野球選手が肘に発症しやすい関節ねずみとは?放置してしまった場合や治療方法を解説
公開日: 2019.09.08更新日: 2024.12.05
激しい動きの多いアスリートは、一般人よりもケガのリスクに悩まされます。
肘を酷使する野球選手も例外ではありません。野球選手の多くは肘の痛みに悩まされています。「関節ねずみ」も肘の痛みの一種です。
本記事では、関節ねずみの症状や治療法を紹介します。症状や痛みに合わせて治療法を検討してください。
この記事を読むとわかること |
目次
野球選手の肘に発症することが多い関節ねずみとは
「関節ねずみ」とは、関節内で剥がれ落ちた軟骨・骨のかけらや、あるいは骨の変形によって生じた骨棘(こっきょく)・骨のとげが剥離して関節内に遊離することが原因となって生じます。
肘の関節を酷使する野球選手などに見られる症状です。
無症状のときもありますが、関節の狭い部分に挟まったり引っかかったりすると、激しい痛みが生じ、関節の可動域が制限されます。
関節を動き回る「関節遊離体」が俗に「関節ねずみ」と呼ばれます。
関節ねずみの症状
関節ねずみの症状には主に4つあります。ご自身の症状に当てはまるか確認してください。
関節ねずみの症状
|
関節ねずみは必ずしも痛みがあるわけではありません。症状は多岐に渡り、多く見られるのは肘が曲げづらくなる症状です。肘に違和感がある場合は通院を検討してください。
関節内遊離体
関節内遊離体は肘の違和感・痛みが主な症状です。
野球だけでなく、テニスやバスケットボールプレイヤーや高齢者も発症する可能性があります。
肘が通常よりも曲げにくい・伸ばしにくい場合や曲げ伸ばしで関節から音が聞こえる場合は、関節ねずみ(関節内遊離体)を疑ってください。
肘の動かしづらさは重症化すると日常生活にも影響を及ぼします。
関節遊離体を起因とする変形性肘関節症
関節遊離体(関節ねずみ)の再発を繰り返すと、骨片が軟骨にダメージを与え変形性肘関節症を引き起こす原因となります。
変形性肘関節症が進行すると、肘を動かすのが困難になるだけでなく、手がしびれて指を動かすのも難しくなるほど重症化するのです。
関節ねずみが損傷を助長させて変形性肘関節症を悪化させるケースもあります。
関節ねずみを放置するとどうなるの?
関節ねずみが関節に挟まると、痛みとともに肘の可動域が制限されます。日常生活にも支障をきたし、放置すれば生活の質を大きく下げてしまうでしょう。
関節ねずみが関節から外れると治ったように感じるかもしれませんが、それは関節ねずみが移動しているだけです。また関節に挟まって、痛みが再発する可能性があります。
関節ねずみを治療する方法は?
骨片や骨棘が完全に剥離していない場合には、保存療法で経過を観察します。しかし、完全に剥離して遊離体となっている場合には、自然治癒には期待できません。
症状が重い場合は、関節鏡視下手術や骨軟骨移植などの手術を行います。手術の場合は数日間の入院と、数か月の安静期間が必要です。
しかし、アスリートが数か月も練習できないとなると、選手生命が危ぶまれます。少しでも早い復帰を考えるのであれば、「再生医療」をご検討ください。
負担が少ない関節鏡視下手術
関節鏡視下手術とは、 関節内に直径1~4mmの内視鏡を用いて関節内を観察しながら患部を手術する方法です。
関節鏡視下手術の特徴
|
患者の負担が少ないほか、感染症のリスクも低いため関節遊離体の手術には関節鏡視下手術が行われるケースがあります。傷口が小さく体の負担が小さいのがメリットです。
一般的に、手術費用は約25万円ほどかかります。
手術を必要としない再生医療
再生医療は患者さんの組織や細胞を利用して臓器や組織を修復する医療技術です。
副反応のリスクが低く、安全性が高い医療技術として注目されています。
再生医療は競技復帰までの期間が早い、手術に比べて体への負担が少ないなどのメリットがあります。
まとめ・野球選手の選手生命にも関わる肘の悩み「関節ねずみ」について
関節ねずみは肘の可動域が制限される、肘が痛むなどの症状が見られます。
このような症状があると野球選手としての活動だけでなく日常生活にも支障をきたすでしょう。
症状が見られたときには、安静にして、早期に適切な治療を受けることが重要です。
その際、安全性が高く早期の回復に期待できる再生医療による治療もご検討ください。