肘のクリーニング手術とは?費用や野球選手が復帰するまでの期間を解説【医師監修】

公開日: 2019.09.08
更新日: 2025.07.31

「肘のクリーニング手術とは?」
「どのような症状に行われる手術なの?」

肘の痛みに対する手術を検討している方の中には、上記のような疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。

肘のクリーニング手術とは、主に「関節ねずみ(関節内遊離体)」の治療のために行われる手術の一つです。

本記事では、クリーニング手術が適応される症状や手術にかかる費用について解説します。

肘の痛みや可動域の制限でお悩みの方は、クリーニング手術がどのような治療なのかを正しく理解しましょう。

また、肘の痛みを手術せずに治療できる可能性がある再生医療も選択肢の一つです。

当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、肘関節の治療にも有効な再生医療に関する治療法や症例を配信中です。

「肘の痛みを手術せずに治したい」という方は、この機会に再生医療について確認しておきましょう。

\公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ リペアセルクリニック 公式LINE画像

LINE限定で無料オンライン診断を実施中!
>>簡単30秒で診断してみる

クリーニング手術とは?野球選手必見

クリーニング手術とは、肘関節の損傷した軟骨や遊離体を取り除く手術のことです。

肘の治療において、主に以下の2つの症状に対して行われます。

以下では、手術内容について詳しく解説します。

関節ねずみの治療法として有効

関節ねずみの除去にクリーニング手術が行われるケースがあります。

関節鏡視下手術
  • 関節鏡や器具を挿入して遊離体を取り除く
  • 傷口が小さいことが特徴
開放手術
  • 関節を直接開いて手術を行う
  • 関節鏡視下手術が難しい場合に検討される

クリーニング手術で関節ねずみを取り除くことによって、痛みや炎症の軽減、可動域制限の改善などが期待されます。

関節ねずみを放置すると以下のようなリスクがあるため、注意が必要です。

関節ねずみを放置するリスク

  • 痛みが慢性化する可能性
  • 関節の可動域が狭くなる
  • 関節の損傷が悪化する可能性

関節内で遊離体が動きを妨げることで肘の可動域が狭くなり、腕の動作に影響が及ぶ可能性があります。

痛みや関節の損傷を悪化させないためにも、早めに適切な治療を受けることが重要です。

野球肘に手術が検討されるケースもある

肘のクリーニング手術は、野球肘にも適応されるケースがあります。

野球肘とは、投球動作による肘関節の酷使が原因となって現れる肘の障害の総称です。

内側側副靭帯損傷や、離断性骨軟骨炎などの野球選手に多いスポーツ障害も野球肘に含まれます。

基本的には保存療法で改善が期待されますが、効果が見られない場合はクリーニング手術を検討することも選択肢の一つです。

しかし、野球肘にはさまざまなタイプがあり、それぞれ適した治療法が異なるため、クリーニング手術が適応されるかどうかは医療機関に問い合わせましょう。

肘のクリーニング手術にかかる費用

肘のクリーニング手術にかかる費用の目安は、20〜30万円程度です。

ただし、手術を実施する医療機関や入院期間、施術の内容によって費用が異なる点に注意しましょう。

高額療養費制度を利用できる可能性があり、実際の自己負担額を減らすことも可能です。

正確な費用を知りたい場合は、医療機関に問い合わせてみましょう。

肘のクリーニング手術における競技復帰までの期間

肘のクリーニング手術後にスポーツ復帰できるまで、早くても約3〜6カ月かかります。

手術後の回復までの期間とそれぞれの期間で行われる対応は、以下の通りです。

期間 主な対応
手術直後~2週間
  • 痛みや腫れの管理が中心
  • ギプスやシーネで固定
  • 安静
2週間~2カ月
  • 可動域を広げるリハビリを開始する
  • 日常生活動作の制限が緩和される
2カ月~3カ月
  • 軽いトレーニングが開始される
  • キャッチボールなどの競技特有のトレーニングを取り入れる
3カ月以降
  • 本格的な競技への復帰

上記は目安であり、回復までの期間には個人差があることを覚えておきましょう。

競技復帰には3~6カ月程度の期間が必要なので、継続的なリハビリテーションが重要です。

クリーニング手術は肩や膝の関節疾患の治療にも有効

クリーニング手術は、肘だけでなく肩や膝関節の疾患の治療にも有効な手術です。

対象部位 治療内容
肩関節
  • 肩の痛みの原因となっている関節唇や腱板を取り除く手術
膝関節
  • 損傷した半月板や遊離軟骨を取り除く手術
  • 軽度な変形性膝関節症に適応されるケースもある
足首
  • 変形性足首関節症による骨棘や滑膜、遊離軟骨を取り除く手術

ただし、これらの関節疾患でも症状や進行度によってはクリーニング手術が適応とならない可能性もあります。

治療方法は、症状に応じて保存療法から検討し、医師と十分に相談して治療方針を決めましょう。

クリーニング手術についてよくある質問

クリーニング手術に関して、患者さまからよくある質問に回答していきます。

大きな話題になった大谷選手が受けた手術についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。

大谷翔平選手が受けた肘の手術は?

大谷翔平選手が受けた肘の手術は、トミージョン手術です。

トミージョン手術は、損傷・断裂した内側側副靭帯を他の部位から採取した腱で補う手術です。自分の腱を移植するため、拒絶反応のリスクが少なく、自然な状態に回復するメリットがあります。

大谷翔平選手は、2018年10月と2023年9月に2回トミージョン手術を受け、2025年6月に投手復帰を実現しています。

他にも、ダルビッシュ有選手をはじめとする多くの野球選手が受けている手術です。

膝のクリーニング手術とはどんな手術?

膝のクリーニング手術は、関節鏡を用いて関節内の損傷した組織や痛みの原因となる部分を取り除く手術です。

主に、半月板損傷や初期の変形性膝関節症の治療で行われます。

痛みの原因となる部分の除去を行うことで痛み症状の改善を目的としています。

肘の痛みを手術せずに治したい方は再生医療も選択肢の一つ

肘のクリーニング手術は、関節ねずみや野球肘の治療方法の一つです。

痛みの原因となる組織を取り除くことで、痛み症状や関節可動域の制限緩和が期待できます。

症状によって期間は異なりますが、スポーツに復帰できるまでに早くても約3~6カ月を要する可能性があります。

早期復帰にはリハビリテーションが重要ですが、医師と相談の上、無理のない範囲で進めることが重要です。

また、肘の痛みを手術せずに治療したい方は、先端医療である再生医療という選択肢もあります。

再生医療は患者さま自身の細胞や組織を利用して治療するため、アレルギーや拒絶反応のリスクが低い治療法です。

肘の痛みにお悩みの方は、以下の再生医療の症例もご覧ください。

監修者

坂本 貞範

Sadanori Sakamoto

医療法人美喜有会 理事長

「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。

略歴

1997年3月関西医科大学 医学部卒

1997年4月医師免許取得

1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務

1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務

1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務

1999年2月国立大阪南病院 勤務

2000年3月野上病院 勤務

2003年3月大野記念病院 勤務

2005年5月さかもとクリニック 開設

2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任

2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設

2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設

2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設