- 変形性股関節症
変形性股関節症の症状|初期・進行期・末期ごとの症状やセルフチェック方法を解説

変形性股関節症は、初期は股関節の違和感や痛みが生じ、末期になると日常生活もままならないほどの痛みや関節の変形が見られます。
「変形性股関節症はどのような症状が出るのか」「初期から末期までの症状を知りたい」と思う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、変形性股関節症の症状を初期、進行期、末期の病期別に解説します。
また、変形性股関節症のお悩みを早く解消したい方は、再生医療による治療も選択肢の一つです。
\変形性股関節症に有効な再生医療とは/
再生医療は、すり減った関節軟骨にアプローチできる治療によって、すり減った関節軟骨の改善が期待できます。
【こんな方は再生医療をご検討ください】
- 変形性股関節症による痛みに悩まされている
- 変形性股関節症を手術せずに治療したい
- 現在の治療では目立った効果が出ていない
「手術しないと治らないと言われた」という方の症状も改善する可能性があるため、手術を避ける選択肢として、ぜひ検討してみてください。
以下の動画では、実際に当院リペアセルクリニックで再生医療を受け、変形性股関節症の症状が改善された患者さまの症例を紹介しています。
再生医療の治療法や症例については、当院リペアセルクリニックの公式LINEで発信しているので、併せてご覧ください。
目次
「変形性股関節症」とは
変形性股関節症は、股関節がすり減って骨が変形する疾患です。悪化すると、常に痛みが生じて日常生活に大きな影響を及ぼします。
以下では、変形性股関節症の症状や原因を解説します。
主な症状
変形性股関節症の主な症状は、以下のとおりです。
- 太ももの付け根が痛くなる
- 足の曲げ伸ばしが困難になる
- 階段の上り下りが辛くなる
- 運動時だけでなく安静時にも股関節に痛みが生じる
- 歩行が困難になる
変形性股関節症を治療せずに放置すると、症状が悪化して歩行が困難になる可能性があります。
足に痛みが生じたら、早期に治療を開始して症状の悪化を防止しましょう。
主な原因
変形性股関節症は、原因がはっきりしていない一次性と、原因がはっきりわかっている二次性に分類されます。
- 遺伝
- 使いすぎ
- 加齢
- 肥満
- 股関節に負担がかかる動作
一次性の場合、遺伝やオーバーユース、加齢などの可能性が考えられますが、はっきりと原因を特定できません。
- 先天異常(生まれつきの股関節の形状)
- 後天的な疾患
- 小児期の発育性股関節形成不全
二次性の変形性股関節症の場合、股関節の形成不全など原因が明らかです。
日本国内では、形成不全によって変形性股関節症を発症する方が80%※を占めます。女性の方が股関節形成不全の方が多い傾向にあります。
※参考:公益財団法人運動器の健康・日本協会「疾患ナビ」
変形性股関節症の症状【病期別】
変形性股関節症の症状について、病期別に解説します。
病期によって症状が大きく異なりますので、ご自身の症状をチェックしてください。
初期症状
変形性股関節症の主な初期症状は、以下のとおりです。
- 股関節の違和感、こわばり
- 長時間の立位、歩行の後に痛みが増強する
- 股関節の動きがスムーズにできない
- 股関節からゴキゴキ、ゴリゴリ音がする
変形性股関節症の初期は、寛骨臼と大腿骨頭の隙間がやや狭くなり、上記のような症状が見られます。
休むと痛みが落ち着くことが多く、自己判断で放置してしまうケースも少なくありません。
変形性股関節症は、早期に治療を開始することが重要なので、違和感がある方は早期に医療機関を受診しましょう。
進行期症状
変形性股関節症の主な進行期症状は、以下のとおりです。
- 安静時にも痛みがある
- 歩行時の痛みが強くなる
- 正座、しゃがむ、靴下を履くなどの動作が困難になる
変形性股関節症の進行期症状は、寛骨臼と大腿骨頭の隙間がさらに狭くなり、関節のすり減りも進行している状態です。
足の痛みが強くなり、足を引きずりながら歩くようになるケースもあります。
また、症状が進行すると、関節のすり減りによって左右の足の長さが変化する可能性があります。
末期症状
変形性股関節症の主な末期症状は、以下のとおりです。
- 可動域が制限される
- 足の付け根が伸びなくなる
- 歩行が困難になる
末期の変形性股関節症では、股関節の軟骨がほとんど失われ、骨が直接こすれ合うようになることで強い痛みを伴います。
関節の温存が困難な場合や高齢の患者さまの場合、人工股関節置換術が標準的な治療として推奨されます。
痛みで日常生活を送るのも困難になり、QOL(生活の質)が著しく低下する可能性があります。
変形性股関節症のセルフチェック方法
変形性股関節症の初期症状には大きな特徴があります。
ご自身の症状と比較し、変形性股関節症の可能性があるか確認してください。
股関節の違和感に注意
変形性股関節症をセルフチェックするには、股関節の違和感やだるさ、突っ張り感がないか確認しましょう。
とくに、立ち上がるときや歩き始めに股関節に違和感があるケースが多いです。
股関節がコキコキと音が鳴るケースも見られます。
痛みがない場合は放置してしまう方も多いですが、初期のうちに医師に相談して早期に治療を受けましょう。
初期の痛みの特徴
初期の変形性股関節症の痛みの特徴として、長時間歩行時の痛み、動き始めの痛みなどが挙げられます。
足の付け根が痛むケースが多いですが、太ももの前面・外側、お尻、膝への放散痛が生じることも多いです。
初期は鈍痛や軽い痛みですが、進行すると鋭い痛みや我慢できないほどの痛みになる可能性があります。
初期症状には特徴がありますが、一時的な症状のため見逃されやすいため、変形性股関節症が疑われる場合は医療機関を受診しましょう。
日常生活へのサインを確認
変形性股関節症には、以下のような日常生活へのサインがあります。
- 靴下を履くときに痛みがあって足を開けない
- 痛みが原因で正座ができない
- 階段の上り下りがつらい
- 股関節が痛くて寝返りできない
年齢が原因と考える方も多いですが、股関節に痛みがある場合は医療機関を受診しましょう。
手術や人工股関節を避けるためにも、適切な治療を受けることが大切です。
変形性股関節症の治療法
変形性股関節症に有効な治療法は、主に3つあります。
それぞれの治療法について詳しく解説します。
保存療法
保存療法では、主に以下の治療が行われます。
- 薬物療法
- 運動療法
- 温熱療法
薬物療法では、外用薬や湿布によって痛みを緩和することが目的です。軟骨の再生や変形の修復は困難なため、根治を目指す治療法としては効果が期待できません。
運動療法は、専門家の指導のもとで筋力トレーニングや訓練を行い、股関節周辺の筋肉を鍛えます。また、股関節への負担が軽い水中ウォーキングも効果が期待できます。
温熱療法は身体を温めることで、股関節周囲の血行を良くして痛みの緩和を目指す治療法です。
変形性股関節症の痛みによって日常生活に支障をきたしている場合は、リハビリテーションを行い、股関節の負担を軽減しましょう。
手術療法
手術療法は、主に2種類の手術が行われます。
- 骨切り術
- 人工股関節置換術
骨切り術は、自身の関節を残して大腿骨や股関節の一部を切除する手術法です。股関節の変形が初期で軟骨が残っている場合や、若年層の患者さまに適用されるケースが多いです。
関節の形を変えることで負担が軽減される可能性があります。
股関節の変形や軟骨のすり減りが進行している場合は、人工股関節置換術が行われる可能性があります。
人工股関節置換術を受けると痛みが改善され、股関節の動きがスムーズになったり歩行の安定性が向上します。術後はリハビリを十分に行えば、仕事やスポーツ活動への復帰が見込めます。
再生医療
再生医療は、患者さまから幹細胞を採取・培養し、数を増やした後に股関節に注射する治療法です。
すり減ってしまった関節軟骨の再生・修復により痛みの緩和が期待でき、変形性股関節症の根本的な治療につながる可能性があります。
手術や入院などもなく、早期に日常生活に戻れるため注目されている治療法です。
変形性股関節症の痛みにお悩みの方や人工股関節を避けたい方は、再生医療による治療を検討しましょう。
変形性股関節症の症状が現れたら早期治療が重要
変形性股関節症は初期の場合、一時的な症状が多いため放置してしまうケースが多いです。
チェックリストで該当項目がある方は、早めに医療機関を受診しましょう。
- 股関節からゴリゴリと音が鳴る
- 股関節の違和感、だるさを感じる
- 痛みが原因で足を開けない
- 股関節の痛みで正座ができない
- 靴下やズボンを履く際に痛みがある
- 階段の上り下りがつらい
- 長時間立っている、歩いていると太ももや足の付け根に痛みが生じる
軟骨のすり減りや骨の変形が進んでしまうと、手術を避けられなくなってしまう場合もあるため、早期の治療開始が望まれます。
変形性股関節症の症状にお悩みの方や人工関節置換術を回避したい方は、再生医療という選択肢もあります。
再生医療による治療は患者さま自身の血液や幹細胞を使用するため、アレルギーや拒絶反応などの副作用リスクが低く、股関節の痛みの軽減にも期待できます。
再生医療をご検討の方は、当院リペアセルクリニックへご相談ください。

監修者
岩井 俊賢
Toshinobu Iwai
医師
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