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- 変形性膝関節症
- 再生治療
- ひざ関節
- オスグッドシュラッター病
- スポーツ医療
寝起きで膝が痛いと感じることはありませんか。 寝起きの膝の痛みの原因には、筋力の低下や変形性膝関節症などがあります。 朝起きた際に膝が痛いと感じる理由は、年代によってさまざまなので、原因に合わせて予防策をとることが大切です。 本記事では、寝起きで膝が痛い原因や対処法を詳しく解説します。 寝起きの膝の痛みの原因を知り、適切に対処しましょう。 寝起きで(朝起きて)膝が痛い原因を年代別に解説 寝起きで(朝起きて)膝が痛い原因は、以下の3つです。 寝起きで膝が痛む原因は、生活習慣や体質によっても異なります。自身の年代に多い原因を確認し、十分な対策をとりましょう。 【10代・20代】成長痛やオスグッドなど 10代や20代に多い、寝起きの膝の痛み原因は、以下の4つです。 疾患名 特徴 成長痛 成長期の子どもにみられる一過性の痛み オスグッド 骨や筋肉の成長スピードと運動量が見合わないことで出現する膝の痛み 膝蓋骨脱臼 膝関節周囲の筋力低下や靭帯損傷などによって、膝蓋骨が正しい位置から外れた状態 膝関節捻挫 膝関節をひねったり、無理に動かしたりすると出現する痛みや腫れ 寝起きに膝が痛くなる原因は、自身ではわからない場合もあります。 成長期に好発する成長痛やオスグッドだけでなく、外傷による脱臼や捻挫も、膝の痛みの原因となることを覚えておきましょう。 【30代】筋力や柔軟性の低下 30代に多い、寝起きに膝が痛くなる原因は、筋力や柔軟性の低下があります。 日常生活で膝を使う機会が少ない人や、運動習慣がない方は、下半身の筋肉が硬くなりやすいため注意が必要です。 膝周囲の筋肉が硬くなると柔軟性も低下し、足をスムーズに動かせなくなる可能性があります。 【40代・50代】変形性膝関節症 変形性膝関節症は、寝起きに膝が痛くなる原因の1つで、40代から50代の発症が多いといわれています。変形性膝関節症は、膝の関節軟骨が擦り減り、以下の症状が出現する疾患です。 変形性膝関節症による膝の痛みを放置していると、膝関節の変形が進行し、日常生活に支障をきたす可能性があります。膝に少しでも違和感を覚えた際は、早めに医療機関を受診しましょう。 変形性膝関節症の症状は、以下で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。 寝起きで膝が痛いときの予防・対処法【症状別】 寝起きで膝が痛いときの予防・対処法は、以下のとおりです。 寝起きで膝が痛いときの予防法は、原因や症状によって異なります。膝が痛む原因を知った上で、自身の症状に合った対処をとることが大切です。 オスグッドの予防・対処法 寝起きで膝が痛い原因がオスグッドの場合は、以下の予防策や対処法をとりましょう。 予防策 対処法 運動量を調節する 運動メニューを見直す 栄養バランスの良い食事を摂取する 運動前後にストレッチを行う 休息をとる アイシングをする 大腿四頭筋(太もも前の筋肉)を中心にストレッチを行う サポーターやテーピングを使用する オスグッドは成長期に発症しやすい疾患であり、無理に動かすと剥離骨折を発症する恐れがあります。 どうしても練習を休めない場合は、練習メニューや運動量を工夫し、膝に負担がかからないようにしましょう。 筋力や柔軟性の低下の予防・対処法 寝起きに膝が痛む原因が筋力や柔軟性の低下の場合は、予防・対処法に以下の運動を行うのが効果的です。 膝の痛みが強いときには、筋トレやストレッチを行うのではなく、安静にしましょう。 しっかりと休息をとり膝の痛みが落ち着いてきたら、予防のために膝周囲の筋力や柔軟性を高める運動を行うのがポイントです。 変形性膝関節症の予防・対処法 変形性膝関節症で膝が痛くなるときは、以下の予防策や対処法を実践しましょう。 予防策 対処法 下半身を中心とした筋力トレーニングを行う 膝の曲げ伸ばしストレッチを行う 下腹部に力を入れ、まっすぐ前を見て歩くことを意識する 栄養バランスの良い食事を心がける 薬物治療を受ける ステロイド注射やヒアルロン酸注射などの関節腔内注射を受ける 筋トレやストレッチなどを行う 膝のサポーターやインソールを使用する 手術療法を受ける 再生医療を受ける 筋力トレーニングやストレッチにより、膝周囲の筋力をつけると、膝の安定性が増し歩きやすくなります。変形性膝関節症は肥満体型の方もなりやすい疾患のため、栄養バランスを考えた食事を摂ることが大切です。 変形性膝関節症は進行性の病気ですが、早めに治療を開始し適切な対処を行えば、痛みを緩和できる可能性があります。 変形性膝関節症の原因や治療方法については、以下で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。 寝起きの膝の痛みでお悩みの方は再生医療もご検討ください 寝起きの膝の痛みでお悩みの方は、再生医療による治療をご検討ください。 再生医療では痛みの緩和だけでなく、変形性膝関節症によってすり減った膝の関節軟骨の再生が期待できます。 関節軟骨が再生されると、寝起きや歩行時の膝の痛みが軽減する可能性があります。 変形性膝関節症が原因で寝起きに膝の痛みを感じている人は、お気軽に当院へご相談ください。 寝起き・朝起きて膝が痛い際のよくある質問 寝起きや朝起きて膝が痛いときについて、よくある質問は以下の2つです。 寝起きで膝が痛い原因は、年代や既往歴によってさまざまです。膝の痛みが続くときは、早めに医療機関を受診し原因を特定しましょう。 寝起きに歩けないほど膝が痛いときの原因は? 寝起きに歩けないほど膝が痛いときは、以下の原因が挙げられます。 変形性膝関節症や関節リウマチは、関節が変形し痛みが出現する進行性の疾患です。症状が進行すると、寝起きだけでなく安静時や運動時も膝が痛くなる可能性があります。 関節リウマチの症状や治療法については、以下で詳しく解説していますので参考にしてください。 筋肉の緊張やこわばりも、寝起きで膝が痛くなる原因の1つです。運動習慣がない方は膝周囲の筋肉が硬くなり、筋緊張やこわばりが起こりやすくなります。 半月板は膝関節を支える役割を担っている部位です。膝をひねったり、スポーツで強い外力を受けたりすると、半月板が損傷し膝に痛みが出現します。 半月板損傷の症状は、以下で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。 寝起きで膝の内側が痛いときの原因は? 寝起きで膝の内側が痛いときの原因は、以下が考えられます。 スポーツや仕事などで膝を使いすぎると、膝の内側の「鵞足(がそく)」と呼ばれる部分に炎症が起こります。 膝に大きな負担がかかって発症する鵞足炎や内側半月板損傷は、膝の内側が痛くなる原因であるため注意しましょう。 【まとめ】寝起きで膝が痛い原因と対処法 寝起きで膝が痛い原因には、膝周囲の筋力低下や変形性膝関節症などがあります。歩行時に膝に違和感があったり、寝起きで膝が痛くなったりした場合は、早めに医療機関を受診しましょう。 膝が痛くなる原因がわかったら、自身にあった予防策や対処法を行うことが大切です。 筋トレやストレッチなどのセルフケアを行っても、痛みが引かず長期にわたって慢性化している場合は、当クリニック(リペアセルクリニック)の再生医療をご検討ください。 当クリニックが提供する再生医療には、関節や膝の症状に適した治療方法も提供しておりますので、ぜひ無料相談をご利用ください。
2025.02.07 -
- 再生治療
- ひざ関節
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膝軟骨がすり減ると、関節の痛みや変形性膝関節症などの原因となります。このような症状を改善する方法として、再生医療が注目されています。 この記事では、膝軟骨を増やす方法としての再生医療や、膝軟骨がすり減る原因を解説します。 ぜひ最後まで記事をご覧になって、膝軟骨を増やす方法として再生医療をご検討ください。 膝軟骨を増やす方法「分化誘導による関節の再生医療」 膝軟骨を増やす新しい方法、幹細胞の「分化誘導」を活用した再生医療について紹介します。 再生医療では、患者自身の幹細胞を用い、損傷した膝軟骨を修復することを目指します。 この方法により、軟骨の回復だけでなく、膝関節全体の機能改善が期待されています。 基本的に膝軟骨は自然に増えることはありませんが、幹細胞の「分化誘導による関節の再生医療」であれば膝軟骨の再生が期待できます。 分化誘導により、投与した幹細胞をフル活用して目的とする組織への再生能力を高めます。 分化誘導により軟骨下骨の再生を促す 膝軟骨の再生には、その下にある「軟骨下骨(なんこつかこつ)」の状態が重要です。 軟骨下骨は膝軟骨を支える土台の役割を果たしており、この部分が損傷していると、十分な軟骨の再生に期待できません。 まずは分化誘導により、軟骨の土台となる軟骨下骨の面積が大きくなるよう幹細胞を分化誘導して、再生を促します。 軟骨下骨が多く再生されると、より多くの軟骨の再生が実現可能となります。 分化誘導による再生医療の具体的なプロセスは以下の通りです。 リペアセルクリニック大坂院では、幹細胞を使用した再生医療を用いて膝関節の機能を回復する治療を行っています。 慢性的な膝の痛みにお悩みの方は、ぜひ再生医療をご検討ください。 膝軟骨がすり減る原因 膝軟骨がすり減る原因はさまざまで、日常生活や体の状態が大きく関係しています。 軟骨は、膝関節を守るクッションのような役割を果たしていますが、その役割が損なわれると、痛みや関節の不安定さが生じることがあります。 膝の軟骨がすり減る原因を理解して、対処できる内容は改善することで進行を遅らせましょう。 加齢や筋力低下 加齢に伴い、膝軟骨は水分量やしなやかさを失い、弾力性が低下します。これにより、軟骨が摩耗しやすくなります。 また、筋力が低下することで膝関節の安定性が損なわれ、余計な負担が軟骨にかかりやすくなるのも要因の一つです。 特に太ももやふくらはぎの筋力低下は、膝を支える力が弱まるため注意が必要です。 筋力の低下を防ぐために、筋力トレーニングやストレッチ、運動を習慣づけましょう。 ただし激しい運動は膝への負担が大きくなるため、無理のない範囲で行うのが大切です。 膝への負担 膝に過剰な負担をかける生活習慣や環境も、軟骨がすり減る原因となります。 これらの要因が重なると、軟骨の摩耗が進行しやすくなります。 立ち仕事など仕事内容を変えるのが難しい場合は、適度な休憩や膝への負担を軽減する工夫を取り入れ、激しいスポーツは控えたり、食生活や運動習慣を見直すのが重要です。 他の疾患による影響 膝軟骨のすり減りは、以下の疾患によっても進行する可能性があります。 これらの疾患を放置すると症状が進行し、関節の損傷や慢性的な痛みを引き起こすリスクがあります。 膝に痛みや違和感があるときは、我慢や放置せずに医療機関を受診しましょう。 軟骨がすり減りやすい人の特徴 膝軟骨のすり減りは、以下のような特徴を持つ方に多く見られます。 これらの要因が重なると、膝軟骨がすり減り、変形性膝関節症のリスクが高まります。 特徴 説明 膝のケガの経験がある方 靭帯や半月板など、膝の安定性を保つ組織に損傷歴がある場合、軟骨のすり減りが進行しやすくなります。 肥満傾向の方 歩行時、膝には体重の約3倍の負荷がかかります。体重が増えると、膝への負担も増大し、軟骨の摩耗が早まる傾向があります。 女性 統計的に、女性は男性よりも変形性膝関節症を発症しやすいとされています。特に閉経後は、骨や軟骨の健康を維持するエストロゲンの減少が影響すると考えられています。 加齢 年齢を重ねると、軟骨の水分量や弾力性が低下し、すり減りやすくなります。これは自然な老化現象の一部です。 遺伝的要因 家族に変形性膝関節症の患者がいる場合、同様の症状を発症するリスクが高まります。 過度な膝の使用 長時間の立ち仕事や膝を酷使するスポーツは、軟骨の摩耗を促進する可能性があります。 膝軟骨がすり減る要因を理解し、適切な予防策を講じましょう。 定期的な運動や体重管理、膝への過度な負担を避ける生活習慣の見直しが重要です。 膝軟骨がすり減ると「変形性膝関節症」になり痛みを感じる 膝軟骨の減少は「変形性膝関節症」の主な原因の1つです。 膝軟骨の役割は膝関節を衝撃から守り、スムーズな動きをサポートすることです。 しかし、加齢や過剰な負荷、遺伝的要因などによって軟骨がすり減ると、「変形性膝関節症」と呼ばれる疾患が進行します。 変形性膝関節症では、軟骨が摩耗するだけでなく、関節内で炎症が起こり骨同士が直接接触するようになります。 その結果、膝の痛みや可動域の制限が生じ、日常生活に支障をきたす可能性があります。 変形性膝関節症は初期段階では軽度の痛みから始まり、進行するにつれて関節の変形や可動域の制限が目立つようになります。 この疾患は特に中高年に多く見られますが、肥満や膝への過剰な負荷を伴う生活習慣を持つ若年者にも発症することがあります。 変形性膝関節症の症状を認識し、早期に対策を講じることが、進行を遅らせるために重要です。 変形性膝関節症の症状 変形性膝関節症の症状は、進行段階に応じて異なります。 主な症状は以下の通りです。 これらの症状に1つでも当てはまる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。 変形性関節症の治療法 変形性膝関節症の治療は、進行段階や症状の程度によって異なります。 以下に変形性関節症の主な治療法をまとめました。 治療法 内容 薬物療法 ・非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の内服や外用で痛みと炎症を抑える ・ヒアルロン酸注射で関節の潤滑を改善し、動きをスムーズにする リハビリ療法 ・筋力トレーニングで膝を支える筋肉を強化 ・ストレッチやバランス訓練で膝の可動域を改善 手術療法 ・人工関節置換術ですり減った関節を人工関節に置き換える ・骨切り術で脚の軸を調整し、膝関節の負担を分散 再生医療 ・多血小板血漿を関節内に注入し、組織の修復を促進するPRP療法 ・幹細胞を用いて、損傷した軟骨や骨壊死部分などの再生を目指す幹細胞治療 生活習慣の改善 ・適切な体重管理で膝への負担を軽減 ・サポーターや衝撃吸収素材の靴を活用して膝を保護 特に再生医療は、膝軟骨の修復を目指す新しい治療法として注目されています。 リペアセルクリニック大坂院では、自己幹細胞やPRP療法を用いた治療を提供しています。 再生医療は、長期の入院や手術を必要としない治療法を求めている方におすすめの治療法です。 膝の痛みや違和感でお悩みの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。 【まとめ】軟骨を増やしたい方は当院の再生医療をご検討ください 関節を守る重要な役割を果たしている膝軟骨は、加齢や過剰な負担、疾患などによってすり減ると、変形性膝関節症などの深刻な問題に発展します。 症状が進行すると膝の痛みや可動域の制限が生じ、日常生活に大きな支障をきたします。そのため、早期の対策と適切な治療が不可欠です。 治療方法には、痛みや炎症を抑える薬物療法や、人工関節置換術や骨切り術などの手術、幹細胞の分化誘導を活用した再生医療などがあります。 幹細胞の分化誘導による再生医療では、膝軟骨の再生を促し、手術に頼らず自然な形で回復を目指せます。 膝の痛みでお悩みの方は、悪化する前に早めの対策を検討しましょう。 再生医療について興味がある方は、ぜひ当院(リペアセルクリニック)へお気軽にご相談ください。
2025.02.07 -
- 再生治療
- ひざ関節
歩きすぎた翌日や運動後に、膝の裏に痛みを感じてお悩みではないでしょうか。 膝の裏の痛みは日常生活に支障をきたし、放置することで悪化する可能性もあります。 この記事では、膝の裏の痛みを軽減するための対処法や原因となる疾患について解説します。 歩きすぎて膝の裏が痛いときの対処法は? 膝の裏が痛い場合、適切な対処法をとることで症状を和らげることができます。以下のポイントを参考にしながら、自分に合った方法を見つけてください。 それぞれの対処法について詳しく解説していきます。 「RICE処置」で早めの回復を目指す 膝の裏が痛む場合、まずは「RICE処置」を実践することが効果的です。 RICE処置は、患部への負担を最小限に抑え、炎症や腫れを軽減するために効果的な方法です。 特に、痛みが発生してからすぐに行うことで、早期回復につながる可能性があります。 ただし、症状が重い場合や改善が見られない場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。 湿布で痛みの緩和を図る 膝裏の痛みを和らげるために湿布を使用するのも効果的です。 冷湿布と温湿布を症状に応じて使い分けましょう。 症状に合った湿布を選び、適切に使用することが重要です。 ストレッチで筋肉の柔軟性を高める 膝裏の痛みが筋肉の硬さや柔軟性の低下によるものであれば、ストレッチを取り入れることで改善が期待できます。 ストレッチ中に痛みを感じる場合は無理をせず、体に負担をかけない範囲で行うことが重要です。 痛みが強いときや治らないときは医療機関を受診する 膝裏の痛みが強い場合や、セルフケアを行っても症状が改善しない場合は、医療機関を受診しましょう。 適切な診断と治療を受けることで、症状の悪化を防ぎ、早期回復を目指せます。 歩きすぎて膝の裏が痛いときに考えられる3つの疾患 膝の裏に痛みを感じる原因には、日常的な負担だけでなく、特定の疾患が関係していることがあります。 歩きすぎによる膝裏の痛みに関連する代表的な3つの疾患を紹介します。 それぞれの疾患について詳しく紹介しているので、ぜひご覧ください。 膝窩筋腱炎(しっかきんけんえん) 膝窩筋腱炎とは、膝の裏にある膝窩筋という筋肉とその腱に炎症が生じる状態です。 主にランニングやジャンプといった運動を繰り返すことで発症する可能性が高いです。 症状 ・膝裏の鈍い痛み ・膝の曲げ伸ばしや階段の上り下りで痛みを感じる ・膝関節の可動域が制限される 原因 ・長時間同じ姿勢を保つ(デスクワークなど) ・急激な運動量の増加 ・筋肉の柔軟性不足 治療法 ・保存療法(安静、冷却、ストレッチなど) 膝窩筋腱炎は初期段階で適切な対応を取ることで、症状の悪化を防げる可能性があります。 膝の裏に痛みを感じたら、無理をせず早めに医療機関を受診しましょう。 ベーカー嚢腫(のうしゅ) ベーカー嚢腫は、膝の裏にある滑液包が炎症を起こし、関節液が過剰に溜まることで膨らんだ状態です。 膝の関節内に問題がある場合に併発することが多く、特に関節リウマチや変形性膝関節症の患者に見られることがあります。 症状 ・膝裏の腫れや圧迫感 ・膝の可動域が制限される ・膝を曲げた時に感じる痛み 原因 ・膝関節への過剰な負担 ・変形性膝関節症などの疾患 治療法 ・保存療法(安静、湿布など) ・溜まった関節液の吸引 ・手術療法 ベーカー嚢腫は放置すると症状が悪化し、膝関節のさらなる負担や他の疾患を併発する可能性があります。 また、原因となる疾患の治療も重要であり、リウマチや変形性膝関節症が疑われる場合は、医療機関での治療が必要です。 変形性膝関節症(へんけんせいひざかんせつしょう) 変形性膝関節症は、膝関節の軟骨が徐々にすり減り、関節が変形してしまう疾患です。 以下のような症状が現れ、日常生活に影響を及ぼします。 症状 ・膝の痛み ・膝の腫れや変形 ・歩行など動きの制限 原因 ・半月板や靭帯など膝関節の損傷 ・加齢による膝軟骨の老化 ・膝関節への過度な負担 治療法 ・保存療法(運動療法、痛み止めの使用) ・手術療法(人工関節置換術、骨切り術など) ・再生医療(幹細胞治療、PRP療法) 初期段階では保存療法が有効ですが、進行すると手術が必要になることがあります。 また、再生医療は新しい治療法として注目されています。膝に痛みや違和感を感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。 歩きすぎによる膝の裏の痛みを防ぐ方法 膝の裏の痛みを防ぐには、日頃から膝に負担をかけにくい体づくりを心がけることが大切です。 膝周りの筋力や柔軟性を強化することで、歩行時の衝撃を吸収しやすくなり、痛みを予防できます。 特に太ももの筋肉(大腿四頭筋)や膝裏を支える筋肉を鍛えることが有効です。 また、適切な体重を維持することも重要です。体重が増えると膝への負担が大きくなるため、食事や運動で体重を管理しましょう。 歩きすぎて膝の裏が痛いときは再生医療もご検討ください 膝の裏の痛みが続く場合、再生医療という新しい治療法も選択肢のひとつとして検討しましょう。 再生医療は、体の自然な回復力を活かして損傷した組織の再生を促す治療法です。 これらの治療法は、膝の痛みの緩和や症状の進行を抑える可能性があるとされています。 ただし、効果や適応は症状や個人の状態によって異なるため、医師との十分な相談が必要です。 膝の裏の痛みでお悩みの方は、保存療法や手術療法と併せて再生医療も検討してみてはいかがでしょうか。 再生医療について詳しく知りたい場合は、ぜひ当院へお気軽にご相談ください。 【まとめ】歩きすぎて膝の裏が痛いときに無理は禁物 歩きすぎて膝の裏が痛いときに無理は禁物です。まずは安静にしてRICE処置で対処しましょう。 他にも対処法としてはストレッチ、湿布の活用などがありますが、痛みが強い場合や改善が見られない場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。 また、歩きすぎて膝の裏が痛いときの治療法としては保存療法や手術療法が一般的ですが、近年では再生医療という新しい治療法も注目されています。 再生医療について詳しく知りたい方は、当院へお気軽にご相談ください。
2025.02.07 -
- 糖尿病
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- ひざ関節
- 股関節
- 幹細胞治療
あきらめていた病気に対処できる幹細胞治療!その内容や治療方法とは? 幹細胞治療という言葉を聞いたことがあるでしょうか。実は現代の医療で最先端の、副作用などがほとんどなくそれでいて大きな効果が期待できる治療方法なのです。この幹細胞治療はあらゆる分野で活用され始めていますが、美容の世界などでも積極的に取り入れられています。 そこで今回は、幹細胞治療とはいったいどういうものなのか、そしてどのような効果が期待できるのかという点について解説していきます。 幹細胞治療とは何か? そもそも幹細胞治療とはどのようなものなのでしょうか。 幹細胞治療とは再生医療の一種 再生医療という言葉は聞いたことがあるでしょうか。幹細胞治療とは再生医療の1つの方法です。 人間は約60兆個の細胞で構成されていますが、その細胞の中に幹細胞というものがあります。幹細胞とは、細胞分裂の元になるもので、いわば細胞の母体です。再生医療とはこの幹細胞を身体に注入することで、身体の欠落している部分を再生させたり、減少して来ている部分を補ったりする、最先端の治療法です。既存の医薬品では治療が困難な病気やケガ、あるいは治療法が確立されていない病気に対して、効果をもたらすものとして注目されています。 近年、日本人を始め人間の平均寿命は大きく伸長しましたが、同時に細胞の老化が元となっている慢性的な病気も増えており、このような病気を完全に治す治療法はまだ見つかっていません。しかし再生医療であれば、そのような今まで医師が治療をあきらめていた病気の場合でも、治療を施すことができるのです。 ただし再生医療や幹細胞治療はどのような病院、どのような医師でも行うことができるものではありません。再生医療は使い方を間違えるととんでもない悲劇を巻き起こす可能性があります。したがって、再生医療や幹細胞治療を行う場合には、その実施機関や実施方法について、法律に基づく厳しいチェックがなされます。ですから再生医療や幹細胞治療を受ける場合には、治療のための治療計画を厚生労働省に提出し、認可されている医療機関を選ぶことが非常に重要です。また再生医療や幹細胞治療を行う医師にも高い専門知識と十分な経験が必要です。この点においても、治療を受ける場合には事前の確認が必要でしょう。 幹細胞治療とは注射で幹細胞を注入する方法 約60兆個の細胞からできあがっている人間の身体ですが、しかしその最初はたった1個の受精卵です。この受精卵が細胞分裂を繰り返し、身体のあらゆる部分の形も機能も異なった多様な細胞に成長します。皮膚、脳、心臓、手足は全く違う臓器であり身体の一部ですが、元は1個の受精卵だと思うと非常に不思議でしょう。このような細胞が多様な組織や臓器に変わっていくことを「分化」と言います。 しかし細胞には寿命があります。細胞の寿命が来ると、その細胞は分化することも、増殖することもできなくなり、やがて死んでしまいます。たとえば、皮膚から垢が出ますが、これは皮膚の細胞が死んで、身体からはがれ落ちていくことです。しかしそれでも皮膚が一定の状態を保てているのは、古い皮膚が死んでも、また新しい皮膚の細胞が補充できているからです。このような分化して完全に身体の臓器や、皮膚、や血液などに分化し終わった細胞を「体細胞」、これから多様な分化を行う細胞を「幹細胞」と言います。 幹細胞には「体性幹細胞」と、受精卵から培養して作られる「ES細胞」、人工的に作成「iPS細胞」があります。 この3つの中で現在最も再生医療に使われているものが「体性幹細胞」です。体性幹細胞は人間の身体の中にある細胞が元になっているので、使用しても身体に副作用を起こりにくく、最も治療に応用しやすいものです。さらに体性幹細胞にもいくつか種類があります。その代表的なものは「間葉系幹細胞」です。そして間葉系幹細胞の中でも、最も治療に多く用いられているのものが脂肪から抽出されたものです。これを脂肪性幹細胞とも言います。 脂肪性幹細胞は、ES細胞やiPS細胞などの幹細胞に比べ発がんのリスクが非常に低く、また身体の中から取り出すことも簡単で、患者に負担をかけないため、現在どんどん医療の最前線で使われています。 具体的に脂肪幹細胞を使った幹細胞治療はどのようなものかと言うと、聞いてしまえば意外に簡単です。それは身体の脂肪を採取し、その中の幹細胞を増やして、また身体の中に戻してやり、欠落した組織や減ってしまった細胞をそこから増やして、再生させる方法です。 このように治療行為としては非常にシンプルなので、幹細胞治療は入院の必要さえありません。基本的には日帰り治療で可能な方法です。 幹細胞治療の効果は?どのような種類がある? では幹細胞治療はどのような悩みに効果があるのでしょうか。 美容治療として 1つは美容のための治療に活用されているということです。たとえば顔のシワは顔の皮膚の奥深くにある真皮層が加齢などのために減少し、その減ってしまった真皮層の部分が、皮膚表面で凹んでしまうことによって発生します。しかし幹細胞治療は、その真皮層になるべき幹細胞を注入するので、真皮細胞が再生し、その結果シワが消えてしまうというものです。 シワを改善させる美容医療には、ボトックスやヒアルロン酸などと言った、薬剤や身体の成分そのものを皮膚に注入して行う方法が今までは一般的でしたが、しかしそれらは薬剤が代謝されてしまうことで、効果が生まれている期間に上限がありました。しかし幹細胞治療であれば、そもそもの細胞の増える母体を注入してあげることなので、期間的な上限はありません。原則として、幹細胞治療を行えば、不足している、あるいは欠落している細胞が増殖していきますから、いつまで若々しい肌でいられるのです。 このように幹細胞治療は美容の世界において画期的なシワ、たるみなどの防止、改善効果をもたらすものなのです。 またボトックスにしてもコラーゲン注入にしても、何度も繰り返さなければならないため、トータルとして治療費は非常に高くなってしまいます。しかし幹細胞治療は原則として1回で済むので、トータルでの治療費も非常に安く済むのです。その意味で幹細胞治療による細胞治療による美容医療は極めてコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。 関節炎などの改善 主に加齢によって生じる膝などの関節炎は非常につらいものですが、これらの関節炎は関節の軟骨がすり減ったり、関節の接続をスムーズにするコラーゲンなどの成分が減少することによって起こるものなので、抜本的な治療法がない悩みでした。 しかし幹細胞治療によって、軟骨やコラーゲンの元となる幹細胞を注入できるので、関節は若いころのように再生し、嘘のようにその悩みを解消してくれるのです。 関節炎の幹細胞治療には2つの方法があります。1つは関節鏡を用いる方法で、これは関節にカメラを差し込み、患部を見ながら幹細胞を注入するものです。もう1つは注射を用いる方法で、患部に幹細胞の含まれる薬剤を注入するものです。関節鏡を用いる方法は患部に確実に幹細胞を送り届けられるので確実ですが、身体に小さな穴を開けるので、患者には多少の負担がかかり、場合によっては数日の入院が必要になります。しかし注射であれば、治療後、患者はすぐに身体を動かすことができるので、日帰りで治療を受けることが可能です。 肝炎の治療 肝炎は肝臓の一部の細胞が壊死、あるいは機能不全になっている状態です。この肝炎にも幹細胞治療を行うと、壊死している肝臓に代替する肝臓を再生させることができるので、飛躍的な改善が期待できます。ただし、肝臓の場合はカメラを挿入することも、注射で幹細胞を注入することも難しいため、方法としては点滴で幹細胞を送り込む方法になります。点滴で輸入された幹細胞は血液に乗って肝臓に到達し、壊死した肝臓や機能していない肝臓の細胞を修復し再生させます。 糖尿病の治療 糖尿病は、血液中の血糖(ブドウ糖)が多くなる病気です。これは、すい臓が何かしらの原因で本来持っている血糖値を一定範囲におさめる働きができなくなる病気です。また、糖尿病は一度発症したら完治しない病気と言われています。しかし、幹細胞治療をすることにより、すい臓が本来持つ機能を取り戻すように幹細胞が働きかけ、正常に血糖値をコントロールするようになる可能性があります。 脳の疾患の治療 今まで脳梗塞などによって機能不全になってしまった脳には効果的な治療の方法がありませんでした。しかし幹細胞治療によって、幹細胞を脳に送り込んでやれば、機能不全になっている脳細胞を再生させることができるため、脳の損傷によって起こっていたさまざまな障害を改善させることができるようになってきました。 自己免疫疾患の治療 自己免疫疾患とは、自分の細胞が暴走し身体に害を働くようになった病気で、これもまた抜本的な治療法がないものでした。たとえば膠原病や、慢性関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、アトピー性皮膚炎、慢性甲状腺炎などがそれに当たります。できることはせいぜいステロイドなど身体に大きな副作用のある薬剤を注入して、病気の発症を抑えたり、症状を緩和させることでした。 しかし幹細胞治療によって注入される幹細胞には、身体の免疫を調節したり、過度な反応を抑制する作用があるので、このような治療方法が見つからない自己免疫疾患に対しても極めて高い治療効果が得られるようになりました。 幹細胞治療の流れは 幹細胞治療の流れは以下のようなものです。 最初に専用の器具によって、腹部など脂肪が豊富にある部位から脂肪を少量、具体的には1/1000g(米粒2つから3つ分程)という単位で採取します。採取時間は数分で、局所麻酔を使うため、痛みはほぼありません。 そして採取した脂肪から幹細胞を分離させ、培養します。 その培養した幹細胞を患部に注入します。また培養した幹細胞は冷凍保存できるので、治療を再度行いたい場合でも、その凍結している幹細胞を利用することができます。 幹細胞治療にはリスクはあるのか? このように画期的で、今まで治療が難しいと思われていた病気に大きな効果をもたらす幹細胞治療ですが、リスクはあるのでしょうか。 幹細胞治療は、自分自身の幹細胞を使用して損傷または弱ってきた組織を修復することで、痛みを無くしたり、失われた人体機能を回復させる治療です。 そのため、拒絶反応が起こりにくくリスクはほとんどありません。 まとめ いかがですか。 幹細胞治療は今まで治療が不可能だと思われていたさまざまな病気を治してくれる画期的な治療方法です。もしも上で挙げたような悩みを持っているようであれば、幹細胞治療を検討してはいかがでしょうか。 当院の紹介はこちら
2021.01.06 -
- 変形性膝関節症
- ひざ関節
変形性膝関節症|膝OA(Osteoarthritis) その原因 変形性膝関節症は症状の改善や悪化を繰り返して、進行していきます。初期の段階では、痛みを取ることが期待できますが、進行すると治療効果を感じなくなるパターンが多いといえます。 変形性膝関節症の原因は1つではなく、原因には様々な理由があります。年齢を重ねることによって、関節の軟骨がすり減ることで起こる「一次性」と靭帯や骨の損傷、半月板損傷などの外傷によって起こる「二次性」があります。膝周囲の筋力低下や、膝にかかる大きな負荷も因子の一つであり、原因の多くは「一次性」の変形性膝関節症です。 その症状 変形性膝関節症の代表的な症状は、膝の痛みです。痛みには個人差がありますが、徐々に時間をかけて症状が進行していきます。 まず初期の症状では、動き始めたとき感じる膝のこわばりや、関節の曲げづらさ、伸ばしづらさなどの自覚症状が現れます。 中期では、しゃがみこむ動作や階段などが痛みで困難になります。関節の内側に炎症が起きると、膝の腫脹、熱感を感じることや、炎症が起きることによって膝に水がたまる(関節水腫)場合もあります。 末期になると、関節軟骨がすり減りほとんどなくなった状態になります。関節の隙間が狭くなり骨と骨が直接ぶつかるようになり、痛みが悪化し日常生活(ADL)にも支障が出てきます。 診断について 膝の痛みの原因を診断するために行う検査は、問診、視診、触診、徒手検査に続き、レントゲン検査があります。必要であれば、MRIや血液検査、関節液の検査なども行います。 変形性膝関節症は、レントゲンの画像から膝の進行程度も診断ができます。一般的に骨の変形や骨棘、関節の隙間の残存などから進行の程度を診断します。レントゲンの撮影は立った状態もしくは寝た状態で行います。 寝た状態で撮影すると関節の隙間が保たれているように見える場合がありますが、立ち上がって膝に体重をかけると関節の隙間が狭くなり、変形性膝関節症の進行の程度が分かりやすくなります。 症状の進行を表す指標 変形性膝関節症の治療を選択するうえで重要になるのが、進行の程度を示唆するgrade(グレード)という指標です。grade1が予備軍、grade2が初期、grade3が進行期、grade4が末期と評価されます。患者さんの膝状態、症状よって異なりますが、一般的にgrade3以上が手術適応の目安です。 変形性膝関節症の重症度を評価するための基準に、いくつか種類がありますが、いずれもレントゲン撮影を用いて評価します。その中で最も一般的な分類はKellgren-Laurence分類というものがあります。Kellgren-Laurence分類は主に関節軟骨の減少度合いと骨棘の程度で重症度を4段階に分類したものです。 grade1 予備軍 grade2 初期 grade3 進行期 手術適応 grade4 末期 分かりやすく解説すると、レントゲン写真から膝関節の状態を把握するとともに、膝関節の裂隙の狭小化の程度を判定し、それを元に重症度合いを分類するものです。関節には関節軟骨があり、関節軟骨のすり減りは症状の悪化を意味します。 変形性膝関節症は軟骨がすり減って起こる疾患ですが半月板や靭帯に異常があるかどうかも調べる必要があります。他にも膝に水がたまる関節水腫の有無は、膝の状態を判断するために必要な情報です。 またレントゲン検査の結果、関節の変形がみられなかったとしても、患者さんの症状が強い場合は、変形性膝関節症とは別の疾患の可能性を考慮し、磁気を用いたMRI検査をします。MRI検査では、レントゲンには写らない情報を得ることができます。 変形性膝関節症との鑑別に必要な疾患は、腫瘍、感染症、関節リウマチ、特発性膝関節骨壊死症などがあります。いずれも、膝に痛み、腫れなどの症状が現れることがある疾患です。 血液検査では必要に応じて注射器を使い、血液を採取して検査を行います。変形性膝関節症との別の疾患が疑われる場合に有用です。 また、JKOMやVASスケールといった評価を行って検査をすることもあります。これは、膝の痛みをかかえている患者さんが、日常のなかでどんな時に症状に困っているかを数値化し評価する方法です。膝の進行程度を把握するために役立ちます。 触診では、患部に直接触れて、痛みを感じるかの有無、膝に水がたまっているか、膝の曲げ伸ばしに制限はないかなどの確認を行います。 変形性膝関節症の治療法 変形性膝関節症の治療は、手術をしない保存療法と手術療法に分けられます。 保存療法 保存療法として、炎症や痛みを抑えるための運動療法、装具療法、薬物療法などがあります。擦り減った関節軟骨、関節裂隙の狭小化や骨棘形成は元に戻らないため、いかに痛みや進行を抑えるかが大切です。 運動療法 運動療法では、太ももの筋肉である大腿四頭筋の強化訓練と、膝関節ROM訓練を行うことも大切です。筋力強化は予防にも適しています。関節に痛みがあると活動に制限がかかり、その結果筋力低下や関節可動域に影響します。そして膝は不安定となり、軟骨の摩耗が進行し、さらに痛みが増強するといった症状が現れます。 装具療法 装具療法では、杖、サポーター、ニーブレース、足底板があります。O脚の患者さんには足の外側を高くする足底板を装着する方法があります。装具療法は補助的な治療法で下肢の変形が強い患者さんには、変形した下肢の状態に応じて装具を使ってアライメントの調整を行います。 薬物療法 薬物療法では、消炎鎮痛剤(内服薬や貼布剤)とヒアルロン酸注射が、最も多く用いられています。しかし、患者さん全員の痛みや症状が必ず改善するわけではありません。炎症や痛みに関して、消炎鎮痛剤では改善できない症状も存在することが明らかになっています。 痛みの多くの原因は、すり減った関節軟骨が刺激を受けて起きた炎症なので、まず消炎鎮痛薬の処方や注射などを行って、炎症に直接アプローチしていきます。NSAIDs(非ステロイド系抗炎症薬)などが最も一般的に使用されます。代表的なものとしてはロキソニン、ボルタレンなどがあります。 効果の目的としては、原因となる炎症を抑制することです。NSAIDsは抗炎症に優れ、効果に期待できますが、長期の服用は副作用の可能性も否定できません。一定の期間服用を続けても効果が期待できない場合、トラムセットなど、やや強めの鎮痛薬を処方することもあります。 ヒアルロン酸注射の治療の目的としては、膝関節の潤滑があります。ヒアルロン酸はもともと、膝関節にある滑膜から分泌される関節内を満たす関節液に含まれている成分で、膝の滑らかな活動を助ける役割をしています。 変形性膝関節症になるとヒアルロン酸は減少し、次第に膝の活動を悪くさせ動かしにくくなります。膝関節を構成する大腿骨、脛骨、膝蓋骨といった骨同士がぶつかることで痛みが現れたり、関節内で音が鳴ることがあります。これを改善する目的としては、膝関節内にヒアルロン酸を直接注入することが一般的です。 膝関節の痛みが強かったり、関節に水が溜まる関節水腫がみられる場合、ヒアルロン酸では効果が得られないこともあります。このような症状では、強い抗炎や鎮痛作用があるステロイド注射を施すことがあります。 ステロイドは、副腎から生成された副腎皮質ホルモンという物質で、この成分と似た薬剤が、注射に使用されるのです。ステロイドは適切な管理のもとで施されているので、過度な心配は必要ありません。ですが、ヒアルロン酸より強い効果の薬剤ではあるので、医師の指示のもと適切な説明と使用量が必要です。 手術療法 手術療法では、適応となる手術に、関節鏡視下手術、骨切り術、人工膝関節置換術の3種類があります。 変形性膝関節症手術の種類 関節鏡視下手術 骨切り術 人工膝関節置換術 変形性膝関節症になると、関節軟骨の損傷やすり減りによって生じた欠片により、関節内の状態が悪化していきます。関節内を整えるために関節鏡視下手術が行われることがあります。 この術式は、膝に小さな穴を開け内視鏡という器具を挿入し、損傷した関節軟骨片を取り除く手術方法です。膝の状態が早期であれば効果が見込めますが、膝の進行度合いに伴って、効果に期待ができない場合があります。 O脚、X脚が進行した状態に適応となる骨切り術では、高位脛骨骨切り術や大腿骨遠位骨切り術があります。脛骨の上部、大腿骨の低い位置を切って膝関節で骨と骨が合わさる角度に調節を施し、アライメントを整える手術方法です。 自分自身の関節を残存させることができるため、スポーツや重労働などを希望される患者さんにはよく施行されます。術後にリハビリが必要となりますが、固定に使った金属を除去してしまえば活動に制限はありません。そのため、年齢の若い方、積極的に膝を使う活動性の高い方に特に勧められる手術方法です。 末期の状態であれば上記の手術は適応できず、一般的には膝関節を人工物に取り換える人工膝関節置換術が選択されます。人工膝関節置換術を受けた件数は年間約11万件以上、その中で80%以上が変形性膝関節症の治療として行われています。 単顆置換術(Unicompartmental Knee Arthroplasty:UKA)と全置換術 (Total Knee Arthroplasty:TKA)の2種類があります。それぞれ損傷した骨の範囲によって選択が変わります。損傷部位が片側の場合、かつ靭帯損傷がない場合は単顆置換術(UKA)が、全体の損傷と靭帯損傷もしている場合は全置換術(TKA)が適応です。痛みが改善した状態で日常生活を行えるようになることから満足度の高い手術です。 手術方法として、単顆置換術(UKA)で約10cm、全置換術(TKA)であれば15〜20cmほど膝を切開して行います。いずれの術式も、切開後の流れとしてはほぼ同じであり、損傷した骨を削って形を整えながら、インプラント(人工器具)の関節を設置します。 セメント固定する方法とセメントを使わない方法があります。人工関節は人工物であるため、耐用年数があり、再置換(再手術)が必要になる場合もあります。また、感染症も再置換となる原因の一つです。 監修:リペアセルクリニック大阪院 こちらも併せてご参照ください
2020.07.22 -
- ひざ関節
- 再生治療
長時間の運転やペダル操作を行う際、膝に痛みを感じる方は少なくありません。 運転後に膝が痛くなると、日常生活や仕事にも影響が出るため、不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。 本記事では運転した後に膝の痛みが生じる原因や対処法について解説します。 治療についても紹介しているので、運転後の膝の痛みに悩んでいる方は、ぜひご覧ください。 この記事を読むとわかること 運転すると膝が痛い理由 運転すると膝が痛い場合の対処法 膝の痛みの治療について 運転すると膝が痛い理由 運転で生じる膝の痛みには大きく分けて2つの原因があります。 運転中のペダル操作による膝の痛み 運転中の姿勢による膝の痛み 運転中の姿勢や足の使い方はその後の膝の痛みに密接につながっていますが、運転中に膝に負担をかけないペダル操作や姿勢もあります。 以下では、それぞれについて詳しく解説します。 運転中のペダル操作による膝の痛み 運転中、ペダルを操作するときの不自然な足の使い方が膝の痛みの原因になる場合があります。 ブレーキペダルとアクセルペダルの間にかかとを置き、つま先だけでペダルを踏む、かかとから下だけを動かすなどの動作で膝の痛みが生じます。 ペダルを踏むときは膝から下だけでなく、脚全体を動かしましょう。 運転中の姿勢による膝の痛み 運転中に膝よりもつま先が外側を向いている姿勢は、膝の痛みの原因になります。運転で癖がつくと日常生活にも影響を及ぼす恐れがあるので要注意です。 膝よりもつま先が外側を向く姿勢により、関節の中にある組織にかかるストレスが均等ではなくなり、膝の痛みを引き起こします。 ペダルを踏む際は、足をお腹のほうに引きつけて持ち上げてから踏むよう意識しましょう。これは大腰筋のトレーニングにもなります。 運転で膝に痛みが生じた際の対処法 運転で膝に痛みが生じた場合、以下2点の対処法が効果的です。 運転前後にストレッチをする サポーターやテーピングを装着する 運転前後にストレッチやマッサージが膝の痛みの改善に有効です。 長時間運転する場合は、こまめに休憩をとれるようにあらかじめ計画して、体を動かしましょう。 もし車から降りられない場合は、座ったまま足を曲げ伸ばしてストレッチするだけでも痛みが緩和されます。 また、サポーターやテーピングを用いて膝関節を補強、固定するのも効果的です。 車を運転する際に着けるサポーターは伸縮性に優れたものがおすすめです。 圧迫が強すぎると足を動かしにくくなってしまう可能性がありますので、あまり強くないものを選んでください。 運転後に膝が痛む場合は? 運転後に膝が痛む場合に簡単にできるストレッチを紹介します。短い時間で道具がなくても手軽にできます。 膝の痛みを軽減するストレッチ 1.壁に手をついて立つ 2.片足の膝を曲げ、つま先を掴む 3.掴んだつま先をお尻の方へ引き寄せ、前太ももを伸ばす 4.息を吐きながら30秒キープ 左右2~3セット繰り返す 膝周りの筋肉をほぐして痛みを軽減するストレッチです。このストレッチをする際には、無理のない範囲で前ももを伸ばしましょう。 膝の痛みが緩和されない場合は医療機関を受診しよう 運転後の膝の痛みが、ストレッチやサポーターなどのセルフケアで収まらないときは、早めに医療機関を受診しましょう。 痛みを放置して悪化すると、関節の変形や軟骨のすり減りが進んでしまいます。症状の程度によっては、骨切り術や人工関節置換術のような外科的手段が必要です。 手術を避けて治療を行いたい場合は、再生医療という選択肢もあります。 再生医療は、自身の細胞や組織を用いて損傷を修復し、症状の進行を抑える新しい治療法です。自身の細胞を使用するため、拒絶反応などのリスクも少なく、従来の手術よりも体への負担が軽い特徴があります。 運転で膝に痛みを感じる原因と対処法についてのまとめ 運転中の膝の痛みは、ペダルを踏む際の足の使い方や運転中の姿勢などが原因です。 ペダルを踏む際の足の使い方が癖になると、膝の痛みの原因となり、日常生活にも影響を与えるリスクがあります。 マッサージやストレッチ、サポーターやテーピングでの補強が有効な場合もありますが、症状を悪化させないためにも早めの受診をおすすめします。 膝の痛みの治療として再生医療をご検討の場合は、ぜひお気軽に当院へご相談ください。
2020.07.22 -
- ひざ関節
- 再生治療
畑仕事で膝が痛くなる!放置すると更に悪くなる!?その原因と対策、治療法 畑仕事をしていると膝が痛い、立ち上がりやしゃがむときにつらい…というようなことはありませんか? 「年のせいかな?」「年も年だから仕方がない!」などと、膝が痛いのに畑仕事を頑張り、病院に行かないままでいると、どんどん症状が悪化してしまうかもしれません。今回は、「畑仕事をしていると膝が痛い」という症状が出る場合、その原因や対処法について紹介します。 畑仕事をしていると膝が痛いのはなぜ? 畑仕事をしているとき膝が痛い場合、「畑仕事そのものが膝の痛みの原因なのかな?」と思う人もいるかもしれません。しかし、「膝が痛い」という症状が出る原因は、畑仕事に限ったことではなく、いろいろあります。 膝が痛い症状の原因とは? 膝に限らず、関節は加齢によって痛みが出やすくなります。特に膝の関節は、日常生活の中で歩くだけでも負担がかかっていますから、年齢を重ねると「膝が痛い」という症状を訴える人もたくさんいます。 畑仕事を長年続けてきたという人の場合、さらに膝には大きな負担がかかっています。畑仕事では重いものを持ったり、腰をかがめて中腰になったり、同じ姿勢のままでいることも多い仕事です。また、頻繁な屈伸運動が膝に負担をかけるので、膝が痛みやすくなるのです。 膝の痛みの原因は医療機関で診断してもらいましょう! 痛みがあるのに我慢をしていてはいけません。畑仕事をしていて膝が痛いのであれば、医療機関を受診し、診察を受けてください。そうすることで、痛みの原因が分かります。 痛みの原因が分かれば、治療法も見つかりますから、つらい痛みを改善できるでしょう。 畑仕事で膝が痛い…畑仕事のやり方を見直そう! 畑仕事をすると膝が痛いという場合は、畑仕事のやり方を見直すことで、症状が緩和できることもあります。例えば、畑仕事をおこなう姿勢や履いている靴を見直し、物を持ち上げるときに立ったまま持ち上げようとせずゆっくりとしゃがんで持ち上げるようにするなどです。 あなたに合ったサイズの靴を履き、足全体をサポートする靴にすることで膝や股関節への負担が軽くなります。クッション性の高い中敷きも敷くようにすると、さらに足にかかる負担が軽くなるでしょう。 畑仕事をすると膝が痛い!治療法は? 膝の痛みの原因はさまざまですが、軽度であれば安静にする、運動療法をするなどによって痛みの緩和ができることもあります。病院を受診し、膝の痛みの原因が関節周辺の筋力不足のせいだと言われたら、筋力トレーニングやマッサージ、ストレッチをおこないましょう。 筋肉をつけることによって、筋肉が関節をサポートするので痛みが軽減します。ただし、急に過度の筋力トレーニングを行うと逆効果になってしまうため、少しつらいかな、という程度の筋力トレーニングを毎日継続して行うようにしてください。 トレーニング方法についても、医療機関の医師などに指導を受けると良いでしょう。 手術を検討しなければならないことも… 「畑仕事をすると膝が痛いのは、きっと年のせい…」などと思って頑張りすぎてしまうと、関節に変形や軟骨のすり減りが起きてしまうことがあります。一度生じた損傷は自然治癒することはほぼないので、医師の指導の下、運動療法や薬物療法をおこなうだけでなく、外科的手術を検討しなければならなくなることもあります。 膝が痛いとき…再生医療という選択肢もある! 近年、注目を集めている再生医療によって、関節の痛みを軽減する効果が期待できます。 再生医療では、自身の細胞を用いて関節の修復を図るため、副作用のリスクも少なく、身体にも大きな負担がかかりません。また、手術に比べると治療期間も短期間で済むというメリットもあります。 再生医療に興味のある人は、専門のクリニックでご相談ください。 まとめ・畑仕事で膝が痛くなる!放置すると更に悪くなる!?その原因と対策、治療法 畑仕事をすると膝が痛い…というのは、単に年のせいではない可能性があります。ですから、痛みは我慢せず、早めに医療機関を受診し、痛みの原因を診断してもらいましょう。そうすることで、痛みを緩和できる可能性が高くなります。 また、膝の痛みを改善するための方法として、再生医療という治療法も選択できます。再生医療については、どこの医療機関でも受けられるというものではないので、専門のクリニックでご相談くださいね。 監修:リペアセルクリニック大阪院 ▼こちらもご参照ください
2020.07.20 -
- ひざ関節
工場で長時間の立ち仕事!重量物の扱いなどが膝の痛みに与える影響について 工場勤務のように立ちっぱなしの時間が長かったり、重い荷物を運んだりすることの多い仕事をしていると、腰や膝の痛みが出てきてしまう人も多いのではないでしょうか。 今回は、工場勤務などで長時間立ちっぱなしでいることや重い荷物が膝の痛みに与える影響とその改善方法について紹介します。 工場勤務で膝の痛みが出る理由とは? 工場勤務では、同じ姿勢での作業や重い荷物を運ぶ機会が数多くあります。そのような状態が長く続くことにより、膝の関節や筋肉、靭帯が損傷しやすくなり、変形性膝関節症の原因になることがあります。 変形性膝関節症とは? 変形性膝関節症は、膝の関節やその周辺組織が損傷し、軟骨がすり減っていくことで症状が進んでしまう疾患です。 そのため、できるだけ同じ姿勢や状況が続かないようにすることが痛みの改善や進行の抑制に繋がります。 変形性膝関節症を予防するには? 休憩時間や手の空いた時間に、ストレッチやマッサージをするよう心がけましょう。 姿勢が前かがみや腰を反った状態などにならないよう自分でも気を付け、負担の少ない靴を選ぶようにしましょう。自分の靴のサイズを見直し、歩行時や重い荷物を持った際に衝撃を分散させることができるよう、クッション性の高い中敷きを敷くなどの工夫も必要です。 血行を良くするために膝にサポーターをする、関節を補強するためにテーピングをするなどの対処をすると、膝の痛みの予防や改善に効果的な場合もあります。 しかし、きつすぎるサポーターや自己流のテーピングは逆効果となってしまう場合もあるため、病院を受診してサイズやテーピングのやり方の指導を受けてから行うようにしましょう。 血行不良や筋肉のこわばりも変形性膝関節症や痛みの原因となります。 自宅でのマッサージや、適度なストレッチや筋力トレーニングを行って筋肉が固まらないようにすることも痛みの改善に繋がります。 勤務をしながら変形性膝関節症を予防するための対策 ストレッチやマッサージ 前かがみ、反りった状態にならない意識 自分にあったサイスで負担が少ないクッション性のある靴や中敷きを利用 膝の負担を期限するサポーターやテーピングを活用 膝を支える筋力を強化するトレーニング 膝の痛みがつらいのなら、早めに医療機関を受診して! セルフケアをおこなっても症状が改善しない場合は、関節の炎症や損傷も考えられるため早めに受診するようにしましょう。 工場勤務は忙しいので休むのは難しいという人もいるかもしれません。 しかし、変形性膝関節所の症状が進んでしまうと、外科的な手術をしなければいけなくなることもあります。そうなる前に、適切な治療を受けたほうが良いですよね。 膝の痛みには再生医療という治療法を選択できる! 近年、再生医療という医療に注目が集まっています。 再生医療は、自身の細胞を用いて損傷を治療する方法で、手術のような大きな負担もなく、副作用も少なく済むというメリットがあります。また、治療期間も短く済むため、早期のお仕事復帰が可能になるでしょう。 工場勤務している中で、膝の痛みをごまかして毎日過ごしている人も多いかもしれませんが、関節や骨の損傷は、ほぼ自然治癒することはありません。 今以上に症状や損傷が進むのを防ぐためにも、早めに受診し、自分のライフスタイルや状況に応じた治療を受けるようにしましょう。 まとめ・工場で長時間の立ち仕事!重量物の扱いなどが膝の痛みに与える影響について 工場勤務は同じ姿勢や重い荷物を持つなどの負担が多く、膝の痛みが発現しやすい職業です。長時間の立ち仕事!重量物の扱いなど膝の負担をごまかさない!症状を悪化させないようにするためにも、早めに受診し、あなたに合った治療を受けるようにしてくださいね。 監修:リペアセルクリニック大阪院 こちらもご参照ください
2020.07.14 -
- ひざ関節
ハイヒールを履いていると膝が痛いとお悩みの女性は多いはず。 ハイヒールを履いていると、足の裏全体を使って歩行できません。そのため、歩行の衝撃が分散されず膝の負担が増えます。 今回は、ハイヒールを履いたときに膝が痛くなる原因や、痛みの改善方法を解説します。ハイヒールを履いたときに膝の痛みがある方は参考にしてみてください。 この記事を読むと分かること ハイヒールを履いたときに膝が痛くなる原因 ハイヒールを履いたときの痛みを改善する方法 ハイヒールを履くと膝が痛い!その原因は? ハイヒールによる膝の痛みの主な原因は、不安定な姿勢による膝関節への負担集中です。 ハイヒールを履いている状態では、足の裏全体を地面につけて歩行できません。つまり、非常に不安定な状態にあります。 そして、ハイヒールを履いて歩くと膝を曲げる角度が小さくなり、十分に衝撃を吸収できません。曲げる角度が小さいため、関節がクッションとして十分に力が分散されず、ダイレクトに膝関節に力がかかります。 また、ハイヒールを履くと足首の動きが制限され、その分の安定性を高めるために太ももの筋肉が働いた結果、膝関節への負担が大きくなります。 ハイヒールは不安定な構造上、均等に力を加えて歩けないため、膝に負担がかかり膝の痛みが出るのです。 ハイヒールを履いても「膝が痛い!」という状態にならないようにするには? ハイヒールを履いても膝が痛くならない方法を紹介します。 具体的な内容は以下の2つです。 ハイヒールを履いても膝が痛くならない方法 ヒールが低くて太い靴を選ぶ 正しい歩き方を身につける 歩く際の衝撃が膝に集中しているため、膝の負担を分散させるように工夫しましょう。 ヒールが低くて太い靴を選ぶ 靴のヒールが高くなると、膝の内側へ負担が集中します。一方、太ももや脛の筋肉は外側の負担が大きくなります。 また、ヒールが細いと十分にかかとに力をかけられません。そのため、前のめりの姿勢になり、膝に痛みが生じます。 ハイヒールを履いても膝が痛くならないように、かかと部分をしっかりとサポートできる太さ・硬さがあるハイヒールを選ぶようにしましょう。 正しい歩き方を身につける ヒールを履いても膝が痛くならないようにするには歩き方も重要です。 着地の際は、膝を伸ばすと負担がかかりにくくなります。4~6㎠のミドルヒールの場合、かかとから着地するのもポイントです。 膝にやさしいハイヒール選びと歩き方に気を付けてみてください。 ハイヒールを履いた際の痛みを改善するには? ハイヒールを履いて膝が痛いときは、安静にしましょう。そして、なるべくハイヒールを履く時間を短くするようにしてください。 変形性膝関節症などを発症してしまうと、治療にも時間がかかります。 そうならないためにも、痛みが続くようであれば早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けるようにしてください。 ハイヒールを履く前にできる!膝の痛みの予防方法 ハイヒールを履く前にできる予防方法である、簡単な筋トレを2種類紹介します。 手軽にできるので、すきま時間や外出前に実践してみましょう。 膝の曲げ伸ばし 椅子に座る 膝が痛む方の足を2秒かけて伸ばす 2秒かけて曲げる 曲げ伸ばしを繰り返して1日100回を目安に 太もも前面の筋力アップが期待できます。膝が痛む方は、無理のない範囲で行いましょう。 つま先の曲げ伸ばし バスタオルを丸めて高さが出るようにする マットなどの上に座る 片足はあぐらをかくように曲げて、もう片方は足を伸ばす 伸ばした足の太ももの下に1.のタオルを置く タオルを押しつぶすイメージで太ももの前面〜内側に力を入れる。この際、つま先を上に向ける 1日5回~10回を3セットが目安です 上記のストレッチはバスタオルを用意しましょう。 こちらも太ももの前側から内側の筋力アップに効果があります。 ハイヒールを履いて膝の痛みが慢性化したら早めに医療機関を受診しよう ハイヒールを履くと歩行の際に足首に十分な力を加えて地面を蹴る動作ができず、その負担を膝の関節やその周囲の筋肉が請け負った結果、「膝が痛い」症状が出る場合があります。 症状が軽度であれば安静にしつつハイヒールを控えたり、ストレッチをしたりして対処しましょう。 慢性的に痛みがあったり強い痛みが続いたりする場合は、変形性膝関節症が疑われるので医療機関の受診をおすすめします。 当院では、一般的な病院ではできない再生医療を取り扱っています。手術や入院をせずに痛みの根本から向き合いたい方は、お気軽にご相談ください。
2020.07.12 -
- ひざ関節
「立ち仕事をしていて、膝の痛みに悩んでいる」などのお悩みの声をよく耳にします。 高齢の方だけでなく、20代の若年層も同様の問題を抱えている傾向にあり、仕事に影響する原因不明の痛みを改善したいと考える方が多いです。 そこで本記事では、20代における膝の痛みの原因や考えられる疾患、痛みを和らげる方法を紹介します。 どうしても痛みが緩和されない場合は、病院の受診も検討してください。 20代で膝が痛い!立ち仕事が原因? 20代で膝が痛い原因は、主に以下の3つです。 長時間の立ち仕事によって靭帯に負担がかかっているケース スポーツ・無理なトレーニングをしたケース 交通事故・転んだなどのイレギュラーなケース 膝痛の原因は立ち仕事による負担はもちろん、トレーニングや事故が起因となるケースもあります。ご自身の生活を振り返って当てはまる事項を確認し、症状の改善に努めましょう。 原因1.長時間の立ち仕事によって靭帯に負担がかかっているケース 長時間立ったままでいると、靭帯に大きな負担がかかります。負担がかかったままの状態が続くと、靭帯に痛みが出始めるのです。 さらに負荷がかかると、靭帯損傷を発症するケースもあります。靭帯損傷は日常生活に影響を与えるため、注意が必要です。具体的には、膝が腫れる・膝が外れる・ずれることによって歩きづらくなります。 また、立ち仕事によって負担をかけすぎると膝関節が変形する可能性もあります。 原因2.スポーツ・無理なトレーニングをしたケース 激しいスポーツやトレーニングをした場合も、膝関節が痛む場合があります。 また、普段しないようなスポーツやトレーニングを突発的に行うと膝が痛くなる原因になります。 痛みが出た場合は、しばらく様子を見てください。日常生活に影響するほど強い痛みがある、回復しない場合は病院を受診しましょう。 突発的な激しい運動は控え、事前にストレッチをして筋肉を伸ばし、体を温めておくことが大切です。 原因3.交通事故・転んだなどのイレギュラーなケース 以前に転んだ・事故に巻き込まれたという方は、後遺症による膝の痛みが考えられます。 交通事故の場合は、痛みが軽くても病院で診断書を書いてもらいましょう。転んだ場合は様子を見て、痛みがひかない場合は病院を受診してください。 異様に腫れている、動かさなくても痛いなどの症状がある場合は骨折も考えられます。 立ち仕事による膝の痛みを和らげる方法 この項目では、立ち仕事による膝の痛みを和らげる方法を紹介します。すぐに実施できる方法から、膝の負担を軽減させる方法までをまとめたので試してみましょう。 適度に休憩を挟む サポーターの使用 ストレッチや運動療法 体重管理 薬物療法 また、痛みが改善されない場合は、病院の受診を検討しましょう。 適度に休憩をはさむ 運動や仕事の合間に座って休憩をとることも痛みを和らげる方法のひとつです。 膝の負担を少しでも軽減させるよう心がけましょう。 とくに、運動を長時間する場合は30分毎に休憩をはさんで、膝を休める時間を作ってください。 また、7時間以下の睡眠が続くと、筋骨格系の痛みを発症するリスクが高くなることが分かっています。休憩はもちろん、睡眠による十分な休息も重要です。(文献1) サポーターの使用 サポーターには靱帯の働きを補助してくれる働きがあります。サポーターで固定すると安定感が出るため、膝を動かしやすくなります。 痛みなどで動かしにくくなった膝周りは、筋力が低下しがちです。対してサポーターを装着すると歩行時のぐらつきをおさえられるため、膝がスムーズに動くと同時に痛みの軽減に期待できます。 ストレッチや運動療法 運動の前にストレッチをして、筋肉をのばしてあげると良いでしょう。 膝の痛みに対してまったく動かなくなると、膝周りの筋力が低下するため膝の曲げ伸ばしがしにくくなります。次第に可動域が制限され、症状が悪化する可能性が高くなるのです。 そのため、ストレッチや適度な運動は筋力低下を防ぎ、痛みを緩和するためにも必要です。ただし、やりすぎは逆効果となるため、専門家や医師と相談した上で運動療法を行いましょう。 体重管理 急激な体重増加や慢性的な肥満体型は、膝へ大きな負荷をかけます。長時間の立ち仕事をしている方であれば、なおさら気をつけなければなりません。 日々の食生活や運動量を意識し、適正体重に近づける努力をしましょう。 また、運動は無理のない範囲で毎日行うことが大切です。 薬物療法 代表的な薬物療法として痛みどめの内服薬が挙げられます。手軽に服用できるため、立ち仕事のお供として愛用している方も多いのではないでしょうか。 痛みの緩和に期待できる反面、飲み過ぎると胃粘膜が荒れてしまうと同時に薬物乱用頭痛を引きをこす恐れもあります。そのため、仕事のない日は服用せず過ごすなど制限を設けましょう。 立ち仕事で膝が痛む方からよくある質問 この項目では、立ち仕事で膝が痛む方からよくある質問をご紹介します。 膝が痛い場合はすぐに病院にいった方がいい? 症状や原因によって異なります。膝の痛みが比較的軽度で、目立った腫れや変色がない場合はすぐに病院を受診する必要はありません。 対して、立ち仕事による継続的な痛みや外傷を伴う痛み、痛みがなくとも事故など強い衝撃を受けた際は医療機関を受診しましょう。 膝の痛みに有効なストレッチは? 膝の痛みには以下のストレッチが効果的です。入浴後や就寝前後の空き時間に実施し、膝周りの筋肉を伸ばしましょう。 1,仰向けの状態で片膝を曲げ、胸の方に引き寄せる(両手を添える) 2,左右それぞれ5回ずつ実施 ※手の力で足を引っ張らず、足の力だけで行いましょう。 立ち仕事による膝の痛みは再生医療を検討しよう 立ち仕事をしている20代の若年層向けに、膝痛の原因や痛みを和らげる方法について紹介しました。 また、手術を避けたい20代の方は、再生医療の選択肢もあります。 再生医療は自分の細胞などを使うため、拒否反応が少なく低リスクで行える治療法として期待されています。 手術をしないため身体への負担も少なく、20代はもちろん、高齢の方でも施術可能です。ご自身の症状などに応じて治療法を検討してみてください。
2020.07.11 -
- ひざ関節
膝痛を改善し、登山がしたい!治す方法はあるのか 登山がブームとなり、挑戦する人も増えてきていますよね。また、ずっと登山が趣味で、長い間、登山を楽しんでいる人も多いと思います。 しかし、登山が好きという人の中には、「今後もずっと続けていきたいけれど、最近、膝痛がつらい、膝痛が治らないので登山ができない…。」と悩んでいる人もいるようです。 そこで今回は、「登山がしたいけれど、膝痛が治らない…早く治したい!」という人に向けて、膝痛の改善方法をご紹介します。 治らない膝痛は登山が原因? 膝痛の原因はさまざまで、登山をしている人の中には、登山そのものが膝痛の原因になっていることもあります。 登山で膝痛になる理由 登山で、なぜ膝痛になるのでしょうか。 一番の原因は、高低差のある道を長時間歩くことです。どうしても高低差のある道を歩くというのは、膝やその周辺の関節や軟骨に大きな負担を与えてしまいます。 そのため、登山をするときには、なるべく足への負担を軽減させることが大切です。 登山で膝痛に…改善方法は? セルフマッサージやテーピングやサポーターで補強することによって、登山のときに足にかかる負担を軽減することができます。また、足に負担のかかりにくい歩き方の指導を受けたり、杖を使うことも有効でしょう。 膝痛の原因は登山だけではない! 膝痛の原因は登山だけではありませんし、登山をしていると、必ず膝痛になる!ということでもありません。もともと膝の軟骨がすり減っているなど、膝自体に問題がある場合もあります。 そのような場合は、マッサージやテーピング、サポーターなどでの対処は難しいことがあり、膝の関節や靭帯の様子によっては、手術が必要になることもあります。 治らない膝痛を治すには手術しか方法はないの? 膝痛が治らない場合の原因として、関節やその周辺組織の損傷が考えられます。一度損傷したり、変形が進んでしまうと、自然治癒はほぼ不可能です。手術を行うことで、膝痛が劇的に改善し、再度、登山をしている人もいますから、登山がしたい!というのであれば、手術を検討するのも1つの方法です。 手術には骨切術のように骨の変形に合わせて人為的に骨を削って整える方法のほか、人工関節を入れる手術があります。人工関節手術は社会復帰も早く、膝痛が治らないと悩んでいた方の多くが改善を感じる手術でもあります。 しかし、人工関節には感染症のリスクがありますし、人工関節自体も加齢に伴い劣化していくため継続的な受診が必要などのデメリットも存在します。 登山をしたい!治らない膝痛を治す最新の方法とは? 最近注目を集めている治療法に、再生医療といった選択肢が挙げられます。 この再生医療では、自身の細胞で軟骨損傷を修復することで症状の進行を遅らせ、膝痛の改善を促します。外科的手術と比べて身体への負担も少なく、高齢の方でも受けることができます。また、副作用が少なく高い効果が期待できる治療法として話題になっています。 「膝痛が治らない、でも、また登山を楽しみたい!」と思っているのであれば、検討してみる価値のある治療法です。 まとめ・膝痛を改善し、登山がしたい!治す方法はあるのか 治らない膝痛を改善して、登山を楽しむための方法についてご紹介しました。軽度の痛みであれば、まずは自分でもできるマッサージや筋力トレーニングなどのケアを行い、普段から関節や筋肉を労わって過ごしてみてください。 生活に支障がある、登山ができないほどの膝痛が治らないという場合は、早めの受診をおススメします。外科的手術だけでなく、再生医療という最先端の方法も治らない膝痛の改善に効果が期待できますよ。ぜひ、検討してみてくださいね。 監修:リペアセルクリニック大阪院 ▼こちらもご参照ください
2020.07.09 -
- ひざ関節
膝の前面に痛みを感じると、「ジャンパー膝」か「オスグッド病」を疑うことがありますが、見た目や症状が似ているため、どちらなのか判断に迷うケースが少なくありません。 特にスポーツを頻繁に行う方にとっては、正確な判断と適切な対処が早期回復の鍵となります。 本記事では、これら2つの膝の障害について、発症部位や原因、症状、治療法の違いを詳しく解説します。 それぞれの特徴を理解することで、自分の症状がどちらに当てはまるのか判断する助けになるでしょう。 ジャンパー膝とオスグッド病の違い 膝の前面に痛みを感じる代表的なスポーツ障害として、ジャンパー膝(膝蓋腱炎)とオスグッド病があります。 どちらもジャンプや走行といった繰り返しの動作による負担が原因で発症しますが、病態や発症するメカニズム、治療法は異なります。 本章では、以下4つの観点から詳しく解説します。 似たような膝の痛みでも適切な対処法が異なるため、まずは自分の症状がどちらに近いのかを知りましょう。 比較項目 ジャンパー膝 オスグッド病 定義 膝蓋腱の炎症 脛骨粗面の剥離(はくり) 発症部位 膝蓋腱(膝蓋骨の下の腱) 脛骨粗面(膝蓋骨の下にある突出している骨) 原因 膝蓋腱への繰り返しの負荷による炎症 成長期に大腿四頭筋からの牽引力が脛骨粗面にかかること 主な症状 ジャンプ時の膝蓋腱の痛み・軽度の腫れ 脛骨粗面の突出・腫れ、運動後の痛み 治療法 スポーツ休止、リハビリ(筋力強化・ストレッチ) 安静、成長による自然治癒待ち 発症部位の違い ジャンパー膝とオスグッド病は、どちらも膝の前側に痛みが出る障害ですが、痛みが生じる部位が異なります。 発症部位の比較 ジャンパー膝 オスグッド病 痛みが現れる部位 膝蓋腱(膝蓋骨の直下にある腱) 脛骨粗面(脛骨の上端部分) 組織の種類 腱(靭帯) 骨(成長軟骨部) 視認できる変化 あまり目立たない コブ状の隆起が見られることがある ジャンパー膝では膝蓋骨(膝のお皿)の直下にある膝蓋腱に炎症が起こり、痛みを感じます。 一方、オスグッド病では膝蓋骨よりさらに下方、脛骨(すねの骨)の上端部分にある脛骨粗面が痛みます。 つまり、ジャンパー膝は膝蓋腱という腱の障害であるのに対し、オスグッド病は脛骨粗面という骨の成長部位の障害です。 原因の違い ジャンパー膝とオスグッド病は、どちらもスポーツによる膝の使いすぎ(オーバーユース)が背景にありますが、発症メカニズムと好発年齢に違いがあります。 原因の比較 ジャンパー膝 オスグッド病 主な原因 ジャンプや着地などによる膝蓋腱の繰り返しの酷使 成長期に大腿四頭筋の牽引力が脛骨粗面に繰り返しかかること 好発時期 中学生~20代のスポーツ選手に多い 小学校高学年~中学生の成長期に多い ジャンパー膝は、ジャンプやダッシュなどの動作を繰り返すことで膝蓋腱に微細な損傷が生じ、炎症が起きている状態です。 対してオスグッド病は、成長期特有の障害です。 成長期には骨の成長が筋肉や腱の伸びより速いため、大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)が硬くなりやすくなります。 上記のように、ジャンパー膝は主に腱の使いすぎによる炎症であるのに対し、オスグッド病は成長期の骨と筋肉のアンバランスが原因の成長痛的な性質を持ちます。 症状の違い ジャンパー膝とオスグッド病は膝の前面に痛みが出る点では共通していますが、痛みのパターンや外見的な変化に違いがあります。 症状の比較 ジャンパー膝 オスグッド病 痛みの特徴 膝のお皿直下に痛みがある ジャンプや着地で痛みが増強される 膝下(脛骨粗面)に痛みがある 運動後に痛みが強くなったり、膝立ちで痛みを感じたりする 外見の変化 腫れは軽度で目立つ変形はないことが多い 膝下の骨がコブ状に出っぱり腫れることが多い 痛みのタイミング 運動中、特に動作の瞬間に強い痛みを感じる 運動後や翌日に痛みが強くなることが多い ジャンパー膝では、特にジャンプや着地の瞬間、階段の上り下りなど膝を曲げ伸ばしする動作中に膝蓋腱付近に鋭い痛みを感じます。 外見上は膝蓋腱の周囲がわずかに腫れる程度で、目立った変形はありません。 一方、オスグッド病では、運動中よりも運動後や翌日に膝下(脛骨粗面)の痛みが強まることが特徴的です。 痛む脛骨粗面がコブのように腫れて突き出てくることが多く、これがオスグッド病の特徴的な外見変化です。 治療法の違い ジャンパー膝とオスグッド病はどちらも基本的に保存療法(手術をしない治療)が行われますが、治療と回復のプロセスに違いがあります。 治療法の比較 ジャンパー膝 オスグッド病 治療の基本 スポーツの休止とリハビリ(ストレッチや筋力強化)で回復を図る 安静にして自然回復を待つ。 必要に応じ大腿四頭筋のストレッチを行う 補助療法 痛みに応じアイシングや消炎鎮痛剤を用いる 痛みが強い時は膝下バンドなどで膝蓋腱の負担を軽減 手術 慢性化した重症例では腱の手術を検討 骨片が残り痛みが続く場合など成長期後の稀な例で検討 回復の特徴 適切なリハビリをしないと慢性化・再発しやすい 成長期が終われば自然治癒することが多い ジャンパー膝の治療では、痛みがある間はスポーツなど膝に負担のかかる動作を控えて安静にし、患部の炎症を鎮めます。 アイシング(冷却)や消炎鎮痛剤の使用で痛みをコントロールし、痛みが落ち着いた後は、大腿四頭筋や膝周囲のストレッチと筋力トレーニングを積極的に行います。 対して、オスグッド病の治療は、基本的に成長とともに自然に症状が治まるのを待つアプローチが中心です。 痛みが強い間は運動を休み、必要に応じて大腿四頭筋のストレッチを行います。 運動を続ける必要がある場合は、膝下に専用のバンドを巻いて膝蓋腱が脛骨粗面を引っ張る力を緩和します。 ジャンパー膝とオスグッド病のセルフチェックリスト 膝の痛みがあるとき、自分の症状がジャンパー膝なのかオスグッド病なのか、それとも全く別の病気なのか判断に迷うことがあるでしょう。 以下では、それぞれの疾患に特徴的な症状をチェックリスト形式でご紹介します。 セルフチェックをもとに自分の状態を把握し、適切な対処につなげることが、膝の痛みを早期に改善するポイントとなります。 ジャンパー膝(膝蓋腱炎)のチェックリスト ジャンパー膝の可能性が高い症状は、以下の通りです。 ジャンプの着地や急な方向転換の際、膝のお皿下あたりに鋭い痛みが走る 運動後や翌朝になると、膝の前に鈍い痛みが残る 膝蓋腱の周辺が腫れていたり、触ると熱っぽく感じる 膝の動かし始めに突っ張るような違和感がある 膝のお皿の下の部分を押すと痛みがある(圧痛がある) 階段の上り下りや深くしゃがむ動作で膝に痛みが出る 上記のような症状が複数当てはまる場合は、膝蓋腱に負担がかかるスポーツを一時中断し、整形外科の診察を受けることをおすすめします。 オスグッド病のチェックリスト オスグッド病の可能性が高い症状は、以下の通りです。 膝のお皿の下にある骨(脛骨粗面)に限って痛みがある 膝の下の特定の場所を押すと強い痛みを感じる(圧痛がある) 膝のお皿の下が腫れて熱を帯びている 膝のお皿下の骨が前より出っ張ってきた(骨のコブがある) 運動時に膝下の痛みが強くなる(ジャンプやダッシュで悪化する) 休むと痛みが和らぐが、運動を続けると痛みがぶり返す 成長期(おおむね10~15歳前後)に発症している 両方の膝に同じ症状が現れることもある 上記のような症状が見られたら、まずは成長期の膝に負担をかける動作を控え、症状が強い場合は整形外科を受診しましょう。 成長期を過ぎれば多くは自然に軽快しますが、適切な処置を受けることで回復を早めることが期待できます。 ジャンパー膝とオスグッド病の痛みには再生医療による治療も選択肢の一つ ジャンパー膝やオスグッド病の痛みが長引く場合、従来の保存療法(安静、投薬、リハビリなど)に加えて再生医療による治療を検討することも可能です。 特に注目されているのが、PRP療法(多血小板血漿療法)と呼ばれる治療法です。 PRP療法とは 患者自身の血液から血小板を多く含む血漿成分を抽出して注射する方法 血小板に含まれる成長因子が組織の修復や再生を促進する 自分自身の血液を使うため、拒絶反応やアレルギーのリスクが低い 組織の修復促進や痛みの軽減が期待できる 他の治療で改善が見られない慢性的な膝の痛みに対して、PRP療法は新たな選択肢として検討する価値があるでしょう。 治療を検討する際は、専門医と十分に相談し、費用や効果について理解した上で判断することが大切です。 【まとめ】ジャンパー膝とオスグッド病はどちらも早期治療が重要 ジャンパー膝は膝蓋腱に発症し、主に運動中の痛みが特徴的で、中学生から成人のスポーツ選手に多く見られます。 一方、オスグッド病は脛骨粗面に発症し、成長期の子どもに多く、運動後の痛みや骨の突出が特徴です。 どちらも適切な対処をせずに放置すると症状が悪化する恐れがあるため、早期発見・早期治療が重要です。 セルフチェックリストを活用して自分の症状を把握し、該当する項目が多い場合は整形外科を受診しましょう。
2020.07.08