやすいのが、前十字靭帯の損傷です。前十字靭帯は、他の膝関節の靭帯である後十字靭帯や内側と外側の側副靭帯に比べて、血流量が多いという特徴があります。 そのため、損傷すると関節内に出血を起こしやすく、血腫が溜まるので外から見ると膝に水が溜まったように見えるかもしれません。関節内に存在しているという構造上、保存療法だけではしっかり靭帯が治癒しないことも多くあります。 この場合、膝の腫れに対して対処するというよりは、「前十字靭帯の再建術など外科的処置を受けることによって、膝の水も治まっていく」という過程をたどります。 しかし、前十字靭帯損傷後には後遺症として、膝関節の負担が大きくなったことで慢性的な膝関節炎に移行するということが考えられます。この場合、再び膝に水が溜まる可能性もああり、運動療法などで膝に負担をかけない動かし方を獲得していく必要があります。 半月板損傷 膝の半月板を損傷するのは、外傷など強力な一回の外力によって起こるものと、変形性膝関節症などゆっくりと時間をかけて少しずつ損傷していくものとがあります。 どちらにせよ、膝関節にかかる荷重の衝撃を吸収するクッション作用が弱まるので、膝関節内で炎症を起こすことになります。そこから膝に水が溜まるようになるため、膝の水を抜くことが根本的な改善策になるわけではありません。 結局、膝の負担が変わっていなければ、すぐに膝の水は再度溜まっていきます。また、外傷によって半月板損傷を起こしている場合、半月板だけの単独損傷である場合は少なく、周辺の靭帯や軟部組織損傷を伴っていることがほとんどです。 膝に水が溜まったとき、やってはいけないこと 膝に水がたまった場合、早く完治させるために気を付けなければならないポイントをご紹介します。 我慢しすぎない 前述したように、膝に溜まった水を抜くことで癖になることはありません。必ず外科的な処置によって抜かなければならないわけではありませんが、放置すると膝関節の安定性は低下してしまいます。 屈曲角度が著しく制限されている場合や、日常生活に大きく支障が出ている場合は、我慢せずに早めに整形外科などで相談してください。放置しすぎることによって、かばった体の使い方が定着してしまい、腰痛など二次的な不調を引き起こす可能性が高まります。 痛みを無理して動かす 膝に水が溜まっているということは、少なくとも何か膝に負担をかける要因があるわけです。炎症かもしれませんし、軟部組織損傷かもしれません。いずれにせよ、痛みがありながら無理して動かすことで、プラスに働くことは無いと思ってください。 むしろ、痛みを我慢しながら動かすことで、炎症を悪化させて関節の内圧をさらに高めてしまうこともあります。安静にすることもとても大切なケアなので、膝に水が溜まってきたら出来る限り安静にしてみてください。 それでも膝の水が完治しなければ、医療機関を早めに受診してください。 過剰に冷やす よく炎症が起きた時にはアイシングをすると良いという話を聞くことがあると思います。しかし、過剰に冷やすことは、かえって膝の炎症が完治するのを遅らせてしまうこともあります。 確かに冷やすことで感覚が鈍って、痛みを感じにくくなるかもしれません。しかし、常に冷やしていると血流も悪くなり、代謝が下がって膝の水が吸収されにくくなります。 結局のところ、組織を早期に治癒させるためには、豊富な血流が必要なので基本的には温めるべきです。例外としては、前十字靭帯損傷後に、血腫が大量に溜まっている場合くらいです。急性期の大きな外傷の場合は温めることはせず、安静にしてください。 膝に水が溜まった場合の対処について 膝に水が溜まった場合、完治させるためにはどのような対処法を行うべきでしょうか。 ストレッチをする 出来る限りでいいので、ストレッチなどで膝関節周辺にある筋肉の緊張を緩和させることが大切です。筋肉の緊張が緩和すれば、膝関節の動きもスムーズになって腫れも早く引きます。 膝の水は、抜かなくても自然と吸収されるので、その機能を最大限引き出すつもりでゆっくりストレッチをしてみてください。大腿部や下腿部のストレッチが有効です。 安静にして荷重を避ける 膝が炎症を起こしてしまうのは、荷重による異常がほとんどです。荷重の角度が悪かったり、荷重の頻度が高すぎたり、荷重が重すぎたりすることでダメージを蓄積していきます。 膝に水が溜まるくらいまで炎症が進んでいるようなら、安静にして荷重を避けるだけでも完治を早めることに繋がります。 サポーターなどの装具を使う 膝関節を保護するために、ただ巻くだけの簡易的なサポーターでも良いです。荷重を分散させてくれるような高価なサポーターももちろん良いですが、一時的な対処法であることは自覚しておいた方が良いでしょう。 サポーターを付けることで慢性的な症状に対して、冷えを防ぎ安定性を高めてくれます。実際に装着してみて、少しでも楽に過ごせるようなら使い続けてみてください。 その際には、四六時中サポーターを装着して生活するのではなく、寝るときは外すなどメリハリをつけることも大切です。特に慢性的な症状が原因で出ている膝の水であれば、根本的な体の使い方を見直さない限り完治には至りません。 整形外科で水を抜いてもらう 膝関節の水を抜けるのは、整形外科です。関節に針を刺して抜く方法で、対処してもらえます。膝に水が溜まっているから即座に抜くというわけではなく、生活への支障度合いなどを考慮して選択されます。 水を抜いて検査をしてみれば、実際に何が炎症の原因になっているか判断できるので、長期間続いている場合は早めに抜いてもらってみてください。 接骨院や整骨院にいく 接骨院や整骨院では、外科的処置ができないので、水を直接的に抜くことは出来ません。しかし、周りの筋肉の緊張を緩和させたり、運動療法を行うことによって膝のダメージを軽減させたりすることは出来ます。 その結果、自然と膝の水は吸収されていくので、可動域の制限度合いによっては真っ先に受診するのも良いでしょう。 膝の水は吸収されていく 膝に水が溜まるという現象は、あくまで関節内で炎症が起きていることのサインです。炎症が治まれば、周辺の組織に吸収されて無くなっていきます。膝の水を完治させるためには、なぜ炎症を起こしているのか原因を突き止め、根本を改善することが大切です。 お近くに再生医療やスポーツ医療についての専門医がいない方へ リペアセルクリニックは、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に提出し受理された厚生労働大臣許可医療機関です。当院では来院前でも「メール相談」を受付けています。どうぞ事前にご相談ください。 メール相談・お問い合わせフォームはコチラ 膝の痛みに関連する記事はこちら ・膝の痛みと腫れが突然出た!考えられる原因は? ・正座すると膝が痛いのは危険サインか?変形性膝関節症の可能性も ・膝を曲げると痛いのは病気のサイン?音が鳴る原因は ・膝をつくと痛い!痛みの原因や症状考えれる病態は? ・膝の上が痛い原因は使い過ぎ?痛みに繋がるリスクとは ・膝の皿が痛いのはなぜ?考えられる原因や病名は ・膝の内側の痛みの原因は?症状や治し方について 再生医療による膝の治療に関連する記事はこちら 膝の症例 現役プロスポーツ選手 ひざの痛みにPRP治療 太ももの痛みに関連する記事はこちら 太ももの付け根が痛いときは股関節の異常?考えられる病態とは 足の付け根の痛みに関連する記事はこちら 足の付け根が痛い場合は手術が必要?考えられる病態とは 足の裏の痛みに関連する記事はこちら 足の裏が痛いのは足底腱膜炎が原因か?治療法や予防法も確認 人工股関節、人工関節に関連する記事はこちら ・人工股関節術後に脱臼する可能性と生活の注意点をチェック ・膝の人工関節手術は失敗がある?知っておくべきリスクとは 当院の治療についての考え方や 再生医療についての内容もお読みください ・スポーツ外傷・障害の痛みに対する当院の治療 ・変形性股関節症に対する当院の治療 ・再生医療とは ・PRP(多血小板血漿)療法とは ・ご相談から治療までの流れ こちらもご参照ください 監修:リペアセルクリニック大阪院
2019.04.23 -
- ひざ
- 変形性膝関節症
変形性膝関節症の兆候か?!正座できないくらい膝が痛い! 膝が最も深く曲がる動作と言えば、正座ですよね。普段は何気ない座り方であっても、膝でなにか問題がおきると正座をするときに強い痛みが出るようになります。ぶつけたり捻ったりした、いわゆる外傷後であれば原因もわかりやすいですが、正座の際の痛みは外傷だけではありません。 自分では何も思い当たる原因がないのに、ある日突然正座をすると痛いということが起こり得るのです。今回は、正座をすると膝が痛いという場合に、どんな問題が起きている可能性があるのかご紹介していきます。 正座をすると痛いときに考えられる7つの病態 正座をすると痛いという場合に、どんな問題が起きている可能性があるのか、詳しく掘り下げていきます。 1.変形性膝関節症 膝をぶつけたり捻ったりしたわけでもないのに、正座をすると痛い、または正座がほとんど出来ないとなれば変形性膝関節症を疑います。年齢にもよりますが、50代以降で正座の際に痛みが出る場合は、変形性膝関節症の可能性としては高いです。 変形性膝関節症は、大腿骨の下端と脛骨の上端で構成される膝関節が、少しずつ潰れて変形してしまう病態です。間に挟まっている関節軟骨が、繰り返しの外力によって少しずつ摩耗し、穴が開いたり破れたりしていきます。 すると、体重がかかったときのクッション作用が上手く機能せず、骨自体が直接影響を受けて潰れてしまうのです。特に膝関節の内側で変形が起こるケースが多く、変形性膝関節症が進行するとO脚のような形が酷くなっていきます。 この状態で膝を最大屈曲させるような、正座の動作をすれば、関節内に異常な圧迫力がかかって痛みを伴います。さらに、変形性膝関節症であるということは、通常の歩行時にも痛みを伴っているケースも多いです。 それが長期間続けば、膝関節周辺の軟部組織を損傷している可能性も高いので、それによって正座で痛みが出ていることも考えられます。いずれにせよ、変形性膝関節症がある状態で再び問題なく正座をするためには、根気強いリハビリが必要になります。 2.靭帯損傷 膝の周辺には、関節内にある前十字靭帯と後十字靭帯、関節の内側にある内側側副靭帯、関節の外側にある外側側副靭帯の4つが存在しています。これらで損傷が起きていると、膝関節の最大屈曲位で痛みが出るので、当然正座でも痛みが発生します。 また、膝関節周辺のこれらの靭帯は、それぞれが強固な作りになっています。そのため、どれか一つの靭帯が損傷されるほどの外力がかかっているということは、他の靭帯も一緒に損傷している可能性が高いです。 例えば、前十字靭帯が損傷するほどの外力がかかっていれば、内側側副靭帯も一緒に損傷している頻度が高いのです。正座をすることによって膝の屈曲角度が鋭角になり、損傷している靭帯に牽引力がかかって痛みが出ます。 さらに、靭帯損傷をしたことによって膝関節で腫脹がでていれば、正座の屈曲によって関節内の圧力が高まって痛みを感じることもあります。さらに、膝関節の靭帯損傷が起きている場合、関節軟骨の損傷を伴っていることも多いです。 仮に関節軟骨を損傷していれば、膝関節を屈曲させたときに関節内で嵌頓してしまい、痛みを発生させることも考えられます。靭帯損傷している場合では、正座をするということはほぼ不可能でしょう。 3.関節軟骨損傷 膝関節にある関節軟骨は、内側半月と外側半月の2つに分かれています。それぞれ、三日月のようなC字状の形をしています。靭帯損傷を伴うほどの外力によって一回の衝撃で関節軟骨を損傷する場合もあれば、軽微な外力の積み重ねで少しずつ関節軟骨を摩耗していく場合もあります。 通常は、関節軟骨があることによって、膝の屈曲伸展などの動きがスムーズに作用します。さらに、ジャンプの着地時など、地面から伝わる衝撃をうまく吸収する役割も果たしています。 この関節軟骨が損傷している状態だと、大腿骨の関節面と脛骨の関節面の間で、滑りが悪くなります。そのため、膝関節を最大屈曲させる正座という動作では、動きのズレを起こして痛みを伴いやすくなるのです。 さらに関節軟骨が摩耗して、ほとんど存在しないようなケースも見受けられます。この場合、大腿骨や脛骨の関節面が直接ぶつかることになるので、正座でも歩行でも痛みを伴うでしょう。 4.大腿四頭筋腱炎 大腿四頭筋を繰り返し使い、疲労を蓄積することで脛骨粗面や膝蓋骨周辺に微細な損傷を起こします。そこから、大腿四頭筋腱炎に発展するのです。大腿四頭筋腱炎はジャンパーズニーとも呼ばれ、膝蓋骨の下から脛骨粗面まで続く膝蓋靭帯での炎症も起こします。 そのため、大腿四頭筋腱が位置している膝蓋骨の上部や、膝蓋靭帯がある膝蓋骨の下部でも痛みを発生させることがあります。発生機序としては大腿四頭筋の使い過ぎでバレーボールやバスケットボールなど、ジャンプを繰り返す競技に力を入れている方がなりやすい症状でもあります。 大腿四頭筋腱に微細な損傷を起こしているので、牽引力が加わることで痛みを発生させます。膝を最大屈曲する正座では、大腿四頭筋の牽引力も強くなるので痛みを伴いやすいのです。大腿四頭筋腱の炎症が治まれば、再び正座も問題なく行えるようになります。 しかし、炎症が起きた後にすぐ同じようにスポーツ活動を再開すれば、いずれまたすぐに大腿四頭筋腱炎を再発させる可能性が高いです。そのため、早期治癒と再発予防を目指すなら、股関節や足関節の柔軟性を高めて膝関節にかかる負担を減らせるようにすることが大切です。 5.膝関節炎 膝関節が何らかの原因で炎症を起こしていると、正座のときでも痛みが出ます。変形性膝関節症があれば、膝関節内で炎症を起こしていることもあります。それ以外でも、関節軟骨の損傷や靭帯損傷の二次的な症状としても現れることがあるでしょう。 そういったわかりやすい損傷以外にも、膝関節を動作させる筋肉に異常な緊張があると膝関節内で炎症を起こすことがあります。例えば大腿四頭筋が異常な緊張を起こしていれば膝蓋骨が大腿骨の関節面に強く押し付けられる形になり、そのまま膝関節の屈曲伸展を繰り返すことで摩擦が起きます。 摩擦力で負ったダメージによって、膝蓋大腿関節で炎症を起こし、正座をすると痛いという状況に陥るのです。他にも、大腿部外側の筋肉が異常な緊張を起こし、内転筋とのバランスが悪くなることで膝関節内での炎症に繋がることがあります。 打撲などの外傷が無くても、足に合わない靴を履いていたり、足関節の動きが悪かったり、股関節の動きが悪かったりすれば大腿部外側の筋肉が硬くなることがあります。膝関節がO脚のように引っ張られていくので、膝関節の内側で摩擦が起きて炎症に繋がるのです。 6.オスグッド オスグッドは10代特有の症状でもありますが、大腿四頭筋の牽引力によって脛骨粗面で炎症が起きる病態です。まだ骨が成長しきっていない年代で起こることが多くサッカーやバスケットボールなど、ジャンプやダッシュで大腿四頭筋が強く緊張することが多いと起こりやすいです。 大腿四頭筋で筋力発揮をするたびに、停止部である脛骨粗面に強い牽引力が加わり、微細な損傷を起こしながら炎症していきます。その結果、正座をすることで大腿四頭筋の牽引力が高まって痛みが出ますし、地面に脛骨粗面が当たることでも痛みを発生させます。 一回の激しい外力でオスグッドを発症するというよりは、日々のスポーツ活動において負担を少しずつ蓄積することで発症していきます。そのため、普段から大腿四頭筋のストレッチを行っておくことや、股関節をはじめとする下半身の使い方を見直し、ダメージの蓄積を防ぐことが大切です。 また、オスグッドによる痛みを発生させる前に、正座をする習慣があるとオスグッドの発生率は低くなります。 7.肉離れ 大腿部の後面にあるハムストリングス、または下腿部の後面にある下腿三頭筋で肉離れを起こしていれば、正座をするときに膝で痛みを発生させることもあります。もちろん、正座をすることで損傷部位に圧力をかけることになるので、それによって痛みを発生させるということもあります。 そういった直接的な原因だけでなく、肉離れによる痛みをかばって膝に異常な負担をかけていることで、二次的な膝の痛みに繋がるのです。下肢の後面で肉離れを起こしているということは損傷部に牽引力が加わらないように少しだけ膝を屈曲させた状態で過ごすことになります。 これが長期間続けば、当然下肢前面にある大腿四頭筋や前脛骨筋にも負担を蓄積し、膝関節炎に繋がるような負担がかかります。その結果、正座など膝が強く屈曲する瞬間や、逆に強く伸展する瞬間に膝で痛みを発するようになるのです。 正座で膝に痛みが出たときの4つの対処法 正座をすると膝が痛いという状況が突然襲ってきた場合、自分でどのような対処法をすればいいのかご紹介していきます。 1.同じ姿勢を続けない 筋肉が緊張することで、正座の際の痛みを助長しているケースがあります。その場合、長時間同じ姿勢が続くと、その後に動き出すときに痛みが出ることがあります。 長時間椅子に座っていた後に、急に正座をしようとすると痛みが出るので、それ以前の段階から20分に1回は立つようにするなどの対策が必要です。どんな体勢だとしても、長時間同じ姿勢を続けていること自体が良くないので、こまめに体勢を変えるようにしてください。 2.膝を温める 外傷の直後でない限りは、温めることで膝の動きが良くなり、正座での痛みが軽減できることがあります。温めることで血流が良くなるので、筋緊張が緩和されます。 筋緊張が緩和されれば、膝関節で起きる異常な摩擦や荷重が無くなり、正座もスムーズにできるようになるのです。変形性膝関節症と診断された方でも、お風呂に入った後には正座が比較的楽にできるという方も多いです。 3.ストレッチをする 特に大腿四頭筋のストレッチをすることで、正座の際にかかる膝への負担を減らすことに繋がります。正座という動作は荷重をしながら膝を最大屈曲させる動作なので、実はかなり負担が大きいです。 まずは非荷重の状態で膝を屈曲しながらストレッチをして、徐々に荷重での屈曲に移行していきます。非荷重の状態で膝を屈曲した段階で痛みが出るなら、正座をすればほぼ間違いなく痛みは憎悪します。 まずは問題なく非荷重での屈曲が出来るようにして、その後正座に挑戦するという流れで改善していきましょう。 4.医療機関に相談する 正座をすると痛いことの原因が何にあるのか、結局のところは精査してみないとわかりません。明らかに外傷がある場合は別ですが、そうでなければ専門医に相談して原因を特定してから改善のための取り組みを行いましょう。 まずは整形外科に行き、骨など器質的な問題がなければ接骨院や整骨院でも入念な治療が受けられます。 ご注意!正座の痛みは重症化の前兆かも 正座は負担の大きい動作ではありますが、通常は痛みが無くできるはずです。しかし、関節内で炎症がある場合や、膝関節の軟部組織損傷がある場合は正座でも痛みが出ます。 歩行の痛みが無くても、正座の痛みが出てきたときには重症化の前兆である可能性も否定できないので、早めに専門医に相談するのが一番です。 お近くに再生医療やスポーツ医療についての専門医がいない方へ さかもとクリニックは、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に提出し受理された厚生労働大臣許可医療機関です。当院では来院前でも「メール相談」を受付けています。どうぞ事前にご相談ください。 監修:リペアセルクリニック大阪院 膝の痛み関連する記事はこちら 膝の痛みと腫れが突然出た!考えられる原因? 完治まで膝から水はなくならない? 膝を曲げると痛いのは病気のサイン? 膝をつくと痛い!痛みの原因や症状考えれる病態? 膝の上が痛い原因は使い過ぎ?痛みに繋がるリスクとは 膝の皿が痛いのはなぜ?考えられる原因や病名は 膝の内側の痛みの原因は?症状や治し方について 再生医療による膝の治療に関連する記事はこちら 膝の症例 現役プロスポーツ選手 ひざの痛みにPRP治療 足の付け根の痛みに関連する記事はこちら 足の付け根が痛い場合は手術が必要?考えられる病態とは ▼こちらも併せてご参照ください
2019.04.22 -
- ひざ
膝を曲げるとポキッと音がするということは、意外と多くの方が経験しているのではないでしょうか。関節を動かして音が鳴ることには、様々な原因が考えられます。痛みを伴わなければ、それほど気にする必要はありません。しかし、膝を曲げると音が鳴って、なおかつ痛みを伴っているケースもあります。今回は、膝を曲げると音が鳴って痛いという場合に、どんな病態が考えられるのかご紹介していきます。 こちらもご参照ください 膝で音が鳴るのはなぜ? 関節で音がなるのは、関節の変形であったり、筋肉の緊張であったり、様々な原因が考えられます。どれも痛みがなければ気にすることはありませんが、中には痛みを伴って音が鳴っているケースもありますよね。特に膝を曲げて音が鳴って、なおかつ痛いという場合には、関節軟骨に異常が出ていることがあります。関節軟骨は一回の強い衝撃によって外傷で損傷する場合もありますが、日々の微細なダメージによって少しずつ損傷していくこともあります。ですから、自分でもいつから音が鳴っているのかはっきりわからないケースも多々あるのです。その他、腸脛靭帯という大腿骨の外側を走行している長い靭帯が、大腿骨の外側顆と摩擦を起こすことで、膝を曲げた時に音が鳴るということも考えられます。この場合、長期間放っておくとランナーズニーといって、腸脛靭帯炎に発展していくことがあるので注意です。 膝を曲げると痛いときに考えられる病態 膝を曲げると痛い場合に、膝関節やその周辺ではどのようなことが起こっているのでしょうか。考えられる病態をいくつかご紹介していきます。 膝の筋力が弱っている 何か外傷や病気があるわけではなく、単に膝周辺の筋肉が弱っていることで痛みを発生させる場合もあります。膝を曲げたり伸ばしたりする筋肉と言えば、大腿部前面にある大腿四頭筋と、大腿部後面にあるハムストリングスという筋肉が代表的です。その他にも、縫工筋、薄筋、半腱様筋といった鵞足に付着する筋肉も、膝の動作に関連します。細かい筋肉で言えば、膝窩筋も重要です。これらの筋肉が衰えてしまうことで、膝関節の動きにズレを発生させてしまいます。以前は膝を曲げても痛くなかったし、音が鳴ることもなかったのに、なんだか急に最近気になりだしたという方は、もしかしたら運動不足などで筋力が弱っているのかもしれません。ウォーキングを始めたり、自転車を漕いだり、無理のない範囲で運動を始めると良いでしょう。歩行時や立ち上がり時に痛みを伴っている方は、水中ウォーキングなど負担の少ない運動からスタートすると長続きします。いずれにせよ、一時だけ運動を頑張っても根本的な解決にはならないので、楽な運動を毎日の習慣にすることが大切です。 変形性膝関節症 変形性膝関節症は、長い時間をかけて少しずつ膝関節を変形させていく病態です。一回の大きな衝撃によって急に膝が潰れたりするわけではないので、以前は気にならなかった膝屈曲時の痛みや音がだんだん強く感じられるようになってきます。変形性膝関節症の初期段階では、荷重した状態で膝を曲げるような動きで痛みが出ます。しゃがみ込んだり、屈伸運動をしたりするような場面です。そこから時間の経過とともに変形性膝関節症が進行すると、非荷重の状態でも膝を曲げた時に痛みが発生する場合もあります。その中で、曲げるとパキッと音がする方もいらっしゃいます。 変形性膝関節症はなぜ起こる? 変形性膝関節症になってしまう大きな原因は、膝の使い方です。体重のかかり方がよくなかったり、膝を使いすぎていたり、姿勢が悪かったりすると変形性膝関節症のリスクは高まります。非荷重の状態で膝を曲げるのにも痛みを伴うわけですから、当然平地の歩行でも痛みが出ます。痛みが出るとそこをかばおうとして姿勢がゆがみ、さらに体重のかかり方に偏りが出てしまいます。そうなれば、結果的に膝の負担を逆に増やすことになりますし、O脚がひどくなるような変形の傾向も強くなります。あまりにも変形が強く進み、日常生活に著しく支障をきたす場合には人工関節置換術によって手術が行われることもあるくらいです。保存療法の場合は、膝の痛みが出ない範囲で無理なく運動を行い、筋力を徐々に取り戻していき膝を安定させます。一度変形してしまったものは元に戻りませんが、痛みの出ないような膝の使い方を獲得すれば問題ありません。 変形性膝関節症で音がなる原因は? 変形性膝関節症になると、膝を曲げた時に音が鳴ることがありますが、それは関節軟骨の摩耗が関係しています。膝関節の内側には、関節半月または半月板と呼ばれる関節軟骨が位置しています。変形性膝関節症の場合は、その関節軟骨を徐々にすり減らしていく形になり、穴をあけてしまいます。膝を曲げたり伸ばしたりしたときに、関節軟骨が異常な挟み込まれ方をすることで、パキッと音が鳴ります。音がなるから必ずしも変形性膝関節症になるというわけではありませんが、一つの可能性として捉えることは出来ますね。 腸脛靭帯炎 腸脛靭帯炎は別名ランナーズニーと呼ばれています。大殿筋から始まる腸脛靭帯は、大腿骨の外側を縦に走行し、下腿の骨まで到達します。その過程で大腿骨の外側顆と接触するのですが、何らかの原因で腸脛靭帯が緊張することで外側顆との摩擦が大きくなり、炎症を起こすことがあるのです。その結果痛みを発生させ、ランナーズニーとして診断されるようになります。腸脛靭帯炎になると、屈曲や伸展運動の際に腸脛靭帯と外側顆が擦れるので、当然膝を曲げると痛みが出ます。しゃがむなどの荷重時の屈曲でのみ痛みが出るケースと、椅子に座って膝を曲げるような非荷重時での屈曲でも痛みが出るケースがあります。腸脛靭帯炎になってしまうのは、要は使い過ぎが原因です。大殿筋や大腿部の筋肉に負担がかかるような、長距離ランナーに多い症状です。痛みが出ると、そこを守ろうとして周りの筋肉は自然と硬くなります。その結果膝関節の動きが硬くなり、痛みだけでなく曲げると音が鳴るという現象が出現することも稀ではありません。また、膝を曲げるとゴリゴリ音が鳴るという方もいらっしゃいます。 腸脛靭帯炎はどのような治療が有効? 腸脛靭帯炎を治すには、まず安静にして患部の負担を減らすことが重要です。オーバーユースが原因なのですから、休むことができれば炎症も治まって痛みを感じなくなります。しかし、痛みが無くなった後も以前と同じような体の使い方をしていれば、またすぐに腸脛靭帯炎は再発してしまいます。運動療法や後療法、手技療法などで、腸脛靭帯部に負担を蓄積しないような体の動かし方を身に着けておくことが重要です。特に、骨盤が後ろに傾いている状態では、腸脛靭帯に負担をかけます。人間の体の構造上、骨盤が後傾することで股関節が開いて大転子が外に向いていきます。その結果腸脛靭帯の張りも強くなり、股関節の屈曲伸展の動きで負担がかかるようになるので、腸脛靭帯炎が発生しやすくなってしまうのです。骨盤が後ろに傾かないように、股関節前側の緊張を緩和させたり、胸椎のしなやかさを出したりすることが根本的な治療に繋がります。足関節の動きも重要なので、下腿三頭筋や前脛骨筋のストレッチをしたり、足首の柔軟性を高めたりすることも有効です。 膝を曲げて痛い場合はどうしたらいい? 膝を曲げると痛い、または膝を曲げると音が鳴って気になるという場合、自分ではどのような対処をしたらいいのでしょうか。 大腿四頭筋のストレッチをする 膝で不調が起こる原因の多くは、膝を動かす筋肉の緊張から始まります。特に大きな筋力を発揮する、大腿四頭筋の緊張が出ると膝の障害リスクは上がってしまいます。そこで、日ごろから大腿四頭筋のストレッチを習慣にしておくと良いです。単純に、大腿四頭筋は膝を最大屈曲することでストレッチ出来ます。その時に、股関節が屈曲すると大腿四頭筋が緩んでストレッチ効果が半減するので、股関節が屈曲しないように注意してください。むしろ股関節を伸展気味にして膝を曲げた方が、大腿四頭筋が良く伸びます。 内転筋のトレーニングをする 何も考えずに日常生活を送っていて、最も筋力が落ちやすい部位の一つが内転筋です。膝の内側に位置する内転筋の筋力と、大殿筋などの股関節外転筋のバランスが崩れれば、膝の安定性も失われてしまいます。O脚傾向も強くなり、変形性膝関節症なども進行してしまいますから、意識的に内転筋を鍛える必要があるのです。トレーニングジムなどで内転筋を鍛える器具を使うのが確実ですが、そうでなくとも簡単に鍛えることが出来ます。ゴムチューブを足に巻き付けて、股関節の内転方向に力を入れるだけでも十分です。さらに、椅子に座った状態で足を浮かせ、膝を前にまっすぐ伸ばすだけでも効果があります。そのとき、膝の内側にボールやクッションを挟むとより効果的です。鍛えられると、膝関節の運動もスムーズになりますし、安定性が増して負担も減るので痛みが軽減していきます。 足首をよく回す お風呂上りにでも良いので、足首を手で回すことで膝の負担を減らし、曲げた時の痛みを軽減させることが出来ます。足関節の動きの悪さは、膝関節の負担に直結します。しかも、足関節の動きの悪さを自覚しているケースは少なく、膝をどんなに治療しても痛みが軽減しない原因にもなってきます。足関節の底屈や背屈の動きがスムーズになれば、歩行時の推進力も増して膝の負担を減らすことが出来るのです。それが変形性膝関節症の進行を食い止めることにも繋がりますし、腸脛靭帯炎のリスクを軽減することにも繋がります。 整形外科で精査してもらう 原因不明の膝痛で、非荷重や歩行程度の屈曲でも痛みが出ている場合は、整形外科でドクターに相談するのが一番です。整形外科ならレントゲンも撮影できますし、場合によってはMRIも撮影できます。転倒や打撲が無いのに膝関節が腫れて、曲げると痛いという場合には、変形性膝関節症が進行している恐れがあります。まずは原因をはっきりさせることで、最も適したアプローチが出来るようになるので、早めに相談しておきましょう。 接骨院で治療する 筋肉の緊張を緩和させたり、筋力強化のサポートをしたり、保存療法を行うには接骨院も適しています。注射などの薬物療法は受けられませんし、レントゲンなどで画像診断をすることもできませんが、膝を曲げると痛いという状況に対して専門的な知識を使って治療してくれます。接骨院は国家資格を持った治療家が従事しているので、今ある痛みを早く取り除くことはもちろん、再発予防のためにできるケアの指導が受けられます。場合によっては、整形外科で精査した後に接骨院で治療を開始するという手段もあります。 膝を曲げると痛いのは異常のサイン 曲げた時の痛みがどんな原因であれ、膝で何か異常が起きているサインであることには違いありません。放置しておくと手術に繋がる症状も隠れているので、痛みについては早めに専門医に相談してください。音がなるだけであれば、直ちに問題になることは少ないですが、痛みを伴っている場合はすぐに対処した方が良いでしょう。 お近くに再生医療やスポーツ医療についての専門医がいない方へ さかもとクリニックは、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に提出し受理された厚生労働大臣許可医療機関です。当院では来院前でも「メール相談」を受付けています。どうぞ事前にご相談ください。 メール相談・お問い合わせフォームはコチラ 膝の痛み関連する記事はこちら 膝の痛みと腫れが突然出た!考えられる原因は? 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2019.04.21 -
- ひざ
膝をつくと痛い!痛みの原因や症状考えれる病態は? 膝は常に体重を支えている関節なので、年齢と共に軟骨がすり減りやすく、亜急性の不調を起こしやすい部位とも言えます。 打撲や捻挫などによって膝を負傷することも当然ありますが、多くの方は明確な原因がわからず徐々に痛みが増すような症状の出方をしています。若い年齢でもオスグッドなど、スポーツ活動を盛んに行っているなど日常生活の特徴があれば、歩行でも痛みが出るほどの症状になることはあります。 今回は、膝をつくと痛いという状況のときに、どんな病態が考えられるのかご紹介していきます。 膝関節を構成している骨 膝の関節は主に3つの骨で構成されています。一つは大腿骨で、大腿骨の膝関節面は内側と外側に分かれており、内反や外反といった異常な動きをしないように靭帯などで頑丈な安定性を保っています。 もう一つは脛骨という「スネ」の骨で、脛骨の近位端部が膝関節面になっています。脛骨の上部に大腿骨の内側顆と外側顆がはまり込むような構造です。そしてもう一つが膝蓋骨で、大腿骨の近位部前面に位置し、膝関節の屈曲や伸展の際には滑るように移動しています。 膝関節は特徴的な動きをする 膝関節の基本的な動きは屈曲と伸展で、どちらも大きな筋肉によって動作するので強い筋力を発揮できます。膝関節屈曲の主動作筋肉は、大腿二頭筋と半腱様筋、半膜様筋で構成されているハムストリングスです。 逆に膝関節伸展の主動作筋は、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋で構成されている大腿四頭筋です。どちらも骨盤から大腿骨を走行し、下腿の近位端まで到達しています。 そのため、厳密には膝関節だけでなく股関節の動きにも作用しているという特徴があります。そして、もう一つ特徴的なのが膝関節屈曲の際に起こる下腿の内旋で、膝窩筋など小さな筋肉によって微妙な動きを調整しています。 膝関節屈曲で下腿が内旋、伸展すると共に下腿は外旋し、単純な前後面の運動だけではないのです。この特徴的な動きを、スクリューフォームムーブメントと呼びます。 膝は不調が起きやすい部位 膝は荷重関節でもあるので、ぶつけた、捻ったなどの明確な受傷機転が無くても痛みを感じるようになることもあります。タナ障害など、生まれつきもっている関節包内のヒダが原因で起こるような症状もありますし、日常生活に大きく影響してきます。 亜急性の膝で起こる不調の原因を突き詰めていくと、姿勢の悪さや体の使い方、日常生活動作や仕事での負担など、長期的に見たダメージの蓄積が根本にあります。 そのため、徐々に痛みを増したり、少しずつ変形が目立つようになったり、年齢と共に膝の痛みが起こるリスクは高くなっていくのです。逆に10代の若年層では、オスグッドなどスポーツ活動に起因する症状も出ます。 特にサッカーやバスケットボール、バレーボールなど、瞬発系の競技を頻繁に行っている少年に多いです。このように、膝関節は年齢関係なく不調を起こすことがあります。 膝をつくと痛い場合に考えられること 膝をつくと痛いという場合に、どんな病態が考えられるのかご紹介していきます。膝を地面に着くということは、膝関節や股関節も屈曲しているということであり、様々な原因の可能性があります。 変形性膝関節症 50代以降の年齢になってくると急に症状が出始めるのが、変形性膝関節症です。本人の中では転倒したり、捻ったり、変な動作をしたという自覚は無く症状が出始めます。 膝をついたり曲げたりすると痛みがあり、場合によっては通常の歩行ですら強い痛みを感じるようになることもあります。膝関節の酷使や、過度な荷重の繰り返しなど、長年のダメージを蓄積することによって少しずつ変形していくものです。 最初は膝関節内にある半月板を擦り減らせて、徐々に骨自体の変形に移行していくこともあります。特に多いのが内側半月の損傷で、股関節の硬さや姿勢の悪さによって骨盤が後傾し、下肢全体がO脚傾向になることで内側半月の負担が増えます。 膝をつくと痛い、歩くと痛いという症状が出るころには、レントゲンなどで精査するとほとんど半月板が残っていないこともしばしばです。膝の内側が潰れるような変形が進み、さらにO脚傾向が強くなり、結果的に膝内側の負担をどんどん増すという悪循環になってしまいます。 タナ障害 関節包内にある棚のようなヒダが関節の間で挟み込まれてしまい、徐々に炎症を起こしていく症状をタナ障害と言います。タナ障害の原因である関節包内のヒダは、一回の外力で急に出来たり、体の動かし方によって出現したりするわけではなく、多くは先天的に大きい形状になっています。 そこから炎症を起こすに至る契機として、膝関節の軟部組織損傷などの外傷が関係するのです。膝の靭帯損傷や筋肉疲労などによって膝関節の動きにズレが出ると、関節包内にある滑膜ヒダが強く挟み込まれるようになります。 膝関節の屈曲や伸展の際にヒダが繰り返し挟まれることで、痛みを感じるのです。膝をつくと痛いこともあれば、歩行の際に痛みが出ることもあります。他動的に膝関節を屈曲させたときに、ポキッというようなクリック音が生じる場合、タナ障害のリスクが高いと考えることも出来ます。 症状が出たら、痛みのある動作を避けて安静にすることで炎症の鎮静化を待ち、膝関節の使い方を正すような運動療法をするのが有効です。 半月板損傷 膝関節は内側半月と外側半月が存在していて、損傷の頻度が高いのは内側の半月板です。スポーツ活動の際中、特にコンタクト系のスポーツを行っているときに膝関節に過度な捻転力や内反力がかかると、内側半月を損傷します。 このような外傷によって半月板を損傷するケースでは、多くの場合内側側副靭帯や前十字靭帯など、内側半月以外の軟部組織損傷も併発しています。また、変形性膝関節症のように亜急性の半月板損傷もあります。 一度で靭帯損傷や筋断裂を起こすほどではない軽微な外力によって、少しずつ半月板を摩耗していきます。半月板が損傷して穴が開くなどの変形をきたせば、膝をつくような動作のときに痛みと可動域制限が発生することもあります。 一度損傷してしまった半月板は、放っておいて再生するということはありません。しかし、それでも痛みが出ないような動作を獲得することは可能で、大腿部などの筋力強化や運動学習によって日常生活で問題ないレベルに回復していくことは出来ます。 靭帯損傷 膝に存在している主要な靭帯は、膝関節の内側を大腿骨から脛骨にかけて走行する内側側副靭帯、膝関節の外側を縦に走行する外側側副靭帯があります。さらに関節内に、前十字靭帯と後十字靭帯があり、それぞれ膝関節が前後にズレないように安定性の強化を担っています。 いずれも強固な靭帯であり、損傷する場合は他人との接触など大きな外力がかかっているはずです。特に前十字靭帯は血流量も多い靭帯であり、損傷すると膝関節に強い腫脹も見られます。 また、それぞれの靭帯が単独で損傷しているということも少なく、前十字靭帯が損傷するほどの外力では、内側側副靭帯も一緒に損傷していることが多いです。靭帯損傷を起こせば、損傷した靭帯部に圧痛や腫脹が見られ、膝をつくなどの動作では当然痛みが出ます。 歩行が困難になる場合もあり、関節内に存在する前十字靭帯と後十字靭帯では再生力に乏しいので、手術が選択されることも多いです。スポーツ活動をしている方にとっては、場合によっては選手生命に関わる損傷でもあるので、慎重な判断が必要です。 分裂膝蓋骨 その名の通り、膝蓋骨が分裂している病態です。膝蓋骨が分裂してしまう原因は不明で、骨折などとは違い限局性の圧痛や、介達痛を起こすことは稀です。分裂膝蓋骨が出現すること自体では、日常生活で著しい支障が出ることはほとんどなく、問題なく過ごせます。 しかし、ジャンプ系またはダッシュ系の競技など瞬間的な大腿部の筋力発揮が必要なスポーツでは、分裂膝蓋骨に負荷がかかり炎症の痛みを発生させることもあります。 膝をつくなど圧迫力がかかることでも痛みが出るので、痛みのある動作を控えて炎症の鎮静化を待つことが大切です。分裂の仕方は様々で、縦に割れているものや、横に割れているもの、外上方だけ分裂しているものなど様々です。 日常生活に著しい支障が出ていなければ、保存療法で十分対応が出来ます。特に大腿四頭筋の緊張が分裂膝蓋骨の痛みに繋がるので、ストレッチや股関節の可動域強化などで、痛みの出ない膝の動かし方を獲得していきます。 手術の場合は、分裂した小さい骨片を取り除く方法や、骨癒合を試みる方法などが選択されるでしょう。 鵞足炎 鵞足炎は「鵞足(がそく)」と呼ばれるひざの内側下方の脛骨の周囲に炎症が生じる病気です。「鵞足」とは、脛骨というスネの骨の内側(膝から5-7㎝ほど下)に位置し、縫工筋、半腱様筋、薄筋と呼ばれる筋肉の腱が骨にくっつく部位(付着部)です。 この部位にある滑液包に炎症が生じる状態が鵞足炎です。滑液包とは、膝をはじめとした関節に存在する小さなゼリー状の袋です。 少量の液体が含まれており、骨と軟部組織の間に存在し、摩擦を軽減するクッションとして機能します。 鵞足炎は膝の屈曲や股関節の内転動作によって滑液包に負担が繰り返しかかり慢性的な痛みが生じます。アスリートをはじめとしたスポーツ選手に生じやすく、また、スポーツをしていなくても打撲などをきっかけに発症することもあります。 鵞足炎の治療としては、理学療法や注射などの保存療法が一般的です。膝をつくとき以外にも、運動時や階段を下がる時や歩く時などにも痛みがでます、重症化してしまうと、何もしていなくても疼くように痛くなるようになります。 腸脛靭帯炎 腸脛靭帯炎とは、ランニングによる膝障害のことです。膝の屈伸運動を繰り返し行うことで腸脛靭帯が大腿骨外顆(がいか)と擦れ、炎症が起こって痛みが発生します。 マラソンなどの長距離ランナーをはじめ、バスケットボール、水泳、自転車、エアロビクス、バレエなど多岐に渡るスポーツで発症します。過剰なランニング時間やウォームアップ不足、休養不足、硬い路面や下り坂による負担など、さまざまな要因が発症に結びついています。 腸脛靭帯炎とは、膝が痛むというのが基本的な症状です。痛む箇所は大腿骨外顆周辺、膝の外側で、腸脛靭帯の走行に沿って痛みが出るケースもあります。初期はランニング後に痛みが発生するのですが、休むと痛みが消失します。 しかし、ランニングを続けていると次第に痛みは増してきて、休んでも簡単に痛みが消失しなくなります。膝の屈伸運動を繰り返し行うことで発症する腸脛靭帯炎なので、最大の治療方法はランニングや膝に負担が掛かる練習を休止、或いは練習を減らすことが症状緩和につながります。 そして、アイシングや湿布の使用、ストレッチを強化します。また、スポーツ整形外科を受診し、消炎鎮痛剤の内服や局所注射などの治療を行います。膝の外側の痛みは腸脛靭帯炎だけではありません。 中学生や高校生の場合、疲労骨折が考えられるケースもありますし、中高年なら外側半月板損傷が疑われるケースもあります。膝の外側の痛みが改善しないようであれば、スポーツを専門とする病院を受診するようにしましょう。 ジャンパー膝(膝蓋腱炎/大腿四頭筋腱付着部炎) 運動や屈伸運動を頻繁に行うことによって生じます。バレー、ランニングといった動きを代表に、膝蓋腱の収縮を何度も繰り返し行うことによって損傷が蓄積されて起きます。スポーツ選手に多い疾患です。 スポーツ選手でなくても体が固い方などで起きやすく、年齢に関わらず体力をつけるために急に走ったり歩いたりすることでも生じますが、基本的には充分に休息し、膝蓋腱を安静にすることで一過性で済むことがほとんどです。 これに対し、スポーツ選手は損傷した膝蓋腱が修復する余裕がないほど頻繁に運動してしまい、慢性化して治療が必要になることがあります。 膝をつくと痛いときに行うべき対処法 膝をつくと痛いとき、どんな対処法をすればいいのかご紹介していきます。 安静にして痛みのある動きを避ける 膝をつくと痛い場合、外傷によるものなのか、それとも関節内で起こっている炎症のせいなのか判断が付かないケースも多いはずです。まずは膝関節の荷重など、痛みのある動作をなるべくさけて安静を確保します。 安静にすることで痛みが落ち着いたり、その後の動作がスムーズになったりすることもあります。 ストレッチをして筋肉の緊張を取る 大腿部や股関節の筋肉、さらには下腿部の筋肉に緊張が出ていることで、膝に痛みが発生しているケースも考えられます。特に臀部や大腿部外側の筋緊張は、変形性膝関節症を悪化させる要因にもなるのです。 また、下腿部の筋肉が緊張すると足関節の動きが悪くなり、その分の代償を膝関節が担うことになります。その結果膝関節での不調を引き起こしやすくなり、痛みが発生した後も治りが遅くなってしまうのです。ただ、痛みのある動きで無理にストレッチをする必要はなく、心地よくできる範囲で問題ありません。 整形外科を受診する 膝をつくと痛いという症状が突然出現してきた場合、変形性膝関節症やタナ障害など、場合によっては手術が必要になる病態も隠れています。初期段階であれば保存療法で十分対応することが出来ますが、放置しておくと症状が進行して日常生活での支障も大きくなってきます。 まずは膝関節の中で何が起きているのか、病気ではないのか確認するという意味でも、整形外科でドクターに診察してもらうのが良いでしょう。 接骨院を受診する 膝をぶつけたわけでもないのに痛みが発生しているということは、日常生活の中で何かを改善しなければ、悪化する一方であるということです。整形外科で精査をして、今すぐに外科的な処置が必要ということでなければ、接骨院で運動療法や手技療法を入念にしてもらうというのも良い方法になります。 日常生活動作など、アドバイスをもらって改善や維持に努めましょう。 膝の痛みを放置しておくと歩けなくなることも 膝をつくと痛いという症状が、今後起こる重篤な症状の前兆であることも珍しくありません。今日痛みが出て、明日には歩けなくなっているということは稀ですが、放置しておけば悪化するのみです。 早めに対処するに越したことはないので、セルフケアでも改善が見られなければすぐに医療機関を受診しましょう。 お近くに再生医療やスポーツ医療についての専門医がいない方へ リペアセルクリニックは、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に提出し受理された厚生労働大臣許可医療機関です。当院では来院前でも「メール相談」を受付けています。どうぞ事前にご相談ください。 メール相談・お問い合わせフォームはコチラ 膝の痛み関連する記事はこちら ・膝の痛みと腫れが突然出た!考えられる原因は? ・完治まで膝から水はなくならない?膝に水が溜まる原因と治し方 ・正座すると膝が痛いのは危険サインか?変形性膝関節症の可能性も ・膝を曲げると痛いのは病気のサイン?音が鳴る原因は ・膝の上が痛い原因は使い過ぎ?痛みに繋がるリスクとは ・膝の皿が痛いのはなぜ?考えられる原因や病名は ・膝の内側の痛みの原因は?症状や治し方について 再生医療による膝の治療に関連する記事はこちら ・膝の症例 現役プロスポーツ選手 ・ひざの痛みにPRP治療 太ももの痛みに関連する記事はこちら 太ももの付け根が痛いときは股関節の異常?考えられる病態とは 足の付け根の痛みに関連する記事はこちら 足の付け根が痛い場合は手術が必要?考えられる病態とは 足の裏の痛みに関連する記事はこちら 足の裏が痛いのは足底腱膜炎が原因か?治療法や予防法も確認 人工股関節、人工関節に関連する記事はこちら 人工股関節術後に脱臼する可能性と生活の注意点をチェック 膝の人工関節手術は失敗がある?知っておくべきリスクとは 当院の治療についての考え方や 再生医療についての内容もお読みください ・スポーツ外傷・障害の痛みに対する当院の治療 ・変形性股関節症に対する当院の治療 ・再生医療とは ・PRP(多血小板血漿)療法とは ・ご相談から治療までの流れ 監修:リペアセルクリニック大阪院
2019.04.20 -
- ひざ
歩いているときや、椅子から立ち上がった時、寝ている状態で寝返りを打ったときなどに膝の上が痛くなる症状が出ることがあります。中にはじっとしていても、膝の上の方に違和感があるケースもあります。このように膝の上で痛みなどの症状が出た場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。対処法と一緒にご紹介していきます。 膝の上の構造 膝の上とは膝蓋骨の上あたりのことを指しています。そこには膝蓋骨の他に、大腿四頭筋の腱が位置しています。大腿骨の関節面と膝蓋骨が関節を作り、その上を大腿四頭筋が覆うという位置関係です。それ以外に他の骨は存在せず、膝の上が痛い場合で骨に問題があるとすれば、膝蓋骨か大腿骨のどちらかになります。軟部組織に問題があるなら、大腿四頭筋に異常が発生しているということです。また、膝蓋骨のすぐ脇を走行している、腸脛靭帯で炎症が起きた場合にも膝の上の痛みとして感じられることがあります。その他にも、関節内で炎症が起きたり、腫脹が出たり、といったことがあれば膝の上で痛みが出ることもあるでしょう。 膝の上が痛いときに考えられること 膝の上が急に痛くなってきた場合に、どのような病態が起きていることが考えられるでしょうか。 大腿四頭筋腱炎 大腿四頭筋腱は、膝蓋骨の上に覆いかぶさるように位置しているので、そこで炎症が起きれば膝の上で痛みとして感じられることもあります。大腿四頭筋腱炎が発生する原因としては、いわゆる膝伸展機構の使い過ぎです。バレーボールやバスケットボールなど、ジャンプ系の競技や、サッカーなど瞬発系の競技などでよく見られます。成長期には脛骨粗面部で痛みがでるオスグッドの方が発生頻度は高いですが、成長期を過ぎれば大腿四頭筋腱炎として発生することになります。大腿四頭筋腱炎を発生させやすい人の特徴として、股関節が硬い、足首が硬い、大腿四頭筋が硬いといったことが挙げられます。これらはストレッチなど、柔軟性を高めるアプローチをすることで少しずつ改善ができるので、大腿四頭筋腱炎のリスクを下げるためにも日々取り組んでおくべきです。大腿四頭筋腱炎になったら、まずは患部に負担をかけないように安静にすることが第一になります。その後大腿四頭筋の緊張や疲労を取り除くために、マッサージやストレッチ、罨法、後療、電療などが施療されることになるでしょう。スポーツをしている方の場合、選手生命が脅かされるほどの症状にはなりませんが、体の使い方を根本的に改善しない限りは再発することも考えられます。 ランナーズニー ランナーズニーは腸脛靭帯炎とも呼ばれ、膝を繰り返し使うランナーに多いことからランナーズニーと呼ばれています。長距離ランナーの他にも、自転車をよく漕ぐ人、水泳をやっている人など、膝を曲げるという行為を何度も繰り返し行う競技をしている方に、多い症状です。腸脛靭帯は大腿骨の外側を走行している長い靭帯で、大殿筋から始まっています。腸脛靭帯が大腿骨の外側顆と何度も擦れ、その摩擦をきっかけに炎症を起こし、膝の上外側で痛みとして感じられるようになります。ランナーズニーを起こしやすい人の特徴は、大殿筋が硬い、骨盤が歪んでいる、ランニングフォームが良くない、下肢のアライメント不良があるといったところです。一回の強い外力でランナーズニーになるわけではないので、痛みを発生させる動作を避けたり、競技を中止したりすれば痛みは軽減していきます。ランナーズニーになると、通常の歩行時や非荷重の膝関節屈曲時にも痛みを発生させることがあります。安静にして炎症が治まるのを待つか、ストレッチなどで大腿部外側の緊張を緩和させます。 有痛性分裂膝蓋骨 膝蓋骨が、原因不明の分裂をしていることがあります。多くは先天的な要因で、分裂膝蓋骨と呼ばれます。骨折とは違い、骨組織が損傷しているわけではないので腫脹や限局性圧痛などは出ません。しかし、分裂膝蓋骨に牽引力が加わる痛みを発生させることがあります。分裂の仕方によって膝蓋骨の上方で二分されていることがあり、そうなると膝の上で痛みを発生させることになります。日常生活に支障がなければ保存療法で十分改善が可能で、分裂している膝蓋骨をくっつけるのではなく、そのままでも痛みが出ないような膝の使い方を身につけます。大腿四頭筋の緊張が強いと分裂膝蓋骨の痛みも強くなりやすいので、大腿四頭筋の柔軟性を高めることも大切です。あまりにも痛みが強く出ている場合や、日常生活に支障が出ている場合は手術が選択されることもあります。 変形性膝関節症 変形性膝関節症の多くは、内側の関節軟骨が摩耗して薄くなり、関節面同士が直接接して摩擦を起こすことが炎症になる病態です。年齢と共に変形性膝関節症の発生リスクは高まり、特に女性に多い症状でもあります。膝の内側が潰れるように変形するため、O脚のような下肢の形になります。変形性膝関節症のリスクを高めるのは、股関節が硬い、足関節が硬い、内転筋が弱い、元々O脚であるということです。症状が出てしまってからは、痛みを完全に緩和させるのは難しいです。しかし、変形性膝関節症が発症する前の段階であれば、それらのリスクを解消しておくことで予防が可能です。重いものを持つことが多いなど、荷重関節である膝に物理的な負担をかけることが多いのも、変形性膝関節症を発生させる一つの要因になります。しかし、必ずしもそういった仕事歴が関係しているわけではなく、日常生活の中での軽微な外力が蓄積して変形性膝関節症を作ります。関節内で炎症を起こして腫れることがあるので、膝の上でも痛みが感じられるようになります。 関節リウマチ 関節リウマチを端的に表すと、関節を破壊していく病態です。通常であれば外から入ってきた病原菌やウイルスに対して攻撃を行う免疫細胞が、誤って人体を構成している細胞を攻撃してしまうことで症状が出ます。ほとんどの場合は手先や足先などで症状が出始めますが、時間が経過すると膝関節でも症状が出てきます。最初は炎症なので、膝関節や膝の上が痛いといった自覚症状から、進行すると関節が破壊されて変形していきます。関節リウマチになってしまう原因は不明で、薬物療法や運動療法が行われます。変形の程度や日常生活の支障度合いによって、手術が選択されることもあるくらいです。ただ、ほとんどは保存療法で、変形や炎症によって狭くなった関節の可動域を回復していくことや、負担を溜めにくい体の使い方を獲得することを目指します。 膝の上で痛みが発生するリスク 膝の上で痛みが発生するケースというのは、ぶつけたり捻ったりすれば原因がハッキリしていますが、自分でもよくわからないまま痛みが突然発生することも多いです。どんなことが膝の上の痛みを発生することに繋がるのか、考えられるリスクをご紹介していきます。 急激に太った 体重が重いということは、物理的に考えて膝の負担が大きいということです。当然、痩せている人よりも太っている人の方が膝関節の変形や軟骨の摩耗も早く、年齢と共に痛みを伴いやすいです。長年に渡って肥満傾向にある方が、膝の上で痛みを発生させやすいことはもちろんですが、急激に体重が増加した方の方が症状も出やすい傾向にあります。荷重による負担が増えたことと、脂肪の量が増加したことによって体の使い方に変化が出ることが影響しています。膝を安静にして痛みが軽減したら、水中歩行など負担の少ない運動から初めて減量を目指すと良いでしょう。 水分摂取量が少なすぎる 体のおよそ60%は水分で構成されています。そして、関節軟骨に限ればもっと高い割合が水分で構成されています。ということは、水分摂取量が少なすぎると、関節軟骨の柔軟性も低下して潰れやすくなるということです。実際に治療の現場では、変形性膝関節症などで膝の痛みを発生させている方に、水分をしっかり摂取するように指導することがあります。1日を通して、1.5リットル程度の水分摂取が目標です。水分を十分に摂取することで代謝も向上し、細胞の入れ替わりも活発になるので痛みの回復も早くなります。 股関節が硬い 股関節の動きが悪いと、膝にも大きな負担をかけます。例えば歩行動作で言うと、股関節の屈曲可動域が狭い場合、前への推進力が損なわれます。その分は膝関節を中心とした下腿の関節で代償することになるので、通常時の何倍も負担がかかります。その結果、膝関節周辺の軟部組織損傷を引き起こし、膝の上の痛みとして発症するのです。この場合、痛みが出ている膝だけを集中的に治療するのではなく、股関節の可動域を広げる運動療法を一緒に行わなければ痛みは改善されません。 足関節が硬い 股関節が硬いときと同様に、足関節の動きが悪いことで膝関節の負担は増えます。歩行や走行時、足関節の可動域が狭いと地面を蹴り出す力が弱くなり、その分を膝関節で補うことになります。ハムストリングスや大腿四頭筋に通常時よりも大きな負担がかかるので、それが長期間続けば膝周辺の軟部組織損傷を起こすこともあります。ランナーズニーやジャンパーズニーなど、オーバーユースによる膝の障害も起こりやすくなり、スポーツのパフォーマンスも低下してしまうでしょう。痛みのある膝関節だけを集中的に治療するのではなく、足関節の動きをスムーズにすることや、下腿三頭筋、前脛骨筋などの筋緊張を緩和させることも大切です。 姿勢が悪い 猫背やストレートネックなど、背骨の歪みは膝関節に大きな影響を与えます。側弯症などの左右のバランスも、荷重の偏りを招くので膝の痛みを発生させる一つの要因になるでしょう。しかし、多くの場合はそういった先天的な変形が痛みに繋がるのではなく、日常生活を送る上で少しずつ発生した歪みによって、軽微なダメージを膝に蓄積していくことが原因です。デスクワークのように長時間座っているような生活習慣を送っている方や、子供の抱っこなど左右非対称の動作が多い方など、膝に負担が溜まりやすい一例ではあります。姿勢や体のバランスが悪いことで、直ちに膝で痛みが発生するわけではありませんが、長期間にわたって少しずつ膝にダメージを与え、変形性膝関節症やタナ障害などに発展していく可能性は十分にあります。 他の部位に痛みを抱えている 人間は、どこかに痛みが出ると、無意識のうちにそこをかばうようになります。例えば歩行時に痛みが出るとき、痛みをかばいながら歩くことになるので、いつの間にか膝に負担がかかるような歩き方になっている場合もあります。すぐに膝の痛みとして影響を感じられるわけではありませんが、それが何日、何週間も続くと膝周辺のダメージも蓄積して膝の上の痛みとして感じられるようになるでしょう。負担がかかってしまった膝の治療をすることはもちろん、最初の引き金となった腰の痛みをしっかり治療していくことが大切です。 膝の上の痛みは慢性化することが多い 膝の上の痛みは、転倒など一回の外力で損傷されるというよりも、軽微な外力が積み重なって出てくることの方が多いです。膝だけに捉われずに、身体全体のバランスや動かし方から改善していくと、根本的な治療ができるでしょう。 お近くに再生医療やスポーツ医療についての専門医がいない方へ さかもとクリニックは、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に提出し受理された厚生労働大臣許可医療機関です。当院では来院前でも「メール相談」を受付けています。どうぞ事前にご相談ください。 メール相談・お問い合わせフォームはコチラ 膝の痛み関連する記事はこちら 膝の痛みと腫れが突然出た!考えられる原因は? 完治まで膝から水はなくならない?膝に水が溜まる原因と治し方 正座すると膝が痛いのは危険サインか?変形性膝関節症の可能性も 膝を曲げると痛いのは病気のサイン?音が鳴る原因は 膝をつくと痛い!痛みの原因や症状考えれる病態は? 膝の皿が痛いのはなぜ?考えられる原因や病名は 膝の内側の痛みの原因は?症状や治し方について 再生医療による膝の治療に関連する記事はこちら 膝の症例 現役プロスポーツ選手 ひざの痛みにPRP治療 太ももの痛みに関連する記事はこちら 太ももの付け根が痛いときは股関節の異常?考えられる病態とは 足の付け根の痛みに関連する記事はこちら 足の付け根が痛い場合は手術が必要?考えられる病態とは 足の裏の痛みに関連する記事はこちら 足の裏が痛いのは足底腱膜炎が原因か?治療法や予防法も確認 人工股関節、人工関節に関連する記事はこちら 人工股関節術後に脱臼する可能性と生活の注意点をチェック 膝の人工関節手術は失敗がある?知っておくべきリスクとは 当院の治療についての考え方や再生医療についての内容もお読みください スポーツ外傷・障害の痛みに対する当院の治療 変形性股関節症に対する当院の治療 再生医療とは PRP(多血小板血漿)療法とは ご相談から治療までの流れ
2019.04.19 -
- ひざ
膝のお皿は、体表からも容易に確認することができ、膝関節の正常な動きに関与しています。膝のお皿をぶつけたわけでもないのに、急に痛みが出るケースがあり、先天的な要因から後天的な要因まで様々な原因が考えられます。今回は、膝のお皿が痛くなった場合に、どんな病態が考えられるのかご紹介していきます。 膝の皿は膝蓋骨 膝のお皿と呼んでいる部分は、医学的には膝蓋骨といいます。大腿骨の下端の前面に位置しており、膝蓋大腿関節を構成している骨でもあります。膝関節を屈曲させたり伸展させたりするときに、大腿骨との関節面を滑るように上下に移動し、筋肉や骨との摩擦を軽減して正常な運動ができるようにしているのです。大腿四頭筋腱の中に入り込むように存在しています。 膝蓋骨の痛みが起こる原因 膝のお皿が痛いということは、膝蓋骨で痛みが起きているということです。必ずしも打撲など明確な原因があるわけではなく、日常生活の中でかかる軽微な外力の積み重ねによって痛みを発生させることも十分あるのです。膝のお皿で痛みを発生させるリスクが高いのはどんな人なのか、ご紹介していきます。 大腿四頭筋の筋力が弱い 膝蓋骨は大腿四頭筋腱の中に位置している種子骨なので、大腿四頭筋の筋力が弱いと正常な位置を保てなくなります。膝関節屈曲の際に膝蓋骨が正常な位置になければ、大腿骨と異常な摩擦を起こして炎症を起こすことも考えられます。大腿四頭筋の筋力が弱いのは、運動習慣があまりにもない場合や、下肢の負傷によって非荷重の期間が長くなった場合などで考えられます。 膝蓋骨の位置が正常でない 膝蓋骨の位置が、通常よりも上にありすぎたり、逆に下にありすぎたりすることでも、関節面で炎症を起こして痛みを発生させることがあります。膝蓋骨の位置は先天的な要因に加えて、周囲の筋力のバランスによって左右されるので、意識的に大腿部の筋力を強化することで改善することが出来ます。大腿四頭筋だけでなく、普通に生活していると筋力が落ちやすい内転筋の強化が重要になります。 股関節が硬い 膝蓋骨が位置している大腿四頭筋は、骨盤から始まる筋肉です。股関節が硬いことによって大腿四頭筋の柔軟性も失われ、膝蓋骨に影響を及ぼすことは十分考えられます。大腿四頭筋自体が硬くなってしまうことで股関節の可動域を狭めている可能性もありますし、内転筋や縫工筋など骨盤から大腿骨の内側や外側に付着する筋肉が硬いことでも影響します。さらに、脊柱から大腿骨に走行している腸腰筋が硬いと股関節の屈曲伸展の可動域が狭くなり、膝蓋骨の動きが悪くなって痛みを発生させることに繋がります。 ハムストリングスが硬い ハムストリングスの緊張が強いことや、そもそもハムストリングスの長さが短いことでも膝蓋骨の動きに影響し、痛みの原因になることもあります。これはハムストリングスだけの問題ではなく、大腿部の後面と前面で筋力バランスが著しく崩れてしまうことが発端になって痛みを起こします。先天的にハムストリングスが短いケースもありますし、姿勢や体の使い方などでハムストリングスに負担をかけすぎて慢性的な緊張を生んでいることもあるのです。 足関節の動きが悪い 足関節の動きが悪いと、歩行や立ち上がりなどの動作の際にその動きを代償する形で、膝関節周辺に余計な負担をかけることになります。それが長期間続くことで、膝蓋骨と大腿骨の間で異常な摩擦を繰り返し、徐々に炎症を起こして膝のお皿で痛みを発生させるのです。足関節の動きが悪い原因は、ふくらはぎにある腓腹筋やヒラメ筋や、脛骨部にある前脛骨筋や後脛骨筋の緊張によるものです。他には、足関節捻挫の際にしっかり固定をしなかった後遺症など、外傷後の予後が原因になっているものもあります。 姿勢が悪い 悪い姿勢の代表といえば猫背やストレートネックですが、そういった背骨のゆがみが膝のお皿で発生する痛みの原因になっていることもあります。猫背やストレートネックでは、横からみたときに頭の位置が若干前に引っ張られています。すると、重心が常に前傾になり、バランスを取るために骨盤が逆に後傾しようとする力が働きます。その結果、股関節前側の筋肉が硬くなり、股関節の可動域が狭くなった分膝関節に負担がかかるのです。その姿勢のまま長距離の歩行を繰り返したり、立ち仕事を繰り返したりするとダメージが膝蓋骨にも蓄積し、痛みを発生させます。これは猫背とストレートネックに限ったことではなく、左右のバランスの違いや背骨の捻じれなど、様々な体のゆがみでも起こり得る痛み発生のメカニズムです。 膝のお皿が痛いときに考えられる病態 膝のお皿が痛いときに、どんな病態が起きている可能性があるのかご紹介していきます。 有痛性分裂膝蓋骨 膝蓋骨が分裂している状態で、膝の皿で痛みを発生させます。骨折とは違い、先天的な要因などで膝蓋骨が分裂して存在している状態です。骨折ではないので、それだけで腫脹が起きたり内出血が起きたりすることはありません。分裂膝蓋骨が存在していること自体は大きな問題にはなりませんが、大腿四頭筋の繰り返しの筋力発揮や、過度な負担によって分裂部に牽引力が加わり痛みになることもあります。膝蓋骨の分裂の仕方によって、縦に分裂しているパターン、下方が横に分裂しているパターン、外上方の一部分だけが斜めに分裂しているパターンがあります。分裂の仕方で痛みの個所は若干ズレが出てくるでしょう。 ランナーズニー ランナー膝、またはランナーズニーと呼ばれる症状は、膝蓋骨と大腿骨が異常な摩擦を繰り返すことによって起きる痛みです。通常であれば滑らかに移動するはずの膝蓋骨が、ランニングの際にかかる衝撃医で異常な動きをしてしまいます。股関節の動きが悪いせいで膝関節の使い方がおかしくなっていたり、大腿四頭筋の筋力が上手く発揮できていないせいで膝蓋骨が安定しなかったり、異常な摩擦を起こす原因は様々です。特に繰り返し衝撃がかかるランナーに多い症状であることから、ランナーズニーと名付けられています。ランナーズニーになったらまず安静にして膝のお皿で出ている痛みを落ち着け、その後膝蓋骨周辺の筋力を強化することで膝蓋骨の安定化を図ります。当初は走っているときの痛みだけが症状として出てきますが、そのうち階段の昇降時や、ちょっとした下り坂を歩くときなどにも膝の皿で痛みが出だします。そうなってくれば重症化している証拠なので、安静にすることが大切です。 大腿四頭筋腱炎 大腿四頭筋腱は膝蓋骨周辺に位置しており、そこに繰り返しの負担がかかることで痛みを発生させます。大腿四頭筋腱炎は別名ジャンパーズニー、またはジャンパー膝と呼ばれることもあり、バレーボールやバスケットボールなど、ダッシュやジャンプを繰り返す競技を行う成長期の年代に多い症状です。ジャンパー膝発生のメカニズムは、オーバーユースに起因しています。特に成長期にバレーボールやバスケットボールを熱心に行っていると、筋肉の成長と骨の成長の間で若干のバランスのズレが出てきます。そうすると、慢性的に大腿四頭筋に緊張を生むことになってしまいます。その状態でダッシュやジャンプを繰り返し、大腿四頭筋腱に繰り返しの牽引力をかけることで、微細な損傷を起こしてきます。それが積み重なり、膝のお皿周辺で痛みを発生させることで症状に気づくのです。ジャンパー膝が発生した場合は、痛みのある動作を中止して安静を確保します。ジャンプ競技やダッシュ競技は中止で、痛みのない動作だけで生活を送ることを優先するべきです。重症例では稀に大腿四頭筋腱の完全断裂を起こすこともありますが、その発生は稀です。 タナ障害 膝関節を覆っている関節包の内側に位置する、滑液包の内側で棚のような形状をしたヒダがあり、それが関節内で挟み込まれることで痛みを発生させます。これをタナ障害と呼び、多くは先天的に滑液包内側のヒダの形状が大きいことが関与しています。タナ障害になると、膝のお皿付近で痛みを発生させ、罹患した本人でも正確に痛みの個所を伝えにくいこともあります。滑液包の内側にあるヒダが大きいだけで直ちにタナ障害になるわけではなく、膝の動かし方が悪いときや、過度な負担をかけ続けたときに痛みとなって発症します。通常の歩行時でも痛みを感じることがあり、日常生活の支障度合いによっては手術も検討されるほどです。しかし、ほとんどの場合は保存療法で対処でき、痛みの出ないような動作を獲得するために運動療法や手技療法が行われます。 膝のお皿が痛くなったらどうすればいい? ある時突然、膝のお皿で痛みが出たらどのような対処をすればいいのかご紹介していきます。 圧痛があるか確認する 自分で簡単にできる鑑別方法としては、膝蓋骨を押してみて圧痛があるか確認することです。もし強い圧痛があれば、膝蓋骨骨折の可能性もあります。そうでなければ、膝蓋骨の圧痛が発生するのはランナーズニーや有痛性分裂膝蓋骨が考えられます。いずれにせよ、膝蓋骨で明らかに圧痛がある場合はそれまでの膝関節の使い方にも問題があるので、早めに医療機関に相談した方が良いでしょう。 膝に腫れがあるか確認する 膝のお皿が痛いと思っても、実は膝のお皿自体に問題があるわけではなく、膝関節の内部で異常が起きていることもあります。代表的な例では変形性膝関節症や、タナ障害などです。もし膝関節が腫れていて、水が溜まっているように感じたら、安静にして様子を見るか整形外科を受診することをお勧めします。 ストレッチをする 膝のお皿で痛みが出る原因の多くは、大腿四頭筋の緊張や疲労の蓄積によるところです。膝関節を曲げて大腿四頭筋のストレッチを入念に行い、大腿部前面の緊張を和らげてみてください。それだけでも痛みが少し楽になるようであれば、毎日続けてストレッチをすることで徐々に膝のお皿の痛みは軽減されていきますし、再発の予防にもなります。 お風呂で温まる 体が温まることによって膝のお皿の痛みが軽減するようなら、膝関節や股関節の筋緊張が原因で起きている可能性が高いです。お風呂で温まることによって血流が良くなり、筋緊張が緩和されたことで痛みが軽減しているので、冷やさないような対策が有効になります。 整形外科に行く 膝のお皿が痛いとき、最初に行くべきは整形外科でしょう。重症例では手術が必要な病態が隠れていることもありますし、膝蓋骨自体に原因があるのか、筋肉に問題があるのか確定的な診断ができるのは整形外科です。まず自分の体に何が起こっているのか確認するためにも、精査してもらってください。 膝のお皿が痛いのは関節の動かし方が悪いということ 骨折以外で膝のお皿が痛くなるということは、少なからず体の使い方に問題があるということです。膝関節の動きや股関節の動き、足関節の動き、さらには周囲の筋力バランスなど根本的な原因が隠れています。とにかく対症療法として痛みを軽減させることも重要ですが、再発を予防するために姿勢の矯正や筋力トレーニングを行うことも視野に入れておきましょう。 お近くに再生医療やスポーツ医療についての専門医がいない方へ さかもとクリニックは、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に提出し受理された厚生労働大臣許可医療機関です。当院では来院前でも「メール相談」を受付けています。どうぞ事前にご相談ください。 メール相談・お問い合わせフォームはコチラ 膝の痛みに関連する記事はこちら 膝の痛みと腫れが突然出た!考えられる原因は? 完治まで膝から水はなくならない?膝に水が溜まる原因と治し方 正座すると膝が痛いのは危険サインか?変形性膝関節症の可能性も 膝を曲げると痛いのは病気のサイン?音が鳴る原因は 膝をつくと痛い!痛みの原因や症状考えれる病態は? 膝の上が痛い原因は使い過ぎ?痛みに繋がるリスクとは 膝の内側の痛みの原因は?症状や治し方について 再生医療による膝の治療に関連する記事はこちら 膝の症例 現役プロスポーツ選手 ひざの痛みにPRP治療 太ももの痛みに関連する記事はこちら 太ももの付け根が痛いときは股関節の異常?考えられる病態とは 足の付け根の痛みに関連する記事はこちら 足の付け根が痛い場合は手術が必要?考えられる病態とは 足の裏の痛みに関連する記事はこちら 足の裏が痛いのは足底腱膜炎が原因か?治療法や予防法も確認 人工股関節、人工関節に関連する記事はこちら 人工股関節術後に脱臼する可能性と生活の注意点をチェック 膝の人工関節手術は失敗がある?知っておくべきリスクとは 当院の治療についての考え方や再生医療についての内容もお読みください スポーツ外傷・障害の痛みに対する当院の治療 変形性股関節症に対する当院の治療 再生医療とは PRP(多血小板血漿)療法とは ご相談から治療までの流れ
2019.04.18 -
- 変形性股関節症
股関節に異常が!?太ももの付け根が痛いときに考えられる病態 太ももの付け根が痛い場合は、「大腿骨や骨盤の骨自体に何か問題が起きているケース」と、「筋肉に異常が起きているケース」、さらには「何か病気が隠れているケース」があります。 いずれにせよ、放っておくと日常生活に大きな支障をきたすことは変わりないので、早く見極めて専門医に相談することが大切です。そこで今回は、太ももの付け根が痛い場合に考えられる病態と、対処法をご紹介していきます。 ・大腿骨や骨盤の骨自体に何か問題が起きているケース ・筋肉に異常が起きているケース ・何か病気が隠れているケース 太ももの付け根には何が位置しているか? 太ももの付け根には、股関節が位置しています。 骨盤と大腿骨で構成される股関節は、可動域が広く、様々な筋肉や神経、血管が近くを走行しています。股関節の代表的な筋肉でいうと大殿筋や中殿筋などの臀部の筋肉や、ハムストリングスと呼ばれる臀部から太ももの裏側にかけての筋肉があります。 さらには大腿四頭筋と呼ばれる太ももの前面を覆っている筋肉があり、恥骨から大腿部の内側にかけては内転筋が位置して歩行の安定性にとても大きな役割を担っているのです。神経では太い神経である坐骨神経、大腿部の前側を走行している大腿神経が代表的です。 血管も、大腿動脈や大腿静脈など、血流量の多い血管が走行しています。さらには鼠径部にリンパ節があり、老廃物の代謝などに重要な器官です。 股関節の基本的な動きは? 股関節は球関節であるため、様々な軸で動作を行います。伸展は臀部の筋肉やハムストリングスが中心に筋力を発揮し、屈曲では大腿四頭筋や腹筋、深部にある腸腰筋などが筋力を発揮します。 外転でも臀部の筋肉が主動作筋として働き、内転は内転筋群の役目です。さらには外旋動作もあり、臀部の深層にある梨状筋などが筋力を発揮し、内旋動作では内転筋群が働きます。 太ももの付け根が痛いときに考えられる病態 太ももの付け根が急に痛くなった場合、考えられる病態をご紹介していきます。 筋肉疲労 単なる筋肉疲労で太ももの付け根が痛くなることも考えられます。捻挫や打撲などの怪我ではないですし、もちろん病気でもありません。しかし、臀部や股関節の筋肉が硬い場合や、足首や膝に痛みや不安を抱えている場合など、太ももの付け根にダメージを蓄積する可能性は広く考えられます。 腸腰筋や大腿四頭筋に軽微な外力によるダメージが蓄積した結果、歩行時や立ち上がり時などの動作時に太ももの付け根が痛くなることは十分起こり得るでしょう。この場合は、治療というよりも、安静にして疲労の回復に努めることが第一です。 変形性股関節症 太ももの付け根が痛くなった場合に、年齢などの環境を考慮して考えられるのが、変形性股関節症です。変形性股関節症は臼蓋形成不全などの先天的な変形もリスクを高める一因であり、少しずつ股関節を蝕んでいきます。 具体的には股関節の関節面に位置している関節軟骨が少しずつすり減ってしまい、関節内で炎症と変形を起こしてしまう病態です。交通事故など一度の大きな衝撃によって変形性股関節症になるのではなく、日常生活を送る上での負担の積み重ねが、少しずつ変形性股関節症を作り上げていきます。 負担の蓄積という大きな原因がある以上、年齢と共に発生リスクが上がることは避けられません。保存療法によって股関節に負担をかけない動作を獲得していく他、あまりにも日常生活に支障が出るようであれば、人工関節などの手術が考えられます。 ▼こちらも併せてご覧ください 変形性膝関節症の人がしてはいけない仕事とその理由 変形性膝関節症はサポーターをしたほうが良い!その理由と注意点 関節リウマチ 関節リウマチは自己免疫疾患の一つで、簡単に言えば自分の関節を自分の免疫力で攻撃してしまう病態です。本来であれば外から侵入してきた病原菌やウイルスに対して免疫力を発揮するはずの機構が、何らかのエラーで自らの健康な細胞を攻撃してしまう原因不明の病気でもあります。 通常は四肢の末端部分の関節から少しずつ炎症や変形などの症状が出始め、全身の関節どこでも痛みが起こり得ます。その中で股関節の痛みが、太ももの付け根の痛みとして感じられることもあるのです。 大腿骨近位部骨折 大腿骨近位部骨折は、高齢者に多い骨折です。転倒などによって外力を受け、大腿骨頭に向かう大腿骨頸部で骨折してしまうこともあります。大腿骨頸部で骨折があれば、荷重をすると激痛になるので、痛みの発生機序と動作制限によって鑑別できます。 大腿骨頸部骨折の中でも、関節内と関節外で重症度が異なり、関節内に骨折線がかかっている場合は治療もより長期になります。場合によっては髄内釘などの手術が必要です。 年齢によっては、大腿骨近位部骨折から寝たきりになってしまうこともあるので、特に骨粗鬆症がある方は注意しなければならない骨折です。 大腿骨頭壊死症 大腿骨頭壊死症になると、壊死によって変形した大腿骨頭に重心がかかると、太ももの付け根に痛みを感じることになります。大腿骨頭壊死症の原因は未だに不明であることが多く、ほとんどが特発性です。 大腿骨頭壊死症のリスクを高める要因としては、アルコール中毒などによる、アルコールの多飲歴が挙げられます。他にも、治療などによるステロイドの使用歴が多いと、大腿骨頭壊死症のリスクを高めると言われています。 大腿骨頭を栄養している大腿骨頭動脈が何らかの原因で遮断されることによって起こる病態です。大腿骨頭壊死症が発生した初期の段階では、保存療法によって荷重のかけかたを工夫することによって様子を見ることもできます。 しかし、常に体重がかかる関節であるため変形も進みやすく、人工関節置換術の適応になることも多いです。 腰椎椎間板ヘルニア 腰部脊柱の間から派出する神経が、大腿部を通って足の先まで走行しています。その過程で太ももの付け根を支配している神経が絞扼や圧迫を受ければ、そこで痛みを発生することがあります。 椎間板ヘルニアとは脊柱の中を通っている脊髄や神経根が、変形して飛び出した椎間板によって圧迫されている病態です。したがって、圧迫されている高位によって太ももの付け根で痛みが出ることもあれば、下腿部で痛みが出ることもあり、治療も比較的長期間になることが多いです。 ヘルニアによって神経を圧迫している痛みに加え、筋緊張が強くなることによって、走行している神経を絞扼してしまうケースもあります。腰椎椎間板ヘルニアになってしまう原因は、長期間負担が積み重なったということです。 重い物を持つような仕事であったり、長時間の運転であったり、腰に負担を溜めやすい生活習慣がある方は腰椎椎間板ヘルニアを発症しやすいと言えます。ブロック注射を含む保存療法によって、筋緊張の緩和と股関節や腰椎の柔軟性を取り戻すことで症状の緩和を目指します。 それでも日常生活に大きな支障をきたしている場合は、手術も選択肢に入ってきます。しかし、手術したからといって腰椎椎間板ヘルニアの痛みが100%消えるという保証はなく、別の高位で再発するケースもあります。 結局のところ、腰椎椎間板ヘルニアになってしまう体の使い方を正していかなければ、根本的な解決には至らないのです。 脊柱管狭窄症 脊柱のマルアライメントや、脊柱管内の変形によって神経や血管を圧迫してしまう病態です。腰に慢性的に負担がかかるということが、脊柱管狭窄症の発生リスクを高めます。脊柱管狭窄症になってしまうと、太ももの付け根や足の先で神経的な痛みを発生させることがあります。 最も特徴的な症状は間欠性跛行で、一定の時間歩くと痛みやしびれで下肢に力が入りにくくなり、一定の時間休むことで再び回復するという症状が出てきます。安静時でも腰や下肢が痛いケースもあり、坐骨神経痛を伴うことも多いです。 脊柱管を狭窄している原因が姿勢不良などのマルアライメントにあれば、姿勢の改善や骨盤矯正によって症状を改善させることも可能です。場合によっては手術という選択肢もあります。 鼠径ヘルニア 別名脱腸とも呼ばれ、主に小腸が鼠径部から皮下に飛び出してしまう病態のことです。鼠径部に筋膜が脆弱な部分があり、腹圧が高まることでそこから内臓が出てきてしまうのです。 原因はほとんどが先天的な要因であり、年齢と共に筋力が落ちるため鼠径ヘルニアの発生リスクが高まります。飛び出してきた小腸が嵌頓してしまい、徒手整復でも元に戻らなくなってしまった場合は、早急に手術が必要です。 嵌頓している組織が壊死を起こしてしまい、重篤な状態になりかねないからです。鼠径ヘルニアが発生すると、まさに太ももの付け根で痛みが出て、体表からでも膨らみを確認できます。 リンパ節炎 鼠径部にはリンパ節が位置していて、ウイルス感染などで炎症を起こしてしまうと、太ももの付け根で痛みが出ます。感染以外でも、全身性エリテマトーデスのような自己免疫疾患でも、リンパ節の腫脹を認めることがあります。それが鼠径部のリンパ節で起これば、太ももの付け根が痛むわけです。 太ももの付け根が痛くなったらどうすればいい? 太ももの付け根が痛くなったときの有効な対処法をご紹介していきます。 安静にする 荷重をなるべくしないように気を付けて、安静にすることで痛みが治まるのであれば、筋肉疲労や保存療法で十分改善できる症状である可能性が高いです。股関節は常に荷重されている関節なので、負担も溜まりやすいです。 腰や股関節のストレッチをする 腰から来ている神経を圧迫していることによって、太ももの付け根で痛みが出ているのであれば、ストレッチをすることで痛みが緩和されることがあります。腰の屈曲や伸展のストレッチをしてみて、痛みが憎悪しないか確認してみてください。 牽引によってストレッチ効果を出すのも有効なので、鉄棒などにつかまってぶら下がるだけでも痛みが緩和されることがあります。股関節は特に臀部のストレッチが有効で、坐骨神経痛や梨状筋症候群などの症状で太ももの付け根が痛い場合は大殿筋や中殿筋といった臀部の緊張が取れるだけでもかなり変化します。 温める お風呂などで温めることによって、痛みが軽減されることもあります。特に股関節の前側には太い血管が通っているので、そこの血流が悪くなるだけでもしびれや痛みが増しやすくなります。 下肢の疲労も抜けにくくなりますし、冷えやむくみも出やすくなるので、温めることで痛みが憎悪する可能性を排除していくこともできます。 医療機関に相談する 簡単なセルフケアでも太ももの付け根の痛みが変わらない場合は、すぐに医療機関を受診することをお勧めします。精査をしておきたいなら整形外科で、壊死など器質的な異常でない場合は接骨院や整骨院でも治療が可能です。 それぞれの治療の大きな違いとしては、整形外科は注射や服用薬など薬物療法、そして手術療法の選択肢があることです。接骨院や整骨院は、筋肉の緊張や背骨のゆがみなど体の使い方を改善していく治療法になります。 症状によって使い分け、通院しやすい方を選ぶと良いでしょう。 痛みを放っておくと歩けなくなることも 太ももの付け根の痛みの裏には、大腿骨頭壊死など生活レベルを大きく左右してしまうような病気も隠れています。最初は些細な痛みでも、荷重関節なので悪化の進行は早いと心得ておきましょう。放っておくと歩けなくなることもあるので、早めに対処するに越した お近くに再生医療やスポーツ医療についての専門医がいない方へ さかもとクリニックは、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に提出し受理された厚生労働大臣許可医療機関です。当院では来院前でも「メール相談」を受付けています。どうぞ事前にご相談ください。 メール相談・お問い合わせフォームはコチラ 足の付け根の痛みに関連する記事はこちら 足の付け根が痛い場合は手術が必要?考えられる病態とは 再生医療による膝の治療に関連する記事はこちら 膝の症例 現役プロスポーツ選手 ひざの痛みにPRP治療 当院の治療についての考え方や 再生医療についての内容もお読みください スポーツ外傷・障害の痛みに対する当院の治療 変形性股関節症に対する当院の治療 再生医療とは ご相談から治療までの流れ 監修:リペアセルクリニック大阪院
2019.04.17