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- 変形性膝関節症
- ひざ関節
サポーターは変形性膝関節症の痛みを和らげ、関節への負担を軽減・歩行などの日常動作をサポートするために有効な補助具となります。 自分にとって最適なサポーターが分からないという場合、変形性膝関節症の進行度や症状のタイプに応じて、製品の形状を選ぶことが重要です。 項目 内容 形状選びのポイント ・筒型(スリーブタイプ):軽度〜中度の症状におすすめ ↳装着が簡単で動きやすい ・ベルト調整式:中度以上の症状や運動時向け ↳部位ごとに締め具合を調整できるため、サポート力が高い ・ヒンジ付きタイプ:関節の不安定さが顕著な方や重症の方向け ↳横方向のブレに強く、歩行補助効果が高い 本記事では、変形性膝関節症におすすめのサポーターの種類や特徴・選び方のポイントを詳しく解説していきます。 正しい使い方や注意点も紹介していくので、サポーターの活用方法を知り、快適に生活を送るためにぜひ参考にしてみてください。 変形性膝関節症にサポーターが必要な理由 変形性膝関節症においてサポーターは、膝関節の安定性を高めて痛みを軽減し、日常生活の質を維持・向上させるために重要な役割を果たします。 サポーターの役割とは? 変形性膝関節症の痛みが生活に与える影響 以下ではサポーターの役割や変形性膝関節症について詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。 サポーターの役割とは? サポーターを正しく着けることで膝関節を安定させられるので、何もつけていない状態よりも関節への負担が少なくなります。 【サポーターの機能】 圧迫機能 ↳サポーター本体で膝を圧迫することで、膝関節を安定させる 安定機能 ↳膝の動きを安定させることで、膝関節のぐらつきを抑え動きがスムーズになる 保温機能 ↳膝周辺を温めることによって、血行が促進される サポーターによって膝周辺が温まり、血行が良くなると筋肉の緊張がほぐれ、膝関節周辺のこわばりを改善する効果が期待できます。 上記の役割を理解した上で、自分に合ったサポーターを選ぶことが、変形性膝関節症との上手な付き合い方の一歩となります。 変形性膝関節症の痛みが生活に与える影響 膝関節は軟骨によってスムーズに動かせる仕組みになっていますが、加齢とともに軟骨はすり減っていき、歩行や日常的な動作で違和感や痛みを感じるようになります。 変形性膝関節症による痛みは、単なる身体的な不快感にとどまらず、移動・家事・仕事といった日常生活の質(QOL)を大きく低下させる要因となります。 【痛みによる具体的な生活影響】 階段の昇り降りがつらい 歩行距離が短くなり、外出が億劫になる 椅子からの立ち上がりが困難になる 家事や仕事を中断せざるを得ない 趣味や運動習慣の継続が難しくなる 初期には「動き出しの痛み」が中心ですが、進行するにつれて「安静時にも痛む」「可動域が制限される」などの症状が現れます。 上記の症状により活動量が減少し、筋力低下や体重増加につながると、活動制限によるストレスや気分の落ち込み・不安感の増大に繋がる場合も。 こうした悪循環を断ち切るためには、痛みの管理と膝関節の保護が重要であり、その手段のひとつとして「サポーターの活用」が有効です。 サポーターによって膝の安定性を高め、負担を減らすことで、日常生活をスムーズに送る一助となります。 変形性膝関節症におすすめなサポーターの種類と特徴 変形性膝関節症の進行度や症状のタイプに応じて、選ぶべきサポーターの種類とその機能は異なります。 医療用サポーターの特徴とメリット 市販サポーターとの違い 軽度・中度・重度の症状別おすすめタイプ 自身の状態に合った製品を選ぶことが、痛みの緩和や生活の質向上に直結するので、自身に合ったサポーターを選ぶためにも以下を参考にしてみてください。 医療用サポーターの特徴とメリット 医療用膝サポーターは、医師の診断や指示に基づき、変形性膝関節症を含む特定の医学的な状態や症状の治療・管理を目的として特別に設計されたサポーターです。 整形外科やリハビリ専門機関で処方・推奨される医療用サポーターは、患者の膝の状態に応じて、最適な圧迫力や機能を持ちます。 【医療用サポーターの特徴】 医学的・生体力学的根拠に基づく設計 高い支持性と安定化機能 専門家による選定とフィッティング 医療用サポーターは症状が中等度から重度の場合に対応できるよう、動きを制御、または補助する機構などが組み込まれている場合があります。 また皮膚トラブルを防ぐために、吸湿性や通気性にも優れた構造をしており、長時間の装着でも違和感が少ないメリットも。 医師や理学療法士によるアドバイスを受けられて安心感が得られるメリットもあるため、より高いレベルで日常生活をサポートしたい方におすすめです。 医療用サポーターは保険適用となる場合もあるので、整形外科受診時に相談することで、適切な製品を選ぶことが可能です。 対象となる装具の種類、申請手続きには詳細な規定があるため、医療機関や加入している健康保険組合等に事前に確認をしておきましょう。 市販サポーターとの違い 医療用サポーターと市販サポーターの主な違いは、サポート性能・設計精度・使用目的にあります。 症状の重さや目的に応じて選ぶべきタイプが異なるため、違いを理解しておくことが重要です。 項目 医療用サポーター 市販サポーター 設計精度 解剖学的構造に基づいた立体構造 汎用的なデザインが多い サポート性能 支柱やベルト機構による高い固定力 ソフトなフィット感が中心 対象者 中〜重度の症状、専門医の診断がある人向け 軽度症状や予防・日常サポート向け 価格帯 比較的高価 手頃 保険適用 一部条件下で適用可能 保険適用なし 市販のサポーターは、「手軽に使いたい」「一時的に膝を保護したい」といった軽症者や予防目的の方におすすめです。 ただし、サポート力やフィット感には限界があるため、痛みが長引く・膝が不安定と感じる方には不十分なケースもあります。 特に変形性膝関節症が進行している場合などは、自己判断で市販品を買うよりも医療機関での適切な診断を行い、痛みの予防を意識しましょう。 軽度・中度・重度の症状別おすすめタイプ 変形性膝関節症の症状レベルに応じて、選ぶべきサポーターの種類は異なります。 症状に合ったサポーターを選ぶことで、より高い効果が期待できます。 症状の程度 おすすめタイプ・特徴・目的 軽度(動き出しに違和感や軽い痛み) おすすめタイプ:ソフトタイプサポーター(伸縮性素材) 特徴:膝全体を包み込み、軽い圧迫と保温効果で痛みを緩和 目的:日常の歩行サポートや予防的使用に最適 中度(歩行時の不安定感) おすすめタイプ: 中程度固定タイプ 特徴:膝蓋骨を安定させつつ、関節のズレやねじれを軽減 目的:階段昇降や通勤時など、負荷のかかる動作の補助 重度(膝の変形・歩行困難) おすすめタイプ:医療用サポーター(固定力の高いモデル) 特徴:金属や樹脂製の支柱で膝の横ぶれやぐらつきを制御 目的:膝関節の安定化、転倒防止・活動制限の緩和 自分に合った無理のないサポートを得るためには、自己判断ではなく、段階に応じた適切なサポーター選びが重要です。 症状が中程度以上の場合や、どのサポーターを選べば良いか迷う場合は、自己判断せずに必ず整形外科医や理学療法士に相談しましょう。 適切なサポーターを選ぶことは症状緩和の一助となりますが、運動療法や体重管理・薬物療法など、他の治療法と組み合わせて行うことが重要です。 変形性膝関節症のステージ(初期、中期、末期)毎の症状について詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事を参考にしてみてください。 https://africatime.com/topics/1310/ サポーターの正しい選び方と使い方 変形性膝関節症のサポーターは、症状や体格に合ったものを選び、適切に装着・活用することで効果を発揮します。 サイズ選びと形状のポイント 装着タイミングと使用時間の目安 間違った使い方による悪い影響 以下では自分の症状に合ったサポーターの選び方や、正しい使用方法について解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。 サイズ選びと形状のポイント サポーターの効果を最大限に引き出すためには、「適切なサイズ」と「自分の症状に合った形状」を選ぶことが欠かせません。 サイズや形が合っていないと、膝を正しく支えられず、かえって痛みや違和感を生じることがあります。 項目 内容 サイズ選びのポイント 測定位置の確認:メーカー指定の「計測部位」を確認する メーカーのサイズ表に従う:S/M/Lではなく、実寸値と表を照合して選ぶ 着用時のフィット感:締め付けすぎず、ずれにくい製品を選ぶ 形状選びのポイント 筒型(スリーブタイプ):軽度〜中度におすすめ ↳装着が簡単で動きやすい ベルト調整式:中度以上や運動時向け ↳部位ごとに締め具合を調整できるため、サポート力が高い ヒンジ付きタイプ:関節の不安定さが顕著な方や重度の方向け ↳横方向のブレに強く、歩行補助効果が高い 購入したい製品が指定している計測部位を確認する際は、必ず説明書やパッケージ・ウェブサイト等で方法を確認し、正確に測定しましょう。 上記を参考に、サイズ・形状選びを正しく行うことで、サポーターの性能を最大限に引き出し、膝の痛みや不安を軽減することが可能です。 装着タイミングと使用時間の目安 サポーターはつけっぱなしではなく、必要な場面で適切に使うことが効果を引き出すポイントです。 状況に応じた使用タイミングが、膝への負担軽減と快適な生活の両立につながります。 項目 内容 装着のタイミング ・朝の歩き始めや階段昇降など、膝に負担が集中しやすい時 ・通勤や買い物など長距離歩行を伴う外出時 ・痛みが強い日や、天候によって関節痛が悪化する時 ・リハビリや筋トレ中の膝安定補助として使う時 使用時間の目安 ・1日あたり2~6時間程度が目安(※個人差あり) ・長時間使用する場合はこまめに着脱し、肌や関節の状態を確認する ・就寝中の装着は避けるのが原則(※医師が指示した場合を除く) ・常用しすぎると筋力低下の原因になるため、運動療法との併用が重要 変形性膝関節症の方がサポーターを装着するべきタイミングは、膝に負担がかかる動作や時間帯に集中させるのが基本です。 一方で、長時間の連続使用や就寝時の装着は、逆に筋力低下や血流障害を引き起こす可能性もあるため注意しましょう。 間違った使い方による悪い影響 サポーターは正しく使えば膝の負担を軽減し、変形性膝関節症の進行予防に役立ちますが、使い方を誤るとかえって症状を悪化させてしまう可能性があります。 【間違った使い方による悪い影響】 きついサポーターを長時間装着すると血流が悪化し、しびれや皮膚トラブルの原因になる サポーターを常時使用していると、膝周囲の筋力低下につながる 痛みが続いているのにサポーターで抑え込もうとすると、診断や治療が遅れる場合も 一日中サポーターを外さずにいると、筋肉を使用する機会が減少し、結果的に太ももや膝周囲の筋力低下につながります。 筋肉の衰えは関節の安定性をさらに損ない、症状を進行させる要因になる場合も。 また就寝中の着用は血行障害のリスクがあるため、医師の指示がある場合を除き、避けるのが基本です。 変形が進んでいる場合や歩行に支障が出ている方は、サポーターだけに頼ると本来必要な治療が遅れる場合もあるため、自己判断をせず医療機関を受診しましょう。 サポーターの注意点 サポーターは膝の負担軽減や痛みの緩和に役立ちますが、変形性膝関節症の根本的な治療にはならない点を把握しておくことが重要です。 【サポーターの注意点】 サポーターでは変形性膝関節症の根本的な治療にはならない 症状が悪化していると感じた場合の対処法 サポーターと用すべき運動・リハビリ・生活習慣 サポーターを万能なアイテムだと思ってしまうと、本来必要な医療的処置が遅れてしまう場合もあります。 以下ではサポーターを使う上で注意したい点について詳しく紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。 サポーターでは変形性膝関節症の根本的な治療にはならない サポーターは変形性膝関節症の痛みを緩和し、日常生活を支える補助具ですが、膝関節の損傷や軟骨の摩耗そのものを修復・治療するものではありません。 変形性膝関節症は軟骨が徐々に摩耗し、骨同士が接触することで、痛みや炎症を引き起こす病気です。 根本的な治療には手術や再生治療などの医療的処置と、関節への負担を軽減するための筋力トレーニングや、リハビリなどの生活改善が必要です。 サポーターは痛みを軽減し膝を安定させることで、リハビリなどの「運動療法」を、より安全かつ効果的に実践できるようサポートしてくれます。 サポーターだけに過度な期待をせず、その役割を理解した上で、運動療法や生活習慣の改善といった根本的な取り組みと合わせて活用することが改善への鍵となります。 症状が悪化していると感じた場合の対処法 変形性膝関節症の症状が悪化したと感じたら、サポーターの使用を続けるだけでなく、早めに適切な対処をすることが重要です。 【症状が悪化したときの具体的な対処法】 まずは安静にする 専門医への早期相談 サポーターの見直し 治療法の見直しと併用 サポーターを装着しても膝の痛みが以前より強くなった、歩行時に膝が安定しなくなったといった場合、症状が進行している可能性があります。 そのまま放置すると、関節の変形がさらに進み、日常生活に深刻な影響を与える恐れがあります。 痛みを我慢したり自己判断で放置したりすることは避けて、安静にしながら整形外科などの専門医を受診し、現在の状態を正確に診てもらいましょう。 サポーターでのケアに限界を感じる場合は、再生医療などの根本的な治療を検討するのもおすすめです。 リペアセルクリニックでは、患者さん自身の細胞を活用した体に負担の少ない再生医療など、変形性膝関節症に対する新しいアプローチを提供しています。 どのような治療法がご自身の状態に適しているか、より詳しい情報を得たい場合は、ぜひお気軽にご相談ください。 サポーターと用すべき運動・リハビリ・生活習慣 変形性膝関節症のケアでは、サポーター単独での対策よりも、運動療法やリハビリ・生活習慣の改善を併用することが重要です。 根本的な膝関節の改善や予防のためには、筋力強化や柔軟性向上を目的とした運動やリハビリを行う必要があります。 【おすすめの運動と意識したい生活習慣】 筋力トレーニングやストレッチを行う 適正体重を維持し、肥満予防を心がける 無理な長時間歩行や階段昇降を避ける 正しい姿勢を保つ 筋力トレーニングやストレッチはもも前後やふくらはぎ、股関節周辺をほぐして鍛えるために、スクワットや膝伸ばし運動がおすすめです。 また関節への負担を抑えつつ筋力を養うために、怪我のリスクなども少ない水中歩行もおすすめなので、ぜひ試してみてください。 これらの取り組みはすぐに劇的な効果が現れるものではありませんが、根気強く継続することが、膝の健康を守ることに繋がります。 サポーターはリハビリ運動や生活習慣の改善を、快適で安全に進めるための頼もしいパートナーとなるため、正しく活用しながら行いましょう。 サポーターは痛みの軽減に役立つが、重症化した場合は医師の診察が重要 膝サポーターは、変形性膝関節症に伴う膝の痛みや不安定感を軽減し、日常生活やリハビリ運動を助けてくれる補助具となります。 サポーターの効果を引き出すためには、自身の症状の程度や使用目的に合わせて適切な種類・サイズを選ぶことが大切です。 症状の程度 おすすめタイプ・特徴・目的 軽度(動き出しに違和感や軽い痛み) おすすめタイプ:ソフトタイプサポーター(伸縮性素材) 特徴:膝全体を包み込み、軽い圧迫と保温効果で痛みを緩和 目的:日常の歩行サポートや予防的使用に最適 中度(歩行時の不安定感) おすすめタイプ: 中程度固定タイプ 特徴:膝蓋骨を安定させつつ、関節のズレやねじれを軽減 目的:階段昇降や通勤時など、負荷のかかる動作の補助 重度(膝の変形・歩行困難) おすすめタイプ:医療用サポーター(固定力の高いモデル) 特徴:金属や樹脂製の支柱で膝の横ぶれやぐらつきを制御 目的:膝関節の安定化と、転倒防止・活動制限の緩和 一方でサポーターは症状を和らげる対症療法の一環であり、すり減った軟骨を修復したり、病気に対する根本的な治療法ではない点を把握することも重要です。 サポーターだけに頼るのではなく、リハビリや生活習慣の改善と併用することが、変形性膝関節症と上手く付き合っていくための鍵となります。 対症療法だけでなく、根本的な治療を行い回復に専念したい場合、再生医療という選択肢をご検討ください リペアセルクリニックでは、最先端の再生医療を活用して、変形性膝関節症の治療に専念できる環境が整っています。 【リペアセルクリニックの取り組み】 PRP療法 患者自身の血液から血小板を抽出し、損傷した筋肉や腱に注射することで回復を促進 幹細胞治療 CPC (細胞加工施設) の高い技術により、冷凍しない方法で幹細胞を投与できる リペアセルクリニックの再生医療は、手術などに比べて体への負担が少ないメリットがあるので、後遺症や筋力低下を最小限に抑えることができます。 1日も早く日常生活に戻りたい・痛みや不安を感じないでアクティブに毎日を送りたいという方は、ぜひリペアセルクリニックにご相談してみてください。
2019.05.08 -
- 変形性膝関節症
- ひざ関節
「膝に水は何cc溜まる?」「膝の水の正体は?」と、疑問に感じている方はいませんか。 膝の水の正体は、過剰に生成された関節液です。 膝に炎症が起こると、通常は数ccである関節液が30cc以上に増える場合があるため、注意が必要です。 本記事では、膝に水が溜まる原因について、詳しく解説します。 膝に痛みや腫れなどの症状がみられる際は、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けましょう。 膝に水は何cc溜まる? 膝には、常に水が1~3cc程度溜まっていますが、炎症によって30cc以上に増える場合があります。 膝の水は、関節液と呼ばれ、以下の役割を担っています。 軟骨へ酸素や栄養を供給する 強い衝撃や圧力から骨を守る 関節の滑らかさを維持し摩擦力を小さくする 免疫グロブリンや白血球により細菌を排除する 健康な人の場合、関節液は、関節内にある滑膜と呼ばれる部分で生成・吸収が行われ、量が一定に保たれています。 関節液が過剰になると、変形性膝関節症や半月板損傷などの疾患により膝に炎症が起こっていることが考えられるため、早めに医療機関を受診しましょう。 膝に水が溜まる原因については、以下の記事でも詳しく解説していますので合わせてご覧ください。 膝に水が溜まったときの症状 膝に水が溜まったときは、以下の症状がみられます。 膝全体が腫れる 膝関節の可動域が狭くなる 膝の違和感や軽い痛み 膝に違和感を覚えた際は、症状が悪化する前に対処することが大切です。 膝全体が腫れる 膝に水が溜まった際の症状に、膝全体の腫れがあります。 関節液の生成量が吸収量を上回ると、膝が腫れてぶよぶよとした状態になります。 膝全体が熱感を持っている場合は、炎症反応を抑えるために、水を抜く治療や薬物療法で治療を行うことが大切です。 膝関節の可動域が狭くなる 膝に水が溜まると、膝関節の可動域が狭くなる症状が現れる可能性があります。 関節液が過剰に増えることで膝を曲げるスペースが狭くなり、膝を大きく曲げたり完全に伸ばす動作が難しくなります。 また、膝の腫れによって膝関節の動きを妨げるケースも考えられます。 膝をかばって歩いたりすると、膝への負担を軽減できるメリットがありますが、筋力バランスが崩れるリスクもあります。 膝関節の可動域が狭くならないように、医師や理学療法士などの専門家に、適切な動かし方を確認しましょう。 膝の違和感や軽い痛み 膝に水が溜まった直後は、膝の違和感や軽い痛みなどの症状が出る場合があります。 膝蓋骨(膝のお皿)が浮いている感じや歩行時に困難感があるときは、膝に炎症が起こっている可能性があります。 膝に少しでも違和感を覚えたら、早めに医療機関で原因を調べてもらいましょう。 膝に水が溜まる原因となる疾患 膝に水が溜まる原因となる疾患は、主に以下の3つです。 変形性膝関節症 半月板損傷 関節リウマチ 原因である疾患を治療すれば、膝に水が溜まる症状が収まる可能性があります。 膝に痛みや違和感があるときは、症状が悪化する前に医療機関を受診し、原因を調べましょう。 変形性膝関節症 膝に水が溜まる疾患の1つに、変形性膝関節症があります。 変形性膝関節症は、以下の原因によって、膝の軟骨がすり減る疾患です。 加齢 肥満 遺伝的要因 オーバーユース(使いすぎ) 骨折や靭帯損傷などの外傷 炎症が起こっている軟骨に大きな負担をかけると、さらに軟骨がすり減り、症状が悪化する恐れがあります。 変形性膝関節症の末期には、膝の曲げ伸ばしが困難になったり膝が変形したりするため、早期治療が大切です。 以下の記事では、変形性膝関節症のステージ別の症状について、詳しく解説していますので合わせてご覧ください。 半月板損傷 膝に水が溜まる原因に、半月板損傷があります。 半月板損傷は、膝への大きな負担や日常生活での無理な動作が原因で起こるスポーツ外傷で、以下の症状がみられます。 膝の痛みや腫れ 膝に水や血液が溜まる 膝を動かした際の引っかかり感(キャッチング) 膝の曲げ伸ばしができない(ロッキング) 症状が進むと、膝の曲げ伸ばしができなくなる「ロッキング」の状態になり、歩行が困難になる可能性があります。 膝が腫れる理由が関節液ではなく、血液の場合もあるため注意が必要です。 半月板損傷か判断する際は、以下の記事のチェックポイントを参考にしてください。 関節リウマチ 関節リウマチは、膝に水が溜まる原因となる疾患です。 免疫異常によって関節に炎症が起こる関節リウマチは、膝以外の部位でも症状がみられる場合があります。 関節リウマチの主な症状は、以下のとおりです。 関節の痛み 関節の腫れ こわばり(曲げにくさ) 関節の変形 微熱 指や手首などの小さな関節で症状がみられたり、同時に複数の部位で症状がみられたりする場合が多い疾患です。 関節リウマチの治療法については、以下の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。 膝の水を抜くときの注意点 膝の水を抜くときの注意点は、以下の2つです。 膝に負担がかかる動作を避ける 原因を治療しないと再び水が溜まる可能性がある 医療機関で膝に水が溜まっている原因を確認し、膝に負担のかかる日常生活動作に注意して過ごしましょう。 膝に負担がかかる動作を避ける 膝の水を抜くときは、膝に負担がかかる動作を避けることが大切です。 膝に負担がかかると、再度炎症が起こり、繰り返し水が溜まる可能性があります。 水を抜いた後の日常生活では、以下の動作に注意して、膝の負担を軽減しましょう。 できるだけ階段を使わない 歩きすぎない 激しい運動を行わない 膝の水を抜く処置を受けたあとは、とくに運動制限がありません。 しかし、無理に膝を動かすことで、炎症反応が強くなる場合もあるため注意しましょう。 原因を治療しないと再び水が溜まる可能性がある 膝に水が溜まる症状は、原因を治療しないと、再び起こる可能性があります。 関節液の過剰貯留を繰り返している場合は、変形性膝関節症や関節リウマチなどの疾患が隠れているケースもあります。 膝の痛みや違和感がある際は、早めに医療機関で検査をして、疾患にあった治療を受けましょう。 【まとめ】膝に水が溜まる症状が続いている場合は医療機関を受診しよう 通常時2~3ccである関節液は、膝に炎症が起こることで30cc以上に増える場合があります。 膝に水が溜まると、痛みや腫れがみられたり可動域が狭まったりして日常生活に支障が出る可能性があるため、早めの対処が重要です。 膝に水が溜まる症状が続いている場合は、症状が悪化する前に医療機関を受診し原因を調べましょう。 関節液が多く溜まる原因が、変形性膝関節症や半月板損傷などであるときは、再生医療による治療も1つの選択肢です。 再生医療とは、患者様自身の細胞を利用して、損傷した軟骨を修復・再生し、痛み症状の改善が期待できる治療法です。 「膝の水」でお困りの方は、当院(リペアセルクリニック)の再生医療による治療をご検討ください。
2019.05.08 -
- 変形性膝関節症
- ひざ関節
「半月板損傷を手術しないとどうなる?」 「手術せずに治す方法はある?」 半月板損傷による痛みにお悩みの方の中には、上記のような疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。 手術せずに放置してしまうと、痛みの悪化や膝が急に動かなくなるロッキングなどの症状が見られ、日常生活に支障をきたす可能性があります。 本記事では、半月板損傷を手術しないとどうなるのか、手術せずに治す方法はあるのかについて詳しく解説します。 手術を避けたい方や入院時間を確保できない方に向けて、手術をしない再生医療についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、半月板損傷に対する再生医療の治療法や症例を配信しています。 「再生医療について詳しく知りたい」という方は、ぜひ公式LINEもチェックしてみてください。 半月板損傷を手術しないとどうなる?放置するリスク 半月板損傷と診断された際、多くの方が「できれば手術はしたくない」と考えるかもしれません。 しかし、半月板は血流が乏しい組織のため自然治癒が難しく、手術をせずに放置するとさまざまなリスクを伴います。 膝の痛みが悪化する ロッキング現象が生じる 膝に水が溜まる(関節水腫) 変形性膝関節症に進行する可能性がある 日常生活に支障が出る 症状の悪化や、将来的な膝の健康のために、どのようなリスクがあるのか理解しておきましょう。 膝の痛みが悪化する 半月板損傷を手術せずに放置していると、初期の痛みが徐々に悪化していきます。 痛みの悪化に伴う主な症状 安静時にも痛みを感じる 階段昇降や方向転換時の鋭痛 膝の曲げ伸ばしでの異常音 ロッキングによる突然の激痛 はじめは運動中や特定の動作のときだけ感じていた痛みが、安静にしていても続くようになります。 これは、損傷部分が関節を動かすたびに刺激され、慢性的な炎症を引き起こすためです。 痛みの悪化は、膝関節の状態がさらに悪くなっているサインなので、早めに適切な治療を受けることが進行を防ぐ鍵となります。 ロッキング現象が生じる 事故などによって半月板が断裂すると、急に膝関節が動かなくなってしまうロッキング現象を引き起こす場合があります。 ロッキング現象は半月板損傷が原因になるケースが多く、損傷した組織が膝関節の内部に残った場合、以下のような症状が現れます。 膝の曲げ伸ばしに力が入らない 膝の曲げ伸ばしに引っかかりを感じる 膝の部分が腫れる 膝関節に痛みが生じる 半月板には膝から上の体重がかかるため、加齢とともに繊維がほつれたりする「ささくれ状態」が進行し、激しい痛みを伴うケースもあります。 ロッキング現象を自覚したときは医師の診断を受け、早めに治療を開始することが重要です。 レントゲンには骨しか映らないため、受診する際は MRI検査ができる病院を事前に調べてから受診をしましょう。 以下の記事では膝のロッキング現象について、原因や自分で治す方法を解説しているので、ぜひ参考にしてください。 膝に水が溜まる(関節水腫) 関節水腫(かんせつすいしゅ)とは、膝の関節部分に関節液(体液)が溜まる症状です。 各部分の関節液は一定量にコントロールされていますが、必要以上に溜まった場合、以下の症状を引き起こす場合があります。 膝蓋骨(膝の皿)が浮き上がっている感覚がある 膝関節の可動域に制限がかかり、曲げ伸ばしが難しくなる 膝関節に腫れや痛みが生じる 膝をひねると激しく痛む 関節水腫の主な原因は、軟骨のすり減りや関節リウマチ、半月板損傷などが挙げられます。 症状の初期段階は水抜きやヒアルロン酸注射、ストレッチなどの治療を行います。 一方で変形性膝関節症などが進行し症状が悪化すると、他の治療法で改善が見られない場合には人工関節への置き換え手術が必要になる場合も。 症状によっては歩行が困難になるため、関節水腫が疑われるときは早めに病院の診察を受けることが重要です。 変形性膝関節症に進行する可能性がある 変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨が徐々にすり減って骨が変形していく症状です。 主な原因として、加齢や膝関節への強い負荷、半月板損傷などが挙げられます。 【変形性膝関節症の進行に伴う症状】 歩行時に強い痛みが生じる 骨の変形により膝をまっすぐ伸ばせない 膝関節に関節液が溜まる 初期段階は歩行時に痛みを感じる程度ですが、症状が悪化すると膝の曲げ伸ばしに激痛が伴います。 階段の昇降や、正座・あぐらなどの姿勢も困難になるため、日常生活を苦痛に感じるケースもあります。 変形性膝関節症が末期症状になると常に膝の痛みを感じてしまい、熟睡できないなどのリスクが生じる場合も。 人工関節に置き換えると痛みを解消できますが、膝の曲げ伸ばしが制限されるため、初期段階の治療が改善への鍵となります。 日常生活に支障が出る 膝の痛みが悪化し、ロッキングや関節水腫といった症状が見られると、これまで当たり前にできていた日常生活の動作も困難になります。 膝の不安定感は活動範囲を狭め、生活の質(QOL)を大きく低下させる可能性があります。 日常生活における具体的な支障 階段昇降や長距離歩行の困難 立ち座り動作での強い痛み 仕事や家事などへの悪影響 不安定感による転倒リスクの増加 症状が進行すると、杖が必要になったり、外出自体が億劫になったりすることもあります。 自立した生活を長く続けるためにも、症状が軽いうちに治療を開始することが重要です。 軽度の半月板損傷は保存療法による治療が優先される 半月板を損傷した場合でも、症状が軽度であれば、まずは手術をしない「保存療法」が優先されます。 保存療法の目的は、薬や物理的なアプローチで痛みや炎症を抑え、膝関節の機能を改善させることです。 半月板自体は血流が乏しく自然治癒しにくい組織ですが、適切な保存療法を組み合わせることで、日常生活に支障のないレベルまで改善できるケースは少なくありません。 本章では、保存治療の種類とメリット・デメリットを解説します。 薬物療法 物理療法 装具療法 理学療法 保存療法のメリット・デメリット それぞれの治療法がどのような役割を持つのか見ていきましょう。 薬物療法 薬物療法は、半月板損傷によって生じている痛みや炎症を和らげることを主な目的とします。 痛みや炎症をコントロールすることで、その後のリハビリテーションにスムーズに取り組めるようにする重要な治療です。 ただし、薬物療法はあくまで症状を緩和する対症療法であり、損傷した半月板そのものを修復するものではありません。 用いられる主な薬物療法 消炎鎮痛薬の内服 湿布など外用薬の貼付 関節内へのヒアルロン酸注射 特にヒアルロン酸注射は関節の潤滑油としての役割を果たし、膝の動きを滑らかにすることで痛みの軽減が期待できます。 物理療法 物理療法は、熱・電気・冷却などの物理的なエネルギーを利用して、痛みの緩和や血行促進を図る補助的な治療法です。 理学療法士が症状に合わせて、リハビリテーションの効果を高める目的で実施します。 これにより、筋肉の緊張がほぐれ、関節の可動域が広がりやすくなるなど、運動療法の準備段階となります。 主な物理療法の種類 温熱療法による血行促進 電気刺激による痛みの緩和 炎症を抑えるための寒冷療法 例えば、炎症が強い急性期には寒冷療法を、慢性的な痛みやこわばりには温熱療法を選択するなど症状に応じて使い分けられます。 装具療法 装具療法は、サポーターや足底板(インソール)などを用いて膝関節への負担を物理的に軽減する治療法です。 特にO脚などで膝の内側に体重が偏ってかかっている場合、足底板で荷重のバランスを調整することで、損傷した半月板への局所的な負荷を減らす効果が期待できます。 また、サポーターは膝関節の不安定感を補助し、歩行時の安心感にもつながります。 主な装具の種類 膝の安定性を高めるサポーター 動きを固定・制限するニーブレース 荷重のバランスを調整する足底板 装具は、理学療法など他の治療と組み合わせることで効果を発揮します。 理学療法 理学療法は、保存療法の中心となる治療であり、運動を通じて膝関節の機能回復と再発予防を目指します。 半月板損傷によって低下した筋力や可動域を改善し、膝への負担が少ない正しい体の使い方を再学習することが目的です。 理学療法士が個別のプログラムを作成し、指導のもとで進めます。 理学療法の主な内容 関節の拘縮を防ぐ可動域訓練 膝周りを支える筋力トレーニング 歩行など動作のバランス訓練 特に太ももの筋肉(大腿四頭筋など)を鍛えることは、膝の安定性を高め、半月板への負担を減らすうえで不可欠です。 ご自宅で継続できる運動の指導も受け、根気よく取り組むことが改善への鍵となります。 保存療法のメリット・デメリット 半月板損傷を保存療法で治療する際は、以下のメリット・デメリットを把握しましょう。 項目 詳細 メリット 手術や入院が不要 変形性膝関節症への進行リスクを低減できる 治療による身体への負担が少ない 手術療法に比べて治療費が安い 仕事や日常生活への影響が少ない デメリット 半月板損傷が根本的に治るわけではない 重度の半月板損傷には効果がないケースもある 治療が長期化する可能性がある 装具に頼ると筋力が落ちる可能性がある 薬に耐性がつくと効果が薄れる 保存療法は手術せずに治療できるため、身体への負担が少ない点が特徴です。 適切な治療を受けることで、将来的な変形性膝関節症の進行リスクを低減できる点もメリットといえるでしょう。 しかし、症状の緩和や悪化を防ぐことが目的の治療のため、半月板損傷が根本的に治るわけではない点に注意が必要です。 保存療法を半年ほど継続しても症状が改善しない場合や重症度が高いときは手術療法も検討しましょう。 重度の半月板損傷は手術療法が必要になるケースが多い https://youtu.be/qH46jDFK9Mc?si=ZNOJQQHo8FQGXSkv 半月板損傷の程度が重い場合や保存療法で改善が見られない場合、手術が必要となるケースが多くなります。 手術が検討される主なケースは、以下のとおりです。 手術が検討される主なケース ロッキングが起きている 保存療法を続けても改善しない スポーツ活動への復帰を希望する 特に、膝が急に動かなくなる「ロッキング」症状が起きている場合は、手術が推奨されます。 上記のケースでは、痛みの原因を根本から取り除き、膝の機能を回復させるために手術が有効な選択肢です。 手術療法 半月板損傷の手術は、現在では体の負担が少ない関節鏡を用いた手術が主流です。 数ミリの小さな切開部からカメラと器具を挿入し、モニターで関節内を確認しながら損傷部分を処置します。 手術の方法は、主に以下の2種類です。 手術の種類 内容 半月板縫合術 断裂した半月板を特殊な糸で縫い合わせ、修復・温存を目指す手術 半月板切除術 損傷して治癒が見込めない部分のみを、最小限取り除く手術 どちらの手術を選択するかは、損傷の程度や年齢を総合的に考慮して決定されます。 基本的には、ご自身の半月板を残す縫合術が第一選択となるでしょう。 手術療法のメリット・デメリット 半月板損傷を手術で治療する際は、下のメリット・デメリットを把握しましょう。 項目 詳細 メリット 痛みの原因を直接取り除くことができる ロッキングなどの症状が改善する スポーツへの早期復帰が期待できる 縫合術によって半月板を温存できる デメリット 入院やリハビリ期間が必要 半月板切除後は将来の変形リスクがある 縫合術は再断裂の可能性がある 手術療法では、痛みの原因を直接取り除くことができ、早期のスポーツ復帰などが期待できます。 特に縫合術で半月板を温存できれば、長期的な膝の健康にもつながります。 一方で、手術には入院が必要となり、術後のリハビリにも一定の期間が必要です。 どちらの手術にもメリットとデメリットがあるため、専門医とよく相談し、ご自身のライフプランに合った治療法を選択しましょう。 半月板損傷を手術しないで治す「再生医療」について https://youtu.be/lSv3oWA6mdk?si=y_qFPhrdmfSPn_hH 半月板損傷の根治を目指す場合、従来の治療では手術以外の選択肢はありませんでしたが、近年の治療では再生医療が注目されています。 再生医療とは、患者さま自身の幹細胞を用いて、損傷した半月板を修復・再生させる医療技術のことです。 【再生医療のメリット】 手術や入院をせずに根治を目指せる 拒絶反応やアレルギー反応が起こりにくい 人工関節を避けて半月板損傷を治療できる 再生医療は手術を必要としないため、人工関節に置き換えなくても半月板損傷を治せる可能性があります。 また、治療には患者さま自身の細胞や血液を使用することで、拒絶反応やアレルギー反応などのリスクが少ないです。 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、半月板損傷に対する再生医療の治療法や症例を配信しています。 「半月板損傷を手術せずに治したい」という方は、ぜひ公式LINEもチェックしてみてください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ 半月板損傷の手術に関するよくある質問 ここでは、半月板損傷についてよくある質問に回答していきます。 半月板損傷を早く治す方法は? 半月板損傷でやってはいけないことは? 正しい知識を身につけて、焦らず治療に臨みましょう。 半月板損傷を早く治す方法は? 半月板損傷を早く治すためには、正確な診断のもとで炎症を抑える初期治療と段階的なリハビリテーションが重要です。 早期回復のために不可欠な要素 MRIなどによる正確な診断 安静や冷却による初期の炎症抑制 装具などを活用した膝の保護 専門家による段階的なリハビリ 膝の状態に合わせた適切な治療を受けることが、結果的に半月板損傷を早く治すことにつながります。 保存療法で改善しない場合や重度の損傷では、手術療法が早期回復の選択肢として検討されるケースもあります。 半月板損傷でやってはいけないことは? 半月板を損傷した際に避けなければならないのは、痛みを我慢して膝に負担をかけ続けることです。 半月板損傷でやってはいけないこと 痛みを我慢しての運動や歩行 正座や深くしゃがみ込む動作 急な方向転換やジャンプ 自己流のストレッチや筋トレ 体重の増加 上記の行動は、半月板にさらなるダメージを与えたり、ロッキング(膝が動かなくなる現象)を引き起こしたりする可能性があります。 良かれと思った行動がかえって症状を悪化させ、回復を遅らせる原因になります。 自己判断で動かず、医師や理学療法士の指示に従いましょう。 半月板損傷は手術しないと悪化する可能性あり|早期治療が重要 半月板損傷を手術せずに放置した場合、痛みの悪化や膝が急に動かなくなるロッキング現象だけでなく、将来的に変形性膝関節症の発症リスクが高まります。 【半月板損傷を放置した場合のリスク】 膝の痛みが悪化する ロッキング現象が生じる 膝に水が溜まる(関節水腫) 変形性膝関節症に進行する可能性がある 日常生活に支障が出る 上記のリスクを理解したうえで、治療法を検討しましょう。 また、半月板損傷を手術せずに治療したい方は、先端医療である再生医療も選択肢の一つです。 再生医療とは、患者さま自身の幹細胞を用いて、損傷した半月板を修復・再生させる医療技術のことです。 「再生医療について詳しく知りたい」という方は、ぜひ当院リペアセルクリニックまでご相談ください。
2019.05.08 -
- ひざ関節
膝の痛みが続いて日常生活に支障をきたし、人工関節置換手術を検討されている方も多いのではないでしょうか。 しかし、手術には様々なリスクが伴うため、「本当に手術が必要なのか」「他に選択肢はないのか」と悩まれる方も少なくありません。 この記事では、膝の人工関節置換手術に伴うリスクや合併症について詳しく解説し、手術を避けるための方法や代替治療法について説明します。 手術を急ぐ前に、まずはご自身の状況を正しく把握し、様々な治療選択肢を検討することが大切です。 また、現在リペアセルクリニックでは手術なしで治療ができる再生医療に関する情報をLINEで発信しております。 膝の痛みを手術以外の方法で改善したい方に向けて、膝関節症に関する改善症例も紹介しておりますので、ぜひご登録ください。 膝の人工関節置換手術におけるリスク|感染に注意が必要 膝の人工関節置換手術は一般的に安全な手術とされていますが、どのような手術にもリスクが伴います。 手術後に痛みが残る可能性 感染症などの合併症 人工膝関節の摩耗・ゆるみや破損 手術で命に関わるリスク 膝の人工関節置換手術は、重度の変形性膝関節症やリウマチなどで痛みが強く日常生活に支障をきたす場合に検討される治療法です。 手術を検討される際には、リスクをよく理解し、医師と十分に相談しましょう。 以下では、膝の人工関節置換手術に伴う主なリスクについて説明します。 手術後に痛みが残る可能性 人工関節置換手術を受けても、すべての患者さまが完全に痛みから解放されるわけではありません。 手術後も膝の痛みが継続する以下のようなケースも存在します。 手術部位周辺の痛みや違和感が数ヶ月から数年続く 人工関節と骨の適合性による慢性的な痛み 神経損傷による痛みやしびれ 筋肉や軟部組織の回復不良による痛み 手術後3〜4年が経過した患者さまの約40%※の方が痛みを感じており、15%※の方が強い痛みを訴えているという研究もあります。 ※出典:PubMed とくに、手術前の痛みが非常に強かった場合や、長期間痛みを抱えていた場合は、手術後も痛みの記憶が残りやすいとされています。 また、個人の痛みに対する感受性によっても手術後の痛みの程度は大きく異なります。 感染症などの合併症 人工関節置換手術における最も重要なリスクの一つが感染症です。 人工関節は体内に異物を埋め込むため、細菌感染のリスクが常に存在します。 合併症の種類 症状・リスク 感染症 発熱、膝の腫れ、激しい痛み、排膿。重篤な場合は人工関節の除去が必要 感染率は0.82%という報告※もある ※出典:PubMed 深部静脈血栓症・肺塞栓症 足の血管に血栓ができ、肺に詰まると生命に関わる危険性 人工膝関節置換術後の深部静脈血栓症の発生率は11.7%※という報告もある ※出典:PubMed 神経・血管損傷 手術中の神経や血管の損傷により、しびれや感覚障害、出血のリスク 感染症は手術直後から数年後まで様々なタイミングで発生する可能性があり、一度感染が起こると治療が困難になることが多いため、予防が最も重要です。 人工膝関節の摩耗・ゆるみや破損 人工関節は金属やセラミック、ポリエチレンなどの材料で作られていますが、長期間の使用により摩耗や破損が起こる可能性があります。 人工関節の耐用年数は一般的に15~20年程度とされており、活動量の多い若い患者さまでは摩耗が早く進む傾向があります。 摩耗が進むと人工関節がゆるんだり、破損したりする場合があり、その際は再手術が必要になります。 とくに活動的な生活を送る方や、重労働に従事している方は、人工関節への負担が大きくなるため、摩耗や破損のリスクが高くなることを理解しておく必要があります。 手術で命に関わるリスク 人工関節置換手術は全身麻酔を使用する大きな手術のため、生命に関わるリスクも存在します。 とくに高齢の患者さまや持病をお持ちの方では、これらのリスクが高くなる傾向があります。 主な生命に関わるリスクとしては、麻酔による合併症、大量出血、心筋梗塞、脳梗塞、肺塞栓症などがあります。 手術前には十分な検査を行い、これらのリスクを最小限に抑えるための準備が重要です。 また、手術後の回復期間中も様々な合併症のリスクがあるため、医療チームによる継続的な管理と観察が必要になります。 膝の人工関節置換手術後にやってはいけないこと 人工関節置換手術を受けた後は、人工関節を長持ちさせ、合併症を予防するために避けるべき行動があります。これらの注意点を守ることで、手術の効果を最大限に活かすことができます。 激しいスポーツや衝撃の強い運動 重いものを持ち上げる作業 膝を深く曲げる動作(正座、しゃがみ込み) 感染リスクのある行為(不適切な傷口のケア) 医師の指示に従わない薬の服用 定期検診を怠ること とくに人工関節への過度な負荷は摩耗や破損を早める原因となるため、日常生活での動作にも注意が必要です。医師から指導された運動療法は継続しつつ、人工関節に負担をかけ過ぎない生活を心がけることが重要です。 膝の人工関節置換手術を行うケースとは 膝の人工関節置換手術は、膝関節の機能が著しく低下し、他の治療法では改善が期待できない場合に検討されます。手術が必要になる具体的なケースについて以下の3つの観点から説明します。 保存療法で改善の見込みがない場合 高齢者の場合 生活レベルが下がっている場合 これらの条件を総合的に判断して、患者さまにとって最適な治療選択肢を決定することが大切です。 保存療法で改善の見込みがない場合 変形性膝関節症の治療は、まず薬物療法、物理療法、運動療法などの保存療法から開始されます。 しかし、これらの保存療法を十分な期間継続しても症状の改善が見られない場合は、手術療法が検討されます。 【保存療法で改善が見られないケースがある疾患例】 変形性膝関節症 関節リウマチ など ただし、保存療法の効果には個人差があるため、患者さまの症状や生活状況を総合的に判断することが重要です。 高齢者の場合 高齢者の場合、膝の痛みによって歩行能力が低下し、寝たきりのリスクが高まることがあります。 このような状況では、手術によって歩行能力を回復し、生活の質を向上させることが重要な治療目標となります。 しかし、高齢者の手術には前述したようなリスクも伴うため、全身状態、認知機能、家族のサポート体制なども含めて慎重に検討する必要があります。 手術後のリハビリテーションが適切に行えるかどうかも重要な判断要因となります。 生活レベルが下がっている場合 膝の痛みが原因で、これまで楽しんでいた趣味や活動ができなくなったり、仕事に支障をきたしたりする場合も手術の適応となることがあります。 生活の質(QOL)の著しい低下は手術を検討する重要な指標の一つです。 痛みによって外出が困難になったり、階段の昇降ができなくなったりした場合は、手術によって機能回復を図ることで、再び充実した生活を送ることが期待できます。 膝の人工関節手術を避けるためにできること 膝の人工関節手術を避けるためには、早期からの適切な対策が重要です。 膝関節の健康を維持し、症状の進行を防ぐための方法について以下の3つのポイントから説明します。 膝に痛みや違和感があれば早めに相談する 全身のバランスを整える 体重を急激に増やさない これらの予防策を日常生活に取り入れることで、膝関節の健康を長期間維持することができます。 膝に痛みや違和感があれば早めに相談する 膝の痛みや違和感を感じた場合は、「年のせい」と諦めずに早めに医療機関を受診することが大切です。 早期発見・早期治療により、症状の進行を遅らせたり、手術を回避したりできる可能性が高くなります。 初期の段階であれば、薬物療法や物理療法、生活指導などの保存療法で十分な効果が期待できます。 また、適切な運動療法を早期から開始することで、膝関節周辺の筋力を強化し、関節への負担を軽減することができます。 全身のバランスを整える 膝関節の負担を軽減するためには、全身のバランスを整えることが重要です。 とくに、股関節や足関節の柔軟性と筋力が膝関節の健康に大きく影響します。 太ももの前後の筋肉(大腿四頭筋・ハムストリングス)の強化 股関節周辺筋肉の柔軟性向上 足関節の可動域維持 体幹筋力の強化による姿勢改善 理学療法士など専門家の指導を受けながら、適切な運動療法を継続することで、膝関節への負担を効果的に軽減できます。 体重を急激に増やさない 体重の増加は膝関節への負担を直接的に増加させる要因です。 体重1kg増加すると、歩行時に膝関節には3~4倍の負荷がかかるとされています。 無理な減量は必要ありませんが、適正体重を維持することで膝関節への負担を軽減できます。 栄養バランスの取れた食事と適度な運動により、健康的な体重管理を心がけることが重要です。 人工膝関節置換手術を避けたい方は再生医療をご検討ください 膝の人工関節手術は様々なリスクが伴うため、手術以外の治療選択肢を検討したい方も多いのではないでしょうか。 手術を避けたい方には、再生医療という治療の選択肢もあります。 治療法 方法 PRP療法 患者さまの血液から血小板を採取し、患部に注射 幹細胞治療 患者さまの脂肪から幹細胞を採取・培養し、膝関節内に注入 これらの治療法は手術を必要とせず、患者さまご自身の細胞を使用するため、拒否反応のリスクが低い治療法です。 治療法の詳細や症例については、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEでも紹介しておりますので、手術以外の選択肢をお探しの方はぜひご確認ください。 >>変形性股関節症に対する再生医療の症例はこちら \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ 膝の人工関節置換手術のリスクに関するよくある質問 膝の人工関節置換手術のリスクに関して、よくある質問を2つ紹介します。 人工膝関節手術の後遺症・デメリットは? 人工関節置換術後、感染が発生する可能性がある期間はどのくらい? 手術への疑問を解消して、適切な治療法を選択しましょう。 人工膝関節手術の後遺症・デメリットは? 人工膝関節手術の主な後遺症・デメリットとしては、以下のようなものがあります。 慢性的な痛みや違和感が残る場合がある 膝の可動域制限(完全に曲がらない、伸びない) 感染症のリスクが生涯にわたって継続 人工関節の摩耗・破損による再手術の可能性 正座やしゃがみ込みなどの日常動作の制限 激しいスポーツや重労働の制限 これらのデメリットを理解した上で、手術を検討することが重要です。 医師と十分に相談し、ご自身の生活スタイルや希望を伝えて治療方針を決定しましょう。 人工関節置換術後、感染が発生する可能性がある期間はどのくらい? 人工関節の感染は手術直後から数年後まで、様々なタイミングで起こる可能性があります。 感染の発生時期によって以下のように分類されます。 術中感染:手術中に細菌が人工関節に付着した場合 術後早期感染:術後1ヶ月以内に発症する感染 遅発性感染:術後1ヶ月~2年程度で発症する感染 急性血行性感染:手術後数年経ってから、体の他の部位の感染(虫歯、歯槽膿漏、肺炎など)が血流に乗って人工関節に付着することで起こる感染 とくに注意すべきは、人工関節が体内にある限り感染のリスクは継続することです。 そのため、歯科治療や他の手術を受ける際は、事前に医師に相談し、必要に応じて抗生物質の投与を検討することが重要です。 膝の人工関節置換手術にはリスクが伴うため再生医療も選択肢の一つ 膝の人工関節置換手術は、重度の膝関節症に対する有効な治療法です。 しかし、感染症、痛みの残存、人工関節の摩耗・破損、さらには生命に関わるリスクなど、様々な合併症のリスクが伴います。 手術を検討される前に、まずは保存療法を十分に試し、生活習慣の改善や適切な運動療法を継続することが大切です。 また、近年では再生医療という手術を必要としない新しい治療選択肢もあります。 膝の痛みでお悩みの方は、一つの治療法にこだわらず、ご自身の症状や生活スタイルに最も適した治療法を見つけることが重要です。 医師と十分に相談し、様々な選択肢を検討した上で、納得のいく治療を選択しましょう。 再生医療についてより詳しく知りたい方は、ぜひ当院(リペアセルクリニック)の公式LINEで配布している「再生医療ガイドブック」をご利用ください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/
2019.04.25 -
- ひざ関節
「急に膝が腫れて歩くのがつらい」「突然膝に激痛が走った」といった症状で困っている方も多いのではないでしょうか。 膝の痛みと腫れが突然起こる原因はさまざまで、軽度なものから緊急性の高いものまであります。 この記事では、突然の膝の痛みと腫れの原因から緊急度別の対応方法、自宅でできる対処法まで詳しく解説します。 適切な知識を身につけて、膝の症状に冷静に対処していきましょう。 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、膝の痛み症状改善が期待できる再生医療の治療法や症例を配信中です。 治療を受けるのが早いほど治療成績は良好になるため、突然の膝の痛みにお悩みの方は、症状が悪化する前にぜひご検討ください。 膝の痛みと腫れが突然起こる主な原因 膝の痛みと腫れが突然起こる原因は、以下のように多岐にわたります。 炎症性疾患による膝の痛みと腫れ 感染症による膝の痛みと腫れ 骨や軟骨の異常による膝の痛みと腫れ 外傷による膝の痛みと腫れ その他に考えられる膝の痛みと腫れの原因 原因を理解することで、適切な対処法を選択できるようになります。 炎症性疾患による膝の痛みと腫れ 膝の痛みと腫れは、以下の炎症性疾患の可能性があります。 疾患名 症状・特徴 関節リウマチ 免疫細胞が関節を攻撃し、朝のこわばりや複数関節の痛みが特徴 痛風 尿酸結晶が関節に溜まり、足の親指や膝に激しい痛みを引き起こす 偽痛風 ピロリン酸カルシウムの結晶が原因で、高齢者の膝や手首に痛みが現れる これらの疾患では、膝の腫れや痛みだけでなく、発熱や関節の熱感、皮膚の赤みなどの症状を伴うこともあります。 放置すると関節の破壊や変形につながる可能性があるため、早期の医療機関受診が重要です。 感染症による膝の痛みと腫れ 膝にばい菌が入り込むと、深刻な炎症を引き起こします。 以下のような感染症による膝の腫れは緊急性が高く、迅速な治療が必要です。 感染症名 症状・特徴 化膿性関節炎 黄色ブドウ球菌などが関節内に侵入し、激痛と高熱を伴う 蜂窩織炎 皮膚や皮下組織の細菌感染で、患部が赤く腫れ上がる 感染性滑液包炎 関節を包む袋に感染が起こり、強い痛みと腫れが生じる 骨髄炎 骨自体に感染が及び、深部の痛みと発熱を引き起こす 感染の原因としては、怪我の傷口からの感染、膝への注射による刺し傷からの感染、虫歯菌が血管を通って膝まで運ばれる血行性感染、手術後の感染などがあります。 感染症が疑われる場合は、軟骨や骨の破壊を防ぐため、直ちに医療機関を受診してください。 骨や軟骨の異常による膝の痛みと腫れ 加齢や肥満、過度な運動により、膝の関節を構成する骨や軟骨が徐々にすり減ったり変形したりすることがあります。 疾患名 症状・特徴 変形性膝関節症 軟骨がすり減り、骨同士がこすれ合うことで痛みと腫れが生じる 骨壊死 血流不足により骨の一部が死んでしまい、強い痛みを引き起こす これらの症状は階段の上り下りや立ち上がり時の痛みや、朝起きた時や長時間座った後に膝がこわばるといった症状が特徴です。 初期は自覚症状がほとんどない場合もありますが、徐々に症状が強くなり、日常生活に支障をきたすようになります。 外傷による膝の痛みと腫れ スポーツ中の外傷も、膝の痛みと腫れを引き起こします。 外傷の種類 症状・特徴 半月板損傷 膝のクッション役である半月板が損傷し、鋭い痛みや引っかかり感が生じる 靭帯損傷 膝を支える靭帯が損傷し、膝の不安定感や腫れが現れる 打撲 膝を強打することで皮下組織が損傷し、痛みと腫れが生じる 骨折 骨が折れることで激痛と明らかな変形が見られる 関節内出血 関節内に血液が溜まり、膝が急激に腫れ上がる 急なストップや方向転換、転倒などで膝に強い衝撃や捻りが加わると、関節内の組織を損傷することがあります。 応急処置としてRICE処置を行い、速やかに医療機関を受診することが大切です。 その他に考えられる膝の痛みと腫れの原因 その他にも、膝の痛みと腫れを引き起こす原因として、以下があります。 疾患名 症状・特徴 ベーカー嚢腫 膝の裏にある関節液の袋が腫れ、ぷよぷよした感触の腫れが生じる 滑液包炎 関節を包む袋に炎症が起こり、局所的な腫れと痛みが現れる 血腫 出血により血液が溜まり、腫れと痛みを引き起こす これらの症状は比較的軽度なことが多いですが、症状が続く場合や悪化する場合は医療機関での診察を受けましょう。 突然の膝の痛みと腫れで病院に行くべき症状を緊急度別に紹介 膝の痛みと腫れが起こった時、病院にすぐ行くべきか様子を見るべきか、症状を緊急度別に紹介します。 今すぐ病院に行くべき症状 自宅で様子を見てもよい軽度の症状 判断に迷うときは、参考にしてください。 今すぐ病院に行くべき症状 以下の症状が一つでも当てはまる場合は、直ちに医療機関を受診してください。重篤な合併症を防ぐため、迅速な治療が必要です。 高熱(38度以上)を伴う膝の激痛と赤い腫れ 膝が突然動かなくなり、曲げ伸ばしができない 足を地面につけられないほどの激痛 膝がガクガクして歩けない 膝の明らかな変形が見られる 膝が急激にパンパンに腫れ上がった 膝周りの皮膚が赤く熱を持っている これらの症状は化膿性関節炎、重度の靭帯損傷、骨折、痛風発作などの可能性があります。 放置すると関節の破壊や機能障害につながる恐れがあるため、すぐに医療機関を受診しましょう。 自宅で様子を見てもよい軽度の症状 以下のような軽度の症状であれば、まずは自宅で様子を見ても問題ありません。 運動後のような鈍い痛み 軽い腫れがあるが歩行は可能 膝裏のぷよぷよした腫れ(痛みなし) 数時間で治まる軽い違和感 朝の軽いこわばり感 これらの症状は軽度の筋肉痛、軽微な打撲、ベーカー嚢腫、一過性の関節痛などの可能性があります。 ただし、軽度な症状であっても悪化するリスクがあるため、数日経っても改善しない場合や症状が強くなる場合は、早めに医療機関に相談することが大切です。 突然の膝の痛みと腫れに対する対処法・治療法 膝の痛みと腫れに対する対処法は、症状の原因や重症度によって異なります。 以下の3つに分けて対処法・治療法を紹介します。 自宅でできる対処法 保存療法 手術療法 適切な治療を選択することで、症状の改善と機能回復を図ることができます。 自宅でできる対処法 スポーツ中や日常生活で膝を痛めた場合、まずはRICE処置を行いましょう。 処置 具体的な方法 Rest(安静) 患部にタオルや添え木を当てて固定し、むやみに動かさない Icing(冷却) 氷や氷水で10~15分冷却後、感覚を戻してから再び冷却を繰り返す Compression(圧迫) テープなどで圧迫し腫れを抑える(しびれや変色に注意) Elevation(挙上) 患部を心臓より高い位置に保ち、座布団やクッションで支える RICE処置は痛みや腫れを軽減する効果がありますが、あくまで応急処置です。 処置後は速やかに医療機関を受診し、専門医の診察を受けましょう。 冷やしすぎによる凍傷や、圧迫しすぎによる血流障害にも注意してください。 保存療法 突然の膝の痛みに対して医療機関では、まず保存療法から治療を開始することが一般的です。 保存療法は手術を行わない治療法で、多くの膝の痛みと腫れの緩和が期待できます。 薬物療法では、炎症や痛みを抑えるために消炎鎮痛剤や湿布が処方されます。 これらの薬は炎症を抑え、痛みを伝える神経の働きを抑えることで症状を和らげます。 痛みが強い場合には、ヒアルロン酸注射やステロイド注射を行うこともあります。 リハビリテーションでは、痛みが軽減してきたら、弱ってしまった筋肉を鍛え直し、関節の柔軟性を回復するためのトレーニングを行います。 手術療法 保存療法で効果が得られない場合や、症状が進行している場合は、手術療法も治療の選択肢です。 半月板損傷や靭帯損傷などでは、関節鏡手術が行われます。 関節鏡手術は小さな傷口からカメラや器具を挿入して行う手術で、身体への負担が少ないのがメリットです。 変形性膝関節症などで関節が著しく損傷している場合には、人工関節置換術が行われます。 人工関節置換術は損傷した関節を人工関節に置き換える手術で、痛みの軽減や関節機能の改善が期待できます。 突然の膝の痛みと腫れには再生医療による治療も選択肢の一つ 手術を避けて膝の痛みを改善したいとお考えの方には、「再生医療」という治療法もあります。 再生医療は、ご自身が本来持っている治癒する力を活用した治療法です。 膝の再生医療では、以下のような流れで治療を進めます。 患者さまご自身の脂肪から幹細胞を取り出す 取り出した幹細胞を培養して数を増やす 培養した幹細胞を膝の関節内に注射して戻す 幹細胞が持つ、他の細胞に変化する能力を活用する治療法です。 患者さま自身の細胞を用いるため、アレルギーや拒絶反応の副作用リスクが少ない治療法として注目されています。 突然の膝の痛みや腫れを早く治したい方は、再生医療による治療も選択肢の一つとしてご検討ください。 膝の突然の痛みと腫れは症状に応じて適切に対応しよう 膝は骨や関節、靭帯、腱などの構造が複雑な部位であるため、普段の姿勢などちょっとしたことが原因で膝へ負担がかかり、炎症が起きて腫れや痛みが生じやすい部位です。 軽度の場合、様子見で問題ないケースもありますが、高熱・激痛・歩行困難などの症状がある場合は速やかに医療機関を受診することが大切です。 膝の腫れや痛みなどの治療を受けても改善されず、手術をするかお悩みの方には再生医療の選択肢もあります。 再生医療では、手術をせずに膝の治療が可能です。 大切なのは、症状に応じて適切に対応し、必要な時に適切な治療を受けることです。 再生医療に関する詳細は、当院「リペアセルクリニック」へお気軽にお問い合わせください。
2019.04.24 -
- ひざ関節
膝の水の正体と水が溜る原因、考えられる病気の種類と治療方法を徹底解説 膝に起こる異変の一つとして、水が溜まるという現象があります。 膝の水が溜まってしまう原因は様々で、膝の水を検査することでどんな病態が隠れているのか知ることもできます。決して年齢が高いから膝に水が溜まるわけではなく、若年層でも膝に水が溜まるケースは考えられます。 そこで今回は、膝に水が溜まる原因と、完治までどのような経過をたどっていくのかご紹介していきます。 膝の水の正体と、水が溜まる原因 膝に水が溜まる原因は、関節内に炎症が起こるからです。炎症の原因は、まず一つに「靭帯損傷」や「半月板損傷」といった外傷で膝に水が溜まる場合、もう一つは、「変形性膝関節症」などの慢性的な症状によって膝に水が溜まる場合です。 膝関節の動きに重要なものに「関節液」があります。この関節液は、関節の動きがスムーズにする潤滑剤の役割をしています。よく耳にする「膝に水が溜まる」という言葉、実のところ、この関節液が正体なのです。 このように「膝の水」は、関節液なので誰の膝関節にも存在していて、問題はその量ということです。膝に水が溜まると言われる状態は、何らかの原因で関節液が増えてしまった状況です。 この膝関節内に溜まっている膝の水(関節液)は、純粋な水分というわけではなく、血液が混じっていたり、化膿して発生した物質が混ざったりすることがあります。 その膝に溜まっている水を注射で抜き、どんな成分が含まれているか検査をすることで、膝関節で起こっている病変を特定することにも役立ちます。 その成分が、「炎症成分であれば、関節炎が起きていることが分かり」、「血液であれば靭帯損傷などの軟部組織損傷」であることがわかるのです。 膝の水 関節液 ▲炎症成分 関節炎 ▲血液 靭帯損傷、軟部組織損傷 膝の水を抜くと癖になる?! 膝に水がたまると、「水を抜くと癖になる」という話。膝に溜まった水を抜くと、何度も繰り返すようになってしまうという噂ですが、これは正しい情報ではありません。 実際に、一度膝に溜まった水を抜き、その後も何度も処置をしなければならないケースはありますが、抜いたことで癖になっているのではありません。単純に、膝関節内での炎症が治まっていないから腫れが引かないだけなのです。 ですから、癖になるからと言って膝関節の水を抜くことをためらっている方もいらっしゃいますが、我慢する必要は全くないのです。むしろ、膝の水を放置しておくことで、悪影響が出ることもあります。 水を抜くと癖になる ✕(嘘) 炎症が収まっていないから溜る 〇(抜いたほうが良い) 抜くのを我慢する ✕(意味がないので抜いたほうが良い) 膝の水を放置する ✕(悪影響も) 膝の水を放置すると、どうなるか? 膝の水を放置すると膝関節にズレが出やすく悪影響となる恐れがあります。通常であれば関節包内で関節軟骨がスムーズな動作や衝撃吸収のシステムを作り出していますが、関節内に水が充満しているとそれらの機構が上手く機能しなくなるからです。 その結果、膝をかばった動作を行うことで膝周辺の筋肉に余計に負担をかけ、その周辺に異常な緊張が生まれ、膝関節の安定性をさらに低下させてしまいます。 膝の動作でズレが出るので、膝の水が引いたあとも再び関節炎を起こしやすくなり、膝に水が溜まる現象を繰り返すことになります。また、可動域制限がかかった膝をかばうことで、股関節や足関節の負担が増加し、新たな障害の可能性が増すだけです。 膝の水を放置することは、膝だけの問題であったものが二次的に他の関節にも痛みを生じさせることになってしまうのです。 膝にたまった水の放置 ▼膝関節のスムーズな動作を阻害 ▼膝をかばった動作となり、その他の関節に負担が出る ▼新たな障害の可能性が増える 膝にたまった水を放置してはいけません 膝の水は、完治するまで無くならない ここまでご紹介してきたように、「膝に溜った水は抜いても癖になりません。」むしろ「放置しておくことは逆効果」で、炎症が治まっていない限りは膝の水は発生し続けます。 膝に水が溜ることを完治させるためには、水が無くなるまで注射で抜き続けるのではなく、膝で炎症を起こしている根本的な原因を改善しなければなりません。その原因が解決されない限りは、膝の水が溜まる現象は完治することは無いのです。 水が溜る ▼水がなくなるまで抜く ✕ 水が溜る根本原因を改善する 〇 ▲水が溜らなくなる 水を抜く必要がなくなる 膝に水が溜まる病気の種類について 膝に水が溜まるという現象が起こり得る病態とは、どのようなものがあるでしょうか。 変形性膝関節症 変形性膝関節症とは、打撲や捻挫をしたわけでもないのに、慢性的な症状で膝に水を溜める大きな原因が「変形性膝関節症」です。特に50代以降で、「外傷の可能性が無いのに膝に水が溜まってきている」場合、高い確率で「変形性膝関節症」だと思ってください。 変形性膝関節症は関節の軟骨が摩耗により、大腿骨と脛骨の関節面が直接擦れ合うようになり、関節内で炎症を起こす病態です。膝関節に負担を蓄積することで、少しずつ関節が変形していきます。 一度変形が起きた骨は元に戻ることはなく、炎症を抑えるためには体の使い方を見直す必要があります。股関節の動かし方や膝関節の動かし方、さらには背骨のゆがみや骨盤のゆがみなど、全身のバランスから改善することが必要なる場合もあります。 変形性膝関節症による炎症が落ち着けば、膝の水も無くなっていくので、必ずしも水を抜く処置を受ける必要はありません。 関節リウマチ 関節リウマチとは、全身のどの関節でも起こる可能性がある炎症です。この炎症は、免疫機能が異常を起こし、健康な骨や筋肉を構成している細胞を攻撃してしまう病態で、関節内での炎症と変形が主な症状となります。 痛みもあるので関節の可動域も狭くなり、変形が起きればさらに関節が動かしにくくなります。そこから慢性的な膝関節炎を起こし、膝全体が腫れあがったような水のたまり方をすることもあります。 薬物療法や運動療法などで炎症が軽減されれば、膝の水は自然と吸収されていきます。 靭帯損傷 靭帯損傷は、膝を支える靭帯に大きな外的衝撃を受けた場合に起こる損傷です。中でも膝に腫れを起こしやすいのが、前十字靭帯の損傷です。前十字靭帯は、他の膝関節の靭帯である後十字靭帯や内側と外側の側副靭帯に比べて、血流量が多いという特徴があります。 そのため、損傷すると関節内に出血を起こしやすく、血腫が溜まるので外から見ると膝に水が溜まったように見えるかもしれません。関節内に存在しているという構造上、保存療法だけではしっかり靭帯が治癒しないことも多くあります。 この場合、膝の腫れに対して対処するというよりは、「前十字靭帯の再建術など外科的処置を受けることによって、膝の水も治まっていく」という過程をたどります。 しかし、前十字靭帯損傷後には後遺症として、膝関節の負担が大きくなったことで慢性的な膝関節炎に移行するということが考えられます。この場合、再び膝に水が溜まる可能性もああり、運動療法などで膝に負担をかけない動かし方を獲得していく必要があります。 半月板損傷 膝の半月板を損傷するのは、外傷など強力な一回の外力によって起こるものと、変形性膝関節症などゆっくりと時間をかけて少しずつ損傷していくものとがあります。 どちらにせよ、膝関節にかかる荷重の衝撃を吸収するクッション作用が弱まるので、膝関節内で炎症を起こすことになります。そこから膝に水が溜まるようになるため、膝の水を抜くことが根本的な改善策になるわけではありません。 結局、膝の負担が変わっていなければ、すぐに膝の水は再度溜まっていきます。また、外傷によって半月板損傷を起こしている場合、半月板だけの単独損傷である場合は少なく、周辺の靭帯や軟部組織損傷を伴っていることがほとんどです。 膝に水が溜まったとき、やってはいけないこと 膝に水がたまった場合、早く完治させるために気を付けなければならないポイントをご紹介します。 我慢しすぎない 前述したように、膝に溜まった水を抜くことで癖になることはありません。必ず外科的な処置によって抜かなければならないわけではありませんが、放置すると膝関節の安定性は低下してしまいます。 屈曲角度が著しく制限されている場合や、日常生活に大きく支障が出ている場合は、我慢せずに早めに整形外科などで相談してください。放置しすぎることによって、かばった体の使い方が定着してしまい、腰痛など二次的な不調を引き起こす可能性が高まります。 痛みを無理して動かす 膝に水が溜まっているということは、少なくとも何か膝に負担をかける要因があるわけです。炎症かもしれませんし、軟部組織損傷かもしれません。いずれにせよ、痛みがありながら無理して動かすことで、プラスに働くことは無いと思ってください。 むしろ、痛みを我慢しながら動かすことで、炎症を悪化させて関節の内圧をさらに高めてしまうこともあります。安静にすることもとても大切なケアなので、膝に水が溜まってきたら出来る限り安静にしてみてください。 それでも膝の水が完治しなければ、医療機関を早めに受診してください。 過剰に冷やす よく炎症が起きた時にはアイシングをすると良いという話を聞くことがあると思います。しかし、過剰に冷やすことは、かえって膝の炎症が完治するのを遅らせてしまうこともあります。 確かに冷やすことで感覚が鈍って、痛みを感じにくくなるかもしれません。しかし、常に冷やしていると血流も悪くなり、代謝が下がって膝の水が吸収されにくくなります。 結局のところ、組織を早期に治癒させるためには、豊富な血流が必要なので基本的には温めるべきです。例外としては、前十字靭帯損傷後に、血腫が大量に溜まっている場合くらいです。急性期の大きな外傷の場合は温めることはせず、安静にしてください。 膝に水が溜まった場合の対処について 膝に水が溜まった場合、完治させるためにはどのような対処法を行うべきでしょうか。 ストレッチをする 出来る限りでいいので、ストレッチなどで膝関節周辺にある筋肉の緊張を緩和させることが大切です。筋肉の緊張が緩和すれば、膝関節の動きもスムーズになって腫れも早く引きます。 膝の水は、抜かなくても自然と吸収されるので、その機能を最大限引き出すつもりでゆっくりストレッチをしてみてください。大腿部や下腿部のストレッチが有効です。 安静にして荷重を避ける 膝が炎症を起こしてしまうのは、荷重による異常がほとんどです。荷重の角度が悪かったり、荷重の頻度が高すぎたり、荷重が重すぎたりすることでダメージを蓄積していきます。 膝に水が溜まるくらいまで炎症が進んでいるようなら、安静にして荷重を避けるだけでも完治を早めることに繋がります。 サポーターなどの装具を使う 膝関節を保護するために、ただ巻くだけの簡易的なサポーターでも良いです。荷重を分散させてくれるような高価なサポーターももちろん良いですが、一時的な対処法であることは自覚しておいた方が良いでしょう。 サポーターを付けることで慢性的な症状に対して、冷えを防ぎ安定性を高めてくれます。実際に装着してみて、少しでも楽に過ごせるようなら使い続けてみてください。 その際には、四六時中サポーターを装着して生活するのではなく、寝るときは外すなどメリハリをつけることも大切です。特に慢性的な症状が原因で出ている膝の水であれば、根本的な体の使い方を見直さない限り完治には至りません。 整形外科で水を抜いてもらう 膝関節の水を抜けるのは、整形外科です。関節に針を刺して抜く方法で、対処してもらえます。膝に水が溜まっているから即座に抜くというわけではなく、生活への支障度合いなどを考慮して選択されます。 水を抜いて検査をしてみれば、実際に何が炎症の原因になっているか判断できるので、長期間続いている場合は早めに抜いてもらってみてください。 接骨院や整骨院にいく 接骨院や整骨院では、外科的処置ができないので、水を直接的に抜くことは出来ません。しかし、周りの筋肉の緊張を緩和させたり、運動療法を行うことによって膝のダメージを軽減させたりすることは出来ます。 その結果、自然と膝の水は吸収されていくので、可動域の制限度合いによっては真っ先に受診するのも良いでしょう。 膝の水は吸収されていく 膝に水が溜まるという現象は、あくまで関節内で炎症が起きていることのサインです。炎症が治まれば、周辺の組織に吸収されて無くなっていきます。膝の水を完治させるためには、なぜ炎症を起こしているのか原因を突き止め、根本を改善することが大切です。 お近くに再生医療やスポーツ医療についての専門医がいない方へ リペアセルクリニックは、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に提出し受理された厚生労働大臣許可医療機関です。当院では来院前でも「メール相談」を受付けています。どうぞ事前にご相談ください。 メール相談・お問い合わせフォームはコチラ 監修:リペアセルクリニック大阪院 膝の痛みに関連する記事はこちら 膝の痛みと腫れが突然出た!考えられる原因は? 正座すると膝が痛いのは危険サインか?変形性膝関節症の可能性も 膝を曲げると痛いのは病気のサイン?音が鳴る原因は 膝をつくと痛い!痛みの原因や症状考えれる病態は? 膝の上が痛い原因は使い過ぎ?痛みに繋がるリスクとは 膝の皿が痛いのはなぜ?考えられる原因や病名は 膝の内側の痛みの原因は?症状や治し方について 再生医療による膝の治療に関連する記事はこちら 膝の症例 現役プロスポーツ選手 ひざの痛みにPRP治療 人工股関節、人工関節に関連する記事はこちら 人工股関節術後に脱臼する可能性と生活の注意点をチェック 膝の人工関節手術は失敗がある?知っておくべきリスクとは 当院の治療についての考え方や 再生医療についての内容もお読みください スポーツ外傷・障害の痛みに対する当院の治療 変形性股関節症に対する当院の治療 再生医療とは PRP(多血小板血漿)療法とは ご相談から治療までの流れ こちらもご参照ください
2019.04.23 -
- ひざ関節
- 変形性膝関節症
「正座ができないほど膝が痛い原因は?」 正座ができないほど膝に痛みを感じると、日常生活にも大きな影響が出て悩んでいる方も多いのではないでしょうか。 本記事では、正座ができないときに考えられる疾患や、対処法について解説します。 日常生活の中で正座をする機会が多い方や、急に正座ができなくなるほど膝に痛みがある方は、ぜひ参考にしてください。 また、当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、突然の膝の痛みを改善できる可能性がある再生医療に関する情報を配信中です。 「正座できないほどの痛みを何とかしたい」「膝の痛みを早く治したい」という方は、ぜひご覧ください。 正座ができないほどの痛みの原因 正座をしたときに痛みを感じる場合、主に以下の原因が考えられます。 変形性膝関節症 変形性股関節症 靭帯損傷 加齢による関節機能や筋力の低下 肥満によって膝への負担が大きい 正座をしたときに限らず、正座をするとき以外にも膝や脚に痛みを感じる場合は、変形性膝関節症などの疾患の可能性があります。 以下では、それぞれの原因について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。 変形性膝関節症 変形性膝関節症は、膝の関節軟骨がすり減ってしまうことで、痛みと変形を引き起こす疾患です。 関節軟骨が摩耗してしまうと、体重がかかったときにクッション作用が機能しにくくなり、骨同士がぶつかることで強い痛みを感じます。 変形性膝関節症になりやすい人は、以下の通りです。 とくに中高年に多く見られ、症状が進むと膝を動かせる範囲が制限されていき、末期になると膝の変形が見られます。 膝をぶつけたり捻ったりしたわけでもないのに、正座をすると痛い、または正座ができない場合は変形性膝関節症が疑われます。 変形性股関節症 変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減ってしまうことで、正座や歩行をするときに痛みを感じるようになる疾患です。 股関節の疾患ですが、股関節の痛みや変形によって、膝関節に負担がかかりやすくなり膝の痛みの原因となるケースがあります。 発症する原因によって、変形性股関節症は2種類に区分されています。 変形性股関節症の種類 原因 一次性変形股関節症 ・加齢 ・体重増加 ・肉体労働 ・過度な運動 二次性変形股関節症 ・寛骨臼形成不全 ・発育性股関節形成不全 上記の通り、一次性股関節症はなんらかの病気によって変形性股関節症になるわけではなく、加齢や体重の増加など、股関節に過度な負荷がかかり軟骨がすり減ることで炎症が起こります。 一方で、二次性股関節症は股関節の構造自体に異常が見られる場合や、股関節周辺に生じたケガなどが原因です。 靭帯損傷 正座ができないほど膝に痛みを感じる場合は、靭帯を損傷している可能性があります。 膝周辺には、以下の4つの靭帯が存在しています。 前十字靭帯 後十字靭帯 内側側副靭帯 外側側副靭帯 上記の4つの靭帯のうち、前十字靭帯と後十字靭帯は関節内にあり、内側側副靭帯は関節の内側、外側側副靭帯は外側にあります。 いずれかの靭帯を損傷している状態の場合、正座をすると膝の屈曲角度が鋭角になり、損傷している靭帯に牽引力がかかり痛みを感じます。 靭帯損傷によって膝が腫れている場合には、正座で膝を曲げると関節内の圧力が高まり痛みを感じる場合もあります。 加齢による関節機能や筋力の低下 加齢による関節機能や筋力の低下も正座ができなくなる原因の一つです。 若いときには問題なく正座ができていても、年齢を重ねるにつれて関節機能や足の筋肉量が低下し、正座をつらく感じるようになります。 また、関節機能や筋肉量が低下すると、身体を動かす運動や外出をするのも億劫に感じるようになり、運動不足がさらに症状を悪化させる可能性が高いです。 運動不足が続くと、さらに関節機能や筋肉量の低下が起こるため、結果的に正座がつらい症状がひどくなることが考えられます。 肥満によって膝への負担が大きい 正座ができなくなるほどの痛みを感じる原因には、肥満による膝への負担が挙げられます。 普段の生活の中で、身体の重みを膝が支えているため、肥満で体重が重いと膝にかかる負担が大きいです。 また、正座をしているときには、足に身体の重さがのしかかります。圧迫によって筋肉や神経に負担がかかるため、痛みやしびれが出て、正座を続けるのが難しくなるでしょう。 肥満は、正座が難しくなる直接の原因であるだけでなく、変形性膝関節症や変形性股関節症の原因にもなるため、注意が必要です。 正座ができないほど膝に痛みがあるときの対処法 膝が痛くて正座ができないときの対処法を紹介します。 膝への負担を避けて生活する 定期的に姿勢を変える 症状の悪化を防ぐためにも、早めの対処が大切です。 膝への負担を避けて生活する 正座ができないほど膝に痛みがあるときは、膝に負担をかけないように生活しましょう。 無理に正座をすると、骨や筋肉に大きな負荷がかかり、身体に歪みが生じることが可能性があります。 正座をしなければいけない状況の場合は、理由を説明して理解してもらい正座以外の座り方をしましょう。 定期的に姿勢を変える 長時間同じ姿勢を続けることや、動き出しの動作で痛みを感じるのは筋緊張が原因の可能性があるので、定期的に姿勢を変えましょう。 例えば、長時間椅子に座っていた後に正座をして痛みが出るなら、椅子に座っている段階から15分に1回は立つといった対策が必要です。 どのような体勢であっても、長時間同じ姿勢を続けるのは筋緊張を招くため、こまめに姿勢を変えるようにしてください。 また、長時間同じ姿勢でいると血流が悪化する可能性もあり、筋肉の炎症が起こる原因となります。 正座ができない膝の痛みを和らげる方法 正座ができないほど膝に痛みがあるときに、痛みを和らげる方法を紹介します。 膝を温めて血行を促進する 太ももやふくらはぎをストレッチする 運動習慣を身につける 膝を温めて血行を促進する 膝を温めて血行を促進すると、痛みを和らげる効果が期待できます。 逆に膝を冷やすと血流の低下によって筋肉が動きにくくなったり、痛みを感じやすくなるため、膝を冷やさないように注意しましょう。 太ももやふくらはぎをストレッチする 膝の痛みを和らげるには、膝に負担がかからない運動が大切で、太ももやふくらはぎのストレッチがおすすめです。 ストレッチは膝の痛みを和らげる効果が期待されますが、長時間続けるなど、無理をすると逆効果になりかねません。 無理のない範囲で毎日継続的に行いましょう。 運動習慣を身につける 運動習慣を身につけると、筋力や柔軟性の向上や体重管理に効果的です。 加齢によって筋肉の柔軟性が低下しやすくなりますが、定期的に運動をする習慣が身についていると、筋力や柔軟性を維持できます。 ウォーキングなどの膝への負担が少なく、自分のペースでできる運動から始めてみましょう。 場所も道具も必要なく、費用もかからないため今からでも始められます。 正座ができないほど膝に痛みがあるなら再生医療の選択肢も 正座ができないほどの膝の痛みにお困りの方には、「再生医療」による治療も選択肢の一つです。 再生医療とは、人間の持つ再生力を活用し、損傷した組織の再生・修復を図る医療技術のことです。 変形性膝関節症、変形性股関節症によって摩耗した関節軟骨の改善にも期待できる治療法として注目されています。 再生医療では、患者さまから採取した幹細胞を体外で培養し、規定量まで増殖した後に再び患者さまの身体に戻します。 患者さま自身の細胞を身体に戻すため、拒絶反応やアレルギー反応が起こりにくい治療方法です。 入院や手術が不要で、日常生活を送りながら治療できるため、幅広い方に適応な治療です。 正座ができないときは膝への負担を避けて生活しよう 正座ができない原因には、変形性膝関節症や靭帯損傷などが考えられます。 膝を温める、ストレッチをするなどの対処法で改善する場合もありますが、痛みが続く場合は早めに医療機関での受診が大切です。 また、正座をするときに痛みを早く治したい方は、再生医療による治療も選択肢の一つです。 当院リペアセルクリニックは、再生医療専門のクリニックで入院や手術不要で膝の痛みや正座ができない症状の緩和を目指します。 公式LINEでは、再生医療に関する情報を配信しているので「膝の痛みを早く治したい」という方は、ぜひご覧ください。
2019.04.22 -
- ひざ関節
「しゃがむときに膝からポキポキ音がする」 「ポキポキ音は異常のサイン?」 膝の痛みはないものの、頻繁に音がなる現象に不安を抱いている方も多いことでしょう。 結論、膝からポキポキ音がするときは、関節や筋肉の問題が潜んでいる可能性があります。 この記事では、膝の音が鳴るメカニズム、関連する疾患、そして症状への対処法を詳しく解説します。 痛みを伴う場合はとくに注意が必要になるので、本記事を参考にして早めに医療機関を受診しましょう。 しゃがむと膝がポキポキとなる鳴る理由 膝を曲げたときにポキポキ音が鳴る理由は、以下の通りです。 膝関節内の気泡が破裂している 変形性膝関節症で関節間の骨同士が接触している 半月板が損傷している 靭帯が損傷している 膝を動かすと関節液の中で気泡が移動して破裂音が鳴る場合がありますが、基本的に問題ありません。 しかし、痛みを感じる場合は半月板や靭帯の損傷が考えられます。 長期間の放置は症状を悪化させる可能性があるため注意が必要です。 痛くないけど膝が鳴るのは異常? 痛みを伴わずしゃがむと膝が鳴る場合は関節液の中で気泡が破裂しており、問題ないとされています。 しかし、痛みがなくても変形性膝関節症の兆候として音が鳴っているかもしれません。 とくにミシミシとした音や、ジャリッとした音が鳴った場合は、半月板や軟骨に異常をきたしている可能性があります。 痛みの有無にかかわらず、膝に違和感を覚えたら医療機関を受診するよう心がけましょう。 しゃがむと膝が鳴る主な原因・疾患 しゃがむと膝が鳴る主な原因・疾患として、以下が考えられます。 膝の筋力が弱っている 変形性膝関節症 タナ障害 半月板損傷 腸脛靭帯炎 しゃがむと膝が鳴る主な原因・疾患についてそれぞれ詳しくみていきましょう。 膝の筋力が弱っている 外傷や病気がなくても、膝周辺の筋力低下が膝の痛みや音が鳴る原因になります。 膝を動かす筋肉には、大腿四頭筋やハムストリングス、縫工筋や半腱様筋などがあり、筋肉が弱ると、膝関節の動きにズレが生じやすくなります。 筋力低下を防ぐためには、軽いウォーキングや自転車など、負担の少ない運動を継続的に行うことが大切です。 変形性膝関節症 変形性膝関節症は、長期間にわたり少しずつ膝関節が変形する疾患です。 大きな衝撃で急に膝が動かなくなるわけではありませんが、以前は気にならなかった膝の曲げ伸ばし時の痛みや音が徐々に強まります。 初期段階:体重がかかった状態で膝を曲げる動作を行うと痛みを感じる 進行後:非荷重の状態でも痛みを感じる そのまま放置してしまうと、痛みが慢性化し、歩行や階段の昇り降りに支障が出ることもあります。 年齢のせいと思わず、違和感を感じた時点で早めに整形外科を受診し、進行を防ぐ適切な治療やリハビリを始めることが大切です。 タナ障害 タナ障害は、膝関節内の滑膜(タナ)が厚くなり、膝を曲げ伸ばしする際に膝蓋骨との摩擦が生じる障害です。 以下のような原因で発症することが多いとされています。 スポーツによる膝の酷使(ジャンプ、ダッシュ、急停止など) 外傷(打撲や転倒による膝の衝撃) オーバーユース(使いすぎ):反復動作や長時間の練習など 中学生や高校生は、部活動やクラブ活動で膝を酷使しやすく、かつ成長期で関節が未発達なため、タナ障害のリスクが高いといえます。 治療は、休息や消炎鎮痛薬の使用、ストレッチや筋力トレーニングなどの保存療法が基本です。 軽度の場合はこれらの方法で改善することが多いですが、効果が見られない場合は関節鏡手術で肥厚した滑膜ヒダを切除することもあります。 気になる症状がある方は、無理をせず整形外科など専門医への相談をおすすめします。 半月板損傷 半月板損傷は、膝を深く曲げたりひねったりした際に、膝関節内で半月板が損傷して発生します。 半月板は衝撃吸収の役割を担っている組織です。 半月板の損傷によって膝の不安定感や痛みが生じ、しゃがんだときにポキポキという音が鳴る場合があります。 半月板は衝撃吸収の役割を担っていますが、加齢やスポーツによる負荷が原因で劣化するケースもあります。 痛みが続く場合は、早期に医師の診断と適切なリハビリが必要です。 腸脛靭帯炎 腸脛靭帯炎はランナーズニーとも呼ばれる疾患です。 大殿筋から始まる腸脛靭帯が大腿骨外側を通り下腿まで伸びる中で、外側顆と摩擦が生じて発症します。 腸脛靭帯炎になると、屈曲や伸展運動の際に腸脛靭帯と外側顆が擦れるので、当然膝を曲げると痛みが出ます。 腸脛靭帯炎になってしまう原因は、オーバーユース(使いすぎ)です。 大殿筋や大腿部の筋肉に負担がかかるような長距離ランナーに多くみられます。 疼痛部を守ろうとするあまり、周りの筋肉は自然と硬くなります。その結果、膝関節が硬くなり、痛みに加えて音が鳴るのです。 しゃがむと膝が鳴るときの対処法 しゃがむと膝が鳴るときの対処法は以下の通りです。 大腿四頭筋のストレッチをする 内転筋のトレーニングをする 足首をよく回す 整形外科で精査してもらう 接骨院で治療する すぐに実施できる方法を以下で詳しく紹介するので、できることから取り組んでみましょう。 大腿四頭筋のストレッチをする 膝を動かす筋肉の緊張は不調の原因になります。とくに大腿四頭筋の緊張が強まると、膝の障害リスクが高まります。 対策として、大腿四頭筋のストレッチを日常的に行いましょう。 ストレッチでは、膝関節をしっかりと曲げるのがポイントです。 また、股関節が曲がってしまうと効果が半減するので、股関節を伸ばしながら膝を曲げるように心がけましょう。 内転筋のトレーニングをする 日常生活の中で最も筋力が落ちやすい部位が内転筋です。 膝の内側にある内転筋と、大殿筋などの股関節外転筋のバランスが崩れると、膝の安定性が低下します。 筋力低下により、O脚や変形性膝関節症の進行リスクが高まるので内転筋を意識したトレーニングを取り入れましょう。 内転筋を鍛えると、膝関節の運動がスムーズになり、安定性が増して痛みが軽減していきます。 チューブを使うトレーニング ゴムチューブを足に巻き付けて、股関節の内転方向に力を入れる 椅子を使うトレーニング 座った状態で足を浮かせ、膝を前にまっすぐ伸ばす ※膝の内側にボールやクッションを挟むとより効果的 足首をよく回す お風呂上がりなどに足首を手で回すと、膝を曲げたときの痛みや音が軽減できます。 足首を定期的に回すことで足関節の曲げ伸ばしがスムーズになると同時に、歩行時の推進力が向上するため、間接的に膝への負担が軽減されるのです。 変形性膝関節症の進行や腸脛靭帯炎のリスクも抑えられるため、積極的に実施しておきたい対処法のひとつです。 整形外科で精査してもらう 原因不明の膝の痛みや音が非荷重時・歩行時に発生する場合は、整形外科を受診しましょう。 整形外科ではレントゲンやMRIを用いた診断が可能です。 転倒や打撲の事実がないのに膝関節の腫れや屈曲時の音や痛みが続く場合は、変形性膝関節症が進行しているかもしれません。 原因を特定し、適切な治療を行うためにも、早めに専門医にみてもらいましょう。 接骨院で治療する 筋緊張の緩和や筋力強化を目的とした保存治療を受ける際は接骨院の通院が適しています。 薬物療法や画像診断はおこなえませんが、膝の痛みに対して専門的な治療が受けられるだけでなく、症状を和らげるとともに、再発予防に関する指導もしてくれます。 整形外科で痛みや音の原因を精査した後に、接骨院で治療を受けることも視野に入れてみましょう。 痛みを伴う膝の異常は専門医に相談しよう 膝を曲げたときの痛みは、原因に関係なく膝になんらかの異常が起きているサインです。 痛みを放置すると手術が必要な症状に発展する可能性もあるため、早めに専門医へ相談しましょう。 音が鳴るだけであれば直ちに問題になるケースは多くありませんが、疾患の兆候の可能性も考えられます。 日頃からストレッチや軽めのトレーニングを実施し、あらかじめ対処しておきましょう。 また、膝に関するお悩みは当院でも受け付けておりますので、お問い合わせください。 膝に関する症例については、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEでも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/
2019.04.21 -
- ひざ関節
膝は常に体重を支えている関節のため、不調を起こしやすい部位です。 打撲や捻挫などによる膝の負傷もありますが、明確な原因がわからないまま痛みを発症するケースもあります。 膝をつくと激痛が走る症状にお悩みの方も多いのではないでしょうか。 本記事では、膝をつくと激痛が走る特徴がある疾患や、膝をつくと痛みがある場合の対処法を紹介します。 最後までご覧いただき、原因の追求・適切な処置を目指しましょう。 膝をつくと激痛が走る8つの疾患 膝をついたときに激痛が走る場合、以下の疾患である可能性があります。 1.変形性膝関節症 変形性膝関節症は、膝の関節軟骨がすり減って変形、炎症、水がたまるなどの症状を引き起こす疾患です。 初期は立ち上がるときや動作の始めに膝の痛みを感じるだけですが、中期から末期になると変形が目立って膝が伸びず歩行が困難になります。 原因は遺伝や筋肉の減少、遺伝です。また、骨折や靭帯損傷の後遺症として変形性膝関節症を発症するケースもあります。 2.タナ障害 「タナ」は大腿骨と膝蓋骨の間(膝関節の内側)にある滑膜ヒダのことです。 タナ障害はこの滑膜ヒダが外的刺激により炎症を起こした状態を指します。主な原因は運動による激しい屈伸運動です。 アイスパックによる物理療法や太もも前面・後面のストレッチをする理学療法などの治療をします。 3.半月板損傷 大腿骨と脛骨の間にある三日月形の組織で、膝関節のクッションの働きがあります。膝を急激に捻ってしまうと半月板が損傷する可能性があります。 半月板を損傷すると、運動時や曲げ伸ばしのときに引っかかる感覚があります。ひどくなると水がたまる・膝関節が動かなくなる症状が出ます。 半月板損傷はスポーツ外傷の中で比較的多く見られる疾患です。 4.靭帯損傷 靭帯は骨と骨をつないでおり、膝の安定性を担う重要な組織です。 スポーツでの激しい動きや転倒・事故などによって靭帯が部分的または完全に切れてしまうことを靭帯損傷と言います。 不安定な関節は膝の骨や関節に大きな負担をかけるので、靭帯を損傷した場合は、適切な治療を受けることが重要です。 5.分裂膝蓋骨 分裂膝蓋骨は、膝のお皿(膝蓋骨)が1つの骨として融合せず複数に分かれている状態を指します。 分裂膝蓋骨は生まれつきでスポーツなどをきっかけに分裂した箇所に負担がかかり、痛みが出現することで気づく場合があります。 傷みが生じた場合、有痛分裂膝蓋骨と呼ばれ治療の対象になります。 6.鵞足炎 鵞足炎は、膝の内側下方にある「鵞足」と呼ばれる部位に腫れや痛みが生じる疾患です。 主な原因は、膝の屈伸を繰り返すことによって鵞足に負担がかかっていることが考えられるため、膝に負担がかかりやすいスポーツや、打撲などの外傷で発症する可能性があります。 運動前にはウォーミングアップやストレッチをして鵞足炎を予防しましょう。 7.腸脛靭帯炎 腸脛靭帯炎は膝のオーバーユースによって発症します。 腸脛靭帯炎を発症した場合、運動量を減らす、休養の時間を増やすなど工夫しましょう。 初期は運動時に痛みが出て休養すると消失しますが、進行すると運動をしていなくても痛みが取れなくなります。 8.ジャンパー膝(膝蓋腱炎・大腿四頭筋腱付着部炎) ジャンプや着地動作、ダッシュなどの動作を繰り返すスポーツでよくみられる疾患です。 大きな要因は大腿四頭筋の柔軟性低下です。とくに骨の成長に筋肉の成長が追い付かない成長期のスポーツ選手が発症します。 痛みだけでなく、腫れる、熱を持つ症状もあります。 膝をつくと激痛が走るときの対処法 膝をついたときに激痛が走る場合、以下の対処法が効果的です。 安静にして痛みのある動きを避ける 膝をついたときに痛みが走る場合、外傷によるものか関節炎なのかの判断が難しい場合があります。 まずは膝に負担をかける動作や痛みがある動作を避けて安静にしましょう。 安静にすると痛みの改善が期待できます。 サポーターを着用して膝の負担を減らす 膝をついて痛みがある場合は、サポーターを着用して膝の負担を減らしましょう。 膝関節は体重を支える重要な役割を持つ一方で、日常生活や運動時に大きな負担がかかりやすい部位でもあります。 サポーターを着用すると膝の負担が減り、痛みが軽減される場合があります。 ただし、サポーターを長期間付けて運動量が落ちると筋肉が衰えてしまう場合があります。サポーターに頼り切りにならず、適度に運動してください。 サポーターはドラッグストアなどで売っているため、気軽に入手できることが利点です。 選ぶときは、自分の膝の大きさに合ったサポーターを選びましょう。 ストレッチをして筋肉の緊張を緩める 臀部や大腿部外側の筋緊張が続くと痛みや関節の負担が増える原因となり、変形性膝関節症などの発症リスクを高める可能性があります。 筋緊張は痛みの回復を遅れさせる要因になるので、ストレッチをして筋肉の緊張を緩めることを意識しましょう。 痛みが生じない程度に無理のない範囲でストレッチしてください。 整形外科を受診する 激痛が突然現れた場合は、変形性膝関節症やタナ障害の可能性があります。 放置すると症状が悪化し、日常生活にも影響を与える恐れがあります。 膝関節の状態や疾患の有無を確認するためにも、早期に整形外科を受診しましょう。 接骨院を受診する 外傷がないのに痛みが出ている場合、日常生活の動作が起因している可能性があります。 整形外科を受診し、外科的処置が不要と判断された場合は、接骨院での運動療法なども効果的です。 接骨院でアドバイスを受け、症状を改善しましょう。 膝の激痛に対する治療法 膝の激痛は、軟骨の摩耗や関節炎、怪我など、さまざまな原因によって引き起こされることがあります。 このような痛みに対処するためには、痛みの原因に応じた適切な治療法を選択することが重要です。 それぞれの治療法について詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。 再生医療 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、半月板や靭帯などの損傷した組織を保護・修復させる治療方法です。 幹細胞を用いた「幹細胞治療」と血液を用いた「PRP治療」について紹介します。 患者さま自身の細胞を使うため、アレルギーや拒絶反応などの副作用のリスクが少なく、安全に行えるため、新たな治療法として注目されています。 幹細胞治療 幹細胞治療は、患者さまの幹細胞を培養して幹部に投与する治療法です。 幹細胞は身体の修復において大きな役割を担っており、重大な疾患の予防や治療・美容などの分野でも研究が進んでいます。 膝関節に入った幹細胞が軟骨に変化し、膝関節を再生する役割があります。 PRP治療 PRP治療は、患者さま自身の血液から血小板を濃縮して抽出したPRP(血漿成分)を患部に注入する治療法です。 ただし、PRP治療はあくまで膝の炎症を抑える効果です。 幹細胞治療とは違い、膝関節を再生する働きはありません。 採血と注射で完了するため、年齢の制限がないことや当日すぐに実施できる利点があります。 注意点として、注射後2~3日は激しい運動を控えること、注射後1週間程度は痛みや腫れが続く場合があります。 リハビリテーション リハビリテーションでは、主に以下のプログラムを行います。 運動療法 関節の筋力や可動域、柔軟性を広げる 物理療法 光や熱、電気刺激によって炎症や痛みを抑える 例:赤外線、ホットパック、レーザーなど 痛みを抑制し、変形などの進行を予防するのがリハビリの目的です。リハビリテーション療法では疾患の根本的治療はできません。 薬物療法 薬物療法では、以下の方法を用いて治療します。 内服薬 比較的短時間で効果が出やすい 痛みが軽くなってきたら外用薬や湿布に切り替える 外用薬 クリームや軟膏、ゲル、湿布 炎症を起こしている局所で効果がある 注射薬 ヒアルロン酸を膝関節に注射する 1週間ごとに5回ほど続けると効果がある とくに痛みが激しい人や胃腸が弱い人には、座薬が選択されるケースもあります。粘膜から吸収させるので、即効性があります。 手術療法 手術療法では、症状ごとに以下のような手術が行われます。 関節鏡視下手術 膝の皮膚の一部を切開して関節鏡を挿入し、治療する方法 皮膚を2か所、6mmほど切開するだけなので身体への負担が少ない 装具を付ければ手術翌日から歩ける 骨切り手術 骨を切り、関節の向きやバランスを矯正する方法 自分の骨と関節が残るため、治った後はスポーツなどもできるようになる 人工膝関節置換術 変形・損傷した膝関節の表面を削り、金属やセラミックなどの人工関節に置き換える 人工関節の耐用が15~20年なので、再手術が必要になるケースもある 骨切り手術は体への負担が大きく回復にも時間がかかるため、高齢者には向いていない手術です。 人工膝関節置換術は膝の疾患が重度になった場合のみ行われます。 膝をつくと電気が走るような鋭い痛みがある場合は早期に受診 膝をつくと電気が走るような痛みがある場合、滑液包炎や膝蓋骨の損傷など、早急な診断と治療が必要な疾患が疑われます。 これらの症状を放置すると、痛みが悪化したり、膝の機能が低下して日常生活に影響を与える可能性があります。 無理はせずに、すぐに医療機関を受診しましょう。 膝をつくと激痛が走る方必見の知識 膝をつくと激痛が走る方に向けて、知っておいてほしい情報をご紹介します。 膝の動きや関節について詳しく解説していきます。 膝は不調が起きやすい部位 膝は過重がかかる部位のため、外傷がなくても痛みを感じる場合があります。 急性でない膝の不調の場合、姿勢の悪さや体の使い方、日常生活の動作などの蓄積ダメージが原因です。 姿勢の悪さなどが原因の場合、徐々に痛みが増し、年齢とともに激痛につながるリスクが高まります。 膝関節を構成している骨について 膝関節は主に3つの骨で構成されています。 大腿骨 膝関節面が内側と外側に分かれている 靭帯などで安定性を保ち、内反や外反などの異常な動きを防ぐ 脛骨 「スネ」の骨で体の中枢に近い側が膝関節面になっている。 脛骨の上部に大腿骨の内側顆と外側顆がはまり込む構造 膝蓋骨 膝の曲げ伸ばしのときに滑るように移動する この3つの骨の異常や、周辺の筋線維の異常が原因で膝の傷みを引き起こしているケースもあります。 膝関節は特徴的な動きをする 膝を曲げる際の主動作筋 ハムストリングス(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋) 膝を伸ばす際の主動作筋 大腿四頭筋(大腿直筋・外側広筋・内側広筋・中間広筋) 特徴的なのが膝関節を曲げる際の下腿の内旋で、膝窩筋など小さな筋肉が微妙な動きを調整します。 膝関節を曲げていく途中で脛骨が大腿骨に対して体の内側に向かって旋回し、伸ばすと外側に旋回します。この特徴的な動きをスクリューホームムーブメントと呼びます。 スクリューホームムーブメントが上手くできないと、他の軟骨組織に負担がかかり痛みが生じる場合があります。 【まとめ】膝をつくと激痛が走る際は当院にご相談ください 膝をつくと激痛が走る場合、何らかの疾患を発症している可能性があります。 激しいスポーツをしている、転倒したなどの心当たりがなくても変形性膝関節症を発症している可能性があるため、まずは安静にして様子を見ることが大切です。 安静にしても痛みが治まらない場合や、膝をつくと電気が走るような強い痛みがある場合は、無理はせずに医療機関を受診しましょう。 また、変形性膝関節症や半月板損傷などの膝の痛みに対しては、再生医療という選択肢があります。再生医療はこれらの疾患に高い治療効果が期待できる治療法です。 手術を必要とせず、自身の細胞を利用した再生医療に興味がある方は、お気軽に当院へお問い合わせください。
2019.04.20 -
- ひざ関節
膝の上が痛い原因は、股関節・足関節が硬いことやジャンプなど繰り返しの動作で発症する炎症など、様々な理由があります。 日常生活や運動時に痛みを感じても適切な治療を受けずに放置してしまうと、痛み症状の悪化や治療期間が長期化するため注意が必要です。 この記事では、膝の上が痛い原因や考えられる疾患や、自宅でできる対処法について解説します。 近年、膝上の痛みの原因にもなる疾患を手術せずに治療できる方法として、再生医療が注目されています。 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、変形性膝関節症をはじめとする膝の痛みに対する再生医療の情報を配信中です。 入院や手術不要で通院のみで治療でき、日常生活を送りながら痛み症状の改善が期待できるため、この機会に再生医療について知っておきましょう。 膝の上が痛い原因 膝の上が痛い原因は以下の通りです。 ジャンプなど繰り返しの動作による炎症 股関節・足関節が硬い 関節の変性 疲労やストレスの蓄積 加齢による筋肉の低下 ジャンプなど繰り返しの動作により、大腿四頭筋腱炎・膝蓋腱炎など膝周辺が炎症を起こす可能性があります。 また、股関節・足関節が硬い人や、関節の変性、加齢による筋肉の低下などにより、膝の上が痛むこともあるため、注意が必要です。 疲労やストレスの蓄積も「滑液包水腫」や「滑液包炎」につながる可能性があるため、膝に痛みがある時は十分な休養をとる必要があります。 膝の上が痛いときに考えられる7つの疾患 膝の上が痛いときに考えられる疾患は主に以下の7つあります。 大腿四頭筋腱炎 膝蓋腱炎(ジャンパー膝) 滑液包炎 変形性膝関節症 腸脛靭帯炎(ランナーズニー) 裂膝蓋骨 関節リウマチ 膝の上の痛みはバスケットやマラソン選手などスポーツ選手以外でも、加齢や先天的な疾患などもあります。 それぞれどういった疾患なのかを詳しく解説していきます。 大腿四頭筋腱炎 膝の上が痛いときは、大腿四頭筋腱炎の可能性が考えられます。 バレーボールやバスケットボールなどの頻繁にジャンプする競技や、サッカーなどの瞬発的な動作が多い競技でよく見られます。 成長期には大腿四頭筋の柔軟性不足によって、脛骨粗面部で痛みがでるオスグッド病が有名ですが、成長期を過ぎればオスグッド病よりも大腿四頭筋腱炎になる方が多いです。 大腿四頭筋腱炎はストレッチで少しずつ改善ができるので、症状の悪化リスクを下げるためにも日々取り組んでおきましょう。 膝蓋腱炎(ジャンパー膝) ジャンパー膝として有名な膝蓋腱炎は膝のお皿の下部にある膝蓋腱に炎症が起こる疾患です。 膝蓋腱炎は、ジャンプや着地など急激な動作を繰り返すことで膝蓋腱に負荷がかかることで痛みが生じる場合があります。 また、大腿四頭筋の柔軟性の低下も要因の一つです。 とくに成長期の10代では骨の成長に筋肉が追いつかないことで、膝蓋骨周辺に負担が蓄積することで痛みを感じるケースが多いです。 運動前のウォーミングアップやストレッチを行い、適切なフォームで運動することで、膝への負担を軽減させましょう。 滑液包炎 滑液包炎は、関節の動きを滑らかにする役割がある滑液包に炎症が起こる疾患です。 滑液包炎は膝だけでなく、肩や肘、足首にも発症することがある疾患で、過度な使用や外傷、感染などが主な原因です。 滑液包は皮膚、筋肉、腱、靭帯と骨との摩擦などの衝撃を吸収する役割があり、これにより組織の損傷を減らします。 痛みが強い場合や発熱等がある場合は早期に医療機関を受診しましょう。 変形性膝関節症 変形性膝関節症は、膝の関節軟骨が摩耗し、骨同士がぶつかり合うことで膝の変形や痛みが生じる疾患です。 年齢と共に変形性膝関節症の発生リスクは高まりますが、とくに50代以降の女性に多く見られます。 初期段階では、立ち上がりや動きはじめに痛みを感じますが、少し休憩するとすぐに痛みは引いていきます。 症状の進行とともに膝関節がすり減ることで歩行困難なほど痛みを感じるケースもあるため、痛みや違和感がある場合は早期に医療機関を受診しましょう。 以下の記事では、変形性膝関節症のステージ分類について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。 腸脛靭帯炎(ランナーズニー) 腸脛靭帯炎(ランナーズニー)は、膝を曲げる動作を何度も繰り返し行う運動・競技をしている方に多い症状です。 腸脛靭帯は大腿骨の外側を走行している長い靭帯で、大殿筋から始まっています。 腸脛靭帯が大腿骨の外側顆と何度も擦れると炎症を起こし、膝の上外側で痛みを感じることが特徴です。 一回の強い外力でランナーズニーになるわけではないので、痛みの原因となる動作を避けたり、競技を中止したりすれば痛みは軽減していきます。 分裂膝蓋骨 分裂膝蓋骨は、成長過程で一つに癒合する膝蓋骨が2つ以上に分裂してしまっている状態であり、成長期のお子さんに多い症状です。 日常生活に支障がなければ保存療法で十分改善が可能ですが、あまりにも痛みが強く出ている場合や、日常生活に支障が出ている場合は手術を行う可能性もあります。 大腿四頭筋の緊張が強いと分裂膝蓋骨による痛みも強くなりやすいため、ストレッチなどで大腿四頭筋の柔軟性を高めることも大切です。 関節リウマチ 関節リウマチは自己免疫疾患の一つで免疫異常により自分の関節を破壊してしまう疾患です。 関節リウマチでは、病原菌やウイルスを攻撃する免疫細胞が、何らかの異常で自分の細胞を攻撃してしまうことで痛み症状が出ます。 ほとんどの場合は手先や足先などで症状が出始めますが、時間が経過すると膝関節や膝の上が痛いといった症状になることがあります。 進行すると関節が破壊されて膝が変形するのが特徴です。 治療法は薬物療法や運動療法が行われますが、変形の程度や日常生活の支障の度合いによっては手術が必要となります。 膝の上が痛いときに自宅でできる対処法 膝の上に痛みがある場合は、自宅でできる対処法があります。 患部のアイシング 膝周辺のストレッチ テーピングやサポーターの活用 自宅でできる対処法を詳しく説明していきますが、痛みや腫れがひどい場合は無理をせず早めに専門医を受診してください。 患部のアイシング 膝の上が痛いときは、氷嚢や保冷剤で患部のアイシングを行うことがおすすめです。 とくに急性期の場合は炎症を抑えて、腫れや痛みなどを軽減する効果が期待できるため、患部を冷やしましょう。 しかし、痛みが慢性化している場合は冷やすと逆に悪化するケースがあるため、温めるほうが良い場合があります。 膝周辺のストレッチ 膝の上が痛い場合は、大腿四頭筋や膝蓋骨、膝裏など膝周辺のストレッチを行うことがおすすめです。 膝蓋骨のストレッチを参考にしてください。 仰向けに寝て膝を伸ばす 両手の親指や人差し指で膝蓋骨を軽く押さえる 上下左右に動かす 膝を曲げている状態や太ももが力んでいると、動作しづらいため膝を伸ばしてリラックスした状態で行ってください。 ただし、あくまで痛みに対する応急処置となるため、早めに医療機関を受診して適切な治療を受けると良いでしょう。 テーピングやサポーターの活用 膝の上の痛みを軽減するには、テーピングやサポーターの活用が効果的です。 とくに膝の曲げ伸ばしが多い方は、伸縮性のあるキネシオロジーテープでテーピングしましょう。 キネシオロジーテープは、筋肉を支えるとともに、膝の負担軽減やケガの予防にも役立ちます。 また、サポーターは膝の衝撃を緩和することや、関節の動きをサポートすることが目的で活用されます。 ただし、一時的な対策のためオーバーユース時は安静が必要です。 膝上の痛みを早く治すには再生医療も選択肢の一つ 変形性膝関節症などの関節型疾患や、外傷による腱の損傷を原因とする膝上の痛みを早く治すには、再生医療という選択肢があります。 再生医療は患者さまご自身の血液から血小板を抽出して、患部に注射をするPRP療法や、脂肪組織などから幹細胞を採取、培養して患部に投与する幹細胞治療があります。 再生医療は患者さまご自身の血液や幹細胞のみを活用するため、アレルギー反応や拒絶反応の副作用リスクが低いことが特徴です。 手術や入院の必要がないため「膝上の痛みを早く治したい」という方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。 膝の上が痛いときは早期に医療機関を受診しましょう 膝の上の痛みは、大腿四頭筋炎や変形性膝関節症、関節リウマチなど様々な原因があります。 自宅でできる対処法もありますが、原因や症状によって適切な対応が異なるため、痛みや違和感がある場合は早期に医療機関を受診しましょう。 原因を特定して適切な治療を受けることが早期回復のためにも重要なことです。 治療法は、原因となる疾患や症状に応じて薬物療法や運動療法、手術療法などがありますが、近年では手術や入院の必要がない再生医療という選択肢があります。 「膝上の痛みに長期間悩まされている」「膝上の痛みを早く治したい」という方は、ぜひ当院リペアセルクリニックまでご相談ください。
2019.04.19 -
- ひざ関節
膝のお皿に痛みを感じると、普段の生活や運動に支障をきたすことがあります。 膝蓋骨(膝の皿)周辺の痛みは、日常生活では階段の昇降や立ち座り、運動時のランニングなどで特に負担がかかりやすい部位です。 この記事では、急な膝蓋骨の痛みの主な原因や疾患について解説します。 膝の皿が痛い原因や疾患を理解して、痛みの改善を目指しましょう。 急に膝の皿が痛い原因 膝のお皿が痛む場合、膝蓋骨に何らかの負担や異常が生じている可能性があります。 痛みの原因には以下があります。 痛みの原因について、それぞれ解説するので参考にしてください。 大腿四頭筋の筋力が弱い 膝蓋骨は大腿四頭筋腱内に位置し、大腿四頭筋の筋力が弱まると膝蓋骨の動きが不安定になります。 その結果、大腿骨との接触面で摩擦が増加し、膝蓋大腿関節に炎症や痛みを引き起こすことがあります。 膝蓋骨の位置が正常でない 膝蓋骨の位置が高すぎる(膝蓋骨高位)または低すぎる(膝蓋骨低位)と、膝蓋大腿関節に過剰な負担がかかり、痛みや炎症が生じることがあります。 先天的要因や外傷のほか、筋肉のバランス異常も膝蓋骨の位置に影響を及ぼす要因です。 大腿四頭筋や内転筋の強化の筋力トレーニングで改善が期待できます。 股関節が硬い 股関節の硬さや柔軟性の低下は、大腿四頭筋や腸腰筋の機能に影響を与え、膝蓋骨の動きが制限される可能性があります。 これにより膝蓋骨に過剰な負担がかかり、痛みが生じることがあります。 ハムストリングス(太ももの裏の筋肉)が硬い ハムストリングスが硬くなると膝関節の屈曲・伸展が制限され、膝蓋骨に不要な負荷がかかります。 この筋肉の硬さは、筋力バランスの乱れや長時間の座位姿勢による緊張から生じることが一般的です。 慢性的に硬い状態が続くと、膝蓋骨痛症候群(膝蓋大腿痛症候群)の一因となる可能性があります。 足関節の動きが悪い 足関節の動きが悪いと、歩行や立ち上がりの際に膝関節への負荷が増加します。 これが続くと膝蓋骨と大腿骨の間で摩擦が生じて、炎症を引き起こしやすくなるのです。 足関節の動きが悪くなる原因として、ふくらはぎやすねの筋肉の緊張、または過去の捻挫による後遺症が挙げられます。 姿勢が悪い 猫背やストレートネックなどの姿勢の歪みは、膝蓋骨の痛みを引き起こすことがあります。 頭が前に出る姿勢は、重心が前に偏り膝関節に負荷をかける要因の一つです。 この状態で長時間立ったり歩いたりすると、膝関節へ過剰な負荷がかかり痛みを引き起こします。 猫背やストレートネック以外にも、左右のバランスの違いや背骨の歪みが膝蓋骨の痛みに関係することがあります。 膝の皿が痛い際に考えられる疾患 膝蓋骨(膝の皿)周辺に痛みが生じる場合、以下のような疾患が考えられます。 ここでは、各疾患について原因や症状を解説します。 変形性膝関節症 変形性膝関節症は、膝関節内の軟骨が摩耗し、関節面での摩擦が増加して炎症や痛みを引き起こす疾患です。 主に中高年に多く、加齢や長期にわたる膝への負担が原因とされます。 症状は進行性で、初期には階段の昇降時や動き始めに痛みを感じることが多いですが、重症化すると歩行が困難になることもあります。 治療には、初期段階ではリハビリテーションや体重管理、消炎鎮痛剤などを用いる保存療法が主に行われます。 進行した場合は関節内注射や人工膝関節置換術などの手術が検討されます。 半月板損傷 半月板損傷は、膝関節内でクッションの役割を果たす半月板が損傷する疾患です。 スポーツ中の急な方向転換や膝の過度な捻り、または加齢による半月板の劣化が主な原因として考えられます。 症状には、損傷直後の急激な痛みや腫れ、膝がスムーズに動かせなくなるなどがあります。 具体的には、膝を曲げたり伸ばしたりする際に引っかかりを感じたり、膝を完全に伸ばせなくなるロッキング現象などがあります。 軽度の損傷では保存療法を中心とした治療を行いますが、損傷が重い場合や症状が続く場合には、手術による修復や部分切除が検討されます。 有痛性分裂膝蓋骨 有痛性分裂膝蓋骨とは、膝蓋骨が分裂した状態で痛みを引き起こす疾患です。 骨折とは異なり、先天的な要因や成長期における骨の発育過程の影響で発生します。この状態自体が必ずしも問題になるわけではありません。 ただし、大腿四頭筋に過度な負担がかかると、分裂部にストレスが加わり、炎症や痛みを引き起こすことがあります。 分裂の形態にはいくつかのパターンがあり、分裂部の位置や形によって痛みの場所が異なることがあります。 痛みが強い場合には安静を保ち、必要に応じて消炎鎮痛剤を使用します。症状が改善しない場合には手術が検討されることもあります。 膝蓋軟骨軟化症(ランナー膝) 膝蓋軟骨軟化症(ランナー膝)は、膝蓋骨の裏側の軟骨が柔らかくなったり、変形したりすることで痛みが生じる疾患です。 ランニングやジャンプなど膝に繰り返し衝撃がかかる運動をしている人に多く見られます。 主な原因として、膝蓋骨へ継続的な負荷がかかっていることや膝周辺の筋肉の柔軟性や筋力の不足が挙げられます。 初期症状は、運動中に膝蓋骨周辺で痛みを感じることが多いですが、進行すると階段の昇降や坂道を歩く際にも痛みが現れるようになります。 安静にしても症状が改善しない場合は、消炎鎮痛剤の処方やリハビリ、関節内へのヒアルロン酸やステロイド注射が行われます。 重症の場合は、軟骨の損傷部位を修復する関節鏡手術が検討される場合もあります。 大腿四頭筋腱炎 大腿四頭筋腱炎は、膝蓋骨の上部に付着する大腿四頭筋腱に過度の負荷がかかり、炎症や痛みを引き起こす疾患です。 ジャンプやダッシュを繰り返すスポーツに多く見られるため、「ジャンパー膝」とも呼ばれます。 特に成長期の若年層に発症しやすいのが特徴ですが、成人のアスリートにも起こることがあります。 過度な運動が繰り返されることで腱に微細な損傷が蓄積し、やがて慢性的な炎症と痛みを伴う状態になります。 軽度の場合は痛みの緩和を目的とした保存療法が有効です。 重症化して腱の断裂を引き起こした場合は、手術が必要になることが一般的です。 タナ障害 タナ障害は、膝関節内の滑液包の内側に存在するヒダ状の組織(タナ)が、膝の動きに伴って挟み込まれ、痛みや不快感を引き起こす疾患です。 タナ自体は多くの場合、先天的に存在しており、通常は日常生活に影響を与えることはありません。 しかし、膝を酷使する動作や繰り返される負担が加わることで、タナが炎症を起こしたり、膝関節内で挟み込まれて症状が現れます。 主な症状は、膝蓋骨付近にぼんやりとした痛みを感じることが多く、痛みの場所が特定しにくい点が特徴です。 また、膝を動かす際に「引っかかる」ような感覚や、「ポキッ」といったクリック音が生じることもよくあります。 軽症の場合、運動制限や姿勢の改善、理学療法などの保存療法によって症状が緩和することがほとんどです。 しかし、保存療法で効果が見られない場合や症状が重度の場合には、関節鏡手術によるタナの切除や調整が行われることがあります。 膝のお皿が痛い時はどうすればいい? ある時突然、膝のお皿で痛みが出たらどのような対処をすればいいのかご紹介していきます。 圧痛があるか確認する 自分で簡単にできる鑑別方法としては、膝蓋骨を押してみて圧痛があるか確認することです。 もし強い圧痛があれば、膝蓋骨骨折の可能性もあります。そうでなければ、膝蓋骨の圧痛が発生するのはランナーズニーや有痛性分裂膝蓋骨が考えられます。 いずれにせよ、膝蓋骨で明らかに圧痛がある場合はそれまでの膝関節の使い方にも問題があるので、早めに医療機関に相談した方が良いでしょう。 膝に腫れがあるか確認する 膝のお皿が痛いと思っても、実は膝のお皿自体に問題があるわけではなく、膝関節の内部で異常が起きていることもあります。 代表的な例では変形性膝関節症や、タナ障害などです。 もし膝関節が腫れていて、水が溜まっているように感じたら、安静にして様子を見るか整形外科を受診することをお勧めします。 ストレッチをする 膝関節を曲げて大腿四頭筋のストレッチを入念に行い、大腿部前面の緊張を和らげてみてください。 膝のお皿で痛みが出る原因の多くは、大腿四頭筋の緊張や疲労の蓄積によるところです。 ストレッチだけでも痛みが少し楽になるようであれば、毎日続けることで徐々に膝のお皿の痛みは軽減されていき、再発の予防にもなります。 お風呂で温まる 体が温まることによって膝のお皿の痛みが軽減するようなら、膝関節や股関節の筋緊張が原因で起きている可能性が高いです。 お風呂で温まることによって血流が良くなり、筋緊張が緩和されることで痛みが軽減しているので、冷やさないような対策が有効になります。 整形外科に行く 膝のお皿が痛いとき、最初に行くべきは整形外科でしょう。 重症例では手術が必要な病態が隠れていることもありますし、膝蓋骨自体に原因があるのか、筋肉に問題があるのか確定的な診断ができるのは整形外科です。 まず自分の体に何が起こっているのか確認するためにも、診断してもらってください。 【まとめ】急な膝の皿の痛みが長引く場合は早急に病院を受診しよう 膝の皿の痛みは、日常生活や運動に支障をきたし、生活の質に大きな影響を与えることがあります。 その原因は、筋力や柔軟性の不足、姿勢の乱れ、さらには特定の疾患に起因する場合もあります。 痛みの原因を明らかにし、症状に応じた具体的な治療や改善方法を選ぶことが重要です。 さらに、痛みが慢性化している場合や従来の治療で改善が見られない場合には、再生医療も検討しましょう。 当院(リペアセルクリニック)では再生医療による治療を提供しており、膝関節の痛みの緩和や機能改善を目指せます。 患者様自身の細胞を利用して組織の修復や再生を促す再生医療は、膝の痛みでお悩みの方が検討できる治療法の一つです。 慢性的な痛みや従来の治療で改善が見られない場合は、ぜひ当院(リペアセルクリニック)へお問い合わせください。
2019.04.18 -
- 変形性股関節症
- 股関節
太ももの付け根が痛くなると、歩くときや座っているときなど日常生活にも影響が出てしまいます。 この痛みの原因は、筋肉疲労や関節の問題から深刻な病態までさまざまです。 しかし、原因がわからないとどう対処すればよいのか悩む方も多いのではないでしょうか。 本記事では、太ももの付け根が痛む原因として考えられる病態を解説します。 それぞれの対処法やセルフケア方法、セルフケアで改善しない場合の医療機関での治療方法についても取り上げています。 痛みの原因を理解し、適切に対処するための参考にしてください。 太ももの付け根が痛い原因 太ももの付け根が痛いのは、大腿骨や筋肉に異常が起きているのが原因です いずれも、股関節もしくは周囲が痛むと歩行に障害がでます。放っておくと日常生活に大きな支障をきたすため、早めに整形外科等の専門医に相談しましょう。 太ももの付け根が痛い原因の詳細は以下の記事で解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。 太ももの付け根(股関節)について 太ももの付け根には、股関節が位置しています。 骨盤と大腿骨で構成される股関節は可動域が広く、さまざまな筋肉や神経・血管が近くを走行しています。 股関節の代表的な筋肉でいうと、大殿筋や中殿筋などの臀部の筋肉、ハムストリングスと呼ばれる臀部から太ももの裏側にかけての筋肉などです。 また太ももの前面を覆っている大腿四頭筋や、恥骨から大腿部の内側に位置する内転筋などは、安定した歩行に欠かせない筋肉です。 神経には太い神経の坐骨神経、大腿部の前側を走行している大腿神経があります。 血管も大腿動脈や大腿静脈など、血流量の多い血管が走行しています。鼠径部にはリンパ節があり、老廃物の代謝などに重要な器官です。 太ももの付け根(股関節)の基本的な動き 股関節は球関節であるため、さまざまな軸で動作を行います。 伸展は臀部の筋肉やハムストリングスが主に筋力を発揮し、屈曲では大腿四頭筋や腹筋、深部にある腸腰筋などが筋力を発揮します。 外転の場合は臀部の筋肉が主動作筋として働き、内転は内転筋群が作用します。 さらに外旋動作では臀部の深層にある梨状筋などが筋力を発揮し、内旋動作では中臀筋・小臀筋の前部線維が働きます。 太ももの付け根が痛む際に考えられる病態 考えられる病気として以下の9つを紹介します。 単なる疲労だろうとの自己判断は禁物です。顕著な疼痛(とうつう)症状が出た場合は、早めに医療機関を受診しましょう。 1.筋肉疲労 筋肉疲労は長時間の作業や立ち仕事、スポーツなどが原因です。 捻挫や打撲などの怪我ではなく、もちろん病気でもありません。 しかし、臀部や股関節の筋肉が硬い場合や、足首や膝に痛みや不安を抱えている場合などは、太ももの付け根にダメージを蓄積する可能性が考えられます。 腸腰筋や大腿四頭筋に軽微な外力によるダメージが蓄積した結果、歩行時や立ち上がり時などの動作時に太ももの付け根が痛くなる場合があります。 筋肉疲労の場合は治療よりも、安静にして疲労回復に努めましょう。 2.変形性股関節症 変形性股関節症は、股関節の関節面に位置している関節軟骨が少しずつすり減ってしまい、関節内で炎症と変形を起こしてしまう病態です。 交通事故など一度の大きな衝撃によって変形性股関節症になるのではなく、日常生活を送る上での負担の積み重ねが、少しずつ変形性股関節症を作り上げていきます。 負担の蓄積が原因である以上、年齢と共に発生リスクが上がることは避けられません。 保存療法によって股関節に負担をかけない動作を獲得していくほか、あまりにも日常生活に支障が出るようであれば、人工関節などの手術が考えられます。 変形性股関節症の詳細は以下の記事で解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。 3.関節リウマチ 関節リウマチは自己免疫疾患の一つで、関節を自分の免疫力で攻撃してしまう病態です。 本来であれば外から侵入してきた病原菌やウイルスに対して免疫力を発揮するはずの機構が、なんらかのエラーで自らの健康な細胞を攻撃してしまう原因不明の病気でもあります。 通常は四肢の末端部分の関節から少しずつ炎症や変形などの症状が出始め、全身の関節に痛みが起こります。 そのため股関節の痛みが太ももの付け根の痛みとして感じられることもあるのです。 関節リウマチの詳細は以下の記事で解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。 4.大腿骨近位部骨折 大腿骨近位部骨折は、高齢者に多い骨折です。 転倒などによって外力を受け、大腿骨頭に向かう大腿骨頸部で骨折してしまうこともあります。大腿骨頸部で骨折があると荷重で激痛を引き起こします。 大腿骨頸部骨折は関節内と関節外で重症度が異なる点が特徴です。関節内に骨折線がかかっている場合は、治療もより長期になります。場合によっては髄内釘などの手術が必要です。 年齢によっては、大腿骨近位部骨折から寝たきりになってしまう可能性もあるので、とくに骨粗鬆症がある方は注意しなければなりません。 5.大腿骨頭壊死症 大腿骨頭壊死症とは、大腿骨頭を栄養している大腿骨頭動脈がなんらかの原因で遮断されることによって起こる病態です。 壊死によって変形した大腿骨頭に重心がかかり、太ももの付け根に痛みを感じます。大腿骨頭壊死症の原因は未だに不明であり、ほとんどが特発性です。 大腿骨頭壊死症のリスクを高める要因としては、アルコールの大量摂取が挙げられます。 他にも治療などによるステロイドの使用歴が多いと、大腿骨頭壊死症のリスクを高めると言われています。 大腿骨頭壊死症は初期段階では、保存療法が可能です。 しかし大腿骨頭は常に体重がかかる関節であるため変形も進みやすく、人工関節置換術の適応になる場合もあります。 6.腰椎椎間板ヘルニア 椎間板ヘルニアとは、脊柱の中を通っている脊髄や神経根が変形し、飛び出した椎間板によって圧迫される病態です。 圧迫されている高位によっては太ももの付け根が痛む場合もあれば、下腿部で痛みが出ることもあります。 またヘルニアによって神経を圧迫している痛みに加え、筋緊張が強くなることによって走行している神経を絞扼してしまうケースも考えられます。 腰椎椎間板ヘルニアの原因は、長期間の負担の積み重なりです。 重い物を持つ仕事や長時間運転など、腰に負担を溜めやすい生活習慣がある方は腰椎椎間板ヘルニアを発症しやすいです。 治療としては、ブロック注射を含む保存療法によって筋緊張の緩和と股関節や腰椎の柔軟性を取り戻すことで症状の緩和を目指す方法があります。 それでも日常生活に大きな支障をきたしている場合は、手術も選択肢の1つです。しかし手術したからといって腰椎椎間板ヘルニアの痛みが100%消える保証はなく、別の高位で再発するケースもあります。 7.脊柱管狭窄症 脊柱管狭窄症は、脊柱の不良姿勢や脊柱管内の変形によって神経や血管を圧迫してしまう病態です。 腰に慢性的に負担がかかると脊柱管狭窄症の発生リスクを高めます。脊柱管狭窄症になってしまうと、太ももの付け根や足の先で神経的な痛みが起こります。 最も特徴的な症状は間欠性跛行です。間欠性跛行は一定の時間歩くと痛みやしびれで下肢に力が入りにくくなります。 一定の時間休めば回復しますが、安静時でも腰や下肢が痛いケースもあり、坐骨神経痛を伴うことも多いです。 脊柱管を狭窄している原因が姿勢不良などのマルアライメントなら、姿勢の改善や骨盤矯正によって症状を改善できます。しかし場合によっては手術も選択肢に入ります。 8.鼠径ヘルニア 鼠径ヘルニアは別名「脱腸」とも呼ばれ、主に小腸が鼠径部から皮下に飛び出してしまう病態です。 鼠径部に筋膜が脆弱な部分があり、腹圧が高まることでそこから内臓が出てきてしまいます。 原因はほとんどが先天的な要因ですが、年齢と共に筋力が落ちるため鼠径ヘルニアの発生リスクが高まります。 飛び出してきた小腸が嵌頓してしまい、徒手整復でも元に戻らなくなってしまった場合は、早急に手術が必要です。 嵌頓している組織が壊死を起こしてしまうと、重篤な状態になりかねません。 鼠径ヘルニアは太ももの付け根に痛みが出るだけでなく、体表からでも膨らみを確認できます。 9.リンパ節炎 リンパ節炎とは、1つまたは複数のリンパ節に感染が起き発症する病態です。 鼠径部にはリンパ節が位置していますが、ウイルス感染などで炎症を起こしてしまうと、太ももの付け根に痛みが出ます。 また全身性エリテマトーデスのような自己免疫疾患でも、リンパ節の腫脹を認めることがあります。 太ももの付け根が痛くなった時の対処法 太ももの付け根に痛みを感じた場合、早めに適切な対処を行うことが重要です。 症状が軽度であれば、自宅でのセルフケアで改善するケースもあります。 これらの方法を試しても改善しない場合や、痛みが強い場合は、自己判断せず医療機関を受診することをおすすめします。 早めの対応が、症状の悪化を防ぎ、回復への近道となります。 安静にする 荷重をなるべくしないように気を付け安静にして痛みが治まるのであれば、筋肉疲労や保存療法で十分改善できます。 股関節は常に荷重されている関節なので、負担も溜まりやすいです。 腰や股関節のストレッチをする 腰から来ている神経を圧迫していて太ももの付け根に痛みが出ているのであれば、ストレッチで痛みが緩和される場合があります。腰の屈曲や伸展のストレッチをしてみて、痛みが憎悪しないか確認してみてください。 牽引によってストレッチ効果を出すのも有効なので、鉄棒などにつかまってぶら下がるだけでも痛みが緩和されます。 また股関節はとくに臀部のストレッチが有効です。坐骨神経痛や梨状筋症候群などの症状で太ももの付け根が痛い場合は、大殿筋や中殿筋といった臀部の緊張が取れるだけでもかなり変化します。 温める お風呂などで温めると痛みが軽減されるケースもあります。とくに股関節の前側には太い血管が通っており、血流が悪くなるだけでもしびれや痛みが出やすい部分です。 血流が悪いと下肢の疲労も抜けにくく、冷えやむくみも出やすくなります。太ももを温めて、痛みを和らげましょう。 医療機関を受診する 太ももの付け根の痛みが、安静やストレッチ、温めるといった対処法で改善しない場合は、医療機関の受診をおすすめします。 医療機関での主な治療方法は以下の通りです。 治療方法 説明 リハビリ・運動療法 筋力を強化し、柔軟性を向上させることで痛みを軽減、再発防止を目指す治療法。 ヒアルロン酸注射 関節のクッションとなる成分を補充して炎症を抑える、関節の動きをスムーズにする効果が期待される治療法。 手術 痛みの原因が進行した場合に行う外科的治療法。症状の程度によって適切な手術方法が選択される。 再生医療 幹細胞を用いて損傷した組織を修復し、痛みの原因を根本的に改善する治療法。副作用が少なく、慢性的な痛みにも対応可能。 もし、再生医療での治療に興味がある場合、一般的なクリニックや病院では受けられないため、当院へお問い合わせください。 当院は厚生労働省から認可を受けた再生医療専門クリニックです。 太ももの付け根が痛い方からよくある質問 太ももの付け根に痛みを感じる原因を知ることで、適切な対応が取りやすくなります。 以下によくある質問をまとめました。 これらの質問について、それぞれの原因や対処法を詳しく解説します。 自身の症状と照らし合わせながら、早期に適切な対応を検討してください。 女性が片方の足の付け根に痛みを感じる原因は? 片方の足の付け根に痛みを感じる場合、その原因にはさまざまな疾患が考えられます。 とくに女性は、特定の病態により痛みを引き起こすリスクが高い傾向があります。 痛みが続く場合やその他の症状を伴う場合は、早めに医療機関を受診して適切な治療を行うことが重要です。 外側の太もも付け根が痛い原因は? 外側の太ももの付け根に痛みを感じる場合、いくつかの疾患がその原因となっている可能性があります。 この部位の痛みは、股関節や周囲の組織、神経の問題が関与していることが多く、症状によっては日常生活に支障をきたします。 これらの原因はいずれも早期の診断と治療が重要です。 日常生活で気になる症状がある際は、早めの対応が回復への近道となります。 改善しない太もも付け根の痛みは医療機関に相談しよう 太ももの付け根に痛みを感じたら、まずは本記事で解説した簡単なセルフケアで対処するのがおすすめです。 もしセルフケアで痛みが変わらない場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。 精査をしておきたいなら整形外科で、壊死など器質的な異常でない場合は接骨院や整骨院でも治療が可能です。 大阪で医療機関をお探しの方は、ぜひ当院(リペアセルクリニック)をご検討ください。 当院は厚生労働省に「第二種・第三種再生医療提供計画」を提出し、再生医療による治療を提供しています。 再生医療は、幹細胞や成長因子を用いて損傷した組織を修復し、慢性的な痛みの改善が期待できる治療法です。 当院では来院前に「メール相談」も受け付けています。気になる症状がある場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
2019.04.17 -
- 肘
痛い!肘の筋肉に内側?外側?場所によって異なる病気を医師が徹底解説! 肘の痛む箇所によって違う病気が考えられます。痛みが出る原因としては、肩関節から上腕骨を走行して肘関節をまたぐ筋肉や、前腕部の筋肉、さらには手首の部分も考えられます。 打撲など、明らかに外からの力によって筋肉が損傷し、痛む場合は分かりやすいのですが、日常生活やスポーツ活動を繰り返す中で少しずつ負担が溜まり、いつの日か急に痛みが出ることもあります。さらには、骨折を起こした際にも、その後の経過で肘周辺に痛みが出る可能性があります。 今回は、肘の筋肉で痛みが出ている場合に考えられる原因と、その対処法についてご紹介していきます。 肘の筋肉の仕組み 肘の筋肉といっても、動作によって様々な筋肉が存在しています。 代表的なものは「上腕骨外側上顆(じょうわんこつがいそくじょうか)」や「内側上顆(ないそくじょうか)」につく、前腕の筋肉です。上腕骨外側上顆から起始する筋肉は、前腕の伸筋群で主に手関節の伸展、手指の伸展、前腕の回外に作用しています。 具体的な筋肉でいうと、 ・橈側手根伸筋(とうそくしゅこんしんきん) ・尺側手根伸筋(しゃくそくしゅこんしんきん) ・総指伸筋(そうししんきん) ・回外筋(かいがいきん) といった筋肉です。 上腕骨内側上顆から起始する筋肉は前腕の屈筋群で、 ・尺側手根屈筋(しゃくそくしゅこんくっきん) ・長掌筋(ちょうしょうきん) ・浅指屈筋(せんしくっきん) ・円回内筋(えんかいないきん) などです。 ほとんどの筋肉が上腕骨から手根骨、または手指骨に停止している二関節筋です。 そのため、どこか一つの関節の動きだけに作用するわけではなく、肘関節の屈曲や伸展、前腕の回外と回内、手関節の屈曲や伸展、手指骨の屈曲や伸展、といった動作に関与しています。 肩甲骨からも肘関節を動かす筋肉が走行している 肘関節に関わる筋肉の中には、上腕から前腕にかけて起始停止を持つ筋肉だけでなく、肩関節を超えて肩甲骨から走行してくる筋肉もあります。 屈筋側で言えば上腕二頭筋が代表的で、肘関節の屈曲や前腕の回外に作用しています。伸筋側では上腕三頭筋が最も力の大きな筋肉で、肩甲骨から尺骨の肘頭まで走行しています。肘関節の伸展に関わる主動作筋です。 肘の動き以外にも痛みが出る場合がある ここまでご紹介してきた代表的な筋肉は全て、肘関節の動作だけに関わる筋肉ではありません。したがって、肘の筋肉で痛みが出ている場合、肘関節の動き以外でも痛みを発するケースが多いです。 肩関節の屈曲や外転などでも肘関節部にかけて痛みが出ることや、手関節の屈曲や伸展でも肘関節付近で痛みが出ることがあります。さらには手指の動きも同様で、握りこむまたは手をいっぱいに開くという動作で、肘関節部に痛みが出るケースも考えられます。 肘関節の動作以外でも痛みを感じる場合は、肩関節や手関節など他の関節の運動療法が必要な場合もあるのです。必ずしも痛みのある部位と原因となっている関節が一致するわけではないので、注意が必要です。 肘の筋肉が痛い場合に考えられる病気 肘の筋肉に痛みを感じる場合、どんな病気が考えられるのかご紹介していきます。 外側上顆炎(テニス肘、テニスエルボー) 肘の筋肉が痛いときにまず考えられるのが、外側上顆炎です。上腕骨の外側上顆から、前腕の伸筋側にかけて痛みを発生します。原因は筋肉の使い過ぎやダメージの過度な蓄積で、テニス肘と呼ばれることもあります。 前腕の伸筋群に繰り返し負担をかけることで少しずつ疲労を蓄積し、筋力発揮をするたびに外側上顆で牽引力がかかります。そこから炎症に発展し、安静時でも痛みを伴うケースも珍しくありません。 テニス肘と呼ばれる由来は、テニスのバックハンドの際に外側上顆から起始する筋肉に過度な負担をかけるので、テニスプレーヤーに多い症状であるからです。 もちろん、テニスを経験したことが無い方でも、日常生活動作の中で負担を蓄積し、外側上顆炎に発展するケースは多々あります。手のひらを下に向けた状態で物を掴んで持ち上げるという動作は、全て外側上顆から起始する筋肉に負担をかけるのです。 家事の中でも、包丁を使う、買い物の袋を持つといった些細な動作でも外側上顆炎の一因になります。痛みが出るのは、安静時、肘関節屈曲伸展時、前腕回外時が多いです。 内側上顆炎(ゴルフ肘) 外側上顆炎と同じような発生機所で、内側上顆でも痛みを発生させることがあります。上腕骨の内側上顆から、前腕の屈筋群にかけて痛みを発生させます。 やはり筋肉の使い過ぎや過度な疲労の蓄積が発症の引き金になり、別名ではゴルフ肘と呼ばれることもあります。野球肘の一種と括られることもあり、投球動作を繰り返すことで手関節の屈曲力や手指の屈曲力を必要とするので、内側上顆で痛みを発生させることもあります。 日常生活の中でも、仕事によって内側上顆炎を発生させることも少なくありません。重いものを持つことが頻繁にある方や、指先の細かい作業で手指の動作を行う方など、強い衝撃でなくとも内側上顆炎になる可能性は十分です。 そのため、肘の筋肉で痛みが出ても、自分では何が原因なのか把握できないケースも多いという特徴があります。ゴルフの動作の場合は、スイングの際に後ろ側の手で押し込むような力が加わるので、初心者のゴルファーで内側上顆炎になるケースが多いです。 体幹の捻りを上手く使えず、上肢だけで飛距離と正確性をコントロールしようとするので、余計な力が入って内側上顆炎を発生させます。 側副靭帯損傷 肘関節には、内側と外側に上腕骨から前腕に伸びる靭帯が存在しています。肘関節が異常な動きをしないように、安定性を高める役割を果たしている靭帯です。 外側が外側側副靭帯、内側が内側側副靭帯です。それぞれ、一度の強い外力によって側副靭帯が断裂または部分損傷させられることがあります。 柔道など格闘技系のスポーツ活動によって、肘が過度に外反または内反させられたときに、側副靭帯が耐えきれずに損傷してしまいます。単なる外反や内反だけでなく、回旋力が加わると側副靭帯損傷の可能性は高まるでしょう。 一方で、軽微な外力を繰り返し受けることによって、微細な側副靭帯損傷を繰り返して痛みを発生させるケースもあります。例えば投球動作の繰り返しなどで、コッキング期からアクセレレーション期にかかる肘への外反力によって、内側側副靭帯に損傷を起こします。 肘関節の屈曲や伸展、前腕の回外な回内といった動作で痛みを発生させることが多いので、肘の筋肉で損傷が起きていると感じるかもしれません。 一度の強い外力で側副靭帯が損傷したものについては、保存療法や場合によっては手術も選択肢に入ります。負担の蓄積によって損傷した側副靭帯については、原因となる動作を禁止して安静にすることが第一です。 プロスポーツ選手など、特別な事情がある場合には手術も考えられます。 頸椎ヘルニア 筋肉が痛いと感じていても、実はそれが神経症状であるというケースも考えられます。それが頸椎ヘルニアや頚椎症、ストレートネックといった首の病態で引き起こされるのです。 頸椎部分から派出する神経は、肩甲骨や上腕付近を走行して、前腕から指先へと到達していきます。頸椎ヘルニアや頚椎症が起こっている高位によっては、上腕や肘付近、前腕の感覚を司っている神経を圧迫してしまうこともあります。 そうなれば、肘の筋肉の痛みとして最初は感じられるかもしれません。痛み方の特徴としては、安静時でも痛みやしびれがあり、長時間同じ姿勢を続けていると症状が憎悪します。 場合によっては仰向けで寝ると痛みが増すケースもあり、横向きでしか寝られなくなることもあるくらいです。頸椎ヘルニアや頚椎症の発生原因としては、日々の負担の蓄積にあります。 デスクワークが長時間続く方や、スマートフォンを長時間見続けている方、調理場など前かがみの姿勢が続く方など、物理的に首への負担が大きい方はリスクが高いです。 首凝りや肩凝りが酷くなり、ある日を境に肘関節付近の痛みが強くなるので、頚椎から上肢へ神経が走行している仕組みを知らなければ大変驚くはずです。 筋肉損傷などの痛みと鑑別する方法としては、頸椎の動作によって痛みが憎悪するかどうかを確かめる方法です。 頸椎ヘルニアや頚椎症である場合は、頸椎の伸展や回旋動作によって肘関節付近の痛みが増すことがあります。この場合は早めに受診して、原因を特定する必要があります。これは、神経の通り道が狭くなる動きなので、神経根の圧迫が強くなるためです。 腱鞘炎の可能性も考えられます。手首を繰り返し使う動作で、腱周りの組織が炎症を起こすと、肘周辺にも痛みが起こり得ます。 この場合は肘関節付近の筋肉にいくらアプローチしても、痛みが改善されるどころか時間の経過と共に悪化していきます。整形外科で精査をし、リハビリを行うのか場合によっては手術を行うのか検討していく必要があるでしょう。 肘の筋肉が痛い場合の対処法 肘の筋肉で痛みが出た場合、自分ではどのような対処法を行えばいいのかご紹介していきます。 肘を温める 筋肉の緊張やオーバーユースによって出ている痛みなら、肘を温めると血流が良くなって筋緊張が取れ、痛みも少し緩和することがあります。 お風呂に入った直後など、今まで痛みがあった動作が楽にできるようであれば、温めることは有効なセルフケアです。ホッカイロをあてておくだけでも良いですし、お風呂でよく温まることが大切です。 ただ、温めるというのは時と場所を選ぶケアなので、冷やさないということが重要になってきます。夏場であればクーラーの風があたることで痛みが悪化することもありますし、温度管理に気を配ってみてください。 ストレッチをする 上腕から前腕の筋肉をストレッチすることで、痛みを緩和できるケースもあります。側副靭帯損傷の場合は当てはまりませんが、筋肉そのものが原因で痛みが出ている場合は有効です。 頸椎ヘルニアがきっかけで出ている痛みでも、少し緩和されることもあります。肩関節を水平屈曲させたり、外転させたりして、腕から肩甲骨にかけての筋肉をストレッチします。 また、前腕の筋肉は手関節を過屈曲または過伸展することによってストレッチでき、前腕の回旋も加えることで効果的なストレッチが出来ます。もし動作で痛みがある場合は、無理せず痛みのない範囲で行いましょう。 人間は、痛みを感じると自分の体を守ろうとして筋肉を緊張させることがあります。無理なストレッチで、筋緊張を起こせば痛みが悪化してしまう可能性もあるので注意が必要です。 軽くマッサージをする 前腕や上腕部の、自分で硬さがあると思う部分を軽くマッサージするのも非常に有効です。あまり大きな筋肉ではないので、強く揉みすぎると防衛反応が起きてかえって筋肉が緊張することもあります。 痛みがあるようならさする程度でも大丈夫です。心地よいと感じる程度の強さでセルフマッサージを行うと、筋緊張を緩和することに繋がります。 湿布を貼る 湿布は温湿布でも冷湿布でもどちらでも大丈夫です。ただ、長時間貼っていると皮膚がかぶれてしまいますし、湿布の上からホッカイロをあてるなどすると、肌荒れに繋がるので注意です。 湿布が根本的な改善になるわけではないですが、痛みを軽減して日常生活を送ることができるでしょう。 専門医に相談する 筋肉の損傷なのか、靭帯の損傷なのか、神経症状なのか自分では見当がつかないという場合、すぐに専門医に相談してください。病院であれば整形外科ですし、接骨院や整骨院でも良いです。 筋肉に疲労が溜まっていることが肘の痛みの原因であれば、安静にすることで落ち着くかもしれません。しかし、靭帯損傷や神経症状の場合、放置しておくと痛みが悪化するケースもあります。 痛みをかばいながら行動することで、背骨に歪みを招くことになれば、肩こりや腰痛など二次的な症状に繋がってしまいます。 まとめ・肘の筋肉痛は肘だけの問題ではない! いかがでしたでしょうか。場所によって異なる病気をご紹介いたしました。 肘の筋肉で出る痛みの原因として多いのは外側上顆炎など、オーバーユースによるものです。肘の治療をしっかり行うことも大切ですが、肘に負担をかけすぎないような身体全体の使い方を考えることも、早期治癒と再発予防に繋がります。 自分では見当がつかないという場合、整形外科や接骨院、整骨院などの専門医に相談しましょう。 この記事がご参考になれば幸いです。 監修:リペアセルクリニック大阪院 再生医療やスポーツ医療についての専門医がいない方へ リペアセルクリニックは、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に提出し受理された厚生労働大臣許可医療機関です。当院では来院前でも「メール相談」を受付けています。どうぞ事前にご相談ください。 メール相談・お問い合わせフォームはコチラ 肘の痛み、筋肉の痛みに関連する記事はこちら ・肘から下の痛みは背骨が原因か?前腕が痛む原因で考えられる疾患 ・テニス肘とゴルフ肘の正しい治し方となりやすい条件とは ・肘をぶつけてからずっと痛みが治まらない時、考えられる原因は? ・肘の外側が痛い場合の対処法は?外側上顆炎や神経痛の場合も 肩の痛み、肩の関節の痛みに関連する記事はこちら 肩の関節が痛い場合に有効な治し方と痛みの原因は? 腕に関連する記事はこちら 腕が上がらないのは病気のせい?考えられる症状は何
2019.04.16 -
- 肩
肩の関節が突然痛くなる!その原因と治し方を徹底解説 いつもと変わらず日常生活を過ごしているのにも関わらず、突然肩が痛くなることは、珍しいことではありません。首や肩の筋肉に知らず知らずのうちに負担をかけていて、ある日一線を超えたかのように痛みとして感じられるようになります。 今回は、肩の関節が痛くなる原因と、その治し方についてご紹介していきます。 肩の関節は可動域が広い 肩の関節の大きな特徴は、可動域が広いということです。肩甲骨の関節窩と、上腕骨頭で構成されている肩関節は、球関節なので様々な軸で動作を行うことができます。 上腕の外転や内転、上腕の外旋や内旋、肩関節の屈曲と伸展という動きが主です。 脱臼をしやすい関節でもある 肩関節は可動域の広さが確保されているのと同時に、構造上脱臼をしやすい関節でもあります。肩甲骨にある関節窩が浅く、上腕骨頭を支持するには形態的に足りないのです。 特に、肩関節を外転外旋位にもっていくと、脱臼のリスクが高まります。一度脱臼をすると周囲の軟部組織や骨を損傷することがあり、再脱臼を起こしやすいというのも特徴です。そんな肩関節の支持性を高めているのがローテーターカフと呼ばれるインナーマッスルで、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の 4 つで構成されています。 ローテーターカフで正しい動作と安定性を補っている ローテーターカフの役割はただ単に肩関節を安定させるだけでなく、動作の中で肩甲骨や上腕の細かな動きを調整しています。例えば肩関節を外転させていく場合、ローテーターカフがしっかり働かなければ上腕骨頭の下制力が無くなり、そのまま肩甲骨の上部へと脱臼してしまいます。 ローテーターカフが明らかに筋力を発揮しているのを感じることは難しいですが、機能していないと肩関節の動きはかなり制限されることになります。 肩関節の動きには様々な骨が関わる 日常生活の中で肩関節が突然痛みを発しやすい原因の一つとして、関わる骨や筋肉が多いということも挙げられます。 肩関節を動かすためには、肩甲骨と上腕骨の動きはもちろん、鎖骨、胸骨、肋骨など様々な骨に付着する筋肉が関わっています。 そのため、鎖骨で異常が起きても肩関節の動きに影響しますし、胸骨や肋骨で異常が起きても肩関節の可動域は狭くなるのです。 肩の関節が痛いときの原因とは 肩関節で痛みが出る原因には、何が考えられるのでしょうか。 五十肩 五十肩は外傷などの後遺症として発生することもありますし、明確な原因なくある日突然痛みを発生させることもあります。肩関節周辺の筋肉に負担を蓄積し、緊張した筋肉によって動きのズレを生み、そこから肩関節の炎症へとつながっていくのです。 中高年の年代に多いことから五十肩と呼ばれますが、医学的な用語で説明すると、肩関節周囲炎ということになります。五十肩は炎症期といって特に痛みの強い時期が存在します、そこを過ぎれば少しずつ痛みは軽減していくものです。 しかし、痛みの軽減後も可動域の制限が残るケースがあります。これは炎症を抑える治療だけでは改善しきれないので、運動療法や背骨の矯正などで少しずつ可動域を戻していくことが必要です。 野球肩 野球など投球動作の繰り返しによる負担の蓄積で起きた症状を、野球肩と言います。オーバーユースによっておきた肩関節周辺の軟部組織損傷を総称している言葉なので、一言で野球肩といっても人によって病態は様々です。 筋肉に疲労を溜めすぎて硬くなっているだけというケースもありますし、関節唇の損傷を起こしているケースもあります。中にはそこから肩関節の亜脱臼を起こすこともあります。 野球肩になってしまった場合は、まず投球動作の中止が必要です。投球をしながらだと、治療期間もかなり長くなります。投球動作の中で、特にコッキング期からアクセレレーション期に移行する瞬間に負担がかかりやすいので、体の使い方そのものを改善していく治療方法が有効です。 石灰沈着性腱板炎 腱板とは棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋それぞれの腱の束のことで、その付近に石灰が沈着して炎症を起こす病態です。特徴的なのは夜間痛で、痛みのために睡眠が邪魔されることもあります。 五十肩と症状の出方が似ていますが、夜間痛や動作時の痛みの強さ、画像診断などで判断していきます。カルシウムの代謝異常が原因であることはわかっていますが、何がきっかけで石灰沈着が起こるのか不明な点も多い病態なのです。 腱板断裂 上記の項目でもご紹介した、4 つの筋肉の腱から構成される腱板を断裂してしまっていると、当然肩の関節で痛みを引き起こします。腱板が断裂してしまう原因は様々で、転倒や打撲による負傷、肩関節のオーバーユースなど、急性でも亜急性でも両方考えられます。 特に棘上筋が断裂する頻度が一番高く、フルキャン(フルカン)テストなどでどの筋肉に問題が起きているのか鑑別することが可能です。 上腕二頭筋長頭腱炎 上腕二頭筋の長頭が、上腕骨の結節間溝を走行しています。結節間溝は肩関節の前側にあり、長頭と摩擦が起きることで炎症になることがあります。上腕二頭筋の過度な緊張や使い過ぎによって徐々に起こるものです。 肩の動き、肘の動き、前腕の動き全てに関わる筋肉なので、日常生活の中でも痛みの頻度は高いでしょう。 肩峰下滑液包炎 肩鎖関節の下あたりに位置する肩峰下に、関節の滑りを良くする滑液包が存在しています。動作の中でその肩峰下にある滑液包を挟み込んで炎症を起こしてしまい、肩関節の痛みとして感じられることがあります。多くは注射などの外科的治療が選択されることになります。 肩の関節が痛いときの治し方 それでは、肩の関節が突然痛くなってきたときに、どのように対処したらよいのかご紹介していきます。 肩や首を温める 筋肉が硬くなっていることによって肩関節で痛みが出る場合もありますが、それは温めることで痛みを緩和させることが出来ます。100 %痛みが軽減するとは言いきれませんが、多くの場合は一時でも楽になります。 血流が良くなれば筋肉の緊張も取れやすくなるので、ぶつけていないし捻ってもいない、自分では原因が不明な肩関節の痛みについては温めてみるという価値は十分あります。お風呂に浸かってじっくり温まることも良いですし、蒸しタオルを肩や首にあてるだけでも良いセルフケア方法です。 逆に冷えてしまうことで痛みを悪化させるケースもあるので、温めないまでも冷やさないということが大切です。 安静を保つ 肩を動かすと痛いという場合は、痛みのある動きをなるべく避けることも大切です。人間は痛みを感じると、無意識のうちにそこをかばって行動するようになります。 肩の関節で痛みが出れば、背骨や肘、手首の動きで肩関節の機能低下を代償するようになるので、必然的に他の部位でも不調が起こります。まずは安静にして、少しでも痛みが和らぐのか確認してみてください。 しかし、あまりにも肩を気にしすぎて全く動かさなくなると、そこから五十肩に移行したり、すでに五十肩の場合は治療期間を長引かせたりすることにもなりかねません。痛みのない範囲では積極的に動かしておきましょう。 整形外科に相談する 突然肩の関節が痛くなり、しばらくしても痛みが引かない場合は、整形外科を受診するのがまず確実です。レントゲンや、場合によってはMRIを使って精査してくれることもあります。石灰沈着を起こしていればレントゲンでわかりますし、関節の変形なども画像診断で判断できます。 逆に、骨や代謝物の異常が無いということもわかるので、筋肉にアプローチすべきなのか治療方法を絞り込むこともできます。肩で痛みが出た場合に、精査した結果何も異常が見つからないと余計に心配になることがあるかもしれません。 しかしそれは、アプローチすべき個所が絞られるとも言えるのでむしろプラスに捉えるべきでしょう。 接骨院に相談する 石灰沈着などは注射などの薬物療法が行われることもありますが、肩関節周囲炎など筋肉が原因で起きている痛みの場合、接骨院での治療で十分改善していくことが可能です。 場所によっては整形外科よりも受付時間が長いことの方が多いので、通院しやすいかもしれません。接骨院ではレントゲンは撮影できませんし、薬の処方も出来ません。痛み止めを使うほどの痛みでは無ければ、手技療法や電気療法、罨法などを熱心に施術してくれる接骨院を選びましょう。 肩関節の治療方法 肩関節の治療のやり方には、どのような方法があるでしょう。 電気治療 電気治療の目的は、筋緊張の緩和と血流の改善です。低周波や干渉波の治療器が肩関節の痛みに有効であるケースもあります。電気治療が受けられるのは整形外科や接骨院で、一般的には接骨院の方が使用頻度も高いでしょう。 ただ、捻挫や打撲などと違う、日常生活の軽微な外力で発生した肩関節の痛みについては、電気治療が根本的な治療方法になるわけではありません。電気治療に加えて、運動療法など他のアプローチも組み合わせることになるでしょう。 温熱療法 温めることで肩関節の痛みが緩和されることもあります。ホットパックと呼ばれる電気の温熱器具を使ったり、ホットタオルなど蒸しタオルを使ったりする方法です。 ホットパックは乾性の温熱で、ホットタオルは湿性の温熱と呼ばれています。温めるという効果は同じなので、よりリラックスできる方が良いでしょう。その他にも、赤外線を使って患部を温熱する方法もあります。 赤外線の良いところは、より深部の組織を狙って温めることができるという点です。整形外科でも接骨院でもどちらでも受けることが出来ます。 手技療法 いわゆるマッサージやストレッチなどの治療方法で、自分で肩関節を動かすというよりは、施術者の手によって他動的な運動で動作を行っていきます。マッサージにもストレッチにも言えることですが、あまりにも強すぎる刺激は逆効果になることがあります。 刺激が強すぎると、自分の体を守ろうとして逆に筋緊張を起こすこともあるのです。リラクゼーション目的であれば自分の好きな強さで施術を受ければ良いですが、目的が治療なのであれば、強ければ強いほど良いというわけではありません。 運動療法 肩の動かし方が悪いせいで、肩関節に痛みを発生させているケースがあります。ゴムチューブなどを使ってローテーターカフを鍛えたり、正しく筋力発揮ができるようにしたりするのが目的です。 肩関節が痛い場合、多くのケースでは筋力が足りないわけではありません。筋肉の量の問題なのではなく、使い方に問題があるのです。軽微な外力によって負担を溜めることで、徐々に筋緊張が広がっていきます。 その結果肩関節の動作で微妙にズレを起こし、動作のたびに痛みを発生させるのです。 背骨や骨盤の矯正 肩関節の痛みが、実は背骨のゆがみのせいで起きているというケースもあります。背骨が歪んでいれば肩甲骨の動きが悪くなり、肩関節の可動域制限に繋がります。 自分でも試してみるとすぐに感じられると思いますが、背中を極端に丸めて両腕を挙上するよりも、背中をまっすぐ伸ばして両腕を挙上した方が挙げやすいはずです。このように、肩関節自体に問題が無くても、背骨のゆがみのせいで可動域制限や痛みを発生させていることは大いに考えられることなのです。 肩関節は放っておいても改善しにくい 少しぶつけた程度あれば、時間が経過すれば回復するものです。しかし、肩関節の痛みは時間が経過しても改善しない症状も多く、むしろ悪化する可能性が高いです。早めに専門医に相談して、対処しておきましょう。以上、肩の関節が突然痛くなる!その原因と治し方を徹底解説いたしました。参考になれば幸いです。 お近くに再生医療やスポーツ医療についての専門医がいない方へ さかもとクリニックは、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に提出し受理された厚生労働大臣許可医療機関です。当院では来院前でも「メール相談」を受付けています。どうぞ事前にご相談ください。 メール相談・お問い合わせフォームはコチラ 監修:リペアセルクリニック大阪院 肘や筋肉の痛みに関連する記事はこちら ・肘・筋肉の痛みは?原因と対策は? ・肘から下の痛みは背骨が原因か?前腕が痛む原因で考えられる疾患 ・テニス肘とゴルフ肘の正しい治し方となりやすい条件とは 肘をぶつけてからずっと痛みが治まらない時、考えられる原因は? ・肘の外側が痛い場合の対処法は?外側上顆炎や神経痛の場合も 腕に関連する記事はこちら 腕が上がらないのは病気のせい?考えられる症状は何 当院の治療についての考え方や 再生医療についての内容もお読みください ・スポーツ外傷・障害の痛みに対する当院の治療 ・再生医療とは ・PRP(多血小板血漿)療法とは ・ご相談から治療までの流れ
2019.04.15 -
- 変形性股関節症
足の付け根が痛い原因がわからず、お悩みの方も多いのではないでしょうか。 足の付け根の痛みには、さまざまな原因が考えられるため、早期に原因を特定することが重要です。 本記事では、足の付け根の痛みの原因となる疾患や治療法について詳しく解説します。 足の付け根の痛みを治したい方に知っていただきたい情報をまとめているので、ぜひ参考にしてください。 また、足の付け根の痛みが長引いている方は、先端医療である再生医療による治療も選択肢の一つです。 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、「再生医療ではどのような治療を行うのか」「再生医療で治療した症例」を無料で配信しています。 「足の付け根の痛みを治したい」という方は、ぜひ再生医療について確認しておきましょう。 足の付け根が痛いときに考えられる疾患 足の付け根が痛いときには、以下のような疾患が原因として考えられます。 疾患名 症状 変形性股関節症 ・歩行時や立ち上がり時の痛み ・股関節の動きが制限される 鼠径ヘルニア ・足の付け根や鼠径部の膨らみや違和感 ・立っているときや咳をすると強い痛みがある 坐骨神経痛 ・腰から足にかけての痛みやしびれ ・動作時に痛みが悪化する 腰部脊柱管狭窄症 ・腰や足のしびれ ・歩行時の痛み 大腿骨頭壊死症 ・歩行時や安静時の激しい痛み ・股関節の可動域が狭くなる 股関節インピンジメント症候群 ・股関節の痛み ・股関節の柔軟性低下 腸腰筋炎 ・背中や腰の痛み ・発熱 ・全身の疲れ 股関節の筋肉や腱、神経、血管など、さまざまなものが足の付け根の痛みの原因となります。 それぞれの疾患について詳しく理解しておきましょう。 変形性股関節症 変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減ることで痛みを引き起こす疾患です。 特に中高年に多くみられ、長期間にわたる関節への負担が原因とされています。 原因 ・長期間の関節への負担 ・加齢 ・先天性股関節脱臼など 主な症状 ・歩行時や立ち上がり時の痛み ・股関節の動きが制限される 治療法 ・保存療法(ストレッチや薬物療法) ・手術療法(人工股関節置換術や骨切り術など) ・再生医療(幹細胞治療・PRP療法) 変形性股関節症は早期発見と治療が重要です。 症状が進行すると手術が必要になる場合もあるため、早めに医療機関を受診しましょう。 鼠径ヘルニア 鼠径ヘルニアは、腸や脂肪組織が足の付け根付近の鼠径部から突出してしまう状態です。 股関節とは別の部位ですが、足の付け根や股関節周辺に痛みや不快感が生じる場合があります。 特に男性に多く、立ち仕事や重い物を持つ作業が原因になることがあります。 原因 ・加齢 ・立ち仕事 ・重い物を持つ作業 ・腹圧の上昇 主な症状 ・足の付け根や鼠径部の膨らみや違和感 ・立っているときや咳をすると強い痛みがある 治療法 ・保存療法(経過観察) ・手術療法(ヘルニア修復術や腹腔鏡手術など) 鼠径ヘルニアは進行すると生活に支障をきたす可能性があるため、症状が見られる場合は早めの受診を検討しましょう。 坐骨神経痛 坐骨神経痛は、坐骨神経が圧迫されることで生じる痛みやしびれの症状です。 腰から足にかけての痛みが特徴で、椎間板ヘルニアなどが原因となることが多いです。 原因 ・椎間板ヘルニア ・腰椎すべり症 ・筋肉の緊張による神経圧迫 主な症状 ・腰から足にかけての痛みやしびれ ・動作時に痛みが悪化する 治療法 ・保存療法(神経ブロック療法など) ・手術療法(椎間板ヘルニア摘出術など) 坐骨神経痛は、原因に応じた適切な治療が必要です。放置すると慢性化する可能性があるため、早期の診断と治療が望まれます。 腰部脊柱管狭窄症 腰部脊柱管狭窄症は、脊柱管(背骨の後ろ側にある管)が狭くなることで神経が圧迫される疾患です。 主に中高年に多く、歩行時に腰や足の痛み、しびれが出るのが特徴ですが、腰などの痛みが放散痛として股関節まで及ぶ場合があります。 原因 ・加齢による椎間板の変性 ・骨の変形 ・靭帯の肥厚 主な症状 ・腰や足のしびれ ・歩行時の痛み 治療法 ・保存療法(運動療法や薬物療法) ・手術療法(神経除圧術) 症状が進行すると日常生活に支障をきたすため、早期の診察が重要です。 大腿骨頭壊死症 大腿骨頭壊死症は、大腿骨の先端部が血流不足により壊死する疾患です。 進行すると股関節の変形や激しい痛みが現れることがあります。 原因 ・血流障害 ・アルコールの過剰摂取 ・ステロイド薬の長期使用 主な症状 ・歩行時や安静時の激しい痛み ・股関節の可動域が狭くなる 治療法 ・保存療法(薬物療法) ・手術療法(人工関節置換術、骨切り術) ・再生医療(幹細胞治療・PRP療法) 大腿骨頭壊死症は進行性の疾患であり、早期の治療が予後を大きく左右します。 股関節に強い痛みがある場合は、早めに専門医を受診してください。 股関節インピンジメント症候群 股関節インピンジメント症候群は、大腿骨頭と寛骨臼の形態異常により、股関節を動かすときに骨同士が衝突(インピンジメント)してしまう疾患です。 股関節は足の骨の丸い部分(大腿骨頭)が骨盤のくぼみ(寛骨臼)にはまり込んでできていますが、衝突により関節軟骨が削れ、股関節の痛みが生じます。 原因 ・大腿骨頭と寛骨臼の形態異常 主な症状 ・股関節の痛み ・股関節の柔軟性低下 治療法 ・保存療法(リハビリテーションや薬物療法) ・手術療法 ・再生医療 衝突によって削れた関節軟骨を元に戻すことは難しいですが、早期に診断できればリハビリテーションや薬物療法で症状を改善できます。 股関節に痛みがある場合は早めに医師に相談しましょう。 腸腰筋炎 腸腰筋とは、腰と太ももの骨をつなぐ筋肉のことで、太ももを持ち上げる働きを担っています。 この腸腰筋に炎症が生じる疾患が腸腰筋炎で、筋肉の中に膿がたまることもあります。 原因 ・栄養不良 ・糖尿病 ・ステロイドの使用 主な症状 ・背中や腰の痛み ・発熱 ・全身の疲れ 治療法 ・保存療法(安静や抗菌薬の投与) 腸腰筋炎は適切な治療をすれば予後は良好ですが、高齢者や糖尿病などの基礎疾患が重篤な場合は死亡するケースもあります。 背中や腰の痛みや全身の倦怠感を感じる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。 足の付け根が痛いのは女性特有の疾患の可能性もある 足の付け根が痛い原因として、以下のような女性特有の疾患も考えられます。 骨盤内炎症性疾患:生殖器の感染症 卵巣嚢腫:卵巣にできる腫瘍 子宮筋腫:子宮の筋肉にできる腫瘍 炎症によるリンパ節の腫れや腫瘍の圧迫が足の付け根の痛みの原因です。 また、妊娠中も足の付け根に痛みが生じることがあります。 胎児の成長や体重増加に伴う負荷に加え、ホルモンの影響で骨盤周辺の靭帯や筋肉が緩むためです。 骨盤のゆがみが残ると、出産後も歩くときや立ち上がるときに痛みを感じることがあります。 足の付け根が痛いときに効くストレッチ 足の付け根が痛いときには、以下のような股関節周辺のストレッチが有効です。 股関節の前側を伸ばすストレッチ 股関節の内側を伸ばすストレッチ 股関節の後ろ側を伸ばすストレッチ ストレッチは筋肉や腱の柔軟性を高め、股関節の負担を軽減する効果があります。 それぞれのストレッチ方法を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。 股関節の前側を伸ばすストレッチ 股関節の前側を伸ばすストレッチは、股関節の柔軟性を高め足の付け根の痛みを緩和する効果が期待できます。 以下の順番でストレッチを行ってください。 椅子に横向きで座り、片方のお尻を椅子に置く 椅子に掛けていない足を後ろに伸ばし、つま先を立てる 股関節の前側から太ももを伸ばすイメージで、椅子に掛けていない足をさらに後ろに伸ばす 左右それぞれ40秒を目安に2〜3回繰り返す ストレッチ中はバランスを崩しやすいため、動きにくい椅子を使用しましょう。 股関節の内側を伸ばすストレッチ 股関節の内側を伸ばすことで、股関節の可動域が広がり足の付け根の痛みの緩和が期待できます。 以下の順番でストレッチを行いましょう。 椅子に座り、片方の足を反対の膝に乗せる 乗せた足の膝を手で外側に押す その状態で上半身を前に倒す 股関節の内側からお尻の筋肉を伸ばす 左右それぞれ40秒を目安に2〜3回繰り返す 上記のストレッチはバランスを崩しやすい姿勢になるため、椅子に深く腰掛けた状態でストレッチを行いましょう。 股関節の後ろ側を伸ばすストレッチ 足の付け根の痛みを緩和するためには、股関節全体を柔らかくすることが重要です。 以下の順番で股関節の後ろ側を伸ばしましょう。 仰向けになる 左右いずれかの膝を両手で抱える 膝をお腹に引き寄せる 左右それぞれ15秒を目安に2〜3回繰り返す 膝を引き寄せている間は、反対側の膝を曲げたり浮かせたりしないように注意してください。 なお、ストレッチは足の付け根の痛みに有効ですが、無理のない範囲で行うことが重要です。 痛みが強い場合は、ストレッチを中止し医師に相談してください。 足の付け根が痛いときの治し方・対処法 足の付け根が痛いときは、ストレッチに加えて病院で痛み止めを処方してもらうと良いでしょう。 一般的には、以下のような薬が処方されます。 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):痛みや炎症を抑える 筋弛緩剤:筋肉の緊張を緩和する 局所治療薬:湿布やクリームタイプで、痛みや炎症を抑える 薬を使用するときは、医師の指示に従って適切な用法・用量を守りましょう。 足の付け根の痛みを早く治したい方は再生医療も選択肢の一つ 足の付け根の痛みを早く治したい方は、再生医療も選択肢の一つです。 股関節の痛みに対して、近年では再生医療が新たな治療法として注目されています。 再生医療は、患者さま自身の細胞を採取・培養してから股関節に注入し、損傷した軟骨の再生を促す治療法です。 手術や入院を必要とせず、体への負担が少ない治療法として注目されています。 足の付け根の痛みがなかなか治らない場合は、再生医療専門である当院リペアセルクリニックにご相談ください。 足の付け根が痛いときは早めに医療機関を受診しよう 足の付け根の痛みは、変形性股関節症や鼠径ヘルニアなど、さまざまな疾患が原因となります。 症状を改善するためには、ストレッチや痛み止めの薬を活用しつつ、早めに医師に相談し原因を特定することが重要です。 また、痛みの原因によっては再生医療という新しい治療法が有効な場合もあります。 当院リペアセルクリニックでは、再生医療に関する相談をいつでも受け付けておりますので、足の付け根の痛みが長引いている方は、ぜひお問い合わせください。 公式LINEでは、再生医療の治療ガイドブックや症例を無料で配信しているので、合わせてご覧ください。
2019.04.14 -
- 肘
肘から下(前腕)の痛みが出る場合は、神経が圧迫されている・筋肉の使い過ぎ・皮膚疾患などさまざまな要因が考えられます。 そこで本記事では、肘から下に出る腕の痛みの主な原因を疾患別で紹介します。対処法もあわせて解説しているので、肘から下の腕の痛みにお悩みの方は最後までご覧ください。 腕(肘から下)が痛む主な原因|スポーツによる疾患 腕(肘から下)が痛む代表的な原因はスポーツによる疾患です。スポーツ特有の繰り返し動作が知らず知らずの間に部位を傷つけています。 この項目では、スポーツによって腕の痛みを引き起こす主な原因(疾患)について紹介します。 ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎) ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)は、肘の内側にある骨のとがった部分(内側上顆)に付着する筋肉が炎症する疾患です。 この筋肉は前腕を通って手首や指まで伸びているため、前腕から手にかけての痛みを引き起こします。名前の通り、ゴルフのスイングが原因で発症するケースが多い一方、他のスポーツの繰り返し動作でも発症しうる疾患です。 テニス肘(上腕骨外側上顆炎) テニス肘(上腕骨外側上顆炎)は、上記で紹介した内側上顆炎と類似した疾患で、肘の外側にある骨のとがった部分に付着する筋肉の炎症で引き起こされます。 テニスのバックハンドストロークといった肘を伸ばす繰り返しの動作が原因とされていますが、テニス以外のスポーツや日常生活でも発症します。 野球肘 野球肘は、投球における繰り返し動作によって引き起こされる疾患です。肘の内側・外側の靭帯や骨に負担がかかることで発症します。 主な症状は、肘の内側や外側の痛み・可動域の制限・投球時のパフォーマンス低下です。また、痛みの部位によって、内側型・外側型・後方型に分類されます。 成長期の子どもに多く見られ、適切な処置をしないと将来的に大きな問題につながる可能性があります。 変形性肘関節症 変形性肘関節症は、とくに肘から下の腕部分に痛みや違和感を感じる慢性的な疾患です。加齢や長年の疲労による肘関節軟骨の摩耗や変性が主な原因となります。 年齢と共に発症リスクは高まりますが、繰り返しの動作を伴う職業の方やスポーツ選手などの若い方でも発症します。 主な症状は、肘の痛み・関節の腫れや硬直・可動域の制限です。とくに朝起きたときや長時間の安静後に症状が強くなることがあります。また、天候の変化で症状が悪化することもあります。 骨折 腕または肘から下に対して強い衝撃を受けた場合に考えられるのが骨折です。 肘から下には橈骨(とうこつ)と尺骨(しゃっこつ)の2本の前腕骨がありますが、どちらかが損傷していると肘から下に痛みが生じます。 転倒や衝突といったさまざまな不意の事故で骨折してしまう恐れがあり、誰しもが起こりうる疾患です。 腕(肘から下)が痛む原因|日常生活で起こりうる疾患 腕(肘から下)の痛みは日常生活においても発症します。 スポーツと同様に繰り返しの動作により引き起こされやすく、多くの方の悩みの種となっています。 そこでこの項目では、日常生活で起こりうる疾患について詳細に紹介します。 腱鞘炎 腱鞘炎は、手や指を頻繁に使う人によく見られる症状です。 私たちの手や指の動きは、前腕の筋肉によってコントロールされています。この筋肉が過度に使われると、筋肉と骨をつなぐ腱や腱を覆う腱鞘に炎症が起こります。その結果、前腕から手にかけての痛みやしびれが生じます。 たとえば、長時間のキーボード入力・スマートフォンの使用・楽器の演奏などは腱鞘炎のリスクを高めます。家事や育児でも、同じ動作を繰り返すことで腱鞘炎を発症することがあります。 肘部管症候群 肘部管症候群は、肘の内側を通る尺骨神経が圧迫されることで起こります。 主な原因は、肘を曲げた姿勢の長時間維持です。たとえば、デスクワークで肘をつく・運転中に肘掛けに肘をのせる・就寝時に肘を曲げた姿勢をとるなどの習慣が挙げられます。また、肘の怪我や関節炎などが要因となるケースもあります。 症状としては、肘の内側から小指側の前腕、手、指にかけてのしびれや痛み、握力の低下などがあります。肘を曲げた状態で長時間過ごした後に症状が強くなるのが特徴です。 肘内障 肘内障は、幼児に多く見られ「肘が抜けた」状態を指します。 主な原因は、腕を強く引っ張られたり、突然持ち上げられたりすることです。たとえば、子どもの手を引いて歩いているときに転びそうになり、急に腕を引っ張ってしまうような状況で頻繁に発生します。 主な症状は激しい痛みと腕を動かせなくなることで、子どもが突然泣き出したり、腕をだらんと下げたままにしていたりすると要注意です。 手根管症候群 手根管症候群は肘から下に痛みを発生させるだけでなく、しびれや運動障害を起こす疾患です。 手根管とは手首の屈筋側にある部位のことで、神経や筋肉の腱などを束ねて正しい動きに導く役割を持っています。この手根管は靭帯によって覆われていて、ほとんど伸び縮みができないバンドのような構造をしています。その狭い空間の中に、正中神経と9本の筋肉の腱が通っているので圧迫されやすい部位です。 前腕の屈筋群を繰り返し使うことによって引き起こされる疲労の蓄積が原因の場合もありますし、腫瘍が出来ているケースや骨折の後遺症として発生するケースもあります。しかし、多くの場合は特発性の手根管症候群で、原因の追求が難しい疾患です。 OKサインのような手の形がとりにくくなることが代表的な特徴です。したがって、細かい作業がしにくくなり日常生活に大きな影響を及ぼします。 頚椎ヘルニア 頚椎ヘルニアは、首にある椎間板が変形・突出し、脊柱の中を通っている脊髄や神経根を圧迫することで発症します。頚椎ヘルニアを引き起こす部位によっては肘から下に痛みを生じます。 頚椎ヘルニアには、急性的なものと亜急性(徐々に進行する)のものがありますが、多くは亜急性です。頚椎に微細な負担を長時間蓄積させ続け、少しずつ椎間板の変形を招くのです。 肘から下の痛みであることから見逃されがちな疾患ですが、頚椎から派出した神経が前腕から手指までつながっていることを理解しておきましょう。 頚椎症 頚椎症は頚椎ヘルニアと似たような発生機序で、背骨を構成している椎骨の変形によって前腕の神経を圧迫する病態です。 頚椎ヘルニアと同様に亜急性が多く、長時間にわたり同じ姿勢を取ることで筋肉の緊張を招いて少しずつ頚椎を変形させていきます。 日常生活の中で首に負担がかかる猫背やストレートネックなどの姿勢が定着していれば、若い世代でも十分に発症しえる疾患です。 頚肩腕症候群 頚肩腕症候群は、筋肉の緊張や血流の悪化によって痛みを引き起こす疾患です。 パソコンが普及し始めたころの、いわゆるキーパンチャーと呼ばれる人たちに続出した疾患でもあります。デスクワークが主流となりつつある現代でも同じリスクを抱えています。 首から前腕まで通過している神経は、さまざまな筋肉の間を縫うように通っています。その過程で、筋肉が緊張したり関節の悪い動かし方をしたりしていると、慢性的に神経を圧迫して痛みを伴うのです。 血管の圧迫による痛みにくわえ、しびれ・ふるえ・冷え・運動障害を引き起こすことが特徴です。また、手先が真っ白になるレイノー現象を引き起こすこともあります。 胸郭出口症候群 胸郭出口症候群は、腕神経叢(わんしんけいそう)と呼ばれる神経群の圧迫によって発症する疾患です。 胸郭出口症候群は首が長い方・なで肩の女性・やせ型の男性といった身体的特徴をもつ方の発症率が高い一方で、日常生活において座っている時間が長い方でも発症リスクが高まります。 また、腕を上げ続けることによって痛みやしびれが悪化する点が特徴で、筋肉の緊張や鎖骨の動きによって腕神経叢が圧迫され肘の下や指先に痛みを発生させることもあります。 そのため、腕を上にあげている時間が長い美容師・理容師の発症率も高い傾向にあります。 肘から下の腕が痛い時の対処法 腕(肘から下)の痛みは自分で対処するよりも病院を早期に受診する方が確実かつ効果的に対処できます。しかし、痛みに我慢できる程度であれば「仕事や子どもの世話などの都合で様子を見てから」とお考えの方も多いことでしょう。 そこで本項目では、腕(肘から下)が痛いときの対処法をまとめて紹介します。 ストレッチ 寝起きに痛みを感じる場合や、重だるさを感じる場合は、腕の筋肉が温まっていないことで痛みを感じている可能性があります。 そんな腕の痛みや、だるい時におすすめしたいのがストレッチです。 あくまで気持ち良いと感じられる程度のストレッチで十分です。痛みが酷くなるほど強く、あるいは繰り返して行う必要は全くありません。 たったこれだけで肘から下の腕の筋肉をほぐせます。 片方が終わったら反対側も同様に伸ばしてください。血行が促進され、筋肉が少しずつ温まり痛みの解消につながります。 繰り返しになりますが、痛みが酷い場合の無理なストレッチはNGです。強い痛みを感じた際には速やかに医療機関を受診しましょう。 テーピング 仕事や作業などでどうしても腕を動かさねばならない方にはテーピングが効果的です。 上手に活用できれば、痛みを軽減しつつ腕をスムーズに動かすことも可能です。 また、ブレスレットをはめるようなテーピングもおすすめです。 あくまでも、テーピングは痛みを軽減する補助的な役割に過ぎません。ストレッチ同様、痛みが続くようであれば医療機関を受診しましょう。 背骨のゆがみを取る 頚椎ヘルニアや頚椎症などの神経症状はもちろん、前腕の筋肉疲労が原因で起きている痛みには背骨のゆがみを取ることが有効です。 根本となる背骨のゆがみが矯正されれば肩甲骨の動きも自然と改善され、前腕にかかる負担も大幅に軽減できます。 痛みのある部分だけを治療してもなかなか良くならない場合は、背骨といった根本的な部位のアプローチが必要と覚えておきましょう。 薬物療法を使う あまりにも強い痛みの場合は、痛み止め(消炎鎮痛剤)やビタミン剤の服用といった薬物療法も選択肢のひとつです。 症状によってはすぐに効果を感じられないこともありますが、とにかく痛みを解消したい際に有効な治療法です。 肘を温める 筋肉の緊張やオーバーユースによって出ている痛みに対しては肘を温め、血流を促すことで痛みの緩和につながります。 ホッカイロをあてておくだけでも良いですし、お風呂でよく温まることも効果を発揮します。 また、時と場所を選ぶケアなので実施する環境には注意しましょう。たとえば、クーラーの風があたってしまうと痛みが悪化する可能性もあります。 専門医に相談する 筋肉の損傷・靭帯の損傷・神経症状なのか自分で判断できない場合は専門医に相談してください。ひとまず整形外科の受診を推奨します。筋肉の疲労蓄積が原因の場合は安静処置で完治するかもしれませんが、靭帯損傷や神経症状の場合は悪化してしまうことも考えられます。 また、痛みをかばいながら行動してしまうと、肩こりや腰痛といった二次的な疾患を発症してしまいます。 腕(肘から下)の痛みに悩む方からよくある質問 この項目では、腕(肘から下)の痛みに悩む方からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。これらの情報を参考に、適切な対処法を見つけてください。 肘から下が急に痛くなったらどうすれば良い? 肘から下の腕が急に痛くなった場合、まず考えられる原因と適切な対処法の把握が重要です。 激しい痛みや、腫れ・変形が見られる場合は骨折や脱臼の可能性があるため、すぐに医療機関を受診してください。 軽度から中程度の痛みの場合は、以下の対処法を試してみましょう。 RICE処置:Rest(安静)・Ice(冷却)・Compression(圧迫)・Elevation(挙上)を行います。とくに、冷却は炎症を抑える効果があります。 痛み止めの使用:市販の消炎鎮痛剤を服用したり、湿布を貼ったりすることで痛みが和らぎます。 動作の制限:痛みを感じる動作を避け、腕を休ませることが大切です。 ストレッチ:痛みが和らいできたら、軽いストレッチを行い、血行を促進させましょう。 外側からくる肘下の痛みの原因は? 外側からくる肘下の痛みで代表的な原因は上腕骨外側上顆炎(テニス肘)ですが、他にもさまざまな要因が考えられます。 これらの症状は、似たような痛みを引き起こすため自己診断が難しいです。 痛みが長引く場合や、日常生活に支障をきたす場合は整形外科医の診断を受けることをおすすめします 腕(肘から下)が痛い原因を特定し適切な対処を行おう 原因不明の痛みが急に発症したり、徐々に悪化している場合は整形外科やスポーツクリニックといった病院を早期に受診することが重要です。 疾患によっては、痛みのある局部を集中的に治療しても改善しないケースもあります。 当院でもメールやオンライン相談を受け付けているので、ご気軽にお問い合わせください。
2019.04.13 -
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テニス肘の痛みを和らげるために、低周波治療器の貼り方についてお悩みの方もいるのではないでしょうか。 低周波治療器とは、電気刺激を利用して筋肉の痛みをやわらげる医療機器のことで、パッドを貼って微弱な電流を体に流して治療を行います。 そのため、痛みを感じる部分を中心に貼ることが重要です。 本記事では、テニス肘における低周波治療器の貼り方について解説します。 低周波治療器以外の治療法も紹介しているため、テニス肘の痛みを和らげたい方は、ぜひ参考にしてください。 また、長引くテニス肘の痛みには、先端医療である再生医療も選択肢の一つです。 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、肘の痛みを手術せずに治療できる再生医療に関する情報や症例を配信しております。 「現在の治療で期待した効果が出ていない」「テニス肘を早く治したい」という方は、ぜひ再生医療について確認してみてください。 テニス肘における低周波治療器の貼り方 テニス肘(上腕骨外側上顆炎)は、上腕骨の遠位部に位置する外側上顆で炎症が起きて発症します。 低周波治療器は、痛みを感じている部分に貼るのが重要なので、テニス肘の症状を緩和したい場合は肘の外側に貼りましょう。 主に以下のような効果が期待できます。 血流が良くなり、疲労物質の排出が促進される 筋肉の緊張が緩和される 外側上顆や内側上顆への負担が軽減される 炎症が強い急性期には適していない場合が多く、症状が落ち着いてきた亜急性期から慢性期に使用しましょう。 治療前に必ず医師の診断を受け、適切な治療法と時期を判断してもらうのが重要です。電気刺激を行うと以下の効果が得られます。 テニス肘の治療方法【低周波治療器以外】 テニス肘の治療法として、以下の方法も効果的です。 ストレッチを行う 冷やす・温める 病院で温熱治療を受ける 運動療法を行う 患部をマッサージする 整体に通う ステロイド注射を打つ 手術を受ける 自分の状態に合わせて取り入れてください。 ストレッチを行う テニス肘は前腕の筋肉が緊張したり過度な負担がかかったりして発生します。 筋肉が硬くなっているため、前腕の筋肉を伸ばすストレッチが有効です。 テニス肘の場合はとくに手首の伸筋群(前腕)を入念にストレッチしましょう。肘を伸ばした状態で、手首を掌側(手のひら)に反対の手で手首を曲げると手首の伸筋群のストレッチが出来ます。 逆に、手首を伸展方向に他動的に曲げると前腕の屈筋群のストレッチが出来ます。どちらのストレッチも、肘の関節が伸びている状態で行ってください。 前腕の屈筋群も伸筋群も、肘関節と手関節をまたぐ筋肉なので、肘が伸びていないとストレッチ効果が半減します。 冷やす・温める テニス肘の症状に対するケアは、状態によって異なります。 自宅で患部を温める場合は、以下のケア方法がおすすめです。 お風呂でゆっくり温まる 電子レンジで温めた蒸しタオルを患部に当てる カイロを活用する また、慢性期では患部を冷やさないよう注意が必要です。長袖を着用したり、上腕から前腕まで覆うサポーターを使用したりするのも効果的です。 いずれの場合も、症状の程度や経過によって適切なケア方法が異なるため、必ず医師の診断を受け、指示に従いましょう。 自己判断でケアを行うのではなく、専門家のアドバイスを受けながら、症状に合わせた適切な対応を心がけてください。 病院で温熱治療を受ける 自宅で患部を温めるだけでなく、整形外科や接骨院などで受けられる温熱療法も効果的です。 筋肉を温めるという点ではまったく同じですが、温熱治療器を使えば芯の部分からしっかり温められます。赤外線治療器なら、体表面よりも深部を温められるため、効率的です。 さらに、ホットパックという道具を使うと温度を一定に保てるので、自宅で行うよりもよく温まります。 運動療法を行う 肘関節の屈曲や伸展、手関節の屈曲や伸展、手指の屈曲や伸展といった動作をスムーズに行うために、運動療法を受けるのも効果的です。運動療法は患部外を含めた練習動作も行います。 スポーツにおける体の動かし方が間違っているとすぐに再発してしまいます。また、テニス肘やゴルフ肘の痛みが軽減してからは、筋力強化も重要です。 前腕の屈筋群と伸筋群、肘の屈曲動作に関わる筋肉を強化すると、テニス肘やゴルフ肘の再発を予防できます。最初はあまり大きな負荷でやらずに、500mlのペットボトルを上げ下げする程度の運動がおすすめです。もし、痛みや違和感を感じた場合は、直ちに運動を中止し、医療専門家に相談しましょう。 患部をマッサージする 前腕の屈筋群や伸筋群をマッサージしたり、上腕・肩甲骨周辺のマッサージをしたりするのも重要です。マッサージによって筋肉の緊張を取り除き、外側上顆にかかる牽引力を軽減できます。 肩甲骨周りの動きが制限されると肩から指先にかけて負担がかかるため、上腕や肩甲骨周辺までマッサージを行います。 マッサージをあまりにも強い力でやりすぎると、かえって自分の体を守ろうとして筋肉が硬くなる可能性もあるため、マッサージが強ければ強いほど良いわけではありません。 整体に通う テニス肘の治癒を早くするために、全身のバランスも整えましょう。背骨の歪みによって、前腕に大きな負担をかける場合があります。 テニス肘が発症する理由は、単に前腕の屈筋群や伸筋群の使い過ぎだけでなく、体のバランスの崩れも考えられます。 たとえば猫背やストレートネックなど、肩甲骨の動きが悪くなるような姿勢だと、上肢全体の動きが悪くなります。通常よりも前腕の屈筋群や伸筋群に大きな負担をかけるので、テニス肘のリスクが高まるのです。 肘や前腕の治療を集中的に行っても痛みがなかなか軽減しない場合は、医師に相談した上で、姿勢や体全体のバランス評価を受けることを検討しましょう。医師の指示のもと、理学療法士や整体師など他の専門家の助言を得ると、より包括的なアプローチが可能です。 早期治癒と再発予防を目指す場合は、医師の診断と指示に基づいて、適切なリハビリテーションプログラムや姿勢改善エクササイズを取り入れるのが効果的です。 ステロイド注射を打つ テニス肘は、上腕骨外側上顆炎とも言われており、肘の外側に痛みが出る病気です。痛みが強い場合はステロイド注射をする場合もあります。 ステロイド注射は頻繁に打つと肘の腱が弱まるため、打てる回数が決まっています。打てる回数は年に3~4回程度で、1回目の注射から3カ月間の期間を空けてください。 ステロイド注射は即効性があり、数日から数週間効果が持続します。湿布などで痛みを取り除けず日常生活に支障を来す場合は、医師に相談してみましょう。 手術を受ける テニス肘は、症状が重症化すると手術が必要になる可能性があります。テニス肘は進行すると腕を曲げきれない、伸ばしきれないなどの症状が出るケースがあります。 症状がでるとスポーツはもちろん、日常生活にも大きな支障をきたしかねません。そのため、症状が進行した患者さんには、手術による治療が勧められています。 テニス肘になりやすい人の特徴 テニス肘になりやすい人や再発しやすい人には、以下の特徴があります。 テニス初心者 肘以外に痛みを抱えている人 姿勢が悪い人 テニス肘を再発予防するためにも、ぜひ押さえておきましょう。 テニス初心者 初心者の場合、ラケットのスイング動作を上肢の力に頼って行う人が多いです。 長年経験している方や、スポーツが上手い方のは、体幹の力を上手く使って体全体を回転させて打ちにいけますが、出来ないうちは肘や手首に負担がかかります。 結果的に外側上顆に付着する筋肉へと負担が集中するため、痛みを発症しやすいです。 肘以外に痛みを抱えている人 肩や腰など、前腕以外に痛みを抱えている人はテニス肘のリスクを高めてしまいます。テニスは回転動作を行うスポーツのため、腰に不安があると体の回転が甘くなります。 その分パワーを発揮するには上肢の筋力を発達させなければなりません。その結果前腕に力が入り、テニス肘を発症しやすくなってしまうのです。 日常生活の中でも、肩に痛みがあれば腕が上がりにくくなります。例えば腕を上げて行わなければならない洗濯物を干す動作をすれば、前腕に余計な負担をかけてしまうでしょう。 なお肘だけを治療しても改善に時間がかかります。肘以外の痛みの治療も並行して行いましょう。 姿勢が悪い人 背骨のバランスが悪い人は、肩を中心とした上肢の筋肉に慢性的な負担がかかり続けます。 猫背などのように、横から見たときに頭の位置が体幹からかなり前に出ている人は、首から背中にかけて日常的に負担をかけ続けています。 その結果肩甲骨の動きが悪くなって肩の可動域が狭まり、肘から先にも疲労を溜めやすくなるのです。さらに姿勢が悪い人は背骨のしなやかさが失われている場合が多く、仰向けや横向きになったときに体が休まりません。 すると睡眠時の回復力が低下してしまうので、疲れが抜けにくく筋肉の疲労を蓄積してしまいます。疲労からテニス肘の症状につながるケースがあるので、姿勢の改善はとても重要です。 テニス肘と低周波治療器に関するよくある質問 テニス肘と低周波治療器に関するよくある質問にお答えしていきます。以下を参考にして、効果的に低周波治療器を使用しましょう。 低周波治療器は使いすぎるとどうなりますか? 低周波治療器の効果的な使い方を教えてください テニス肘の安静期間はどのくらいですか? 低周波治療器は使いすぎるとどうなりますか? 長時間の治療や出力を強くしすぎた場合は、過剰な刺激になってしまい筋肉が疲労します。※ ※出典:PubMed 心地良いと感じる強さで1カ所あたり3〜15分程度行いましょう。 症状に合わせて刺激時間を30分程度に長くしても問題ありませんが、人によっては疲れを感じやすいため注意が必要です。 低周波治療器の効果的な使い方を教えてください 低周波治療器を効果的に使うためには、正しいパッドの貼り方と電気刺激の強度を知ることが重要です。 パッドは痛みのある部位に貼りましょう。痛みのある部位に合わせて上下または左右で挟むように貼るとより効果的です。 強さは、強すぎず心地良いと感じる強さで実施してください。※ ※出典:PubMed テニス肘の安静期間はどのくらいですか? テニス肘は原因となった動作を行うと痛みが出るので、安静にする必要があります。 軽い場合は数週間程度で治りますが、症状によっては2〜3カ月ほど安静期間が必要です。重症になると、さらなる安静期間をすごさなければなりません。 テニス肘の可能性がある人は、早期に医療機関を受診して医師の診断を受けましょう。 低周波治療器を効果的に貼ってテニス肘の痛みを改善しよう 本記事では、テニス肘の治療法として有効な低周波治療器のパッドの貼り方や、それ以外に併用できるおすすめの治療法を解説しました。 発症時期に合わせて適切に低周波治療器を使用すると、テニス肘の痛みの改善が期待できます。 現在受けている治療で期待した効果が出ていない方や、テニス肘を手術せずに治したい方は、先端医療である再生医療をご検討ください。 再生医療は、患者様の細胞や血液を用いて、損傷した組織や身体機能の再生・修復を図る治療です。 \テニス肘に対する再生医療について解説/ https://youtu.be/jy2_O_mEvGI?si=gakqvr0PwpUYszmz また、当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、肘の痛みを手術せずに治療できる再生医療に関する情報や症例を配信しております。 「つらいテニス肘の痛みを早く治したい」という方は、ぜひ再生医療について確認してみてください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/
2019.04.12 -
- 肘
ぶつけた肘の痛みがなかなか治らない、曲げると痛みがあるといった肘に関するお悩みを抱えている方も多くいらっしゃるかと思います。 日頃から感じる何気ない肘の痛みは、小さなストレスとして蓄積され、出来るだけ早く解決したい悩みの種になりやすい特徴をもちます。 そこで本記事では、ぶつけた肘の痛みが治らない原因から関連する病態や対処法を紹介します。 ぜひ参考にしていただき、肘の痛みから解放された快適な生活を取り戻しましょう。 ぶつけた肘の痛みが治まらない原因 肘の関節は、脂肪や筋肉で覆われていないためぶつけると痛みを感じやすい部位です。 ぶつかった際の衝撃にもよりますが、骨折を引き起こしている場合もあります。 また、小児に多い上腕骨顆上(じょうわんこつかじょう)骨折や、肘の先端をぶつけておこる肘頭(ちゅうとう)骨折なども考えられます。 下記では痛みの原因や特徴について詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。 継続する肘の痛みは筋肉・骨の異常を疑う 肘をぶつけて曲げると痛い場合は、筋肉に異常が出ているケースや骨折などの可能性が考えられます。 肘を曲げるための主な筋肉は上腕二頭筋や上腕筋で、これらの筋肉に炎症や打撲があれば肘を曲げたときに痛みが出るでしょう。 また、肘の伸展に作用する筋肉の上腕三頭筋に異常が起きている場合も痛みが出ます。 骨に異常が出ている場合は、肘頭の骨折や上腕三頭筋付着部での炎症が考えられます。 肘頭は上腕三頭筋の停止部でもあるので、肘を曲げることで骨片が無理に引き離されます。 それが痛みを発生させる原因になるのです。 肘をぶつけて痛みが発生しやすい箇所 肘をぶつけて痛みが発生しやすい箇所は、、肘の背面に位置している尺骨の肘頭という部位です。 後ろ向きの転倒や、肩関節の伸展動作による打撲が主な要因です。 肘頭は筋肉や脂肪で覆われておらず、打撲や骨折が起こりやすい部位となっています。 また、上腕骨下端にある外側上顆や内側上顆もぶつけやすい部位のひとつです。 外側上顆・内側上顆は骨が少し外側に出っ張っているため、皮膚の上からでも容易に触わることが出来るくらい体表に近くなっています。 そのため、転倒などによるダメージをもろに受けやすい特徴があります。 肘の痛みから全身が痛くなることもある 「肘の痛みだからちょっと様子をみよう」「我慢できるから病院に行かなくて良いだろう」といった油断は禁物です。 初期の痛みはわずかかもしれませんが、知らず知らずの間に肘をかばって生活するようになり、肩や背中に負担をかけてしまいます。 そこから派生するように全身の疾患・痛みにつながっていくのです。 そのため、自己判断や油断は避け、違和感を感じたら医療機関を受診するよう心がけましょう。 肘を曲げると痛い!考えられる病態一覧 肘を曲げると痛くなる場合、考えられる病態一覧は以下の通りです。 肘をぶつけて曲げると痛い場合、筋肉が原因なのか骨が原因なのかを見極める必要があります。 下記では発生機序や症状から、考えられる病態と治療方法をご紹介していきます。 肘頭骨折 肘頭は尺骨の近位端部に位置する部位で、肘関節の大部分を構成しています。 体表に近い部分まで骨が出ているので、ぶつけることで骨折が起こることも十分に考えられます。 肘を曲げると痛いのはもちろん、場合によっては肘の動作がかなり制限されます。 伸ばす動作・曲げる動作がしにくくなるので、生活に支障をきたすことも。 肘をぶつけた後に肘頭部で強い痛みがある場合は、肘を動かさないよう安静にしてから整形外科を受診しましょう。 肘頭の骨折では、保存療法と手術のどちらも考えられます。 保存療法の場合はまず硬性材料によって1カ月以上の固定が必要です。 ただし、肘頭骨折は固定が難しい骨折でもあり、偽関節を作りやすい部位でもあります。 骨癒合した後は、少しずつ肘の可動域を広げていくための物理療法・運動療法・手技療法が有効です。 上腕骨顆上骨折 上腕骨顆上骨折は、上腕骨の下端部の内側上顆や外側上顆よりも近位部で折れてしまう骨折です。 高いところから落ちて手をついたり、後ろ向きに転倒して手をついたりして発症します。 上腕骨顆上骨折を起こすと、明らかな変形を認め運動がかなり制限されます。 曲げようとすると激痛が走るので筋肉の損傷とは違う痛みがでます。 上腕骨顆上骨折は変形が著しいケースが多く、手術となる場合も。 手術をせずとも、保存療法による改善も可能ですが、ギプスでしっかりと固定されるのでしばらくは肘を使えなくなります。 骨折が起きたときに神経や血管を圧迫したり、固定の仕方によって圧迫してしまったり、二次的な症状が起こることもあります。 小児の上腕骨顆上骨折では、変形したまま骨癒合してしまう内反肘という後遺症が残る可能性もあるので、注意が必要です。 テニス肘(テニスエルボー) テニス肘は、肘の外側で痛みが起こる症状です。 テニスプレーヤーがバックハンドの際に肘の外側で痛みを訴えることが多いことからテニス肘と呼ばれており、正式には外側上顆炎や肘外側の側副靭帯の損傷を指します。 肘をぶつけたことで痛みを発生しますが、1回の外力によってテニス肘を発生させることは稀です。 よほどの大きな外力で肘関節に捻りが加わると側副靭帯の損傷を起こしますが、多くは軽微な外力の繰り返しで受けるダメージ蓄積が要因です。 テニスをはじめとするスポーツ競技はもちろん、パソコンのタイピングや包丁をよく使う料理人なども発症する可能性があります。 テニス肘の基本治療は保存療法です。 側副靭帯が損傷していない限りは、固定することはほとんどありません。 痛みのある動作をなるべく避けて安静にすることが第一です。 マッサージやストレッチなど、自分でできるケアをしていくことも重要になります。 野球肘 野球肘とは、肘の内側側副靭帯の損傷や上腕骨内側上顆炎の総称です。 小学生や中学生の年代で、繰り返し投球動作で肘の内側に過度な負担がかかると発症することから野球肘と呼ばれます。 肘の内側についている靭帯・軟骨・筋肉・腱が損傷している状態なので、肘を曲げる動きで痛みが出ます。 手首の屈曲や手指の屈曲など、前腕の屈筋群に負担をかけ続けると野球肘発生のリスクも高まります。 骨自体に裂離骨折などが起きているケースは少なく、保存療法が一般的です。 野球をやっている場合は投球動作を中止し、安静が第一になります。 上腕部の筋肉から前腕の屈筋群にかけての負担を減らすことが大切です。 肩甲骨の動きが悪いと代償動作として肘に負担がかかるので、再発の予防をするためには肩甲骨や背骨のゆがみから取り除いていかなければなりません。 変形性肘関節症 変形性肘関節症は男性に多い症状で、長年にわたる肘関節の酷使で肘に変形が起き、可動域制限や痛みを発生させる症状です。 スポーツ経験者や、重い物を持つなどの重労働を繰り返してきた方に発症のリスクがあります。 骨棘ができることで肘の関節面にある軟骨がすり減り徐々に変形していきます。 場合によっては肘の屈曲可動域が大幅に制限されるので、日常生活に大きな支障をきたすケースも。 変形性肘関節症の場合、日常生活にどの程度の支障をきたすかによって、手術・保存療法の選択が判断されます。 保存療法の場合は温熱療法や薬物療法、筋力トレーニングのリハビリを行います。 手術の場合は、変形して出来た骨棘を取り除く施術を行うのが一般的です。 関節リウマチ 関節リウマチは、手指など遠位部で炎症や痛みが起きることが多いですが、肘関節でも痛みを発生させることがあります。 発生の原因がはっきりしておらず、何が誘因になっているのか不明な点も多いです。 病態としては免疫の異常であり、本来であれば病原菌などの侵害物に対して攻撃を行う免疫が、体の細胞に対して攻撃を行ってしまう現象です。 関節の組織を破壊してしまうため、肘で発症すれば曲げるときに痛みが出て、変形することもあります。 関節リウマチの場合は、薬物療法や運動療法が主な治療法です。 変形が進んでしまっている場合には手術も選択肢に入り、変形による血管や神経の圧迫を防ぎます。 また、人工関節の置換術が行われることもあります。 肘を曲げて痛いときの対処法 肘を曲げて痛いときの対処法は、以下の通りです。 整形外科を受診する 接骨院を受診する 整体を受ける 温める 安静にする 再生医療を受ける 下記ではそれぞれの対処法を詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。 整形外科を受診する 肘に関する症状を精査するなら整形外科を受診してください。 レントゲンやMRIを希望する場合は、大きな病院の中にある整形外科に行った方が確実です。 骨折が疑われる場合はもちろん、明らかに変形が起きている場合も精査が必要です。 腫れが顕著な場合や肘がほとんど曲がらない状態であれば、骨折を含め器質的な異常が隠れているかもしれません。 接骨院を受診する 肘を曲げて痛い原因が筋肉の炎症や関節の動かし方にある場合は、接骨院や整骨院でも有効な治療を受けられます。 整形外科で精査してもらい、骨折や病気でないことを確認してから接骨院や整骨院を受診しましょう。 物理療法・運動療法・手技療法などさまざまなアプローチが可能です。 整体を受ける 肘を曲げると痛い要因が、肩甲骨の動きや背骨のゆがみによって起きているケースもあります。 姿勢が悪く肩甲骨の動きも悪ければ、必然的に肘にも負担がかかります。 肘自体の問題よりも、周りの機能によって二次的なダメージを溜めているケースも存在します。 肘関節に電気治療を行ったり、肘の動きを良くするような手技療法だけでは改善しません。 そのため、整体を受けて姿勢の改善から取り組むことが重要です。 温める 捻挫や打撲でない場合や痛みが出てから数日経過している場合は、温めることが有効なセルフケアになります。 温めることで血流が良くなり、損傷している組織の代謝も上がって回復力がアップします。 サポーターを付けて冷やさないための工夫や、お風呂でしっかり温まるなど簡単なケアでしっかりケアしましょう。 安静にする 早く治そうと思ったら安静にするのが一番です。 リウマチなど放置で症状が進行してしまう場合は別ですが、そうでない限り肘を休めて筋肉疲労・痛みの軽減を目指すことが先決です。 ただし、安静時にも肘まわりの筋力は低下しています。 症状が改善してきたら、適度な運動を取り入れましょう。 再生医療を受ける スポーツによる障害や変形を伴った関節症など、肘に痛みが出る疾患はさまざまですが、痛みを取るには自己の自然治癒力を高めることが重要です。 有効なアプローチとして近年注目を集めているのが再生医療です。 再生医療は、自身の血液や脂肪を用いる特徴があり、「自然治癒力と再生する力」を高める治療法となっています。 血液を用いたPRP(多血小板血漿)療法は、傷を修復させる血液成分を抽出して患部に注射します。 スポーツ選手がケガをした際、手術をせずに早期復帰を目指す治療法としても取り入れられています。 また、脂肪を用いた脂肪由来幹細胞も有効な再生医療です。 幹細胞とは臓器・皮膚・骨・筋肉・靭帯などさまざまな細胞に分化する能力があります。 自身の脂肪から幹細胞を培養し、それを体内に戻すことで自然治癒力が向上します。 この治療法は患部に注射する方法だけでなく、点滴により全身に幹細胞を届けることも可能です。 継続する肘の痛みは放置をせずに適した治療を受けることが重要 肘の痛みは放置をするとより重症化する可能性があるため、自分の症状に合わせて、以下の治療やケアを受けることが重要です。 整形外科を受診する 接骨院を受診する 整体を受ける 温める 安静にする 再生医療を受ける 肘の痛みに対する再生医療は、痛みの原因となっている部位を積極的に修復しながら治癒を目指せる、画期的な治療法です。 リペアセルクリニックでは再生医療のエキスパートとして、肘の痛みに対する幹細胞治療やPRP治療法による治療を数多く手がけてきました。 国内トップクラスの細胞加工室の高い技術で、安全かつ治療成績の良い再生医療を提供しています。 「肘の痛みをもっと和らげたい」 「これまでと違った新しい治療を受けてみたい」 肘の痛みでお悩みの方は、ぜひ一度再生医療専門の当クリニックまでお問い合わせください。
2019.04.11 -
- 足底腱膜炎
「足の裏が痛くて歩けないときの原因は?」 「足裏の痛みの治し方は?」 足裏の痛みによって歩行が難しい場合、どのような原因があるのか、早く治す方法はないか、疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。 足底腱膜炎をはじめとする複数の原因が考えられ、原因に応じて対処法や治療方法が異なります。 本記事では、足の裏が痛くて歩けない原因として考えられる疾患や、主な治療法についてわかりやすく解説します。 足の裏の痛みに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。 「足裏の痛みを早く治したい」「手術は避けたい」という方は、再生医療による治療も選択肢の一つです。 \足裏の痛みに有効な再生医療とは/ 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を向上させることで、足裏の炎症や痛みの原因となっている腱や靭帯の改善が期待できます。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 足の裏が痛くて日常生活に支障が出ている 足裏の痛みを早く治したい 現在の治療では目立った効果が出ていない 症例や治療法については、当院リペアセルクリニックで無料カウンセリングを行っておりますので、ぜひご相談ください。 ▼まずは足裏の治療について無料相談! >>(こちらをクリック)今すぐ電話相談してみる 以下の動画では、実際に当院リペアセルクリニックで再生医療を受け、足底腱膜炎が改善された患者さまの症例を紹介しています。 https://youtu.be/BnVHvOVmQmw?si=6BzBzJOJgyILfozR 足の裏が痛くて歩けないときの原因・病気 足の裏が痛くて歩けない場合、主に以下の原因・病気が考えられます。 足底腱膜炎 骨折 痛風などの炎症性疾患 鶏眼(魚の目) シーバー病 後脛骨筋機能障害 有痛性外脛骨 母趾種子骨障害 モートン病 足の裏が痛くて歩けないときは、痛みの原因は骨や筋肉の異常だけではなく、皮膚トラブルも疑う必要があります。 痛みの原因を推測できれば、受診すべき診療科を判断しやすくなります。 足の痛みがこれらの原因に当てはまる場合は、症状が悪化する前に医療機関を受診しましょう。 足底腱膜炎 足底腱膜炎とは、かかとから足指の付け根をつなぐ足底腱膜が炎症を起こし、痛みが生じる疾患です。 中高年に多い疾患といわれており、以下のような原因が考えられます。 激しいスポーツを長期的に続けている場合 長時間の立ち仕事をしている場合 足裏のアーチ形状の異常(偏平足やハイアーチ) 加齢や運動不足 足と靴のサイズが合っていない マラソンなどのスポーツは足の裏に負荷がかかりやすいため、足底腱膜炎になる可能性があります。 また、加齢や運動不足は足底腱膜を硬くするため、足の裏にかかる体重の負荷を逃しにくくなるのも特徴です。 足の裏はアーチ状になっており、体重の負荷を分散させていますが、偏平足やハイアーチ(土踏まずが高い状態)は足底腱膜にかかる負担が大きくなります。 足底腱膜炎は適切な治療を受けることで改善するため、足の裏に違和感や痛みがある場合は、早めに整形外科を受診しましょう。 骨折 足の裏を骨折すると、腫れや外傷によって歩けなくなる可能性があります。 高所からの転落などで足の裏を強く打ったときは、以下の症状をチェックしてみましょう。 強く打った部分が激しく痛む、またはしびれる 痛みの影響で大量の汗をかく 腫れや内出血がある 足の裏が動かしにくい 足の裏が変形している 骨折直後は痛みを感じない場合もあるため、痛みが強いときはレントゲン検査を受けるのがおすすめです。 骨折は神経障害などの後遺症につながる恐れがあるので、放置しないように注意しましょう。 痛風などの炎症性疾患 痛風とは、体内で過剰につくられた尿酸が結晶化し、関節に沈着して痛みを引き起こす病気です。 足の親指の付け根に激しい痛みが出やすいため、症状が悪化すると足の裏の痛みで歩けなくなるケースもあります。 また、足首やアキレス腱まで痛む場合は、乾癬性関節炎(かんせんせいかんせつえん)や反応性関節炎の可能性も考えられます。 乾癬性関節炎は皮膚の病気ですが、反応性関節炎は感染症によって引き起こされるため、それぞれ治療方法が異なります。 これらの関節炎も症状が悪化すると痛みで歩けなくなる恐れがあるので、乾癬性関節炎は皮膚科、反応性関節炎は内科を受診しましょう。 鶏眼(魚の目) 鶏眼(魚の目)とは、足の裏の一部に刺激が加わり、皮膚の角質が厚くなる症状です。 芯の部分を踏み込むと針が刺さったように痛むため、歩けなくなる場合があります。 たこも皮膚のトラブルですが、角質が外側(表面側)に向かって厚くなり、芯がないので基本的に痛みはありません。 ただし、放置すると症状が悪化し、痛みを伴うケースがあります。 市販薬で改善する場合もありますが、早く治したい方は皮膚科で切除してもらうなどの治療を受けましょう。 シーバー病 シーバー病は走ったりジャンプなどの運動を繰り返したりすることで発症し、かかとの骨に痛みが生じる疾患です。 子どものかかとの骨は柔らかく弱い状態のため、成長期の子どもに多い症状です。 発症した場合は、患部に負担がかからないように安静にし、アイシングなどの応急処置を行いましょう。 後脛骨筋機能障害 後脛骨筋機能障害は、過度な運動やジャンプなど繰り返しの動作で、後脛骨筋へ負荷がかかることで症状が出る機能障害です。 足底のアーチを支える後脛骨筋腱が弱くなり、進行すると以下のような症状が出ます。 足の内側の痛み・腫れ 扁平足 足のこわばり 変形性足関節症 インピンジメント症候群 肥満体型や中年以降の女性など、足底のアーチを支える力が弱い人に多く見られるため、違和感があれば早期に医療機関を受診しましょう。 有痛性外脛骨 有痛性外脛骨は、オーバーユースや捻挫などの外傷により、土踏まずの上あたりにある外脛骨が炎症を起こして痛みが生じます。 腫れや赤みなどの症状のほか、足に合わない靴を履いていることで歩行や運動時に痛みが出ます。 初期段階では安静とアイシングで症状を緩和させますが、炎症が進行した場合は医療機関の指示のもと、物理療法やストレッチを行います。 母趾種子骨障害 母趾種子骨障害は、足底面にある2つの種子骨が骨折や関節症などにより炎症が起こることの総称です。 陸上競技やサッカー、バスケットボールなど走ることが多いスポーツでよく見られ、主な症状は以下のようなものがあります。 親指の付け根(母趾球部)の裏側の痛み 歩行時やランニング時の強い痛み 炎症が悪化した場合腫れや圧痛がある 母趾種子骨障害の治療では、安静や固定、消炎剤の投与などを行いますが、症状が悪化した場合は種子骨の抽出手術を行う場合があります。 モートン病 モートン病は、第3・4指の足裏の付け根の神経が圧迫され、炎症や腫れの症状により足の裏に痛みが出る疾患です。 ハイヒールや先の細い靴、長時間立ち続ける仕事などが原因となりますが、主な症状は以下のとおりです。 足裏に小石を踏んでいるような感覚 足指の付け根の鋭い痛み 焼けるようなしびれ 指先に力が入りにくい 靴を履いていると圧迫感がある モートン病の予防では、足に合う靴を履きインソールを見直すことが重要です。 主な治療法として、薬物療法などが行われますが、症状が悪化している場合は神経を切除する手術なども行われるケースもあります。 足の裏が痛くて歩けない症状の特徴【痛みを感じる場所別】 足の裏が痛くて歩けない症状の特徴には、以下のようなものがあります。 足指の付け根・土踏まず 足の外側・かかと 足の裏の痛みには特徴があるため、どの部分が痛いのか判別しておくと、原因を特定しやすくなります。 痛みを感じる部分や、痛みの種類は以下を参考にしてください。 足指の付け根・土踏まず 足の裏の上側(足指の付け根)や土踏まず・足のアーチ部分が痛む場合、以下の原因が考えられます。 痛みがある部分 痛みの特徴 考えられる原因 足の裏の上側 ・足指の付け根や親指 ・小指の側面が痛む ・骨の出っ張りがある部分が痛む ・外反母趾 ・種子骨の骨折や炎症 ・痛風 ・魚の目やたこ 土踏まず ・土踏まずに力が加わると痛む ・土踏まずが常に痛む ・偏平足 ・足底腱膜炎 足のアーチ部分 ・足指を反らせると足裏全体が痛む ・足底腱膜炎 親指が人差し指に向けて曲がっている場合、外反母趾の可能性があります。 また、親指の付け根が痛むときは、種子骨の骨折や炎症、痛風などが原因です。 足の裏の特定部分だけに刺激が加わると、魚の目やたこができるケースもあり、魚の目は硬くなった皮膚が内部に食い込むため、体重をかけると刺すように痛む場合があります。 土踏まずやアーチ部分が痛い場合は、偏平足や足底腱膜炎になっている可能性があります。 足に合った靴を履く・インソールを活用するなど、症状に合った対策をしましょう。 足の外側・かかと 足の裏の外側・かかとに痛みがある場合は、以下の原因が考えられます。 痛みがある部分 痛みの特徴 考えられる原因 足の裏の外側 ・歩くと足裏の外側が激しく痛む ・安静時にも足裏の外側がズキズキと痛む ・疲労骨折 ・踵骨骨折 ・関節炎や神経障害 かかと ・かかとの内側で前方の部分を押すと痛む ・足底腱膜炎 足の外側やかかとに痛みが生じる場合、過度な運動による負荷や足裏の組織への繰り返しの衝撃が関係していると考えられます。 足の外側の痛みは、疲労骨折によって引き起こされている可能性を視野に入れると良いでしょう。 また、足底腱膜炎は足裏全体に痛みが広がる可能性があるので、かかとの痛みや違和感には注意が必要です。 足の裏が痛くて歩けないときの治療法 の裏の痛くて歩けないときの主な治療法は、以下のとおりです。 保存療法 手術療法 軽い痛みや一時的な痛みなど、初期症状の段階では保存療法が選択されます。 しかし、重症化している場合は手術療法が検討されるケースもあり、一定期間の入院や継続的なリハビリテーションが必要です。 下記では具体的な治療方法について解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。 保存療法 足の裏の痛みが初期段階であれば、保存療法を行います。 保存療法では炎症や痛みを抑えるため、以下の処置が行われます。 湿布・テーピング 患部のマッサージ 足底腱膜を柔軟にするストレッチ 筋力アップのトレーニング 装具の使用(靴底のインソールなど) 注射や鎮痛剤の服用 体外衝撃波治療 保存療法は炎症や痛みの緩和を目的としており、症状に応じて超音波や電気治療を行うケースもあります。 症状が悪化するようであれば、注射や鎮痛剤を服用します。 手術療法 足の裏が重度の足底腱膜炎だった場合、医療機関では手術を行うケースがあります。 手術には以下の種類があり、痛みの原因の除去が主な目的となります。 骨棘切除術:かかとの痛みを取り除くため、骨棘(こつきょく)を切除する手術 足底腱膜切離術:足裏の痛みの原因となる足底腱膜の一部を除去する手術 腓腹筋筋膜切離術:足底腱膜の負担を軽くするため、ふくらはぎの筋膜を切り離す手術 手術のための入院期間は2~3日程度ですが、術後のリハビリテーションには3~6カ月かかる場合があります。 足の裏が痛いときの予防・対処法 足の裏が痛くて歩けないときは、以下の予防・対処方法を実践してみましょう。 足裏にかかる負担を避ける 適切なストレッチを行う 患部をアイシングする 足の裏の痛みは放置しておくと、手術療法を行う場合もあるため、予防や対処法を身につけておくことが重要です。 足裏にかかる負担を避ける 立ち仕事や歩行時など、足の裏にかかる負担が重くなる場合は、以下の注意点を意識しましょう。 足の形やサイズに合った靴を履く 適度な間隔で休憩する 無理な歩行や運動を避ける 靴底のかかと部分にクッション性があると、足底腱膜にかかる負荷を抑えられます。 小さすぎる靴は炎症の悪化を招き、大きすぎる靴も歩行時に負担がかかるので、サイズや形にも注意が必要です。 立ち仕事や歩行が長くなると、足の裏だけではなく、膝や股関節にも大きな負担がかかるため、適度な間隔で休憩を挟みましょう。 無理な歩行や運動を避けておくと、足底腱膜炎などの悪化を防止しやすくなります。 適切なストレッチを行う 立ったり歩いたりする時間が長くなるときは、適度な間隔でストレッチを行いましょう。 片方の脚を後ろに下げ、アキレス腱を伸ばすようにゆっくり曲げると、足底腱膜の疲労が和らぎます。 足底腱膜が固くなっているときは、足の裏をもみほぐしておきましょう。 また、猫背や太ももの筋力低下も足底腱膜に負担をかけるため、デスクワークでは背筋を伸ばし、猫背のまま深く腰掛けないように注意しましょう。 患部をアイシングする 足の裏の痛みの初期段階では、炎症を抑えて痛みを軽減するために患部をアイシングするのも効果的です。 氷嚢やビニール袋に氷を入れて、直接肌に触れないようにタオルなどを使用して患部を冷やします。 長時間冷やしすぎると凍傷になる可能性もあるため、15〜20分程度を目安に冷やしましょう。 足の裏が痛くて歩けないときは再生医療をご検討ください 足の裏が痛くて歩けないときは、原因に応じて適切な治療を受けることで、症状悪化を回避できる可能性があります。 痛みを放置すると気づかないうちに症状が悪化し、日常生活に影響が出たり手術が必要になったりするケースもあるため、初期段階での治療開始が重要です。 手術に抵抗がある方や、長期入院を避けたい方は、再生医療も選択肢の一つです。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を向上させることで、足裏の炎症や痛みの原因となっている腱や靭帯の改善が期待できます。 再生医療について詳しく知りたい方は、当院リペアセルクリニックへご相談ください。
2019.04.10 -
- テニス肘
- 肘
- スポーツ医療
日常生活で特に思い当たる原因がないのに、ジンジンとした痛みや違和感を抱える方は少なくありません。 このような痛みが続くと、普段の動作に支障をきたしたり、不安を感じたりすることもあります。 本記事では、肘の外側が痛む原因として考えられる上腕骨外側上顆炎(テニス肘やスマホ肘)や神経痛について詳しく解説します。 肘の痛みを抱える方が少しでも安心して対策を講じられるよう、お役立ち情報をお届けします。 何もしてないのに肘(外側)が痛む原因 何もしていないのに肘の外側が痛む主な原因は、上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)と呼ばれる肘の病気です。 別名でテニス肘やスマホ肘とも呼ばれ、老若男女問わず発症する可能性があります。 上腕骨外側上顆炎の概要や治療法、予防法について詳しく解説します。 上腕骨外側上顆炎(テニス肘・スマホ肘)とは 上腕骨外側上顆炎とは、別名でテニス肘・スマホ肘と呼ばれる病態です。上腕骨にある外側上顆で炎症が起きる症状を指します。 上腕骨外側上顆炎の根本的な原因は、肘関節よりも前腕の筋肉群で生じる過度な負担です。手関節や手指の伸展動作に関わる筋肉で、前腕の伸筋群と呼ばれます。 前腕の伸筋群は上腕骨の外側上顆から前腕を通過し、手関節の先まで通っています。そのため、前腕の伸筋群を使いすぎによるダメージの蓄積が外側上顆にも負担をかけているのです。 ぶつけていないのに肘が痛くなるのはなぜ? 手関節や手指を繰り返し動かすことで前腕伸筋群が伸張を繰り返し、その牽引力が外側上顆の一点にかかります。 これが長時間・長期間続くことで徐々に外側上顆が炎症を起こし、結果的に伸ばすと痛い・曲げると痛いといった何もしなくても肘の外側に異常が生じるのです。 前腕の筋肉を酷使するテニスプレーヤーに多い症状であることから、テニス肘と別名がついています。 また、長時間にわたる操作でスマホを持つ(支える)前腕の筋肉が硬直し、外側上顆に負担をかけることからスマホ肘とも呼ばれています。 そのため、前腕をよく使うスポーツ選手はもちろん、何気ない日常生活から万人が発症します。 肘関節の構成 肘の関節は、上腕骨・前腕の橈骨(とうこつ)・尺骨(しゃっこつ)の3つの骨で構成されています。 肘関節を詳細に分類すると3つの関節が1つの関節包の中に納まっています。 肘関節を動かす最も大きな筋肉は上腕二頭筋です。肘関節の屈曲と前腕の回外の運動に関わっています。 上腕二頭筋は肩甲骨から上腕を通過して前腕まで通っているため、肩関節の異常が肘関節に影響する可能性もあります。 また、肘関節伸展に関わる主な筋肉は上腕三頭筋です。これも肩甲骨から上腕を通過して前腕まで通っています。 肩関節から肘関節にかけてコントロールする筋肉なので、肩関節の使い方次第で肘関節に影響を及ぼします。 上腕骨外側上顆炎の症状 上腕骨外側上顆炎はどなたでも起こり得る症状ではありますが、30~50代の女性の発症率が高い傾向にあります。筋力の弱さやホルモンバランスが関係しているとされています。 外側上顆炎は伸筋群が原因であるにも関わらず、手関節の伸展や手指の伸展以外の動作でも肘の外側に痛みを発生させます。 日常生活の動作では、以下の状況で痛みを感じます。 打撲や捻挫のように、一度の外力で急に外側上顆炎になることよりも、日常生活の動作の中で少しずつ負担を蓄積して発症するケースが多いのが特徴です。 そのため、治療が長期間に及ぶことも珍しくありません。 上腕骨外側上顆炎の治療方法 医療機関での上腕骨外側上顆炎の治療方法を紹介します。 上記の治療方法は、症状の程度や患者さんの状態に応じて選択されます。 とくに、再生医療は組織の修復や回復を促進する方法として、効果が期待されています。 1.電気治療 痛みがある肘の外側・前腕の筋肉を中心に行う、低周波や干渉波の電気治療が行われることがあります。 主な目的は前腕の筋肉で起きている緊張を取り除くことと、血流を良くすることです。 しかし、上腕骨外側上顆炎は炎症かつ筋肉の緊張による牽引力が原因であることから、稀に電気治療によって悪化してしまうケースもあります。 電気刺激が強すぎると、かえって自分の体を守ろうとする防衛機能が働き、逆に筋緊張を強めてしまうのです。 同反応が見られた場合は、電気刺激を弱めるか別の保存療法を選択します。 2.手技療法 前腕の筋肉をマッサージやストレッチでほぐすことが主な手技療法です。 上腕骨から指先まで通っている伸筋群もあるため、前腕だけでなく手指の動きを良くすることにもつながります。 手指の動きが良くなれば必然的に外側上顆の負担は減り、肘の外側の痛みが改善する仕組みです。 3.温熱療法 外側上顆炎の患者の中には、お風呂に入った後に少し痛みが軽減する方もいます。 これは、温められることによって血流が良くなり、前腕伸筋群の緊張が和らいだことが要因です。 そのため、赤外線などで外側上顆から前腕にかけて温熱療法を行いつつ、手技療法や運動療法をあわせて行うことで改善を早めます。 4.運動療法 運動療法は、肘関節の正しい動かし方を身につけたり、手関節や手指関節の動きをスムーズにしたりとさまざまな療法が存在します。 もちろん、痛みの程度を見ながら無理のない範囲で徐々に行うことが大切です。 肩関節や肩甲骨の動きが間接的に肘関節に影響を及ぼすため、肩関節の動きを良くして可動域を広げることが外側上顆炎の治療において重要です。 5.背骨の矯正 背骨や骨盤のゆがみを改善することで、外側上顆炎の改善効果が期待できます。 矯正によって姿勢が整うと、肩甲骨や胸椎の動きが正しくスムーズになり、肩関節の可動域が広がります。 肩関節の可動域が広がることで、肘関節への負担が軽減され、結果として手関節や手指の動きがスムーズになるのです。 外側上顆炎の治療では、肘だけに焦点を当てるよりも、背骨のゆがみを含めた全身のバランスを整える方が早期の改善につながりやすいとされています。また、再発予防にも効果的です。 6.再生医療 再生医療は幹細胞や血液を活用して損傷した組織の修復や再生を促進する治療法です。 上腕骨外側上顆炎のような慢性的な炎症や組織損傷に対して、有効な治療方法の一つとして挙げられます。 再生医療は従来の治療法では改善が難しい症例にも効果が期待され、早期の症状緩和や機能回復が目指せます。また、自身の細胞を利用する再生医療は副作用が少ない点も特徴です。 肘の痛みが長引いている場合や、より根本的な治療を検討している方は、ぜひ当院へお気軽にご相談ください。 上腕骨外側上顆炎の予防方法 上腕骨外側上顆炎は一度なってしまうと治癒まで比較的時間がかかる症状であり、一度良くなった後も再発するケースが多いです。 そこでこの項目では、自分でできる上腕骨外側上顆炎の予防方法をご紹介します。 肘の痛みにお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。 1.ストレッチ 前腕の伸筋群に疲労が蓄積することで外側上顆炎のリスクが高まることから、こまめな前腕のストレッチが予防に有効です。 外側上顆炎を発症した初期はストレッチの動作でも痛みを感じることがあるので痛みが軽減してから習慣にしてください。 やり方は簡単で、手関節の屈曲と伸展方向にゆっくりと伸ばすだけです。 しかし、伸筋群のみのストレッチでは外側上顆炎の再発予防としては不十分です。 屈筋群に緊張があるままだと、手関節伸展がしにくくなり、余計な筋力を発揮させて伸展動作を行わなければならなくなります。 外側上顆の負担を増す原因になるので、屈筋群もあわせてストレッチしておくことが大切です。 2.肘と前腕を温める 冷えは筋肉の緊張を生みやすいので、基本は温めるようにした方が改善の助けになります。 お風呂でしっかり温まることはもちろん、電子レンジなどで蒸しタオルを作って肘の外側から前腕にあてておくだけでも良いセルフケアです。 安価な物でも良いので、肘全体を覆うタイプのサポーターをするのも冷え対策につながるためおすすめです。 神経痛によって肘の外側が痛むこともある! 首から上肢にかけて通っている神経が圧迫されることによって肘の外側で痛みを発生させている場合もあります。 この項目では、肘の痛みの原因となる神経痛の概要や治療方法についてご紹介します。 頚椎ヘルニア・神経痛とは? 神経を圧迫する主な原因の一つに、頚椎ヘルニアが挙げられます。 この疾患は、神経が圧迫されることでさまざまな症状を引き起こします。 姿勢の悪いデスクワーク、バイクの長時間運転などにより、頚椎ヘルニアになってしまうと上記のような症状が現れます。 また、姿勢の悪さから頸椎ヘルニアになった場合は、肩甲骨の内側や外側の痛みや首自体の痛みも同時に感じるケースが多くあります。 肘の外側の痛みに加え、体幹に近い部位に痛みが点在している場合は、神経症状が原因である可能性を考慮することが重要です。 頚椎ヘルニア・神経痛の治療方法 肘の外側で出る痛みが神経痛であった場合、肘の動きの改善や前腕・上腕のマッサージは根本的な治療にはなりません。 神経が発生している背骨から治療していく必要があります。 この項目では、頚椎ヘルニア・神経痛の主な治療方法を5つご紹介します。 1.薬物療法 痛み止めや、ビタミン剤が薬物療法として主に使用されます。 あくまでも薬物療法は鎮痛作用を促すためのものです。 完治にはつながりにくいものの、日常生活に支障をきたす辛い痛みを防ぐ補助的な目的で利用します。 2.温熱療法 神経痛においても温めることが有効な治療方法です。 血流が良くなる上に筋肉の緊張が取れるため、神経の圧迫の軽減につながります。 3.牽引治療 整形外科では、頚椎を牽引して治療することが多いです。 牽引により背骨全体の筋肉がストレッチされ、神経の通り道を広くすることに期待できます。 しかし、牽引治療だけでは完治に至らない場合が多いです。 4.整体 姿勢を改善して首の負担を取り除くことや、関節の動かし方を改善して頚椎から出る神経を圧迫しないような体作りをしていきます。 手術以外の方法の中でも有効な治療方法であり、早期改善と再発予防につながりやすいです。 5.手術療法 スポーツ選手など特別な事情がある場合を除いては稀な選択と言えますが、頚椎の手術も有効な治療のひとつです。 頚椎のシビアな場所だけに、一般的には最終手段として選択される治療方法です。 肘に痛みが生じている際のストレッチ 肘の痛みが生じている際には、適切なストレッチを行うことで症状の緩和が期待できます。 以下に、肘の外側および内側に効果的なストレッチ方法をご紹介します。 肘の外側に効果的なストレッチ 肘の外側の痛みを和らげたいときは、下記のストレッチを試してみてください。 ストレッチは無理をせず、痛みを感じない範囲で行いましょう。 肘の内側に効果的なストレッチ 続いては、肘の内側の痛みを和らげるストレッチです。 ストレッチを行う際は、無理のない範囲でゆっくりと行い、痛みが強くなる場合は中止してください。 また、症状が長引く場合は専門医にご相談ください。 肘が痛む際に自分でできる対処法はある? 肘の痛みを和らげるために、自宅で簡単にできる対処法をいくつかご紹介します。 対処法 効果と説明 サポーターの使用 肘を固定し、動きを制限することで負担を軽減。炎症や痛みの緩和が期待でき、作業や運動中に効果的。 湿布を貼る 消炎鎮痛効果のある湿布で炎症や痛みを緩和。冷感タイプは急性の痛みに、温感タイプは慢性的な痛みに適している。 テーピング 筋肉や関節をサポートして痛みを軽減。専門家に貼り方を教わると効果的で、運動や日常動作の負担を軽くする。 安静にする 痛みが強い場合は肘を安静に保ち、過度な動作を避けることで症状を悪化させない。負荷のかかる作業や運動を控える。 冷却または温める 急性の痛みにはアイスパックで冷却、慢性的な痛みには温める方法が有効。痛みのタイプに応じて使い分ける。 これらの対処法は一時的な痛みの軽減に役立ちますが、痛みが長引く場合や悪化する場合は、医療機関での診察を受けることをおすすめします。 何もしてないのに肘の外側が痛む方からよくある質問 肘の外側が何もしていないのに痛む症状について、多くの方が疑問や不安を抱えています。 そこでこの項目では、よくある質問に対して医師の観点から回答します。 これらの質問に対する正しい理解を深めることで、症状への不安を軽減し、適切な対応が取りやすくなります。 気になる症状がある場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診しましょう。 何もしていない肘の痛みはガンの可能性もある? 結論から言えば、肘の痛みがガンである可能性は非常に低いですが、完全に否定はできません。 肘の痛みの大半は、上腕骨外側上顆炎(テニス肘)や神経痛によるものです。 ただし、痛みが長期間続く、急激な体重減少を伴うなどの場合はガンの可能性も考えられるため、専門医の診断を受けることをおすすめします。 ガン以外にも、関節リウマチなどの自己免疫疾患の可能性もあるため、早期発見・早期治療が重要です。 不安な症状がある場合は、まずは医療機関を受診し、適切な検査と診断を受けましょう。 ジンジン・ズキズキする肘の痛みはすべて神経痛やテニス肘? ジンジンやズキズキといった肘の痛みは、必ずしもすべてが神経痛やテニス肘が原因ではありません。 肘部管症候群・滑膜ひだ症候群・単純な筋肉の張りなど、考えられる疾患はさまざまです。 正確な診断と適切な治療のためには、症状の詳細な観察と医師による専門的な診断が重要です。 自己診断は避け、持続する痛みがある場合は整形外科をはじめとする医療機関を受診しましょう。 何もしていない肘の痛みは内側にも発症する? 肘の痛みは外側だけでなく、内側にも発症する可能性があります。 何もしていないのに肘の内側に痛みを感じる主な原因として、上腕骨内側上顆炎が考えられます。 この症状は、手首を曲げる筋肉や前腕の筋肉が肘の内側の骨(上腕骨内側上顆)に付着する部分で炎症を起こすことで生じます。 とくに、ゴルフやテニスのバックハンド、野球の投球動作など手首を曲げる動作を繰り返す人に多く見られます。 また、デスクワークなどで長時間同じ姿勢を取り続けることでも発症することがあります。 本記事で紹介した上腕骨外側上顆炎の内側版と覚えていただいても差し支えありません。 何もしてないのに肘の外側が痛む原因まとめ 肘の外側で起きる痛みは、肘や前腕で問題が起きている場合と頚椎など中枢に近い部分で問題が起きている場合の2種類があります。 両者は治療方法も異なるので、どこで問題が起きているのか見極めるのが大切です。 何もしていないのに発症する外側の肘の痛みを早期に改善したい方は、医療機関を受診し専門医に相談するよう心がけましょう。 また、当院でも肘の痛みに関するご相談を受け付けています。どうぞお気軽にお問い合わせください。
2019.04.08 -
- 変形性膝関節症
膝を曲げると内側に痛みや違和感を感じ、原因を特定したいとお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか? 膝の内側に痛みが出る場合、変形性膝関節症などの疾患や運動時のケガなどの可能性を考慮する必要があります。 放置すると痛みが慢性化したり、症状の悪化へとつながるため、違和感を感じたら早期に適した対策を行うことが重要です。 そこで本記事では、膝の内側に痛みが出る主な原因について深堀りしながら、自宅でできる応急処置や痛みを予防・再発防止する方法について紹介してきます。 【本記事で分かること】 膝の内側に痛みが出る主な原因とは? 自宅でできる応急処置 膝の内側の痛みを予防・再発防止する方法 自分に適した対策方法を見つけ、膝の痛みの慢性化を防ぐためにも、ぜひ参考にしてみてください。 膝の内側に痛みが出る主な原因とは? 膝の内側が曲げると痛い主な原因として、変形性膝関節症や鵞足炎(がそくえん)・半月板損傷などが考えられます。 変形性膝関節症の初期症状 鵞足炎(がそくえん) 半月板損傷や内側側副靭帯損傷の可能性 疲労骨折やO脚などその他の原因 下記ではそれぞれの症状について詳しく紹介していくので、原因を特定するためにも、ぜひ参考にしてみてください。 変形性膝関節症の初期症状 変形性股関節症の初期段階では、以下のような痛みや違和感のサインが現れる場合があります。 膝の内側を曲げると痛い 股関節の動きが悪い 階段の昇降がつらい 立ち上がりや一歩目に痛みを感じる 変形性膝関節症の初期症状は、「立ち上がりや歩き始めに膝の内側が痛い」「階段の昇降がつらい」などの違和感から始まる傾向があります。 特に膝の内側を曲げたときに痛みが出る場合、軟骨のすり減りによる炎症が進行している可能性も。 初期症状は、常に現れるわけではなく、現れたり消えたりを繰り返す場合があります。 しかし症状が進行すると安静時も痛みが生じるので、股関節に違和感がある場合、早めに診察を受けておくことが重要です。 鵞足炎(がそくえん) 膝の内側を曲げると痛い場合、膝の内側の腱が炎症している「鵞足炎(がそくえん)」の可能性もあります。 特に膝の脛骨の内側に鋭い痛みがある・階段の昇降時やしゃがみ動作でチクチクするような痛みを感じる方は、鵞足炎の可能性が高い傾向があります。 鵞足部には、太ももの内側や後面から伸びる縫工筋・薄筋・半腱様筋という3つの筋肉の腱が付着しており、スポーツによる使いすぎなどで炎症を起こす場合が多いです。 外傷ではなく膝の使いすぎが原因となる傾向があり、比較的若年層~中高年のスポーツ愛好者にも発症が見られます。 治療としては安静とアイシングによる炎症の抑制やテーピングによるサポートなど、保存療法が主流です。 鵞足炎を放置して自己判断で運動を続けると、炎症が悪化し慢性化する恐れもあるので、違和感を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。 半月板損傷や内側側副靭帯損傷の可能性 膝の内側を曲げると痛い症状が急に現れた場合は、膝関節内のクッションである半月板の損傷や膝の安定性を支える内側側副靭帯の損傷の可能性もあります。 疾患名 主な原因と症状 半月板損傷 ・原因 ↳スポーツ中のひねり動作、加齢による変性など ・症状 ↳膝の引っかかり感やロッキング(動かせない)・特定の角度で曲げると膝内側に鋭い痛み 内側側副靭帯損傷 ・原因 ↳スポーツや事故で膝に外側からの強い力が加わるなど ・症状 ↳膝内側の圧痛・腫れ・膝を曲げたり体重をかけたりするときの内側の痛み 上記の疾患は若い方でも起こりうる怪我であり、膝を特定の角度に曲げた時や体重がかかった時に鋭い痛みとして感じられることが多いのが特徴です。 放置すると症状が悪化したり、将来的に変形性膝関節症へ移行するリスクを高めたりする可能性もあるため、早期の適切な診断と治療が重要となります。 疲労骨折やO脚などその他の原因 膝の内側を曲げると痛い場合、脛骨の疲労骨折や膝の内側への負担を増大させるO脚が原因の場合もあります。 特に慢性的な痛みや繰り返す症状がある場合は、注意が必要です。 状態と疾患名 主な原因・症状や影響 疲労骨折 ・原因 ↳ランニングなど繰り返しの負荷による骨への微細なひびが入る ・症状 ↳運動中や運動後だけでなく安静時にも局所的な痛みや腫れ O脚(内反膝) ・原因 ↳姿勢や歩き方の癖が原因で両膝が外側に弯曲し、膝の間に隙間ができる ・影響 ↳変形性膝関節症や半月板損傷、鵞足炎のリスクを高める すねの内側に発生する疲労骨折は、初期には膝の内側に鈍い痛みを感じ、休息で軽快するものの運動を再開すると再び痛むのが特徴です。 特に、ジャンプ動作や体重移動時にズキズキした深部の痛みがある場合は、疲労骨折を疑う必要があります。 O脚は膝の内側に持続的な圧力がかかる特徴があり、内側関節への負担が蓄積されることで、痛みや関節の変性を引き起こします。 O脚が進行すると、変形性膝関節症の発症リスクも高まるため、放置せず日頃の姿勢や歩き方の癖を見直すことが重要です。 自宅でできる応急処置 膝の内側の痛みが急に生じた際に自宅でできる応急処置の基本として、RICE処置が有効です。 RICEとは、Rest(安静)・Ice(冷却)・Compression(圧迫)・Elevation(挙上)の4つの基本的な処置法を指します。 Rest(安静) 損傷した筋肉に負担をかけないように患部をできるだけ動かさないようにする Ice(冷却) 急性の炎症や腫れを抑えるため、アイスパックや冷却ジェルで患部を冷やす Compression(圧迫) 腫れが抑え血液やリンパ液の滞留を防ぐために弾性包帯などで患部を適度に圧迫する Elevation(挙上) 受傷した部位を心臓より高く挙げておくことで、腫れを最小限に抑える 冷却を行う際は受傷後24時間~72時間以内に行うと効果的で、腫れや痛みを軽減につながります。 15〜20分を目安に行い、皮膚を傷めないようにタオルなどで包んでアイスパックや冷却ジェルを使用しましょう。 RICE処置を的確に行うことで内出血や腫れ・痛みの程度を最小限に抑え、結果として治癒期間の短縮や重症化の防止につながります。 膝の内側の痛みを予防・再発防止する方法 膝の内側の痛みを予防・再発防止するためには、膝関節への負担を日頃から軽減する生活習慣を心がけ、関節の柔軟性を保つことが重要です。 【予防・再発防止するための方法】 筋力トレーニングとストレッチで関節の柔軟性を保つ 膝関節への負担を日頃から軽減する生活習慣を心がける 下記では簡単にできるストレッチ方法や、日ごろ意識したい生活習慣について解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。 筋力トレーニングとストレッチで関節の柔軟性を保つ 膝の内側を曲げると痛い症状を予防・改善するためには、筋力の強化と柔軟性の維持が欠かせません。 大腿四頭筋やハムストリングスなど太ももの筋肉をターゲットにして、ストレッチを行うことで、膝関節の安定性を高めて動作時の痛みを軽減します。 【おすすめのストレッチ】 太もも前側のストレッチ ↳片足立ちで膝を曲げ、足首をつかんで伸ばす ハムストリングスのストレッチ ↳床に座って脚を前に伸ばし、つま先に手を伸ばす 股関節の開脚ストレッチ ↳あぐらの姿勢で膝を地面に近づける 上記のストレッチを正しいフォームを意識しながら、無理のない範囲で継続して、関節の柔軟性を保ちましょう。 筋力トレーニングとストレッチは、痛みの再発防止だけでなく日常生活の動作をスムーズにし、関節を健康に保つ鍵となります。 膝関節への負担を日頃から軽減する生活習慣を心がける 膝の内側の痛みを防止するためには、日常生活の中で膝関節にかかる負担を少しでも減らす工夫を意識的に取り入れることが重要です。 特に膝の内側に負担がかかりやすい方は、生活の様々な場面で注意が必要です。 膝関節への負担を軽減するための具体的な生活習慣のポイントは以下の通りとなります。 生活習慣のポイント 工夫と注意点 座り方 床座り(正座・あぐら)は膝に負担となるので椅子中心の生活を意識する 体重管理 適正体重の維持を心がける 日常動作の工夫 ・立ち座り ↳支えを使いゆっくり行う ・階段昇降 ↳手すりを使い一段ずつ、特に下りは慎重に ・荷物の持ち方 ↳膝を曲げ腰を落とし、荷物を体に近づけて持つ 靴の選択 クッション性が高く安定した靴を選ぶ 長時間の同一姿勢を避ける 30分~1時間に一度は立ち上がったり、軽く膝を動かす 猫背やガニ股歩きなど、重心が片側に偏る姿勢は膝の内側に負荷を集中させるので、膝とつま先の向きを揃えることを意識して正しい姿勢を保ちましょう。 また靴の選択も重要で、底が硬くグリップ力のない靴は、膝にダイレクトな衝撃を与えます。 ウォーキングや日常用には、衝撃吸収性の高いスニーカーやインソールを活用しましょう。 生活習慣の見直しは、すぐに効果が現れるものではないかもしれませんが、長期的に見れば痛みを軽減し膝の健康寿命を延ばすために有効です。 できることから少しずつ取り入れ、無理なく継続していくことが大切です。 膝の内側の痛みを放置するリスクについて解説 膝の内側を曲げると痛い症状は、放置してしまうと痛みが慢性化して日常生活に深刻な支障をきたす可能性があります。 原因となっている疾患が進行し関節の変形が進むなど、様々なリスクが生じるため、早期の適切な対処が不可欠です。 膝の内側の痛みを放置することで考えられるリスクは、以下の通りです。 症状の悪化と慢性化 関節変形の進行と機能障害 日常生活の質の低下(QOLの低下) 治療の長期化と手術リスクの増大 痛みの原因が変形性膝関節症などである場合、放置すると軟骨のすり減りがさらに進み、骨の変形やO脚の悪化などが進行します。 膝の可動域に制限が生じ、歩行能力の低下や日常生活動作に支障をきたし、生活の質の低下につながるリスクも。 また初期の段階であれば、保存療法で症状の改善が見込める場合でも、放置して症状が進行すると、治療が長期化したり手術を検討しなければいけない可能性が高まります。 上記のリスクを避けるために、膝の内側に痛みや違和感を感じたら、早い段階で整形外科などの専門医を受診して正確な診断を受けることが重要です。 慢性的な膝の痛みには再生医療という選択肢も検討する 慢性的な膝の痛みには、傷ついた組織を修復させる再生医療という選択肢の検討もおすすめです。 再生医療とは、自己の細胞や血液成分を利用して損傷した組織の修復・再生を促す治療法で、手術に頼らずに関節の機能改善や痛みの軽減を目指します。 【再生医療の特徴】 PRP療法(多血小板血漿注入療法) ↳患者自身の血液から抽出した血小板成分を膝関節内に注入し、自己治癒力を高める 幹細胞治療 ↳脂肪組織などから採取した細胞を培養・注入し、炎症の抑制や組織再生を促進する 治療方法は注射や点滴のみとなっており、日帰りで治療を受けられるため、手術や入院の必要がありません。 再生医療は体への負担が軽く、治療期間の短縮化も期待できるので、プロのスポーツ選手にも活用されています。 リペアセルクリニックでは、医学的根拠に基づいた幹細胞治療やPRP療法を中心に、一人ひとりの症状に合わせたオーダーメイドの再生医療プログラムを提供しています。 丁寧なカウンセリングを行い、患者様の目指す状態まで寄り添って治療していくので、膝の痛みでお悩みの方はぜひご相談ください。 膝の内側の痛みは早期に最適な治療を選び、膝の健康を守ることが重要 膝の内側が曲げると痛い主な原因として、変形性膝関節症や鵞足炎(がそくえん)・半月板損傷などが考えられます。 変形性膝関節症の初期症状 鵞足炎(がそくえん) 半月板損傷や内側側副靭帯損傷の可能性 疲労骨折やO脚などその他の原因 膝の内側に痛みを感じ始めた初期の段階では、「そのうち治るだろう」と自己判断してしまいがちです。 しかし適切な対処をせずに放置してしまうと、症状が悪化・慢性化するリスクが高まります。 痛みを感じた時点で原因を見極め、症状の進行度に応じて最適な対処を早期に行うことが回復のために重要です。 慢性的な膝の内側の痛みにお悩みの方は、再生医療の検討もおすすめです。 再生医療は患部への注射や点滴のみで回復が目指せ、日帰りで治療を続けられます。 リペアセルクリニックでは、自己幹細胞を用いた幹細胞治療やPRP療法を通じて、変形性膝関節症や半月板損傷などの慢性膝痛の根本改善を目指す治療を提供しています。 丁寧にカウンセリングを進めていき、手術に頼らず痛みの改善と機能回復の両立を目指せます。 慢性痛に悩みながら現状維持を続けるのではなく、改善を目指す一歩として、ぜひリペアセルクリニックに相談してみてください。
2019.04.08