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- 変形性股関節症
変形性股関節症の患者さんを看護する際は、股関節への負担を減らせるよう、日常生活を工夫することが大切です。 股関節の軟骨が擦り減り、骨の変形を引き起こす「変形性股関節症」は、下半身に痛みがみられる疾患です。 本記事では、変形性股関節症の患者さんの看護について、詳しく解説します。 看護ケアを行う際は、身体的側面だけでなく心理的側面にも注意し、患者さんと関わりましょう。 変形性股関節症の患者さんを看護するポイント 変形性股関節症の患者さんを看護する際は、以下の4つのポイントを押さえることが大切です。 股関節への負担を減らす日常生活の管理 リハビリが行えるように環境を整える 問診時 人工股関節置換術(THA)の手術前後 骨の変形がみられる変形性股関節症では、病状の進行や治療経過などに、患者さんの気持ちが追いつかない場合もあります。 患者さんが安心して日常生活を送れるよう、患者さんに合わせて看護ケアを行いましょう。 股関節への負担を減らす日常生活の管理 変形性股関節症の看護では、股関節への負担を減らす日常生活の管理を行うことがポイントです。 股関節へ大きな負担がかかると、症状が悪化し、治療期間が延長する恐れがあります。 改善が必要な生活習慣を送っている場合は、患者さんの意見を聞きながら、個々に合わせた行動を提案しましょう。 リハビリが行えるように環境を整える 変形性股関節症の患者さんを看護する際は、リハビリが行えるように環境を整えることが重要です。 リハビリを実施する際は、以下の点に注意して環境整備を行いましょう。 ベッドの高さが患者さんに合っているか ナースコールやコードが絡まっていないか 固定具の装着方法が正しいか 床に物が散らかっていないか 変形性股関節症でリハビリを行う目的は、症状の緩和や術後の可動域の拡大です。 安全にリハビリが行えるように、看護師は患者さんの身の回りを入念にチェックしましょう。 問診時 変形性股関節症の患者さんを看護する際は、問診時の表情や言動を確認することがポイントです。 問診時に以下の点を観察すると、症状の有無や患者さんの気持ちなどを把握できます。 苦痛表情の有無 動作時の痛みの有無 股関節の可動域 歩行状態 感覚障害の有無 不安症状 リハビリの進捗状況 など 患者さんの訴えに耳を傾けることも大切ですが、診察の出入りや待っている様子などを見て、日常生活での困りごとを知ることも重要です。 人工股関節置換術(THA)の手術前後 変形性股関節症で人工股関節置換術(THA)を受ける患者さんを看護する際は、手術前後の様子を観察しましょう。 人工股関節置換術(THA)とは、股関節の擦り減った部分を人工物に置き換える手術です。 術後は変形性股関節症による痛みや動かしにくさなどの症状が改善しますが、リハビリで日常生活動作を獲得していく必要があります。 手術前後で下半身の使い方に違いが生じることで違和感を覚えたり、今後の生活が見通せなかったりすると、患者さんの不安が大きくなるため注意が必要です。 手術への不安が大きく、手術を避けて治療したい場合は、再生医療による治療も選択肢の1つです。 以下の動画では、手術を避けて変形性股関節症を治した方の体験談をご紹介していますので、合わせてご覧ください。 変形性股関節症の看護ケアで重要なこと 変形性股関節症の看護ケアで重要なことは、以下の2つです。 退院後の生活指導も重要 術前後のメンタルヘルスに注意する 手術で変形性股関節症を治療した場合は、リハビリによる可動域の拡大が期待できるため、今までできなかった動作ができるようになる可能性があります。 人工股関節置換術を受けた患者さんの、日常生活での注意点を指導し、合併症のリスクを低減しましょう。 退院後の生活指導も重要 変形性股関節症の看護ケアでは、退院後の生活指導も重要です。 人工股関節置換術を受けた患者さんに退院指導を行う際は、以下の内容を伝えましょう。 あぐらの姿勢をとらない 正座で前かがみにならない 前かがみで靴下を履かない 足を組まない 手術をした側の足を軸足にしない 重い荷物を持たない 転倒に注意する 洋式トイレを使用する 激しい運動を行わない 変形性股関節症の術後は、人工関節に負担がかからないように姿勢を工夫することが大切です。 仕事や趣味などで、股関節に負担のかかる動作がないか、患者さんとともに確認しましょう。 術前後のメンタルヘルスに注意する 変形性股関節症の患者さんを看護する際は、術前後のメンタルヘルスに注意が必要です。 術前に思い描いていた生活と実際の術後の様子が異なる場合に、ストレスが増加したり意欲の低下がみられたりするケースがあります。 元の日常生活に戻るためにはリハビリが必要ですが、意欲の低下により目標を見失うこともあります。 看護師は術前後の患者さんの悩みを傾聴し、不安を軽減できるよう関わりましょう。 【まとめ】変形性股関節症の看護はケアと周囲の協力が重要 変形性股関節症の看護は、患者さんの周囲の協力や気持ちに寄り添ったケアが重要です。 変形性股関節症で痛みや動かしにくさなどの症状がある場合は、保存療法や手術療法が検討されます。 手術療法は患者さんの気持ちが変化しやすく、不安や辛さなどの心理は術後のリハビリにも影響する恐れがあります。 生活指導では患者さんだけでなく、患者さんのご家族の協力も得て、退院後の生活について考えていくことが重要です。 不安が大きく、手術療法を避けて変形性股関節症を治療したい患者さんには、再生医療による治療も1つの選択肢です。 患者さんやご家族の気持ちに寄り添い、患者さんに合わせた看護を提供しましょう。
2019.05.08 -
- 変形性股関節症
ヨガは体にいい運動として一般的に知られていますが、変形性股関節症を患っている方は注意が必要です。 ヨガは股関節に大きな負担がかかるポーズが多く、床に座る時間が長いため股関節に痛みがある方にはおすすめできません。変形性股関節症を改善するためには、症状に合わせた運動療法が必要です。 そこで本記事では、変形性股関節症の症状や正しい運動療法について解説します。運動療法で改善を図り、日常生活で注意すべきことを意識して、痛みと上手に付き合っていきましょう。 変形性股関節症にヨガが適さない理由 結論から述べると、変形性股関節症の方や脚の付け根に痛みを感じる場合、ヨガは基本的にNGです。 床に座る姿勢が続くことで、股関節に負担がかかります。股関節の痛みがあるのに我慢してヨガを行うと、症状が悪化する可能性が高いです。 変形性股関節症やその症状が疑われる方は、専門家の指導を受けてからヨガを行いましょう。 変形性股関節症とは 股関節は太ももの骨である大腿骨が骨盤にはまり込むようにできています。この股関節が変形してくると、大腿骨と骨盤の隙間が狭くなり、軟骨組織が硬くなります。 また症状が進行すると、関節の周囲に骨棘(こつきょく)とよばれるトゲのような骨組織が形成されたり、骨嚢胞(こつのうほう)とよばれる骨の空洞ができたりします。このように関節が変形すると、股関節の動きも狭くなってきます。 例えば、股関節を深く曲げる動作や、足を大きく外に開く動作ができなくなっていきます。最初の頃は立ち上がりや歩き出しの際に足の付け根に痛みが見られます。症状が進行してくると痛みも強くなり、場合によっては夜寝ていても痛みを感じるようになる人もいます。 対して、骨の変形により狭くなった可動域をヨガなどで無理に動かすことは、痛みをさらに増強させることになりかねません。また、変形性股関節症は女性に多い疾患です。女性の場合は生まれつき股関節のはまり込みが浅い人がいます。 一度変形をした関節は元の形には戻りませんので、関節への負担を軽減することが大事です。 変形性股関節症にはヨガ以外の運動療法が効果的 変形性股関節症とヨガの相性は良くありませんが、股関節や下肢をまったく動かさないことも問題です。 そのため、変形性股関節症の患者さんに対して治療の一環として「運動療法」が取り入れられることが多いです。 運動療法の目的は、股関節のリラックスによる股関節軟骨の健康維持と股関節の可動域の確保です。運動療法を適切な方法で継続すると、股関節を正しく動かせるため、筋力の維持にもつながります。 変形性股関節症の正しい運動療法 変形性股関節症の患者さんは、一体どのような運動が良いのでしょうか。 原則として担当医から指導された内容を実施することが重要ですが、股関節に過度な負担がかからない運動や継続が容易である運動が効果的です。股関節や下肢に負荷のかかる運動は、かえって変形性股関節症の症状を悪化させる可能性があります。 運動療法は根治的な治療とはなりませんが、症状の改善に役立つため継続が大切です。しかし、患者さんによっては継続が難しい場合もあるため、軽めかつ簡単に実施できる以下の運動をおすすめします。 他にも「水中運動」は負荷が少ないため、変形性股関節症の運動療法として適しています。 日常動作における改善方法 変形性股関節症は股関節の軟骨がすり減ることにより、痛みや運動の制限を引き起こします。 日常生活の中のさまざまなシーンで動きや姿勢に注意を払うと、痛みを軽減できたり、生活しやすくなったりします。 以下の方法を実践してください。 正しい姿勢を保つ 立つときや座るときに背筋を伸ばして肩を後ろに引く 座るときに工夫する 背もたれがある椅子にする、足は組まない 歩くときに工夫する ゆっくりと大きな歩幅で歩き、足を引きずらない 階段を使用する 1段ずつ足を上げる、手すりを使用する 荷物の保ち方を工夫する 重い荷物は肩に掛ける、両手で持つ 動作に気をつける 重いものを持ち上げる・しゃがむときは腰を丸めずに足に力を入れる 睡眠時の姿勢を意識する 背骨が自然なカーブを保つようにする、ゆっくりと寝返りをする 運転するときに配慮する 運転席の位置を調整して膝を曲げやすくする 変形性股関節症はヨガでなく適切な運動療法で改善しよう https://youtu.be/iPHLbIXjPNk?feature=shared 変形性股関節症における運動療法は効果的です。対して体に良さそうなイメージがあるヨガは、股関節への負荷が大きいことから変形性股関節症の治療法として適していません。逆に症状を悪化させる恐れがあるため注意が必要です。 運動療法を取り入れる場合は、担当の医師から指導された内容を遵守して、継続的に行いましょう。調子が良いからと運動量を自分の判断で増やしても良くならないため、無理は禁物です。一度の運動量を増やすのではなく、決められた運動を毎日継続してください。 また、近年では変形性股関節症の再生医療が注目を集めています。リスクを抑えつつ高い治療効果が期待できる治療方法です。興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
2019.05.08 -
- 変形性股関節症
変形性股関節症では、股関節や下半身に痛みの症状がみられます。 ストレッチを行ったり患部を温めたりしても、痛みが引かない場合は、痛み止めによる薬物療法が有効です。 本記事では、変形性股関節症に適用される痛み止めについて、詳しく解説します。 痛み止めは変形性股関節症による痛みの緩和に期待できますが、根本的に原因を取り除ける治療法ではないため注意が必要です。 変形性股関節症で痛み止めを服用する際は、自身に合った薬剤を処方してもらい、量や用法を守りましょう。 変形性股関節症に適用の痛み止めは? 変形性股関節症に適用される痛み止めには、以下の3種類があります。 内服薬 注射薬 外用薬 変形性股関節症になると、股関節や下肢に痛みがみられます。 初期はストレッチや患部の温めで痛みが引く場合もありますが、関節の変形が進むと、痛みも強くなる可能性があるため注意が必要です。 変形性股関節症の痛みを緩和する方法に、痛み止めを服用する薬物療法があります。 薬物療法を受ける際は、医師の指示を守り正しく薬剤を使用しましょう。 内服薬 変形性股関節症では、主に以下の痛み止めが内服薬として処方されます。 アセトアミノフェン ロキソニン(NSAIDs) リリカ(プレガバリン) サインバルタ トラムセット など 内服薬は口から投与する薬で、錠剤や粉薬などの形状があります。 痛みが常時でなければ頓服として処方される場合が大半ですが、薬の種類によっては内服時間が決まっていこともあるため、医師に確認しましょう。 注射薬 変形性股関節症では、以下の注射薬が適用される場合があります。 ステロイド関節内注射 ヒアルロン酸注射 ステロイドは、強い痛みにも効果が期待できる薬剤ですが、長期使用すると副作用のリスクが高まります。 ヒアルロン酸注射は、関節の動きを滑らかにし、痛みの軽減を図る治療法です。 注射で痛みを緩和する場合は、穿刺部の感染リスクがある点に注意が必要です。 外用薬 変形性股関節症の痛み止めの1つに、外用薬があります。 湿布薬や塗り薬などを外用薬といい、患部に直接使用するのが特徴です。 外用薬は内服薬や注射薬と比べて、効果が出現するまでに時間がかかりますが、胃腸への負担が少ないといったメリットがあります。 変形性股関節症に痛み止めを服用する際の注意点 変形性股関節症に痛み止めを服用する際は、以下の3点に注意しましょう。 薬物療法は根本的な治療ではない 痛みが緩和しない場合は医師に相談する 服用方法や飲み合わせには十分注意する 服用する際の注意点を確認し、適切な用法で痛み止めを使用しましょう。 薬物療法は根本的な治療ではない 薬物療法は、変形性股関節症の根本的な治療ではない点に注意が必要です。 痛み止めは対症療法であり、変形性股関節症によって起こる痛みの軽減に期待できます。 変形性股関節症による痛みは、股関節の変形によって起こるため、原因となっている部位の治療も行うことが大切です。 痛みが緩和しない場合は医師に相談する 変形性股関節症で痛み止めを使用しても、痛みが緩和しない場合は早めに医師に相談してください。 痛みが緩和しない場合は、服用している薬が合っていない可能性があります。 薬の効果が十分に得られないときは、早めに医師へ相談し、ほかの薬を処方してもらいましょう。 服用方法や飲み合わせには十分注意する 変形性股関節症で痛み止めを使用する場合は、服用方法や飲み合わせに十分注意してください。 痛み止めは、自己判断で中断せずに、医師の指示通りに服用しましょう。 医療機関や薬局へ行く際は、お薬手帳を持っていき、服用可能かどうか確認することが大切です。 変形性股関節症は、運動療法や温熱療法などの保存的治療と合わせて薬物療法を行うと、痛みの緩和により効果が期待できます。 【まとめ】変形性股関節症を根本的に治療するなら再生医療も選択肢の一つ 変形性股関節症では、症状の進行を抑えたり痛みを和らげたりするために、まずは保存的治療を行うのが一般的です。 保存的治療の1つに、痛み止めによる薬物療法があります。 痛み止めの服用は、痛みのコントロールに有効ですが、根本的な治療ではないため注意が必要です。 薬物療法をはじめとした保存療法を行っても、症状の悪化がみられる場合は、手術療法や再生医療による治療を検討しましょう。 再生医療とは、患者様自身の細胞を利用して、擦り減った軟骨の修復・再生を促す治療法です。 変形性股関節症を根本的に治療したい場合は、ぜひ一度当院(リペアセルクリニック)へご相談ください。
2019.05.08 -
- 変形性股関節症
変形性股関節症の痛みに悩まされている方は多いです。この記事では、変形性股関節症の方がやってはいけないことを中心に紹介します。 これ以上股関節の痛みを悪化させないために、まずは「やってはいけないこと一覧」を押さえてください。症状の悪化を防ぐためには、日常的な動きを意識したり、生活スタイルを変えたりする必要があります。 手術をせずに変形性股関節症の痛みを改善したい方は、ぜひ参考にしてください。 変形性股関節症におけるやってはいけないこと一覧 変形性股関節症になったら、少しでも症状を悪化させないのが重要です。そのためには、変形性股関節症の症状が悪化するようなことを避けましょう。 ここでは変形性股関節症におけるやってはいけないことについて解説します。 1.股関節や脚に負担をかける 変形性股関節症の場合は、股関節や脚に負担をかけてはいけません。変形性股関節症は、股関節や脚に負担のかかる行動をすると悪化する可能性が高まります。 たとえば、重いものを抱えたまま階段を上り下りするなどです。仕事の都合上行う必要があっても、結果的に変形性股関節症を悪化させ、仕事や日常生活にさらに支障をきたす可能性があります。 家族や勤め先の人たちの理解と協力を得て、可能な限り日常生活から股関節等に負担のかかるアクションを減らしましょう。 2.高さ・サイズが合っていない杖や靴をそのまま使用する 変形性股関節症になったら、杖の購入や靴の見直しなどが必要です。症状に合わせて杖や靴を見直す・買いなおすことは費用負担の点でデメリットに感じるかもしれません。 しかし、股関節への負担をやわらげて痛みを緩和させるためにも、今までと同じものを使い続けるのはよくありません。身の丈にあった杖やサイズの合った靴を選び、使用しましょう。 3.体重のコントロールを怠る 体重の重い人は体重の分だけ股関節への負担がかかるといわれています。 姿勢や動作によっては体重の数倍の負荷がかかる可能性もあります。体重のコントロールは、変形性股関節症の治療を続ける上でとても重要です。 4.無理のある姿勢の維持 変形性膝関節症の場合、股関節に負担のかかる姿勢は避けましょう。たとえば、正座やあぐら、しゃがむ動作は股関節に負担がかかりやすい動作です。 日常生活で行う以下の動作を避けたり、動くときに注意したりするようにしましょう。 負担のかかる姿勢 改善方法 畳や床の上に座る 脚つきの椅子を利用 和式トイレを使う 便座付きトイレを利用 低い椅子で立ち座りを繰り返す 座った際に膝の角度が90度以下にならない椅子を利用 生活を和風から洋風に変えて、布団や和式トイレの使用を避ける意識が重要です。 5.ストレッチや筋力強化を怠る 変形性股関節症の治療では、股関節への負担を軽減して可動域を確保するために運動療法を実施します。しかし、変形性股関節症では痛みなどの症状もみられるため、体を動かしたくないケースも珍しくありません。 しかしストレッチなどで股関節を動かさないと関節の可動域が徐々に狭くなり、筋力低下を招いてしまいます。変形性股関節症の症状を悪化させる可能性があるため、無理のないレベルで運動療法の継続を心がけましょう。 やってはいけないことを未然に防ぐ方法 やってはいけないことを未然に防ぐには、股関節をひねる・しゃがむといった負担がかかりやすい動作が少ない生活スタイルに変えるのが重要です。具体的には、布団をベッドに変える、床に座らず椅子に座ることを意識しましょう。 一人暮らしであればすぐに対応できますが、一緒に暮らす家族がいる場合は周囲の理解が必要です。変形性股関節症の人がやってはいけないことをリストにして壁に貼っておくだけでも、自然と意識して生活できるようになります。 家族の声かけがあると、やってはいけない動作をグッと減らせます。 変形性股関節症の禁忌事項に関するよくある質問 よくある変形性股関節症の禁止事項に関しての質問に答えていきます。以下の内容を参考にして日常生活を送りましょう。 変形性股関節症の貧乏ゆすりはやってはいけない? 変形性股関節症でやってはいけないストレッチは? 変形性股関節症の貧乏ゆすりはやってはいけない? 貧乏ゆすりと似た動きのジグリングは、変形性股関節症の運動療法として取り入れられます。(文献1) つま先を床につけた状態で左右のかかとを小刻みに上下させて、かかとは床から2センチ程度上げます。関節に負担をかけることなく動かせる方法としておすすめです。 変形性股関節症でやってはいけないストレッチは? 関節に負担をかける可能性がある以下のストレッチは避けてください。 曲げ伸ばしや回転運動を伴うストレッチ 関節に負荷をかけるストレッチ(ダウンドッグストレッチなど) 長時間の動きが少ないストレッチ(立ったまま行う上半身のストレッチなど) 痛みを引き起こす可能性があるため、このようなストレッチや動きは適度に行う必要があります。(文献2) 変形性股関節症におけるやってはいけないことを厳守しよう 変形性股関節症の症状を悪化させないためには、やってはいけないことを知ることが大切です。その上で、股関節や脚・腰に負担のかかる動作をしないようにしましょう。 担当医師の指示や指導に沿って日常生活を送り、症状の悪化や異常が見られた場合は、早めに相談してください。手術をしないで治したいと考えている方は、再生医療も視野に入れて、治療法を検討しましょう。 当院では再生医療に関する相談を無料で受け付けているので、まずはメールでご相談ください。 参考文献 文献1^ R B Salter, et al.The biological effect of continuous passive motion on the healing of full-thickness defects in articular cartilage. An experimental investigation in the rabbit. J Bone Joint Surg Am, 62(8):1232-51. 1980 文献2^ Yoshimura M, Sasaki S, Iwasaki K et al : Occupational lifting is associated with hip osteoarthritis : a Japanese case-control study. J Rheumatol 2000 ; 27(2) : 434-40
2019.05.08 -
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股関節の痛みに悩まされる高齢者の方にとって、人工股関節置換術は活動的な生活を送るための手段の1つです。 しかし、手術後は日常生活に戻るため、長期的なリハビリを行う必要があります。 本記事では、高齢者の人工股関節置換術後のリハビリ内容・リハビリの流れと全体像について解説します。 また手術後の注意点やリハビリを継続するための工夫についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。 人工関節置換術を検討している方や、ご家族の方のお役に立てる情報をお届けします。 高齢者の人工股関節術後(THA)のフェーズ別リハビリ内容 高齢者の人工股関節術後(THA)のフェーズ別リハビリ内容は、以下の通りです。 手術後1週目:安静と日常的な運動を始める 手術後2~4週目:可動域と筋力回復訓練 手術後1~3か月:歩行・日常生活に戻るための練習 今回は、手術後1週目から3か月後にかけてのリハビリ内容を紹介します。 具体的にどのような訓練を行うのか解説していくので、ぜひ参考にしてください。 手術後1週目:安静と日常的な運動を始める 手術後1週目は、安静を基本としつつ、早期離床に向けての準備段階の時期です。 体位変換(体の位置や向きを変える介助)を定期的に行い、褥瘡の予防に努めましょう。 運動は主に足首の曲げ伸ばしや、ふくらはぎのポンプなど、深部静脈血栓の予防運動が中心となります。 ベッド上での簡単な運動から始めて徐々に活動範囲を広げていき、痛みの程度を確認しながら無理のない範囲でリハビリを進めましょう。 また手術後1週目は日常生活動作への導入として、寝返りや起き上がりなどの練習を開始する時期でもあります。 術後の状態や回復具合に合わせて、理学療法士や医師の指示のもと、慎重にプログラムを進めていくことが重要です。 手術後2〜4週目:可動域と筋力回復訓練 手術後2〜4週目は、可動域と筋力回復訓練が中心です。 【主なリハビリ内容】 股関節の可動域訓練 筋力強化訓練 立位・歩行訓練の導入 歩行器や杖を使った訓練を開始し、徐々に歩行距離を伸ばしていきます。 大腿四頭筋や臀筋の強化を目的とした運動療法も、積極的に行う場合が多いです。 日常生活動作に必要な筋力と可動域の改善を目指し、階段昇降などの練習を始めていくケースもあります。 痛みのコントロールと状態観察を継続しながら、退院後の生活を見据えたリハビリを進めていきましょう。 手術後1〜3か月:歩行・日常生活に戻るための練習 手術後1~3か月は、安定した歩行の確立を目指す段階です。 自立して歩けるように、必要に応じて杖の使用を継続しましょう。 加えて買い物・調理・トイレ動作などのADLトレーニングを実施し、退院後の生活をスムーズに送れるよう療法士が支援します。 また、筋力維持・向上のための運動療法を継続し、自主トレーニングについても指導を行います。 この段階のリハビリは、「焦らず、しかしあきらめず」の姿勢が大切です。 日々の小さな変化や前進を前向きに捉え、継続する意志と自己肯定感を持って取り組むことが、回復への大きな力となります。 人工股関節術後のリハビリの流れと全体像 人工股関節術後のリハビリの流れと全体像は、以下の通りです。 術後リハビリのフェーズ(術後直後~退院後) 歩行・自立までの目安 術後は簡単なリハビリから始め、徐々に歩行・自立を目指します。 ここからは、2つの段階に分けて解説していきます。 術後リハビリのフェーズ(術後直後~退院後) 術後早期は、疼痛管理と基本的な運動から開始し、徐々に可動域訓練や筋力強化に移行します。 退院前には、日常生活動作(ADL)の練習を集中的に行い、社会復帰に向けた準備を整えます。 退院後は、自宅での自主トレーニングを継続し、定期的な外来リハビリで経過確認を行うフェーズに移行する時期です。 活動的な日常生活の維持と、再手術のリスク軽減を目標にリハビリを継続していきましょう。 一人ひとりの状態や経過に合わせた、段階的かつ継続的なリハビリが重要です。 歩行・自立までの目安 歩行・自立までの目安は、一人ひとりの状態や手術の経過によって異なります。 時期 到達目標 術後〜1週 立位保持 2〜4週 杖を使った歩行訓練開始 1〜3か月 杖卒業・自立歩行の練習 3か月以降 屋外歩行の練習 人工関節置換術は身体への負担が大きく、回復までに個人差がある点に注意が必要です。 リペアセルクリニックでは、変形性膝関節症に対し、自己脂肪由来の幹細胞を用いた再生医療を提供しています。 この治療法は手術をせずに、損傷した軟骨の修復を促し、痛みを軽減することを目指します。 培養した幹細胞を膝関節に注射することで、軟骨の再生を促し、関節機能の改善が期待できるでしょう。 また当院では再発予防に重点を置いたリハビリ施術を提供するなど、早期の回復に努めています。 変形性ひざ関節症等でお悩みの方は、リペアセルクリニックの電話・メールからご相談ください。 高齢者が人工股関節術後の生活で気をつけること 高齢者が人工股関節術後の生活で気を付けることは、以下の通りです。 家の中の安全対策 脱臼を防ぐ動作や生活習慣 杖や補助具の使い方 歩行や自立が成功しても、思わぬ事故が起こり、再手術するケースは珍しくありません。 再手術や怪我をするリスクを下げるためにも、日常生活の中で対策を行いましょう。 家の中の安全対策 転倒は再手術や更なる怪我のリスクを高めるため、家の中での安全対策が必要です。 可能な限り段差の解消や手すりの設置を行い、移動の安全性を確保しましょう。 また転倒防止のために、滑りにくいマットの活用も有効です。 電気コードやカーペットの端など、つまずきやすいものの整理も忘れないようにしましょう。 さらに明るい照明を確保し、夜間の移動にも配慮することで、より安全な生活を送ることができます。 脱臼を防ぐ動作や生活習慣 術後の生活では、股関節に過度な負担をかけないことが重要です。 【日常で注意をするべき動作】 深く腰をかがめる ↳座った状態で足を組む・床にある物を拾う・和式トイレの使用など 股関節を内側にねじる動作 ↳片足立ちで靴を履く・布団の上で方向転換する動作など 特に、深く腰を曲げる、足を大きく開く、内側にひねるなどの動作は避けるように心がけましょう。 また睡眠姿勢や椅子の腰掛け方など、日常の「クセ」にも注意が必要です。 仰向けで寝る、座る際には深く腰掛けすぎない、立ち上がる際には手すりを利用するなどの工夫も重要となってきます。 長時間の同一姿勢も股関節に負担をかけるため、適度に体勢を変えるようにしましょう。 膝の人工関節置換手術のリスク・合併症について詳しく知りたい方は、ぜひこちらを参考にしてみてください。 杖や補助具の使い方 杖や補助具を使用する際は、医師や理学療法士の指示に従い、適切な種類と長さを選ぶことが大切です。 術後間もない方(特にバランス不安定な方) ↳歩行器または四点杖 ゆっくり歩けるが、まだふらつきがある方 ↳四点杖または多脚杖 屋外でもある程度歩ける方 ↳T字杖(一本杖) 歩行時には、杖を体のやや前方に突き出し、杖を突くタイミングと反対側の足を一緒に出すよう意識しましょう 正しい使い方を身につけることで、転倒のリスクを減らし、安全に活動範囲を広げることができます。 また補助具に頼りすぎず、徐々に自力で歩けるように訓練することも大切です。 高齢者がリハビリを続けるための工夫 高齢者がリハビリを続けるための工夫は、以下の通りです。 モチベーション維持のポイント 家族や介護者のサポート方法 歩行・自立を成功させるには、日々のリハビリが欠かせません。 1日でも早く歩行・自立した状態になるためには、家族や介護者のサポートが必要です。 ご家族や介護者の協力を得ながら、共に日々のリハビリを継続して、回復を目指していきましょう。 モチベーション維持のポイント モチベーション維持のためにも、小さな成功体験を積むことを意識しましょう。 小さな成功体験は、リハビリへの更なる意欲に繋がります。 例えば「少しだけ歩けた」「痛みが少し和らいだ」など、些細なことでも家族や友達と喜びを共有しましょう。 そのためにも家族やスタッフの声かけが大切であり、励ましや応援の言葉が大きな支えとなります。 家族や介護者のサポート方法 家族や介護者のサポートは、高齢者が安心してリハビリに取り組み、日常生活に戻る上で欠かせません。 一緒に散歩や体操をすることで、身体的なサポートはもちろん、精神的な支えにもなります。 また生活リズムの見守りも重要な役割です。 規則正しい生活は、身体機能の回復を促し、意欲の維持にも繋がります。 さらに温かい励ましと理解を示すことが、高齢者にとって大きな心の支えとなります。 人工股関節置換術後は、元の生活に戻るために適切なリハビリが重要 人工股関節置換術後は、歩行や自立のためのリハビリが重要になります。 元の生活に戻るためにも、家の中での安全対策や生活習慣、家族やスタッフのサポートが欠かせません。 股関節や腰、脚に何らかの異変を感じた際は、放置せずにできるだけ早く医療機関を受診し、医師の診断と今後の具体的なアドバイスを受けることが重要です。 リペアセルクリニックでは、再生医療とリハビリを組み合わせた、より積極的な機能回復支援を提供しています。 自己の細胞を活用した治療法は、将来的な関節の健康維持に貢献できる可能性があります。 変形性ひざ関節症の痛みに悩まされている方は、ぜひリペアセルクリニックまでご相談ください。
2019.05.08 -
- 変形性股関節症
股関節の痛みは入浴で温めたり、ストレッチや運動をすることで改善する可能性があります。 また、股関節を温めることは、筋肉がほぐれて血行促進につながり痛みを緩和できるため、自分でできる痛みへの対処方法としておすすめです。 ただし、炎症を起こしている場合に股関節を温めると症状が悪化する可能性があるため、痛みの根本的な原因の特定や改善が必要となります。 この記事では、股関節の痛みを緩和させる方法を中心に、再生医療の選択肢についても紹介していきます。 股関節症の痛みを緩和する効果的な方法 股関節の痛みを緩和するためには、以下の方法があります。 股関節を温める ストレッチや運動 医療機関で治療 ただし、自身の判断で行うと症状が悪化する可能性があるため、必ず医療機関を受診の上で指導を受けてから行うようにしてください。 股関節を温める 股関節の痛みがあるときは、ぬるめのお湯に入浴することや、ホットパックなどで足の付け根を温めることにより痛みが軽減できる可能性があります。 緊張した筋肉を緩和し、血行を促進することで動きやすくなるため、筋肉の緊張や血行不良が原因の場合は痛みの緩和が期待できます。 ただし、痛みが強い場合などは症状が悪化する可能性があるため、医療機関を受診するようにしてください。 ストレッチや運動でほぐす 股関節の痛みにはストレッチや運動を行うことで、姿勢を良くし、骨盤の傾きや歪みを矯正することにより、痛みが軽減する可能性があります。また、股関節の筋肉の柔軟性が高くなることで、可動域が広がります。 ストレッチは無理のない範囲内で行い、運動はプールなど水中でゆっくりウォーキングすることが大切です。 股関節の筋肉トレーニングは、十分なストレッチを行っていない状態で実施すると症状を悪化させる可能性があります。 医療機関で治療を受ける 股関節を温めることや、ストレッチ、運動などを行っても痛みが続く場合は、医療機関で治療を受けることが必要です。 治療法はいくつかありますが、塗り薬や湿布などの外服薬や鎮痛剤などの内服薬による薬物治療や、ブロック注射やヒアルロン酸注射などの注射治療により、関節液の潤滑効果を高めることで、痛みや炎症を軽減できる可能性があります。 また、自身の幹細胞を股関節の患部に注射することで、軟骨や関節の再生を促す再生医療という選択肢もあります。 もしも薬物療法に抵抗がある方は、当クリニック(リペアセルクリニック)が提供している再生医療もご検討ください。 股関節症の痛みは変形性股関節症や関節リウマチの可能性もあり 股関節症の痛みは、股関節の骨や軟骨が変形することで痛みが出る変形性股関節症や、自己免疫疾患の一つでもある関節リウマチの可能性があります。 変形性股関節症は加齢や肥満などが原因で、股関節の軟骨がすり減り、関節リウマチは関節のなかにある膜が炎症を起こすという、免疫の異常が原因です。 変形性股関節症や関節リウマチなどは、早い段階で医療機関に行く必要があります。 以下の記事で詳しく解説していますので、変形性股関節症や関節リウマチが疑われる人はご参考ください。 股関節の痛みを繰り返さないためにできるセルフケア方法 股関節の痛みの症状は治療をしても繰り返し発症する可能性があるため、日常生活でのセルフケアが重要となります。 例えば肥満を防ぐための適切な体重維持や、乳製品や魚などのカルシウムを日常生活のなかに取り入れることなど、股関節の痛みを繰り返さない努力が必要です。 ストレッチや筋トレといった運動療法などは、無理をすると再発する可能性があるため、医師の指導を守る必要があります。 股関節の痛みを治療するには再生医療も選択肢の一つ 股関節症の痛みを治療するには、自身の幹細胞を活用した再生医療も選択肢の一つです。 股関節症はリハビリや治療により、痛みが軽減できる可能性がありますが、日常生活でのセルフケアを怠ると再発するリスクもあります。 リペアセルクリニックが提供する再生医療は、患者様自身の細胞を用いた安全性が高い治療(自己脂肪由来幹細胞治療)であり、副作用や股関節痛の再発を抑制できる可能性がある治療法です。 また、当院では一般的な股関節への注射方法とは異なり、軟骨が最も損傷している箇所を特定しピンポイントに幹細胞を注入する独自の関節内投与方法を採用しています。 「股関節内の損傷部位へ確実に幹細胞を届ける」ことにこだわって治療を行っていますので、当院の再生医療に興味がある方は以下をご確認ください。 股関節の痛みが続く場合は医療機関を受診しよう 股関節症の痛みが続く場合は、早期に医療機関を受診する必要があります。 股関節症は変形性股関節症や関節リウマチ、骨盤の歪みやケガなど、さまざまな原因があり、入浴やストレッチ、運動療法、日常的なセルフケアを行うことが重要です。 治療法もリハビリや薬物治療、注射治療などがありますが、再生医療という選択肢もあります。 股関節の痛みは放置しておくと症状が悪化する可能性があるため、既存の治療方法では改善が期待できないという方や再生医療が気になる方はリペアセルクリニックまでご相談ください。 以下の動画では変形性股関節症の再生医療について詳しく解説しております。ぜひご覧ください。 また、現在当クリニックのLINEでも再生医療についてや股関節の改善が見込めた症例について紹介していますので、合わせてご確認ください。 ≫公式LINEはこちら
2019.05.08 -
- 変形性股関節症
膝の痛みに悩まされ、日常生活にお困りの方は少なくありません。 変形性膝関節症の症状の改善には、正しい知識を身につけ、適切なアプローチを行うことが大切です。 本記事では、変形性膝関節症に効果的なストレッチ3選とストレッチが効果的な理由について解説します。 日常的にストレッチを取り入れるようにして、体をケアしましょう。 変形性膝関節症に効果的なストレッチ3選 変形性膝関節症の痛みを和らげるには、膝周辺の筋肉をバランスよく柔軟に保つことが重要です。 特に膝関節を支える主要な筋肉のストレッチにより、関節への負担を軽減できます。 以下に効果的なストレッチ3選をご紹介します。 膝の前側を伸ばすストレッチ 膝の外側を伸ばすストレッチ 膝の裏側を伸ばすストレッチ 無理のない範囲でストレッチを行い、症状の悪化を防ぎましょう。 膝の前側を伸ばすストレッチ 膝の前側には大腿四頭筋という太ももの前側の筋肉があり、膝を伸ばす重要な役割を担っています。 この筋肉が硬くなると膝に余計な負担をかけてしまうため、以下の手順でストレッチをしましょう。 壁やテーブルに片手をついて安定した姿勢をとります ストレッチしたい側の足首を手で持ち、ゆっくりとかかとをお尻に近づけます 太ももの前側が伸びていることを感じながら20秒間キープします 3セット繰り返します ストレッチを行う際は、腰が反りすぎないよう注意してください。 膝が内側や外側にねじれると関節を傷める恐れがあるので、まっすぐに保つことを意識しましょう。 膝の外側を伸ばすストレッチ 膝の外側には前脛骨筋や腓腹筋があり、硬くなると膝の動きが不安定になることがあります。 柔軟性を保つことで、歩行時の安定性が向上します。 椅子に座り、ストレッチしたい側の足を少し前に出します つま先をゆっくりと自分の方に引き寄せます(足首を曲げる) すねの外側が伸びるのを感じながら20秒間キープします 次につま先を遠くに伸ばし(足首を伸ばす)、ふくらはぎを伸ばします これも20秒間キープし、交互に3セット行います 痛みを感じる場合は無理せず、心地よく伸びる程度にとどめておきましょう。 膝の裏側を伸ばすストレッチ ハムストリングスと呼ばれる太ももの裏側の筋肉は、膝を曲げる働きがあります。 この筋肉が硬くなると膝の動きが制限され、痛みの原因になることがあります。 床に座り、ストレッチしたい足をまっすぐ前に伸ばします もう片方の足は曲げて内側に置きます 背筋を伸ばしたまま、伸ばした足のつま先に向かって上半身を倒していきます 太ももの裏が伸びていることを感じながら20秒間キープします 3セット繰り返します 無理に前屈せず、痛気持ちいいと感じる程度で止めることが大切です。 膝が曲がらないように注意しましょう。 変形性膝関節症にストレッチが効果的な理由 変形性膝関節症にストレッチが効果的な理由は、主に以下の2つです。 筋力不足を解消できる 筋力がつき進行を遅らせられる それぞれ詳しく解説します。 筋力不足を解消できる 変形性膝関節症の方は、痛みを避けるために動作を制限してしまうと筋力低下を招くため注意が必要です。 適切なストレッチを継続することで筋肉の柔軟性を高め、筋力不足を解消でき、膝の安定性が向上します。 筋力不足を解消すると、日常生活での動作もスムーズになり、膝への負担が軽減されます。 ただし、長すぎるストレッチは逆に筋力低下を招く可能性があるため、心地よく伸びると感じる程度にとどめておくことが大切です。 筋力がつき進行を遅らせられる 適切なストレッチで筋肉の柔軟性が高まると、関節の安定性を保つ筋力も効率よくつけられるようになります。 これにより、膝軟骨への負担が軽減されるため、変形性膝関節症の進行を遅らせる効果が期待できます。 特に太ももの前後の筋肉と股関節周りの筋肉をバランスよく整えることが重要です。 ストレッチと筋力トレーニングを組み合わせることで、より高い効果が得られるでしょう。 ただし、急激な改善を求めず、継続的に行うことがポイントです。 変形性膝関節症でストレッチする際の注意点 変形性膝関節症の症状改善にストレッチは有効ですが、正しい方法で行わないと症状を悪化させる恐れもあります。 効果を最大化し、安全に続けるために知っておくべき注意点を2つご紹介します。 過度な運動は禁物 治療と組み合わせることが重要 適切なケアと組み合わせることで、長期的な膝の健康維持につながります。 過度な運動は禁物 変形性膝関節症の方がストレッチを行う際は、無理のない範囲で行うことが重要です。 痛みを我慢してまで強いストレッチを行うと、炎症を悪化させたり、さらなる軟骨の損傷を招いたりする可能性があります。 「痛気持ちいい」と感じる程度にとどめ、強い痛みを感じたらすぐに中止しましょう。 無理な姿勢や反動をつけたストレッチは関節に負担をかけるため避けてください。 治療と組み合わせることが重要 ストレッチだけで変形性膝関節症を改善するのは難しく、医師の診断と適切な治療と並行して行うことが重要です。 薬物療法や物理療法などの医学的治療と組み合わせることで、より高い効果が期待できます。 症状の程度や進行状況に応じて、医師や理学療法士と相談しながら自分に合ったストレッチプログラムを作成するのがおすすめです。 そもそも変形性膝関節症とは? 変形性膝関節症は、膝関節の軟骨がすり減ることで起こる疾患です。 加齢や過度な膝への負担、怪我などが原因で症状につながります。 軟骨は、膝関節のクッションの役割を果たす部位です。この軟骨が摩耗すると、骨と骨が直接こすれ合うようになり、痛みや炎症を引き起こします。 主な症状には以下のようなものがあります。 膝の痛み・こわばり 膝の腫れや熱感 関節の動きにくさや可動域の制限 膝がガクガクする不安定感 初期段階は動作時のみに症状が現れることが多いですが、進行するにつれて安静時にも痛みを感じるようになります。 変形性膝関節症で鍛えるべき膝周りの筋肉 変形性膝関節症の症状改善には、膝を安定させる周囲の筋肉を鍛えることが重要です。 特に大腿四頭筋(太ももの前側)は膝蓋骨を支え、膝関節の安定性を保つ役割があります。 また、ハムストリングス(太ももの裏側)は膝の曲げ伸ばしをサポートし、下肢全体のバランスを整えます。 これらの筋肉をバランスよく鍛えるには、ストレッチと筋力トレーニングを組み合わせた運動が効果的です。 【まとめ】変形性膝関節症は治療と並行してセルフケアすることが大切 変形性膝関節症になると、日常生活に大きな影響を及ぼすかもしれません。 症状の改善には、治療と並行してストレッチなどのセルフケアをすることが大切です。 ただし、ストレッチは治療法ではなく、筋力の維持や柔軟性を保つ補助的な軽い運動として捉えてください。 医師の指導のもと、無理のない範囲でストレッチや生活習慣の改善などのセルフケアを行いましょう。 なお、当院「リペアセルクリニック」では、変形性膝関節症に対する治療として、再生医療を提供しています。 手術を避ける"切らない"治療方法として、人工関節術に代わる最新の治療法が再生医療です。 当クリニックの再生医療(幹細胞治療)では、ひざ関節に幹細胞を注入するこことですり減った軟骨が再生され、立ち上がりや歩行時の痛みが軽減。 変形が初期の段階であれば、幹細胞治療を受けることで、変形の進行を防ぐことも可能です。 手術自体への不安や、術後のリスク。後遺症などで変形性膝関節症の症状にお悩みの方は、リペアセルクリニックまでお気軽にご相談ください。
2019.05.08 -
- 変形性股関節症
変形性股関節症は、女性に多い疾患といわれています。 変形性股関節症が女性に多いといわれる理由は、発症に女性ホルモンが関係したり、男性と比べて筋力が弱かったりするためです。 本記事では、変形性股関節症の原因について、詳しく解説します。 変形性股関節症の症状が悪化しないよう、自身に合った治療法を見つけましょう。 変形性股関節症の主な原因5つ 変形性股関節症の主な原因は、以下の5つです。 加齢によって関節軟骨の弾力性が低下している 肥満・急激な体重増加による股関節への負担が大きい オーバーユース(使いすぎ)によって股関節が摩耗している 先天性疾患によって関節軟骨がすり減りやすい 股関節疾患の後遺症として発症する可能性も 股関節がすり減り変形する変形性股関節症では、痛みや動かしにくさなどの症状がみられます。 適切な予防策を行うことで、変形性膝関節症の発症リスクや症状の悪化リスクを低減できる可能性があるため、原因を調べることが重要です。 加齢によって関節軟骨の弾力性が低下している 加齢によって関節軟骨の弾力性が低下すると、変形性股関節症を発症しやすくなります。 関節軟骨の弾力性の低下により、股関節が通常とは異なる動きをし、すり減りや変形などが進行しやすくなります。 股関節の痛みや下半身の動かしにくさがある場合は、変形性股関節症の症状の可能性もあるため、早めに医療機関を受診しましょう。 肥満・急激な体重増加による股関節への負担が大きい 変形性股関節症を発症する原因の1つに、肥満や急激な体重増加があります。 急激に体重が増加すると、身体を支えている股関節に大きな負担がかかります。 先天的・後天的な骨の変形がない場合でも、体重増加により変形性股関節症を発症するケースがあるため注意が必要です。 食生活や運動習慣の改善で体重管理を行いましょう。 オーバーユース(使いすぎ)によって股関節が摩耗している オーバーユース(使いすぎ)によって股関節が摩耗している場合にも、変形性股関節症を発症する可能性があります。 股関節の摩耗により骨が変形すると、下半身に痛みやしびれなどの症状が出てきます。 スポーツ活動や日常生活で、股関節に負担のかかる動作を行う機会が多い方は注意が必要です。 以下の記事では、変形性股関節症がスポーツ選手に多い理由について、詳しく解説していますので合わせてご覧ください。 先天性疾患によって関節軟骨がすり減りやすい 先天性疾患によって関節軟骨がすり減りやすい場合は、変形性股関節症になる可能性も高いため注意しましょう。 変形性股関節症の原因となる主な先天性疾患は、先天性股関節脱臼と臼蓋形成不全です。 先天性股関節脱臼 生まれつき股関節が脱臼を起こしている状態 臼蓋形成不全 股関節の屋根の部分にあたる臼蓋の発育が不完全で、大腿骨頭への被りが浅い状態 臼蓋形成不全では、中年以降にはじめて痛みがみられ、病気に気づくケースもあります。 先天性疾患のある方は、股関節の痛みだけでなく、動かしにくさや少しの違和感でも医療機関を受診することが重要です。 股関節疾患の後遺症として発症する可能性も 股関節疾患の後遺症として、変形性股関節症を発症する可能性もあります。 転倒や交通事故などで腰にダメージを負うと、大腿骨頭壊死や大腿骨頭すべり症を発症する恐れがあります。 大腿骨頭壊死 大腿骨の骨頭部(先端)が壊死する 大腿骨頭すべり症 大腿骨が正常な位置からずれる 大腿骨頭壊死や大腿骨頭すべり症は、変形性股関節症の原因疾患であり、発症すると股関節に痛みを生じるため注意が必要です。 変形性股関節症が女性に多いといわれる理由 変形性股関節症が女性に多いといわれる理由は、以下の2つです。 エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの分泌量低下が発症原因になるため 男性より筋力が弱いため エストロゲンは、骨代謝を促して骨量を増やす女性ホルモンで、閉経後に分泌量が低下します。 女性の場合は更年期以降、エストロゲンの分泌量が低下し、骨のすり減りが進行しやすいため注意が必要です。 また、女性は男性と比べると筋力が弱く、歩行や立ち上がり動作などで股関節に負担がかかりやすい特徴があります。 変形性股関節症の人がやってはいけないこと 変形性股関節症の人がやってはいけないことは、以下のとおりです。 深くしゃがむ動作 下半身に負担がかかる動作 サイズの合っていない靴の着用 不十分な体重管理 変形性股関節症になった方は、日常生活の中で気を付けなければいけない動作が多いです。 対策として、股関節周辺の筋トレやストレッチなどを行うと、可動域の拡大や柔軟性向上に期待できます。 股関節に過度な負担がかからないよう、体重管理を徹底し、無理な動作は控えましょう。 変形性股関節症でやってはいけない動作について、以下の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。 変形性股関節症はどうやって治療する? 変形性股関節症の主な治療法は、以下の2つです。 保存療法 手術療法 股関節の痛みを治療せずに放置していると、症状が悪化し、日常生活に支障をきたす恐れがあります。 股関節に違和感がある際は、早めに医療機関を受診し、自身に合った治療法を検討しましょう。 保存療法 変形性股関節症の治療法の1つに、保存療法があります。 保存療法は、以下の手段で症状の緩和を目指す治療法です。 薬物療法(痛み止め・抗炎症薬 など) 温熱療法(ホットパックの使用) 運動療法・リハビリテーション療法 日常生活の改善(体重管理・食事管理) 痛みや腫れなどの症状がある場合には、薬物療法や温熱療法による保存療法が行われるのが一般的です。 変形性股関節症の病状が進行し、股関節の可動域が狭まっているケースでは、リハビリを実施し日常生活動作の再獲得を目指します。 手術療法 保存療法を行っても症状の改善がみられない場合は、手術療法が検討されます。 変形性股関節症の主な手術方法は、関節を残して治療する「関節温存手術」と、損傷した部位を人工物に入れ替える「人工股関節置換術」です。 手術療法は、症状を根本的に治せるメリットがありますが、入院やリハビリなどで治療期間が長引くデメリットもあるため注意しましょう。 変形性股関節症で手術療法を受けるタイミングにお悩みの方は、以下の記事も参考にしてください。 変形性股関節症を手術せずに治療できる再生医療について 変形性股関節症を手術せずに治療したい場合は、再生医療による治療も1つの選択肢です。 再生医療とは、患者様自身の細胞を利用して、すり減った股関節の軟骨を修復・再生する治療法です。 当院(リペアセルクリニック)では、以下の特徴をもつ再生医療をご提供しています。 再生医療は通院での治療が可能なため、仕事や家庭の事情で長期休みがとれない方でも受けられます。 変形性股関節症の症状にお困りの方は、ぜひ一度当院(リペアセルクリニック)へお問い合わせください。 【まとめ】変形性股関節症は進行する前に治療を開始することが重要 変形性股関節症は、先天性疾患やオーバーユースなどが原因で発症します。 症状が進行すると股関節の痛みだけでなく、下半身の動かしにくさもみられる場合があるため、初期の段階で治療を開始することが重要です。 保存療法を受けても症状の改善がみられない場合は、手術療法や再生医療が検討されます。 再生医療は、関節温存手術や人工股関節置換術と比べて、身体への負担が少ない治療法です。 手術を避けて変形性股関節症を治したい場合は、当院(リペアセルクリニック)にご相談ください。
2019.05.08 -
- 変形性股関節症
- 股関節
変形性股関節症を発症した場合に多くみられる症状とは 変形性股関節症になると、違和感や痛みなど何らかの症状が現れることが多いです。そして、生活の質を大きく下げる場合もあります。こちらでは「変形性股関節症」になるとどのような症状が出るのかについて解説します。 変形性股関節症で見られる症状 変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減って、荷重により骨の変形をもたらす病気のことです。この変形性股関節症の症状で具体的に多いものには「股関節の痛み」があります。 その痛みについてご説明いたします。 1.症状が進むごとに痛みの出方が変化する 変形性股関節症が初期の段階において「立ち上がり」や、「歩き初め」に股関節に痛みを感じるといった症状が出ます。しかし、痛みは一時的なものであり、個人差はありますが、すぐに痛みが引くことが多いです。 症状が進んでくると次第に痛みの出方も強くなり、常に痛む「持続痛」や、夜寝ている間にも痛む「夜間痛」などの症状に発展する可能性があります。 症状が進むと起こる症状 持続痛 夜間痛 2.痛みによる日常生活への悪影響 変形性股関節症は、立ち上がりや歩き初めに痛みが生じやすいので、生活の中でさまざまな弊害をもたらす可能性があります。 例えば、「靴下の着脱が難しくなる」、「足の爪切りが難しくなる」、「階段の上り下りが難しくなる」、「長時間立っているのが辛くなる」そして「歩行に支障がでる」といった毎日のように行う動作にも悪影響が及びます。 変形性股関節症、日常生活での支障例 靴下の着脱が難しくなる 足の爪切りが難しくなる 階段の上り下りが難しくなる 長時間立っているのが辛くなる 歩行が難しくなる 変形性股関節症の治療法 変形性股関節症は、初期の段階で痛みが軽度であれば保存的治療、進行が進んだ末期では外科的な治療(手術)が有効です。初期の段階では、運動療法や投薬治療などを行う保存的治療で症状の緩和と進行防止を行います。 保存的治療で十分な成果が出ない場合には、手術を選択する必要があります。手術は少なからずリスクがかかりますし、心身ともに負担を感じる人も多いです。ですから、変形性股関節症が疑われる症状を自覚したら、早めに医療機関を受診するようにしましょう。 まとめ・変形性股関節症を発症した場合に多くみられる症状とは 変形性股関節症は、命にかかわるような病気ではありませんが、生活の質を大幅に低下させる可能性がある病気です。病気が進行するにしたがって症状も重くなり、治療も外科的手術が必要になりますので、早めに医療機関を受診し治療を始めることが望ましいです。 監修:リペアセルクリニック大阪院 こちらも併せてご参照ください
2019.05.08 -
- 変形性股関節症
生活の質を落としかねない変形性股関節症、症状と知っておきたい治療法 年齢を重ねるにつれて変形性股関節症に悩む人が増えてきます。 足や股関節などに生じる異常は、毎日の生活にも大きく関わるため厄介ですよね。こちらでは、「変形性股関節症」という病気について、どんな病気なのか解説します。 股関節とは? 変形性股関節症は、名前にある通り「股関節」に発症する病気のことです。股関節とは、両足の付け根(鼠径部:そけいぶ)の関節のことであり、骨の表面には軟骨が存在して関節の動きを滑らかにしたり、衝撃を和らげています。 変形性股関節症とは? 変形性股関節症とは、股関節の軟骨が何らかの原因によってすり減り、骨を含めた関節が変形する病気のことです。また、関節を取り囲んでいる「滑膜」という部分に炎症が起こり、歩行などの際に違和感や痛みが生じたり、股関節の周囲が腫れたりします。 変形性股関節症の発症原因 変形性股関節症の70%以上が、加齢を除いた場合、先天性または怪我の後遺症によるものであるといわれています。具体的な変形性股関節症の発症原因は、以下のような内容が考えられます。 加齢によるもの 先天性の股関節脱臼 先天的な股関節の変形 怪我の後遺症 変形性股関節症の症状 変形性股関節症を発症すると、以下の症状が発生する可能性があります。 股関節の痛み(症状が進むと持続痛や夜間痛が起こる) 歩行障害 その他、日常生活における問題(靴下が履きにくくなる、足の爪が切りにくくなるなど) 変形性股関節症の診断 変形性股関節症の診断は、前述の症状がある場合にレントゲン写真を撮影して診断します。 初期の段階では股関節の変形などが認められますが、症状が進むと関節の隙間が狭くなり、軟骨下骨が硬化するなどの症状がみられるようになります。末期になると関節の周囲に「骨棘」という異常な組織が形成され、空洞が発生するなどの症状がみられるようになります。 また、荷重部の関節軟骨が消失して、軟骨下骨がむき出しになってしまうこともあります。 変形性股関節症の治療法 変形性股関節症の治療法は、大きく分けると「保存的治療」と「手術治療」に分けられますが、新たに再生医療という先端医療が注目を集めています。手術も不要であるばかりか入院も不要という治療法です。 保存的治療は以下の内容を含みます。 生活指導(股関節への負荷を軽減する生活方法など) 運動療法(股関節周囲の筋力訓練やストレッチなど) 薬物療法(痛み止めなど) 手術治療は、以下の2つに分けられます。 骨切手術 人工股関節置換術 第三の選択肢 再生医療(幹細胞治療) ※手術を避けることができる ※入院不要 身体に優しい先端医療 https://youtu.be/Dlp-ggXtQp0?si=ycKpbr0eonp7ed8t まとめ・生活の質を落としかねない変形性股関節症、症状と知っておきたい治療法 変形性股関節症は、具体的な原因が存在しない(年齢によるもの)場合もありますので、症状を感じ取ったら早めに医療機関で診てもらうことをオススメします。命にかかわる可能性は薄いとはいえ、生活の質を大幅に低下させてしまうため、早めの対処が重要です。 以上、変形性股関節症の症状と治療法のアウトラインをご説明させて頂きました。変形性股関節症には再生医療という先端医療で治療する方法もあります。これは手術を行うことなく、自分の脂肪から幹細胞を抜き出し、数千倍から数億倍に培養して患部に注射で投与するものです。 手術や、入院も不要な新たな治療法として注目を浴びています。ただ再生医療は一般的な病院等では受けることができません。当院は、厚生労働省から認可を受け、多くの症例数を有するクリニックです。治療方法などご質問等はお気軽にお問い合わせください。 監修:リペアセルクリニック大阪院
2019.05.08 -
- 変形性膝関節症
変形性膝関節症の痛みを和らげる3つのストレッチと行うべき時期について 変形性膝関節症は、ストレッチをすることである程度痛みを緩和させる効果が期待出来ます。そこで今回は膝関節のストレッチ方法やストレッチを行うのに適した時期についてご紹介します。 変形性膝関節症に効果的な3つのストレッチ 変形性膝関節症に効果的なストレッチは、自宅で簡単に行うことが出来ますし、やり方も簡単です。こちらでは、足首と膝、脚を使ったストレッチを3つ紹介しますね。 ①足首ストレッチ まず、床に両手両足を伸ばした状態で座りましょう。この時、手のひらは床に着いています。そして、片方の足首を伸ばし、5秒キープし力を抜きます。 反対の足首も同様に行ってください。 ②膝ストレッチ まず、仰向けに寝転びます。その後片方の膝を曲げ、胸の方にゆっくりと引き寄せましょう。片方が終わったらもう片方も同様に行ってください。回数は左右それぞれ5回ずつです。 膝ストレッチを行うときには、「手で脚を引っ張らない」ようにしてください。足を胸の方に引き寄せていきますが、手は添えるだけ。つまり、足の力だけで行うことが大切です。 ③脚上げストレッチ まず、仰向けに寝転び、片方の膝を軽く曲げましょう。次に、伸ばしている方の膝をゆっくり上げ、5~10秒ほどキープします。 膝を上げる高さは、最初に軽く曲げた側の膝の高さを目指してくださいね。左右それぞれ20回ほど行ってください。 この足上げストレッチ運動では、太ももの前側にある大腿四頭筋を鍛える効果が期待できます。この部分の筋肉を鍛えることで、歩行の際に膝関節にかかる負担が軽くなるので、変形性膝関節症の痛みの緩和や改善に効果的なのです。 変形性膝関節症のストレッチを行うのに適した時期 変形性膝関節症のストレッチは、膝に痛みのある時に無理に行ってしまうと逆効果になってしまう危険があります。痛みがある場合は、まずは整形外科を受診するようにしてくださいね。 無理のない範囲であれば、一日の中で何度行っても良いでしょう。お風呂の中で行なうのも効果的です。毎日の生活の中に、ストレッチをする時間を設けていきましょう。 まとめ・変形性膝関節症の痛みを和らげる3つのストレッチと行うべき時期について 今回は足首と膝、脚を使った変形性膝関節症のストレッチを3種類ご紹介しました。どのストレッチも簡単に行うことができますが、膝に痛みがある時は無理しないことが大切です。出来る範囲で適切に行うようにしましょう。 注射をすることで痛みを和らげる方法もあります。 監修:リペアセルクリニック大阪院 以下もご参考ください 監修:リペアセルクリニック大阪院
2019.05.08 -
- 変形性膝関節症
- ひざ関節
変形性膝関節症の手術を受けた後、どのような生活を送れば良いのか、気をつけるべき点は何なのか不安を抱える方もいることでしょう。 本記事では、変形性膝関節症の手術後に気をつけるべき生活習慣や注意点について詳しく解説いたします。 手術後の具体的な生活で気を付けるべきポイントに加え、注意すべき合併症やリハビリテーションの重要性についてもご紹介します。 変形性膝関節症の手術後の生活で気を付けるべきこと 変形性膝関節症の手術後の生活で気を付けるべき5つのポイントを紹介します。 体重管理を徹底する 感染症対策を怠らない 膝を深く曲げる動作を避ける 膝の負担になるスポーツは控える バランスが取りやすい靴を履く とくに人工膝関節置換術を受けた方は、人工関節の摩耗を防ぎ、再手術のリスクを減らすために日常生活での配慮が必要です。 それぞれ詳しくみていきましょう。 体重管理を徹底する 体重の増加は膝に大きな負担をかけ、人工関節の緩みや劣化を早める原因となります。 わずか3kgの減量でも、歩行時に膝にかかる負担は約9kg、階段の昇降時には15〜20kgもの負担軽減につながります。 手術後は、バランスの良い食事と適度な有酸素運動を心がけ、適正体重の維持に努めましょう。 体重管理は人工関節の寿命を延ばすだけでなく、全身の健康維持にも効果的です。 感染症対策を怠らない 人工関節は感染症に対して非常に弱いという特性があります。 一度感染すると、感染した人工関節の洗浄と新しい人工関節へ入れ替える手術が必要になる場合があります。 このような大きな負担を避けるためにも、感染予防は非常に重要です。 日常的な手洗い うがいの徹底 風邪予防の体調管理 歯科疾患や水虫などの早期治療 糖尿病など持病の管理 手術前・手術後のどちらも、これらの感染予防に努めましょう。 深く曲げる動作を避ける 変形性膝関節症の手術後は、人工関節の脱臼を防ぐために正座などの膝を深く曲げる動作を避けましょう。 また、無理に膝を曲げると人工関節に負担がかかり、緩みや磨耗の原因となることがあります。 対策として、和式の生活様式から洋式への切り替えをおすすめします。 床に直接座る代わりに椅子を使用する、布団からベッドに切り替えるなどの工夫をしましょう。 膝の負担になるスポーツは控える 適度な運動は体重管理や筋力維持のために大切ですが、人工膝関節に過度な負担がかかるスポーツは避けるべきです。 長距離のランニングやテニス、ゴルフなどは膝をねじる動作や強い衝撃を与えるため控えましょう。 ウォーキングや水泳、サイクリングなどの低負荷の運動を無理のない範囲で始めるのがおすすめです。 また、運動時には無理をせず、痛みを感じたらすぐに中止することが大切です。 バランスが取りやすい靴を履く 足元の安定は膝への負担軽減に直結するため、バランスが取りやすい靴を着用しましょう。 靴を選ぶ際のポイントは、以下の通りです。 ヒールが低く幅広い 適度なクッション性がある 足の甲までしっかり覆われている サンダルやハイヒールなどの不安定な靴や、かかとが柔らかすぎて足首がぐらつくような靴は適していません。 靴紐やマジックテープで、締め付けを調整できる靴が理想的です。 変形性膝関節症の手術後に注意すべき合併症 変形性膝関節症の手術後には、いくつかの合併症リスクがあります。 血栓症 感染症 脱臼・骨折 早期発見・早期対応が重要なため、術後の体調変化には十分注意が必要です。 入院中は医療スタッフが観察していますが、退院後も自己観察を続け、少しでも気になる症状があれば、担当医に相談しましょう。 以下では、主な合併症とその特徴、対処法について解説します。 血栓症 変形性膝関節症の手術後は、手術による出血への生体反応と一時的な安静により、血液が固まりやすくなり血栓ができるリスクが高まります。 血栓は下肢の血流を阻害し、ふくらはぎの痛みやむくみを引き起こすことがあります。 さらに血栓が肺や脳まで移動してしまうと、命に関わる肺塞栓や脳塞栓を起こす危険もあります。 予防には、早期からの足首の運動やリハビリテーションの実施、十分な水分摂取、弾性ストッキングの着用が効果的です。 感染症 人工関節は細菌感染に弱く、感染すると発熱や手術部位の腫れ、痛み、赤みなどの症状が現れます。 感染症になると再手術が必要になることが多く、手術の前後は感染症対策が必要です。 風邪や歯科疾患など他の部位の感染症も注意し、手洗い・うがいの徹底、傷口の清潔保持が重要です。 脱臼・骨折 変形性膝関節症の手術後は、関節が完全に安定するまでの期間は脱臼や周囲の骨折のリスクがあります。 とくに人工膝関節の場合は周囲の骨折に注意が必要です。 予防には、医師から指示された可動域の制限を守り、転倒リスクの高い行動を避けることが大切です。 また、自宅の環境整備として、つまずきやすい段差の解消や手すりの設置などもリスク低減に役立ちます。 変形性膝関節症の手術後に行うリハビリテーション 変形性膝関節症の手術後には、膝関節の機能改善のために入院中からリハビリテーションを行います。 入院中のリハビリ 退院後のリハビリ これら2つのリハビリについて解説します。 入院中のリハビリ 入院中のリハビリは手術当日または翌日から始まります。 まず術後の腫れや痛みの管理を行いながら、ベッド上での簡単な足首の曲げ伸ばしや、力を入れるだけの運動から開始します。 手術後2〜3日目には、理学療法士の指導のもと、立ち上がりや歩行器を使った歩行訓練へと進みます。 退院後のリハビリ 退院後も自宅や外来でのリハビリを継続することが重要です。 自宅では医師や理学療法士から指導された運動を継続的に行い、徐々に膝の曲げ伸ばしの角度を広げていきます。 個人差はありますが、退院後から1~2カ月ほどリハビリを継続すると、日常生活に必要な膝の動きを取り戻せます。 リハビリの進捗に合わせて、杖などの補助具も段階的に卒業していくことが可能です。 変形性膝関節症を手術せずに治療できる再生医療について 変形性膝関節症の治療には、手術を伴わない「再生医療」という選択肢もあります。 再生医療では、主に幹細胞治療とPRP(多血小板血漿)療法という治療を行います。 幹細胞治療:ほかの細胞に変化する能力がある「幹細胞」を患者さま自身から採取・培養し患部に投与する治療法 PRP(多血小板血漿)療法:患者さま自身から採取した血液を遠心分離にかけ、血小板を濃縮した液体を精製し患部に投与する治療法 どちらの治療法も手術せずに治療できるため、体の負担が小さい治療法として注目されています。 再生医療に関する詳細は、当院「リペアセルクリニック」へお気軽にご相談ください。 【まとめ】変形性膝関節症の手術後の生活は膝に負担をかけないことが重要 変形性膝関節症の手術後の生活では、膝への負担を減らし、感染リスクを回避するための配慮が必要です。 体重管理の徹底や感染症対策としての手洗いうがい、膝を深く曲げる動作を避けて生活しましょう。 また、ハイヒールなどは避けて安定した靴を着用することも大切です。 リハビリテーションは入院中から退院後まで継続して、機能回復を目指しましょう。 個人差はありますが、順調に回復すれば1~2カ月で膝の動きが戻ってきます。 膝関節の健康維持のために医師の指導を守り、無理のない範囲で活動することが、人工関節と長く付き合うための鍵となります。 なお、当院「リペアセルクリニック」では、手術を必要としない再生医療を提供しています。 膝の痛みに対する再生医療に関しては、以下のページや症例をご覧ください。
2019.05.08 -
- 変形性膝関節症
- ひざ関節
変形性膝関節症の手術後は、すぐに日常生活へ戻れるわけではなく、数ヶ月にわたってリハビリが必要になることもあり、体への負担や生活への影響が大きくなる可能性があります。 しかし、手術の種類によってリハビリにかかる期間や回復スピードは異なるため、事前にその違いを知っておくことが重要です。 本記事では、変形性膝関節症における3つの代表的な手術ごとに、リハビリ期間と入院期間を比較しながらわかりやすく解説していきます。 変形性膝関節症のリハビリ期間に関する不安や疑問を感じている方は、ぜひ参考にしてください。 変形性膝関節症のリハビリ期間は手術の種類によって異なる 変形性膝関節症のリハビリに要する期間は、以下手術の種類によって異なります。 手術 リハビリ期間 人工関節置換術 約1ヶ月 関節鏡視下手術 ・手術前と同じ生活を送る:約2〜3週間 ・膝に痛みや違和感を感じなくなるまで:約3〜6ヶ月 高位脛骨骨切り術 約2ヶ月 それぞれの手術の特徴やリハビリ期間について見ていきましょう。 人工関節置換術 人工関節置換術(TKA)は、変形が進行した膝関節の表面をチタンやセラミック製の人工関節に置き換える手術で、術後のリハビリ期間は1か月程度が目安です。 強い痛みや歩行障害など、日常生活に支障をきたす症状がある中等度〜重度の変形性膝関節症の方に適応されます。 関節を人工物に置き換える大掛かりな手術のため、術後は歩行訓練や筋力回復のためのリハビリが必須となります。 人工関節のデメリットについては、以下の動画で解説していますので、ぜひ参考にしてください。 関節鏡視下手術 関節鏡視下手術は膝に2~3か所の小さな切開を加え、内視鏡を挿入して関節内を映像で確認しながら処置を行う手術で、リハビリ期間は以下の通りです。 手術前と同じ生活を送る:約2〜3週間 膝に痛みや違和感を感じなくなるまで:約3〜6ヶ月 入院期間は2〜3日程度と比較的短いだけでなく、切開が小さく身体への負担も少ないため、高齢者を含め幅広い年代の方に対応可能です。 高位脛骨骨切り術 高位脛骨骨切り術(HTO)は、膝の変形や痛みを軽減するために、脛骨(すねの骨)を切り、角度を調整する手術です。 リハビリの進行には個人差もありますが、以下のような流れで回復していきます。 術後3週目頃:松葉杖をつきながら体重の1/2の負荷をかけて歩行を開始 5週目以降:全体重をかけての歩行練習を開始 退院後約2カ月程度:杖なしでスムーズに歩けるようになるまで 退院後は、早歩きや車の運転が可能になる方も多く、徐々に日常生活に戻ることを期待することが可能です。 全体重をかけての歩行練習は5週目頃から行われ、杖を使わず歩けるようになるのは退院後約2か月かかります。 骨を安定させるために金属プレートで固定する処置を行いますが、術後2〜3年を目安にプレートを取り除くための再手術が必要になるので注意が必要です。 変形性膝関節症の入院期間は? 変形性膝関節症の入院期間を手術方法ごとに紹介します。 手術 入院期間 人工関節置換術 約1ヶ月 関節鏡視下手術 2~3日 高位脛骨骨切り術 5週間~6週間 入院期間を比較すると、手術時の切開が小さい関節鏡視下手術が最も短く、2~3日で退院できます。 最も入院期間が長い高位脛骨骨切り術は、骨を切るため治癒に時間がかかり、リハビリも含めた入院期間は5~6週間が目安です。 人工関節置換術は手術後のリハビリを含め、約1ヶ月かかります。 ただし、入院期間の長さだけで手術を選ぶのではなく、退院後も継続的なリハビリが必要であることを理解しておきましょう。 とくに高位脛骨骨切り術では、退院後も杖なしで歩けるようになるまで約2ヶ月かかるため、生活環境を整えておくことが重要です。 変形性膝関節症で入院・手術を避ける治療法なら再生医療も選択肢に 変形性膝関節症の治療を検討されている方で、できるだけ入院や手術を避けたいという方は、再生医療も選択肢としてご検討ください。 再生医療は患者さまの細胞を採取・加工して注射する治療法で、入院や手術を必要としません。 また、患者さま自身の細胞を利用するので、副作用のリスクは比較的低いとされます。 脂肪由来の幹細胞を用いた再生医療では、患者さまから米粒2~3粒ほどの脂肪組織を採取し、培養した幹細胞を患部に注射します。 再生医療について詳しく知りたい方は、以下のページもご覧ください。 【まとめ】変形性膝関節症のリハビリ期間は手術によって異なる 変形性膝関節症のリハビリ期間や入院期間は、以下のように手術によって異なります。 手術 リハビリ期間 人工関節置換術 約1ヶ月 関節鏡視下手術 ・手術前と同じ生活を送る:約2〜3週間 ・膝に痛みや違和感を感じなくなるまで:約3〜6ヶ月 高位脛骨骨切り術 約2ヶ月 個人差はありますが、変形性膝関節症の手術後、違和感なく日常生活を送れるようになるには2~3ヶ月以上かかるケースが多いです。 いずれの手術も回復に時間がかかるため、症状が軽いうちに早期治療を行うことが重要です。 また、入院や長期リハビリを避けたい方には手術不要の再生医療も選択肢となります。 自身の生活スタイルや症状に合わせて最適な治療法を医師と相談しましょう。 なお、当院「リペアセルクリニック」では、変形性膝関節症に対して再生医療を提供しております。 再生医療による治療を検討している方は、当院「リペアセルクリニック」にご相談ください。
2019.05.08 -
- 変形性膝関節症
- ひざ関節
サポーターは変形性膝関節症の痛みを和らげ、関節への負担を軽減・歩行などの日常動作をサポートするために有効な補助具となります。 自分にとって最適なサポーターが分からないという場合、変形性膝関節症の進行度や症状のタイプに応じて、製品の形状を選ぶことが重要です。 項目 内容 形状選びのポイント ・筒型(スリーブタイプ):軽度〜中度の症状におすすめ ↳装着が簡単で動きやすい ・ベルト調整式:中度以上の症状や運動時向け ↳部位ごとに締め具合を調整できるため、サポート力が高い ・ヒンジ付きタイプ:関節の不安定さが顕著な方や重症の方向け ↳横方向のブレに強く、歩行補助効果が高い 本記事では、変形性膝関節症におすすめのサポーターの種類や特徴・選び方のポイントを詳しく解説していきます。 正しい使い方や注意点も紹介していくので、サポーターの活用方法を知り、快適に生活を送るためにぜひ参考にしてみてください。 変形性膝関節症にサポーターが必要な理由 変形性膝関節症においてサポーターは、膝関節の安定性を高めて痛みを軽減し、日常生活の質を維持・向上させるために重要な役割を果たします。 サポーターの役割とは? 変形性膝関節症の痛みが生活に与える影響 以下ではサポーターの役割や変形性膝関節症について詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。 サポーターの役割とは? サポーターを正しく着けることで膝関節を安定させられるので、何もつけていない状態よりも関節への負担が少なくなります。 【サポーターの機能】 圧迫機能 ↳サポーター本体で膝を圧迫することで、膝関節を安定させる 安定機能 ↳膝の動きを安定させることで、膝関節のぐらつきを抑え動きがスムーズになる 保温機能 ↳膝周辺を温めることによって、血行が促進される サポーターによって膝周辺が温まり、血行が良くなると筋肉の緊張がほぐれ、膝関節周辺のこわばりを改善する効果が期待できます。 上記の役割を理解した上で、自分に合ったサポーターを選ぶことが、変形性膝関節症との上手な付き合い方の一歩となります。 変形性膝関節症の痛みが生活に与える影響 膝関節は軟骨によってスムーズに動かせる仕組みになっていますが、加齢とともに軟骨はすり減っていき、歩行や日常的な動作で違和感や痛みを感じるようになります。 変形性膝関節症による痛みは、単なる身体的な不快感にとどまらず、移動・家事・仕事といった日常生活の質(QOL)を大きく低下させる要因となります。 【痛みによる具体的な生活影響】 階段の昇り降りがつらい 歩行距離が短くなり、外出が億劫になる 椅子からの立ち上がりが困難になる 家事や仕事を中断せざるを得ない 趣味や運動習慣の継続が難しくなる 初期には「動き出しの痛み」が中心ですが、進行するにつれて「安静時にも痛む」「可動域が制限される」などの症状が現れます。 上記の症状により活動量が減少し、筋力低下や体重増加につながると、活動制限によるストレスや気分の落ち込み・不安感の増大に繋がる場合も。 こうした悪循環を断ち切るためには、痛みの管理と膝関節の保護が重要であり、その手段のひとつとして「サポーターの活用」が有効です。 サポーターによって膝の安定性を高め、負担を減らすことで、日常生活をスムーズに送る一助となります。 変形性膝関節症におすすめなサポーターの種類と特徴 変形性膝関節症の進行度や症状のタイプに応じて、選ぶべきサポーターの種類とその機能は異なります。 医療用サポーターの特徴とメリット 市販サポーターとの違い 軽度・中度・重度の症状別おすすめタイプ 自身の状態に合った製品を選ぶことが、痛みの緩和や生活の質向上に直結するので、自身に合ったサポーターを選ぶためにも以下を参考にしてみてください。 医療用サポーターの特徴とメリット 医療用膝サポーターは、医師の診断や指示に基づき、変形性膝関節症を含む特定の医学的な状態や症状の治療・管理を目的として特別に設計されたサポーターです。 整形外科やリハビリ専門機関で処方・推奨される医療用サポーターは、患者の膝の状態に応じて、最適な圧迫力や機能を持ちます。 【医療用サポーターの特徴】 医学的・生体力学的根拠に基づく設計 高い支持性と安定化機能 専門家による選定とフィッティング 医療用サポーターは症状が中等度から重度の場合に対応できるよう、動きを制御、または補助する機構などが組み込まれている場合があります。 また皮膚トラブルを防ぐために、吸湿性や通気性にも優れた構造をしており、長時間の装着でも違和感が少ないメリットも。 医師や理学療法士によるアドバイスを受けられて安心感が得られるメリットもあるため、より高いレベルで日常生活をサポートしたい方におすすめです。 医療用サポーターは保険適用となる場合もあるので、整形外科受診時に相談することで、適切な製品を選ぶことが可能です。 対象となる装具の種類、申請手続きには詳細な規定があるため、医療機関や加入している健康保険組合等に事前に確認をしておきましょう。 市販サポーターとの違い 医療用サポーターと市販サポーターの主な違いは、サポート性能・設計精度・使用目的にあります。 症状の重さや目的に応じて選ぶべきタイプが異なるため、違いを理解しておくことが重要です。 項目 医療用サポーター 市販サポーター 設計精度 解剖学的構造に基づいた立体構造 汎用的なデザインが多い サポート性能 支柱やベルト機構による高い固定力 ソフトなフィット感が中心 対象者 中〜重度の症状、専門医の診断がある人向け 軽度症状や予防・日常サポート向け 価格帯 比較的高価 手頃 保険適用 一部条件下で適用可能 保険適用なし 市販のサポーターは、「手軽に使いたい」「一時的に膝を保護したい」といった軽症者や予防目的の方におすすめです。 ただし、サポート力やフィット感には限界があるため、痛みが長引く・膝が不安定と感じる方には不十分なケースもあります。 特に変形性膝関節症が進行している場合などは、自己判断で市販品を買うよりも医療機関での適切な診断を行い、痛みの予防を意識しましょう。 軽度・中度・重度の症状別おすすめタイプ 変形性膝関節症の症状レベルに応じて、選ぶべきサポーターの種類は異なります。 症状に合ったサポーターを選ぶことで、より高い効果が期待できます。 症状の程度 おすすめタイプ・特徴・目的 軽度(動き出しに違和感や軽い痛み) おすすめタイプ:ソフトタイプサポーター(伸縮性素材) 特徴:膝全体を包み込み、軽い圧迫と保温効果で痛みを緩和 目的:日常の歩行サポートや予防的使用に最適 中度(歩行時の不安定感) おすすめタイプ: 中程度固定タイプ 特徴:膝蓋骨を安定させつつ、関節のズレやねじれを軽減 目的:階段昇降や通勤時など、負荷のかかる動作の補助 重度(膝の変形・歩行困難) おすすめタイプ:医療用サポーター(固定力の高いモデル) 特徴:金属や樹脂製の支柱で膝の横ぶれやぐらつきを制御 目的:膝関節の安定化、転倒防止・活動制限の緩和 自分に合った無理のないサポートを得るためには、自己判断ではなく、段階に応じた適切なサポーター選びが重要です。 症状が中程度以上の場合や、どのサポーターを選べば良いか迷う場合は、自己判断せずに必ず整形外科医や理学療法士に相談しましょう。 適切なサポーターを選ぶことは症状緩和の一助となりますが、運動療法や体重管理・薬物療法など、他の治療法と組み合わせて行うことが重要です。 変形性膝関節症のステージ(初期、中期、末期)毎の症状について詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事を参考にしてみてください。 https://africatime.com/topics/1310/ サポーターの正しい選び方と使い方 変形性膝関節症のサポーターは、症状や体格に合ったものを選び、適切に装着・活用することで効果を発揮します。 サイズ選びと形状のポイント 装着タイミングと使用時間の目安 間違った使い方による悪い影響 以下では自分の症状に合ったサポーターの選び方や、正しい使用方法について解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。 サイズ選びと形状のポイント サポーターの効果を最大限に引き出すためには、「適切なサイズ」と「自分の症状に合った形状」を選ぶことが欠かせません。 サイズや形が合っていないと、膝を正しく支えられず、かえって痛みや違和感を生じることがあります。 項目 内容 サイズ選びのポイント 測定位置の確認:メーカー指定の「計測部位」を確認する メーカーのサイズ表に従う:S/M/Lではなく、実寸値と表を照合して選ぶ 着用時のフィット感:締め付けすぎず、ずれにくい製品を選ぶ 形状選びのポイント 筒型(スリーブタイプ):軽度〜中度におすすめ ↳装着が簡単で動きやすい ベルト調整式:中度以上や運動時向け ↳部位ごとに締め具合を調整できるため、サポート力が高い ヒンジ付きタイプ:関節の不安定さが顕著な方や重度の方向け ↳横方向のブレに強く、歩行補助効果が高い 購入したい製品が指定している計測部位を確認する際は、必ず説明書やパッケージ・ウェブサイト等で方法を確認し、正確に測定しましょう。 上記を参考に、サイズ・形状選びを正しく行うことで、サポーターの性能を最大限に引き出し、膝の痛みや不安を軽減することが可能です。 装着タイミングと使用時間の目安 サポーターはつけっぱなしではなく、必要な場面で適切に使うことが効果を引き出すポイントです。 状況に応じた使用タイミングが、膝への負担軽減と快適な生活の両立につながります。 項目 内容 装着のタイミング ・朝の歩き始めや階段昇降など、膝に負担が集中しやすい時 ・通勤や買い物など長距離歩行を伴う外出時 ・痛みが強い日や、天候によって関節痛が悪化する時 ・リハビリや筋トレ中の膝安定補助として使う時 使用時間の目安 ・1日あたり2~6時間程度が目安(※個人差あり) ・長時間使用する場合はこまめに着脱し、肌や関節の状態を確認する ・就寝中の装着は避けるのが原則(※医師が指示した場合を除く) ・常用しすぎると筋力低下の原因になるため、運動療法との併用が重要 変形性膝関節症の方がサポーターを装着するべきタイミングは、膝に負担がかかる動作や時間帯に集中させるのが基本です。 一方で、長時間の連続使用や就寝時の装着は、逆に筋力低下や血流障害を引き起こす可能性もあるため注意しましょう。 間違った使い方による悪い影響 サポーターは正しく使えば膝の負担を軽減し、変形性膝関節症の進行予防に役立ちますが、使い方を誤るとかえって症状を悪化させてしまう可能性があります。 【間違った使い方による悪い影響】 きついサポーターを長時間装着すると血流が悪化し、しびれや皮膚トラブルの原因になる サポーターを常時使用していると、膝周囲の筋力低下につながる 痛みが続いているのにサポーターで抑え込もうとすると、診断や治療が遅れる場合も 一日中サポーターを外さずにいると、筋肉を使用する機会が減少し、結果的に太ももや膝周囲の筋力低下につながります。 筋肉の衰えは関節の安定性をさらに損ない、症状を進行させる要因になる場合も。 また就寝中の着用は血行障害のリスクがあるため、医師の指示がある場合を除き、避けるのが基本です。 変形が進んでいる場合や歩行に支障が出ている方は、サポーターだけに頼ると本来必要な治療が遅れる場合もあるため、自己判断をせず医療機関を受診しましょう。 サポーターの注意点 サポーターは膝の負担軽減や痛みの緩和に役立ちますが、変形性膝関節症の根本的な治療にはならない点を把握しておくことが重要です。 【サポーターの注意点】 サポーターでは変形性膝関節症の根本的な治療にはならない 症状が悪化していると感じた場合の対処法 サポーターと用すべき運動・リハビリ・生活習慣 サポーターを万能なアイテムだと思ってしまうと、本来必要な医療的処置が遅れてしまう場合もあります。 以下ではサポーターを使う上で注意したい点について詳しく紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。 サポーターでは変形性膝関節症の根本的な治療にはならない サポーターは変形性膝関節症の痛みを緩和し、日常生活を支える補助具ですが、膝関節の損傷や軟骨の摩耗そのものを修復・治療するものではありません。 変形性膝関節症は軟骨が徐々に摩耗し、骨同士が接触することで、痛みや炎症を引き起こす病気です。 根本的な治療には手術や再生治療などの医療的処置と、関節への負担を軽減するための筋力トレーニングや、リハビリなどの生活改善が必要です。 サポーターは痛みを軽減し膝を安定させることで、リハビリなどの「運動療法」を、より安全かつ効果的に実践できるようサポートしてくれます。 サポーターだけに過度な期待をせず、その役割を理解した上で、運動療法や生活習慣の改善といった根本的な取り組みと合わせて活用することが改善への鍵となります。 症状が悪化していると感じた場合の対処法 変形性膝関節症の症状が悪化したと感じたら、サポーターの使用を続けるだけでなく、早めに適切な対処をすることが重要です。 【症状が悪化したときの具体的な対処法】 まずは安静にする 専門医への早期相談 サポーターの見直し 治療法の見直しと併用 サポーターを装着しても膝の痛みが以前より強くなった、歩行時に膝が安定しなくなったといった場合、症状が進行している可能性があります。 そのまま放置すると、関節の変形がさらに進み、日常生活に深刻な影響を与える恐れがあります。 痛みを我慢したり自己判断で放置したりすることは避けて、安静にしながら整形外科などの専門医を受診し、現在の状態を正確に診てもらいましょう。 サポーターでのケアに限界を感じる場合は、再生医療などの根本的な治療を検討するのもおすすめです。 リペアセルクリニックでは、患者さん自身の細胞を活用した体に負担の少ない再生医療など、変形性膝関節症に対する新しいアプローチを提供しています。 どのような治療法がご自身の状態に適しているか、より詳しい情報を得たい場合は、ぜひお気軽にご相談ください。 サポーターと用すべき運動・リハビリ・生活習慣 変形性膝関節症のケアでは、サポーター単独での対策よりも、運動療法やリハビリ・生活習慣の改善を併用することが重要です。 根本的な膝関節の改善や予防のためには、筋力強化や柔軟性向上を目的とした運動やリハビリを行う必要があります。 【おすすめの運動と意識したい生活習慣】 筋力トレーニングやストレッチを行う 適正体重を維持し、肥満予防を心がける 無理な長時間歩行や階段昇降を避ける 正しい姿勢を保つ 筋力トレーニングやストレッチはもも前後やふくらはぎ、股関節周辺をほぐして鍛えるために、スクワットや膝伸ばし運動がおすすめです。 また関節への負担を抑えつつ筋力を養うために、怪我のリスクなども少ない水中歩行もおすすめなので、ぜひ試してみてください。 これらの取り組みはすぐに劇的な効果が現れるものではありませんが、根気強く継続することが、膝の健康を守ることに繋がります。 サポーターはリハビリ運動や生活習慣の改善を、快適で安全に進めるための頼もしいパートナーとなるため、正しく活用しながら行いましょう。 サポーターは痛みの軽減に役立つが、重症化した場合は医師の診察が重要 膝サポーターは、変形性膝関節症に伴う膝の痛みや不安定感を軽減し、日常生活やリハビリ運動を助けてくれる補助具となります。 サポーターの効果を引き出すためには、自身の症状の程度や使用目的に合わせて適切な種類・サイズを選ぶことが大切です。 症状の程度 おすすめタイプ・特徴・目的 軽度(動き出しに違和感や軽い痛み) おすすめタイプ:ソフトタイプサポーター(伸縮性素材) 特徴:膝全体を包み込み、軽い圧迫と保温効果で痛みを緩和 目的:日常の歩行サポートや予防的使用に最適 中度(歩行時の不安定感) おすすめタイプ: 中程度固定タイプ 特徴:膝蓋骨を安定させつつ、関節のズレやねじれを軽減 目的:階段昇降や通勤時など、負荷のかかる動作の補助 重度(膝の変形・歩行困難) おすすめタイプ:医療用サポーター(固定力の高いモデル) 特徴:金属や樹脂製の支柱で膝の横ぶれやぐらつきを制御 目的:膝関節の安定化と、転倒防止・活動制限の緩和 一方でサポーターは症状を和らげる対症療法の一環であり、すり減った軟骨を修復したり、病気に対する根本的な治療法ではない点を把握することも重要です。 サポーターだけに頼るのではなく、リハビリや生活習慣の改善と併用することが、変形性膝関節症と上手く付き合っていくための鍵となります。 対症療法だけでなく、根本的な治療を行い回復に専念したい場合、再生医療という選択肢をご検討ください リペアセルクリニックでは、最先端の再生医療を活用して、変形性膝関節症の治療に専念できる環境が整っています。 【リペアセルクリニックの取り組み】 PRP療法 患者自身の血液から血小板を抽出し、損傷した筋肉や腱に注射することで回復を促進 幹細胞治療 CPC (細胞加工施設) の高い技術により、冷凍しない方法で幹細胞を投与できる リペアセルクリニックの再生医療は、手術などに比べて体への負担が少ないメリットがあるので、後遺症や筋力低下を最小限に抑えることができます。 1日も早く日常生活に戻りたい・痛みや不安を感じないでアクティブに毎日を送りたいという方は、ぜひリペアセルクリニックにご相談してみてください。
2019.05.08 -
- 変形性膝関節症
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「膝に水は何cc溜まる?」「膝の水の正体は?」と、疑問に感じている方はいませんか。 膝の水の正体は、過剰に生成された関節液です。 膝に炎症が起こると、通常は数ccである関節液が30cc以上に増える場合があるため、注意が必要です。 本記事では、膝に水が溜まる原因について、詳しく解説します。 膝に痛みや腫れなどの症状がみられる際は、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けましょう。 膝に水は何cc溜まる? 膝には、常に水が1~3cc程度溜まっていますが、炎症によって30cc以上に増える場合があります。 膝の水は、関節液と呼ばれ、以下の役割を担っています。 軟骨へ酸素や栄養を供給する 強い衝撃や圧力から骨を守る 関節の滑らかさを維持し摩擦力を小さくする 免疫グロブリンや白血球により細菌を排除する 健康な人の場合、関節液は、関節内にある滑膜と呼ばれる部分で生成・吸収が行われ、量が一定に保たれています。 関節液が過剰になると、変形性膝関節症や半月板損傷などの疾患により膝に炎症が起こっていることが考えられるため、早めに医療機関を受診しましょう。 膝に水が溜まる原因については、以下の記事でも詳しく解説していますので合わせてご覧ください。 膝に水が溜まったときの症状 膝に水が溜まったときは、以下の症状がみられます。 膝全体が腫れる 膝関節の可動域が狭くなる 膝の違和感や軽い痛み 膝に違和感を覚えた際は、症状が悪化する前に対処することが大切です。 膝全体が腫れる 膝に水が溜まった際の症状に、膝全体の腫れがあります。 関節液の生成量が吸収量を上回ると、膝が腫れてぶよぶよとした状態になります。 膝全体が熱感を持っている場合は、炎症反応を抑えるために、水を抜く治療や薬物療法で治療を行うことが大切です。 膝関節の可動域が狭くなる 膝に水が溜まると、膝関節の可動域が狭くなる症状が現れる可能性があります。 関節液が過剰に増えることで膝を曲げるスペースが狭くなり、膝を大きく曲げたり完全に伸ばす動作が難しくなります。 また、膝の腫れによって膝関節の動きを妨げるケースも考えられます。 膝をかばって歩いたりすると、膝への負担を軽減できるメリットがありますが、筋力バランスが崩れるリスクもあります。 膝関節の可動域が狭くならないように、医師や理学療法士などの専門家に、適切な動かし方を確認しましょう。 膝の違和感や軽い痛み 膝に水が溜まった直後は、膝の違和感や軽い痛みなどの症状が出る場合があります。 膝蓋骨(膝のお皿)が浮いている感じや歩行時に困難感があるときは、膝に炎症が起こっている可能性があります。 膝に少しでも違和感を覚えたら、早めに医療機関で原因を調べてもらいましょう。 膝に水が溜まる原因となる疾患 膝に水が溜まる原因となる疾患は、主に以下の3つです。 変形性膝関節症 半月板損傷 関節リウマチ 原因である疾患を治療すれば、膝に水が溜まる症状が収まる可能性があります。 膝に痛みや違和感があるときは、症状が悪化する前に医療機関を受診し、原因を調べましょう。 変形性膝関節症 膝に水が溜まる疾患の1つに、変形性膝関節症があります。 変形性膝関節症は、以下の原因によって、膝の軟骨がすり減る疾患です。 加齢 肥満 遺伝的要因 オーバーユース(使いすぎ) 骨折や靭帯損傷などの外傷 炎症が起こっている軟骨に大きな負担をかけると、さらに軟骨がすり減り、症状が悪化する恐れがあります。 変形性膝関節症の末期には、膝の曲げ伸ばしが困難になったり膝が変形したりするため、早期治療が大切です。 以下の記事では、変形性膝関節症のステージ別の症状について、詳しく解説していますので合わせてご覧ください。 半月板損傷 膝に水が溜まる原因に、半月板損傷があります。 半月板損傷は、膝への大きな負担や日常生活での無理な動作が原因で起こるスポーツ外傷で、以下の症状がみられます。 膝の痛みや腫れ 膝に水や血液が溜まる 膝を動かした際の引っかかり感(キャッチング) 膝の曲げ伸ばしができない(ロッキング) 症状が進むと、膝の曲げ伸ばしができなくなる「ロッキング」の状態になり、歩行が困難になる可能性があります。 膝が腫れる理由が関節液ではなく、血液の場合もあるため注意が必要です。 半月板損傷か判断する際は、以下の記事のチェックポイントを参考にしてください。 関節リウマチ 関節リウマチは、膝に水が溜まる原因となる疾患です。 免疫異常によって関節に炎症が起こる関節リウマチは、膝以外の部位でも症状がみられる場合があります。 関節リウマチの主な症状は、以下のとおりです。 関節の痛み 関節の腫れ こわばり(曲げにくさ) 関節の変形 微熱 指や手首などの小さな関節で症状がみられたり、同時に複数の部位で症状がみられたりする場合が多い疾患です。 関節リウマチの治療法については、以下の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。 膝の水を抜くときの注意点 膝の水を抜くときの注意点は、以下の2つです。 膝に負担がかかる動作を避ける 原因を治療しないと再び水が溜まる可能性がある 医療機関で膝に水が溜まっている原因を確認し、膝に負担のかかる日常生活動作に注意して過ごしましょう。 膝に負担がかかる動作を避ける 膝の水を抜くときは、膝に負担がかかる動作を避けることが大切です。 膝に負担がかかると、再度炎症が起こり、繰り返し水が溜まる可能性があります。 水を抜いた後の日常生活では、以下の動作に注意して、膝の負担を軽減しましょう。 できるだけ階段を使わない 歩きすぎない 激しい運動を行わない 膝の水を抜く処置を受けたあとは、とくに運動制限がありません。 しかし、無理に膝を動かすことで、炎症反応が強くなる場合もあるため注意しましょう。 原因を治療しないと再び水が溜まる可能性がある 膝に水が溜まる症状は、原因を治療しないと、再び起こる可能性があります。 関節液の過剰貯留を繰り返している場合は、変形性膝関節症や関節リウマチなどの疾患が隠れているケースもあります。 膝の痛みや違和感がある際は、早めに医療機関で検査をして、疾患にあった治療を受けましょう。 【まとめ】膝に水が溜まる症状が続いている場合は医療機関を受診しよう 通常時2~3ccである関節液は、膝に炎症が起こることで30cc以上に増える場合があります。 膝に水が溜まると、痛みや腫れがみられたり可動域が狭まったりして日常生活に支障が出る可能性があるため、早めの対処が重要です。 膝に水が溜まる症状が続いている場合は、症状が悪化する前に医療機関を受診し原因を調べましょう。 関節液が多く溜まる原因が、変形性膝関節症や半月板損傷などであるときは、再生医療による治療も1つの選択肢です。 再生医療とは、患者様自身の細胞を利用して、損傷した軟骨を修復・再生し、痛み症状の改善が期待できる治療法です。 「膝の水」でお困りの方は、当院(リペアセルクリニック)の再生医療による治療をご検討ください。
2019.05.08 -
- 変形性膝関節症
- ひざ関節
膝の半月板を損傷して腫れや痛みを感じた際に、「手術しないとどうなる?」「一生治らないの?」など、不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。 半月板損傷は手術で治療できますが、一定期間の入院やリハビリが必要で、放置すると関節の変形や慢性的な痛みを引き起こす可能性が高まります。 本記事では、半月板損傷を放置したときの影響や、適切な治療法などをわかりやすく解説します。 手術に抵抗がある方や仕事や育児を休めない方に向けて、手術をしない治療法についても解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。 半月板損傷を手術しない・放置することによるリスク 半月板損傷を放置すると、以下のリスクが発生する可能性があります。 ロッキング現象 関節水腫 変形性膝関節症などの進行 半月板には血管があまり通っておらず、損傷した部分に栄養が行き届かない場合があります。 損傷部位によっては自然治癒が期待できる可能性が低いため、手術を受けないまま痛みを我慢していると、仕事や日常生活に支障をきたす場合も。 では、半月板損傷の放置がどのような悪影響を及ぼすのか、具体的なリスクをみていきましょう。 放置リスク① ロッキング現象 事故などによって半月板が断裂すると、急に膝関節が動かなくなってしまう、ロッキング現象を引き起こす場合があります。 ロッキング現象は半月板損傷が原因になるケースが多く、損傷した組織が膝関節の内部に残った場合、以下のような症状が現れます。 膝の曲げ伸ばしに力が入らない 膝の曲げ伸ばしに引っかかりを感じる 膝の部分が腫れる 膝関節に痛みが生じる 半月板には膝から上の体重がかかるため、加齢とともに繊維がほつれたりする「ささくれ状態」が進行し、激しい痛みを伴うケースもあります。 ロッキング現象を自覚したときは医師の診断を受け、早めに治療を開始することが重要です。 レントゲンには骨しか映らないため、受診する際は、MRI検査ができる病院を事前に調べてから受診をしましょう。 放置リスク② 関節水腫(膝に水がたまる) 関節水腫(かんせつすいしゅ)とは、膝などの関節部分に関節液(体液)が溜まる症状です。 各部分の関節液は一定量にコントロールされていますが、必要以上に溜まった場合、以下の症状を引き起こす場合があります。 膝蓋骨(膝の皿)が浮き上がっている感覚がある 膝関節の可動域に制限がかかり、曲げ伸ばしが難しくなる 膝関節に腫れや痛みが生じる 膝をひねると激しく痛む 関節水腫の主な原因は、軟骨のすり減りや関節リウマチ、半月板損傷などが挙げられます。 症状の初期段階は水抜きやヒアルロン酸注射、ストレッチなどの治療を行います。 一方で変形性膝関節症などが進行し症状が悪化すると、他の治療法で改善が見られない場合には人工関節への置き換え手術が必要になる場合も。 症状によっては歩行が困難になるため、関節水腫が疑われるときは早めに病院の診察を受けることが重要です。 放置リスク③ 変形性膝関節症などの進行 変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨がすり減ってしまい、骨が変形する症状です。 主な原因として加齢や膝関節への強い負荷、半月板損傷などが存在します。 【変形性膝関節症の進行に伴う症状】 歩行時に強い痛みが生じる 骨の変形により膝をまっすぐ伸ばせない 膝関節に関節液が溜まる 初期段階は歩行時に痛みを感じる程度ですが、症状が悪化すると膝の曲げ伸ばしに激痛が伴います。 階段の昇降や、正座・あぐらなどの姿勢も困難になるため、日常生活を苦痛に感じるケースもあります。 変形性膝関節症が末期症状になると、常に膝の痛みを感じてしまい、熟睡できないなどのリスクが生じる場合も。 人工関節に置き換えると痛みを解消できますが、膝の曲げ伸ばしが制限されるため、初期段階の治療が改善への鍵となります。 半月板損傷の手術しない治療法(保存療法)について 半月板損傷は切除や縫合で治療できますが、治療法の種類には、手術しないで治す保存療法も存在します。 保存療法の種類 保存療法のメリット・デメリット ロッキング現象が発生しておらず、膝の痛みだけの初期段階では、保存療法で治癒する可能性があります。 手術は保存療法に効果がなかったときの選択肢になるため、症状が重くならないうちに病院の診察を受けることが重要です。 保存療法の種類 半月板損傷の保存療法には、以下の種類があります。 概要 詳細 リハビリ療法 ・電気治療やアイシング:半月板の炎症を抑える ・マッサージやストレッチ:ひざの関節を柔らかくする ・筋力トレーニング:半月板が損傷している脚の筋力増強 ・バランス運動:両脚のバランスを正常に戻す運動 装具療法 ・ソフトサポーター:日常生活における膝関節の負担を軽減 ・ハードサポーター:主にスポーツ用となる装具 ・ニーブレース:膝関節の動きを固定する装具 ・足底板:膝にかかる負荷を分散させる装具(靴の中敷き) 関節穿刺 ・関節穿刺:膝に溜まった関節液を注射器で抜き取る治療法 ・関節液を抜き取ると痛みが緩和し膝の曲げ伸ばしがスムーズになる ・抜き取った関節液の調査により、加齢や先天的なものかどうかの特定も可能 薬物療法 ・膝関節への湿布 ・膝関節へのヒアルロン酸注射 ・飲み薬の鎮痛剤 半月板損傷が軽症であれば2週間程度で、保存療法で膝の機能を回復できる可能性があります。 薬物療法の場合ヒアルロン酸注射は5~10回程度になる場合が多く、基本的には週に1回程度の治療です。 痛みや炎症の緩和を目的としており、半月板損傷の根本的な治療ではありませんが、効果を早く実感でしやすい傾向があります。 保存療法は入院する必要がなく、治療期間は数週間から3カ月程度が目安となります。 ただし、半月板損傷は基本的に自然治癒が難しく、手術や再生医療によって根本的な治療を行うことが望ましいです。 保存療法のメリット・デメリット 半月板損傷を保存療法で治療する際は、以下のメリット・デメリットを考慮しておきましょう。 保存療法のメリット 保存療法のデメリット 手術や入院が不要 半月板を温存できる 変形性膝関節症への進行リスクを低減 体にかかる負担が軽い 手術に比べて治療費が安い 仕事や日常生活への影響が少ない 重症度の半月板損傷には効果が低い 治療が長期化する可能性がある 装具に頼ると筋力が落ちる 半月板の再生は期待できない 薬物に耐性がつくと効果が薄れる 将来的には半月板断裂のリスクがある 保存療法で半月板を温存すると、変形性膝関節症になるリスクを軽減できます。 ただし、半月板の再生は期待できないため、変形性膝関節症の進行を完全に回避できるわけではありません。 激しい運動の再開や、肥満の影響がある場合、将来的には半月板断裂のリスクも考えられるでしょう。 半月板断裂と損傷の違いはダメージの程度になっており、半月板が完全に切れている場合は「断裂」と診断されます。 半月板の組織が完全に切れると、膝関節の引っかかりや激しい痛み、出血による腫れやロッキング現象を引き起こす恐れがあります。 保存療法は根本的な治療にならない場合があるため、重症度が高いときは手術の検討も必要です。 半月板損傷で手術が必要なケース 半月板損傷が軽度であれば、保存療法で治療できますが、以下のようなケースは手術が必要な場合があります。 ロッキング現象が起きている場合 半月板損傷が重症度の場合 半月板の自然治癒を期待できない場合 ロッキング現象が起きる段階では、保存療法による治癒を見込めない可能性があります。 半月板損傷が重症度になり、膝を動かさなくても激痛が続く場合や、自然治癒を期待できないときも手術の検討が必要です。 手術では一般的に切除術を行いますが、年月の経過とともに軟骨がすり減ってしまい、変形性膝関節症を避けられない場合があります。 縫合術は数年後に再断裂するリスクがあるため、半月板損傷の手術を行う際は、リスクを総合的に判断して保存療法との比較検討を行うことが重要です。 半月板損傷で手術を避けたい人のための新しい選択肢「再生医療」 再生医療とは、患者自身の幹細胞を膝関節などに注射し、損傷した半月板を再生させる治療法です。 自分自身の幹細胞を活用するため、自然治癒力を高めるメリットが存在します。 【再生医療のメリット】 手術が不要 免疫反応やアレルギー反応が起こりにくい 半月板の自然治癒により変形性膝関節症を防止できる 治療期間を短縮できる ヘルニアなどの治療にも高い効果を期待できる 治療の際には脂肪組織を採取し、培養した幹細胞を患部に注射します。 幹細胞の培養にも自分自身の血液を活用することで、免疫反応やアレルギー反応などのリスクも避けられます。 再生医療は日帰りの治療もできるため、仕事を休めない方にもおすすめです。 手術をしないで半月板損傷を治したい方は、再生医療が適しているかどうか、まずは医師に相談してみましょう。 リペアセルクリニックの治療は手術を必要としないため、人工関節に置き換えなくても膝を治せる可能性があります。 症状に改善がみられない場合でも、幹細胞治療の保証制度により、1回分の幹細胞を無償で投与いたします。 半月板損傷の放置はリスクが大きいので、後悔しないための治療選択が重要 半月板損傷を放置した場合、歩行困難や痛み・変形性膝関節症進行のリスクが高まります。 【半月板損傷を放置した場合のリスク】 ロッキング現象 関節水腫(膝に水がたまる) 変形性膝関節症などの進行 保存療法は初期段階に有効ですが、重症度の半月板損傷には効果が低く、将来的には半月板断裂のリスクも伴います。 手術をしても根本的な原因を除去できない場合もあるため、後悔しない治療方法の選択が重要です。 損傷した半月板を修復し、健康な膝を取り戻したい方は、再生医療を検討するのもおすすめです。 リペアセルクリニックの再生医療は、通院のみで治療できるため、長期休暇を取る必要がないメリットが存在します。 治療実績に基づくオーダーメイドの治療プランや、治療後のフォローアップ体制も充実しているため、安心して再生医療に臨むことができます。 専門医が患者様一人ひとりと向き合い、丁寧なカウンセリングで治療に関する不安や疑問にも的確に対応していくので、ぜひリペアセルクリニックの無料相談をご利用ください。
2019.05.08 -
- ひざ関節
膝の人工関節置換手術を検討している方は、手術のリスクや日常生活への影響など、さまざまな懸念をお持ちかもしれません。 この記事では、膝の人工関節置換手術に伴うリスクや合併症について詳しく解説します。 しかし「人工関節置換手術をしたくない」「膝の手術するのは不安...」という方も多いでしょう。 近年の治療で、手術しない新たな選択肢として注目されている再生医療についても紹介しています。 ぜひ記事を最後までご覧いただき、膝の治療法を選ぶ際の参考にしてください。 膝の人工関節置換手術におけるリスク 膝の人工関節置換手術は、膝の痛みを改善し生活の質向上を期待できる一方で、以下のようなリスクが考えられます。 手術後に痛みが残る可能性 感染症などの合併症 人工膝関節の摩耗やゆるみ 手術で命に関わるリスク 膝の人工関節置換手術は、重度の変形性膝関節症やリウマチなどで痛みが強く日常生活に支障をきたす場合に検討される治療法です。 手術を検討される際には、上記のリスクをよく理解し、医師と十分に相談しましょう。 以下では、膝の人工関節置換手術に伴う主なリスクについて説明します。 手術後に痛みが残る可能性 人工膝関節置換手術は痛みや機能改善を目的としていますが、術後に痛みが残る可能性があります。 すべての患者さまの痛みが完全に消失するわけではないため注意が必要です。 手術後3〜4年が経過した患者さまの約40%※の方が痛みを感じており、15%※の方が強い痛みを訴えているという研究もあります。 ※出典:PubMed 痛みが残る原因としては、人工関節と骨との適合性の問題や周囲の軟部組織の状態、リハビリテーションの進み具合などが関係しています。 手術後は筋力や可動域を取り戻すために、適切なリハビリに取り組まなくてはいけません。 また、膝の筋力を回復するだけでなく、体重管理などによって膝の負担を減らしていく必要があります。 感染症などの合併症 人工関節置換手術後には、さまざまな合併症が起こる可能性があります。 とくに以下の合併症は頻度は低いものの、発生した場合は重篤化する可能性があり、注意が必要です。 感染症 深部静脈血栓症・肺塞栓症 神経・血管損傷 手術をするということは関節の骨を切開するため、少なからず感染症のリスクがあります。 以下では、人工関節置換手術に伴う合併症のリスクについてそれぞれ解説します。 感染症 人工関節は細菌感染しやすいため、手術中だけでなく、術後にも感染症のリスクがあります。 手術中に傷口などから細菌が侵入して起こるだけでなく、術後にむし歯などの口腔内細菌などから感染するケースも。 感染率は0.82%という報告※もあるため、発生頻度は高くありませんが感染症リスクがあることは覚えておきましょう。 ※出典:児玉 祥ほか. 「人工膝関節置換術後感染の治療と予後について」 日本臨床整形外科学会雑誌, 2006年, 18(1), pp.87-91. 感染は手術中に細菌が侵入して起こる早期感染と、術後に歯槽膿漏や皮膚の傷などから二次的に発生する遅発感染があります。 感染症が発生した場合、抗生物質による治療だけでなく、人工関節を一時的に抜去して洗浄や抗生物質入りセメントでの処置が必要になることもあります。 手術後に膝に異常な痛みや腫れ、発熱などを感じたら、すぐに医師に相談することが大切です。 深部静脈血栓症・肺塞栓症 手術の際に出血に対する自己防衛反応で血液が固まりやすい状態になるため、深部静脈血栓症・肺塞栓症のリスクがあります。 深部静脈血栓症は、手術中や術後に下肢をあまり動かせないことにより、足の静脈内に血栓(血の塊)ができる病気です。 人工膝関節置換術後の深部静脈血栓症の発生率は11.7%※という報告があります。 ※出典:松原 光宏ほか. 「人工膝関節置換術周術期の深部静脈血栓症発生率と膝関節可動域」 中部日本整形外科災害外科学会雑誌, 2008年, 51, pp.125-126. また、血栓が剥がれて血流に乗り、肺の血管に詰まると肺塞栓症を引き起こし、命に関わる重大な合併症となることがあります。 手術後は医師の指示に従って、なるべく早期から足先を積極的に動かし、早期リハビリテーションを行うことが重要な予防策となります。 神経・血管損傷 発生頻度は多くないとされていますが、人工膝関節手術時に膝関節周辺の神経や血管に損傷が生じることがあります。 神経損傷では膝の外側にある腓骨神経の麻痺が代表的で、足首や足先の動きが悪くなる症状が出現します。 また、血管損傷では膝窩動脈損傷が重篤なものとなり、適切な処置が遅れると下肢切断という深刻な事態につながる可能性もあります。 神経・血管損傷が疑われる症状(しびれ、麻痺、冷感など)が現れた場合は、早急に医師に相談しましょう。 人工膝関節の摩耗やゆるみ 人工関節を長期間使用していると、金属部品と骨との接着面のゆるみや人工関節の素材が摩耗する可能性があります。 摩耗やゆるみを予防するためには、膝の負担が大きい作業や運動を控え、適正な体重を維持することが大切です。 また、膝周囲の筋力を維持するための適度な運動と、骨粗しょう症がある方は積極的な骨の治療も必要になります。 手術で命に関わるリスク 人工膝関節置換手術では、まれに命に関わる重大な合併症が発生する可能性があります。 手術の影響で血栓を発生させ、深部静脈血栓症や肺塞栓に陥る可能性もあります。どちらも手術中に発生した血栓が、静脈に詰まる病態です。 これは命の危機に繋がる病態で、膝の人工関節置換術においてもその可能性は否定できません。 大きなリスクを伴う手術であるにも関わらず、膝の痛みが必ずしも改善される保証はない、という点も理解した上で手術を受けるか検討してください。 膝の人工関節置換手術後にやってはいけないこと 人工膝関節置換手術後は、人工関節の耐久性低下や不具合のリスクを避けるため、日常生活においていくつかやってはいけない動きがあります。 手術後にやってはいけない動きは、以下の通りです。 場面 やってはいけない動き 姿勢 正座やあぐらは避ける(人工関節脱臼のリスクあり) 自転車 坂道で強く踏み込まない(降りて押す) 体格に合った自転車を使用する 家事 床の雑巾がけは避ける 片足に体重をかける姿勢を避ける 10kg以上の荷物は持たない 着替え ズボン・靴下は座って履く 履く時は手術した足から、脱ぐ時は健側から 入浴 浴槽の縁にしっかり掴まる 健側の足から出入りする 滑り止めマットを使用する 運動 テニス、ジョギング、球技、スキーなどは避ける 散歩や水泳は負担にならない範囲で可能 これらの注意事項を守ることで、人工関節を長持ちさせ、快適な日常生活を長く続けることにつながります。 膝の人工関節置換手術を行うケースとは 膝の人工関節置換手術を行う3つのケースについて紹介します。 保存療法で改善の見込みがない場合 高齢者の場合 生活レベルが下がっている場合 以下では、それぞれのケースについて詳しく解説しています。 保存療法で改善の見込みがない場合 膝の疾患に対する保存療法で改善の見込みがない場合に人工膝関節置換術が検討されます。 人工関節置換手術は、最終的な治療選択肢のため、まずは薬物療法やリハビリテーションなどの保存療法が優先されます。 しかし、以下のような疾患において症状が進行し、保存療法での改善が見込めない場合に人工関節置換手術が検討されます。 変形性膝関節症 関節リウマチ など 手術の決断は患者さまの年齢、活動レベル、全身状態などを総合的に評価した上で行われます。 高齢者の場合 膝の人工関節置換術が行われる多くの患者さまは、60代以降の高齢の方です。 若いうちから膝の人工関節置換術を行ってしまうと、人工関節の摩耗によって再手術を行わなければならない可能性があります。 そのため、40代、50代の年齢層で、膝の人工関節置換術が行われるケースは多くありません。 近年では人工関節の素材の品質などが向上し、耐久年数も少しずつ長くなってはいます。 しかし、膝は体重がかかる関節のため、人工関節が摩耗しやすいこともあり、耐久年数は20年程度が限界とされています。 生活レベルが下がっている場合 膝に患った疾患によって、著しく生活レベルが下がってしまっている場合は、人工関節置換術が選択されることがあります。 通常の歩行が困難になっている場合や、立ちあがる、座るなどの動作も自立して出来ないようなケースでは、人工関節置換術によって機能を早急に回復することが目指されます。 膝の痛みや可動域制限によって生活レベルが下がれば、そこから筋力はどんどん低下し、再び日常生活を自立して行えるように回復するまでかなりの時間を要することになります。 リハビリとの兼ね合いも考慮して、日常生活への支障度合いによっては、早めに膝の人工関節手術をすることもあるのです。 膝の人工関節手術を避けるためにできること 膝の人工関節手術にはリスクもあるため、可能であれば手術は避けるべきです。 手術を検討しなければならない状態まで悪化させないために、今からできることをご紹介していきます。 膝に痛みや違和感があれば早めに相談する 全身のバランスを整える 体重を急激に増やさない 手術によるリスクを避けるために、目の前のできることに取り組みましょう。 膝に痛みや違和感があれば早めに相談する 膝で痛みや異変が起きたと感じたときは、なるべく早く専門医に相談することが大切です。 整形外科に行けば、レントゲンによる精査や腫れに対する検査をして病気を診断することもできます。 接骨院や整骨院でも、膝の痛みに対して専門的な知識によって治療を受けることができます。 基本的に膝の病態は、放置しておくと悪化する一方です。早めに膝の状態が分かれば、病態の悪化を食い止められる可能性が上がります。 全身のバランスを整える 姿勢を整えたり、背骨や骨盤のゆがみを矯正したりしておくことも、膝の負担を減らすとても有効な手段です。 姿勢が悪いせいで膝に余計な負担をかけ、変形などの症状を助長しているケースもあります。 さらに、体のゆがみによって股関節や足関節の可動域が制限され、その結果膝の負担を増やしていることもあるのです。 体のゆがみが原因の場合は、膝だけを集中して治療しても改善しないので、全身のバランスを整えることが必要になります。 体重を急激に増やさない 無茶なダイエットをする必要はありませんが、肥満状態の継続や、急激な体重増加は膝の疾患を助長します。 常に荷重がかかる関節でもあるので、単純に体が重くなれば変形や痛みも強くなるのです。 実際に治療の現場でも、肥満傾向にある方は変形性膝関節症になったときに変形の進行も早いので、日ごろから体重管理をしておくことが大切です。 膝に痛みが出てしまってからだと運動が制限され、体重管理の手段が食事制限しかなくなるため、痩せるのが難しくなります。 人工膝関節置換手術を避けたい方は再生医療をご検討ください 膝の疾患による人工膝関節置換手術を避けたい方は、再生医療の選択肢もあります。 再生医療は手術・入院を必要としない治療法です。患者さま自身から採取した幹細胞や血液を用いるため、拒絶反応などの副作用リスクも低いです。 ただし、再生医療は人工膝関節置換手術と併用して受けることはできません。再生医療をご検討の際は、手術前に医師に相談しましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、再生医療に関する無料相談を承っております。 再生医療に興味がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。 【まとめ】膝の人工関節置換手術にはリスクが伴うため再生医療も選択肢の一つ 膝の人工関節置換手術は、変形性膝関節症やリウマチなどで保存療法が効果を示さない場合に検討される治療法です。 多くの患者さまの痛みを軽減し生活の質を向上させますが、手術後の痛みの残存、感染症、人工関節のゆるみなどのリスクがあります。 また、手術後には正座や激しいスポーツの制限など生活上の制約も生じます。 手術を避けるためには、早期の専門医相談、全身バランスの調整、適切な体重管理が重要です。 手術を検討される方は、これらのリスクをよく理解した上で医師と相談し、場合によっては手術・入院を必要としない再生医療を選択肢に入れて検討しましょう。
2019.04.25 -
- ひざ関節
膝が突然腫れて痛む症状は、多くあるものです。ぶつけたり捻ったりしていないのに腫れる場合は、膝の炎症が考えられます。 この記事では、膝が突然腫れて痛む場合の原因や病気、対処法を紹介します。考えられる症状を知って適切に対応や受診を検討しましょう。 膝が突然腫れて痛い原因 膝が突然腫れて痛み出す原因は、ほとんどが使い過ぎです。姿勢や体重、生活習慣などさまざまな要因が重なって不調を起こします。 膝だけでなく全身のバランスを見直し、生活習慣や癖の改善が必要になるかもしれません。 膝の腫れ・痛みは炎症のサイン 膝の腫れは、主に関節内での炎症によって発生します。スポーツや事故などの明確な原因のない突然の膝の腫れは、慢性的な関節炎の可能性があります。 炎症が起こると炎症物質によって関節内に水分が充満し、膝に水が溜まった状態になるためです。外からみると膝が腫れあがった状態に見えます。 膝が突然腫れた場合、ほとんどのケースで痛みを伴います。軟骨が損傷したり、重度であれば骨が変形し始めている可能性も否定できません。 腫れの成分を見れば病態がわかる 膝が突然腫れて痛む原因は、腫れの成分を調べるとわかります。腫れを作っている液体成分を検査すれば、関節内で何が起こっているのか特定できるためです。 主な内容を下記にまとめました。 炎症物質・・・関節炎 血液・・・・・筋肉や腱の損傷 膿・・・・・・感染症 膝の水を抜くと癖になると言いますが、炎症が治まっていないから膝が腫れ続けるのです。ひどい腫れによって日常生活が制限されている場合、早めに水を抜いて原因を確かめるのが大切です。 膝が突然腫れて痛い場合に考えられる病気 膝に突然腫れが出現し、なおかつ痛みも伴っている場合、どんな病態が起きている可能性があるのか紹介します。 変形性膝関節症 変形性膝関節症は一度の激しい外力によって膝関節を壊すわけではなく、日常生活の中でかかる繰り返しの外力によって少しずつ膝関節を変形させていく症状です。 変形性膝関節症のリスクは年齢が上がるとともに高まり、50代以降で突然膝に痛みと腫れを発生させた場合はまず変形性膝関節症を疑います。 長年にわたって膝関節に負担をかけ続け、ある日長く歩いたり、重い物を持って作業したりすると、何かの引き金で炎症に発展します。当事者からすれば、それほど負担がかかる動作でなくとも急に発症するので、明確な原因がわからないこともあります。 しかし、変形性膝関節症の本質は慢性的な膝への負担にあるのです。膝関節にある関節軟骨をすり減らし、骨が変形してしまうほどのダメージなので、当然関節内で炎症を起こして腫れます。 痛みも伴い、通常の歩行時でも痛みを感じるケースもあるくらいです。膝の腫れが酷くなると、階段の上り下りもかなり支障をきたします。 対処法 腫れの原因が変形性膝関節症であった場合、まずは安静にして膝の負担を減らします。膝の腫れが引けば、運動療法を行い膝に負担をかけにくい体の使い方を作るのが大切です。 もし膝の腫れが長期間引かない場合は、膝の関節に針を刺して液体成分を抜き取る処置ですぐに緩解します。しかし、膝の炎症自体が治まっていなければ、すぐに再発するでしょう。 膝の水を抜いたら、後療、罨法、手技療法、運動療法などで膝にかかる負担を減らすようなアプローチが必要になります。 整形外科でリハビリをしても良いですし、水を抜いた後は接骨院や整骨院でも膝の治療が可能です。 関節リウマチ リウマチでは、関節に慢性的な炎症を起こすので、変形と腫れを起こします。関節リウマチの症状は指先から発生し、徐々に範囲を広げて全身の関節で痛みを起こします。 特に、荷重関節である膝関節で起きた場合の炎症は、比較的強い腫れを認めることもあるのです。変形性膝関節症の場合は、簡単な言葉で表現すると、使い過ぎ(オーバーユース)によって発生します。 しかし、関節リウマチの場合は免疫機能の異常で、病原菌やウイルスに対する免疫機能が、自分の体を構成している細胞に対して働いてしまっている状態です。そのため自らを攻撃して炎症を起こしている状態とも言えます。腫れと変形が出てくるので、可動域も狭まり運動機能が低下していく恐れもあります。 対処法 関節リウマチに対処するには、薬物療法や運動療法、手技療法が有効です。薬物療法によって炎症を抑えたり、膝の人工関節置換術など外科的手術を実施したりします。 その後、膝の変形や痛みを緩和するため、運動療法によって負担のかかりにくい体の使い方を獲得していきます。手技療法によって膝を動かす筋肉の緊張を緩和できれば、可動域が回復していく可能性は十分あると言って良いでしょう。 痛風 痛風は突然の激しい痛みを特徴とする病気です。足の親指や足の裏、かかと、膝などに症状が現れます。発症すると1日から2日でピークを迎えますが、適切な治療をしないと再発する間隔が短くなり、関節破壊を引き起こす可能性があります。 対処法 痛風発作に対しては、鎮痛薬を用いて痛みを和らげるのが一般的です。症状が落ち着いたら、尿酸値を下げる治療薬の使用が検討されます。日常生活では、尿酸値を上げる食べ物を控えめにし、適度な運動を心がけることが大切です。 偽痛風 偽痛風とは、痛風と似た関節の痛みを起こす症状です。痛風とは異なり、尿酸ではなくピロリン酸カルシウムの結晶が原因で発症します。 ピロリン酸カルシウムは老化や軽微な傷で蓄積されるため、高齢者に多く発生し、膝や手首などの大きな関節に痛みがみられます。また半数位以上が膝に発生している点も特徴です。 対処法 一般的に、偽痛風は急性であれば3日程度で症状が軽快します。根本的な治療法はなく、非ステロイド系の抗炎症薬を使用したり、患部を冷やしたりします。 オスグッド病 オスグッド病は、膝の痛みを引き起こす疾患の一つです。主に成長期の子どもに多く見られ、膝のお皿の裏側にある骨の成長と太ももの筋肉の発達のバランスが崩れることが原因と考えられています。 対処法 オスグッド病の治療は、主に安静と炎症を抑えることが中心となります。膝への負担を減らすために、スポーツ活動の一時的な制限が必要です。痛みが強い場合は、医師の指示のもと、鎮痛剤や湿布などを使用して症状を和らげます。 また、ストレッチや筋力トレーニングをして、膝周りの柔軟性と筋力を高めることも重要です。 さらに、痛みを引き起こす動作そのものを見直し、バランスの取れた動作の習得も症状の改善に役立ちます。たとえば、膝に負担のかかる動作を避け、正しい姿勢や動作を身につけることで、膝への過度な負担を減らせます。 半月板・靭帯損傷 半月板や靭帯の損傷は、膝関節の腫れや痛みの原因です。スポーツ活動だけでなく、日常的な膝への負荷の繰り返しによっても発症する可能性があります。 対処法 半月板や靭帯の損傷に対する治療は、損傷の程度によって異なります。軽度の場合でも、医師の診察を受けましょう。 医師の指示のもと、安静にするとともに、湿布や鎮痛剤で症状を和らげます。中等度以上の損傷では、専門医による詳細な診察と治療が必要です。理学療法やリハビリテーションをして、膝関節の機能回復を図ります。 場合によっては、手術療法が検討されることもあります。いずれの場合も、早期の診断と適切な治療が重要です。 打撲・強打 膝の打撲や強打は、外部からの強い衝撃によって引き起こされます。スポーツ中の事故やつまずいて転倒した際などに発生しやすい傾向にあります。 対処法 打撲や強打による膝の痛みに対しては、RICE処置が有効です。Restは安静、Iceは冷却、Compressionは圧迫、Elevationは患部の挙上を意味します。痛みが強い場合や腫れが引かない場合は、医療機関を受診し、専門医の診察を受けるのが大切です。 膝裏のリンパが詰まっている 膝裏のリンパ節が腫れると、膝の痛みや違和感を引き起こすことがあります。 リンパ節は、体内の不要なものや細菌、ウイルスなどを処理する役割を持っています。ただし、リンパ節の腫れは、感染症や炎症、腫瘍などが原因で起こることもあるため、注意が必要です。 対処法 膝裏のリンパ節の腫れに対しては、まずは安静が大切です。過度な運動は控え、患部を冷やすことで腫れを和らげます。 また、マッサージやストレッチをしてリンパの流れを良くすると効果的です。症状が長引く場合や腫れが大きい場合は、医療機関を受診し、専門医の診察を受けましょう。 膝の腫れと突然の痛みを起こしやすい人の特徴 明確なきっかけが無いのに、突然膝に腫れや痛みを発生させるのは、どんな特徴の人に多いのでしょうか。 それでは、1つずつみていきましょう。 股関節が硬い 股関節の動きが悪い場合、その分を膝関節で代償するようになるので負担が増えます。歩行の動作を例にとると、股関節が動きにくいせいで足を前に進める力が弱くなります。 その分、膝関節を大きく動かして足を前に進めるようになるので、通常時よりも負担が増えてしまうのです。この場合、膝関節で起きた炎症を抑えるための治療はもちろん、股関節の可動域を増やすような運動療法が必要です。 立ちっぱなしの状況が多い 仕事柄や生活習慣上、1日の大半を立ちっぱなしで歩き回って過ごす方の場合、変形性膝関節症などのリスクを高めるので、突然膝に痛みと腫れを起こすこともあります。 1日であれば大したダメージにはならないかもしれませんが、何日、何週間、何年と続くと大きな症状につながります。意識的に座る、膝の荷重を避ける瞬間などを作れると良いでしょう。 姿勢が悪い 猫背や巻き肩、ストレートネックなど、明らかに姿勢が悪い人は、膝にかかる負担が大きくなります。 とくに、上半身のゆがみが膝に影響を与えることも多く、頭の位置が前に出ているほど膝の不調を起こすリスクは高まります。頭はとても重い部位であり、体の重心から少し外れるだけでも負担が何倍にも増えるためです。 また、骨盤が後ろに傾いている人も、股関節の動きが悪くなって膝の負担を増やします。 股関節の動きが悪いと変形性膝関節症の進行を早めるため、なかなか治りません。ただ単に膝を使いすぎるだけでなく、通常よりも少し大きな負担をかけ続けていることが問題です。 足関節の動きが悪い 足首が硬いと、膝で代償するようになるので負担が増えます。 足首が硬くなる原因は、筋肉を使いすぎて疲労を溜めているためです。さらに、足関節捻挫の後に治療をしっかり行わず、後遺症を残してしまった場合も考えられます。 とくに、足関節捻挫をしっかり治さないと、背屈制限が残る場合があるので、足関節捻挫を軽く見てはいけません。将来的に変形性膝関節症のリスクを高めてしまいます。 体重が重い 肥満の方は変形性膝関節症のリスクが高く、年齢と共に多くの方が膝に不安を抱えるようになります。 体重が重ければ、膝の負担が増え不調が起こりやすくなるためです。 膝の使い方や姿勢をいくら良くしたところで、物理的に荷重が大きすぎれば膝関節の半月板はつぶれていきます。そこから炎症に発展し、常に膝が腫れている状態になってしまうのです。 定期的に膝の水を抜く必要がありますが、膝の腫れ癖になったかのような錯覚に陥る方もいます。しかし、癖になったのではなく膝で炎症を起こす原因が解決されていない点が理由です。 また、元々体重が重かった人はもちろん、急激に太った場合も膝の不調リスクは高まります。 膝が腫れた経験がある 以前膝が腫れた経験がある方は、再発する可能性があります。 突然の外傷以外では、日常生活の軽微な外力によって膝の炎症を起こします。原因が生活習慣にあるので、しっかり意識して変えていかないとすぐに炎症は再発するものです。 一度良くなって完治した後も、良い状態をキープできるように定期的な体のメンテナンスが大切です。 膝が突然腫れて痛い場合の対処法 もし、突然膝に腫れと痛みが出たら、どのように対処すればいいのか紹介していきます。 ふともものマッサージ 軽い力でさする程度で良いので、ふとももの緊張を取り除くことが重要です。 膝で炎症が起きる原因の多くは、膝の使い方にあります。膝の使い方を大きく左右するのがふとももの筋肉なので、ふとももの前面を自分でマッサージしてみましょう。 筋肉の緊張が緩和されれば、膝にかかる圧力も減って、自然に腫れが吸収されていく可能性もあります。あまり強い刺激を加える必要はないので、優しくもみほぐすイメージで行ってみてください。 お風呂でよく温まる 急性外傷でない限りは、温まることで症状が緩和されるケースもあります。 細菌感染など、病気でないことが前提ですが、変形性膝関節症や筋肉疲労が原因であれば有効な対処法です。温まることで筋肉の緊張もほぐれ、血流が良くなります。 その結果、腫れの成分も周りの組織に吸収されやすくなり、腫れも痛みも引くようになるのです。 接骨院を受診する 接骨院では、膝の腫れが出た原因の診断は出来ません。 しかし、有効な手技療法や後療法、運動療法などの処置ができるので、膝の負担のかかり方をコントロールするのに適しています。整形外科と接骨院の併用もできるので、上手く使い分けてください。 整形外科を受診する 突然の腫れと痛みを検査するには、整形外科が最も適しています。 レントゲンの撮影やMRIでの精査が可能で、外科的な処置で腫れの原因を特定出来るでしょう。根本的な治療でなくとも、膝の水を抜くなどの対症療法はかなり楽になります。 再生医療を検討する 人工関節の手術や長期間の入院をしないで痛みを和らげたい方は、再生医療を検討してみましょう。再生医療は、自身の治癒力を高める治療です。たとえば、膝の治療は以下のような流れで行われます。 採血で患者本人の幹細胞(ダメージを受けた細胞を補充する役割の細胞)を採取 増やした幹細胞を膝関節に注射する 軟骨や靭帯が修復される 痛みの根本から治療したいとお考えの方はご検討ください。 膝の腫れと突然の痛みに関するよくある質問 膝の腫れと、突然の痛みに関するよくある質問をまとめました。 膝の炎症を治す方法は? 膝がぷよぷよして腫れているのはなぜ? 不明な点を明らかにして、応急処置や受診の目安にしてください。 膝の炎症を治す方法は? 膝に痛みや腫れがある場合は炎症が起きていますので、氷のうやアイスパックなどで冷却します。 痛みが続く場合は医療機関の受診を検討しましょう。 膝がぷよぷよして腫れているのはなぜ? 膝がぷよぷよして腫れている原因は以下の通りです。 膝に水がたまっている 変形性膝関節症 関節リウマチ 痛風 また、膝にたまってしまった水は関節液と呼ばれる液体です。健康な状態の膝にも備わっていますが、関節液の量を調節する滑膜の不調により関節液が多くなってしまうことがあります。 膝が突然腫れて痛い原因まとめ 膝は骨や関節、靭帯、腱などの構造が不安定な部位であるため、普段の姿勢などちょっとしたことが原因で膝へ負担がかかり、炎症が起きて腫れや痛みが生じやすい部位です。 膝の腫れや痛みなどの治療を受けても改善されず、手術しかないのだろうかと思っている人には再生医療があります。治療法の選択肢として、再生医療も検討してみてはいかがでしょうか。 大阪リペアセルクリニックでは、厚生労働省に受理された再生能力が高い治療が可能です。変形性ひざ関節症、ひざ関節の骨壊死に対して高い治療効果が期待できます。 痛みの根本から病気を解決したい方はお気軽にお問い合わせください。
2019.04.24 -
- ひざ関節
膝の水の正体と水が溜る原因、考えられる病気の種類と治療方法を徹底解説 膝に起こる異変の一つとして、水が溜まるという現象があります。 膝の水が溜まってしまう原因は様々で、膝の水を検査することでどんな病態が隠れているのか知ることもできます。決して年齢が高いから膝に水が溜まるわけではなく、若年層でも膝に水が溜まるケースは考えられます。 そこで今回は、膝に水が溜まる原因と、完治までどのような経過をたどっていくのかご紹介していきます。 膝の水の正体と、水が溜まる原因 膝に水が溜まる原因は、関節内に炎症が起こるからです。炎症の原因は、まず一つに「靭帯損傷」や「半月板損傷」といった外傷で膝に水が溜まる場合、もう一つは、「変形性膝関節症」などの慢性的な症状によって膝に水が溜まる場合です。 膝関節の動きに重要なものに「関節液」があります。この関節液は、関節の動きがスムーズにする潤滑剤の役割をしています。よく耳にする「膝に水が溜まる」という言葉、実のところ、この関節液が正体なのです。 このように「膝の水」は、関節液なので誰の膝関節にも存在していて、問題はその量ということです。膝に水が溜まると言われる状態は、何らかの原因で関節液が増えてしまった状況です。 この膝関節内に溜まっている膝の水(関節液)は、純粋な水分というわけではなく、血液が混じっていたり、化膿して発生した物質が混ざったりすることがあります。 その膝に溜まっている水を注射で抜き、どんな成分が含まれているか検査をすることで、膝関節で起こっている病変を特定することにも役立ちます。 その成分が、「炎症成分であれば、関節炎が起きていることが分かり」、「血液であれば靭帯損傷などの軟部組織損傷」であることがわかるのです。 膝の水 関節液 ▲炎症成分 関節炎 ▲血液 靭帯損傷、軟部組織損傷 膝の水を抜くと癖になる?! 膝に水がたまると、「水を抜くと癖になる」という話。膝に溜まった水を抜くと、何度も繰り返すようになってしまうという噂ですが、これは正しい情報ではありません。 実際に、一度膝に溜まった水を抜き、その後も何度も処置をしなければならないケースはありますが、抜いたことで癖になっているのではありません。単純に、膝関節内での炎症が治まっていないから腫れが引かないだけなのです。 ですから、癖になるからと言って膝関節の水を抜くことをためらっている方もいらっしゃいますが、我慢する必要は全くないのです。むしろ、膝の水を放置しておくことで、悪影響が出ることもあります。 水を抜くと癖になる ✕(嘘) 炎症が収まっていないから溜る 〇(抜いたほうが良い) 抜くのを我慢する ✕(意味がないので抜いたほうが良い) 膝の水を放置する ✕(悪影響も) 膝の水を放置すると、どうなるか? 膝の水を放置すると膝関節にズレが出やすく悪影響となる恐れがあります。通常であれば関節包内で関節軟骨がスムーズな動作や衝撃吸収のシステムを作り出していますが、関節内に水が充満しているとそれらの機構が上手く機能しなくなるからです。 その結果、膝をかばった動作を行うことで膝周辺の筋肉に余計に負担をかけ、その周辺に異常な緊張が生まれ、膝関節の安定性をさらに低下させてしまいます。 膝の動作でズレが出るので、膝の水が引いたあとも再び関節炎を起こしやすくなり、膝に水が溜まる現象を繰り返すことになります。また、可動域制限がかかった膝をかばうことで、股関節や足関節の負担が増加し、新たな障害の可能性が増すだけです。 膝の水を放置することは、膝だけの問題であったものが二次的に他の関節にも痛みを生じさせることになってしまうのです。 膝にたまった水の放置 ▼膝関節のスムーズな動作を阻害 ▼膝をかばった動作となり、その他の関節に負担が出る ▼新たな障害の可能性が増える 膝にたまった水を放置してはいけません 膝の水は、完治するまで無くならない ここまでご紹介してきたように、「膝に溜った水は抜いても癖になりません。」むしろ「放置しておくことは逆効果」で、炎症が治まっていない限りは膝の水は発生し続けます。 膝に水が溜ることを完治させるためには、水が無くなるまで注射で抜き続けるのではなく、膝で炎症を起こしている根本的な原因を改善しなければなりません。その原因が解決されない限りは、膝の水が溜まる現象は完治することは無いのです。 水が溜る ▼水がなくなるまで抜く ✕ 水が溜る根本原因を改善する 〇 ▲水が溜らなくなる 水を抜く必要がなくなる 膝に水が溜まる病気の種類について 膝に水が溜まるという現象が起こり得る病態とは、どのようなものがあるでしょうか。 変形性膝関節症 変形性膝関節症とは、打撲や捻挫をしたわけでもないのに、慢性的な症状で膝に水を溜める大きな原因が「変形性膝関節症」です。特に50代以降で、「外傷の可能性が無いのに膝に水が溜まってきている」場合、高い確率で「変形性膝関節症」だと思ってください。 変形性膝関節症は関節の軟骨が摩耗により、大腿骨と脛骨の関節面が直接擦れ合うようになり、関節内で炎症を起こす病態です。膝関節に負担を蓄積することで、少しずつ関節が変形していきます。 一度変形が起きた骨は元に戻ることはなく、炎症を抑えるためには体の使い方を見直す必要があります。股関節の動かし方や膝関節の動かし方、さらには背骨のゆがみや骨盤のゆがみなど、全身のバランスから改善することが必要なる場合もあります。 変形性膝関節症による炎症が落ち着けば、膝の水も無くなっていくので、必ずしも水を抜く処置を受ける必要はありません。 関節リウマチ 関節リウマチとは、全身のどの関節でも起こる可能性がある炎症です。この炎症は、免疫機能が異常を起こし、健康な骨や筋肉を構成している細胞を攻撃してしまう病態で、関節内での炎症と変形が主な症状となります。 痛みもあるので関節の可動域も狭くなり、変形が起きればさらに関節が動かしにくくなります。そこから慢性的な膝関節炎を起こし、膝全体が腫れあがったような水のたまり方をすることもあります。 薬物療法や運動療法などで炎症が軽減されれば、膝の水は自然と吸収されていきます。 靭帯損傷 靭帯損傷は、膝を支える靭帯に大きな外的衝撃を受けた場合に起こる損傷です。中でも膝に腫れを起こしやすいのが、前十字靭帯の損傷です。前十字靭帯は、他の膝関節の靭帯である後十字靭帯や内側と外側の側副靭帯に比べて、血流量が多いという特徴があります。 そのため、損傷すると関節内に出血を起こしやすく、血腫が溜まるので外から見ると膝に水が溜まったように見えるかもしれません。関節内に存在しているという構造上、保存療法だけではしっかり靭帯が治癒しないことも多くあります。 この場合、膝の腫れに対して対処するというよりは、「前十字靭帯の再建術など外科的処置を受けることによって、膝の水も治まっていく」という過程をたどります。 しかし、前十字靭帯損傷後には後遺症として、膝関節の負担が大きくなったことで慢性的な膝関節炎に移行するということが考えられます。この場合、再び膝に水が溜まる可能性もああり、運動療法などで膝に負担をかけない動かし方を獲得していく必要があります。 半月板損傷 膝の半月板を損傷するのは、外傷など強力な一回の外力によって起こるものと、変形性膝関節症などゆっくりと時間をかけて少しずつ損傷していくものとがあります。 どちらにせよ、膝関節にかかる荷重の衝撃を吸収するクッション作用が弱まるので、膝関節内で炎症を起こすことになります。そこから膝に水が溜まるようになるため、膝の水を抜くことが根本的な改善策になるわけではありません。 結局、膝の負担が変わっていなければ、すぐに膝の水は再度溜まっていきます。また、外傷によって半月板損傷を起こしている場合、半月板だけの単独損傷である場合は少なく、周辺の靭帯や軟部組織損傷を伴っていることがほとんどです。 膝に水が溜まったとき、やってはいけないこと 膝に水がたまった場合、早く完治させるために気を付けなければならないポイントをご紹介します。 我慢しすぎない 前述したように、膝に溜まった水を抜くことで癖になることはありません。必ず外科的な処置によって抜かなければならないわけではありませんが、放置すると膝関節の安定性は低下してしまいます。 屈曲角度が著しく制限されている場合や、日常生活に大きく支障が出ている場合は、我慢せずに早めに整形外科などで相談してください。放置しすぎることによって、かばった体の使い方が定着してしまい、腰痛など二次的な不調を引き起こす可能性が高まります。 痛みを無理して動かす 膝に水が溜まっているということは、少なくとも何か膝に負担をかける要因があるわけです。炎症かもしれませんし、軟部組織損傷かもしれません。いずれにせよ、痛みがありながら無理して動かすことで、プラスに働くことは無いと思ってください。 むしろ、痛みを我慢しながら動かすことで、炎症を悪化させて関節の内圧をさらに高めてしまうこともあります。安静にすることもとても大切なケアなので、膝に水が溜まってきたら出来る限り安静にしてみてください。 それでも膝の水が完治しなければ、医療機関を早めに受診してください。 過剰に冷やす よく炎症が起きた時にはアイシングをすると良いという話を聞くことがあると思います。しかし、過剰に冷やすことは、かえって膝の炎症が完治するのを遅らせてしまうこともあります。 確かに冷やすことで感覚が鈍って、痛みを感じにくくなるかもしれません。しかし、常に冷やしていると血流も悪くなり、代謝が下がって膝の水が吸収されにくくなります。 結局のところ、組織を早期に治癒させるためには、豊富な血流が必要なので基本的には温めるべきです。例外としては、前十字靭帯損傷後に、血腫が大量に溜まっている場合くらいです。急性期の大きな外傷の場合は温めることはせず、安静にしてください。 膝に水が溜まった場合の対処について 膝に水が溜まった場合、完治させるためにはどのような対処法を行うべきでしょうか。 ストレッチをする 出来る限りでいいので、ストレッチなどで膝関節周辺にある筋肉の緊張を緩和させることが大切です。筋肉の緊張が緩和すれば、膝関節の動きもスムーズになって腫れも早く引きます。 膝の水は、抜かなくても自然と吸収されるので、その機能を最大限引き出すつもりでゆっくりストレッチをしてみてください。大腿部や下腿部のストレッチが有効です。 安静にして荷重を避ける 膝が炎症を起こしてしまうのは、荷重による異常がほとんどです。荷重の角度が悪かったり、荷重の頻度が高すぎたり、荷重が重すぎたりすることでダメージを蓄積していきます。 膝に水が溜まるくらいまで炎症が進んでいるようなら、安静にして荷重を避けるだけでも完治を早めることに繋がります。 サポーターなどの装具を使う 膝関節を保護するために、ただ巻くだけの簡易的なサポーターでも良いです。荷重を分散させてくれるような高価なサポーターももちろん良いですが、一時的な対処法であることは自覚しておいた方が良いでしょう。 サポーターを付けることで慢性的な症状に対して、冷えを防ぎ安定性を高めてくれます。実際に装着してみて、少しでも楽に過ごせるようなら使い続けてみてください。 その際には、四六時中サポーターを装着して生活するのではなく、寝るときは外すなどメリハリをつけることも大切です。特に慢性的な症状が原因で出ている膝の水であれば、根本的な体の使い方を見直さない限り完治には至りません。 整形外科で水を抜いてもらう 膝関節の水を抜けるのは、整形外科です。関節に針を刺して抜く方法で、対処してもらえます。膝に水が溜まっているから即座に抜くというわけではなく、生活への支障度合いなどを考慮して選択されます。 水を抜いて検査をしてみれば、実際に何が炎症の原因になっているか判断できるので、長期間続いている場合は早めに抜いてもらってみてください。 接骨院や整骨院にいく 接骨院や整骨院では、外科的処置ができないので、水を直接的に抜くことは出来ません。しかし、周りの筋肉の緊張を緩和させたり、運動療法を行うことによって膝のダメージを軽減させたりすることは出来ます。 その結果、自然と膝の水は吸収されていくので、可動域の制限度合いによっては真っ先に受診するのも良いでしょう。 膝の水は吸収されていく 膝に水が溜まるという現象は、あくまで関節内で炎症が起きていることのサインです。炎症が治まれば、周辺の組織に吸収されて無くなっていきます。膝の水を完治させるためには、なぜ炎症を起こしているのか原因を突き止め、根本を改善することが大切です。 お近くに再生医療やスポーツ医療についての専門医がいない方へ リペアセルクリニックは、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に提出し受理された厚生労働大臣許可医療機関です。当院では来院前でも「メール相談」を受付けています。どうぞ事前にご相談ください。 メール相談・お問い合わせフォームはコチラ 監修:リペアセルクリニック大阪院 膝の痛みに関連する記事はこちら 膝の痛みと腫れが突然出た!考えられる原因は? 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2019.04.23 -
- ひざ関節
- 変形性膝関節症
正座ができないほどの膝の痛みは、日常生活にも影響を及ぼします。正座ができなくなる原因としては、変形性膝関節症や靭帯損傷などの病態を患っている可能性が考えられます。 そこで本記事では、正座ができないときに考えられる病態のほか、簡単に実施できる対処法を紹介します。 日常生活でよく正座をする方や、急に正座ができなくなってしまった方はぜひ最後までご覧ください。 正座が痛くてできないときに考えられる病態 正座をすると痛いときは、どんな問題が起きているのか原因を探る必要があります。 正座のよる痛みはもちろん、正座をするとき以外にも膝や脚に痛みを感じる場合は、上記の病態を患っている可能性があります。 1.変形性膝関節症 膝をぶつけたり捻ったりしたわけでもないのに、正座をすると痛い、または正座がほとんど出来ない場合は変形性膝関節症を疑います。50代以降で正座の際に痛みが出る場合は、変形性膝関節症の可能性が高いです。 変形性膝関節症は、大腿骨の下端と脛骨の上端で構成される膝関節が、少しずつ潰れて変形してしまう病態です。骨の端を覆っている関節軟骨が、繰り返しの外力によって少しずつ摩耗し、損傷していきます。 関節軟骨が摩耗すると、体重がかかったときのクッション作用が上手く機能しません。骨自体が直接干渉して潰れてしまうのです。とくに膝関節の内側で変形が起こるケースが多く、変形性膝関節症が進行するとO脚になっていきます。 この状態で、膝を最大屈曲させるような正座の動作をすれば、関節内に異常な圧迫力がかかって痛みを伴います。さらに、変形性膝関節症の場合、通常の歩行時にも痛みを伴っているケースも多いです。 痛みが長期間続く場合は、膝関節周辺の軟部組織を損傷している可能性があります。いずれにせよ、変形性膝関節症がある状態で正座をするには、根気強いリハビリが必要になります。 2.靭帯損傷 膝の周辺には、関節内にある前十字靭帯と後十字靭帯、関節の内側にある内側側副靭帯、関節の外側にある外側側副靭帯の4つが存在しています。靭帯の損傷は、歩行時や正座をするときに痛みを感じます。 また、膝関節周辺の靭帯は、それぞれが強固な作りになっています。そのため、いずれかの靭帯が損傷した場合は、他の靭帯も一緒に損傷している可能性が高いです。 たとえば、前十字靭帯が損傷するほどの外力がかかっていれば、内側側副靭帯も一緒に損傷している頻度が高いのです。正座をすると膝の屈曲角度が鋭角になり、損傷している靭帯に牽引力がかかって痛みが出ます。 さらに、靭帯損傷によって膝が腫れていれば、正座の屈曲によって関節内の圧力が高まり痛みを感じます。くわえて、膝関節の靭帯損傷が起きている場合は関節軟骨の損傷を伴うケースも多いです。 靭帯を損傷している状態の正座はほぼ不可能と言えます。 3.関節軟骨損傷 膝関節にある関節軟骨は、内側半月と外側半月の2つです。それぞれ、三日月のようにC字状の形をしています。靭帯損傷を伴うほどの外力によって一回の衝撃で関節軟骨を損傷する場合もあれば、軽微な外力の積み重ねで少しずつ関節軟骨を摩耗していく場合もあります。 通常は関節軟骨によって、膝の曲げ・伸ばし動作をスムーズに行えます。さらに、ジャンプの着地時など、地面から伝わる衝撃を吸収するのも関節軟骨の役割です。 対して、関節軟骨が損傷していると、大腿骨の関節面と脛骨の関節面の間で滑りが悪くなります。そのため、膝関節を最大屈曲させる正座では、関節面でズレを起こして痛みを伴いやすくなるのです。 4.大腿四頭筋腱炎 太ももの前面にある大腿四頭筋を繰り返し使うことで疲労が蓄積し、大腿四頭筋腱炎に発展します。大腿四頭筋腱炎はジャンパーズニーとも呼ばれ、膝蓋骨の下から脛骨粗面まで続く膝蓋靭帯の炎症も起こします。 そのため、大腿四頭筋腱が位置している膝蓋骨の上部や、膝蓋靭帯がある膝蓋骨の下部でも痛みが生じます。バレーボールやバスケットボールなど、ジャンプを繰り返すスポーツにおいて発症しやすい病態です。 大腿四頭筋腱に微細な損傷を起こしているので、牽引力が加わり痛みを発生させます。膝を最大屈曲する正座では、大腿四頭筋の牽引力も強くなるので痛みを伴いやすいのです。 大腿四頭筋腱の炎症が治まれば、再び正座も問題なく行えるようになります。早期の治癒と再発予防を目指すなら、股関節や足関節の柔軟性を高めて膝関節にかかる負担を減らすことが大切です。 5.膝関節炎 膝関節が炎症を起こしていると、正座のときに痛みが出ます。関節軟骨の損傷や靭帯損傷の二次的な症状として現れる点が特徴です。 わかりやすい損傷以外にも、膝関節を動作させる筋肉に異常な緊張があると膝関節内で炎症を起こします。たとえば大腿四頭筋が異常な緊張を起こしていれば膝蓋骨が大腿骨の関節面に強く押し付けられる形になり、そのまま膝関節の曲げ伸ばし動作を繰り返すと摩擦が起きます。 摩擦で負ったダメージによって、膝蓋大腿関節で炎症を起こし、正座をすると痛い状況に陥るのです。他にも、大腿部外側の筋肉が異常な緊張を起こし、内転筋とのバランスが悪くなると膝関節内が炎症を起こします。 打撲などの外傷が無くても、足に合わない靴を履いていたり、足関節の動きが悪かったり、股関節の動きが悪かったりすれば大腿部外側の筋肉が硬くなります。 6.オスグッド オスグッドは10代特有の症状でもありますが、大腿四頭筋の牽引力によって脛骨粗面で炎症が起きる病態です。まだ骨が成長しきっていない年代の発症率が高く、サッカーやバスケットボールといったスポーツにおけるジャンプやダッシュの動作で大腿四頭筋が強く緊張すると起こりやすいです。 大腿四頭筋の筋力を発揮をするたびに停止部である脛骨粗面に強い牽引力が加わり、微細な損傷を起こしながら炎症していきます。その結果、正座をすると痛みが伴うのです。 オスグッドは一回の激しい外力で発症するのではなく、スポーツといった日々の活動における負担の蓄積が原因です。そのため、ストレッチで柔軟性を保ちつつ無理な動きを避け、普段から体に負担をかけない意識が大切です。また、普段から正座をする習慣があるとオスグッドの発生率は低くなります。 7.肉離れ 肉離れも正座ができない原因のひとつです。正座をすると損傷部位に圧力がかかるので、痛みが伴います。 また、直接的な原因だけでなく、肉離れによる痛みをかばって膝に負担をかけるのも痛みの原因です。下肢の後面で肉離れを起こすと、損傷部に牽引力が加わらないように膝を屈曲させた状態になります。 上記の状態が長期間続けば、下肢前面にある大腿四頭筋や前脛骨筋にも負担が蓄積されます。その結果、正座で屈曲する瞬間や、強く伸展する瞬間に痛みが生じてしまうのです。 正座が痛くてできないときの対処法 この項目では、正座が痛くてできないときの対処法を紹介します。症状の悪化を防ぐためにも、できるだけ早く対処することが大切です。 1.同じ姿勢を続けない 筋緊張が正座の痛みを助長しているケースがあります。長時間同じ姿勢をとった際、動き出しの動作で痛みを伴う点が特徴です。 長時間椅子に座っていた後に正座を試みると痛みが出るので、椅子に座っている段階から20分に1回は立つなどの対策が必要です。 どんな体勢だとしても、長時間同じ姿勢を続けるのは筋緊張を招きます。こまめに体勢を変えるようにしてください。 2.膝を温める 発症から時間が経過している場合は温めると膝の動きが良くなり、正座での痛みが軽減できるケースがあります。温めると血流が良くなるので、筋緊張が緩和されます。 筋緊張が緩和されれば、膝関節で起きる異常な摩擦や荷重が無くなり、正座もスムーズにできるようになるのです。お風呂に入った後に比較的楽に正座ができるのは温め効果による一例です。 3.ストレッチをする 大腿四頭筋のストレッチをすると、正座の際にかかる膝への負担を減らせます。正座は荷重をしながら膝を最大屈曲させるので、実は負担が大きい動作です。 まずは非荷重の状態で膝を屈曲しながらストレッチをして、徐々に荷重での屈曲に移行していきます。非荷重の状態で膝を屈曲した段階で痛みが出るなら、正座をすればほぼ間違いなく痛みは憎悪します。 まずは問題なく非荷重での屈曲が出来るようにして、その後正座に挑戦するという流れで改善していきましょう。 4.医療機関に相談する まずは正座による痛みの原因を特定させることが先決です。病態の有無を診断してもらうためにも医療機関を受診し相談しましょう。医療機関を受診することで、原因に対して的確なアプローチが可能となります。 「どうせ大したことはない」「そのうち治るだろう」といった慢心が症状の悪化を招きます。少しでも違和感を感じたら早期受診を心がけましょう。 痛みで正座できない場合はご相談ください! 正座ができない原因には、変形性膝関節症や靭帯損傷、炎症などが考えられます。 膝を温める、ストレッチをするなどの対処法で改善する場合もありますが、痛みが続く場合は早めに医療機関を受診することが大切です。 また、正座をするときに痛みを感じる方は、当院にご相談ください。 当院は、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に提出し受理された厚生労働大臣許可医療機関です。自身の細胞を用いる再生医療により、入院不要で膝の痛みや正座ができない症状の緩和を目指します。 来院予約のほか、メール相談も受け付けておりますので、ぜひご気軽にお問い合わせください。
2019.04.22 -
- ひざ関節
「しゃがむときに膝からポキポキ音がする」 「ポキポキ音は異常のサイン?」 膝の痛みはないものの、頻繁に音がなる現象に不安を抱いている方も多いことでしょう。結論、膝からポキポキ音がするときは、関節や筋肉の問題が潜んでいる可能性があります。 この記事では、膝の音が鳴るメカニズム、関連する疾患、そして症状への対処法を詳しく解説します。痛みを伴う場合はとくに注意が必要です。早めに医療機関を受診しましょう。 しゃがむと膝がポキポキとなる鳴る理由 膝を曲げたときにポキポキ音が鳴る理由は、以下の通りです。 膝関節内の気泡が破裂している 変形性膝関節症で関節間の骨同士が接触している 半月板が損傷している 靭帯が損傷している 膝を動かすと関節液の中で気泡が移動して破裂音が鳴る場合があります。気泡の破裂音の場合は、基本的に問題ありません。しかし、痛みを感じる場合は半月板や靭帯の損傷が考えられます。長期間の放置は症状を悪化させる可能性があるため注意が必要です。 痛くないけど膝が鳴るのは異常? 痛みを伴わずしゃがむと膝が鳴る場合は関節液の中で気泡が破裂しており、問題ないとされています。しかし、痛みがなくても変形性膝関節症の兆候として音が鳴っているかもしれません。 とくにミシミシとした音や、ジャリッとした音が鳴った場合は、半月板や軟骨に異常をきたしている可能性があります。 痛みの有無にかかわらず、膝に違和感を覚えたら医療機関を受診するよう心がけましょう。 しゃがむと膝が鳴る主な原因・疾患 しゃがむと膝が鳴る主な原因・疾患として、以下が考えられます。 膝の筋力が弱っている 変形性膝関節症 タナ障害 半月板損傷 腸脛靭帯炎 しゃがむと膝が鳴る主な原因・疾患についてそれぞれ詳しくみていきましょう。 膝の筋力が弱っている 外傷や病気がなくても、膝周辺の筋力低下が膝の痛みや音が鳴る原因になります。 膝を動かす筋肉には、大腿四頭筋やハムストリングス、縫工筋や半腱様筋などがあり、筋肉が弱ると、膝関節の動きにズレが生じやすくなります。 よって、膝の痛みや音がなるのは運動不足による筋力低下が原因かもしれません。筋力低下を防ぐためには、軽いウォーキングや自転車など、負担の少ない運動を継続的に行うことが大切です。 変形性膝関節症 変形性膝関節症は、長期間にわたり少しずつ膝関節が変形する疾患です。大きな衝撃で急に膝が動かなくなるわけではありませんが、以前は気にならなかった膝の曲げ伸ばし時の痛みや音が徐々に強まります。 初期段階:体重がかかった状態で膝を曲げる動作を行うとで痛みを感じる 進行後:非荷重の状態でも痛みを感じる タナ障害 タナ障害は、膝関節内の滑膜(タナ)が厚くなり、膝を曲げ伸ばしする際に膝蓋骨との摩擦が生じる障害です。とくに膝を深く曲げたときに痛みや引っかかり感が現れます。 タナ障害は、スポーツなどで膝を頻繁に使用する人に多く見られます。治療としては、休息・消炎鎮痛薬・ストレッチや筋力トレーニングなどのリハビリが有効です。 半月板損傷 半月板損傷は、膝を深く曲げたりひねったりした際に、膝関節内で半月板が損傷して発生します。半月板は衝撃吸収の役割を担っている組織です。 半月板の損傷によって膝の不安定感や痛みが生じ、しゃがんだときにポキポキという音が鳴る場合があります。半月板は衝撃吸収の役割を担っていますが、加齢やスポーツによる負荷が原因で劣化するケースもあります。 痛みが続く場合は、早期に医師の診断と適切なリハビリが必要です。 腸脛靭帯炎 腸脛靭帯炎はランナーズニーとも呼ばれる疾患です。 大殿筋から始まる腸脛靭帯が大腿骨外側を通り下腿まで伸びる中で、外側顆と摩擦が生じて発症します。腸脛靭帯炎になると、屈曲や伸展運動の際に腸脛靭帯と外側顆が擦れるので、当然膝を曲げると痛みが出ます。 腸脛靭帯炎になってしまう原因は、オーバーユース(使いすぎ)です。大殿筋や大腿部の筋肉に負担がかかるような長距離ランナーに多くみられます。 疼痛部を守ろうとするあまり、周りの筋肉は自然と硬くなります。その結果、膝関節が硬くなり、痛みにくわえて音が鳴るのです。 しゃがむと膝が鳴るときの対処法 しゃがむと膝がなるときの対処法は以下の通りです。 大腿四頭筋のストレッチをする 内転筋のトレーニングをする 足首をよく回す 整形外科で精査してもらう 接骨院で治療する すぐに実施できる方法を以下で詳しく紹介するので、できることから取り組んでみましょう。 大腿四頭筋のストレッチをする 膝を動かす筋肉の緊張は不調の原因になります。とくに大腿四頭筋の緊張が強まると、膝の障害リスクが高まります。対策として、大腿四頭筋のストレッチを日常的におこないましょう。 ストレッチでは、膝関節をしっかりと曲げるのがポイントです。また、股関節が曲がってしまうと効果が半減するので、股関節を伸ばしながら膝を曲げるように心がけましょう。 内転筋のトレーニングをする 日常生活の中で最も筋力が落ちやすい部位が内転筋です。膝の内側にある内転筋と、大殿筋などの股関節外転筋のバランスが崩れると、膝の安定性が低下します。筋力低下により、O脚や変形性膝関節症の進行リスクが高まります。 したがって、内転筋を意識したトレーニングを取り入れましょう。内転筋を鍛えると、膝関節の運動がスムーズになり、安定性が増して痛みが軽減していきます。 チューブを使うトレーニング ゴムチューブを足に巻き付けて、股関節の内転方向に力を入れる 椅子を使うトレーニング 座った状態で足を浮かせ、膝を前にまっすぐ伸ばす ※膝の内側にボールやクッションを挟むとより効果的 足首をよく回す お風呂上がりなどに足首を手で回すと、膝を曲げたときの痛みや音が軽減できます。 足首を定期的に回すことで足関節の曲げ伸ばしがスムーズになると同時に、歩行時の推進力が向上します。すると、間接的に膝への負担が軽減されるのです。 変形性膝関節症の進行や腸脛靭帯炎のリスクも抑えられるため、積極的に実施しておきたい対処法のひとつです。 整形外科で精査してもらう 原因不明の膝の痛みや音が非荷重時・歩行時に発生する場合は、整形外科を受診しましょう。 整形外科ではレントゲンやMRIを用いた診断が可能です。転倒や打撲の事実がないのに膝関節の腫れや屈曲時の音や痛みが続く場合は、変形性膝関節症が進行しているかもしれません。 原因を特定し、適切な治療を行うためにも、早めに専門医にみてもらいましょう。 接骨院で治療する 筋緊張の緩和や筋力強化を目的とした保存治療を受ける際は接骨院の通院が適しています。 薬物療法や画像診断はおこなえませんが、膝の痛みに対して専門的な治療が受けられます。また、症状を和らげるとともに、再発予防に関する指導もしてくれます。整形外科で痛みや音の原因を精査した後に、接骨院で治療を受けることも視野にいれてみましょう。 痛みを伴う膝の異常は専門医に相談しよう 膝を曲げたときの痛みは、原因に関係なく膝になんらかの異常が起きているサインです。痛みを放置すると手術が必要な症状に発展する可能性もあるため、早めに専門医へ相談しましょう。 音が鳴るだけであれば直ちに問題になるケースは多くありませんが、疾患の兆候の可能性も考えられます。日頃からストレッチや軽めのトレーニングを実施し、あらかじめ対処しておきましょう。 また、膝に関するお悩みは当院でも受け付けております。お気軽にお問い合わせください。
2019.04.21